JP2001307306A - 磁性層パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

磁性層パターンの形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法

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magnetic layer
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芳高 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程数を削減し、製造時間を短縮するこ
とが可能な磁性層パターンの形式方法および薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 下地(上部シールド層7)上に形成し
た、開口部50uを有するフレームパターン50を覆う
ように、前駆非磁性層および前駆下部磁極層をこの順に
形成する。続いて、CMP法によって少なくともフレー
ムパターン50が露出するまで全体を研磨し、前駆非磁
性層および前駆下部磁極層をパターニングすることによ
り、非磁性層8および下部磁極9を選択的に形成する。
フレームパターン50を形成せずに非磁性層8および下
部磁極9を形成する場合よりも製造工程数を削減し、製
造時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも書き込
み用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと読み出し用の磁気抵
抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素子
を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁気
ヘッドが広く用いられている。MR素子としては、異方
性磁気抵抗(以下、AMR(Anisotropic Magneto Resi
stive )と記す。)効果を用いたAMR素子と、巨大磁
気抵抗(以下、GMR(Giant Magneto Resistive )と
記す。)効果を用いたGMR素子とがある。AMR素子
を用いた再生ヘッドはAMRヘッドあるいは単にMRヘ
ッドと呼ばれ、GMR素子を用いた再生ヘッドはGMR
ヘッドと呼ばれる。AMRヘッドは、面記録密度が1ギ
ガビット/(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用
され、GMRヘッドは、面記録密度が3ギガビット/
(インチ)2 を超える再生ヘッドとして利用されてい
る。
【0003】上記のような記録ヘッドおよび再生ヘッド
を有する複合型薄膜磁気ヘッドは、例えば、スパッタリ
ング工程、フォトリソグラフィ工程、電解めっき工程、
エッチング工程および研磨工程等の複数の製造工程を経
ることにより製造される。特に、上記の電解めっき工程
やエッチング工程では、めっき膜を選択的に成長させる
ために用いるマスクとしてのフォトレジストパターンや
エッチング処理を選択的に行うために用いるマスクとし
てのエッチングマスク等の形成工程も必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような多様な工
程を含む薄膜磁気ヘッドの一連の製造過程について、製
造に要する製造リードタイムの長期化が問題とされてい
る。したがって、大量製造時におけるさらなる製造リー
ドタイムの短縮化を実現するために、工程数削減等の具
体的な改善手段が必要とされる。
【0005】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、製造工程数を削減し、製造時間を短
縮することが可能な磁性層パターンの形成方法および薄
膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁性層パターン
の形成方法は、所定の下地層の表面に磁性層パターンを
形成するための磁性層パターンの形成方法であって、下
地層の表面に所定の形状の開口部を有するフレームパタ
ーンを形成する第1の工程と、少なくともフレームパタ
ーンの開口部を含む領域を覆うように、少なくとも磁性
層パターンの前準備層としての前駆磁性層を形成する第
2の工程と、少なくともフレームパターンが露出するま
で、少なくとも前駆磁性層を研磨することにより磁性層
パターンを形成する第3の工程とを含むようにしたもの
である。
【0007】本発明の磁性層パターンの形成方法では、
第1の工程において、所定の下地層の表面に所定の形状
の開口部を有するフレームパターンが形成され、第2の
工程において、少なくともフレームパターンの開口部を
含む領域を覆うように少なくとも前駆磁性層が形成さ
れ、第3の工程において、少なくともフレームパターン
が露出するまで前駆磁性層が研磨されることにより、所
定の下地層の表面に磁性層パターンが形成される。
【0008】本発明の磁性層パターンの形成方法では、
フレームパターンの形成材料として非磁性材料を用いる
ようにするのが好適である。
【0009】また、本発明の磁性層パターンの形成方法
では、上記の第2の工程が、複数の前駆磁性層を形成す
る工程と、複数の前駆磁性層の間に挟まれるように前駆
非磁性層を形成する工程とを含み、上記の第3の工程に
おいて、複数の前駆磁性層および前駆非磁性層を研磨す
るようにしてもよい。
【0010】本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法は、記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
一部にギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む互
いに磁気的に連結された2つの磁性層と、これらの2つ
の磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル部
とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、所定の
下地層の表面に所定の形状の開口部を有するフレームパ
ターンを形成する第1の工程と、少なくともフレームパ
ターンの開口部を含む領域を覆うように2つの磁性層の
うちの少なくとも一部をなす磁性層パターンの前準備層
としての前駆磁性層を形成する第2の工程と、少なくと
もフレームパターンが露出するまで前駆磁性層を研磨す
ることにより2つの磁性層のうちの少なくとも一部を形
成する第3の工程とを含むようにしたものである。
【0011】本発明の第1の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法では、第1の工程において、所定の下地層の
表面に所定の形状の開口部を有するフレームパターンが
形成され、第2の工程において、少なくともフレームパ
ターンの開口部を含む領域を覆うように前駆磁性層が形
成され、第3の工程において、少なくともフレームパタ
ーンが露出するまで前駆磁性層が研磨されることによ
り、2つの磁性層のうちの少なくとも一部が形成され
る。
【0012】本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法は、記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
一部にギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む互
いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性
層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設
された薄膜コイル部と、第2の磁性層の配設領域側に所
定の基体を支持部材として配設された非磁性層および第
3の磁性層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であっ
て、下地層の表面に第3の磁性層を形成する第1の工程
と、第3の磁性層の表面に所定の形状の開口部を有する
フレームパターンを形成する第2の工程と、少なくとも
フレームパターンの開口部を含む領域を覆うように非磁
性層の前準備層としての前駆非磁性層および第2の磁性
層の前準備層としての前駆磁性層をこの順に形成する第
3の工程と、少なくともフレームパターンが露出するま
で前駆非磁性層および前駆磁性層の表面を研磨すること
により非磁性層および第2の磁性層を形成する第4の工
程とを含むようにしたものである。
【0013】本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法では、第1の工程において、所定の下地層の
表面に第3の磁性層が形成され、第2の工程において、
第3の磁性層の表面に所定の形状の開口部を有するフレ
ームパターンが形成され、第3の工程において、少なく
ともフレームパターンの開口部を含む領域を覆うように
前駆非磁性層および前駆磁性層がこの順に形成され、第
4の工程において、少なくともフレームパターンが露出
するまで前駆非磁性層および前駆磁性層の表面が研磨さ
れることにより非磁性層および第2の磁性層が形成され
る。
【0014】本発明の第2の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法では、第3の磁性層をめっき膜の成長により
形成し、前駆非磁性層および前駆磁性層の双方をスパッ
タリングにより形成するようにしてもよいし、または第
3の磁性層および前駆磁性層の双方をめっき膜の成長に
より形成し、前駆非磁性層をスパッタリングにより形成
するようにしてもよい。
【0015】本発明の第3の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法は、記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
一部にギャップ層を介して対向する2つの磁極を含む互
いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性
層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設
された薄膜コイル部と、第2の磁性層の配設領域側に所
定の基体を支持部材として配設された非磁性層および第
3の磁性層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であっ
て、所定の下地層の表面に所定の形状の開口部を有する
フレームパターンを形成する第1の工程と、少なくとも
フレームパターンの開口部を含む領域を覆うように第3
の磁性層の前準備層としての第1の前駆磁性層、非磁性
層の前準備層としての前駆非磁性層および第2の磁性層
の前準備層としての第2の前駆磁性層をこの順に形成す
る第2の工程と、少なくともフレームパターンが露出す
るまで第1の前駆磁性層、前駆非磁性層および第2の前
駆磁性層の表面を研磨することにより、第3の磁性層、
非磁性層および第2の磁性層を形成する第3の工程とを
含むようにしたものである。
【0016】本発明の第3の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法では、第1の工程において、所定の下地層の
表面に所定の形状の開口部を有するフレームパターンが
形成され、第2の工程において、少なくともフレームパ
ターンの開口部を含む領域を覆うように第1の前駆磁性
層、前駆非磁性層および第2の前駆磁性層がこの順に形
成され、第3の工程において、少なくともフレームパタ
ーンが露出するまで第1の前駆磁性層、前駆非磁性層お
よび第2の前駆磁性層の表面が研磨されることにより、
第3の磁性層、非磁性層および第2の磁性層が形成され
る。
【0017】本発明の第3の観点に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法では、第1の前駆磁性層をめっき膜の成長に
より形成し、前駆非磁性層および第2の前駆磁性層の双
方をスパッタリングにより形成するようにしてもよい
し、または第1の前駆磁性層および第2の前駆磁性層の
双方をめっき膜の成長により形成し、前駆非磁性層をス
パッタリングにより形成するようにしてもよい。
【0018】また、本発明の第1〜第3の観点に係る薄
膜磁気ヘッドの製造方法では、非磁性層および第3の磁
性層として、第2の磁性層を他の領域から磁気的に分離
可能なものを用いるようにしてもよい。
【0019】また、本発明の第1〜第3の観点に係る薄
膜磁気ヘッドの製造方法では、フレームパターンの形成
材料として所定の非磁性材料を用いるようにしてもよ
い。このような場合には、上記の非磁性材料として、酸
化アルミニウムまたはシリコン酸化物のいずれかを含む
材料を用いるようにするのが好適である。
【0020】また、本発明の第1〜第3の観点に係る薄
膜磁気ヘッドの製造方法では、フレームパターンを反応
性イオンエッチングにより形成するようにするのが好適
である。
【0021】また、本発明の第1〜第3の観点に係る薄
膜磁気ヘッドの製造方法では、第1の磁性層および第2
の磁性層のうちの少なくとも一部の形成材料として、ニ
ッケル鉄または窒化鉄のいずれかを含む材料を用いるよ
うにしてもよいし、またはアモルファス合金を含む材料
を用いるようにしてもよい。上記のアモルファス合金と
しては、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄
合金のいずれかを用いるようにするのが好適である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。
【0023】[第1の実施の形態]まず、図1〜図15
を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る「薄膜磁
気ヘッドの製造方法」としての複合型薄膜磁気ヘッドの
製造方法の一例について説明する。なお、本発明の「磁
性層パターンの形成方法」は、本実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの製造方法によって具現化されるので,以下
併せて説明する。
【0024】図1〜図9において、(A)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(B)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。図10および図
11は、主要な製造工程に対応する平面図であり、図1
2〜図14は、主要な製造工程に対応する斜視図であ
る。ここで、図10は図2に示した状態に対応し、図1
1は図4に示した状態に対応する。また、図12は図5
に示した状態に対応し、図13は図6に示した状態に対
応し、図14は図9に示した状態に対応する。ただし、
図10および図11では、それぞれ図2および図4にお
ける基板1、絶縁膜2およびシールドギャップ膜4,6
等の図示を省略している。また、図13では、図6にお
