JP3632119B2 - 斜流送風機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、斜流送風機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気調和機の室外機用送風装置として斜流羽根車を備えた斜流送風機が採用される場合が多いが、この場合、特に、壁面に近接して設置されるタイプの室外機にあっては、その前面側から空気を吸い込み、これを側方あるいは上方から吹き出すような空気流通形態となることから、斜流羽根車からの吹出流を半径方向外側へ転向させる手段を講じることが必要である。
【0003】
このような斜流羽根車からの吹出流の半径方向への転向手段として、例えば特公平6−58116号公報に開示されるように、斜流羽根車の吹出側に遠心ディフューザを配置し、上記斜流羽根車からの吹出流を遠心ディフューザによって半径方向外側へ転向させるようにしたもの(以下、説明の便宜上「第1の従来構造」という)とか、斜流羽根車の吹出側に近接してその回転軸線に垂直な方向に延びる転向板を備え、該斜流羽根車からの吹出流を該転向板によって半径方向外側へ転向させるようにした簡易的構造(以下、説明の便宜上「第2の従来構造」という)も提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、吹出流の転向手段として遠心ディフューザを用いた上記「第1の従来構造」は、遠心ディフューザを用いると斜流羽根車における翼間流れが羽根のチップ部側に偏ることに起因してファン圧力性能が劣化するのを、上記羽根の羽根出口角を斜流羽根車の半径方向において一定となるように設定することで抑制するようにしたものである。
【0005】
ところが、このような遠心ディフューザを吹出流の転向手段として用いた斜流送風機においては、該遠心ディフューザがその機能確保上、比較的大きい軸方向寸法をもつ形態とされることから、該斜流送風機が搭載される機器、例えば空気調和機の外寸の増大を招来するとともに、該遠心ディフューザはその構造が単純ではないことから斜流送風機のコストアップにつながる、等の問題があった。
【0006】
このような遠心ディフューザを備えることによる形態上の問題は、上記「第2の従来構造」のように、構造が単純で且つコンパクトな転向板を吹出流の転向手段として採用することで解決することができるものである。
【0007】
然し乍ら、転向手段として上記転向板を備えた「第2の従来構造」のものに、上記「第1の従来構造」における斜流羽根車の羽根構造(即ち、羽根の羽根出口角を斜流羽根車の半径方向において一定となるように設定する構造)を適用すると、以下に述べるような新たな問題が生じることになる。
【0008】
ここで、以下の説明の都合上、図3及び図4を参照して、斜流羽根車における羽根の羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とについて説明する。
【0009】
図3は、斜流羽根車の羽根12を示しており、同図において符号11はハブ、2はベルマウスであり、斜流羽根車はハブ11の軸心を通る回転軸線「L0」回りに回転する。
【0010】
この羽根12において、その翼面上の設計流線「Ls」を上記回転軸線「L0」まで延ばして該回転軸線「L0」との交点を「a」とするとともに、上記設計流線「Ls」の羽根後縁との交点を「b」とし、さらに上記「b」から上記回転軸線「L0」に下ろした垂線と該回転軸線「L0」との交点を「c」とし、これら各点「a」,「b」,「c」を結んで得られる三角形を、上記回転軸線「L0」回りに回転させて得られる円錐面を「回転流面」という。この回転流面上の翼素を平面に展開すると、図4に示すように同心状の入口円C1と出口円C2とをもつ円錐展開面となり、この円錐展開面の上記入口円C1と出口円C2との間に跨がって上記羽根12が設定される。そして、ここで、上記羽根12の前縁における上記入口円C1の接線方向に対する角度が羽根入口角「βb1」であり、羽根12の後縁における上記出口円C2の接線方向に対する角度が羽根出口角「βb2」である。
【0011】
尚、図3において、符号「D1」は斜流羽根車の入口外径、「D2」は出口外径、「Rh」は吹出側ハブ部半径、「Rt」は吹出側チップ部半径である。
【0012】
本題に戻って、上記「第2の従来構造」のものに、上記「第1の従来構造」における斜流羽根車の羽根構造を適用した場合の問題であるが、一般に羽根車においては、羽根前縁への流入流れが無衝突となるように、羽根入口角「βb1」を斜流羽根車の半径の増大に伴って大きくなるように設定するのが通例である。従って、かかる設定の羽根入口角「βb1」に対して、上記「第2の従来構造」のように、羽根出口角「βb2」を半径方向にほぼ一定となるように設定すると、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とで定義される転向角「△β(=βb2−βb1)」が、図5において「曲線Lb」で示すように、斜流羽根車の半径の増大にほぼ比例して単調に増加する傾向となる。
