JP2000303992A - 斜流送風機 - Google Patents
斜流送風機Info
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Abstract
剥離に起因する騒音の増大と送風性能の低下を可及的に
抑制する。 【解決手段】 斜流羽根車1とベルマウス2と該斜流羽
根車1の吸込側と吹出側とを隔離する仕切板3と上記斜
流羽根車1の吹出側に設けられた転向板4とを備えた斜
流送風機において、上記斜流羽根車1の羽根角度を、羽
根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とにより「βb2
−βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時
の羽根車出口側の半径「R」を、上記斜流羽根車1の吹
出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」
とに対して、「Rh<R<Rt」となるように設定す
る。かかる構成とすることで、低騒音化と高い送風低能
を実現した斜流送風機が得られる。
Description
するものである。
置として斜流羽根車を備えた斜流送風機が採用される場
合が多いが、この場合、特に、壁面に近接して設置され
るタイプの室外機にあっては、その前面側から空気を吸
い込み、これを側方あるいは上方から吹き出すような空
気流通形態となることから、斜流羽根車からの吹出流を
半径方向外側へ転向させる手段を講じることが必要であ
る。
方向への転向手段として、例えば特公平6−58116
号公報に開示されるように、斜流羽根車の吹出側に遠心
ディフューザを配置し、上記斜流羽根車からの吹出流を
遠心ディフューザによって半径方向外側へ転向させるよ
うにしたもの(以下、説明の便宜上「第1の従来構造」
という)とか、斜流羽根車の吹出側に近接してその回転
軸線に垂直な方向に延びる転向板を備え、該斜流羽根車
からの吹出流を該転向板によって半径方向外側へ転向さ
せるようにした簡易的構造(以下、説明の便宜上「第2
の従来構造」という)も提案されている。
向手段として遠心ディフューザを用いた上記「第1の従
来構造」は、遠心ディフューザを用いると斜流羽根車に
おける翼間流れが羽根のチップ部側に偏ることに起因し
てファン圧力性能が劣化するのを、上記羽根の羽根出口
角を斜流羽根車の半径方向において一定となるように設
定することで抑制するようにしたものである。
吹出流の転向手段として用いた斜流送風機においては、
該遠心ディフューザがその機能確保上、比較的大きい軸
方向寸法をもつ形態とされることから、該斜流送風機が
搭載される機器、例えば空気調和機の外寸の増大を招来
するとともに、該遠心ディフューザはその構造が単純で
はないことから斜流送風機のコストアップにつながる、
等の問題があった。
による形態上の問題は、上記「第2の従来構造」のよう
に、構造が単純で且つコンパクトな転向板を吹出流の転
向手段として採用することで解決することができるもの
である。
えた「第2の従来構造」のものに、上記「第1の従来構
造」における斜流羽根車の羽根構造(即ち、羽根の羽根
出口角を斜流羽根車の半径方向において一定となるよう
に設定する構造)を適用すると、以下に述べるような新
たな問題が生じることになる。
4を参照して、斜流羽根車における羽根の羽根入口角
「βb1」と羽根出口角「βb2」とについて説明する。
り、同図において符号11はハブ、2はベルマウスであ
り、斜流羽根車はハブ11の軸心を通る回転軸線「L
0」回りに回転する。
流線「Ls」を上記回転軸線「L0」まで延ばして該回
転軸線「L0」との交点を「a」とするとともに、上記
設計流線「Ls」の羽根後縁との交点を「b」とし、さ
らに上記「b」から上記回転軸線「L0」に下ろした垂
線と該回転軸線「L0」との交点を「c」とし、これら
各点「a」,「b」,「c」を結んで得られる三角形
を、上記回転軸線「L0」回りに回転させて得られる円
錐面を「回転流面」という。この回転流面上の翼素を平
面に展開すると、図4に示すように同心状の入口円C1
と出口円C2とをもつ円錐展開面となり、この円錐展開
面の上記入口円C1と出口円C2との間に跨がって上記羽
根12が設定される。そして、ここで、上記羽根12の
前縁における上記入口円C1の接線方向に対する角度が
羽根入口角「βb1」であり、羽根12の後縁における上
記出口円C2の接線方向に対する角度が羽根出口角「βb
2」である。
根車の入口外径、「D2」は出口外径、「Rh」は吹出
側ハブ部半径、「Rt」は吹出側チップ部半径である。
ものに、上記「第1の従来構造」における斜流羽根車の
