JP2001329994A - 多翼遠心送風機の羽根車 - Google Patents

多翼遠心送風機の羽根車

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JP2001329994A
JP2001329994A JP2000149730A JP2000149730A JP2001329994A JP 2001329994 A JP2001329994 A JP 2001329994A JP 2000149730 A JP2000149730 A JP 2000149730A JP 2000149730 A JP2000149730 A JP 2000149730A JP 2001329994 A JP2001329994 A JP 2001329994A
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blades
cone
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Yasunori Fujita
泰範 藤田
Masaaki Kawahashi
正昭 川橋
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Valeo Thermal Systems Japan Corp
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Zexel Valeo Climate Control Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 騒音の低減と効率の向上を図るようにした多
翼遠心送風機の羽根車を提供する。 【解決手段】 回転軸に固装されるボス部と、このボス
部から連接されるコーン部と、回転軸の軸方向に立設さ
れると共にコーン部の外周縁の円周方向に沿って設けら
れた複数の前向き羽根7とを具備し、吸込口より流入さ
れた空気を前記コーン部に沿って羽根7へ導き、羽根と
羽根との間を通過させる羽根車において、羽根7の翼前
縁部7aを、コーン部の傾斜角を考慮して決定した流入
角β1に一致させ、羽根7の翼後縁部7bを、滑り率を
考慮して決定された流出角β2に一致させる。羽根7
は、翼前縁部7aから翼後縁部7bにかけて翼厚を徐々
に薄く形成し、これら羽根7の負圧面及び正圧面を、楕
円の一部を成す曲線と円弧との組み合わせて形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車載用空調装置な
どに用いられる多翼遠心送風機の羽根車の構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車載用空調装置の送風機として多用され
ている多翼遠心送風機は、車室内の快適性、静粛性の向
上から、更なる大風量化、騒音の低減(低騒音化)、効
率の向上が求められている。このため、送風機の性能向
上を図るうえにおいて、羽根車の果たす役割は大きく、
翼間を通過する空気の流れを考慮した羽根形状の設計が
重要になってくる。
【0003】通常、羽根車は、回転軸に固装されるボス
部と、このボス部から連接されるコーン部と、回転軸の
軸方向に立設されると共にコーン部の外周縁に円周方向
に沿って設けられた複数の前向き羽根とを具備するもの
であり、このような羽根車に用いられる羽根は、主とし
て図6に示されるような円弧翼で構成されるものが多
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな円弧翼にあっては、羽根Aの曲率半径、又は、反り
と羽根の取付角α(ここでは、翼列線に対して垂直とな
る線と翼弦との角度とする)とによって、羽根Aの流入
角β1、及び、流出角β2が決まってしまう。このた
め、取付角αを、図7(a)、(b)のように、α1か
らα2に変えた場合には、流入角β1と流出角β2とが
共に変わってしまうこととなる。流出角β2は羽根車の
基本特性にかかわるものであるため、通常、この流出角
β2で取付け角度を決定することから、流入角β1が実
際の流れに必ずしも一致しなくなり、流れに剥離が生じ
て騒音の発生や性能の低下を招いてしまう不都合があ
る。
【0005】また、多翼遠心送風機の羽根車は、図8
(a)に示されるように、回転軸に固装されたボス部B
から連接されたコーン部Cを有し、その外周縁に設けら
れた羽根と羽根との間を空気が通過する構成となってお
り、実際の空気はコーン部Cに沿って斜めに流れて羽根
