JP2001313155A - 円盤状ヒータおよびウエハ処理装置 - Google Patents

円盤状ヒータおよびウエハ処理装置

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JP2001313155A
JP2001313155A JP2000130991A JP2000130991A JP2001313155A JP 2001313155 A JP2001313155 A JP 2001313155A JP 2000130991 A JP2000130991 A JP 2000130991A JP 2000130991 A JP2000130991 A JP 2000130991A JP 2001313155 A JP2001313155 A JP 2001313155A
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Japan
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heater
disk
temperature
heating resistor
resistance
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JP2000130991A
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Suehiro Imaizumi
末広 今泉
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】急速昇温に対して円盤状ヒータの周辺部におけ
る異常加熱を抑制して、定常状態においても均一な温度
分布を有するとともに、円盤状絶縁性基板のマイグレー
ションを防止できる円盤状ヒータおよびウエハ処理装置
を提供する。 【解決手段】円盤状絶縁性基板2の内部に、正の抵抗温
度係数を有する発熱抵抗体6を略同心円状に配設してな
り、絶縁性基板2の周辺部の発熱密度が中心部よりも高
く設定されてなる円盤状ヒータにおいて、該絶縁性基板
2の周辺部に配設された発熱抵抗体6aの抵抗温度係数
が、中心部に配設された発熱抵抗体6bの抵抗温度係数
よりも小さく、発熱抵抗体6aの室温における体積固有
抵抗値が、発熱抵抗体6bよりも高く、かつ中心部およ
び周辺部に配設された発熱抵抗体6a、6bを並列接続
してなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は円盤状ヒータおよび
ウエハ処理装置に関し、例えば、半導体ウエハなどを支
持しながら、加熱する静電チャックやサセプタ等に好適
であり、急速昇温が可能でかつ昇温中においてヒータ全
域を一定の温度に加熱することができる発熱抵抗体を具
備する円盤状ヒータおよびウエハ処理装置に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】半導体素子の製造過程において、半導体ウ
エハの表面に微細配線を形成するに際して、薄膜形成装
置やプラズマ処理装置などの反応室内において、半導体
ウエハは、静電チャックやサセプタ等の円盤状ヒータ表
面に載置支持される。この時、半導体ウエハ面内での成
膜あるいはエッチングの均一性を維持するために、円盤
状ヒータのウエハ搭載面は均一に加熱されていることが
重要となる。
【0003】従来、円盤状ヒータでは、アルミナや窒化
アルミニウム等のセラミックス等の円盤状の絶縁性基板
の内部に、タングステン等の高融点金属からなる帯状の
発熱抵抗体を、略同心円状に埋設形成されている。
【0004】この時、略同心円状に配設された発熱抵抗
体のピッチが全く同一である場合、円盤状ヒータの周辺
部の熱が円盤中央部よりも放散されやすいために、円盤
周辺部の表面温度が円盤中央部よりも低下するという現
象がある。
【0005】そこで、このような表面温度の不均一性を
解消するために、周辺部の発熱抵抗体のピッチを中心部
よりも小さくすることにより周辺部での表面温度の低下
を解消し、表面温度分布を均一にする技術が提案されて
いる。
【0006】また、一方では、この円盤状ヒータに対し
ては、電力投入後のヒータの表面温度の均熱化を早め、
半導体ウエハへの処理が直ちに実施できるように、余熱
時間が短くまた急速昇温できることが望まれている。
