JP2001320066A - 結晶シリコン薄膜半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

結晶シリコン薄膜半導体装置及びその製造方法

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JP2001320066A
JP2001320066A JP2000142319A JP2000142319A JP2001320066A JP 2001320066 A JP2001320066 A JP 2001320066A JP 2000142319 A JP2000142319 A JP 2000142319A JP 2000142319 A JP2000142319 A JP 2000142319A JP 2001320066 A JP2001320066 A JP 2001320066A
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crystalline silicon
semiconductor device
film semiconductor
thin film
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Fumito Oka
史人 岡
Shinichi Muramatsu
信一 村松
Yasushi Minagawa
康 皆川
Susumu Takahashi
進 高橋
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属触媒による結晶化時において、基板から
の剥離が少なく、かつ大面積で高品質な太陽電池が得ら
れる結晶シリコン薄膜半導体装置及びその製造方法を提
供する。 【解決手段】 基板と金属触媒層3との間に被着金属層
2を形成し、熱処理することにより結晶化された結晶シ
リコン層4aは基板1からの剥離が抑えられると同時
に、開口部5を有する構造となる。この開口部5を透明
電極の引き出し電極部とすることで、太陽電池を大面積
化した際の電極抵抗を大幅に減らすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、結晶シリコン薄膜
半導体装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の基板上に多結晶シリコンを成
長させた半導体装置が、太陽電池に好適な発電素子材と
して知られている。この半導体装置は、大面積で高品質
のシリコン基板を必要としないため、大幅なコストダウ
ンが見込まれるが、現状においては良質の半導体装置を
得るためには、基板として耐熱性の石英板を使用しなけ
ればならず、石英板が高価であることが原因してコスト
的有利さを確保することが難しい。
【0003】この問題を解決する方法として、基板上に
成膜した非晶質シリコンの薄膜を金属触媒を用いて低温
で結晶化させる方法がR.C.Camarataらによ
って提案されている[J.Mater.Re.,Vol.
5,No.10(1990)p.2133〜213
8]。
【0004】この方法によれば、低温かつ高速で多結晶
の成膜が可能であるとされ、特に低温での結晶化は、例
えば微量のNi金属を導入して熱処理することによって
達成可能とされている。
【0005】この方法によれば、薄膜トランジスタ(T
FT:thin film transistor)の
ような100nm程度の薄膜を対象とするとき、結晶化
が面内方向に数μmも進行し、この結晶化によって面内
方向に配向した高品質の結晶が得られることがL.K.
Lamらによって確認されている[Appl.Pys.
Lett.,Vol.74,No13(1999)p.1
866〜1868]。
【0006】しかし、上述した従来技術によると、いず
れも結晶化させる面積に限界があり、これらの方法を太
陽電池用の半導体装置に適用することは困難である。
【0007】太陽電池に使用される半導体装置において
は、膜中での十分な光吸収が求められるために膜厚1μ
m以上のシリコン薄膜が必要となるが、このような膜厚
を結晶化させると、従来技術によって結晶化が可能な面
積は100μm程度であるにすぎない。太陽電池では結
晶化させる必要がある面積は最低でも10cm角、望ま
しくは100cm角である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばNi
を金属触媒として用いて、ガラス基板/Ni/非晶質シ
リコン構造の結晶シリコン薄膜を形成した場合、熱処理
によってシリコン薄膜がほとんど全面が剥離し、実質的
に大面積の太陽電池の作製は不可能であった。
【0009】また、太陽電池の大面積化によって電極部
の抵抗が大きくなり、太陽電池のエネルギー変換効率の
低下を引き起こしていた。この低下は、多結晶シリコン
薄膜太陽電池において、ガラス基板側から光を導入する
場合、ガラス基板側の電極は透明電極とする必要がある
が、透明電極は一般的に金属電極に比べて抵抗が大き