ける絶縁膜15,17、アルミナ層18pおよび薄膜コ
イル16等の図示を省略し、図14では、図9における
絶縁膜15,17,18,20,21、薄膜コイル1
6,19およびオーバーコート層22等の図示を省略し
ている。
【0025】図15は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法によって製造される薄膜磁気ヘッドの平
面構造の概略を表すものである。なお、図15では、絶
縁膜15,17,18,20,21およびオーバーコー
ト層22等の図示を省略している。また、薄膜コイル1
6,19については、その最外周部分のみを図示してい
る。図9(A)は、図15に示したIXA−IXA線に沿った
矢視断面に対応する。
【0026】以下の説明では、図1〜図15の各図中に
おけるX軸方向を「幅方向」、Y軸方向を「長さ方
向」、Z軸方向を「厚み方向(または上下方向)」とし
て表記すると共に、Y軸方向のうちのエアベアリング面
90に近い側(または後工程においてエアベアリング面
90となる側)を「前側(または前方)」、その反対側
を「後側(または後方)」と表記するものとする。
【0027】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法では、まず、図1に示したように、例えばアルティ
ック(Al23・TiC)よりなる基板1上に、例えば
酸化アルミニウム(Al23;以下、単に「アルミナ」
という。)よりなる絶縁層2を約3.0〜5.0μmの
厚みで堆積する。次に、絶縁層2上に、例えばフレーム
めっき法を用いて、例えばパーマロイ(Ni:80重量
%,Fe:20重量%)を約3.0μmの厚みで選択的
に形成して、再生ヘッド用の下部シールド層3を形成す
る。なお、薄膜磁気ヘッドを構成する下部シールド層3
および他の磁性層部分(上部シールド層7,上部ポール
チップ14a,磁路接続部14b,14d,中間接続部
14c,中間接続パターン14e,上部ヨーク磁極14
f,コイル接続配線14fh等)の形成手法である「フ
レームめっき法」に関する詳細な手順については、後述
する(図16〜図21参照)。次に、全体を覆うよう
に、例えばアルミナよりなる絶縁膜を約4.0〜5.0
μmの厚みで形成したのち、この絶縁膜の表面を例えば
CMP(化学機械研磨)法によって下部シールド層3が
露出するまで研磨して、全体を平坦化する。ここで、基
板1が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法における
「基体」の一具体例に対応する。
【0028】次に、図1に示したように、全体に、例え
ばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなるシー
ルドギャップ膜4を約100〜200nmの厚みで形成
する。次に、シールドギャップ膜4上に、再生ヘッド部
の要部であるMR素子を構成するためのMR膜5を高精
度のフォトリソグラフィによって所望の形状となるよう
に形成する。次に、MR膜5の両側に、このMR膜5と
電気的に接続する引き出し電極層としてのリード層(図
示せず)を形成したのち、このリード層、シールドギャ
ップ膜4およびMR膜5上にシールドギャップ膜6を形
成して、MR膜5をシールドギャップ膜4,6内に埋設
する。
【0029】次に、図1に示したように、シールドギャ
ップ膜6上に、例えばフレームめっき法により、例えば
パーマロイ(Ni:80重量%,Fe:20重量%)よ
りなる上部シールド層7を約1.0〜1.5μmの厚み
で選択的に形成する。上部シールド層7は、例えば、図
15に示したような平面形状を有するものである。めっ
き処理を用いてパーマロイよりなる上部シールド層7を
形成することにより、パーマロイの組成を適正に制御す
ることができる。これにより、薄膜磁気ヘッドの再生動
作時において、パーマロイの組成が適正でないことに起
因して磁気ノイズが発生し、この磁気ノイズがMR膜5
に作用して再生動作を阻害することを回避することがで
きる。ここで、上部シールド層7が、本発明の薄膜磁気
ヘッドの製造方法(請求項5)における「第3の磁性
層」の一具体例に対応する。
【0030】次に、図1に示したように、上部シールド
層7上に、例えばスパッタリングにより、非磁性材料、
例えばアルミナなどの無機絶縁材料よりなる前駆フレー
ムパターン層50pを約4.0μmの厚みで形成する。
この前駆フレームパターン層50pは、後工程において
エッチング処理によってパターニングされることにより
フレームパターン50となる前準備層である。以下の説
明では、このように後工程で所定の形状となるようにパ
ターニングされることとなる前準備層を「前駆層」と称
呼し、同様に表記するものとする。なお、上記の非磁性
材料としては、アルミナの他、シリコン酸化物(SiO
2 )などを用いるようにしてもよい。
【0031】次に、例えば、前駆フレームパターン層5
0pの表面にフォトレジストを塗布してフォトレジスト
膜(図示せず。)を形成したのち、このフォトレジスト
膜をフォトリソグラフィ処理によってパターニングす
る。これにより、図1に示したように、前駆フレームパ
ターン層50p上に、開口部51uを有するマスク51
が形成される。このマスク51は、例えば、後工程にお
いて形成されるフレームパターン50(図2、図10お
よび図15参照)とほぼ同様の平面形状を有するもので
ある。前駆フレームパターン層50pの形成材料とし
て、アルミナなどの比較的反射率の低い非磁性材料を用
いることにより、フォトレジスト膜をフォトリソグラフ
ィ処理によってパターニングする際に、露光時において
下地(前駆フレームパターン層50p)の表面から反射
する反射光の発生を抑制することができる。このため、
反射光の影響による露光領域の拡張または縮小等が抑制
され、マスク51を高精度に形成することができる。
【0032】次に、図1に示したように、マスク51を
用いて、例えばリアクティブイオンエッチング(Reacti
ve Ion Etching;以下、単に「RIE」という。)によ
って前駆フレームパターン層50pをエッチングしてパ
ターニングする。このエッチング処理により、前駆フレ
ームパターン層50pのうち、マスク51の開口部51
uに対応する部分が選択的に除去され、図2に示したよ
うに、開口部50uを有するフレームパターン50が形
成される。一般に、エッチング方法としてRIEを用い
た場合の処理速度は、イオンミリングを用いた場合の処
理速度よりも速い。このため、前駆フレームパターン層
50pをパターニングするためのエッチング方法として
RIEを用いることにより、イオンミリング等を用いる
場合よりも、フレームパターン50を短時間で形成する
ことができる。フレームパターン50を形成する際に
は、例えば、開口部50uにおけるフレームパターン5
0の内壁面が、下地(上部シールド層7)の表面に対し
てほぼ垂直となるようにする。また、開口部50uの形
状が、例えば、後工程において形成される非磁性層8お
よび下部磁極9の双方の平面形状にほぼ対応するように
する。フレームパターン50の平面形状は、例えば、図
10および図15に示した通りである。開口部50uの
近傍において、フレームパターン50の表面の位置は、
上部シールド層7の表面の位置よりも高くなる。すなわ
ち、両者の間には厚み方向の段差が形成される。なお、
上記のエッチング処理によって、マスク51自体もエッ
チングされ、その膜厚は減少することとなる。エッチン
グ処理が完了した時点において、マスク51が残存しな
いようにしてもよいし(図2参照)、残存するようにして
もよい。
【0033】次に、図3に示したように、開口部50u
において露出している上部シールド層7の表面およびフ
レームパターン50の表面の双方を覆うように、例えば
スパッタリングにより、非磁性材料、例えばアルミナな
どの無機絶縁材料よりなる前駆非磁性層8pを約0.1
5〜0.2μmの厚みで形成する。前駆非磁性層8pの
形成材料としては、上記の無機絶縁材料の他、例えば金
属などの非磁性材料などを用いるようにしてもよい。次
に、前駆非磁性層8pの表面全体を覆うように、例えば
スパッタリングにより、高飽和磁束密度を有する磁性材
料、例えば窒化鉄(FeN)よりなる前駆下部磁極層9
pを約2.0〜2.5μmの厚みで形成する。前駆下部
磁極層9pは、フレームパターン50の表面と上部シー
ルド層7の表面との間の段差部分に対応して、段差領域
9prを含んで部分的に折れ曲がるように延在すること
となる。なお、前駆下部磁極層9pの形成材料として
は、上記の窒化鉄の他、例えば、窒化鉄と同様に高飽和
磁束密度を有する磁性材料であるパーマロイ(Ni:4
5重量%,Fe:55重量%)やアモルファス合金を用
いるようにしてもよい。このアモルファス合金として
は、例えば、コバルト鉄合金(CoFe)やジルコニウ
ムコバルト鉄合金(ZrCoFe)などを用いることが
できる。ここで、前駆下部磁極層9pが、本発明の磁性
層パターンの形成方法における「前駆磁性層」の一具体
例に対応すると共に、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方
法(請求項5)における「前駆磁性層」の一具体例に対
応する。
【0034】ここで、上部シールド層7上にフレームパ
ターン50を形成する際には、その上方に形成される前
駆下部磁極層9pの段差領域9prがMR膜5の配設領
域から前方に十分離れて位置することとなるように、す
なわち、段差領域9pr〜MR膜5間の距離L1が十分
大きくなるように適正化するのが好適である。具体的に
は、距離L1が、例えば4.0〜5.0μm以上になる
ようにするのが好適である。このような距離L1の適正
化に関する作用および効果の詳細については、後述す
る。
【0035】次に、例えばCMP法により、少なくとも
フレームパターン50が露出するまで全体を研磨して平
坦化する。この研磨処理により、フレームパターン50
の上方を覆っていた前駆下部磁極層9pおよび前駆非磁
性層8pのそれぞれの一部が選択的に除去され、前駆非
磁性層8pおよび前駆下部磁極層9pが所定の形状にパ
ターニングされる。すなわち、図4に示したように、フ
レームパターン50の開口部50uを埋め込むように、
非磁性層8および下部磁極9が選択的に形成される。非
磁性層8および下部磁極9は、例えば、図11および図
15に示したような平面形状を有するものである。図
4、図11および図15に示したように、研磨後の表面
には、下部磁極9が露出すると共に、下部磁極9の周囲
に非磁性層8の端面(8m)が露出する。下部磁極9の
周辺領域は、非磁性材料(例えばアルミナ)よりなる非
磁性層8およびフレームパターン50によって埋設され
る。下部磁極9は、その下方または周辺に配設された、
上部シールド層7、非磁性層8およびフレームパターン
50等によって周辺領域から磁気的に分離される。下部
磁極9と上部シールド層7との間に非磁性材料(例えば
アルミナ)よりなる非磁性層8を配設するようにするこ
とにより、この非磁性層8が磁束の遮蔽材として機能
し、下部磁極9において発生した磁気ノイズがMR膜5
に到達することが回避される。ここで、下部磁極9が、
本発明の磁性層パターンの形成方法における「磁性層パ
ターン」の一具体例に対応すると共に、本発明の薄膜磁
気ヘッドの製造方法(請求項5)における「第2の磁性
層」の一具体例にそれぞれ対応する。
【0036】次に、図5および図12に示したように、
研磨後の平坦面上に、例えばスパッタリングにより、例
えばアルミナよりなる記録ギャップ層12を約0.15
〜0.2μmの厚みで形成する。記録ギャップ層12の
表面は、その全域にわたって平坦となる。なお、記録ギ
ャップ層12を形成する際には、後工程において磁路接
続部14bが形成されることとなる領域を覆わないよう
にする。上記の領域は、下部磁極9と後工程において形
成される上部磁極14とを接続させるための開口部12
kとなる。ここで、記録ギャップ層12が、本発明の薄
膜磁気ヘッドの製造方法における「ギャップ層」の一具
体例に対応する。
【0037】次に、開口部12k(図12では図示せ
ず)の形成領域よりも前側の平坦な領域における記録ギ
ャップ層12上の所定の位置に、高精度のフォトリソグ
ラフィ工程により、例えば有機系のフォトレジスト膜を
約1.0μm程度の厚みで選択的に形成する。次に、こ
のフォトレジスト膜に対して、例えば200度〜250
度程度の温度で加熱処理を施す。これにより、フォトレ
ジスト膜の端縁近傍は、その端縁方向に向かって落ち込
むような丸みを帯びた斜面をなすこととなり、図5およ
び図12に示したように、フォトレジスト膜よりなる絶
縁膜パターン13が形成される。絶縁膜パターン13を
形成する際の上記の「所定の位置」とは、例えば、絶縁
膜パターン13の最も前側の端縁(以下、単に「最前
端」という。)が、MR膜5の最も後側の端縁(以下、
単に「最後端」という。)の位置よりも後側にずれるよ
うな位置である。MR膜5の最後端の位置から絶縁膜パ
ターン13の最前端の位置までの距離(ずれ長さ)は、
例えば、約0.3μm以下になるようにするのが好適で
ある。なお、必ずしもこのような場合に限らず、MR膜
5の最後端の位置と絶縁膜パターン13の最前端の位置
とが一致するようにしてもよい。絶縁膜パターン13の
最前端の位置は、スロートハイト(TH)を決定する際
の基準となる位置、すなわちスロートハイトゼロ位置
(TH0位置)に相当する。
【0038】次に、図5および図12に示したように、
絶縁膜パターン13の前側の斜面領域からその前方にお
ける平坦な記録ギャップ層12上にかけての領域に、例
えばフレームめっき法により、上部磁極14の一部を構
成する上部ポールチップ14aを約2.5〜3.5μm
の厚みで選択的に形成する。上部ポールチップ14aを
形成する際には、同時に、開口部12kに、上部磁極1
4の一部を構成する磁路接続部14bを形成する。上部
ポールチップ14aおよび磁路接続部14bの形成材料
としては、例えば、パーマロイ(Ni:45重量%,F
e:55重量%)などの高飽和磁束密度を有する磁性材
料を用いるようにする。なお、上部ポールチップ14a
および磁路接続部14bの形成材料としては、上記のパ
ーマロイの他、例えば、上記のパーマロイと同様に高飽
和磁束密度を有する窒化鉄やアモルファス合金(コバル
ト鉄やジルコニウムコバルト鉄等)などを用いるように
してもよい。
【0039】ここで、図5、図12および図15を参照
して、上部ポールチップ14aの構造および配設位置の
一例について説明する。
【0040】上部ポールチップ14aの構造としては、
例えば、後工程においてエアベアリング面90となる側
(またはエアベアリング面90)から順に、先端部14
a(1) 、中間部14a(2) および後端部12a(3) を含
むようにする。これらの各部位は、例えば、それぞれ矩
形状の平面形状を有するようにする。先端部14a(1)
は、その全域にわたってほぼ一定な幅を有するようにす
る。先端部14a(1)の幅は、記録時の記録トラック幅
を画定するものである。中間部14a(2) の幅は、先端
部14a(1) の幅よりも大きくなるようにし、後端部1
4a(3) の幅は、中間部14a(2) の幅よりも大きくな
るようにする。すなわち、先端部14a(1) と中間部1
