JP2001333558A - 車両用交流発電機と冷却ファンの製造方法 - Google Patents

車両用交流発電機と冷却ファンの製造方法

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JP2001333558A
JP2001333558A JP2000233166A JP2000233166A JP2001333558A JP 2001333558 A JP2001333558 A JP 2001333558A JP 2000233166 A JP2000233166 A JP 2000233166A JP 2000233166 A JP2000233166 A JP 2000233166A JP 2001333558 A JP2001333558 A JP 2001333558A
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JP
Japan
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fan
vehicle
alternator
ring
cooling
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JP2000233166A
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English (en)
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Toru Inaba
亨 稲葉
Masatoshi Watanabe
昌俊 渡邊
Susumu Sasaki
進 佐々木
Eiji Naito
英治 内藤
Sakae Ishida
栄 石田
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Publication date
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
  • Motor Or Generator Cooling System (AREA)
  • Synchronous Machinery (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】静音化を要求された車両用交流発電機におい
て、製作コスト、製作工程数を考慮した冷却ファンを提
供する。 【解決手段】インサート金具、ファンブレード、リング
状のファンガイドの全て、あるいは一部を、樹脂あるい
はアルミダイキャスト等で一体成形できるようするため
に、ファン取り付け側(ハブ側)のファンブレード間に
対して、リング状ファンガイドの内径以上の部分を切り
欠いた形状とする。 【効果】一体成形可能であるために、製作コスト、製作
工程数の大幅な削減を可能とし、かつ、ファン騒音の静
音化を可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転軸と一体に回
転して発熱部を空冷するファンをもつ車両用交流発電機
の騒音低減・原価低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の車両用交流発電機では、
特開平9−37519号公報に示されるように、発電機
の発熱部を冷却するために、遠心式、あるいは、軸流式
のファンが用いられていた。従来のファンは一枚の薄板
からプレス作業により成形されており、環状の支持板お
よびその一部を曲げ起こして成形した、軸方向に複数の
曲面、若しくは平面のファンブレードを突設した構造と
なっているものがある。または、特開平5−11122
2号公報に示されているように、ファンブレードの一方
の端にリング状のファンガイドを溶接したもので構成し
ている。また、空調用のファンにおいて、一体成形可能
であるファンが、特開平9-250492号公報に示さ
れているが、この場合金型を3つ以上に分割して形成し
成形時にそれらを組合わせて形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、車両用交流発電
機には、装置の小型化及び冷却性能の一層の向上、製造
工数の低減が要求されている。
【0004】ファンブレードは、発電機内の発熱部に滑
らかに空気を供給し、かつ大きな風量を得るようにファ
ンブレードの幅や面積および枚数等が決められる。ファ
ンブレードの面積は大きいほうが、単位面積当たりの空
