JP5570757B2 - 磁気抵抗効果ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果ヘッド及び磁気記録再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気再生ヘッドとしての磁気抵抗効果ヘッド、及びこの磁気抵抗効果ヘッドを搭載した磁気記録再生装置に関する。
磁気抵抗効果型磁気ヘッドは、ハードディスクを主とした高記録密度磁気記録装置において磁気記録媒体に記録された磁気情報を再生するためのセンサとして用いられ、磁気記録技術の性能を大きく左右する部分である。
近年、強磁性金属層を、非磁性中間層を介して積層した多層膜の磁気抵抗効果、いわゆる巨大磁気抵抗効果、が大きいことがよく知られている。この場合、非磁性中間層を挟んだ2層の強磁性層の磁化と磁化のなす角によって電気抵抗が変化する。この巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗素子として用いる場合には、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。スピンバルブは一般的に反強磁性層/強磁性層/非磁性中間層/強磁性層の積層構造を有し、反強磁性層/強磁性層の界面に発生する交換結合磁界により反強磁性層と接した強磁性層の磁化を実質的に固定し、他方の強磁性層の磁化が外部磁界によって自由に回転することで出力を得る。磁化が反強磁性層により実質的に固定される強磁性層を固定層、磁化が外部磁場によって回転する強磁性層を自由層と呼ぶことにする。再生出力は駆動電圧、磁気抵抗効果による抵抗変化率であるMR(Magneto-Resistive)比と利用率の積として生じる。利用率とは、自由層磁化が磁気記録媒体からの印加磁界によりどれだけ回転するかを示す指標である。利用率は大きいほど出力が高くなるが、大きすぎると磁界に対する抵抗変化が非線形になり、磁気記録再生装置としての性能が劣化するため、通常、利用率は20〜30%程度に設定される。利用率の大きさは、磁気抵抗効果ヘッドの多層膜のトラック方向の両側に設けられた磁区制御層の材料や膜厚などを最適化することで、適切になるように制御するのが一般的である。
磁気抵抗効果を利用したスピンバルブには、従来は、電流を積層膜の面内方向に流して用いるCIP(Current In the Plane)−GMR(Giant Magneto-Resistive)ヘッドが採用されてきた。現在では、積層膜の膜厚方向に電流を流して用いるTMR(Tunneling Magneto-Resistive)ヘッドや、CPP(Current Perpendicular to the Plane)−GMRヘッドへと移行しつつある。これらの磁気抵抗効果膜は、磁気ヘッドのSNR(信号/雑音比)を向上させることを目的として開発された構造である。再生出力を高めるためには、MR(Magneto-Resistive)比を高めることが一般的であり、現在ではMR比が最も高いTMRヘッドが広く採用されている。
一方、ノイズは抵抗に起因するジョンソンノイズ、ショットノイズや自由層の磁区の発生によるバルクハウゼンノイズが知られている。ジョンソンノイズやショットノイズは抵抗に依存するため、ヘッド抵抗の低減がノイズ低減のための有効な手段であり、高いMR比と低い電気抵抗を実現する磁気抵抗効果膜の開発が進められている。バルクハウゼンノイズは自由層磁化が磁区を持つことにより発生するノイズであり、磁気抵抗効果ヘッドに設けられた磁区制御層により、発生を抑制できる。
IEEE Trans. Magn., 41, 2307 (2005)
しかし、近年、磁気抵抗効果ヘッドのノイズは、上記ノイズの他に自由層磁化が熱的に揺らぐことにより生じるノイズ(マグノイズ)が問題として顕在化してきている。マグノイズ(Nmag)は、理論的に次式から計算することができる(K. B. Klaassen, X. Xing and J. C. L. Peppen: IEEE Trans. Magn., 41, 2307 (2005))。
Figure 0005570757
ここでΔRは磁気センサの最大抵抗変化量、Hstiffは磁気センサが受ける実効的な磁区制御磁界、kBはBoltzman定数(=1.38×10-23J/K)、Tは素子温度、αはGilbert damping定数、μ0は真空の透磁率、Msは自由層の飽和磁化、Vは自由層の体積、そしてγ(=2.78×103m/As)はジャイロ磁気定数である。このモデルは自由層内の磁化が全て一様に振動しているという仮定に基づいている。実際、磁気抵抗効果膜の膜特性は膜面内でほとんど均一であるので、式(1)が成立する。
このマグノイズノイズの特徴は、自由層体積の平方根に反比例すること、及び、再生出力に比例することである。一つ目の特徴は、記録密度の増加とともに磁気センサ、すなわち自由層体積も小さくなるとマグノイズが本質的に増大することを意味している。2つ目の特徴は、再生出力が増大するとマグノイズも比例して増大するために、ヘッドSNRはある最大値で飽和してしまうことを意味している。
近年、磁気記録再生装置に搭載されつつあるTMRヘッドに代表されるCPP型磁気抵抗効果ヘッドのMR比の向上は著しいが、同時にマグノイズも急激に増加してきている。このためヘッドSNRは理論的に予測される飽和値に近づいている。つまり、従来のCIP型磁気抵抗効果ヘッドではMR比は高くなかったためマグノイズは問題ではなく、MR比を向上することがヘッドSNR向上のための重要課題であったのに対し、近年のMR比が高いCPP型磁気抵抗効果ヘッドでは、再生出力を低下させることなくマグノイズを低減することが最も重要である。
しかし、再生出力を低下させることなくマグノイズを低減することは非常に難しい。例えば、式(1)よりマグノイズはHstiffに反比例するため、磁区制御磁界を強くするとマグノイズは低減するが、利用率もHstiffに反比例するため、再生出力はマグノイズに比例して低下してしまい、ヘッドSNRは向上しない。同様の理由により、自由層の膜厚やMsを増加させてもマグノイズは低下するが、利用率も低下するため、ヘッドSNRは向上しない。このように、マグノイズと利用率は本質的にトレードオフの関係にあるため、再生出力を低下させることなく、マグノイズを低減する有効な手段はほとんど存在しないのである。
本発明は、CPP型磁気抵抗効果ヘッドにおいて再生出力の低下を招くことなくマグノイズを低減するものである。
本発明では、CPP型磁気抵抗効果ヘッドにおける磁気抵抗効果膜の微小化と、CPP型磁気抵抗効果ヘッドの再生出力の増大に伴うマグノイズの増大によるヘッドSNRの低下を解決し、高記録密度化を実現するために、以下の手段を用いる。
磁気抵抗効果ヘッドのセンサ膜としてCPP型磁気抵抗効果膜を用いる。磁気抵抗効果膜の上下には電流を通電するための一対の電極と一対の磁気シールドを設ける。また、磁気抵抗効果膜のトラック幅方向の両端には、自由層磁化を単磁区化するための磁区制御層を設け、磁区制御層と磁気抵抗効果膜の間には非磁性絶縁体層を設ける。このような磁気抵抗効果型ヘッドについて、本発明ではさらに、以下の構成を採用する。
