JP2001125228A - シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体 - Google Patents

シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体

Info

Publication number
JP2001125228A
JP2001125228A JP30920899A JP30920899A JP2001125228A JP 2001125228 A JP2001125228 A JP 2001125228A JP 30920899 A JP30920899 A JP 30920899A JP 30920899 A JP30920899 A JP 30920899A JP 2001125228 A JP2001125228 A JP 2001125228A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
photographic
layer
sheet
shielding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30920899A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Osamu Kitamura
修 北村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP30920899A priority Critical patent/JP2001125228A/ja
Publication of JP2001125228A publication Critical patent/JP2001125228A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 Xレイフィルム等のシート状写真感光材
料を包装する包装材料において、密封性がよく、ピンホ
ールや破れが発生しないとともに、防湿性、酸素バリヤ
性、柔軟性および滑性も良好にできるようにする。 【解決方法】 最内層に設けられた遮光性物質と滑剤と
酸化防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重
合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹
脂系フィルム層と、最外層に設けられたフレキシブルシ
ート層と、これらの遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂層
とフレキシブルシート層との間に接着剤層を介して設け
られたアルミニウム箔と二軸延伸ポリアミド樹脂フィル
ム層とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Xレイフィルム等
のシート状写真感光材料の包装に用いる包装材料および
それを用いたシート状写真フィルム包装体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】印画紙や写真フィルム等の写真感光材料
を包装する写真感光材料用包装材料としては、従来、各
種の包装材料が提案されている。例えば、実公昭61−
20590号公報には、カーボンブラックを含むHDP
E樹脂フィルムを延伸倍率2.2〜4.2倍で一軸延伸
し、延伸軸が45〜90度の角度で交叉するように2層
以上貼り合わせたクロスラミネートフィルムが提案され
ている。
【0003】特公平2−2700号公報には、ポリエチ
レン系ポリマーと1重量%以上の遮光性物質とからな
り、全ポリエチレン系ポリマーの50質量%以上がエチ
レン・α−オレフィン共重合体樹脂である遮光性フィル
ムを少なくとも1層有する感光物質包装用フィルムが提
案されている。
【0004】実公平2−19226号公報には、滑剤と
遮光性物質および50重量%以上のLDPE樹脂を含む
内層の遮光性ヒートシールフィルム層にアンカーコート
層を形成してアルミニウム箔を剥離強度400g/15
mm幅以上で積層した包装材料が提案されている。
【0005】特公昭63−26697号公報には、外側
からPET層/アルミニウム層/遮光材および非イオン
性帯電防止剤を含むPO系樹脂層から実質的になり、光
学濃度が7.5以上の包装材料が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料は、写真感光材料の包装材料として全
ての機能を十分に有するものではなく、それぞれ問題点
を有していた。すなわち、実公昭61−20590号公
報で提案された包装材料は、高価で、帯電防止性、ヒー
トシール適性、防湿性が不十分であった。
【0007】特公昭2−2700号公報で提案された感
光物質包装用フィルムは、帯電防止性、防湿性、酸素バ
リヤ性、ヤング率が不十分であり、これらの欠点をアル
ミ箔とフレキシブルシートを積層してカバーすると高価
で物理強度等に問題があった。
【0008】実公平2−19226号公報で提案された
包装材料は、写真性、ヒートシールによる密封性、物理
強度等に問題があった。
【0009】特公昭63−26697号公報で提案され
た包装材料は、高価で、ブロッキング防止性、写真性、
ヒートシールによる密封性、物理強度が不十分等の問題
があった。
【0010】また、ホモポリエチレン樹脂のみでもヒー
トシールによる密封性(特に1ヶ月以上の経時後)が不
十分であるが、遮光性物質を含有させるとさらに密封性
が悪化し、さらに、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤等の
ブリードアウトする添加剤を含有すると、ヒートシール
による完全密封性確保は不可能であった。
【0011】とことで、特公平2−2700号公報で提
案された包装材料のようにL−LDPE樹脂を用いる
と、十分な密封性を得ることができるが、写真感光材料
のように超精密製品を包装する場合は水分含有により写
真性が悪化し、商品価値を失う恐れがあった。そして、
JIS Z 0208のB法による透湿度が0.3g/m2
・24時間以下、特に化学増感や色素増感された写真感
光材料の場合は0.2g/m2 ・24時間以下の包装材
料で密封包装しなければならないことが最近判明した。
このような低透湿度を確保するためには、金属蒸着二軸
延伸熱可塑性樹脂フィルムを具備した包装材料では困難
であり、厚さ6.5μm以上のアルミニウム箔を具備し
た包装材料にすることが要求されるものであった。特
に、化学増感や色素増感された写真感光材料の場合は、
防湿性、酸素バリヤ性が高温・高湿度状態に長期間置か
れた場合でも優れていることが必須であることが判明し
た。
【0012】しかしながら、アルミニウム箔を具備した
包装材料は実公平2−19226号公報に明記されてい
るように、易開封性は優れるが、シート状写真感光材料
を複数枚積重した状態で密封包装した場合は、4角のシ
ャープなエッジにより密封包装工程や輸送工程および貯
蔵中の外部からの衝撃(最も可能性が多いのは落下)に
より、ピンホールや破れが発生し、防湿性や酸素バリヤ
性や完全遮光性を確保できないものであった。
【0013】そこで、積層するL−LDPE樹脂フィル
ムの厚さを厚くすることによりピンホールや破れの発生
を防止することが考えられるが、L−LDPE樹脂フィ
ルム層を厚くすると、剛度が大きくなり、密封包装適
性、ユーザー使用適性が悪化するだけでなく、ヒートシ
ール適性も悪化し、かつ高価になるものであった。さら
に、特登録2679993号公報、特開平11−237
713号公報、特公平7−31377号公報、特登録2
572221号公報等に記載の明室装填用の複数枚のシ
ートフィルムを積重収納した写真感光材料包装体におい
ては、ピンホールや破れの発生を防止する他、柔軟性お
よび密封遮光袋の引き抜き適正向上のための滑性も必要
であることが最近判明した。
【0014】本発明は、以上の問題点を解決し、密封性
がよく、ピンホールや破れが発生しないとともに、防湿
性、酸素バリヤ性、柔軟性および滑性も良好なシート状
写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写
真フィルム包装体を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のシート状写真感
光材料用包装材料は、最内層に設けられ遮光性物質と滑
剤と酸化防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン
共重合体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィ
ン樹脂系フィルム層と、最外層に設けられたフレキシブ
ルシート層と、これらの遮光性・滑性ポリオレフィン樹
脂層とフレキシブルシート層との間に接着剤層を介して
積層されたアルミニウム箔と二軸延伸ポリアミド樹脂フ
ィルム層とを有することを特徴として構成されている。
【0016】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
においては、最内層にエチレン・α−オレフィン共重合
体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂
系フィルム層が配置されているので密封性が良好であ
り、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層が耐ピンホール
性、酸素バリヤ性、アルミニウム箔を入れたために低下
した破袋強度を良好にしており、アルミニウム箔が酸素
バリヤ性を良好にし、透湿性を小さくしている。
【0017】本発明のシート状写真フィルム包装体は、
請求項1、2、3または4記載のシート状写真感光材料
用包装材料で形成された防湿遮光袋と、この防湿遮光袋
に収納され10〜300枚積重されたシート状写真フィ
ルムと、このシート状写真フィルムを保護する当てボー
ルとを備えるとともに、前記防湿遮光袋の引き抜き方向
と前記シート状写真フィルムの枚葉取出方向が交差する
シート状写真フィルム包装体であって、前記シート状写
真フィルムの角が円弧状に形成されていることを特徴と
して構成されている。
【0018】本発明のシート状写真フィルム包装体にお
いては、シート状写真フィルムの角を円弧状に形成する
ことにより、防湿遮光袋にピンホールや破袋が発生する
のを防止している。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明のシート状写真感光材料用
包装材料は、最内層(シート状写真感光材料を包装した
際、シート状写真感光材料側に位置する層)に遮光性・
滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層が積層され、最外
層(シート状写真感光材料を包装した際、シート状写真
感光材料と反対側に位置する層、すなわち、表面に露出
する層)にフレキシブルシート層が積層され、これらの
遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層とフレキ
シブルシート層との間に、アルミニウム箔と二軸延伸ポ
リアミド樹脂フィルム層とが設けられている。
【0020】アルミニウム箔と二軸延伸ポリアミド樹脂
フィルム層とは、各々少なくとも1層設けられていれ
ば、その積層個所は特に限定されない。例えば、外側か
ら、フレキシブルシート層、アルミニウム箔、二軸延伸
ポリアミド樹脂フィルム層、遮光性・滑性ポリオレフィ
ン樹脂系フィルム層の順番であっても、フレキシブルシ
ート層、二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層、アルミニ
ウム箔、遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層
の順番であってもよい。また、アルミニウム箔と二軸延
伸ポリアミド樹脂フィルム層とを各々2層以上、複数層
設けてもよい。
【0021】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層は、遮光性物質と滑剤と酸化防止剤とを含有するエ
チレン・α−オレフィン共重合体樹脂を主成分として成
形されている。
【0022】エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂と
しては、本発明で最も好ましい樹脂として、L−LDP
E樹脂がある。このL−LDPE(inear
ensity olythylene)樹脂は
第3のポリエチレン系樹脂と称され、従来の中低圧法、
高圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギ
ー、省資源という時代の要請に合致する低コスト、高強
度の樹脂である。この樹脂はマルチサイト触媒(代表例
はチーグラー触媒)やシングルサイト触媒(代表例はメ
タロセン触媒)を用いて低圧法または高圧改良法でエチ
レンと前記α−オレフィン(1種または2種以上)を共
重合させたコポリマーで線状の直鎖に短分岐をもった構
造のポリエチレン系樹脂である。
【0023】代表的なマルチサイト触媒を用いたL−L
DPE樹脂の重合製造プロセスとしては、中・低圧装置
を用いる気相法、溶液法、液相スラリー法と改良高圧法
装置を用いながらチーグラー系触媒により高温・高圧で
L−LDPE樹脂を得る高圧転換法等がある。
【0024】市販のマルチサイト触媒を用いて重合製造
したL−LDPE樹脂の代表的な具体例を以下に示す。 (1) エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 Gレジン(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) スミカセンL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) ノバテック−L (三菱化成) ユカロン−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) ショーレックスリニア (昭和電工) NUCポリエチレン−LL (日本ユニカー) 宇部ポリエチレンL (宇部興産) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) ニポロンL (東ソー) (2) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 エクセレンVL (住友化学) TUFLIN (UCC社) NUC−FLX(ナック・フレックス)(UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) ニポロンZ (東ソー) (3) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) (4) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0025】これらのL−LDPE樹脂の中で、遮光性
物質を含み、完全遮光性、ヒートシール適性、引裂き強
度、衝撃穴あけ強度が特に要求されるシート状写真感光
材料用包装材料に使用する場合に好ましい樹脂は、メル
トフローレート(以後MFRと表示)が0.1〜10g/
10分(JIS K−7210の条件4またはASTMD
1238の条件Eで測定。試験温度190℃,試験荷
重2.16kgf)、密度が0.870〜0.940g/
cm3(JIS K−7112またはASTM D1505
で測定)、そしてα−オレフィンの炭素数が3〜15
個、好ましくは4〜10個、より好ましくは6〜8個の
液相法プロセスと気相法プロセスで得られたエチレン・
α−オレフィン共重合体樹脂(L−LDPE樹脂)であ
る。
【0026】また、従来の高圧法製造プロセスを転用し
て設備費をおさえた改良高圧法プロセスで得られたスミ
カセン−L(住友化学)、ニポロンLおよびZ(東ソ
ー)、ウベポリエチレンL(宇部興産)等のL−LDP
E樹脂も好ましい。
【0027】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層に用いるL−LDPE樹脂の好ましい代表的な例を
商品名であげると、マルチサイト触媒(代表例はチーグ
ラー系触媒)を用いた重合によりポリエチレンにα−オ
レフィン側鎖として炭素数6個の4−メチルペンテン−
1を導入した三井石油化学(株)のウルトゼックスおよび
α−オレフィン側鎖として炭素数8個のオクテン−1を
導入した出光石油化学(株)のMORETECとDSM社
のスタミレックスとダウケミカル社のダウレックスがあ
る(以上、4社品共、液相法プロセスで得られたL−L
DPE樹脂である)。低圧法の気相法プロセスで得られ
た好ましい代表的な例を商品名であげると、α−オレフ
ィン側鎖として炭素数6個のヘキセン−1を導入した日
本ユニカー(株)のTUFTHENおよびUCC社のTU
FLIN等がある。
【0028】また、最近発売された密度が0.910g
/cm3未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、例えばUCC社のNUC−FLXや住友化学(株)の
エクセレンVLも好ましい(以上、2社品共、α−オレ
フィンが炭素数6個のヘキセン−1を使用)。
【0029】マルチサイト触媒(代表例はチーグラー系
触媒)を用いたL−LDPE樹脂の製造プロセスの特徴
の概略を以下に示す。
【0030】代表的な製造プロセスの概略と各樹脂メー
カーの商品名の関係について以下に記載する。
【0031】[1] 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある。
【0032】[2] スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。一方、低密度
化については、低分子量低密度ポリマーが溶媒に溶け込
み、溶液が高粘度になったり、ポリマーが膨張して塊状
化するため、密度が0.930g/cm3以下のL−L
DPE生産は制限を受ける。
【0033】[3] 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、かつ、炭素数が4以上、好ましくは炭素
数が6以上のα−オレフィン(ブテン−1、ペンテン−
1、3−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−
1、4,4−ジメチルペンテン−1、4メチルペンテン
−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、ヘプセン−1、ノ
ネン−1、オクテン−1、デセン−1、ウンデセン−
1、エイコセン−1、ドデセン−1、ヘキサデセン−
1、オクタデセン−1、テトラデセン−1等)とエチレ
ンとの共重合に最適の製造プロセスである。またα−オ
レフィン含有率の大きいL−LDPE樹脂(密度が0.
910g/cm3以下の超低密度L−LDPE樹脂)の
製造プロセスとしても最適である。
【0034】[4] 改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系触媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
で、ランニングコストは上記気相法、スラリー法、溶液
法より高価である。高圧転換法とも呼ばれる。
【0035】表1に、これらの導入製造技術、製造会
社、商品名を示す。
【0036】
【表1】
【0037】[上記製造プロセスの代表例の概略] 溶 液 法: 圧力…450〜650(PSi),温度…200〜25
0℃ スラリー法: 圧力…400〜500(PSi),温度…90〜100
℃ 気 相 法: 圧力…250〜350(PSi),温度…90〜100
℃ 改良高圧法: 圧力…20,000(PSi)前後,温度…200℃前
【0038】エチレンとα−オレフィンの比は、エチレ
ンが70モル%以上であることが好ましく、80モル%
以上がより好ましい。エチレンが70モル%未満である
と、重合適性が悪化して高価になると共に得られたエチ
レン・α−オレフィン共重合体樹脂の粘着性が大きく、
剛性が小さく、フィルム成形性が悪化し、フィルム同士
のブロッキングが大きく実用化困難である。
【0039】高活性で触媒残渣を減少できるシングルサ
イト触媒の代表的例であるメタロセン系触媒を用いて重
合製造した現在市販されているL−LDPE樹脂の具体
例を以下に示す。 EXCEED (EXXonchemical) EXACT (EXXonchemical) AFFINITY (DOWchemical) ENGAGE (DOWchemical) LUFLEXENE (BASF) エボリュー (三井石油化学) カーネル (三菱化学) ユメリット (宇部興産) ハーモレックス(登録商標)LL(日本ポリオレフィン) キャタロセン (東ソー)
【0040】重合方法としては、気相重合法が安価でか
つ写真性に悪影響を及ぼす触媒残渣が少ない点で特に好
ましい。重合しやすさの点で懸濁重合法、溶解重合法等
の液相重合法も好ましい。
【0041】ブロッキング防止、物理強度向上等から、
GPC法測定法による分子量分布(重量平均分子量/数
平均分子量)は5以下、好ましくは4以下、より好まし
くは1.1〜3、最も好ましくは1.3〜2.7であ
る。
【0042】エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂と
して好ましいのは、エチレン・α−オレフィンランダム
共重合体樹脂である。このエチレン・α−オレフィンラ
ンダム共重合体樹脂の組成は、α−オレフィン成分が
0.1〜99モル%、好ましくは0.2〜80モル%、
より好ましくは0.5〜60モル%、特に好ましくは1
〜40モル%、最も好ましくは1〜20モル%であり、
エチレン成分は1〜99.9モル%、好ましくは20〜
99.8モル%、より好ましくは40〜99.5モル
%、特に好ましくは60〜99モル%、最も好ましくは
80〜99モル%である。α−オレフィンの代表例とし
ては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテ
ン−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ヘキ
セン−1、4−メチル−ペンテン−1、4,4−ジメチ
ルペンテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ドデセン−1、テトラセン−1、ヘキサデセン−
1、ペンタデセン−1、オクタデセン−1、ヘプテン−
1、エイコセン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,
4−ジメチルペンテン−1等の炭素原子数が3〜20、
好ましくは4〜15、より好ましくは4〜12、最も好
ましくは4〜10の1種または2種以上のα−オレフィ
ンである。
【0043】また、メタロセン系触媒を用いて重合製造
したエチレン・α−オレフィンランダム共重合体樹脂が
好ましく、特に好ましい樹脂の具体例は、MFRが0.