【0007】ところが、従来の円盤状ヒータは、周辺部
の発熱抵抗体のピッチを円盤中央部よりも小さくして、
定常状態におけるヒータの発熱密度が中心部に比べ周辺
部の方が高くなるように設定されていることにより、定
常状態では表面温度分布が均一になるものの、昇温過程
においては周辺部が異常加熱して周辺部の温度が中心部
に比べ高くなる傾向がある。
【0008】そして、この温度分布における不均衡の傾
向は、大きな電力を投入して昇温速度を高めようとする
ほど顕著となり、急速昇温すると、異常加熱による温度
が、絶縁性基板の熱衝撃に対する耐熱温度よりも高くな
ったり、円盤状ヒータに取り付けられている種々の部品
の耐熱温度を超えて高くなり、これらの基板や部品を損
傷する等の問題があった。そのために従来は、昇温時の
周辺部の温度が規定の温度を超えることがないように、
ヒータの昇温速度を緩やかにせざるをえなかった。
【0009】このような問題を解決したものとして、特
開平11−283730号公報に開示された円盤状ヒー
タが知られている。この公報に開示された円盤状ヒータ
は、円盤状絶縁性基板の内部に、正の抵抗温度係数を有
する発熱抵抗体を直列に且つ略同心円状に配設してな
り、円盤状絶縁性基板の周辺部の発熱密度が中心部より
も高く設定されてなる円盤状ヒータにおいて、該円盤状
絶縁性基板の周辺部に配設された発熱抵抗体(A)の抵
抗温度係数が、中心部に配設された発熱抵抗体(B)の
抵抗温度係数よりも大きく、室温における体積固有抵抗
値が、前記発熱抵抗体(B)よりも低いものである。
【0010】この公報に開示された円盤状ヒータでは、
急速昇温に対して円盤状ヒータの周辺部における異常加
熱を抑制して、定常状態においても均一な温度分布を有
しており、優れた特性の円盤状ヒータであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】近年においては、より
大型のウエハを処理するため、円盤状ヒータの発熱面積
の拡大が要求されており、これにより、ヒータパターン
が長大化し、また、均熱性の要求からヒータパターンが
細密化されてきている。
【0012】しかしながら、上記公報に開示された円盤
状ヒータでは、周辺部に配設された発熱抵抗体(A)
と、中心部に配設された発熱抵抗体(B)が直列に接続
されていたため、ヒータパターンの長大化に伴い端子間
抵抗が高くなり、所望の発熱量を得るための端子間印加
電圧が高くなり、ヒータパターンの高電位側と低電位側
の電位差が大きく、屈曲し折り返すタイプのヒータパタ
ーンを有する場合には、隣接するヒーターパターン間の
電位差が大きくなり、その結果いわゆるマイグレーショ
ンの問題が発生することがあった。
【0013】このマイグレーションとは、セラミック基
体に埋設されたヒータパターン間に大きな電位差がある
と、それによって、セラミック基体内のマグネシアやカ
ルシア等が移動して、セラミック基体に微小な空隙が生
じることであり、このようなマイグレーションが発生す
ると、セラミックス基体の絶縁性能が劣化し、パターン
間が短絡するという問題が生じていた。
【0014】本発明は、急速昇温に対して円盤状ヒータ
の周辺部における異常加熱を抑制して、定常状態におい
ても均一な温度分布を有するとともに、円盤状絶縁性基
板のマイグレーションを防止できる円盤状ヒータおよび
ウエハ処理装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の円盤状ヒータ
は、円盤状絶縁性基板の内部に、正の抵抗温度係数を有
する発熱抵抗体を略同心円状に配設してなり、円盤状絶
縁性基板の周辺部の発熱密度が中心部よりも高く設定さ
れた円盤状ヒータにおいて、該円盤状絶縁性基板の周辺
部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数が、中心部に
配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数よりも小さく、前
記周辺部に配設された発熱抵抗体の室温における体積固
有抵抗値が、前記中心部に配設された発熱抵抗体よりも
高く、かつ前記中心部および前記周辺部に配設された発
熱抵抗体を並列接続してなるものである。
【0016】このような円盤状ヒータでは、円盤状絶縁
性基板の周辺部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数
