JP2001142176A - 写真感光材料用成形品 - Google Patents

写真感光材料用成形品

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JP2001142176A
JP2001142176A JP32248899A JP32248899A JP2001142176A JP 2001142176 A JP2001142176 A JP 2001142176A JP 32248899 A JP32248899 A JP 32248899A JP 32248899 A JP32248899 A JP 32248899A JP 2001142176 A JP2001142176 A JP 2001142176A
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photographic
resin
acid
light
mass
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真性に悪影響を及ぼすホルムアルデヒ
ドガスを発生するポリアセタール樹脂を用いても写真性
を悪化させることなく、リサイクル適性、リコース適
性、成形性、物理強度、摺動性が優れ、モールドデポジ
ットと呼ばれる成形機への析出物付着の生成が極めて少
ない写真感光材料用成形品を提供する。 【解決方法】 写真感光材料用成形品がポリアセタール
樹脂、ポリアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒ
ドガスを無害化するホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹
脂、滑剤、酸化防止剤及び遮光性物質を必須構成成分と
して含有するポリアセタール系樹脂組成物で成形されて
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真性、成形性、
物理強度、摺動性が優れ、モールドデポジットと呼ばれ
る成形機への析出物付着の生成が極めて少ないポリアセ
タール系樹脂組成物からなる写真感光材料用成形品に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料用成形品としては、写真フ
ィルムパトローネ、感光性帯材容器、レンズ付きフィル
ムユニット、インスタントフィルムユニット等、各種形
態のものがあり、例えば、特開平1−187547号公
報には、帯状に裁断され、ロール状に巻かれた感光性帯
材、例えば、マイクロフィルム、コンピューターアウト
プット用マイクロフィルム、電算写植用フィルム等、明
室で露光装置に組み込む形態の感光性帯材容器(1kg
以上の重量製品のもの)が提案されている。
【0003】また、特開平2−64533号号公報に
は、光密性カートリッジを装填室に装填して装填蓋を閉
じることによって、光密性カートリッジの開閉蓋を開
け、また装填蓋に設けたロック手段の係止解除操作を行
うことによって開閉蓋を光密に閉じる開閉操作手段を設
けるとともに、フィルム出入り口の形成に連動して光密
性カートリッジ内のフィルムを外部へ引き出す手段とを
設けた光密性カートリッジを使用するカメラが提案され
ている。
【0004】さらに、特開平6−67348号公報に
は、パトローネ本体を構成する樹脂成形部品を超音波溶
着適性に優れた樹脂材料で作り、パトローネ本体と写真
フィルムとが直接接触しない状態を維持したままで樹脂
成形部品を互いに超音波溶着して組み立てられた写真フ
ィルムパトローネが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、写真感光材
料等に用いられる射出成形品は、高光沢外観であること
が高級感があるとされており、ホモタイプのポリスチレ
ン系樹脂、微粒子のブタジエンゴムをグラフト変性した
ゴム含有ポリスチレン系樹脂、ニトリル基とスチレン基
を含有する樹脂等で形成されていた。
【0006】しかしながら、このような樹脂を用いる
と、物理強度の低下、光吸収性が不充分で反射光による
光カブリの発生、射出成形品表面の傷付き、熱劣化や熱
分解時に発生する有害ガス(シアン化水素ガス、ホルム
アルデヒドガスやアセトアルデヒドガス、硫黄化合物ガ
ス等)の発生による写真性の悪化等の問題があった。
【0007】また、前記特開平1−187547号公報
で提案されている感光性帯材容器は、落下強度や遮光性
および寸法精度確保のためニトリル基を含有するABS
樹脂組成物で形成されることが多く、ニトリル基を含有
するABS樹脂組成物で形成されると、シアン化水素ガ
ス等の写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす有害ガス
の発生により写真性が悪化するものであり、特に、金増
感された写真感光材料を透湿度が10g/m2 ・24時
間以下の防湿性包装材料で密封包装された包装体ではさ
らに悪化するものであった。
【0008】前記特開平2−64533号公報で提案さ
れた光密性カートリッジを使用するカメラは、長期間、
かつ世界中で使用されるので、耐摩耗性、耐寒性、耐熱
性、落下強度および寸法精度を確保できるように、ニト
リル基を含有するABS樹脂組成物で形成されており、
このABS樹脂組成物を用いると上述したようにシアン
化水素ガス等により写真性が悪化するものであり、特
に、金増感された写真感光材料が密封包装された包装体
では、写真性がさらに悪化することが判明した。また、
3ヶ月以上写真フィルム入パトローネをカメラ内に入れ
たままの状態(ガスバリヤ性と防湿性が確保されていな
い状態)にすると、写真性がさらに悪化することが判明
した。
【0009】前記特開平6−67348号公報で提案さ
れた写真フィルムパトローネは、シアン化合物含有量が
10ppm/カーボン重量以下のファーネスカーボンブ
ラックを0.01〜10wt%含む樹脂組成物で形成さ
れた場合でも、写真性が悪化することがあった。
【0010】また、特開平5−45801号公報には、
APSフィルムパトローネが提案されており、このAP
Sフィルムパトローネに用いられるディスクは、ポリア
セタール樹脂が写真性に悪影響を及ぼすため実用化不可
と考え、明細書中にも明記されているようにPP、P
E、PS、PC、PVC等の熱可塑性樹脂で形成されて
いるが、上述したような問題点を有していた。
【0011】さらに、特開平10−90839号公報に
は、APSフィルム用パトローネに用いられるディスク
を、高価で寸法精度が劣るので複雑な形状の成形品には
不適当な真空圧空成形により製造する装置が提案されて
おり、このディスクには、明細書中にも明記されている
ように、メルトインデックスが4以下のポリスチレン変
性ポリフェニレンエーテル、ポリアミド変性ポリフェニ
レンエーテル、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等の熱可塑
性樹脂が用いられているが、上述したような問題点を有
していた。
【0012】ところで、ポリアセタール樹脂は、上述し
たような問題点が少なく好ましいものであるが、写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼすホルムアルデヒドガス
が発生するものであった。そこで、特開平4−3456
48号公報には、ポリアセタール系樹脂組成物中にヒド
ラジド化合物を添加することによりホルムアルデヒドガ
スの濃度を低減するポリアセタール系樹脂組成物が提案
されている。
【0013】しかしながら、特開平4−345648号
公報で提案されたポリアセタール系樹脂組成物は、ヒド
ラジド化合物を添加することにより、ホルムアルデヒド
ガスの濃度を低下させることができるので、一般用途で
は優れた特性を有するものである。しかし、写真感光材
料用成形品に用いる場合は、ヒドラジド化合物の副産物
であるヒドラジンが写真感光材料に対して還元剤として
悪作用(写真性を悪化)を及ぼし、実用化困難であった。
【0014】本発明は、これらの問題を解決し、写真性
に悪影響を及ぼすホルムアルデヒドガスを発生するポリ
アセタール樹脂を用いても写真性を悪化させることな
く、リサイクル適性、リコース適性、成形性、物理強
度、摺動性が優れ、モールドデポジットと呼ばれる成形
機への析出物付着の生成が極めて少ない写真感光材料用
成形品を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の写真感光材料用
成形品は、ポリアセタール樹脂、ポリアセタール樹脂か
ら発生するホルムアルデヒドガスを無害化するホルムア
ルデヒド無害化熱可塑性樹脂、滑剤、酸化防止剤および
遮光性物質を必須構成成分として含有するポリアセター
ル系樹脂組成物で成形したことを特徴として構成されて
いる。
【0016】本発明の写真感光材料成形品においては、
酸化防止剤が熱劣化を防止し、ホルムアルデヒドガスの
発生を抑制し、ポリアセタール樹脂から発生したホルム
アルデヒドガスをホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂
が吸着または反応して無害化し、写真性に悪影響を与え
ないようにしている。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の写真感光材料用成形品は
ポリアセタール系樹脂組成物で成形されており、このポ
リアセタール系樹脂組成物は、ポリアセタール樹脂、ポ
リアセタール樹脂から発生するホルムアルデヒドガスを
無害化するホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂、滑
剤、酸化防止剤および遮光性物質を必須構成成分として
含有している。
【0018】ポリアセタール樹脂としては、アセタール
ホモポリマー、アセタールコポリマー、これらの末端を
安定化処理したポリマーがある。
【0019】ポリアセタール樹脂の数平均分子量は、1
〜15万、2〜10万であることが好ましく、2.5〜
9であることがより好ましく、3〜8であることが最も
好ましい。数平均分子量が1万未満であると、写真感光
材料の写真性に悪影響を及ぼすホルムアルデヒドガスの
発生が多く、かつ物理強度も不十分で写真感光材料用成
形品としては実用化不可である。また、数平均分子量が
15万を超えると、樹脂の溶融粘度が大きくなり、高温
度でないと成形が困難になり、この高温成形では熱劣化
が激しく、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすホル
ムアルデヒドガスの発生が多くなり、実用化困難であ
る。
【0020】ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂は、
ポリアセタール樹脂と溶融混練した時に相溶性が良好
で、射出成形品の外観や物理強度を悪化させることが少
なく、かつホルムアルデヒドガスを吸着および/または
反応させ、若しくは希釈させて写真感光材料の写真性に
悪影響を及ぼすことを大幅に減少させる熱可塑性樹脂を
いう。
【0021】ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂とし
ては、各種ポリアミド樹脂(例えば、ナイロン6樹脂、
ナイロン66樹脂、ナイロン66/6二元共重合体樹
脂、ナイロン6/10二元共重合体樹脂、ナイロン66
/10二元共重合体樹脂、ナイロン6/66二元共重合
体樹脂、ナイロン6/12二元共重合体樹脂、ナイロン
6/66/10三元共重合体樹脂、ナイロン6/66/
10/12四元共重合体樹脂、ナイロン66/66/1
0三元共重合体樹脂、ナイロン11樹脂、ナイロン12
樹脂等のラクタム類の単独重合体樹脂または共重合体樹
脂。アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダ
イマ酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テ
トラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタ
キシシリレンシアミンのようなジアミンから誘導される
ポリアミドの単独重合体樹脂または共重合体樹脂、ラク
タム類とジカルボン酸およびジアミンから誘導されるポ
リアミド共重合体樹脂。)、トルエンジイソシアネー
ト、ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシア
ネートと1,4−ブタンジオール等のグリコールおよび
ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール、ポリブチ
レンアジペート、ポリカプロラクトン等の高分子グリコ
ールから誘導されるポリウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、ポリスチレン樹脂、各種ポリオレフィン樹脂(例え
ば、L−LDPE樹脂、EAA樹脂、アイオノマー樹
脂、EEA樹脂、EMA樹脂、EVA樹脂、LDPE樹
脂、MDPE樹脂、HDPE樹脂、ホモPP樹脂、プロ
ピレン・α−オレフィン共重合体樹脂)、各種酸変性熱
可塑性樹脂(例えば、酸変性ポリオレフィン樹脂)、各
種グリシジル変性樹脂、各種水酸其変性樹脂、各種熱可
塑性エラストマー(ポリオレフィン系、ポリスチレン
系、ポリアミド系、ポリウレタン系等)がある。
【0022】前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオ
レフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性し
た変性ポリオレフィン樹脂をいい、例えば、グラフト変
性ポリエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹
脂、グラフト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、
EEA樹脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等があ