1〜10g/10分、密度が0.870〜0.940g
/cm3、分子量分布が1.1〜5の気相重合法プロセス
によりエチレンと炭素数6のα−オレフィンであるヘキ
セン−1を共重合したL−LDPE樹脂である。これら
は、メタロセン系触媒存在下で重合が行われれば、いず
れの方法を用いてもよく、例えば、改良高圧重合法にお
ける重合は、重合体を溶液状態に維持し、かつ重合活性
を高めるために120℃以上、分子量低下の原因となる
連鎖移動反応を抑え、かつ重合活性を低下させないため
に350℃以下、好ましくは150〜300℃の温度
で、3920N/cm2(400kg/cm2)以上、49
00〜19600N/cm2(500〜2000kg/c
2)の圧力で行うのが好ましい。
【0044】また、気相重合法における重合は、共重合
体が粉体状態であることから高温は好ましくなく、10
0℃以下であることが好ましく、重合温度の下限は特に
限定されないが、重合活性を高めるために50℃以上が
好ましい。また、重合活性を高めるために、予めオレフ
ィンにより予備重合せしめた触媒成分と有機アルミニウ
ム化合物およびイオン化イオン性化合物を用いて行うの
が好ましい。また、溶液重合法における重合は、重合温
度は、共重合体が溶液状態であることおよび重合活性を
上げることを考慮して、120℃以上であることが必要
である。重合温度の上限は特に限定されないが、分子量
低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ触媒効率を
低下させないために350℃以下が好ましい。また、重
合時の圧力については特に限定されないが、経済性と重
合活性を上げるバランスをとるために大気圧以上、24
50N/cm2(250kg/cm2)以下が好ましい。
【0045】いずれの場合においても触媒残渣は写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす上に、金型や押出し機
の樹脂接触部分に錆を発生させ寸法精度を悪化させた
り、外観を悪化させ、かつ樹脂焼けやブツを発生させる
ので、少ない程本発明では好ましい。
【0046】特に、触媒1g当り5kgのL−LDPE
樹脂を重合製造可能なメタロセン系触媒が好ましく、触
媒1g当り10kgのL−LDPE樹脂を重合製造可能
なジルコニウムを用いたメタロセン系触媒が最も好まし
い。
【0047】この場合は、気相法プロセスでも効果的に
重合製造が可能であり、GPC法分子量分布(Mw/M
n)が1.4〜4のエチレン−ヘキセン−1ランダム共
重合体樹脂が物理特性、写真性、経済性等の総合評価か
ら本発明のL−LDPE樹脂として最も好ましい。
【0048】したがって、写真性を良好に維持するため
には本発明の包装材料中の残留ハロゲン化合物(主とし
て写真性に悪影響を及ぼすハロゲンガス)成分量が40
0ppm以下、好ましくは200ppm以下、より好ま
しくは100ppm以下、より好ましくは1〜80pp
m、最も好ましくは4〜60ppmである。
【0049】写真性に悪影響を及ぼし、押出し機やダイ
スに発錆故障を発生させるハロゲン化合物成分は、ハロ
ゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲ
ン化バナジウム化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロ
ゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化ホウ素化合物等
を例示することができる。
【0050】具体的には四塩化ケイ素、三塩化アルミニ
ウム、三臭化アルミニウム、三塩化チタン、三塩化ホウ
素、四臭化チタン等である。
【0051】これらのハロゲン化合物成分は、ハロゲン
ガスとなって上記各種の悪作用を及ぼすので、触媒失活
剤を用いて触媒残渣を抽出したり、ペレタイザーや成形
機にペントを設けて残留ハロゲン化合物成分を減少させ
ることが好ましいが、特に包装材料中にハロゲンガスス
キャベンジャーを含有させることが好ましい。
【0052】本発明におけるハロゲンガススキャベンジ
ャーとして好ましい化合物は、例えば、スルフィド化合
物、亜硝酸塩、セミカルパジド、亜硫酸塩、ハイドロキ
ノン類、エチレンジアミン、アセトンセミカルバゾン、
p−ヒドロキシフェニルグリシンである。特に好ましい
化合物としては、下記一般式で表される化合物を挙げる
ことができる。
【0053】
【化1】 式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子ある
いはベンゼン核に置換可能な基を表す。
【0054】一般式において、置換基としては、ハロゲ
ン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル基
(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、t−ブチ
ル、n−アミル、i−アミル、n−オクチル、n−ドデ
シル、n−オクタデシルで、特に炭素数1〜32が好ま
しい)、アルケニル基、アリール基、アシル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルキルアシルアミノ基、ア
リールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基、アルキルカルボンアミド基、アリ
ールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
リールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、
アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、
アリールアシルオキシ基が好ましい。
【0055】これらの基はさらに上述したものと同様の
置換基で置換されてもよい。
【0056】これらのハロゲンガススキャベンジャーの
添加量は0.001〜5質量%、好ましくは0.002
〜4質量%、特に好ましくは0.005〜3質量%であ
る。
【0057】また、遷移金属のクロム、ジルコニウム、
チタニウム、ハフニウム、バナジウムのいずれか1種の
残留量が400ppm以下、好ましくは200ppm以
下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは
60ppm以下、最も好ましくは40ppm以下であ
る。
【0058】本発明における特に好ましいエチレン・α
−オレフィン共重合体樹脂は、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
物と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体
とを含む触媒の存在下で、エチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンとを共重合させることにより得られるも
のである。また、上記触媒に予めエチレンとα−オレフ
ィンとを予備重合させて得られるものを触媒に供しても
よい。
【0059】前記エチレン・α−オレフィン共重合体を
製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロ
ペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置
換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタ
ジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シ
リル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール
基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、
ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ば
れた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタ
ジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の
置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同
志が互いに結合して環を形成してもよい。
【0060】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等が好
ましい。
【0061】置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。置換シクロペンタジエニル基
としては、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が
置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,
3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。置換基同
志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1または2以
上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエニル基と
しては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(ア
ルキル基等)等の置換基により置換された置換インデニ
ル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキ
ル基等)等の置換基により置換された置換ナフチル基、
炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基
により置換された置換フルオレニル基等が好適なものと
して挙げられる。
【0062】前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属
としては、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ハ
フニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子としては通常1〜3個を有し、また、2個以上
有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。
なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン
基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙
げられる。
【0063】周期律表第IV族の遷移金属化合物において
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子
としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20
の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0064】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし
うる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷
を均衡させうるものをいう。本発明において用いられる
助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベン
ゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなど
のランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの
中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0065】また、触媒は無機または有機の担体に担持
して使用されてもよい。この担体としては無機または有
機の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al
22、MgO、ZrO2、TiO2、B22、CaO、Z
nO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げ
られ、SiO2−Al22、SiO2−V22、SiO2
TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr22等の無機
担体とポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−
1、ポリ−4−メチルペンテン−1、スチレン−ジビニ
ルベンゼン等の有機担体が挙げられる。
【0066】フィッシュアイやゲルの発生が少ないので
有機担体が好ましく、特にポリオレフィンの無水カルボ
ン酸グラフト重合高分子が好ましい。
【0067】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0068】エチレン・α−オレフィン共重合体は、前
記マルチサイト触媒またはシングルサイト触媒の存在
下、実質的に溶媒の存在しない気相重合法、スラリー重
合法、溶液重合法等で製造され、実質的に酸素、水等を
断った状態でまたはブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘブ
タン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される不活性炭化
水素溶媒の存在下で製造される。重合条件は特に限定さ
れないが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは
20〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃であ
り、特にチーグラー触媒を用いた改良高圧法の場合は1
30〜350℃が好ましく、重合圧力は低中圧法の場合
通常常圧〜686N/cm2(70kg/cm2)、好ま
しくは常圧〜196N/cm2(20kg/cm2)であ
り、改良高圧法の場合通常14,700N/cm2(1
500kg/cm2)以下、特にチーグラー触媒を用いた
改良高圧法の場合は3920〜8820N/cm2(4
00〜900kg/cm2)が望ましい。重合時間は低
中圧法の場合通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5
時間程度が望ましい。改良高圧法の場合、通常1分〜3
0分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、
重合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃
度、重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異
なる2段階以上の多段重合法など特に限定されるもので
はない。
【0069】その他の最も好ましい具体例としては、各
種のメタロセン系触媒存在下、最も好ましくは上記特定
メタロセン系触媒存在下、エチレンと炭素数3〜20の
α−オレフィンを共重合して得られる樹脂をエチレン・
α−オレフィン共重合体1kgあたり、30〜150℃
の空気または不活性ガスによって、0.03〜3m3/h
rの流量で0.5〜72時間乾燥、および/または30
℃以上エチレン・α−オレフィン共重合体の融点未満の
熱水で、0.001〜0.5m3/hrの流量の空気ま
たは不活性ガスを導入して、0.5〜30時間浸漬し、
ヘッドスペースガスクロマトグラフィーによって測定し
た炭素数12以下の揮発成分の総量(ノルマルヘキサン
換算)の乾燥前/乾燥後の値(Q)を200以上にする
エチレン・α−オレフィン共重合体の製造方法である。
【0070】前記遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フ
ィルム層中には遮光性物質が含有されている。遮光性物
質を含有させることにより、遮光性を付与でき、かつ物
理強度も大きくすることができる。
【0071】遮光性物質の代表例を以下に記載する。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.珪酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、珪酸カルシ
ウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、各種ウィスカー等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、パガ
ス、モロヘイヤ、煙火など)セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表
面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等
【0072】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で
不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐
光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカー
ボンブラックと窒化チタンとグラファイトおよび鉄黒が
好ましい。
【0073】最も好ましいのは、光吸収性のカーボンブ
ラックや鉄黒にアスペクト比が5以上の鱗片状グラファ
イト、ベンガラ、タルク、マイカ、バリウムフェライ
ト、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、鱗片状
金属粉末やフレーク等の1種以上と併用して分散性と防
湿性と遮光性を良化させたり、カーボンブラックとカー
ボンブラックよりモース硬度が大きい顔料(例えば酸化
チタン等)の1種以上と併用して分散性と遮光性を良化
させたものである。
【0074】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0075】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100
等が挙げられる。
【0076】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls 2,46,70,71,7
4,80,81,607等、Regal 300,330,4
00,660,991,SRF−S等、Vulcan 3,
6等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。
【0077】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,30
06,3007,3008,3009,3011,3012,
XC−3016,XC−3017,3020等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0078】これら各種のカーボンブラック中で、天然
ガスまたはガス状ないし蒸気状の炭化水素のガス炎を不
完全燃焼させながらチャンネル鋼の背面に接触させ、カ
ーボンブラックを析出させることにより製造するチャン
ネルブラックは、着色力は大きいが写真性が悪く、製造
中大気を汚染するので写真性および環境問題の点で本発
明では好ましくない。
【0079】本発明によるシート状写真感光材料用包装
材料に適用する場合は、写真感光材料の写真性に悪影響
を及ぼさないようにするために、クレオソート油および
エチレンボトム油の1以上を原料油として、1200℃
〜1700℃の炉中で連続的に部分燃焼させるか、また
は加熱分解することにより製造したファーネスカーボン
ブラックが好ましい。このようなファーネスカーボンブ
ラックを使用することにより、遊離硫黄成分が少ないの
で、写真感光材料に悪影響を与えることをより小さくす
ることができる。特に、遊離硫黄含有量が100ppm
以下のファーネスカーボンブラックが好ましい。
【0080】ASTM D 1619−60の測定方法に
よる硫黄成分含有量は、0.9%以下、好ましくは0.
7%以下、特に好ましくは0.5%以下、最も好ましく
は0.1%以下である。この範囲に限定しないとカブリ
増加や感度異状、発色異状等の写真感光材料の写真性に
悪影響を及ぼす。特に、直接写真感光材料の写真性に大
きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分含有量{各試料を液体
窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕した試料100gを
ソックスレー抽出器に入れクロロホルムで60℃8時間
抽出冷却後、全容を100mlとする。この溶液10m
lを高速液体クロマトグラフに注入し、硫黄を定量す
る。高速液体クロマトグラフ分離条件はカラム;ODS
シリカカラム(4.6φ×150mm)、分離液;メタ
ノール95と水5(酢酸とトリエチルアミンをそれぞれ
0.1%含む)、流速;1ml/min、検出波長;2
54nm、定量は絶対検量線法によって行う。}は、
0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好まし
くは0.01%以下である。高価であるが、硫黄成分の
含有量が0.1%以下のアセチレンブラックがISO感
度100以上の高感度写真感光材料用としては写真性を
良好に維持するのに好適である。
【0081】写真性を良好に維持するためには、カーボ
ンブラックの原料の選択が重要であり、例えば、カーボ
ンブラック便覧(平成7年4月15日,カーボンブラッ
ク協会発行),418頁,2・1にカーボンブラック中
の硫黄として、硫黄の大部分が原料油から来ており、
2.5重量%程度も含有すると明記されている。従って
写真性を良好に維持するための上記硫黄成分含有量につ
いて説明すると下記のようになる。 原 料 油 名 原料油中の硫黄成分含有量 クレオソート油{石炭系原料} 0.3〜0.6% エチレンボトム油{ナフサ原料(石油系原料)} 0.05〜0.1% エチレンボトム油{軽油原料(石油系原料)} 0.2〜1.5% 流動接触分解残渣油{石油系原料} 0.2〜4.0%
【0082】したがって、カーボンブラックの原料油と
してはクレオソート油と石油を原料とするエチレンボト
ム油が好ましく、硫黄成分含有量が0.05〜0.1%
であるナフサを原料とするエチレンボトム油を原料とし
て製造したカーボンブラックは、カーボンブラック中の
硫黄成分含有量を0.1%以下にすることができるので
最も好ましい。
【0083】製造方法としては、上記原料を用いて12
00℃〜1700℃、好ましくは1250℃〜1600
℃の炉中で製造したファーネスカーボンブラックが好ま
しい。
【0084】特に、写真感光材料の写真性に直接悪影響
を与えることが判明した遊離硫黄成分(free sul
phur)含有量(定量は、JIS K 6350に準ず
る)が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、
特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10p
pm以下のカーボンブラックを使用する。この遊離硫黄
成分含有量が少ない点からも、本発明ではナフサを原料
とするエチレンボトム油を用いて1250℃〜1600
℃の炉中で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解
することにより、製造したファーネスカーボンブラック
が最も好ましい。
【0085】カーボンブラックとして特に好ましいもの
は、カーボンブラックの分散性、導電性、遮光能力に関
係するヨウ素吸着量(JIS K 6221で測定)が20
mg/g以上、好ましくは30mg/g以上、特に好ま
しくは50mg/g以上、最も好ましくは80mg/g
以上で、かつジブチルフタレート(DBP)、吸油量
(JIS K 6221で測定)が50ml/100g以
上、好ましくは60mg/100g以上、特に好ましく
は70ml/100g以上、最も好ましくは100ml
/100g以上のカーボンブラックである。
【0086】遮光性、コスト、物理特性向上の目的では
ファーネスカーボンブラックが好ましく、高価であるが
帯電防止効果を有する各社の各種導電性カーボンブラッ
クとアセチレンカーボンブラック、変性副生カーボンブ
ラックであるケッチェンカーボンブラックが好ましい。
特に高感度(ISO感度400以上)写真感光材料用と
しては硫黄成分含有量が0.1%以下のアセチレンブラ
ックと、ナフサを原料とするエチレンボトム油を125
0℃〜1600℃の炉中で連続的に部分燃焼させるか、
または加熱分解することにより製造したファーネスカー
ボンブラックが好ましい。
【0087】導電性カーボンブラックとしては、平均粒
子径が12〜50nm(=mμ)、DBP吸油量が10
0ml/100g以上の各種導電性カーボンブラックが
あり、例えば、アセチレンブラック、コンダクティブフ
ァーネスブラック(CF)、スーパーコンダクティブフ
ァーネスブラック(SCF)、エクストラコンダクティ
ブファーネスブラック(XCF)、コンダクティブチャ
ンネルブラック(CC)および1500℃程度の高温で熱
処理されたファーネスブラックまたはチャンネルブラッ
ク等を挙げることができる。アセチレンブラックの具体
例としてはデンカアセチレンブラック(電気化学株式会
社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウニガン
ケミカル株式会社製)等が、コンダクティブファーネス
ブラックの具体例としては、コンチネックスCF(コン
チネンタルカーボン株式会社製)、バルカンC(キャボ
ット株式会社製)等が、スーパーコンダクティブファー
ネスブラックの具体例としては、コンチネックスSCF
(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バルカンSC
(キャボット株式会社製)等が、エクストラコンダクテ
ィブファーネスブラックの具体例としては、旭HS−5
00(旭カーボン株式会社製)、バルカンXC−72
(キャボット株式会社製)等が、コンダクティブチャン
ネルブラックの具体例としては、コウラックスL(デグ
ッサ株式会社製)等があり、また、ファーネスブラック
の一種であるケッチェンブラックECおよびケッチェン
ブラックEC−600JD(ケッチェンブラックインタ
ーナショナル株式会社製)を用いることもできる。
【0088】なお、これらの中では、特にアセチレンブ
ラックが、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす硫黄
成分やシアン化水素等の不純物含有量が少ない上、発達
した二次ストラクチャー構造を有することから写真性、
分散性、導電性に優れているので、好適に用いられる。
さらに、卓越した比表面積を有することから低充填量で
も優れた導電性を示すケッチェンブラックECやケッチ
ェンブラックEC−600JD等も好ましく使用でき
る。
【0089】遮光性物質の含有量は、0.5〜40質量
%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、2〜2
0質量%が特に好ましく、2.5〜10質量%が最も好
ましい。含有量が0.5質量%未満では、所望の遮光性
を得ることができない場合があり、40質量%を超える
と増量効果が発揮されず、コストアップになる。さら
に、物理強度や樹脂流動性およびフィルム成形性の悪化
や吸湿による発泡を生じる場合がある。
【0090】カーボンブラック等の分散性を向上させる
とともに写真性を良化させるために、分散剤として脂肪
酸金属塩を含有させることが好ましい。脂肪酸金属塩と
しては、ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ステア
リル乳酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステ
アリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パ
ルミチン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸とLi、Na、M
g、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、P
b、Cd、等の金属との化合物が挙げられ、好ましいも
のはステアリン酸マグネシウム、ステアリル酸カルシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、オレ
イン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム等がある。
【0091】市販されている代表的な脂肪酸金属塩の名
称と分子式と状態と融点を以下に示す。
【0092】
【表2】
【0093】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中には滑剤が含有されている。滑剤を含有させるこ
とにより、樹脂の流動性が向上し、フィルム成形性を良
好にするとともに、フィルム成形品のブロッキング防止
性や滑性を向上させることができる。
【0094】滑剤としては、ベヘニン酸アミド、ステア
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド
等の飽和脂肪酸アミド系滑剤、エルカ酸アミド、オレイ
ン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド系滑剤、メチレンビ
スベヘニン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビオオレイン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪
酸アミド系滑剤、シリコーン樹脂、非イオン界面活性剤
系滑剤、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワ
ックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボ
ン等の炭化水素系滑剤、高級脂肪酸(C12以上が好ま
しい)等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸の低級アルコールエス
テル、脂肪酸のポリグリコールエステル等のエステル系
滑剤、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロ
ール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ステアリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、A
l、Sn、Pb等の金属との化合物等の脂肪酸金属塩が
ある。これらの滑剤は単独で用いてもよいし、必要によ
っては2種以上を併用しても良い。上記滑剤を含有させ
る効果を最大に発揮させる飽和および不飽和脂肪酸アミ
