JP7254218B1 - 回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却ファンが回転することによって発生する騒音を低減させるとともに、冷却ファンの小型化を図ることができる回転電機を得る。【解決手段】この回転電機は、ケーシング101と、固定子102と、回転子104と、回転子104に固定され、回転子104と一体に回転する第1冷却ファン107と、を備え、第1冷却ファン107は、主板124と、軸方向D1において回転子104とは反対側へ主板124から突出した板形状の翼125と、翼125の先端部に設けられた翼端部126とを有しており、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼125の第1端部127は、翼125の第2端部128よりも径方向D2において内側に位置し、かつ、回転方向D4において翼125の第2端部128よりも前方側に位置しており、翼端部126は、翼125の厚み方向へ翼125から突出している。【選択図】図2

Description

本開示は、回転電機に関する。
従来、回転子の軸方向において回転子の端部に冷却ファンが固定されている回転電機が知られている。冷却ファンは、複数の翼と、環状の側板とを有している。冷却ファンが回転することによって発生する騒音を低減させるために、冷却ファンの周方向に沿った環状の側板がそれぞれの翼の先端部に固定されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平5-268749号公報
しかしながら、側板は、回転軸の軸方向においてそれぞれの翼の先端部に重ねられている。これにより、回転子の軸方向において、冷却ファンが大きくなってしまうという課題があった。
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、冷却ファンが回転することによって発生する騒音を低減させるとともに、冷却ファンの小型化を図ることができる回転電機を提供するものである。
本開示に係る回転電機は、ケーシングと、ケーシングに固定された固定子と、固定子に対向して設けられ、固定子に対して回転する回転子と、回転子に固定され、回転子の軸線を中心として回転子と一体に回転する冷却ファンと、を備え、冷却ファンは、回転子の軸方向における回転子の端部に設けられた主板と、回転子の軸方向において回転子とは反対側へ主板から突出した板形状の複数の翼と、複数の翼のそれぞれの先端部に1つずつ設けられた複数の翼端部とを有しており、複数の翼のそれぞれにおいて、回転子の軸方向に沿って冷却ファンを見た場合に、翼に沿った方向における翼の一端部である第1端部は、翼に沿った方向における翼の他端部である第2端部よりも冷却ファンの径方向において内側に位置し、かつ、冷却ファンの回転方向において第2端部よりも前方側に位置しており、複数の翼端部のそれぞれは、翼の厚み方向へ翼から突出しており、複数の翼端部のそれぞれは、翼の厚み方向を向く翼の一対の面のうちの回転子の径方向における内側を向く面である負圧面に設けられている。
本開示に係る回転電機によれば、冷却ファンが回転することによって発生する騒音を低減させるとともに、冷却ファンの小型化を図ることができる。
実施の形態1に係る回転電機を示す断面図である。 図1の第1冷却ファンを示す斜視図である。 図2の第1冷却ファンを示す平面図である。 図1の回転電機の要部を示す拡大断面図である。 第1比較例の回転電機の第1冷却ファンを示す斜視図である。 図5の第1冷却ファンを示す平面図である。 第1比較例の回転電機の要部を示す断面図である。 第1比較例の回転電機における第1冷却ファンとフロント側ケーシング部との間を空気が流れる様子を示す説明図である。 第1比較例の回転電機における第1冷却ファンの周囲を空気が流れる様子を示す説明図である。 図1の第1冷却ファンとフロント側ケーシング部との間を空気が流れる様子を示す説明図である。 図1の第1冷却ファンの周囲を空気が流れる様子を示す説明図である。 第2比較例の回転電機の要部を示す断面図である。 実施の形態2に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 実施の形態3に係る回転電機の要部を示す斜視図である。 実施の形態4に係る回転電機の第1冷却ファンを示す斜視図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る回転電機を示す断面図である。実施の形態1に係る回転電機は、駆動部1と、インバータ部2とを備えている。
駆動部1は、ケーシング101と、固定子102と、回転軸103と、回転子104と、第1軸受105と、第2軸受106と、第1冷却ファン107と、第2冷却ファン108とを備えている。
ケーシング101は、フロント側ケーシング部109と、リア側ケーシング部110とを有している。フロント側ケーシング部109およびリア側ケーシング部110が互いに接続されることによって、ケーシング101が形成されている。
固定子102は、ケーシング101の内側に配置されている。固定子102は、ケーシング101に固定されている。固定子102は、円筒形状に形成されている。固定子102は、固定子鉄心111と、固定子巻線112とを有している。
固定子巻線112は、固定子鉄心111に巻かれている。固定子巻線112は、U相、V相およびW相を有する三相巻線となっている。
