JP2001084514A - 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法

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JP2001084514A JP26187299A JP26187299A JP2001084514A JP 2001084514 A JP2001084514 A JP 2001084514A JP 26187299 A JP26187299 A JP 26187299A JP 26187299 A JP26187299 A JP 26187299A JP 2001084514 A JP2001084514 A JP 2001084514A
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芳高 佐々木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁極幅を縮小化した場合においても、磁極幅
の正確な制御と十分なオーバーライト特性を実現し得る
薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供する。 【解決手段】 上部磁極27cは、上部ポールチップ2
7aの接続部27a(3)と部分的にオーバーラップする
ことにより、上部ポールチップ27aと磁気的に連結さ
れる。両者が磁気的に連結する磁気連結面27xに対応
する領域、すなわち上部磁極27cと上部ポールチップ
27aとがオーバーラップするオーバーラップ領域にお
ける下部磁極7の一部に、オーバーラップ領域の平面形
状に対応する平面形状を有する磁気遮蔽層81を、記録
ギャップ層9に隣接するように配設する。この磁気遮蔽
層81により、オーバーラップ領域における上部ポール
チップ27aの接続部27a(3) と下部磁極7との間の
磁束の伝搬を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも書き込
み用の誘導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハードディスク装置の面記録密度
の向上に伴って、薄膜磁気ヘッドの性能向上が求められ
ている。薄膜磁気ヘッドとしては、書き込み用の誘導型
磁気変換素子を有する記録ヘッドと、読み出し用の磁気
抵抗(以下、MR(Magneto Resistive )と記す。)素
子を有する再生ヘッドとを積層した構造の複合型薄膜磁
気ヘッドが広く用いられている。
【0003】記録ヘッドの性能を決定する要因として
は、スロートハイト(Throat Height:TH)がある。ス
ロートハイトは、エアベアリング面から、磁束発生用の
薄膜コイルを電気的に分離する絶縁層のエッジまでの磁
極部分の長さ(高さ)をいう。ここにいうエアベアリン
グ面は、薄膜磁気ヘッドの、磁気記録媒体と対向する面
であり、トラック面とも呼ばれる。記録ヘッドの性能向
上のためには、スロートハイトの縮小化が望まれてい
る。このスロートハイトは、エアベアリング面の加工の
際の研磨量によって制御される。
【0004】記録ヘッドの性能のうち、記録密度を高め
るには、磁気記録媒体におけるトラック密度を上げる必
要がある。このためには、記録ギャップ(write gap)を
挟んでその上下に形成された下部磁極(ボトムポール)
および上部磁極(トップポール)のエアベアリング面で
の幅を数ミクロンからサブミクロンオーダーまで狭くし
た狭トラック構造の記録ヘッドを実現する必要があり、
これを達成するために半導体加工技術が利用されてい
る。
【0005】ここで、図30ないし図35を参照して、
従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例として、複合型
薄膜磁気ヘッドの製造方法の一例について説明する。
【0006】この製造方法では、まず、図30に示した
ように、例えばアルティック(Al2 3 ・TiC)よ
りなる基板101上に、例えばアルミナ(Al2 3
よりなる絶縁層102を、約5〜10μm程度の厚みで
堆積する。次に、絶縁層102上に、再生ヘッド用の下
部シールド層103を形成する。次に、下部シールド層
103上に、例えばアルミナを100〜200nmの厚
みでスパッタ堆積し、シールドギャップ膜104を形成
する。次に、シールドギャップ膜104上に、再生用の
MR素子を構成するためのMR膜105を形成し、高精
度のフォトリソグラフィで所望の形状にパターニングす
る。次に、MR膜105の両側に、このMR膜105と
電気的に接続する引き出し電極層としてのリード層(図
示せず)を形成したのち、このリード層、シールドギャ
ップ膜104およびMR膜105上に、シールドギャッ
プ膜106を形成し、MR膜105をシールドギャップ
膜104,106内に埋設する。次に、シールドギャッ
プ膜106上に、再生ヘッドと記録ヘッドの双方に用い
る磁気材料、例えばパーマロイ(NiFe)からなる上
部シールド兼下部磁極(以下、下部磁極と記す。)10
7を形成する。
【0007】次に、図31に示したように、下部磁極1
07上に、絶縁膜、例えばアルミナ膜よりなる記録ギャ
ップ層108を形成し、この記録ギャップ層108上
に、例えばめっき法により、例えば銅(Cu)よりなる
誘導型の記録ヘッド用の薄膜コイル109を形成する。
次に、薄膜コイル109を覆うようにして、フォトレジ
スト層110を、高精度のフォトリソグラフィで所定の
パターンに形成する。次に、薄膜コイル109の平坦化
および薄膜コイル109間の絶縁化のために、例えば2
50°Cの温度で熱処理する。
【0008】次に、図32に示したように、薄膜コイル
109よりも後方(図32における右側)の位置におい
て、磁路形成のために、記録ギャップ層108を部分的
にエッチングして開口部108aを形成する。次に、記
録ギャップ層108およびフォトレジスト層110上
に、記録ヘッド用の磁気材料、例えばパーマロイからな
る上部ヨーク兼上部磁極(以下、上部磁極と記す。)1
11を選択的に形成する。この上部磁極111は、上記
した開口部108aにおいて下部磁極107と接触し、
磁気的に連結している。次に、上部磁極111をマスク
として、イオンミリングによって、記録ギャップ層10
8と下部磁極107を、約0.5μm程度エッチングし
た後、上部磁極111上に、例えばアルミナよりなるオ
ーバーコート層112を形成する。最後に、スライダの
機械加工を行って、記録ヘッドおよび再生ヘッドのトラ
ック面(エアベアリング面)120を形成して、薄膜磁
気ヘッドが完成する。
【0009】図33〜図35は、完成した状態の薄膜磁
気ヘッドの構造を表すものである。ここで、図33はエ
アベアリング面120に垂直な薄膜磁気ヘッドの断面を
示し、図34は磁極部分のエアベアリング面120に平
行な断面を拡大して示し、図35は平面図を示す。な
お、図30ないし図33は、図35におけるA−A′線
に沿った矢視断面に対応する。また、図33〜図35で
は、オーバーコート層112の図示を省略している。
【0010】薄膜磁気ヘッドの性能を向上させるには、
図33および図34に示したスロートハイトTH、エイ
ペックスアングル(Apex Angle)θ、磁極幅P2Wおよ
び磁極長P2Lを正確に形成することが重要である。こ
こで、エイペックスアングルθは、フォトレジスト層1
10のトラック面側の側面に接する直線と上部磁極11
1の上面とのなす角度である。磁極幅P2Wは、記録媒
体上の記録トラック幅を規定するものである。磁極長P
2Lは磁極の厚さを表している。また、図33および図
35において、‘TH0位置’とあるのは、薄膜コイル
109を電気的に分離する絶縁層であるフォトレジスト
層110のトラック面側のエッジであり、スロートハイ
トTHの基準位置0を示している。
【0011】図34に示したように、上部磁極111、
記録ギャップ層108および下部磁極107の一部の各
側壁が垂直に自己整合的に形成された構造は、トリム
(Trim)構造と呼ばれる。このトリム構造によれば、狭
トラックの書き込み時に発生する磁束の広がりによる実
効トラック幅の増加を防止することができる。なお、図
34に示したように、MR膜105の両側には、このM
R膜105と電気的に接続する引き出し電極層としての
リード層121が設けられている。但し、図30〜図3
3ではリード層121の図示を省略している。
【0012】図36は、上部磁極111の平面構造を表
すものである。この図に示したように、上部磁極111
は、その大部分を占めるヨーク部111aと、磁極幅P
2Wとしてほぼ一定の幅W100を有するポールチップ
部111bとを有している。ヨーク部111aとポール
チップ部111bとの連結部分において、ヨーク部11
1aの外縁はエアベアリング面120と平行な面に対し
て角度αをなし、また、上記連結部分において、ポール
チップ部111bの外縁はエアベアリング面120と平
行な面に対して角度βをなしている。ここで、αは、例
えば45度程度であり、βは90度である。ポールチッ
プ部111bの幅は、記録媒体上の記録トラック幅を規
定するものである。ポールチップ部111bは、TH0
位置よりも前方側(エアベアリング面120側)の部分
Fと、TH0位置よりも後方側(ヨーク部111a側)
の部分Rとを含んでいる。図33から判るように、部分
Fは、平坦な記録ギャップ層108の上に延在し、部分
Rおよびヨーク部111aは、フォトレジスト層110
で覆われて山状に盛り上がったコイル部分(以下、「 エ
イペックス部」 という。)の上に延在している。
【0013】なお、上部磁極の形状に関しては、例え
ば、特開平8−249614号公報に記載がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】磁極幅P2Wは、記録
ヘッドのトラック幅を決定するため、正確な形成が要求
される。特に、近年は、高面密度記録を可能とするた
め、すなわち、狭トラック構造の記録ヘッドを形成する
ために、上部磁極の磁極幅P2Wを1.0μm以下の寸
法にするという微細加工が要求される。
【0015】上部磁極を形成する方法としては、例え
ば、特開平7−262519号公報に示されるように、
フレームめっき法が用いられる。フレームめっき法を用
いて上部磁極111を形成する場合は、まず、エイペッ
クス部の上に全体的に、例えばパーマロイよりなる薄い
電極膜を、例えばスパッタリングによって形成する。次
に、その上にフォトレジストを塗布し、フォトリソグラ
フィ工程によりパターニングして、めっきのためのフレ
ーム(外枠)を形成する。そして、先に形成した電極膜
をシード層として、めっき法によって上部磁極111を
形成する。
【0016】ところで、エイペックス部と他の部分とで
は、例えば3〜4μm以上の高低差がある。このエイペ
ックス部上に、フォトレジストを3〜4μmの厚みで塗
布する。エイペックス部上のフォトレジストの膜厚が最
低3μm以上必要であるとすると、流動性のあるフォト
レジストは低い方に集まることから、エイペックス部の
下方では、例えば4〜6μm以上の厚みのフォトレジス
ト膜が形成される。
【0017】前述のように狭トラックを形成するために
は、フォトレジスト膜によって1.0μm程度の幅のフ
レームパターンを形成する必要がある。すなわち、4〜
6μm以上の厚みのあるフォトレジスト膜によって、
1.0μmもしくはそれ以下の幅の微細なパターンを形
成しなければならない。ところが、このような厚い膜厚
のフォトレジストパターンを狭パターン幅で形成するこ
とは製造工程上極めて困難であった。
【0018】しかも、フォトリソグラフィの露光時に、
露光用の光が、シード層としての下地電極膜で反射し、
この反射光によってもフォトレジストが感光して、フォ
トレジストパターンのくずれ等が生じ、シャープかつ正
確なフォトレジストパターンが得られなくなる。その結
果、上部磁極の側壁が丸みを帯びた形状になる等、上部
磁極を所望の形状に形成できなくなる。特に、図37に
示したように、磁極幅P2Wをさらに微小化してW10
0Aとしたときには、この所望の幅W100Aを得るこ
とがさらに困難となる。これは、ポールチップ部111
bのうち、エイペックス部上に延在している部分Rで
は、下地電極膜で反射して戻ってくる反射光には、垂直
方向の反射光のみならず、エイペックス部の斜面からの
斜め方向または横方向からの反射光も含まれており、こ
れらの反射光がフォトレジスト層の感光に影響を与える
結果、磁極幅P2Wを規定するフォトレジストパターン
幅が所期の値よりも大きくなり、その形状が図37にお
ける破線で示したような形になってしまうからである。
ポールチップ部111bの中でも、TH0位置より前方
の部分Fの幅は、記録媒体上のトラック幅を規定する上
で極めて重要なファクタである。このため、部分Fの幅
が上記した値W100Aよりも大きくなると、目標とす
る微小なトラック幅を得ることができない。
【0019】このような問題は、上記の特開平8−24
9614号公報に記載された磁気ヘッドにおいても同様
に存在する。この公報に記載された磁気ヘッドでは、T
H0位置からヨーク部に向かって磁極幅がなだらかに変
化しているので、エイペックス部の斜面からの斜め方向
または横方向からの反射光がフォトレジスト層の感光に
与える影響により、TH0位置より前方の部分の幅を正
確に制御できないからである。
【0020】また、図37に示したように、ポールチッ
プ部111bのうち、TH0位置からヨーク部111a
との連結部までの部分Rは、TH0位置の前方の部分F
とほぼ同じ幅となっていてその断面積が小さいため、ヨ
ーク部111aからの磁束が部分Rで飽和してしまい、
トラック幅を規定する部分Fにまで十分到達することが
できない。このため、オーバーライト特性、すなわち、
記録媒体上に既に書き込んである上からさらにデータを
重ね書きする場合の特性が、例えば10〜20dB程度
と低い値となり、十分なオーバーライト特性を確保する
ことができないという問題があった。
【0021】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
ので、その目的は、磁極幅を縮小化した場合において
