JP2001336157A - スラスト型傾斜法面構造 - Google Patents

スラスト型傾斜法面構造

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JP2001336157A
JP2001336157A JP2000159716A JP2000159716A JP2001336157A JP 2001336157 A JP2001336157 A JP 2001336157A JP 2000159716 A JP2000159716 A JP 2000159716A JP 2000159716 A JP2000159716 A JP 2000159716A JP 2001336157 A JP2001336157 A JP 2001336157A
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slope
frame
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thrust
cage
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JP2000159716A
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English (en)
Inventor
Masayuki Matsuoka
政幸 松岡
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Sumitomo Metal Steel Products Inc
Original Assignee
Sumitomo Metal Steel Products Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜型カゴ枠の種類を増やさずに、任意の大
きな傾斜角度をもつ実質平坦な傾斜法面を形成する。 【解決手段】 前面が鉛直線に対して後方へ傾斜した傾
斜型カゴ枠10を、その前面が形成する正規の傾斜法面
に対して上段のカゴ枠ほど後方へ大きくスラストするよ
うに積み上げる。正規の傾斜法面の傾斜角度θより大き
い傾斜角度αの傾斜法面30が形成される。スラスト量
の変更により、傾斜法面30の傾斜角度αが任意に調節
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、擁壁や堰堤等に用
いられる傾斜法面構造に関する。
【0002】
【従来の技術】擁壁や堰堤に用いられる傾斜法面構造と
してカゴ枠を使用するものがある。この法面構造は、図
3に示すように、直方体状のカゴ枠1,1・・を、割栗
石2を詰めながら階段状に積み上げることにより、所定
の傾斜角度αの傾斜法面3を形成するものである。カゴ
枠を使用する傾斜法面構造は、コンクリートによるもの
と比べて施工が簡単であるだけでなく、アルカリの流出
といった環境問題が殆どなく、環境保護の点からも注目
を集めている。
【0003】また最近では、図4に示すように、前面が
鉛直線に対して後方へ傾斜した傾斜型カゴ枠1′を使用
する傾斜法面構造も提案されている。この傾斜法面構造
では、各段の傾斜型カゴ枠1′の前面を同一平面内に位
置させることにより、所定の傾斜角度αの傾斜法面3が
形成される。形成される傾斜法面3の傾斜角度αは、傾
斜型カゴ枠1′の前面の傾斜角度θと同一である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の傾斜法面構造で
は、形成される傾斜法面3が平坦面にならずに階段状に
なるという景観上の大きな問題がある。これに対し、後
者の傾斜法面構造では、形成される傾斜法面3が違和感
のない平坦面になる。
【0005】しかし、傾斜法面3に要求される傾斜角度
αは様々であるので、その要求に答えるためには、前面
の傾斜角度θが異なる多種多様な傾斜型カゴ枠を容易す
る必要があり、カゴ枠の製造コストひいては施工コスト
が増大することになる。
【0006】そればかりか、傾斜型カゴ枠内に充填され
た割栗石2を転圧する際に、前面の傾斜角度θが大きい
と、その下方に大きな死角ができ、前面の裏側での転圧
が困難となる。このため、前面の傾斜角度θは5分勾配
(1:0.5)が限界、好ましくは3分勾配(1:0.