る。
【0023】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する不
飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するもの
で、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル
酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロト
ン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−ビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イ
タコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、
マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエス
テル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエチル
エステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミド、マレ
イン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−
N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチル
アミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン
酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フ
マル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノ
ブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フ
マル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジ
ブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アクリル酸
ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウ
ム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−ブチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレニ
ル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、ア
コニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることができ、
相互の混合使用も可能である。なかでもアクリル酸、マ
レイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸が好ましく、特
に無水マレイン酸が好ましい。
【0024】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。これらの方法の
中で押出機を用いる溶融混練法が操作上簡便で、かつ安
価な方法なので好ましい。
【0025】ポリオレフィン樹脂を変性させるための不
飽和カルボン酸類の使用量は、各種熱可塑性樹脂との相
溶性向上、接着強度確保のためポリオレフィン樹脂ベー
スポリマー(各種ポリエチレン樹脂、各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリオレフィン共重合体樹脂、ポリブテン
−1樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレ
フィン共重合体樹脂およびその共重合体樹脂)100質
量部に対して0.01〜20質量部、好ましくは0.0
5〜15質量部、特に好ましくは0.1〜10質量部、
最も好ましくは0.2〜5質量部である。
【0026】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオ
キサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,α'ビス
(t−ブチルパーオキシジイプロピル) ベンゼン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ) ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメン
ヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイドロパーオキ
サイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキ
シラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル) ベンゼ
ン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチル
−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパーオキシマレ
イン酸、イソプロピルパーカーボネート等の有機過酸化
物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過硫
酸アンモニウム等の無機過酸化物等がある。
【0027】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3−
ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンで
ある。
【0028】これらの過酸化物の使用量は、特に制限さ
れないが、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して
0.005〜5質量部が好ましく、0.01〜3.5質
量部がより好ましく、0.015〜2質量部が特に好ま
しく、0.02〜1質量部が最も好ましい。
【0029】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ERRESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBEBOND” (8) 東ソーKK “メルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10) 三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11) エクソン社 “デクソン” (12) 東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13) 三井東圧化学KK “MITSUILONPLY”等
【0030】前記熱可塑性エラストマーとしては、1,
2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーが好まし
く、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマーを
含有させることにより、複数の異なる種類の熱可塑性樹
脂の相溶化を図ることができる。
【0031】以上のようなホルムアルデヒド無害化熱可
塑性樹脂の中で、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリア
ミド樹脂、ポリスチレン樹脂およびこれらのグリシジル
変性樹脂、水酸基変性樹脂または不飽和カルボン酸変性
ポリオレフィン樹脂が、写真性改良効果が大きく、安価
でかつ射出成形性が優れているので好ましい。
【0032】本発明では、写真性改良効果、ポリアセタ
ール樹脂との相溶性、物理強度、成形品の外観向上、成
形性等の総合評価の結果から、特にポリアミド樹脂、酸
変性ポリオレフィン樹脂、1,2−ポリブタジエン系熱
可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーが好まし
い。
【0033】ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂の含
有量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、
0.1〜100質量部、好ましくは0.5〜70質量
部、より好ましくは1〜50質量部、特に好ましくは
1.5〜30質量部、最も好ましくは2〜15質量部で
ある。含有量が0.1質量部未満であると、含有効果が
ほとんどなく混練経費増となるだけであり、100質量
部を超えると、増量効果がほとんどなく、材料費アップ
となるだけである。
【0034】前記ポリアセタール系樹脂組成物には滑剤
が含有されている。滑剤を含有させることにより、樹脂
の流動性が向上し、成形性を良好にするとともに、成形
品の滑性を向上させることができる。
【0035】滑剤としては、ベヘニン酸アミド、ステア
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド
等の飽和脂肪酸アミド系滑剤、エルカ酸アミド、オレイ
ン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド系滑剤、メチレンビ
スベヘニン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミ
ド、メチレンビオオレイン酸アミド、エチレンビスステ
アリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミ
ド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪
酸アミド系滑剤、シリコーン樹脂、非イオン界面活性剤
系滑剤、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワ
ックス、合成パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリ
プロピレンワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボ
ン等の炭化水素系滑剤、高級脂肪酸(C12以上が好ま
しい)等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸の低級アルコールエス
テル、脂肪酸のポリグリコールエステル等のエステル系
滑剤、多価アルコール、ポリグリコール、ポリグリセロ
ール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸、ステアリン
酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸等の高級脂
肪酸とLi、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、A
l、Sn、Pb等の金属との化合物等の脂肪酸金属塩が
ある。これらの滑剤は単独で用いてもよいし、必要によ
っては2種以上を併用しても良い。
【0036】以上のような滑剤の中で、低分子量ポリオ
レフィンワックス、シリコーンオイル、アルキレンジ脂
肪酸アミド、脂肪酸、脂肪酸金属塩およびビス脂肪酸ア
ミドが好ましい。特に、アルキレンジ脂肪酸アミドとビ
ス脂肪酸アミドが好ましく、アルキレンジ脂肪酸アミド
が最も好ましい。
【0037】滑剤の含有量は種類によって異なり、脂肪
酸金属塩等のように写真感光材料の写真性能維持や成形
機の防錆および遮光性物質の分散性向上を主目的とした
滑性効果が小さい滑剤の場合は、ポリアセタール樹脂1
00質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、
0.03〜3質量部がより好ましく、0.05〜1.5質
量部が特に好ましく、0.07〜1質量部が最も好まし
い。含有量が0.01質量部未満であると、添加効果が
なく、混練費用増となるだけである。含有量が5質量部
を超えると、発泡や白煙や筋が発生しやすくなったり、
溶融樹脂と押出し機のスクリューとのスリップが発生し
やすくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。また、成形
後の経時によりベトツキやブリードアウトが発生しやす
くなり写真感光材料に悪影響を及ぼすようになる。
【0038】また、脂肪酸アミド系滑剤、アルキレンジ
脂肪酸アミド系滑剤およびビス脂肪酸アミド系滑剤等の
ように滑性効果は大きいが、ブリードアウトしやすく、
ブリードアウトした物質が付着して現像ムラ等の発生の
ように写真感光材料に悪影響を与える滑剤の場合はポリ
アセタール樹脂100質量部に対して、0.01〜1質
量部が好ましく、0.03〜0.5質量部がより好まし
く、0.05〜0.3質量部が最も好ましい。含有量が
0.01質量部未満であると、添加効果がなく、混練費
用増となるだけである。含有量が1質量部を超えると、
溶融樹脂と押出し機のスクリューとのスリップが発生し
やすくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。また、成形
後の経時によりベトツキやブリードアウトが発生しやす
くなる。さらにまたブリードアウトした滑剤が写真感光
層に転写して現像阻害を発生させ現像ムラや発色ムラ等
の品質故障が発生する。
【0039】また、特開平6−317881号公報の5
頁[0032]〜6頁[0044]等に記載の各種の滑
剤から写真性が良好であり、使用目的に合わせ1種以上
の滑剤を使用目的に合致した量に選択して用いることが
出来る。
【0040】前記シリコーン樹脂の中で、シリコーンオ