も、磁極幅の正確な制御を可能にすると共に、十分なオ
ーバーライト特性を得ることができる薄膜磁気ヘッドお
よびその製造方法を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
は、記録媒体に対向する側の一部に、ギャップ層を介し
て対向する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結され
た2つの磁性層と、2つの磁性層の間に絶縁層を介して
配設された薄膜コイルとを有する薄膜磁気ヘッドであっ
て、2つの磁性層のうち一方の磁性層が、記録媒体に対
向する記録媒体対向面から、この面と離れる方向に延在
する第1の磁性層部分と、第1の磁性層部分の一部と部
分的にオーバーラップすると共に、このオーバーラップ
した領域において第1の磁性層部分と磁気的に連結され
た第2の磁性層部分とを備え、2つの磁性層のうち他方
の磁性層が、記録媒体対向面から、この面と離れる方向
に延在すると共に、少なくとも、第1の磁性層部分と第
2の磁性層部分とがオーバーラップするオーバーラップ
領域に、ギャップ層に隣接すると共に第1の磁性層部分
と他方の磁性層部分との間での磁束の伝搬を抑制する磁
気遮蔽層が形成されたものである。
【0023】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する側の一部に、ギャップ層を介して対向
する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された2つ
の磁性層を形成する工程と、2つの磁性層の間に絶縁層
を介して配設された薄膜コイルを形成する工程とを含
み、2つの磁性層のうち一方の磁性層が、記録媒体に対
向する記録媒体対向面から、この面と離れる方向に延在
する第1の磁性層部分と、第1の磁性層部分の一部と部
分的にオーバーラップすると共に、このオーバーラップ
した領域において第1の磁性層部分と磁気的に連結され
た第2の磁性層部分とを備えるように一方の磁性層を形
成し、2つの磁性層のうち他方の磁性層が、記録媒体対
向面から、この面と離れる方向に延在するように他方の
磁性層を形成すると共に、少なくとも、第1の磁性層部
分と第2の磁性層部分とがオーバーラップするオーバー
ラップ領域に、ギャップ層に隣接すると共に第1の磁性
層部分と他方の磁性層部分との間での磁束の伝搬を抑制
する磁気遮蔽層を形成するようにしたものである。
【0024】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、一方の磁性
層において第2の磁性層部分が第1の磁性層部分の一部
と部分的にオーバーラップすることにより両者が磁気的
に連結され、両者がオーバーラップするオーバーラップ
領域にギャップ層と隣接するように形成した磁気遮蔽層
により、第1の磁性層部分と他方の磁性層との間での磁
束の伝搬が抑制される。
【0025】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法では、
他方の磁性層を単層として形成すると共に、形成された
他方の磁性層の一部に選択的に凹部を形成し、この凹部
に磁気遮蔽層を埋め込むようにしてもよいし、または、
他方の磁性層を複数層からなる積層構造を有するように
形成すると共に、これらの積層構造の形成の際に、少な
くとも、ギャップ層に隣接することとなる層に選択的に
開口部を形成し、この開口部に磁気遮蔽層を埋め込むよ
うにしてもよい。
【0026】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、磁気遮蔽層を、オーバーラップ領域の平面形状
に対応する平面形状を有するように形成してもよい。
【0027】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、磁気遮蔽層を、他方の磁性層の一部に形成して
もよい。
【0028】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、磁気遮蔽層を、第1の磁性層部分の一部に形成
してもよい。
【0029】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、第1の磁性層部分が、記録媒体対向面から、こ
の面と離れる方向に一定幅をもって延在すると共に、記
録媒体の記録トラック幅を画定するトラック幅画定部
と、第2の磁性層部分の一部と磁気的に連結されると共
に、トラック幅方向に互いに分離して配置された少なく
とも2つの接続部と、絶縁層の記録媒体対向面側の端縁
を画定する端縁部を有すると共に、トラック幅画定部と
少なくとも2つの接続部とを磁気的に連結させる中間連
結部とを含み、オーバーラップ領域において、上記の少
なくとも2つの接続部と第2の磁性層部分とがオーバー
ラップするようにしてもよい。
【0030】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、磁気遮蔽層を、その記録媒体対向面側の位置
が、第1の磁性層部分の中間連結部における記録媒体対
向面側の端縁の位置と一致するか、またはその位置より
も記録媒体対向面から離れる方向にずれるように形成し
てもよい。
【0031】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第1の磁性
層部分のトラック幅画定部と中間連結部とが連結する位
置に、トラック幅画定部の幅がこの連結位置における中
間連結部の幅よりも小さくなるように、幅方向の段差を
形成するようにしてもよい。この場合には、上記段差に
おける中間連結部の段差面がトラック幅画定部の延在方
向と実質的に垂直をなすようにしてもよい。
【0032】本発明の薄膜磁気ヘッドでは、第1の磁性
層部分を、その中間連結部と少なくとも2つの接続部と
が連結する位置における中間連結部の幅が、少なくとも
2つの接続部により規定される接続領域の幅よりも小さ
くなるように形成するのが好適である。
【0033】本発明の薄膜磁気ヘッドまたはその製造方
法では、一方の磁性層が、さらに、第1の磁性層部分と
第2の磁性層部分との間に設けられると共に両者の間を
磁気的に連結する第3の磁性層部分を含むようにしても
よい。この場合には、第3の磁性層部分が、第1の磁性
層部分の一部および第2の磁性層部分の一部の双方とオ
ーバーラップして配置されるようにするのが好ましい。
【0034】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する側の一部に、ギャップ層を介して対向
する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1
の磁性層および第2の磁性層と、第1の磁性層および第
2の磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル
とを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造
工程に、第1の磁性層を単一層として形成する工程と、
第1の磁性層の一部に厚み方向に窪んだ凹部を形成する
工程と、第1の磁性層の凹部に非磁性材料を埋め込んで
磁気遮蔽層を形成する工程と、少なくとも第1の磁性層
および前記磁気遮蔽層の表面を覆うようにしてギャップ
層を形成する工程と、ギャップ層上の所定の領域に、第
2の磁性層の一部となる第1の磁性層部分を選択的に形
成する工程と、ギャップ層の上方領域のうち第1の磁性
層部分が形成されていない領域に、薄膜コイルを形成す
る工程と、薄膜コイルを覆うようにして絶縁層を形成す
る工程と、絶縁層および第1の磁性層部分の上に、磁気
遮蔽層の形成領域に対応する領域において第1の磁性層
部分と部分的にオーバーラップしてこれと磁気的に連結
するように、第2の磁性層の他の一部となる第2の磁性
層部分を選択的に形成する工程とを含むようにしてもよ
い。
【0035】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する側の一部に、ギャップ層を介して対向
する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1
の磁性層および第2の磁性層と、第1の磁性層および第
2の磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コイル
とを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その製造
工程に、第1の磁性層を、少なくとも最上層が所定領域
に開口部を有する積層構造として形成する工程と、第1
の磁性層における最上層の開口部に非磁性材料を埋め込
んで磁気遮蔽層を形成する工程と、第1の磁性層および
磁気遮蔽層の表面を覆うようにして、ギャップ層を形成
する工程と、ギャップ層上の所定の領域に、第2の磁性
層の一部となる第1の磁性層部分を選択的に形成する工
程と、ギャップ層の上方領域のうち第1の磁性層部分が
形成されていない領域に、薄膜コイルを形成する工程
と、薄膜コイルを覆うようにして絶縁層を形成する工程
と、絶縁層および第1の磁性層部分の上に、磁気遮蔽層
の形成領域に対応する領域において第1の磁性層部分と
部分的にオーバーラップしてこれと磁気的に連結するよ
うに、第2の磁性層の他の一部となる第2の磁性層部分
を選択的に形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0036】本発明の薄膜磁気ヘッドの製造方法は、記
録媒体に対向する側の一部に、ギャップ層を介して対向
する2つの磁極を含む、互いに磁気的に連結された第1
の磁性層および第2の磁性層と、前記第1の磁性層およ
び第2の磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜コ
イルとを含む薄膜磁気ヘッドの製造方法であって、その
製造工程に、第1の磁性層を形成する工程と、第1の磁
性層の表面を覆うようにしてギャップ層を形成する工程
と、ギャップ層の上に非磁性材料からなる磁気遮蔽層を
選択的に形成する工程と、ギャップ層の上に、一部が磁
気遮蔽層を覆うこととなるように、第2の磁性層の一部
となる第1の磁性層部分を選択的に形成する工程と、ギ
ャップ層の上方領域のうち第1の磁性層部分が形成され
ていない領域に、薄膜コイルを形成する工程と、薄膜コ
イルを覆うようにして絶縁層を形成する工程と、絶縁層
および第1の磁性層部分の上に、磁気遮蔽層の形成領域
に対応する領域において第1の磁性層部分と部分的にオ
ーバーラップしてこれと磁気的に連結するように、第2
の磁性層の他の一部となる第2の磁性層部分を選択的に
形成する工程とを含むようにしてもよい。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0038】〔第1の実施の形態〕 《薄膜磁気ヘッドの製造方法》まず、図1〜図9を参照
して、本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッド
の製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法に
ついて説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドは、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法
によって具現化されるので、以下併せて説明する。図1
〜図5において、(A)はエアベアリング面に垂直な断
面を示し、(B)は磁極部分のエアベアリング面に平行
な断面を示している。また、図6〜図9は、本実施の形
態の製造工程における斜視図を表すものである。ここ
で、図6は図1に示した工程と図2に示した工程との中
間段階における状態に対応し、図7は図2の状態に対応
し、図8および図9は図2に示した工程と図3に示した
工程との中間段階における状態に対応する。
【0039】以下では、例えば、図1(B)において、
エアベアリング面に平行な方向のうち、図中の右方向ま
たは左方向における距離を「幅」と表記すると共に、例
えば、図1(A)において、エアベアリング面に垂直な
方向(図中の右方向または左方向)における距離を「長
さ」として表記するものとする。また、例えば、図1
(A)および(B)において、図中の上方向または下方
向における距離を「 厚み」 または「 深さ」 と表記するも
のとする。さらに、例えば、図1(A)において、上記
の長さ方向におけるエアベアリング面に近い側(図中の
左側)を「前側(または前方)」と表記し、一方、エア
ベアリング面から遠い側(図中の右側)を「後側(また
は後方)」と表記するものとする。
【0040】本実施の形態に係る製造方法では、まず、
図1に示したように、例えばアルティック(Al2 3
・TiC)からなる基板1上に、例えばアルミナ(Al
2 3 )よりなる絶縁層2を、約3〜5μm程度の厚み
で堆積する。次に、絶縁層2上に、フォトレジスト膜を
マスクとして、めっき法にて、パーマロイ(NiFe)
を約3μmの厚みで選択的に形成して、再生ヘッド用の
下部シールド層3を形成する。
【0041】次に、下部シールド層3上に、例えばアル
ミナを10〜20nmの厚みでスパッタ堆積し、シール
ドギャップ膜4を形成する。次に、シールドギャップ膜
4上に、再生用のMR素子を構成するためのMR膜5を
形成し、高精度のフォトリソグラフィで所望の形状とす
る。次に、MR膜5の両側に、このMR膜5と電気的に
接続する引き出し電極層としてのリード層(図示せず)
を形成したのち、このリード層、シールドギャップ膜4
およびMR膜5上に、シールドギャップ膜6を形成し
て、MR膜5をシールドギャップ膜4,6内に埋設す
る。次に、シールドギャップ膜6上に、例えばパーマロ
イよりなる上部シールド兼下部磁極(以下、単に「下部
磁極」という。)7を、例えば電解めっき法により、約
3〜4μmの厚みで選択的に形成する。ここで、上記の
下部磁極7が、本発明における「他方の磁性層」の一具
体例に対応する。
【0042】次に、図2および図6に示したように、下
部磁極7上の所定の位置において、その位置における下
