JP2001341659A - ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置 - Google Patents

ダンパーバルブ及びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置

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JP2001341659A
JP2001341659A JP2000162047A JP2000162047A JP2001341659A JP 2001341659 A JP2001341659 A JP 2001341659A JP 2000162047 A JP2000162047 A JP 2000162047A JP 2000162047 A JP2000162047 A JP 2000162047A JP 2001341659 A JP2001341659 A JP 2001341659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁体の倒れ等の発生を防ぐことができ、安定
した性能を確保することができるダンパーバルブ及びそ
れを用いた油圧式パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 ダンパーバルブ20は、油圧ポンプ7側
に接続される一端部21a、及び油圧シリンダ(油圧ア
クチュエータ)6側に接続される他端部21bを有する
筒状のケーシング21と、ケーシング21内でスプリン
グ23によって上記他端部21b側に付勢され、かつ移
動可能に配置した筒状の弁体22とを備える。油圧シリ
ンダ6から油圧ポンプ7に流れようとする作動油の圧力
がスプリング23の付勢力よりも小さい場合、弁体22
により作動油の流通を阻止する。上記の作動油の圧力が
スプリング23の付勢力よりも大きい場合、その作動油
の圧力によって弁体22をケーシング21の内周面21
dにガイドさせた状態で油路に沿って移動させて、内周
面21dに形成した切り欠き部21cを通して作動油の
流通を許容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
搭載され、油圧ポンプと油圧アクチュエータとの間の油
圧回路に設けられるダンパーバルブ及びそれを用いた油
圧式パワーステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の舵取装置として、油圧に
よって操舵力を補助する油圧式パワーステアリング装置
が多用されている。この油圧式パワーステアリング装置
は、油圧ポンプから吐出される作動油を、油圧シリンダ
や油圧モータ等の油圧アクチュエータに供給することに
より、操舵補助力を出力するものであり、前記油圧ポン
プと油圧アクチュエータとの間には、操舵方向及び操舵
抵抗に応じて油圧アクチュエータへの作動油の供給を制
御する油圧コントロールバルブを介在している。詳細に
は、油圧コントロールバルブが、ドライバーによるステ
アリングホイールの操舵に応じて、例えば油圧シリンダ
内に設けられた左右いずれか一方の油室に作動油を供給
して操舵補助力を発生し、ステアリングホイールの回転
操作をアシストする。
【0003】この種の油圧式パワーステアリング装置に
おいては、操舵系の部品精度等に起因して走行中に駆動
輪が過剰に振動し、この振動が例えば油圧シリンダのシ
リンダロッドを介してステアリングホイールに伝達され
るいわゆるシミー現象が生じることがある。このような
シミー現象を抑制するために、例えば油圧コントロール
バルブ内に逆止弁を設けて油圧シリンダを封止した状態
とすることにより、当該油圧シリンダを前記の振動に対
するダンパーとして機能させることが知られている。し
かしながら、上記のように油圧シリンダをダンパーとし
て機能させた場合、特に危険回避等のために急転舵を行
った際、そのステアリングホイールの転舵と反対側の油
室から油圧コントロールバルブに戻ろうとする作動油の
流れが逆止弁によって妨げられ操舵補助力が低下して、
ステアリングホイールが異常に重くなるなどの不具合を
発生するという問題点があった。
【0004】上記のような問題点を解決しようとした従
来の油圧式パワーステアリング装置には、例えば実公平
2−49109号公報に開示されたものがある。この従
来の油圧式パワーステアリング装置は、図6に示すダン
パーバルブ50を油圧コントロールバルブと油圧シリン
ダの左右の油室を個別に接続する油圧回路に介在してい
る。ダンパーバルブ50は、同図において、ケーシング
51、そのケーシング51に螺着されたキャップ52、
及び上記ケーシング51とキャップ52との間に介装さ
れた管継手53を備えている。ケーシング51は、油圧
シリンダとしてのステアリングダンパ本体56のハウジ
