JP2001335298A - 荷台部の落下防止機構 - Google Patents

荷台部の落下防止機構

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JP2001335298A
JP2001335298A JP2000153127A JP2000153127A JP2001335298A JP 2001335298 A JP2001335298 A JP 2001335298A JP 2000153127 A JP2000153127 A JP 2000153127A JP 2000153127 A JP2000153127 A JP 2000153127A JP 2001335298 A JP2001335298 A JP 2001335298A
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Takeshi Yada
猛 矢田
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 荷台2aの昇降動作及び落下防止を良好に行
うとともに、マスト2内に簡潔な構成で設置できる荷台
部の落下防止機構を提供する。 【手段】 マスト2に沿って荷台2aを昇降させる荷台
部4において、ワイヤ3aと荷台2aを一側に爪部52
aを有する爪リンク52で連結し、この爪リンク52に
爪部52a側に向けて突出回動させる付勢力を付与し、
且つマスト2に爪部52aが係止可能な係合部55を設
け、爪部52aと係合部55とを非係合状態の昇降姿勢
に維持させ、ワイヤ3aの切断等の無負荷状態で爪部5
2aを係合部55に係止させて荷台2aの落下を防止さ
せるように構成した荷台部の落下防止機構。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マストに荷台を昇
降可能に設けた荷台部の落下防止機構の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来前輪と後輪とを有する走行機体の前
部に荷台を備えた小型の運搬車は、この荷台を機体の左
右に設けた複数のマスト(支柱)に支持した構成にした
ものが既に提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような複数のマ
ストを有する運搬車は、荷台部が複雑であるためにコス
ト高になるとともに重量構造になる欠点がある。そこで
本発明者等、走行機体に1本のマストを立設し、荷台と
昇降機構とをワイヤで連結して昇降動作させる簡易型の
荷台部を開発した。
【0004】そこで、上記の方式の荷台部にワイヤ等が
欠損した際の荷台の落下を防止する機構が必要であり、
その機構をマストの外部に設置していたが、この機構が
露出されていることから異物と接触して異常な作動をす
るトラブルや、機構が大型化して重量及びコストが増大
する等の問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る荷台部の落
下防止機構は、前記従来の問題点を解決するためになさ
れたものであって、マスト2に荷台2aを上下方向にス
ライド可能に支持するとともに、該荷台2aを昇降機構
3側のワイヤ3aとを連結して昇降動作させる荷台部4
において、前記ワイヤ3aと荷台2aを、一側に爪部5
2aを有する爪リンク52で連結するとともに、該爪リ
ンク52に爪部52a側に向けて突出回動させる付勢力
を付与し、且つ上記マスト2に爪部52aが係止可能な
係合部55を設け、爪リンク52の爪部52aと係合部
55とを非係合状態にして昇降姿勢に維持させるととも
に、ワイヤ3aの切断等に伴う、無負荷状態で爪部52
aを係合部55に係止させて荷台2aの落下を防止する
ように構成したことを特徴としている。
【0006】
【実施形態】以下図面を参照して本発明の荷台付き運搬
車の形態につき説明する。 (全体構成)図1におけるAは本発明に係る運搬車であ
り、この運搬車Aは、左右の前輪1aと後輪1bを前後
に有するミッションケース(伝動機枠)10と、このミ
ッションケース10の後方に一体的に延設した機台11
上にエンジンEを載置した走行機体1と、上記ミッショ
ンケース10の前側に立設した1本のマスト2と、更に
このマスト2にスライド昇降可能に支持され、走行機体
1側に設置したワイヤ巻取り方式の昇降機構3から延長
されたワイヤ3aを介して昇降される荷台2a等とから