【0013】
ところが、「第1の従来構造」のように斜流羽根車の出口側に近接して転向板を配置した構造の場合には、翼間流れがチップ部側に偏る傾向が、遠心ディフューザを設ける場合よりも更に顕著となる。従って、上述のように、羽根出口角「βb2」を斜流羽根車の半径方向において一定となるように設定すると、羽根においてはそのチップ部側の負荷がさらに大きくなり、この結果、翼負圧面流れの境界層が発達し、羽根の後縁側で剥離を生じ易くなる。しかも、この場合、羽根のチップ部は、羽根のうちで最も周速が大きい部分であることから、チップ部側の羽根負圧面流れの剥離に起因して、騒音が増大するという問題が生じることになるものである。
【0014】
また一方、このようなチップ部側の翼負圧面流れの剥離に起因する騒音の増大という問題を解消すべく、例えば、送風機の設計に広く採用されている自由渦形式のように、転向角「△β」が半径の増加に伴って単調に減少するような設定(図5の「曲線Lc」参照)とすると、チップ部側で相対的に減少した仕事を周速の小さいハブ部側で補わなければならないことから、ハブ部側における転向角「△β」は非常に大きくなる。さらに、これに加えて、ハブ表面における壁面摩擦の影響があるため、ハブ部側の流れが剥離し、翼間流れは大きくチップ部側に偏り、結果的に、騒音が増大するのみならず、所要の設計性能を満足することが困難になるという問題が生じることになる。
【0015】
さらに、斜流送風機を、例えば空気調和機の送風装置として適用した場合に生じる問題もある。
【0016】
即ち、空気調和機においては、斜流送風機の前面側に熱交換器を配置することが多いが、このような構造のものにおいて空気調和機のコンパクト化を図るためには、熱交換器と斜流送風機との距離を小さくすることが必要となる。ここで、熱交換器の通風面積に対して斜流送風機の吸込面積が小さいと、熱交換器を通過する空気の流速は、該熱交換器の中央寄り部位で大きく、外周寄り部位で小さくなる極端な偏分布となり、熱交換性能の悪化とか熱交換器における通風抵抗の増大という問題を生じることになる。従って、かかる問題を抑制するには、斜流送風機の入口外径「D1」をできるだけ出口外径「D2」に近づけてその吸込面積の増加を図ることが有効と考えられる。
【0017】
ところが、斜流羽根車の入口外径「D1」を大きくしてこれを出口外径「D2」に近づけると、それに対応してチップ部側の翼間流れが増大する一方で、チップ部側での静圧上昇はその大半が相対速度の減速によらなければならないことから、チップ部側での負荷が増大することになる。この場合、上記「第1の従来構造」のように羽根出口角「βb2」を斜流羽根車の半径方向にほぼ一定に設定したとすると、かかる構造においては、上述のように、チップ部側の負荷が元々大きいものであることから、チップ部側の全負荷が過大となり、結果的に、羽根負圧面の境界層の剥離がさらに増長され、騒音がより一層大きくなるという問題が発生することになる。
【0018】
そこで本願発明では、転向板を備えた斜流送風機において、翼面剥離に起因する騒音の増大と送風性能の低下を可及的に抑制することを目的としてなされたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
【0020】
本願の第1の発明では、吹出側に向けて拡径変化するハブ11に羽根12,12,・・を設けてなる斜流羽根車1と、該斜流羽根車1の外周側に設けられたベルマウス2と、該ベルマウス2に連続して設けられて上記斜流羽根車1の吸込側と吹出側とを隔離する仕切板3と、上記斜流羽根車1の吹出側にその回転軸線に略垂直に配置された転向板4とを備えた斜流送風機において、上記斜流羽根車1の羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とにより「βb2−βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口側の半径「R」を、上記斜流羽根車1の吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対して、「Rh<R<Rt」となるように設定したことを特徴としている。
【0021】
本願の第2の発明では、上記第1の発明にかかる斜流送風機において、上記斜流羽根車1の入口外径「D1」と出口外径「D2」とを略一致させたことを特徴としている。
【0022】
【発明の効果】
本願発明ではかかる構成とすることにより次のような効果が得られる。
【0023】