ング57に固着されたものであり、その内部には油室5
1aがキャップ52との間に形成されている。この油室
51aは、キャップ52内に設けられたポート52aを
介して管継手53内の通孔53aと連通している。ま
た、ケーシング51の下端にはポート51bが穿設され
て、ポート57bを介してハウジング57内の油室57
aに連通している。また、管継手53には、上記油圧コ
ントロールバルブに接続されるパイプ58が連結されて
いる。
【0005】上記ケーシング51の油室51aには、油
圧コントロールバルブから油圧シリンダ側への作動油の
流れを許容するチェック弁54と、油圧シリンダから油
圧コントロールバルブ側への作動油の流れを、所定の抵
抗を有して許容する絞りチェック弁55とが収容されて
いる。チェック弁54は、スチールボール54aと、そ
のスチールボール54aを上方、すなわちキャップ52
に向けて付勢するスプリング54bとで構成されてい
る。絞りチェック弁55は、上記スチールボール54a
と対向してこれを当接させる弁体55aと、この弁体5
5aを下方、すなわちハウジング57に向けて付勢する
スプリング55bとで構成されている。弁体55aは、
その中央ポート55cがスプリング54bで付勢された
スチールボール54aによって閉塞されるとともに、そ
の下端面が上記スプリング55bによってケーシング5
1の内底部上面に密着させられている。つまり、上記弁
体55aを付勢するスプリング55bの付勢力はスチー
ルボール54aを付勢するスプリング54bのものより
大きいものが選定され、さらにスプリング55bは上記
所定の抵抗を生じるように弁体55aを予め設定された
初期荷重で付勢するものが選択されている。
【0006】上記のように構成された従来の油圧式パワ
ーステアリング装置では、駆動輪の振動によってハウジ
ング57内のシリンダロッド(図示せず)が左右に急激
に移動しようとすると、その移動量に応じた微量な作動
油が前記チェック弁54及び絞りチェック弁55を通過
するのが阻止されることによって、シミー現象を生じる
のが防止される。また、ドライバーが急転舵を行った場
合では、絞りチェック弁55が油圧コントロールバルブ
に戻ろうとする作動油の圧力によって上記初期荷重に抗
して開くことにより、その逆向きの作動油の流れを許容
するので、ステアリングホイールが異常に重くなるなど
の不具合の発生が防止される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の油圧式パワーステアリング装置では、ダン
パーバルブ50の弁体55aが作動油の圧力でスプリン
グ54bに抗してキャップ52側に押し上げられると
き、当該弁体55aはスプリング54bにのみ支持され
ているだけである。このため、弁体55aは、上方に対
して上記作動油の圧力とスプリング54bの付勢力との
バランスだけでキャップ52側への移動位置が決まるよ
うに動作するので、当該弁体55aは非常に不安定な状
態となり、最悪の場合、弁体55aが上記油室51a内
で倒れて復帰不能な状態となるおそれがあった。
【0008】上記のような従来の問題点に鑑み、本発明
は、弁体の倒れ等の発生を防ぐことができ、安定した性
能を確保することができるダンパーバルブ及びそれを用
いた油圧式パワーステアリング装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、油圧ポンプと
前記油圧ポンプから供給される作動油によって動作する
油圧アクチュエータとの間の油圧回路に設けられるダン
パーバルブであって、前記油圧ポンプ側に接続される一
端部、前記油圧アクチュエータ側に接続される他端部、
及び前記一端部から他端部に向かって所定寸法で内周面
を切り欠くことにより形成された切り欠き部を有する筒
状のケーシングと、前記ケーシング内でその内周面にガ
イドされた状態で油路に沿って移動可能に配置され、内
部に弁座を有する筒状の弁体と、前記ケーシングの内部
に配置され、前記ケーシングの他端部側に前記弁体を付
勢し前記ケーシングの他端部に前記弁体の端部を密接さ
せるスプリングと、前記弁体の内部に油路に沿って移動
可能に配置され、その弁体の弁座に密接するボールと、
前記ボールが前記油圧ポンプからの作動油の圧力によっ
て前記弁体の弁座から離れた状態で、前記油圧ポンプか
らの作動油を前記ケーシングの一端部から前記弁体の内
部を経て前記ケーシングの他端部に導く主通路と、前記
弁体が前記油圧アクチュエータからの作動油の圧力によ
って前記スプリングに抗して前記ケーシングの一端部側
に移動し、かつ前記切り欠き部との間に隙間を生じた状
態で、前記油圧アクチュエータからの作動油を前記ケー
シングの他端部から前記切り欠き部を経て前記ケーシン
グの一端部に導く副通路とを備えることを特徴としてい
る(請求項1)。
【0010】また、この発明の油圧式パワーステアリン