気のする仕事は小さくて済むために、ファン効率を高く
することができる。
【0005】金属板の切り起こしにより形成したファン
では、取付け基盤の半径を大きくしなければならない。
また、ファンブレードの断面形状が矩形状を呈している
ために、前縁、翼端面において流れの剥離が生じやす
く、空気の流れに乱れが生じ、大きな騒音を発生する。
【0006】このため、従来の冷却ファンではファンブ
レードの幅や面積および枚数のいずれかを少なくしなけ
ればならないので、十分な風量を得ることが困難であ
り、冷却性能を向上するために多くの課題を有してい
た。また、近年重要視されている音色設計、すなわち、
ファンのピッチ間隔を設定するには、一枚の金属板より
切り起こしたのでは、自由度が少なく、音色設計を行う
のは難しい。
【0007】また、リング状のファンガイドを持たない
ファンは、取付け側と対向する側のファンブレード端面
が空気を切ることにより生じる回転数の整数倍の周波数
の大きな騒音を発生するという問題もある。従来のリン
グ状ファンガイド付きのファンは、翼端より発生する騒
音を削減することが可能であり、騒音低減に対して多大
な効果をもつ。しかし、リング状のファンガイドを別パ
ーツとして溶接していたので、工程数が多く、製作コス
トが高いという問題があった。
【0008】また、特開平9−250492号公報のよ
うに一体成形するものでも、金型が3つ以上の部品から
構成されていると、それを組み立てるだけ工程数も増加
し、金型を形成するにもかなりの精度が要求されコスト
アップの要因となる。
【0009】また、溶接による結合では、ファンブレー
ドとリング状のファンガイドとの結合部が滑らかに接合
されない。また、溶接で結合を行うために溶接痕が残
る。これらの結合部で、流れの乱れが生じ騒音発生し悪
影響を及ぼす。
【0010】本発明は上記のような課題を解決するため
になされたもので、小型軽量で冷却能力が高く、静かに
回転し、製作コストが低い、冷却ファンを備えた車両用
交流発電機を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の車両用交流発電機の冷却ファン形状は、イ
ンサート金具、ファンブレード、リング状のファンガイ
ドを、上下の型のみで一体成形できるような形状とす
る。上下の型のみで、一体成形を可能とするために、フ
ァン取り付け側(いわゆるハブ側であり、ファン取り付
け基盤側)のファンブレード間をリング状のファンガイ
ドの内径より大きい部分を切り欠いた形状とする。
【0012】反取り付け側(いわゆるチップ側であり、
リング状ファンガイドを設けている側)のファンブレー
ド端面にリング状のファンガイドを取り付けることによ
り、ファンブレード端面が空気を切ることにより生じる
回転数の整数倍の周波数をもつ大きな騒音を低減でき
る。
【0013】ファンブレード面積を拡大するために、フ
ァン取り付け側(ハブ側)のファンブレードの前縁位置
を回転軸近くまで伸ばし、ファン取り付け側(ハブ側)
から反取り付け側(チップ側)に、ファンブレードの前
縁半径を傾斜させる形状とした。この形状により、ファ
ン風量を増加でき、冷却性能の向上を図れる。
【0014】さらに、流量を減らすことなく、ファン騒
音をさげるために、反取り付け側(チップ側)のファン
ブレードの後縁位置は変えず、空気吐き出し側で、ファ
ンブレードの後縁位置を傾斜させる形状とした。つま
り、ファン取り付け側(ハブ側)から反取り付け側(チ
ップ側)にファンブレードの後縁の半径位置が徐々に小
さくなるような位置とする形状とした。
【0015】さらに、一度、冷却を行い温度が上昇した
ファン吐き出し空気が、ファン吸い込み側に戻り冷却効
率の低下をまねかないよう、また、ファン吐き出し空気
が発熱部である固定子のコイルに効率よく当たるよう
に、リング状のファンガイドの外径をファンブレードの
後縁より大きくした。
【0016】このような構造の冷却用ファンは、樹脂、
アルミダイキャスト等により、上下の型抜きを行うこと
により、インサート金具、ファンブレード、ファンリン
グが一体に成形できるために、組み立て工数を削減でき
る。また、インサート金具の外径側のファンブレード間
を切り欠いているために、重量を軽くすることが可能と
なる。
【0017】このような形状を用いることにより、騒
音、冷却性能、製作コスト、すべてを満足できる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について、図面を
参照しながら説明する。図1は本発明を適用した車両用
交流発電機の冷却ファンの反取り付け側から見た斜視図