磁気抵抗効果膜の磁区制御層から自由層に印加される磁界が、自由層の浮上面(Air bearing surface:ABS)に近い部分よりも遠い部分の方が強くなるように磁気抵抗効果ヘッドを構成する。ここで、浮上面とは、磁気抵抗効果ヘッドにおいて磁気記録媒体に近接し対向する面のことである。
より具体的には、本発明の磁気抵抗効果ヘッドは、CPP型磁気抵抗効果膜と、CPP型磁気抵抗効果膜の膜厚方向の上下に設けられた一対の電極及び一対の磁気シールドと、自由層のトラック幅方向の両側に設けられた磁区制御層と、自由層と磁区制御層間に設けられた非磁性領域とを有し、自由層に印加される磁区制御層からの印加磁界がABS近傍よりも素子高さ方向の上部の方が強いことを特徴とする。一対の電極は、一対の磁気シールドが兼用してもよい。
さらに、上記要件を満たすための具体的な構成として、以下の7例を挙げる。
(1)ABS近傍における磁気シールド間隔が、素子上部における磁気シールド間隔よりも小さい磁気抵抗効果ヘッド。
(2)ABS近傍における磁区制御層の膜厚が、素子上部における磁区制御層の膜厚よりも薄い磁気抵抗効果ヘッド。
(3)ABS近傍において自由層に接する領域における絶縁層のトラック幅方向の膜厚が、素子上部において自由層に接する領域における絶縁層のトラック幅方向の膜厚よりも厚い磁気抵抗効果ヘッド。
(4)(1)の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、特にCPP型磁気抵抗効果膜と上部磁気シールド間に少なくとも1層からなるキャップ層を有し、磁気記録媒体から近い位置におけるキャップ層の膜厚が、磁気記録媒体から遠い位置においるキャップ層の膜厚よりも薄い磁気抵抗効果ヘッド。
(5)(2)において、磁区制御層の上面が傾斜し、磁区制御層の膜厚が磁気記録媒体から遠ざかるにしたがい上部磁気シールド側に厚くなる磁気抵抗効果ヘッド。
(6)(2)において、磁区制御層の下面が傾斜し、磁区制御層の下端位置が磁気記録媒体から遠ざかるにしたがい基板側に近づく磁気抵抗効果ヘッド。
(7)(2)において、磁区制御層の上面及び下面が傾斜し、膜厚が磁気記録媒体から遠ざかるにしたがい上部磁気シールド側に厚くなり、かつ、磁区制御層の下端位置が磁気記録媒体から遠ざかるにしたがい基板側に近づく磁気抵抗効果ヘッド。
以上の構成において、自由層の浮上面から最も遠い領域に磁区制御層から印加される磁界の大きさが、浮上面から最も近い領域に印加される磁界の1.4倍以上の大きさであると、マグノイズ低減に効果的である。
本発明によると、再生出力を低下させることなくマグノイズを低減することにより、ヘッドSNRを向上させることが可能になり、高記録密度を実現する。
本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドをABSから見た斜視図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た素子高さ方向上部における断面図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図。 自由層の素子上部と浮上面近傍に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAと素子上部の浮上面近傍における自由層の中心と上部磁気シールド間の距離の比SH/SAの関係を示す図。 自由層の素子上部と浮上面近傍に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAとヘッドSNRの関係図。 磁気記録媒体から磁界が印加されたときの自由層内の磁化状態の模式図。 磁気記録媒体から自由層に印加される磁界の素子高さ位置依存性を示す図。 本発明と従来構造におけるマグノイズと利用率の関係を示す図。 本構成例と従来構成例におけるヘッドSNRと磁区制御磁界の自由層全域の平均値の関係を示す図。 再生ヘッドの製造方法を模式的に示す説明図。 図10に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図11に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図12に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図13に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図14に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図15に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図16に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図17に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図18に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドをABSから見た斜視図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドを素子高さ方向上部で見た断面図。 自由層の素子上部とABS近傍に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAと素子上部における磁区制御層の膜厚HHとABS近傍における磁区制御層の膜厚HAの比HH/HAの関係を示す図。 図13に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図24に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 図25に続く再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドをABSから見た斜視図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドを素子高さ方向上部で見たる断面図。 素子上部とABS近傍の自由層に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAとABS近傍と素子上部の絶縁層の膜厚の比ReA/ReHの関係を示す図。 再生ヘッドの製造方法を模式的に示す説明図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドを素子高さ方向上部で見た断面図。 再生ヘッドの製造方法を示す説明図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図。 本発明の磁気抵抗効果ヘッドを素子高さ方向上部で見た断面図。 垂直記録用記録再生分離型磁気ヘッドの構成例を示す図。 磁気記録再生装置の概略図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。理解を容易にするため、以下の図において同じ機能部分には同一の符号を付して説明する。