が、中心部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数より
も小さく、周辺部に配設された発熱抵抗体の室温におけ
る体積固有抵抗値が、中心部に配設された発熱抵抗体よ
りも高いため、即ち、定常状態において発熱密度の高い
周辺部に、中心部に配設された発熱抵抗体よりも抵抗温
度係数が小さく、また室温における体積固有抵抗値が、
中心部よりも高い発熱抵抗体を配置することにより、通
電直後の円盤状ヒータの表面温度が低い段階では、低温
におけるそれぞれの発熱抵抗体の体積固有抵抗値と発熱
密度差に従い、中心部と周辺部の温度をほぼ等しくでき
る。
【0017】円盤状ヒータの温度上昇に伴い中心部に比
べ周辺部の発熱密度が大きくなり、やがて定常状態に達
すると、円盤状ヒータの表面温度分布は均一となるべき
発熱密度に終着する。
【0018】そして、正の抵抗温度係数を有する発熱抵
抗体を並列に接続した電気回路において、回路の両端子
に一定の電圧を印加すると、中心部と周辺部の発熱抵抗
体の発熱量は印加電圧の2乗に比例し、端子間抵抗値に
反比例するため、発熱抵抗体を並列接続することによ
り、直列接続の場合よりも低い印加電圧で、かつ発熱抵
抗体を直列接続した場合と同様に昇温過程での均熱性を
保持しながら高速に昇温可能となり、最終的に定常状態
で円盤状ヒータの表面温度分布は均一となる。
【0019】また、発熱抵抗体を並列に接続した場合に
は、直列接続した場合と比較して印加電圧を低くできる
ため、ヒータパターンの高電位側と低電位側の電位差を
小さくでき、屈曲し折り返すタイプのヒータパターンを
有する場合であっても、隣接するヒータパターン間にお
ける電位差を小さくでき、その結果いわゆるマイグレー
ションの発生を抑制できる。
【0020】また、本発明の円盤状ヒータでは、円盤状
絶縁性基板の周辺部における発熱抵抗体間のパターンピ
ッチが、中心部の発熱抵抗体間のパターンピッチよりも
小さいことが望ましい。このような構成を採用すること
により、円盤状絶縁性基板の周辺部の発熱密度を中心部
よりも高く設定できる。
【0021】さらに、本発明のウエハ処理装置は、処理
装置本体と、該処理装置本体の内部に収容され、ウエハ
が載置される上記した円盤状ヒータとを具備したもので
ある。このようなウエハ処理装置では、ウエハを均等に
加熱することができ、例えば、CVD装置による成膜性
能を向上できる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の円盤状ヒータの
一例として、円盤状静電チャックに係る概略断面図であ
る。図1において、静電チャック1の円盤状絶縁性基板
2は、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素、サイ
アロン等のセラミックスによって構成されている。絶縁
性基板2内には、ウエハを支持するため、静電気による
吸着力を発生させるための電極3が形成され、絶縁性基
板2の表面はウエハ搭載面4を形成している。また、電
極3には、この電極3に電圧を印加するための電極用端
子5が設けられている。
【0023】また、絶縁性基板2の内部には、ウエハ載
置面4を所定の温度に加熱するための発熱抵抗体6が埋
設されており、絶縁性基板2および発熱抵抗体6によっ
て円盤状ヒータとして機能している。そして、発熱抵抗
体6には、ジュール発熱を行うために電力を投入するた
めの給電用端子7が接続されている。
【0024】この発熱抵抗体6は、円盤状絶縁性基板2
の内部において、図2に示すように略同心円状に配設さ
れている。また、静電チャック1の周辺部からの熱放散
によってウエハ載置面4の表面温度が中心部よりも低下
するために、定常状態においてウエハ載置面4の表面温
度が中心部および周辺部において均一になるようにする
ため、周辺部の発熱密度が中心部よりも高くなるように
発熱抵抗体6のパターンが形成されている。
【0025】具体的には、図2に示すように、略同心円
状に配設された発熱抵抗体6において、周辺部における
発熱抵抗体間のパターンピッチP2が、中心部の発熱抵
抗体間のパターンピッチP1よりも小さくなるように形
成されている。この時の中心部におけるピッチP1に対
して、周辺部のピッチP2は、用いる発熱抵抗体の種類
や発熱抵抗体の線幅、円盤状ヒータが設置される環境な
どによって適宜設計されるが、およそ0.9P1〜0.
