JP2001305698A - 感光物質用包装材料 - Google Patents

感光物質用包装材料

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JP2001305698A
JP2001305698A JP2000125983A JP2000125983A JP2001305698A JP 2001305698 A JP2001305698 A JP 2001305698A JP 2000125983 A JP2000125983 A JP 2000125983A JP 2000125983 A JP2000125983 A JP 2000125983A JP 2001305698 A JP2001305698 A JP 2001305698A
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JP2000125983A
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Yasushi Tamai
恭史 玉井
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミニウム箔等の金属泊を設けること
なく、写真性、物理強度、焼却性、外観等の感光物質用
包装材料が具備するべき特性を、ポリオレフィン樹脂を
主成分とするフィルムのみで確保できるようにした感光
物質用包装材料を提供する。 【解決手段】 メルトフローレートが0.01〜1.5
g/10分、密度が0.941〜0.985g/cm
のホモポリエチレン樹脂及び/又はαオレフィン含有量
が0.5モル%以下のエチレン・αオレフィン共重合体
樹脂が20〜90質量部、メルトフローレートが0.1
〜10g/10分の酸変性ポリオレフィン樹脂が80〜
10質量部で、かつホモポリエチレン樹脂及び/又はエ
チレン・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフ
ィン樹脂との合計100質量部に対して、遮光性物質
0.1〜50質量部、滑剤0.001〜10質量部含有
する遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層を具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光により品質が劣
化する感光物質の包装に用いる遮光性を有する包装材料
に関し、さらに詳しくは、相溶性、リサイクル適性の優
れた複数のポリオレフィン樹脂を主成分とする感光物質
用包装材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】印画紙や写真フィルム等(白黒及びカラ
ーのネガ、ポジ及びリバーサル並びに拡散転写等を含
む)の感光物質を包装する包装材料としては各種の包装
材料が提案されている。例えば、実公昭61−2059
0号公報には、カーボンブラックを含むHDPE樹脂フ
ィルムを延伸倍率2.2〜4.2倍で一軸延伸し、延伸
軸が45〜90度の角度で2層以上貼り合わせたクロス
ラミネートフィルムが提案されている。
【0003】特公平2−2700号公報には、ポリエチ
レン系ポリマーと1重量%以上の遮光性物質とからな
り、全ポリエチレン系ポリマーの50重量%以上がエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂である遮光性フィルム
を少なくとも1層有する感光物質包装用フィルムが提案
されている。
【0004】実公平2−19226号公報には、滑剤と
遮光性物質及び50重量%以上のLDPE樹脂を含む内
層の遮光性ヒートシールフィルム層にアンカーコート層
を形成してアルミニウム箔を剥離強度400g/15m
m幅以上で積層した包装材料が提案されている。
【0005】特公昭63−26697号公報には、外側
からPET層/アルミニウム層/遮光材および非イオン
性帯電防止剤を含むPO系樹脂層から実質的になり、光
学濃度が7.5以上の包装材料が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料は、写真感光材料の包装材料として全
ての機能を十分に有するものではなく、それぞれ問題点
を有していた。すなわち、実公昭61−20590号公
報で提案された包装材料は、高価で、帯電防止性、ヒー
トシール適性、防湿性が不十分であった。
【0007】特公昭2−2700号公報で提案された感
光物質包装用フィルムは、帯電防止性、防湿性、酸素バ
リヤ性、ヤング率が不十分であり、これらの欠点をアル
ミ箔とフレキシブルシートを積層してカバーすると高価
で焼却性に問題があった。
【0008】実公平2−19226号公報で提案された
包装材料は、写真性、物理強度、ヒートシールによる密
封性が不十分で、焼却性に問題があった。
【0009】特公昭63−26697号公報で提案され
た包装材料は、高価で、ブロッキング防止性、写真性、
ヒートシールによる密封性、物理強度が不十分で、焼却
性に問題があった。
【0010】また、ホモポリエチレン樹脂のみでもヒー
トシールによる密封性(特に1ヶ月以上の経時後)が不
十分であるが、ホモポリエチレン樹脂に遮光性物質を含
有させるとさらに密封性が悪化し、さらに、滑剤、帯電
防止剤、酸化防止剤等のブリードアウトする添加剤を含
有すると、ヒートシールによる完全密封性確保は不可能
であった。さらに、アルミニウム箔は、圧延時に使用し
た圧延油を焼鈍により、完全に除去することが困難であ
り写真性を悪化させるものであった。
【0011】本発明は、従来の包装材料が不十分であっ
た感光物質用包装材料として必要な各種特性を具備でき
るようにしたものであって、写真性や物理強度を悪化さ
せるとともに、高価で焼却適性やリサイクル適性に問題
があり、2000年4月から施行される容器・包装リサ
イクル法をクリアすることが困難なアルミニウム箔を代
表例とする、金属箔を具備させることなく、ポリオレフ
ィン樹脂を主成分とするフィルムのみで各種特性を確保
できるようにした感光物質用包装材料を提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による感光物質用
包装材料は、メルトフローレートが0.01〜1.5/
10分、密度が0.941〜0.985g/cmのホ
モポリエチレン樹脂及び/又はαオレフィン含有量が
0.5モル%以下のエチレン・αオレフィン共重合体樹
脂が20〜90質量部、メルトフローレートが0.1〜
10g/10分の酸変性ポリオレフィン樹脂が80〜1
0質量部で、かつホモポリエチレン樹脂及び/又はエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフィ
ン樹脂との合計100質量部に対して、遮光性物質0.
1〜50質量部、滑剤0.001〜10質量部含有する
遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層を具備したことを
特徴として構成されている。
【0013】本発明の感光物質用包装材料においては、
特定の物性を有するホモポリエチレン樹脂及び/又はエ
チレン・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフ
ィン樹脂を含有することにより、複数の樹脂の相溶性、
フィルム成形性、外観、引裂き性等を良好にしている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の感光物質用包装材用は、
遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層を具備しており、
この遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層は、単層で
も、二層以上が共押出しにより形成されたものでも、ま
た、他の熱可塑性樹脂フィルム層と共押出しにより形成
されたものでもよい。
【0015】遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層に、
ホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィ
ン共重合体樹脂が含有されている。これらの樹脂のメル
トフローレート(以後、「MFR」という)(ASTM
D 1238のE条件)は、0.01〜1.5g/10
分であり、好ましくは0.02〜1.1g/10分、よ
り好ましくは0.03〜0.9g/10分、特に好まし
くは0.04〜0.7g/10分、最も好ましくは0.
04〜0.5g/10分である。MFRが0.01g/
10分未満であると、樹脂の流動性が悪くフィルム成形
性が困難である。また、MFRが1.5g/10分を超
えると、物理強度や防湿性が不十分であり、単層では感
光物質用包装材料に必要な特性を確保することが困難に
なる。
【0016】ホモポリエチレン樹脂および/またはエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂の密度は、0.941
〜0.985g/cmであり、好ましくは0.944
〜0.980g/cm、より好ましくは0.947〜
0.975g/cm、特に好ましくは0.950〜
0.970g/cm、最も好ましくは0.952〜
0.965g/cmである。密度が0.941g/c
未満であると、物理強度や防湿性が不十分であり、
単層では感光物質用包装材料に必要な特性を確保するこ
とが困難になる。また、密度が0.985g/cm
超えると、重合製造が困難になり高価で、かつ融点も高
くなりブツの発生が多くなり実用化困難である。
【0017】ホモポリエチレン樹脂および/またはエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂の分子量分布(GPC
測定法による)は、15〜40であることが好ましく、
17〜38であることがよりい好ましく、18〜36で
あることが特に好ましく、20〜35であることが最も
好ましい。分子量分布が14未満であると、溶融樹脂の
流動性が悪くフィルム成形が困難になる。また、分子量
分布が40を超えると、物理強度が低下し、単層では感
光物質用包装材料に必要な特性を確保することが困難で
ある。
【0018】遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層に、
酸変性ポリオレフィン樹脂が含有されている。この酸変
性ポリオレフィン樹脂のMFRは、0.1〜10g/1
0分であり、好ましくは0.3〜9g/10分、より好
ましくは0.5〜8g/10分、特に好ましくは0.7
〜7g/10分、最も好ましくは0.9〜6g/10分
である。MFRが0.1g/10分未満であると、前記
ホモポリエチレン樹脂および/またはエチレン・αオレ
フィン共重合体樹脂との相溶性が悪化し、溶融樹脂の流
動性が低下し、フィルム成形性が悪化し実用化困難にな
る。また、MFRが10g/10分を超えると、物理強
度が不十分であり、単層では感光物質用包装材料に必要
な特性を確保することが困難になる。
【0019】酸変性ポリオレフィン樹脂の密度は、0.
870〜0.960g/cmであり、好ましくは0.
880〜0.950g/cm、より好ましくは0.8
90〜0.945g/cm、特に好ましくは0.90
0〜0.945g/cm、最も好ましくは0.910
〜0.945g/cmである。密度が0.870g/
cm未満であると、重合製造が困難であり、さらに物
理強度や防湿性も不十分であり、単層では感光物質用包
装材料に必要な特性を確保することが困難になる。ま
た、0.960g/cmを超えると、溶融樹脂の流動
性やヒートシール性が悪化しブツの発生も多くなり、感
光物質用包装材料としては実用化困難になる。
【0020】酸変性ポリオレフィン樹脂の分子量分布
は、10以下であることが好ましく、9以下であること
がより好ましく、8以下であることが特に好ましく、7
以下であることが最も好ましい。分子量分布が10を超
えると、物理強度や防湿性が不十分であり、単層では感
光物質用包装材料に必要な特性を確保することが困難に
なる。
【0021】ホモポリエチレン樹脂および/またはエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂のMFRと酸変性ポリ
オレフィン樹脂のMFRとの関係は、酸変性ポリオレフ
ィン樹脂のMFRが、ホモポリエチレン樹脂および/ま
たはエチレン・αオレフィン共重合体樹脂のMFRの値
の2倍以上であることが好ましく、2.5以上であるこ
とがより好ましく、3倍以上であることが特に好まし
く、3.5以上であることが最も好ましい。このような
MFRの関係にすることにより、相溶性、溶融樹脂の流
動性、遮光性物質の分散性、フィルム成形性を良好にす
るという作用を有する。
【0022】ホモポリエチレン樹脂および/またはエチ
レン・αオレフィン共重合体樹脂の分子量分布と酸変性
ポリオレフィン樹脂の分子量分布との関係は、酸変性ポ
リオレフィン樹脂の分子量分布が、ホモポリエチレン樹
脂及びエチレン・αオレフィン共重合体樹脂の分子量分
布の1/2以下であることが好ましく、1/3以下であ
ることがより好ましく、1/4以下であることが最も好
ましい。このような分子量分布の関係にすることによ
り、相溶性、遮光性物質の分散性、物理強度等を良好に
するという作用を有する。
【0023】ホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン
・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフィン樹
脂との含有量は、合計100質量部とした場合、ホモポ
リエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重
合体樹脂が20〜90質量部で、酸変性ポリオレフィン
樹脂が80〜10質量部であり、好ましくは、ホモポリ
エチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重合
体樹脂が25〜80質量部で、酸変性ポリオレフィン樹
脂が75〜20質量部であり、より好ましくは、ホモポ
リエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重
合体樹脂が30〜75質量部で、酸変性ポリオレフィン
樹脂が70〜25質量部であり、特に好ましくは、ホモ
ポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共
重合体樹脂が35〜70質量部で、酸変性ポリオレフィ
ン樹脂が65〜30質量部であり、最も好ましくは、ホ
モポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン
共重合体樹脂が40〜65質量部で、酸変性ポリオレフ
ィン樹脂が60〜35質量部である。
【0024】ホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン
・αオレフィン共重合体樹脂が20質量部未満であると
(すなわち、酸変性ポリオレフィン樹脂が80質量部を
超えると)、高価になるとともにフィルム成形機の洗滌
が困難になり、実用化困難になる。また、ホモポリエチ
レン樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹
脂が90質量部を超えると(すなわち、酸変性ポリオレ
フィン樹脂が10質量部未満であると)、相溶性や遮光
性物質の分散性改良効果が小さく、混練経費増となるだ
けである。またリサイクル適性改良効果も小さくなる。
【0025】前記ホモポリエチレン樹脂(他のαオレフ
ィン含有量が0.5モル%未満の共重合体樹脂を含む)
としては、例えば、中・低圧法のチーグラー触媒(Ti
系)またはフィリップス触媒(Cr系)等を用い、50
〜250℃、49×10〜196×10Pa(50
〜200kg/cm)の温度・圧力条件下でエチレン
を重合させる方法で製造した、直鎖状の密度が0.94
1〜0.985g/cmの高密度ポリエチレン樹脂で
ある。さらに、最近実用化検討を開始したシングルサイ
ト触媒であるメタロセン系重合触媒またはメタロセン触
媒より安価で、高活性で写真性も良好なフェノキシイミ
ン錯体重合触媒を用いて分子量分布と組成分布を小さく
した各種密度のホモポリエチレン樹脂がある。
【0026】前記エチレン・αオレフィンとの共重合体
樹脂として、本発明で最も好ましい樹脂としては、L−
LDPE樹脂がある。このL−LDPE(inear
ow ensity olythylene)
樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、中低圧法、高
圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギ
ー、省資源という時代の要請に合致する低コスト、高強
度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエ
チレンと炭素数が3〜20個、好ましくは3〜12個、
特に好ましくは3〜8個のαオレフィン(1種または2
種以上)を共重合させたコポリマーで線状の直鎖に短分
岐をもった構造のポリエチレン系樹脂である。本発明で
は、このαオレフィン含有量が0.5モル%以下のL−
LDPE樹脂である。物理強度や製造適性及びコストの
点で好ましいαオレフィンとしてはプロピレン、ブテン
−1、オクテン−1、ヘキセン−1、ペンテン−1、3
−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプ
テン−1、ノネン−1、デセン−1、ペンタデセン−
1、オクタデセン−1などが使用される。特にαオレフ
ィンの炭素数が3〜8個であるエチレン・αオレフィン
ランダム共重合体樹脂が本発明には好ましい。しかし、
エチレン・αオレフィンブロック共重合体樹脂、これら
2種の混合樹脂も使用できる。
【0027】代表的なL−LDPE樹脂の重合プロセス
としては中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相ス
ラリー法と高圧改良法装置を用いながらチーグラー系触
媒により高温・高圧でL−LDPE樹脂を得る高圧転換
法等がある。
【0028】これらのL−LDPE樹脂の中で高ヤング
率、物理強度、分子配向性確保の点で好ましい樹脂は、
メルトフローレート(以後MFRと表示)が0.1〜
1.5g/10分(JIS K−7210の条件4=A
STM D 1238のE条件で測定。試験温度190
℃,試験荷重21.168N(2.16kgf))、密
度が0.941〜0.985g/cm(JIS K−
7112=ASTM D 1505)、そしてαオレフィ
ンの炭素数が3〜15個、好ましくは3〜10個、特に
好ましくは3〜8個の液相法プロセスとスラリー法で得
られたものである。
【0029】マルチサイト触媒(代表例はチーグラー系
触媒)を用いたL−LDPE樹脂を製造するプロセスの
特徴の概略を以下に示す。 [1] 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。 [2] スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。 [3] 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。許容範囲が広く、C3以上
のαオレフィン(プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテ
ン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプ
テン−1、オクテン−1、デセン−1、エイコセン−
1、ドデセン−1、ヘキサデセン−1、オクタデセン−
1、テトラデセン−1等)とエチレンとの共重合に最適
の製造プロセスである。
【0030】エチレンとαオレフィンの比は、本発明で
はエチレンが99.5モル%以上である。99.7モル
%以上が特に好ましい。エチレンが99.5モル%未満
であると、本発明の作用効果が得られない。
【0031】本発明で特に好ましいエチレン・αオレフ
ィン共重合体樹脂の代表例としては、密度0.941〜
0.985g/cmのαオレフィン含有量が99.5
モル%以下(エチレン含有量が99.5モル%以上)の
高密度タイプのエチレン・αオレフィン共重合体樹脂で
ある。重合触媒はマルチサイト触媒(代表例はチーグラ
ー系触媒)、シングルサイト触媒(代表例はメタロセン
系触媒またはメタロセン系触媒より安価で高活性であ
り、写真性も良好であるフェノキシイミン錯体重合触
媒)いずれを用いて重合した樹脂であっても好ましい。
【0032】本発明の遮光性ポリオレフィン樹脂フィル
ム層においては、上述したようなエチレン・αオレフィ
ン共重合体樹脂を20〜90質量部含有する。
【0033】前記チーグラー触媒やフィリップス触媒の
マルチサイト触媒やシングルサイト触媒の1つであるメ
タロセン系触媒またはフェノキシイミン錯体重合触媒を
用いて重合製造した前記高密度ホモポリエチレン樹脂お
よび/またはエチレン・αオレフィン共重合体樹脂は、
フィルム成形性向上等から、GPC法測定法による分子
量分布(重量平均分子量/数平均分子量)は10〜5
0、好ましくは15〜40、より好ましくは17〜3
8、特に好ましくは18〜36、最も好ましくは20〜
35である。
【0034】いずれの場合においても触媒残渣は写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす上に、金型や押出し機
の樹脂接触部分に錆を発生させ寸法精度を悪化させた
り、外観を悪化させたり、かつ樹脂焼けやブツを発生さ
せるので、少ない程好ましい。
【0035】従って、写真性を良好に維持するためには
本発明の感光物質用包装材料中の残留ハロゲンガス又は
化合物残留量が400ppm以下、好ましくは200p
pm以下、より好ましくは100ppm以下、特に好ま
しくは1〜80ppm、最も好ましくは4〜60ppm
である。
【0036】クロム、ジルコニウム、チタニウム、ハフ
ニウム、パナジウムのいずれか1種の残留量が400p
pm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましく
は100ppm以下、特に好ましくは60ppm以下、
最も好ましくは40ppm以下である。
