JP2008084430A - 磁気ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁気ヘッドを構成する膜の熱揺らぎによるノイズの発生を回避できて、トラック密度のより一層の高密度化に対応できる磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供する。
【解決手段】磁気ヘッドには、磁気記録媒体の記録面の相互に隣接する2本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子(TMR素子)12aと、相互に隣接する3本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子(TMR素子)12bとが設けられている。磁気記録装置内に設けられた信号同期/差分演算部は、これらの読み取り素子12a,12bから出力される信号の同期をとり、それらの信号の差分を演算した結果を、読み出し信号として出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁気記録媒体にデータを磁気的に記録する磁気ヘッド及び磁気記録装置に関し、特にトラック密度の高密度化に対応できる磁気ヘッド及び磁気記録装置に関する。
近年、磁気記録装置(ハードディスクドライブ)は、コンピュータだけでなく、ハードディスクビデオレコーダ等の映像記録装置にも使用されるようになった。それに伴い、磁気記録装置のより一層の大容量化が要求されている。現在の磁気記録装置では、一般的に面記録密度が100〜130Gbpsi(ギガビット/平方インチ)程度の記録媒体が用いられている。この面記録密度では、磁気記録媒体の半径方向の記録単位であるトラック密度は約120〜150kTPI(キロトラック/インチ)となり、磁気記録媒体の円周方向の記録単位であるビットサイズは約150nm×30nmとなる。
このような微小サイズの記録ビットにS/N比(信号とノイズとの比)が良好な状態でデータを記録するためには、記録媒体の磁性粒子の平均粒径を10nm程度にする必要がある。しかしながら、このような微小サイズの磁性粒子では、室温においても熱揺らぎにより磁化反転が発生し、データが消失してしまうおそれがある。
熱揺らぎは磁性粒子の体積の平方根に反比例するため、熱揺らぎによる磁化反転を防止するためには磁性粒子の体積を大きくする必要がある。近年注目されている垂直磁気記録方式の記録媒体(磁気ディスク)では、磁性粒子を記録媒体の厚さ方向に配向させており、ビットサイズを小さくしても磁性粒子の体積を大きくすることができるため、熱揺らぎによるデータの消失が回避されるという利点がある。
一方、上述したような微小サイズの記録ビットからの極めて弱い信号磁界を良好な感度で検出可能な読み取りヘッドとして、磁気抵抗変化が大きいトンネル磁気抵抗素子(以下、「TMR素子」という)が注目されている。微小トラックの信号を隣接するトラックからのクロストークの影響を受けずに読み出すためには、TMR素子の幅を100nm程度まで微細化することが要求される。また、TMR素子の媒体対向面直上方向の長さ(素子高さ)は、信号磁界の侵入長及び再生出力の最大化を考慮すると、100nm程度とすることが要求される。
TMR素子は、通常、反強磁性層と、その反強磁性層との交換相互作用により磁化方向が固定されたピン層と、ピン層の上に形成されたトンネルバリア層と、トンネルバリア層の上に形成されて外部磁界により磁化方向が変化するフリー層とにより構成される。
反強磁性層は、例えばPtMn及びIrMn等の金属系反強磁性材料により形成される。その上のピン層は、一対の強磁性層と、それらの強磁性層の間に配置された反強磁性結合層とにより構成され、一対の強磁性層の磁化方向が反平行方向になるように磁気的に結合したいわゆる積層フェリピン構造を有している。反強磁性結合層としては、例えば厚さが0.6〜0.8nmのRu膜が用いられる。また、一対の強磁性層のうちトンネルバリア層に隣接する強磁性層はリファレンス層と呼ばれ、反強磁性層に隣接する強磁性層はピンド層と呼ばれる。
トンネルバリア層としては、一般的に、厚さが0.5〜1nmのアルミニウム酸化膜が用いられている。しかし、近年、トンネルバリア層としてマグネシウム酸化膜を使用すると、アルミニウム酸化膜を使用した場合には磁気抵抗比が最大で80%程度であるのに対し、400%以上の大きな磁気抵抗比が得られることが判明したため、今後はトンネルバリア層としてマグネシウム酸化膜を使用することが主流になると予想される。
フリー層としては、一般的に線形動作の確保と再生感度の向上のために、保磁力の小さいfcc(face-centered cubic lattice:面心立方)構造のCoFe層、NiFe層又はそれらの層の積層膜が用いられている。
なお、本発明に関係すると思われる従来技術として、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1には、素子幅が同一の第1及び第2の磁気抵抗素子が非磁性の中間ギャップ層を介して積層された構造の磁気ヘッドが記載されている。この特許文献1の磁気ヘッドでは、第1及び第2の磁気抵抗素子の差動出力を磁気センサの出力として取り出すことにより、トラックの延びる方向に並んだ磁区の磁化状態の検出分解能を向上させている。