部磁極7の表面を、例えば高精度のフォトリソグラフィ
処理により図示しないフォトレジスト膜を用いて所定の
平面形状にパターニングした後、フォトレジストにより
マスクされていない部分の下部磁極7を例えばエッチン
グにより約0.5〜1.5μm程度部分的に除去して、
凹部80を形成する。図2(B)および図6に示したよ
うに、凹部80は、2つの凹部領域、すなわち右凹部8
0Rおよび左凹部80Lから構成されている。
【0043】ここで、上記の「 所定の位置」 および「 所
定の平面形状」 について、以下に説明する。
【0044】まず、「 所定の位置」 について説明する。
凹部80の形成時における下部磁極7上の「 所定の位
置」 とは、後工程において下部磁極7上に形成されるこ
ととなる、例えば、後述する図11に示したような平面
形状を有する上部ポールチップ27aの一部分の形成位
置に対応する位置である。この上部ポールチップ27a
は、後述する図11に示したように、例えば、先端部2
7a(1) 、中間連結部27a(2) および接続部27a
(3) を含むように、後工程において形成されるものであ
る。本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法で
は、後述する図3および図8に示したように、凹部80
の具体的な形成位置(=「 所定の位置」 )は、例えば、
上部ポールチップ27aの接続部27a(3) の形成位置
に対応するようにする。後述する図11に示したよう
に、接続部27a(3) が、さらに、右接続部27a(3)
Rおよび左接続部27a(3) Lから構成される場合に
は、右凹部80Rおよび左凹部80Lの形成位置が、そ
れぞれ右接続部27a(3) Rおよび左接続部27a(3)
Lの形成位置に対応するようにする。
【0045】続いて、「 所定の平面形状」 について説明
する。 凹部80の形成時において、下部磁極7の表面に
フォトレジスト膜を用いてパターニングする「 所定の平
面形状」 とは、後述する図11に示した上部ポールチッ
プ27aの接続部27a(3)の平面形状に対応する平面
形状である。右凹部80Rおよび左凹部80Lの平面形
状は、それぞれ右接続部27a(3) Rおよび左接続部2
7a(3) Lの平面形状に対応するようにする。図2およ
び図6に示した凹部80は、例えば、右接続部27a
(3) Rおよび接続部27a(3) Lが共に矩形からなる平
面形状を有し、かつ両者が同面積を有する場合に対応
し、これらと同様の形状的特徴を有するように形成され
た場合を表すものである。凹部80の平面形状に関する
寸法は、以下で説明する接続部27a(3) の平面形状に
関する寸法と同様となるようにする。
【0046】次に、再び図2を参照して、本実施の形態
における薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明する。
図2に示したように、凹部80を形成したのち、全体
に、例えばアルミナからなる絶縁層(図示せず)を約
3.0〜4.0μm程度の膜厚に形成する。このとき、
凹部80は、図示しない絶縁層の一部により埋設される
こととなる。
【0047】次に、図2および図7に示したように、例
えばCMP法(化学機械研磨)により、下部磁極7の表
面が露出するまで絶縁層の表面を研磨し、表面全体を平
坦化する。これにより、凹部80と下部磁極7周辺とを
埋設した部分以外の絶縁層は除去され、結果として、凹
部80を埋設する絶縁部分、すなわち磁気遮蔽層81
と、下部磁極7周辺を埋設する絶縁部分とが残存する。
磁気遮蔽層81は、右凹部80Rを埋設する右磁気遮蔽
層81Rおよび左凹部80Lを埋設する左磁気遮蔽層8
1Lから構成されている。右磁気遮蔽層81Rおよび左
磁気遮蔽層81Lは、それぞれ上部ポールチップ27a
の右接続部27a(3) Rおよび左接続部27a(3) Lに
対応する平面形状を有する。
【0048】次に、図3および図8に示したように、全
体に、例えばアルミナからなる記録ギャップ層9を約
0.15〜0.3μmの厚みに形成する。次に、後工程
で薄膜コイル29を形成する領域よりも後側において、
磁路形成のために、記録ギャップ層9を部分的にエッチ
ングして開口部9bを形成する。次に、後工程で薄膜コ
イル29を形成する領域よりも前側の領域における記録
ギャップ層9上に、例えば電解めっき法により、上部磁
極の一部を構成することとなる上部ポールチップ27a
を選択的に形成する。このとき、上部ポールチップ27
aの接続部27a(3) の形成位置が、磁気遮蔽層81の
形成位置と一致するようにする。これにより、右磁気遮
蔽層81Rは、記録ギャップ層9を間に介して右接続部
27a(3)Rと対向し、かつ左磁気遮蔽層81Lは記録
ギャップ層9を間に介して左接続部27a(3) Lと対向
する。上部ポールチップ27aの形成の際には、同時
に、開口部9bにも磁路形成パターン27bを形成す
る。なお、上部ポールチップ27aおよび磁路形成パタ
ーン27bとしては、例えば、高飽和磁束密度材である
パーマロイ(NiFe)系の合金や窒化鉄(FeN)系
の合金が用いられる。ここで、上記の上部ポールチップ
27aが本発明における「 一方の磁性層の第1の磁性層
部分」 の一具体例に対応する。
【0049】上部ポールチップ27aおよび磁路形成パ
ターン27bの形成は、例えば、次のようにして行う。
すなわち、まず、高飽和磁束密度材であるNiFe系合
金を、例えばスパッタリングにより、約70nmの厚み
で形成して、電解めっき法におけるシード層となる電極
膜(図示せず)を形成する。次に、上記の電極膜上に、
フォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィによりパ
ターニングして、フレームめっき法によってフォトレジ
ストパターン(図示せず)を形成する。次に、このフォ
トレジストパターンをマスクとし、先に形成した電極膜
をシード層として、電解めっき法によって、上部ポール
チップ27aおよび磁路形成パターン27bを形成し、
その後、フォトレジストパターンを除去する。
【0050】次に、図3および図9に示したように、例
えば、塩素系ガス(Cl2 ,CF4,BCl2 ,SF6
等)を使用したRIEによるドライエッチングにより、
上部ポールチップ27aの接続部27a(3) よりも後方
の領域に選択的に形成したフォトレジスト膜(図示せ
ず)と、上部ポールチップ27aの先端部27a(1)お
よび中間連結部27a(2) とをマスクとして、その周辺
の記録ギャップ層9および下部磁極7を自己整合的に約
0.5μm程度エッチングしてトリム構造を形成する。
このとき、エッチング処理を行う範囲は、図9に示した
ように、そのエッチング処理範囲における最後方の端縁
の位置が、例えば、後述する図10に示した上部ポール
チップ27aの端縁面T1の位置と一致するようにす
る。エッチング処理範囲の最後方の端縁面には、右磁気
遮蔽層81Rおよび左磁気遮蔽層81Lの一部が露出す
る。なお、図3(B)では、トリム構造の形成後におけ
る、上部ポールチップ27aの中間連結部27a(2) お
よび接続部27a(3) の前側の端縁面の描写を省略して
いる。
【0051】次に、図3に示したように、全体に、例え
ばアルミナ膜等の絶縁膜28を0.5〜1.5μm程度
の膜厚に形成する。
【0052】次に、図4に示したように、上部ポールチ
ップ27aおよび磁路形成パターン27bの間に位置
し、かつ絶縁膜28により囲まれた凹状の領域に、例え
ば電解めっき法により、例えば銅(Cu)よりなる誘導
型の記録ヘッド用の薄膜コイル29を約2〜3μmの厚
みに形成する。次に、全体に、例えばアルミナ膜からな
る絶縁層30を3〜4μm程度の膜厚に形成して薄膜コ
イル29を埋設した後、例えばCMP法により表面全体
を研磨する。このとき、CMP法による絶縁層30の表
面研磨は、上部ポールチップ27aおよび磁路形成パタ
ーン27bの表面が露出するまで行う。この研磨処理に
より、上部ポールチップ27a、絶縁層30および磁路
形成パターン7bの表面は平坦化される。
【0053】次に、図5に示したように、上部ポールチ
ップ27aおよび磁路形成パターン27bの場合と同様
の工程の電解めっき法により、上部ヨーク兼上部磁極
(以下、単に「上部磁極」という。)27cを、約3〜
4μmの厚みに形成する。この上部磁極27cは、例え
ば、後述する図11に示したような平面形状を有するも
のである。上部磁極27cの形状的特徴については、後
述する。図5に示したように、上部磁極27cは、開口
部9bにおいて磁路形成パターン27bを介して下部磁
極7と磁気的に連結されていると共に、接続部27a
(3) を通じて上部ポールチップ27aとも磁気的に連結
されている。上部磁極27cの材質および形成方法は、
例えば、上部ポールチップ27aの場合と同様である。
ここで、上記の上部磁極27cが、本発明における「一
方の磁性層の第2の磁性層部分」の一具体例に対応す
る。
【0054】次に、図5に示したように、全体を覆うよ
うにして、例えばアルミナよりなるオーバーコート層3
1を形成する。最後に、スライダの機械加工を行って、
記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング面(トラ
ック面)20を形成して、薄膜磁気ヘッドが完成する。
【0055】《薄膜磁気ヘッドの要部構成》次に、本実
施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの構造のうち、主に特徴
的な部分について説明する。
【0056】図10は、本実施の形態に係る製造方法に
よって製造される薄膜磁気ヘッドの平面構造の概略を表
すものである。なお、この図では、絶縁層30、オーバ
ーコート層31等の図示を省略している。また、薄膜コ
イル29については、その最外周のみを図示している。
図10に示したように、スロートハイトTHは、上部ポ
ールチップ27aの後方に形成された絶縁層30の、最
もエアベアリング面20側に近い端縁の位置を画定する
端縁面T1の位置からエアベアリング面20までの長さ
として規定される。すなわち、端縁面T1の位置は、ス
ロートハイトTHがゼロの位置(以下、「TH0位置」
という。)に相当することとなる。ここで、エアベアリ
ング面20と端縁面T1とは、ほぼ平行である。なお、
図5は、図10におけるA−A′線に沿った矢視断面に
相当する。
【0057】図11は、上部磁極27cおよび上部ポー
ルチップ27aの平面構造を表し、図12は上部ポール
チップ27aの平面構造を拡大して表すものである。図
11に示したように、上部磁極27cは、幅W7および
長さL7を有し、上部磁極27cの大部分を占めるヨー
ク部27c(1) と、幅W8および長さL6を有し、上部
ポールチップ27aと一部オーバーラップして接続され
る接続部27c(2) とを有している。ヨーク部27c
(1) の幅W7は、接続部27c(2) の幅W8よりも大き
くなっている(W7>W8)。ヨーク部27c(1) およ
び接続部27c(2) の各幅方向の中心は互いに一致して
いる。接続部27c(2) の幅W8は位置によらずほぼ一
定である。ヨーク部27c(1) の外縁G1は、エアベア
リング面20と平行な面に対して角度aをなしている。
また、接続部27c(2) の側縁面S9は、エアベアリン
グ面20と平行な面に対して角度bをなしている。本実
施の形態において、角度aは例えば30〜60度が好適
であり、より好ましくは45度である。また、角度b
は、例えば90度程度が好適である。
【0058】図12に示したように、上部ポールチップ
27aは、幅W1を有し、記録媒体上の書込トラック幅
を規定する先端部27a(1) と、W1よりも大きいほぼ
一定の幅W2を有する中間連結部27a(2) と、W2よ
りも大きいほぼ一定の幅W3を有する接続部27a(3)
とを有している(W3>W2>W1)。先端部27a
(1) および中間連結部27a(2) の長さは、L1および
L2であり、先端部27a(1) および中間連結部27a
(2) の各幅方向の中心は互いに一致している。
【0059】接続部27a(3) は、中間連結部27a
(2) の後方において、例えば、先端部27a(1) および
中間連結部27a(2) の中心を通る線分(A−A′線)
に関して対称な位置に配置された接続部27a(3) Rお
よび接続部27a(3) Lから構成されている。接続部2
7a(3) Rは、幅W4および長さL3を有し、接続部2
7a(3) Lは、幅W5および長さL4を有する。ここ
で、W4=W5、L3=L4として、接続部27a(3)
Rおよび接続部27a(3) Lが同面積を有するようにす
るのが好ましい。以下では、W4=W5、L3=L4と
して説明する。また、接続部27a(3) の長さとしてL
3と記載することとする。接続部27a(3)の幅方向の
中心は、先端部27a(1) および中間連結部27a(2)
の各幅方向の中心と一致している。
【0060】図12に示した上部ポールチップ27a
は、端縁面T1と接続部27a(3) Rと接続部27a
(3) Lとにより囲まれた部分に、長さ方向における凹状
の領域(以下、単に「凹部60」という。)を有する。
凹部60は、例えば直線から構成される形状を有し、例
えば矩形の一部をなすものである。凹部60の幅はW
6、長さはL5である。図12に示した上部ポールチッ
プ27aでは、例えば、凹部60の長さL5と接続部2
7a(3) の長さL3とは等しい(L3=L5)。接続部
27a(3) の幅W3は、接続部27a(3) Rの幅W4
と、凹部60の幅W6と、接続部27a(3) Lの幅W5
との総和に等しくなる(W4+W6+W5=W3)。前
述したように、端縁面T1の位置は、TH0位置に相当
する。端縁面T1の位置は、上部ポールチップ27aを
形成する際に、その凹部60の形状を変更し、調整する
ことによって決定されることとなる。このことから、上
部ポールチップ27aの形成時において、端縁面T1か
らエアベアリング面20までの長さ、すなわちスロート
ハイトTHを自由に設定することが可能となる。
【0061】先端部27a(1) と中間連結部27a(2)
とが連結する位置(以下、「第1の連結位置」とい
う。)において、先端部27a(1) の幅はW1であり、