【0037】本発明における特に好ましいエチレン・α
オレフィン共重合体樹脂は、シクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物
と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体と
を含む触媒の存在下にエチレン及び炭素数3〜20のα
オレフィンとを共重合させることにより得られるもので
ある。また、上記触媒に予めエチレン及び/前記αオレ
フィンを予備重合させて得られるものを触媒に供しても
よい。
【0038】前記エチレン・αオレフィン共重合体を製
造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロペ
ンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置換
シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタジ
エニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シリ
ル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール基、
シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、ハロ
ゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ばれた
少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタジエ
ニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の置換
基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同志が
互いに結合して環を形成してもよい。
【0039】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等が好
ましい。
【0040】置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジ
エニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアル
キル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、
特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1又
は2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニ
ル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素
基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換イ
ンデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基
(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフ
チル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等
の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適
なものとして挙げられる。
【0041】前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属
としては、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ハ
フニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子としては通常1〜3個を有し、また、2個以上
有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。
なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン
基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙
げられる。
【0042】周期律表第IV族の遷移金属化合物において
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子
としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20
の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0043】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし
うる、又は触媒的に活性化された状態のイオン性電荷を
均衡させうるものをいう。本発明において用いられる助
触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベンゼ
ン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミニ
ウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなどの
ランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの中
でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0044】また、触媒は無機又は有機の担体に担持し
て使用されてもよい。該担体としては無機又は有機の多
孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO、Al
、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、
ZnO、BaO、ThO等又はこれらの混合物が挙げ
られ、SiO−Al、SiO−V、S
iO−TiO、SiO−MgO、SiO−Cr
等が挙げられる。
【0045】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0046】エチレン・αオレフィン共重合体は、前記
触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、
スラリー重合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸
素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘブタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される
不活性炭化水素溶媒の存在下で製造される。重合条件は
特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、
好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜1
10℃であり、特にチーグラー触媒を用いた高圧改良法
の場合は130〜350℃が好ましく、重合圧力は低中
圧法の場合通常常圧〜686×10Pa(70kg/
cm)、好ましくは常圧〜196×10Pa(20
kg/cm)であり、高圧改良法の場合通常1470
0×10Pa(1500kg/cm)以下、特にチ
ーグラー触媒を用いた高圧改良法の場合は3920×1
〜8820×10Pa(400〜900kg/c
)が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分
〜10時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。
高圧改良法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分
〜20分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はも
ちろん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温
度、触媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段
重合法など特に限定されるものではない。
【0047】特に好ましい具体例としては、各種のメタ
ロセン系触媒またはフェノキシイミン錯体重合触媒存在
下、最も好ましくは上記特定メタロセン系触媒存在下、
エチレンと炭素数3〜20のαオレフィンを共重合して
得られる樹脂をエチレン・αオレフィン共重合体1kg
あたり、30〜150℃の空気又は不活性ガスによっ
て、0.03〜3m/hrの流量で0.5〜72時間
乾燥、及び/又は30℃以上エチレン・αオレフィン共
重合体の融点未満の熱水で、0.001〜0.5m
hrの流量の空気又は不活性ガスを導入して、0.5〜
30時間浸漬し、ヘッドスペースガスクロマトグラフィ
ーによって測定した炭素数12以下の揮発成分の総量
(ノルマルヘキサン換算)の乾燥前/乾燥後の値(Q)
を200以上にするエチレン・αオレフィン共重合体の
製造方法である。以上、エチレンとαオレフィンの共重
合体樹脂を代表して説明したが、同様にホモポリエチレ
ン樹脂も上記メタロセン系触媒またはフェノキシイミン
錯体重合触媒を用いて重合製造可能である。
【0048】前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオ
レフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性し
た変性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性
ポリエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、
グラフト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EE
A樹脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0049】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する。
不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するも
ので、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水
イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステ
ル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチル
エステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエ
チルエステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミド、
マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン
酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエ
チルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレ
イン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミ
ド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミ
ド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N
−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミ
ド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,
N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アク
リル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネ
シウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−
ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレ
ニル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、
アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることがで
き、相互の混合使用も可能である。
【0050】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0051】酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和
カルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定され
ない。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−27
421号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる
特公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラ
リー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等
に開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−7
7493号公報等に開示の方法等がある。
【0052】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0053】不飽和カルボン酸類の使用量は、ポリオレ
フィン樹脂ベースポリマー(各種ポリエチレン樹脂、各
種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオレフィン共重合体樹
脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−
1等のα−オレフィン共重合体樹脂及びその共重合体樹
脂)100質量部に対して0.01〜20質量部、好ま
しくは0.2〜5質量部である。
【0054】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0055】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオ
キシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイ
ドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ
−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパ
ーオキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等
の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。
【0056】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
である。
【0057】これらの過酸化物の添加量は、特に制限さ
れないが、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して
0.005〜5質量部、好ましくは0.01〜1質量部
である。
【0058】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “ルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10) 三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11) エクソン社 “デクソン” (12) 東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13) 三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0059】また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、フィ
ルムに含まれたカーボンブラックやアルミニウム粉末等
の遮光性物質や繊維状フィラー等の表面を被覆し均一に
分散させることができ、ミクログリッドの発生を減少さ
せ、フィルムの物理強度を向上させることができる。
【0060】前記遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層
中には遮光性物質が含有されている。遮光性物質を含有
させることにより、遮光性を付与でき、かつ物理強度も
大きくすることができる。
【0061】遮光性物質の含有量は、ホモポリエチレン
樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂と
酸変性ポリオレフィン樹脂との合計100質量部に対し
て、0.1〜50質量部が好ましく、0.5〜35質量
部がより好ましく、1〜30質量部が特に好ましく、2
〜25質量部が最も好ましい。含有量が0.1質量部未
満では、所望の遮光性を得ることができない場合があ
り、40質量部を超えると増量効果が発揮されず、コス
トアップになる。さらに、物理強度や樹脂流動性および
フィルム成形性の悪化や吸湿による発泡を生じる場合が
ある。
【0062】遮光性物質の代表例を以下に記載する。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.珪酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、珪酸カルシ
ウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、各種ウィスカー等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、パガ
ス、モロヘイヤ、煙火など)セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表
面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等
【0063】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で
不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐
光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカー
ボンブラックと窒化チタンとグラファイトおよび鉄黒が
好ましい。
【0064】最も好ましいのは、アスペクト比が3.5
以下の光吸収性のカーボンブラックや鉄黒にアスペクト
比が5以上の鱗片状グラファイト、ベンガラ、タルク、
マイカ、バリウムフェライト、アルミニウム粉末、アル
ミニウムペースト、鱗片状金属粉末やフレーク等の1種
以上と併用して分散性と防湿性と遮光性を良化させた
り、カーボンブラックとカーボンブラックよりモース硬
度が大きい顔料(例えば酸化チタンや鉄黒等)の1種以
上と併用して分散性と遮光性を良化させたりしたもので
ある。
【0065】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0066】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100
等が挙げられる。
【0067】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls 2,46,70,71,7
4,80,81,607等、Regal 300,33
0,400,660,991,SRF−S等、Vulc
an 3,6等、Sterling 10, SO,V,
S,FT−FF,MT−FF等が挙げられる。
【0068】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,
3006,3007,3008,3009,3011,
3012,XC−3016,XC−3017,3020
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0069】これら各種のカーボンブラック中で、天然
ガスまたはガス状ないし蒸気状の炭化水素のガス炎を不
完全燃焼させながらチャンネル鋼の背面に接触させ、カ
ーボンブラックを析出させることにより製造するチャン
ネルブラックは、着色力は大きいが写真性が悪く、製造
中大気を汚染するので写真性および環境問題の点で本発
明では好ましくない。
【0070】本発明による感光物質用包装材料に適用す
る場合は、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさない
ようにするために、クレオソート油およびエチレンボト
ム油の1以上を原料油として、1200℃〜1700℃
の炉中で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解す
ることにより製造したファーネスカーボンブラックが好
ましい。このようなファーネスカーボンブラックを使用
することにより、遊離硫黄成分が少ないので、写真感光
材料に悪影響を与えることをより小さくすることができ
る。特に、遊離硫黄含有量が100ppm以下のファー
ネスカーボンブラックが好ましい。
【0071】ASTM D 1619−60の測定方法に
よる硫黄成分含有量は、0.9%以下、好ましくは0.