回転軸103は、第1軸受105および第2軸受106を介して、ケーシング101に回転可能に設けられている。
回転軸103の軸線に沿った方向を軸方向D1とする。回転軸103の軸線に直交する平面において回転軸103の軸線を中心とする円の半径に沿った方向を径方向D2とする。回転軸103の軸線に直交する平面において回転軸103の軸線を中心とする円の円周に沿った方向を周方向D3とする。軸方向D1、径方向D2および周方向D3は、回転子104の軸方向、径方向および周方向と一致する。また、軸方向D1、径方向D2および周方向D3は、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108のそれぞれの軸方向、径方向および周方向と一致する。
回転子104は、固定子102の内側に配置されている。回転子104は、回転軸103に固定されている。したがって、回転子104は、回転軸103とともに回転する。回転子104は、径方向D2において固定子102に対向している。
回転子104は、回転子鉄心113と、回転子巻線114とを有している。回転子巻線114は、回転子鉄心113に巻かれている。
第1軸受105および第2軸受106は、一対の軸受としてケーシング101に設けられている。第1軸受105および第2軸受106は、軸方向D1に互いに離れて配置されている。第1軸受105は、フロント側ケーシング部109に設けられている。第2軸受106は、リア側ケーシング部110に設けられている。第1軸受105および第2軸受106は、回転軸103を回転可能に支持している。
第1冷却ファン107および第2冷却ファン108のそれぞれは、回転子104の軸線を中心として回転子104と一体に回転する冷却ファンである。第1冷却ファン107および第2冷却ファン108のそれぞれは、回転子鉄心113に固定されている。第1冷却ファン107および第2冷却ファン108は、例えば、亜鉛メッキ鋼板から構成されている。
第1冷却ファン107は、軸方向D1における回転子鉄心113の一端部に固定されている。第2冷却ファン108は、軸方向D1における回転子鉄心113の他端部に固定されている。第1冷却ファン107および第2冷却ファン108のそれぞれは、回転子104の軸線を中心として回転子104と一体に回転する。第1冷却ファン107および第2冷却ファン108が回転することによって、ケーシング101を通過する空気の流れが発生する。
フロント側ケーシング部109は、軸方向D1において第1冷却ファン107に対向するファン対向端板部115と、径方向D2において第1冷却ファン107に対向するファン対向円筒部116とを有している。ファン対向端板部115には、複数の第1吸気口117が形成されている。ファン対向円筒部116には、複数の第1排気口118が形成されている。
それぞれの第1吸気口117は、軸方向D1にフロント側ケーシング部109を貫通している。複数の第1吸気口117は、周方向D3に間隔をおいて並べられている。それぞれの第1排気口118は、径方向D2にフロント側ケーシング部109を貫通している。複数の第1排気口118は、周方向D3に間隔をおいて並べられている。
第1冷却ファン107が回転することによって発生する空気の流れは、第1吸気口117を通ってケーシング101の内側に入り、第1排気口118を通ってケーシング101の外側に出る。第1冷却ファン107が回転することによって発生する空気の流れは、第1吸気口117から第1排気口118に向かう間に、回転子104および固定子102を冷却する。
リア側ケーシング部110は、軸方向D1において第2冷却ファン108に対向するファン対向端板部119と、径方向D2において第2冷却ファン108に対向するファン対向円筒部120とを有している。ファン対向端板部119には、複数の第2吸気口121が形成されている。ファン対向円筒部120には、複数の第2排気口122が形成されている。
それぞれの第2吸気口121は、軸方向D1にリア側ケーシング部110を貫通している。複数の第2吸気口121は、周方向D3に間隔をおいて並べられている。それぞれの第2排気口122は、径方向D2にリア側ケーシング部110を貫通している。複数の第2排気口122は、周方向D3に間隔をおいて並べられている。
第2冷却ファン108が回転することによって発生する空気の流れは、第2吸気口121を通ってケーシング101の内側に入り、第2排気口122を通ってケーシング101の外側に出る。第2冷却ファン108が回転することによって発生する空気の流れは、第2吸気口121から第2排気口122に向かう間に、回転子104および固定子102を冷却する。また、第2冷却ファン108が回転することによって発生する空気の流れは、第2吸気口121を通る前に、インバータ部2を冷却する。
回転軸103における軸方向D1の一端部は、フロント側ケーシング部109からケーシング101の外側に突出している。回転軸103における軸方向D1の一端部には、プーリ123が取り付けられている。プーリ123と図示しない内燃機関とに渡って、図示しないベルトが巻き掛けられている。プーリ123と内燃期間との間では、ベルトを介して、双方向にトルクが伝達される。
次に、第1冷却ファン107の構成について説明する。なお、第2冷却ファン108の構成は、第1冷却ファン107の構成と同様となっている。