3)以下とされており、これより大きな傾斜角度θのも
のは、傾斜型カゴ枠では施工が困難とされている。
【0007】本発明の目的は、傾斜型カゴ枠の種類を増
やさず、またカゴ枠内に充填される割栗石等の転圧に支
障を来すこともなく、任意の大きな傾斜角度をもつ実質
平坦な傾斜法面を形成できるスラスト型傾斜法面構造を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のスラスト型傾斜法面構造は、前面が鉛直線
に対して後方へ傾斜した傾斜型カゴ枠を、その前面が形
成する正規の傾斜法面に対して上段のかご枠ほど後方へ
大きくスラストするように積み上げることにより、正規
の傾斜法面より傾斜角度の大きい傾斜法面を形成するも
のである。
【0009】本発明のスラスト型傾斜法面構造では、傾
斜型カゴ枠を後方へスラストさせて配置することによ
り、前面の傾斜角度が異なるカゴ枠を用いずとも、任意
の傾斜角度の傾斜法面が形成される。しかも、その傾斜
法面は、カゴ枠の前面が形成する正規の傾斜法面より大
きく傾斜するので、大きな傾斜角度を確保できる。更
に、大きな傾斜角度の場合も、カゴ枠自体の前面傾斜角
度は小さく抑制されるので、カゴ枠内に充填される割栗
石等に対して問題のない転圧が可能となる。更に又、形
成される傾斜法面の段差が僅かで目立たないので、見か
け上は実質平坦な傾斜法面が形成され、植生シート等を
用いて緑化型とすれば、段差が一層目立たなくなるの
で、傾斜型カゴ枠を用いた従来の傾斜法面構造と変わら
ない雰囲気の傾斜法面が得られる。
【0010】傾斜型カゴ枠の前面の傾斜角度は、支障の
ない転圧を行うために5分勾配以下が好ましく、3分勾
配以下が特に好ましい。その傾斜角度の下限について
は、1分勾配以上が好ましい。この傾斜角度が極端に小
さいと、傾斜法面の傾斜角度を大きくしたときに段差が
顕著となる。
【0011】本発明のスラスト型傾斜法面構造に用いら
れる傾斜型カゴ枠の具体的な構造は特に問わない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好ましい実施形態
を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態に
係るスラスト型傾斜法面構造を示す擁壁の縦断側面図、
図2は同スラスト型傾斜法面構造に使用された傾斜型カ
ゴ枠の斜視図である。
【0013】本実施形態に係るスラスト型傾斜法面構造
は、例えば擁壁の構築に使用される。この擁壁は、図1
に示すように、多数の傾斜型カゴ枠10,10・・を複
数段に積み上げることにより構築されている。
【0014】各傾斜型カゴ枠10は、図2に示すよう
に、前面枠10Aと後面枠10Bを組み合わせた構造に
なっている。前面枠10Aは、溶接金網11Aを折り曲
げることにより全体としてL形に形成されており、その
前面は底面に直角な面に対して後方へ所定の角度、ここ
では3分勾配(1:0.3)で傾斜している。
【0015】L形に折り曲げられた溶接金網11Aは、
L形に形成された3本の縦材12A,12A,12A及
び1本の水平な横材13Aによって補強されている。3
本の縦材12A,12A,12Aは、前面枠10Aの両
側部及び中央部に配置されている。各縦材12Aの後端
部は、上方へ鉤形に折り曲げられることによりフック部
14Aを形成している。横材13Aは、前面の上縁部に
設けられている。
【0016】後面枠10Bは、溶接金網11Bを折り曲
げることにより全体としてL形に形成されている。その
後面は底面に対して直角であり、底面は前面枠10Aの
底面と合体して傾斜型カゴ枠10の底面を形成する。溶
接金網11Bは、L形に形成された3本の縦材12B,
12B,12B及び1本の水平な横材13Bによって補
強されている。
【0017】3本の縦材12B,12B,12Bは、後
面枠10Bの両側部及び中央部に配置されている。各縦
材12Bの前端部には連結板14Bが取付けられてい
る。連結板14Bは、前面枠10Aのフック部14Aを
引っ掛けるための貫通孔を有しており、その引っ掛けに
よって縦材12Bを対応する縦材12Aに連結する。横
材13Bは、溶接金網11Bの後面上縁部に設けられて
おり、縦材12Bの上端部は、溶接金網11Bの後面上
縁部より上方に突出して、上段の傾斜型カゴ枠10を固
定するためのストッパー15Bを形成している。
【0018】前面枠10Aと後面枠10Bを組み合わせ
て構成された傾斜型カゴ枠10は、3本の連結棒16,
16,16により補強される。また図示されない斜材に
より補強される。3本の連結棒16,16,16は、傾
斜型カゴ枠10の両側部及び中央部に配置され、前面枠
10Aの前面上縁部に設けられた横材13Aと後面枠1
0Bの後面上縁部に設けられた横材13Bとの間に架設
される。この架設のために、連結棒16の両端部は鉤形
に形成されている。
【0019】次に、本実施形態に係るスラスト型傾斜法