4a(2) との連結部分に幅方向の段差が形成されるよう
にする。先端部14a(1) 、中間部14a(2) および後
端部14a(3) の各幅方向の中心は、互いに一致するよ
うにする。
【0041】また、上部ポールチップ14aの配設位置
としては、例えば、後端部14a(3) の後方部分が絶縁
膜パターン13の斜面部上に延在するようにし、それ以
外の部分が平坦な記録ギャップ層12上に延在するよう
に配設する。上部ポールチップ14aの段差部における
中間部14a(2) 側の段差面14ad(図15参照)
は、例えば、スロートハイトゼロ位置(TH0位置)よ
りも前方にずれて位置するようにする。
【0042】上部ポールチップ14aにおける先端部1
4a(1) の側縁面と段差面14adとが交わるコーナー
部における角度αは、中間部14a(2) から先端部14
a(1) に向かう磁束の流れを円滑化させるために、例え
ば90度〜120度の範囲内となるようにするのが好適
である。なお、図15では、角度αが、例えば約90度
である場合を示している。
【0043】次に、図6および図13を参照して、本実
施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について引き
続き説明する。上部ポールチップ14aを形成したの
ち、図6および図13に示したように、上部ポールチッ
プ14aをマスクとして、例えばRIEにより、上部ポ
ールチップ14aの周辺領域を約0.3〜0.4μm程
度エッチングする。このエッチング処理により、上部ポ
ールチップ14aの周辺領域における記録ギャップ層1
2、下部磁極9、非磁性層8およびフレームパターン5
0のそれぞれの一部が選択的に除去され、掘り下げられ
る。このとき、絶縁膜パターン13の後側の一部もエッ
チングされ、除去される。このエッチング処理により、
トリム構造を有する磁極部分100が形成される。この
磁極部分100は、上部ポールチップ14aの先端部1
4a(1) と、下部磁極9のうちの先端部14a(1) に対
応する部分と、双方に挟まれた記録ギャップ層12の一
部とによって構成され、これらの各部位は互いにほぼ同
一の幅を有している。RIEを用いてトリム構造を有す
る磁極部分100を形成することにより、イオンミリン
グを用いる場合よりも、磁極部分100を短時間で形成
することができる。
【0044】次に、図6に示したように、全体に、例え
ばスパッタリングにより、例えばアルミナよりなる絶縁
膜15を約0.3〜0.5μmの厚みで形成する。
【0045】次に、図6に示したように、上部ポールチ
ップ14aの配設領域よりも後方の領域(磁路接続部1
4bの配設領域を除く)における平坦な絶縁膜15上
に、例えば電解めっき法により、例えば銅(Cu)より
なる誘導型の記録ヘッド用の第1層目の薄膜コイル16
を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的に形成する。こ
の薄膜コイル16は、例えば、図15に示したような渦
巻状の平面構造を有するものである。薄膜コイル16を
形成する際には、同時に、例えば、その内側の終端部に
おける絶縁膜15上に、コイル接続部16sを薄膜コイ
ル16と一体に形成する。このコイル接続部16sは、
薄膜コイル16と後工程において形成されるコイル接続
部19sa(図7(A)参照)とを電気的に接続させる
ためのものである。
【0046】次に、薄膜コイル16(コイル接続部16
sを含む)の各巻線間およびその周辺領域に、加熱時に
流動性を示す材料、例えばフォトレジストなどの有機絶
縁材料を高精度のフォトリソグラフィ処理により所定の
パターンとなるように形成する。次に、このフォトレジ
ストに対して、例えば200度〜250度の範囲内にお
ける温度で加熱処理を施す。この加熱処理により、フォ
トレジストが流動して薄膜コイル16の各巻線間を隙間
なく埋めつくし、図6に示したように、薄膜コイル16
の各巻線間を絶縁化するための絶縁膜17が形成され
る。このように、絶縁膜17の形成材料として、加熱時
に流動性を示すフォトレジストなどの有機絶縁材料を用
いることにより、加熱時に流動性を示さない材料(例え
ばアルミナ)を用いる場合とは異なり、薄膜コイル1
6,19等の各巻線間を隙間なく埋めつくすことがで
き、確実に絶縁することができる。絶縁膜17を形成す
る際には、絶縁膜17が薄膜コイル16およびコイル接
続部16sの双方の上面を覆わないようにしてもよいし
(図6(A)参照)、覆うようにしてもよい。
【0047】次に、図6に示したように、全体を覆うよ
うに、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層
18pを約3.0〜4.0μmの厚みで成膜して、上部
ポールチップ14a、磁路接続部14b、薄膜コイル1
6およびコイル接続部16s等によって構成された凹凸
構造領域を埋設する。
【0048】次に、例えばCMP法により、アルミナ層
18pの表面全体を研磨して平坦化する。この研磨処理
により、図7に示したように、薄膜コイル16等を埋設
する絶縁膜18が形成される。なお、このときの研磨処
理は、少なくとも上部ポールチップ14aおよび磁路接
続部14bの双方が露出するまで行う。具体的には、例
えば、研磨後の上部ポールチップ14aの厚みが約1.
5〜2.5μmとなるようにするのが好ましい。絶縁膜
18の形成材料としてアルミナなどの無機絶縁材料を用
いることにより、フォトレジストなどの軟絶縁材料を用
いる場合とは異なり、CMP研磨盤の研磨面が目詰まり
を起こすことを防止できると共に、研磨後の表面をより
平滑に形成することができる。
【0049】次に、図7に示したように、例えばRIE
またはイオンミリングにより、コイル接続部16sの上
方を覆っている絶縁膜18の一部を部分的にエッチング
して除去し、コイル接続部16sと後工程において形成
されるコイル接続部19saとを接続させるための開口
部18kを形成する。
【0050】次に、図7に示したように、薄膜コイル1
6の上方における平坦化された絶縁膜18上に、第1層
目の薄膜コイル16を形成した場合と同様の工程の電解
めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる第2層目の
薄膜コイル19を約1.0〜1.5μmの厚みで選択的
に形成する。この薄膜コイル19は、薄膜コイル16と
同様の平面構造を有するものであり、その平面構造は、
例えば、図15に示した通りである。薄膜コイル19を
形成する際には、同時に、例えば、その内側の終端部に
おけるコイル接続部16s上にコイル接続部19saを
形成し、また、その外側の終端部における絶縁膜18上
に配線接続部19sbを形成する。コイル接続部19s
aおよび配線接続部19sbは、薄膜コイル19と一体
をなすものである。薄膜コイル16と薄膜コイル19と
は、開口部18kにおいて、コイル接続部16s,19
saを介して電気的に接続される。
【0051】次に、図7に示したように、薄膜コイル1
9(コイル接続部19saおよび配線接続部19sbを
含む)の各巻線間およびその周辺領域に、上記した絶縁
膜17の場合と同様の材料および形成方法を用いて、絶
縁膜20を選択的に形成する。なお、絶縁膜20を形成
する場合には、絶縁膜20が、薄膜コイル19およびコ
イル接続部19saのそれぞれの上面を覆わないように
してもよいし(図7(A)参照)、覆うようにしてもよ
い。なお、配線接続部19sbの上方には、後工程にお
いて、この配線接続部19sbと接触して電気的に接続
するための中間接続パターン14eが配設されるので、
配線接続部19sbの表面は絶縁膜20によって覆われ
ないようにする。
【0052】次に、図7に示したように、絶縁膜18の
上方から上部ポールチップ14aの後端部14a(3) の
上方にかけての領域における平坦面上に、例えばフレー
ムめっき法により、上部磁極14の一部を構成する中間
接続部14cを約2.0〜3.0μmの厚みで選択的に
形成する。中間接続部14cは、上部ポールチップ14
aの後端部14a(3) の一部と部分的にオーバーラップ
して接触し、両者は磁気的に連結される。
【0053】中間接続部14cを形成する際には、同時
に、磁路接続部14b上に、上部磁極14の一部を構成
する磁路接続部14dを形成すると共に、配線接続部1
9sb上に中間接続パターン14eを形成する。中間接
続部14c、磁路接続部14dおよび中間接続パターン
14eの形成材料は、上部ポールチップ14aの場合と
同様である。このとき、薄膜コイル19は絶縁膜20に
よって覆われて保護されているので、中間接続部14c
等の形成時におけるエッチング処理等の影響による薄膜
コイル19の損傷が回避される。中間接続パターン14
eは、薄膜コイル16,19と後工程において形成され
るコイル接続配線14fh(図8(A)参照)とを電気
的に接続させるためのものである。
【0054】中間接続部14cの構造としては、例え
ば、図15に示したように、矩形状の平面形状を有する
ようにすると共に、その幅が、上部ポールチップ14a
における後端部14a(3) の幅よりも大きくなるように
する。ただし、中間接続部14cの幅が後端部14a
(3) の幅よりも小さくなるようにしてもよい。また、例
えば、中間接続部14cの前側の端縁部が、下地の平坦
面に対して傾斜した斜面をなすようにする。中間接続部
14cの配設位置としては、図15に示したように、例
えば、その最前端14ctの位置が、絶縁膜パターン1
3の最前端の位置とほぼ一致するようにする。ここで、
薄膜コイル16,19、コイル接続部16s,19s
a、配線接続部19sbおよび中間接続パターン14e
が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法における「薄膜
コイル部」の一具体例に対応する。
【0055】次に、図7に示したように、全体を覆うよ
うに、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ層
21pを約3.0〜4.0μmの厚みで形成して、中間
接続部14c、磁路接続部14d、中間接続パターン1
4eおよび薄膜コイル19等によって構成された凹凸領
域を埋設する。
【0056】次に、例えばCMP法により、てアルミナ
層21pの表面全体を研磨して平坦化する。この研磨処
理により、図8に示したように、薄膜コイル19等を埋
設する絶縁膜21が形成される。このときの研磨処理
は、少なくとも中間接続部14c、磁路接続部14dお
よび中間接続パターン14eが露出するまで行う。ここ
で、絶縁膜パターン13および絶縁膜15,17,1
8,20,21が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法
における「絶縁層」の一具体例に対応する。
【0057】次に、図8に示したように、平坦化された
領域のうち、磁路接続部14dの上方から中間接続部1
4cの上方にかけての領域に、例えばフレームめっき法
により、上部磁極14の一部を構成する上部ヨーク14
fを約2.0〜3.0μmの厚みで選択的に形成する。
上部ヨーク14fを形成する際には、同時に、中間接続
パターン14eの上方から図示しない外部回路にかけて
の領域にコイル接続配線14fhを形成する。このコイ
ル接続配線14fhは、中間接続パターン14eと図示
しない外部回路とを電気的に接続させるためのものであ
る。上部ヨーク14fおよびコイル接続配線14fhの
形成材料は、上記した上部ポールチップ14aの場合と
同様である。
【0058】上部ヨーク14fの構造としては、例え
ば、図8および図15に示したように、薄膜コイル1
6,19によって発生した磁束を収容するための大きな
面積を有するヨーク部14f(1) と、ヨーク部14f
(1) の幅よりも小さい一定幅を有し、間接続部14cの
一部と部分的にオーバーラップするように延在する接続
部14f(2) とを含むようにする。ヨーク部14f(1)
の幅は、例えば、その後方部においてはほぼ一定とし、
その前方部において徐々に狭まるようにする。また、接
続部14f(2) の幅は、例えば中間接続部14cの幅よ
りも大きくなるようにする。ただし、必ずしもこのよう
な場合に限らず、例えば、接続部14f(2) の幅が中間
接続部14cの幅よりも小さくなるようにしてもよい。
【0059】また、上部ヨーク14fの配設位置として
は、例えば、図8および図15に示したように、その最
前端14ft(図15参照)が、中間接続部14cの前
側の端縁面14ctの位置よりも後方にずれて位置する
ようにする。すなわち、中間接続部14cおよび上部ヨ
ーク14fが、共にエアベアリング面90から離れて位
置するように配設する。また、例えば、上部ヨークの最
後端の位置が、磁路接続部14b,14dの最後端の位
置とほぼ一致するようにする。なお、中間接続部14c
および上部ヨーク14fの配設位置は、必ずしも上記の
ような場合に限らず、例えば、端縁面14ctの位置が
段差面14adの位置と一致するようにしてもよいし、
または端縁面14ctおよび端縁面14ftの双方の位
置が段差面14adの位置と一致するようにしてもよ
い。上部ヨーク14fを形成する際には、その幅方向の
中心が、中間接続部14cおよび上部ポールチップ14
aの各幅方向の中心と一致するようにする。
【0060】図8および図15に示したように、上部磁
極14は、例えば、それぞれ別個に形成された上部ポー
ルチップ14a、磁路接続部14b,14d、中間接続
部14cおよび上部ヨーク14fによって構成される。
すなわち、上部磁極14は、これらの各部位の集合体で
ある。上部ヨーク14fは、その後方部分において、開
口部12kを通じて磁路接続部14b,14dを介して
下部磁極9と磁気的に連結されると共に、その前方部分
において、中間接続部14cを介して上部ポールチップ
14aとも磁気的に連結される。すなわち、上部磁極1
4(上部ポールチップ14a,磁路接続部14b,14
d,中間接続部14c,上部ヨーク14f)と下部磁極
9とが接続されることにより、磁束の伝搬経路、すなわ
ち磁路が形成される。ここで、上部ポールチップ14
a、磁路接続部14b,14d、中間接続部14cおよ
び上部ヨーク14fによって構成される上部磁極14
が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法における「第1
の磁性層」の一具体例に対応する。
【0061】なお、図8および図15に示したように、
薄膜コイル16,19とコイル接続配線14fhとは、
中間接続パターン14eを介して電気的に接続される。
図15に示したように、薄膜コイル16の外側の終端部
に設けられた端子16xおよびコイル接続配線14fh
の後端部(図示せず)は、共に図示しない外部回路に接
続されるようにし、この外部回路によって薄膜コイル1
6,19を通電させることができるようにする。
【0062】次に、図8に示したように、全体を覆うよ
うに、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナよ
りなるオーバーコート層22を約20〜40μmの厚み
で形成する。
【0063】最後に、図9に示したように、機械加工や
研磨工程により記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベア
リング面90を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
なお、上記の機械加工や研磨工程は、エアベアリング面
90に下部磁極9が露出するまで行う。このときの接続
部14f(2) 周辺における立体的構造は、図14に示し
た通りである。
【0064】図9および図15に示したように、絶縁膜
パターン13の最前端の位置は、スロートハイト(T
H)を決定する際の基準となる位置、すなわちスロート
ハイトゼロ位置(TH0位置)である。スロートハイト
(TH)は、絶縁膜パターン13の最前端の位置(TH
0位置)からエアベアリング面90の位置までの長さと
して規定される。また、図中における「MRH0位置」
は、MR膜5の最後端の位置、すなわちMRハイトゼロ
位置を表している。MRハイト(MRH)は、MRハイ
トゼロ位置からエアベアリング面90の位置までの長さ
である。
【0065】<薄膜磁気ヘッドの動作>次に、図9、図
14および図15を参照して、本実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドの製造方法によって製造される薄膜磁気ヘッ
ドの基本的動作、すなわち、記録媒体に対するデータの
記録動作および記録媒体からのデータの再生動作につい
て簡単に説明する。
【0066】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
情報の記録動作時に図示しない外部回路を通じて薄膜コ
イル16,19に電流が流れると、これに応じて磁束が
発生する。このとき発生した磁束は、上部ヨーク14f
内をヨーク部14f(1) から接続部14f(2) へ伝搬
し、上部ヨーク14fと磁気的に連結されている中間接
続部14cおよび上部ポールチップ14aの後端部14
a(3) を経由して、さらに中間部14a(2) から先端部
14a(1) へ伝搬する。先端部14a(1) へ伝搬した磁
束は、さらにそのエアベアリング面90側の先端部分に
到達し、記録ギャップ層12近傍の外部に記録用の信号
磁界を発生させる。この信号磁界により、磁気記録媒体
を部分的に磁化して、情報を記録することができる。
【0067】一方、再生時においては、再生ヘッド部の
MR膜5にセンス電流を流す。MR膜5の抵抗値は、磁
気記録媒体からの再生信号磁界に応じて変化するので、
その抵抗変化をセンス電流の変化によって検出すること
により、磁気記録媒体に記録されている情報を読み出す
ことができる。
【0068】<薄膜磁気ヘッドの製造方法における特徴
的な作用および効果>次に、図1〜図4および図16〜
図22を参照して、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法における特徴的な作用および効果について、
比較例としての製造方法と比較して詳細に説明する。な
お、以下では、主に、上部シールド層7と下部磁極9と
の間に非磁性層8を配設して両磁性層間における磁束の
伝搬を回避すべく、上部シールド層7、非磁性層8およ
び下部磁極9よりなる3層構造を形成する際の製造上の
利点について説明する。
【0069】まず、図16〜図22を参照して、本実施
の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法に対する比較例
としての薄膜磁気ヘッドの製造方法によって所定のパタ
ーン形状を有するように非磁性層81および下部磁極9
1を形成する場合の一連の製造工程について、順に説明
する。
【0070】図16〜図21は、比較例としての製造方
法の要部を説明するための断面図である。図22は、比
較例としての製造方法および本実施の形態の製造方法の
それぞれにおける製造工程数およびマスクの使用数を説
明するためのものである。図16〜図21において、図
1〜図4に示した要素と同一部分には同一の符号を付す
ものとする。これらの各図中では、基板1の図示を省略
しており、絶縁層2についてはその一部分のみを図示し
ている。図16〜図21では、例えば、フレームめっき
法によって上部シールド層7を形成したのち、フレーム
パターン50(図2参照)を形成せずに、上部シールド
層7上に非磁性層81および下部磁極91をそれぞれス
パッタリングおよび電解めっき法によって順次形成する
場合の製造工程を表している。非磁性層81および下部
磁極91は、非磁性層8および下部磁極9(図4参照)
にそれぞれ対応するものである。非磁性層81および下
部磁極91の形成材料、形成方法および厚み等は、非磁
性層8および下部磁極9のそれぞれの場合と同様であ
る。図16において、上部シールド層7を形成するとこ
ろまでの工程は、上記した図1の場合と同様である。
【0071】《工程A1.前駆非磁性層81pの形成》
本比較例では、フレームめっき法によってシールドギャ
ップ膜6上に上部シールド層7を形成したのち、図16
に示したように、この上部シールド層7上に、スパッタ
リングにより前駆非磁性層81pを形成する。
【0072】《工程A2.電極膜61の形成》次に、図
16に示したように、前駆非磁性層81p上に、例えば
スパッタリングにより、電解めっき法におけるシード層
となる電極膜61を約70nmの厚みで形成する。
【0073】《工程A3.フォトレジストパターン62
の形成》次に、電極膜61上に図示しないフォトレジス
ト膜を形成したのち、このフォトレジスト膜に対してフ
ォトリソグラフィ処理を施す。このフォトリソグラフィ
処理によってフォトレジスト膜がパターニングされるこ
とにより、図17に示したように、めっき膜を選択的に
成長させるために用いるフレーム(外枠)としてのフォ
トレジストパターン62が形成される。このフォトレジ
ストパターン62は、後工程において形成される非磁性
層81および下部磁極91の双方の平面形状に対応する
開口部62uを有するものである。
【0074】《工程A4.下部磁極91の形成》次に、
先工程において形成した電極膜61をシード層とすると
共にフォトレジストパターン62をマスクとして、電解
めっき法によって開口部62uにめっき膜を成長させ
る。これにより、図18に示したように、所定のパター
ン形状を有する下部磁極91が形成される。形成された
下部磁極91は、開口部62uの形状に対応した平面形
状を有することとなる。
【0075】《工程A5.フォトレジストパターン62
の除去》次に、フォトレジストパターン62を除去し
て、図19に示したように、下部磁極91の配設領域以
外の領域における電極膜61を露出させる。
【0076】《工程A6.エッチングマスク63の形
成》次に、下部磁極91を覆うように図示しないフォト
レジスト膜を形成したのち、このフォトレジスト膜に対
してフォトリソグラフィ処理を施す。このフォトリソグ
ラフィ処理によってフォトレジスト膜がパターニングさ
れることにより、図20に示したように、下部磁極91
の上方にフォトレジスト膜よりなるエッチングマスク6
3が選択的に形成される。
【0077】《工程A7.電極膜61の選択的削除,非
磁性層81の形成》次に、図20に示したように、エッ
チングマスク63を用いて、例えばイオンミリングによ
って全体をエッチングする。これにより、図21に示し
たように、電極膜61および前駆非磁性層81pのう
ち、下部磁極91の配設領域以外の領域における部分が
選択的に除去され、所定のパターン形状を有する非磁性
層81が形成される。なお、図21では、上記のエッチ
ング処理によってエッチングマスク63自体もエッチン
グされ、エッチング処理の完了時点においてエッチング
マスク63が消失した場合を示している。
【0078】このように、本比較例では、非磁性層81
および下部磁極91を形成するために、少なくとも7つ
の工程(工程A1.〜工程A7.)を必要とする。この
うち、「フレームめっき法」による下部磁極91の形成
工程は、工程A2.〜工程A7.(「非磁性層81の形
成」を除く。)の6つの工程に相当する。ここで、フレ
ームめっき法によって上部シールド層7を選択的に形成
するためには、下部磁極91を形成した場合と同様に、
上記の工程A2.〜工程A7.に相当する6つの工程が
別途必要である。これらのことから、上部シールド層
7、非磁性層81および下部磁極91を形成するために
は、上部シールド層7を形成するための6つの工程と非
磁性層81および下部磁極91を形成するための7つの
工程とを併せて、計13の工程が必要となる。
【0079】また、非磁性層81および下部磁極91を
形成するためには、図22に示したように、少なくとも
2つのマスク、すなわちフォトレジストパターン62お
よびエッチングマスク63が使用される。フレームめっ
き法によって上部シールド層7を形成するためには、下
部磁極91を形成した場合と同様に、少なくとも2つの
マスクが使用される。これらのことから、上部シールド
層7、非磁性層81および下部磁極91を形成するため
には、少なくとも計4つのマスクが使用される。これら
の各マスクを形成するためには、例えば、マスク前駆層
の形成工程やそのパターニング工程(例えばフォトリソ
グラフィ処理)などの工程が必要となるため、使用する
マスクの数が多いほど製造工程が複雑化し、かつ製造時
間が長期化してしまう。
【0080】これに対して、図1〜図4および図22に
示した本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、上部シールド層7、非磁性層8および下部磁極9を
形成するために、フレームめっき法によって上部シール
ド層7を形成するための6つの工程と、以下に示す非磁
性層8および下部磁極9を形成するための4つの工程
(工程B1.〜工程B4.)とを併せて、計10の工程
しか必要としない。
【0081】工程B1.フレームパターン50の形成
(前駆フレームパターン層50pの形成工程等を含
む。;図1〜図2参照) 工程B2.前駆非磁性層8pの形成(図3参照) 工程B3.前駆下部磁極層9pの形成(図3参照) 工程B4.CMP研磨による非磁性層8および下部磁極
9の形成(図4参照)
【0082】また、本実施の形態では、フレームめっき
法によって上部シールド層7を形成するための2つのマ
スクと、非磁性層8および下部磁極9を形成するための
1つのマスク(フレームパターン50)とを併せて、計
3つのマスクしか使用しない。
【0083】以上のことから、本実施の形態では、比較
例の場合と比較して、上部シールド層7、非磁性層8お
よび下部磁極9を形成するために要する工程数を13か
ら10に減少させることができると共に、使用するマス
クの数を4から3に減少させることができる。したがっ
て、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間を短縮すること
ができる。
【0084】なお、上記した「フレームめっき法」によ
る下部磁極91の形成手順は、下部シールド層3、上部
シールド層7および上部磁極14(上部ポールチップ1
4a,磁路接続部14b,14d,中間接続部14c,
中間接続パターン14e,上部ヨーク14f,中間接続
パターン14e)およびコイル接続配線14fh等を形
成する場合にも用いられる。
【0085】<薄膜磁気ヘッドの製造方法における他の
効果>また、本実施の形態では、上部シールド層7、非
磁性層8および下部磁極9の形成に要する製造工程数の
減少の他、以下のような観点においても製造工程数を減
少させることができる。例えば、比較例としての製造方
法では、下部磁極91を形成したのち(図21参照)、
下部磁極91をその周辺領域から磁気的に分離するため
には、新たに、全体を覆うようにアルミナ層65pを形
成する工程(図23参照)と、アルミナ層65pを研磨
して絶縁膜65を形成する工程(図24参照)とが必要
となる。これに対して、本実施の形態では、図3および
図4に示したように、例えばアルミナなどの非磁性材料
よりなるフレームパターン50は、前駆下部磁極層91
をパターニングするためのマスクとして機能する他、下
部磁極9の形成後においては、下部磁極9をその周辺領
域から磁気的に分離させる遮蔽材としても機能する。こ
のため、下部磁極9をその周辺領域から磁気的に分離す
るための新たな部材を形成する工程を必要とせず、製造
工程数を減少させることができる。この点もまた、薄膜
磁気ヘッドの製造に要する時間の短縮に寄与することと
なる。
【0086】また、本実施の形態では、上部磁極14
(上部ポールチップ14a等)および下部磁極9の形成
材料として、高飽和磁束密度を有するニッケル鉄合金、
窒化鉄またはアモルファス合金(コバルト鉄合金,ジル
コニウムコバルト鉄合金等)などを用いているので、上
部磁極14および下部磁極9の内部における磁束の飽和
を回避し、磁束の伝搬を円滑化することができる。この
ため、優れたオーバーライト特性を確保することができ
る。
【0087】また、本実施の形態では、段差領域9pr
〜MR膜5間の距離L1(図3参照)を適正化するよう
にしたので、以下のような利点を有することとなる。す
なわち、図3に示したように、窒化鉄よりなる前駆下部
磁極層9pは、フレームパターン50の表面と上部シー
ルド層7の表面との間の段差部分に対応してクランク状
に折れ曲がった段差部分(以下、単に「段差領域9p
r」ともいう。)を含んでいる。段差領域9prの延在
方向は、例えば、下地(上部シールド層7)の表面に対
してほぼ垂直になっている。このような場合には、段差
領域9prの近傍では、窒化鉄よりなるスパッタ−膜中
において結晶異方性が生じてしまい、その結果、磁束透
過性が劣化してしまうことがある。このような傾向は、
前駆下部磁極層9pの形成方法としてスパッタリングを
用い、前駆下部磁極層9pの折れ曲がり方が急峻になる
ほど、すなわち段差領域9prの延在方向が下地(上部
シールド層7)の表面に対して垂直に近くなるほど顕著
となる。磁束透過性が劣化した場合には、磁束の伝搬過
程において磁束の飽和現象が発生したり、磁気ノイズが
発生してしまう。特に、段差領域9prがMR膜5の配
設領域に近接しているような場合、すなわち距離L1が
小さい場合には、下部磁極9の形成後、段差領域9pr
の近傍における下部磁極9中において発生した磁気ノイ
ズがMR膜5まで到達してしまい、この磁気ノイズに起
因する悪影響によって薄膜磁気ヘッドの再生動作が阻害
されることとなる。このような問題点に鑑み、本実施の
形態では、距離L1を4.0〜5.0μm以上とし、段
差領域9prがMR膜5の配設領域から十分に離れて位
置することとなるようにしているので、上記のような不
具合を回避することができる。
【0088】また、本実施の形態では、上部ポールチッ
プ14aを構成する先端部14a(1) ,中間部14a
(2) ,後端部14a(3) のそれぞれの幅をW1,W2,
W3とすると、これらの各部位の幅がW1<W2<W3
の関係となるようにしている。このため、上記の各部位
の内部に収容できる磁束の許容量(以下、単に「磁気ボ
リューム」という。)をそれぞれV1,V2,V3とす
ると、各部位間の磁気ボリュームの関係もまたV1<V
2<V3となる。これにより、上部ポールチップ14a
に流量した磁束は、後端部14a(3) から中間部14a
(2) を経由して先端部14a(1) に伝搬する過程におい
て、磁気ボリュームの段階的な減少に応じて段階的に集