図1は、本発明の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た斜視図である。磁気抵抗効果ヘッドは、磁気抵抗効果膜1、磁区制御層2、磁気抵抗効果膜1と磁区制御層2の間に設けられた絶縁層3、下部磁気シールド4、上部磁気シールド5、下部キャップ膜6及び上部キャップ膜7を有する。磁気抵抗効果膜1は、自由層11、中間層12、固定層13を有する。図示した構成例では磁気抵抗効果膜1を一つだけ有するが、磁気抵抗効果膜を2つ直列に接続し、個々の磁気抵抗効果膜の差分出力を検出する、所謂差動型再生ヘッドとしても本発明の趣旨を損なうものではない。本実施例では、上下磁気シールド4,5は電極を兼ねている。本実施例の特徴は、素子高さ方向上部の上下磁気シールド間距離SHがABS近傍における上下磁気シールド間の距離SAよりも大きい点である。磁気シールド間距離が大きいほど、磁区制御層2から下部磁気シールド4又は上部磁気シールド5へ流れる磁束の量は低下するので、自由層11へ印加される磁区制御磁界は強くなる。つまり、本実施例の磁気抵抗効果ヘッドの自由層11の素子高さ方向上部近傍における磁区制御層2から印加される磁区制御磁界HBHは、浮上面近傍における磁区制御磁界HBAよりも大きくなり、磁気抵抗効果ヘッド全体のマグノイズを低減することができる。マグノイズ低減効果についての詳細な説明は後述する。
図2と図3に、本実施例の磁気抵抗効果ヘッドのABSと素子高さ方向上部における断面図を示す。図2はABS側の図、図3は素子高さ方向上部における断面図である。
磁気抵抗効果膜1は基本的に、自由層11/中間層12/固定層13から構成され、外部磁界によって自由層の磁化が回転し、電気抵抗が変化する特徴を持つ。固定層は一般的には、反強磁性層134/第1固定層133/反平行結合層132/第2固定層131、のような構造である。反強磁性層134は第1固定層133の磁化を実質的に固定するための交換結合バイアスを印加するものであって、第1固定層133に密着して形成するか、あるいは間接的に磁気的結合を経て効果をもたらしてもよい。あるいは反強磁性層134の替わりに他のバイアス印加手段、例えば、硬磁性膜の残留磁化を用いたり、電流バイアスを用いたりしてもよい。本実施例では、固定層13は第1固定層133と第2固定層131が反平行結合層132を介してお互いの磁化が反平行になるように結合した、積層フェリ固定層であり、その結合は感知すべき磁場に対して十分に大きい。固定層13は反強磁性層134/第1固定層133だけからなる所謂、単層固定層であっても何ら問題はない。
第2固定層131、第1固定層133には、例えばCoFe合金、NiFe合金、CoFeB合金、CoMnGeホイスラー合金、CoMnSiホイスラー合金、CoCrAlホイスラー合金、CoFeAl合金の単層膜、あるいはこれらを組み合わせた積層膜を用いてもよい。第2固定層131と第1固定層133に同一材料を使用しても良いし、異なる材料を用いても良い。反平行結合層132には、厚さを適切に選んだRu,Ir,Cr,Rh,Re,Os,Ptなどの材料を用いれば良い。
自由層11は感知すべき磁場に対応して磁化の方向を変化させる。感知すべき磁場に対応して方向を変化させる自由層11の磁化と感知すべき磁場に対して固定している固定層あるいは第2の固定層131の磁化の相対角度により出力が発生する。中間層12には磁気抵抗効果を発生させるためにCu,Au,Ag,あるいはこれらの合金を用いてもよい。又はトンネル磁気抵抗効果を発生させるためにアルミナ、チタン酸化物、MgOなどの絶縁材料を用いても良い。自由層11は、例えばCoFe合金やNiFe合金の積層膜、CoFeB合金やCoMnGeホイスラー合金、CoMnSiホイスラー合金、CoCrAlホイスラー合金、CoFeAl合金の単層膜、あるいはこれらを組み合わせた積層膜を用いることができる。また、自由層11は、第1の自由層と第2の自由層が反平行結合層を介してお互いの磁化が反平行になるように結合した、積層フェリ自由層を用いても良い。
磁気抵抗効果膜1のトラック幅方向の両側には磁区制御層2を設ける。磁区制御層2は、CoPt合金やCoPtCr合金で形成されるが、自由層11を単磁区化するために十分な飽和磁化を有してさえいれば、特に材料に特別な制限があるわけではない。なお、CoPt合金やCoPtCr合金等の合金の結晶構造は、面心立方構造と稠密六方構造の混相となるのが一般的である。本実施例においては、磁区制御層2の膜厚方向の中心と自由層1の膜厚方向の中心が概ね一致していることが好ましいが、中心位置が異なっていたとしても自由層11を単磁区化するために十分な磁界が印加されてさえすれば、磁気抵抗効果ヘッドの性能に特に大きな影響があるわけではない。
磁区制御層2と磁気抵抗効果膜1との間には絶縁層3を形成する。絶縁層3は絶縁材料で形成され、Al23,SiO2,AlN,SiNやこれらの混合物及び多層膜を用いることで、下部磁気シールド4と上部磁気シールド5の短絡を防止する。これらは、スパッタ法で形成するのが簡便で好ましい。
下部磁気シールド4と下部磁気シールド5としては、Ni−Fe合金及びその窒化物、Co−Zr又はCo−Hf又はCo−Ta系非晶質合金等の単層又は多層膜を用いればよい。これらは、スパッタ法やめっき法で形成するのが簡便である。磁気シールドは高線記録密度における感知すべきビット以外からの漏洩磁界の影響を低減する役割を担い、高線記録密度化による再生出力の減衰を低減する。したがって、磁気シールド間隔が小さいほど磁気抵抗効果ヘッドとしての分解能は向上する。なお、素子高さ方向上部では隣のビットからの静磁界の影響は小さいので、分解能は浮上面近傍の磁気シールド間隔によってほとんど決定される。
下部キャップ層6及び上部キャップ層7は、Ta,Cu,Au,Rh,Ruなどの導電性単体金属もしくはこれらの合金から形成される。本実施例では上部キャップ層の膜厚が浮上面近傍と素子高さ方向上部で意図的に異なるように成膜しており、浮上面近傍における自由層11の中心と上部磁気シールド5間の距離SAUと、素子高さ方向上部における自由層1の中心と上部磁気シールド5間距離SHUは以下の関係を持つように上部キャップ層7を構成する。
HU>SAU …(2)
図4に、自由層の素子高さ方向上部と浮上面近傍に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAと、素子高さ方向上部と浮上面近傍における自由層11の中心と上部磁気シールド5間の距離の比SHU/SAUの関係を示す。磁区制御磁界はトラック端部で強く中央に近づくにしたがい減衰するので、HBHとHBAはトラック幅方向の平均値と定義する。また、HBHとHBAは、有限要素法により計算して求めている。