である。図2は本発明を適用した車両用交流発電機の冷
却ファンの取り付け側から見た斜視図である。
【0019】図において、取付け基盤63にファンブレ
ード62が設けられ、ファンブレード62を図1のよう
に反取付け基盤側から見たとき回転軸側を前縁61、外
周側を後縁62としている。
【0020】本実施例の車両用交流発電機のファンは、
ファンブレード21の反取り付け側(チップ側)の端面
において、ファンブレード21が空気を切ることにより
騒音を発生していた。この騒音は、羽根翼端から発生す
る回転数の整数倍の周波数をもっている。この騒音を低
減するために、反取り付け側(チップ側)のファンブレ
ード21端面にリング状のファンガイド31を取り付け
る構造としてある。さらに、本冷却ファンは、インサー
ト金具32と一体で成形されるリング状ファンガイド3
1を備えたファンブレード21にて、構成されている。
【0021】図3は、本発明における冷却ファンを搭載
した車両用交流発電機の断面図である。
【0022】図3において、ロータ1は、それぞれ複数
の爪2aを備え、向き合って設けられた一対の爪形のコ
ア2と、界磁コイル4が巻き回されたボビン3と、ボビ
ン3の磁極鉄心であるヨーク5と、回転軸6及びスリッ
プリング7から構成されている。一対のコア2は、爪2
aが噛み合うように相対し、ボビン3及びヨーク5を挟
み込むように配置され、回転軸6がそれらの軸心位置に
圧入されて固定されている。本実施例では、一対のコア
2の背面部には、フロントファン13及びリアファン1
4がコア2にファンの取付け基盤を構成しているインサ
ート金具32に設けた6つの丸穴33部をスポット溶接
にて、一体に取付けている。
【0023】また、回転軸6の一方の端部には、プーリ
12が取付けられている。回転軸6のもう一方の端部に
は、スリップリング7が圧入されており、プーリ12及
びスリップリング7は回転軸6と一体となって回転す
る。ステータ8は、コア2の外周に、コア2と僅かな隙
間を持つように配設されている。ブラシホルダ9には電
圧制御器が実装されている。そして、フロントブラケッ
ト10とリアブラケット11が回転軸6を軸支してロー
タ1を囲むように配置され、さらにステータ8を狭持し
ている。このフロントブラケット、リアブラケットに
は、冷却風を吸入・吐出するための窓が多数空いてい
る。
【0024】樹脂のみで冷却ファンを形成すると、ロー
タコア2と回転軸6との結合部分が強度不足となる。そ
こで、図3に示すように、結合部分には金属製のインサ
ート金具32が埋め込まれる構造となっている。このイ
ンサート金具32には、コア2に固定するための丸穴3
3が形成されている。ファンとリング状のファンガイド
31を一体で成形するために、インサート金具32の外
半径は、リング状のファンガイド31の内径より小さく
設定されている。固定用の丸穴33の部分は、そのまま
ボルトを用いてコア2に固定してもよいが、前記インサ
ート金具32をコア2に溶接等により直接、固定しても
よい。
【0025】次に、図5に、一体成形可能とする冷却フ
ァンの成形方法を示す。図5は金型の断面図を示したも
のである。インサート金具32、ファンブレード21、
リング状のファンガイド31の全て、あるいは一部を、
樹脂あるいはアルミダイキャスト等で一体成形を可能と
する上下の型41、42を製作する。このファンの製造
工程の詳細は後述する。
【0026】図5に示すように、冷却ファンを上下によ
る一体成形を可能とするために、インサート金具32側
のファンブレード21間に対して、リング状のファンガ
イド31の内径部分を切り欠いた形状としてある。この
ような形状とすることにより、2つの型、つまり、上下
の型41、42を製作すればよい。これにより、従来の
ように、複雑な型を製作する必要がなくなり、型製作の
コストを大幅に削減することができる。さらに、このフ
ァンは、取付け基盤側のファンブレード間を切り欠いて
いるために、ファンブレード間が存在するファンと比較
して、大幅な軽量化をすることが可能となる。また、上
下による一体成形が可能なために、組み立て工数の削減
もできる。これらの結果、ファン製作の材料費、組み立
て工賃の減少となる。図4に示すような従来の金属板の
切り起こしによるファンにリング状のファンガイドを溶
接したものでは、ファンブレード間が完全に切り欠いて
いないために、一体成形が不可能な構造である。
【0027】図6に本発明品の冷却ファンを成形するた
めの上下の型を示す。図6aは上部の型であり、凸状の
型である。図6bは下部の型であり、凹状の型である。