く、太陽電池が大面積化すると電極部の抵抗が大きくな
るためである。この透明電極の抵抗による太陽電池の特
性(発電特性)への影響は面積が大きくなればなるほど
顕著となり、太陽電池の大面積化に対して大きな障害で
あった。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、金属触媒による結晶化時において、基板からの剥離
が少なく、かつ大面積で高品質な太陽電池が得られる結
晶シリコン薄膜半導体装置及びその製造方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の結晶シリコン薄膜半導体装置は、基板と、異
種基板との接着性がよい被着用金属層と、結晶シリコン
層とが順次形成された結晶シリコン薄膜半導体装置にお
いて、結晶シリコン層は、被着用金属層上に、金属触媒
層と、非晶質シリコン層とを順次形成し、熱処理を施す
ことにより金属触媒層を基板がある側とは反対側へ移動
させ、非晶質シリコン層を結晶化させたものであり、熱
処理によって結晶シリコン層に開口部が形成されている
ものである。
【0012】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、被着用金属層の膜厚により開口部の半径
及び開口部数が制御されているのが好ましい。
【0013】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、被着用金属層の膜厚は0.1nm〜10
nmの範囲内にあり、かつ開口部の半径は1μm以上で
あり、かつ開口部間の平均距離が0.1mm〜50mm
の範囲内にあるのが好ましい。
【0014】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、非晶質シリコン層の膜厚により開口部の
半径が制御されているのが好ましい。
【0015】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、非晶質シリコン層の膜厚は0.5μm〜
10μmの範囲内にあり、かつ開口部の半径は1μm以
上であり、かつ開口部間の平均距離は0.1mm〜50
mmに制御されているのが好ましい。
【0016】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、非晶質シリコン層は異なる導電型のドー
パントを含んだ少なくとも2層の非晶質シリコン層から
なるのが好ましい。
【0017】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、基板の上に透明電極層が形成されている
のが好ましい。
【0018】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、非晶質シリコン層は、真性の非晶質シリ
コン層を第一導電型のドーパントを含む非晶質シリコン
層と、第二導電型のドーパントを含む非晶質シリコン層
とで挟んだ3層構造であるのが好ましい。
【0019】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、結晶シリコン層の基板に対向する面に接
して少なくとも一部に金属電極が形成されているのが好
ましい。
【0020】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、結晶シリコン層及び金属電極層の露出部
が絶縁膜で完全に覆われ、開口部によって露出した透明
電極の一部が露出するように絶縁膜で覆われているのが
好ましい。
【0021】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、絶縁膜と開口部の少なくとも一部を覆う
ように金属電極が設けられているのが好ましい。
【0022】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、非晶質シリコン層は水素を0.3%以上
含んでいるのが好ましい。
【0023】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、金属触媒層はNi、Fe、Co、Pt、
Auあるいはこれらの化合物より選択されているのが好
ましい。
【0024】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、被着用金属層はTi、Mo、W、Taあ
るいはこれらの化合物より選択されているのが好まし
い。
【0025】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、金属触媒層及び被着用金属層は2層以上
の多層構造であるのが好ましい。
【0026】上記構成に加え本発明の結晶シリコン薄膜
半導体装置は、金属触媒により結晶化された結晶シリコ
ン層は(111)配向を有しているのが好ましい。
【0027】本発明の結晶シリコン薄膜半導体の製造方
法は、基板の上に、異種基板と接着性のよい被着用金属