図2は、図1の第1冷却ファン107を示す斜視図である。図3は、図2の第1冷却ファン107を示す平面図である。図4は、図1の回転電機の要部を示す拡大断面図である。図2および図3には、回転軸103の回転方向D4が示されている。図3には、回転軸103の軸線を中心とした円筒面M1が破線で示されている。回転方向D4は、第1冷却ファン107の回転方向と一致する。
第1冷却ファン107は、主板124と、複数の翼125と、複数の翼端部126とを有している。主板124は、軸方向D1における回転子104の端部に設けられている。主板124は、回転子鉄心113に固定されている。具体的には、主板124は、溶接によって回転子鉄心113に接合されている。
それぞれの翼125は、軸方向D1において回転子104とは反対側へ主板124から突出している。複数の翼125は、周方向D3に間隔をおいて並べて配置されている。
それぞれの翼125は、板形状に形成されている。軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼125に沿った方向における翼125の一端部を第1端部127とする。また、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼125に沿った方向における翼125の他端部を第2端部128とする。
軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、それぞれの翼125において、第1端部127は、第2端部128よりも径方向D2において内側に位置し、かつ、回転方向D4において第2端部128よりも前方側に位置している。言い換えれば、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、それぞれの翼125は、回転方向D4の前方側に向かうにつれて径方向D2における内側に向かうように配置されている。
翼125の厚み方向における翼125の一方の面を圧力面129とする。翼125の厚み方向における翼125の他方の面を負圧面130とする。
圧力面129は、径方向D2における外側を向いており、負圧面130は、径方向D2における内側を向いている。第1冷却ファン107が回転方向D4に回転することによって、圧力面129が空気を径方向D2の外側に向かって押す。これにより、翼125から径方向D2の外側に向かう空気の流れが発生する。
複数の翼端部126は、それぞれの翼125に1つずつ設けられている。翼端部126は、負圧面130に設けられている。翼端部126は、翼125の厚み方向へ翼125の先端部から突出している。翼125の先端部は、軸方向D1において、主板124とは反対側の翼125の端部である。翼端部126は、軸方向D1に直交する平面に沿って翼125の先端部から突出している。したがって、翼125と翼端部126との間の成す角は、90度となっている。なお、翼125と翼端部126との間の成す角度は、90度に限らず、その他の角度であってもよい。
同一の翼端部126において、翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法は、径方向D2の位置に関係なく均一となっている。それぞれの翼端部126の形状は、互いに同一となっている。
図4には、第1冷却ファン107が回転することによってフロント側ケーシング部109の外側から内側へ流れる空気の流れである流入空気流F1が示されている。また、図4には、第1冷却ファン107が回転することによってフロント側ケーシング部109の内側から外側へ流れる空気の流れである流出空気流F2が示されている。流入空気流F1によって回転子104が冷却され、流出空気流F2によって固定子102が冷却される。
軸方向D1における主板124から翼125の先端部までの寸法をL1とする。軸方向D1における主板124から翼125の先端部までの寸法L1は、軸方向D1における主板124から翼端部126におけるフロント側ケーシング部109に対向する面までの寸法と同一である。
ここで、実施の形態1に係る回転電機と比較するための比較例について説明する。図5は、第1比較例の回転電機の第1冷却ファン107Aを示す斜視図である。図6は、図5の第1冷却ファン107Aを示す平面図である。図7は、第1比較例の回転電機の要部を示す断面図である。図5および図6には、第1比較例の回転電機における第1冷却ファン107Aの回転方向D4が示されている。図6には、回転軸103の軸線を中心とした円筒面M2が破線で示されている。
第1比較例の回転電機の第1冷却ファン107Aは、主板124と、複数の翼125とを有している。一方、第1冷却ファン107Aは、翼端部126を有していない。第1冷却ファン107Aの主板124および翼125の構成は、実施の形態1に係る回転電機の第1冷却ファン107の主板124および翼125の構成と同様となっている。
図7には、第1冷却ファン107Aが回転することによってフロント側ケーシング部109の外側から内側へ流れる空気の流れである流入空気流F3が示されている。また、図7には、第1冷却ファン107Aが回転することによってフロント側ケーシング部109の内側から外側へ流れる空気の流れである流出空気流F4が示されている。流入空気流F3によって回転子104が冷却され、流出空気流F4によって固定子102が冷却される。
軸方向D1における主板124からの翼125の先端部までの寸法をL2とする。第1冷却ファン107Aにおける主板124からの翼125の先端部までの寸法L2は、第1冷却ファン107における主板124からの翼125の先端部までの寸法L1と同一となっている。したがって、軸方向D1において、実施の形態1に係る回転電機の第1冷却ファン107の大きさは、第1比較例1の回転電機の第1冷却ファン107Aの大きさと同一である。