特開2003−69109号公報
磁気記録装置のより一層の大容量化のためには記録媒体のトラック密度をより一層高密度化する必要があり、それに伴って読み取りヘッド(TMR素子)の素子サイズを小さくすることが必要になる。しかし、読み取りヘッドの素子サイズがある程度以上に小さくなると、記録媒体と同様に、磁性粒子の体積の平方根に反比例する熱揺らぎの影響が無視できなくなってくる。
本願発明者等の研究から、TMR素子では、熱揺らぎの影響により、磁気記録媒体の記録遷移領域に起因する遷移ノイズを主成分とする媒体ノイズの約1/2のノイズパワーを生じていることが判明している。従って、今後、更にTMR素子の素子サイズを縮小した場合は、磁気抵抗比の如何にかかわらず、フリー層の熱揺らぎにより十分なS/N比がとれなくなることが予想される。このため、TMR素子の素子サイズは、現状の100nm程度が限界であると考えられる。この素子サイズではトラック密度を200kTPIとするのが限界であり、それ以上の面記録密度の向上は困難である。
本発明の目的は、磁気ヘッドを構成する膜の熱揺らぎによるノイズの発生を回避できて、トラック密度のより一層の高密度化に対応できる磁気ヘッド及び磁気記録装置を提供することにある。
本発明の一観点によれば、磁気記録媒体に記録された磁気信号を読み取る磁気ヘッドにおいて、基板と、前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子と、前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子とを有する磁気ヘッドが提供される。
本発明の磁気ヘッドは、磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子と、N+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子とを備えている。後述するように、これらの第1及び第2の読み取り素子の出力の差分を演算すると、1本のトラックからの磁気信号を取り出すことができる。この場合、第1の読み取り素子の素子幅をほぼNトラック分、第2の読み取り素子の素子幅をほぼN+1トラック分に設定すればよいので、トラック密度が高くなっても素子幅が広い読み取り素子を用いることができる。これにより、読み取り素子を構成する膜の熱揺らぎによるノイズの発生を回避できて、磁気記録媒体のトラック密度のより一層の高密度化に対応することができる。
第1及び第2の読み取り素子として、磁気抵抗変化が大きいトンネル磁気抵抗素子を用いることが好ましい。特に磁気抵抗膜の面に対し垂直方向に電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型トンネル磁気抵抗素子では、駆動電圧が一定であれば、素子幅が変わってもほぼ同一の再生出力が得られるため、前述の1トラック分の磁気信号を演算するときの処理が容易になるという利点がある。
本発明の他の観点によれば、磁気信号を記録する磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子、及び前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子が設けられた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の記録面に沿って移動させる磁気ヘッド移動機構と、前記第1及び第2の読み取り素子から出力される信号の同期をとり、それらの信号の差分を演算して読み出し信号を出力する信号同期/差分演算部とを有する磁気記録装置が提供される。
本発明の磁気記録装置においては、上述した第1及び第2の読み取り素子を有する磁気ヘッドを使用し、信号同期/差分演算部により第1及び第2の読み取り素子から出力される信号の同期をとって、それらの信号の差分を演算し読み出し信号として出力する。これにより、トラック幅よりも幅広の読み出し素子を用いて高密度化された磁気記録媒体から1トラック分の磁気信号を取り出すことができる。そのため、読み取り素子を構成する膜の熱揺らぎによるノイズの発生を回避でき、大容量且つ信頼性の高い磁気記録装置が得られる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る磁気記録装置においては、1つの磁気ヘッドに2つのTMR素子(読み取り素子)が設けられている。図1は、これらのTMR素子の素子幅と磁気記録媒体のトラック幅との関係を示す模式図である。また、図2は各トラックの磁気信号とTMR素子12a,12bの出力との関係を示す図である。TMR素子の構造については後述するが、ここではTMR素子12aの素子幅(フリー層の幅)をL1、TMR素子12bの素子幅(フリー層の幅)をL2としている。また、図1において、Tは1トラック分の幅を示している。