7%以下、特に好ましくは0.5%以下、最も好ましく
は0.1%以下である。この範囲に限定しないとカブリ
増加や感度異状、発色異状等の写真感光材料の写真性に
悪影響を及ぼす。特に、直接写真感光材料の写真性に大
きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分含有量{各試料を液体
窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕した試料100gを
ソックスレー抽出器に入れクロロホルムで60℃8時間
抽出冷却後、全容を100mlとする。この溶液10m
lを高速液体クロマトグラフに注入し、硫黄を定量す
る。高速液体クロマトグラフ分離条件はカラム;ODS
シリカカラム(4.6φ×150mm)、分離液;メタ
ノール95と水5(酢酸とトリエチルアミンをそれぞれ
0.1%含む)、流速;1ml/min、検出波長;2
54nm、定量は絶対検量線法によって行う。}は、
0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好まし
くは0.01%以下である。高価であるが、硫黄成分の
含有量が0.1%以下のアセチレンブラックがISO感
度100以上の高感度写真感光材料用としては写真性を
良好に維持するのに好適である。
【0072】写真性を良好に維持するためには、カーボ
ンブラックの原料の選択が重要であり、例えば、カーボ
ンブラック便覧(平成7年4月15日,カーボンブラッ
ク協会発行),418頁,2・1にカーボンブラック中
の硫黄として、硫黄の大部分が原料油から来ており、
2.5質量%程度も含有すると明記されている。従って
写真性を良好に維持するための上記硫黄成分含有量につ
いて説明すると下記のようになる。
【0073】 原 料 油 名 原料油中の硫黄成分含有量 クレオソート油{石炭系原料} 0.3〜0.6% エチレンボトム油{ナフサ原料(石油系原料)} 0.05〜0.1% エチレンボトム油{軽油原料(石油系原料)} 0.2〜1.5% 流動接触分解残渣油{石油系原料} 0.2〜4.0% したがって、カーボンブラックの原料油としてはクレオ
ソート油と石油を原料とするエチレンボトム油が好まし
く、硫黄成分含有量が0.05〜0.1%であるナフサ
を原料とするエチレンボトム油を原料として製造したカ
ーボンブラックは、カーボンブラック中の硫黄成分含有
量を0.1%以下にすることができるので最も好まし
い。
【0074】製造方法としては、上記原料を用いて12
00℃〜1700℃、好ましくは1250℃〜1600
℃の炉中で製造したファーネスカーボンブラックが好ま
しい。
【0075】特に、写真感光材料の写真性に直接悪影響
を与えることが判明した遊離硫黄成分(free su
lphur)含有量(定量は、JIS K 6350に準
ずる)が100ppm以下、好ましくは50ppm以
下、特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは1
0ppm以下のカーボンブラックを使用する。この遊離
硫黄成分含有量が少ない点からも、本発明ではナフサを
原料とするエチレンボトム油を用いて1250℃〜16
00℃の炉中で連続的に部分燃焼させるか、または加熱
分解することにより、製造したファーネスカーボンブラ
ックが最も好ましい。
【0076】カーボンブラックとして特に好ましいもの
は、カーボンブラックの分散性、導電性、遮光能力に関
係するヨウ素吸着量(JIS K 6221で測定)が2
0mg/g以上、好ましくは30mg/g以上、特に好
ましくは50mg/g以上、最も好ましくは80mg/
g以上で、かつジブチルフタレート(DBP)、吸油量
(JIS K 6221で測定)が50ml/100g以
上、好ましくは60mg/100g以上、特に好ましく
は70ml/100g以上、最も好ましくは100ml
/100g以上のカーボンブラックである。
【0077】遮光性、コスト、物理特性向上の目的では
ファーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが
帯電防止効果を有する各社の各種導電性カーボンブラッ
クとアセチレンカーボンブラック、変性副生カーボンブ
ラックであるケッチェンカーボンブラックが好ましい。
特に高感度(ISO感度400以上)写真感光材料用と
しては硫黄成分含有量が0.1%以下のアセチレンブラ
ックと、ナフサを原料とするエチレンボトム油を125
0℃〜1600℃の炉中で連続的に部分燃焼させるか、
または加熱分解することにより製造したファーネスカー
ボンブラックが好ましい。
【0078】導電性カーボンブラックとしては、平均粒
子径が12〜50nm(=mμ)、DBP吸油量が10
0ml/100g以上の各種導電性カーボンブラックが
あり、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブフ
ァーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブフ
ァーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティ
ブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャ
ンネルブラック(CC)および1500℃程度の高温で
熱処理されたファーネスブラックまたはチャンネルブラ
ック等を挙げることができる。アセチレンブラックの具
体例としてはデンカアセチレンブラック(電気化学株式
会社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウニ
ガンケミカル株式会社製)等が、コンダクティブファー
ネスブラックの具体例としては、コンチネックスCF
(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バルカンC
(キャボット株式会社製)等が、スーパーコンダクティ
ブファーネスブラックの具体例としては、コンチネック
スSCF(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バル
カンSC(キャボット株式会社製)等が、エクストラコ
ンダクティブファーネスブラックの具体例としては、旭
HS−500(旭カーボン株式会社製)、バルカンXC
−72(キャボット株式会社製)等が、コンダクティブ
チャンネルブラックの具体例としては、コウラックスL
(デグッサ株式会社製)等があり、また、ファーネスブ
ラックの一種であるケッチェンブラックECおよびケッ
チェンブラックEC−600JD(ケッチェンブラック
インターナショナル株式会社製)を用いることもでき
る。
【0079】なお、これらの中では、特にアセチレンブ
ラックが、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす硫黄
成分やシアン化水素等の不純物含有量が少ない上、発達
した二次ストラクチャー構造を有することから写真性、
分散性、導電性に優れているので、好適に用いられる。
さらに、卓越した比表面積を有することから低充填量で
も優れた導電性を示すケッチェンブラックECやケッチ
ェンブラックEC−600JD等も好ましく使用でき
る。
【0080】最も好ましい導電性カーボンブラックとし
ては、写真感光材料の写真性に直接悪影響を与えること
が判明した遊離硫黄(free sulpHur)含有
量(定量は、JIS K 6350に準ずる)が100p
pm以下、好ましくは50ppm以下、特に好ましくは
20ppm以下、最も好ましくは10ppm以下のカー
ボンブラックである。この遊離硫黄含有量が少ない点か
らも、本発明ではナフサを原料とするエチレンボトム油
を用いて1250℃〜1600℃の炉内で連続的に部分
燃焼させるか、または加熱分解することにより、製造し
たファーネスカーボンブラックが最も好ましい。
【0081】好ましい導電性カーボンブラックは、熱可
塑性樹脂に混練した場合に、フィルム加工性が良好であ
りながら十分な導電性を付与し得るカーボンブラックで
あり、加熱処理前の全酸素量が25mg/g以下である
ファーネスカーボンブラックを、不活性雰囲気下で18
0〜750℃、好ましくは200〜700℃、より好ま
しくは250〜650℃で加熱処理することにより、全
酸素量を3〜60%、好ましくは5〜50%、より好ま
しくは5〜40%に低減してなるカーボンブラックであ
る。このようなカーボンブラックを用いることにより、
フィルム成形性が優れた写真感光材料の写真性に悪影響
を及ぼすことがほとんどなく、優れた帯電防止性を有す
る写真感光材料用包装材料を提供することができる。
【0082】ここで不活性雰囲気下とは、酸素分子の存
在しない、又は存在してもきわめて少ない雰囲気をい
い、アルゴン、窒素、二酸化炭素等で実質的に構成され
ている雰囲気をいう。
【0083】加熱処理温度が180℃未満では、酸素官
能基が離脱しにくく、750℃を超えるとカーボンブラ
ック粒子表面及びアグリゲートやアグロメートに焼き締
まり現象が発生し、凝集ユニットが固くなり、カーボン
ブラックの熱可塑性樹脂への分散性が悪くなる。
【0084】加熱処理時間は、加熱処理温度にもよるが
10〜700分、好ましくは15〜600分、より好ま
しくは20〜500分である。
【0085】上記加熱処理前の全酸素量が25mg/g
以下のファーネスカーボンブラックとして好ましいもの
は、オイルファーネス法で得られる比表面積が20〜7
00m/g、DBP吸油量が30〜500ml/10
0g、灰分が0.001〜0.8%のファーネスカーボ
ンブラックである。
【0086】カーボンブラック粒子表面には、水酸其や
カルボニル其の酸素官能基が存在し、これらの量により
熱可塑性樹脂に配合した時の抵抗値が大幅に変化する。
酸素官能基は、揮発分組成で測定し、水酸其やカルボニ
ル其の量は、CO、カルボニル其の量は、COとして
定量でき、全酸素量はCO及びCOから換算する。上
記揮発分組成は、一定量の乾燥下カーボンブラックを耐
熱性の試験管に入れ、1.33Pa(10−2mmH
g)以下まで減圧後、1500℃に加熱した電気炉で3
0分間過熱離脱し、全量タンクに集め混合した後ガスク
ロマトグラフィーによってガスの組成及び量を測定し、
この結果から全酸素量を算出する。
【0087】カーボンブラック等の分散性を向上させる
とともに写真性を良化させるために、分散剤として脂肪
酸金属塩を含有させることが好ましい。脂肪酸金属塩と
しては、ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ステア
リル乳酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステ
アリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パ
ルミチン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸とLi、Na、M
g、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、P
b、Cd、等の金属との化合物が挙げられ、好ましいも
のはステアリン酸マグネシウム、ステアリル酸カルシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、オレ
イン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム等がある。
【0088】遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層に、
滑剤が含有されている。滑剤を含有させることにより、
フィルム成形工程、ラミネート工程、製袋工程等で遮光
性熱可塑性樹脂フィルム同士がブロッキングするのを防
止すると共に遮光性熱可塑性樹脂フィルムのハンドリン
グ適性や滑性を良好にしシワや筋の発生を防止できる。
さらに遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層と感光材料
とが積み重ねられたりしてもブロッキングを発生するこ
とがなく、また、包装袋等として写真感光材料と摩擦さ
れてもスリ傷やスタチックマークが発生しないようにで
きる。滑剤の添加により、樹脂の流動性を向上し、成形
性を改善するとともに成形品の滑性を向上させることも
できる。
【0089】滑剤の含有量は、ホモポリエチレン樹脂及
び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性
ポリオレフィン樹脂との合計100質量部に対して、
0.001〜10質量部であり、好ましくは0.005
〜8質量部であり、より好ましくは0.01〜5質量部
であり、特に好ましくは0.02〜3質量部、最も好ま
しくは0.03〜1質量部である。
【0090】含有量が0.001質量部未満であると、
添加効果がなく、混練費用増となるだけである。また、
含有量が10質量部を超えると、発泡や白煙やダイリッ
プ筋が発生しやすくなったり、溶融樹脂と押出し機のス
クリューとのスリップが発生しやすくなり、樹脂の吐出
量が不安定になる。また、成形後の経時によりベトツキ
やブリードアウトが発生しやすくなり感光材料に悪影響
を及ぼすようになる。さらにまた、経時ヒートシール強
度が低下し、密封性や防湿性と酸素バリヤ性が悪化し感
材物質用包装材料としては実用化困難である。
【0091】滑剤としては、ベヘニン酸アミド、ステア
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド
等の飽和脂肪酸アミド系滑剤、エルカ酸アミド、オレイ
ン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド系滑剤、メチレンビ
スベヘニン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビオオレイン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪
酸アミド系滑剤、シリコーン樹脂、非イオン界面活性剤
系滑剤、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワ
ックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボ
ン等の炭化水素系滑剤、高級脂肪酸(C12以上が好ま
しい)等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸の低級アルコールエス
テル、脂肪酸のポリグリコールエステル等のエステル系
滑剤、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロ
ール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ステアリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、A
l、Sn、Pb等の金属との化合物等の脂肪酸金属塩が
ある。これらの滑剤は単独で用いてもよいし、必要によ
っては2種以上を併用しても良い。上記滑剤を含有させ
る効果を最大に発揮させる飽和および不飽和脂肪酸アミ
ド系滑剤とビス脂肪酸アミド系滑剤が本発明では特に好
ましい。
【0092】脂肪酸金属塩としては、ラウリン酸、ステ
アリン酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル
酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルカ酸
等の高級脂肪酸とLi、Na、Mg、Ca、Sr、B
a、Zn、Cd、Al、Sn、Pb、Cd、等の金属と
の化合物が挙げられ、好ましいものはステアリン酸マグ
ネシウム、ステアリル酸カルシウム、ステアリン酸ナト
リウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン
酸マグネシウム等がある。
【0093】市販されている代表的な脂肪酸金属塩の名
称と分子式と状態と融点を以下に示す。
【0094】
【表1】
【0095】以上のような脂肪酸金属塩の中で、炭素数
が10〜25ヶの高級脂肪酸金属塩が好ましい。炭素数
が10未満の脂肪酸金属塩であると、耐熱性が不十分で
あり、熱分解や熱劣化により感光材料や人体に有害なア
ルデヒド化合物を発生しやすくなる。また、炭素数が2
5以上の脂肪酸金属塩であると、重合が困難になり高価
になる。さらに、遮光性物質の分散性改良効果も小さく
なる。
【0096】脂肪酸アミド系滑剤の代表例を以下に記載
する。 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕ベヘニン酸アミド系滑剤;
ステアリン酸アミド系滑剤; 〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕パルミチン酸
アミド系滑剤;ラウリン酸アミド系滑剤; 〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕エルカ酸アミド系滑剤;
オレイン酸アミド系滑剤; 〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕メチレンビスベヘニン酸ア
ミド系滑剤;メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;
メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;エチレンビスス
テアリン酸アミド系滑剤;ヘキサメチレンビスステアリ
ン酸アミド系滑剤;ヘキサメチレンビスオレイン酸アミ
ド系滑剤;
【0097】本発明では、特開平6−317881号公
報の5頁[0032]〜6頁[0044]等に記載の各
種の滑剤から使用目的に合わせ1種以上の滑剤を選択し
て用いることが出来る。
【0098】各種グレードのジメチルポリシロキサン及
びその変性物(信越シリコーン、東レシリコーン)、特
に各種シリコーンオイルが樹脂流動性向上、滑性向上等
の効果を発揮させるだけでなく、遮光性物質と併用する
と遮光性物質の分散性向上、樹脂を白濁させヘイズ(A
STM D−1003)を大きくさせる結果、着色力向
上、遮光性向上等予想外の効果を発揮するので本発明で
用いる滑剤として特に好ましい。
【0099】上記シリコーンオイルは、常温(25℃)
における粘度が50〜100,000センチストークス
の範囲のものが好ましく、更に好ましくは5,000〜
30,000センチストークスの高粘度のものがよい。
【0100】シリコーン及びシリコーン変性物の具体例
としては、ポリメチルフェニルシロキサン、オレフィン
変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリジメチル
シロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性
シリコーン、αメチルスチレン変性シリコーン、ポリエ
チレングリコールやポリプロピレングリコールで変性し
たポリエーテル変性シリコーン、オレフィン/ポリエー
テル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ
変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等変性され
たシロキサン結合を含有したシリコーンオイルである。
【0101】これらのシリコーンオイル中、写真感光材
料に悪影響を与えることが少なく、滑性効果の大きい、
特に感光物質用包装材料に適用した場合に好ましいもの
はオレフィン変性シリコーン、アミド変性シリコーン、
ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコー
ン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーンである。
【0102】シリコーンオイルは、加熱状態での成形材
料、例えば樹脂フィルムの摩擦係数を改良し、自動包装
機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺
の発生を防止することにより、美しい外観と高度な密封
性と被包装体にたるみがない密着性とを有する性能を保
持した樹脂フィルムを得る基礎をつくることが出来る。
また、摺動による光沢の低下を防止して、美しいシール
部を得ることが出来る。シリコーンオイルを併用して摺
動ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を1.4以下
にすることが出来る。
【0103】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくし、自
動袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の含有量を
減量しても遮性を確保できる。
【0104】前記遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層
に、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤を
含有させることより、熱可塑性樹脂や脂肪酸、滑剤、有
機造核剤、界面活性剤等の添加剤の熱劣化や熱分解を防
止し、熱可塑性樹脂組成物の流動性が著しく変化した
り、ブツが発生するのを防止できる。さらに写真感光材
料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデヒド等)の発生
を防止することができる。熱分解物質(アルデヒド等)
を写真感光材料に悪影響を及ぼさない量に減少安定化さ
せたり、反応安定化させたり又は吸着安定化させる公知
のアルデヒドガスのスキャベンジャーを添加することが
好ましい。アルデヒドガスのスキャベンジャーとして
は、ヒダントイン化合物、ヒドラジン化合物、アミド化
合物、ウレタン化合物、ピリジン化合物、ピロリドン化
合物、トリアジン化合物、アミジン化合物、尿素化合物
等がある。特に、アルデヒドガス吸着・無害化させるゼ
オライトと併用すると効果が大きく、市販のアルデヒド
を含む安価な材料やリサイクル樹脂を使用しても写真性
に悪影響を与えることがなく、ユーザーに悪臭や刺激臭
を与えて不快感を与えることがなくなるので好ましい。
感光物質用包装材料中のアセチルアセトン法で測定した
ホルムアルデヒドの量は500PPM以下、好ましくは
300PPM以下、特に好ましくは150PPM以下、
最も好ましくは75PPM以下にすることにより写真性
を良好に維持できる。
【0105】酸化防止剤の含有量は、ホモポリエチレン
樹脂及び/又はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂と