グ装置は、油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給され
る作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュエ
ータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間に
介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対する
作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバル
ブとを備える油圧式パワーステアリング装置であって、
前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチ
ュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1記載の
ダンパーバルブを設けていることを特徴としている(請
求項2)。
【0011】上記のように構成されたダンパーバルブ及
び油圧式パワーステアリング装置によれば、作動油が油
圧ポンプから油圧アクチュエータに向かって流れる場合
には、その作動油の圧力によってボールが弁体の弁座か
ら離れて、上記主通路を通してその作動油の流通が許容
される。また、作動油が油圧アクチュエータから油圧ポ
ンプに向かって流れる場合には、その作動油の圧力によ
って弁体がケーシングの内周面にガイドされた状態で油
路に沿ってケーシングの一端部側に移動し、かつ切り欠
き部との間に隙間を生じて、上記副通路を通してその作
動油の流通が許容される。このように、作動油が油圧ポ
ンプ側へ逆流する場合、弁体がケーシングの内周面にガ
イドされた状態で移動するので、当該弁体の倒れ等の発
生を防ぐことができ、安定した性能を確保することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のダンパーバルブ及
びそれを用いた油圧式パワーステアリング装置の好まし
い実施形態について、図面を参照しながら説明する。図
1は、本発明の一実施形態における油圧式パワーステア
リング装置Aの構成を示す概略図である。図2は、図1
に示した油圧式パワーステアリング装置Aの油圧回路を
示す説明図である。図1において、本実施形態の油圧式
パワーステアリング装置Aは、図示しないステアリング
ホイールに連結される入力軸Sと、この入力軸Sの回転
に伴って回転するピニオン1と、このピニオン1に噛み
合うラック軸2と、このラック軸2を覆うハウジング5
と、このハウジング5の内部に設けられた油圧アクチュ
エータとしての油圧シリンダ6と、この油圧シリンダ6
に作動油を供給する油圧ポンプ7と、前記ステアリング
ホイールに連動して油圧シリンダ6に対する作動油の給
排を制御する油圧コントロールバルブ8とによって主要
部が構成されている。
【0013】前記ラック軸2の両端部は、ハウジング5
の両端開口部5a,5bから突出しており、その突出端
には、ボールジョイント10,11が一体化されてい
る。各ボールジョイント10,11には、タイロッド1
2,13が取り付けられており、このタイロッド12,
13を介して前記ラック軸2の両端部が操舵輪に連結さ
れている。したがって、前記ステアリングホイールの回
転操作により、入力軸Sを介してピニオン1を回転さ
せ、ラック軸2を軸方向(車幅方向)へ移動させて、車
両の操舵を行うことができる。
【0014】前記油圧シリンダ6は、ハウジング5によ
って構成されたシリンダチューブ6aと、ラック軸2で
構成されたピストンロッド6bと、ラック軸2に一体化
されたピストン6cとからなり、このピストン6cを挟
んだ両側空間が、第1油室6d及び第2油室6eとして
構成されている。
【0015】油圧コントロールバルブ8は、ロータリー
バルブによって構成されており、そのバルブハウジング
8aには、入力ポート8b、リターンポート8c、第1
出力ポート8d及び第2出力ポート8eがそれぞれ突出
形成されている。前記入力ポート8bは、第1油圧配管
P1を介して前記油圧ポンプ7の出力ポート7aに接続
されており、リターンポート8cは、第2油圧配管P2
を介してリザーブタンクTに接続されている。また、第
1出力ポート8dは、管体としての第3油圧配管P3を
介して油圧シリンダ6の第1油室6dに接続されてお
り、第2出力ポート8eは、管体としての第4油圧配管
P4を介して油圧シリンダ6の第2油室6eに接続され
ている。この油圧コントロールバルブ8は、操舵方向と
操舵抵抗に応じて、各油室6d,6eの何れか一方に操
舵力補助用の作動油を供給すると同時に、他方の油室か
ら作動油をリザーブタンクTに還流させる。
【0016】前記第3油圧配管P3及び第4油圧配管P
4は、それぞれ金属管4によって構成されており、これ
らの各配管の途中部分にはこの発明のダンパーバルブ2