図1に示すように、本実施形態では、TMR素子12aの素子幅がNトラック分(但し、Nは2以上の整数)の幅に設定され、TMR素子12bの素子幅がN+1トラック分の幅に設定されている。本実施形態では、N=2としている。従って、TMR素子12aの素子幅L1は2Tであり、TMR素子12bの素子幅は3Tである。また、TMR素子12aがトラック2,3からの信号を検出するときにTMR素子12bがトラック1,2,3からの信号を検出するように、TMR素子12a,12bの位置が決定されている。
TMR素子12aによりトラック2,3の磁気信号を検出する場合、TMR素子12aからはトラック2,3の磁気信号の平均が出力され、3水準の値をとると考えられる。つまり、図2の「トラック2〜3の平均」の欄に示すように、トラック2,3に記録された磁気信号がいずれも0のときはTMR素子12aの出力が0となり、トラック2,3に記録された磁気信号のいずれか一方が0、他方が1のときはTMR素子12aの出力が0.5となり、トラック2,3に記録された磁気信号がいずれも1のときはTMR素子12aの出力が1となる。
これと同様に、TMR素子12bによりトラック1,2,3の磁気信号を検出する場合、TMR素子12bからはトラック1,2,3の磁気信号の平均が出力され、4水準の値をとると考えることができる。つまり、図2の「トラック1〜3の平均」の欄に示すように、トラック1,2,3の磁気信号がいずれも0のときはTMR素子12bの出力が0となり、トラック1,2,3の磁気信号のうちのいずれか1つが1のときにはTMR素子12bの出力が0.33となり、トラック1,2,3の磁気信号のうちのいずれか2つが1のときはTMR素子12bの出力が0.67となり、トラック1,2,3の磁気信号がいずれも1のときはTMR素子12bの出力が1となる。
TMR素子を構成する膜の面に対し垂直方向に電流を流すCPP(Current Perpendicular to Plane)型TMR素子では、TMR素子の幅(より正確には面積)が変わっても、駆動電圧を一定にすることにより、同一の信号磁界であればほぼ同一の再生出力値が得られる。面積Aと抵抗Rとの積(RA)が3Ωμm2、磁気抵抗変化率(MR比)が100%のTMR素子を用いて磁気記録装置を製造した場合の再生出力を図2に併せて示す。なお、TMR素子12aの素子幅L1は100nm、TMR素子12bの素子幅L2は150nm、TMR素子12a、12bの再生効率はいずれも24%としている。
この図2に示すように、TMR素子12bの出力(Vhead2)は、前述の4水準の値に対応して、-18000μV、-6000μV、6000μV及び18000μVのいずれかの値になる。また、TMR素子12aの出力(Vhead1)は、前述の3水準の値に対応して、-18000μV、0μV及び18000μVのいずれかの値になる。
更に、図2に示すように、(Vhead2×3−Vhead1×2)を演算すると、トラック2,3の磁気信号の状態の如何にかかわらず、トラック1の磁気信号が0のときは-18000μV、トラック1の磁気信号が1のときは18000μVとなり、その差は36000μVとなる。このように、TMR素子12a,12bの出力が読み取りトラックからの磁気信号の平均であるとすると、各TMR素子12a,12bの出力に読み取りトラック数を乗じた値の差を演算することにより、単一再生素子と同様のダイナミックレンジでトラック1の磁気信号を検出することができる。
実際には、TMR素子のトラック幅方向の両端部では、隣接するハードバイアス層からのバイアス磁界により、検出感度が低下する。検出感度の素子幅方向依存性をシミュレーション計算により求めた結果を図3に示す。図3は、横軸に素子の幅方向の位置をとり、縦軸に感度をとって、フリー層の磁化回転角から素子幅が100nmのTMR素子と素子幅が50nmのTMR素子の検出感度を位置毎にシミュレーション計算した結果を示している。なお、図3では、素子の幅方向の中心位置を50nmの位置としている。
近年の狭トラックに対応した素子幅が50〜80nmのTMR素子では、TMR素子を構成する積層膜の両端に隣接するハードバイアス層の磁化減衰が十分でないため、図3に示すように素子の中央部でも再生感度が低下する。しかし、この図3から、素子幅が100nm以上であれば、素子の中央部ではハードバイアス層からのバイアス磁界の影響が小さく、最大の磁界感度が得られることがわかる。また、素子の中央部(中央の1/3の領域)の感度を1としたときに、素子の両端部(右端側の1/3の領域及び左端側の1/3の領域)では平均感度が0.7〜0.75程度となる。この素子の両端部での感度低下を考慮して図2と同様に再生出力を計算した結果を、図4に示す。なお、図4では、素子の両端部の感度は、中央部の感度の0.7倍としている。
この図4から、トラック1,2,3の信号磁界に応じて(Vhead2×3−Vhead1×2)の値は図3と異なる値となるものの、トラック1が0のときは(Vhead2×3−Vhead1×2)の値は負となり、トラック1が1のときは(Vhead2×3−Vhead1×2)の値は正となり、その差は14400μV以上となることがわかる。