イルが以下に記載する効果を有するので好ましい。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくする。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の含有量を
減量しても遮光性を確保できる。
【0041】シリコーンオイルは、25℃での粘度が
5,000〜50,000センチストークスの範囲のも
のが好ましく、7,000〜40,000センチストー
クスの範囲のものがより好ましく、9,000〜35,
000センチストークスの範囲のものが特に好ましく、
10,000〜30,000センチストークスの範囲の
ものが最も好ましい。シリコーンオイルの粘度が5,0
00センチストークス未満であると、未反応の低分子量
の物質が多く、写真性を悪化(被り増加等)させる場合
がある。また、50,000センチストークスを超える
と、粘性が大きく取扱い性が悪く、容器へ付着して取り
出せなくなったり、樹脂の流動性を低下させて成形故障
を発生させることがある。
【0042】シリコーンオイルとしては、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シリコーン、アミド
変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性
シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、αメチルス
チレン変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリ
プロピレングリコールで変性したポリエーテル変性シリ
コーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、エ
ポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含有
したシリコーンオイルである。
【0043】これらのシリコーンオイル中で、写真感光
材料に悪影響を与えることが少なく、滑性効果が大き
く、本発明の写真感光材料用成形品に適用した場合に好
ましいものは、オレフィン変性シリコーン、アミド変性
シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変
性シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコー
ンである。
【0044】シリコーンオイルの含有量は、ポリアセタ
ール樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部で
あり、好ましくは0.2〜8質量部し、より好ましくは
0.4〜6質量部し、特に好ましくは0.5〜4質量
部、最も好ましくは0.6〜3質量部である。シリコー
ンオイルを含有させることにより、ポリアセタール樹脂
の流動性を向上させるとともに、予想外の効果として、
本発明の写真感光材料用成形品に好ましい物理強度を向
上させ、成形品表面の滑性や耐摩耗性を向上させるとと
もに、成形品の表面反射光沢度を低下させ、光反射カブ
リを防止する。さらに、滑性を向上させ、機能アップを
達成することができる。また、遮光性物質と併用すると
遮光性物質の分散性を向上させるとともに、樹脂を白濁
させヘイズ(ASTM D−1003) を大きくさせる結
果、着色力を向上させるとともに、遮光性を向上させる
ことができる。
【0045】本発明の成形品では、シリコーンオイルの
含有量が0.1質量部未満であると、上述した効果を有
効に発揮することができない。また、10質量部を超え
ると、増量効果が発揮されないだけでなく、ブリードア
ウトが多くなり商品価値を低下させる。最も問題なの
は、射出成形時に樹脂組成物とスクリューとのスリップ
発生が多くなり、一定量を射出することが困難になり、
ショートショットが多発し、寸法精度が低下して実用化
困難である。
【0046】以上のようなポリアセタール樹脂とシリコ
ーンオイルとを含有する写真感光材料用成形品は、その
表面反射光沢度(JIS Z 8741に準ずる入射角6
0度、受光角60度で測定)が好ましくは45%以下で
あり、より好ましくは35%以下、特に好ましくは30
%以下、最も好ましくは25%以下である。表面反射光
沢度が45%を超えると、反射光による光カブリが発生
する恐れがある。
【0047】前記ポリアセタール系樹脂組成物には、酸
化防止剤が含有されている。酸化防止剤を含有させるこ
とにより、熱劣化防止、熱分解防止効果を大きくして物
理強度低下を防止し、また、写真性に悪影響を及ぼす物
質(代表例はホルムアルデヒドガス)の発生を防止でき
る。
【0048】酸化防止剤としては、酸化防止剤ハンドブ
ック(KK大成社昭和51年10月25日発行)やプラ
スチック データ ハンドブック(KK工業調査会198
4年4月5日発行)の794〜799ページに開示され
た各種酸化防止剤や、プラスチック添加剤データー集
(KK化学工業社発行)の327〜329ページに開示
された各種酸化防止剤や、PLASTICS AGE E
NCYCLOPEDIA進歩編,1986(KKプラス
チック・エージ発行)の211〜212ページに開示さ
れた各種酸化防止剤がある。
【0049】各種酸化防止剤の中で、ヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤が予想外の効果として光により着色し
て成形品の遮光性を向上させ、酸化防止効果が大きいに
もかかわらず、写真性に悪影響が少ないので好ましく、
本発明に好ましいヒンダードフェノール系酸化防止剤の
代表例を以下に示す。
【0050】1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3'・5'
−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメー
ト、2,2',2'−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エ
チルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−ter
t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メチルベン
ジル〕イソシアヌレート、テトラキス(2,4−ジ−te
rt−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ亜リン
酸エステル、4,4'−チオビス−(6−tert−ブチ
ル−O−クレゾール)、2,2'−チオビス−(6−te
rt−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス−(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェ
ニル)ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(4−メチル
−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メチレ
ン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t
ert−ブチルフェノール)、4−ヒドロキシ・メチル
−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ
−tert−4−n−ブチルフェノール、2,6−ビス
(2'−ハイドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メ
チルペンジル)−4−メチルフェノール、4,4'−メチ
レン−ビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾー
ル)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−tert−ブチ
ル−m−クレゾール)、3,9−ビス{1,1−ジメチル
−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル}2,4・
8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンな
どがあげられる。
【0051】これらのヒンダードフェノール系酸化防止
剤の中で、融点が100℃以上のものが好ましく、12
0℃以上のものがより好ましい。融点が100℃未満で
あると、ポリアセタール樹脂を主成分とする本発明の写
真感光材料用成形品を製造する時の高温下で熱分解し
て、酸化防止効果を失い、写真感光材料の写真性に悪影
響を及ぼすホルムアルデヒドガスの発生が多くなり、実
用化困難になる場合がある。
【0052】また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
の中で、分子量が400以上のものが好ましく、500
以上のものがより好ましく、600以上のものが最も好
ましい。分子量が400未満であると、前記の融点が1
00℃未満の時と同じように酸化防止効果を失い、写真
感光材料の写真性に悪影響を及ぼすホルムアルデヒドガ
スの発生が多くなり、実用化困難になる場合がある。
【0053】各種酸化防止剤の中でフェノール系酸化防
止剤と同様、酸化防止効果が大きいにもかかわらず、写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが少ないので
燐酸系酸化防止剤も好ましい。
【0054】燐酸系酸化防止剤としては、アルキル化ア
リルホスファイト、トリス(モノおよび/またはジノニ
ルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオペンタン
テトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4−メチル
フェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシルフォス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト亜リ
ン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォスファイ
ト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブチルフ
ェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニルフォ
スファイト等を用いることができる。
【0055】また、酸化防止剤としてフェノール系酸化
防止剤の1種であるビタミンEおよびビタミンE変性体
も好ましく、このビタミンE(トコフェロール)および変
性体の1種であるトコフェロール類二量体等は、優れた
酸化防止作用の他に、成形品を黄色に着色させてカーボ
ンブラック等の無機顔料系遮光性物質と併用すると遮光
能力をカーボンブラック等の無機顔料単独添加の場合よ
り10%以上向上させ、かつ、分散性も向上させるので
無機顔料の含有量を10%以上減少させても同等の遮光
性を有することができる。この結果写真性の悪化防止、
物理強度向上、外観向上、材料費減少等各種の効果が発
揮されるので本発明の写真感光材料用成形品の酸化防止
剤として最も好ましい。
【0056】ヒンダードフェノール系酸化防止剤に燐酸
系酸化防止剤を併用することが好ましく、燐酸系酸化防
止剤を含有させる場合は、ハイドロタルサイト類化合物
を併用することが好ましい。ハイドロタルサイト類化合
物を含有させることにより、触媒残渣の中和やハロゲン
化合物の無害化だけでなく、燐酸系酸化防止剤の熱分解
によって発生する亜リン酸を中和・無害化させ、写真性
を良化させることができる。
【0057】酸化防止剤の合計含有量は、ポリアセター
ル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部、
0.005〜4質量部が好ましく、0.01〜3質量部
がより好ましく、0.02〜2質量部が特に好ましく、
0.03〜1質量部が最も好ましい。
【0058】酸化防止剤の含有量が0.001質量部未
満であると、十分な酸化防止効果を得ることができず、
混練経費増となるだけである。また、5質量部を超える
と、増量効果が発揮されず、材料費増となるだけであ
る。さらに、射出成形時の白煙や悪臭の発生が多く、写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすようになり、ま
た、成形品表面にブリードアウトして外観を悪化させ
る。
【0059】前記ポリアセタール系樹脂組成物には、遮
光性物質が含有されている。遮光性物質を含有させるこ
とにより、写真感光材料用成形品に遮光性を付与でき、
かつ物理強度も大きくすることができる。
【0060】遮光性物質の代表例を以下に記載する。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.珪酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガ
ラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、珪酸カルシ
ウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、各種ウィスカー等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、パガ
ス、モロヘイヤ、煙火など)セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表
面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等
【0061】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で
不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐
光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカー
ボンブラックと窒化チタンとグラファイトおよび鉄黒が
好ましい。
【0062】最も好ましいのは、光吸収性のカーボンブ
ラックや鉄黒にアスペクト比が5以上の鱗片状グラファ
イト、ベンガラ、タルク、マイカ、バリウムフェライ
ト、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、鱗片状
金属粉末やフレーク等の1種以上と併用して分散性と遮
光性を良化させたり、カーボンブラックとカーボンブラ
ックよりモース硬度が大きい顔料(例えば酸化チタン
等)の1種以上と併用して分散性と遮光性を良化させた
ものである。
【0063】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0064】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),MA8,MA11,MA100
等が挙げられる。
【0065】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls 2,46,70,71,7
4,80,81,607等、Regal 300,330,4
00,660,991,SRF−S等、Vulcan 3,
6等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。
【0066】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,30
06,3007,3008,3009,3011,3012,
XC−3016,XC−3017,3020等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0067】これら各種のカーボンブラック中で、天然
ガスまたはガス状ないし蒸気状の炭化水素のガス炎を不
完全燃焼させながらチャンネル鋼の背面に接触させ、カ
ーボンブラックを析出させることにより製造するチャン
ネルブラックは、着色力は大きいが写真性が悪く、製造
中大気を汚染するので写真性および環境問題の点で本発
明では好ましくない。
【0068】本発明で好ましいカーボンブラックは、ア
セチレンブラックと、天然ガス、炭化水素油またはこれ
らの混合物を原料として1200℃〜1700℃の炉内
で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解すること
により製造するファーネスブラックである。
【0069】本発明による写真感光材料用成形品に適用
する場合は、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさな
いようにするために、クレオソート油およびエチレンボ
トム油の1以上を原料油として、1200℃〜1700
℃の炉内で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解
することにより製造したファーネスカーボンブラックが
好ましい。このようなファーネスカーボンブラックを使
用することにより、硫黄成分含有量を少なくすることが
可能なので、写真感光材料に悪影響を与えることをより
小さくすることができる。
【0070】射出成形品中のASTM D 1619−6
0の測定方法による硫黄成分含有量は、0.9%以下、
好ましくは0.7%以下、特に好ましくは0.5%以
下、最も好ましくは0.1%以下である。この範囲に限
定しないとカブリ増加や感度異状、発生異状等の写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす。特に、直接写真感光
材料の写真性に大きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分{各
試料を液体窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕した試料
100gをソックスレー抽出器に入れクロロホルムで6
0℃8時間抽出冷却後、全容を100mlとする。この
溶液10mlを高速液体クロマトグラフに注入し、硫黄
を定量する。高速液体クロマトグラフ分離条件はカラ
ム;ODSシリカカラム(4.6φ×150mm)、分離
液;メタノール95と水5(酢酸とトリエチルアミンを
それぞれ0.1%含む)、流速;1ml/分、検出波
長;254nm、定量は絶対検量線法によって行う。}
は、0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好
ましくは0.01%以下である。高価であるが、硫黄成
分の含有量が0.1%以下のアセチレンブラックがIS
O感度100以上の高感度写真感光材料用としては写真
性を良好に維持するのに好適であり好ましい。
【0071】このためには原料の選択が重要であり、例
えば、上記硫黄成分含有量に関係する原料油中の硫黄成
分含有量について説明すると下記のようになる。 原 料 油 名 原料油中の硫黄成分含有量 クレオソート油{石炭系原料} 0.3〜0.6% エチレンボトム油{ナフサ原料(石油系原料)} 0.05〜0.1% エチレンボトム油{軽油原料(石油系原料)} 0.2〜1.5% 流動接触分解残渣油{石油系原料} 0.2〜4.0%
【0072】したがって、カーボンブラックの原料油と
してはクレオソート油と石油を原料とするエチレンボト
ム油が好ましく、硫黄成分含有量が0.05〜0.1%
であるナフサを原料とするエチレンボトム油を原料とし
て製造したファーネスカーボンブラックは、カーボンブ
ラック中の硫黄成分含有量を0.1質量%以下にするこ
とができるので最も好ましい。
【0073】製造方法としては、上記原料を用いて12
00℃〜1700℃、好ましくは1250℃〜1600
℃の炉内で製造したファーネスカーボンブラックが好ま
しい。
【0074】特に、写真感光材料の写真性に直接悪影響
を与えることが判明した遊離硫黄(free sulp
hur)含有量(定量は、JIS K 6350に準ず
る)が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、
特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10p
pm以下のカーボンブラックを使用する。この遊離硫黄
含有量が少ない点からも、本発明ではナフサを原料とす
るエチレンボトム油を用いて1250℃〜1600℃の
炉内で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解する
ことにより、製造したファーネスカーボンブラックが最
も好ましい。
【0075】カーボンブラックとして特に好ましいもの
は、カーボンブラックの分散性、導電性、遮光能力に関
係するヨウ素吸着量(JIS K 6221で測定)が20
mg/g以上、好ましくは30mg/g以上、特に好ま
しくは50mg/g以上、最も好ましくは80mg/g
以上で、かつジブチルフタレート(DBP)、吸油量
(JIS K 6221で測定)が50ml/100g以
上、好ましくは60mg/100g以上、特に好ましく
は70ml/100g以上、最も好ましくは100ml
/100g以上のカーボンブラックである。
【0076】遮光性、コスト、物理特性向上の目的では
ファーネスカーボンブラックが好ましく、また、高価で
あるが帯電防止効果を有する各種導電性カーボンブラッ
クとアセチレンカーボンブラック、変性副生カーボンブ
ラックであるケッチェンカーボンブラックが好ましい。
特に高感度(ISO感度400以上)写真感光材料用と
しては硫黄成分含有量が0.1%以下のアセチレンブラ
ックと、ナフサを原料とするエチレンボトム油を125
0℃〜1600℃の炉内で連続的に部分燃焼させるか、
または加熱分解することにより製造したファーネスカー
ボンブラックが好ましい。
【0077】導電性カーボンブラックとしては、平均粒
子径が12〜50nm、DBP吸油量が100ml/1
00g以上の各種導電性カーボンブラックがあり、例え
ば、アセチレンブラック、コンダクティブファーネスブ
ラック(CF)、スーパーコンダクティブファーネスブラ
ック(SCF)、エクストラコンダクティブファーネスブ
ラック(XCF)、コンダクティブチャンネルブラック
(CC)および1500℃程度の高温で熱処理されたフ
ァーネスカーボンブラックまたはチャンネルカーボンブ
ラック等を挙げることができる。アセチレンブラックの
具体例としてはデンカアセチレンブラック(電気化学株
式会社製)、シャウニガンアセチレンブラック(シャウ
ニガンケミカル株式会社製)等が、コンダクティブファ
ーネスブラックの具体例としては、コンチネックスCF
(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バルカンC
(キャボット株式会社製)等が、スーパーコンダクティ
ブファーネスブラックの具体例としては、コンチネック
スSCF(コンチネンタルカーボン株式会社製)、バル
カンSC(キャボット株式会社製)等が、エクストラコ
ンダクティブファーネスブラックの具体例としては、旭
HS−500(旭カーボン株式会社製)、バルカンXC
−72(キャボット株式会社製)等が、コンダクティブ
チャンネルブラックの具体例としては、コウラックスL
(デグッサ株式会社製)等があり、また、ファーネスカ
ーボンブラックの一種であるケッチェンブラックECお
よびケッチェンブラックEC−600JD(ケッチェン
ブラックインターナショナル株式会社製)を用いること
もできる。
【0078】なお、これらの中では、特にアセチレンブ
ラックが、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす硫黄
成分含有量やシアン化水素等の不純物含有量が少ない
上、発達した二次ストラクチャー構造を有することから
写真性、分散性、導電性に優れているので、ISO感度
50以上の高感度写真感光材料、特に化学増感および/
または色素増感された高感度写真感光材料用として好適
に用いられる。さらに、卓越した比表面積を有すること
から低充填量でも優れた導電性を示すケッチェンブラッ
クECやケッチェンブラックEC−600JD等も好ま
しく使用できる。
【0079】遮光性物質の含有量は、ポリアセタール樹
脂100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ま
しく、0.1〜8質量部がより好ましく、0.15〜6
質量部特にが好ましく、0.2〜4質量部が最も好まし
い。含有量が0.05質量部未満では所望の遮光性や導
電性を得ることができない場合があり、10質量部を超
えると増量効果が発揮されず、コストアップになる。さ
らに、物理強度や樹脂流動性および射出成形性の低下や
ウェルドラインを生じる場合がある。
【0080】カーボンブラック等の分散性を向上させる
とともに写真性を良化させたり、成形機の防錆のため
に、分散剤として脂肪酸金属塩を含有させることが好ま
しい。脂肪酸金属塩としては、ラウリン酸、ステアリン
酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル酸、安息
香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール酸、ナフテ
ン酸、オレイン酸、パルミチン酸、エルカ酸等の高級脂
肪酸とLi、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、C
d、Al、Sn、Pb、Cd、等の金属との化合物が挙
げられ、好ましいものはステアリン酸マグネシウム、ス
テアリル酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウ
ム等がある。
【0081】市販されている代表的な脂肪酸金属塩の名
称と分子式と状態と融点を以下に示す。
【0082】
【表1】
【0083】前記ポリアセタール系樹脂組成物中に、ゼ
オライトを含有させることができる。ゼオライトを含有
させることにより、ホルムアルデヒドガスを吸着して無
害化することができる。
【0084】ゼオライトは、三次元骨格構造を有するア
ルミノシリケートであり、一般式として XM2/nO・Al22・YSiO2・ZH2O で表される。(Mはイオン交換可能なイオンで一般には
1〜2価の金属イオンである。nは金属イオンの原子価
である。XおよびYは各々の金属酸化物、シリカの係
数。Zは結晶水の数である。)
【0085】ゼオライトの具体例としては、A型ゼオラ
イト、B型ゼオライト、D型ゼオライト、L型ゼオライ
ト、N−A型ゼオライト、PC型ゼオライト、R型ゼオ
ライト、T型ゼオライト、W型ゼオライト、X型ゼオラ
イト、Y型ゼオライト、ZK−5型ゼオライト、高シリ
カゼオライト、ヒドロキシカンクリナイト、アナルサイ
ム、チャバサイト、ホウジャサイト、モルデナイト、ソ
ーダーライト、ヒドロキシソーダライト、エリオナイ
ト、クリノブチロライト等がある。これらの中で安価で
かつ写真性に悪影響を及ぼす有害ガス(遊離硫黄ガス、
シアン化水素ガス、ホルムアルデヒドガス、塩素ガス、
亜硫酸ガス等)吸着無害化能力の大きいA型ゼオライト
が好ましい。
【0086】また、ゼオライトには、天然ゼオライト
(analcime,chabazite,heula
ndite,erionite,ferrierit
e,laumontite,mordenite等を成
分とするゼオライト)、合成ゼオライト(A,N−A,
X,Y,hyadroxy sodalite,ZK−
5,B,R,D,T,L,hydroxy,cancrin
ite,W,Zeolaon等の各種の型のゼオライ
ト)がある。
【0087】本発明に用いるゼオライトとしては、天然
ゼオライトおよび合成ゼオライトのいずれでもよいが、
安価で、かつ感光材料の写真性に悪影響を及ぼす不純物
含有量が少なく、分散性が良好であり、電子顕微鏡法に
よる一次平均粒子径が0.01〜20μmのものが好ま
しく、0.02〜18μmのものがより好ましく、0.