層と、金属触媒層と、非晶質シリコン層とを順次形成
し、熱処理することにより、金属触媒層を基板がある側
とは反対側へ移動させ、非晶質シリコン層を結晶化させ
結晶シリコン層を形成するものである。
【0028】本発明によれば、熱処理によって結晶シリ
コン層に形成される開口部を基板への接続部とすること
により、大面積の太陽電池を形成する際に透明電極の抵
抗が太陽電池の特性へ及ぼす影響を低減することができ
る。
【0029】すなわち、開口部のある多結晶シリコン薄
膜と電極とが形成されている基板上に絶縁層、例えばS
3 4 を形成し、所望の開口部について、例えばレー
ザによってSi3 4 を除去する。その後、基板上全面
に金属電極を形成することにより、透明電極の抵抗が問
題となる、透明電極の抵抗は、各透明電極と太陽電池と
の接続部から最寄りの開口部までの距離に比例するの
で、開口部を持たない従来の太陽電池と比べて大幅に電
極抵抗を減らすことができる。
【0030】また、基板と金属触媒層との間に異種基板
との接着性がよい被着用金属層に設けることにより、熱
処理後の結晶シリコン層の剥離が防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて詳述する。
【0032】図1(a)、(b)は本発明の結晶シリコ
ン薄膜半導体製造方法の一実施の形態を示す説明図であ
る。
【0033】本結晶シリコン薄膜半導体装置の製造方法
は、基板1の上に異種基板と接着性のよい被着用金属層
2を形成し、被着用金属層2の上に非晶質シリコン層4
を結晶化させる金属触媒層3を形成し、金属触媒層3の
上に非晶質シリコン層4を形成する(図1(a))。
【0034】次に、金属触媒層3の上に形成された非晶
質シリコン層4を熱処理することにより結晶シリコン層
4aに開口部5を有する結晶シリコン薄膜半導体装置が
得られる(図1(b))。
【0035】このように構成したことで、結晶化時の基
板1から非晶質シリコン層4の剥離が少なく、かつ大面
積の太陽電池が得られる結晶シリコン薄膜半導体装置を
提供することができる。
【0036】
【実施例】次に具体的な数値を挙げて説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0037】(実施例1)図1に示す基板としてガラス
基板1を用い、ガラス基板1の上に被着金属層としてT
i層2を厚さ1nm〜50nmの範囲内で形成する。そ
のTi層2の上に金属触媒層として厚さ約10nmのN
i層3を形成する。プラズマCVDを用いてNi層3の
上に厚さ約7μmの非晶質シリコン層4を形成する。非
晶質シリコン層4を形成する際に用いられるプラズマC
VDは原料ガスとしてSiH4 が用いられる。その後、
窒素雰囲気中で500℃〜600℃の範囲内で熱処理を
施し、Niの熱拡散処理を行う。この熱拡散処理によっ
て非晶質シリコン層4は結晶シリコン層4aに変化す
る。この加熱処理は窒素雰囲気中のみではなく、真空
中、水素雰囲気中、アルゴン雰囲気中、さらにはハロゲ
ン化物中でも同等の結晶化効果が得られた。
【0038】本実施例では結晶化されたシリコン層は
(111)配向を有していた。この処理により結晶シリ
コン層4aは部分的に開口部5を有し、結晶シリコン層
4aの下部のガラス基板1が露出した状態となった。こ
の開口部5はNi層3の膜厚を変えることによって半
径、単位面積当たりの数を制御することができた。ま
た、金属触媒層として用いたNi層3は熱処理によって
結晶シリコン層4aの最表面に移動、若しくは最表面近
傍にニッケルシリサイドとして析出し、層中にはトレー
ス量しか残らなかった。
【0039】さらに、結晶化させる非晶質シリコン層4
の膜厚を1.2μm〜7μmまで変化させた。膜厚が増
加すると開口部5の半径が変化した。
【0040】(実施例2)基板としてガラス基板を用
い、基板側から光を導入する構造の結晶シリコン太陽電
池を作製する。以下、太陽電池の作製方法について図2
(a)、(b)を説明する。
【0041】図2(a)、(b)は本発明の結晶シリコ
ン薄膜半導体製造方法を適用した一実施例を示す説明図
である。
【0042】ガラス基板6の上に錫酸化物を主体とする
透明電極7を形成したものを基板とする。この基板の上
に被着金属層としての厚さ約10nmのTi層8を形成
する。Ti層8の上に金属触媒層としてのNi層9を厚
さ約5nmで形成する。プラズマCVDを用いてNi層
9の上に厚さ約1μmの非晶質シリコン層を形成する。
非晶質シリコンは、基板側からp型のドーパントとして
ボロンを含んだ厚さ約100nmの非晶質シリコン層1
0、ドーパントを含まない厚さ約1μmの非晶質シリコ
ン層11及びn型のドーパントを含んだ厚さ約30nm
の非晶質シリコン層12からなっている。
【0043】p型のドーパントを含んだ非晶質シリコン
層10は厚さ10nm〜100nm、望ましくは30n
m〜60nmの範囲内である。尚、p型のドーパントを
含んだ非晶質シリコン層10をn型とし、n型のドーパ
ントを含んだ非晶質シリコン層12をp型として形成し