図4から、式(2)を満たすことにより、
HBH>HBA …(3)
の関係を実現できることが分かる。また、SHU/SAUを大きくするほどHBHとHBAに大きな差を設けることができる。
本実施例において、マグノイズ低減による十分なヘッドSNR向上効果が得られるHBH/HBAの条件について説明する。図5にヘッドSNRとHBH/HBAの関係を示す。ここで従来構造とは、SHU=SAUの構造である。図5から、本実施例により従来構造と比較して十分なヘッドSNR向上効果が得られるHBH/HBAの範囲としては1.4以上が適切である。HBH/HBAが1.4以上の時には、ヘッドSNRの増加割合は小さいため、1.4以上であれば磁気抵抗効果ヘッドの性能に大きな差が生じるわけではない。同様に、HBH/HBAの上限値についてもヘッドSNRの観点からの特別な制限があるわけではないが、HBAは十分に磁区制御が可能な程度の大きさを確保する必要があり、300から600Oe以上の大きさであることが好ましい。
本実施例により得られる効果を表1に示す。
Figure 0005570757
図2、図3に示した実施例ではSHU/SAUは2.5であり、SHUは10nm、SAUは4nmである。このとき、HBAUは600Oe、HBHUは1300Oeであり、HBH/HBAは2.2となり、本発明に必要なHBH/HBAが1.4以上必要という条件を満たす。ここで本実施例と比較する従来構造例の構成は、本発明構造とはSHUがSAUと等しい点のみが異なっており、ABS及び素子高さ方向上部における構成は等しく、ABS及び素子高さ方向上部の何れも図2で示した断面図となる構成である。本実施例による磁気抵抗効果ヘッドのヘッドSNRは約30dBであるのに対し、従来構造の磁気抵抗効果膜のヘッドSNRは28dBであり、ヘッドSNR向上効果が確認できる。表1では通常の磁気抵抗効果ヘッドにおいてもHBH/HBAが1.1と1.0より大きくなっているが、これは実際の磁気抵抗効果ヘッドの浮上面近傍の磁区制御磁界は反磁界の影響により素子高さ方向上部よりも1割程度低下しているためである。しかし、この程度の磁区制御磁界の強度差が、ヘッドSNRやマグノイズに与える影響は小さい。
前述したように、ヘッドSNR向上やマグノイズ低減にはHBH/HBAが1.4以上であることが好ましい。本実施例の構造において、HBH/HBAを1.4以上にするためには、図4から、SHU/SAUが1.3以上の構成が好ましい。SHU/SAUの上限値としては、HBH/HBAの上限値の観点からは特に制約があるわけではないが、製造プロセスの観点から10以下が現実的に製造できる範囲である。
本発明により再生出力の低下を招くことなくマグノイズを低減することができるメカニズムについて説明する。初めに、通常の磁気抵抗効果ヘッドであれば、マグノイズの大きさはABS近傍と素子高さ方向上部において等しい。なぜならば、磁気抵抗効果膜の磁気特性は膜面内でほとんど一様であり、また、磁区制御層の膜厚や磁区制御層と自由層間の距離は素子高さ方向位置によらず等しいため、式(1)のHstiffも素子高さ方向の位置にはほとんど依存しないためである。一方で、ABS近傍の自由層磁化は出力に大きく寄与しているのに対し、素子上部の磁化は出力にはほとんど寄与していない。
図6は、磁気記録媒体から磁界が印加されたときの自由層内の磁化状態の模式図である。ABS近傍における自由層磁化の回転角度は大きいのに対して、素子高さ方向上部の自由層磁化はほとんど回転していないことが分かる。つまり、素子高さ方向上部の自由層磁化はABS近傍の自由層磁化と比較するとほとんど利用率には寄与していない。これは、図7の磁気記録媒体から自由層に印加される磁界の素子高さ位置依存性から分かるように、磁気記録媒体から自由層へ印加される磁界の大きさは、磁気記録媒体表面から遠ざかるほど、指数関数的に減衰するためである。したがって、素子高さ方向上部の自由層磁化のマグノイズはABS近傍と等しく発生しているのにも関わらず利用率への寄与は小さく、素子高さ方向上部の領域はSNRが低い領域であるといえる。本発明では、このマグノイズと利用率の素子高さ方向位置依存性に着目し、素子高さ方向上部の自由層に印加する磁区制御磁界をABS近傍において印加される磁界よりも大きくなる構造を用いる。これにより、出力への寄与がほとんどない素子高さ方向上部のマグノイズを大幅に低減することができ、磁気抵抗効果ヘッド全体として出力の低下を抑制しつつ、マグノイズを低減できるのである。
さらに、本発明は磁気シールド間隔が狭い磁気記録再生ヘッドに適用するほど、ヘッドSNR向上効果が大きくなる。これは、図7から分かるように、素子高さ方向上部における磁気記録媒体磁界の減衰率は磁気シールド間隔が狭い程大きくなるため、磁気シールド間隔が狭い磁気記録再生ヘッドほど、素子高さ方向上部におけるSNRの低下が大きいためである。前述したように、磁気シールド間隔の狭小化は分解能の向上、すなわち線記録密度の向上には不可欠であり、本発明は分解能の向上とヘッドSNRの向上という磁気記録再生装置に最も重要な要求を同時に満たすことができる。
図8に、本実施例の構造と従来構造におけるマグノイズと利用率の関係を示す。利用率とは、自由層磁化が磁気記録媒体からの印加磁界によりどれだけ回転するかを示す指標であり、磁区制御層から自由層に印加される磁界の大きさに比例する。利用率は磁区制御層から印加される磁界の大きさに依存するので、利用率を変化させるために、絶縁層3の膜厚を素子高さ方向に一様に、3nm、4nm、5nmと変化させることで磁区制御層からの磁界の大きさを変化させている。図8から、本実施例及び従来構成例ともに利用率の増加とともにマグノイズが増加するが、同じ利用率の時には本実施例の方がマグノイズは小さく、本発明によるマグノイズ低減効果が確認できる。
図9に、本実施例と従来例におけるヘッドSNRと磁区制御磁界の自由層全域の平均値の関係を示す。本実施例では、磁区制御磁界の大きさに依らず、従来例よりも高いヘッドSNRが実現できる。ヘッドSNRが磁区制御磁界の大きさに依存しないのは、マグノイズが利用率、すなわち再生出力に比例し、かつ、本条件におけるマグノイズは電気的ノイズよりも十分に大きいためである。したがって、本実施例の構造では磁区制御磁界の大きさには依らず、ヘッドSNRを向上することができるのである。
最後に、式(1)を満たすことができる、再生ヘッドの製造方法の例を詳しく説明する。磁気抵抗効果ヘッドはAlTiC(アルミナ−チタンカーバイド)基板上に微細加工技術を使って形成するが、特に再生ヘッド部分のプロセスフロー模式図を図10から図19
に示す。各図において、右側の図(b)はABSから見た断面図であり、左側の図(a)はこれに垂直にウエハ状態で上面に相当する側から見た図である。