05〜15μmのものが最も好ましい。電子顕微鏡法に
よる二次平均粒子径は50μm以下であることが好まし
い。
【0088】ゼオライトに金属イオンを含有させた金属
イオン含有ゼオライトが抗菌作用の他に、写真性に有害
なホルムアルデヒドガスの吸着無害化作用もあるので好
ましい。金属イオン含有ゼオライトとは、ゼオライト中
のイオン交換可能なイオン、例えば、ナトリウムイオ
ン、カリウムイオン等の一部または全部を銀イオン、マ
ンガンイオン、ニッケルイオン、銅イオン等の金属イオ
ンの中の1種以上のイオンで置換したものである。
【0089】金属イオン含有ゼオレイトを用いることに
より、抗菌剤としての作用を発揮させることができ、特
に、ゼラチン、ポリビニルアルコール等のような吸水性
で接着故障や生分解しやすい親水性生分解性高分子を主
成分とする写真乳剤層、保護層およびバック層を用いて
いる写真感光材料の品質を長期間良好に維持することが
できる。
【0090】上記金属イオン含有ゼオライトの中で、銀
イオン含有ゼオライト(以下、銀ゼオライトという)が
好ましい。銀イオンは、写真性改良(硫黄化合物の無害
化)と抗菌性の点から、ゼオライト中に0.01〜30
質量%、好ましくは0.05〜25質量%、より好まし
くは0.1〜20質量%、特に好ましくは0.5〜15質
量%、最も好ましくは1〜10質量%含有される。銀イ
オンの含有量が0.01質量%未満では、含有効果がな
く、製造経費増となるだけである。含有量が30質量%
を超えても増量効果はなく、材料費増および製造経費増
となるだけである。
【0091】また、銀イオンと、マンガン、ニッケルお
よび銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イ
オンとの合計2種以上の金属イオンを含有するゼオライ
トが特に好ましい。このような2種以上の金属イオンを
含有するゼオライトを用いることにより、大気中に含ま
れている種々の写真性有害化合物(例えば、ホルムアル
デヒド、塩素、塩化水素、硫化水素、亜硫酸、シアン化
水素等のガス化した化合物)の無害化を促進し、超精密
化学製品である感光材料を品質が良好な状態で長期間
(2年以上)維持することができる。マンガン、ニッケ
ルおよび銅からなる群から選ばれる少なくとも1種の金
属イオンの含有量は、0.01〜15質量%、好ましく
は0.05〜13質量%、より好ましくは0.1〜11
質量%、特に好ましくは0.5〜9質量%、最も好まし
くは1〜7質量%である。
【0092】したがって、銀イオン、マンガンイオン、
ニッケルイオンおよび銅イオン中の1種以上の金属イオ
ンと交換可能なイオン交換容量のミリイクイバレント
(以下、meqと表示)が大きなゼオライトが好まし
い。特に、イオン交換容量が2meq/g以上のA型ゼ
オライト結晶のアルミノ珪酸塩が好ましい。2meq以
上のゼオライトのイオン交換容量を例示すると、リーダ
ライトは11.5meq/g、A型ゼオライトは、7m
eq/g、T型ゼオライトは3.5meq/g、X型ゼ
オライトは6.5meq/g、Y型ゼオライトは5me
q/g、アナルサイム5meq/g、チャバサイト5m
eq/g、エリオナイトは4meq/g、モルデナイト
2.5meq/g、クリノブチルライトは2.5meq
/gである。
【0093】これらの中で最も好ましいゼオライトは、
イオン交換容量が5meq/g以上のリーダライト、A
型ゼオライト、T型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型
ゼオライト、アナルサイム、チャバサイトである。
【0094】最も好ましいゼオライトは、安価で製造性
が良好で入手しやすく、写真性に悪影響を及ぼす硫黄化
合物ガスや遊離硫黄ガス、ホルムアルデヒドガス等のア
ルデヒド化合物ガス、シアン化合物ガス等の写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼす写真性、有害ガスの吸着無
害化能力が大きい、金属イオン交換容量の大きい(7m
eq/g)A型ゼオライトである。
【0095】銀イオン含有ゼオライトの製造は、予め調
製した銀イオンおよび必要によりマンガンイオン、ニッ
ケルイオン、銅イオン等の金属イオンを含む混合水溶液
にゼオライトを接触させて、ゼオライト中のナトリウム
イオン、カリウムイオン等のイオン交換可能なイオンと
上記金属イオンとを置換させる。接触は、10〜100
℃、好ましくは20〜90℃、より好ましくは30〜8
0℃、特に好ましくは35〜70℃、最も好ましくは4
0〜60℃の温度下で、1〜28時間、好ましくは2〜
26時間、より好ましくは4〜24時間、最も好ましく
は6〜22時間、バッチ式または連続式によって行う。
【0096】なお、上記混合水溶液のpHは3〜10、
好ましくは4〜9、特に好ましくは5〜8に調製する。
このようにpHを調整することにより、銀の酸化物等の
ゼオライト表面または細孔内への析出を防止できる。混
合水溶液中の各金属イオンは、塩として供給される。例
えば、銀イオンは硝酸銀、酢酸銀、硫酸銀、過塩素酸銀
等として供給され、マンガンイオンは硝酸マンガン、硫
酸マンガン、酢酸マンガン等として供給され、ニッケル
イオンは硝酸ニッケル、過塩素酸ニッケル、酢酸ニッケ
ル等として供給され、銅イオンは硝酸銅、酢酸銅、硫酸
銅、過塩素酸銅等として供給される。イオン交換が終了
したゼオライトは十分水洗した後、含水率が15%以下
となるように例えば常圧で120〜500℃、または1
33.322〜6666.1パスカル(1〜50tor
r)の減圧下で100〜300℃で乾燥させる。
【0097】上記、ゼオライトおよび/または金属イオ
ン含有ゼオライトの含水率は15%以下、好ましくは1
3%以下、より好ましくは11%以下、特に好ましくは
9%以下、最も好ましくは7%以下である。15%を超
えると、成形故障が多発する。
【0098】ゼオライトの含有量は、ポリアセタール樹
脂100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ま
しく、0.02〜15質量部がより好ましく、0.05〜
10質量部が特に好ましく、0.1〜5質量部が最も好
ましい。含有量が0.01質量部未満であると、添加効
果が小さく混練費増となり、20質量部を超えても増量
効果がなく、材料費増となる。また、成形品の物理強度
低下、外観悪化等のため実用化困難である。
【0099】前記ポリアセタール系樹脂組成物中にハイ
ドロタルサイト類化合物を含有させることができる。ハ
イドロタルサイト類化合物を含有させることにより、触
媒残渣を中和したり、塩酸等のハロゲン化合物を吸収し
て写真性に悪影響を及ぼす物質を無害化したり、金型の
発錆を防止したり、樹脂焼け故障等を防止したりでき
る。特に、フェノール系酸化防止剤および燐系酸化防止
剤の1種以上と併用すると、熱可塑性樹脂および添加剤
の熱劣化や熱分解防止効果が大きくなり好ましい。
【0100】ハイドロタルサイト類化合物は、一般式が Mxy(OH)2x+2y-2z(A)z・aH2O {MはMg、CaまたはZn、RはAlまたはCrまた
はFe、AはCO3またはHPO4、x、y、z、aは正
数}で示される複塩である。
【0101】具体例の代表例を示すと、Mg6A12(O
H)16CO3・4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5
2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg10
Al2(OH)22(CO32・4H2O、Mg6Al2(O
H)16HPO4・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3
4H2O、Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg
4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O等がある。
【0102】または一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。そして、xおよびm,
nは下記式の条件を満足する。 0<x<0.5 0≦m≦ 2 } n=1〜4の整数で表わされる屈折率(Larsenの
油浸法で測定)が1.40〜1.60、好ましくは1.