中間連結部27a(2) の幅はW1よりも大きいW2であ
る。すなわち、上記の第1の連結位置には、幅方向の段
差が存在している。この段差部における中間連結部27
a(2) 側の端面(以下、「段差面」という。)21a
は、先端部27a(1) の側縁面S1と角度αをなし、ま
た中間連結部27a(2) の側縁面S2は、段差面21a
の延伸方向に対して角度βをなしている。本実施の形態
では、角度αおよびβは、例えば共に90度である。す
なわち、先端部27a(1) と中間連結部27a(2) との
段差面21aは、先端部27a(1) の側縁面S1と実質
的に垂直をなしている。ここで、「実質的に垂直」と
は、先端部27a(1) の側縁面S1の主たる部分と段差
面21aの主たる部分とのなす角度αがほぼ90度であ
ることを意味すると共に、先端部27a(1) の側縁面S
1と段差面21aとが交差する角部がシャープなエッジ
になっている場合のみならず、丸みを帯びている場合
(例えば、上記角部が、後述する図14において点線で
示したような形状を有する場合)をも含む意である。な
お、上記の角度αは、例えば75〜120度の範囲にあ
るのが好適である。
【0062】ここで、上部ポールチップ27aにおける
先端部27a(1) の側縁面S1と段差面21aとが交差
する角部の丸み形状は、フォトレジストパターンを形成
するためのマスクにおける上記の角部に対応する部分が
たとえシャープなエッジになっていたとしても生じ得る
ものである。また、フォトレジストパターンを形成する
ためのマスクにおける上記の第1のコーナー部分に対応
する部分の角度を正確に90度にしたとしても、フォト
リソグラフィ工程における露光量を増加させると、これ
により形成される上部ポールチップ27aの角度αが1
10〜120度まで広がる場合もある。
【0063】中間連結部27a(2) と接続部27a(3)
とが連結する位置(以下、「第2の連結位置」とい
う。)において、接続部27a(3) の幅W3は、中間連
結部27a(2) の幅W2より大きいW3である。すなわ
ち、上記の第2の連結位置には、幅方向の段差が存在し
ている。この段差部における接続部27a(3) 側の段差
面21cは、中間連結部27a(2) の側縁面S2と角度
γをなし、また接続部27a(3) の側縁面S3は、段差
面21cの延伸方向に対して角度δをなしている。本実
施の形態では、角度γおよびδは、例えば共に90度で
ある。更に、接続部27a(3) の側縁面S3は、接続部
27a(3) の後方側(エアベアリング面20と反対側)
の端縁面(上部ポールチップ27aの最後方側の端縁面
=以下、「後方面」という。)B1の延伸方向に対して
角度εをなしている。本実施の形態では、角度εは、例
えば90度である。
【0064】上部ポールチップ27aの凹部60におい
て、凹部60の内側面S4は、後方面B1の延伸方向に
対して角度ζをなし、また凹部60の内側面S4は、端
縁面T1と角度ηをなしている。本実施の形態では、角
度ζおよびηは、例えば共に90度である。
【0065】図12に示した上部ポールチップ27aに
おいて、端縁面T1は、記録媒体に対向する先端部27
a(1) の先端面ST1、段差面21a、段差面21c、
および後方面B1と平行になっている。なお、先端面S
T1は、エアベアリング面20の一部をなしている。ま
た、端縁面T1と、先端部27a(1) の側縁面S1、中
間連結部27a(2) の側縁面S2、接続部27a(3) の
側縁面S3および凹部60の内側面S4とは垂直をなし
ている。図12に示した上部ポールチップ27aでは、
端縁面T1の位置が、例えば中間連結部27a(2) と接
続部27a(3)との段差面21cの位置と一致してい
る。ここで、上部ポールチップ27aの先端部27a
(1) が本発明における「トラック幅画定部」の一具体例
に対応し、また中間連結部27a(2) が本発明における
「中間連結部」の一具体例に対応し、さらに接続部27
a(3) が本発明における「接続部」の一具体例に対応す
る。
【0066】ここで、再び図11を参照して、上部磁極
27cと上部ポールチップ27aとの位置関係について
説明する。本実施の形態では、図5から明らかなよう
に、上部ポールチップ27aは平坦な記録ギャップ層9
上に延在し、また上部磁極27cも同様に平坦な絶縁層
30上に延在している。そして、上部磁極27cの接続
部27c(2) は、上部ポールチップ27aの接続部27
a(3) (図5の破線で示した部分)にオーバーラップし
て接続されている。図5および図11では、上部磁極2
7cにおける接続部27c(2) の前側の端縁面22の位
置が、例えば端縁面T1の位置と一致している。この端
縁面22は、エアベアリング面20と平行である。な
お、図11に示したように、上部磁極27cの接続部2
7c(2) の長さL6は、例えば上部ポールチップ27a
の接続部27a(3) の長さL3以上とするのが好適であ
る(L6≧L3)。また、接続部27c(2) の幅W8
は、例えば上部ポールチップ27aの接続部27a(3)
の幅W3以上とするのが好適である(W8≧W3)。
【0067】なお、図11および図12に示した各部の
寸法としては、例えば次のような値が好適である。但
し、先端部27a(1) の幅W1、中間連結部27a(2)
の幅W2および接続部27a(3) の幅W3については、
W3>W2>W1とし、このとき、接続部27a(3) R
と接続部27a(3) Lとは同形状をなすように設定する
のが好ましい。また、上記の各部位の長さについては、
L3>L1、L3>L2とするのが好ましい。
【0068】 先端部27a(1) の幅W1=0.2〜0.5μm 中間連結部27a(2) の幅W2=1.2〜3.5μm 右接続部27a(2) R(左接続部27a(3) L)の幅W
4(W5)=0.5〜3.0μm 凹部60の幅W6=0.5〜2.0μm ヨーク部27c(1) の幅W7=15.0〜40.0μm 接続部27c(2) の幅W8=1.2〜3.5μm 先端部27a(1) の長さL1=0.3〜0.8μm 中間連結部27a(2) の長さL2=0.3〜3.0μm 接続部27a(3) の長さL3(=L4)=1.0〜4.
0μm 凹部60の深さL5=2.0〜3.0μm
【0069】《薄膜磁気ヘッドの作用》次に、以上のよ
うな構成の薄膜磁気ヘッドの作用について説明する。
【0070】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドでは、
情報の記録動作時において薄膜コイル29により生じた
磁束は、上部磁極27c内を伝搬し、上部ポールチップ
27aの接続部27a(3) を構成する接続部27a(3)
Rおよび接続部27a(3) Lにほぼ均等に流入する。接
続部27a(3) の接続部27a(3) Rおよび接続部27
a(3) Lに入り込んだ磁束は、上部ポールチップ27a
の中間連結部27a(2) に流入してそこで合流し、さら
に、先端部27a(1) に収束して流入する。先端部27
a(1) に流入した磁束は、その先端に到達し、その外部
に信号磁界を発生させる。この信号磁界によって、図示
しない記録媒体への情報記録が行われる。
【0071】ここで、一般に、薄膜磁気ヘッドの優れた
オーバーライト特性を確保するためには、上記の信号磁
界を充分に発生させるべく、上部ポールチップ27aの
先端部27a(1) へ円滑かつ充分に磁束を供給すること
が必要である。以下では、この薄膜磁気ヘッドのオーバ
ーライト特性に影響する上部磁極内の磁束の伝搬状況に
ついて、従来の薄膜磁気ヘッド(図32)および本実施
の形態に係る薄膜磁気ヘッド(図5)の構造を比較する
ことにより詳細に説明する。
【0072】図32に示した従来の薄膜磁気ヘッドで
は、薄膜コイル109で発生した磁束は、上部磁極11
1に伝搬し、さらに上部磁極111中をエアベアリング
面120側に移行して、最終的に上部磁極111の先端
へ到達する。このとき、図32に示したように、上部磁
極111の平坦な記録ギャップ層108上に形成された
領域とエイペックス上に形成された領域との間の領域S
では、厚み方向に延在する領域Sを図中の下方向へ向か
う磁束の流れが生ずることとなる。ここで、図32に示
した従来の薄膜磁気ヘッドでは、薄膜コイル109と下
部磁極107との間には、厚みの薄い記録ギャップ層1
08しか配設されていない。このため、上部磁極111
の領域Sにおいて、下方向へ向かう磁束の一部が記録ギ
ャップ層108を通過してしまう。この場合には、記録
ギャップ層108を通過した磁束は下部磁極107へ伝
搬することとなる。以下では、記録ギャップ層を通過す
ることによる上部磁極から下部磁極への磁束の伝搬を「
磁束の漏れ」 と呼称することとする。
【0073】上記のような磁束の漏れは、以下のような
不具合を誘発する。
【0074】第1に、上部磁極111から下部磁極10
7へ磁束が漏れることにより、上部磁極111からその
先端へ到達する磁束の絶対量が減少する。したがって、
上部磁極111の先端へ到達する磁束の量が減少するこ
とにより、薄膜コイル109で発生した磁束を上部磁極
111の先端へ充分に供給することができなくなる。こ
のため、このような構造を有する薄膜磁気ヘッドのオー
バーライト特性は著しく低下してしまう。
【0075】第2に、磁束の漏れによる下部磁極107
への局部的な磁束の集中は、薄膜磁気ヘッドの読み込み
動作に悪影響を及ぼす。例えば、下部磁極107に必要
以上に磁束が集中することにより、その一部がさらに下
部磁極107を通過してMR膜5へ到達した場合には、
MR膜105へ到達した磁束は、読み込み時における磁
気ノイズとして作用することとなる。これにより、薄膜
磁気ヘッドの正常な読み込み動作が阻害されることとな
る。
【0076】これに対し、図5に示した本実施の形態に
係る薄膜磁気ヘッドでは、図32に示した従来の薄膜磁
気ヘッドの領域Sに対応する領域、すなわち上部磁極2
7cと上部ポールチップ27aの接続部27a(3) とが
オーバーラップして接触している接触面(以下、単に「
磁気連結面」 ともいう。)27xに対応する領域(以
下、単に「オーバーラップ領域」 ともいう。)における
下部磁極7の一部に、記録ギャップ層9と隣接する磁気
遮蔽層81を配設している。この磁気遮蔽層81は、磁
気連結面27xに対応するオーバーラップ領域におい
て、下方向に向かう磁束が記録ギャップ層9を通過して
下部磁極7に伝搬することを抑制するものである。この
ため、磁気連結面27xに対応するオーバーラップ領域
における磁束の漏れ現象を回避し、上部ポールチップ2
7aの接続部27a(3) から先端部27a(1) へ磁束が
伝搬する際の伝搬ロスを抑制することができる。すなわ
ち、薄膜コイル29で発生した磁束を大きなロスなく円
滑に上部ポールチップ27aの先端部27a(1) に供給
することが可能となるので、先端部27a(1) の先端に
は必要充分な磁束が到達することとなる。また、磁気遮
蔽層81の存在により、記録ヘッド部以外への磁束の到
達、例えば、再生ヘッド部のMR膜5への磁束の到達を
防止できる。なお、磁気遮蔽層81は、上部ポールチッ
プ27aの接続部27a(3) から下部磁極7へ磁束が伝
搬することを抑制すると同時に、下部磁極7から接続部
27a(3) へ磁束が伝搬することをも抑制することがで
きる。
【0077】ところで、図10において説明したよう
に、本実施の形態の薄膜磁気ヘッドでは、上部ポールチ
ップ27aの端縁面T1が、スロートハイトTHの基準
となるTH0位置を規定している。すなわち、上部ポー
ルチップ27aの形成と同時にTH0位置が決定され
る。しかも、上部ポールチップ27aは、平坦な面(記
録ギャップ膜9の上面)の上に形成されているため、斜
面上に形成する場合と比べて、端縁面T1の位置決めを
正確に行うことが可能である。
【0078】ここで、先端部27a(1) 、中間連結部2
7a(2) および接続部27a(3) における、各部位の内
部に収容できる磁束の許容量(以下、「磁気ボリュー
ム」という。)は、上部ポールチップ27aの各部位間
を流れる磁束の伝播状況に大きく影響する。先端部27
a(1) 、中間連結部27a(2) および接続部27a(3)
の各磁気ボリュームをV1, V2, V3とし、例えば、
V3>V2>V1の関係が成立するように上記の各部位
を構成すると、薄膜コイル29で発生した磁束は、接続
部27a(3) から中間連結部27a(2) を経て先端部2
7a(1) に進むにつれて、段階的に集束される。このと
き、上部ポールチップ27aと上部磁極27cとは、幅
方向に分離された2つの接続部27a(3) Rおよび接続
部27a(3) Lにおいてオーバーラップし、このオーバ
ーラップ領域において十分な接触面積をもって磁気的に
連結している。このため、この領域での磁束の集中を回
避し、磁気ボリュームの大きな領域から小さな領域に磁
束が流入する際の磁束飽和現象の発生を防止できる。す
なわち、磁束飽和現象による磁束の伝播ロスを低減し、
上部ポールチップ27aの先端部27a(1) に必要充分
な量の磁束を円滑に供給できる。
【0079】図13は、従来の薄膜磁気ヘッドのオーバ
ーライト特性と本実施の形態の薄膜磁気ヘッドのオーバ
ーライト特性とを比較して表すものである。この図の
(A)は、図32に示したような構造を有する従来の薄
膜磁気ヘッドのオーバーライト特性を表し、(B)は図
5に示したような構造を有する本実施の形態に係る薄膜
磁気ヘッドのオーバーライト特性を表す。この図に示し
たように、従来の薄膜磁気ヘッドでは、26.0dBと
いう値であったのに対し、本実施の形態の薄膜磁気ヘッ
ドでは、35.5dBという高い値が得られており、オ
ーバーライト特性が改善されている。
【0080】さらに、図12に示したような形状を有す
る上部ポールチップ27aをもつ薄膜磁気ヘッドは、製
作精度の面においても、次のような利点を有する。
【0081】すなわち、例えば比較例として示した図1
5のように、第1の連結位置における段差面21aが先
端部27a(1) の側縁面となす角度αが90度よりもは
るかに大きい場合(例えば130度以上)には、フォト
リソグラフィ工程でマスクを用いてフォトレジストを選
択的に露光してパターニングする場合に、フォトレジス
ト領域のパターン幅が広がる領域がかなり大きくなる。
