JP2000103878A - 化粧金属板用ポリエステルフィルム - Google Patents

化粧金属板用ポリエステルフィルム

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JP2000103878A
JP2000103878A JP27792798A JP27792798A JP2000103878A JP 2000103878 A JP2000103878 A JP 2000103878A JP 27792798 A JP27792798 A JP 27792798A JP 27792798 A JP27792798 A JP 27792798A JP 2000103878 A JP2000103878 A JP 2000103878A
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polyester
metal plate
decorative metal
polyester film
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JP27792798A
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English (en)
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Koji Furuya
幸治 古谷
Shinichi Kawai
伸一 河合
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Teijin Ltd
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性、耐溶剤性、耐汚染性、耐熱性、
意匠性及び表面性のすべてをバランスよく満足する化粧
金属板用ポリエステルフィルムを提供する。 【解決手段】 トリメチレンテレフタレート単位が全繰
り返し単位の80モル%以上であるポリエステルからな
る二軸配向フィルムであり、105℃、30分の縦方向
(MD)の熱収縮率が0%以上5%以下、横方向(T
D)の熱収縮率が0%以上3%以下であり、面配向係数
が0.030以上0.110以下であることを特徴とす
る化粧金属板用ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧金属板用ポリエ
ステルフィルムに関し、更に詳しくは優れた成形加工性
を示し、かつ耐溶剤性、耐汚染性、耐熱性、意匠性及び
表面性に優れた、家庭電化製品等の化粧金属板に有用な
化粧金属板用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】金属板に樹脂を被覆した化粧金属板は、
防錆性等が優れているため、従来から使用されている
が、特に鋼板等の金属板に塩化ビニル樹脂を被覆した化
粧鋼板(化粧金属板)は、建材類、家庭電化製品、乗り
物類等用として広く用いられている。
【0003】しかし、塩化ビニル樹脂を被覆した化粧鋼
板は、使用時間の経過とともに表面の塩化ビニル樹脂層
が紫外線や熱、水分等の影響により劣化したり、塩化ビ
ニル樹脂中の可塑剤が揮発して失われるため、表面特性
が著しく低下するとともに、甚だしい変色を呈する等の
欠点を有している。
【0004】この欠点を改良するために、被覆塩化ビニ
ル樹脂の上にアクリル樹脂層を塗設する方法(特開平3
−32834号公報)、アクリル樹脂系フィルムを積層
する方法(特開昭56−162649号公報)、或いは
フッ素樹脂塗料を塗設する方法(特開昭63−2930
48号公報)等が提案されている。
【0005】また、塩化ビニル樹脂の代わりにポリオレ
フィン樹脂を用いる方法(特開昭63−159028号
公報)も提案されている。
【0006】しかし、アクリル樹脂層を塗設する方法や
アクリル樹脂系フィルムを積層する方法ではアクリル樹
脂の耐溶剤性が劣る欠点があり、フッ素樹脂を用いた場
合は樹脂としての特性は優れるものの高価で経済的でな
い欠点がある。またポリオレフィン樹脂を用いる方法は
ポリオレフィン樹脂の耐熱性が劣る等の欠点がある。
【0007】そこで、塩化ビニル樹脂の代わりに耐溶剤
性、耐汚染性、耐熱性、経済性及び表面性の特性に優れ
ている二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを
金属板に積層することが考えられる。しかし、このポリ
エチレンテレフタレートフィルムは、その剛性が強いた
め、成形加工性に劣るという欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
用いられてきた化粧金属板用樹脂の上記欠点を解消し、
成形加工性、耐溶剤性、耐汚染性、耐熱性、意匠性及び
表面性のすべてをバランスよく満足する化粧金属板用ポ
リエステルフィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の如