図8は、第1比較例の回転電機における第1冷却ファン107Aとフロント側ケーシング部109との間を空気が流れる様子を示す説明図である。図9は、第1比較例の回転電機における第1冷却ファン107Aの周囲を空気が流れる様子を示す説明図である。図8には、図6の円筒面M2に沿った駆動部1の要部の断面が示されている。
フロント側ケーシング部109と翼125との間には、隙間131が形成されている。したがって、第1冷却ファン107Aが回転方向D4に回転することによって、フロント側ケーシング部109と翼125との間の隙間131を通る空気の流れである空気流132が発生する。空気流132は、フロント側ケーシング部109と翼125との間の隙間131を、第1冷却ファン107Aに対して回転方向D4において後方側に流れる。言い換えれば、空気流132は、隙間131を通って、回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aから回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bに回り込む。空気流132が発生することによって、翼125よりも回転方向D4において後方側の領域Bには、翼端渦133が発生する。
翼端渦133は、径方向D2において外側に向かうにつれてより大きくなる。したがって、翼端渦133は、径方向D2において外側に向かうにつれて、負圧面130から剥離しやすくなる。負圧面130から剥離した翼端渦133は、回転方向D4において後方側に配置された他の翼125の圧力面129、フロント側ケーシング部109または固定子102に当たる。これにより、騒音が発生する。
回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aの圧力と回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bの圧力との差が大きくなるにつれて、隙間131を通る空気流132が大きくなる。空気流132が大きくなるにつれて、翼125よりも回転方向D4において後方側に発生する翼端渦133が大きくなる。
図10は、図1の第1冷却ファン107とフロント側ケーシング部109との間を空気が流れる様子を示す説明図である。図11は、図1の第1冷却ファン107の周囲を空気が流れる様子を示す説明図である。図10には、図3の円筒面M1に沿った駆動部1の要部の断面が示されている。
フロント側ケーシング部109と翼125および翼端部126との間には、隙間134が形成されている。したがって、第1冷却ファン107が回転方向D4に回転することによって、フロント側ケーシング部109と翼125および翼端部126との間の隙間134を通る空気の流れである空気流132が発生する。
回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aから回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bに回り込む空気流132は、隙間134を通る。空気流132が流れる方向において、隙間134の長さは、隙間131の長さよりも大きい。したがって、実施の形態1に係る回転電機では、第1比較例の回転電機と比較して、回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aから回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bに流れる空気の流路の長さが大きくなる。
実施の形態1に係る回転電機において、翼端渦133の大きさは、翼端部126とフロント側ケーシング部109との間の領域Cの圧力と回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bの圧力との差に依存する。翼端部126とフロント側ケーシング部109との間の領域Cの圧力と回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bの圧力との差を第1圧力差とする。回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aの圧力と回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bの圧力との差を第2圧力差とする。第1圧力差は、第2圧力差よりも小さい。したがって、実施の形態1に係る回転電機では、第1比較例の回転電機と比較して、発生する翼端渦133が小さくなる。翼端渦133が小さくなることによって、発生する騒音が低減される。
軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126は、第2端部128のみに配置されている。圧力面129と負圧面130との間の圧力差は、径方向D2の内側から外側に向かうにつれて大きくなる。これにより、径方向D2における翼125の内側の部分によって発生する翼端渦133は、径方向D2における翼125の外側の部分によって発生する翼端渦133よりも小さい。したがって、翼端部126が翼125における径方向D2の外側の部分のみに設けられている場合であっても、第1冷却ファン107Bが回転することによって発生する騒音が低減される。