45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類化合
物である。
【0103】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、Cl
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HB
3 2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-
CH3COC-、C64(OH)COO-、である。
【0104】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO3)0.15・0.54H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.5H2O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO3)0.165・0.2H2O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO3)0.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO3)0.125・0.63H2O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO3)0.085・0.4H2
【0105】これらのハイドロタルサイト類化合物は、
天然物であっても、合成品であってもよい。これらのハ
イドロタルサイト類化合物は、マグネシウム、アルミニ
ウム等を主成分としており、写真感光材料の写真性に悪
影響を及ぼしたり、成形機に用いられている金属の発錆
の原因と考えられる塩素イオン等のハロゲン化イオンを
吸着中和して無害化する能力に優れている。さらに熱可
塑性樹脂中のモノマーや各種添加剤中の揮発性物質等写
真性に悪影響を及ぼす物質を吸着固定するものと推定さ
れる。
【0106】さらに熱可塑性樹脂や添加剤の熱劣化や熱
分解を防止するのに添加する燐系酸化防止剤が熱分解し
た時に発生する写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
亜リン酸を中和して写真性を良化(カブリを減少)する
予想外の効果を発揮する。ハイドロタルサイト類化合物
の具体的な合成方法としては、特公昭46−2280号
公報および特公昭50−30039号公報等に開示され
ている公知の方法も使用できる。
【0107】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらのハイドロタルサイト類化合物は
単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
特に、各種酸化防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用するこ
とが好ましい。加工性、分散性、物性等を特に向上させ
るためには平均2次粒子径が20μm以下、好ましくは
10μm以下、特に好ましくは5μm以下、BET比表
面積が50m2/g以下、好ましくは40m2/g以下、
特に30m2/g以下が好ましい。
【0108】以上のようなハイドロタルサイト類化合物
や前記ゼオライトは、表面被覆物質で処理して利用する
のが好ましい。表面被覆することにより、樹脂に対する
分散性ないし親和性が一層向上し、フィルム加工適性、
物理強度等も向上する。
【0109】このような表面被覆物質の例として、特に
好ましいのは、例えば、ラウリル酸ソーダ、ラウリル酸
カリウム、オレイン酸ソーダ、オレイン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステ
アリン酸ソーダ、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カリ
ウム、パルミチン酸ソーダ、パルミチン酸カリウム、カ
プリン酸ソーダ、カプリン酸カリウム、ミリスチン酸ソ
ーダ、ミリスチン酸カリウム、リノール酸ソーダ、リノ
ール酸カリウムなどのような高級脂肪酸の金属塩類;ラ
ウリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、
カプリン酸、ミリスチン酸、リノール酸などの如き高級
脂肪酸類;ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム、ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機スルホン
酸金属塩類;イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチ
ルホスファイト)チタネート、ビニルトリエトキシシラ
ン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ガンマグリシドオキシプロピルトリメトキシシラン
などのようなカップリング剤類、高級脂肪酸アミド類、
高級脂肪酸エステル類、シリコーン類、ワックス類の各
種滑剤などを例示することができる。
【0110】これら表面被覆物質による表面被覆は、た
とえば、温水にハイドロタルサイト類化合物やゼオライ
トを懸濁した状態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸の
アルカリ金属塩の水溶液を加える事により、或いは、ハ
イドロタルサイト類化合物粉末やゼオライト粉末をヘン
シェルミキサー等の混合機により攪拌下、高級脂肪酸の
融液とか、カップリング剤の希釈液を滴下することによ
り行うことができる。これら表面被覆物質の量は適宜に
選択変更できるが、ハイドロタルサイト類化合物100
質量部に対して、約0.01〜50質量部、好ましくは
0.05〜35質量部、特に好ましくは0.1〜20質
量部、最も好ましくは0.5〜10質量部である。
【0111】前記ポリアセタール系樹脂組成物中に、ホ
ルムアルデヒドスキャベンジャーを含有させることがで
きる。ホルムアルデヒドスキャベンジャーを含有させる
ことにより、ホルムアルデヒドを吸収(捕捉)して無害
化することができる。
【0112】ホルムアルデヒドスキャベンジャーは、ホ
ルムアルデヒドと反応してホルムアルデヒドを吸収(捕
捉)できる化合物であり、ホルムアルデヒドによる悪影
響(刺激臭が大きい。人体に有害である。写真性を悪化
させる)を防止することができる。特に、アルデヒドガ
ス吸着・無害化させるゼオライトと併用すると効果が大
きく、市販のアルデヒドを含む安価な材料やリサイクル
樹脂を使用しても写真性に悪影響を与えることがなく、
ユーザーに悪臭や刺激臭を与えて不快感を与えることが
なくなるので好ましい。
【0113】ホルムアルデヒドスキャベンジャーとして
は、アミド化合物、ウレタン化合物、ピリジン誘導体、
ピロリドン誘導体、尿素誘導体、トリアジン誘導体、ヒ
ドラジン誘導体、有機アミノ化合物、イミド化合物、ア
ミジン化合物が挙げられる。具体例として、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N,N−ジフェニルホルムアミド、N,N−ジフェニルア
セトアミド、N,N−ジフェニルベンズアミド、N,N,
N',N’−テトラメチルアジバミド、シュウ酸ジアニリ
ド、アジピン酸ジアニリド、N−フェニルアセトアニリ
ド、アジピン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ダ
イマ酸のようなジカルボン酸とエチレンジアミン、テト
ラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、メタキ
シリレンジアミンのようなジアミンから誘導されるポリ
アミドの単独重合体ないしは共重合体、ラクタム類とジ
カルボン酸およびジアミンから誘導されるポリアミド共
重合体、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、
N,N−ビス(ヒドロキシメチル)スベルアミド、ポリ
(γ−メチルグルタメート)、ポリ(γ−エチルグルタ
メート)、ポリ(N−ビニルラクタム)、ポリ(N−ビ
ニルピロリドン)などのアミド化合物、トルエンジイソ
シアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの
ジイソシアネートと1,4−ブタンジオールなどのグリ
コールおよびポリ(テトラメチレンオキシド)グリコー
ル、ポリブチレンアジペート、ポリカプロラクトンなど
の高分子グリコールから誘導されるポリウレタン、メラ
ミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、N−ブチ
ルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N'−ジフェニ
ルメラミン、N,N',N"−トリフェニルメラミン、N−
メチロールメラミン、N,N'−ジメチロールメラミン、
N,N',N"−トリメチロールメラミン、2,4−ジアミ
ノ−6−ベンジルオキシトリアジン、2,4−ジアミノ
−6−ブトキシトリアジン、2,4−ジアミノ−6−シ
クロヘキシルトリアジン、メレム、メラムなどのトリア
ジン誘導体、N−フェニル尿素、N,N'−ジフェニル尿
素、チオ尿素、1−ヒドロキシ尿素、1−メチル尿素、
1−エチル尿素、1−アセチル−3−メチル尿素、1,
1−ジフェニル尿素、1−(4−エトキシフェニル)尿
素、メチル尿素、エチル尿素、ジメチル尿素、ジエチル
尿素、エチレン尿素、グアニル尿素、グアニルチオ尿
素、アセチルウレア、プロピレン尿素、5−ヒドロキシ
プロピレン尿素、5−メトキシプロピレン尿素、5−メ
チルプロピレン尿素、4,5−ジメトキシエチレン尿
素、N−フェニルチオ尿素、N,N'−ジフェニルチオ尿
素、ノナメチレンポリ尿素などの尿素誘導体、フェニル
ヒドラジン、ジフェニルヒドラジン、メチルヒドラジ
ン、エチルヒドラジン、n−プロピルヒドラジン、n−
ブチルヒドラジン、エチレン−1,2−ジヒドラジン、
プロピレン−1,2−ジヒドラジン、ブチレン−1,4−
ジヒドラジン、ベンズアルデヒドのヒドラジン、ベンズ
アルデヒドのセミカルバゾン、ベンズアルデヒドの1−
メチル−1−フェニルヒドラジン、チオセミカルバゾ
ン、4−(ジアルキルアミノ)ベンズアルデヒドのヒド
ラジンなどのヒドラジン誘導体、スクシンイミド、フタ
ルイミド、コハク酸イミド、ヒダントイン、1−メチロ
ール−5,5−ジメチルヒダントイン、イソシアヌル酸
等のイミド化合物、ジシアンジアミド、ピロリジン、ピ
ペリジン、モルホリン、グアナミン、グアンチジン、グ
アニジン、アミノグアニジン、グアニン、グアナクリ
ン、グアノクロール、グアノキサン、グアノシン、アミ
ロリド、N−アミジノ−3−アミノ−6−クロロピラジ
ンカルボキシアミドなどのアミジン化合物、ポリ(2−
ビニルピリジン)、ポリ(2−メチル−5−ビニルピリ
ジン)、ポリ(2−エチル−5−ビニルピリジン)、2
−ビニルピリジン−2−メチル−5−ビニルピリジン共
重合体、2−ビニルピリジン−スチレン共重合体などの
ピリジン誘導体などである。中でも、ダイマー酸系ポリ
アミド、メラミン、グアナミン、ベンゾグアナミン、ア
セトグアナミン、N−メチロールメラミン、N,N'−ジ
メチロールメラミン、N,N',N"−トリメチロールメラ
ミン、N−メチロールベンゾグアナミン、熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂、ジシアンジアミド、グアニジン、ポリ
(N−ビニルピロリドン)、ポリ(2−ビニルピリジ
ン)、N,N'−ジフェニル尿素、ポリ尿素、メレム、メ
ラムが好ましい。
【0114】ホルムアルデヒドスキャベンジャーの含有
量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.
