JP2001316984A - ポリウレタン系弾性繊維用処理剤及び該処理剤を用いたポリウレタン系弾性繊維の処理方法 - Google Patents

ポリウレタン系弾性繊維用処理剤及び該処理剤を用いたポリウレタン系弾性繊維の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程において優
れた捲形状のパッケージを得ることができ、同時にその
加工工程において用いるポリウレタン系弾性繊維に優れ
た制電性やスカム発生防止性を付与することができる、
ポリウレタン系弾性繊維用処理剤及びポリウレタン系弾
性繊維の処理方法を提供する。 【解決手段】特定の潤滑油成分及び特定のカルボキシア
ミド・ポリエーテル変性シリコーンの2成分系、或は更
に特定の高級脂肪酸金属塩の3成分系から成り、且つそ
れぞれを所定割合で含有して成る処理剤を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリウレタン系弾性
繊維用処理剤(以下、単に処理剤という)及び該処理剤
を用いるポリウレタン系弾性繊維の処理方法(以下、単
に処理方法という)に関する。ポリウレタン系弾性繊維
の製糸工程においては、その性質上、優れた捲形状のパ
ッケージを得ることが要求され、またポリウレタン系弾
性繊維を用いる加工工程においては、これもまたその性
質上、用いるポリウレタン系弾性繊維に優れた制電性及
びスカム発生防止性を付与して、操業の安定化を図るこ
とが要求される。本発明はかかる要求に応える処理剤及
び処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、処理剤として、1)ポリジメチル
シロキサン及び/又は鉱物油に高級脂肪酸金属塩を配合
した処理剤(特公昭37−4586、特公昭40−55
57、特公平6−15745)、2)ポリジメチルシロ
キサン及び/又は鉱物油にアミノ変性シリコーンを配合
した処理剤(特公昭63−8233)、3)ポリジメチ
ルシロキサン及び/又は鉱物油に高級脂肪酸金属塩とア
ミノ変性シリコーンとを配合した処理剤(特開平10−
259577、特開平10−310979)等が提案さ
れている。ところが、これら従来の処理剤には、ポリウ
レタン系弾性繊維の製糸工程において、得られるパッケ
ージの捲形状が不良であったり、或はこれを用いる加工
工程において、例えばポリウレタン系弾性繊維と綿糸と
を用いる加工工程において、制電性やスカム発生防止性
が不充分であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程におい
て優れた捲形状のパッケージを得ることができ、同時に
その加工工程において用いるポリウレタン系弾性繊維に
優れた制電性やスカム発生防止性を付与することができ
る処理剤及び処理方法を提供する処にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかして本発明者らは、
上記の課題を解決するべく研究した結果、特定の2成分
系又は3成分系から成り、且つそれぞれを所定割合で含
有して成る処理剤が正しく好適であり、またかかる処理
剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後で
パッケージに捲き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊
維に対し所定割合となるよう付着させる処理方法が正し
く好適であることを見出した。
【0005】すなわち本発明は、下記のA成分と下記の
B成分とから成り、且つ該A成分/該B成分=100/
0.01〜100/12(重量比)の割合で含有して成
ることを特徴とする処理剤に係る。
【0006】また本発明は、下記のA成分と、下記のB
成分と、更に下記のC成分とから成り、且つ該A成分/
該B成分=100/0.01〜100/12(重量比)
の割合で含有し、また該A成分/該C成分=100/
0.1〜100/10(重量比)の割合で含有して成る
ことを特徴とする処理剤に係る。
【0007】更に本発明は、上記のような本発明の処理
剤を、希釈することなくニート給油法により、紡糸後で
パッケージに捲き取るまでの間のポリウレタン系弾性繊
維に対し0.1〜10重量%の割合となるよう付着させ
ることを特徴とする処理方法に係る。
【0008】A成分:25℃における粘度が2×10-6
〜100×10-62/sである、シリコーンオイル又
はシリコーンオイルと炭化水素油との混合物。 B成分:下記の式1で示されるカルボキシアミド・ポリ
エーテル変性シリコーン。 C成分:炭素数12〜22の高級脂肪酸のアルカリ金属
塩及び/又はアルカリ土類金属塩。
【0009】
【式1】
【0010】式1において、 R1:炭素数2〜5のアルキル基又はフェニル基 R2:下記の式2で示されるアミノアルキル変性基 R3:下記の式3で示されるポリエーテル変性基 B1,B2:メチル基又は下記の式3で示されるポリエー
テル変性基(但し、sが0の場合は少なくとも一方が下
記の式3で示されるポリエーテル変性基) X1:下記の式4で示されるカルボキシアミド変性基 p,q,r:pは25〜400の整数、qは0〜200
の整数、rは0〜5の整数であって、且つ25≦p+q
+r≦600を満足する整数 s:0〜10の整数 t:1〜10の整数
【0011】
【式2】
【式3】
【式4】
【0012】式2,式3,式4において、 R4,R5:炭素数2〜4のアルキレン基 R6:炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4の
アルキレンカルボニル基 R7:水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜
18のアルケニル基、炭素数2〜18のアシル基、フェ