5P1に設定されることが望ましい。
【0026】また、本発明によれば、周辺部に配設され
る発熱抵抗体6aと、中心部に配設される発熱抵抗体6
bとを異なる発熱抵抗体によって形成し、周辺部に配設
された発熱抵抗体6aの抵抗温度係数が、中心部に配設
された発熱抵抗体6bの抵抗温度係数よりも小さくなる
ような抵抗体によって形成する。また、室温における体
積固有抵抗値は、発熱抵抗体6bよりも発熱抵抗体6a
が高くなる抵抗体材料によって形成されている。
【0027】本発明の円盤状ヒータにおいては、ヒータ
周辺部の発熱抵抗体6aの抵抗温度係数は、300〜1
000ppm/Kが適当であり、中心部の発熱抵抗体6
bの抵抗温度係数は、円盤状ヒータが設置される環境な
どによっても変動するが、およそ上記周辺部の発熱抵抗
体よりも2000ppm/K以上高いことが適当であ
る。
【0028】なお、抵抗温度係数が小さい発熱抵抗体6
aは、定常状態における周辺部での熱放散による温度低
下が見られる領域、言い換えれば、上記パターンピッチ
が中心部よりも小さくなるように形成された領域に適用
されることが望ましい。このような周辺部領域は、円盤
状ヒータにおける円盤状絶縁性基板2の周端縁から、円
盤状絶縁性基板2の半径Lの3〜20%相当長さ分の領
域であることが適当である。尚、図1では2つの発熱抵
抗体6a、6bを形成したが、3つ以上の発熱抵抗体を
形成しても良い。
【0029】そして、本発明の円盤状ヒータでは、周辺
部に配設される発熱抵抗体6aと、中心部に配設される
発熱抵抗体6bとは並列接続されている。
【0030】上記の本発明の円盤状ヒータを製造するに
は、例えば、絶縁性基板が、アルミナや窒化アルミニウ
ム等からなる場合、所定の特性が得られるように調合し
たアルミナまたは窒化アルミニウムのセラミック原料を
湿式混合した後、この混合物にさらに成形用バインダー
を混合し、所望の成形手段、例えば、ドクターブレード
法、金型プレス、冷間静水圧プレス、射出成形、押出し
成形等により所定の厚みの円盤状のシート状成形体を作
製する。そして、このシート状成形体の表面に、発熱抵
抗体を形成するための抵抗体ペーストをスクリーン印刷
法等により印刷塗布する。
【0031】抵抗体ペーストの塗布にあたり、本発明に
よれば、まず、中心部の発熱抵抗体6bを形成する抵抗
体ペーストを略同心円状に印刷塗布、乾燥する。その
後、周辺部の発熱抵抗体6aとして、中心部の発熱抵抗
体6bよりも抵抗温度係数が小さい抵抗体ペーストを中
心部よりもパターンピッチが小さくなるように印刷塗布
する。
【0032】この時、用いられる抵抗体としては、タン
グステン、モリブデン、白金等の高融点金属に対して、
アルミナや窒化アルミニウム等を添加して抵抗調整され
た抵抗体が用いられる。なお、抵抗温度係数の調整に
は、上記の抵抗体に対してレニウム、アルメル、クロメ
ル等を適量添加することにより、抵抗温度係数を任意の
値に制御できる。
【0033】また、他のシート状成形体の表面に、静電
気力を発生させるための電極形成用として、タングステ
ン、モリブデン等の高融点金属を含有する導体ペースト
をスクリーン印刷法等により印刷塗布する。
【0034】その後、抵抗体ペーストを印刷したシート
状成形体、電極形成用の導体ペーストを印刷したシート
状成形体およびペーストを何ら印刷していないシート状
成形体を積層して一体化した後、この積層体を脱バイン
ダーし、非酸化性雰囲気中で1500〜1900℃の温
度で加熱して、絶縁性基板と発熱抵抗体および電極を同
時焼成する。
【0035】なお、絶縁性基板がアルミナセラミックス
からなる場合は、1500〜1800℃、窒化アルミニ
ウムからなる場合には、1600〜1900℃が適当で
ある。そして、同時焼成された構造体に対して、電極用
端子5、給電用端子7等を取り付けることにより静電チ
ャックを形成することができる。
【0036】以上のように構成された円盤状ヒータで
は、発熱抵抗体が並列接続され、円盤状絶縁性基板の周
辺部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数が、中心部
に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数よりも小さく、
周辺部に配設された発熱抵抗体の室温における体積固有
抵抗値が、中心部に配設された発熱抵抗体よりも高いた
め、通電直後において円盤状ヒータの表面温度が低い段