束され、先端部14a(1) には十分な量の磁束が供給さ
れる。したがって、優れたオーバーライト特性を確保す
ることができる。
【0089】また、本実施の形態では、図7および図8
に示したように、配線接続部19sb上に中間接続パタ
ーン14eを配設して、中間接続パターン14eの上面
の位置が、中間接続部14cおよ磁路接続部14dの双
方の上面の位置よりも高くなるようにしたので、これら
の各部位をアルミナによって覆ったのち、絶縁膜21を
形成するためにアルミナの表面を研磨したときに、中間
接続部14cおよ磁路接続部14dの双方と共に中間接
続パターン14eをも露出させることができる。このた
め、中間接続パターン14eを形成しない場合とは異な
り、配線接続部19sbとコイル接続配線14fhとを
接続させるために、絶縁膜21の一部を除去して開口部
を形成する工程が不要となる。しかも、中間接続パター
ン14eは、中間接続部14cおよび磁路接続部14d
の双方と同一の工程によって形成されるので、中間接続
パターン14eを形成するために新たな工程を必要とし
ない。したがって、製造工程数を削減することができ
る。
【0090】また、本実施の形態では、研磨処理によっ
て平坦化した下地上に上部ヨーク14fを形成するよう
にしたので、上部ヨーク14fを高精度に形成すること
がでいる。このような効果は、上部ヨーク14fの他、
平坦な下地上に中間接続部14c、磁路接続部14dお
よびコイル接続配線14fh等を形成する場合において
も同様である。
【0091】また、本実施の形態では、上部ポールチッ
プ14aと中間連結部14cとの接触面に対応する領域
における記録ギャップ層12上に絶縁膜パターン13を
配設しているので、絶縁膜パターン13を配設しない場
合とは異なり、中間接続部14cから上部ポールチップ
14aに流入した磁束が薄い記録ギャップ層12を通過
して下部磁極9へ伝搬してしまう現象、すなわち「磁束
の漏れ」を回避することができる。なぜなら、絶縁膜パ
ターン13は、その上方領域から下方領域への磁束の伝
搬を遮蔽する遮蔽材として機能するからである。このた
め、中間接続部14cから上部ポールチップ14aへ流
入した磁束はロスなく先端部14a(1)まで達すること
となるので、優れたオーバーライト特性を確保すること
ができる。
【0092】<上部シールド層7、非磁性層8および下
部磁極9の形成方法に関する変形例>上記実施の形態で
は、上部シールド層7をフレームめっき法によって形成
し、前駆下部磁極層9pをスパッタリングによって形成
するようにしたが、必ずしもこれに限られるものではな
く、例えば、図25のII〜IVに示した形成方法の組み合
わせを用いて、上部シールド層7および前駆下部磁極層
9pのそれぞれを形成するようにしてもよい。ここで、
図25は、上部シールド層7および前駆下部磁極層9p
を形成する際におけるそれぞれの形成方法の組み合わせ
に関する一例を表すものである。なお、図中のIに示し
た形成方法の組み合わせは、上記実施の形態において説
明した場合に相当する。図中における「製造工程数の変
化」および「使用するマスクの数の変化」は、上部シー
ルド層7、非磁性層8および下部磁極9の形成に要する
製造工程数および使用するマスクの数の変化を表してい
る。「製造工程数の変化」のそれぞれの欄内における数
値は、矢印(→)の左側が、比較例としての製造方法を
用いた場合の製造工程数を表し、一方、矢印(→)の右
側が、本実施の形態に係る製造方法を用いた場合の製造
工程数を表している。「使用するマスクの数の変化」の
それぞれの欄内における数値も同様である。なお、非磁
性層8の形成方法は、上記実施の形態の場合と同様にス
パッタリングとする。
【0093】図25に示したIIの場合、すなわち、フレ
ームめっき法によって上部シールド層7を形成し、前駆
下部磁極層79pを電解めっき法によって形成する場合
には、上部シールド層7を形成するための6つの工程
と、以下に示す非磁性層8および下部磁極79を形成す
るための5つの工程(工程C1.〜工程C5.)とを併
せて、計11の工程が必要となる。
【0094】工程C1.フレームパターン50の形成
(図26参照) 工程C2.前駆非磁性層8pの形成(図26参照) 工程C3.電極膜71の形成(図26参照) 工程C4.前駆下部磁極層79pの形成(図26参照) 工程C5.CMP研磨による非磁性層8および下部磁極
79の形成(図27参照)
【0095】このような場合には、「工程C5.」にお
ける研磨処理によって前駆下部磁極層79pが所望のパ
ターン形状となるようにパターニングされるので、めっ
き膜を選択的に成長させるためのマスクとしてのフォト
レジストパターンを用いる必要がない。すなわち、前駆
下部磁極層79pの形成手法として通常の電解めっき法
を用いることが可能となり、フォトレジストパターンの
形成工程(工程A4.;図22参照)およびその除去工
程(工程A5.;図22参照)が不要となる。また、上
記の研磨処理によって除去対象である電極膜71の一部
が除去されるので、下部磁極79の形成後、新たにエッ
チングマスクを形成して電極膜71を除去する工程(工
程A6.,工程A7.;図22参照)が不要となる。こ
の場合に使用するマスクの数は、上部シールド層7を形
成するための2つのマスクと下部磁極79を形成するた
めの1つのマスク(フレームパターン50)とを併せ
て、計3つである。
【0096】図25に示したIII の場合、すなわち、ス
パッタリングによって上部シールド層7および前駆下部
磁極層9pの双方を形成する場合には、以下に示す5つ
の工程(工程D1.〜工程D5.)が必要である。この
場合に使用するマスクの数は、1つ(フレームパターン
50)のみである。
【0097】工程D1.上部シールド層7の形成 工程D2.フレームパターン50の形成 工程D3.前駆非磁性層8pの形成 工程D4.前駆下部磁極層9pの形成 工程D5.CMP研磨による非磁性層8および下部磁極
9の形成
【0098】図25に示したIVの場合、すなわち、スパ
ッタリングによって上部シールド層7を形成し、電解め
っき法によって前駆下部磁極層9pを形成する場合に
は、上部シールド層7を形成するための1つの工程(上
記の工程D1.と同様)と、非磁性層8および下部磁極
9を形成するための5つの工程(上記の工程C1.〜工
程C5.と同様)とを併せて、計6つの工程が必要とな
る。この場合に使用するマスクの数は、1つ(フレーム
パターン50)のみである。
【0099】上記のように、図25に示したII〜IVのい
ずれの場合においても、上部シールド層7、非磁性層8
および下部磁極9の形成に要する製造工程数およびマス
クの数を減少させ、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間
を短縮することができる。ただし、上部シールド層7お
よび前駆下部磁極層9p(79p)の形成方法として
は、その形成材料であるパーマロイの組成を適正に制御
する観点から、めっき法(フレームめっき法または電解
めっき法)を用いるようにするのが好適である。なお、
前駆下部磁極層9pの形成方法としては、フレームめっ
き法を用いるようにしてもよい。この場合においても、
比較例の場合よりも、製造工程数および使用するマスク
の数を減少させることができる。
【0100】<薄膜磁気ヘッドの製造方法における他の
変形例>また、本実施の形態では、図14に示したよう
に、絶縁膜パターン13の最前端が、上部ポールチップ
14aにおける中間部14a(2) と後端部14a(3) と
の連結位置よりも後方に位置するようにする場合につい
て説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。
例えば、図28に示したように、絶縁膜パターン13の
最前端が、上部ポールチップ14aの先端部14a(1)
の延在領域内に位置するようにしてもよい。このような
場合には、図14に示した場合よりも、より広範囲な絶
縁膜パターン13の延在領域において「磁束の漏れ」現
象を回避することができる。
【0101】[第2の実施の形態]次に、本発明の第2
の実施の形態について説明する。
【0102】まず、図29〜図41を参照して、本発明
の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法と
しての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する。図
29〜図35において、(A)はエアベアリング面に垂
直な断面を示し、(B)は磁極部分のエアベアリング面
に平行な断面を示している。図36および図37は、主
要な製造工程に対応する平面図であり、図38〜図40
は、主要な製造工程に対応する斜視図である。ここで、
図36は図29に示した状態に対応し、図37は図31
に示した状態に対応する。また、図38は図32に示し
た状態に対応し、図39は図33に示した状態に対応
し、図40は図35に示した状態に対応する。ただし、
図36および図37では、それぞれ図29よび図31に
おける基板1および絶縁膜2等の図示を省略している。
また、図39では、図33におけるアルミナ層44p等
の図示を省略し、図40では、図35における絶縁膜4
2,44、薄膜コイル41およびオーバーコート層45
等の図示を省略している。
【0103】図41は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法によって製造される薄膜磁気ヘッドの平
面構造の概略を表すものである。なお、図41では、絶
縁膜42,44およびオーバーコート層45等の図示を
省略している。また、薄膜コイル41については、その
最外周部分のみを図示している。図35(A)は、図4
1に示したXXXVA−XXXVA線に沿った矢視断面に対応す
る。
【0104】なお、図29〜図41において、各図中の
X,Y,Z軸方向に関する表記は、上記第1の実施の形
態の場合と同様とし、また各図中の上記第1の実施の形
態における構成要素と同一部分には同一の符号を付すも
のとする。
【0105】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法において、図29におけるシールドギャップ膜6を
形成するところまでの工程は、上記第1の実施の形態に
おける図1に示した同工程までと同様であるので、その
説明を省略する。
【0106】本実施の形態では、シールドギャップ膜6
を形成したのち、図29および図36に示したように、
例えば、上記第1の実施の形態においてフレームパター
ン50を形成した場合と同様の形成材料および形成方法
を用いて、シールドギャップ膜6の表面に、開口部15
0uを備えるフレームパターン150を約4.0μmの
厚みで選択的に形成する。フレームパターン150は、
非磁性材料、例えばアルミナなどの無機絶縁材料よりな
るものである。フレームパターン150の構造的特徴
は、フレームパターン50(図2参照)の場合とほぼ同
様である。開口部150uの形状は、例えば、上記第1
の実施の形態におけるフレームパターン50の開口部5
0uの形状とほぼ同様であり、後工程において形成され
る上部シールド層37、非磁性層38および下部磁極3
9の平面形状にほぼ対応している。なお、フレームパタ
ーン150を形成する際には、上記第1の実施の形態に
おいてフレームパターン50を形成した場合と同様に、
後工程において形成される前駆下部磁極層39pの段差
領域とMR膜5との間の距離L2(図30参照)が、例
えば4.0〜5.0μm以上となるようにするのが好適
である。
【0107】次に、図30に示したように、開口部15
0uにおいて露出しているシールドギャップ膜6の表面
およびフレームパターン150の表面を覆うように、例
えば電解めっき法により、例えば高飽和磁束密度を有す
るパーマロイ(Ni:45重量%,Fe:55重量%)
よりなる前駆上部シールド層37pを約1.0〜1.5
μmの厚みで形成する。次に、前駆上部シールド層37
p上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ
よりなる前駆非磁性層38pを約0.15〜0.2μm
の厚みで形成する。次に、前駆非磁性層38p上に、例
えばスパッタリングにより、例えばニッケル鉄よりなる
前駆下部磁極層39pを約2.0〜2.5μmの厚みで
形成する。前駆上部シールド層37p、前駆非磁性層3
8pおよび前駆下部磁極層39pのそれぞれは、フレー
ムパターン150の表面と下地(シールドギャップ膜
6)の表面との間の段差部分に対応して部分的に折れ曲
がるように延在している。ここで、前駆上部シールド層
37pおよび前駆下部磁極層39pのそれぞれが、本発
明の磁性層パターンの形成方法における「前駆磁性層」
の一具体例に対応する。また、前駆上部シールド層37
pが、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法(請求項6)
における「第1の前駆磁性層」の一具体例に対応し、前
駆下部磁極層39pが、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造
方法(請求項6)における「第2の前駆磁性層」の一具
体例に対応する。
【0108】次に、例えばCMP法により、例えばフレ
ームパターン150が露出するまで全体を研磨して平坦
化する。これにより、フレームパターン150の上方を
覆っていた前駆上部シールド層37p、前駆非磁性層3
8pおよび前駆下部磁極層39pのそれぞれの一部が選
択的に除去され、図31に示したように、フレームパタ
ーン150の開口部150uを埋め込むように、上部シ
ールド層37、非磁性層38および下部磁極39のそれ
ぞれが所定のパターン形状を有するように選択的に形成
される。上部シールド層37、非磁性層38および下部
磁極39は、例えば、図37および図41に示したよう
な平面形状を有するものである。図31、図37および
図41に示したように、研磨後の表面には、下部磁極3
9が露出すると共に、下部磁極39の周囲に非磁性層3
8の端面(38m)が露出し、さらに、非磁性層38の
周囲に上部シールド層37の端面(37m)が露出す
る。下部磁極39の形成材料として、例えば窒化鉄など
の高飽和磁束密度を有する磁性材料を用いることによ
り、その内部における磁束の飽和現象を回避し、磁束の
流れを円滑化することができる。ここで、上部シールド
層37および下部磁極39のそれぞれが、本発明の磁性
層パターンの形成方法における「磁性層パターン」の一
具体例に対応する。また、上部シールド層37が、本発
明の薄膜磁気ヘッドの製造方法(請求項6)における
「第3の磁性層」の一具体例に対応し、下部磁極39
が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法(請求項6)に
おける「第2の磁性層」の一具体例にそれぞれ対応す
る。
【0109】次に、図32に示したように、研磨後の平
坦面上に、例えばスパッタリングにより、例えばアルミ
ナよりなる記録ギャップ層40を約0.1〜0.2μm
の厚みで形成する。記録ギャップ層40の表面は、その
全域にわたって平坦となる。なお、記録ギャップ層40
を形成する際には、後工程において磁路接続部43bが
形成されることとなる領域を覆わないようにする。この