具体的には、先端部27a(1) のうち、所期の目標幅W
1よりも広がる部分(図中の破線)の長さd2がかなり
長くなり、結果として、一定の目標幅W1を有する幅は
短くなる。
【0082】これに対して、本実施の形態の薄膜磁気ヘ
ッドにおける上部ポールチップ27aでは、図14に示
したように、第1の連結位置における段差面21aが先
端部27a(1) の側縁面S1となす角度αは、ほぼ90
度である。このため、フォトリソグラフィ工程でマスク
を用いてフォトレジストを選択的に露光してパターニン
グする場合に、フォトレジスト領域のパターン幅が広が
るのを効果的に抑制することができる。具体的には、図
14に示したように、先端部27a(1) の幅が所期の目
標幅W1よりも広がって形成されてしまう部分(図中の
破線)の長さd1を極めて小さくすることが可能であ
る。
【0083】以上のように、本実施の形態の薄膜磁気ヘ
ッドによれば、上部磁極27cと上部ポールチップ27
aの接続部27a(3) との磁気連結面27xに対応する
オーバーラップ領域における下部磁極7の一部に、記録
ギャップ層9と隣接する磁気遮蔽層81を配設するよう
にしたので、薄膜コイル29で発生した磁束が上部磁極
27cから上部ポールチップ27aの先端部27a(1)
へ伝搬する過程における磁束の漏れを抑制することがで
きる。したがって、上部ポールチップ27aの先端部2
7a(1) に必要充分な量の磁束を供給することができる
ので、優れたオーバーライト特性を確保することが可能
となる。
【0084】また、本実施の形態では、平坦面上に形成
した上部ポールチップ27aの端縁面T1によってTH
0位置を規定するようにしているため、上部ポールチッ
プ27aの形成時点でTH0位置を正確に決定すること
ができ、薄膜磁気ヘッドの記録特性に寄与するスロート
ハイトTHを高精度に形成することが可能となる。
【0085】また、上部ポールチップ27aと上部磁極
27cとの磁気的連結は、幅方向に分離された2つの接
続部27a(3) Rおよび接続部27a(3) Lにおいて、
十分な接触面積をもって行われるようにしたので、磁気
ボリュームの大きな領域から小さな領域に磁束が流入す
る際の磁束飽和による磁束伝播ロスを低減し、上部ポー
ルチップ27aの先端部27a(1) に必要充分な量の磁
束が到達できるようにすることができる。したがって、
先端部27a(1) の幅W1を、例えばサブミクロンオー
ダーまで狭小化した場合においても、優れたオーバーラ
イト特性を確保することが可能となる。
【0086】また、本実施の形態では、上部ポールチッ
プ27aの第1の連結位置において、先端部27a(1)
と中間連結部27a(2) との間に、実質的に直角に変化
する幅方向の段差を設けるようにしたので、先端部27
a(1) を形成するためのフォトレジストのパターン幅の
広がりを防止し、記録媒体上の書込トラック幅を規定す
る先端部27a(1) の幅がほぼ目標の値W1となる領域
を十分に確保することができ、この結果、記録媒体にお
ける書込トラック幅を微小化できる。
【0087】また、本実施の形態では、上部磁極27c
をCMP研磨後の平坦部上に形成するようにしているた
め、フォトリソグラフィによるフォトレジストパターン
を高精度に形成することができ、この結果、上部磁極2
7cもまた高精度に形成される。
【0088】また、本実施の形態では、記録ギャップ層
9と薄膜コイル29との間に、アルミナ等からなる厚い
絶縁膜28が形成されているため、薄膜コイル29と下
部磁極7との間の絶縁耐圧を高めることができると共
に、薄膜コイル29からの磁束の洩れを低減することが
できる。
【0089】なお、本実施の形態において、上部磁極2
7cとして、例えばNiFeやチッ化鉄(FeN)を用
いるようにしたが、このほか、例えばFe−Co−Zr
のアモルファス等の高飽和磁束密度材を用いてもよい
し、これらの材料を2種類以上重ねて使用してもよい。
また、下部磁極7としても、NiFeと上記の高飽和磁
束密度材を重ねた磁性材料を用いてもよい。
【0090】《第1の実施の形態の変形例》次に、本実
施の形態に関するいくつかの変形例を説明する。
【0091】上記実施の形態では、磁気遮蔽層81の平
面形状が、例えば、磁気連結面27xを構成する上部ポ
ールチップ27aの接続部27a(3) の平面形状と同様
である場合について説明したが、これに限られるもので
はない。図16は、磁気遮蔽層81の変形例を表す断面
図であり、上記実施の形態における図5に対応するもの
である。図16に示したように、磁気遮蔽層81が磁気
連結面27xを構成する接続部27a(3) の平面形状を
含む限り、磁気遮蔽層81の配設範囲を長さ方向および
幅方向に自由に拡張することが可能である。但し、この
場合における磁気遮蔽層81の長さ方向における拡張範
囲は、以下に説明する通りである。図16(A)に示し
たように、磁気遮蔽層81の前方への拡張については、
例えば、その前側の端縁の位置が上部ポールチップ27
aの中間連結部27a(2 )の段差面21aの位置と一
致するまでとし、一方、磁気遮蔽層81の後方への拡張
については、その後側の端縁の位置が磁路形成パターン
27bの前側の端縁の位置と一致するまでとするように
するのが好ましい。また、磁気遮蔽層81の幅方向にお
ける拡張は、例えば、図16(B)に示したように、磁
気遮蔽層81の幅が接続部27a(3) の幅よりも大きく
なるように自由に調整することが可能である。このよう
な磁気遮蔽層81を配設する場合においても、図5に示
した場合と同様の効果が得られる。特に、薄膜コイル2
9の配置領域に対応する領域に磁気遮蔽層81を配設す
ることで、薄膜コイル29から下部磁極7への直接的な
磁束の伝搬をより確実に抑制することができる。
【0092】また、上記実施の形態では、磁気遮蔽層8
1の厚みをさらに大小に調整することも可能である。こ
のとき、磁気遮蔽層81の厚みは、下部磁極7の厚み以
下となるようにする。但し、磁気遮蔽層81の厚みを増
加させる場合には、下部磁極7の磁気ボリュームを部分
的に減少させることとなるため、磁気遮蔽層81の厚み
は、下部磁極7の磁気ボリュームが少なくなりすぎない
程度とするのが好ましい。
【0093】また、上記実施の形態では、上部磁極27
cの接続部27c(2) の端縁面22の位置が、TH0位
置を決定する端縁面T1の位置と一致している場合(図
11)について説明したが、これに限られるものではな
い。例えば、図17に示したように、上部磁極27cの
接続部27c(2) は、その前側の端縁面22の位置が、
端縁面T1の位置を越えて中間連結部27a(2) の一部
ともオーバーラップすることとなるように延在するよう
にしてもよい。この場合、上部磁極27cの接続部27
c(2) の端縁面22から端縁面T1の位置までのずれ長
さL11は、例えば0.5〜1.5μmの範囲で設定す
るのが好適である。また、図18に示したように、上部
磁極27cの接続部27c(2) における端縁面22の位
置が端縁面T1の位置よりも後方(エアベアリング面と
反対の側)にずれるようにしてもよい。この場合のずれ
長さL12もまた、0.5〜1.5μmの範囲で設定す
るのが好ましい。図17および図18に示した場合にお
いても、上部磁極27cと上部ポールチップ27aとの
磁気連結面に対応する平面形状を有する限り、磁気遮蔽
層81の配設範囲を拡張することが可能である。この場
合においても、図5に示した場合と同様の効果が得られ
る。
【0094】なお、上記実施の形態では、例えば、図2
に示したように、磁気遮蔽層81を埋め込む凹部80を
形成する手順として、まず、例えばめっき法により下部
磁極7を1層形成し、続いて下部磁極7の一部を例えば
エッチングにより選択的に除去することにより凹部80
を形成するようにしたが、これに限られるものではな
い。例えば、以下に説明するように、下部磁極を、2以
上の同一工程により、2以上の層から構成されるように
分割して形成することにより、結果として図2に示した
場合と同様の形状的特徴を有する凹部が形成されるよう
にしてもよい。以下では、例えば、下部磁極が2層から
構成される場合について、図19を参照して説明する。
【0095】図19は、図2に示した形成方法とは異な
る形成方法により磁気遮蔽層81を埋め込む凹部を形成
する場合の薄膜磁気ヘッドの製造工程の一部を表すもの
であり、 上記実施の形態における図2に示した製造工程
に対応するものである。図19において、上記実施の形
態における図2に示した要素と同一部分には、同一の符
号を付すものとする。図19におけるシールドギャップ
膜6を形成するまでの工程は、上記実施の形態における
図2に示した場合と同様であるので、その説明を省略す
る。図19に示した薄膜磁気ヘッドの製造方法では、シ
ールドギャップ膜6を形成したのち、シールドギャップ
膜6上に、例えばめっき法により、例えばパーマロイよ
りなる第1下部磁極71を形成する。次に、第1下部磁
極71上の所定の位置に、所定の平面形状を有する図示
しないフォトレジスト膜を配置し、このフォトレジスト
膜をマスクとして、第1下部磁極71と同様の工程を用
いることにより、第1下部磁極71上に第2下部磁極7
2を選択的に形成する。上記の「 所定の位置」 および「
所定の平面形状」 は、上記実施の形態において説明した
場合と同様である。第2下部磁極72の形成後、フォト
レジスト膜を取り除くことにより、フォトレジスト膜を
配置した領域には、上記実施の形態における図2に示し
た凹部80と同様の形状的特徴を有する開口部180が
形成される。なお、図19では、下部磁極が2層(第1
下部磁極71および第2下部磁極72)から構成される
場合について説明したが、必ずしもこの場合に限らず、
例えば、下部磁極が3層以上から構成されるようにして
もよい。図2および図19において説明した凹部80ま
たは開口部180の形成方法は、適宜選択可能である。
【0096】なお、図19に示したような製造方法を用
いて下部磁極を形成する場合においては、例えば、図2
0に示したように、第1下部磁極71と第2下部磁極7
2との間に、例えばアルミナからなる絶縁層91を配設
するようにしてもよい。このような構造を有する薄膜磁
気ヘッドでは、この絶縁層91の存在により、第2下部
磁極72から第1下部磁極71へ磁束が伝搬することを
抑制することができる。
【0097】なお、上記で示した種々の上部磁極27c
および上部ポールチップ27aを選択的に使用して薄膜
磁気ヘッドを構成する際には、下記の点に留意して両者
を選択することが好ましい。
【0098】第1に、スロートハイトを適切な長さにす
ることが重要である。例えば、図11において、スロー
トハイトTHは、一般に短い方が好ましい。なぜなら、
スロートハイトTHが短くなるほど、先端部27a(1)
の先端面ST1に到達する磁束の量が大きくなり、記録
時のオーバーライト特性を向上させることとなるからで
ある。その一方、スロートハイトTHの短縮化は、記録
時の書きにじみ、すなわちサイドライト現象を誘発する
可能性を有する。スロートハイトTHをあまりに短縮す
ると、上部ポールチップ27aの接続部27a(3) の段
差面21a(幅W3)や上部磁極27cの接続部27c
(2) の前側の端縁面22(幅W8)がエアベアリング面
20に近づき過ぎて、先端部27a(1) の幅W1に収束
しきれない過大な磁束が先端部27a(1) に供給された
り、あるいは接続部27a(3) の段差面21aや接続部
27c(2) の端縁面22から磁束がエアベアリング面2
0側に直接放出されるおそれがあるからである。したが
って、スロートハイトTHを設定する際には、サイドラ
イト現象を誘発しないように、各磁極部分の形状および
寸法を決定することが好ましい。
【0099】第2に、例えば図11において、上部ポー
ルチップ27aの先端部27a(1)の後方側に位置する
中間連結部27a(2) および接続部27a(3) の磁気ボ
リュームを適正化することが好ましい。ここで、「中間
連結部27a(2) および接続部27a(3) の磁気ボリュ
ームが適正であること」とは、中間連結部27a(2)お
よび接続部27a(3) が、適切な量の磁束を先端部27
a(1) に伝播し得るだけの磁束収容能力を備えているこ
とを意味する。例えば、中間連結部27a(2)および接
続部27a(3) の磁気ボリュームが小さすぎると、先端
部27a(1) に流入する磁束の量が不足し、記録時のオ
ーバーライト特性が低下する。したがって、中間連結部
27a(2) および接続部27a(3) は、充分な磁気ボリ
ュームを確保できるだけの大きな面積を有する必要があ
る。一方、中間連結部27a(2)および接続部27a(3)
の磁気ボリュームが必要以上に大きすぎると、先端部
27a(1) に過剰な磁束が流入し、記録時の書きにじ
み、すなわちサイドライト現象を誘発する可能性があ
る。したがって、上部磁極27cから流入する磁束を段
階的に収束しつつ、上部ポールチップ27aの先端部2
7a(1) に充分かつ適正な量の磁束を供給できるよう
に、中間連結部27a(2) および接続部27a(3)の形
状および寸法を決定することが好ましい。
【0100】〔第2の実施の形態〕次に、本発明の第2
の実施の形態を説明する。
【0101】上記第1の実施の形態では、例えば、図5
に示したように、上部磁極27cと上部ポールチップ2
7aとの磁気連結面27xに対応するオーバーラップ領
域における下部磁極7の一部に磁気遮蔽層81を形成す
る場合について説明した。これに対して、本実施の形態
では、磁束の漏れを抑制する磁気遮蔽層を、磁気連結面
27xにオーバーラップ対応する領域における上部ポー
ルチップ27aの接続部27a(3) の一部に形成する場
合について説明する。
【0102】図21〜図24を参照して、本発明の第2
の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方法について
説明する。
【0103】図21および図22は、本実施の形態の製
造方法における主要工程を表すものである。これらの図
において、(A)はエアベアリング面に垂直な断面を表
し、(B)は磁極部分のエアベアリング面に平行な断面
を示している。また、図23および図24は、本実施の
形態の製造工程における斜視図を示している。ここで、