ド系滑剤とビス脂肪酸アミド系滑剤が本発明では特に好
ましい。
【0095】滑剤の添加量は種類によって異なり、脂肪
酸金属塩等のように写真感光材料の写真性能維持(ハロ
ゲン化合物の中和無害化)や遮光性物質の分散性向上を
主目的とした滑性効果が小さい滑剤の場合は0.01〜
5質量%が好ましく、0.03〜3質量%がより好まし
く、0.05〜1.5質量%が特に好ましく、0.07〜
1質量%が最も好ましい。添加量が0.01質量%未満
であると、添加効果がなく、混練費用増となるだけであ
る。添加量が5質量%を超えると、発泡や白煙やダイリ
ップ筋が発生しやすくなったり、溶融樹脂と押出し機の
スクリューとのスリップが発生しやすくなり、樹脂の吐
出量が不安定になり、フィルム厚味の変動や偏肉の発生
が多くなる。また、フィルム成形後の経時によりベトツ
キやブリードアウトが発生しやすくなり写真感光材料に
悪影響を及ぼすようになる。さらにまた、経時ヒートシ
ール強度が低下し、密封性や防湿性と酸素バリヤ性が悪
化し写真感材料用包装材料としては実用化困難である。
【0096】また、飽和および不飽和脂肪酸アミド系滑
剤、ビス脂肪酸アミド系滑剤等のように滑性効果は大き
いが、ブリードアウトしやすく、写真感光材料に悪影響
を与える滑剤の場合は、0.01〜1質量%が好まし
く、0.03〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜
0.3質量%が最も好ましい。添加量が0.01質量%
未満であると、添加効果がなく、混練費用増となるだけ
である。添加量が1質量%を超えると、溶融樹脂と押出
し機のスクリューとのスリップが発生しやすくなり、樹
脂の吐出量が不安定になり、フィルム厚さにバラツキが
発生する。また、フィルム成形後の経時によりベトツキ
やブリードアウトが発生しやすくなる。さらにまたブリ
ードアウトした滑剤が写真感光層に転写して現像阻害を
発生させ現像ムラや発色ムラ等の品質故障が発生する。
【0097】さらに、特開平6−317881号公報の
5頁[0032]〜6頁[0044]等に記載の各種の滑剤
の中から写真性が良好であり、使用目的に合わせ1種以
上の滑剤を使用目的に合致した量に選択して用いること
が出来る。
【0098】前記滑剤の中で脂肪酸アミド系滑剤が好ま
しい。
【0099】脂肪酸アミド系滑剤の代表例を以下に記載
する。 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 ベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッドKN(日本化
成)等 ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ライオン
油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪酸アマ
イドS(花王)、ダイヤミッド200(日本化成)、ダ
イヤミッドAP−1(日本化成)、アマイドS・アマイ
ドT(日東化学)、ニュートロン−2(日本精化)等
【0100】〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 パルミチン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18(日
本精化)、アマイドP(日東化学)等 ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン・ア
クゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等
【0101】〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本油
脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBROL(I
・C・I)、ダイヤミッドL−200(日本化成)等 オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ライオ
ン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュートロ
ンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、ダイヤ
ミッドO−200・ダイヤミッドG−200(日本化
成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪酸アマイ
ドO(花王)等
【0102】〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕 メチレンビスベヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッドN
Kビス(日本化成)等 メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミッド
200ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン・
アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO(日
本化成)等 エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモスリッ
プEBS(ライオン・アクゾ)等 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アマイ
ド65(川研ファインケミカル)等 ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマイド
60(川研ファインケミカル)等
【0103】前記シリコーン樹脂の中で、シリコーン系
オイルが以下に記載する効果を有するので好ましい。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態でのフィルム成形品の摩擦係数を小さく
する。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の添加量を
減量しても遮光性を確保できる。
【0104】シリコーン系オイルは、25℃での粘度が
5,000〜50,000センチストークスの範囲のもの
が好ましく、7,000〜40,000センチストークス
の範囲のものがより好ましく、9,000〜35,000
センチストークスの範囲のものが特に好ましく、10,
000〜30,000センチストークスの範囲のものが
最も好ましい。シリコーン系オイルの粘度が5,000
センチストークス未満であると、未反応の低分子量の物
質が多く、写真性を悪化(被り増加等)させる場合があ
る。また、50,000センチストークスを超えると、
粘性が大きく取扱い性が悪く、容器へ付着して取り出せ
なくなったり、樹脂の流動性を低下させて成形故障を発
生させることがある。
【0105】シリコーンオイルとしては、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シリコーン、アミド
変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性
シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、αメチルス
チレン変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリ
プロピレングリコールで変性したポリエーテル変性シリ
コーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、エ
ポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含有
したシリコーンオイルである。
【0106】これらのシリコーンオイル中で、写真感光
材料に悪影響を与えることが少なく、滑性効果が大き
く、包装材料に適用した場合に好ましいものは、オレフ
ィン変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリジメ
チルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、オレフ
ィン/ポリエーテル変性シリコーンである。
【0107】シリコーンオイルの含有量は、0.01〜
5質量%が好ましく、0.03〜3質量%がより好まし
く、0.05〜1.5質量%が特に好ましく、0.07〜
1質量%が最も好ましい。シリコーン樹脂の含有量が
0.01質量%未満であると、効果を有効に発揮するこ
とができない。また、5質量%を超えると、増量効果が
発揮されないだけでなく、材料費増となり、かつブリー
ドアウトが多くなり商品価値を低下させる。
【0108】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中には酸化防止剤を含有されている。酸化防止剤を
含有させることにより、樹脂や添加剤の熱劣化防止、熱
分解防止効果を大きくして物理強度低下を防止し、ま
た、写真性に悪影響を及ぼす物質(アルデヒド化合物や
シアン化合物等)の発生を防止できる。
【0109】酸化防止剤としては、酸化防止剤ハンドブ
ック(KK大成社昭和51年10月25日発行)やプラ
スチック データ ハンドブック(KK工業調査会198
4年4月5日発行)の794〜799ページに開示され
た各種酸化防止剤や、プラスチック添加剤データー集
(KK化学工業社発行)の327〜329ページに開示
された各種酸化防止剤や、PLASTICS AGE E
NCYCLOPEDIA進歩編,1986(KKプラス
チック・エージ発行)の211〜212ページに開示さ
れた各種酸化防止剤がある。
【0110】各種酸化防止剤の中で、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤が好ましく、このヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の代表例を以下に示す。1,3,5−トリ
メチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メ
チレン−3−(3'・5'−ジ−tert−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オク
タデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナメート、2,2',2'−トリス〔(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレート、1,3,
5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジ−メチルベンジル〕イソシアヌレート、テト
ラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4'
−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4,4'−チオビス
−(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、2,2'
−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール)、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2'−メチレ
ン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール)、4,4'−ブチリデンビス−
(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4
−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−tert−ブチル
フェノール、2,6−ジ−tert−4−n−ブチルフ
ェノール、2,6−ビス(2'−ハイドロキシ−3'−te
rt−ブチル−5'−メチルペンジル)−4−メチルフェ
ノール、4,4'−メチレン−ビス−(6−tert−ブ
チル−O−クレゾール)、4,4'−ブチリデン−ビス
(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、3,9−
ビス{1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオ
キシ〕エチル}2,4・8,10−テトラオキサスピロ
〔5,5〕ウンデカンなどがあげられる。
【0111】これらのヒンダードフェノール系酸化防止
剤の中で、融点が100℃以上のものが好ましく、12
0℃以上のものがより好ましい。融点が100℃未満で
あると、熱分解しやすく、発煙が多く、添加効果が低下
するだけでなく、フィルム成形室内の環境悪化や写真感
光材料の写真性悪化を引き起こす。
【0112】また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
の中で、平均分子量が400以上のものが好ましく、5
00以上のものがより好ましく、600以上のものが最
も好ましい。分子量が400未満であると、熱分解しや
すく、発煙が多くなる。また、添加効果が低下するだけ
でなく、フィルム成形室内の環境悪化や写真感光材料の
写真性悪化を引き起こす。
【0113】各種酸化防止剤の中で燐酸系酸化防止剤も
好ましい。
【0114】燐酸系酸化防止剤としては、アルキル化ア
リルホスファイト、トリス(モノおよび/またはジノニ
ルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタン
テトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルフォス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト亜リ
ン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルフォ
スファイト等を用いることができる。
【0115】また、酸化防止剤としてビタミンEも好ま
しく、このビタミンE(トコフェロール)、トコフェロ
ール類二量体は、優れた酸化防止作用の他に、フィルム
成形品を黄色に着色させて遮光性が発生するので、カー
ボンブラック等の無機顔料と併用すると遮光能力をカー
ボンブラック等の無機顔料単独添加の場合より10%以
上向上させ、かつ、分散性も向上させるので無機顔料の
含有量を10%以上減少させても同等の遮光性を有する
ことができる。この結果写真性の悪化防止、物理強度向
上、外観向上、材料費減少等各種の効果が発揮され、か
つ人体に対しても安全であるので本発明の写真感光材料
用成形品の酸化防止剤として最も好ましい。
【0116】ヒンダードフェノール系酸化防止剤に燐酸
系酸化防止剤を併用することが好ましく、これらを併用
することにより、写真性を悪化させずに樹脂や添加剤の
熱劣化防止効果を高めることができる。また、燐酸系酸
化防止剤を含有させる場合は、ハイドロタルサイト類化
合物を併用することが好ましい。ハイドロタルサイト類
化合物を含有させることにより、熱分解によって発生す
る写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす亜リン酸を中
和させることができる。
【0117】酸化防止剤の含有量は、0.001〜1.
5質量%が好ましく、0.005〜0.7質量%がより
好ましく、0.01〜0.45質量%が最も好ましい。
含有量が0.001質量%未満であると、添加効果がな
く混練経費増になるだけであり、含有量が1質量%を超
えると、酸化、還元作用を利用する写真感光材料の写真
性に悪影響を及ぼすとともに成形品表面にブリードアウ
トして外観を悪化させる。
【0118】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中にはシアン化水素ガススキャベンジャーを含有さ
せることができる。すなわち、写真性を悪化させるシア
ン化合物(特にシアン化水素ガス)含有量(4−ピリジ
ンカルボン酸・ピラゾロン吸光分析法にて定量したシア
ン化水素量を遮光性物質の質量に対するppm単位に換
算した値)が20ppm以下、好ましくは10ppm以
下、特に好ましくは5ppm以下、最も好ましくは1p
pm以下であり、金増感やセレン増感および色素増感等
の化学増感、特に金増感した写真感光材料の場合は、シ
アン化水素ガス等により写真性に悪影響を受けやすいの
でシアン化水素ガス吸着物質(以下、シアン化水素ガス
入スキャベンジャーと表示)を遮光性・滑性ポリオレフ
ィン樹脂系フィルム層中に含有させることが好ましい。
【0119】シアン化水素ガススキャベンジャーは、シ
アン化水素ガスを、吸着または写真的に不活性な物質に
変換する化合物である。シアン化水素ガススキャベンジ
ャーは、シアン化水素ガスを捕獲した結果として、ハロ
ゲン化銀感光材料に悪影響を与える物質を放出すべきで
はない。適切なシアン化水素ガススキャベンジャーは貴
金属の無機または有機化合物から選択することができ
る。特に好ましいものはパラジウム(IIまたはIV;酸化
状態を示す。以下同様)、白金(IIまたはIV)化合物で
ある。金(IまたはIII)の化合物も好ましい。ロジウム
(III)、イリジウム(IIIまたはIV)およびオスミウム(I
I、IIIまたはIV)の化合物もまた効果的であるが、同等
の効果を得るのに、より多量が必要である。有用な無機
または有機貴金属化合物の具体例としては、例えばグメ
リン ハンドブック(GmelinHandbook)
に詳細に記述されており、市販品、合成品およびins
itu合成品を写真感光材料に悪影響を与えることがな
い程度の純度で使用することができる。
【0120】好ましいパラジウム化合物としては、塩化
パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、水酸化パラジ
ウム(II)、硫酸パラジウム(II)、チオシアン酸パラジ
ウム(II)、テトラクロロパラジウム(II)酸塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、ヘキサクロロパ
ラジウム(IV)酸塩、テトラブロモパラジウム(II)酸
塩、ヘキサプロモパラジム(IV)酸塩、ビス(サリチラ
ト)パラジムム(II)酸塩、ビス(ジチオオキサラト−
S,S')パラジウム(II)酸塩、trans−ジクロロビ
ス(チオエーテル)パラジウム(II)、テトラアンミンパ
ラジウム(II)塩、ジクロロジアンミンパラジウム(II)、
ジブロモジアンミンパラジウム(II)、オキサラトジアン
ミンパラジウム(II)、ジニトロジアンミンパラジウム(I
I)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジク
ロロエチレンジアミンパラジウム(II)、ビス(2,2'−
ピピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(1,10−フェナ
ントロリン)パラジウム(II)塩、テトラニトロパラジウ
ム(II)酸塩、ビス(グリシナト)パラジウム(II)、テト
ラキス(チオシアナト)パラジウム(II)酸塩、ジクロロ
ビス(ホスフィン)パラジウム(II)酸塩、ジクロロビス
(ホスフィン)パラジウム(II)、ジ−μ−クロロ−ビス
[クロロ(ホスフィン)パラジウム(II)]、ジ−μ−ク
ロロ−ビス[クロロ(アルシン)パラジウム(II)]およ
びジニトロビス(アルシン)パラジウム(II)等が挙げら
れる。
【0121】好ましい白金化合物としては、塩化白金(I
I)酸塩、塩化白金(IV)、ヘキサフルオロ白金(IV)酸塩、
テトラクロロ白金(II)酸塩、ヘキサクロロ白金(IV)酸
塩、トリクロロトリフルオロ白金(IV)酸塩、テトラブロ
モ白金(II)酸塩、ヘキサブロモ白金(IV)酸塩、ジブロモ
ジクロロ白金(II)酸塩、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸
塩、ビス(オキサラト)白金(II)酸塩、ジクロロビス(オ
キサラト白金(IV)酸塩、ビス(チオオキサラト)白金(II)
酸塩、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、ビス(1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オナト)白金(II)、ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,
4−ペンタンジオナト)白金(II)、テトラキス(チオシ
アナト)白金(II)酸塩、ヘキサキス(チオシアナト)白
金(IV)酸塩、ビス{(Z)−1,2−ジシアノエチレン−
1,2−ジチオラト}白金(II)酸塩、ジクロロビス(ジ
エチルスルフィド)白金(II)、テトラクロロビス(ジエ
チルスルフィド)白金(IV)、ビス(グリシナト)白金(I
I)、ジクロログリシナト白金(II)酸塩、ジクロロビス
(トリエチルホスフィン)白金(II)、クロロヒドリドビス
(トリエチルホスフィン)白金(II)、テトラアンミン白
金(II)塩、テトラクロロ白金(II)酸塩、ジクロロジアン
ミン白金(II)、トリクロロアンミン白金(II)塩、ヘキサ
アンミン白金(IV)塩、クロロペンタアンミン白金(IV)
塩、テトラクロロジアンミン白金(IV)、ジニトロジアン
ミン白金(II)、ジクロロテトラキス(メチルアミン)白
金(IV)塩、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)、ビ
ス(エチレンジアミン)白金(II)塩、トリス(エチレン
ジアミン)白金(IV)塩、ジクロロビス(エチレンジアミ
ン)白金(IV)塩、ジクロロジヒドロキソ(エチレンジア
ミン)白金(IV)、テトラキス(ピリミジン)白金(II)塩、
ジクロロビス(ピリジン)白金(II)、ビス(2,2'−ピピ
リジン)白金(II)塩、テトラニトロ白金(II)酸塩、クロ
ロトリニトロ白金(II)酸塩、ジクロロジニトロ白金(II)
酸塩、ジブロモジニトロ白金(II)酸塩、ヘキサニトロ白
金(IV)酸塩、クロロペンタニトロ白金(IV)酸塩、ジクロ
ロテトラニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロトリニトロ白
金(IV)酸塩、テトラクロロジニトロ白金(IV)酸塩、ジブ
ロモジクロロジニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロ(エチ
レン)白金(II)酸塩、ジ−μ−クロロ−ビス(クロロ
(エチレン)白金(II)、trans−ジクロロ(エチレ
ン)(ピリジン)白金(II)、ビス[ビス(β−メルカプト
エチルアミン)ニッケル(II)−S,S"−白金(II)塩およ
びジクロロジカルボニル白金(II)等が挙げられる。
【0122】金(IまたはIII)、ロジウム(III)、イリ
ジウム(IIIまたはIV)およびオスミウム(II、IIIまたは
IV)の化合物も同様に用いることができるが、そのよう
な例として例えば、カリウムテトラクロロオーレート(I
II)、ロジウム(III)クロライド、カリウムヘキサクロロ
イリデート(IV)、カリウムテトラクロロイリテート(I
II)およびカリウムヘキサクロロオスメート(IV)等が
挙げられる。本発明の効果が得られる限りにおいて貴金
属の無機または有機化合物は上述の具体例のみに制限さ
れるものではない。
【0123】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中のシアン化水素スキャベンジャーの含有量は、
0.0001〜1質量%であることが好ましく、より好
ましくは0.0002〜0.5質量%、特に好ましくは
0.0004〜0.2質量%、最も好ましくは0.000
8〜0.1質量%である。シアン化水素スキャベンジャ
ーの含有量が0.0001質量%未満であると、効果的
にシアン化水素を吸着除去することができない。また、
1質量%を超えると、増量した効果が発揮されず、高価
になるだけである。さらに、樹脂の流動性が悪化し、ウ
ェルドライン(ウェルドマークともいう)が強く発生
し、衝撃強度が低下する。
【0124】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中にホルムアルデヒドスキャベンジャーを含有させ
ることができる。ホルムアルデヒドスキャベンジャー
は、ホルムアルデヒドと反応してホルムアルデヒドを吸
収(捕捉)できる化合物であり、ホルムアルデヒドによる
悪影響(刺激臭が大きい。人体に有害である。写真性を
悪化させる)を防止することができる。特に、アルデヒ
ドガス吸着・無害化させるゼオライトと併用すると効果
が大きく、市販のアルデヒドを含む安価な材料やリサイ
クル樹脂を使用しても写真性に悪影響を与えることがな
く、ユーザーに悪臭や刺激臭を与えて不快感を与えるこ
とがなくなるので好ましい。
【0125】ホルムアルデヒドスキャベンジャーとして
は、ポリアミド樹脂、アミド化合物、ウレタン化合物、
エチレン・ビニルアルコール共重合体、ピリジン誘導
体、ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導
体、ヒドラジン誘導体、有機アミノ化合物、イミド化合
物、アミジン化合物が挙げられる。具体例として、N,
N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジフェニルホルムアミド、N,N−ジフ
ェニルアセトアミド、N,N−ジフェニルベンズアミ
ド、 N,N,N',N'−テトラメチルアジバミド、シュウ
酸ジアニリド、アジピン酸ジアニリド、N−フェニルア
セトアニリド、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
6/6二元共重合体、ナイロン6/10二元共重合体、
ナイロン66/10二元共重合体、ナイロン6/66二
元共重合体、ナイロン6/12二元共重合体、ナイロン
6/66/10三元共重合体、ナイロン6/66/10
/12四元共重合体、ナイロン66/66/10三元共
重合体、ナイロン11、ナイロン12などのラクタム類
の単独重合体ないしは共重合体、アジピン酸、セバシン
酸、デカンジカルボン酸、ダイマ酸のようなジカルボン
酸とエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、メタキシリレンジアミンのような
ジアミンから誘導されるポリアミドの単独重合体ないし
は共重合体、ラクタム類とジカルボン酸およびジアミン
から誘導されるポリアミド共重合体、ポリアクリルアミ
ド、ポリメタクリルアミド、N,N−ビス(ヒドロキシメ
チル)スベルアミド、ポリ(γ−メチルグルタメー
ト)、ポリ(γ−エチルグルタメート)、ポリ(N−ビ
ニルラクタム)、ポリ(N−ビニルピロリドン)などの
アミド化合物、トルエンジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネートなどのジイソシアネートと1,
4−ブタンジオールなどのグリコールおよびポリ(テト
ラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチレンアジペ
ート、ポリカプロラクトンなどの高分子グリコールから
誘導されるポリウレタン、メラミン、ベンゾグアナミ
ン、アセトグアナミン、N−ブチルメラミン、N−フェ
ニルメラミン、N,N'−ジフェニルメラミン、N,N',
N"−トリフェニルメラミン、N−メチロールメラミ
ン、N,N'−ジメチロールメラミン、N,N',N"−トリ
メチロールメラミン、2,4−ジアミノ−6−ベンジル
オキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシト
リアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシルトリ
アジン、メレム、メラムなどのトリアジン誘導体、N−
フェニル尿素、N,N'−ジフェニル尿素、チオ尿素、1
−ヒドロキシ尿素、1−メチル尿素、1−エチル尿素、
1−アセチル−3−メチル尿素、1,1−ジフェニル尿
素、1−(4−エトキシフェニル)尿素、メチル尿素、
エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル尿素、エチレン尿
素、グアニル尿素、グアニルチオ尿素、アセチルウレ
ア、プロピレン尿素、5−ヒドロキシプロピレン尿素、
5−メトキシプロピレン尿素、5−メチルプロピレン尿
素、4,5−ジメトキシエチレン尿素、N−フェニルチ
オ尿素、N,N'−ジフェニルチオ尿素、ノナメチレンポ
リ尿素などの尿素誘導体、フェニルヒドラジン、ジフェ
ニルヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジ
ン、n−プロピルヒドラジン、n−ブチルヒドラジン、
エチレン−1,2−ジヒドラジン、プロピレン−1,2
−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−ジヒドラジン、ベ
ンズアルデヒドのヒドラジン、ベンズアルデヒドのセミ
カルバゾン、ベンズアルデヒドの1−メチル−1−フェ
ニルヒドラジン、チオセミカルバゾン、4−(ジアルキ
ルアミノ)ベンズアルデヒドのヒドラジンなどのヒドラ
ジン誘導体、スクシンイミド、フタルイミド、コハク酸
イミド、ヒダントイン、1−メチロール−5,5−ジメ
チルヒダントイン、イソシアヌル酸等のイミド化合物、
ジシアンジアミド、ピロリジン、ピペリジン、モルホリ
ン、グアナミン、グアンチジン、グアニジン、アミノグ
アニジン、グアニン、グアナクリン、グアノクロール、
グアノキサン、グアノシン、アミロリド、N−アミジノ
−3−アミノ−6−クロロピラジンカルボキシアミドな
どのアミジン化合物、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポ
リ(2−メチル−5−ビニルピリジン)、ポリ(2−エ
チル−5−ビニルピリジン)、2−ビニルピリジン−2
−メチル−5−ビニルピリジン共重合体、2−ビニルピ
リジン−スチレン共重合体などのピリジン誘導体などで
ある。中でも、ナイロン6/66/610の三元共重合
体、ナイロン6/66/610/12の四元共重合体な
どのポリアミドやダイマー酸系ポリアミド、メラミン、
グアナミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、N
−メチロールメラミン、N,N'−ジメチロールメラミ
ン、N,N',N"−トリメチロールメラミン、N−メチロ
ールベンゾグアナミン、熱可塑性ポリウレタン樹脂、ジ
シアンジアミド、グアニジン、ポリ(N−ビニルピロリ
ドン)、ポリ(2−ビニルピリジン)、N,N'−ジフェ
ニル尿素、ポリ尿素、メレム、メラムが好ましい。ま
た、米国特許4,411,987号や同第4,435,5
03号に記載されているホルムアルデヒドを反応して固
化化できる化合物も用いることができる。
【0126】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中のホルムアルデヒドスキャベンジャーの含有量
は、0.01〜10質量%であり、0.02〜8質量%
が好ましく、0.05〜6質量%がより好ましく、0.