このとき、出力差分の分解能は単一再生ヘッドを用いた場合の40%((14400μV/36000μV)×100%)に劣化する。しかしながら、現行の素子幅が約100nmのTMR素子を用いたときのS/N比は、図5のMR比(磁気抵抗変化率)とS/N比との関係を示す図からわかるように、MR比が22%以上であればほぼ一定になる。これは、TMR素子のMR比の増加に伴って媒体ノイズ及びヘッドノイズが増加するためであると考えられる。従って、本実施形態で使用するTMR素子の再生分解能は、単一再生ヘッドの約40%(100%(MR比)×0.4(素子幅端部での感度低下分))と見積もられるが、磁気記録装置のS/N比としては十分な値である。
図6は、本発明の実施形態に係る磁気記録装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る磁気記録装置の磁気ヘッド12には、前述したように2つのTMR素子12a,12b(図1参照)が設けられており、これらのTMR素子12a,12bにより磁気記録媒体(磁気ディスク)11に記録されたデータ(磁気信号)を検出する。また、磁気ヘッド12には、磁気記録媒体11に対しデータの書き込みを行う書き込みヘッドが設けられている。
本実施形態においては、磁気記録媒体11として垂直磁気記録方式の記録媒体を使用する。また、磁気ヘッド12は、磁気記録媒体11の回転により発生する風圧により磁気記録媒体11の表面から若干浮上し、その状態で磁気記録媒体11に対しデータの書き込み及び読み取りを行う。
磁気ヘッド12はサスペンションアーム13の先端部に配置されている。このサスペンションアーム13はボイスコイルモータ(VCM)により構成されるヘッド位置決め機構14により駆動されて、磁気ヘッド12を磁気記録媒体11の表面に沿って移動させる。
磁気ヘッド12に設けられたTMR素子12aの出力はヘッドアンプ15aで増幅され、TMR素子12bの出力はヘッドアンプ15bで増幅される。位置検出回路16は、ヘッドアンプ15a,15bの出力信号を入力し、これらの出力信号から磁気ヘッド12の位置を検出する。サーボ復調/VCM制御部17は、位置検出回路16から出力される信号に基づいてヘッド位置決め機構14を駆動制御する。
一方、データ復調部18aは、ヘッドアンプ15aの出力信号を復調して2トラック分の磁気信号(図2,図4参照)を出力する。このデータ復調部18aの出力は、同期回路19で一時記録(キャッシュ)され、所定のタイミングで差分演算回路20に出力される。また、データ復調部18bは、ヘッドアンプ15bの出力信号を復調して3トラック分の磁気信号(図2,図4参照)を差分演算回路20に出力する。
差分演算回路20は、同期回路19を介して入力されたデータ復調部18aの出力信号と、データ復調部18bの出力信号との差分(図2,図4の(Vhead2×3−Vhead1×2))を演算し、その結果に基づいて読み出し信号を出力する。
本実施形態においては、サスペンションアーム13、ヘッド位置決め機構14及びサーボ復調/VCM制御回路17により、磁気ヘッド12を磁気記録媒体11の表面に沿って移動させる磁気ヘッド移動機構を構成している。また、同期回路19及び差分演算回路20により、信号同期/差分演算部を構成している。
上述したように、本実施形態においては、磁気ヘッド12に素子幅が1トラックに相当する分だけ異なる2つの読み取り素子(TMR素子12a,12b)を配置し、これらの読み取り素子の出力の差分を演算して読み出し信号とするので、素子幅が100nm以上の読み取り素子を用いてトラック幅が100nm以下の狭トラックからの磁気信号を検出することができる。また、読み取り素子の素子幅が100nm以上でよいため、熱揺らぎに起因するノイズの発生や信頼性の低下が回避される。
以下、図7〜図12を参照して、本実施形態に係る磁気ヘッドの製造方法を説明する。なお、以下の説明では、素子幅がL2のTMR素子12bの上に素子幅がL1のTMR素子12aを積層した構造の磁気ヘッドの製造方法について説明している。しかし、磁気ヘッドは、素子幅がL1のTMR素子12aの上に素子幅がL2のTMR素子12bを積層した構造としてもよい
最初に、図7に示す構造を形成するまでの工程を説明する。まず、アルチック等の非磁性材料からなる基板30の上に、NiFe等により下部シールド兼電極層31を例えば1000nmの厚さに形成する。そして、この下部シールド兼電極層31の上に、磁気抵抗効果膜40を形成する。
磁気抵抗効果膜40は例えば、厚さが4nmのRuからなる配向制御層(下地層)41と、厚さが10nmのIrMnからなる反強磁性層42と、厚さが1.6nmのCoFeからなる強磁性層(ピンド層)43と、厚さが0.7nmのRuからなる非磁性反強磁性結合層44と、厚さが2.3nmのCoFeBからなる強磁性層(リファレンス層)45と、厚さが0.6nmのMgO(マグネシウム酸化膜)からなるトンネルバリア層(非磁性中間層)47と、厚さが4nmのCoFeからなるフリー層48と、厚さが2nmのTaからなる保護層49とを下からこの順で積層することにより形成される。これらの層の成膜には、一般的なマグネトロンスパッタリング装置、イオンビームスパッタリング装置、又は真空蒸着装置などを用いることができる。