羽根構造を適用した場合の問題であるが、一般に羽根車
においては、羽根前縁への流入流れが無衝突となるよう
に、羽根入口角「βb1」を斜流羽根車の半径の増大に伴
って大きくなるように設定するのが通例である。従っ
て、かかる設定の羽根入口角「βb1」に対して、上記
「第2の従来構造」のように、羽根出口角「βb2」を半
径方向にほぼ一定となるように設定すると、羽根入口角
「βb1」と羽根出口角「βb2」とで定義される転向角
「△β(=βb2−βb1)」が、図5において「曲線L
b」で示すように、斜流羽根車の半径の増大にほぼ比例
して単調に増加する傾向となる。
流羽根車の出口側に近接して転向板を配置した構造の場
合には、翼間流れがチップ部側に偏る傾向が、遠心ディ
フューザを設ける場合よりも更に顕著となる。従って、
上述のように、羽根出口角「βb2」を斜流羽根車の半径
方向において一定となるように設定すると、羽根におい
てはそのチップ部側の負荷がさらに大きくなり、この結
果、翼負圧面流れの境界層が発達し、羽根の後縁側で剥
離を生じ易くなる。しかも、この場合、羽根のチップ部
は、羽根のうちで最も周速が大きい部分であることか
ら、チップ部側の羽根負圧面流れの剥離に起因して、騒
音が増大するという問題が生じることになるものであ
る。
面流れの剥離に起因する騒音の増大という問題を解消す
べく、例えば、送風機の設計に広く採用されている自由
渦形式のように、転向角「△β」が半径の増加に伴って
単調に減少するような設定(図5の「曲線Lc」参照)
とすると、チップ部側で相対的に減少した仕事を周速の
小さいハブ部側で補わなければならないことから、ハブ
部側における転向角「△β」は非常に大きくなる。さら
に、これに加えて、ハブ表面における壁面摩擦の影響が
あるため、ハブ部側の流れが剥離し、翼間流れは大きく
チップ部側に偏り、結果的に、騒音が増大するのみなら
ず、所要の設計性能を満足することが困難になるという
問題が生じることになる。
の送風装置として適用した場合に生じる問題もある。
の前面側に熱交換器を配置することが多いが、このよう
な構造のものにおいて空気調和機のコンパクト化を図る
ためには、熱交換器と斜流送風機との距離を小さくする
ことが必要となる。ここで、熱交換器の通風面積に対し
て斜流送風機の吸込面積が小さいと、熱交換器を通過す
る空気の流速は、該熱交換器の中央寄り部位で大きく、
外周寄り部位で小さくなる極端な偏分布となり、熱交換
性能の悪化とか熱交換器における通風抵抗の増大という
問題を生じることになる。従って、かかる問題を抑制す
るには、斜流送風機の入口外径「D1」をできるだけ出
口外径「D2」に近づけてその吸込面積の増加を図るこ
とが有効と考えられる。
を大きくしてこれを出口外径「D2」に近づけると、そ
れに対応してチップ部側の翼間流れが増大する一方で、
チップ部側での静圧上昇はその大半が相対速度の減速に
よらなければならないことから、チップ部側での負荷が
増大することになる。この場合、上記「第1の従来構
造」のように羽根出口角「βb2」を斜流羽根車の半径方
向にほぼ一定に設定したとすると、かかる構造において
は、上述のように、チップ部側の負荷が元々大きいもの
であることから、チップ部側の全負荷が過大となり、結
果的に、羽根負圧面の境界層の剥離がさらに増長され、
騒音がより一層大きくなるという問題が発生することに
なる。
送風機において、翼面剥離に起因する騒音の増大と送風
性能の低下を可及的に抑制することを目的としてなされ
たものである。
を解決するための具体的手段として次のような構成を採
用している。
径変化するハブ11に羽根12,12,・・を設けてな
る斜流羽根車1と、該斜流羽根車1の外周側に設けられ
たベルマウス2と、該ベルマウス2に連続して設けられ
て上記斜流羽根車1の吸込側と吹出側とを隔離する仕切
板3と、上記斜流羽根車1の吹出側にその回転軸線に略
垂直に配置された転向板4とを備えた斜流送風機におい
て、上記斜流羽根車1の羽根角度を、羽根入口角「βb
1」と羽根出口角「βb2」とにより「βb2−βb1」とし
て表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口
側の半径「R」を、上記斜流羽根車1の吹出側ハブ部半
径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対して、
「Rh<R<Rt」となるように設定したことを特徴と
している。
かかる斜流送風機において、上記斜流羽根車1の入口外
径「D1」と出口外径「D2」とを略一致させたことを
特徴としている。
り次のような効果が得られる。