間に流入するものであるが、従来の羽根車の設計にあっ
ては、同図の矢印で示されるように、羽根車の羽根Aに
対して垂直に空気が流れるモデル、即ち、図8(b)に
も示されるように、羽根Aの翼前縁部から翼後縁部にか
けて羽根車の回転軸に対して垂直に空気が流れるモデル
を想定し、図9に示されるような流入断面積Sと流入速
度Vとを考慮して流入角β1を設定するようにしてい
た。このため、設計上の流入角と実際に要求される流入
角とが一致せず、流入空気と羽根の翼前縁部との衝突や
羽根の負圧面での剥離によって騒音や流入損失が増大す
る不都合があった。
【0006】さらに、流出角β2の設計は、羽根車の基
本特性にかかわることから、慎重な設計が行われるもの
であるが、実際の羽根車にあっては、図6の破線の矢印
で示されるように、羽根Aの出口側において少なからず
滑りが生じることが確認されており、このような滑りに
よって設定通りの圧力ヘッドを確保することができなく
なる不都合があった。
【0007】そこで、この発明においては、上述した数
々の点を改善した羽根形状を構築し、騒音の低減と効率
の向上を図るようにした多翼遠心送風機の羽根車を提供
することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明に係る多翼遠心送風機の羽根車は、回転軸
に固装されるボス部と、このボス部から連接されるコー
ン部と、前記回転軸の軸方向に立設されると共に前記コ
ーン部の外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の前
向き羽根とを具備し、吸込口より流入された空気を前記
コーン部に沿って前記羽根へ導き、羽根と羽根との間を
通過させる多翼遠心送風機の羽根車において、前記羽根
の翼前縁部を、前記羽根車の内径と、前記羽根車の内周
速度と、前記吸込口から前記コーン部に沿って流れる空
気の流速と、前記コーン部の傾斜角とを少なくとも考慮
して決定された流入角に一致させ、前記羽根の翼後縁部
を、前記羽根車の外径と、前記羽根車の外周速度と、前
記羽根から流出する空気の流速と、滑り率とを少なくと
も考慮して決定された流出角に一致させるようにしたこ
とを特徴としている(請求項1)。
【0009】したがって、羽根の流入角は、羽根車のコ
ーン部の傾斜角、即ち、コーン部に沿って流れて羽根間
に流入する実際の空気流の方向が考慮されて決定される
こととなるので、羽根に流入する空気の実際の流れに即
した最適な流入角が得られようになり、また、流出角に
おいても、滑り率を考慮して決定されるので、流出する
空気の実際の流れに即した最適な流出角を設定すること
ができるようになる。
【0010】ここで、羽根車の羽根は、翼前縁部から翼
後縁部にかけて翼厚を徐々に薄く形成するようにしても
よく(請求項2)、このような構成とすることで、羽根
と羽根との空気通路を羽根車の内側から外側に向かうに
つれて大きくすることができ、羽根の表面を流れる空気
の流れを整えることができる。
【0011】また、上述した羽根車の羽根、即ち、コー
ン部に沿って流れる空気流の方向を考慮した流入角と滑
り率を考慮した流出角とを備えた羽根や、翼前縁部から
翼後縁部にかけて翼厚を徐々に薄くする羽根は、正圧面
及び負圧面の翼前縁部から翼後縁部に至る形状を楕円の
一部を成す曲線と円弧との組み合わせて形成すると良い
(請求項3)。
【0012】このように楕円の一部を成す曲線と円弧と
の組み合わせて正圧面と負圧面とを形成するようにすれ
ば、上述した流入角と流出角とを共に満たした最適な羽
根形状を形成することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の態様を図
面に基づいて説明する。図1において、この発明に係る
多翼遠心送風機の概略が示され、この多翼遠心送風機
は、渦巻状のケース1と、このケース1に装着されるモ
ータ2と、このモータ2に固着されてケース1に収納さ
れる羽根車3とによって構成されている。
【0014】羽根車3は、モータ2の回転軸4に固着さ
れるボス部5と、このボス部5から円錐状に径方向へ広
がるコーン部6と、このコーン部6の外周縁から軸方向
に立設し、外周縁の円周方向に沿って設けられた複数の
羽根7とを有して構成されている。
【0015】羽根車3は、ケース1の開口部1aに吸入
口8を臨ませるように収納されているもので、コーン部
6は、この構成例においては軸心と直角となる面に対し
て所定の傾斜角θで傾斜させたものとなっており、モー
タ2によって回転されると、吸入口8から流入する空気
が、図2(a)にも示されるように、コーン部6に沿っ