配向制御層41は、その上に積層される反強磁性層42の配向性を向上させるために形成する。本実施形態では反強磁性層42としてIrMnを用いているため、配向制御層41として厚さが4nmのRu膜を形成している。配向制御層41として、上述のRu膜に替えて、Ta/Ru積層膜、NiFe合金膜、NiFeCr合金膜、又はTa/NiFe積層膜を形成してもよい。
反強磁性層42はその上の強磁性層43と交換結合し、強磁性層43の磁化方向を固定するという作用がある。反強磁性層42は、前述のIrMnに替えて、FeMn、PtMn、PdMn又はPdPtMn等により形成してもよい。
強磁性層43,45及びそれらの間に配置された非磁性反強磁性結合層44により、いわゆる積層フェリピン構造のピン層46が構成される。非磁性反強磁性結合層44により誘起される反強磁性結合は極めて大きく、反強磁性層42と強磁性層43との界面での交換結合磁界と相俟って、積層フェリピン構造のピン層46の磁化固定作用が大きくなる。
非磁性反強磁性結合層44は、上述のRuに替えて、Ir、Rh及びRuの少なくとも1種を含む合金により形成することもできる。また、非磁性反強磁性結合層44の膜厚は、非磁性反強磁性結合層44の材料によって膜厚に対する強磁性/反強磁性結合周期が異なるため、材料に合わせて適切に設定することが重要である。
なお、本実施形態では、上述したように積層フェリピン構造のピン層46を用いているが、線記録密度分解能向上を目的として素子膜厚の低減を図るために、強磁性層45及び非磁性反強磁性結合層44を積層せず、強磁性層43のみとすることも可能である。
強磁性層45は、その上に積層されるトンネルバリア層47の結晶性及び配向性に関係する。本実施形態では、強磁性層45の材料としてCo、Fe及びBの組成比が60:20:20のCoFeB合金(以下、「Co60Fe20B20合金」という)を用いている。このCo60Fe20B20合金は、スパッタリング法により成膜するとアモルファス構造となるため、その上に積層されるトンネルバリア層47の結晶を(002)配向させることが可能になる。
本実施形態では、トンネルバリア層47としてMgO膜を形成している。(002)配向したMgO膜をトンネルバリア層47として使用したTMR素子は、TMR素子の面積Aとその抵抗値Rとの積(RA)が1Ωμm2程度と低い場合においても、200%以上の磁気抵抗変化率(MR比)が得られることが知られている。これにより、トラック密度が高い磁気記録媒体からの極めて弱い磁気信号を感度よく検出することができる。
トンネルバリア層47として、酸化アルミニウム又は酸化チタン等により形成された膜を使用することもできる。トンネルバリア層47としてアルミニウム酸化膜を使用した場合には、酸化アルミニウムの被覆性がよいため、界面平坦化性の向上や、ピンホールの発生を回避するなどの効果が期待できる。また、トンネルバリア層47に替えて、Cu等の導電性の非磁性中間層を用いたいわゆるCPP−SV(Current Perpendicular to Plane Spin Valve)構造とすることも可能である。
本実施形態では、フリー層48をCoFe合金により形成している。Coを多く含むCoFe合金はfcc構造の膜を形成し、低抗磁力(低Hc)かつ低磁歪層となって、TMR素子全体としての感度向上が期待できる。フリー層48として、CoFe膜とNiFe膜との積層膜を用いても同様の効果を得ることができる。
保護層49は、フリー層48の表面の酸化及び腐食を防止するために形成される。また、保護層49は、リードギャップを形成するときのCMP(化学機械研磨)工程においてストッパ層として作用する。保護層49の材料としては、上述のTaの他にRu、Au、Cu、Ti、Cr及びAlなど、多くの材料から選択することができる。
このようにして磁気抵抗効果膜40を形成した後、反強磁性層42の交換結合磁界方向を制御するために、ABS(Air Bearing Surface)面に垂直な方向に2T(テスラ)の一様な磁界を印加しながら、270〜290℃の温度で3時間の真空熱処理を施す。
次に、図8に示す構造を形成するまでの工程について説明する。本実施形態においては、リフトオフ法によりハードバイアス層を形成する。そのために、磁気抵抗効果膜40を形成した後、図8に示すように、磁気抵抗効果膜40の上にリフトオフ用フォトレジストパターン33を形成する。このフォトレジストパターン33は、例えば感度が異なる2種類のフォトレジスト膜を積層して使用し、上部の幅がL2であって下部の幅が上部の幅よりも狭い形状に形成する。その後、このフォトレジストパターン33をマスクとして磁気抵抗素子効果膜40をイオンミーリングし、下部シールド兼電極層31を露出させる。
次に、図9に示す構造を形成するまでの工程について説明する。上述したように磁気抵抗素子効果膜40をイオンミーリングした後、全面に厚さが3〜10nmのアルミナ膜(絶縁膜)34を形成する。このアルミナ膜34は、下部シールド兼電極層31と後述する上部シールド兼電極層37との間でTMR素子以外の部分での導通を防ぐために形成される。このアルミナ膜34は、通常のRFマグネトロンスパッタリング法により形成してもよいが、磁気抵抗効果膜40の側壁に沿って均一な厚さで成膜することが可能なALD(アトミックレイヤーデポジッション)法により形成することが好ましい。