てもよい。
【0044】プラズマCVDは原料ガスにSiH4 が用
いられ、p導電型のドーパントガスにはB2 6 が用い
られ、n導電型のドーパントガスにはPH3 が用いられ
る。
【0045】次に、上述した基板に対して窒素雰囲気中
で450℃〜700℃、望ましくは500℃〜600℃
の温度範囲で加熱処理を行い、Ni元素の熱拡散処理を
行う。この熱拡散処理によって非晶質シリコン層10、
11、12はそれぞれp導電型の多結晶シリコン層10
a、i導電型の多結晶シリコン層11a、n導電型の多
結晶シリコン層12aに変換される。また、金属触媒と
して用いたNiは多結晶シリコン層12aの最表面に移
動し、多結晶シリコン層12a中にはトレース量しか残
らなかった(図2(a))。
【0046】ところで、太陽電池において結晶シリコン
層の膜質や、異なる導電型の結晶シリコン層同士の接合
部の特性は重要である。熱処理によってNiは多結晶シ
リコン層12aの基板に対向した側の最表面に移動し上
記の部分には残らない。そのためNiは太陽電池特性に
大きな影響を及ぼさない。しかし、更なる特性向上のた
め、多結晶シリコン層12aの基板に対向した側の最表
面に析出したNi及びニッケルシリサイドをエッチング
によって除去してもよい。このエッチング処理により、
多結晶シリコン層10a、11a、12aは部分的に開
口部16を有する構造となり、開口部16は透明電極7
を露出する構造となる。
【0047】この開口部16はTi層8の膜厚を変える
ことによって、開口部16の半径と単位面積当たりの開
口部数を変化することができる。この開口部16を覆う
ようにAl電極13を形成する。本実施例ではAl電極
13の形成には蒸着法を用いた。開口部16と開口部1
6の周辺1mm程度の範囲をレーザによってAlを除去
し、透明電極7とAl電極13とが接触しないようにす
る。このAl電極13を形成する方法としてフォトリソ
グラフィ等を用いてもよい(図2(b))。
【0048】Al電極13の上に絶縁膜14を形成す
る。絶縁膜14を形成する際にはAl電極13の引き出
し部を金属マスク等で覆うように形成しておくのが好ま
しい。絶縁膜14はSi3 4 をプラズマCVD法を用
いることにより形成される。さらにレーザを用いて開口
部16に接している絶縁膜14を融解し、透明電極7が
露出する構造に加工する。絶縁膜14はSi3 4 に限
らずSiO2 等絶縁性を有する材料でよく、開口部16
を覆う絶縁膜14の加工にはフォトレジストを用いてエ
ッチングを施してもよい。この絶縁膜14の上からAl
電極15を蒸着法で形成し、このAl電極15を透明電
極7と接触した構造とする。
【0049】このような構造により、多結晶シリコン層
10a、11a、12aの開口部16を透明電極7の引
き出し電極部とすることができるため、太陽電池を大面
積化した際、透明電極7の抵抗の影響を小さくすること
ができる。このような構造を有する太陽電池は、50×
50mmの大きさで作製した場合でも10×10mmで
作製した太陽電池と略同等のFF(Fill Fact
or)であった。
【0050】(実施例3)次に、Ti層の膜厚、非晶質
シリコン層の膜厚を変化させた太陽電池を作製した。
【0051】本発明の結晶シリコン薄膜半導体装置を太
陽電池に適用した場合にも開口部の形状は実施例1と同
様の変化をした。
【0052】すなわち、開口部は図3〜図6に示すよう
な関係を呈した。但し、図3〜図6に示す特性は特定の
パラメータのみを変化させた特性であり、具体的に制御
可能な範囲を示すものではない。
【0053】図3はTi膜厚と開口部が占める面積との
比率の関係を示す図であり、横軸がTi膜厚軸であり、
縦軸が開口部の面積比率軸である。
【0054】同図より、Ti膜厚が10nm以上の場合
にはTi膜における光の吸収が50%程度となるため1
0nm以上は太陽電池としては不適当であることが分
る。また、Ti膜厚が0.1nm以下では非晶質シリコ
ン膜が剥がれてしまうため、事実上太陽電池の形成は不
可能であった。したがってTi膜厚は0.1nm〜10
nmの範囲が適当であった。
【0055】図4はTi膜厚と開口部間の平均距離との
関係を示す図であり、横軸がTi膜厚軸であり、縦軸が
開口部間の平均距離軸である。
【0056】同図より、開口部間の平均距離はTi膜厚
が薄くなると狭くなることが分る。Ti膜厚が0.3n
mのときは開口部間の距離は0.3mmとなる。Ti膜
厚が厚くなると、開口部間の平均距離は長くなるが、5
0mm以上では透明導電膜の抵抗によって太陽電池の発
電電力の50%を失ってしまう。この抵抗による電力損
失は平均距離の二乗に比例して大きくなる。したがっ
て、開口部間の距離が50mm以上では太陽電池として
使用するには不適当であった。これより、太陽電池とし
ては、開口部間の平均距離は0.3mm〜50mmが適
当であった。
【0057】図5はTi膜厚と開口部の半径との関係を
示す図であり、横軸がTi膜厚軸であり、縦軸が開口部
の半径軸である。
【0058】同図より、Ti膜厚が薄くなると、開口部