0が管継手14a、14bを介して取り付けられてい
る。ダンパーバルブ20は、図2に示すように、油圧コ
ントロールバルブ8から油圧シリンダ6側への作動油の
流れを許容するチェック弁20aとしての機能と、それ
とは逆向きの作動油の流れを、所定の抵抗を有して許容
する絞りチェック弁20bとしての機能とを含んだもの
である。尚、上記の説明では、ダンパーバルブ20を管
継手14a、14bを介して第3油圧配管P3及び第4
油圧配管P4の途中部分に取り付ける構成を説明した
が、本発明の実施形態はこれに限定されるものではな
く、油圧コントロールバルブ8の出力ポート8d、8e
と油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)6との間の油圧
回路の所定部に設ける構成であればよい。具体的には、
油圧シリンダ6の第1油室6dに連通する第1入力ポー
ト6f及び第2油室6eに連通する第2入力ポート6g
の内部、または油圧コントロールバルブ8の第1出力ポ
ート8d及び第2出力ポート8eの内部にダンパーバル
ブ20を設ける構成でもよい。
【0017】ここで、上記ダンパーバルブ20につい
て、図3(a)を参照して具体的に説明する。図3
(a)は、図1に示したダンパーバルブ20の具体的な
構成を示す拡大断面図である。図3(a)において、ダ
ンパーバルブ20は、当該ダンパーバルブ20の外容器
としての筒状のケーシング21と、このケーシング21
の内部に配置された筒状の弁体22及びこの弁体22を
付勢するスプリング23とを備えている。さらに、ダン
パーバルブ20には、上記弁体22内に収納されたボー
ル24及び当該ボール24を付勢する予圧バネ25が設
けられている。尚、同図に示すダンパーバルブ20で
は、スプリング23で付勢された弁体22の端部の外周
面がケーシング21の内周面に密接してケーシング21
の内部を閉塞した状態であり、さらに予圧バネ25で付
勢されたボール24が弁体22に密接して弁体22の内
部を閉塞した状態であり、作動油の流れを許容していな
い状態である。また、ダンパーバルブ20では、ボール
24及び弁体22がそれぞれ作動油の圧力によって弁体
22の内部及びケーシング21の内部を移動することに
より、後述の主通路26及び副通路27が当該ダンパー
バルブ20内でそれぞれ開放されて、作動油の流通を許
容する。
【0018】上記ケーシング21は、管継手14a及び
金属管4を介して油圧ポンプ7側に接続される一端部2
1a、管継手14b及び金属管4を介して油圧シリンダ
6側に接続される他端部21b、及び一端部21aから
他端部21bに向かって所定寸法で内周面21dを切り
欠くことにより形成された切り欠き部21cを有してい
る。また、このケーシング21の内部には、作動油を一
端部21aから弁体22の内部を経て他端部21bに導
く主通路26と、作動油を他端部21bから上記切り欠
き部21cを経て一端部21aに導く副通路27とが形
成されている。
【0019】上記一端部21aは、ねじ止めされたリン
グ状のキャップ21eで構成され、そのキャップ21e
の中心部分は作動油を通す通孔21e1として構成され
ている。他端部21bは、リング状に形成され、その中
心部分は作動油を通す通孔21b1として構成されてい
る。上記通孔21e1及び21b1には、それぞれ管継
手14a及び14bが例えばねじ止めされている。尚、
この説明以外に、管継手14a及び14bを一端部21
a及び他端部21bにそれぞれ溶接により固定してもよ
い。
【0020】また、他端部21bには、図3の(c)に
示すように、例えば周方向に沿って等間隔に配置された
4つの突出片21b2が設けられている。これらの突出
片21b2は、弁体22の端面(図において下端面)と
接して、スプリング23によって他端部21b側に付勢
された弁体22を受け止めている。また、切り欠き部2
1cは、当該ケーシング21の軸方向と直角な方向での
断面形状が例えば扇形形状に形成されたものであり、油
圧シリンダ6から油圧コントロールバルブ8に向かって
流れる作動油の流通を許容する副通路27の一部分を構
成する。さらに、切り欠き部21cの他端部21b側の
端部は、図3(a)に示すようにテーパ状に形成されて
いる。尚、上記切り欠き部21cでは、その扇形形状の
中心角を180度未満とすることにより、弁体22が当
該切り欠き部21cに倒れ込んでくることを防止してい
る。
【0021】弁体22は、ケーシング21内でその内周
面21dに沿って移動可能に配置されたものであり、円
筒状の一端部分22a及びリング状の他端部分22bの
それぞれの中心部分は、作動油を通す通孔22a1及び
22b1として構成されている。一端部分22aでは、
その通孔22a1の内側開口の周囲部分は弁座21cと
して構成されている。この弁座21cは、上記通孔22
a1がボール24によって塞がれるように、その一部が