005〜10質量部であり、0.01〜8質量部が好ま
しく、0.02〜6質量部がより好ましく、0.05〜4
質量部が特に好ましく、0.1〜3質量部が最も好まし
い。含有量が0.01質量部未満であると、添加効果が
ほとんど無く、また、10質量部を超えても増量効果が
少なく、物理強度や外観を悪化させコストアップにな
る。
【0115】前記ポリアセタール系樹脂組成物中に、脂
肪族アルコール系脂肪酸エステルを含有させることがで
きる。脂肪族アルコール系脂肪酸エステルを含有させる
ことにより、遮光性物質の分散性を向上させ、帯電防止
性、防滴性を良化させる。特に、高感度写真感光材料や
化学増感および/または色素増感した写真感光材料のよ
うに15℃以下、特に化学増感および/または色素増感
されたISO感度50以上の高感度写真感光材料のよう
に10℃以下の低温倉庫で保管されている写真感光材料
を使用時、大気中に放置された時の水滴発生を防止す
る。
【0116】脂肪族アルコール系脂肪酸エステルは、炭
素数1〜10の脂肪族アルコールと炭素数10〜20の
脂肪酸との化合物であり、具体的には、モノグリセリン
オレエート、ポリグリセリンオレエート、グリセリント
リリシノレート、グリセリンアセチルリシノレート、メ
チルアセチルリシノレート、エチルアセチルリシノレー
ト、ブチルアセチルリシノレート、プロピレングリコー
ルオレエート、プロピレングリコールラウレート、ペン
タエリスリトールオレエート、ポリエチレングリコール
オレエート、ポリプロピレングリコールオレエート、ポ
リオキシエチレングリセリン、ポリオキシプロピレング
リセリン、ソルビタンオレエート、ソルビタンラウレー
ト、ポリエチレングリコールソルビタンオレエート、ポ
リエチレングリコールソルビタンラウレート、ポリアル
キレンエーテルポリオール等がある。
【0117】脂肪族アルコール系脂肪酸エステルの含有
量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して、0.
1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜4質量部
であることがより好ましく、0.3〜3質量部であるこ
とが特に好ましく、0.4〜2質量部であることが最も
好ましい。
【0118】脂肪族アルコール系脂肪酸エステルの含有
量が0.1質量部未満であると、遮光性物質の分散性向
上、滑り性、防滴性、帯電防止性等の向上効果を有効に
発揮することができない。また、5質量部を超えると、
増量効果がほとんど発揮されず、材料費が増加するだけ
である。種類によっては、樹脂組成物と押出機のスクリ
ューとのスリップが大きくなり、一定量の射出量を確保
できなかったり、経時で射出成形品の表面にブリードア
ウトして商品価値を低下する。
【0119】前記ポリアセタール系樹脂組成物中に、防
曇剤を含有させることができる。防曇剤を含有させるこ
とにより、前記脂肪族アルコール系脂肪酸エステルと同
様の効果、特に低温倉庫から大気中に放置された時、水
滴が付着するのを防止することができる。
【0120】防曇剤の代表例を以下に示す。ジグリセリ
ンモノステアリン酸エステル、ポリグリセリンモノパル
ミチン酸エステル、ソルビタンモノラウリン酸エステ
ル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタン
モノオレイン酸エステル、ソルビタンモノエルカ酸エス
テル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ステアリン酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンノ
ニルフェノールエーテル、ソルビタンセスキパルミテー
ト、ジグリセリンセスキオレエート、ソルビトール脂肪
酸エステル、ソルビトール脂肪酸・二塩基酸エステル、
ジグリセリン脂肪酸・二塩基酸エステル、グリセリン脂
肪酸・二塩基酸エステル、ソルビタン脂肪酸・二塩基酸
エステル、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステア
レート、ソルビタンパルミテート・プロピレンオキサイ
ド3モル付加物、ソルビタンパルミテート・プロピレン
オキサイド2モル付加物、ソルビトールステアレート、
ソルビトールステアレート・エチレンオキサイド3モル
付加物、ジグリセリンパルミテート、グリセリンパルミ
テート、グリセリンパルミテート・エチレンオキサイド
2モル付加物等である。
【0121】防曇剤の含有量は、ポリアセタール樹脂1
00質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、
0.1〜3質量部がより好ましく、0.3〜2質量部が
最も好ましい。防曇剤の含有量が0.01質量部未満で
あると、添加効果が発揮されず、混練経費増となるだけ
である。また、防曇剤の含有量が5質量部を超えると、
増量効果がほとんど発揮されず、材料費が増加するだけ
である。また、防曇剤の種類によっては熱可塑性樹脂と
スクリューのスリップを大きくさせ安定した吐出量を確
保できなかったり、経時で包装用フィルムの表面にブリ
ードアウトしてベトツキが発生し、塵が付着する等の品
質低下となる。
【0122】写真性を悪化させるシアン化合物(特にシ
アン化水素ガス)含有量(4−ピリジンカルボン酸・ピ
ラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮光
性物質の質量に対するppm単位に換算した値)が20
ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましく
は5ppm以下、最も好ましくは1ppm以下であり、
金増感やセレン増感および色素増感等の化学増感、特に
金増感した写真感光材料の場合は、シアン化水素ガス等
により写真性に悪影響を受けやすいのでシアン化水素ガ
ス吸着物質(以下、シアン化水素ガス入スキャベンジャ
ーと表示)を含有させることが好ましい。
【0123】シアン化水素ガススキャベンジャーは、シ
アン化水素ガスを、吸着または写真的に不活性な物質に
変換する化合物である。シアン化水素ガススキャベンジ
ャーは、シアン化水素ガスを捕獲した結果として、ハロ
ゲン化銀感光材料に悪影響を与える物質を放出すべきで
はない。適切なシアン化水素ガススキャベンジャーは貴
金属の無機または有機化合物から選択することができ
る。特に好ましいものはパラジウム(IIまたはIV;酸化
状態を示す。以下同様)、白金(IIまたはIV)化合物で
ある。金(IまたはIII)の化合物も好ましい。ロジウム
(III)、イリジウム(IIIまたはIV)およびオスミウム(I
I、IIIまたはIV)の化合物もまた効果的であるが、同等
の効果を得るのに、より多量が必要である。有用な無機
または有機貴金属化合物の具体例としては、例えばグメ
リン ハンドブック(GmelinHandbook)
に詳細に記述されており、市販品、合成品およびins
itu合成品を写真感光材料に悪影響を与えることがな
い程度の純度で使用することができる。
【0124】好ましいパラジウム化合物としては、塩化
パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、水酸化パラジ
ウム(II)、硫酸パラジウム(II)、チオシアン酸パラジ
ウム(II)、テトラクロロパラジウム(II)酸塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、ヘキサクロロパ
ラジウム(IV)酸塩、テトラブロモパラジウム(II)酸
塩、ヘキサプロモパラジム(IV)酸塩、ビス(サリチラ
ト)パラジムム(II)酸塩、ビス(ジチオオキサラト−
S,S')パラジウム(II)酸塩、trans−ジクロロビ
ス(チオエーテル)パラジウム(II)、テトラアンミンパ
ラジウム(II)塩、ジクロロジアンミンパラジウム(II)、
ジブロモジアンミンパラジウム(II)、オキサラトジアン
ミンパラジウム(II)、ジニトロジアンミンパラジウム(I
I)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジク
ロロエチレンジアミンパラジウム(II)、ビス(2,2'−
ピピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(1,10−フェナ
ントロリン)パラジウム(II)塩、テトラニトロパラジウ
ム(II)酸塩、ビス(グリシナト)パラジウム(II)、テト
ラキス(チオシアナト)パラジウム(II)酸塩、ジクロロ
ビス(ホスフィン)パラジウム(II)酸塩、ジクロロビス
(ホスフィン)パラジウム(II)、ジ−μ−クロロ−ビス
[クロロ(ホスフィン)パラジウム(II)]、ジ−μ−ク
ロロ−ビス[クロロ(アルシン)パラジウム(II)]およ
びジニトロビス(アルシン)パラジウム(II)等が挙げら
れる。
【0125】好ましい白金化合物としては、塩化白金(I
I)酸塩、塩化白金(IV)、ヘキサフルオロ白金(IV)酸塩、
テトラクロロ白金(II)酸塩、ヘキサクロロ白金(IV)酸
塩、トリクロロトリフルオロ白金(IV)酸塩、テトラブロ
モ白金(II)酸塩、ヘキサブロモ白金(IV)酸塩、ジブロモ
ジクロロ白金(II)酸塩、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸
塩、ビス(オキサラト)白金(II)酸塩、ジクロロビス(オ
キサラト白金(IV)酸塩、ビス(チオオキサラト)白金(II)
酸塩、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、ビス(1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オナト)白金(II)、ビス(1,1,1−トリフルオロ−2,
4−ペンタンジオナト)白金(II)、テトラキス(チオシ
アナト)白金(II)酸塩、ヘキサキス(チオシアナト)白