車1の羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角
「βb2」とによって「βb2−βb1」として表される転向
角「△β」が最大となる時の羽根車出口側の半径「R」
を、上記斜流羽根車1の吹出側ハブ部半径「Rh」と吹
出側チップ部半径「Rt」とに対して、「Rh<R<R
t」となるように設定することで、転向角「△β」は図
5において「曲線La」で示すように、斜流羽根車1の
半径方向において、吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側
チップ部半径「Rt」の中間位置で最大値転向角「△β
m」が最大となり、吹出側ハブ部半径「Rh」及び吹出
側チップ部半径「Rt」にそれぞれ近づくに従ってその
値が次第に低下するような特性となる。
角の最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられ
るため、羽根負圧面上における境界層の剥離が抑制さ
れ、それだけ境界層の剥離に起因する騒音が低減され
る、 ハブ部側は壁面摩擦の影響を受けて剥離し易い部位
であるが、このハブ部側の転向角「△βh」が上記最大
値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられるため、
該ハブ部側における境界層の剥離が抑制され、その結
果、境界層の剥離に起因する送風性能の低下とか騒音の
上昇が可及的に抑制される、 ハブ部とチップ部の中間部位の転向角(即ち、最大
転向角「△βm」を含むその近傍の転向角)が、該ハブ
部及びチップ部の転向角「△βh」及び同「△βt」に
対して相対的に大きくなることから、羽根12において
十分な静圧上昇が得られ、斜流羽根車の回転数の過度の
上昇が抑制される、 チップ部側の転向角「△βt」が中間部位の転向角
よりも小さくなることに起因して、チップ部側の反動度
(即ち、「静圧上昇/全圧上昇」)が大きくなるので、
チップ部側における斜流羽根車の出口側の静圧が中間部
位における静圧に対して十分に大きくなり、これによっ
てハブ部側に向かう求心力が働き、斜流羽根車の翼間流
れがハブ部寄りに矯正される、 等の相乗的作用により、斜流羽根車の吹出側に近接して
転向板を配置した構造に特有の利点、即ち、例えば遠心
ディフューザを備える場合に比して、コンパクトで且つ
低コストであるという利点を保有しつつ、低騒音化と高
い送風低能とを併有した斜流送風機が得られ、該斜流送
風機のトータル性能がより一層高められることになる。
風機によれば、上記第1の発明にかかる斜流送風機の特
性、即ち、主として上記に記載のように、チップ部側
の転向角「△βt」が中間部位のそれよりも小さくなる
ことに起因してチップ部側の反動度が大きくなり、ハブ
部側に向かう求心力によって翼間流れがハブ部寄りに矯
正されるものを前提とし、かかる斜流送風機において、
上記斜流羽根車1の入口外径「D1」と出口外径「D
2」とを略一致させて吸込面積を増大させているので、
該入口外径「D1」を拡大させたにも拘わらず、従来の
ように、周速の入口外径を出口外径に近づけることに起
因してチップ部側の翼間流れが増大しチップ部側での負
荷が過大になるということが可及的に抑制される。この
結果、羽根負圧面上における境界層の剥離を招くことな
く斜流羽根車の吸込面積を拡大することが可能となり、
送風性能のより一層の向上が期待できるものである。
機の送風装置として適用した場合には、斜流羽根車の吸
込面積が拡大された分だけ斜流送風機の前方側に近接し
て配置される熱交換器を通過する空気の風速分布が改善
され、高い熱交換性能と低い通風抵抗とを兼ね備えた高
性能の空気調和機を提供することができることになる。
に基づいて具体的に説明する。
機Z1の要部を示しており、同図において符号1は斜流
羽根車であり、該斜流羽根車1は吹出側に向かって次第
に拡径変化する傾斜面部11aをもつハブ11と、該ハ
ブ11の傾斜面部11aにその周方向に所定間隔をもっ
て複数枚の羽根12,12,・・を配置して構成され、
上記ハブ11に軸着されたモーター6によって回転駆動
されることで所要の送風作用を為すようになっている。
れを囲繞するようにしてベルマウス2が配置されるとと
もに、該ベルマウス2の出口側端縁には、上記斜流羽根
車1の回転軸線「L0」に略直交して該ベルマウス2の
径方向外側に向かって延出し、上記斜流羽根車1の吸込
側と吹出側とを離隔する仕切板3が備えられている。
該斜流羽根車1に近接して、且つ上記回転軸線「L0」
に略直交する方向に延びる転向板4が配置されており、
上記斜流羽根車1から吹き出された吹出流は、流線Aで
示すように、上記転向板4に向かって斜めに吹き出され