ニル基又は炭素数1〜18のアルキル基で置換された置
換アルキルフェニル基 R8,R9:炭素数2〜5のアルキレン基 R10:炭素数2〜20の2〜4価の多価カルボン酸から
1個のカルボン酸基を除いた残基 Y:2〜100個のアルキレンオキシ単位で構成された
ポリアルキレンオキシ基であって、アルキレンオキシ単
位がエチレンオキシ単位及び/又はプロピレンオキシ単
位であるポリアルキレンオキシ基 u,v:0又は1
【0013】本発明の処理剤に供するA成分は潤滑油成
分である。かかるA成分には、1)シリコーンオイル、
2)シリコーンオイルと炭化水素油との混合物が包含さ
れる。シリコーンオイル、炭化水素油としては共に25
℃における粘度が2×10-6〜100×10-62/s
のものを用いるが、25℃における粘度が10×10- 6
〜30×10-62/sのものを用いるのが好ましい。
かかる粘度は、JIS−K2283(石油製品動粘度試
験方法)に記載された方法で測定される値である。
【0014】上記のようなシリコーンオイルとしては、
1)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位から成るポ
リジメチルシロキサン、2)繰り返し単位がジメチルシ
ロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を有するジア
ルキルシロキサン単位とから成るポリジアルキルシロキ
サン、3)繰り返し単位がジメチルシロキサン単位とメ
チルフェニルシロキサン単位とから成るポリジオルガノ
シロキサン等が挙げられるが、なかでもポリジメチルシ
ロキサンが好ましい。また上記のような炭化水素油とし
ては、1)石油留分から得られる流動パラフィン、2)
α−オレフィンを重合して得られるα−オレフィン重合
体等が挙げられるが、なかでも精製流動パラフィンが好
ましい。
【0015】A成分としては以上説明したようなシリコ
ーンオイルと炭化水素油との混合物を用いるのが好まし
く、なかでもシリコーンオイル/炭化水素油=99/1
〜10/90(重量比)の割合から成る混合物を用いる
のが好ましい。
【0016】本発明の処理剤に供するB成分は式1で示
されるカルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーン
である。かかるB成分には、1)式3で示されるポリエ
ーテル変性基を有するシロキサン単位と式4で示される
カルボキシアミド変性基を有するシロキサン単位とを主
鎖を構成するシロキサン単位として有するカルボキシア
ミド・ポリエーテル変性シリコーン、2)式3で示され
るポリエーテル変性基を有するシロキサン単位を末端基
として有し、且つ式4で示されるカルボキシアミド変性
基を有するシロキサン単位を主鎖を構成するシロキサン
単位として有するカルボキシアミド・ポリエーテル変性
シリコーン、3)式3で示されるポリエーテル変性基を
有するシロキサン単位を主鎖を構成するシロキサン単位
及び末端基として有し、且つ式4で示されるカルボキシ
アミド変性基を有するシロキサン単位を主鎖を構成する
シロキサン単位として有するカルボキシアミド・ポリエ
ーテル変性シリコーンが包含される。いずれのカルボキ
シアミド・ポリエーテル変性シリコーンも対応するアミ
ノアルキル変性基及びポリエーテル変性基を有するアミ
ノアルキル・ポリエーテル変性シリコーンと2〜4価の
多価カルボン酸とのアミド化反応により合成することが
できる。
【0017】式1で示されるカルボキシアミド変性シリ
コーンにおいて、主鎖を構成するシロキサン単位には、
必須の繰り返し単位であるpで括られるジメチルシロキ
サン単位及びtで括られるシロキサン単位の他に、任意
の繰り返し単位であるqで括られるシロキサン単位,r
で括られるシロキサン単位及びsで括られるシロキサン
単位があり、また末端基には、トリメチルシロキサン単
位、トリメチルシリル単位、式3で示されるポリエーテ
ル変性基を有するシロキサン単位、式3で示されるポリ
エーテル変性基を有するシリル単位がある。
【0018】qで括られるシロキサン単位には、メチル
エチルシロキサン単位、メチルプロピルシロキサン単
位、メチルブチルシロキサン単位、メチルペンチルシロ
キサン単位、メチルフェニルシロキサン単位等がある。
rで括られるシロキサン単位は、式2で示されるアミノ
アルキル変性基1個とメチル基1個とを有するシロキサ
ン単位である。式2で示されるアミノアルキル変性基に
は、1)式2中のuが0である場合のアルキル基の炭素
数が2〜4のアミノアルキル基、2)式2中のuが1で
ある場合のアルキル基の炭素数が2〜4のアミノアルキ
ルイミノアルキル基がある。上記1)のアミノアルキル
基としては、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミ
ノブチル基等が挙げられるが、なかでもアミノプロピル
基が有利に適用できる。また上記2)のアミノアルキル
イミノアルキル基としては、N−(2−アミノエチル)
−2−イミノエチル基、N−(2−アミノエチル)−3
−イミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−4−
イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−(2−
アミノエチル)−3−イミノプロピル基が有利に適用で
きる。
【0019】sで括られるシロキサン単位は、ポリエー
テル変性基1個とメチル基1個とを有するシロキサン単
位である。かかるポリエーテル変性基には、1)式3中
のR 6が炭素数1〜4のアルキレン基であり、したがっ
てポリオキシアルキレン基をかかるアルキレン基を介し
てケイ素原子に連結したポリエーテル変性基、2)式3
中のR6が炭素数2〜4のアルキレンカルボニル基であ
り、したがってポリオキシアルキレン基をかかるカルボ
ニルアルキレン基を介してケイ素原子に連結したポリエ