なる荷台部4とで構成している。
【0007】走行機体1は各種の変速及び伝動機構を内
装するミッションケース10の形状を図1に示す如く側
面視で略ヘ字状に形成し、その両辺の下部に前輪1aと
後輪1bをそれぞれ支持する車軸1c,1dを設けると
ともに、後辺部には前記機台11を連結し、その上部に
大型のハンドル12を後部上方に向けて延設し、且つ前
傾した上辺部に前記昇降機構3を図2に示すように設置
し、この昇降機構3をミッションケース10側から昇降
操作レバー3Lを介して切換駆動操作可能に構成してい
る。なお、操作レバー1Lはミッションケース10内の
前後進変速機構を切換操作を行うように構成している。
【0008】図1に示すように上記ミッションケース1
0はヘ字状になっており、その上部に設置した箱型の昇
降機構ケース31内に、巻取ドラム軸32と図示しない
ウォームホイル軸36を縦方向に平行して設け、両者を
チェン伝動機構35で連結している。また、巻取ドラム
軸32にはワイヤ3aの端部を固定した巻取ドラム38
を露出状態で設けた構成にしている。 (荷台部の構成)荷台部4は図5,図6及び図10に図
示したように、マスト2の下部を前記ミッションケース
10の前部上方に、左右から突設させた2枚の取付ブラ
ケット16に支持して機体1の前部中央部において、や
や後傾斜状に立設している。そしてこのマスト2内は荷
台2aを昇降案内させる中空状のガイド部20を縦方向
に形成し、このガイド部20内に嵌挿したスライド部2
1に、係合支持した荷台2aを前方に向けて上下に移動
可能に設置している。
【0009】即ち、荷台2aは図1,図7〜図9に示す
ように、二又状の荷爪22の基部を逆U字状の背受杆2
3で一体的に側面視逆U字状に屈曲形成しており、背受
杆23の背後を前記スライド部21に固定している。
【0010】このとき荷台2aは、その背受杆23を側
面視でマスト2の後傾斜に略平行して設けることによ
り、載置物Sを上方に至る程、後方側に寄せて荷積みさ
せることができ、それによって載置物Sを機体側の重心
位置に近接させて前倒れをさせることなく、また載置物
Sを背受杆23で前方に荷づれすることなく、安定して
荷積みでき、走行運搬を良好に行うことができるように
している。
【0011】また、前記ワイヤ3aは、スライド部21
の上部に巻取ドラム軸32に巻付けた他端を固定し、こ
のワイヤ3aの中途をマスト2の上部と取付ブラケット
16に設けたガイドローラ25,26に迂回させて巻き
掛けて巻取ドラム軸32側に巻掛けるように連結してい
る。
【0012】このような構成において下向きU字状に形
成した背受杆23(図9)は、その中途部を横杆23a
で連結し、この横杆23aと上部の中央を2本の縦杆2
3bでスライド部21の嵌入できる間隔(スリット)を
明けて連結して剛体枠に構成している。
【0013】また、上記2本の縦杆23bの中途には両
者を結んで取付ピン23cを設けており、この取付ピン
23cをスライド部21の上部に凹入形成した取付部2
1aに上方から嵌入させた状態で、前記横杆23aをス
ライド部21の前面に接当させるようにしている。この
構成により荷台2aは、マスト2に対してスライド部2
1を介して安定よく支持するとともに、このスライド部
21に対して着脱を簡単に行うことができる。 (マストの構造、起立姿勢と傾倒姿勢)マスト2は、図
8及び図10(D)に示すように略正方形中空断面の角
パイプを使用し、その前側面の中央部に板状のスライド
部21を嵌挿させて上下動させるスライド溝27を開口
し、このスライド溝27にスライド部21をスライド可
能に嵌挿させている。
【0014】そしてマスト2内には、スライド部21の
上下にローラ軸28を貫通して固定し、このローラ軸2
8の両側に1対のガイドローラ29を図10(B),
(C)に示すように遊嵌状に取付け、このスライド部2
1をマスト2の内部空洞のガイド部20内に挿入して上
下方向の昇降を、振れやがたつきを伴うことなく円滑に
行うことができるようにしている。
【0015】また、マスト2は図10を参照して後述す
る落下防止機構5と、荷台部4に載置された載置物Sを
支受する支持枠7(図1)等を備え、図5及び図6に示
す切換操作具8を有する姿勢切換機構9によってミッシ
ョンケース10を介して走行機体1に安定よく支持して
おり、このマスト2を「起立姿勢」と「傾倒姿勢」とに
簡単に切換ることができるようにしている。