図12は、第2比較例の回転電機の要部を示す断面図である。第2比較例の回転電機では、第1冷却ファン107Bは、主板124と、複数の翼125と、環状の側板135とを有している。第1冷却ファン107Bの主板124および翼125の構成は、実施の形態1に係る回転電機の第1冷却ファン107の主板124および翼125の構成と同様となっている。
側板135は、周方向D3に沿ってそれぞれの翼125の先端部に渡って設けられている。これにより、第1冷却ファン107Bが回転することによって発生する騒音が低減されている。
側板135は、軸方向D1においてそれぞれの翼125の先端部に重ねられている。軸方向D1における主板124から側板135におけるフロント側ケーシング部109に対向する面までの寸法をL3とする。第1冷却ファン107Bにおける主板124から側板135におけるフロント側ケーシング部109に対向する面までの寸法L3は、第1冷却ファン107における主板124からの翼125の先端部までの寸法L1よりも大きくなっている。したがって、実施の形態1に係る回転電機の第1冷却ファン107は、第2比較例の回転電機の第1冷却ファン107Bよりも小さくなっている。
以上説明したように、実施の形態1に係る回転電機では、第1冷却ファン107は、主板124と、翼125と、翼端部126とを有している。主板124は、軸方向D1における回転子104の端部に設けられている。翼125は、板形状に形成され、軸方向D1において回転子104とは反対側へ主板124から突出している。翼端部126は、翼125の先端部に設けられており、翼125の厚み方向へ翼125から突出している。この構成によれば、側板135が軸方向D1において翼125の先端部に重ねられている第2比較例の回転電機と比較して、第1冷却ファン107の小型化を図ることができる。また、この構成によれば、第1冷却ファン107Aが主板124および翼125から構成されている第1比較例の回転電機と比較して、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音を低減させることができる。したがって、実施の形態1に係る回転電機では、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音を低減させるとともに、第1冷却ファン107の小型化を図ることができる。
また、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126は、翼125の第2端部128のみに配置されている。この構成によれば、圧力面129と負圧面130との間の圧力差が最も大きくなる翼125の部分のみに翼端部126が配置される。これにより、翼端渦133の発生を効率的に抑制することができるとともに、第1冷却ファン107の形状の簡素化および第1冷却ファン107の軽量化を図ることができる。
また、第1冷却ファン107は、鋼板から構成されており、主板124は、回転子104の回転子鉄心113に溶接によって接合されている。この構成によれば、例えば、20000rpmを超える回転数で第1冷却ファン107が回転する場合に、第1冷却ファン107が回転子鉄心113から外れることを抑制することができる。
なお、実施の形態1に係る回転電機では、翼端部126が負圧面130に設けられた構成について説明した。しかしながら、翼端部126は、圧力面129に設けられた構成であってもよい。翼端部126が圧力面129に設けられている場合であっても、回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域Aから回転方向D4において負圧面130よりも後方側の領域Bに流れる空気の流路の長さが大きくなる。したがって、翼端部126が圧力面129に設けられている場合であっても、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音を低減させることができる。翼端部126が負圧面130に設けられている場合は、翼端部126が圧力面129に設けられている場合と比較して、圧力面129の面積が大きくなる。
実施の形態2.
図13は、実施の形態2に係る回転電機の要部を示す斜視図である。実施の形態2に係る回転電機では、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126は、翼125に沿った方向における翼125の全範囲に配置されている。
翼端部126が翼125の全範囲に配置されていることによって、回転方向D4において圧力面129よりも前方側の領域から負圧面130よりも後方側の領域に回り込む空気流132が整流される。したがって、翼端渦133の大きさが径方向D2の全域に渡って安定して小さくなる。
実施の形態2に係る回転電機におけるその他の構成は、実施の形態1に係る回転電機の構成と同様である。
以上説明したように、実施の形態2に係る回転電機では、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126は、翼125に沿った方向における翼125の全範囲に配置されている。この構成によれば、翼端渦133の大きさが径方向D2の全域に渡って安定して小さくなる。その結果、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音をより確実に低減させることができる。
実施の形態3.