て流れ、ほぼコーン部6の傾斜角θで羽根間に流入し、
図2(b)の太線で示されるように、羽根の表面を斜め
に過ぎるように流れる。
【0016】羽根7は、羽根車3の羽根出口が回転方向
へ傾くように湾曲している前向き羽根によって構成され
ており、図3に示されるように、翼前部7aから翼後部
7bにかけて翼厚を徐々に薄くした翼形をなす形状とな
っている。
【0017】このような羽根7は、コーン部6に沿って
流入する空気の角度、即ち、コーン部6の傾斜角θを考
慮して流入角β1が設定されており、また、滑り率を考
慮して流出角β2が設定されている点に特徴があり、速
度三角法を利用して次のようにして決定される。尚、本
件においては、図3で示すように、流入角β1を、相対
流入速度の方向と翼列線の翼前縁部での接線t1 とのな
す角で表し、流出角β2を、相対流出速度の方向と翼列
線の翼後縁部での接線t2 とのなす角で表すものとす
る。
【0018】この流入角β1と流出角β2を算出するに
あたり、羽根車の内径を2r1、羽根車の外径を2r2、羽
根の高さをb、羽根車の回転数をn、全圧上昇をP、空
気の流量をQ、空気の密度をρ、重力加速度をg、羽根
車の内周速度をu1 、羽根車の外周速度をu2 、流入流
の相対速度をω1 、流出流の相対速度をω2 、流入流の
絶対速度周方向成分をVu1、流入流の絶対速度径方向成
分をVr1、流出流の絶対速度周方向成分をVu2、流出流
の絶対速度径方向成分をVr2とする。
【0019】先ず、流入角β1を決定する場合について
図4に基づいて説明すると、流入流は、羽根車3のコー
ン部6に沿って流れることから、コーン部6に対して垂
直となる流入断面をS、流入流(空気)の単位時間あた
りの流量をQとすると、この流入断面での流入流の絶対
速度をVr1' は、数式1のようになる。
【0020】
【数1】Vr1’=Q/S
【0021】ここで、流入断面の面積Sは、図4(a)
にも示されるように、コーン部6に沿って流れる空気に
対して垂直となる面であることから、図4(b)に示さ
れるような円錐台の側面に相当する面積となる。したが
って、この面積Sは、同図に示す幾何学的関係から数式
2によって求められる。尚、図中、Lは、羽根の上端と
コーン部との距離、即ち、円錐台の母線の長さであり、
L=bcos θで表され、rは、円錐台の小円の半径であ
り、r=r1−bcos θsin θで表されるものである。
【0022】
【数2】S=π(r1 2 −r2 )/sin θ
【0023】このようにして得られた流速Vr1’は、羽
根車3の軸方向に対してθだけ傾いた流入断面のもので
あるが、流入角β1は、羽根7に対して垂直となる成分
で決定されることから、このVr1’を幾何学的関係によ
って水平方向に変換する必要がある。この水平方向に変
換された流入流の絶対速度がVr1であることから、Vr1
は数式3のようになる。
【0024】
【数3】Vr1=Vr1’・COS θ
【0025】羽根車の内径速度u1 は、u1 =r1・ω
(ω:角速度=2πn/60)で表されることから、図
5(a)に示されるように、羽根車の内径速度u1 と流
入流の絶対速度Vr1との幾何学的関係から、流入角β1
は、数式4によって算出される。
【0026】
【数4】
【0027】したがって、このようにして流出角β1を
決定すれば、羽根車3の吸入口8から吸入された空気が
コーン部6に沿って流れて羽根間に流入する実際の流入
流の状態を考慮したβ1を得ることが可能となる。
【0028】次に、流出角β2を設定する場合について
説明すると、圧力ヘッドHは、Euler の式より、数式5
のようになる。
【0029】
【数5】H=(u2 ・Vu2−u1 ・Vu1)/g
【0030】また与えられた条件より、圧力ヘッドH
は、数式6のようになる。
【0031】
【数6】H=P/ρg
【0032】ここで、流入流の予旋回成分はないものと
すると、Vu1=0であり、数式5と数式6とからVu2
求めると、数式7のようになる。
【0033】
【数7】Vu2=P/ρu2
【0034】しかしながら、実際の流出流では滑りが生
じることから、この滑り分を補正する必要がある。この
ため、滑り率をσとして、Vu2をVu2/(1−σ)で置
き換える。
【0035】ところで、羽根間から流出する単位時間当
たりの流量Qは、Vr2と翼出口側面積との積になるの
で、Vr2は、数式8によって決定される。
【0036】
【数8】Vr2=Q/2πr2
【0037】よって、羽根車の外径速度u2 は、u2
r2・ω(ω:角速度=2πn/60)で表されるから、