き欠点のない化粧金属板用ポリエステルフィルムを開発
すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
【0010】すなわち、本発明は、トリメチレンテレフ
タレート単位が全繰り返し単位の80モル%以上である
ポリエステルからなる二軸配向フィルムであり、105
℃、30分の縦方向(MD)の熱収縮率が0%以上5%
以下、横方向(TD)の熱収縮率が0%以上3%以下で
あり、面配向係数が0.030以上0.110以下であ
ることを特徴とする化粧金属板用ポリエステルフィルム
である。
【0011】[ポリトリメチレンテレフタレート]本発明
におけるポリトリメチレンテレフタレートはテレフタル
酸を主たる酸成分とし、1,3−プロパンジオールを主
たるグリコール成分とするポリエステルである。このポ
リトリメチレンテレフタレートにはトリメチレンテレフ
タレート単位を全繰返し単位とするホモポリマー或いは
全繰り返し単位の少なくとも80mol%、好ましくは
90mol%がトリメチレンテレフタレートであるコポ
リマーが好ましく用いられる。トリメチレンテレフタレ
ートの繰り返し単位が80モル%未満では結晶性を失
い、機械的強度などポリトリメチレンテレフタレートが
本来有する特性が悪化し、製膜性が低下する。
【0012】コポリマーである場合は、主たる成分のト
リメチレンテレフタレート以外のコポリマーを構成する
共重合成分としては、分子内に2つのエステル形成性官
能基を有する化合物を用いることができる。かかる化合
物として例えば、蓚酸、アジピン酸、フタル酸、セバシ
ン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデカンジカ
ルボン酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’
−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,4’−ジフェ
ノキシエタンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボ
ン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
テトラリンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、ジフ
ェニルエーテルジカルボン酸等の如きジカルボン酸、p
−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等の如
きオキシカルボン酸、或いはエチレングリコール、テト
ラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘ
キサメチレングリコール、シクロヘキサンメチレングリ
コール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールスル
ホンのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物、ジエチレングリコール、ポ
リエチレンオキシドグリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等の如き2価アルコール類等を好ましく用いる
ことができる。
【0013】これらの化合物は1種のみでなく2種以上
を同時に用いることができる。またこれらの中で、酸成
分としてはイソフタル酸、4,4’−ジフェニルジカル
ボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、 p−オキシ
安息香酸、グリコール成分としてはエチレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコ
ール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ビスフェノールスルホンのエチレンオキサイド付
加物を用いることが好ましい。
【0014】また、前記ポリトリメチレンテレフタレー
トは、例えば安息香酸、メトキシポリアルキレングリコ
ールなどの一官能性化合物によって末端の水酸基および
/またはカルボキシル基の一部または全部を封鎖したも
のであってもよく、或いは例えば極く少量のグリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の如き三官能以上のエステ
ル形成性化合物で実質的に線状のポリマーが得られる範
囲内で共重合したものであってもよい。
【0015】更に本発明におけるポリトリメチレンテレ
フタレートフィルムは主たる成分のポリトリメチレンテ
レフタレートのほかに、有機高分子を混合した混合体か
らなっていても良い。かかる有機高分子としてポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポ
リブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレ
(イソ)テレフタレート、ポリエチレン−4,4’−テ
トラメチレンジフェニルジカルボキシレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリエ
チレン−2,7−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ
トリメチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、
ポリネオペンチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート、ポリ(ビス(4−エチレンオキシフェニル)ス
ルホン)−2,6−ナフタレンジカルボキシレート等を
挙げることができ、これらの中でポリエチレンイソフタ
レート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリヘキサメチレンテレ(イソ)フタレ
ート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシ
レート、ポリトリメチレン−2,6−ナフタレンジカル
ボキシレート、ポリブチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレート、ポリ(ビス(4−エチレンオキシフェ
ニル)スルホン)−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
ートが好ましい。
【0016】これらの有機高分子は1種のみならず2種
以上を、ポリトリメチレンテレフタレートフィルムにお
いて、高分子の繰返し単位で20mol%相当、好まし
くは10mol%相当まで、ポリトリメチレンテレフタ
レートと共に混合した混合体となるように使用できる。
混合体の混合量が上記範囲を超えると結晶性が低下し、
機械強度や成形性等、ポリトリメチレンテレフタレート
が本来有する特性が悪化するため好ましくない。なお、
かかる混合体の製造は一般に知られたポリエステル組成
物の製造方法によって実施できる。
【0017】本発明におけるポリトリメチレンテレフタ
レートは従来公知の方法で、例えばテレフタル酸と1,
3−プロパンジオールの反応で直接低重合度ポリエステ
ルを得る方法や、テレフタル酸の低級アルキルエステル
と1,3−プロパンジオールとを従来公知のエステル交
換触媒である、例えばナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム、チタン、ジ
ルコニウム、マンガン、コバルトを含む化合物の1種ま
たは2種以上を用いて反応させた後、重合触媒の存在下
で重合させてことで製造することができる。重合触媒と
しては三酸化アンチモン、五酸化アンチモンのようなア
ンチモン化合物、二酸化ゲルマニウムで代表されるよう
なゲルマニウム化合物、テトラエチルチタネート、テト
ラプロピルチタネート、テトラフェニルチタネートまた
はこれらの部分加水分解物、蓚酸チタニルアンモニウ
ム、蓚酸チタニルカリウム、チタントリスアセチルアセ
トネートのようなチタン化合物が挙げられる。
【0018】なお、ポリエステルは溶融重合後これをチ
ップ化し、加熱減圧下または窒素などの不活性気流中に
おいて固相重合することもできる。
【0019】[添加剤]本発明のポリエステルフィルム
には添加剤、例えば滑剤、安定剤、難燃剤等を含有させ
ることができる。フィルムの製造時、加工時、使用時の
走行性やハンドリング性を向上させる目的でフィルムに
滑り性を付与するために無機粒子、有機粒子、架橋高分
子粒子などの不活性微粒子を少割合含有させることは好
ましいことである。
【0020】無機粒子としては特に限定されないが炭酸
カルシウム、多孔質シリカ、真球状シリカ、カオリン、
タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ
素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム等
が挙げることができ、これらの中では球状シリカ、多孔
質シリカが特に好ましい。
【0021】有機塩粒子としては、蓚酸カルシウムやカ
ルシウム、バリウム、亜鉛、マンガン、マグネシウム等
のテレフタル酸塩などが挙げられる。
【0022】架橋高分子粒子としては、ジビニルベンゼ
ン、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸
もしくはメタクリル酸のビニル系モノマの単独または共
重合体等が挙げられ、この他、ポリテトラフルオロエチ
レン、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化
エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素
樹脂、熱硬化性フェノール樹脂などの有機微粒子も用い
られる。これらの中では架橋シリコーン樹脂粒子が好ま
しい。