1〜4質量%が特に好ましく、0.2〜3質量%が最も
好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、添加
効果がほとんど無く、また、10質量%を超えても増量
効果が少なく、物理強度や外観を悪化させ、コストアッ
プになる。
【0127】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中にブロッキング防止剤を含有させることができ
る。ブロッキング防止剤を含有させることにより、ブロ
ッキングを防止できるとともに、写真性有害物質吸着無
害化することができる。
【0128】ブロッキング防止剤としては、ゼオライト
(天然および合成ゼオライトを含む)、シリカ(天然およ
び合成シリカを含む)、炭酸カルシウム、タルク(ケイ
酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニウム、カルシウムシ
リケート、脂肪酸アミド系滑剤、高級脂肪酸ポリビニル
エステル、n−オクタデシルウレア、N,N'−ジオレイ
ルオキサアミド、N−エタノールステアリン酸アミド、
ジカルボン酸エステルアミド等があり、この中でブロッ
キング防止作用と写真性に悪影響を及ぼす各種ガス吸着
・無害化作用をするゼオライトとシリカが特に好まし
い。
【0129】ゼオライトは、天然ゼオライト(anal
cime,chabazite,heulandit
e,erionite,ferrierite,lau
montite,mordenite等を成分とするゼ
オライト)、合成ゼオライト(A,N−A,X,Y,hy
adroxy sodalite,ZK−5,B,R,
D,T,L,hydroxy,cancrinite,
W,Zeolaon等の各種の型のゼオライト)があ
る。これらの中で写真性に悪影響を及ぼす有害ガス吸着
無害化能力の大きいA型ゼオライトが特に好ましい。こ
れらのゼオライトは金属の担体として金属系無機抗菌剤
として優れた働きをする。例えば、銀イオンを担持した
A型合成ゼオライト等がある。
【0130】また、このゼオライトは金属の担体として
金属系無機抗菌剤(例えば銀イオンを担持したA型合成
ゼオライト)として優れた働きをするので、抗菌作用を
主目的とする場合は内表面層中に0.001〜10質量
%、好ましくは0.002〜8質量%、特に0.005
〜5質量%含有させるとゼラチン等のように吸水性でブ
ロッキングや生分解しやすい親水性高分子を写真乳剤
層、保護層およびバック層等に用いている写真感光材料
には好適である。
【0131】上記シリカは、平均粒子径が0.3〜20
μmのものが好ましく、0.5〜15μmのものがより
好ましい。平均粒子径が0.3μm未満では、凝集性が
強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さい。ま
た、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム表面に
シリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく写真感
光材料に擦り傷などが発生し易くなる。
【0132】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中にハイドロタルサイト類化合物を含有させること
ができる。ハイドロタルサイト類化合物を含有させるこ
とにより、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす触媒
残渣を中和したり、塩酸等のハロゲン化合物を吸収して
写真性に悪影響を及ぼす物質を無害化したり、金型の発
錆を防止したり、樹脂焼け故障等を防止したりできる。
特に、フェノール系酸化防止剤および燐系酸化防止剤の
1種以上と併用すると、熱可塑性樹脂、1,2−ポリブ
タジエン系熱可塑性エラストマーおよび添加剤の熱劣化
や熱分解防止効果が大きくなり好ましい。樹脂の劣化を
防止することができる。
【0133】ハイドロタルサイト類化合物は、一般式が Mxy(OH)2x+2y-2z(A)z・aH2O {MはMg、CaまたはZn、RはAlまたはCrまた
はFe、AはCO3またはHPO4、x、y、z、aは正
数}で示される複塩である。
【0134】具体例の代表例を示すと、Mg6A12(O
H)16CO3・4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3
5H2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg10
Al2(OH)22(CO32・4H2O、Mg6Al2(O
H)16HPO4・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3・4
2O、Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg4.5
Al2(OH)13CO3・3.5H2O等がある。
【0135】または一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。
【0136】そして、xおよびm,nは下記式の条件を
満足する。 0<x<0.5 0≦m≦ 2 } n=1〜4の整数で表わされる屈折率(Larsenの
油浸法で測定)が1.40〜1.60、好ましくは1.
45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類化合
物である。
【0137】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、Cl
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HB
3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-
CH3COC-、C64(OH)COO-、である。
【0138】ハイドロタルサイト類化合物の好ましい具
体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.2H2O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO3)0.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.63H2O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO3)0.085・0.4H2
【0139】これらのハイドロタルサイト類化合物は、
天然物であっても、合成品であってもよい。これらのハ
イドロタルサイト類化合物は、マグネシウム、アルミニ
ウム等を主成分としており、写真感光材料の写真性に悪
影響を及ぼしたり、成形機に用いられている金属の発錆
の原因と考えられる塩素イオン等のハロゲン化イオンを
吸着中和して無害化する能力に優れている。さらに熱可
塑性樹脂中のモノマーや各種添加剤中の揮発性物質等写
真性に悪影響を及ぼす物質を吸着固定するものと推定さ
れる。
【0140】さらに熱可塑性樹脂や添加剤の熱劣化や熱
分解を防止するのに添加する燐系酸化防止剤が熱分解し
た時に発生する写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
亜燐酸を中和して写真性を良化(カブリを減少)する予
想外の効果を発揮する。ハイドロタルサイト類化合物の
具体的な合成方法としては、特公昭46−2280号公
報、特公昭50−30039号公報等に開示されている
公知の方法も使用できる。
【0141】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらのハイドロタルサイト類化合物は
単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
特に、各種酸化防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用するこ
とが好ましい。加工性、分散性、物性等を特に向上させ
るためには平均2次粒子径が20μm以下、好ましくは
10μm以下、特に好ましくは5μm以下、BET比表
面積が50m2/g以下、好ましくは40m2/g以下、
特に30m2/g以下が好ましい。
【0142】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中のハイドロタルサイト類化合物の含有量は、0.
01〜30質量%が好ましく、0.02〜20質量%が
より好ましく、0.05〜10質量%が特に好ましく、
0.1〜5質量%が最も好ましい。
【0143】ハイドロタルサイト類化合物の含有量が
0.01質量%未満であると、添加効果が発揮されず混
錬経費増となるだけであり、また、30質量%を超える
と、増量添加効果がなく、物理強度やヒートシール適性
の低下およびブツの発生やコストアップとなるだけであ
る。
【0144】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物やゼオライトは表面被覆物質で処理して利用するのが
好ましい。表面被覆する事により、樹脂に対する分散性
ないし親和性が一層向上し、外観、フィルム加工適性、
物理強度等も向上する。
【0145】このような表面被覆物質の例として、特に
好ましいのは、例えば、ラウリル酸ソーダ、ラウリル酸
カリウム、オレイン酸ソーダ、オレイン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸ソーダ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリ
ウム、パルミチン酸ソーダ、パルミチン酸カリウム、カ
プリン酸ソーダ、カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ソ
ーダ、ミリスチン酸カリウム、リノール酸ソーダ、リノ
ール酸カリウムなどのような高級脂肪酸の金属塩類;ラ
ウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、
カプリン酸、ミリスチン酸、リノール酸などの如き高級
脂肪酸類;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機スルホン
酸金属塩類;イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネート、ビニルトリエトキシシラ
ン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ガンマグリシドオキシプロピルトリメトキシシラン
などのようなカップリング剤類、高級脂肪酸アミド類、
高級脂肪酸エステル類、シリコーン類、ワックス類の各
種滑剤などを例示することができる。
【0146】これら表面被覆物質による表面被覆は、た
とえば、温水にハイドロタルサイト類化合物やゼオライ
トを懸濁した状態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸の
アルカリ金属塩の水溶液を加える事により、或いは、ハ
イドロタルサイト類化合物粉末やゼオライト粉末をヘン
シェルミキサー等の混合機により攪拌下、高級脂肪酸の
融液とか、カップリング剤の希釈液を滴下することによ
り行うことができる。これら表面被覆物質の量は適宜に
選択変更できるが、ハイドロタルサイト類化合物100
重量部に対して、約0.01〜50重量部、好ましくは
0.05〜35重量部、特に好ましくは0.1〜20重
量部、最も好ましくは0.5〜10重量部である。
【0147】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中に帯電防止剤を含有させることができる。帯電防
止剤を含有させることにより、遮光性物質の分散性やフ
ィルム成形性を向上し、スタチック故障等が発生するの
を防止する。
【0148】帯電防止剤について説明する。 (1) 非イオン界面活性剤系帯電防止剤の代表例を以下
に示す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレン脂肪族アミン、ソルビタンモノ脂肪酸エステ
ル、脂肪酸ベンタエリスリット、脂肪アルコールのエチ
レンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付
加物、脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキ
サイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイ
ド付加物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付
加物、多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレ
ンオキサイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアマ
イド、アルキルアミン誘導体、その他特公昭63−26
697号公報120頁記載の各種非イオン帯電防止剤
等。 (2) アニオン界面活性剤系帯電防止剤の代表例を以下
に示す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂
肪酸金属塩、シリノレイン酸エステル硫酸エステルソー
ダ塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの
硫酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソ
ーダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフ
ォン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェー
ト、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスル
フォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コハク
酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等。 (3) 陽イオン界面活性剤系帯電防止剤の代表例を以下
に示す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アン
モニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ピ
リジン誘導体等 両性界面活性剤の代表例を以下に示
す。
【0149】以上の界面活性剤系帯電防止剤の中で写真
性および人身に与える悪影響が小さく、スタチックマー
ク防止効果が大きいので、非イオン(ノニオン)系界面
活性剤を帯電防止剤として用いることが好ましい。
【0150】帯電防止剤の含有量は、0.01〜10質
量%が好ましく、0.02〜5質量%がより好ましく、
0.03〜3質量%が最も好ましい。合計含有量が0.
01質量%未満であると、添加効果がなく、混練経費造
となるだけである。また、合計含有量が10質量%を越
えると、増量効果がなく、コストアップとなるだけであ
る。さらに、経時するとブリードアウト量が多くなり、
ヒートシール性を悪化させたり、包装材料の表面がベト
つく。
【0151】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層中に脂肪族アルコール系脂肪酸エステルを含有させ
ることが好ましい。脂肪族アルコール系脂肪酸エステル
を含有させることにより、低温倉庫に長期間保管した
後、常温下に取り出した時の水滴付着防止(防適性付
与)、ブロッキング接着性向上、帯電防止性付与等を図
ることができる。
【0152】脂肪族アルコール系脂肪酸エステルとして
好ましいものは、炭素数1〜10の脂肪族アルコールと
炭素数10〜20の脂肪酸との化合物であり、具体的に
は、モノグリセリンオレエート、ポリグリセリンオレエ
ート、グリセリントリリシノレート、グリセリンアセチ
ルリシノレート、メチルアセチルリシノレート、エチル
アセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、
プロピレングリコールオレエート、プロピレングリコー
ルラウレート、ペンタエリスリトールオレエート、ポリ
エチレングリコールオレエート、ポリプロピレングリコ
ールオレエート、ポリオキシエチレングリセリン、ポリ
オキシプロピレングリセリン、ソルビタンオレエート、
ソルビタンラウレート、ポリエチレングリコールソルビ
タンオレエート、ポリエチレングリコールソルビタンラ
ウレート、ポリアルキレンエーテルポリオール等があ
る。
【0153】脂肪族アルコール系脂肪酸エステルの含有
量は、0.01〜5質量%が適当であり、0.05〜
4.5質量%が好ましく、0.1〜4質量%がより好ま
しく、0.1〜3.5質量%が特に好ましく、最も好ま
しくは0.1〜3質量%が最も好ましい。脂肪族アルコ
ール系脂肪酸エステルの含有量が0.01質量%未満で
あると、添加効果が小さく費用が掛かるだけであり、ま
た、含有量が5質量%を超えると、増量しただけの効果
が小さく材料費が掛かるだけである。
【0154】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層同士の滑り角度は、20度以下が好ましく、18度
以下がより好ましく、16度以下が特に好ましく、14
度以下が最も好ましい。滑り角度が20度を超えると、
製袋適性が悪化したり、皺や筋が発生しやすくなる。ま
た、遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム同士を
重ね合わせてヒートシール方法により製袋した包装袋
に、写真感光材料を出し入れが困難になるだけでなく、
写真感光材料に擦り傷が発生したり、スタチックマーク
が発生したりする場合がある。
【0155】最外層に積層されるフレキシブルシート層
としては、各種の熱可塑性樹脂フィルム、例えば、各種
ポリエチレン樹脂、各種エチレン共重合体樹脂、ホモポ
リプロピレン樹脂、各種プロピレン共重合体樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、各種ポリアミド樹脂、ポリアクリルニ
トリル樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹
脂、ポリカーボネート樹脂、各種ポリエステル樹脂(P
ET樹脂、PBT樹脂、A−PET樹脂、PEN樹脂
等)等の単独熱可塑性樹脂フィルムおよびこれらの2種
以上の熱可塑性樹脂の混合樹脂フィルムまたはポリマー
アロイフィルムまたは変性樹脂フィルム、さらに、これ
らの各種の熱可塑性樹脂フィルムとしては無延伸や一軸
延伸または二軸延伸(分子配向も含む)フィルム等があ
る。また、トリアセテートフィルム、セロファン、再生
セルロースフィルム、紙、合成紙、不織布、上記各種の
熱可塑性樹脂フィルムに無機物質を蒸着加工した無機物
質蒸着加工フレキシブルシートがある。
【0156】フレキシブルシート層として好ましい態様
を表3に記載する。
【0157】
【表3】
【0158】無機物質蒸着加工フィルムの蒸着膜として
は、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ス
ズ、酸化亜鉛、酸化イソジュウム、酸化マグネシウム等
の1種または2種以上を混合した蒸着膜がある。透明無
機蒸着膜としては、酸化珪素と酸化アルミニウムの単独
または複合蒸着膜が蒸着適性、酸素バリヤ性、防湿性、
品質、コスト、写真性が優れているので特に好ましい。
【0159】この蒸着膜の厚さは、50〜3,000Å
であることが好ましく、100〜2,000Åであるこ
とがより好ましく、200〜1,500Åが特に好まし
く、400〜1,000Åであることが最も好ましい。
厚さが50Å未満であると、防湿性および酸素バリヤ性
を十分に確保できない場合があり、厚さが3,000Å
を超えると、蒸着膜のヒビ割れ発生、基材の熱劣化、熱
収縮の発生の問題の他に品質、コスト、生産性の点でも
問題があり、実用化困難である。
【0160】以上のようなフレキシブルシート層の中
で、抗張力、無塵性、防湿性、ヤング率、酸素バリヤ
性、物理強度、耐熱性、剛性、耐摩耗性、滑性の優れた
延伸熱可塑性樹脂フィルム、合成紙および耐熱性、耐摩
耗性、無塵性、ヤング率、物理強度、滑性の優れた不織
布、長繊維紙が好ましく、特に二軸延伸したポリエステ
ル樹脂フィルム層と二軸延伸したポリプロピレン樹脂フ
ィルム層が好ましい。
【0161】フレキシブルシート層の厚さは、延伸され
ていないフィルムの場合は、5〜500μmが好まし
く、6〜400μmがより好ましく、7〜300μmが
最も好ましい。フレキシブルシート層が一軸または二軸
延伸熱可塑性樹脂フィルムの場合は、フィルムの厚さは
5〜70μmが好ましく、7〜50μmがより好まし
く、9〜30μmが最も好ましい。フレキシブルシート
層が合成紙、不織布、長繊維紙の場合は10〜500μ
mが好ましく、15〜400μmがより好ましく、20
〜300μmが特に好ましく、25〜200μmが最も
好ましい。
【0162】フレキシブルシート層のヤング率は、49
0N/mm2(50kg/mm2)以上が好ましく、68
6/mm2(70kg/mm2)以上がより好ましく、8
82/mm2(90kg/mm2)以上が特に好ましく、
980/mm2(100kg/mm2)以上が最も好まし
い。
【0163】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層とフレキシブルシート層との間に積層されるアルミ
ニウム箔は、厚さが5〜20μm、好ましくは6〜16
μm、特に好ましくは6.5〜12μm、最も好ましく
は6.5〜9μmである。5μm未満では、ピンホール
の発生が多く高防湿性確保が困難であり、製造適性もな
く高価である。20μmを超えても性能向上がなく、高
価になるだけである。
【0164】遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層とフレキシブルシート層との間に積層される二軸延
伸ポリアミド樹脂フィルム層に使用するポリアミド樹脂
(一般には、ナイロン樹脂と呼ばれている)を、重合様
式により分類した代表例を以下に示す。 (1) ラクタムの開環重合 ポリアミド6樹脂、ポリアミド12樹脂 (2) アミノカルボン酸の重縮合 ポリアミド11樹脂 (3) ジアミンとジカルボン酸の重縮合 ポリアミド6−6樹脂、ポリアミド6−10樹脂、ポリ
アミド6−12樹脂、ポリアミドMXD6樹脂 (4) ポリアミド3樹脂、ポリアミド4樹脂、ポリアミ
ド4−6樹脂、ポリアミド7樹脂、ポリアミド9樹脂等
【0165】以上のようなポリアミド樹脂の中で、安価
でフィルム成形適性、物理強度(ヤング率、耐ピンホー
ル性、破袋強度等)が優れているので、ポリアミド6樹
脂とポリアミド6−6樹脂が好ましい。
【0166】二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層の厚さ
は、7〜20μmが好ましく、8〜19μmがより好ま
しく、9〜18μmが特に好ましく、10〜17μmが
最も好ましい。厚さが7μm未満であると、十分な物理
強度を得ることができず、ピンホールや破袋が発生する
おそれがある。また、20μmを超えると、高価になり
しかも嵩張り、かつ柔軟性に欠けるようになる。
【0167】以上のような遮光性・滑性ポリオレフィン
樹脂系フィルム層、フレキシブルシート層、アルミニウ
ム箔および二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層は接着剤
層で積層されており、この接着剤層は、各種の公知の接
着剤層を必要特性に合わせて用いることができる。この
接着剤層に用いられる接着剤としては、各種ポリエチレ
ン(LDPE、L−LDPE、MDPE、HDPE)樹
脂、各種ポリプロピレン樹脂、等のポリオレフィン系熱
可塑性樹脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアク
リレート共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エチ
レン−アクリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酸
変性エチレン系樹脂、酸変性プロピレン系樹脂、酸変性
プロピレン・α−オレフィン共重合体樹脂、酸変性エチ
レン共重合体樹脂等の特殊な熱可塑性樹脂の熱溶融型接
着剤(エクストルージョンラミネート型接着剤)があ
る。その他熱溶融型ゴム系接着剤があり、溶液状接着剤
としてはウェットラミネート用接着剤があり、エマルジ
ョン、ラテックス状の接着剤である。エマルジョン型接
着剤の代表例としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−
エチレン共重合物、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共
重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、ア
クリル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエ
マルジョンがある。ラテックス型接着剤の代表例として
は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アク
リロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴ
ム(CR)等のゴムラテックスがある。また、ドライラミ
ネート用接着剤としては、加工技術研究会が1995年
10月30日に発行した「プラスチックフィルム・レジ
ン材料総覧‘95」の859〜862頁等に記載されて
いるように二液硬化型、溶剤型、無溶剤型、水性型、二
液溶剤型、一液無溶剤型、二液無溶剤型、エマルジョン
型等があり、アクリル系接着剤、ポリエーテル系接着
剤、ポリエーテル系とポリウレタン系の混合接着剤、ポ
リエステル系とポリウレタン系の混合接着剤、ポリエス
テル系とイソシアネート系の混合接着剤、芳香族ポリエ
ステル系接着剤、脂肪族ポリエステル系接着剤、芳香族
ポリエーテル系接着剤、脂肪族ポリエーテル系接着剤、
ポリエステル系接着剤、イソシアネート系接着剤、ポリ
ウレタン系接着剤等がある。この中では、二液溶剤型の
ポリウレタン系接着剤が特に好ましい。乾燥厚さは0.