た後、上記転向板4の転向作用によって、上記仕切板3
と転向板4とで構成される空気通路5を通って該斜流羽
根車1の径方向外側に転向されて吹き出される。
り知られていた構成(即ち、上記「第2の従来構造」に
対応する構成)である。従って、かかる基本構成をもつ
斜流送風機Z1においては、その構成に基づいてその基
本的な効果、即ち、斜流羽根車1の軸方向寸法が小さく
抑えられる(例えば、上記「第1の従来構造」のように
遠心ディフューザを備えた構成に比して)ことで、それ
自体のコンパクト化、延いてはこの斜流送風機Z1を備
えて構成される空気調和機のコンパクト化が図れるとと
もに、その構造が簡単で安価であることから斜流送風機
Z1そのものの低コスト化が図れるという効果はそのま
ま保有するものである。
おいては、上記転向板4を備えることによる特有の効果
を保有しつつ、これとは逆に、該転向板4を備えたこと
に起因する欠点、即ち、吹出流の上記羽根12のチップ
部12b側への偏りが助長されることに起因する羽根1
2における境界層の剥離現象及びこれに伴う騒音の増
大、送風性能の低下を、本願発明を適用することで可及
的に抑制し、もってコンパクトで且つ安価であるという
基本的効果を保有しつつ、低騒音化及び高送風性能化を
実現するようにしたものである。以下、この斜流送風機
Z1に特有の構成を中心に説明する。
流羽根車1における上記羽根12の羽根角度と斜流羽根
車1の径寸法の設定に最大の特徴をもつものである。
羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とで規定され
る転向角「△β」と、斜流羽根車1の半径「R」との関
係に基づいて設定したものである。
口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とによって「βb2−
βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時の
羽根車出口側の半径「R」が、上記斜流羽根車1の吹出
側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」と
に対して、「Rh<R<Rt」となるように設定するこ
とを最大の特徴としている。そして、かかる設定とする
ことで、上記転向角「△β」は、図5において「曲線L
a」で示すように、斜流羽根車1の半径方向において、
吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「R
t」の中間位置で最大値転向角「△βm」最大となり、
吹出側ハブ部半径「Rh」及び吹出側チップ部半径「R
t」にそれそれ近づくに従ってその値が次第に低下する
ような特性となり、かかる特性に基づき以下のような特
有の作用効果が奏せられるものである。
周速が大きいチップ部側の転向角「△βt」が、転向角
の最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられる
ため、羽根負圧面上における境界層の剥離が抑制され、
それだけ境界層の剥離に起因する騒音が低減される、
(ロ) 上記12のハブ部12aは壁面摩擦の影響を受
けて剥離し易い部位であるが、このハブ部12aの転向
角「△βh」が上記最大値「△βm」に対して相対的に
小さく抑えられるため、該ハブ部12a側における境界
層の剥離が抑制され、その結果、境界層の剥離に起因す
る送風性能の低下とか騒音の上昇が可及的に抑制され
る、(ハ) 上記羽根12のハブ部12aとチップ部1
2bの中間部位の転向角(即ち、最大転向角「△βm」
を含むその近傍の転向角)が、該ハブ部12aの転向角
「△βh」及びチップ部12bの転向角「△βt」に対
して相対的に大きくなることから、上記羽根12におい
ては十分な静圧上昇が得られ、その結果、上記斜流羽根
車1の回転数の過度の上昇が抑制される、(ニ) 羽根
12において、そのチップ部12b側の転向角「△β
t」が中間部位の転向角よりも小さくなることに起因し
て、該チップ部12b側の反動度(即ち、「静圧上昇/
全圧上昇」)が大きくなるので、該チップ部12b側に
おける斜流羽根車1の出口側の静圧が中間部位における
静圧に対して十分に大きくなり、これによってハブ部1
2a側に向かう求心力が働き、斜流羽根車1においては
その翼間流れがハブ部12a寄りに矯正される、等の作
用が得られる。
形態の斜流送風機Z1においては、上記斜流羽根車1の
吹出側に近接して上記転向板4を配置した構造に特有の
利点、即ち、例えば遠心ディフューザを備える場合に比
して、コンパクトで且つ低コストであるという利点を保
有しつつ、低騒音化と高い送風低能とが実現され、高い