【0023】ポリエステル中の不活性微粒子の粒径や添
加量は、フィルム製造工程における巻き取り性やフィル
ムを取り扱う時のハンドリング性等によって決めるとよ
い。これら不活性微粒子の粒子径は平均粒径が0.01
μm以上5μm以下であることが好ましく、さらに好ま
しくは0.05μm以上4μm以下であり、0.1μm
以上3μm以下が特に好ましい。また、添加量は0.0
1重量%以上4重量%以下であることが好ましく、より
好ましくは0.02重量%以上3.0重量%以下であ
り、0.04重量%以上2.5重量%以下が特に好まし
い。一般に粒径の大なるものは少量、小なるものは多量
添加するのが好ましい。また、意図的に滑剤の含有量を
調整することにより、フィルムを不透明化することもで
きる。例えば二酸化チタンを10〜15重量%添加する
ことにより、白色フィルムとすることができる。
【0024】フィルムに添加する不活性微粒子は上記に
例示した中から選ばれた単一成分でもよく、二成分ある
いは三成分以上を含む多成分でもよい。
【0025】上記不活性粒子は、ポリエステルの重縮合
反応の際に添加する方法、或いはフィルムの製膜の際に
ポリエステルに添加する方法により、ポリエステルに配
合することができる。
【0026】本発明のポリエステルフィルムは、顔料、
紫外線吸収剤、離型剤、易滑剤、難燃剤、帯電防止剤、
ポリシロキサン等を配合することができる。
【0027】[ポリエステルフィルム]本発明における
ポリエステルフィルムは、一般に化粧金属板用フィルム
として使用される厚さを有していれば良く、5〜150
μm、好ましくは5〜125μm、特に好ましくは10
〜100μmの厚さである。また厚み斑は12%以下が
好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が特に
好ましい。
【0028】本発明におけるポリエステルフィルムは、
従来から知られている方法で製造することができる。例
えば、乾燥したポリエステルを周知の押出装置を用いて
溶融し、溶融したポリエステルをシート状に押出し、回
転冷却ドラム上で急冷固化して得られた未延伸シートを
二軸方向に延伸して二軸延伸フィルムとする方法が挙げ
られる。
【0029】この延伸方法としては逐次二軸延伸法や同
時二軸延伸法を用いることができるが、後述の塗工工程
の作業性から逐次二軸延伸法が好ましい。逐次二軸延伸
法での延伸条件としては、前記未延伸シートを40〜9
0℃で縦方向に赤外線加熱式縦延伸機で1.5〜6倍延
伸する。ロール加熱式縦延伸機を用いてもよいが、フィ
ルム表面にすり傷等の欠点が発生し易いので赤外線加熱
式の方が好ましい。縦延伸後さらにステンター内で40
〜90℃で横方向に1.5〜6倍延伸し、60〜210
℃で1〜100秒間熱処理を行うことで所望のポリエス
テルフィルムを得ることができる。該熱処理工程におい
て、クリップレールの間隔を下流側が狭まるように調整
し、フィルムの幅方向に弛緩処理することは、横方向の
熱収縮率を小さくする手段として有効である。
【0030】また、上述した縦方向および/または横方
向の延伸を複数段階に分割する多段延伸を用いてもよ
い。
【0031】もちろん、本発明のポリエステルフィルム
の製膜工程中で他のフィルムと共押出し法や押出ラミネ
ート法によってラミネートしてもよいし、製膜後、接着
剤などでラミネートしてもよい。
【0032】[固有粘度(IV)]本発明におけるポリ
エステルフィルムの固有粘度IVは0.40dl/g以
上0.90dl/g以下であり、更に好ましくは0.4
3〜0.85dl/g、特に好ましくは0.45〜0.
080dl/gである。IVが0.40未満ではフィル
ムが脆くなり、成形加工時のひび割れの原因となる。一
方、IVが0.90を超える場合は、原料ポリマーの固
有粘度を高くすることが必要であり、重合段階での生産
性が低下し、場合によっては既存の重合設備では対応で
きないこともあり、コストが上昇する。
【0033】[熱収縮率]本発明における二軸配向ポリ
エステルフィルムは、105℃で30分間加熱保持した
ときの縦方向(MD)の熱収縮率が0%以上5%以下、
横方向(TD)の熱収縮率が0%以上3%以下の範囲に
あるものである。MDの熱収縮率は1〜5%が好まし
く、1.5〜4.5%が特に好ましい。TDの熱収縮率
は0.5〜3%が好ましく、0.5〜2.5%が特に好
ましい。
【0034】MD及び/またはTDの熱収縮率が0%未
満(すなわち伸長する)であると、ポリエステルフィル
ムと金属板との貼合わせに際し、フィルムの平面性が保
ち難く、貼合わせ後フィルムにゆず肌状の凹凸が発生し
易くなり、好ましくない。また、MDの熱収縮率が5%
を、及び/またはTDの熱収縮率が3%を超えると、フ
ィルム表面に縮みしわ模様が発生したり、フィルム表面
が艶の無いくすんだ状態となり、好ましくない。
【0035】[面配向係数(ns)]本発明のポリエス
テルフィルムの面配向係数nsは0.030以上0.1
10以下であることを要する。より好ましい範囲は0.
030以上0.100以下であり、0.035以上0.