5〜8μm、好ましくは1〜5μmである。その他パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体樹脂、粘着付与樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体樹脂等をブレンドしたホットメルト
ラミネート型接着剤、感圧型接着剤、感熱型接着剤等公
知の接着剤を用いることができる。
【0168】最近、上記ドライラミネート用接着剤の公
害対策を目的とした1液型のノンソルベントタイプのド
ライラミネート用接着剤が写真性に悪影響を及ぼすこと
もないので本発明では好ましい。このドライラミネート
用接着剤は、ポリウレタン系接着剤を主成分としている
もので、塗布量を最低限にするために3000CPS以
下の低粘度にする必要から、60〜110℃に加温する
ホットメルト法の一種であり、また、低分子量化と低塗
布量化が必要である。また、ドライラミネート法より高
速化が可能であり、乾燥が簡単(場合により不要)で塗
布量も5g/m2以下、好ましくは3g/m2以下、特に
好ましくは0.3〜2g/m2、最も好ましくは0.5〜
1.5g/m2と非常に少量なので塗布量のコントロー
ル精度が要求されるので3本ロール以上、好ましくは4
本ロール以上の多段ロール塗布方式を用いることが好ま
しい。
【0169】接着剤層として好ましいエクストルージョ
ンラミネート用ポリオレフィン型接着剤は、より具体的
にいえば、各種密度のホモポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、およびエチレン共重合
体(EVA樹脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)樹脂の
他、L−LDPE樹脂の如く、エチレンに一部他のモノ
マー(α−オレフィン)を共重合させたもの、Dupo
nt社の“サーリン”、三井ポリケミカル社の“ハイラ
ミン”等のアイオノマー樹脂(イオン性共重合体)や三井
石油化学(株)の“アドマー”等の酸変性ポリオレフィン
樹脂等の単独および2種以上のブレンド(混合)樹脂等
がある。その他紫外線硬化型接着剤等も最近使われはじ
めた。
【0170】特に、LDPE樹脂、L−LDPE樹脂ま
たはLDPE樹脂とL−LDPE樹脂およびこれらの樹
脂と酸変性ポリオレフィン樹脂のブレンド樹脂が安価
で、環境問題もなく、ラミネート適性も優れているので
好ましい。接着強度を向上させる場合は酸変性ポリオレ
フィン樹脂を1〜50質量%、好ましくは2〜40質量
%、特に好ましくは5〜30質量%ブレンドして用いる
ことが好ましい。また、前記記載樹脂を2種以上ブレン
ドして各樹脂の欠点をカバーした混合(ブレンド)樹脂は
ラミネート適性が優れているので特に好ましい。特にL
DPE樹脂またはL−LDPE樹脂と酸変性ポリオレフ
ィン樹脂を適当量の比率でブレンドすると任意の接着強
度とすることができるので本発明では特に好ましい。
【0171】積層フィルムの層間剥離強度を3.43N
/15mm幅(350g/15mm幅)以上、特に好ま
しくは4.9N/15mm幅(500g/15mm幅)以
上、最も好ましくは5.88N/15mm幅(600g
/15mm幅)以上にして易開封性を良化させるために
は、前記ドライラミネート接着剤や無溶剤型接着剤また
は酸変性ポリオレフィン樹脂を5質量%以上含むエクス
トルージョンラミネート用ポリオレフィン樹脂型接着剤
が特に好ましい。
【0172】アルミニウム箔と二軸延伸ポリアミド樹脂
フィルム層とをドライラミネート接着剤層を介して積層
すると、ピンホールや破れが発生しにくく、柔軟性に優
れ、明室装填用密封・遮光袋として用いた場合は、袋の
引き抜き抵抗力が小さく作業性が優れたものとなる。
【0173】ドライラミネート用接着剤の特徴は以下の
通りである。 1)溶剤に溶かして使用するので基材に対して濡れがよ
い。 2)紙、熱可塑性樹脂フィルム、不織布、合成紙、セロ
ハン等種々の材料に使用できる。 3)安定した反応と強い接着力が得られる。 4)剥離強度を3.92N/15mm幅(400g/1
5mm幅)以上に大きくできるので易開封性が良好であ
る。 5)耐熱性が優れている。 6)反応型なので、主材/硬化剤、および溶剤との混合
後はポットライフ(可能使用時間)がある。 7)固形分塗布量が0.5〜10g/m2、好ましくは
1〜8g/m2、特に好ましくは1.5〜6g/m2と薄
層化可能である。 8)塗布方式としてグラビア方式(スムージングバー併
用)を用い、塗布量を精度よくコントロール可能であ
る。 しかし、完全硬化するまでに30〜65℃で1〜
5日間エージングが必要である。
【0174】上述した各層間の接着強度を向上させるた
めに、接着強度を向上させる各種方法を採用することが
できる。接着強度を向上させる方法を以下に記載する2
つの方法がある。 (1) 基材(遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィル
ム層やフレキシブルシート層、アルミニウム箔、二軸延
伸ポリアミド樹脂フィルム層等)に、薬品処理、コロナ
放電処理、フレーム(火焔)処理、紫外線処理、高周波
処理、グロー放電処理、プラズマ処理、レーザー処理、
混酸処理、オゾン処理、電気誘導加熱処理、サンドブラ
スト処理、プレヒート処理などの表面活性化処理をした
のち、直接接着剤層を塗布して接着力を得る方法。 (2) 一旦これらの表面処理をした後、あるいは表面処
理なしで、アンカーコート層や下塗層を設け、この上に
接着剤層を塗布する方法。
【0175】これらの表面処理は、いずれも、本来は疎
水性であった上記基材表面に多少共、極性基を作らせる
こと、表面の架橋密度を増加させることなどによるもの
と思われ、その結果として接着剤層中に含有される成分
の極性基との親和力が増加すること、ないし接着表面の
堅牢度が増加すること等が考えられる。また、下塗層の
構成としても種々の工夫が行なわれており、第1層とし
て基材とよく接着する層を設け、その上に第2層として
接着剤層とよく接着する親水性の樹脂層を塗布する所謂
重層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する層を
一層のみ塗布する単層法とがある。
【0176】前記(1)の表面処理のうち、コロナ放電
処理は、最もよく知られている方法であり、従来公知の
いずれの方法、例えば特公昭48−5043号、同47
−51905号、特開昭47−28067号、同49−
83767号、同51−41770号、同51−131
576号等に開示された方法により達成することができ
る。放電周波数は50Hz〜5000kHz、好ましく
は5kHz〜数100kHzが適当である。放電周波数
が小さすぎると、安定な放電が得られずかつ被処理物に
ピンホールが生じ、好ましくない。また周波数が高すぎ
ると、インピーダンスマッチングのための特別な装置が
必要となり、装置の価格が大となり、好ましくない。
【0177】被処理物の処理強度に関しては、フレキシ
ブルシート層の代表例のポリエステル樹脂フィルム層、
遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層、二軸延
伸ポリアミド樹脂フィルム層等のプラスチックフィルム
の濡れ性改良のためには、0.01KV・A・分/m2
〜5KV・A・分/m2、好ましくは0.01KVA・
分/m2〜1KV・A・分/m2が適当である。電極と誘
電体ロールギャップクリアランスは0.5〜2.5m
m、好ましくは1.0〜2.0mmが適当である。
【0178】多くの場合、もっとも効果的な表面処理で
あるグロー放電処理は、従来知られているいずれの方
法、例えば特公昭35−7578号、同36−1033
6号、同45−22004号、同45−22005号、
同45−24040号、同46−43480号、米国特
許3,057,792号、同3,057,795号、同
3,179,482号、同3,288,638号、同
3,309,299号、同3,424,735号、同
3,462,335号、同3,475,307号、同
3,761,299号、英国特許997,093号、特
開昭53−129262号等を用いることができる。グ
ロー放電処理条件は、一般に圧力は0.67〜266
6.44パスカル(0.005〜20Torr)、好ま
しくは1.33〜1333.22パスカル(0.01〜
10Torr)、特に好ましくは2.67〜266.6
4パスカル(0.02〜2Torr)である。圧力が低
すぎると表面処理効果が低下し、また圧力が高すぎると
過大電流が流れ、スパークがおこりやすく、危険でもあ
るし、被処理物を破壊する恐れもある。放電は、真空タ
ンク中で1対以上の空間を置いて配置された金属板或い
は金属棒間に高電圧を印加することにより生じる。この
電圧は、雰囲気気体の組成、圧力により色々な値をとり
得るものであるが、通常上記圧力範囲内では、500〜
5000Vの間で安定な定常グロー放電が起こる。接着
性を向上せしめるのに特に好適な電圧範囲は、2000
〜4000Vである。
【0179】その他(1)に記載した各種表面処理につい
て簡単に説明する。 フレーム(火焔)処理…ランニングコストが高く、火災
の危険性がある。 プラズマ処理…アルゴンガス等をプラズマに変換し、接
着面を処理する。物理強度はコロナ放電処理の数倍にな
るが、しかし装置もコストもコロナ放電処理機の数十倍
かかる。 コロナ放電処理…処理可能な基材は紙、各種ポリマーフ
ィルム、シート、アルミニウム箔、アルミニウム真空蒸
着フィルム等である。もっとも多く用いられている安価
で効果の大きい処理である。 サンドブラスト処理…高圧でけい石等を吹きつけて表面
を粗面化する。 化学薬品処理…重クロム酸溶液等で表面処理する。 オゾン処理…オゾンを充填したボックス内で表面処理す
る。エクストルージョンラミネート用の樹脂温度を低下
させても接着強度が向上する。 プレヒート処理…エクストルージョンラミネートさせよ
うとするフレキシブルシートをヒータードラムや熱風等
で加熱処理する。
【0180】前記(1)におけるアンカーコート層に用い
るアンカーコート剤は、ラミネート業界で使用されてい
る接着促進剤または架橋剤を総称してアンカーコート剤
(Anchor Coating Agent)と呼んで
いる。このアンカーコート剤は単なる接着剤と異なり、
化学的に接着する意味で接着剤とは区別してPrime
rあるいはAdhesine Promoter等とも
呼ばれる。 アンカーコート剤の代表例を次に記す。 (1) 有機チタネート(チタン系)アンカーコート剤 Tetra−propyl−titanate−あるい
はTetra−iso−butyl−titanate
を主成分にし、加水分解調製剤としてTetra−st
earyl−titanateを添加して使用する。 (2) ポリエチレンイミン(イミン系)アンカーコート
剤 ポリエチレンイミン(−CH2−CH2−NH−n)の比
較的高重合度のものが用いられる。管理が容易でポット
ライフ(貯蔵寿命)が長いことから特に好ましい。 (3) イソシアネート系アンカーコート剤 イソシアネート基をもったポリマーを単独で用いるもの
(1液型)とOH基をもったポリエステル等と組合せて
用いるもの(2液型)があり、いずれも架橋等の化学反
応を起こし、接着効果があらわれる。欠点はポットライ
フが短く高価。 (4) ポリエステル系およびウレタン系アンカーコート
剤 飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂を酢酸エチル、ト
ルエン等の溶剤に溶かして用いる。 (5) ポリオレフィン系アンカーコート剤 (6) ポリブタジエン系アンカーコート剤等
【0181】アンカーコート層は極薄の厚さで形成する
のがよい。アンカーコート剤のコーティング方法として
はグラビアロールコーティング法、キスロールコーティ
ング法、カーテンコーティング法、バーコーティング
法、リバースロールコーティング法、ダイレクトロール
コーティグ法、エアナイフコーティング法等が利用され
る。
【0182】シート状写真感光材料用包装材料の透湿度
(JIS K 7126の20℃,0%RHに準じる)
は、0.3g/m2・24時間以下が好ましく、0.2
g/m2・24時間以下がより好ましく、0.1g/m2
・24時間以下が最も好ましい。透湿度が0.3g/m2
・24時間を超えると、長期間保存すると写真性に悪影
響を与える。
【0183】特に、化学増感および/または色素増感さ
れている写真感光材料の場合は、湿度や酸素やホルムア
ルデヒドガス等により悪影響を受けるので本発明のシー
ト状写真感光材料用包装材料としては、特に低透湿度確
保できる包装材料を慎重に選択することが重要である。
化学増感および/または色素増感されている写真感光材
料の中でも最も最新の精密化学商品である“熱現像写真
感光材料”は、最も湿度の影響を受けやすいので、透湿
度(JIS Z 0208のB法に準じて測定した値)は
0.2g/m2・24時間以下が好ましく、0.1g/m2
・24時間以下がより好ましく、0.05g/m2・24
時間以下が最も好ましい。従来の写真感光材料では、あ
まり悪影響の少なかった酸素透過度(JIS K 712
6の20℃・90%RHに準じて測定した値)も化学増
感および/または色素増感されている熱現像写真感光材
料では悪影響を受けやすくなるので酸素透過度は3cc
/m2・24時間・気圧以下、好ましくは2cc/m2
24時間・気圧以下、より好ましくは1cc/m2・2
4時間・気圧以下、特に好ましくは0.8cc/m2
24時間・気圧以下、最も好ましくは0.6cc/m2
24時間・気圧以下とする。
【0184】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
の代表例である表6の実施例1〜6は、防湿・酸素バリ
ヤ性の厚さ6.5μmのアルミニウム箔Aと酸素バリヤ
性の優れた厚さ12μmと15μmの二軸延伸ポリアミ
ド樹脂フィルム層AまたはBを具備した層構成を具備し
ているので、透湿度(JIS Z 0208のB法に準じ
て測定した値)は0.1g/m2・24時間以下、酸素透
湿度(JIS K 7126の20℃・90%RHに準じ
て測定した値)は0.8cc/m2・24時間・気圧以
下にいずれも十分に防湿性と酸素バリヤ性を有している
ので、“化学増感および/または色素増感されている湿
度と酸素両方で悪影響を受ける最新・高精密商品である
熱現像写真感光材料(例えば、Xレイフィルムやリス型
フィルム等)”の品質を長期間(1年以上)良好に維持
できる。
【0185】従って、本発明のシート状写真感光材料用
包装材料は、アルミニウム箔の欠点であ物理強度低下を
防止し、破袋強度向上や耐ピンホール性等の物理強度向
上を図るとともに、酸素バリヤ性を向上させて写真感光
材料の写真性を長期間(1年以上)良好に維持するため
にもアルミニウム箔と同時に二軸延伸ポリアミド樹脂フ
ィルム層を具備することが必須である。
【0186】シート状写真感光材料用包装材料の厚さ
は、70〜130μmが好まし、80〜120μmがよ
り好ましく、90〜110μmが特に好ましく、95〜
105μmが最も好ましい。厚さが70μm未満である
と、請求項5記載のコーナーカットをしたシート状写真
フィルムを10〜300枚積重されたシート状写真フィ
ルム包装体であってもピンホールや破袋の発生を防止す
ることは困難である。また、厚さが130μmを超える
と、高価になるだけでなく、嵩張り、かつ柔軟性に欠け
るものとなる。
【0187】シート状写真感光材料用包装材料の破裂強
度(JIS P 8112に準じた測定方法で測定)は、
49N/cm2(5.0kg/cm2)以上が好ましく、5
8.8N/cm2(6.0kg/cm2)以上がより好まし
く、68.6N/cm2(7.0kg/cm2)以上が特に
好ましく、78.4N/cm2(8.0kg/cm2)以上
が最も好ましい。
【0188】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
を適用できる用途について説明する。 (1) 透明、着色または印刷付のレンズ付フィルムユニ
ット包装用の防湿・密封包装袋(特公平7−1380号
公報、特開平3−243946号公報、特開平5−19
7087号公報、特開平7−72593号公報、特開平
8−248573号公報、特開平8−254793号公
報、特開平8−334869号公報、特開平9−157
96号公報、特開平9−54395号公報、特開平9−
120119号公報、特開平9−244187号公報、
特開平9−274288号公報、特開平10−1865
86号公報、特開平10−197994号公報等)。 (2) 透明、着色または印刷付のプラスチック容器入り
の撮影用写真フィルム(JIS 135フィルム、APS
フィルム、マイクロフィルム等)の2本以上を集合包装
する防湿・密封包装袋(特開平8−254793号公報
等)。 (3) 印画紙、印刷製版用フィルム、撮影用カットフィ
ルム、Xレイフィルム、PS版等のシート状写真感光材
料用の防湿・密封・遮光性袋(特公平2−2700号公
報、特公平2−2701号公報、特開平8−25479
3号公報、特開平5−5972号公報等)。 (4) 帯状写真感光材料包装体用遮光性フィルム(特開
平2−72347号公報、特開平6−214350号公
報、実公平5−29471号公報、実公平6−8593
号公報、実公平7−50743号公報、実公平8−10
812号公報、実開昭63−153255号公報等)。 (5) 印画紙、映画用フィルム、マイクロポジフィル
ム、印刷製版用フィルム、熱現像拡散転写紙等のロール
状写真感光材料用防湿密封遮光袋(特開平6−6735
8号公報等)。 (6) 印画紙、写真フィルム等の帯状感光材料の明室装
填包装体用防湿・遮光フィルムまたはリーダーフィルム
(特開昭62−172344号公報、特開平2−723
47号公報、特開平5−72672号公報、特開平5−
216176号公報、特開平6−75341号公報、特
開平6−214350号公報、特開平6−148820
号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−9
2618号公報、特開平8−40468号公報、特開平
10−97030号公報、実公昭56−16608号公
報、実公平6−8593号公報、実公平8−9725号
公報等)。 (7) バルクロール状写真感光材料包装用の防湿・遮光
フィルム(特開平3−53243号公報等)。 (8) インスタントフィルムパック(特開平8−627
82号公報、特開平10−228079号公報、特開平
10−228080号公報等)。 (9) 写真フィルム用遮光紙(米国特許5,790,9
12号明細書、特開昭48−22020号公報、特開昭
50−67644号公報、特開昭52−150016号
公報、特開昭55−140835号公報、特開昭58−
17434号公報、特開昭58−186744号公報、
特開昭59−68238号公報、特開昭60−3572
8号公報、特開昭61−36216号公報、特開昭63
−169642号公報、特開平4−136842号公
報、特開平4−296849号公報、特開平5−281
666号公報、特開平9−80695号公報、特開平9
−152685号公報、特開平9−185151号公
報、特開平10−104803号公報、特開平10−2
54102号公報、特開平10−254103号公報、
特開平10−312042号公報、特開平10−312
043号公報、特開平10−319545号公報、特開
平10−325993号公報、特開平11−38563
号公報等)。 (10) インスタントフィルムパック用遮光袋(特開平1
0−186504号公報、特開平10−221814号
公報、特開平10−228079号公報、特開平10−
228080号公報、特開平10−288810号公
報、特開平10−293359号公報、特開平10−3
01199号公報、特開平10−301248号公報
等)。 (11) 食品、医薬品等の高度な気密性を必要とする物質
の包装袋。
【0189】上述した各種の密封袋は、チューブ状フィ
ルムの底シール袋、上記のような包装材料を使用し、そ
のヒートシール性樹脂層の面を対向して重ね合わせてシ
ール部を形成した二方シール袋、三方シール袋、四方シ
ール袋、ガゼット袋、封筒貼りシール袋、合掌貼りシー
ル袋(ピローシール袋)、ひだ付きシール袋、角底シー
ル袋、その他のヒートシール形態によりヒートシールし
た種々の形態からなる包装袋等がある。
【0190】また、各種の上包み包装にも用いることが
できる。例えば、実公平7−50743号公報、実公平
8−7398号公報、実公平8−9723号公報、実公
平8−9724号公報、実公平8−10812号公報、
特開平6−148820号公報、特開平6−21435
0号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−
287350号公報等に記載の帯状感光材料の明室装填
包装体用防湿遮光フィルムや袋、カートンまたはトレー
の上包み包装、キャラメル型の上包み包装、スナック型
の上包み包装、紙巻きたばこ型の上包み包装、ロール上
包み包装、棒状上包み包装、ひねり上包み包装等があ
り、また、社団法人 日本包装技術協会 1995年7月
1日発行,「包装技術便覧」754頁〜774頁記載の
各種包装体用として使用可能である。
【0191】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
に適用可能な写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カ
ラーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィル
ム、印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、
電算写植フィルムおよびペーパー、カラーまたは白黒ポ
ジフィルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィ
ルム、サーベランスフィルム、映画用フィルム、自己現
像型写真感光材料、直接ポジ型フィルムおよびペーパー
等)(特開平4−136838号公報、特開平4−17
2339号公報、特開平5−113623号公報、特開
平9−325450号公報、特開平10−62901号
公報、特開平10−62903号公報、特開平10−6
2904号公報、特開平10−62905号公報、特開
平10−62906号公報、特開平10−62921号
公報、特開平10−142731号公報等) (2) 熱現像写真感光材料(熱現像カラー感光材料、熱
現像白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公
報、同43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩
写真編(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555
頁およびリサーチ・ティスクロージャー誌 1978年
6月号9頁〜15頁(RD−17029)等に記載され
ているもの。さらに、特開昭59−12431号公報、
同60−2950号公報、同61−52343号公報、
特開平7−13295号公報、同10−62898号公
報、同10−62899号公報、特開平10−1865
67号公報、特開平10−268465号公報、特開平
10−339934号公報、特開平10−52509号
公報等や米国特許第3,457,075号明細書、米国
特許第3,574,627号明細書,米国特許第4,0
42,394号明細書、米国特許第4,584,267
号明細書に記載されている転写方式の熱現像カラー写真
感光材料等)) (3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号
公報等に記載されているフォトサーモグラフィー(感光
・感熱画像形成方法)を用いた記録材料) (4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィル
ム、複写用フィルム、印刷用版材等) (5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン等を含む感光材
料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (6) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スル
フォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光材料、例え
ば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) (7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む写真
感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フィルム、IC用レジスト等) (9) 乾式画像形成材料(支持体上に、内部に少なくと
も光硬化性化合物、光開始剤および色素前駆体を有する
層を有し、該マイクロカプセルを含有する層または隣接
する層に顕色剤を有する特開平11−2884号公報等
に記載されている記録材料)
【0192】特に、Xレイフィルムの明室装填用包装材
料および包装体に適用することが好ましい。例えば、特
登録2679993号、特開平11−237713号、
特公平7−31376号、特登録2572221号、特
開平2−83543号、特公平7−31377号、特開
平7−287329号等に記載されている。
【0193】本発明によるシート状写真感光材料用包装
材料の層構成の特に好ましい代表例を以下に示すが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0194】なお、以下の層構成の例において、/印は
接着剤層を介して積層されていることを、*印は共押出
しにより接着剤層を介さずに直接積層されていることを
示す。また、最外層から最内層の順に記載してある。 (1) フレキシブルシート層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい)/(遮光性物質を含んでいても
含んでいなくてもよい)アルミニウム箔/(遮光性物質
を含んでいても含んでいなくてもよい)二軸延伸ポリア
ミド樹脂フィルム層(遮光性物質を含んでいても含んで
いなてもよい。また、単層でも複数層でもよい)/(遮
光性物質を含んでいても含んでいなくてもよい)遮光性
・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層 (2) フレキシブルシート層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい)/(遮光性物質を含んでいても
含んでいなくてもよい)二軸延伸ポリアミド樹脂フィル
ム層(遮光性物質を含んでいても含んでいなてもよい。
また、単層でも複数層でもよい)/(遮光性物質を含ん
でいても含んでいなくてもよい)アルミニウム箔/(遮
光性物質を含んでいても含んでいなくてもよい)遮光性
・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層 (3) フレキシブルシート層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい)/(遮光性物質を含んでいても
含んでいなくてもよい)二軸延伸ポリアミド樹脂フィル
ム層(遮光性物質を含んでいても含んでいなてもよい。
また、単層でも複数層でもよい)/(遮光性物質を含ん
でいても含んでいなくてもよい)アルミニウム箔/(遮
光性物質を含んでいても含んでいなくてもよい)二軸延
伸ポリアミド樹脂フィルム層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい。また、単層でも複数層でもよ
い)/(遮光性物質を含んでいても含んでいなくてもよ
い)遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層 (4) フレキシブルシート層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい)/(遮光性物質を含んでいても
含んでいなくてもよい)アルミニウム箔/(遮光性物質
を含んでいても含んでいなくてもよい)二軸延伸ポリア
ミド樹脂フィルム層(遮光性物質を含んでいても含んで
いなてもよい。また、単層でも複数層でもよい)/(遮
光性物質を含んでいても含んでいなくてもよい)熱可塑
性樹脂フィルム層(遮光性物質を含んでいても含んでい
なくてもよい)*遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フ
ィルム層 (5) フレキシブルシート層(遮光性物質を含んでいて
も含んでいなてもよい)/(遮光性物質を含んでいても
含んでいなくてもよい)アルミニウム箔/(遮光性物質
を含んでいても含んでいなくてもよい)二軸延伸ポリア
ミド樹脂フィルム層(遮光性物質を含んでいても含んで
いなてもよい。また、単層でも複数層でもよい)/(遮
光性物質を含んでいても含んでいなくてもよい)遮光性
・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム層*熱可塑性樹脂
フィルム層(遮光性物質を含んでいても含んでいなくて
もよい)*遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂系フィルム
【0195】本発明のシート状写真フィルム包装体は、
図1〜図5に示すように上述したようなシート状写真感
光材料用包装材料で形成された防湿遮光袋と、この防湿
遮光袋に収納され10〜300枚積重されたシート状写
真フィルムと、このシート状写真フィルムを保護する当
てボールとを備えるとともに、前記防湿遮光袋の引き抜
き方向と前記シート状写真フィルムの枚葉取出方向が交
差するシート状写真フィルム包装体であって、前記シー
ト状写真フィルムの角が1個以上の円弧状等に代表され
る曲線で形成されている。
【0196】前記シート状写真フィルム包装体が、図7
に示すように単数または複数の状態でオリジナルシール
(開封テープまたはラベル等)と品質表示を有する化粧
個箱に詰められ、輸送適性向上のために図8〜図9に示
すように、さらにこの化粧箱が複数ヶ商品内容を示す印
刷やラベル等を有する段ボール箱に詰めた包装体とする
ことが好ましく、この状態で輸送する。
【0197】また、このようなシート状写真フィルム包
装体は、包装されるシート状写真フィルムが色素増感お
よび/または化学増感されていることが好ましく、この
ような色素増感および/または化学増感されているシー
ト状写真フィルムの場合に、本発明は特に有意義であ
る。
【0198】写真感光材料を構成するハロゲン化銀乳剤
は、必要により他の乳剤とともに支持体上に一層もしく
は二層以上設けることができる。また、支持体の片側に
限らず両面に設けることができる。また、異なる感色性
の乳剤として重層することもできる。本発明におけるハ
ロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例
えば、Xレイ感材、リス型感材、白黒映画用フィルム、
黒白印画紙、電算写植フィルム、電算写植印画紙、マイ
クロフィルム、黒白撮影用ネガフィルムなど)やカラー
写真感光材料(例えば、カラーポジフィルム、カラーネ
ガフィルム、カラー印画紙、カラー反転フィルム等)に
用いることができる。さらに、拡散転写用感光材料(例
えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現
像写真感光材料(黒白、カラー)等にも用いることがで
きる。
【0199】本発明におけるハロゲン化銀写真感光材料
の乳剤層のその他の構成については特に制限はなく、必
要に応じて種々の添加剤を用いることができる。添加す
ることのできる代表的な添加剤としては、化学増感剤、
分光増感剤(色素増感剤)、かぶり防止剤、金属イオン
ドープ剤、ハロゲン化銀溶剤、安定剤、染料、カラーカ
プラー、DIRカプラー、バインダー、硬膜剤、塗布助
剤、増粘剤、乳剤、沈降剤、可塑剤、寸度安定改良剤、
帯電防止剤、蛍光増白剤、滑剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤、散乱または吸収材料、硬化剤、接着防止、写真特
性改良剤(例えば現像促進剤、硬調化剤など)、現像剤
等写真的に有利なフラグメント(現像抑制剤または促進
剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、トナー、
硬膜剤、カブリ防止剤、競争カプラー、化学または分光
増感剤および減感剤)を放出するカプラー、像色素安定
剤、自己抑制現像剤、およびその使用法、また、分光増
感における超増感、分光増感色素のハロゲン受容体効果
や電子受容体効果、かぶり防止剤、安定剤、現像促進剤
または抑制剤の作用、その他、本発明における乳剤の製
造に用いる製造装置、反応装置、攪拌装置、塗布、乾燥
法、露光法(光源、露光雰囲気、露光方法)、そして写
真支持体、微孔性支持体、下塗り層、表面保護層、マッ
ト剤、中間層、ハレーション防止層、AgX乳剤の層構
成および写真処理剤、写真処理方法についてはリサーチ
・デスクロージャー誌,176巻,1978年,12月号
(アイテム17643)、同184巻,1979年,8月号
(アイテム18431)、同134巻,1975年,6
月号(アイテム13452)、プロダクト・ライセンシン
グ インデックス誌,92巻,107〜110(1971
年12月)、特開昭58−113926〜113928
号、同62−3134号、同62−6251号、日化協
月報,1984年,12月号,P18〜27、特開昭62
−219982号、T.H.James,The The
ory of ThePhotographic Pro
cess,Fourth Edission,Macm
illan,New York,1977年、V.L.Z
elikmanet al.著,Making and C
oating PhotographicEmulsi
on(The Focal Press刊,1964年)
等の記載を参考にすることができる。
【0200】ハロゲン化銀乳剤の主要構成成分である感
光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては、塩化銀、臭
化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀お
よびヨウ塩臭化銀乳剤を含んでなることができる。
【0201】感光性ハロゲン化銀は、何れのサイズおよ
び形状の粒子も含有することができる。したがって、感
光性ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、立方八面
体、平板状、球状、棒状等の任意形態を取ることができ
る。本発明用としては、平板状粒子若しくは立方体状粒
子が好ましい。
【0202】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されていなく
ても良いが、化学増感されていることが好ましい。ハロ
ゲン化乳剤の化学増感の方法として、硫黄増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感および貴金属増感の何れを