図14は、実施の形態3に係る回転電機の要部を示す斜視図である。実施の形態3に係る回転電機では、翼端部126は、径方向D2において第1吸気口117よりも外側のみに配置されている。
軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、第1吸気口117および翼端部126は、互いに重ならないように配置されている。これにより、第1吸気口117を通過した流入空気流F1は、翼端部126に遮られることがなく、周方向D3に互いに隣り合う翼125の間の領域に進入することができる。したがって、第1冷却ファン107による送風性能の低下が抑制される。
実施の形態3に係る回転電機におけるその他の構成は、実施の形態1または実施の形態2に係る回転電機の構成と同様である。
以上説明したように、実施の形態3に係る回転電機では、ファン対向端板部115には、第1吸気口117が形成されており、翼端部126は、径方向D2において第1吸気口117よりも外側のみに配置されている。この構成によれば、第1冷却ファン107による送風性能を低下させることなく、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音を低減させることができる。
実施の形態4.
図15は、実施の形態4に係る回転電機の第1冷却ファンを示す斜視図である。実施の形態4に係る回転電機では、翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法は、径方向D2において内側から外側に向かうにつれて大きくなっている。
周方向D3における翼125の速度は、径方向D2の内側から外側に向かうにつれて大きくなる。したがって、圧力面129と負圧面130との間の圧力の差は、径方向D2の内側から外側に向かうにつれて大きくなる。これにより、フロント側ケーシング部109と翼125および翼端部126との間の隙間134を流れる空気の流れの速度は、径方向D2の内側から外側に向かうにつれて大きくなる。
翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法が径方向D2の内側から外側に向かうにつれて大きくなっていることによって、径方向D2の内側から外側に向かうにつれて翼端渦133が発達することが抑制される。
翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法が径方向D2の外側から内側に向かうにつれて小さくなっている。これにより、第1吸気口117から周方向D3に互いに隣り合う翼125の間における空気の流れに必要な流路面積が確保されている。その結果、第1冷却ファン107の送風性能が維持されている。
実施の形態4に係る回転電機におけるその他の構成は、実施の形態1、実施の形態2または実施の形態3に係る回転電機の構成と同様である。
以上説明したように、実施の形態4に係る回転電機では、翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法は、径方向D2において内側から外側に向かうにつれて大きくなっている。この構成によれば、第1冷却ファン107の送風性能を維持するとともに、第1冷却ファン107が回転することによって発生する騒音を低減させることができる。
なお、実施の形態4に係る回転電機では、実施の形態1に係る回転電機と同様に、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126は、翼125の第2端部128のみに配置されている。しかしながら、実施の形態2に係る回転電機と同様に、軸方向D1に沿って第1冷却ファン107を見た場合に、翼端部126が、翼125に沿った方向における翼125の全範囲に配置される構成であってもよい。また、実施の形態3に係る回転電機と同様に、翼端部126が、径方向D2において第1吸気口117よりも外側のみに配置されている構成であってもよい。
また、実施の形態1から実施の形態4に係る回転電機では、それぞれの翼端部126の形状が互いに同一となっている構成について説明した。しかしながら、翼端部126が翼から突出する方向における翼端部126の寸法、径方向D2における翼端部126の位置および翼125と翼端部126との間の成す角度の少なくとも1つに関して、互いに異なる複数の翼端部126を有する構成であってもよい。低減させる対象の騒音は、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108の回転数に対応する。したがって、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108の回転数に対応して、翼端部126の寸法、翼端部126の位置および翼125と翼端部126との間の成す角度の少なくとも1つに関して、互いに異なる複数の翼端部126を形成する。また、複数の翼125のうちの一部の翼125において、翼端部126が設けられていない構成としてもよい。この場合に、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108の回転数に対応して、複数の翼125のそれぞれについて翼端部126の有無を決定する。なお、径方向D2における翼端部126の位置とは、径方向D2における翼端部126の中心の位置である。