095以下であることが特に好ましい。面配向係数ns
が0.030未満ではフィルムとしての耐熱性が不足
し、金属板との貼り合わせ時の熱収縮が大きくなり、皺
の発生の原因になる。一方nsが0.110を超えると
フィルムの腰が強くなりすぎ、成形性が悪くなる。
【0036】[表面粗さ(Ra)]本発明のポリエステ
ルフィルムの表面粗さRaは、5nm以上500nm以
下であり、より好ましくは5〜400nm、特に好まし
くは10〜350nmである。このRaが5nm未満で
はフィルムのハンドリング性が悪く、ブロッキングを起
こし易く、表面欠点が発生する。一方500nmを超え
ると、添加滑剤粒子の粒径を大きくし、添加量を多くせ
ねばならず、フィルム生産時の切断が多発し、生産性が
低下する。
【0037】[ヤング率]本発明のポリエステルフィル
ムのヤング率は縦方向(MD)、横方向(TD)ともに
110kg/mm2以上550kg/mm2以下が好まし
く、150kg/mm2以上500kg/mm2以下が更
に好ましく、180kg/ mm2以上450kg/mm
2以下であることが特に好ましい。ヤング率が110k
g/mm2未満ではフィルムの剛性が低く、ピンホール
が発生し易くなる。また、550kg/mm2を超える
と剛性が高すぎ、加工性が悪くなる。
【0038】[密度]本発明のポリエステルフィルムの
密度は1.315g/cm3以上1.365g/cm3
下である。密度が1.365g/cm3を超えると、フ
ィルムの靭性が低下し、加工性が悪くなる。また、1.
315g/cm3未満では機械的強度が不足する。
【0039】[化粧金属板]本発明のポリエステルフィ
ルムを貼り合わせる金属板としては、例えば鋼、鉄、ア
ルミニウム、ブリキ、ステンレス等といった一般に金属
板と呼ばれる板である。
【0040】本発明における化粧金属板は、本発明のポ
リエステルフィルムを金属板に積層せしめて得られる化
粧金属板であり、少なくとも片面に印刷層を設けたポリ
エステルフィルムを用いることが好ましい。この印刷層
はポリエステルフィルムの金属板との積層面に設けるこ
とが好ましい。
【0041】また、本発明のポリエステルフィルムの片
面に印刷を施し、接着剤を用いてポリ塩化ビニルフィル
ムを基材として貼り合わせて積層体とし、該積層体のポ
リ塩化ビニルフィルム面に接着剤を用いて金属板に貼り
合わせて得られる化粧金属板は耐久性が優れたものであ
るため特に好ましい。
【0042】本発明においてポリ塩化ビニルとしては、
従来から化粧金属板に用いられているポリ塩化ビニルを
用いることができ、例えばポリ塩化ビニル、或いは塩化
ビニル及びこれと共重合し得る他のモノマー(例えば、
酢酸ビニル、アクリル酸エステル等)の共重合体を例示
できる。
【0043】化粧金属板の印刷インクに用いる樹脂とし
ては、ポリエステルフィルムに対して良好な接着性を有
するアクリル系樹脂、ゴム系樹脂、エポキシ系樹脂、ウ
レタン系樹脂、アミノ系樹脂もしくはポリエステル系樹
脂の1種あるいは2種以上を含むものであることが好ま
しい。印刷インクに添加する顔料としては、通常インク
の顔料として使用される無機顔料、有機顔料、金属の粉
末の1種又は2種以上を用いることができる。
【0044】また、化粧金属板の接着剤としては、例え
ば、ポリウレタン系、フェノール系、フラン系、尿素
系、メラミン系、ポリエステル系、エポキシ系、シリコ
ーン系等の熱硬化性樹脂、酢酸ビニル、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、及びその部分加水分解物、エチレン−
アクリル酸共重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド等の
熱可塑性樹脂、ブタジエン−アクリロニトリルゴム、ネ
オプレン、その他ゴム誘導体、その他二カワ、カゼイ
ン、天然樹脂、アラビアゴム等の1種又は2種以上を主
成分とする接着剤を挙げることができる。
【0045】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。尚、本発明における種々の物性値及び特性は下記の