次に、アルミナ膜34の上に、Cr、Ti、Ta又はMoなどからなるバイアス下地層35を例えば3nmの厚さに形成し、更にその上にCrPt又はCoCrPtなどの硬質磁性材料からなるハードバイアス層36を例えば25nmの厚さに形成する。バイアス下地層35は、その上のハードバイアス層36の結晶配向を制御するために形成される。ハードバイアス層36の角形比を大きくするために、バイアス下地層35には上述したCr、Ti、Ta又はMo等の金属が用いられる。ハードバイアス層36のバイアス磁界を効率的にフリー層48に作用させるために、バイアス下地層35をFeMo等の磁性体により形成してもよい。なお、図9に示すように、アルミナ膜34、バイアス下地層35及びハードバイアス層36は、下部シールド兼電極層31の上だけでなく、フォトレジストパターン33の表面上にも付着する。
次に、図10,図11,図12に示す構造を形成するまでの工程について説明する。上述したようにハードバイアス層36を形成した後、図10に示すように、フォトレジスト膜33をその表面上に形成されたアルミナ膜34、バイアス下地層35及びハードバイアス層36とともに除去する。その後、ハードバイアス層36をCMP研磨して、表面を平坦化する。このCMP研磨工程においては、保護層49を構成するTaとハードバイアス層36を構成するCoPt又はCoCrPtとのポリッシングレートが100倍程度異なるので、ハードバイアス層36の表面が保護層49の表面と同じ高さになるまで研磨されると、研磨速度が著しくて低下してCMP研磨が終了する。この場合、保護層49の膜厚が殆ど変化しないので、TMR素子のリードギャップを精度よく制御することができる。
次いで、図11に示すように、全面にNiFeからなる上部シールド兼電極層37を例えば1000nmの厚さに形成した後、電極端子加工を行う。このようにして、素子幅がL2のTMR素子12bが形成される。
次いで、図12に示すように、TMR素子12bの上(上部シールド兼電極層37の上)に、例えばアルミナからなる絶縁膜38を50nmの厚さに形成する。その後、TMR素子12bと同様の方法により、素子幅がL1のTMR素子12aを形成する。更に、TMR素子12bの上に、公知の方向により書き込み素子(図示せず)を形成する。書き込み素子としては、狭トラック型のシングルポールヘッド、トレーリングシールド付ヘッド、又は熱アシストシングルポールヘッド等を用いることが可能である。このようにして、本実施形態に係る磁気ヘッドが完成する。
なお、本実施形態においては、TMR素子12a,12bを、いずれもフリー層を非磁性中間層(トンネルバリア層47)の上側に配置したいわゆるボトム型スピンバルブ構造としているが、フリー層を非磁性中間層の下側に配置したいわゆるトップ型スピンバルブ構造としても同様の効果が得られる。また、TMR素子12a,12bのいずれか一方をボトム型スピンバルブ構造とし、他方をトップ型スピンバルブ構造としてもよい。
ところで、図1に示すようにTMR素子12a,12bの一方の側の端部の位置(図1では右端部)が完全に一致している場合は、TMR素子12aでトラック2,3からの磁気信号を検出するのと殆ど同時にTMR素子12bでトラック1,2,3からの磁気信号を検出することができる。
しかし、現在実用化されている高性能の露光装置(ArF、KrFスキャナ)を用いても、ウエハ面内のバラつきを考慮すると、露光プロセスにおける位置合わせ精度は20〜30nm程度(3σの値:σは標準偏差)である。このため、TMR素子12a,12bの素子端(図1では右端)の位置が±15nm程度ずれることが考えられる。
図13(a)に読み取りトラック幅に対するTMR素子12a,12b間のずれ量と再生出力との関係をシミュレーション計算した結果を示す。この図13(a)において横軸のシグナルパターン1〜16は、図13(b)に示すようにトラック1〜4の磁気信号の状態を示している。また、図13(a)の縦軸VμVは、(Vhead2×3−Vhead1×2)の値を示している。
この図13(a)に示すように、TMR素子12a,12bのずれ量が10%の場合は出力差分の分解能ΔVは9360μVとなり、単一再生ヘッドを用いた場合の26%(=(9360μV/36000μV)×100%)に劣化する。また、TMR素子12a,12bのずれ量が20%の場合は出力差分の分解能ΔVは4320μVとなり、単一再生ヘッドを用いた場合の12%(=(4320μV/36000μV)×100%)に劣化する。MR比が100%の磁気抵抗効果膜(TMR膜)を用いた場合、ずれ量が10%であればMR比が26%相当のS/N比が得られることから、S/N比の低下は小さく(図5参照)、TMR素子12aによりトラック2,3の磁気信号を検出するのとほぼ同時に、TMR素子12bによりトラック1,2,3の磁気信号を検出することができる。しかし、それ以上のずれが生じた場合は、S/N比の低下が大きいため、TMR素子12aでトラック2,3の磁気信号を検出するのとほぼ同時にTMR素子12bでトラック1,2,3の磁気信号を検出することは困難である。