階(昇温過程)では、低温におけるそれぞれの発熱抵抗
体の体積固有抵抗値と発熱密度差に従い、中心部と周辺
部の温度をほぼ等しくでき、円盤状ヒータの温度上昇に
伴い、中心部に比べ周辺部の発熱密度が大きくなり、や
がて定常状態に達すると、円盤状ヒータの表面温度分布
は均一となるべき発熱密度に終着する。
【0037】そして、正の抵抗温度係数を有する発熱抵
抗体を並列に接続した電気回路において、回路の両端子
に一定の電圧を印加すると場合、中心部と周辺部の発熱
抵抗体の発熱量は印加電圧の2乗に比例し、端子間抵抗
値に反比例するため、発熱抵抗体を並列接続することに
より、直列接続の場合よりも低い印加電圧で、かつ発熱
抵抗体を直列接続した場合と同様に昇温過程での均熱性
を保持しながら高速に昇温可能となり、最終的には定常
状態で円盤状ヒータの表面温度分布は均一となる。
【0038】また、発熱抵抗体を並列に接続したので、
直列接続した場合と比較して印加電圧を低くできるた
め、ヒータパターンの高電位側と低電位側の電位差を小
さくでき、屈曲し折り返すタイプのヒータパターンを有
する場合であっても、隣接するヒータパターン間におけ
る電位差を小さくでき、その結果いわゆるマイグレーシ
ョンの発生を抑制できる。
【0039】本発明のウエハ処理装置として、CVD装
置を例に説明すると、ウエハ処理装置は、図3に示すよ
うに、ガスが供給される処理装置本体11と、該処理装
置本体11の内部に収容され、ウエハが載置される円盤
状ヒータとを具備して構成されている。
【0040】このようなウエハ処理装置では、ウエハが
均一に加熱されるため、ウエハの表面に形成された膜の
均一化を図ることができ、成膜性能を向上できる。本発
明のウエハ処理装置は、上記例に限定されるものではな
く、例えば、プラズマCVD、減圧CVD、光CVD、
PVDなどの成膜装置や、プラズマエッチング、光エッ
チング等のエッチング装置に用いることができる。
【0041】
【実施例】窒化アルミニウム質セラミックスの粉末を用
いてドクターブレード法により焼成上がりの半径が10
0mmの円盤状の厚さ4.5mmの成形体を作製した。
そしてこの成形体の表面に、温度抵抗係数の大きい材料
として、タングステンにAl23およびレニウムを添加
した温度抵抗係数4300ppm/K、体積抵抗率0.
54μΩ・mのタングステン系抵抗体(6b)、温度抵
抗係数の小さな材料としてタングステンにAl23を添
加した温度抵抗係数500ppm/K、体積抵抗率1.
10μΩ・mのタングステン系抵抗体(6a)を用い
た。なお、上記抵抗体(6b)、抵抗体(6a)の抵抗
温度曲線を図4に示した。
【0042】そして、上記の各抵抗体を含むペーストを
用いて、図1および図2に示すようなパターン形状に印
刷塗布した。パターンは、線幅7mmとし、発熱抵抗体
の厚みが10μmとなるように塗布した。なお、中心部
のパターンピッチは16mm、最外部のパターンピッチ
を8mmに設定した。なお、抵抗温度係数の大きい抵抗
体(6b)は、同心円状に形成された抵抗体パターンの
うち、中心部のパターンに対して施した。
【0043】その後、このペースト塗布面に、シート状
成形体を積層圧着した後、1800℃の窒素雰囲気中で
2時間焼成して、直径200mm、厚さ9mmの窒化ア
ルミニウムセラミックスを絶縁基板とする円盤状セラミ
ックヒータを作製した。
【0044】また、従来例として、温度抵抗係数430
0ppm/K、体積抵抗率0.540μΩ・mの発熱抵
抗体のみを用いて図1および図2のパターンの発熱抵抗
体を具備する円盤状セラミックヒータを作製した。
【0045】作製したセラミックヒータに対して、初期
温度25℃から、100Vの電圧を60秒間印加し、約
350℃まで昇温させた後、印加電圧を25Vに下げ温
度を飽和させたときの温度変化を図5(本発明品)、図
6(従来品)に示した。
【0046】図5、図6の結果から明らかなように、従
来品の円盤状ヒータでは、定常状態では均一な温度分布
を示したが、350℃/分という急速な昇温時におい
て、最周辺部においては、中心部の温度よりも約55℃
の温度上昇が観察された。
【0047】これに対して、本発明の円盤状ヒータによ
れば、この急速昇温においても、中心部と周辺部との温
度差を35℃以下に抑え、急速昇温時の均熱性を向上で
きることが確認できた。
【0048】また、発熱抵抗体を略同心円状に配設し、
これらの発熱抵抗体を直列に接続した従来の円盤状ヒー