ーテル変性基が包含される。この場合、炭素数1〜4の
アルキレン基には、メチレン基、エチレン基、プロピレ
ン基、ブチレン基等があるが、なかでもプロピレン基が
有利に適用できる。また炭素数2〜4のアルキレンカル
ボニル基には、メチレンカルボニル基、エチレンカルボ
ニル基、プロピレンカルボニル基等があるが、なかでも
エチレンカルボニル基が有利に適用できる。
【0020】式3で示されるポリエーテル変性基におい
て、末端基R7には、1)水素、2)メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、トリデシル基、2−ヘキシルデシル基、オク
タデシル基、2−オクタデシル基等の炭素数1〜18の
アルキル基、3)ビニル基、イソプロペニル基、1−オ
クテニル基、1−ドデセニル基、シス−11−オクタデ
セニル基等の炭素数2〜18のアルケニル基、4)アセ
チル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ヘキサノイル
基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、
デカノイル基、ヘキサデカノイル基、オクタデカノイル
基、ヘキサデセノイル基、エイコセノイル基、オクタデ
セノイル基等の炭素数2〜18のアシル基、5)フェニ
ル基、6)メチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノ
ニルフェニル基、デシルフェニル基等の炭素数1〜18
のアルキル基で置換された置換アルキルフェニル基等が
あるが、なかでも水素、ブチル基、オクチル基が有利に
適用できる。
【0021】式3で示されるポリエーテル変性基におい
て、Yで示されるポリアルキレンオキシ基には、1)エ
チレンオキシ単位のみで構成されたポリエチレンオキシ
基、2)プロピレンオキシ単位のみで構成されたポリプ
ロピレンオキシ基、3)エチレンオキシ単位とプロピレ
ンオキシ単位とで構成されたポリアルキレンオキシ基が
あるが、1)のポリエチレンオキシ基が好ましい。3)
の場合、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位の
結合様式はランダム状とブロック状とがある。いずれの
場合においてもポリアルキレンオキシ基を構成するアル
キレンオキシ単位の合計数は2〜100とするが、4〜
80とするのが好ましい。
【0022】tで括られるシロキサン単位は、式4で示
されるカルボキシアミド変性基1個とメチル基1個とを
有するシロキサン単位である。式4で示されるカルボキ
シアミド変性基には、1)式4中のvが0である場合の
アルキル基の炭素数が2〜5のカルボキシアミドアルキ
ル基、2)式3中のvが1である場合のアルキル基の炭
素数が2〜5のカルボキシアミドアルキルイミノアルキ
ル基がある。上記1)のカルボキシアミド変性基として
は、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニ
ル)−2−イミノエチル基、N−(2,5−ジカルボキ
シベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル基、N−
(3,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−
イミノエチル基、N−(2,4−ジカルボキシベンゼン
−カルボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,5
−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプ
ロピル基、N−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カル
ボニル)−3−イミノプロピル基、N−(2,4−ジカ
ルボキシベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル
基、N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニ
ル)−4−イミノブチル基、N−(3,4−ジカルボキ
シベンゼン−カルボニル)−4−イミノブチル基、N−
(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニル)
−2−イミノエチル基、N−(2,4,5−トリカルボ
キシベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基、
N−(2,4,5−トリカルボキシベンゼン−カルボニ
ル)−4−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでも
N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−
3−イミノプロピル基、N−(2,5−ジカルボキシベ
ンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基が有利に
適用できる。また上記2)のカルボキシアミド変性基と
しては、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン
−カルボニル)−2−イミノエチル}−2−イミノエチ
ル基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−
カルボニル)−2−イミノエチル}−2−イミノエチル
基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−2−イミノエチル
基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミノプロピル
基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミノプロピル
基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミノプロピル
基、N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−4−イミノブチル
基、N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−4−イミノブチル
基、N−{N’−(3,4−ジカルボキシベンゼン−カ
ルボニル)−2−イミノエチル}−4−イミノブチル
基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベンゼ
ン−カルボニル)−2−イミノエチル}−2−イミノエ
チル基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシベ
ンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミ
ノプロピル基、N−{N’−(2,4,5−トリカルボ
キシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル}−4
−イミノブチル基等が挙げられるが、なかでもN−
{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニ
ル)−2−イミノエチル}−3−イミノプロピル基、N
−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カルボニ
ル)−2−イミノエチル}−3−イミノプロピル基が有
利に適用できる。
【0023】B成分として用いる式1で示されるカルボ
キシアミド・ポリエーテル変性シリコーンにおいて、ポ
リエーテル変性基を有する末端基には、ポリエーテル変
性基を有するシロキサン単位とポリエーテル変性基を有
するシリル単位とがある。かかるポリエーテル変性基そ
れ自体は前記と同じものである。本発明において、B成
分として用いるカルボキシアミド・ポリエーテル変性シ
リコーンとしては、ポリエーテル変性基を末端基である
シロキサン単位に有するものが好ましい。
【0024】本発明の処理剤にB成分として用いる式1
で示されるカルボキシアミド変性シリコーンにおいて、
主鎖を構成することとなるシロキサン単位の繰り返し数
は、pを25〜400、qを0〜200、rを0〜5、
sを0〜10、tを1〜10とし、且つp+q+rを2
5〜600とするが、p+q+rを100〜300とす
るのが好ましい。
【0025】本発明の処理剤に供するC成分は特定の高
級脂肪酸の金属塩である。C成分として用いる高級脂肪
酸の金属塩には、1)炭素数12〜22の脂肪酸のアル
カリ金属塩、2)炭素数12〜22の脂肪酸のアルカリ
土類金属塩、3)炭素数12〜22の脂肪酸のアルカリ
金属塩と炭素数12〜22の脂肪酸のアルカリ土類金属
塩との混合物が包含される。また炭素数12〜22の脂
肪酸のアルカリ土類金属塩には、同一の脂肪酸2分子と
アルカリ土類金属1分子とから形成されるもの、異なる
脂肪酸2分子とアルカリ土類金属1分子とから形成され
るものが包含される。
【0026】炭素数12〜22の脂肪酸のアルカリ金属
塩としては、ラウリン酸カリウム塩、ラウリン酸ナトリ
ウム塩、ラウリン酸リチウム塩、ミリスチン酸カリウム
塩、ミリスチン酸ナトリウム塩、ミリスチン酸リチウム
塩、パルミチン酸カリウム塩、パルミチン酸ナトリウム
塩、パルミチン酸リチウム塩、ステアリン酸カリウム
塩、ステアリン酸ナトリウム塩、ステアリン酸リチウム
塩、アラキン酸カリウム塩、アラキン酸ナトリウム塩、
アラキン酸リチウム塩、ベヘン酸カリウム塩、ベヘン酸
ナトリウム塩、ベヘン酸リチウム塩等が挙げられる。ま
た炭素数12〜22の脂肪酸のアルカリ土類金属塩とし
ては、ジラウリン酸マグネシウム塩、ジラウリン酸カル
シウム塩、ジラウリン酸亜鉛塩、ジミリスチン酸マグネ
シウム塩、ジミリスチン酸カルシウム塩、ジミリスチン
酸亜鉛塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジパルミチ
ン酸カルシウム塩、ジパルミチン酸亜鉛塩、ジステアリ
ン酸マグネシウム塩、ジステアリン酸カルシウム塩、ジ
ステアリン酸亜鉛塩、ジアラキン酸マグネシウム塩、ジ
アラキン酸カルシウム塩、ジアラキン酸亜鉛塩、ジベヘ
ン酸マグネシウム塩、ジベヘン酸カルシウム塩、ジベヘ
ン酸亜鉛塩、ミリスチン酸パルミチン酸マグネシウム
塩、ミリスチン酸パルミチン酸カルシウム塩、ミリスチ
ン酸パルミチン酸亜鉛塩、ミリスチン酸ステアリン酸マ
グネシウム塩、ミリスチン酸ステアリン酸カルシウム
塩、ミリスチン酸ステアリン酸亜鉛塩、パルミチン酸ス
テアリン酸マグネシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸
カルシウム塩、パルミチン酸ステアリン酸亜鉛塩等が挙
げられる。これらのなかでも、ジミリスチン酸マグネシ
ウム塩、ジパルミチン酸マグネシウム塩、ジステアリン
酸マグネシウム塩、ミリスチン酸パルミチン酸マグネシ
ウム塩、パルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩、パ
ルミチン酸ステアリン酸マグネシウム塩及びこれらの混
合物が好ましい。
【0027】本発明の処理剤は、以上説明したA成分と
B成分との2成分系から成るもの、或は以上説明したA
成分とB成分と更にC成分との3成分系から成るもので
ある。本発明の処理剤において、それがA成分とB成分
との2成分系から成るものの場合、A成分/B成分=1
00/0.01〜100/12(重量比)の割合で含有
して成るものとするが、A成分/B成分=100/0.