図23は図21に対応し、図24は図22に対応する。
これらの図において、上記第1の実施の形態における要
素と同一部分には同一の符号を付すものとする。
【0104】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法において、図21に示した下部磁極7を形成すると
ころまでの工程は、上記第1の実施の形態における図1
の工程と同様であるので、説明を省略する。
【0105】本実施の形態では、図1に示したように下
部磁極7の形成が終了すると、次に、図21および図2
3に示したように、全体に、例えばアルミナからなる記
録ギャップ層9を約0.15〜0. 3μmの厚みに形成
する。
【0106】次に、記録ギャップ層9上の所定の位置に
おいて、例えば、フォトレジストを高精度のフォトリソ
グラフィ処理を用いて所定の平面形状にパターニングす
る。続いて、このフォトレジストに対して、例えば、2
50℃程度の温度で熱処理を施すことにより、磁気遮蔽
層85を形成する。ここで、上記の「 所定の位置」 およ
び「 所定の平面形状」 は、上記第1の実施の形態におい
て説明した場合と同様である。図21(B)および図2
3に示したように、磁気遮蔽層85は、記録ギャップ層
9上の2つの凸部領域、すなわち右磁気遮蔽層85Rお
よび左磁気遮蔽層85Lから構成されている。磁気遮蔽
層85の記録ギャップ層9からの高さ(厚み)は、例え
ば、約0.5〜1.5μm程度とする。
【0107】次に、図22に示したように、後工程で薄
膜コイル9を形成する領域よりも後側において、磁路形
成のために、記録ギャップ層9を部分的にエッチングし
て開口部9bを形成する。次に、図22および図24に
示したように、後工程で薄膜コイル29を形成する領域
よりも前側の領域における記録ギャップ層9上に、例え
ば電解めっき法により、上部ポールチップ27aを選択
的に形成する。この上部ポールチップ27aは、例え
ば、上記第1の実施の形態における図11に示したもの
を用いることができる。上部ポールチップ27aの形成
の際には、その接続部27a(3) の形成位置が磁気遮蔽
層85の形成位置と一致するようにする。すなわち、上
部ポールチップ27aの右接続部27a( 3) Rが右磁
気遮蔽層85R上に形成され、かつ左接続部27a(3)
Lが左磁気遮蔽層85L上に形成されるようにする。上
部ポールチップ27aの形成の際には、同時に、開口部
9bにも磁路形成パターン27bを形成する。なお、上
部ポールチップ27aおよび磁路形成パターン27bの
材質および形成方法、さらに、これ以降の製造方法につ
いては、上記第1の実施の形態と同様であるので、 その
説明を省略する。
【0108】このような構造を有する薄膜磁気ヘッドに
おいても、上記第1の実施の形態の場合と同様に、磁気
遮蔽層85の存在により、磁気連結面27xに対応する
オーバーラップ領域における磁束の漏れを抑制すること
が可能となる。したがって、磁束の伝搬ロスを回避しつ
つ、上部ポールチップ27aの先端部27a( 1) へ必
要充分な磁束を供給することができるので、優れたオー
バーライト特性を確保することが可能となる。
【0109】なお、本実施の形態において、磁気遮蔽層
85の厚みを増加させる場合には、上部ポールチップ2
7aの接続部27a(3) の磁気ボリュームを減少させる
こととなるため、磁気遮蔽層85の厚みは、接続部27
a(3)の磁気ボリュームが少なくなりすぎない程度とする
のが好ましい。本実施の形態における薄膜磁気ヘッドの
上記以外の構成に関する作用、効果および変形等は、上
記第1の実施の形態の場合と同様である。また、例え
ば、図16に示したように、磁気遮蔽層85の配設範囲
を上部ポールチップ27aの中間連結部27a(2) に対
応する部分にまで拡張する場合においても同様である。
したがって、磁気遮蔽層85の厚みおよび配設範囲を調
整する際には、上部ポールチップ27aの各部位の磁気
ボリュームを十分に確保しつつ、上部ポールチップ27
a内における磁束の伝搬を阻害しない範囲で行うことが
望ましい。
【0110】また、本実施の形態では、磁気遮蔽層85
を配設すると共に、上記第1の実施の形態で説明した磁
気遮蔽層81を配設するようにしてもよい。この場合に
は、磁束の伝搬ロスの原因となる磁束の漏れをより確実
に抑制することができる。
【0111】[第3の実施の形態]次に、図25〜図2
7を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁
気ヘッドの製造方法としての複合型薄膜磁気ヘッドの製
造方法を説明する。なお、本実施の形態に係る薄膜磁気
ヘッドは、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造方
法によって具現化されるので、以下併せて説明する。図
25〜図27は、本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの
製造工程を表すものであり、各図の(A)はエアベアリ
ング面に垂直な断面を示し、(B)は磁極部分のエアベ
アリング面に平行な断面を示している。これらの図で、
上記各実施の形態における要素と同一部分には同一の符
号を付すものとする。
【0112】本実施の形態に係る薄膜磁気ヘッドの製造
方法において、図25における絶縁膜28を形成すると
ころまでの工程は、上記第1の実施の形態における図3
に示した工程と同様であるので、説明を省略する。
【0113】本実施の形態では、図25に示したよう
に、絶縁膜28の形成が終了したのち、上部ポールチッ
プ27aと磁路形成パターン27bとの間に形成された
凹部領域に、例えば電解めっき法により、誘導型の記録
ヘッド用の1層目の薄膜コイル29を例えば1.5〜
2.5μmの厚みで形成する。このとき同時に、磁路形
成パターン27bの後方領域に、コイル接続部43Cを
形成する。コイル接続部43Cは、1層目の薄膜コイル
29を、後述する第2層の薄膜コイル47と接続するた
めのものである。
【0114】次に、全面に、スパッタ法により絶縁材
料、例えばアルミナよりなる膜厚3.0〜4.0μmの
絶縁層30を形成した後、例えばCMP法により表面を
平坦化し、上部ポールチップ27aおよび磁路形成パタ
ーン27bの表面を露出させる。
【0115】次に、図26に示したように、薄膜コイル
29を埋設した絶縁層30の前方側の平坦な表面上に、
上部ポールチップ27aの接続部27a(3) と磁気的に
連結させるための上部接続部45aを形成する。このと
き、上部接続部45aは、上部ポールチップ27aの接
続部27a(3) とオーバーラップして接触し、かつ例え
ば後方に向かって上部ポールチップ27aの接続部27
a(3) よりも長く延在するように形成する。本実施の形
態では、上部ポールチップ27aと上部接続部45aと
の接触面が磁気連結面27xに相当する。上部接続部4
5aの平面形状は、例えば、後述する図28に示したよ
うな矩形からなる平面形状を有するものとする。さら
に、上部接続部45aは、その前側の端縁面32の位置
が、例えば端縁面T1の位置(すなわち、TH0位置)
と一致するようにする。また、上部接続部45aを形成
する際には、同時に、磁路形成パターン27bと磁気的
に連結し、最終的に上部磁極と下部磁極とを接続させる
ための上部接続部45bを形成する。このとき、上部接
続部45bは、磁路形成パターン27bとオーバーラッ
プして接触するようにし、かつ例えば磁路形成パターン
27bの長さと一致するように形成する。なお、上部接
続部45aおよび45bの材質および製造方法は、例え
ば、上部ポールチップ27aと同様である。ここで、上
記の上部接続部45aが、本発明における「第3の磁性
層部分」に対応する。
【0116】続いて、全面に、例えばスパッタ法または
CVD法により、膜厚約0.3〜0.6μmの例えばア
ルミナからなる絶縁膜46を形成する。次に、コイル接
続部43C上の絶縁膜46および30をフォトリソグラ
フィによりパターニングし、コイル接続部43Cに達す
る開口部9Cを形成する。次に、上部接続部45aおよ
び45bの間の領域に形成された凹部内の絶縁膜46上
に、例えば電解めっき法により、例えば銅(Cu)より
なる誘導型の記録ヘッド用の2層目の薄膜コイル47を
1.5〜2.5μmの厚みで形成する。このとき、同時
に、開口9cを介してコイル接続部43Cと接触するコ
イル接続部47Cを形成する。
【0117】次に、全面に、例えばスパッタ法またはC
VD法により、膜厚約3〜4μmの例えばアルミナから
なる絶縁層48を形成する。なお、この絶縁層48およ
び絶縁膜46は、アルミナに限らず、二酸化珪素(Si
2 )や、窒化珪素(SiN)等の他の絶縁材料により
形成してもよい。
【0118】次に、例えばCMP法により、上部接続部
45aおよび45bの表面が露出するように、絶縁層4
8および絶縁膜46を研磨し、これらの絶縁層48およ
び絶縁膜46の表面と上部接続部45aおよび45bの
各表面とが同一面を構成するように平坦化する。
【0119】次に、図27に示したように、例えば上部
ポールチップ27aと同じ材料を用いて、例えば電解め
っき法やスパッタ法などの方法により、上部磁極を約3
〜4μmの厚みに選択的に形成する。この上部磁極は、
後述する図28に示したように、例えば、上記各実施の
形態における上部磁極27c(図11)を用いることが
できる。このとき、上部磁極27cにおける前方側の接
続部27c(2) の一部が上部接続部45aとオーバーラ
ップし、かつ、例えば、接続部27c(2) の前側(エア
ベアリング面側)の端縁面22の位置が、端縁面T1の
位置(すなわち、TH0位置)および上部接続部45a
の前側の端縁面32の位置よりも後方(エアベアリング
面と反対側)にずれるようにする。また、上部磁極27
cにおける後方側のヨーク部27c(1) の一部が、上部
接続部45bとオーバーラップし、かつ、例えばヨーク
部27c(1) の後側の端縁面B2の位置が、磁路形成パ
ターン27bおよび上部接続部45bの後側の端縁面の
位置と一致するようにする。これにより、上部磁極27
cは、上部接続部45aおよび上部ポールチップ27a
と磁気的に連結されると共に、上部接続部45bおよび
磁路形成パターン27bを介して下部磁極7と磁気的に
連結される。
【0120】最後に、全面を覆うように、例えばスパッ
タ法によりアルミナよりなる膜厚約30μmのオーバー
コート層50を形成する。その後、スライダの機械加工
を行い、記録ヘッドおよび再生ヘッドのエアベアリング
面(ABS)を形成することにより、薄膜磁気ヘッドが
完成する。
【0121】図28は、本実施の形態に係る製造方法に
よって製造された薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極27
c、上部接続部45aおよび上部ポールチップ27aの
平面形状を表すものである。また、図29は、図27に
示した断面図の立体的構造を表した斜視図である。な
お、図28および図29において、上記各実施の形態に
おける要素と同一部分には同一の符号を付すものとし、
適宜説明を省略する。また、図29では、オーバーコー
ト層50、薄膜コイル29、47および絶縁層30等の
図示を省略している。
【0122】図28に示したように、上部接続部45a
は、例えば、矩形からなる平面形状を有し、その幅はW
30および長さはL30である。また、上部接続部45
aは、図27および図29に示したように、その下面の
一部が上部ポールチップ27aの接続部27a(3) と接
触してオーバーラップするように位置し、かつその上面
が上部磁極27cの接続部27c(2) の一部と接触する
ように配置されている。このため、薄膜コイル29およ
び47で発生した磁束は、上部磁極27cにおける大き
な面積を有するヨーク部27c(1) から、接続部27c
(2) (幅W8、長さL6)、上部接続部45a(幅W3
0、長さL30)、さらに、接続部27a(3) (幅W
3、長さL3)を通じて上部ポールチップ27aに伝搬
するようになっている。
【0123】本実施の形態では、図28に示したよう
に、上部磁極27cの接続部27c(2) 、上部接続部4
5aおよび上部ポールチップ27aの各部位の幅につい
てはW8>W30>W3となるようにし、各部位の長さ
についてはL6>L30>L3となるようにしている。
したがって、各部位間を通じて上部磁極27cから上部
ポールチップ27aへ伝搬する磁束は、段階的に収束し
ていく。上部ポールチップ27aの接続部27a(3) に
伝搬した磁束は、さらに上部ポールチップ27aの中間
連結部27a(2) および先端部27a(1) へ伝播する過
程で収束される。
【0124】本実施の形態では、上記のように2層の薄
膜コイル27、49を設けるようにしたので、薄膜コイ
ル部において発生する磁束の絶対量を増大させることが
可能である。この場合においても、磁気遮蔽層81の存
在により、上部ポールチップ27aと上部接続部45a
との磁気連結面27xに対応するオーバーラップ領域に
おける磁束の漏れを抑制することが可能となる。したが
って、磁束の伝搬ロスを回避しつつ、上部ポールチップ
27aの先端部27a(1) へ必要充分な磁束を供給する
ことができる。
【0125】また、本実施の形態では、薄膜コイルを2
層構造とした結果、先端部27a(1) と上部磁極27c
との間にスペースが生ずる。本実施の形態では、このス
ペースを利用して第3の磁性層部分としての上部接続部
45aを設けるようにしている。この上部接続部45a
の存在により、上部ポールチップ27aの先端部27a
(1) の後方領域に、厚み方向に磁気ボリュームが確保さ
れる。この磁気ボリュームは、2層の薄膜コイル27、
49によって発生した大量の磁束の収容スペースとな
る。このため、上部ポールチップ27aの先端部27a
(1) の後方領域において磁気飽和が生ずることを回避で
き、充分な量の磁束が上部ポールチップ27aの先端部
27a(1) に供給される結果、優れたオーバーライト特
性を確保することが可能となる。
【0126】また、本実施の形態では、上部ポールチッ
プ27a、上部接続部45aおよび上部磁極27cを平
坦部上に形成することができるため、フォトリソグラフ
ィによるフォトレジストパターンの形成を高精度に行う