また、回転電機における回転子104の極数は、偶数となっている。したがって、回転子104の次数成分をずらして、回転子104の回転音を低減させるために、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108のそれぞれの翼125の数は、奇数であり、かつ、互いに素となる数となっている。また、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108において、複数の翼125は、周方向にばらつきを有して配置されている。言い換えれば、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108において、翼125の粗の部分と密の部分とが形成されている。したがって、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108には、周方向D3の位置において重量のアンバランスが発生する。内燃機関から回転電機にトルクが伝達されて、例えば、20000rpmを超える回転数で第1冷却ファン107および第2冷却ファン108は回転する。これにより、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108における重量のアンバランスによる騒音が発生する場合がある。この場合には、第1冷却ファン107および第2冷却ファン108の重量のアンバランスを調整する必要がある。この調整として、翼端部126が翼125から突出する方向における翼端部126の寸法、径方向D2における翼端部126の位置および翼125と翼端部126との間の成す角度の少なくとも1つに関して、互いに異なる複数の翼端部126を形成してもよい。また、この調整として、複数の翼125のそれぞれについて翼端部126の有無を決定してもよい。
1 駆動部、2 インバータ部、101 ケーシング、102 固定子、103 回転軸、104 回転子、105 第1軸受、106 第2軸受、107 第1冷却ファン、108 第2冷却ファン、109 フロント側ケーシング部、110 リア側ケーシング部、111 固定子鉄心、112 固定子巻線、113 回転子鉄心、114 回転子巻線、115 ファン対向端板部、116 ファン対向円筒部、117 第1吸気口、118 第1排気口、119 ファン対向端板部、120 ファン対向円筒部、121 第2吸気口、122 第2排気口、123 プーリ、124 主板、125 翼、126 翼端部、127 第1端部、128 第2端部、129 圧力面、130 負圧面、131 隙間、132 空気流、133 翼端渦、134 隙間。

Claims (6)

  1. ケーシングと、
    前記ケーシングに固定された固定子と、
    前記固定子に対向して設けられ、前記固定子に対して回転する回転子と、
    前記回転子に固定され、前記回転子の軸線を中心として前記回転子と一体に回転する冷却ファンと、
    を備え、
    前記冷却ファンは、前記回転子の軸方向における前記回転子の端部に設けられた主板と、前記回転子の軸方向において前記回転子とは反対側へ前記主板から突出した板形状の複数の翼と、複数の前記翼のそれぞれの先端部に1つずつ設けられた複数の翼端部とを有しており、
    複数の前記翼のそれぞれにおいて、前記回転子の軸方向に沿って前記冷却ファンを見た場合に、前記翼に沿った方向における前記翼の一端部である第1端部は、前記翼に沿った方向における前記翼の他端部である第2端部よりも前記冷却ファンの径方向において内側に位置し、かつ、前記冷却ファンの回転方向において前記第2端部よりも前方側に位置しており、
    複数の前記翼端部のそれぞれは、前記翼の厚み方向へ前記翼から突出しており、
    複数の前記翼端部のそれぞれは、前記翼の厚み方向を向く前記翼の一対の面のうちの前記回転子の径方向における内側を向く面である負圧面に設けられている回転電機。
  2. 前記回転子の軸方向に沿って前記冷却ファンを見た場合に、前記翼端部は、前記第2端部のみに配置されている請求項1に記載の回転電機。
  3. 前記回転子の軸方向に沿って前記冷却ファンを見た場合に、前記翼端部は、前記翼に沿った方向における前記翼の全範囲に配置されている請求項1に記載の回転電機。
  4. 前記ケーシングは、前記回転子の軸方向において前記冷却ファンに対向するファン対向端板部を有しており、
    前記ファン対向端板部には、吸気口が形成されており、
    前記翼端部は、前記冷却ファンの径方向において前記吸気口よりも外側のみに配置されている請求項1に記載の回転電機。
  5. 前記翼端部が前記翼から突出する方向における前記翼端部の寸法は、前記冷却ファンの径方向において内側から外側に向かうにつれて大きくなっている請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の回転電機。
  6. 前記冷却ファンは、鋼板から構成されており、
    前記主板は、前記回転子の回転子鉄心に溶接によって接合されている請求項1から請求項5までの何れか一項に記載の回転電機。
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