5〜100/5(重量比)の割合で含有して成るものと
するのが好ましい。またそれがA成分とB成分と更にC
成分との3成分系から成るものの場合、A成分とB成分
との含有割合については上記と同様とし、更にA成分/
C成分=100/0.1〜100/10(重量比)の割
合で含有して成るものとするが、A成分/C成分=10
0/0.8〜100/4.5(重量比)の割合で含有し
て成るものとするのが好ましい。
【0028】本発明の処理剤を調製する方法は特に制限
されず、これには公知の方法が適用できる。例えば、3
成分系の処理剤を調製する場合、A成分とB成分とC成
分とを所定割合で混合し、湿式粉砕して、C成分がコロ
イド状に分散した分散液を調製する方法が挙げられる。
この場合、湿式粉砕に用いる粉砕機としては、縦型ビー
ズミル、横型ビーズミル、サンドグラインダー、コロイ
ドミル等の公知の湿式粉砕機が挙げられる。
【0029】本発明の処理剤は、乾式紡糸、溶融紡糸、
湿式紡糸等、いずれの方式で製造されるポリウレタン系
弾性繊維に対しても適用できるが、なかでも溶融紡糸で
製造されるポリウレタン系弾性繊維に適用するのが好ま
しい。
【0030】本発明の処理方法は、以上説明した本発明
の処理剤を、溶剤等で希釈することなくそのまま給油す
るいわゆるニート給油法により、ポリウレタン系弾性繊
維に付着させる方法である。その付着工程は、紡糸後で
パッケージに巻き取るまでの間の工程である。付着方法
としては、ローラー給油法、ガイド給油法、スプレー給
油法等の公知の方法が適用できる。本発明の処理剤の付
着量は、ポリウレタン系弾性繊維に対し0.1〜10重
量%の割合となるようにするが、3〜7重量%の割合と
なるようにするのが好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の処理剤の実施形態として
は、次の1)〜4)が挙げられる。 1)下記のA成分と下記のB成分と更に下記のC成分と
から成り、且つ該A成分/該B成分=100/1.02
(重量比)の割合で含有し、また該A成分/該C成分=
100/1.02(重量比)の割合で含有して成る処理
剤。 A成分:25℃における粘度が10×10-62/sで
あるシリコーンオイル(S−1)と25℃における粘度
が19×10-62/sである精製パラフィン油(P−
1)との混合物であって、且つシリコーンオイル(S−
1)/精製パラフィン油(P−1)=91.8/8.2
(重量比)の割合で含有して成る混合物。 B成分:式1中のpが30、q及びr並びにsが0、t
が2、B1及びB2が−C36−O−Y1−OC−C715
で示されるポリエーテル変性基であって且つY 1がプロ
ピレンオキシ単位3個とエチレンオキシ単位3個とがラ
ンダム結合したポリアルキレンオキシ基である場合のポ
リエーテル変性基、X1がN−(2,4−ジカルボキシ
ベンゼン−カルボニル)−3−イミノプロピル基である
場合の式1で示されるカルボキシアミド・ポリエーテル
変性シリコーン。 C成分:ジステアリン酸マグネシウム塩。
【0032】2)下記のA成分と下記のB成分と更に下
記のC成分とから成り、且つ該A成分/該B成分=10
0/3.13(重量比)の割合で含有し、また該A成分
/該C成分=100/1.04(重量比)の割合で含有
して成る処理剤。 A成分:25℃における粘度が20×10-62/sで
あるシリコーンオイル(S−2)と25℃における粘度
が14×10-62/sである精製パラフィン油(P−
2)との混合物であって、且つシリコーンオイル(S−
2)/精製パラフィン油(P−2)=83.3/16.
7(重量比)の割合で含有して成る混合物。 B成分:式1中のpが130、q及びr並びにsが0、
tが5、B1及びB2が−C36−O−Y2−Hで示され
るポリエーテル変性基であって且つY2がプロピレンオ
キシ単位10個とエチレンオキシ単位5個とがブロック
結合したポリアルキレンオキシ基である場合のポリエー
テル変性基、X1がN−(2,5−ジカルボキシベンゼ
ン−カルボニル)−3−イミノプロピル基である場合の
式1で示されるカルボキシアミド・ポリエーテル変性シ
リコーン。 C成分:パルミチン酸ステアリン酸亜鉛塩。
【0033】3)下記のA成分と下記のB成分と更に下
記のC成分とから成り、且つ該A成分/該B成分=10
0/1.04(重量比)の割合で含有し、また該A成分
/該C成分=100/3.13(重量比)の割合で含有
して成る処理剤。 A成分:前記したシリコーンオイル(S−1)と前記し
た精製パラフィン油(P−2)との混合物であって、且
つシリコーンオイル(S−1)/精製パラフィン油(P
−2)=62.5/37.5(重量比)の割合で含有し
て成る混合物。 B成分:式1中のpが200、q及びr並びにsが0、
tが8、B1及びB2が−C36−COO−Y3−C49
で示されるポリエーテル変性基であって且つY3がエチ
レンオキシ単位10個から成るポリエチレンオキシ基で
ある場合のポリエーテル変性基、X1がN−{N’−
(2,4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−2−
イミノエチル}−3−イミノプロピル基である場合の式
1で示されるカルボキシアミド・ポリエーテル変性シリ
コーン。 C成分:ジステアリン酸マグネシウム塩。
【0034】4)下記のA成分と下記のB成分と更に下
記のC成分とから成り、且つ該A成分/該B成分=10
0/3.19(重量比)の割合で含有し、また該A成分
/該C成分=100/3.19(重量比)の割合で含有
して成る処理剤。 A成分:前記したシリコーンオイル(S−2)と前記し
た精製パラフィン油(P−1)との混合物であって、且
つシリコーンオイル(S−2)/精製パラフィン油(P