ことができ、上部ポールチップ27aの先端部27a
(1) の幅を0.5〜0.25μmの精度で微細化するこ
とも可能となる。また、上部接続部45aおよび上部磁
極27cもまた、CMP研磨後の平坦部上に形成できる
ため、同様の理由から高精度のパターニングが可能であ
る。
【0127】本実施の形態における薄膜磁気ヘッドの上
記以外の構成に関する作用、効果および変形等は、上記
第1の実施の形態の場合と同様である。
【0128】なお、本実施の形態における上部接続部4
5aの前側の端縁面32の位置は、必ずしも端縁面T1
の位置に一致しなければならないものではなく、端縁面
T1の位置を基準として、例えば0.5〜1.0μmの
範囲内で前後にずれるように設定してもよい。この場合
においても、上部ポールチップ27aと上部接続部45
aとの磁気連結面27xに対応するオーバーラップ領域
に磁気遮蔽層81を配設することで、磁束の漏れを抑制
できる。
【0129】また、本実施の形態における上部磁極27
cの接続部27c(2) の前側の端縁面22の位置は、必
ずしもTH0位置を決定する端縁面T1よりも後方にず
れるようにしなければならないものではない。例えば、
端縁面22の位置は、上記第1の実施の形態における図
11のように端縁面T1の位置と一致してもよいし、ま
たは図17のように端縁面T1の位置よりも前方にずれ
るようにしてもよい。端縁面22の位置が端縁面T1の
位置よりも前方にずれる場合の両位置間のずれ長さは、
端縁面T1の位置を基準として0.5〜1.0μmの範
囲内で設定するのが好適である。
【0130】また、本実施の形態では、磁気遮蔽層81
のかわりに、上記第2の実施の形態で説明した磁気遮蔽
層85を配設するようにしてもよいし、さらに、磁気遮
蔽層81と磁気遮蔽層85とを両方配設するようにして
もよい。これらの場合においても、磁束の伝搬ロスの原
因となる磁束の漏れを抑制することができる。
【0131】以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発
明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定さ
れず、種々の変形が可能である。例えば,上記各実施の
形態では、図11に示したような平面形状を有する上部
ポールチップ27aおよび上部磁極27cを用いる場合
について説明したが、これに限られるものではない。例
えば、上部ポールチップ27aおよび上部磁極27cを
構成する各部位の形状を種々変形するようにしてもよ
い。この場合には、上部ポールチップの形状により磁気
連結面の平面形状も変化することとなるので、磁気遮蔽
層の平面形状も同様に、磁気連結面の平面形状に対応す
ることとなるように変化させるのが好ましい。上記第3
の実施の形態における上部接続部45aについても同様
である。
【0132】また、上記の各実施の形態およびその変形
例では、複合型薄膜磁気ヘッドの製造方法について説明
したが、本発明は、書き込み用の誘導型磁気変換素子を
有する記録専用の薄膜磁気ヘッドや記録・再生兼用の誘
導型磁気変換素子を有する薄膜磁気ヘッドにも適用する
ことができる。また、本発明は、書き込み用の素子と読
み出し用の素子の積層順序を逆転させた構造の薄膜磁気
ヘッドにも適用することができる。
【0133】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1ないし請
求項11のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッド、または
請求項12ないし請求項24のいずれか1に記載の薄膜
磁気ヘッドの製造方法によれば、2つの磁性層のうち一
方の磁性層が、記録媒体に対向する記録媒体対向面から
この面と離れる方向に延在する第1の磁性層部分と、第
1の磁性層部分の一部にオーバーラップすると共に、こ
のオーバーラップした領域において第1の磁性層部分と
磁気的に連結された第2の磁性層部分とを含むように
し、また第1の磁性層部分と第2の磁性層部分とがオー
バーラップするオーバーラップ領域に、この領域におい
て第1の磁性層部分と他方の磁性層との間での磁束の伝
搬を抑制する磁気遮蔽層をギャップ層に隣接するように
形成することとしたので、オーバーラップ領域に流入し
た磁束がギャップ層を通過することを防止することがで
きる。この結果、薄膜コイルで発生した充分な磁束を第
2の磁性層部分から第1の磁性層部分にロスなく伝搬さ
せることができるという効果を奏する。
【0134】また、請求項5記載の薄膜磁気ヘッド、ま
たは請求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、第2の磁性層部分が、記録媒体に対向する記録媒体
対向面からこの面と離れる方向に一定幅をもって延在し
記録媒体の記録トラック幅を画定するトラック幅画定部
と、第1の磁性層部分と磁気的に連結されると共にトラ
ック幅方向に互いに分離して配置された少なくとも2つ
の接続部と、絶縁層の記録媒体対向面側の端縁を画定す
る端縁部を有すると共にトラック幅画定部と上記の少な
くとも2つの接続部とを磁気的に連結させる中間連結部
とを含むようにしたので、この中間連結部を形成した時
点で、記録特性に影響を与える、絶縁層の記録媒体対向
面側の端縁から記録媒体対向面までの距離の基準となる
位置が確定する。この結果、上記の距離、すなわちスロ
ートハイトTHを正確にコントロールすることが容易と
なることから、記録特性のばらつきを向上させることが
可能になるという効果を奏する。また、薄膜コイルで発
生して第1の磁性層部分から第2の磁性層部分へ伝播す
る磁束は、幅方向に分離して配置された少なくとも2つ
の接続部を経由することになるため、磁束の局部的な集
中による磁束飽和が回避され、磁束の伝播が円滑化され
る。したがって、スロートハイトTHの正確な制御特性
と磁束の円滑な伝搬特性という2つの特性が相乗的に作
用するため、トラック幅画定部の幅を例えばサブミクロ
ン領域にまで微細化したとしても、十分なオーバーライ
ト特性を担保することが可能となる。
【0135】また、請求項8記載の薄膜磁気ヘッドによ
れば、トラック幅画定部と中間連結部とが連結する位置
に設けられた段差における中間連結部の段差面が、トラ
ック幅画定部の延在方向と実質的に垂直をなすようにし
たので、トラック幅画定部を形成する際のフォトリソグ
ラフィ工程における下地層からの無用な反射光の影響を
抑制するという作用を期待でき、トラック幅画定部の幅
をさらに精度よく形成することも可能になる。したがっ
て、トラック幅画定部の幅を狭小化する場合において
も、その幅を一定に制御することができると共に、トラ
ック幅画定部の先端に収束した磁束を供給することがで
きるので、優れたオーバーライト特性を担保しることが
できるという効果を奏する。
【0136】また、請求項10記載の薄膜磁気ヘッドま
たは請求項20記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法によれ
ば、一方の磁性層が、さらに、第1の磁性層部分と第2
の磁性層部分との間に設けられると共に両者の間を磁気
的に連結する第3の磁性層部分を含むようにしたので、
第1の磁性層部分から第2の磁性層部分への磁束の伝搬
の際に両磁性層間に磁気ボリュームを確保することがで
きる。このため、さらに、第1の磁性層部分から第2の
磁性層部分への磁束の伝播がより円滑化するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘッ
ドの製造方法における一工程を説明するための断面図で
ある。
【図2】図1に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図4】図3に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に続く工程を説明するための断面図であ
る。
【図6】図2の断面図に対応する斜視図である。
【図7】図2の断面図に対応する斜視図である。
【図8】図3の断面図に対応する斜視図である。
【図9】図3の断面図に対応する斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの平面構造を表す平面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの上部磁極および上部ポールチップの平面構造を表
す平面図である。
【図12】図11に示した上部ポールチップの平面構造
を拡大して表す平面図である。
【図13】図10に示した薄膜磁気ヘッドと従来の薄膜
磁気ヘッドのオーバーライト特性を表す図である。
【図14】図10に示した薄膜磁気ヘッドにおける作用
を説明するための上部ポールチップの拡大平面図であ
る。
【図15】図10に示した薄膜磁気ヘッドに対する比較
例における作用を説明するための上部磁極の拡大平面図
である。
【図16】図5に示した薄膜磁気ヘッドの一変形例を表
す断面図である。
【図17】図11に示した上部磁極および上部ポールチ
ップの変形例を表す平面図である。
【図18】図11に示した上部磁極および上部ポールチ
ップの他の変形例を表す平面図である。
【図19】図2に示した本発明の第1の実施の形態に係
る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程の変形例を
表す断面図である。
【図20】図2に示した本発明の第1の実施の形態に係
る薄膜磁気ヘッドの製造方法における一工程の他の変形
例を表す断面図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図22】図21に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図23】図21の断面図に対応する斜視図である。
【図24】図22の断面図に対応する斜視図である。
【図25】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの製造方法における一工程を説明するための断面図
である。
【図26】図25に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図27】図26に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図28】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの上部磁極および上部ポールチップの平面構造を表
す平面図である。
【図29】本発明の第3の実施の形態に係る薄膜磁気ヘ
ッドの上部磁極および上部ポールチップの立体構造を表
す斜視である。
【図30】従来の薄膜磁気ヘッドの製造方法における一
工程を説明するための断面図である。
【図31】図30に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図32】図31に続く工程を説明するための断面図で
ある。
【図33】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を表す断面図で
ある。
【図34】従来の薄膜磁気ヘッドにおけるエアベアリン
グ面に平行な断面を示す断面図である。
【図35】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す平面図で
ある。
【図36】従来の薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極の構
造を示す平面図である。
【図37】従来の薄膜磁気ヘッドにおける上部磁極を微
細化する場合の問題点を説明するための上部磁極の平面
図である。
【符号の説明】
1…基板、2…絶縁層、3…下部シールド層、4,6…
シールドギャップ膜、5…MR膜、7…下部磁極、9…
記録ギャップ層、20…エアベアリング面、27a…上
部ポールチップ、27a(1) …先端部、27a(2) …中
間連結部、27a(3) …接続部、27a(3) R…右接続
部、27a(3) L…左接続部、27b…磁路形成パター
ン、27c…上部磁極、27c(1) …ヨーク部、27c
(2) …接続部、27x…磁気連結面、28,30…絶縁
膜、29,47…薄膜コイル、31…オーバーコート
層、45a…上部接続部、T1…端縁面、80R…右凹
部、80L・・・ 左凹部、81R,85R・・・ 右磁気遮蔽
層、81L,85L・・・ 左磁気遮蔽層、180・・・ 開口

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録媒体に対向する側の一部に、ギャ
    ップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁気
    的に連結された2つの磁性層と、 前記2つの磁性層の間に絶縁層を介して配設された薄膜
    コイルとを有する薄膜磁気ヘッドであって、 前記2つの磁性層のうち一方の磁性層は、前記記録媒体
    に対向する記録媒体対向面から、この面と離れる方向に
    延在する第1の磁性層部分と、 前記第1の磁性層部分の一部と部分的にオーバーラップ
    すると共に、このオーバーラップした領域において前記
    第1の磁性層部分と磁気的に連結された第2の磁性層部
    分とを含み、 前記2つの磁性層のうち他方の磁性層は、前記記録媒体
    対向面から、この面と離れる方向に延在し、 少なくとも、前記第1の磁性層部分と前記第2の磁性層
    部分とがオーバーラップするオーバーラップ領域に、前
    記ギャップ層に隣接すると共に前記第1の磁性層部分と
    前記他方の磁性層との間での磁束の伝搬を抑制する磁気
    遮蔽層が形成されていることを特徴とする薄膜磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 前記磁気遮蔽層は、前記オーバーラッ
    プ領域の平面形状に対応する平面形状を有するように形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜磁気