方法により測定した。
【0046】(1)トリメチレンテレフタレートの成分
量(主成分モル比、共重合成分モル比)の算出 フィルムサンプルを測定溶媒(CDCl3:CF3COO
D=1:1)に溶解後、1H−NMR測定を行い、得ら
れた各シグナルの積分比をもって算出する。
【0047】(2)熱収縮率 105℃に設定された恒温室の中にあらかじめ正確な長
さを測定したフィルムを入れ、30分保持した後取り出
し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取る。熱処
理前の長さL0と熱処理後の長さLより、次式により熱
収縮率を求める。
【0048】
【数1】 熱収縮率=(L0−L)×100/L0(%)
【0049】(3)面配向係数ns アッベの屈折計の接眼側に偏光板アナライザーを取リ付
け、マウント液にヨウ化メチレンを用い、測定温度25
℃にて単色光NaD線でフィルムの縦方向屈折率(nM
D)、横方向屈折率(nTD)および厚さ方向屈折率(n
z)を測定し、下記式によリ面配向係数nsを求めた。
【0050】
【数2】 ns=[(nMD+nTD)/2]−nz
【0051】(4)ヤング率 試料幅10mm、長さ150mmに切り、チヤック間1
00mmにして引張速度10mm/分、チャート速度5
00mm/分でインストロンタイプの万能引張試験装置
で引張る。MD、TD両方向の測定を行い、得られた荷
重−伸び曲線の立上部の接線よりヤング率を算出する。
【0052】(5)密度 硝酸カルシウム水溶液を用いた密度勾配管で、25℃で
の浮沈法により測定する。
【0053】(6)表面粗さ(中心線表面粗さRa) フィルムの表裏両画を表面粗さ計(東京精密(株)サー
フコム111A)で測定し平均値を算出して表面粗さと
する。
【0054】(7)固有粘度(IV) フィルムをオルトクロロフェノールに溶解し、オストワ
ルド粘度計を用いて求める。
【0055】(8)実用特性 実施例1〜6、比較例1〜6で得られた計12種類のフィ
ルムを、エステル系接着剤を用いて100μmの塩化ビ
ニール樹脂フィルムと貼り合わせて二層積層フィルムと
し、次いでこれを約200℃に加熱した板厚0.5mm
の亜鉛メッキ鋼板の片面にエポキシ系接着剤を用いて貼
り合わせ、鏡面ロールでミラーエンボス処理、続いて冷
却し化粧金属板を得る。この化粧金属板について以下の
観察を行い、各々下記の基準で評価する。
【0056】(a)縮みシワ ◎:貼り合わせ後のフィルム表面にシワが見られない。
艶がある。 ○:貼り合わせ後のフィルム表面にシワが見られない。
艶が幾分少ない。 △:貼り合わせ後のフィルム表面に若干シワが見られ
る。 ×:貼り合わせ後のフィルム表面にシワが見られる。 また、加工性については、以下の方法で評価する。
【0057】(b)加工性 JISK5400に基づきエリクセン値の破断距離法に
より評価した。エリクセン試験機を用いて、フィルム被
覆化粧金属板の金属板側から鋼球を押し出して、試験片
を変形させたときにフィルムに割れ及びはがれを生じる
までの押し出し距離を測定する。 ○:押し出し距離が12mm以上であり、加工性が良
好。 ×:押し出し距離が12mm未満であり、加工性が悪
い。
【0058】(c)加工性外観 ○:フィルムに異常なく加工され、フィルムに白化、破
断が認められない。 ×:加工後のフィルムに白化、破断または柚肌が認めら
れる。
【0059】[実施例1]テレフタル酸ジメチル100
重量部と1,3−プロパンジオール60重量部およびテ
トラブチルチタネート0.08重量部を使用し、エステ
ル交換反応を行った。次いで滑剤として平均粒径1.2
μmの球状シリカ粒子をポリマー当り0.1重量%にな
るように添加して、高真空下で重縮合反応を行い、固有
粘度が0.65dl/gのポリトリメチレンテレフタレ
ートを得た。
【0060】このポリトリメチレンテレフタレートを回
転冷却ドラム上にシート状に溶融押出して未延伸シート
を得、この未延伸シートを機械軸方向(縦方向)に3.