の半径が小さくなることが分る。また、開口部の半径は
5μm以上でAl電極と透明導電膜との接触を十分にと
ることができることが分る。さらに開口部の半径を小さ
くすると、1μm以下では膜の剥離が発生し、太陽電池
の製作が困難となる。
【0059】図6は非晶質シリコン膜の膜厚と開口部の
半径との関係を示す図であり、横軸が開口部の半径軸で
ある。
【0060】同図より、非晶質シリコンの膜厚を大きく
することによっても開口部の半径を変化させることがで
きることが分る。非晶質シリコンの膜厚は太陽電池とし
て用いるためには十分の光の吸収ができる膜厚が必要で
ある。特に本発明においては、非晶質シリコンは結晶シ
リコンに変換されるため、膜厚は重要なパラメータであ
った。光が変換された結晶シリコンに吸収され、太陽電
池として使用可能な膜厚は0.5μm〜10μmである
ことが分った。
【0061】以上において、支持基板材料としては、そ
の後の太陽光を透過させ、かつ熱処理温度に耐える材料
であればよい。例えばガラス、石英、サファイア等を用
いることができる。また、非晶質シリコンの形成は蒸着
法、p−CVD法、熱CVD法、スパッタリング法等、
特に不純物が導入されない方法であればいずれの方法を
用いてもよい。本発明の結晶シリコン薄膜半導体装置
は、家庭の電力供給システムのような据え置き型から電
卓等の携帯機器まで、いずれの太陽電池用途にも用いる
ことができる。
【0062】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、次のよう
な優れた効果を発揮する。
【0063】金属触媒による結晶化時において、基板か
らの剥離が少なく、かつ大面積で高品質な太陽電池が得
られる結晶シリコン薄膜半導体装置及びその製造方法の
提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は本発明の結晶シリコン薄膜半
導体製造方法の一実施の形態を示す説明図である。
【図2】(a)、(b)は本発明の結晶シリコン薄膜半
導体製造方法を適用した一実施例を示す説明図である。
【図3】Ti膜厚と開口部が占める面積との比率の関係
を示す図である。
【図4】Ti膜厚と開口部間の平均距離との関係を示す
図である。
【図5】Ti膜厚と開口部の半径との関係を示す図であ
る。
【図6】非晶質シリコン膜の膜厚と開口部の半径との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板(基板) 2 Ti層(被着用金属層) 3 Ni層(金属触媒層) 4 非晶質シリコン層 4a 結晶シリコン層 5 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 皆川 康 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 (72)発明者 高橋 進 茨城県土浦市木田余町3550番地 日立電線 株式会社アドバンスリサーチセンタ内 Fターム(参考) 5F051 AA02 AA03 AA16 BA12 CB12 CB24 CB29 DA04 FA02 FA06 GA03

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、異種基板との接着性がよい被着
    用金属層と、結晶シリコン層とが順次形成された結晶シ
    リコン薄膜半導体装置において、上記結晶シリコン層
    は、上記被着用金属層上に、金属触媒層と、非晶質シリ
    コン層とを順次形成し、熱処理を施すことにより上記金
    属触媒層を上記基板がある側とは反対側へ移動させ、上
    記非晶質シリコン層を結晶化させたものであり、上記熱
    処理によって当該結晶シリコン層に開口部が形成されて
    いることを特徴とする結晶シリコン薄膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記被着用金属層の膜厚により上記開口
    部の半径及び開口部数が制御されている請求項1に記載
    の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記被着用金属層の膜厚は0.1nm〜
    10nmの範囲内にあり、かつ上記開口部の半径は1μ
    m以上であり、かつ開口部間の平均距離が0.1mm〜
    50mmの範囲内にある請求項1または2に記載の結晶
    シリコン薄膜半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記非晶質シリコン層の膜厚により上記
    開口部の半径が制御されている請求項1から3のいずれ
    かに記載の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記非晶質シリコン層の膜厚は0.5μ
    m〜10μmの範囲内にあり、かつ上記開口部の半径は
    1μm以上であり、かつ上記開口部間の平均距離は0.