また、図7には、プレスにより作成したインサート金具
32の斜視図を示す。以下に、上下による一体成形可能
な冷却ファンの製作方法の具体的一例を以下に示す。
【0028】まず始めに、凹状の型42における中央の
凸部43に、図7に示すようなインサート金具32をセ
ッティングする。この時に、インサート金具の6個所の
へこみ45と、凹状の型における6個所の穴47を合わ
せ、かつ、スリップリングからのケーブルを逃がすため
の2個所切り欠き部46と、凹状の型における2個所の
吐出部44を合わせることにより、インサート金具の軸
合わせを行う。その後、凸状の型41をかぶせ、穴64
にボルトを通すことにより、型41と型42を固定しす
る。型41の注入孔(図示せず)より、約130℃に加
熱したモールド樹脂を流しこむ。この時、モールド樹脂
の圧力を高圧にすることにより隅々までにモールドを行
き渡す。その後、1分間冷却させたあと、型41、42
をとりはずす。
【0029】また、この一体成形可能なファンを使用す
ることにより、次のような効果も得られることができ
る。
【0030】本ファンは、樹脂あるいは、アルミダイキ
ャストで一体成形されているため、図4に示すように従
来のようなファンガイドをファンブレードに溶接により
固定することによる凹凸が存在せず、すべての面が平
面、または、滑らかな曲面となっている。その結果、溶
接の凹凸による流れの剥離等が生じにくく、ファンとフ
ァンガイドとの接合部で生じる、剥離に伴う乱流音を大
幅に削減できる。
【0031】また、オルタネータのロータの界磁コイル
には電流が流れるために高い熱が発生する。ファンブレ
ード間に切りかきがない場合、ファンのハブ面がロータ
を囲うためにロータ間の流れが妨げられ、ロータの温度
が上昇し、オルタネータの出力が落ちることがある。し
かし、本冷却ファンは、ファンブレード間を切り欠いて
あるので、ロータ間に冷却風を強制的に流すことがで
き、ロータに巻き付けられた界磁コイルから発熱する熱
を冷却できる。これにより、オルタネータの出力が下が
る現象を回避できる。
【0032】また、冷却ファンを樹脂あるいはアルミダ
イキャストで成形するため、自由な形状を形成できる。
リング状のファンガイド31の入口前縁にRを設けるこ
とにより、流れを剥離させず、スムーズにブレード21
へ流入させることが可能となった。これにより、流れの
剥離に伴う乱流音を低減させ、騒音に対して有利な効果
となる。また、リング状のファンガイド31とファンブ
レード21との角部にRを設けることにより、ファンガ
イド21を取り付けることによる強度不足を回避してい
る。
【0033】また、ファンブレード間に切り欠きがない
ために、実質的な翼面積の増加となる。ファンブレード
の翼面積増加に伴いファン流量を増加させることがで
き、ファンの冷却効率を改善することができる。
【0034】また、さらに、ファン騒音を低減させ、か
つ、冷却性能を向上させるために、本冷却ファンには以
下のような構造をさらに付加させることとした。
【0035】本実施例の冷却ファン(図3のフロントフ
ァン13又はリアファン14に相当する)は、図5に示
すように、ファンブレード21の空気吸い込み側であっ
てファン取付け側の前縁61の位置をオルタネータ回転
軸6近くまで伸ばして、ファンブレード21面積を大き
くしている。同時に、ファン取り付け側(ハブ側)から
反取り付け側(チップ側)にファンブレード21の前縁
61に、傾斜を持たせる形状としてある。すなわち、フ
ァン高さhが、回転軸に近くなるにつれて、徐々に小さ
くなる形状としたものである。この時の傾斜角度は、3
0°<θ1<60°となるように設定した。
【0036】このような構成とすることにより、ファン
の重量が減少し、強度に対する負担も低減する。また、
吸い込み流れや上流障害物(ブラケットの吸入孔など)
との距離が広がることにより、ファン前縁と上流障害物
とのいわゆるNZ(N:回転数,Z:羽枚数)周波数成分の
干渉音を大幅に減少することを可能とした。また同時
に,羽根面積も大きくなるために、冷却に必要とされる
流量も確保できる。
【0037】リング状のファンガイド31をファンブレ
ード21の後縁より大きくした。これにより、冷却を行
い温度の上昇した吐出側の高圧の空気が、リング状のフ
ァンガイド31上部を通過し、低圧側であるファン吸い
込み側へ戻る循環流の発生を防止できる。その結果、フ
ァンガイド31が、発熱部である固定子のコイル表面に
沿って吐出流の流れを導くこととなり、吐出流量を有効
に利用し、冷却効率の一層の向上が図れる。
【0038】図8は、上記、冷却ファンを用いた交流発