タを作製し、初期温度25℃から約350℃まで60秒
で昇温させる時の電圧を測定したところ、200Vの電
圧を印加する必要があった。これにより、本発明の円盤
状ヒータでは、ヒータパターンの高電位側と低電位側の
電位差が上記比較例よりも小さく、隣接するヒーターパ
ターン間の電位差が小さくなり、マイグレーションが発
生し難いことが判る。
【0049】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の円盤状ヒ
ータによれば、円盤状絶縁性基板の周辺部に配設された
発熱抵抗体の抵抗温度係数が、中心部に配設された発熱
抵抗体の抵抗温度係数よりも小さく、周辺部に配設され
た発熱抵抗体の室温における体積固有抵抗値が、中心部
に配設された発熱抵抗体よりも高いため、通電直後の円
盤状ヒータの表面温度が低い段階では、低温におけるそ
れぞれの発熱抵抗体の体積固有抵抗値と発熱密度差に従
い、中心部と周辺部の温度をほぼ等しくできるととも
に、定常状態では表面温度分布を均一とできる。
【0050】また、直列接続の場合よりも低い印加電圧
で、かつ発熱抵抗体を直列接続した場合と同様に、昇温
過程での均熱性を保持しながら高速に昇温でき、直列接
続の場合と比較して低い印加電圧で一定の温度まで昇温
できるため、隣接するヒータパターン間における電位差
を小さくでき、その結果いわゆるマイグレーションの発
生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円盤状ヒータの例として静電チャック
に係わる概略断面図である。
【図2】図1の静電チャックにおける発熱抵抗体のパタ
ーン形状を示す図である。
【図3】本発明のウエハ処理装置を示す概念図である。
【図4】本発明の実施例に用いた発熱抵抗体の抵抗温度
曲線を示す図である。
【図5】本発明の円盤状ヒータによる急速昇温時の温度
分布を示す図である。
【図6】従来の円盤状ヒータによる急速昇温時の温度分
布を示す図である。
【符号の説明】
1・・・静電チャック 2・・・絶縁性基板 6、6a、6b・・・発熱抵抗体 11・・・処理装置本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05B 3/20 328 H01L 21/302 B Fターム(参考) 3K034 AA02 AA07 AA08 AA10 AA20 AA21 AA34 AA37 BB06 BB14 BC17 BC24 BC28 BC29 CA02 CA14 CA22 CA32 HA01 HA10 3K092 PP09 QA05 QB02 QB18 QB21 QB33 QB44 QB49 QB75 QB76 QC02 QC25 QC49 QC58 RF03 RF11 RF26 RF27 VV08 VV22 5F004 AA01 BB22 BB26 BB29 BD04 5F045 AA06 AA08 AA11 BB02 EK09 EK22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円盤状絶縁性基板の内部に、正の抵抗温度
    係数を有する発熱抵抗体を略同心円状に配設してなり、
    円盤状絶縁性基板の周辺部の発熱密度が中心部よりも高
    く設定された円盤状ヒータにおいて、該円盤状絶縁性基
    板の周辺部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数が、
    中心部に配設された発熱抵抗体の抵抗温度係数よりも小
    さく、前記周辺部に配設された発熱抵抗体の室温におけ
    る体積固有抵抗値が、前記中心部に配設された発熱抵抗
    体よりも高く、かつ前記中心部および前記周辺部に配設
    された発熱抵抗体を並列接続してなることを特徴とする
    円盤状ヒータ。
  2. 【請求項2】円盤状絶縁性基板の周辺部における発熱抵
    抗体間のパターンピッチが、中心部における発熱抵抗体
    間のパターンピッチよりも小さいことを特徴とする請求
    項1記載の円盤状ヒータ。
  3. 【請求項3】処理装置本体と、該処理装置本体の内部に
    収容され、ウエハが載置される請求項1または2記載の
    円盤状ヒータとを具備することを特徴とするウエハ処理
    装置。
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