酸変性ポリオレフィン樹脂との合計100質量部に対し
て、0.001〜1.5質量部、0.001〜1質量部
が好ましく、0.005〜0.7質量部がより好まし
く、0.01〜0.5質量部が特に好ましく、0.02
〜0.3質量部が最も好ましい。含有量が0.001質
量部%未満では、添加効果が無く混練費増になるだけで
あり、1質量部を超えると、酸化、還元作用を利用する
写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすとともにフィル
ム成形品表面にブリードアウトして外観を悪化させる。
【0106】本発明に使用される酸化防止剤の代表例を
以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤(tはtertの略号で
ある) ビタミンE(トコフェロール)、トコフェロール類二量
体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、5・7
−ジメチルトコール等)、6−t−ブチル−3−メチル
フェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−P−クレ
ゾール、2・6−ジ−t−ブチル−フェノール、2・6
−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、
2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(6−t−
ブチル−m−クレゾール)、4・4’−チオビス(6−
t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシ
ジフェニルシクロヘキサン、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3’・5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2’−
メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4・4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチ
ルフェニール)、4・4’−ブチリデンビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリ
ル−β(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、1・1・3−トリス(2−メチ
ル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、
1・3・5トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−
ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テ
トラキス〔メチレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン等
【0107】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0108】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N’−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N’−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0109】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0110】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、トリス(モノ及び/又
はジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォス
ファイト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト等
【0111】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0112】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0113】本発明に最も好ましいヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の代表例を以下に示す。 1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス〔メチレン−3−(3'・5'−ジ−te
rt−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−tert−
ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメート、2,
2',2'−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチルイ
ソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−tert−ブ
チル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メチルベンジル〕
イソシアヌレート、テトラキス(2,4−ジ−tert
−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ亜リン酸エ
ステル、4,4'−チオビス−(6−tert−ブチル−
O−クレゾール)、2,2'−チオビス−(6−tert
−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス−(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニ
ル)ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル−
6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレン
−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert−
ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メチ
ル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−
ジ−tert−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビ
ス(2'−ハイドロキシ−3'−tert−ブチル−5'
−メチルペンジル)−4−メチルフェノール、4,4'−
メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾ
ール)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−tert−ブ
チル−m−クレゾール)、3,9−ビス{1,1−ジメチ
ル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5
−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}2,
4・8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカ
ンなどがあげられる。これらの中でも融点が100℃以
上、特に120℃以上のものが好ましい。また、燐系酸
化防止剤と併用することが効果的である。さらにまた、
燐系酸化防止剤の少なくとも1種と、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤の少なくとも1種と、ハイドロタルサ
イト類化合物の少なくとも1種の合計3種以上を併用す
ることが写真性良化、樹脂や添加剤の熱劣化や熱分解を
防止し、成形機の防錆点で特に好ましい。
【0114】遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層中の
酸化防止剤とハイドロタルサイト類化合物の合計含有量
は経済性、写真性、熱劣化防止性等のバランスの点から
0.01〜6.5質量%とするのが好ましい。
【0115】遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層中に
燐系酸化防止剤の少なくとも1種を含む場合、熱分解に
よって発生する亜燐酸が写真感光材料の写真性に悪影響
を大きく及ぼし、カブリを発生させるので亜燐酸を中和
させるハイドロタルサイト類化合物を0.01〜5.0
質量%、特に0.05〜3.0質量%併用することが好
ましい。
【0116】上記ビタミンE(トコフェロール)、トコ
フェロール類二量体は、優れた酸化防止作用の他に、フ
ィルム成形品を黄色に着色させてカーボンブラック等の
無機顔料と併用すると遮光能力をカーボンブラック等の
無機顔料単独添加の場合より10%以上向上させ、か
つ、分散性も向上させるので無機顔料の含有量を10%
以上減少させても同等の遮光性を有することができる。
この結果写真性の悪化防止、物理強度向上、外観向上、
材料費減少等各種の効果が発揮されるので本発明の感光
物質用包装材料の酸化防止剤として最も好ましい。
【0117】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilize
rBHT,Sumilizer BH−76,Sumi
lizer WX−R,Sumilizer BP−10
1等である。また、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレ
ゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸
化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ir
eganox 1076,Topanol CA,Ion
ox 330等)がある。これらのフェノール系酸化防
止剤は、燐系酸化防止剤(ジステアリル−ペンタエリス
リトール−ジフォスファイト、トリス(ノニルフェニ
ル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ジラウリル
チオジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネー
ト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,
4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、トリス(2,
4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、ジアル
キルフォスフェート等)の1種以上、特に2種以上を併
用するのが相剰効果を発揮するので効果的である。
【0118】特に遊離基連鎖停止剤の代表例である融点
が100℃以上、好ましくは120℃以上の前記ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種と、過酸
化物分解剤である燐系酸化防止剤の少なくとも1種とを
併用して用いることが写真性を悪化させずに樹脂や添加
剤の熱劣化防止効果を高めることができるので好まし
い。最も好ましくは、燐系酸化防止剤の1以上と、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤の1以上の2種の合計
0.001〜1.5質量%と、燐系酸化防止剤の熱分解
によって発生する亜燐酸の中和剤としての働きをして写
真感光材料のカブリ防止の働きをするハイドロタルサイ
ト類化合物0.01〜5.0質量%の3種を少なくとも
併用する。
【0119】写真感光材料の写真性への悪影響が少な
く、樹脂溶融温度(130〜400℃)でも熱分解が少
なく、経時によるブリードアウトも少ない等多くの優れ
た特性を有する点から本発明で特に好ましい酸化防止剤
は、分子量が200以上、好ましくは300以上、特に
好ましくは400以上、最も好ましくは500以上のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤である。
【0120】本発明の感光物質用包装材料に含有させる
のに最も好ましい酸化防止剤はテトラキス[メチレン−
3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フェニ
ル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−
(4’−ヒドロキシ−3',5’−ジ−t−ブチルフェノ
ール)プロピオネートとトリス−(2,4−ジ−t−ブ
チルフェニル)ホスファイトである。
【0121】本発明の感光物質用包装材料は、前記遮光
性ポリオレフィン樹脂フィルム層の外側にフレキシブル
シートを積層することができる。このフレキシブルシー
トとしては、各種の熱可塑性樹脂フィルム、例えば、各
種ポリエチレン樹脂、各種エチレン共重合体樹脂、ホモ
ポリプロピレン樹脂、各種プロピレン共重合体樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリアクリル
ニトリル樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹
脂、ポリカーボネート樹脂、各種ポリエステル樹脂(P
ET樹脂、PBT樹脂、A−PET樹脂、PEN樹脂
等)等の単独熱可塑性樹脂フィルムおよびこれらの2種
以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂フィルムまたはポリマー
アロイフィルムまたは変性樹脂フィルム、さらに、これ
らの各種の熱可塑性樹脂フィルムとしては無延伸や一軸
延伸または二軸延伸(分子配向も含む)フィルム等があ
る。また、トリアセテートフィルム、セロファン、再生
セルロースフィルム、不織布、上記各種の熱可塑性樹脂
フィルムに金属および/または無機物質を蒸着加工した
金属および/または無機物質蒸着加工フレキシブルシー
トがある。
【0122】金属および/または無機物質蒸着加工フィ
ルムの蒸着膜としては、アルミニウム、酸化珪素、酸化
アルミニウム、酸化チタン、光触媒酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化亜鉛、酸化イソジュウム、酸化マグネシウム等
の1種または2種以上を混合した蒸着膜がある。透明無
機蒸着膜としては、酸化珪素と酸化アルミニウムの単独
または複合蒸着膜が蒸着適性、酸素バリヤ性、防湿性、
品質、コスト、写真性が優れているので特に好ましい。
フレキシブルシート層としては、特に表2に示した高ヤ
ング率(490N/mm以上)、高融点(130℃以
上)の二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムが好ましい。
【0123】
【表2】
【0124】この蒸着膜の厚さは、50〜3,000Å
であることが好ましく、100〜2,000Åであるこ
とがより好ましく、200〜1,500Åが特に好まし
く、400〜1,000Åであることが最も好ましい。
厚さが50Å未満であると、防湿性および酸素バリヤ性
を十分に確保できない場合があり、厚さが3,000Å
を超えると、蒸着膜のヒビ割れ発生、基材の熱劣化、熱
収縮の発生の問題の他に品質、コスト、生産性の点でも
問題があり、実用化困難である。
【0125】以上のようなフレキシブルシート層の中
で、抗張力、無塵性、防湿性、ヤング率、酸素バリヤ
性、物理強度、耐熱性、剛性、耐摩耗性、滑性の優れた
延伸熱可塑性樹脂フィルム、合成紙および耐熱性、耐摩
耗性、無塵性、ヤング率、物理強度、滑性の優れた不織
布、長繊維紙が好ましく、特に各種特性が優れている二
軸延伸したポリエステル樹脂フィルム層と二軸延伸した
ポリエチレンナフタレート樹脂フィルム層および二軸延
伸したポリプロピレン樹脂フィルム層が好ましい。最も
好ましいのは、二軸延伸ポリエチレンナフタレート樹脂
フィルム層である。
【0126】写真性に悪影響を及ぼすことがほとんどな
く、焼却時有害ガス発生量が少なく、融点が130℃以
上で、ヤング率が580N/mm以上のフレキシブル
シートの代表例としては、前記表2に示したものがあ
る。
【0127】化学増感および/または色素増感されてい
る超精密製品である写真感光材料を密封包装する場合の
感光物質用包装材料の透湿度(JIS K 7126の2
0℃,0%RHに準じる)は1g/m・24時間以
下、0.3g/m・24時間以下が好ましく、0.2
g/m・24時間以下がより好ましく、0.1g/m
・24時間以下が最も好ましい。透湿度が1g/m
・24時間を超えると、長期間保存すると写真性に悪影
響を与える。
【0128】特に、化学増感および/または色素増感さ
れている写真感光材料の場合は、湿度や酸素やホルムア
ルデヒドガス等により悪影響を受けるので本発明の感光
物質用包装材料としては、特に低透湿度確保できる包装
材料を慎重に選択することが重要である。化学増感およ
び/または色素増感されている写真感光材料の中でも最
も最新の精密化学商品である“熱現像写真感光材料”
は、最も湿度の影響を受けやすいので、透湿度(JIS
Z 0208のB法に準じて測定した値)は0.2g/
・24時間以下が好ましく、0.1g/m・24
時間以下がより好ましく、0.05g/m・24時間
以下が最も好ましい。
【0129】従来の写真感光材料では、あまり悪影響の
少なかった酸素透過度(JIS K7126の20℃・
90%RHに準じて測定した値)も化学増感および/ま
たは色素増感されている熱現像写真感光材料では悪影響
を受けやすくなるので酸素透過度は3cc/m・24
時間・気圧以下、好ましくは2cc/m・24時間・
気圧以下、より好ましくは1cc/m・24時間・気
圧以下、特に好ましくは0.8cc/m・24時間・
気圧以下、最も好ましくは0.6cc/m・24時間
・気圧以下とする。
【0130】感光物質用包装材料の厚さは、70〜13
0μmが好まし、80〜120μmがより好ましく、9
0〜110μmが特に好ましく、95〜105μmが最
も好ましい。厚さが70μm未満であると、請求項5記
載のコーナーカットをしたシート状写真フィルムを10
〜300枚積重されたシート状写真フィルム包装体であ
ってもピンホールや破袋の発生を防止することは困難で
ある。また、厚さが130μmを超えると、高価になる
だけでなく、嵩張り、かつ柔軟性に欠けるものとなる。
【0131】感光物質用包装材料の破裂強度(JIS
P 8112に準じた測定方法で測定)は、49N/c
(5.0kg/cm)以上が好ましく、58.8
N/cm(6.0kg/cm)以上がより好まし
く、68.6N/cm(7.0kg/cm2)以上が
特に好ましく、78.4N/cm(8.0kg/cm
)以上が最も好ましい。
【0132】本発明の感光物質用包装材料の遮光性ポリ
オレフィン樹脂フィルム層は、遮光性物質、滑剤及び酸
化防止剤を遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層中の3
〜30倍の高濃度で含むマスターバッチ樹脂ペレット
と、希釈用の1種以上のナチュラル(無着色で滑剤、酸
化防止剤、その他の添加剤を含有していてもよい)マト
リックス樹脂ペレットとを混合後、L/Dが10〜50
の押出し機を用い、樹脂温度130〜270℃で溶融混
練後、リップクリアランスが1.0〜5mmのインフレ
ーションフィルム成形機を用いて、ドロー比5〜70で
成形したもので合うことが好ましい。
【0133】本発明の感光物質用包装材料を適用できる
用途について説明する。 (1) 透明、着色または印刷付のレンズ付フィルムユニ
ット包装用の防湿・密封包装袋(特公平7−1380号
公報、特開平3−243946号公報、特開平5−19
7087号公報、特開平7−72593号公報、特開平
8−248573号公報、特開平8−254793号公
報、特開平8−334869号公報、特開平9−157
96号公報、特開平9−54395号公報、特開平9−
120119号公報、特開平9−244187号公報、
特開平9−274288号公報、特開平10−1865
86号公報、特開平10−197994号公報等)。 (2) 透明、着色または印刷付のプラスチック容器入り
の撮影用写真フィルム(JIS 135フィルム、AP
Sフィルム、マイクロフィルム等)の2本以上を集合包
装する防湿・密封包装袋(特開平8−254793号公
報等)。 (3) 印画紙、印刷製版用フィルム、撮影用カットフィ
ルム、Xレイフィルム、PS版等のシート状写真感光材
料用の防湿・密封・遮光性袋(特公平2−2700号公
報、特公平2−2701号公報、特開平8−25479
3号公報、特開平5−5972号公報等)。 (4) 帯状写真感光材料包装体用遮光性フィルム(特開
平2−72347号公報、特開平6−214350号公
報、実公平5−29471号公報、実公平6−8593
号公報、実公平7−50743号公報、実公平8−10
812号公報、実開昭63−153255号公報等)。 (5) 印画紙、映画用フィルム、マイクロポジフィル
ム、印刷製版用フィルム、熱現像拡散転写紙等のロール
状写真感光材料用防湿密封遮光袋(特開平6−6735
8号公報等)。 (6) 印画紙、写真フィルム等の帯状感光材料の明室装
填包装体用防湿・遮光フィルムまたはリーダーフィルム
(特開昭62−172344号公報、特開平2−723
47号公報、特開平5−72672号公報、特開平5−
216176号公報、特開平6−75341号公報、特
開平6−214350号公報、特開平6−148820
号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−9
2618号公報、特開平8−40468号公報、特開平
10−97030号公報、実公昭56−16608号公
報、実公平6−8593号公報、実公平8−9725号
公報等)。 (7) バルクロール状写真感光材料包装用の防湿・遮光
フィルム(特開平3−53243号公報等)。 (8) インスタントフィルムパック(特開平8−627
82号公報、特開平10−228079号公報、特開平
10−228080号公報等)。 (9) 写真フィルム用遮光紙(米国特許5,790,9
12号明細書、特開昭48−22020号公報、特開昭
50−67644号公報、特開昭52−150016号
公報、特開昭55−140835号公報、特開昭58−
17434号公報、特開昭58−186744号公報、