領域は、下部磁極39と後工程において形成される上部
磁極43とを接続させるための開口部40kとなる。こ
こで、記録ギャップ層40が、本発明の薄膜磁気ヘッド
の製造方法における「ギャップ層」の一具体例に対応す
る。
【0110】次に、図32に示したように、下部磁極3
9の上方における平坦な記録ギャップ層40上に、例え
ば電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導
型の記録ヘッド用の薄膜コイル41を約1.0〜1.5
μmの厚みで選択的に形成する。この薄膜コイル41
は、例えば、上記第1の実施の形態における薄膜コイル
16と同様の構造的特徴を有するものであり、その平面
構造は図41に示した通りである。なお、図32では、
薄膜コイル41の一部分のみを図示している。薄膜コイ
ル41を形成する際には、同時に、例えば、その内側の
終端部における記録ギャップ層40上に、配線接続部4
1sを薄膜コイル41と一体に形成する。この配線接続
部41sは、薄膜コイル41と後工程において形成され
るコイル接続配線43fh(図34(A)参照)とを電
気的に接続させるためのものである。
【0111】次に、図32に示したように、薄膜コイル
41(配線接続部41sを含む)の各巻線間およびその
周辺領域に、例えばフォトレジストよりなる絶縁膜42
を高精度のフォトリソグラフィ処理により所定のパター
ンとなるように形成する。なお、絶縁膜42の形成方法
は、上記第1の実施の形態における絶縁膜17,20の
場合と同様である。絶縁膜42の前側の端縁近傍は、そ
の端縁方向に向かって落ち込むような丸みを帯びた斜面
をなすこととなる。絶縁膜42の最前端の位置は、スロ
ートハイトゼロ位置(TH0位置)に相当する。
【0112】次に、図32および図38に示したよう
に、薄膜コイル41の配設領域よりも前側の平坦な記録
ギャップ層12上から絶縁膜42の前側の斜面上にかけ
ての領域に、例えばフレームめっき法により、上部磁極
43の一部を構成する上部ポールチップ43aを約2.
5〜3.5μmの厚みで選択的に形成する。上部ポール
チップ43aを形成する際には、同時に、上部磁極43
の一部を構成する磁路接続部43bを開口部12kに形
成すると共に、配線接続部41s上に中間接続パターン
43eを形成する(図38では、磁路接続部43bおよ
び中間接続パターン43eを図示せず。)。この中間接
続パターン43eは、薄膜コイル41と後工程において
形成されるコイル接続配線43fh(図34(A)参
照)とを電気的に接続させるためのものである。上部ポ
ールチップ43a、磁路接続部43bおよび中間接続パ
ターン43eの形成材料としては、例えば、上記第1の
実施の形態における上部ポールチップ14aの場合と同
様に、高飽和磁束密度を有する磁性材料であるパーマロ
イ(Ni:45重量%,Fe:55重量%)などを用い
るようにする。
【0113】上部ポールチップ43aの構造としては、
例えば、図32、図38および図41に示したように、
後工程においてエアベアリング面90となる側から順に
先端部43a(1) および後端部43a(2) を含むように
する。先端部43a(1) および後端部43a(2) の構造
的特徴は、例えば、上記第1の実施の形態における上部
ポールチップ14aの先端部14a(1) および後端部1
4a(3) (図15参照)の構造とほぼ同様とする。
【0114】また、上部ポールチップ43aの配設位置
としては、例えば、図41に示したように、先端部43
a(1) と後端部43a(2) との連結部分における後端部
43a(3) 側の段差面43adが、絶縁膜42の最前端
の位置よりも前側に位置するようにする。
【0115】次に、上部ポールチップ43aと絶縁膜4
2の最前端の位置よりも後側の領域に選択的に形成した
図示しないフォトレジスト膜とをマスクとして、上記第
1の実施の形態において磁極部分100を形成した場合
と同様のRIEにより、全体に約0.3〜0.4μm程
度エッチングする。このエッチング処理により、絶縁膜
42の最前端の位置よりも前側の領域における上部ポー
ルチップ43aの周辺の記録ギャップ層40および下部
磁極39等が選択的に除去され、図33および図39に
示したように、トリム構造を有する磁極部分200が形
成される。
【0116】次に、図33に示したように、全体を覆う
ように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ
層44pを約3.0〜4.0μmの厚みで成膜して、上
部ポールチップ43a、磁路接続部43b、中間接続パ
ターン43eおよび薄膜コイル41等によって構成され
た凹凸領域を埋設する。
【0117】次に、例えばCMP法によってアルミナ層
44pの表面全体を研磨して平坦化することにより、図
34に示したように、薄膜コイル41等を埋設する絶縁
膜44を形成する。このときの研磨処理は、少なくとも
上部ポールチップ43a、磁路接続部43bおよび中間
接続パターン43eが露出するまで行う。ここで、絶縁
膜42,44が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に
おける「絶縁層」の一具体例に対応する。
【0118】次に、図34に示したように、磁路接続部
43bの上方から上部ポールチップ43aの後端部43
a(2) の上方にかけての領域に、上部磁極43の一部を
構成する上部ヨーク43fを約2.0〜3.0μm程度
の厚みで選択的に形成する。上部ヨーク43fを形成す
る際には、同時に、中間接続パターン43eの上方から
図示しない外部回路にかけての領域にコイル接続配線4
3fhを選択的に形成する。上部ヨーク43fおよびコ
イル接続配線43fhの形成材料および形成方法等は、
上記第1の実施の形態において上部ポールチップ43a
等を形成した場合と同様である。
【0119】上部ヨーク43fの構造としては、例え
ば、図34および図41に示したような平面構造を有す
るようにする。すなわち、上部ヨーク43fが、上記第
1の実施の形態における上部ヨーク14fのヨーク部1
4f(1) および接続部14f(2) に対応するヨーク部4
3f(1) および接続部43f(2) を有するようにする。
また、上部ヨーク43fの配設位置としては、例えば、
その前側の端縁面43ftの位置が、絶縁膜42の最前
端の位置と一致するようにすると共に、少なくとも端縁
面43ftが下地の平坦面に対して傾斜した斜面をなす
ようにする。ここで、上部ポールチップ43a、磁路接
続部43bおよび上部ヨーク43fによって構成される
上部磁極43が、本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法に
おける「第1の磁性層」の一具体例に対応する。
【0120】次に、図34に示したように、全体を覆う
ように、例えばスパッタリングにより、例えばアルミナ
よりなるオーバーコート層45を約20〜40μmの厚
みで形成する。
【0121】最後に、図35に示したように、機械加工
や研磨工程により記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベ
アリング面90を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成す
る。なお、上記の機械加工や研磨工程は、エアベアリン
グ面90に下部磁極39が露出するまで行う。このとき
の接続部43f(2) の周辺における立体的構造は、図4
0に示した通りである。
【0122】図35および図41に示したように、絶縁
膜42の最前端の位置は、スロートハイト(TH)を決
定する際の基準となる位置、すなわちスロートハイトゼ
ロ位置(TH0位置)である。スロートハイト(TH)
は、絶縁膜42の最前端の位置(TH0位置)からエア
ベアリング面90の位置までの長さとして規定される。
【0123】なお、図41に示した上記以外の配設物に
関する構造的特徴は、上記第1の実施の形態の場合(図
15)と同様である。
【0124】本実施の形態では、図29〜図31に示し
たように、下地(シールドギャップ膜6)の表面に形成
したフレームパターン150を覆うように前駆上部シー
ルド層37p、前駆非磁性層38pおよび前駆下部磁極
層39pを順次形成したのち、少なくともフレームパタ
ーン150が露出するまで全体を研磨することにより、
上部シールド層37、非磁性層38および下部磁極39
のそれぞれを所定のパターン形状となるように形成して
いる。このため、上記第1の実施の形態において下部磁
極9等を形成した場合と同様の作用により、上部シール
ド層37、非磁性層38および下部磁極39の形成に要
する製造工程数および使用するマスクの数を減少させ、
薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間を短縮することがで
きる。
【0125】具体的には、上記第1の実施の形態におい
て説明した比較例では13の工程と4つのマスクが必要
であったのに対し、本実施の形態では、以下に示す6つ
の工程(工程E1.〜工程E6.)しか必要とせず、製
造工程数を13から6に減少させることができる。
【0126】工程E1.フレームパターン150の形成
(図29参照) 工程E2.電極膜の形成(図示せず) 工程E3.前駆上部シールド層37pの形成(図30参
照) 工程E4.前駆非磁性層38pの形成(図30参照) 工程E5.前駆下部磁極層39pの形成(図30参照) 工程D6.CMP研磨による上部シールド層37、非磁
性層38および下部磁極39の形成(図31参照)
【0127】このような場合には、上記第1の実施の形
態において図26および図27に示した場合と同様の作
用により、前駆上部シールド層37pを形成するための
フォトレジストパターンの形成工程および図示しない電
極膜の除去工程等が不要となる。このため、使用するマ
スクの数もまた、4から1(フレームパターン150)
に減少させることができる。
【0128】また、本実施の形態では、MR膜5の再生
動作に悪影響が及ぶことを回避することができる。具体
的には、上記第1の実施の形態において説明した比較例
では、「工程A7.電極膜61の選択的削除」におい
て、イオンミリングによるエッチング処理を用いて電極
膜61を部分的に除去している。このような場合には、
エッチング処理時において発生した静電気の影響によ
り、MR膜5を埋設しているシールドギャップ膜4,6
にピンホールなどの欠陥が生じてしまうことがある。ピ
ンホールなどが生じてシールドギャップ膜4,6が破損
してしまうと、MR膜に対する磁気的な保護が不十分と
なり、MR膜5の再生動作に悪影響を及ぼすこととな
る。これに対して、本実施の形態では、エッチング処理
を一切必要としないので、上記のような不具合が回避さ
れる。
【0129】また、本実施の形態では、薄膜コイル41
の端部に設けられた配線接続部41sの上方に、上部ポ
ールチップ43aを形成する工程と同一の工程によって
中間接続パターン43eを形成するようにしている。こ
のため、上記の第1の実施の形態において中間接続パタ
ーン14e(図7および図8参照)を形成した場合と同
様の作用により、薄膜コイル41とコイル接続配線43
fhとを接続させるための工程を簡略化し、製造工程を
削減することができる。
【0130】また、本実施の形態では、上部ヨーク43
fの前側の端縁面が斜面をなすようにしたので、上部ヨ
ーク43fから上部ポールチップ43aへ流入する磁束
の流れを円滑化することができる。
【0131】なお、本実施の形態では、電解めっき法に
よって前駆上部シールド層37pを形成し、スパッタリ
ングによって前駆下部磁極層39pを形成するようにし
たが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、
図42のVI〜VIIIに示した形成方法の組み合わせを用い
て前駆上部シールド層37pおよび前駆下部磁極39p
のそれぞれを形成するようにしてもよい。ここで、図4
2は、前駆上部シールド層37pおよび前駆下部磁極層
39pを形成する際のそれぞれの形成方法に関する組み
合わせの一例を表すものである。なお、図中のVに示し
た形成方法の組み合わせは、上記実施の形態において説
明した場合に相当する。図中における「製造工程数の変
化」および「使用するマスクの数の変化」のそれぞれの
欄内に示した数値は、図25の場合と同様である。以下
では、図42を参照して、VI〜VIIIに示した各組み合わ
せの形成方法を用いて上部シールド層37、非磁性層3
8および下部磁極39を形成する場合の製造工程数およ
び使用するマスクの数の変化について順に説明する。
【0132】図42に示したVIの場合、すなわち、前駆
上部シールド層37pおよび前駆下部磁極39pの双方
を電解めっき法によって形成する場合には、以下に示し
た7つの工程(工程F1.〜工程F7.)が必要とな
る。この場合に使用するマスクの数は、1つ(フレーム
ターン150)のみである。
【0133】工程F1.フレームパターン150の形成 工程F2.前駆上部シールド層37pを形成するための
電極膜の形成 工程F3.前駆上部シールド層37pの形成 工程F4.前駆非磁性層38pの形成 工程F5.前駆下部磁極層39pを形成するための電極
膜の形成 工程F6.前駆下部磁極層39pの形成 工程F7.CMP研磨による上部シールド層37、非磁
性層38および下部磁極39の形成
【0134】図42に示したVII の場合、すなわち、前
駆上部シールド層37pおよび前駆下部磁極39pの双
方をスパッタリングによって形成する場合には、以下に
示す5つの工程(工程G1.〜工程G5.)が必要とな
る。この場合に使用するマスクの数は、1つ(フレーム
パターン150)のみである。
【0135】工程G1.フレームパターン150の形成 工程G2.前駆上部シールド層37pの形成 工程G3.前駆非磁性層38pの形成 工程G4.前駆下部磁極層39pの形成 工程G5.CMP研磨による上部シールド層37、非磁
性層38および下部磁極39の形成。
【0136】図42に示したVIIIの場合、すなわち、ス
パッタリングによって前駆上部シールド層37pを形成
し、電解めっき法によって前駆下部磁極39pを形成す
る場合には、以下に示す6つの工程(工程H1.〜工程
H6.)が必要となる。この場合に使用するマスクの数
は、1つ(フレームパターン150)のみである。
【0137】工程H1.フレームパターン150の形成 工程H2.前駆上部シールド層37pの形成 工程H3.前駆非磁性層38pの形成 工程H4.前駆下部磁極層39pを形成するための電極
膜の形成 工程H5.前駆下部磁極層39pの形成 工程H6.CMP研磨による上部シールド層37、非磁
性層38および下部磁極39の形成
【0138】上記のように、図42に示したVI〜VIIIの
いずれの場合においても、上部シールド層37、非磁性
層38および下部磁極39の形成に要する製造工程数お
よびマスクの数を減少させ、薄膜磁気ヘッドの形成に要
する時間を短縮することができる。特に、VII の場合に
おいて製造工程数が最小(5工程)となり、製造時間の
短縮に係る効果が顕著となる。ただし、前駆上部シール
ド層37pおよび前駆下部磁極層39pの形成方法とし
ては、その形成材料であるパーマロイの組成を適正に制
御する観点から、電解めっき法を用いるようにするのが