トータル性能をもつ斜流送風機Z1を提供できるもので
ある。
径寸法の設定に際しては、上記斜流羽根車1が上述の如
き本願発明に特有の羽根角度に設定されていること、即
ち、チップ部12b側の転向角「△βt」が中間部位の
それよりも小さくなることに起因して該チップ部12b
側の反動度が大きくなり、ハブ部12a側に向かう求心
力によって翼間流れがハブ部12a寄りに矯正される傾
向となるものを前提としている。
Z1の斜流羽根車1において、図1に示すように、該斜
流羽根車1の入口外径「D1」と出口外径「D2」とを
略一致させて吸込面積を増大させたことを特徴としてい
る。
「D1」を拡大させたことに起因して翼間流れがチップ
部12b側へ偏る傾向が生じるとしても、かかる傾向
が、上述の如き本願発明に特有の羽根角度の設定に起因
して翼間流れがハブ部12a寄りに矯正されることによ
って可及的に抑制され、チップ部12b側での負荷が過
大になるということが可及的に防止され、この結果、羽
根負圧面上における境界層の剥離を招くことなく斜流羽
根車の吸込面積を拡大することが可能となり、斜流送風
機Z1の送風性能のより一層の向上が期待できるもので
ある。
調和機の送風装置として適用した場合には、図1に鎖線
図示するように、上記斜流送風機Z1の前面側に近接し
て熱交換器7が配置されるため、該熱交換器7の通風面
積に対して上記斜流送風機Z 1の吸込面積が小さいと該
熱交換器7における風速分布がその中心寄りに偏って熱
交換性能の低下あるいは通風抵抗も増大を招来する恐れ
があるが、この実施形態の斜流送風機Z1においては、
上記斜流羽根車1の入口外径「D1」を出口外径「D
2」に近づけてその吸込面積の拡大を図っているので、
上記熱交換器7におけ風速分布の偏りが可及的に改善さ
れ、その結果、高い熱交換性能と低い通風抵抗とを兼ね
備えた高性能の空気調和機を提供することができること
になる。
における騒音性能と静圧性能を、従来の斜流送風機との
対比により示したものである。この図6によれば、この
実施形態の斜流送風機Z1における騒音レベル(曲線L1
で示す)は、従来の斜流送風機のそれ(曲線L2で示
す)に比して全風量域を通して低く維持され、しかもそ
の場合における静圧性能(曲線L3で示す)は従来のそ
れ(曲線L4で示す)とほとんど変わらないものである
ことが分かる。
にかかる斜流送風機Z2を示している。この実施形態の
斜流送風機Z2は、上記ベルマウス2の形態及びこれに
連続形成される上記仕切板3の構造が上記実施形態の斜
流送風機Z1と異なるのみで、それ以外の構成、即ち、
羽根12の羽根角度の設定及び斜流羽根車1の径寸法の
設定に関する構成は上記実施形態の斜流送風機Z1と全
く同様であり、従ってこれと同様の作用効果が奏せられ
ることは勿論である。
断面図である。
要部断面図である。
出口角の説明図である。
る。
向板、5は空気通路、6はモーター、7は熱交換器、1
1はハブ、11aは傾斜面部、12は羽根、12aはハ
ブ部、12bはチップ部、12cは前縁部、12dは後
縁部、13はボス、15は吸込口、16は吹出口、Aは
空気流、L0は回転軸線、Z1及びZ2は斜流送風機であ
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 吹出側に向けて拡径変化するハブ(1
1)に羽根(12),(12),・・を設けてなる斜流
羽根車(1)と、該斜流羽根車(1)の外周側に設けら
れたベルマウス(2)と、該ベルマウス(2)に連続し
て設けられて上記斜流羽根車(1)の吸込側と吹出側と
を隔離する仕切板(3)と、上記斜流羽根車(1)の吹
出側にその回転軸線に略垂直に配置された転向板(4)
とを備えた斜流送風機であって、 上記斜流羽根車(1)の羽根角度を、羽根入口角「βb
1」と羽根出口角「βb2」とにより「βb2−βb1」とし
て表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口
側の半径「R」が、上記斜流羽根車(1)の吹出側ハブ
部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対し
て、「Rh<R<Rt」となるように設定したことを特
徴とする斜流送風機。 - 【請求項2】 請求項1において、 上記斜流羽根車(1)の入口外径「D1」と出口外径
「D2」とが略一致していることを特徴とする斜流送風
機。
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Cited By (4)
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