図5(b)に示す幾何学的関係から、出口角β2は、数
式9のようになる。尚、図5(b)において、V2 は、
滑りを考慮した流出流の絶対速度ベクトルである。
【0038】
【数9】β2=180−tan-1(Vr2/(Vu2/(1
−σ)−u2
【0039】したがって、このようにして流出角β2を
決定すれば、流出流の実際の滑りを考慮したβ2を得る
ことが可能となる。
【0040】例えば、羽根車の内径(2r1)を130m
m、羽根車の外径(2r2)を152mm、羽根の高さ
(b)を68mm、羽根車の回転数を2800rpm、
全圧上昇(P)を580Pa、空気の流量(Q)を48
0m3/h とし、コーン部6の傾斜角θ、即ち、コーン部
6に沿って流入する空気流と回転軸4に対して垂直とな
る面との角度を45度とし、さらに、実際の流出流では
50%程度の滑りが確認されていることから、滑り率σ
=0.5にすると、u1 =19.06m/s 、u2=2
2.29m/s であり、数式1及び数式2からVr1’=
9.19m/s 、数式4からβ1=19度となる。また、
数式7からVu2=21.69m/s 、数式8からVr2
4.11m/s となり、数式9からβ2=169度とな
る。
【0041】したがって、上述の例では、流入角β1=
19度、流出角β2=169度として羽根形状を決定す
ればよいこととなる。ところで、このような最適な流入
角β1と流出角β2とを同時に満たす羽根形状を決定す
るにあたり、従来のような単一円弧によって羽根の正圧
面と負圧面との形状を決定したのでは、前述した如く流
出角β2を優先して取付角が設定されれば、流入角β1
を犠牲にすることとなり、騒音の増加、効率の低下など
の不都合をきたすこととなる。
【0042】そこで、上述の流入角β1と流出角β2と
を同時に満たす羽根形状について、本発明者らによって
研究が重ねられた結果、羽根の正圧面と負圧面との形状
を楕円の一部を構成する曲線と円弧との組み合わせて決
定すれば、上述の流入角β1と流出角β2とを同時に満
たす最適な羽根形状を形成できることが確認されてい
る。
【0043】例えば、羽根の正圧面と負圧面とのそれぞ
れを、翼前縁部から羽根の中程にかけて楕円の一部で構
成し、この例では、羽根の翼前縁部に楕円の長軸を合わ
せ、そこから短軸に至る楕円の1/4の曲線を割り当て
て構成し、また、羽根の中程から翼後縁部にかけては、
円弧を割り当てて構成し、楕円の長径a及び短径bと楕
円の中心O1 、円弧部分の曲率半径Rと円弧の中心O2
を実験や数値解析などによって適宜選定することによっ
て上述した流入角β1と流出角β2とを同時に満たす最
適な羽根形状を得ることができる。
【0044】特に本構成例においては、正圧面と負圧面
とで楕円の長径a及び短径bと楕円の中心、円弧部分の
曲率半径Rと円弧の中心の全部、又は、一部を変えるこ
とによって、翼前縁部から翼後縁部にかけて、徐々に翼
厚が薄くなる翼形状に形成されている。
【0045】したがって、上述のような羽根形状を有す
る羽根車を用いれば、コーン部6の傾斜角θ、即ち、コ
ーン部6に沿って流れる実際の空気流の流入方向が考慮
された流入角β1を有しているので、空気の流入流と羽
根との衝突を緩和することができ、騒音の低減、流入損
失の低減を図ることができる。また、滑り率を考慮した
羽根の流出角β2を有しているので、設定通りの圧力ヘ
ッドを確保することができる。
【0046】しかも、羽根の負圧面及び正圧面の翼前縁
部から翼後縁部に至る形状を楕円の一部を成す曲線と円
弧との組み合わせて形成することによって、翼前縁部か
ら翼後縁部にかけて羽根の翼厚が徐々に形成されている
ので、羽根の負圧面での流入流の剥離を低減することが
でき、翼間での損失を低減できるようになる。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
羽根車の羽根の翼前縁部を、羽根車の内径と、羽根車の
内周速度と、吸込口から前記コーン部に沿って流れる空
気の流速と、羽根車のコーン部の傾斜角とを少なくとも
考慮して決定された流入角に一致させ、羽根の翼後縁部
を、羽根車の外径と、羽根車の外周速度と、羽根から流
出する空気の流速と、滑り率とを少なくとも考慮して決
定された流出角に一致させるようにしたので、次のよう
な効果が得られる。
【0048】即ち、コーン部に沿って流れる空気流の角
度を考慮して流入角が設定されるので、実際の空気の流
れ方に見合った流入角とすることができ、空気の流入流
と羽根との衝突を緩和することができ、騒音の低減、流
入損失の低減を図ることが可能となる。
【0049】また、羽根の流出角を滑り率をも考慮して