図10は、パーマロイからなる下部磁気シールド層4を形成し、その上に多層膜のスピンバルブ型磁気抵抗効果膜1を成膜した段階の図である。まず、素子高さパターンの加工を先に行う。図11に示すように、ホトレジスト21を塗布し、ホトリソグラフィによって素子高さパターン22を形成する。ホトレジスト21は、後のリフトオフ工程での剥離性を考慮して下層が剥離層の機能を有する2層レジスト構成を用いる。続いて、イオンミリングを用いてホトレジストをマスクとして磁気抵抗効果膜を除去し、絶縁膜として例えばアルミナ23を堆積した段階が図12である。リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜を除去すると図13の状態となる。
次に、トラック幅パターン24を形成する。図14に示すようにホトリソグラフィを用いて、先の素子高さの場合と同様に、ホトレジストでトラック幅パターンを形成する。これをイオンミリングにより素子に転写する。不要な磁気抵抗効果膜と絶縁膜を除去した後、磁気抵抗効果膜側壁の絶縁膜としての薄いアルミナからなる絶縁層3と、磁区制御層2を堆積すると図15の状態となる。リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜及び磁区制御層を除去すると図16の状態となり、再生センサの基本構造が完成する。ここまでは磁気抵抗効果ヘッドの加工に一般的に使われているプロセスである。なお、この例では素子高さパターンを先に加工し、続けてトラック幅パターンを加工したが、逆にトラック幅、素子高さ、の順で加工する方法もある。
再生センサの基本構造の完成後、上部キャップ層及び上部磁気シールドの形成を行う。本構成例では、ABSより素子上部での磁気シールド間隔が広くなるように、上部キャップ層及び上部磁気シールドを形成する。
図16に示した再生センサの基本構造の完成後、上部キャップ層71を一様に堆積すると図17の状態になる。図17(c)は図17(b)と180度反対方向、すなわち素子高さ方向最上部から見た磁気抵抗効果ヘッドの断面図である。次に、素子高さ方向上部にだけ上部キャップ層72を堆積すると、図18の状態になる。図18(b)はABS側の断面図、図18(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。図18(d)は図18(a)や図18(b)に対して90度の方向から見た断面図であり、キャップ層に段差が生じる構造となる。上部キャップ層72は、まず一様な膜を堆積した後、ホトリソグラフィを用いて所望の部分のみレジストを形成し、このレジストをマスクにイオンミリングによりABS側の不要な膜を除去する方法で部分的なキャップ層72を形成する。また、マスクのレジスト端面に末広がりの順テーパーが形成されるレジストを用いる方法、もしくはイオンミリングのイオン入射角を例えば垂直から50度といった斜め入射条件とする方法を用いて、キャップ層72の端面に順テーパーを形成する。これによりキャップ層の上に堆積される上部磁気シールドの段差が緩和され、信頼性低下につながる磁気シールド中の磁区発生を抑止することができる。この後、上部磁気シールドを堆積すると図19の状態になり、素子上部における磁気シールド間隔をABSよりも広げることが可能になる。図19(b)はABS側の断面図、図19(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。
補足として、式(2)を満たすためにキャップ膜厚に差を設けるその他の方法3種類についても記載する。
1つめの方法として、上部キャップ層71と上部キャップ層72をウエハ全面一様に堆積した後、キャップ層72を非対称な方向性ミリングによって膜厚に傾斜をもたせて部分的に除去する方法がある。非対称な方向性ミリングには、ミリング時のウエハ回転を360度回転ではなくある角度範囲内で往復運動してイオン入射方向を限定するスイングミリングと、360度回転中にある角度範囲内のみでイオン引き出し電圧を印加してイオン入射方向範囲を限定するパルスミリングなどの方法がある。限定角度範囲としては±90度から±30度の範囲を用いる。上部キャップ層72の堆積後に、前記の素子高さ上部側に非対称に入射方向を限定するミリングを用いて、ホトリソグラフィにより形成した素子上部側に近接させたレジストパターンをマスクとして、素子高さ方向上部側を中心として±45度の範囲から限定してイオンを入射するミリングを行うと、マスクにさえぎられるシャドウ部が削られないために、結果として素子高さ方向上部とABS側にキャップ層72の膜厚差を設けることができる。この非対称な方向性ミリングを用いる方法は、通常の360度回転ミリングに比較して膜厚に、より緩やかな傾斜をマスク端から遠方まで設けられる。このため、レジストパターンを素子上部から離間することも可能で、膜厚傾斜設計の自由度を増加できる長所がある。
2つめの方法として、素子高さ上部絶縁膜の形成時に、レジストアンダーカットによりキャップ膜厚に差を設ける方法がある。図11に示した素子高さパターン22の形成工程において、ホトレジスト21としてレジストアンダーカットを形成できる2層以上のレジストを用いる。ここでは基板側から、剥離層、アンダーカットレジスト層、表面レジスト層の3層構成とする。このとき、上層のホトレジストに対して下層のアンダーカットレジスト層は現像時に寸法が縮小しアンダーカット部が形成される。この後、前記の例と同様に磁気抵抗効果膜を除去した後、絶縁膜のアルミナ23を堆積する。アンダーカット部があるためにアルミナはレジストの端部では磁気抵抗効果膜上に乗り上げた形で堆積される。この後リフトオフを行うと、素子上部端でアルミナが一部乗り上げた形状を残したままレジスト上のアルミナは除去される。この後は前記の例と同様の工程を経てトラックパターンを形成し、キャップ層71及びキャップ層72、上部磁気シールドを順に堆積する。この結果、素子上部端ではアルミナが磁気抵抗効果膜に乗り上げているために磁気抵抗効果膜と上部磁気シールドの間隔がABSよりも離間し、式(2)を満たす構造が形成される。この方法の場合には新たなホトリソグラフィ工程の追加は不用で、ホトリソグラフィ工程のレジスト材料と構成を変更するだけで良いためプロセスコスト、製造時間の増加が少ない長所がある。
3つめの方法は、2つめの方法の変形例に相当する。図11に示した素子高さパターン22の形成工程において、パターンを形成したホトレジスト21をマスクとして磁気抵抗効果膜を除去した段階で、絶縁膜のアルミナ23を堆積する前に、ホトレジスト21のトリミング工程を追加する。トリミングには酸素プラズマアッシャもしくはリアクティブイオンエッチング(RIE)を用いる。トリミング加工によってホトレジストは所望の量だけ表面から後退、縮小した形状となる。この後は2つめの方法と同様に絶縁膜のアルミナ23を堆積する。アルミナ23は磁気抵抗効果膜上に乗り上げた形となるために、2つめの方法と同様に磁気抵抗効果膜と上部磁気シールドの間隔をABSよりも離間できる。この3つめの方法ではホトレジストの後退量をトリミング条件によって2つめの方法よりも自由に設定できる長所がある。