電機の騒音レベルと従来の切り起こしによるファンを用
いた交流発電機の騒音レベルをそれぞれ測定し、比較し
た図である。横軸は発電機の回転数を、縦軸は騒音レベ
ルを示したものである。
【0039】図8に示すように、本実施例の交流発電機
は、従来の交流発電機に用いられている冷却ファンのよ
うに、一枚の板から切り起こしにより形成されたファン
と比較すると、発電機の全回転数において、約5dB騒
音レベルが低減できた。これは、ファン端面にリング状
のファンガイドを取り付けたことが最大の効果である
が、一体成形をしたことにより、溶接痕がなくなった効
果も約0.5dBほどある。また、ファンブレードとリ
ング状ファンガイドが一体成形で形成されているため
に、すべての面が滑らかに形成されていることも大きな
騒音低減効果となっている。
【0040】さらに、ステータコイル8とファンから発
生する流れとの干渉音を削減する方法を示す。ファン後
縁62の形状がファン取り付け基盤に対して垂直設定さ
れているが、図5に示すように、反取り付け側(チップ
側)の後縁62の位置は変えず、取り付け側(ハブ側)
の後縁62の位置を小さくする。つまり、ファン高さh
が回転軸から離れるに従って、徐々に小さくなる形状と
した。この時の設定角度は、60°<θ<80°となる
ように設定した。これにより、ステータコイル8とファ
ン後縁との距離が広がり、ステータコイル8とファン後
縁のポテンシャル干渉や、ウェーク干渉の干渉音を低減
することが可能となる。ファンブレード21の面積は小
さくなるが冷却流量は大きく減少しない。つまり、流量
を大きく減少させることなく、ファン騒音を小さくする
ことができる。
【0041】さらに、ファンガイド31に傾斜を持た
せ、出口面積を小さくすることによって、ファンブレー
ド内での過度の減速を抑えることができる。これによ
り、ファンブレード21からの流れの剥離を抑制でき、
ファン効率の向上、すなわち、少ない動力で大きな風量
を得ることができる。本構成とすることにより、オルタ
ネータ全体の効率向上が図れる。
【0042】本冷却ファンをアルミダイキャストまたは
その他の金属で製作することにより、ファン自体がフィ
ン効果となり、ロータの冷却効率をより一層とあげるこ
とができる。これにより、オルタネータの出力が向上
し、また、効率も高くなる。さらに冷却効率を向上させ
るために、冷却ファンとロータとの結合面にグリスを入
れてもよい。これにより、さらなる冷却効率の向上が可
能とする。
【0043】さらに、ファンが樹脂あるいは、アルミダ
イキャストで成形されているために、音色設計、すなわ
ち、ファンのピッチ間隔を自由に設定することにより、
所定の周波数の音を発生することが可能とする。これに
より、本ファンでは、オルタネータより発生する音を人
に対して聞きやすい音色となるようなピッチ間隔として
ある。
【0044】ファンピッチの不等間隔の割合を高くすれ
ば、発生周波数をホワイトノイズ化することが可能とな
る。しかし、不等間隔を大きくすると、ファン重量のア
ンバランスが問題となり、後に、バランスを取るために
ロータの肩部を大きく削らなければならない。しかし、
本発明によるファンは一体成形によるため、翼配置によ
るアンバランスを事前に計算し、シュラウド、ハブ面の
質量に対して偏りを持たせることにより、ファン単体で
のアンバランスをなくすことができる。
【0045】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、交流発
電機の冷却効率を向上させると共に、騒音が小さく、製
作の容易な冷却ファン構造を実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した車両用交流発電機の冷却ファ
ンの上方側から見た斜視図。
【図2】本発明を適用した車両用交流発電機の冷却ファ
ンの下方側から見た斜視図。
【図3】本発明に係る車両用交流発電機を示す断面図。
【図4】ファンブレードの一方の端にリング状のファン
ガイドを溶接したファンの斜視図。
【図5】本発明を適用した車両用交流発電機の冷却ファ
ンの側面図。
【図6】本発明品を一体成形するための説明図。
【図7】インサート金具の斜視図。
【図8】本発明品と従来品との回転数に対する騒音レベ
ルの比較。
【符号の説明】
1…ロータ、2…コア、3…ボビン、4…コイル、5…
ヨーク、6…回転軸、7…スリップリング、8…ステー
タコア、9…ブラシホルダ、10…フロントブラケッ
ト、11…リアブラケット、12…プーリ、13…フロ
ントファン、14…リアファン、21…ファンブレー