−1)=58.5/41.5(重量比)の割合で含有し
て成る混合物。 B成分:式1中のpが30、q及びr並びにsが0、t
が2、B1及びB2が−C36−O−Y1−OC−C715
で示されるポリエーテル変性基であって且つY 1がプロ
ピレンオキシ単位3個とエチレンオキシ単位3個とがラ
ンダム結合したポリアルキレンオキシ基である場合のポ
リエーテル変性基、X1がN−{N’−(2,5−ジカ
ルボキシベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル}
−3−イミノプロピル基である場合の式1で示されるカ
ルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーン。 C成分:ジステアリン酸マグネシウム塩/ジパルミチン
酸マグネシウム塩/パルミチン酸ステアリン酸マグネシ
ウム塩=40/40/20(重量比)の混合物。
【0035】本発明の処理方法の実施形態としては、次
の5)が挙げられる。 5)前記1)〜4)の処理剤を、希釈することなくニー
ト給油法により、紡糸後でパッケージに捲き取るまでの
間のポリウレタン系弾性繊維に対し3〜7重量%の割合
となるよう付着させる処理方法。
【0036】以下、本発明の構成及び効果をより具体的
にするため実施例等を挙げるが、本発明が該実施例に限
定されるというものではない。尚、以下の実施例等にお
いて、別に記載しない限り部は重量部を示し、%は重量
%を示す。
【0037】
【実施例】・試験区分1(B成分としてのカルボキシア
ミド・ポリエーテル変性シリコーンの合成) ・カルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーン(B
−1)の合成 メチルハイドロジェンポリジメチルシロキサン(メチル
ハイドロジェンシロキサン単位2個、ジメチルシロキサ
ン単位30個、トリメチルシロキサン単位1個、トリメ
チルシリル単位1個から構成されたもの)2505g
(1モル)、オクタノイルポリアルキレングリコールモ
ノアリルエーテル(ポリアルキレングリコールがエチレ
ンオキシ単位3個とプロピレンオキシ単位3個とがラン
ダム結合したもの)981g(2モル)、触媒として塩
化白金6水和物0.1g及びトルエン2000mlを反応
容器に仕込み、反応系の温度を110℃に保ち、10時
間付加反応を行なった。反応系からキシレンを減圧留去
した後、触媒を濾別し、中間体としてポリエーテル変性
シリコーンを得た。別に、3−アミノプロピルメチルジ
メトキシシラン490g(3モル)及び水144g(8
モル)を反応容器に仕込み、反応系の温度を40℃に保
ち、2時間重合反応を行なった後、80℃で2時間減圧
脱水処理し、中間体としてアミノ基含有ポリシロキサン
を得た。かくして得たポリエーテル変性シリコーン17
43g(0.5モル)及びアミノ基含有ポリシロキサン
135g(1モル)を反応容器に仕込み、均一に混合し
た後、水酸化カリウム0.1gを加えて、反応系の温度
を98℃に保ち、24時間反応を行なった。反応物を酢
酸で中和した後、更に無水トリメリット酸193g(1
モル)を加え、反応系の温度を150〜175℃とし
て、6時間アミド化反応を行ない、生成物を得た。この
生成物を分析したところ、式1中のpが30、q及びr
並びにsが0、tが2、B1及びB2が−C36−O−Y
1−OC−C715で示されるポリエーテル変性基であっ
て且つY1がプロピレンオキシ単位3個とエチレンオキ
シ単位3個とがランダム結合したポリアルキレンオキシ
基である場合のポリエーテル変性基、X1がN−(2,
4−ジカルボキシベンゼン−カルボニル)−3−イミノ
プロピル基である場合のカルボキシアミド・ポリエーテ
ル変性シリコーン(B−1)であった。
【0038】・カルボキシアミド変性シリコーン(B−
2)〜(B−6)及び(b−1)〜(b−5)の合成 カルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーン(B−
1)と同様にして、カルボキシアミド・ポリエーテル変
性シリコーン(B−2)〜(B−6)及び(b−1)〜
(b−5)を合成した。合成した各カルボキシアミド・
ポリエーテル変性シリコーンの内容を表1に示した。
【0039】
【表1】
【0040】表1において、 AM−1:3−アミノプロピル基 AM−2:N−(2−アミノエチル)−3−イミノプロ
ピル基 PE−1:−C36−O−Y1−OC−C715で示され
るポリエーテル変性基であって且つY1がプロピレンオ
キシ単位3個とエチレンオキシ単位3個とがランダム結
合したポリアルキレンオキシ基である場合のポリエーテ
ル変性基 PE−2:−C36−O−Y2−Hで示されるポリエー
テル変性基であって且つY2がプロピレンオキシ単位1
0個とエチレンオキシ単位5個とがブロック結合したポ
リアルキレンオキシ基である場合のポリエーテル変性基 PE−3:−C36−COO−Y3−C49で示される
ポリエーテル変性基であって且つY3がエチレンオキシ
単位10個から成るポリエチレンオキシ基である場合の
ポリエーテル変性基 CD−1:N−(2,4−ジカルボキシベンゼン−カル
ボニル)−3−イミノプロピル基 CD−2:N−(2,5−ジカルボキシベンゼン−カル
ボニル)−3−イミノプロピル基 CD−3:N−{N’−(2,4−ジカルボキシベンゼ
ン−カルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミノプ
ロピル基 CD−4:N−{N’−(2,5−ジカルボキシベンゼ
ン−カルボニル)−2−イミノエチル}−3−イミノプ
ロピル基 CD−5:N−(2−カルボニルエチル−カルボニル)
−3−イミノプロピル基 CD−6:N−{N’−(2,4,5−トリカルボキシ