(A) 本願の第1の発明では、斜流羽根車1の羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とによって「βb2−βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口側の半径「R」を、上記斜流羽根車1の吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対して、「Rh<R<Rt」となるように設定することで、転向角「△β」は図5において「曲線La」で示すように、斜流羽根車1の半径方向において、吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」の中間位置で最大値転向角「△βm」が最大となり、吹出側ハブ部半径「Rh」及び吹出側チップ部半径「Rt」にそれぞれ近づくに従ってその値が次第に低下するような特性となる。
【0024】
従って、
▲1▼ 周速が大きいチップ部側の転向角「△βt」が転向角の最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられるため、羽根負圧面上における境界層の剥離が抑制され、それだけ境界層の剥離に起因する騒音が低減される、
▲2▼ ハブ部側は壁面摩擦の影響を受けて剥離し易い部位であるが、このハブ部側の転向角「△βh」が上記最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられるため、該ハブ部側における境界層の剥離が抑制され、その結果、境界層の剥離に起因する送風性能の低下とか騒音の上昇が可及的に抑制される、
▲3▼ ハブ部とチップ部の中間部位の転向角(即ち、最大転向角「△βm」を含むその近傍の転向角)が、該ハブ部及びチップ部の転向角「△βh」及び同「△βt」に対して相対的に大きくなることから、羽根12において十分な静圧上昇が得られ、斜流羽根車の回転数の過度の上昇が抑制される、
▲4▼ チップ部側の転向角「△βt」が中間部位の転向角よりも小さくなることに起因して、チップ部側の反動度(即ち、「静圧上昇/全圧上昇」)が大きくなるので、チップ部側における斜流羽根車の出口側の静圧が中間部位における静圧に対して十分に大きくなり、これによってハブ部側に向かう求心力が働き、斜流羽根車の翼間流れがハブ部寄りに矯正される、
等の相乗的作用により、斜流羽根車の吹出側に近接して転向板を配置した構造に特有の利点、即ち、例えば遠心ディフューザを備える場合に比して、コンパクトで且つ低コストであるという利点を保有しつつ、低騒音化と高い送風低能とを併有した斜流送風機が得られ、該斜流送風機のトータル性能がより一層高められることになる。
【0025】
(B) 本願の第2の発明にかかる斜流送風機によれば、上記第1の発明にかかる斜流送風機の特性、即ち、主として上記▲4▼に記載のように、チップ部側の転向角「△βt」が中間部位のそれよりも小さくなることに起因してチップ部側の反動度が大きくなり、ハブ部側に向かう求心力によって翼間流れがハブ部寄りに矯正されるものを前提とし、かかる斜流送風機において、上記斜流羽根車1の入口外径「D1」と出口外径「D2」とを略一致させて吸込面積を増大させているので、該入口外径「D1」を拡大させたにも拘わらず、従来のように、周速の入口外径を出口外径に近づけることに起因してチップ部側の翼間流れが増大しチップ部側での負荷が過大になるということが可及的に抑制される。この結果、羽根負圧面上における境界層の剥離を招くことなく斜流羽根車の吸込面積を拡大することが可能となり、送風性能のより一層の向上が期待できるものである。
【0026】
また、例えば、この斜流送風機を空気調和機の送風装置として適用した場合には、斜流羽根車の吸込面積が拡大された分だけ斜流送風機の前方側に近接して配置される熱交換器を通過する空気の風速分布が改善され、高い熱交換性能と低い通風抵抗とを兼ね備えた高性能の空気調和機を提供することができることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
【0028】
図1には、本願発明が適用された斜流送風機Zの要部を示しており、同図において符号1は斜流羽根車であり、該斜流羽根車1は吹出側に向かって次第に拡径変化する傾斜面部11aをもつハブ11と、該ハブ11の傾斜面部11aにその周方向に所定間隔をもって複数枚の羽根12,12,・・を配置して構成され、上記ハブ11に軸着されたモーター6によって回転駆動されることで所要の送風作用を為すようになっている。
【0029】
また、この斜流羽根車1の外周側には、これを囲繞するようにしてベルマウス2が配置されるとともに、該ベルマウス2の出口側端縁には、上記斜流羽根車1の回転軸線「L0」に略直交して該ベルマウス2の径方向外側に向かって延出し、上記斜流羽根車1の吸込側と吹出側とを離隔する仕切板3が備えられている。
【0030】
さらに、上記斜流羽根車1の吹出側には、該斜流羽根車1に近接して、且つ上記回転軸線「L0」に略直交する方向に延びる転向板4が配置されており、上記斜流羽根車1から吹き出された吹出流は、流線Aで示すように、上記転向板4に向かって斜めに吹き出された後、上記転向板4の転向作用によって、上記仕切板3と転向板4とで構成される空気通路5を通って該斜流羽根車1の径方向外側に転向されて吹き出される。