ド、31…リング状ファンガイド、32…インサート金
具33…丸穴、41…型1、42…型2、51…新型
(一体成形されたファン)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 昌俊 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 佐々木 進 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 (72)発明者 内藤 英治 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内 (72)発明者 石田 栄 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器グループ内 Fターム(参考) 3H033 AA02 AA15 BB02 BB06 CC01 DD03 DD25 DD26 EE03 EE06 5H609 BB05 BB18 PP02 PP05 PP06 PP07 PP10 PP14 QQ02 QQ12 QQ13 RR02 RR16 RR18 RR22 RR24 RR27 RR31 SS12 5H619 AA05 AA11 BB02 BB17 PP01 PP02 PP10 PP19 PP20 PP21 PP25

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の爪形状部片からなる一対のコアと、
    前記コアの中心部に挿入固着された回転軸と、前記回転
    軸に挿入固着された励磁電流供給用スリップリングとを
    有する回転子と、前記回転子の外周に設けられた固定子
    と、前記回転子及び固定子を取り囲むように配置された
    ブラケットを備え、前記回転子は軸受けを介し前記ブラ
    ケットに回転自在に支持され、前記コアの両端面に遠心
    式ファンまたは斜流式ファンであるフロントファン及び
    リアファンが取付けられ、前記ブラケットには端部に複
    数の吸気孔が設けられ、外周部に複数の排気孔が設けら
    れ、回転子の回転で前記ファンにより発電機内を通風冷
    却するようにした車両交流発電機において、 前記フロントファン及び、リアファンの少なくとも一方
    は、ファン取り付け側の固定板のファンブレード間に対
    して、リング状ファンガイドの内径以上の部分を切り欠
    いた形状としたことを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の車両交流発電機におい
    て、 前記フロントファン及び、リアファンの少なくとも一方
    は、取り付け側を基準としたファン前縁の高さが、回転
    軸に近づくに従い、徐々に小さくなる形状としたことを
    特徴とする車両用交流発電機。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の車両交流発電機におい
    て、 前記フロントファン及び、リアファンの少なくとも一方
    は、反取り付け側を基準としたファン後縁の高さが、回
    転軸に近づくに従い、徐々に大きくなる形状としたこと
    を特徴とする車両用交流発電機。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の車両用交流発電機におい
    て、 前記フロントファン及び、リアファンの少なくとも一方
    は、上部の金型と、インサート金具を固定することがで
    きる下部の金型により、ファン、リング状のファンガイ
    ド、インサート金具を一体に成形したことを特徴とする
    車両用交流発電機。
  5. 【請求項5】ファン取り付け側の固定板のファンブレー
    ド間に対して、リング状ファンガイドの内径以上の部分
    を切り欠いた冷却ファンを、下部の金型に、プレスによ
    り形成されたインサート金具を固定する工程、下部の金
    型と上部の金型を位置合わせして固定する工程、前記金
    型の挿入により溶融した樹脂を流し込む工程、所定時間
    冷却後、金型形成されたファンを取り出す工程、とから
    なる冷却ファンの製造方法。
JP2000233166A 2000-03-13 2000-07-28 車両用交流発電機と冷却ファンの製造方法 Withdrawn JP2001333558A (ja)

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