好適である。なお、前駆上部シールド層37pおよび前
駆下部磁極層39pの形成方法としては、フレームめっ
き法を用いるようにしてもよい。この場合においても、
比較例の場合よりも製造工程数および使用するマスクの
数を減少させることができる。
【0139】なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法に関する上記以外の作用、効果および変形例
等は、上記第1の実施の形態の場合と同様であるので、
その説明を省略する。
【0140】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々の変形が可能である。例えば、上記第2の実
施の形態(図29参照)では、開口部150uにおける
フレームパターン150の内壁面が下地(シールドギャ
ップ膜6)の表面に対してほぼ垂直となるようにした
が、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、図
43に示したように、フレームパターン150内壁面が
下地の表面に対して斜面をなすようにしてもよい。この
ような場合においても、フレームパターン150を覆う
ように前駆上部シールド層137p、前駆非磁性層13
8pおよび前駆下部磁極層139pを順次形成したの
ち、例えばCMP法によって少なくともフレームパター
ン150が露出するまで全体を研磨することにより、図
44に示したように、上部シールド層137、非磁性層
138および下部磁極139よりなる3層構造を形成す
ることができる。このような場合には、特に、図31に
示した場合よりも、フレームパターン150の表面と下
地(シールドギャップ膜6)の表面との間の段差部分に
対応する下部磁極139の折れ曲がり方が緩やかにな
る。このため、下部磁極139の折れ曲がり部分におけ
る結晶異方性の発生が抑制され、磁束透過性の劣化を軽
減させることができる。図44において、上記の各部位
を形成したのちの製造工程は、図32以降の工程とほぼ
同様である。なお、上記第1の実施の形態(図2参照)
においても同様に、開口部50uにおけるフレームパタ
ーン50の内壁面が下地(シールドギャップ膜6)の表
面に対して斜面をなすようにしてもよい。このような場
合においても同様の効果を得ることができる。
【0141】また、例えば、上記第1の実施の形態で
は、フレームパターンを形成しない状態において、下部
シールド層3、上部シールド7、上部磁極14を構成す
る各部位およびコイル接続配線14fh等の磁性層部分
をフレームめっき法によって形成するようにしたが、必
ずしもこれに限られるものではない。例えば、上記の各
磁性層部分を下部磁極9を形成した場合と同様の手法に
よって形成するようにしてもよい。このような場合に
は、上記の各磁性層部分の形成に要する製造工程数をそ
れぞれ減少させ、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間を
極めて短縮することができる。なお、このような磁性層
部分の形成方法の変更は、上記第2の実施の形態におい
ても適用可能である。この場合においても、さらなる製
造時間の短縮を実現することができる。
【0142】また、例えば、上記第1の実施の形態で
は、図1〜図4に示したように、上部シールド層7と下
部磁極9との間に非磁性層8を配設するようにしたが、
必ずしもこれに限られるものではなく、両者の磁性層部
分の間に非磁性層を配設せずに、上部シールド層と下部
磁極とが一体となるように形成してもよい。具体的に
は、図45に示したように、シールドギャップ膜6を形
成したのち、シールドギャップ膜6上に開口部250u
を有するフレームパターン250を形成し、続いて全体
に前駆層109pを形成する。次に、図46に示したよ
うに、例えばCMP法によって少なくともフレームパタ
ーン250が露出するまで前駆層109pを研磨するこ
とにより、フレームパターン250の開口部250uを
埋め込むように上部シールド層兼下部磁極層としての下
部磁極109を形成する。この場合におけるシールドギ
ャップ膜6を形成するところまでの工程は、図1に示し
た同工程までと同様であり、また下部磁極109の形成
以降の工程は、図5に示した工程以降と同様である。こ
のような場合には、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間
をさらに短縮することができる。ただし、下部磁極10
9において発生した磁気ノイズがMR膜5に達すること
を回避しようとするならば、上部シールド層/非磁性層
/下部磁極の3層構造を採用するようにするのが好適で
ある。図45および図46では、基体1等の図示を省略
し、また絶縁層2についてはその一部分のみを図示して
いる。図45および図46において、図1に示した要素
と同一部分には同一の符号を付している。なお、上記第
2の実施の形態においても同様に、上部シールド層37
と下部磁極39との間に非磁性層38を配設せずに、上
部シールド層と下部磁極とが一体になるようにしてもよ
い。この場合においても同様の効果を得ることができ
る。ここで、前駆層109pが、本発明の磁性層パター
ンの形成方法における「前駆磁性層」の一具体例に対応
し、下部磁極109が、本発明の磁性層パターンの形成
方法における「磁性層パターン」の一具体例に対応す
る。また、前駆層109pが、本発明の薄膜磁気ヘッド
の製造方法(請求項4)における「前駆磁性層」の一具
体例に対応し、下部磁極109が、本発明の薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法(請求項4)における「2つの磁性層の
うちの少なくとも一部をなす磁性層パターン」の一具体
例に対応する。
【0143】また、上記各実施の形態およびその変形例
では、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明し
たが、本発明は、書き込み用の誘導型磁気変換素子を有
する記録専用の薄膜磁気ヘッドや記録・再生兼用の誘導
型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用するこ
とができる。また、本発明は、書き込み用の素子と読み
出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気ヘ
ッドにも適用することができる。
【0144】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項3のいずれか1項に記載の磁性層パターンの形成方
法によれば、下地層の表面に所定の形状の開口部を有す
るフレームパターンを形成する第1の工程と、少なくと
もフレームパターンの開口部を含む領域を覆うように、
少なくとも磁性層パターンの前準備層としての前駆磁性
層を形成する第2の工程と、少なくともフレームパター
ンが露出するまで少なくとも前駆磁性層を研磨すること
により磁性層パターンを形成する第3の工程とを含むよ
うにしたので、フレームパターンを形成せずに磁性層パ
ターンを形成する場合よりも、磁性層パターンの形成に
要する製造工程数を削減し、製造に要する時間を短縮す
ることができるという効果を奏する。
【0145】特に、請求項3記載の磁性層パターンの形
成方法によれば、第2の工程が、複数の前駆磁性層を形
成する工程と、複数の前駆磁性層の間に挟まれるように
前駆非磁性層を形成する工程とを含み、第3の工程にお
いて、複数の前駆磁性層および前駆非磁性層を研磨する
ようにしたので、複数の前駆磁性層の間に前駆非磁性層
を挟み込むような場合においても、磁性層パターンの形
成に要する製造工程数を削減し、製造に要する時間を短
縮することができるという効果を奏する。また、磁性層
パターンを形成する際には、同時に、前駆非磁性層をパ
ターニングすることもできる。
【0146】請求項4に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
法によれば、所定の下地層の表面に所定の形状の開口部
を有するフレームパターンを形成する第1の工程と、少
なくともフレームパターンの開口部を含む領域に2つの
磁性層のうちの少なくとも一部をなす磁性層パターンの
前準備層としての前駆磁性層を形成する第2の工程と、
少なくともフレームパターンが露出するまで前駆磁性層
を研磨することにより2つの磁性層のうちの少なくとも
一部を形成する第3の工程とを含むようにしたので、フ
レームパターンを形成せずに前駆磁性層を形成する場合
よりも、2つの磁性層のうちの少なくとも一部の形成に
要する製造工程数を削減することができる。したがっ
て、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間を短縮すること
ができるという効果を奏する。
【0147】請求項5ないし請求項7のいずれか1項に
記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、所定の下地
層の表面に第3の磁性層を形成する第1の工程と、第3
の磁性層の表面に所定の形状の開口部を有するフレーム
パターンを形成する第2の工程と、少なくともフレーム
パターンの開口部を含む領域を覆うように非磁性層の前
準備層としての前駆非磁性層および第2の磁性層の前準
備層としての前駆磁性層をこの順に形成する第3の工程
と、少なくともフレームパターンが露出するまで前駆非
磁性層および前駆磁性層を研磨することにより非磁性層
および第2の磁性層を形成する第4の工程とを含むよう
にしたので、フレームパターンを形成せずに前駆非磁性
層および前駆磁性層を形成する場合よりも、非磁性層お
よび第2の磁性層の形成に要する製造工程数を削減する
ことができる。したがって、薄膜磁気ヘッドの製造に要
する時間を短縮することができるという効果を奏する。
【0148】特に、請求項6記載の薄膜磁気ヘッドの製
造方法によれば、第3の磁性層をめっき膜の成長により
形成し、前駆非磁性層および前駆磁性層の双方をスパッ
タリングにより形成するようにしたので、第3の磁性層
の組成を適正に制御し、磁気ノイズ等の発生を回避する
ことができるという効果を奏する。
【0149】また、請求項7記載の薄膜磁気ヘッドの製
造方法によれば、第3の磁性層および前駆磁性層の双方
をめっき膜の成長により形成し、前駆非磁性層をスパッ
タリングにより形成するようにしたので、第3の磁性層
および第2の磁性層のそれぞれの組成を適正に制御し、
磁気ノイズ等の発生を回避することができるという効果
を奏する。
【0150】請求項8ないし請求項10のいずれか1項
に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、所定の下
地層の表面に所定の形状の開口部を有するフレームパタ
ーンを形成する第1の工程と、少なくともフレームパタ
ーンの開口部を含む領域を覆うように第3の磁性層の前
準備層としての第1の前駆磁性層、非磁性層の前準備層
としての前駆非磁性層および第2の磁性層の前準備層と
しての第2の前駆磁性層をこの順に形成する第2の工程
と、少なくともフレームパターンが露出するまで第1の
前駆磁性層、前駆非磁性層および第2の前駆磁性層を研
磨することにより第3の磁性層、非磁性層および第2の
磁性層を形成する第3の工程とを含むようにしたので、
フレームパターンを形成せずに第1の前駆磁性層、前駆
非磁性層および第2の前駆磁性層を形成する場合より
も、第3の磁性層、非磁性層および第2の磁性層の形成
に要する製造工程数を削減することができる。したがっ
て、薄膜磁気ヘッドの製造に要する時間を短縮すること
ができるという効果を奏する。
【0151】特に、請求項9記載の薄膜磁気ヘッドの製
造方法によれば、第1の前駆磁性層をめっき膜の成長に
より形成し、前駆非磁性層および第2の前駆磁性層の双
方をスパッタリングにより形成するようにしたので、第
3の磁性層の組成を適正に制御し、磁気ノイズ等の発生
を回避することができるという効果を奏する。
【0152】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、第1の前駆磁性層および第2の前駆
磁性層の双方をめっき膜の成長により形成し、前駆非磁
性層をスパッタリングにより形成するようにしたので、
第3の磁性層および第2の磁性層のそれぞれの組成を適
正に制御し、磁気ノイズ等の発生を回避することができ
るという効果を奏する。
【0153】また、請求項11記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、非磁性層および第3の磁性層とし
て、第2の磁性層を他の領域から磁気的に分離可能なも
のを用いるようにしたので、第2の磁性層を他の領域か
ら磁気的に分離することができる。
【0154】また、請求項12または請求項13に記載
の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、非磁性材料を用
いてフレームパターンを形成するようにしたので、周囲
から磁気的に分離された磁性層パターンを形成すること
ができるという効果を奏する。
【0155】また、請求項14記載の薄膜磁気ヘッドの
製造方法によれば、フレームパターンを反応性イオンエ
ッチングにより形成するようにしたので、イオンミリン
グを用いる場合よりも、フレームパターンを短時間で形
成することができるという効果を奏する。この点もま
た、薄膜磁気ヘッドの製造時間の短縮に寄与することと
なる。
【0156】また、請求項15載の薄膜磁気ヘッドの製
造方法によれば、第1の磁性層および第2の磁性層のう
ちの少なくとも一部の形成材料として、ニッケル鉄また
は窒化鉄のいずれかを含む材料を用いるようにしたの
で、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少なくと
も一部の内部における磁束の伝搬を円滑化させることが
できるという効果を奏する。
【0157】また、請求項16または請求項17に記載
の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれば、第1の磁性層お
よび第2の磁性層のうちの少なくとも一部の形成材料と
して、コバルト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合
金などのアモルファス合金を含む材料を用いるようにし
たので、第1の磁性層および第2の磁性層のうちの少な
くとも一部の内部における磁束の伝搬を円滑化させるこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図5に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図7】図6に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図8】図7に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図9】図8に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図10】図2に示した断面図に対応する平面図であ
る。
【図11】図4に示した断面図に対応する平面図であ