ベンゼン−カルボニル)−2−イミノエチル}−3−イ
ミノプロピル基
【0041】・試験区分2(処理剤の調製) ・処理剤(T−1)の調製 A成分として25℃における粘度が10×10-62
sであるシリコーンオイル(S−1)90部と25℃に
おける粘度が19×10-62/sである精製パラフィ
ン油(P−1)8部、及びB成分として試験区分1で合
成したカルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーン
(B−1)1部を混合し、更にC成分としてジステアリ
ン酸マグネシウム塩(C−1)1部を加え、20〜25
℃の温度で均一になるまで混合した後、横型ビーズミル
を用いて湿式粉砕し、ジステアリン酸マグネシウム塩
(C−1)がコロイド状に分散された分散液として処理
剤(T−1)を調製した。
【0042】・処理剤(T−2)〜(T−5)の調製 処理剤(T−1)と同様にして、処理剤(T−2)〜
(T−5)を調製した。これらの処理剤の内容を表2に
示した。
【0043】・処理剤(T−6)の調製 A成分として前記したシリコーンオイル(S−1)98
部、及びB成分として試験区分1で合成したカルボキシ
アミド・ポリエーテル変性シリコーン(B−3)2部を
20〜25℃の温度で混合して処理剤(T−6)を調製
した。
【0044】・処理剤(T−7)〜(T−9)及び(t
−1)〜(t−6)の調製 処理剤(T−6)の調製と同様にして、処理剤(T−
7)〜(T−9)及び(t−1)〜(t−5)を調製し
た。これらの処理剤の内容を表2に示した。
【0045】
【表2】
【0046】表2において、 S/P:シリコーンオイルと炭化水素油との割合(重量
比) (S+P)/B:A成分100部に対するB成分として
のカルボキシアミド変性シリコーンの部数 (S+P)/C:A成分100部当に対するC成分の部
数 S−1:25℃における粘度が10×10-62/sで
あるポリジメチルシロキサン S−2:25℃における粘度が20×10-62/sで
あるポリジメチルシロキサン P−1:25℃における粘度が19×10-62/sで
ある精製パラフィン油 P−2:25℃における粘度が14×10-62/sで
ある精製パラフィン油 P−3:25℃における粘度が40×10-62/sで
あるα−オレフィン重合物 B−1〜B−6,b−1〜b−5:表1に記載の式1で
示されるカルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコー
ン C−1:ジステアリン酸マグネシウム塩 C−2:パルミチン酸ステアリン酸亜鉛塩 C−3:ジステアリン酸マグネシウム塩/ジパルミチン
酸マグネシウム塩/パルミチン酸ステアリン酸マグネシ
ウム塩=40/40/20(重量比)の混合物 C−4:ステアリン酸カリウム塩
【0047】・試験区分3(ポリウレタン系弾性繊維へ
の処理剤の付着及びその評価) ・ポリウレタン系弾性繊維の製造及び処理剤の付着 分子量1000のポリテトラメチレングリコールとジフ
ェニルメタンジイソシアネートとから得たポリウレタン
重合体を用いて溶融紡糸したポリウレタン系弾性繊維
に、試験区分2で調製した各処理剤をローラーオイリン
グ法で表3に記載の付着量となるようニート給油し、引
き続き600m/分の速度で紙管に巻き取り、捲き幅3
8mm、捲き量400gの44デシテックス/1フィラメ
ントの処理済みポリウレタン系弾性繊維から成るパッケ
ージを得た。
【0048】・捲形状の評価 上記で得た処理済みポリウレタン系弾性繊維のパッケー
ジについて、バルジとサドルを測定すると共に、端面に
おける綾落ちを肉眼観察し、捲形状を評価した。
【0049】バルジ(単位:mm):パッケージの捲き幅
の最大幅(Wmax)と最小幅(Wmin)を計測し、その差
を下記の式を用いて計算して、下記の基準で評価した。
結果を表3にまとめて示した。 バルジ=(Wmax)−(Wmin) ○:5mm未満 △:5〜7mm ×:7mm超
【0050】サドル(単位:mm):ポリウレタン系弾性
繊維の捲き幅が正面に見えるようにパッケージを置き、
パッケージの最大円周部分の直径(Lmax)と最小円周
部分の直径(Lmin)を計測し、その差を下記の式を用
いて計算して、下記の基準で評価した。結果を表3にま
とめて示した。 サドル=(Lmax)−(Lmin) ○:1mm未満 △:1〜2mm ×:2mm超
【0051】綾落ち:パッケージの端面において巻き取
られた処理済みポリウレタン系弾性繊維が円周面から滑
落している程度を肉眼で観察し、下記の基準で評価し
た。結果を表3にまとめて示した。 ○:綾落ちが認められない。 ×:綾落ちが認められる。
【0052】・制電性の評価 上記で得た処理済みポリウレタン系弾性繊維のパッケー
ジを、ミニチュア整経機へ、10本仕立て、25℃×5
0%RHの雰囲気下に糸速200m/分で走行させ、ミ
ニチュア整経機のクリールスタンドとフロントローラー
との間を走行する糸条の帯電圧を帯電圧測定機(春日社
製の集電管KS−525)で測定し、その測定値を下記
の基準で評価した。結果を表3にまとめて示した。 ◎:帯電圧が1kV未満、全く問題なく操業できる。 ○:帯電圧が1kV以上2kV未満、問題なく操業でき
る。 △:帯電圧が2kV以上2.5kV未満、操業性にやや
問題がある。 ×:帯電圧が2.5kV以上、操業できない。
【0053】・スカムの評価 上記で得た処理済みポリウレタン系弾性繊維のパッケー
ジ5本と綿糸(40S)5本を交互に、ミニチュア整経
機へ、10本仕立て、25℃×50%RHの雰囲気下に
糸速200m/分で11万m巻き取った。この際、ミニ
チュア整経機のクシガイドに対するスカムの付着及び蓄