以上のような、構成、加工プロセスを用いることで、ABSよりも素子上部における磁気シールド間隔が広く、ABSよりも素子上部における磁区制御磁界が強い磁気抵抗効果ヘッドを実現することが可能となり、マグノイズ低減効果によりヘッドSNRが向上する。
本発明による磁気抵抗効果ヘッドの別の構造例を説明する。図20に、実施例2の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た斜視図を示す。図21は本実施例の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た断面図、図22は、素子高さ方向最上部で見た断面図である。本実施例は磁区制御層2と上部キャップ膜7の構成以外は実施例1の構成例と同じであるので、実施例1と重複する構成、効果についての詳細な説明は省略する。
本実施例の特徴は、磁区制御層2の素子高さ方向上部における膜厚HHがABS近傍における膜厚HAよりも厚いことである。図23に自由層11の素子高さ方向上部に印加される磁区制御磁界HBHとABS近傍に印加される磁区制御磁界HBAの比HBH/HBAと、素子高さ方向上部における磁区制御層2の膜厚HHとABS近傍における磁区制御層の膜厚HAの比HH/HAの関係を示す。本実施例では、素子高さ方向上部における磁区制御層2の膜厚がABS近傍よりも厚く、また、必然的に素子高さ方向上部における磁気シールド間隔もABS近傍よりも大きくなるので、HH/HAとともにHBH/HBAは増加する。
実施例1と同様に、マグノイズ低減によるヘッドSNR向上効果が顕著に得られる条件としてHBH/HBAは1.4以上が好ましいことと、図23のHBH/HBAとHH/HAの関係から、HH/HAは1.2以上が好ましい。HH/HAの上限値には特に制限があるわけではないが、製造プロセスの観点から10以下程度が現実的に歩留まり良く製造できる範囲である。
本実施例の具体的な構成と再生特性の向上効果を表2に示す。表2には、比較のために従来構造例も示している。従来構造例は、実施例1に示した従来構造例と全く同一である。本実施例でも実施例1と同様に、従来構造例よりもヘッドSNRを2dB向上することが可能である。本実施例では、磁区制御層の膜厚と磁気シールド間隔の両方に素子高さ方向上部からABSにかけての傾斜があるので、実施例1よりも小さい膜厚差で大きなHBH/HBAが得られる特徴がある。
Figure 0005570757
以下に、本実施例の磁気抵抗効果ヘッドを作成するための具体的な加工プロセスについて説明する。本実施例の構成を実現するための手段は、大別すると2つある。1つ目は、磁区制御層を堆積する時に一方向から堆積し膜厚傾斜をつける方法、2つ目は、実施例1と同様に磁区制御層の堆積を均一に行った後に、磁区制御層をリフトオフにより削り落とす際に、一方向性ミリングにより磁区制御層膜厚に傾斜をつける方法である。
1つ目の方法は、実施例1の図14に示すようにホトレジストでトラック幅パターンを形成し、イオンミリングにより素子に転写した後、不要な磁気抵抗効果膜と絶縁膜を除去するまでの工程は、実施例1と全く同じである。この後に、磁気抵抗効果膜側壁の絶縁膜としての薄いアルミナからなる絶縁層3を堆積し、磁区制御層2を方向性IBD(Ion Beam Deposition)により一方向から堆積することにより膜厚傾斜をつけると、図24のようになる。図24(b)はABS側の断面図、図24(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。ここで、トラック幅パターンのマスクは、図24(a’)のようにしても良い。
なお方向性IBDは、実施例1で説明した方向性ミリングと原理的に類似の方法でイオンビームの入射角度範囲を限定する。但し、堆積なのでビーム入射はミリングとは反対側から行う。イオンビームによる磁区制御層堆積時のウエハ回転を、360度回転ではなくある角度範囲内で往復運動してイオン入射方向を限定する方法と、360度回転中にある角度範囲内のみでイオン引き出し電圧を印加する方法がある。限定角度範囲としてはABS側を中心として±90度から±30度の範囲を用いる。ホトレジストによるトラック幅パターンのシャドウ部ではビームが堆積されにくい性質を利用して、図24に示すトラック幅パターンのABS側のレジストに近接しているABS側から素子高さ方向上部に向けた磁区制御層に膜厚のテーパーを形成できる。図24の膜厚傾斜は、ABS側を中心に±45度の範囲から限定してイオンビームを入射して形成した。
次に、リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜及び磁区制御層を除去すると図25の状態となり、再生センサの基本構造が完成する。図25(b)はABS側の断面図、図25(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。この後、上部キャップ層と上部磁気シールド層を均一に堆積する。その結果、図26のようになる。図26(b)はABS側の断面図、図26(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。
2つ目の方法は、磁区制御層2を堆積するまでの工程は実施例1と同じであり、図15のようになる。次に、素子高さ方向上部から一方向性ミリングを行うと磁区制御層に膜厚差が付き、図24(b)(c)のようになる。方向性ミリングの方法は、実施例1で説明したのと同様のスイングミリングを用いる。もしくはパルスミリングを用いることもできる。トラック幅パターンの素子高さ方向上部側のレジストのシャドウを利用して方向性ミリングを行い、素子高さ方向上部の磁区制御層に膜厚のテーパーを形成する。その後は、リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜及び磁区制御層を除去し、均一に上部キャップ層と上部磁気シールドを堆積する。この方法は1つ目の方法に対して、ミリングによる除去で膜厚傾斜を形成するので、均一な磁気特性の膜を堆積した後、不要部のみを除去できるため、原理的に磁区制御層の磁気特性を良好に保てる長所がある。
本発明による第3の実施例について説明する。図27に、本実施例の磁気抵抗効果ヘッドをABSから見た斜視図を示す。図28は本実施例のヘッドをABSから見た断面図、図29は素子高さ方向最上部から見た断面図である。本実施例の特徴は、絶縁層3の膜厚が素子高さ方向に変化していることである。それ以外の構成は、実施例1とは、素子高さ方向に磁気シールド間隔が変化していないことを除いて同じであり、実施例2の構成とは素子高さ方向に磁区制御層の膜厚が変化していないことを除いて同じであるので、実施例1と重複する構成、効果についての詳細な説明は省略する。