特開昭59−68238号公報、特開昭60−3572
8号公報、特開昭61−36216号公報、特開昭63
−169642号公報、特開平4−136842号公
報、特開平4−296849号公報、特開平5−281
666号公報、特開平9−80695号公報、特開平9
−152685号公報、特開平9−185151号公
報、特開平10−104803号公報、特開平10−2
54102号公報、特開平10−254103号公報、
特開平10−312042号公報、特開平10−312
043号公報、特開平10−319545号公報、特開
平10−325993号公報、特開平11−38563
号公報等)。 (10) インスタントフィルムパック用遮光袋(特開平1
0−186504号公報、特開平10−221814号
公報、特開平10−228079号公報、特開平10−
228080号公報、特開平10−288810号公
報、特開平10−293359号公報、特開平10−3
01199号公報、特開平10−301248号公報
等)。 (11) 食品、医薬品等の高度な気密性を必要とする物質
の包装袋。
【0134】上述した各種の密封袋は、チューブ状フィ
ルムの底シール袋、上記のような包装材料を使用し、そ
のヒートシール性樹脂層の面を対向して重ね合わせてシ
ール部を形成した二方シール袋、三方シール袋、四方シ
ール袋、ガゼット袋、封筒貼りシール袋、合掌貼りシー
ル袋(ピローシール袋)、ひだ付きシール袋、角底シー
ル袋、その他のヒートシール形態によりヒートシールし
た種々の形態からなる包装袋等がある。
【0135】また、各種の上包み包装にも用いることが
できる。例えば、実公平7−50743号公報、実公平
8−7398号公報、実公平8−9723号公報、実公
平8−9724号公報、実公平8−10812号公報、
特開平6−148820号公報、特開平6−21435
0号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−
287350号公報等に記載の帯状感光材料の明室装填
包装体用防湿遮光フィルムや袋、カートンまたはトレー
の上包み包装、キャラメル型の上包み包装、スナック型
の上包み包装、紙巻きたばこ型の上包み包装、ロール上
包み包装、棒状上包み包装、ひねり上包み包装等があ
り、また、社団法人 日本包装技術協会 1995年7月
1日発行,「包装技術便覧」754頁〜774頁記載の
各種包装体用として使用可能である。
【0136】本発明の感光物質用包装材料に適用可能な
写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カ
ラーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィル
ム、印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、
電算写植フィルムおよびペーパー、カラーまたは白黒ポ
ジフィルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィ
ルム、サーベランスフィルム、映画用フィルム、自己現
像型写真感光材料、直接ポジ型フィルムおよびペーパー
等)(特開平4−136838号公報、特開平4−17
2339号公報、特開平5−113623号公報、特開
平9−325450号公報、特開平10−62901号
公報、特開平10−62903号公報、特開平10−6
2904号公報、特開平10−62905号公報、特開
平10−62906号公報、特開平10−62921号
公報、特開平10−142731号公報等) (2) 熱現像写真感光材料(熱現像カラー感光材料、熱
現像白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公
報、同43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩
写真編(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555
頁およびリサーチ・ティスクロージャー誌 1978年
6月号9頁〜15頁(RD−17029)等に記載され
ているもの。さらに、特開昭59−12431号公報、
同60−2950号公報、同61−52343号公報、
特開平7−13295号公報、同10−62898号公
報、同10−62899号公報、特開平10−1865
67号公報、特開平10−268465号公報、特開平
10−339934号公報、特開平10−52509号
公報等や米国特許第3,457,075号明細書、米国
特許第3,574,627号明細書,米国特許第4,0
42,394号明細書、米国特許第4,584,267
号明細書に記載されている転写方式の熱現像カラー写真
感光材料等)) (3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号
公報等に記載されているフォトサーモグラフィー(感光
・感熱画像形成方法)を用いた記録材料) (4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィル
ム、複写用フィルム、印刷用版材等) (5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4’ジアジドスチルベン等を含む感光
材料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (6) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−
スルフォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光材料、
例えば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム
等) (7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む写真
感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フィルム、IC用レジスト等) (9) 乾式画像形成材料(支持体上に、内部に少なくと
も光硬化性化合物、光開始剤および色素前駆体を有する
層を有し、該マイクロカプセルを含有する層または隣接
する層に顕色剤を有する特開平11−2884号公報等
に記載されている記録材料) 特に、Xレイフィルムの明室装填用包装材料および包装
体に適用することが好ましい。例えば、特登録2679
993号、特開平11−237713号、特公平7−3
1376号、特登録2572221号、特開平2−83
543号、特公平7−31377号、特開平7−287
329号等に記載されている。
【0137】本発明による感光物質用包装材料の層構成
の特に好ましい代表例を以下に示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0138】なお、以下の層構成の例において、/印は
接着剤層を介して積層されていることを、*印は共押出
しにより接着剤層を介さずに直接積層されていること
を、※はブロッキングにより接着されていることを示
す。また、最外層から最内層の順に記載してある。
【0139】(1) 遮光性ポリオレフィン樹脂フィル
ム層(特許請求の範囲の請求項1で規定した遮光性ポリ
オレフィン樹脂フィルム、以下、同様)のみの単層フィ
ルム。 (2) 遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性
物質を含まない熱可塑性樹脂フィルム層からなる二層共
押出しインフレーションフィルム。
【0140】(3) 遮光性ポリオレフィン樹脂フィル
ム層*遮光性物質を含む熱可塑性樹脂フィルム層からな
る二層共押出しインフレーションフィルム。 (4) 遮光性物質を含まない熱可塑性樹脂フィルム層
*遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性物質を
含まない熱可塑性樹脂フィルム層からなる三層共押出し
インフレーションフィルム。 (5) 遮光性物質を含む熱可塑性樹脂フィルム層*遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性物質を含む
熱可塑性樹脂フィルム層からなる三層共押出しインフレ
ーションフィルム。 (6) 遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性
ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性ポリオレフィン
樹脂フィルム層からなる三層共押出しインフレーション
フィルム。 (7) 遮光性物質を含むフレキシブルシート/遮光性
ポリオレフィン樹脂フィルム層からなる3層積層フィル
ム。 (8) 遮光性物質を含まないフレキシブルシート/遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層からなる3層積層フ
ィルム。 (9) 蒸着薄膜加工フレキシブルシート/遮光性ポリ
オレフィン樹脂フィルム層からなる3層積層フィルム。 (10) 蒸着薄膜加工フレキシブルシート/遮光性ポリ
オレフィン樹脂フィルム層*遮光性物質を含む熱可塑性
樹脂フィルム層からなる4層積層フィルム。 (11) 遮光性物質を含む熱可塑性樹脂フィルム層*遮
光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*遮光性物質を含む
熱可塑性樹脂フィルム層※遮光性物質を含む熱可塑性樹
脂フィルム層*遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層*
遮光性物質を含む熱可塑性樹脂フィルム層からなる6層
積層フィルム。
【0141】本発明の感光物質用包装材料を用いたシー
ト状写真フィルム包装体は、図1〜図5に示すように、
感光物質用包装材料で形成された防湿遮光袋と、この防
湿遮光袋に収納され10〜300枚積重されたシート状
写真フィルムと、このシート状写真フィルムを保護する
当てボールとを備えるとともに、前記防湿遮光袋の引き
抜き方向と前記シート状写真フィルムの枚葉取出方向が
交差するシート状写真フィルム包装体であって、前記シ
ート状写真フィルムの角が1個以上の円弧状等に代表さ
れる曲線で形成されている。
【0142】シート状写真フィルム包装体が、図7に示
すように単数または複数の状態でオリジナルシール(開
封テープまたはラベル等)と品質表示を有する化粧個箱
に詰められ、輸送適性向上のために図8〜図9に示すよ
うに、さらにこの化粧箱が複数ヶ商品内容を示す印刷や
ラベル等を有する段ボール箱に詰めた包装体とすること
が好ましく、この状態で輸送する。
【0143】また、このようなシート状写真フィルム包
装体は、包装されるシート状写真フィルムが色素増感お
よび/または化学増感されていることが好ましく、この
ような色素増感および/または化学増感されているシー
ト状写真フィルムの場合に、本発明は特に有意義であ
る。
【0144】写真感光材料を構成するハロゲン化銀乳剤
は、必要により他の乳剤とともに支持体上に一層もしく
は二層以上設けることができる。また、支持体の片側に
限らず両面に設けることができる。また、異なる感色性
の乳剤として重層することもできる。本発明におけるハ
ロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例
えば、Xレイ感材、リス型感材、白黒映画用フィルム、
黒白印画紙、電算写植フィルム、電算写植印画紙、マイ
クロフィルム、黒白撮影用ネガフィルムなど)やカラー
写真感光材料(例えば、カラーポジフィルム、カラーネ
ガフィルム、カラー印画紙、カラー反転フィルム等)に
用いることができる。さらに、拡散転写用感光材料(例
えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現
像写真感光材料(黒白、カラー)等にも用いることがで
きる。
【0145】本発明におけるハロゲン化銀写真感光材料
の乳剤層のその他の構成については特に制限はなく、必
要に応じて種々の添加剤を用いることができる。添加す
ることのできる代表的な添加剤としては、化学増感剤、
分光増感剤(色素増感剤)、かぶり防止剤、金属イオン
ドープ剤、ハロゲン化銀溶剤、安定剤、染料、カラーカ
プラー、DIRカプラー、バインダー、硬膜剤、塗布助
剤、増粘剤、乳剤、沈降剤、可塑剤、寸度安定改良剤、
帯電防止剤、蛍光増白剤、滑剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤、散乱または吸収材料、硬化剤、接着防止、写真特
性改良剤(例えば現像促進剤、硬調化剤など)、現像剤
等写真的に有利なフラグメント(現像抑制剤または促進
剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、トナー、
硬膜剤、カブリ防止剤、競争カプラー、化学または分光
増感剤および減感剤)を放出するカプラー、像色素安定
剤、自己抑制現像剤、およびその使用法、また、分光増
感における超増感、分光増感色素のハロゲン受容体効果
や電子受容体効果、かぶり防止剤、安定剤、現像促進剤
または抑制剤の作用、その他、本発明における乳剤の製
造に用いる製造装置、反応装置、攪拌装置、塗布、乾燥
法、露光法(光源、露光雰囲気、露光方法)、そして写
真支持体、微孔性支持体、下塗り層、表面保護層、マッ
ト剤、中間層、ハレーション防止層、AgX乳剤の層構
成および写真処理剤、写真処理方法についてはリサーチ
・ディスクロージャー誌,176巻,1978年,12
月号(アイテム17643)、同184巻,1979
年,8月号(アイテム18431)、同134巻,19
75年,6月号(アイテム13452)、プロダクト・
ライセンシング インデックス誌,92巻,107〜1
10(1971年12月)、特開昭58−113926
〜113928号、同62−3134号、同62−62
51号、日化協月報,1984年,12月号,P18〜
27、特開昭62−219982号、T.H.Jame
s,The Theory of The Photogr
aphic Process,FourthEdiss
ion,Macmillan,New York,19
77年、V.L.Zelikman et al.著,M
aking and CoatingPhotograp
hic Emulsion(The Focal Pre
ss刊,1964年)等の記載を参考にすることができ
る。
【0146】ハロゲン化銀乳剤の主要構成成分である感
光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては、塩化銀、臭
化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀お
よびヨウ塩臭化銀乳剤を含んでなることができる。
【0147】感光性ハロゲン化銀は、何れのサイズおよ
び形状の粒子も含有することができる。したがって、感
光性ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、立方八面
体、平板状、球状、棒状等の任意形態を取ることができ
る。本発明用としては、平板状粒子若しくは立方体状粒
子が好ましい。
【0148】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されていなく
ても良いが、化学増感されていることが好ましい。ハロ
ゲン化乳剤の化学増感の方法として、硫黄増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感および貴金属増感の何れを
も単独で用いても、また併用して化学増感してもよい。
【0149】貴金属増感のうち金増感法はその代表的な
もので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴
金属、例えば白金、パラジウム、プラチナ、イリジウ
ム、ロジウム等の錯塩を用いることができる。その具体
例は、特開平7−128768号公報、米国特許第2,
448,060号、英国特許第618,016号などに
記載されている。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含
まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチ
オ硫黄ナトリウム等のチオ硫酸塩、アリルチオ尿素等の
チオ尿素類、チアゾール類、アリルイソチオシアネー
ト、ローダニン類等を用いることができる。還元増感剤
としては、例えばポリアミン類、第1スズ塩等を用いる
ことができる。
【0150】色素増感作用を有する増感色素は、物理熟
成の防止剤、あるいは高pAgでの立方体形成を可能と
する晶癖制御剤として粒子形成工程において使用可能で
あるが、本来は、ハロゲン化銀乳剤の感光可能な放射線
の波長を固有域よりも長波な領域に広げるという目的の
ために使用するものである。
【0151】ハロゲン化銀乳剤に用いることができる増
感色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、メロシアニン色素および複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ヘミシアニン色素、オキソ
ノール色素等の増感色素である。これらの増感色素に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核、これらの核に脂
環式炭化水素環が融合した核、およびこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキ
サドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール
核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベン
ズイミダゾール核、キノリン核などが適用できる。これ
らの核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0152】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0153】これらの色素増感作用を有する増感色素は
単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよ
く、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばし
ば用いられている。その代表例は、米国特許第2,68
8,545号、同同2,977,229号、同3,39
7,060号、同3,522,052号、同3,52
7,641号、同3,617,293号、同3,62
8,964号、同3,666,480号、同3,67
2,898号、同3,679,428号、同3,70
3,377号、同3,769,301号、同3,81
4,609号、同3,837,862号、同4,02
6,707号、英国特許第1,344,281号、同
1,507,803号、特公昭43−4936号、同5
3−12375号、特開昭52−110618号、同5
2−109925号に記載されている。
【0154】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり、4×10
−6〜8×10−3モルで用いることができる。
【0155】2種以上の増感法を組み合わせることは好
ましい。どの工程で化学増感するかによって種々のタイ
プの乳剤を調製することができる。感光性ハロゲン化銀
粒子の内部に化学増感核をうめ込むタイプ、感光性ハロ
ゲン化銀粒子表面から浅い位置にうめ込むタイプがあ
る。ハロゲン化銀乳剤は目的に応じて化学増感核の場所
を選ぶことができるが、一般に好ましいのは表面近傍に
少なくとも一種の化学増感核を作った場合である。
【0156】好ましく実施しうる化学増感の一つはカル
コゲン増感と貴金属増感の単独または組合せであり、ジ
ェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977
年、(T.H.James、The Theory of
the Photographic Process,
4th ed,Macmillan,1977)67〜
76頁に記載されるように活性ゼラチンを用いて行うこ
とができるし、また、リサーチ・ディスクロージャー、
120巻、1974年4月、12008;リサーチ・デ
ィスクロージャー、34巻、1975年6月、1345
2、米国特許第2,642,361号、同同3,29
7,446号、同3,772,031号、同3,85
7,711号、同3,901,714号、同4,26
6,018号、および同3,904,415号、並びに
英国特許第1,315,755号に記載されるようにp
Ag5〜10、pH5〜8および温度30〜80℃にお
いて硫黄、セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イ
リジウムまたはこれら増感剤の複数の組合せとすること
ができる。貴金属増感においては、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属塩を用いることができ、中で
も特に金増感、パラジウム増感および両者の併用が好ま
しい。金増感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオ
ーレート、カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金
セレナイド等の公知の化合物を用いることができる。パ
ラジウム化合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意
味する。好ましいパラジウム化合物は、RPdX
たはRPdXで表される。ここでRは水素原子、ア
ルカリ金属原子またはアンモニウム基を表す。Xはハロ
ゲン原子を表し塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
【0157】具体的には、KPdCl、(NH)
PdCl、NaPdCl、(NH)PdC
、Li、PdCl、NaPdClまたはK
PdBrが好ましい。金化合物およびパラジウム化
合物はチオシアン酸塩あるいはセレノシアン酸塩と併用
することが好ましい。
【0158】硫黄増感剤として、ハイボ、チオ尿素系化
合物、ローダニン系化合物および米国特許第3,85
7,711号、同4,266,018号および同4,0
54,457号に記載されている硫黄含有化合物を用い
ることができる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学
増感することもできる。有用な化学増感助剤には、アザ