積状態を肉眼観察し、下記の基準で評価した。結果を表
3にまとめて示した。 ◎:スカムの付着が認められない。 ○:スカムがやや付着しているが、糸の走行に問題はな
い。 ×:スカムの付着及び蓄積が多く、糸の安定走行に大き
な問題がある。
【0054】
【表3】
【0055】
【発明の効果】既に明らかなように、以上説明した本発
明には、ポリウレタン系弾性繊維の製糸工程において優
れた捲形状のパッケージを得ることができ、同時にその
加工工程において用いるポリウレタン系弾性繊維に優れ
た制電性やスカム発生防止性を付与することができると
いう効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 91:00 C08L 91:00 83:12) 83:12) (C08L 91/00 (C08L 91/00 83:08 83:08 83:12) 83:12) D06M 101:38 D06M 101:38

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記のA成分と下記のB成分とから成
    り、且つ該A成分/該B成分=100/0.01〜10
    0/12(重量比)の割合で含有して成ることを特徴と
    するポリウレタン系弾性繊維用処理剤。 A成分:25℃における粘度が2×10-6〜100×1
    -62/sである、シリコーンオイル又はシリコーン
    オイルと炭化水素油との混合物。 B成分:下記の式1で示されるカルボキシアミド・ポリ
    エーテル変性シリコーン。 【式1】 {式1において、 R1:炭素数2〜5のアルキル基又はフェニル基 R2:下記の式2で示されるアミノアルキル変性基 R3:下記の式3で示されるポリエーテル変性基 B1,B2:メチル基又は下記の式3で示されるポリエー
    テル変性基(但し、sが0の場合は少なくとも一方が下
    記の式3で示されるポリエーテル変性基) X1:下記の式4で示されるカルボキシアミド変性基 p,q,r:pは25〜400の整数、qは0〜200
    の整数、rは0〜5の整数であって、且つ25≦p+q
    +r≦600を満足する整数 s:0〜10の整数 t:1〜10の整数} 【式2】 【式3】 【式4】 (式2,式3,式4において、 R4,R5:炭素数2〜4のアルキレン基 R6:炭素数1〜4のアルキレン基又は炭素数2〜4の
    アルキレンカルボニル基 R7:水素、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜
    18のアルケニル基、炭素数2〜18のアシル基、フェ
    ニル基又は炭素数1〜18のアルキル基で置換された置
    換アルキルフェニル基 R8,R9:炭素数2〜5のアルキレン基 R10:炭素数2〜20の2〜4価の多価カルボン酸から
    1個のカルボン酸基を除いた残基 Y:2〜100個のアルキレンオキシ単位で構成された
    ポリアルキレンオキシ基であって、アルキレンオキシ単
    位がエチレンオキシ単位及び/又はプロピレンオキシ単
    位であるポリアルキレンオキシ基 u,v:0又は1)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のA成分と、請求項1記載
    のB成分と、更に下記のC成分とから成り、且つ該A成
    分/該B成分=100/0.01〜100/12(重量
    比)の割合で含有し、また該A成分/該C成分=100
    /0.1〜100/10(重量比)の割合で含有して成
    ることを特徴とするポリウレタン系弾性繊維用処理剤。 C成分:炭素数12〜22の高級脂肪酸のアルカリ金属
    塩及び/又はアルカリ土類金属塩。
  3. 【請求項3】 A成分が、シリコーンオイル/炭化水素
    油=99/1〜10/90(重量比)の割合から成る混
    合物である請求項1又は2記載のポリウレタン系弾性繊
    維用処理剤。
  4. 【請求項4】 B成分が、式1中のsが0である場合の
    カルボキシアミド・ポリエーテル変性シリコーンである
    請求項1、2又は3記載のポリウレタン系弾性繊維用処
    理剤。
  5. 【請求項5】 B成分が、式1中のB1,B2が式3で示
    されるポリエーテル変性基である場合のカルボキシアミ
    ド変性シリコーンである請求項1、2、3又は4記載の
    ポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  6. 【請求項6】 B成分が、式1中のX1として式4中の
    10が炭素数2〜20の3価又は4価の多価カルボン酸
    から1個のカルボン酸基を除いた残基である場合のカル
    ボキシアミド変性基を有するカルボキシアミド・ポリエ
    ーテル変性シリコーンである請求項1、2、3、4又は
    5記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  7. 【請求項7】 溶融紡糸により製造されるポリウレタン
    系弾性繊維用のものである請求項1、2、3、4、5又
    は6記載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載のポリウレタン系弾性繊維用処理剤を、希釈すること
    なくニート給油法により、紡糸後でパッケージに捲き取
    るまでの間のポリウレタン系弾性繊維に対し0.1〜1
    0重量%の割合となるよう付着させることを特徴とする
    ポリウレタン系弾性繊維の処理方法。
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