る。
【図12】図5に示した断面図に対応する斜視図であ
る。
【図13】図6に示した断面図に対応する斜視図であ
る。
【図14】図9に示した断面図に対応する斜視図であ
る。
【図15】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面構造を表す平面図である。
【図16】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法に対する比較例としての薄膜磁気ヘッドの製造方法に
おける一工程を説明するための断面図である。
【図17】図16に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図18】図17に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図19】図18に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図20】図19に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図21】図20に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図22】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法および比較例としての薄膜磁気ヘッドの製造方法のそ
れぞれの製造工程数および使用するマスクの数を説明す
るための図である。
【図23】図22に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図24】図23に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図25】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの変形例を説明するための図である。
【図26】図25に示した変形例としての薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図27】図26に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図28】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの他の変形例を表す斜視図である。
【図29】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図30】図29に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図31】図30に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図32】図31に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図33】図32に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図34】図33に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図35】図34に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図36】図29に示した断面図に対応する平面図であ
る。
【図37】図31に示した断面図に対応する平面図であ
る。
【図38】図32に示した断面図に対応する平面図であ
る。
【図39】図33に示した断面図に対応する斜視図であ
る。
【図40】図35に示した断面図に対応する斜視図であ
る。
【図41】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面構造を表す平面図である。
【図42】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの変形例を説明するための図である。
【図43】本発明の第2の実施の形態における薄膜磁気
ヘッドの製造方法の他の変形例における一工程を説明す
るための断面図である。
【図44】図43に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図45】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法のさらに他の変形例における一工程を説
明するための断面図である。
【図46】図45に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4,6…
シールドギャップ膜、5…MR膜、7,37,137…
上部シールド層、37p,137p…前駆上部シールド
層、8,38,81,138…非磁性層、8p,38
p,81p,138p…前駆非磁性層、9,39,7
9,91,109,139…下部磁極、9p,39p,
79p,139p…前駆下部磁極層、12,40…記録
ギャップ層、13…絶縁膜パターン、14,43…上部
磁極、14a,43a…上部ポールチップ,14a(1)
,43a(1) …先端部、14a(2) …中間部、14a
(3) ,43a(2) …後端部、14b,14d,43b…
磁路接続部、14c…中間接続部、14e,43e…中
間接続パターン、14f,43f…上部ヨーク、14f
(1) ,43f(1) …ヨーク部、14f(2) ,43f(2)
…接続部、14fh,43fh…コイル接続配線、1
5,17,18,20,21,42,44,65…絶縁
膜、16,19,41…薄膜コイル、16s,19s
a,41s…コイル接続部、18p,21p,44p,
65p…アルミナ層、19sb…配線接続部、22,4
5…オーバーコート層、50,150,250…フレー
ムパターン、50p…前駆フレームパターン層、50
u,51u,62u,150u,250u…開口部、5
1…マスク、61,71…電極膜、62…フォトレジス
トパターン、63…エッチングマスク、90…エアベア
リング面、100,200…磁極部分、109p…前駆
層、TH…スロートハイト、MRH…MRハイト。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の下地層の表面に磁性層パターンを
    形成するための磁性層パターンの形成方法であって、 前記下地層の表面に、所定の形状の開口部を有するフレ
    ームパターンを形成する第1の工程と、 少なくとも前記フレームパターンの開口部を含む領域を
    覆うように、少なくとも前記磁性層パターンの前準備層
    としての前駆磁性層を形成する第2の工程と、 少なくとも前記フレームパターンが露出するまで、少な
    くとも前記前駆磁性層を研磨することにより、前記磁性
    層パターンを形成する第3の工程とを含むことを特徴と
    する磁性層パターンの形成方法。
  2. 【請求項2】 前記フレームパターンの形成材料として
    非磁性材料を用いることを特徴とする請求項1記載の磁
    性層パターンの形成方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程は、 複数の前駆磁性層を形成する工程と、 前記複数の前駆磁性層の間に挟まれるように前駆非磁性
    層を形成する工程とを含み、 前記第3の工程において、前記複数の前駆磁性層および
    前記前駆非磁性層を研磨することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の磁性層パターンの形成方法。
  4. 【請求項4】 記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
    一部に、ギャップ層を介して対向する2つの磁極を含
    む、互いに磁気的に連結された2つの磁性層と、これら
    の2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コ
    イル部とを有する薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、
    所定の下地層の表面に、所定の形状の開口部を有するフ
    レームパターンを形成する第1の工程と、 少なくとも前記フレームパターンの開口部を含む領域を
    覆うように、前記2つの磁性層のうちの少なくとも一部
    をなす磁性層パターンの前準備層としての前駆磁性層を
    形成する第2の工程と、 少なくとも前記フレームパターンが露出するまで前記前
    駆磁性層を研磨することにより、前記2つの磁性層のう
    ちの少なくとも一部を形成する第3の工程とを含むこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
    一部に、ギャップ層を介して対向する2つの磁極を含
    む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2
    の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介し
    て配設された薄膜コイル部と、前記第2の磁性層の配設
    領域側に所定の基体を支持部材として配設された非磁性
    層および第3の磁性層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造
    方法であって、 所定の下地層の表面に前記第3の磁性層を形成する第1
    の工程と、 前記第3の磁性層の表面に、所定の形状の開口部を有す
    るフレームパターンを形成する第2の工程と、 少なくとも前記フレームパターンの開口部を含む領域を
    覆うように、前記非磁性層の前準備層としての前駆非磁
    性層および前記第2の磁性層の前準備層としての前駆磁
    性層をこの順に形成する第3の工程と、 少なくとも前記フレームパターンが露出するまで前記前
    駆非磁性層および前記前駆磁性層を研磨することによ
    り、前記非磁性層および前記第2の磁性層を形成する第
    4の工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記第3の磁性層をめっき膜の成長によ
    り形成し、 前記前駆非磁性層および前記前駆磁性層の双方をスパッ
    タリングにより形成することを特徴とする請求項5記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の磁性層および前記前駆磁性層
    の双方をめっき膜の成長により形成し、 前記前駆非磁性層をスパッタリングにより形成すること
    を特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 記録媒体に対向する記録媒体対向面側の
    一部に、ギャップ層を介して対向する2つの磁極を含
    む、互いに磁気的に連結された第1の磁性層および第2
    の磁性層と、これらの2つの磁性層の間に絶縁層を介し
    て配設された薄膜コイル部と、前記第2の磁性層の配設
    領域側に所定の基体を支持部材として配設された非磁性
    層および第3の磁性層とを有する薄膜磁気ヘッドの製造
    方法であって、 所定の下地層の表面に、所定の形状の開口部を有するフ
    レームパターンを形成する第1の工程と、 少なくとも前記フレームパターンの開口部を含む領域を
    覆うように、前記第3の磁性層の前準備層としての第1
    の前駆磁性層、前記非磁性層の前準備層としての前駆非
    磁性層および前記第2の磁性層の前準備層としての第2
    の前駆磁性層をこの順に形成する第2の工程と、 少なくとも前記フレームパターンが露出するまで前記第
    1の前駆磁性層、前記前駆非磁性層および前記第2の前
    駆磁性層の表面を研磨することにより、前記第3の磁性
    層、前記非磁性層および前記第2の磁性層を形成する第
    3の工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の前駆磁性層をめっき膜の成長
    により形成し、 前記前駆非磁性層および前記第2の前駆磁性層の双方を
    スパッタリングにより形成することを特徴とする請求項
    8記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の前駆磁性層および前記第2
    の前駆磁性層の双方をめっき膜の成長により形成し、 前記前駆非磁性層をスパッタリングにより形成すること
    を特徴とする請求項8記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 前記非磁性層および前記第3の磁性層
    として、前記第2の磁性層を他の領域から磁気的に分離
    可能なものを用いることを特徴とする請求項5ないし請
    求項10のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッドの製造
    方法。
  12. 【請求項12】 前記フレームパターンの形成材料とし
    て、所定の非磁性材料を用いることを特徴とする請求項
    4ないし請求項11のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 前記非磁性材料として、酸化アルミニ
    ウムまたはシリコン酸化物のいずれかを含む材料を用い
    ることを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッドの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 前記フレームパターンを反応性イオン
    エッチングにより形成することを特徴とする請求項4な
    いし請求項13のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記第1の磁性層および前記第2の磁
    性層のうちの少なくとも一部の形成材料として、ニッケ
    ル鉄または窒化鉄のいずれかを含む材料を用いることを
    特徴とする請求項4ないし請求項14のいずれか1項に
    記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記第1の磁性層および前記第2の磁
    性層のうちの少なくとも一部の形成材料として、アモル
    ファス合金を含む材料を用いることを特徴とする請求項
    4ないし請求項14のいずれか1項に記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記アモルファス合金として、コバル
    ト鉄合金またはジルコニウムコバルト鉄合金のいずれか
    を用いることを特徴とする請求項16記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
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