【0031】
以上の構成は、斜流送風機において従来より知られていた構成(即ち、上記「第2の従来構造」に対応する構成)である。従って、かかる基本構成をもつ斜流送風機Zにおいては、その構成に基づいてその基本的な効果、即ち、斜流羽根車1の軸方向寸法が小さく抑えられる(例えば、上記「第1の従来構造」のように遠心ディフューザを備えた構成に比して)ことで、それ自体のコンパクト化、延いてはこの斜流送風機Zを備えて構成される空気調和機のコンパクト化が図れるとともに、その構造が簡単で安価であることから斜流送風機Zそのものの低コスト化が図れるという効果はそのまま保有するものである。
【0032】
そして、この実施形態の斜流送風機Zにおいては、上記転向板4を備えることによる特有の効果を保有しつつ、これとは逆に、該転向板4を備えたことに起因する欠点、即ち、吹出流の上記羽根12のチップ部12b側への偏りが助長されることに起因する羽根12における境界層の剥離現象及びこれに伴う騒音の増大、送風性能の低下を、本願発明を適用することで可及的に抑制し、もってコンパクトで且つ安価であるという基本的効果を保有しつつ、低騒音化及び高送風性能化を実現するようにしたものである。以下、この斜流送風機Zに特有の構成を中心に説明する。
【0033】
この実施形態の斜流送風機Zは、上記斜流羽根車1における上記羽根12の羽根角度と斜流羽根車1の径寸法の設定に最大の特徴をもつものである。
【0034】
羽根12の羽根角度の設定
羽根12の羽根角度の設定については、該羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とで規定される転向角「△β」と、斜流羽根車1の半径「R」との関係に基づいて設定したものである。
【0035】
即ち、斜流羽根車1の羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とによって「βb2−βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口側の半径「R」が、上記斜流羽根車1の吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対して、「Rh<R<Rt」となるように設定することを最大の特徴としている。そして、かかる設定とすることで、上記転向角「△β」は、図5において「曲線La」で示すように、斜流羽根車1の半径方向において、吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」の中間位置で最大値転向角「△βm」最大となり、吹出側ハブ部半径「Rh」及び吹出側チップ部半径「Rt」にそれそれ近づくに従ってその値が次第に低下するような特性となり、かかる特性に基づき以下のような特有の作用効果が奏せられるものである。
【0036】
即ち、
(イ) 上記羽根12においては、周速が大きいチップ部側の転向角「△βt」が、転向角の最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられるため、羽根負圧面上における境界層の剥離が抑制され、それだけ境界層の剥離に起因する騒音が低減される、
(ロ) 上記12のハブ部12aは壁面摩擦の影響を受けて剥離し易い部位であるが、このハブ部12aの転向角「△βh」が上記最大値「△βm」に対して相対的に小さく抑えられるため、該ハブ部12a側における境界層の剥離が抑制され、その結果、境界層の剥離に起因する送風性能の低下とか騒音の上昇が可及的に抑制される、
(ハ) 上記羽根12のハブ部12aとチップ部12bの中間部位の転向角(即ち、最大転向角「△βm」を含むその近傍の転向角)が、該ハブ部12aの転向角「△βh」及びチップ部12bの転向角「△βt」に対して相対的に大きくなることから、上記羽根12においては十分な静圧上昇が得られ、その結果、上記斜流羽根車1の回転数の過度の上昇が抑制される、
(ニ) 羽根12において、そのチップ部12b側の転向角「△βt」が中間部位の転向角よりも小さくなることに起因して、該チップ部12b側の反動度(即ち、「静圧上昇/全圧上昇」)が大きくなるので、該チップ部12b側における斜流羽根車1の出口側の静圧が中間部位における静圧に対して十分に大きくなり、これによってハブ部12a側に向かう求心力が働き、斜流羽根車1においてはその翼間流れがハブ部12a寄りに矯正される、
等の作用が得られる。
【0037】
これら各作用の相乗効果により、この実施形態の斜流送風機Zにおいては、上記斜流羽根車1の吹出側に近接して上記転向板4を配置した構造に特有の利点、即ち、例えば遠心ディフューザを備える場合に比して、コンパクトで且つ低コストであるという利点を保有しつつ、低騒音化と高い送風低能とが実現され、高いトータル性能をもつ斜流送風機Zを提供できるものである。