設定するようにしたので、流出する空気の実際の流れに
見合った最適な流出角とすることができ、設定した圧力
ヘッドを確保することが可能となる。
【0050】羽根車のコーン部に沿った空気の流れを考
慮した流入角と滑り率を考慮した流出角とを備える羽根
車の羽根は、翼前縁部から翼後縁部にかけて翼厚を徐々
に薄く形成することが好ましく、このような構成とする
ことによって、羽根の負圧面での流入流の剥離を低減す
ることができるので翼間での損失を低減することが可能
となり、また、圧力変動の低減、出口流速の平均化を図
ることができるので、騒音の低減が可能となり、羽根の
正圧面と負圧面との圧力差を低減することができるの
で、回転軸のトルクの低減を図ることができるようにな
る。
【0051】さらに、上述の羽根車の羽根の負圧面及び
正圧面の翼前縁部から翼後縁部に至る形状を楕円の一部
を成す曲線と円弧との組み合わせて形成すれば、羽根車
のコーン部に沿って流入する空気流の角度を考慮した流
入角と滑り率を考慮した流出角を備えた適切な羽根車の
羽根形状を構築し易いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本願発明にかかる多翼遠心送風機の全
体構成を示す概略図であり、図1(a)はその平面図で
あり、図1(b)はその側面図を示す。
【図2】図2は、羽根車の羽根に対して実際の空気の流
入方向を考慮した本願のモデルを説明するための図であ
り、図2(a)は、傾斜角θの羽根車のコーン部に沿っ
て空気が流入する状態を示す図であり、図2(b)は、
本発明に係る羽根車の羽根を示し、羽根間を通過する空
気の軌跡を太線で示した図である。
【図3】図3は、本発明の羽根車の羽根を拡大して示し
た平面図である。
【図4】図4は、本発明に係る羽根車の羽根の流入角を
決定する手法を説明するための説明図であり、図4
(a)は、図3(a)のモデルを書き直した図であり、
図4(b)は、図4(a)のモデルに基づいて流入断面
を算出するために利用する説明図である。
【図5】図5(a)は、本発明にかかる羽根車の翼入口
での速度ベクトル図を示し、図5(b)は、本発明にか
かる羽根車の翼出口での速度ベクトル図を示す。
【図6】図6は、従来の羽根車の羽根を拡大して示した
平面図である。
【図7】図7は、従来の羽根車の羽根の取付け角を異な
らせた状態を示す図である。
【図8】図8(a)は、羽根車の羽根に対して垂直に空
気が流入する場合を想定した従来のモデルを示し、図8
(b)は、従来の羽根車の羽根を示し、羽根間を通過す
る空気の軌跡を太線で示した図である。
【図9】図9は、図8(a)のモデルに基づいて流入断
面を算出するために利用する説明図である。
【符号の説明】
3 羽根車 4 回転軸 5 ボス部 6 コーン部 7 羽根 7a 翼前縁部 7b 翼後縁部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に固装されるボス部と、このボス
    部から連接されるコーン部と、前記回転軸の軸方向に立
    設されると共に前記コーン部の外周縁の円周方向に沿っ
    て設けられた複数の前向き羽根とを具備し、吸込口より
    流入された空気を前記コーン部に沿って前記羽根へ導
    き、羽根と羽根との間を通過させる多翼遠心送風機の羽
    根車において、 前記羽根の翼前縁部を、前記羽根車の内径と、前記羽根
    車の内周速度と、前記吸込口から前記コーン部に沿って
    流れる空気の流速と、前記コーン部の傾斜角とを少なく
    とも考慮して決定された流入角に一致させ、 前記羽根の翼後縁部を、前記羽根車の外径と、前記羽根
    車の外周速度と、前記羽根から流出する空気の流速と、
    滑り率とを少なくとも考慮して決定された流出角に一致
    させるようにしたことを特徴とする多翼遠心送風機の羽
    根車。
  2. 【請求項2】 前記羽根は、翼前縁部から翼後縁部にか
    けて翼厚を徐々に薄く形成したことを特徴とする請求項
    1記載の多翼遠心送風機の羽根車。
  3. 【請求項3】 前記羽根の負圧面及び正圧面は、翼前縁
    部から翼後縁部に至る形状を楕円の一部を成す曲線と円
    弧との組み合わせて形成されていることを特徴とする請
    求項1又は2記載の多翼遠心送風機の羽根車。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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