【0016】まず、図5及び図6を参照して「姿勢切換
機構9」について説明する。
【0017】前記取付ブラケット16は、車軸1cの上
方で左右両側からミッションケース10を挟持するよう
に二又状に上方に向けて突出させて固定しており、これ
らの間にマスト2の下方の背面から突設した二又状の取
付片2bを嵌挿した状態で、取付ブラケット16と上記
取付片2bとに上記ガイドローラ26を軸支する支持軸
90を貫挿させてマスト2の下方を支持するように構成
している。
【0018】なお、マスト2の下方の左右に設けた取付
片2b(図6)は、支持軸90に嵌挿させる回動用カラ
ー91を嵌挿させ、このカラー91に回転可能に嵌挿さ
せたカラー軸92の中央部に前記ガイドローラ26を固
定している。
【0019】そしてこの実施形態では、図6に示す如く
左方の取付ブラケット16は上方に長く突出して形成
し、この部分に前記切換操作具8を設け、その切換ピン
80をマスト2の側面補強板93に開口した起立姿勢保
持用の止め孔95と、傾倒姿勢保持用の止め孔96(図
5)とに択一的に係合させてミッションケース10に対
するマスト2の傾斜角度を2段階に調節できるようにし
ている。
【0020】また、切換操作具8は、図6に示す如く取
付ブラケット16に固定したピンホルダ81内で、つま
みレバー82を有する切換ピン80をスプリング83に
よって突出付勢した状態で固定するように構成してい
る。そして、つまみレバー82をスプリング83に抗し
て引くことによって切換ピン80を止め孔95あるいは
96から引き出して、姿勢切換機構9の切換操作を簡単
に行うことができるようにしている。
【0021】なお、この切換操作具8は図示例のものに
限ることなく他の方式でもよいものであるとともに、切
換操作具8は他方の取付ブラケット16にも設置しても
よいものである。
【0022】また、支持軸90の上方と下方の場所にそ
れぞれマスト2の回動時の上限及び下限のストッパ機能
と、姿勢切換時の振れや振動防止機能を兼ねてゴム又は
プラスチック材からなるストッパ97と98を、昇降機
構ケース31の上部とミッションケース10の前部に設
けている。そしてそのストッパ位置の高さを調節可能と
することにより、各姿勢切換時にマスト2を弾力を持っ
て押接できるようにしている。
【0023】従って、上記のように構成した姿勢切換機
構9は、ミッションケース10を左右から挟持して固定
する取付ブラケット16によって、マスト2を安定よく
剛体枠構造で支持することができる。
【0024】また、図5に示すように、支持軸90を車
軸1cの上方近傍に配置し、この支持軸90の上方に取
付ブラケット16を延長させ、そして切換操作具8を設
けているので、この切換操作具8によるマスト2の傾斜
姿勢の切換操作を、機体1の側方から簡単かつ迅速に行
うことができる。
【0025】また、マスト2は2枚の取付ブラケット1
6の間に設置されたガイドローラ25を有する支持軸9
0と、切換操作具8(図6)とによって図5に実線で示
す起立姿勢と、鎖線で示す傾倒姿勢とのいずれの位置に
おいても安定よく姿勢保持できるように構成しており、
荷台2a上の載置物Sの昇降及び運搬を、荷くずれ等を
伴うことなく良好に行うことができるようにしている。
【0026】また、荷台部4は、図1〜図4で示すよう
にマスト2の両側に沿い、かつ、荷台2aの両側で、そ
の昇降経路高さと略同じ高さ、又はそれよりやや低い高
さ位置に支持枠7を設けて荷台2aに載置される載置物
Sの側方への荷くずれの防止を図りながら、広幅な載置
物Sの運搬等も良好に行うことができるようにしてい
る。
【0027】また、図3に示すように、この支持枠7を
構成する側枠70の両側下方を内側に曲げて前輪1aの
前部に接近させ、下側の横枠71を前方に大きく突出さ
せることなく、バンパー部材の機能を持たせている。こ
の支持枠7を図2に示すようにマスト2の両側で前輪1
aの左右幅と同幅に位置させた杆状の側枠70の上下を
横枠71で一体的に連結して方形状の荷受枠体を形成
し、この側枠70の上下左右を複数の取付枠72によっ
て、マスト2の両側面に着脱可能に取けて剛体枠構造と
している。
【0028】この構成により、機体1の中央前部に立設
した1本のマスト2に支持されている荷台2a上に、広
幅な載置物Sを載置して運搬あるいは昇降させる場合
に、載置物Sの側方は支持枠7の側枠70によって安全
に支持されるので、昇降動作が妨げられることがなく、
また、マスト2の全長にわたって支持されるので、載置