【0038】
斜流羽根車1の径寸法の設定
次に、上記斜流羽根車1の径寸法の設定であるが、この径寸法の設定に際しては、上記斜流羽根車1が上述の如き本願発明に特有の羽根角度に設定されていること、即ち、チップ部12b側の転向角「△βt」が中間部位のそれよりも小さくなることに起因して該チップ部12b側の反動度が大きくなり、ハブ部12a側に向かう求心力によって翼間流れがハブ部12a寄りに矯正される傾向となるものを前提としている。
【0039】
そして、かかる前提構成をもつ斜流送風機Zの斜流羽根車1において、図1に示すように、該斜流羽根車1の入口外径「D1」と出口外径「D2」とを略一致させて吸込面積を増大させたことを特徴としている。
【0040】
かかる構成とすることで、上記入口外径「D1」を拡大させたことに起因して翼間流れがチップ部12b側へ偏る傾向が生じるとしても、かかる傾向が、上述の如き本願発明に特有の羽根角度の設定に起因して翼間流れがハブ部12a寄りに矯正されることによって可及的に抑制され、チップ部12b側での負荷が過大になるということが可及的に防止され、この結果、羽根負圧面上における境界層の剥離を招くことなく斜流羽根車の吸込面積を拡大することが可能となり、斜流送風機Zの送風性能のより一層の向上が期待できるものである。
【0041】
また、例えば、この斜流送風機Zを空気調和機の送風装置として適用した場合には、図1に鎖線図示するように、上記斜流送風機Zの前面側に近接して熱交換器7が配置されるため、該熱交換器7の通風面積に対して上記斜流送風機Zの吸込面積が小さいと該熱交換器7における風速分布がその中心寄りに偏って熱交換性能の低下あるいは通風抵抗も増大を招来する恐れがあるが、この実施形態の斜流送風機Zにおいては、上記斜流羽根車1の入口外径「D1」を出口外径「D2」に近づけてその吸込面積の拡大を図っているので、上記熱交換器7におけ風速分布の偏りが可及的に改善され、その結果、高い熱交換性能と低い通風抵抗とを兼ね備えた高性能の空気調和機を提供することができることになる。
【0042】
尚、図6には、上記実施形態にかかるZにおける騒音性能と静圧性能を、従来の斜流送風機との対比により示したものである。この図6によれば、この実施形態の斜流送風機Zにおける騒音レベル(曲線Lで示す)は、従来の斜流送風機のそれ(曲線Lで示す)に比して全風量域を通して低く維持され、しかもその場合における静圧性能(曲線Lで示す)は従来のそれ(曲線Lで示す)とほとんど変わらないものであることが分かる。
【0043】
また、図2には、本願発明の他の実施形態にかかる斜流送風機Zを示している。この実施形態の斜流送風機Zは、上記ベルマウス2の形態及びこれに連続形成される上記仕切板3の構造が上記実施形態の斜流送風機Zと異なるのみで、それ以外の構成、即ち、羽根12の羽根角度の設定及び斜流羽根車1の径寸法の設定に関する構成は上記実施形態の斜流送風機Zと全く同様であり、従ってこれと同様の作用効果が奏せられることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態にかかる斜流送風機の要部断面図である。
【図2】本願発明の他の実施形態にかかる斜流送風機の要部断面図である。
【図3】羽根車における回転流面の説明図である。
【図4】羽根車の円錐展開面における羽根入口角と羽根出口角の説明図である。
【図5】羽根車の転向角の半径方向分布の説明図である。
【図6】送風機性能の対比図である。
【符号の説明】
1は斜流羽根車、2はベルマウス、3は仕切板、4は転向板、5は空気通路、6はモーター、7は熱交換器、11はハブ、11aは傾斜面部、12は羽根、12aはハブ部、12bはチップ部、12cは前縁部、12dは後縁部、13はボス、15は吸込口、16は吹出口、Aは空気流、L0は回転軸線、Z及びZは斜流送風機である。

Claims (2)

  1. 吹出側に向けて拡径変化するハブ(11)に羽根(12),(12),・・を設けてなる斜流羽根車(1)と、該斜流羽根車(1)の外周側に設けられたベルマウス(2)と、該ベルマウス(2)に連続して設けられて上記斜流羽根車(1)の吸込側と吹出側とを隔離する仕切板(3)と、上記斜流羽根車(1)の吹出側にその回転軸線に略垂直に配置された転向板(4)とを備えた斜流送風機であって、
    上記斜流羽根車(1)の羽根角度を、羽根入口角「βb1」と羽根出口角「βb2」とにより「βb2−βb1」として表される転向角「△β」が最大となる時の羽根車出口側の半径「R」が、上記斜流羽根車(1)の吹出側ハブ部半径「Rh」と吹出側チップ部半径「Rt」とに対して、「Rh<R<Rt」となるように設定したことを特徴とする斜流送風機。
  2. 請求項1において、
    上記斜流羽根車(1)の入口外径「D1」と出口外径「D2」とが略一致していることを特徴とする斜流送風機。
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