    1mm〜50mmに制御されている請求項1から4のい
    ずれかに記載の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記非晶質シリコン層は異なる導電型の
    ドーパントを含んだ少なくとも2層の非晶質シリコン層
    からなる請求項1から5のいずれかに記載の結晶シリコ
    ン薄膜半導体装置。
  7. 【請求項7】 上記基板の上に透明電極層が形成されて
    いる請求項1から6のいずれかに記載の結晶シリコン薄
    膜半導体装置。
  8. 【請求項8】 上記非晶質シリコン層は、真性の非晶質
    シリコン層を第一導電型のドーパントを含む非晶質シリ
    コン層と、第二導電型のドーパントを含む非晶質シリコ
    ン層とで挟んだ3層構造である請求項1から7のいずれ
    かに記載の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  9. 【請求項9】 上記結晶シリコン層の上記基板に対向す
    る面に接して少なくとも一部に金属電極が形成されてい
    る請求項1から8のいずれかに記載の結晶シリコン薄膜
    半導体装置。
  10. 【請求項10】 上記結晶シリコン層及び上記金属電極
    層の露出部が絶縁膜で完全に覆われ、上記開口部によっ
    て露出した透明電極の一部が露出するように絶縁膜で覆
    われている請求項1から9のいずれかに記載の結晶シリ
    コン薄膜半導体装置。
  11. 【請求項11】 上記絶縁膜と上記開口部の少なくとも
    一部を覆うように金属電極が設けられている請求項1か
    ら10のいずれかに記載の結晶シリコン薄膜半導体装
    置。
  12. 【請求項12】 上記非晶質シリコン層は水素を0.3
    %以上含んでいる請求項1から11のいずれかに記載の
    結晶シリコン薄膜半導体装置。
  13. 【請求項13】 上記金属触媒層はNi、Fe、Co、
    Pt、Auあるいはこれらの化合物より選択されている
    請求項1から12のいずれかに記載の結晶シリコン薄膜
    半導体装置。
  14. 【請求項14】 上記被着用金属層はTi、Mo、W、
    Taあるいはこれらの化合物より選択されている請求項
    1から13のいずれかに記載の結晶シリコン薄膜半導体
    装置。
  15. 【請求項15】 上記金属触媒層及び上記被着用金属層
    は2層以上の多層構造である請求項1から14のいずれ
    かに記載の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  16. 【請求項16】 上記金属触媒により結晶化された結晶
    シリコン層は(111)配向を有している請求項1から
    15のいずれかに記載の結晶シリコン薄膜半導体装置。
  17. 【請求項17】 基板の上に、異種基板と接着性のよい
    被着用金属層と、金属触媒層と、非晶質シリコン層とを
    順次形成し、熱処理することにより、上記金属触媒層を
    上記基板がある側とは反対側へ移動させ、上記非晶質シ
    リコン層を結晶化させ結晶シリコン層を形成することを
    特徴とする結晶シリコン薄膜半導体製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100611154B1 (ko) * 2003-11-27 2006-08-09 삼성에스디아이 주식회사 금속 유도 결정화 방법을 이용한 박막 트랜지스터, 이의제조 방법 및 이를 사용하는 액티브 매트릭스 평판 표시장치
JP2010533384A (ja) * 2007-07-31 2010-10-21 ティージー ソーラー コーポレイション 太陽電池及びその製造方法

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