物Sの昇降作業を荷くずれを防止しながら安定して行う
ことができる。
【0029】前記のように、走行機体1の前部中央に単
一のマスト2を、傾斜可能に支持した構成を採用するこ
とにより、その機構が単純で廉価になる上に、荷台2a
を小型にすることができる。
【0030】また、支持枠7は杆状の側枠70に形成し
ているので前方視界も妨げられることなく良好にするこ
とができるから、上記作業を的確に行うことができる。
【0031】更に、支持枠7の下方を前輪1aの前方に
曲げてバンパー部75にしているので、前輪1aに異物
を接当させたり巻き込むようなこともなく、且つバンパ
ー部材の構成も簡潔に形成し、全体として荷台部4の軽
量化も図ることができる等の特徴がある。 (落下防止機構)次に図10,図11を参照してマスト
2に設置した荷台2aの「落下防止機構5」の第1の実
施の形態を説明する。
【0032】この落下防止機構5は、マスト2内におい
て、このマスト2の上端に設けたガイドローラ25に巻
掛けたワイヤ3aの端部とスライド部21の上部とを、
連結ピン50,51を介して爪リンク52を回動できる
ように連結して荷台2aの昇降を自由に行うように構成
している。
【0033】そして爪リンク52は、連結ピン51をス
ライド部21上においてマスト2の後壁2e側(左側)
に偏寄させて回動自在に軸支するとともに、上記連結ピ
ン51の左側下部に先鋭な爪部52aを形成し、且つ連
結ピン51の右側上部とスライド部21との間にスプリ
ング53を引張り付勢している。
【0034】また、上記マスト2の後壁2eには爪部5
2aが昇降移動する軌跡の対向部に沿って、この爪部5
2aを係止可能にする複数の係合部(係合孔)55を開
口している。
【0035】そして、以上のように構成している落下防
止機構5は、昇降機構3の巻取ドラム軸32によって巻
取り支持されているワイヤ3aと荷台2aが爪リンク5
2を介して連結されているときは、荷台2aの自重によ
って爪リンク52はワイヤ3aから連結ピン50,51
を直線で結ぶようにスプリング部53に抗して図10
(A)で示したような昇降姿勢にするから、荷台部4の
通常状態では、爪リンク52の爪部52aは係合部55
に係合しておらず、従って荷台2aの昇降を自由に行う
ことができるものである。 (落下防止機構の作動)次に、図11に示すようにワイ
ヤ3aが中途で切断したり、或いは巻取ドラム軸32等
がワイヤ3aを支持できないような状態になった時は、
爪リンク52はワイヤ3aによる引張力が解除されて連
結ピン51を中心としてスプリング部53の引張力によ
って爪リンク52の先端の爪部52aを、後壁2e側に
向けて突出させるように瞬時に回動する。これと同時に
ワイヤ3aによる支持を失った荷台部4は僅かに下降を
行い始めるが、上記爪部52aが直近の係合部55に係
合するので、荷台部4はそれ以上の下降を停止して荷台
部4の落下を確実に防止することができるものである。
【0036】また落下防止機構5を構成する爪リンク5
2の爪部52aを、マスト2の後壁2eの係合部55に
係合させるように形成している。従って、この落下防止
機構5をマスト2内にコンパクトな構成で、外部に露出
させることなくまとめることができ、更に、組立や整備
性も容易に行うことができるようにしているとともに軽
量化を図ることができる等の特徴がある。
【0037】なお、図示例の落下防止機構5は、爪リン
ク52の一側への付勢手段として、スプリング部53を
設けたが、これに限ることなく、例えば、爪リンク52
の爪部52aの他側にスプリング部53の引張力に相当
する重量部を一体的に形成した付勢手段にしてもよいも
のである。
【0038】また、ガイドローラ25に近接させて規制
ピン59を横設することによってワイヤ3aの外れを防
止している。この規制ピン59は断面C形のスプリング
ピンで形成すると共に、その挿入側をマスト2の一側壁
側にしまり嵌めにして植込固定し、他側はマスト2の他
方の側壁に遊嵌状に挿入して固定している。
【0039】以上のように構成してなる運搬車Aは、図
1の実線で示す荷台2aを最っとも下降させた荷積姿勢
において載置物Sを所定高さまで載置したのち、走行操
作レバー3L(図2)を上昇側に操作すると、エンジン
Eの動力は、詳細が図示されていない駆動軸、入力軸、
並びに正逆転切換機構を経て、正逆転回転軸が正転し、
この正逆転回転軸からウォームホイル軸及び正逆転回転
軸が正転して巻取ドラム軸32を巻取方向に回転させ