読み取りトラック幅を50nm(400kTPI相当)とした場合、ずれ量の許容量を10%とするとTMR素子12a,12bのずれ量の許容値は5nmとなり、現状の露光装置の精度では図1に示すようにTMR12a,12bの端部の位置が同一の磁気ヘッドを歩留良く作製することは困難である。しかし、TMR素子12a,12bのずれ量が大きい場合であっても、例えばTMR素子12aでトラック2,3の磁気信号を検出した後に磁気ヘッド12の位置を調整し、その後TMR素子12bでトラック1,2,3の磁気信号を検出するという動作を行うことによって、トラック1からの信号を検出することができる。この場合はアクセス速度の低下を伴うが、本実施形態の磁気記録装置では磁気記録媒体11のトラック密度を従来の10倍程度まで高密度化できるので、小型で大容量の記録装置が得られるという効果を奏する。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)磁気記録媒体に記録された磁気信号を読み取る磁気ヘッドにおいて、
基板と、
前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子と、
前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子と
を有することを特徴とする磁気ヘッド。
(付記2)前記第1及び第2の読み取り素子が前記基板上に積層して形成され、且つ前記第1及び第2の読み取り素子の幅方向の一方の端部の位置が一致していることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記3)前記第1及び第2の読み取り素子が、CPP(Current Perpendicular to Plane)型のトンネル磁気抵抗素子であることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記4)前記トンネル磁気抵抗素子が、第1及び第2の強磁性層と、それらの第1及び第2の強磁性層の間に配置された非磁性反強磁性結合層とにより構成される積層フェリピン構造のピン層を有することを特徴とする付記3に記載の磁気ヘッド。
(付記5)前記トンネル磁気抵抗素子のトンネルバリア層が、マグネシウム酸化膜により構成されていることを特徴とする付記3に記載の磁気ヘッド。
(付記6)前記第1及び第2の読み取り素子の素子幅が、100nm以上であることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記7)前記第1及び第2の読み取り素子のうちの少なくとも一方が、下部シールド兼電極層の上に、下地膜、反強磁性層、ピン層、トンネルバリア層、フリー層、保護層及び上部シールド兼電極層をこの順に積層して構成されるボトム型のトンネル磁気抵抗素子により構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記8)前記第1及び第2の読み取り素子のうちの少なくとも一方が、下部シールド兼電極層の上に、下地層、フリー層、トンネルバリア層、ピン層、反強磁性層、保護層及び上部シールド兼電極層をこの順に積層して構成されるトップ型のトンネル磁気抵抗素子により構成されていることを特徴とする付記1に記載の磁気ヘッド。
(付記9)磁気信号を記録する磁気記録媒体と、
前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子、及び前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子が設けられた磁気ヘッドと、
前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の記録面に沿って移動させる磁気ヘッド移動機構と、
前記第1及び第2の読み取り素子から出力される信号の同期をとり、それらの信号の差分を演算して読み出し信号を出力する信号同期/差分演算部と
を有することを特徴とする磁気記録装置。
(付記10)前記磁気記録媒体が、垂直磁気記録方式の記録媒体であることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
(付記11)前記信号同期/差分演算部は、前記第1及び第2の読み取り素子の出力に各読み取り素子の読み取りトラック数を乗じた値の差を演算することを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
(付記12)前記第1及び第2の読み取り素子が積層して形成され、且つ前記第1及び第2の読み取り素子の幅方向の一方の端部の位置が一致していることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