本実施例の特徴は、磁区制御層2の素子高さ方向上部における絶縁層3の膜厚ReHがABS近傍における膜厚ReAよりも薄いことである。図30に、素子高さ方向上部とABS近傍の自由層11に印加される磁区制御磁界の比HBH/HBAと、ABS近傍と素子上部の絶縁層3の膜厚の比ReA/ReHの関係を示す。本実施例では、素子高さ方向上部の方がABS近傍よりも磁区制御層2と自由層11の距離が小さくなるので、素子高さ方向上部において自由層に印加される磁区制御磁界の方が、ABS近傍よりも増加する。実施例1で説明したように、HBH/HBAは1.4以上の構成が好ましく、本実施例では図30より、ReA/ReHを1.3以上になるように形成することが好ましい。また、ReA/ReHの最大値は20程度以下であることが好ましい。この理由は、絶縁層3の膜厚は、ABS近傍における磁区制御磁界を自由層が安定に動作する程度に確保する観点から10nm以下が好ましく、また、プロセス加工ダメージによる耐久性の観点から0.5nm以上あることが好ましいからである。
以上のような構成とすることにより、実施例1や実施例2と同様に、ヘッドSNRを約30dBにすることができ、従来構造よりも約2dB向上できる。本実施例で制御する絶縁層膜厚は最も磁区制御磁界に敏感なため、数ナノメートルの膜厚差で明確な効果が現れるため、実施例1や実施例2と比較してABS側と素子高さ方向上部側での構造に大きな差異をつける必要がないという特徴がある。
以下に、本実施例のヘッドを製造するための具体的な加工プロセスについて説明する。本実施例のヘッドも、実施例2と類似の加工プロセスを絶縁層3の加工時に適用することにより製造でき、大別すると2通りの方法がある。1つ目は、絶縁層3を堆積する時に一方向から堆積し膜厚傾斜をつける方法、2つ目は、絶縁層3の堆積を均一に行った後に、一方向性ミリングにより一方向から削り返すことにより傾斜をつける方法である。
1つめの方法は、実施例1の図14に示すようにホトレジストでトラック幅パターンを形成し、イオンミリングにより素子に転写した後、不要な磁気抵抗効果膜と絶縁膜を除去するまでの工程は、実施例1と同じである。この後に、磁気抵抗効果膜側壁の絶縁膜としての薄いアルミナからなる絶縁層3を堆積する際に、前記の実施例と同様に方向性IBD(Ion Beam Deposition)により素子高さ方向上部から堆積することにより膜厚傾斜を付け、磁区制御層2を堆積すると図31のようになる。図31(b)はABSから見た断面図であり、図31(c)は素子高さ方向上部における断面図である。その後は、リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜及び磁区制御層を除去し、上部キャップ層と上部磁気シールド層を均一に堆積する。
2つめの方法は、絶縁層3を一様に堆積するまでの工程は実施例1や実施例2と同じであり、その後、絶縁層3をABS側からこれも前記の実施例と同様に一方向性ミリングを行うことにより削り返すと、絶縁層3の膜厚に傾斜ができる。その後は、均一に磁区制御層2を堆積し、リフトオフにより磁気抵抗効果膜上部のレジストと絶縁膜及び磁区制御層を除去し、上部キャップ層と上部磁気シールド層を均一に堆積する。
本発明による第4の実施例について説明する。本実施例による磁気抵抗効果ヘッドをABSと素子高さ方向最上部から見た断面図をそれぞれ図32と図33に示す。実施例2では磁区制御層の上面をABS近傍から素子高さ方向上部にかけて上部磁気シールド側に傾斜させることによって磁区制御層の膜厚をABSより素子高さ方向上部で厚くしていたのに対し、本実施例は、磁区制御層の下面を基板側に向かって傾斜させることによって磁区制御層の膜厚をABSより素子高さ方向上部で厚くしたことが特徴である。それ以外の構成は実施例1で説明した従来構造例と同じであるので、実施例1の説明と重複する構成、効果についての詳細な説明は省略する。本実施例においても、実施例2の構成と同様に磁区制御層の膜厚がABS近傍よりも素子高さ方向上部において厚いので、素子上におけるマグノイズを効果的に低減できる。従って、本実施例においても、従来構造例よりもヘッドSNRを約2dB向上することが可能である。
以下に、本実施例のヘッドを製造するための具体的な加工プロセスについて説明する。図14に示すようにホトリソグラフィを用いて、先の素子高さの場合と同様に、ホトレジストでトラック幅パターンを形成するまでの工程は従来構造と同様である。その後、トラック幅パターンをイオンミリングにより素子に転写する際に、ABS側から一方向性ミリングを行うことにより、下部磁気シールドの掘り込み量に傾斜ができ、図34のようになる。図34(b)はABS側の断面図、図34(c)は素子高さ方向上部側の断面図である。その後は、通常の構造と同様に均一に絶縁層と磁区制御層を堆積する。
本発明による第5の実施例について説明する。本実施例の磁気抵抗効果ヘッドをABSと素子高さ方向最上部から見た断面図を、それぞれ図35と図36に示す。本実施例は、実施例2と実施例4の特徴を併せ持つ構造である。具体的には、磁区制御層2の上面及び下面をABS近傍から素子上部にかけて上部磁気シールド側及び基板側に向かって傾斜させることによって、磁区制御層の膜厚をABSより素子高さ方向上部で厚くしている。それ以外の構成は実施例1で説明した従来構造例と同じであるので、実施例1と重複する構成、効果についての詳細な説明は省略する。
本実施例においても実施例2と同様に磁区制御層の膜厚がABS近傍よりも素子高さ方向上部において厚いので、素子上におけるマグノイズを効果的に低減でき、ヘッドSNRを向上することが可能である。本実施例は、加工プロセスの工程が実施例2や実施例4よりも複雑になるものの、ABS近傍と素子高さ方向上部における磁区制御層の膜厚差を大きくしやすく、また、自由層と磁区制御層の中心を一致させやすいという利点がある。本実施例の磁気抵抗効果ヘッドは、実施例2と実施例4に記述した加工プロセスの工程を組み合わせることで製造することができる。
図37は、本発明の磁気抵抗効果ヘッドを搭載した垂直磁気記録用磁気ヘッドの概念図である。スライダーを兼ねる基体50上に下部磁気シールド4、磁気抵抗効果膜1、上部磁気シールド5、副磁極64、コイル63、主磁極61、主磁極を囲む磁気シールドであるラップアラウンドシールド62が形成され、ABS81を有する。本図では上部磁気シールドと副磁極を備えた構造になっているが、上部磁気シールドと副磁極とを兼用した構造としてもよい。また、ラップアラウンドシールド62を有さない構造であってもよい。