ボール24の球面形状に一致した形状に形成されてい
る。また、一端部分22aと他端部分22bとの間にお
いては、ボール24の直径よりも大きい内径寸法をもつ
部分が形成されており、これにより図3(b)に示すよ
うに、ボール24と弁体22の内周面との間に作動油の
流通を許容する隙間が形成されている。また、他端部分
22bの内側表面とボール24との間には、予圧バネ2
5が弾性収縮させた状態で介在してある。このように、
予圧バネ25を弁体22の内部に張り詰めることによ
り、予圧バネ25と弁体22を付勢するスプリング23
とが互いに付勢力を打ち消し合うのを阻止することがで
きるので、これらのスプリング23及び予圧バネ25の
各バネ圧の設定を容易に行える。
【0022】上記ボール24は、弁体22の弁座22c
に密接するものであり、弁体22の内部に油路に沿って
移動可能に配置されている。このボール24は、図4に
示すように、油圧コントロールバルブ8から油圧シリン
ダ6側に流れようとする作動油の圧力により、予圧バネ
25に抗して他端部分22b側に押圧移動される。これ
により、当該ダンパーバルブ20内では、主通路26が
開放されて、その作動油は同図の矢印Fに示すように、
ケーシング21の一端部21a、弁体22の内部、及び
ケーシング21の他端部21bを順次通過する。その結
果、油圧ポンプ7からの作動油がステアリングホイール
の操舵方向側の油室に供給されて、そのステアリングホ
イールの回転操作をアシストすることができる。
【0023】スプリング23は、ケーシング21の他端
部21b側に弁体22を付勢しケーシング21の他端部
21bに弁体22の他端部分22bを密接させるもので
あり、油圧シリンダ6から油圧ポンプ7側へ逆流しよう
とする作動油の圧力に応じて伸縮するように、ケーシン
グ21の一端部21aの内側表面と、弁体22の途中に
設けられた段部との間に弾性収縮させた状態で介在して
ある。つまり、このスプリング23は、上述の作動油の
圧力が所定値未満である場合、ケーシング21と弁体2
2との密接状態を維持して油圧ポンプ7側への作動油の
流通を阻止する。これにより、油圧シリンダ6を封止し
た状態として、前述のシミー現象やキックバック現象な
どの車両の部品精度等や走行環境に起因する外乱の影響
を抑制することができる。
【0024】一方、上記作動油の圧力が所定値以上であ
る場合、例えば危険回避等のためにステアリングホイー
ルが急転舵されて、作動油がステアリングホイールの転
舵と反対側の油室から油圧コントロールバルブ8に戻ろ
うとする場合、スプリング23はその作動油の圧力によ
ってケーシング21の一端部21a側に押圧されて、そ
の作動油の流れを許容する。具体的には、作動油の圧力
がスプリング23の付勢力に打ち勝って、図5に示すよ
うに、弁体22をケーシング21の内周面21dに沿っ
て一端部21a側に移動させて切り欠き部21cとの間
に隙間を生じさせる。これにより、当該ダンパーバルブ
20内では、副通路27が開放されて、その作動油は同
図の矢印IFに示すように、ケーシング21の他端部2
1b、切り欠き部21c、及び一端部21aを順次通過
する。その結果、油圧コントロールバルブ8に戻ろうと
する作動油の流れを許容して、操舵補助力の低下を防い
でステアリングホイールが異常に重くなるなどの不具合
の発生を防止することができる。
【0025】上記のように構成されたダンパーバルブ2
0及び油圧式パワーステアリング装置Aによれば、一方
向への操舵に伴って作動油が例えば油圧コントロールバ
ルブ8の第2出力ポート8eから第4油圧配管P4を通
して油圧シリンダ6の第2油室6eに向かって流れよう
とすると、その第4油圧配管P4に介在したダンパーバ
ルブ20において、弁体22の内部に配置されたボール
24が、図4に示したように、作動油によって押圧され
予圧バネ25に抗して弁体22の他端部分22b側に移
動する。これにより、作動油はダンパーバルブ20内の
主通路26を通って第2油室6eに流れて、ラック軸2
が図1において左方向に移動し操舵補助力が出力され
る。
【0026】このとき、第3油圧配管P3に介在したダ
ンパーバルブ20においては、作動油は油圧シリンダ6
の第1油室6dから油圧コントロールバルブ8に向かっ
て流れようとする。この作動油の圧力がスプリング23
の付勢力よりも小さい場合、弁体22はスプリング23
によってケーシング21に密接された状態が維持され
て、当該ダンパーバルブ20はその作動油の流通を阻止
する。一方、作動油の圧力が上記の付勢力よりも大きい
場合、弁体22が、図5に示したように、スプリング2
3に抗してケーシング21の一端部21a側に押圧移動
されて切り欠き部21cとの間に隙間を生じる。これに
より、作動油は抵抗を生じることなくダンパーバルブ2
0内の副通路27を通って油圧コントロールバルブ8に
戻りステアリングホイールの操舵に違和感が生じること