4倍延伸して一軸延伸フィルムとした。次いで横方向に
3.4倍延伸し、更に150℃で熱固定しながら幅方向
に2%弛緩処理して厚み25μmの二軸配向フィルムを
得た。このフィルムの特性を表1に示す。表1より明ら
かなように実施例1のフィルムは全ての要求特性を満足
するものであった。
【0061】[実施例2〜6]表1に示す条件で、実施
例1に準じて厚み25μmの二軸配向フィルムを得た。
これらのフィルムの特性を表1に示す。表1より明らか
なように実施例2〜6のフィルムは全ての要求特性を満
足するものであった。
【0062】[比較例1]テレフタル酸ジメチル100
重量部、エチレングリコール60重量部、酢酸マンガン
0.038重量部及び三酸化アンチモン0.041重量
部を使用してエステル交換反応を行った。ついで、トリ
メチルホスフェート0.097部および平均粒径1.2
μmの球状シリカを含有量がポリマー当り0.1重量%
になるように添加して、高真空下で重縮合反応を行い固
有粘度が0.64dl/gであるポリエチレンテレフタ
レートを得た。その後、実施例1と同様に表1の条件で
製膜し、厚みが25μmの二軸配向フィルムを得た。得
られた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。柔軟性が
不足であり、加工性が不良であった。
【0063】[比較例2〜6]表1に示す条件により製
膜し、厚みが25μmの二軸配向フィルムを得た。得ら
れた二軸配向フィルムの特性を表1に示す。各例は本発
明の要件を満たしていないので、何らかの欠点が認めら
れる。
【0064】
【表1】
【0065】
【発明の効果】本発明の化粧金属板用ポリエステルフィ
ルムは、金属板と貼り合わせた後、成形加工するにあた
り、加工性及び表面性に優れたものであり、化粧金属板
用ポリエステルフィルムとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 67:02 Fターム(参考) 4F071 AA45 AA67 AE17 AF20Y AF61Y AH12 BA01 BB06 BB08 BC01 BC02 BC10 BC11 BC16 BC17 4F210 AA24C AB17 AE01 AG01 QC06 QG01 QG18 QW12 4J029 AA03 AB05 AC01 AC02 AD01 AD10 AE03 BA02 BA03 BA04 BA05 BA10 BD07A BF25 BF26 CA01 CA02 CA03 CA04 CA05 CA06 CB04A CB05A CB06A CB10A CC05A CC06A CD03 CD05 CD07 CF08 CH02 DB13 EB05A FB07 FB12 FC03 FC08 HA01 HB01 HB03A JA063 JA091 JA093 JA123 JA203 JA263 JA283 JA293 JB131 JB171 JB173 JE053 JE063 JE083 JE093 JE143 JE153 JE163 JE182 JE193 JE223 JF023 JF031 JF041 JF131 JF133 JF141 JF143 JF151 JF163 JF181 JF223 JF321 JF323 JF331 JF333 JF361 JF471 JF541 JF571 KE02 KE03 KE05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリメチレンテレフタレート単位が全繰
    り返し単位の80モル%以上であるポリエステルからな
    る二軸配向フィルムであり、105℃で30分間保持し
    てときの縦方向(MD)の熱収縮率が0%以上5%以
    下、横方向(TD)の熱収縮率が0%以上3%以下であ
    り、面配向係数が0.030以上0.110以下である
    ことを特徴とする化粧金属板用ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 フィルムのヤング率が縦方向(MD)、
    横方向(TD)ともに110kg/mm2以上550k
    g/mm2以下である請求項1に記載の化粧金属板用ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 フィルムの密度が1.315g/cm3
    以上1.365g/cm3以下であり、固有粘度が0.
    40dl/g以上0.90dl/g以下である請求項1
    または2に記載の化粧金属板用ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 フィルムの表面粗さ(Ra)が5nm以
    上500nm以下である請求項1〜3のいずれかに記載
    の化粧金属板用ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 金属板の片面に請求項1〜4のいずれか
    に記載のポリエステルフィルムを積層した化粧金属板。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002326319A (ja) * 2001-05-02 2002-11-12 Dainippon Printing Co Ltd 熱硬化性樹脂化粧材
JP2005343986A (ja) * 2004-06-02 2005-12-15 Toray Ind Inc プリントラミネート用ポリエステルフィルム
WO2020090552A1 (ja) * 2018-10-31 2020-05-07 Jfeスチール株式会社 金属板被覆用フィルム及び樹脂被覆金属板

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