インデン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、
化学増感の過程でカブリを抑制し、かつ感度を増大する
ものとして知られた化合物が用いられる。化学増感助剤
改質剤の例は、米国特許第2,131,038号、同
3,411,914号、同3,554,757号、特開
昭58−126526号および前述ダフィン著,「写真
乳剤化学」,138〜143頁に記載されている。
【0159】金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀
1モル当たり1×10−4〜1×10−7モルであり、
さらに好ましいのは1×10−5〜5×10−7モルで
ある。パラジウム化合物の好ましい範囲は1×10−3
から5×10−7である。チオシアン化合物あるいはセ
レノシアン化合物の好ましい範囲は5×10−2から1
×10−5である。
【0160】ハロゲン化銀粒子に対して使用する好まし
い硫黄増感剤量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
−4〜1×10−7モルであり、さらに好ましいのは1
×10−5〜5×10−7モルである。
【0161】ハロゲン化銀乳剤に対して好ましい増感法
としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知
の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状
金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメ
チルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セ
レノケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用
いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金
属増感あるいはその両方と組み合わせて用いた方が好ま
しい場合がある。
【0162】ハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、粒子形成
後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化学
増感後に還元増感することは好ましい。
【0163】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
も選ぶことができる。また2つ以上の方法を併用するこ
ともできる。還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0164】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物などが公知である。還元増感にはこ
れら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また
2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤
として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボ
ラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合
物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存す
るので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル
当たり10−7〜10−3モルの範囲が適当である。
【0165】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性ア
ルカリライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加し
ておき、これらの水溶液を用いて感光性ハロゲン化銀粒
子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増
感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間
添加するのも好ましい方法である。
【0166】写真乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真
性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させる
ことができる。たとえば米国特許第3,954,474
号、同3,982,947号、特公昭52−28660
号に記載されたものを用いることができる。好ましい化
合物の一つに特開昭63−20842号に記載された化
合物がある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、
粒子形成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、
化学増感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろい
ろな時期に目的に応じて添加することができる。乳剤調
製中に添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発
現する以外に、粒子の晶癖を制御する、粒子サイズを小
さくする、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御
する、色素の配列を制御するなど多目的に用いることが
できる。
【0167】本発明に使用できる各種公知の写真用添加
剤も下記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載
されており、下記の表3に関連する記載箇所を示す。
【0168】
【表3】
【0169】本発明の感光物質用包装材料を適用するの
が好ましいシート状写真フィルムの写真層について記載
する。ハロゲン化銀乳剤層としては黒白用カラー用何れ
でもよい。最初にカラーハロゲン化銀写真感光材料につ
いて説明する。写真感光材料は、支持体上に青感色性
層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少
なくとも1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳
剤層および非感光性層の層数および層順に特に制限はな
い。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性
は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤
層からなる感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化
銀写真感光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、
および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層で
あり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料において
は、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤
感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。し
かし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同
一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順
をもとりえる。
【0170】前記ハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けても
よい。該中間層には、特開昭61−43748号、同5
9−113438号、同59−113440号、同61
−20037号、同61−20038号明細書に記載さ
れているようなカプラー、DIR化合物等が含まれてい
てもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでい
てもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号、特開昭57−11275
1号、同62−200350号、同62−206541
号、同62−206543号、同56−25738号、
同62−63936号、同59−202464号、特公
昭55−34932号、同49−15495号明細書に
記載されている。ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。
【0171】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643および同No.18716に記載されて
おり、その該当箇所を表3にまとめた。また、使用でき
る公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・ディス
クロージャーに記載されており、下記の表4に関連する
記載箇所を示した。
【0172】
【表4】
【0173】シート状写真フィルムは、前述のRD.N
o.17643の28〜29頁、および同No.187
16の615左欄〜右欄に記載された通常の方法によっ
て現像処理することができる。本発明のハロゲン化銀カ
ラー感光材料には処理の簡略化および迅速化の目的で発
色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色
現像主薬の各種ブレカーサーを用いるのが好ましい。
【0174】本発明の感光物質用包装材料が最も効果を
発揮するのは、熱現像写真感光材料の包装体に用いた場
合である。この熱現像写真感光材料は、最近実用化され
たものであり、湿度や酸素ガスの影響を受けやすい高精
密の写真感光材料であり、概要を以下に示す。
【0175】本発明において熱現像写真感光材料の画像
形成層のバインダーとして用いられるポリマーラテック
スの具体例としては以下のようなものがある。メチルメ
タクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート/2エチル
ヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コ
ポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニ
ルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート
/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテッ
クスなど。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、
必要に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。
【0176】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は全バインダーの50質量%以上が
上記ポリマーラテックスであることが好ましく、70質
量%以上が上記ポリマーラテックスであることがさらに
好ましい。
【0177】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液には必要に応じて全バインダーの5
0質量%未満の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加しても良
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30質量%以下が好ましい。
【0178】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は水系であることが好ましい。ただ
し、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の
30質量%以上が水であることをいう。塗布液の水以外
の成分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性
の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の
例としては以下のようなものがある。水/メタノール=
90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノ
ール=90/10、水/イソプロパノール=90/1
0、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノ
ール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メ
タノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5(ただ
し数字は質量%を表す。)。
【0179】本発明において画像形成層における全バイ
ンダー量は、0.2〜30g/mが好ましく、より好
ましくは1〜15g/mの範囲が好ましい。画像形成
層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活
性剤などを添加してもよい。
【0180】本発明における感光性ハロゲン化銀の形成
方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチ
・ディスクロージャー1978年6月の第17029
号、および米国特許第3,700,458号に記載され
ている方法を用いることができる。本発明で用いること
のできる具体的な方法としては、調製された有機銀塩中
にハロゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩の
銀の一部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチ
ンあるいは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物および
ハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲ
ン化銀粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いるこ
とができる。本発明において好ましくは後者の方法を用
いることができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズ
は、画像形成後の白濁を低く抑える目的のために小さい
ことが好ましく具体的には0.20μm以下、より好ま
しくは0.01μm以上0.15μm以下、さらに好ま
しくは0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここ
でいう粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体ある
いは八面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化
銀粒子の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平
板状粒子である場合には主表面の投影面積と同面積の円
像に換算したときの直径をいう。その他正常晶でない場
合、たとえば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲ
ン化銀粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をい
う。
【0181】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:
1がよい。さらに、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸ま
った粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲ
ン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については
特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光
増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが
好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、6
5%以上がより好ましく、80%以上がさらに好まし
い。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着に
おける{111}面と{100}面との吸着依存性を利
用したT.Tani;J.Imaging Sci.,
29,165(1985年)に記載の方法により求める
ことができる。感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成とし
ては特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ
臭化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであっても良
いが、本発明においては臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を
好ましく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化
銀であり、ヨウ化銀含有率は0.1モル%以上40モル
%以下が好ましく、0.1モル%以上20モル%以下が
より好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均
一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化し
たものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい
が、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高い
ヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好まし
くはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用い
ることができる。構造としては好ましくは2〜5重構
造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を
用いることができる。
【0182】本発明において感光性ハロゲン化銀粒子
は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、イ
リジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の
錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対し1nモルから10mモルの範囲が好まし
く、10nモルから100μモルの範囲がより好まし
い。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225
449号等に記載された構造の金属錯体を用いることが
できる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属
錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、
フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサ
シアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の
含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよ
く、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に
制限はない。
【0183】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが、本発明においては脱
塩してもしなくてもよい。
【0184】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感
法としては当業界でよく知られているように硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができ
る。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好まし
く用いられる化合物としては公知の化合物を用いること
ができるが、特開平7−128768号等に記載の化合
物を使用することができる。テルル増感剤としては例え
ばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テル
リド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテ
ルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビ
ス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有す
る化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテ
ルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テ
ルリド類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロ
スルホナート類、P−Te結合を有する化合物、含Te
ヘテロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合
物、コロイド状テルルなどを用いることができる。貴金
属増感法に好ましく用いられる化合物としては例えば塩
化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチ
オシアネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特
許2,448,060号、英国特許618,061号な
どに記載されている化合物を好ましく用いることができ
る。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン
酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミ
ノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラ
ン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いる
ことができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAg
を8.3以下に保持して熟成することにより還元増感す
ることができる。また、粒子形成中に銀イオンのシング
ルアディション部分を導入することにより還元増感する
ことができる。
【0185】本発明において感光性ハロゲン化銀の使用
量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀
0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02
モル以上0.3モル以下がより好ましく、0.03モル
以上0.25モル以下が特に好ましい。別々に調製した
感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法および混合条
件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子
と有機銀塩を高速攪拌機やボールミル、サンドミル、コ
ロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方
法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミン
グで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀
塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現
れる限りにおいては特に制限はない。
【0186】本発明においてハロゲン化銀調製法として
は、有機銀塩の一部の銀を有機または無機のハロゲン化
物でハロゲン化するいわゆるハライデーション法も好ま
しく用いられる。ここで用いる有機ハロゲン化物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、N−ハロゲノイミド(N−
ブロモスクシンイミドなど)、ハロゲン化4級窒素化合
物(臭化テトラブチルアンモニウムなど)、ハロゲン化
4級窒素塩とハロゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジ
ニウム)などが挙げられる。無機ハロゲン化合物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、ハロゲン化アルカリ金属ま
たはアンモニウム(塩化ナトリウム、臭化リチウム、沃
化カリウム、臭化アンモニウムなど)、ハロゲン化アル
カリ土類金属(臭化カルシウム、塩化マグネシウムな
ど)、ハロゲン化遷移金属(塩化第2鉄、臭化第2銅な
ど)、ハロゲン配位子を有する金属錯体(臭化イリジウ
ム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウムなど)、
ハロゲン分子(臭素、塩素、沃素)などがある。また、
所望の有機無機ハロゲン化物を併用しても良い。
【0187】本発明でハライデーションする際のハロゲ
ン化物の添加量としては有機銀塩1モル当たりハロゲン
原子として1mモル〜500mモルが好ましく、10m
モル〜250mモルがさらに好ましい。
【0188】本発明における感光性ハロゲン化銀は増感
色素で分光増感されてもよい。
【0189】本発明において増感色素としてはハロゲン
化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀
粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでも良
い。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソ
ノール色素等を用いることができる。本発明に使用され
る有用な増感色素は例えばRESEARCHDISCL
OSURE Item 17643IV−A項(1978
年12月,p.23)、同Item 1831X項(1
979年8月,p.437)に記載もしくは引用された
文献に記載されている。特に各種レーザーイメージャ
ー、スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に
選択することができる。
【0190】赤色光への分光増感の例としては、He−
Neレーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわ
ゆる赤色光源に対しては、特開昭54−18726号に
記載のI−1からI−38の化合物、特開平6−753
22号に記載のI−1からI−35の化合物および特開
平7−287338号に記載のI−1からI−34の化
合物、特公昭55−39818号に記載の色素1から2
0、特開昭62−284343号に記載のI−1からI
−37の化合物および特開平7−287338号に記載
のI−1からI−34の化合物などが有利に選択され
る。
【0191】750〜1400nmの波長領域の半導体
レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、ス
チリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ルおよびキサンテン色素を含む種々の既知の色素によ
り、スペクトル的に有利に増感させることができる。有
用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾ
リン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核など
の塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシ
アニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加え
て、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジ
ンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、
チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核
などの酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニ
ン色素において、イミノ基またはカルボキシル基を有す
るものが特に効果的である。例えば、米国特許3,76
1,279号、同3,719,495号、同3,87
7,943号、英国特許1,466,201号、同1,
469,117号、同1,422,057号、特公平3
−10391号、同6−52387号、特開平5−34
1432号、同6−194781号、同6−30114
1号に記載されたような既知の色素から適当に選択して
よい。
【0192】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62−58239号、
同3−138638号、同3−138642号、同4−
255840号、同5−72659号、同5−7266
1号、同6−222491号、同2−230506号、
同6−258757号、同6−317868号、同6−
324425号、特表平7−500926号、米国特許
5,541,054号に記載された色素)、カルボン酸
基を有する色素(例としては特開平3−163440
号、同6−301141号、米国特許5,441,89
9号に記載された色素)、メロシアニン色素、多核メロ
シアニン色素や多核シアニン色素(特開昭47−632
9号、同49−105524号、同51−127719
号、同52−80829号、同54−61517号、同
59−214846号、同60−6750号、同63−
159841号、特開平6−35109号、同6−59
381号、同7−146537号、同7−146537
号、特表平55−50111号、英国特許1,467,
638号、米国特許5,281,515号に記載された
色素)が挙げられる。
【0193】また、J−bandを形成する色素として
米国特許5,510,236号、同3,871,887
号の実施例5記載の色素、特開平2−96131号、特
開昭59−48753号が開示されており、本発明に好
ましく用いることができる。
【0194】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure,176巻,
17643(1978年12月発行),第23頁,IV
のJ項、あるいは特公昭49−25500号、同43−
4933号、特開昭59−19032号、同59−19
2242号等に記載されている。
【0195】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ
エタノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メ
トキシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独も
しくは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0196】また、米国特許3,469,987号明細
書等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤
に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散
し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−
23389号、同44−27555号、同57−220
91号等に開示されているように、色素を酸に溶解し、
該溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させ
て水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許3,8
22,135号、同4,006,025号明細書等に開
示されているように界面活性剤を共存させて水溶液ある
いはコロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方
法、特開昭53−102733号、同58−10514
1号に開示されているように親水性コロイド中に色素を
直接分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特
開昭51−74624号に開示されているように、レッ
ドシフトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を
乳剤中へ添加する方法を用いることもできる。また、溶
液に超音波を用いることもできる。
【0197】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であるこ
とが認められている乳剤調製のいかなる工程中であって
もよい。例えば米国特許2,735,766号、同3,
628,960号、同4,183,756号、同4,2
25,666号、特開昭58−184142号、同60
−196749号等の明細書に開示されているように、
ハロゲン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時
期、脱塩工程中および/または脱塩後から化学熟成の開
始前までの時期、特開昭58−113920号等の明細
書に開示されているように、化学熟成の直前または工程
中の時期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布さ
れる前ならばいかなる時期、工程において添加されても
よい。また、米国特許4,225,666号、特開昭5
8−7629号等の明細書に開示されているように、同
一化合物を単独で、または異種構造の化合物と組み合わ
せて、例えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化
学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中
と完了後とに分けるなどして分割して添加してもよく、
分割して添加する化合物および化合物の組合せの種類を
変えて添加してもよい。
【0198】本発明における増感色素の使用量としては
感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10−6〜1モル
が好ましく、10−4〜10−1モルがさらに好まし
い。
【0199】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利にな
ることがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モ
ルあたりの0.1〜50モル%の量含まれることが好ま
しく、0.5〜20モル%含まれることがさらに好まし
い。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように
誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0200】有機銀塩を利用した熱現像写真感光材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号、同
47−10282号、同49−5019号、同49−5
020号、同49−91215号、同49−91215
号、同50−2524号、同50−32927号、同5
0−67132号、同50−67641号、同50−1
14217号、同51−3223号、同51−2792
3号、同52−14788号、同52−99813号、
同53−1020号、同53−76020号、同54−
156524号、同54−156525号、同61−1
83642号、特開平4−56848号、特公昭49−
10727号、同54−20333号、米国特許3,0
80,254号、同3,446,648号、同3,78
2,941号、同4,123,282号、同4,51
0,236号、英国特許1,380,795号、ベルギ
ー特許841,910号などに開示されている。
【0201】本発明において色調剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0202】本発明におけるハロゲン化銀乳剤または/
および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体によって、付加的なかぶりの生成に対してさらに
保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定
化することができる。単独または組み合わせて使用する
ことができる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体は、米国特許第2,131,038号および同第
2,694,716号に記載のチアゾニウム塩、米国特
許第2,886,437号および同第2,444,60
5号に記載のアザインデン、米国特許第2,728,6
63号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135
号に記載のウラゾール、米国特許第3,235,652
号に記載のスルホカテコール、英国特許第623,44
8号に記載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾー
ル、米国特許第2,839,405号に記載の多価金属
塩、米国特許第3,220,839号に記載のチウロニ
ウム塩、ならびに米国特許第2,566,263号およ
び同第2,597,915号に記載のパラジウム、白金
および金塩、米国特許第4,108,665号および同
第4,442,202号に記載のハロゲン置換有機化合
物、米国特許第4,128,557号および同第4,1
37,079号、第4,138,365号および同第
4,459,350号に記載のトリアジンならびに米国
特許第4,411,985号に記載のリン化合物などが
ある。
【0203】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−11
9624号、同50−120328号、同51−121
332号、同54−58022号、同56−70543
号、同56−99335号、同59−90842号、同
61−129642号、同62−129845号、特開
平6−208191号、同7−5621号、同7−27
81号、同8−15809号、米国特許第5,340,
712号、同5,369,000号、同5,464,7
37号に開示されているような化合物が挙げられる。
【0204】本発明においてカブリ防止剤は、溶液、粉
末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよ
い。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボー
ルミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、
固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0205】本発明における熱現像写真感光材料は高感
度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有しても
良い。本発明において安息香酸類はいかなる安息香酸誘
導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許
4,784,939号、同4,152,160号、特願
平8−151242号、同8−151241号、同8−
98051号などに記載の化合物が挙げられる。本発明
において安息香酸類は感光材料のいかなる部位に添加し
ても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に
添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加するこ
とがさらに好ましい。本発明において安息香酸類の添加
時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良
く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時か
ら塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製
後から塗布直前が好ましい。本発明において安息香酸類
の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかな
る方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調
剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良
い。本発明において安息香酸類の添加量としてはいかな
る量でも良いが、銀1モル当たり1μモル以上2モル以
下が好ましく、1mモル以上0.5モル以下がさらに好
ましい。
【0206】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。
【0207】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−Sm、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択され
るものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香化合物
としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メ
ルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾ
ール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2,2’−ジチオビス−(ベンゾチアゾール、3−
メルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフ
ェニル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイ
ミダゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダ
ゾール、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリ
ン、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−
トリフルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,
5,6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−ア
ミノ−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノ
ヒドレート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4
−チアジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,
2,4−トリアゾール、4−ヒドロキシ−2−メルカプ
トピリミジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジ
アミノ−2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−
4−メチルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト
−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール、2−メル