図38は、垂直磁気記録を用いた磁気記録再生装置の構成例を示す概略図である。磁気的に情報を記録する磁気記録媒体95を保持するディスク91をスピンドルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92によってヘッドスライダー90をディスク91のトラック上に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッドスライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッドがこの機構に依ってディスク91上の所定の記録位置に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み取る。アクチュエーター92はロータリーアクチュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生ヘッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せしめるに際して、再生ヘッドからの高感度な出力を用いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができる。本図ではヘッドスライダー90、ディスク91を各1個示したが、これらは複数であっても構わない。またディスク91は両面に記録媒体95を有して情報を記録してもよい。情報の記録がディスク両面の場合、ヘッドスライダー90はディスクの両面に配置する。
再生ヘッドとして本発明の磁気抵抗効果ヘッドを搭載して磁気記録再生装置を構成することにより、マグノイズを低減することが可能となりヘッドSNRが向上する。
本発明の構造は、垂直電流型磁気抵抗効果の磁気センサ、磁気ヘッド、及びトンネル磁気抵抗効果の磁気センサ、磁気ヘッドに利用できる。
1 磁気抵抗効果膜
2 磁区制御層
3 絶縁層
4 下部磁気シールド
5 上部磁気シールド
6 下部キャップ層
7 上部キャップ層
11 自由層
12 中間層
13 固定層
21 レジスト
22 素子高さパターン
23 アルミナ
24 トラック幅パターン
50 基体
61 主磁極
62 ラップアラウンドシールド
63 コイル
64 副磁極
71 上部キャップ層1
72 上部キャップ層2
90 ヘッドスライダー
91 ディスク
92 アクチュエーター
93 スピンドルモーター
94 信号処理系
95 磁気記録媒体
131 第2固定層
132 反平行結合層
133 第1固定層
134 反強磁性層

Claims (10)

  1. 基板上に設けられた下部磁気シールドと、
    磁化方向が固定された固定層と、中間層と、外部磁界により磁化方向が変化する自由層とが積層された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜のトラック幅方向両側に絶縁層を介して形成された磁区制御層と、
    上部磁気シールドと、
    前記磁気抵抗効果膜の膜面垂直方向にセンス電流を流す手段とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    前記磁区制御層から前記自由層の浮上面から遠い領域に印加される磁界が、前記磁区制御層から前記自由層の浮上面に近い領域に印加される磁界よりも1.4倍以上大きく、
    前記絶縁層のトラック幅方向の膜厚は、浮上面に近い位置の方が浮上面から遠い位置より厚いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  2. 請求項1記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記下部磁気シールドと前記上部磁気シールドの間隔は、浮上面に近い領域より浮上面から遠い領域の方が広いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  3. 請求項1記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記磁区制御層の膜厚は、浮上面に近い位置より浮上面から遠い位置の方が厚いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  4. 請求項2記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記磁気抵抗効果膜と前記上部磁気シールドの間にキャップ層を有し、前記キャップ層の膜厚は、浮上面に近い位置より浮上面から遠い位置の方が厚いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  5. 請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記磁区制御層は、上面が傾斜していることを特徴を有する磁気抵抗効果ヘッド。
  6. 請求項3記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記磁区制御層は、下面が傾斜していることを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  7. 基板上に設けられた下部磁気シールドと、
    磁化方向が固定された固定層と、中間層と、磁化方向が変化する自由層とが積層された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜のトラック幅方向両側に絶縁層を介して形成された磁区制御層と、
    上部磁気シールドと、
    前記磁気抵抗効果膜の膜面垂直方向にセンス電流を印加する手段とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    浮上面から遠い領域における前記上部磁気シールドと前記自由層の中心間の距離が、浮上面における前記上部磁気シールドと前記自由層の中心間の距離の1.3倍以上であり、
    前記絶縁層のトラック幅方向の膜厚は、浮上面に近い位置の方が浮上面から遠い位置より厚いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  8. 基板上に設けられた下部磁気シールドと、
    磁化方向が固定された固定層と、中間層と、磁化方向が変化する自由層とが積層された磁気抵抗効果膜と、
    前記磁気抵抗効果膜のトラック幅方向両側に絶縁層を介して形成された磁区制御層と、
    上部磁気シールドと、
    前記磁気抵抗効果膜の膜面垂直方向にセンス電流を印加する手段とを有する磁気抵抗効果ヘッドにおいて、
    浮上面から遠い領域における前記磁区制御層の膜厚が、浮上面における前記磁区制御層の膜厚の1.2倍以上であり、
    前記絶縁層のトラック幅方向の膜厚は、浮上面に近い位置の方が浮上面から遠い位置より厚いことを特徴とする磁気抵抗効果ヘッド。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果ヘッドにおいて、前記下部磁気シールドと前記上部磁気シールドが前記磁気抵抗効果膜の膜面垂直方向にセンス電流を流すための電極を兼ねることを特徴とする磁気記抵抗効果ヘッド。
  10. 求項1〜のいずれか1項記載の磁気抵抗効果ヘッドと記録ヘッドとを備えることを特徴とする磁気ヘッド。
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