る。
【0040】このエンジンE動力の伝動によりガイドロ
ーラ25,26で所定の経路に案内されたワイヤ3aが
巻取ドラム軸32に巻き取られ、それに伴ってスプリン
グ部53(図10A)を引張って爪リンク52を回動さ
せ、爪部52aをマスト2の内面から後退させてこの爪
部52aと係合部55との係合を解除して荷台2aを引
き上げて地面から離間させた所望高さに上昇させること
ができるものである。
【0041】このとき、走行操作レバー3Lを切り操作
(中立操作)すると、正逆転切換機構を介して巻取ドラ
ム軸32の回転が停止され、且つ昇降機構はウォームホ
イル軸がウォーム噛合したワイヤ3aの巻取り繰出し構
造にしているので、荷台2aの荷重によってワイヤ3a
が引張られても確実に逆転防止され、荷台2aを所定高
さ位置に、その場停止させることができるものである。
【0042】そして、操作レバー1Lを操作して機体1
を走行させると、機体1の中央部でミッションケース1
0から立設したマスト2及び荷台2aの重量は機体側に
負担させた状態(図3,図4)になっているとともに、
ミッションケース10の後部に配設したエンジンEの重
量と、前後の重量バランスが良好に図られた状態で、し
かも前輪1aと後輪1bの中間部位に重心位置をおいた
状態で、運搬車Aは安定よく運搬走行することができる
ものである。
【0043】次いで、トラックの荷台や棚等の高所位置
に載置物Sを積降ろす積降作業を行う際は、荷台2aを
図3で示すようにさらに上昇させることによって行うこ
とができる。
【0044】また、荷台2aの下降操作は昇降操作レバ
ー3Lを下降側へ操作すると巻取ドラム軸32が繰出し
方向に回転してワイヤ3aを繰出して荷台2aは吊下げ
支持が解除されて自重による下降を速やかに行うことが
できるものである。
【0045】そして、上記のように荷台2aを1本のマ
スト2で昇降可能に支持するように構成し、更に杆状体
で枠組された支持枠7を備えた荷台部4は、従来の装置
のように前方の視界を邪魔されることがなく、運転者が
機体1の後方から、視界を広くした状態で安心して機体
走行を行うことができる。
【0046】また、1本のマスト2と前記支持枠7を備
えた荷台部4の構成により、載置物Sの荷積の状況や荷
台2aの昇降の様子を的確に把握することができ、荷崩
れを防止しながら、荷積や積降ろし作業を良好に行うこ
とができるものである。
【0047】また、機体1の前部に配置した1本のマス
ト2は、中空角パイプで構成され、これの内部にスライ
ド部21の一部を挿入させてスライド案内させるガイド
レールを兼ねている。
【0048】そしてこのマスト2内に嵌入されているス
ライド部21の上部に、揺動する爪リンク52を持つ落
下防止機構5を設けているので、荷台2aの昇降を、揺
れやがたつきを防止しながら的確に行うことができ、更
に、前記のようにワイヤ3aの切断時に瞬時で落下防止
機構5が作動することによって、荷台2aの落下を確実
に防止しながら昇降及び運転等の作業を良好に行うこと
ができる。
【0049】また、前記マスト2と荷台2aの落下防止
機構5との構成を簡潔にすることができるものでありな
がら、荷台部4の軽量化を図ることができ、更に機体バ
ランスを改善することができる等の利点がある。
【0050】また、このような荷台部4を備えた運搬車
Aは、図1及び図2に示すように、マスト2は左右の取
付ブラケット16と姿勢切換機構9とによって、起立姿
勢に安定よく支持されて荷台2aの昇降を円滑に行うこ
とができる。
【0051】更に、姿勢切換機構9の切換操作によって
図4で示すような傾倒姿勢にマスト2を保持させ、載置
物Sの荷重を走行機体1側にかけた状態で運搬作業を安
定して行うことができるものである。 (落下防止機構の別の実施の形態)次に図12及び図1
3を参照して落下防止機構5の別の実施形態について説
明する。
【0052】なお、前記実施形態のものと同様な構成に
ついての説明は省略する。
【0053】図12で示す落下防止機構5は、上記構成
のものと同様な係合部55(係合孔)を帯状の硬質金属
板からなる板体56に複数個開口し、この板体56をマ
スト2の後壁2eにボルトで着脱可能に固定しており、
爪リンク52がワイヤ3aの切断等に伴なって張力が実
質的に消滅した時に、爪リンク52が板板56側に揺動
して係合部55に係合させるように構成したものであ
る。
【0054】この構成によれば、別途プレス加工等で形