を防止する。また、弁体22をケーシング21の内周面
21dにガイドされて油路に沿って移動可能に配置して
いるので、弁体22が油圧シリンダ6からの作動油の圧
力によって一端部21a側に移動される場合でも、当該
弁体22の倒れ等の発生を防ぐことができ、安定した性
能を確保することができる。
【0027】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、油圧ア
クチュエータ側から油圧ポンプ側への逆向きに流れる作
動油の圧力が所定値以上である場合、弁体はその圧力に
よってケーシングの内周面にガイドされた状態で油路に
沿って移動する。このように、弁体の移動がケーシング
の内周面でガイドされながら行われるので、当該弁体の
倒れ等の発生を防ぐことができ、安定した性能を確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における油圧式パワーステ
アリング装置Aの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示した油圧式パワーステアリング装置A
での油圧回路を示す説明図である。
【図3】(a)は図1に示したダンパーバルブ20の具
体的な構成を示す拡大断面図であり、(b)は(a)の
IIIb−IIIb線における断面図であり、(c)は(a)
のIIIc−IIIc線における断面図である。
【図4】作動油が主通路26を流れる場合でのダンパー
バルブ20の動作を示す説明図である。
【図5】作動油が副通路27を流れる場合でのダンパー
バルブ20の動作を示す説明図である。
【図6】従来の油圧式パワーステアリング装置のダンパ
ーバルブを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピニオン 2 ラック軸 4 金属管(管体) 5 ハウジング 6 油圧シリンダ(油圧アクチュエータ) 6f 第1入力ポート 6g 第2入力ポート 7 油圧ポンプ 8 油圧コントロールバルブ 8d 第1出力ポート 8e 第2出力ポート 20 ダンパーバルブ 21 ケーシング 21a 一端部 21b 他端部 21c 切り欠き部 21d 内周面 22 弁体 22a 一端部分 22b 他端部分 23 スプリング 24 ボール 25 予圧バネ 26 主通路 27 副通路 A 油圧式パワーステアリング装置 S 入力軸 P3 第3油圧配管 P4 第4油圧配管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油圧ポンプと前記油圧ポンプから供給され
    る作動油によって動作する油圧アクチュエータとの間の
    油圧回路に設けられるダンパーバルブであって、 前記油圧ポンプ側に接続される一端部、前記油圧アクチ
    ュエータ側に接続される他端部、及び前記一端部から他
    端部に向かって所定寸法で内周面を切り欠くことにより
    形成された切り欠き部を有する筒状のケーシングと、 前記ケーシング内でその内周面にガイドされた状態で油
    路に沿って移動可能に配置され、内部に弁座を有する筒
    状の弁体と、 前記ケーシングの内部に配置され、前記ケーシングの他
    端部側に前記弁体を付勢し前記ケーシングの他端部に前
    記弁体の端部を密接させるスプリングと、 前記弁体の内部に油路に沿って移動可能に配置され、そ
    の弁体の弁座に密接するボールと、 前記ボールが前記油圧ポンプからの作動油の圧力によっ
    て前記弁体の弁座から離れた状態で、前記油圧ポンプか
    らの作動油を前記ケーシングの一端部から前記弁体の内
    部を経て前記ケーシングの他端部に導く主通路と、 前記弁体が前記油圧アクチュエータからの作動油の圧力
    によって前記スプリングに抗して前記ケーシングの一端
    部側に移動し、かつ前記切り欠き部との間に隙間を生じ
    た状態で、前記油圧アクチュエータからの作動油を前記
    ケーシングの他端部から前記切り欠き部を経て前記ケー
    シングの一端部に導く副通路とを備えることを特徴とす
    るダンパーバルブ。
  2. 【請求項2】油圧ポンプと、この油圧ポンプから供給さ
    れる作動油によって操舵補助力を出力する油圧アクチュ
    エータと、前記油圧アクチュエータと油圧ポンプとの間
    に介在し、操舵に応じて前記油圧アクチュエータに対す
    る作動油の給排をコントロールする油圧コントロールバ
    ルブとを備える油圧式パワーステアリング装置であっ
    て、 前記油圧コントロールバルブの出力ポートと油圧アクチ
    ュエータとの間の油圧回路の所定部に、請求項1記載の
    ダンパーバルブを設けていることを特徴とする油圧式パ
    ワーステアリング装置。
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