も単独で用いても、また併用して化学増感してもよい。
【0203】貴金属増感のうち金増感法はその代表的な
もので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴
金属、例えば白金、パラジウム、プラチナ、イリジウ
ム、ロジウム等の錯塩を用いることができる。その具体
例は、特開平7−128768号公報、米国特許第2,
448,060号、英国特許第618,016号などに
記載されている。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含
まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチ
オ硫黄ナトリウム等のチオ硫酸塩、アリルチオ尿素等の
チオ尿素類、チアゾール類、アリルイソチオシアネー
ト、ローダニン類等を用いることができる。還元増感剤
としては、例えばポリアミン類、第1スズ塩等を用いる
ことができる。
【0204】色素増感作用を有する増感色素は、物理熟
成の防止剤、あるいは高pAgでの立方体形成を可能と
する晶癖制御剤として粒子形成工程において使用可能で
あるが、本来は、ハロゲン化銀乳剤の感光可能な放射線
の波長を固有域よりも長波な領域に広げるという目的の
ために使用するものである。増感色素による分光増感を
行わない場合には、立方体の完全率を向上しても写真感
光材料の写真性の改良効果は小さいが、増感色素により
分光増感を行ったとき初めて実質的に完全な立方体を使
用する効果が非常に大きなものとなる。
【0205】ハロゲン化銀乳剤に用いることができる増
感色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、メロシアニン色素および複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ヘミシアニン色素、オキソ
ノール色素等の増感色素である。これらの増感色素に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核、これらの核に脂
環式炭化水素環が融合した核、およびこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキ
サドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール
核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベン
ズイミダゾール核、キノリン核などが適用できる。これ
らの核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0206】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオ
ン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜
6員異節環核を適用することができる。
【0207】これらの色素増感作用を有する増感色素は
単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いても
よく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしば
しば用いられている。その代表例は、米国特許第2,6
88,545号、同同2,977,229号、同3,3
97,060号、同3,522,052号、同3,52
7,641号、同3,617,293号、同3,62
8,964号、同3,666,480号、同3,67
2,898号、同3,679,428号、同3,70
3,377号、同3,769,301号、同3,81
4,609号、同3,837,862号、同4,02
6,707号、英国特許第1,344,281号、同
1,507,803号、特公昭43−4936号、同5
3−12375号、特開昭52−110618号、同5
2−109925号に記載されている。
【0208】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり、4×10-6
〜8×10-3モルで用いることができる。
【0209】ハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セレン増
感、金増感、パラジウム増感または貴金属増感、還元増
感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任
意の工程で施すことができる。2種以上の増感法を組み
合わせることは好ましい。どの工程で化学増感するかに
よって種々のタイプの乳剤を調製することができる。感
光性ハロゲン化銀粒子の内部に化学増感核をうめ込むタ
イプ、感光性ハロゲン化銀粒子表面から浅い位置にうめ
込むタイプがある。ハロゲン化銀乳剤は目的に応じて化
学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ましい
のは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作った場
合である。
【0210】好ましく実施しうる化学増感の一つはカル
コゲン増感と貴金属増感の単独または組合せであり、ジ
ェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフィッ
ク・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977年、
(T.H.James、TheTheory of the
Photographic Process,4the
d,Macmillan,1977)67〜76頁に記
載されるように活性ゼラチンを用いて行うことができる
し、また、リサーチ・ディスクロージャー、120巻、
1974年4月、12008;リサーチ・ディスクロー
ジャー、34巻、1975年6月、13452、米国特
許第2,642,361号、同同3,297,446
号、同3,772,031号、同3,857,711
号、同3,901,714号、同4,266,018
号、および同3,904,415号、並びに英国特許第
1,315,755号に記載されるようにpAg5〜1
0、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、
セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムま
たはこれら増感剤の複数の組合せとすることができる。
貴金属増感においては、金、白金、パラジウム、イリジ
ウム等の貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増
感、パラジウム増感および両者の併用が好ましい。金増
感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、
カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド
等の公知の化合物を用いることができる。パラジウム化
合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好
ましいパラジウム化合物は、R2PdX5またはR2Pd
4で表される。ここでRは水素原子、アルカリ金属原
子またはアンモニウム基を表す。Xはハロゲン原子を表
し塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
【0211】具体的には、K2PdCl4、(NH4)2Pd
Cl5、Na2PdCl4、(NH4)2PdCl4、Li2、P
dCl4、Na2PdCl5またはK2PdBr4が好まし
い。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸塩
あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好ましい。
【0212】硫黄増感剤として、ハイボ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,7
11号、同4,266,018号および同4,054,4
57号に記載されている硫黄含有化合物を用いることが
できる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感する
こともできる。有用な化学増感助剤には、アザインデ
ン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増
感の過程でカブリを抑制し、かつ感度を増大するものと
して知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改質剤
の例は、米国特許第2,131,038号、同3,41
1,914号、同3,554,757号、特開昭58−1
26526号および前述ダフィン著,「写真乳剤化
学」,138〜143頁に記載されている。
【0213】金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀
1モル当たり1×10-4〜1×10 -7モルであり、さら
に好ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パ
ラジウム化合物の好ましい範囲は1×10-3から5×1
-7である。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化
合物の好ましい範囲は5×10-2から1×10-5であ
る。
【0214】ハロゲン化銀粒子に対して使用する好まし
い硫黄増感剤量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1×1
-5〜5×10-7モルである。
【0215】ハロゲン化銀乳剤に対して好ましい増感法
としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知
の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状
金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメ
チルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セ
レノケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用
いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金
属増感あるいはその両方と組み合わせて用いた方が好ま
しい場合がある。
【0216】ハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、粒子形成
後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化学
増感後に還元増感することは好ましい。
【0217】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
も選ぶことができる。また2つ以上の方法を併用するこ
ともできる。還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0218】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物などが公知である。還元増感にはこ
れら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また
2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤
として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボ
ラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合
物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存す
るので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル
当たり10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0219】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性ア
ルカリライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加し
ておき、これらの水溶液を用いて感光性ハロゲン化銀粒
子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増
感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間
添加するのも好ましい方法である。
【0220】写真乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真
性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させる
ことができる。すなわちチアゾール類、例えばベンゾチ
アゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンゾイ
ミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカ
プトベンゾチアゾール類、メルカプトベンゾイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾー
ル類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾー
ル類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)など;メルカプトピリミ
ジン類;メルカプトトリアジン類;たとえばオキサドリ
ンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に
4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)チトラアザイン
デン類)、ペンタアザイデン類などのようなカブリ防止
剤または安定剤として知られた、多くの化合物を加える
ことができる。たとえば米国特許第3,954,474
号、同3,982,947号、特公昭52−28660
号に記載されたものを用いることができる。好ましい化
合物の一つに特開昭63−20842号に記載された化
合物がある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、
粒子形成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、
化学増感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろい
ろな時期に目的に応じて添加することができる。乳剤調
製中に添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発
現する以外に、粒子の晶癖を制御する、粒子サイズを小
さくする、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御
する、色素の配列を制御するなど多目的に用いることが
できる。
【0221】本発明に使用できる各種公知の写真用添加
剤も下記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載
されており、下記の表4に関連する記載箇所を示す。
【0222】
【表4】
【0223】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
を適用するのが好ましいシート状写真フィルムの写真層
について記載する。ハロゲン化銀乳剤層としては黒白用
カラー用何れでもよい。最初にカラーハロゲン化銀写真
感光材料について説明する。写真感光材料は、支持体上
に青感色性層、緑感色性層、赤感色性層のハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも1層が設けられていればよく、ハロ
ゲン化銀乳剤層および非感光性層の層数および層順に特
に制限はない。典型的な例としては、支持体上に、実質
的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲ
ン化銀乳剤層からなる感光性層を少なくとも1つ有する
ハロゲン化銀写真感光材料であり、該感光性層は青色
光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単
位感光性層であり、多層ハロゲン化銀カラー写真感光材
料においては、一般に単位感光性層の配列が、支持体側
から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置
される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であって
も、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたよ
うな設置順をもとりえる。
【0224】前記ハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けても
よい。該中間層には、特開昭61−43748号、同5
9−113438号、同59−113440号、同61
−20037号、同61−20038号明細書に記載さ
れているようなカプラー、DIR化合物等が含まれてい
てもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでい
てもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号、特開昭57−11275
1号、同62−200350号、同62−206541
号、同62−206543号、同56−25738号、
同62−63936号、同59−202464号、特公
昭55−34932号、同49−15495号明細書に
記載されている。ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。
【0225】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643および同No.18716に記載されてお
り、その該当箇所を表5にまとめた。また、使用できる
公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・ディスク
ロージャーに記載されており、下記の表5に関連する記
載箇所を示した。
【0226】
【表5】
【0227】シート状写真フィルムは、前述のRD.N
o.17643の28〜29頁、および同No.187
16の615左欄〜右欄に記載された通常の方法によっ
て現像処理することができる。本発明のハロゲン化銀カ
ラー感光材料には処理の簡略化および迅速化の目的で発
色現像主薬を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色
現像主薬の各種ブレカーサーを用いるのが好ましい。
【0228】本発明のシート状写真感光材料用包装材料
が最も効果を発揮するのは、熱現像写真感光材料の包装
体に用いた場合である。この熱現像写真感光材料は、最
近実用化されたものであり、湿度や酸素ガスの影響を受
けやすい高精密の写真感光材料であり、概要を以下に示
す。
【0229】本発明において熱現像写真感光材料の画像
形成層のバインダーとして用いられるポリマーラテック
スの具体例としては以下のようなものがある。メチルメ
タクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート/2エチル
ヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コ
ポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニ
ルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート
/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテッ
クスなど。また、このようなポリマーは市販もされてい
て、以下のようなポリマーが利用できる。例えばアクリ
ル樹脂の例として、セビアンA−4635,4658
3,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nip
olLx811,814,821,820,857(以
上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂として
は、FINETEX ES650,611,675,850
(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、Wm
S(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン
樹脂としてはHYDRAN AP10,20,30,40
(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂とし
てはLACSTAR7310K,3307B,4700
H,7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Ni
pol Lx416,410,438C,2507(以上
日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としてはG3
51,G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニ
リデン樹脂としてはL502,L513(以上旭化成工
業(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパールS
−120,SA100(以上三井石油化学(株)製)など
を挙げることができる。これらのポリマーは単独で用い
てもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用いて
も良い。
【0230】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は全バインダーの50wt%以上が
上記ポリマーラテックスであることが好ましく、70w
t%以上が上記ポリマーラテックスであることがさらに
好ましい。
【0231】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液には必要に応じて全バインダーの5
0wt%未満の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加しても良
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30wt%以下が好ましい。
【0232】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は水系であることが好ましい。ただ
し、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の
30wt%以上が水であることをいう。塗布液の水以外
の成分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性
の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の
例としては以下のようなものがある。水/メタノール=
90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノ
ール=90/10、水/イソプロパノール=90/1
0、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノ
ール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メ
タノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5(ただ
し数字はwt%を表す。)。
【0233】本発明において画像形成層における全バイ
ンダー量は、0.2〜30g/m2が好ましく、より好
ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。画像形成
層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活
性剤などを添加してもよい。
【0234】本発明における感光性ハロゲン化銀の形成
方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチ
ディスクロージャー1978年6月の第17029号、
および米国特許第3,700,458号に記載されている
方法を用いることができる。本発明で用いることのでき
る具体的な方法としては、調製された有機銀塩中にハロ
ゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一
部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンある
いは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物およびハロゲ
ン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀
粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いることがで
きる。本発明において好ましくは後者の方法を用いるこ
とができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好
ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは
0.01μm以上0.15μm以下、さらに好ましくは
0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう
粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八
面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化銀粒子
の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒
子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換
算したときの直径をいう。その他正常晶でない場合、た
とえば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀
粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0235】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:
1がよい。さらに、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸ま
った粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲ
ン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については
特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光
増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが
好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、6
5%以上がより好ましく、80%以上がさらに好まし
い。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着に
おける{111}面と{100}面との吸着依存性を利
用したT.Tani;J.Imaging Sci.,2
9,165(1985年)に記載の方法により求めること
ができる。感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては
特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭化
銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであっても良い
が、本発明においては臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を好
ましく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化銀
であり、ヨウ化銀含有率は0.1モル%以上40モル%
以下が好ましく、0.1モル%以上20モル%以下がよ
り好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一
であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化した
ものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい
が、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高い
ヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好まし
くはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用い
ることができる。構造としては好ましくは2〜5重構
造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を
用いることができる。
【0236】本発明において感光性ハロゲン化銀粒子
は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、イ
リジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の
錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対し1nモルから10mモルの範囲が好まし
く、10nモルから100μモルの範囲がより好まし
い。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225
449号等に記載された構造の金属錯体を用いることが
できる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属
錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、
フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサ
シアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の
含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよ
く、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に
制限はない。
【0237】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが、本発明においては脱
塩してもしなくてもよい。
【0238】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感
法としては当業界でよく知られているように硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができ
る。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好まし
く用いられる化合物としては公知の化合物を用いること
ができるが、特開平7−128768号等に記載の化合
物を使用することができる。テルル増感剤としては例え
ばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テルリ
ド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテルリ
ド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビス(カ
ルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有する化合
物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテルロカ
ルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テルリド
類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロスルホ
ナート類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘテロ
環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合物、コ
ロイド状テルルなどを用いることができる。貴金属増感
法に好ましく用いられる化合物としては例えば塩化金
酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチオシ
アネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特許
2,448,060号、英国特許618,061号など
に記載されている化合物を好ましく用いることができ
る。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン
酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミ
ノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラ
ン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いる
ことができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAg
を8.3以下に保持して熟成することにより還元増感す