面構造をもつ擁壁の構築方法を、図1により説明する。
【0020】まず、最下段(1段目)において、所定数
の傾斜型カゴ枠10を組み立て横幅方向に配列する。各
傾斜カゴ枠10内に割栗石20を充填し、転圧する。こ
れにより、最下段が構築される。
【0021】最下段が構築されると、その上に所定数の
傾斜型カゴ枠10を横幅方向に並べる。このとき、傾斜
形カゴ枠10を、その前面が、その下の最下段の傾斜型
カゴ枠10の前面が形成する正規の傾斜法面より後方へ
スラスト(変位)するようにして、最下段の傾斜型カゴ
枠10の上に載せる。その後、2段目の傾斜カゴ枠10
内に割栗石20を充填し、転圧する。これにより、2段
目が構築される。
【0022】最下段の傾斜型カゴ枠10に設けられたス
トッパー15Bが、2段目の傾斜型カゴ枠10の底面
(溶接金網)に刺さり、且つその傾斜型カゴ枠10内の
割栗石20に挿入されることにより、2段目の傾斜型カ
ゴ枠10が定位置に固定される。
【0023】以下同様にして傾斜型カゴ枠10を後方へ
スラストさせながら所定段数まで積み上げ、且つ、割栗
石20を充填・転圧することにより、傾斜法面30が形
成される。
【0024】形成された傾斜法面30の傾斜角度αは、
傾斜型カゴ枠10の前面の傾斜角度θより大である。即
ち、傾斜型カゴ枠10の前面の傾斜角度θは、ここでは
3分勾配とされているが、傾斜型カゴ枠10を後方へス
ラストさせることにより、3分勾配より大きな傾斜角度
αの傾斜法面30が形成される。
【0025】しかも、傾斜型カゴ枠10のスラスト量を
変更することにより、傾斜型カゴ枠10の前面の傾斜角
度θを固定したままで、傾斜法面30の傾斜角度αが、
傾斜角度θより大きい範囲内で任意に調節される。この
ため、傾斜法面30の傾斜角度αに応じて傾斜型カゴ枠
10を造り分ける必要がなくなり、その製造コストが低
減する。
【0026】更に、傾斜法面30の傾斜角度αが大であ
るにもかかわらず、傾斜型カゴ枠10の前面の傾斜角度
θは小さく抑制されているので、傾斜型カゴ枠10内に
充填された割栗石20の転圧が枠内全体で確実に行われ
る。
【0027】更に又、形成された傾斜法面30では、そ
の傾斜角度αが大きい割に段差が小さく、平坦であるの
で、周囲の景観に対する違和感が抑えられる。
【0028】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明のスラスト
型傾斜法面構造は、傾斜型カゴ枠を後方へスラストさせ
て配置することにより、傾斜型カゴ枠を変えずに傾斜法
面の傾斜角度を現場での要請に応じて種々変更すること
ができる。このため、傾斜型カゴ枠の種類が少なくな
り、その製造コストひいては施工コストが低減する。ま
た、傾斜法面の傾斜角度が大きい場合も、カゴ枠内に充
填される割栗石等の転圧が支障なく行われるので、従来
より傾斜角度の大きい傾斜法面の形成が可能となる。更
に、傾斜角度の大きい傾斜法面を形成する場合にあって
も、平坦度の高い傾斜法面が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスラスト型傾斜法面構
造を示す擁壁の縦断側面図である。
【図2】同スラスト型傾斜法面構造に使用された傾斜型
カゴ枠の斜視図である。
【図3】カゴ枠を用いた従来の傾斜法面構造を示す擁壁
の縦断側面図である。
【図4】カゴ枠を用いた従来の傾斜法面構造を示す擁壁
の縦断側面図である。
【符号の説明】 10 傾斜型カゴ枠 10A 前面枠 10B 後面枠 11A,11B 溶接金網 12A,12B 縦材 13A,13B 横材 20 割栗石 30 傾斜法面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前面が鉛直線に対して後方へ傾斜した傾
    斜型カゴ枠を、その前面が形成する正規の傾斜法面に対
    して上段のかご枠ほど後方へ大きくスラストするように
    積み上げることにより、正規の傾斜法面より傾斜角度の
    大きい傾斜法面を形成することを特徴とするスラスト型
    傾斜法面構造。
  2. 【請求項2】 傾斜型カゴ枠の前面の傾斜角度が5分勾
    配以下であることを特徴とする請求項1に記載のスラス
    ト型傾斜法面構造。
JP2000159716A 2000-05-30 2000-05-30 スラスト型傾斜法面構造 Pending JP2001336157A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018071293A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 株式会社ジオシステム 擁壁構造体

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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