成した板体56をマスト2内に固定するだけで図10と
同様な落下防止機能を持たせることができるから、マス
ト2に煩雑な加工をすることがない利点がある。
【0055】また、図13で示す落下防止機構5は、市
販品であるチェン57をマスト2の後壁側に固定するこ
とによって所定間隔でチェンローラ58,58間に係合
部55を形成できるものである。
【0056】即ち、この構造の落下防止機構5において
は、チェン57の部品であるチェンローラ58,58…
で形成される孔部が間隔をおいて配置された係合部55
を形成するので、図10、図12に示した構造の装置の
ように孔加工が不要となるとともに、係合部55の間隔
を小さくすることができる等の利点がある。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による小型運搬車における荷台部の落下防止機構は、ワ
イヤ3aで支持された状態で荷台2aの荷重を受ける爪
リンク52は、付勢力に抗して係合部55と非係合状態
の昇降姿勢に維持されるので、荷台2aの昇降動作をス
ムースに行うことができる。
【0058】そしてワイヤ3aの切断やワイヤ3aの張
力が急に低下した場合には、爪リンク52は付勢力によ
って揺動して係合部55と係合するので、荷台2aの落
下を小距離の落下で防止できる。
【0059】また、上記のような落下防止機構5は、マ
スト2内に設置して行うようにしたので簡潔な構成によ
り荷台部4の小型軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】荷台を下降させた状態の運搬車の側面図であ
る。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の荷台を上昇させた状態の運搬車の側面図
である。
【図4】図1の荷台部を傾倒姿勢にした状態を示す運搬
車の側面図である。
【図5】姿勢切換機構の要部の側面図である。
【図6】図5の姿勢切換機構の要部の背面図である。
【図7】荷台の構成を示す側面図である。
【図8】図7の荷台の平面図である。
【図9】図7の荷台の正面図である。
【図10】(A)はマストの落下防止機構の構成を示す
側断面図、(B)は(A)の背断面図、(C)は(A)
の背面図、そして(D)はマストの中間部の横断面図で
ある。
【図11】落下防止機構の落下防止状態の説明用側断面
図である。
【図12】落下防止機構の第2実施形態を示すもので、
(A)は側断面図、(B)は(A)に示すマストの中間
部の平断面図、(C)はマストの内部に配置する板体の
正面図である。
【図13】落下防止機構の第3実施形態を示すもので、
(A)は側断面図、(B)は、(A)に示すマストの中
間部の平断面図、(C)は係合部を構成するチェンの正
面図である。
【符号の説明】
1 走行機体 1a 前輪 1b 後輪 2 マスト 3 昇降機構 3a ワイヤ 4 荷台部 5 落下防止
機構 7 支持枠 8 切換操作
具 9 姿勢切換機構 10 ミッショ
ンケース 16 取付ブラケット 21 スライド
部 22 荷爪 50,51 連
結ピン 52 爪リンク 53 スプリン
グ部 55 係合部 56 板体 57 チェン 90 支持軸 A 運搬車

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスト2に荷台2aを上下方向にスライ
    ド可能に支持するとともに、該荷台2aを昇降機構3側
    のワイヤ3aとを連結して昇降動作させる荷台部4にお
    いて、 前記ワイヤ3aと荷台2aを、一側に爪部52aを有す
    る爪リンク52で連結するとともに、該爪リンク52に
    爪部52a側に向けて突出回動させる付勢力を付与し、
    且つ上記マスト2に爪部52aが係止可能な係合部55
    を設け、爪リンク52の爪部52aと係合部55とを非
    係合状態にして昇降姿勢に維持させるとともに、ワイヤ
    3aの切断等に伴う、無負荷状態で爪部52aを係合部
    55に係止させて荷台2aの落下を防止するように構成
    した荷台部の落下防止機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103466507A (zh) * 2012-06-06 2013-12-25 株式会社安川电机 升降装置

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