ることができる。また、粒子形成中に銀イオンのシング
ルアディション部分を導入することにより還元増感する
ことができる。
【0239】本発明において感光性ハロゲン化銀の使用
量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀
0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02
モル以上0.3モル以下がより好ましく、0.03モル
以上0.25モル以下が特に好ましい。別々に調製した
感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法および混合条
件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子
と有機銀塩を高速攪拌機やボールミル、サンドミル、コ
ロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方
法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミン
グで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀
塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現
れる限りにおいては特に制限はない。
【0240】本発明においてハロゲン化銀調製法として
は、有機銀塩の一部の銀を有機または無機のハロゲン化
物でハロゲン化するいわゆるハライデーション法も好ま
しく用いられる。ここで用いる有機ハロゲン化物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、N−ハロゲノイミド(N−
ブロモスクシンイミドなど)、ハロゲン化4級窒素化合
物(臭化テトラブチルアンモニウムなど)、ハロゲン化
4級窒素塩とハロゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジ
ニウム)などが挙げられる。無機ハロゲン化合物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、ハロゲン化アルカリ金属ま
たはアンモニウム(塩化ナトリウム、臭化リチウム、沃
化カリウム、臭化アンモニウムなど)、ハロゲン化アル
カリ土類金属(臭化カルシウム、塩化マグネシウムな
ど)、ハロゲン化遷移金属(塩化第2鉄、臭化第2銅な
ど)、ハロゲン配位子を有する金属錯体(臭化イリジウ
ム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウムなど)、
ハロゲン分子(臭素、塩素、沃素)などがある。また、
所望の有機無機ハロゲン化物を併用しても良い。
【0241】本発明でハライデーションする際のハロゲ
ン化物の添加量としては有機銀塩1モル当たりハロゲン
原子として1mモル〜500mモルが好ましく、10m
モル〜250mモルがさらに好ましい。
【0242】本発明における感光性ハロゲン化銀は増感
色素で分光増感されてもよい。
【0243】本発明において増感色素としてはハロゲン
化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀
粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでも良
い。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソ
ノール色素等を用いることができる。本発明に使用され
る有用な増感色素は例えばRESEARCHDISCL
OSURE Item 17643IV−A項(1978
年12月,p.23)、同Item 1831X項(19
79年8月,p.437)に記載もしくは引用された文
献に記載されている。特に各種レーザーイメージャー、
スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光源の分
光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択
することができる。
【0244】赤色光への分光増感の例としては、He−
Neレーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわ
ゆる赤色光源に対しては、特開昭54−18726号に
記載のI−1からI−38の化合物、特開平6−753
22号に記載のI−1からI−35の化合物および特開
平7−287338号に記載のI−1からI−34の化
合物、特公昭55−39818号に記載の色素1から2
0、特開昭62−284343号に記載のI−1からI
−37の化合物および特開平7−287338号に記載
のI−1からI−34の化合物などが有利に選択され
る。
【0245】750〜1400nmの波長領域の半導体
レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、ス
チリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ルおよびキサンテン色素を含む種々の既知の色素によ
り、スペクトル的に有利に増感させることができる。有
用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾ
リン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核など
の塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシ
アニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加え
て、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジ
ンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、
チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核
などの酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニ
ン色素において、イミノ基またはカルボキシル基を有す
るものが特に効果的である。例えば、米国特許3,76
1,279号、同3,719,495号、同3,877,9
43号、英国特許1,466,201号、同1,46
9,117号、同1,422,057号、特公平3−1
0391号、同6−52387号、特開平5−3414
32号、同6−194781号、同6−301141号
に記載されたような既知の色素から適当に選択してよ
い。
【0246】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62−58239号、
同3−138638号、同3−138642号、同4−
255840号、同5−72659号、同5−7266
1号、同6−222491号、同2−230506号、
同6−258757号、同6−317868号、同6−
324425号、特表平7−500926号、米国特許
5,541,054号に記載された色素)、カルボン酸基
を有する色素(例としては特開平3−163440号、
同6−301141号、米国特許5,441,899号
に記載された色素)、メロシアニン色素、多核メロシア
ニン色素や多核シアニン色素(特開昭47−6329
号、同49−105524号、同51−127719
号、同52−80829号、同54−61517号、同
59−214846号、同60−6750号、同63−
159841号、特開平6−35109号、同6−59
381号、同7−146537号、同7−146537
号、特表平55−50111号、英国特許1,467,
638号、米国特許5,281,515号に記載された
色素)が挙げられる。
【0247】また、J−bandを形成する色素として
米国特許5,510,236号、同3,871,887
号の実施例5記載の色素、特開平2−96131号、特
開昭59−48753号が開示されており、本発明に好
ましく用いることができる。
【0248】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure,176巻,
17643(1978年12月発行),第23頁,IV
のJ項、あるいは特公昭49−25500号、同43−
4933号、特開昭59−19032号、同59−19
2242号等に記載されている。
【0249】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール、 2,2,2−トリフルオロエ
タノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メト
キシ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もし
くは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0250】また、米国特許3,469,987号明細書
等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤に
溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散し、
この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−23
389号、同44−27555号、同57−22091
号等に開示されているように、色素を酸に溶解し、該溶
液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて水
溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許3,822,
135号、同4,006,025号明細書等に開示されて
いるように界面活性剤を共存させて水溶液あるいはコロ
イド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭
53−102733号、同58−105141号に開示
されているように親水性コロイド中に色素を直接分散さ
せ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭51−
74624号に開示されているように、レッドシフトさ
せる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤中へ添
加する方法を用いることもできる。また、溶液に超音波
を用いることもできる。
【0251】本発明に用いる増感色素を本発明のハロゲ
ン化銀乳剤中に添加する時期は、これまで有用であるこ
とが認められている乳剤調製のいかなる工程中であって
もよい。例えば米国特許2,735,766号、同3,6
28,960号、同4,183,756号、同4,225,
666号、特開昭58−184142号、同60−19
6749号等の明細書に開示されているように、ハロゲ
ン化銀の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱
塩工程中および/または脱塩後から化学熟成の開始前ま
での時期、特開昭58−113920号等の明細書に開
示されているように、化学熟成の直前または工程中の時
期、化学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前
ならばいかなる時期、工程において添加されてもよい。
また、米国特許4,225,666号、特開昭58−76
29号等の明細書に開示されているように、同一化合物
を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例
えば粒子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完
了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後
とに分けるなどして分割して添加してもよく、分割して
添加する化合物および化合物の組み合わせの種類を変え
て添加してもよい。
【0252】本発明における増感色素の使用量としては
感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが
好ましく、10-4〜10-1モルがさらに好ましい。
【0253】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利にな
ることがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モ
ルあたりの0.1〜50モル%の量含まれることが好ま
しく、0.5〜20モル%含まれることがさらに好まし
い。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように
誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0254】有機銀塩を利用した熱現像写真感光材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号、同
47−10282号、同49−5019号、同49−5
020号、同49−91215号、同49−91215
号、同50−2524号、同50−32927号、同5
0−67132号、同50−67641号、同50−1
14217号、同51−3223号、同51−2792
3号、同52−14788号、同52−99813号、
同53−1020号、同53−76020号、同54−
156524号、同54−156525号、同61−1
83642号、特開平4−56848号、特公昭49−
10727号、同54−20333号、米国特許3,0
80,254号、同3,446,648号、同3,782,
941号、同4,123,282号、同4,510,236
号、英国特許1,380,795号、ベルギー特許84
1,910号などに開示されている。色調剤の例は、フ
タルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシ
ンイミド、ピラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノ
ン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4−チアゾリ
ジンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例え
ば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバ
ルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロア
セテート);3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト
−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールおよび
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールに例
示されるメルカプタン;N−(アミノメチル)アリール
ジカルボキシイミド(例えば、(N,N−ジメチルアミノ
メチル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノ
メチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミ
ド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウ
ム誘導体およびある種の光退色剤(例えば、N,N−ヘ
キサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチル
ピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス
(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)および2−
トリブロモメチルスルホニル)−(ベンゾチアゾー
ル));ならびに3−エチル−5[(3−エチル−2−
ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−
2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノ
ン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒ
ドロ−1,4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタラ
ジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチ
ルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無
水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フタラジン
誘導体もしくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フタ
ラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシフ
タラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジンなどの誘導
体;フタラジンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、
4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラ
クロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリンジオ
ン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘導体;
色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化銀生成
のためのハライドイオンの源としても機能するロジウム
錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸アンモニウ
ム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロロロ
ジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および過硫
酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過酸化
水素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオン、8−
メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオンお
よび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジ
オンなどのベンズオキサジン−2,4−ジオン;ピリミ
ジンおよび不斉−トリアジン(例えば、2,4−ジヒドロ
キシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミノピリミジ
ンなど)、アザウラシル、およびテトラアザペンタレン
誘導体(例えば、3,6−ジメチルカプト−1,4−ジフ
ェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テトラアザペ
ンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフェニル)−
3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,5,6a−
テトラアザペンタレン)などがある。
【0255】本発明において色調剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0256】本発明におけるハロゲン化銀乳剤または/
および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体によって、付加的なかぶりの生成に対してさらに
保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定
化することができる。単独または組合せて使用すること
ができる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆
体は、米国特許第2,131,038号および同第2,
694,716号に記載のチアゾニウム塩、米国特許第
2,886,437号および同第2,444,605号
に記載のアザインデン、米国特許第2,728,663
号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号に記
載のウラゾール、米国特許第3,235,652号に記載
のスルホカテコール、英国特許第623,448号に記
載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾール、米国特
許第2,839,405号に記載の多価金属塩、米国特許
第3,220,839号に記載のチウロニウム塩、ならび
に米国特許第2,566,263号および同第2,59
7,915号に記載のパラジウム、白金および金塩、米
国特許第4,108,665号および同第4,442,20
2号に記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第4,
128,557号および同第4,137,079号、第4,
138,365号および同第4,459,350号に記載
のトリアジンならびに米国特許第4,411,985号に
記載のリン化合物などがある。
【0257】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−11
9624号、同50−120328号、同51−121
332号、同54−58022号、同56−70543
号、同56−99335号、同59−90842号、同
61−129642号、同62−129845号、特開
平6−208191号、同7−5621号、同7−27
81号、同8−15809号、米国特許第5,340,7
12号、同5,369,000号、同5,464,737号
に開示されているような化合物が挙げられる。
【0258】本発明においてカブリ防止剤は、溶液、粉
末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよ
い。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボー
ルミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、
固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0259】本発明を実施するために必要ではないが、
乳剤層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加えること
が有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩
は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使用する
水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当たり好ま
しくは1nモル〜1mモル、さらに好ましくは10nモ
ル〜100μmモルの範囲である。
【0260】本発明における熱現像写真感光材料は高感
度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有しても
良い。本発明において安息香酸類はいかなる安息香酸誘
導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許
4,784,939号、同4,152,160号、特願平
8−151242号、同8−151241号、同8−9
8051号などに記載の化合物が挙げられる。本発明に
おいて安息香酸類は感光材料のいかなる部位に添加して
も良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添
加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加すること
がさらに好ましい。本発明において安息香酸類の添加時
期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、
有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗
布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後か
ら塗布直前が好ましい。本発明において安息香酸類の添
加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方
法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤な
ど他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本
発明において安息香酸類の添加量としてはいかなる量で
も良いが、銀1モル当たり1μモル以上2モル以下が好
ましく、1mモル以上0.5モル以下がさらに好まし
い。
【0261】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。
【0262】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−Sm、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択され
るものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香化合物
としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メ
ルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾ
ール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2,2'−ジチオビス−(ベンゾチアゾール、3−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニ
ル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダ
ゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、
2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリ
フルオロメチル−4−キノリンチオール、2,3,5,
6−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ
−6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒド
レート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チア
ジアゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−
トリアゾール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミ
ジン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−
2−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチ
ルピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フ
ェニル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4
−フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明は
これらに限定されない。
【0263】これらのメルカプト化合物の添加量として
は乳剤層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの
範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.01〜0.3モルの量である。
【0264】本発明における感光性層には、可塑剤およ
び潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第
2,960,404号に記載された種類のグリセリンお
よびジオール)、米国特許第2,588,765号およ
び同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエス
テル、英国特許第955,061号に記載のシリコーン
樹脂などを用いることができる。
【0265】本発明は、超硬調画像形成のため超硬調化
剤を用いることができる。例えば、米国特許第5,46
4,738号、同5,496,695号、同6,512,4
11号、同5,536,622号、日本特許特願平7−
228627号、同8−215822号、同8−130
842号、同8−148113号、同8−156378
号、同8−148111号、同8−148116号に記
載のヒドラジン誘導体、あるいは、日本特許特願平8−
83566号に記載の四級窒素原子を有する化合物や米
国特許第5,545,515号に記載のアクリロニトリ
ル化合物を用いることができる。化合物の具体例として
は、前記米国特許第5,464,738号の化合物1〜
10、同5,496,695号のH−1〜H−28、特
願平8−215822号のI−1〜I−86、同8−1
30842号のH−1〜H−62、同8−148113
号の1−1〜1−21、同8−148111号の1〜5
0、同8−148116号の1〜40、同8−8356
6号のP−1〜P−26、およびT−1〜T−18、米
国特許第5,545,515号のCN−1〜CN−13
などが挙げられる。
【0266】また、本発明は超硬調画像形成のために、
前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用すること
ができる。例えば、米国特許第5,545,505号に記
載のアミン化合物、具体的にはAm−1〜Am−5、同
5,545,507号に記載のヒドロキサム酸類、具体的
にはHA−1〜HA−11、同5,545,507号に記
載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN−
13、同5,558,983号に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA−1〜CA−6、日本特許特願平8
−132836号に記載のオニューム塩類、具体的には
A−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−1
4などを用いることができる。
【0267】これらの超硬調化剤、および硬調化促進剤
の合成方法、添加方法、添加量等は、それぞれの前記引
用特許に記載されているように行うことができる。
【0268】本発明における画像形成材料は画像形成層
の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができ
る。
【0269】本発明において表面保護層のバインダーと
してはいかなるポリマーでもよいが、カルボン酸残基を
有するポリマーを100mg/m2以上5g/m2以下含
むことが好ましい。ここでいうカルボキシル残基を有す
るポリマーとしては天然高分子(ゼラチン、アルギン酸
など)、変成天然高分子(カルボキシメチルセルロー
ス、フタル化ゼラチンなど)、合成高分子(ポリメタク
リレート、ポリアクリレート、ポリアルキルメタクリレ
ート/アクリレート共重合体、ポリスチレン/ポリメタ
クリレート共重合体など)などがあげられる。該ポリマ
ーのカルボキシ残基の含有量としてはポリマー100g
当たり10mmol以上1.4mol以下であることが
好ましい。また、カルボン酸残基はアルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩を
形成してもよい。
【0270】本発明において表面保護層としては、いか
なる付着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例
としては、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラス
トマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタ
ジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースプロピオネートやこれらの混合物などが
ある。また、表面保護層には架橋のための架橋剤、塗布
性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0271】本発明における画像形成層もしくは画像形
成層の保護層には、米国特許第3,253,921号、
同第2,274,782号、同第2,527,583号およ
び同第2,956,879号に記載されているような光
吸収物質およびフィルター染料を含む写真要素において
使用することができる。また、例えば米国特許第3,2
82,699号に記載のように染料を媒染することがで
きる。フィルター染料の使用量としては露光波長での吸
光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に好
ましい。
【0272】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された内容の要旨を変更しな
い範囲において全て含むものである。
【0273】[実施例1〜6および比較例1〜5]上記
層構成の内、(1)に示す7層構成からなるシート状写真
感光材料用包装材料を製造した。
【0274】実施例1〜6および比較例1〜5の特性を
比較した結果を表6に示す。なお、表6中の各タイトル
の詳しい内容は以下の通りである。 <遮光性物質A>ナフサを原料とするエチレンボトム油
を用いて1250〜1600℃の炉中で製造したpHが
8.0、平均粒子径が20nm(=mμ)、揮発分が
0.6%、硫黄成分含有量が0.05%、遊離硫黄含有
量が20ppm以下のファーネスカーボンブラック <遮光性物質B>チャンネル法で製造したpHが3.