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気遮蔽層は、前記他方の磁性層
    の一部の領域に形成されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の薄膜磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記磁気遮蔽層は、前記第1の磁性層
    部分の一部の領域に形成されていることを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  5. 【請求項5】 前記第1の磁性層部分は、 前記記録媒体対向面から、この面と離れる方向に一定幅
    をもって延在すると共に、前記記録媒体の記録トラック
    幅を画定するトラック幅画定部と、 前記第2の磁性層部分の一部と磁気的に連結されると共
    に、トラック幅方向に互いに分離して配置された少なく
    とも2つの接続部と、 前記絶縁層の前記記録媒体対向面側の端縁を画定する端
    縁部を有すると共に、前記トラック幅画定部と前記少な
    くとも2つの接続部とを磁気的に連結させる中間連結部
    とを含み、 前記オーバーラップ領域において、前記少なくとも2つ
    の接続部と前記第2の磁性層部分とがオーバーラップす
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記磁気遮蔽層は、 その前記記録媒体対向面側の端縁の位置が、前記第1の
    磁性層部分の前記中間連結部における前記記録媒体対向
    面側の端縁の位置と一致するか、またはその位置よりも
    前記記録媒体対向面から離れる方向にずれるように形成
    されていることを特徴とする請求項5記載の薄膜磁気ヘ
    ッド。
  7. 【請求項7】 前記第1の磁性層部分の前記トラック
    幅画定部と前記中間連結部とが連結する位置に、前記ト
    ラック幅画定部の幅が、この連結位置における前記中間
    連結部の幅よりも小さくなるように、幅方向の段差が形
    成されていることを特徴とする請求項5または請求項6
    に記載の薄膜磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記段差における前記中間連結部の段
    差面は、前記トラック幅画定部の延在方向と実質的に垂
    直をなすことを特徴とする請求項7記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  9. 【請求項9】 前記第1の磁性層部分は、 前記中間連結部と前記少なくとも2つの接続部とが連結
    する位置における前記中間連結部の幅が、前記少なくと
    も2つの接続部により規定される接続領域の幅よりも小
    さくなるように形成されていることを特徴とする請求項
    5ないし請求項8のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  10. 【請求項10】 前記一方の磁性層は、さらに、 前記第1の磁性層部分と前記第2の磁性層部分との間に
    設けられると共に、両者の間を磁気的に連結する第3の
    磁性層部分を含むことを特徴とする請求項1ないし請求
    項9のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記第3の磁性層部分は、 前記第1の磁性層部分の一部および前記第2の磁性層部
    分の一部の双方とオーバーラップするように配置されて
    いることを特徴とする請求項10記載の薄膜磁気ヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 記録媒体に対向する側の一部に、ギ
    ャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁
    気的に連結された2つの磁性層と、前記2つの磁性層の
    間に絶縁層を介して配設された薄膜コイルとを含む薄膜
    磁気ヘッドの製造方法であって、 前記2つの磁性層のうち一方の磁性層が、前記記録媒体
    に対向する記録媒体対向面から、この面と離れる方向に
    延在する第1の磁性層部分と、前記第1の磁性層部分の
    一部と部分的にオーバーラップすると共に、このオーバ
    ーラップした領域において前記第1の磁性層部分と磁気
    的に連結された第2の磁性層部分とを含むように前記一
    方の磁性層を形成する工程と、 前記2つの磁性層のうち他方の磁性層が、前記記録媒体
    対向面から、この面と離れる方向に延在するように前記
    他方の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層部分と前記第2の磁性層部分とがオー
    バーラップするオーバーラップする領域に、前記ギャッ
    プ層に隣接すると共に前記第1の磁性層部分と前記他方
    の磁性層との間での磁束の伝搬を抑制する磁気遮蔽層を
    形成する工程とを含むことを特徴とする薄膜磁気ヘッド
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記他方の磁性層を、単層として形
    成すると共に、 形成された前記他方の磁性層の一部に選択的に凹部を形
    成し、この凹部に前記磁気遮蔽層を埋め込むようにした
    ことを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 前記他方の磁性層を、複数層からな
    る積層構造を有するように形成すると共に、 これらの積層構造の形成の際に、少なくとも、前記ギャ
    ップ層に隣接することとなる層に選択的に開口部を形成
    し、この開口部に前記磁気遮蔽層を埋め込むようにした
    ことを特徴とする請求項12記載の薄膜磁気ヘッドの製
    造方法。
  15. 【請求項15】 前記磁気遮蔽層が、前記オーバーラ
    ップ領域の平面形状に対応する平面形状を有するよう
    に、前記磁気遮蔽層を形成することを特徴とする請求項
    12ないし請求項14のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘ
    ッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記磁気遮蔽層を、前記他方の磁性
    層の一部の領域に形成するようにしたことを特徴とする
    請求項12ないし請求項15のいずれか1に記載の薄膜
    磁気ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記磁気遮蔽層を、前記第1の磁性
    層部分の一部の領域に形成するようにしたことを特徴と
    する請求項12ないし請求項16のいずれか1に記載の
    薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記第1の磁性層部分が、 前記記録媒体対向面から、この面と離れる方向に一定幅
    をもって延在すると共に、前記記録媒体の記録トラック
    幅を画定するトラック幅画定部と、 前記第2の磁性層部分の一部と磁気的に連結されると共
    に、トラック幅方向に互いに分離して配置された少なく
    とも2つの接続部と、 前記絶縁層の前記記録媒体対向面側の端縁を画定する端
    縁部を有すると共に、前記トラック幅画定部と前記少な
    くとも2つの接続部とを磁気的に連結させる中間連結部
    とを含むようにすると共に、 前記オーバーラップ領域において、前記少なくとも2つ
    の接続部と前記第2の磁性層部分とがオーバーラップす
    るように、前記第1の磁性層部分を形成することを特徴
    とする請求項12ないし請求項17のいずれか1に記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 前記磁気遮蔽層の前記記録媒体対向
    面側の端縁の位置が、 前記第1の磁性層部分の前記中間連結部における前記記
    録媒体対向面側の端縁の位置と一致するか、またはその
    位置よりも前記記録媒体対向面から離れる方向にずれる
    ように、前記磁気遮蔽層を形成することを特徴とする請
    求項18記載の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 さらに、 前記第1の磁性層部分と前記第2の磁性層部分との間
    に、両者の間を磁気的に連結する第3の磁性層部分を形
    成する工程を含むことを特徴とする請求項12ないし請
    求項19のいずれか1に記載の薄膜磁気ヘッドの製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記第3の磁性層部分が、 前記第1の磁性層部分の一部および前記第2の磁性層部
    分の一部の双方とオーバーラップするように、前記第1
    の磁性層部分、前記第2の磁性層部分および前記第3の
    磁性層部分を形成することを特徴とする請求項20記載
    の薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  22. 【請求項22】 記録媒体に対向する側の一部に、ギ
    ャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁
    気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、
    前記第1の磁性層および第2の磁性層の間に絶縁層を介
    して配設された薄膜コイルとを含む薄膜磁気ヘッドの製
    造方法であって、 前記第1の磁性層を単一層として形成する工程と、 前記第1の磁性層の一部に厚み方向に窪んだ凹部を形成
    する工程と、 前記第1の磁性層の凹部に非磁性材料を埋め込んで、磁
    気遮蔽層を形成する工程と、 少なくとも前記第1の磁性層および前記磁気遮蔽層の表
    面を覆うようにして、前記ギャップ層を形成する工程
    と、 前記ギャップ層上の所定の領域に、前記第2の磁性層の
    一部となる第1の磁性層部分を選択的に形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上方領域のうち前記第1の磁性層部分
    が形成されていない領域に、前記薄膜コイルを形成する
    工程と、 前記薄膜コイルを覆うようにして前記絶縁層を形成する
    工程と、 前記絶縁層および前記第1の磁性層部分の上に、前記磁
    気遮蔽層の形成領域に対応する領域において前記第1の
    磁性層部分と部分的にオーバーラップしてこれと磁気的
    に連結するように、前記第2の磁性層の他の一部となる
    第2の磁性層部分を選択的に形成する工程とを含むこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 記録媒体に対向する側の一部に、ギ
    ャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁
    気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、
    前記第1の磁性層および第2の磁性層の間に絶縁層を介
    して配設された薄膜コイルとを含む薄膜磁気ヘッドの製
    造方法であって、 前記第1の磁性層を、少なくとも最上層が所定領域に開
    口部を有する積層構造として形成する工程と、 前記第1の磁性層における前記最上層の開口部に非磁性
    材料を埋め込んで、磁気遮蔽層を形成する工程と、 前記第1の磁性層および前記磁気遮蔽層の表面を覆うよ
    うにして、前記ギャップ層を形成する工程と、 前記ギャップ層上の所定の領域に、前記第2の磁性層の
    一部となる第1の磁性層部分を選択的に形成する工程
    と、 前記ギャップ層の上方領域のうち前記第1の磁性層部分
    が形成されていない領域に、前記薄膜コイルを形成する
    工程と、 前記薄膜コイルを覆うようにして前記絶縁層を形成する
    工程と、 前記絶縁層および前記第1の磁性層部分の上に、前記磁
    気遮蔽層の形成領域に対応する領域において前記第1の
    磁性層部分と部分的にオーバーラップしてこれと磁気的
    に連結するように、前記第2の磁性層の他の一部となる
    第2の磁性層部分を選択的に形成する工程とを含むこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 記録媒体に対向する側の一部に、ギ
    ャップ層を介して対向する2つの磁極を含む、互いに磁
    気的に連結された第1の磁性層および第2の磁性層と、
    前記第1の磁性層および第2の磁性層の間に絶縁層を介
    して配設された薄膜コイルとを含む薄膜磁気ヘッドの製
    造方法であって、 前記第1の磁性層を形成する工程と、 前記第1の磁性層の表面を覆うようにして、前記ギャッ
    プ層を形成する工程と、 前記ギャップ層の上に、非磁性材料からなる磁気遮蔽層
    を選択的に形成する工程と、 前記ギャップ層の上に、一部が前記磁気遮蔽層を覆うこ
    ととなるように、前記第2の磁性層の一部となる第1の
    磁性層部分を選択的に形成する工程と、 前記ギャップ層の上方領域のうち前記第1の磁性層部分
    が形成されていない領域に、前記薄膜コイルを形成する
    工程と、 前記薄膜コイルを覆うようにして前記絶縁層を形成する
    工程と、 前記絶縁層および前記第1の磁性層部分の上に、前記磁
    気遮蔽層の形成領域に対応する領域において前記第1の
    磁性層部分と部分的にオーバーラップしてこれと磁気的
    に連結するように、前記第2の磁性層の他の一部となる
    第2の磁性層部分を選択的に形成する工程とを含むこと
    を特徴とする薄膜磁気ヘッドの製造方法
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