カプト−4−フェニルオキサゾールなどが挙げられる
が、本発明はこれらに限定されない。
【0208】これらのメルカプト化合物の添加量として
は乳剤層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの
範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.01〜0.3モルの量である。
【0209】本発明における感光性層には、可塑剤およ
び潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第
2,960,404号に記載された種類のグリセリンお
よびジオール)、米国特許第2,588,765号およ
び同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエス
テル、英国特許第955,061号に記載のシリコーン
樹脂などを用いることができる。
【0210】本発明は、超硬調画像形成のため超硬調化
剤を用いることができる。例えば、米国特許第5,46
4,738号、同5,496,695号、同6,51
2,411号、同5,536,622号、日本特許特願
平7−228627号、同8−215822号、同8−
130842号、同8−148113号、同8−156
378号、同8−148111号、同8−148116
号に記載のヒドラジン誘導体、あるいは、日本特許特願
平8−83566号に記載の四級窒素原子を有する化合
物や米国特許第5,545,515号に記載のアクリロ
ニトリル化合物を用いることができる。化合物の具体例
としては、前記米国特許第5,464,738号の化合
物1〜10、同5,496,695号のH−1〜H−2
8、特願平8−215822号のI−1〜I−86、同
8−130842号のH−1〜H−62、同8−148
113号の1−1〜1−21、同8−148111号の
1〜50、同8−148116号の1〜40、同8−8
3566号のP−1〜P−26、およびT−1〜T−1
8、米国特許第5,545,515号のCN−1〜CN
−13などが挙げられる。
【0211】また、本発明は超硬調画像形成のために、
前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用すること
ができる。例えば、米国特許第5,545,505号に
記載のアミン化合物、具体的にはAm−1〜Am−5、
同5,545,507号に記載のヒドロキサム酸類、具
体的にはHA−1〜HA−11、同5,545,507
号に記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜
CN−13、同5,558,983号に記載のヒドラジ
ン化合物、具体的にはCA−1〜CA−6、日本特許特
願平8−132836号に記載のオニューム塩類、具体
的にはA−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜
C−14などを用いることができる。
【0212】これらの超硬調化剤、および硬調化促進剤
の合成方法、添加方法、添加量等は、それぞれの前記引
用特許に記載されているように行うことができる。
【0213】本発明における画像形成材料は画像形成層
の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができ
る。
【0214】本発明において表面保護層のバインダーと
してはいかなるポリマーでもよいが、カルボン酸残基を
有するポリマーを100mg/m以上5g/m以下
含むことが好ましい。ここでいうカルボキシル残基を有
するポリマーとしては天然高分子(ゼラチン、アルギン
酸など)、変成天然高分子(カルボキシメチルセルロー
ス、フタル化ゼラチンなど)、合成高分子(ポリメタク
リレート、ポリアクリレート、ポリアルキルメタクリレ
ート/アクリレート共重合体、ポリスチレン/ポリメタ
クリレート共重合体など)などがあげられる。該ポリマ
ーのカルボキシ残基の含有量としてはポリマー100g
当たり10mmol以上1.4mol以下であることが
好ましい。また、カルボン酸残基はアルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩を
形成してもよい。
【0215】本発明において表面保護層としては、いか
なる付着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例
としては、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラス
トマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタ
ジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースプロピオネートやこれらの混合物などが
ある。また、表面保護層には架橋のための架橋剤、塗布
性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0216】本発明における画像形成層もしくは画像形
成層の保護層には、米国特許第3,253,921号、
同第2,274,782号、同第2,527,583号
および同第2,956,879号に記載されているよう
な光吸収物質およびフィルター染料を含む写真要素にお
いて使用することができる。また、例えば米国特許第
3,282,699号に記載のように染料を媒染するこ
とができる。フィルター染料の使用量としては露光波長
での吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が
特に好ましい。
【0217】
【実施例】本発明を実施例に基づいて説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載された内容の要旨を変更しない範囲に
おいて全てを含むものである。
【0218】[本発明品1〜3、比較品1〜2]遮光性
ポリオレフィン樹脂フィルム層の単層からなる感光物質
用包装材料である。
【0219】<HDPE樹脂>MFR(ASTM D 1
238のE条件)0.05g/10分、密度(ASTM
D 1505)0.960g/cm、GPC法分子
量分布30、軟化点125℃
【0220】<酸変性ポリエチレン樹脂>MFR(AS
TM D 1238のE条件)1.5g/10分、密度
(ASTMD 1505)0.940g/cm、GP
C法分子量分布6、軟化点120℃である。
【0221】<酸変性L−LDPE樹脂>MFR(AS
TM D 1238のE条件)4.5g/10分、密度
(ASTMD 1505)0.916g/cm、GP
C法分子量分布3、軟化点96℃である。
【0222】<遮光性物質>ナフサを原料とするエチレ
ンボトム油を用いて1250〜1600℃の炉中で製造
したpHが8.0、平均粒子径が20nm(=mμ)、
揮発分が0.6%、硫黄成分含有量が0.05%、遊離
硫黄含有量が20ppm以下のファーネスカーボンブラ
ックである。
【0223】<滑剤> ステアリン酸カルシウム:ファーネスカーボンブラック
の分散剤及び触媒残渣の中和無害化による写真性、成形
機の防錆性改良、樹脂流動性改良のために添加する。 エルカ酸アミド:滑性向上、樹脂流動性改良によるフィ
ルム成形性向上、ブロッキングを防止する。
【0224】<酸化防止剤> ヒンダードフェノール系酸化防止剤:チバガイギー社製
「イルガノックス1010」 以上の各物質を表5の割合にしたポリオレフィン樹脂組
成物を用い、下記のインフレーションフィルム成形条件
で厚さ70μmの遮光性ポリオレフィン樹脂フィルムを
成形した。 リングダイ直径 100mmφ リングダイのリップクリアランス 1.2mm ブローアップ比 2 スクリュー L/D=26のメタリングタイプ ドロー比 1200/70=17.1
【0225】
【表5】
【0226】表中の各特性の測定方法は以下の通りであ
る。 <縦方向ヤング率>ASTM D 882に準ずる。 <透湿度>JIS Z 0208の条件Bによる。 <引裂き強度>JIS P 8116に準ずる。 <靜摩擦係数>互いに接触して静止している二つの金属
板表面に測定する包装材料を貼付した測定物が外力の作
用ですべり始める時、接触部分に現れる摩擦力fとその
接触面に垂直に作用する抗力N(荷重)との比f/N。
【0227】表中の評価方法は以下の通りである。 <フィルム成形性>フィルムを成形する時の樹脂ペレッ
トのブロッキング防止性、フィルム成形時の押出し機の
電流負荷、バブルの安定性、筋や白粉やシワの発生防止
性、巻き取り適性(蛇行防止性、静電気防止性等)等を
総合的に評価した。 <外観>感光物質用包装材料の表面を白灯下で目視観察
し外観(ブツ、ムラ、筋、シワ等)を客観的に評価し
た。 <直線引裂き性>縦方向にVノッチを加工し、このVノ
ッチ部分を両手で引裂いた時の引裂き切口の直線性を評
価した。 <ゲルボテスト強度>輝MIL B 131(柔軟性防湿
バリアー機試験方法)により評価した。
【0228】評価は以下の通りである。 ◎:非常に優れている。 ○:優れている。 ●:実用限度 △:改良必要
【0229】[本発明品4]本発明品3の遮光性ポリオ
レフィン樹脂フィルムに、透明ポリプロピレンフィルム
層(厚さ10μm)、前記ファーネスカーボンブラック
を5質量%含有するポリプロピレン樹脂フィルム層(厚
さ20μm)及び透明ポリプロピレンフィルム層(厚さ
10μm)からなる遮光性3層共押出し2軸延伸フィル
ム(総厚さ40μm)を、LDPE樹脂エクストルージ
ョンラミネート接着剤層(樹脂温度325℃、厚さ15
μm)を介して積層した3層構成の積層フィルムからな
る感光物質用包装材料である。なお、遮光性3層共押出
し2軸延伸フィルムは、反感光物質側、すなわち包装し
た際外側表面に位置するようになっている。
【0230】この感光物質用包装材料は、本発明品3の
感光物質用包装材料より、防湿性、物理強度、破袋強
度、製袋適性、外観、無塵性及び耐摩耗性が1ランク良
化し優れたものであった。また、タテ方向に開封用ノッ
チを有するようにした密封遮光袋やロール状写真感光材
料明室装填用包装袋では、直線状の易開封性も優れたも
のであった。
【0231】[本発明品5]本発明品4の厚さ40μm
の遮光性3層共押出し2軸延伸フィルムの代わりに、デ
ュポン社製不織布のタイベックを用いた他は、本発明品
4と同一の層構成である。
【0232】この感光物質用包装材料は、製袋適性、印
刷、印字適性、物理強度、破袋強度、外観、耐磨耗性、
キズの付きにくさ、セーフライト下での表裏判別性が、
本発明品1〜4及び6より優れ、商品価値の高いもので
あった。
【0233】[本発明品6]本発明品2の遮光性ポリオ
レフィン樹脂フィルム層(50μm厚さ)と、MFR
4.0、密度0.910g/cm、軟化点95℃、分
子量分布2.2のメタロセン触媒を用いて重合製造した
遮光性エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂フィルム層
(ファーネスカーボンブラック、ステアリン酸カルシウ
ム、エルカ酸アミド及びヒンダードフェノール系酸化防
止剤の添加量は本発明品2の遮光性ポリオレフィン樹脂
フィルム層と同一で、厚さ20μm)とからなる、総厚
さ70μmの遮光性2層共押出しフィルムからなる感光
物質用包装材料である。
【0234】この感光物質用包装材料は、本発明品2よ
り、製袋適性、物理強度、成形性、写真性、長期経時後
のヒートシール強度及び完全密封性が優れていた。ま
た、フィルム成形性が、本発明品1〜5より優れてい
た。
【0235】[本発明品7]本発明品1の感光物質用包
装材料を用いXレイフィルムの明室装填包装体を以下に
示す手順で製造した。
【0236】まず、図1に示すように、二軸延伸ポリエ
ステル樹脂フィルムにXレイ用感光層を塗設したB4サ
イズ(257×364mm)の4角をコーナーカットし
たXレイフィルム1をBC面を上にして150枚積重し
てXレイフィルム1の積重体2を形成し、この積重体2
を、図2に示すように、検出用ノッチを有する白色の多
層構成の板紙からなる当ボール3のヒレ側に収納する。
【0237】次に、図3に示すように、前記本発明品1
の感光物質用包装材料で形成された防湿遮光袋4を用
い、自動包装機により明室装填用の形態で当ボール3に
収納した積重体2を袋詰め包装し、そして、図4に示す
ように、防湿遮光袋4の両端部をBC面側に折り曲げた
後、図5に示すように、長短両方の端部にまたがるよう
にワッペン5を貼る。なお、加工包装作業は60±5%
RHで行うとともに、前記当ボール3の含水率が5%以
下になるようにする。これにより、包装袋内の湿度を、
長期間(1年以上)50%RH以下に維持できるように
なっている。
【0238】このようなXレイフィルム1を収納した包
装袋4を、図6に示すように、ジッパー付化粧箱6(ジ
ッパーは符号7で示す)に詰め、さらに、図7に示すよ
うに、オリジナルシール性確保と開封用のテープ(また
は、レーベル)8および品質表示用レーベル9を貼付す
る。なお、ジッパー付化粧箱6は、材質はE段ボール
(表、裏ライナーは未晒クラフパルプ製,坪量210g
/mの板紙、中芯のEフルートはセミクラフトパルプ
製,坪量180g/mの板紙)である。
【0239】そして、図8に示すように、このジッパー
付化粧箱6を5箱段ボール箱10に詰め、図9に示すよ
うに、段ボール箱10のフラップをホットメルト接着剤
で封緘し、商品名、使用期限、製造号、製品略称を表示
する。
【0240】本発明品7は、包装袋内の湿度を50%R
H以下に維持することができ、化学増感をした写真フィ
ルムであっても、長期間品質を良好に保つことができ
た。
【0241】以上、本発明品7では最も好ましいシート
状写真フィルム包装体について概略を記載したが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。以下
に包装体の代表例を記載する。
【0242】例えば、B4サイズ(257×364m
m)の他のサイズとしては、A4サイズ(210×29
7mm)、A3サイズ(297×420mm)、A2サ
イズ(420×594mm)、A1サイズ(594×8
41mm)、B3サイズ(364×515mm)、B2
サイズ(515×728mm)、B1サイズ(728×
1030mm)、六切サイズ(203×254mm)、
四切サイズ(254×305mm)、半切サイズ(35
6×432mm)、全紙サイズ(457×560m
m)、大角サイズ(355.6×355.6mm)等が
ある。
【0243】本発明品7に記載したXレイフィルム包装
体を富士写真フイルムKKで発売しているデジタルX線
画像診断システム「フジ コンピューティッド ラジオグ
ラフィー,略称FCR」の代表的な商品名「FCR30
00」に適用する場合、専用カセットを用いているので
この時のシート状写真フィルム包装体の重量の一例を示
すと、B4サイズ(257×364mm)150枚積重
品の重量は約16kg、大角サイズ(355.6×35
5.6mm)150枚積重品の重量は約20kg、半切
サイズ(356×432mm)150枚積重品の重量は
約25kgと非常に重量が大きい。
【0244】従来のXレイフィルム包装体のほとんどが
5kg未満の重量であり、二軸延伸ポリアミド樹脂フィ
ルム層を具備しなくても長期間(1年以上)品質を良好
に維持できたが、輸送中の衝撃で5kg以上の重量にな
ると破袋やピンホールが多発する。本発明の感光物質用
包装材料は、破袋やピンホールが発生しやすいシャープ
なエッジを有し、かつ5kg以上の重量の大きなXレイ
フィルム包装体であっても100%(完全に)破袋やピ
ンホール等を防止でき、常時Xレイフィルム包装体とし
て必要な防湿性、酸素バリヤ性、遮光性、密封性を確保
できるようにしている。
【0245】本発明の感光物質用包装材料を用いた写真
フィルム包装体が従来のシート状写真感光材料包装体に
比較して顕著な効果を発揮するので使用するのが好まし
い例は、包装体重量が5kg以上、好ましくは7kg以
上、より好ましくは10kg以上、特に好ましくは15
kg以上、最も好ましくは20kg以上の時である。
【0246】化粧箱6は、材質がE段ボールであること
がコスト、製品保護性、加工適性、輸送コスト、容器・
包装リサイクル適性、印刷適性等、総合評価の結果で好
ましく、表・裏ライナーの繊維長さは1.5〜6.5m
mが好ましく、繊維径は15〜60μmが好ましく、坪
量は150〜350g/mの多層構成(少なくとも表
面層、中間層、裏面層の3層からなるものが好ましく、
中間層が2層以上で構成された4層以上の板紙が品質が
良好なのでさらに好ましい)が好ましい。中芯(Eフル
ート)の坪量は120〜270g/mが好ましい。
【0247】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成にすること
により、以下に示す効果を有する。 1.遮光性物質の分散性が良好である。 2.破袋強度は優れているにもかかわらず、直線状の易
開封性が良好である。 3.リサイクル樹脂との相溶性、分散性が優れている。 4.フィルム成形性が優れている。 5.縦方向のヤング率が大きく、他のフレキシブルシー
ト層とのラミネート適性が優れており、積層フィルムの
カールが小さい。 6.接着剤層との接着強度が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体に用いるXレイフィルム
の積重体の斜視図である。
【図2】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、Xレイフィル
ムの積重体を当てボールで包んだ状態の斜視図である。
【図3】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、Xレイフィル
ムの積重体を当てボールで包んだものを防湿遮光袋に詰
めた状態の斜視図である。
【図4】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、防湿遮光袋の
両端部を折った状態の斜視図である。
【図5】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、防湿遮光袋に
ワッペンを貼付した状態の斜視図である。
【図6】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、防湿遮光袋を
ジッパー付化粧箱に詰める状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、ジッパー付化
粧箱に開封テープやラベルを貼付した状態の斜視図であ
る。
【図8】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、ジッパー付化
粧箱を段ボール箱に収納した状態の斜視図である。
【図9】 本発明による感光材料用包装材料を用いたX
レイフィルムの明室装填包装体において、段ボール箱を
封緘した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1…Xレイフィルム 2…Xレイフィルムの積重体 3…当ボール 4…防湿遮光袋 5…ワッペン 6…ジッパー付化粧箱 7…ジッパー 8…開封用テープやラベル 9…品質表示用レーベル 10…段ボール箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 510 G03C 3/00 510A 510B 585 585B B65D 30/02 B65D 30/02 81/30 81/30 A Fターム(参考) 3E064 AA01 BA24 BC20 FA01 3E067 AA12 AB39 AC03 BA06C BA12B BA20B BB01C BB14B BB15B BB22B BC04B BC06C CA05 CA12 CA13 EA06 EA25 EB06 EB11 EB18 FA03 FC01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが0.01〜1.5
    g/10分、密度が0.941〜0.985g/cm
    のホモポリエチレン樹脂及び/又はαオレフィン含有量
    が0.5モル%以下のエチレン・αオレフィン共重合体
    樹脂が20〜90質量部、メルトフローレートが0.1
    〜10g/10分の酸変性ポリオレフィン樹脂が80〜
    10質量部で、かつホモポリエチレン樹脂及び/又はエ
    チレン・αオレフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフ
    ィン樹脂との合計100質量部に対して、遮光性物質
    0.1〜50質量部、滑剤0.001〜10質量部含有
    する遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム層を具備したこ
    とを特徴とする感光物質用包装材料。
  2. 【請求項2】 前記遮光性ポリオレフィン樹脂フィルム
    層が、ホモポリエチレン樹脂及び/又はエチレン・αオ
    レフィン共重合体樹脂と酸変性ポリオレフィン樹脂との
    合計100質量部に対して、酸化防止剤0.001〜1
    質量部含有している請求項1記載の感光物質用包装材
    料。
  3. 【請求項3】 前記ホモポリエチレン樹脂および/また
    はエチレン・αオレフィン共重合体樹脂が、マルチサイ
    ト型触媒またはシングルサイト型触媒を用いて重合製造
    したGPC測定法の分子量分布が15〜40である請求
    項1に記載の感光物質用包装材料。
  4. 【請求項4】 前記滑剤が、炭素数が10〜25ヶの高
    級脂肪酸金属塩である請求項1に記載の感光物質用包装
    材料。
  5. 【請求項5】 前記酸変性ポリオレフィン樹脂が、メル
    トフローレートが0.5〜5g/10分で、かつ前記ホ
    モポリエチレン樹脂および/またはエチレン・αオレフ
    ィン共重合体樹脂のメルトフローレートの値の2倍以上
    であり、分子量分布が10以下であり、かつ前記ホモポ
    リエチレン樹脂および/またはエチレン・αオレフィン
    共重合体樹脂の分子量分布の値の1/2以下である請求
    項1記載の感光物質用包装材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008111603A1 (ja) * 2007-03-15 2008-09-18 Toyo Seikan Kaisha, Ltd. 非油性内容物用多層プラスチック容器
KR100948499B1 (ko) * 2008-05-30 2010-03-19 주식회사 포텍 초미세 탄산칼슘을 이용한 마스타배치 조성물 및 그제조방법

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