5、平均粒子径が22nm(=mμ)、DBP吸油量が
120cc/100g、揮発分が12%、硫黄成分含有
量が2.7%、遊離硫黄含有量が500ppm以上のチ
ャンネルカーボンブラック <滑剤A>エルカ酸アミド <滑剤B>ステアリン酸カルシウム <酸化防止剤A>融点が110℃以上のヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤 <エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂A>MFRが
2.0g/10分、密度が0.920g/cm3のエチレ
ン・4−メチルペンテン−1共重合体樹脂 <ポリオレフィン樹脂A>MFRが2.4g/10分、
密度が0.921g/cm3のホモポリエチレン樹脂 <フレキシブルシート層A>滑り角度が19度の厚さ9
μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム <フレキシブルシート層B>滑り角度が13度の厚さ1
2μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム <フレキシブルシート層C>滑り角度が50度の厚さ1
2μmの二軸延伸ポリエステル樹脂フィルム <接着剤層A>MFRが4.5g/10分、密度が0.
918g/cm3の厚さ13μmのホモポリエチレン樹
脂のエクストルージョンラミネート接着剤層 <接着剤層B>ホモポリエチレン樹脂80質量%と、不
飽和カルボン酸グラフト変性ポリエチレン樹脂20質量
%の混合樹脂からなる厚さ13μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層 <接着剤層C>ドライラミネート接着剤層 <アルミニウム箔A>厚さ6.5μmの軟質アルミニウ
ム箔 <二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層A>厚さ15μm
の二軸延伸ナイロン6樹脂フィルム <二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層B>厚さ12μm
の二軸延伸ナイロン6樹脂フィルム <アルミニウム蒸着フィルム層A>厚さ10μmのアル
ミニウム真空蒸着(蒸着厚さ400Å)二軸延伸ポリエ
ステル樹脂フィルム
【0275】以上の各材料を表6の内容に構成したシー
ト状写真感光材料およびそれを用いたシート状写真感光
材料包装体について各特性を比較した。結果を表6に示
す。
【0276】
【表6】
【0277】A<写真性> シート状写真感光材料用包装材料を用いて作成した防湿
・遮光袋にカラー印画紙をヒートシール方法により密封
包装後、温度40℃、相対湿度80%の恒温・恒湿室に
3日間放置した後、通常の現像処理を行った時のタイプ
(ブランク)とのカブリ、感度、階調、発色等の写真性
変化の大きさより評価 なお、評価を以下に示す。 ○:優れている ●:実用限度 ▲:改良必要 ×:問題有、実用不可 B<透湿度> JIS Z 0208のB法に準じて測定した。 C<破裂強度> JIS P 8112に準じて測定した。 D<ポリオレフィン樹脂系フィルム層同士の滑り角度> 傾斜角度法で測定した(滑り始める時の角度 tan
o) E<引き抜き抵抗値> B4サイズを150枚積重したXレイフィルムを図4の
ように防湿遮光袋で密封包装した状態から防湿遮光袋を
引き抜く時の抵抗値をバネ秤で測定した。 F<破袋強度> JIS Z−0200−1973のレベルIIに準ずる。
シート状写真フィルムを三方シール袋に開口部より挿入
後開口部をヒートシールした包装体をボール箱に入れ
(質量7kg)。このボール箱5箱をさらに段ボールに
入れた包装形態(質量35kg)でテストして評価
【0278】[実施例7]シート状写真フィルム包装体
としてのXレイフィルムの明室装填包装体を以下に示す
手順で製造した。
【0279】まず、図1に示すように、二軸延伸ポリエ
ステル樹脂フィルムにXレイ用感光層を塗設したB4サ
イズ(257×364mm)の4角をコーナーカットし
たXレイフィルム1をBC面を上にして150枚積重し
てXレイフィルム1の積重体2を形成し、この積重体2
を、図2に示すように、検出用ノッチを有する白色の多
層構成の板紙からなる当ボール3のヒレ側に収納する。
【0280】次に、図3に示すように、前記実施例1の
シート状写真感光材料用包装材料で形成された防湿遮光
袋4を用い、自動包装機により明室装填用の形態で当ボ
ール3に収納した積重体2を袋詰め包装し、そして、図
4に示すように、防湿遮光袋4の両端部をBC面側に折
り曲げた後、図5に示すように、長短両方の端部にまた
がるようにワッペン5を貼る。なお、加工包装作業は6
0±5%RHで行うとともに、前記当ボール3の含水率
が5%以下になるようにする。これにより、包装袋内の
湿度を、長期間(1年以上)50%RH以下に維持でき
るようになっている。
【0281】このようなXレイフィルム1を収納した包
装袋4を、図6に示すように、ジッパー付化粧箱6(ジ
ッパーは符号7で示す)に詰め、さらに、図7に示すよ
うに、オリジナルシール性確保と開封用のテープ(また
は、レーベル)8および品質表示用レーベル9を貼付す
る。なお、ジッパー付化粧箱6は、材質はE段ボール
(表、裏ライナーは未晒クラフパルプ製,坪量210g
/m2の板紙、中芯のEフルートはセミクラフトパルプ
製,坪量180g/m2の板紙)である。
【0282】そして、図8に示すように、このジッパー
付化粧箱6を5箱段ボール箱10に詰め、図9に示すよ
うに、段ボール箱10のフラップをホットメルト接着剤
で封緘し、商品名、使用期限、製造号、製品略称を表示
する。
【0283】実施例7は、包装袋内の湿度を50%RH
以下に維持することができ、化学増感をした写真フィル
ムであっても、長期間品質を良好に保つことができた。
【0284】以上、実施例7では最も好ましいシート状
写真フィルム包装体について概略を記載したが、本発明
はかかる実施例のみに限定されるものではない。以下に
包装体の代表例を記載する。
【0285】例えば、B4サイズ(257×364mm)
の他のサイズとしては、A4サイズ(210×297m
m)、A3サイズ(297×420mm)、A2サイズ
(420×594mm)、A1サイズ(594×841m
m)、B3サイズ(364×515mm)、B2サイズ
(515×728mm)、B1サイズ(728×1030
mm)、六切サイズ(203×254mm)、四切サイ
ズ(254×305mm)、半切サイズ(356×43
2mm)、全紙サイズ(457×560mm)、大角サ
イズ(355.6×355.6mm)等がある。
【0286】実施例7に記載したXレイフィルム包装体
を富士写真フイルムKKで発売しているデジタルX線画
像診断システム「フジ コンピューティッド ラジオグラ
フィー,略称FCR」の代表的な商品名「FCR300
0」に適用する場合、専用カセットを用いているのでこ
の時のシート状写真フィルム包装体の重量の一例を示す
と、B4サイズ(257×364mm)150枚積重品
の重量は約16kg、大角サイズ(355.6×355.
6mm)150枚積重品の重量は約20kg、半切サイ
ズ(356×432mm)150枚積重品の重量は約2
5kgと非常に重量が大きい。
【0287】従来のシート状写真フィルム包装体のほと
んどが5kg未満の重量であり、二軸延伸ポリアミド樹
脂フィルム層を具備しなくても長期間(1年以上)品質
を良好に維持できたが、輸送中の衝撃で5kg以上の重
量になると破袋やピンホールが多発する。本発明のシー
ト状写真感光材料用包装材料は、破袋やピンホールが発
生しやすいシャープなエッジを有し、かつ5kg以上の
重量の大きなシート状写真感光材料包装体であっても1
00%(完全に)破袋やピンホール等を防止でき、常時
シート状写真感光材料包装体として必要な防湿性、酸素
バリヤ性、遮光性、密封性を確保できるようにしてい
る。
【0288】本発明のシート状写真フィルム包装体が従
来のシート状写真感光材料包装体に比較して顕著な効果
を発揮するので使用するのが好ましい例は、包装体重量
が5kg以上、好ましくは7kg以上、より好ましくは
10kg以上、特に好ましくは15kg以上、最も好ま
しくは20kg以上の時である。
【0289】化粧箱6は、材質がE段ボールであること
がコスト、製品保護性、加工適性、輸送コスト、容器・
包装リサイクル適性、印刷適性等、総合評価の結果で好
ましく、表・裏ライナーの繊維長さは1.5〜6.5mm
が好ましく、繊維径は15〜60μmが好ましく、坪量
は150〜350g/m2の多層構成(少なくとも表面
層、中間層、裏面層の3層からなるものが好ましく、中
間層が2層以上で構成された4層以上の板紙が品質が良
好なのでさらに好ましい)が好ましい。中芯(Eフルー
ト)の坪量は120〜270g/m2が好ましい。
【0290】
【発明の効果】本発明は、以上のような構成にすること
により、以下に示す効果を有する。 (1) 化学増感や色素増感したシート状写真感光材料で
あっても写真性能を長期間(1年以上)良好に維持でき
る。 (2) 角のエッジがシャープなシート状写真感光材料を
10〜300枚積重した状態で防湿・遮光性密封包装体
の包装、運搬、貯蔵工程で落下した場合でも50cm以
上の高さでも破袋せず、防湿・遮光・密封性を確保で
き、シート状写真感光材料の品質を維持できる。従来品
は10cmの高さから落下すると破袋し、使用不可とな
っていた(二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層を中間層
として具備した効果)。 (3) 明室装填用包装袋として用いた場合は、引き抜き
抵抗力が小さく作業性が優れる。 (4) 柔軟性が優れ、最内層の滑性を非常に大きくした
のでシート状写真感光材料の出し入れがしやすく、包装
時に包装材料にシワや筋や破れが発生しにくい。 (5) 最内層の写真性、滑性、帯電防止性、物理強度、
遮光性、フィルム成形性、ヒートシール適性が優れてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体に用
いるXレイフィルムの積重体の斜視図である。
【図2】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、Xレイフィルムの積重体を当てボールで包んだ状
態の斜視図である。
【図3】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、Xレイフィルムの積重体を当てボールで包んだも
のを防湿遮光袋に詰めた状態の斜視図である。
【図4】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、防湿遮光袋の両端部を折った状態の斜視図であ
る。
【図5】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、防湿遮光袋にワッペンを貼付した状態の斜視図で
ある。
【図6】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、防湿遮光袋をジッパー付化粧箱に詰める状態を示
す斜視図である。
【図7】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、ジッパー付化粧箱に開封テープやラベルを貼付し
た状態の斜視図である。
【図8】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、ジッパー付化粧箱を段ボール箱に収納した状態の
斜視図である。
【図9】 本発明によるシート状写真フィルム包装体の
一実施形態であるXレイフィルムの明室装填包装体にお
いて、段ボール箱を封緘した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1…Xレイフィルム 2…Xレイフィルムの積重体 3…当ボール 4…防湿遮光袋 5…ワッペン 6…ジッパー付化粧箱 7…ジッパー 8…開封用テープやラベル 9…品質表示用レーベル 10…段ボール箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 585 G03C 3/00 585C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 最内層に設けられ遮光性物質と滑剤と酸
    化防止剤とを含有するエチレン・α−オレフィン共重合
    体樹脂を主成分とする遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂
    系フィルム層と、最外層に設けられたフレキシブルシー
    ト層と、これらの遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂層と
    フレキシブルシート層との間に接着剤層を介して積層さ
    れたアルミニウム箔と二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム
    層とを有することを特徴とするシート状写真感光材料用
    包装材料。
  2. 【請求項2】 透湿度が0.3g/m2・24時間以下、
    厚さが70〜130μm、破裂強度が49N/cm
    2(5.0kg/cm2)以上であって、遮光性・滑性ポ
    リオレフィン樹脂系フィルム層同士の滑り角度が20度
    以下である請求項1記載のシート状写真感光材料用包装
    材料。
  3. 【請求項3】 前記二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層
    が遮光性・滑性ポリオレフィン樹脂フィルム層側に、前
    記アルミニウム箔がフレキシブルシート側に設けられる
    とともに、これらの二軸延伸ポリアミド樹脂フィルム層
    とアルミニウム箔とを接着する接着剤層がドライラミネ
    ート接着剤層であり、かつ、二軸延伸ポリアミド樹脂フ
    ィルム層の厚さが7〜20μmである請求項1記載のシ
    ート状写真感光材料用包装材料。
  4. 【請求項4】 前記遮光性物質がエチレンボトム油を原
    料として製造した遊離硫黄含有量が100ppm以下の
    カーボンブラックであり、前記滑剤が脂肪酸アミド系滑
    剤である請求項1記載のシート状写真感光材料用包装材
    料。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3または4記載のシート
    状写真感光材料用包装材料で形成された防湿遮光袋と、
    この防湿遮光袋に収納され10〜300枚積重されたシ
    ート状写真フィルムと、このシート状写真フィルムを保
    護する当てボールとを備えるとともに、前記防湿遮光袋
    の引き抜き方向と前記シート状写真フィルムの枚葉取出
    方向が交差するシート状写真フィルム包装体であって、
    前記シート状写真フィルムの角が円弧状に形成されてい
    ることを特徴とするシート状写真フィルム包装体。
JP30920899A 1999-10-29 1999-10-29 シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体 Pending JP2001125228A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30920899A JP2001125228A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30920899A JP2001125228A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001125228A true JP2001125228A (ja) 2001-05-11

Family

ID=17990237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30920899A Pending JP2001125228A (ja) 1999-10-29 1999-10-29 シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001125228A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6376057B1 (en) Packaging material for photographic photosensitive material
EP0803766B1 (en) Photothermographic material
EP1020760B1 (en) Heat developable image recording material
JP2000352798A (ja) 写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料用包装袋
JP2001142176A (ja) 写真感光材料用成形品
JP3777057B2 (ja) 感光材料用包装材料及びその製造方法並びにそれを用いた感光材料包装体
US6342689B1 (en) Heat developing method for heat developable image recording material
JP2001305699A (ja) 感光材料用包装材料
JP2001125228A (ja) シート状写真感光材料用包装材料およびそれを用いたシート状写真フィルム包装体
JP2001305698A (ja) 感光物質用包装材料
JP4044209B2 (ja) 放射線写真要素
JPH0869075A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2001164046A (ja) 写真感光材料用射出成形品
JP2731939B2 (ja) 写真感光材料用包装材料
JPH06242543A (ja) ハロゲン化銀感光材料
JP2000334897A (ja) 包装材料及びこれを用いた包装体
JP2000098545A (ja) 写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体
JPH03160435A (ja) 感光材料用包装袋
JP2731943B2 (ja) 写真感光材料用包装材料
JP2000162737A (ja) 写真感光材料用包装材料及びそれを用いた写真感光材料包装体
JP3269866B2 (ja) 写真感光材料用遮光袋及びそれを用いた包装体
JP2000221640A (ja) 写真感光材料用包装材料及びその製造方法並びに写真感光材料包装体
JP2001296639A (ja) 写真感光材料用包装材料
JP2001022033A (ja) 感光材料用包装材料およびその製造方法ならびにそれを用いた感光材料包装体
EP1217432B1 (en) Silver halide photographic light-sensitive material and method for processing the same