(付記13)前記第1及び第2の読み取り素子が、CPP(Current Perpendicular to Plane)型のトンネル磁気抵抗素子であることを特徴とする付記9に記載の磁気記録装置。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドに設けられた第1及び第2の読み取り素子(TMR素子)の素子幅と磁気記録媒体のトラック幅との関係を示す模式図である。 図2は、各トラックの磁気信号と第1及び第2の読み取り素子(TMR素子)の出力との関係を示す図である。 図3は、フリー層の磁化回転角から素子幅が100nmのTMR素子と素子幅が50nmのTMR素子の検出感度を位置毎にシミュレーション計算した結果を示す図である。 図4は、素子の両端部での感度低下を考慮したときの各トラックの磁気信号と第1及び第2の読み取り素子(TMR素子)の出力との関係を示す図である。 図5は、MR比(磁気抵抗変化率)とS/N比との関係を示す図である。 図6は、本発明の実施形態に係る磁気記録装置の構成を示すブロック図である。 図7は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その1)である。 図8は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その2)である。 図9は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その3)である。 図10は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その4)である。 図11は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その5)である。 図12は、実施形態の磁気ヘッドの製造方法を示す断面図(その6)である。 図13(a)は読み取りトラック幅に対する第1及び第2の読み取り素子(TMR素子)間のずれ量と再生出力との関係をシミュレーション計算した結果を示す図、図13(b)は図13(a)のシグナルパターンを示す図である。
符号の説明
11…磁気記録媒体、
12…磁気ヘッド、
12a,12b…TMR素子(読み取り素子)
13…サスペンションアーム、
14…ヘッド位置決め機構、
15a,15b…ヘッドアンプ、
16…位置検出回路、
17…サーボ復調/VCM制御部、
18a,18b…データ復調部、
19…同期回路、
20…差分演算回路、
30…基板、
31…下部シールド兼電極層、
33…フォトレジストパターン、
34…アルミナ膜、
35…バイアス下地膜、
36…ハードバイアス層、
37…上部シールド兼電極層、
38…絶縁膜、
40…磁気抵抗効果膜、
41…配向制御層、
42…反強磁性層、
43,45…強磁性層、
44…非磁性反強磁性層、
46…ピン層、
47…トンネルバリア層、
48…フリー層、
49…保護層。

Claims (5)

  1. 磁気記録媒体に記録された磁気信号を読み取る磁気ヘッドにおいて、
    基板と、
    前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子と、
    前記基板上に形成されて前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子と
    を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 前記第1及び第2の読み取り素子が前記基板上に積層して形成され、且つ前記第1及び第2の読み取り素子の幅方向の一方の端部の位置が一致していることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  3. 前記第1及び第2の読み取り素子の素子幅が、100nm以上であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッド。
  4. 磁気信号を記録する磁気記録媒体と、
    前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN本(但し、Nは2以上の整数)のトラックからの磁気信号を同時に検出する第1の読み取り素子、及び前記磁気記録媒体の記録面の相互に隣接するN+1本のトラックからの磁気信号を同時に検出する第2の読み取り素子が設けられた磁気ヘッドと、
    前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の記録面に沿って移動させる磁気ヘッド移動機構と、
    前記第1及び第2の読み取り素子から出力される信号の同期をとり、それらの信号の差分を演算して読み出し信号を出力する信号同期/差分演算部と
    を有することを特徴とする磁気記録装置。
  5. 前記信号同期/差分演算部は、前記第1及び第2の読み取り素子の出力に各読み取り素子の読み取りトラック数を乗じた値の差を演算することを特徴とする請求項4に記載の磁気記録装置。
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