金(IV)酸塩、ビス{(Z)−1,2−ジシアノエチレン−
1,2−ジチオラト}白金(II)酸塩、ジクロロビス(ジ
エチルスルフィド)白金(II)、テトラクロロビス(ジエ
チルスルフィド)白金(IV)、ビス(グリシナト)白金(I
I)、ジクロログリシナト白金(II)酸塩、ジクロロビス
(トリエチルホスフィン)白金(II)、クロロヒドリドビス
(トリエチルホスフィン)白金(II)、テトラアンミン白
金(II)塩、テトラクロロ白金(II)酸塩、ジクロロジアン
ミン白金(II)、トリクロロアンミン白金(II)塩、ヘキサ
アンミン白金(IV)塩、クロロペンタアンミン白金(IV)
塩、テトラクロロジアンミン白金(IV)、ジニトロジアン
ミン白金(II)、ジクロロテトラキス(メチルアミン)白
金(IV)塩、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)、ビ
ス(エチレンジアミン)白金(II)塩、トリス(エチレン
ジアミン)白金(IV)塩、ジクロロビス(エチレンジアミ
ン)白金(IV)塩、ジクロロジヒドロキソ(エチレンジア
ミン)白金(IV)、テトラキス(ピリミジン)白金(II)塩、
ジクロロビス(ピリジン)白金(II)、ビス(2,2'−ピピ
リジン)白金(II)塩、テトラニトロ白金(II)酸塩、クロ
ロトリニトロ白金(II)酸塩、ジクロロジニトロ白金(II)
酸塩、ジブロモジニトロ白金(II)酸塩、ヘキサニトロ白
金(IV)酸塩、クロロペンタニトロ白金(IV)酸塩、ジクロ
ロテトラニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロトリニトロ白
金(IV)酸塩、テトラクロロジニトロ白金(IV)酸塩、ジブ
ロモジクロロジニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロ(エチ
レン)白金(II)酸塩、ジ−μ−クロロ−ビス(クロロ
(エチレン)白金(II)、trans−ジクロロ(エチレ
ン)(ピリジン)白金(II)、ビス[ビス(β−メルカプト
エチルアミン)ニッケル(II)−S,S"−白金(II)塩およ
びジクロロジカルボニル白金(II)等が挙げられる。
【0126】金(IまたはIII)、ロジウム(III)、イリ
ジウム(IIIまたはIV)およびオスミウム(II、IIIまたは
IV)の化合物も同様に用いることができるが、そのよう
な例として例えば、カリウムテトラクロロオーレート(I
II)、ロジウム(III)クロライド、カリウムヘキサクロ
ロイリデート(IV)、カリウムテトラクロロイリテート
(III)およびカリウムヘキサクロロオスメート(IV)等
が挙げられる。本発明の効果が得られる限りにおいて貴
金属の無機または有機化合物は上述の具体例のみに制限
されるものではない。
【0127】シアン化水素ガススキャベンジャーを本発
明の写真感光材料用成形品に含有させた場合、特に写真
性良化効果を発揮するのは化学増感させたハロゲン化銀
写真感光材料、またはハロゲン化銀を含む熱現像写真感
光材料用の成形品として用いた時であり、最も写真性良
化効果を発揮するのは、貴金属増感(中でも最も効果が
あるのは金増感)させたハロゲン化銀写真感光材料、ま
たはハロゲン化銀を含む熱現像写真感光材料用の成形品
として用いた時である。
【0128】シアン化水素ガススキャベンジャーの含有
量は、ポリアセタール樹脂100質量部に対して0.0
1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは
0.02〜8質量部、特に好ましくは0.03〜6質量
部、最も好ましくは0.04〜5質量部である。シアン
化水素スキャベンジャーの含有量が0.01質量部未満
であると、効果的にシアン化水素を吸着除去することが
できない。また、10質量部を超えると、増量した効果
が発揮されず、高価になるだけである。さらに、樹脂の
流動性が悪化し、ウェルドライン(ウェルドマークとも
いう)が強く発生し、衝撃強度が低下する。
【0129】本発明による写真感光材料用成形品を適用
できる用途を以下に示す。 1)写真ディスクフィルム用カートリッジ;実開昭60
−21743号公報等 2)レンズ付フィルムユニット;特開昭63−2266
43号公報、特開平3−129341号公報、特開平6
−11798号公報、特開平7−295150号公報、
特開平10−62910号公報、実公平5−2919号
公報、特公平2−32615号公報、米国特許第5,7
73,205号明細書等 3)写真フィルム用スプール;実開昭54−12093
1号公報、実開昭58−178139〜178145号
公報、実開昭63−73742号公報、特開昭57−1
96218号公報、特開昭58−82236号公報、特
開昭58−82237号公報、特開昭58−20343
6号公報、特開昭59−15049号公報、特開昭62
−240957号公報、特開平3−129341号公
報、特開平4−335638号公報、特開平7−295
150号公報、特開平9−319034号公報、特開平
10−83044号公報、実公昭44−16777号公
報、実公昭55−31541号公報、米国特許第193
0144号明細書、英国特許第2199805A号明細
書等 4)樹脂製写真フィルム用パトローネ;実開昭55−9
7738号公報、特開昭50−33831号公報、特開
昭54−111822号公報、特開昭56−87039
号公報、特開昭57−190948号公報、特開平1−
251030号公報、特開平1−312538号公報、
特開平2−181141号公報、特開平2−22195
6号公報、特開平3−116136号公報、特開平3−
129341号公報、特開平4−37844号公報、特
開平4−115251号公報、特開平4−273240
号公報、特開平4−320258号公報、特開平4−3
35344号公報、特開平4−335639号公報、特
開平4−343353号公報、特開平4−349454
号公報、特開平7−295150号公報、特開平9−3
19037号公報、特開平9−329869号公報、特
開平10−62908号公報、特開平10−62910
号公報、特開平10−83042号公報、特開平10−
123668号公報、特開平10−123669号公
報、特公昭45−6991号公報、特公昭55−210
89号公報、米国特許第4, 846, 418号明細書、
米国特許第4, 848,693号明細書、米国特許第4,
887, 776号明細書 5)写真フィルムパトローネ用容器;実開昭60−16
3451号公報、実開平1−88940号公報、実開平
1−113235号公報、実開平1−152337号公
報、特開昭61−73947号公報、特開昭61−25
0639号公報、特開昭62−291639号公報、特
開昭63−121047号公報、特開平2−21485
5号公報、特開平2−247640号公報、特開平3−
91741号公報、特開平3−129341号公報、特
開平6−19054号公報、特開平10−62912号
公報、実公平2−33236号公報、実公平3−485
81号公報、特公平2−38939号公報、米国特許第
4,801,011号明細書、米国特許第4, 639,
386号明細書、米国特許第4, 979, 351号明細
書、欧州特許第0237062A2号明細書、欧州特許
第0280065A1号明細書、欧州特許第02983
75A2号明細書等 6)巻芯、リール;実開昭60−107848号公報、
米国特許第4, 809, 923号明細書、英国特許第2
033873号明細書 7)シート写真フィルム用マガジン;特開昭56−51
41号公報等 8)写真フィルム用カートリッジ;実開平2−2484
6号公報、実開平2−29041号公報、特開平1−3
12537号公報、実公昭56−16610号公報、実
公昭60−120448号公報等 9)写真フィルム用ケース;実開昭54−100617
号公報、実開昭64−32343号公報、実開平1−9
4258号公報、実開平2−56139号公報、特公平
2−54934号公報、米国特許第4, 779, 756
号明細書、欧州特許第0242905A1号明細書等 10)インスタントフィルム用パック;実開昭61−41
248号公報、特開昭62−240961号公報等 11)シート写真フィルム用パックおよびホルダー;特開
平4−238331号公報、特開平4−247440号
公報、特開平4−335334号公報、特開平4−34
9449号公報、特開平4−350634号公報、特開
平5−341378号公報、特開平5−341379号
公報、特開平5−341380号公報、特開平5−34
1381号公報、特開平6−75291号公報、特開平
6−75292号公報、特開平6−75293号公報、
特開平8−110568号公報、特開平8−11056
9号公報、特開平8−110570号公報、特開平8−
201982号公報、特開平8−201983号公報、
特開平8−201984号公報、特開平8−26255
7号公報、特開平8−262558号公報、特開平9−
179248号公報、特開平10−104737号公
報、特開平10−104801号公報、特表平4−50
4014号公報、米国特許第4, 725, 865号明細
書、米国特許第4, 821, 055号明細書等 12)樹脂製写真フィルムパトローネ;特開昭50−33
831号公報、特開昭57−190948号公報、特開
平1−312538号公報、特公昭45−6991号公
報、特公昭55−21089号公報、実開昭55−97
738号公報、米国特許第4,834,306号明細
書、米国特許第4,846,418号明細書、米国特許
第4,887,776号明細書等 13)カメラ;例えば、特開平1−191836号公報、
特開平2−64533号公報等に記載の光密性カートリ
ッジを使用するカメラ、特開平6−8886号、特開平
6−99908号等の各公報に記載の簡易装填式のカメ
ラ、特開平6−57398号、特開平6−101135
号等の各公報記載の自動巻き上げ式のカメラ、特開平6
−205690号公報等に記載の撮影途中でフィルムの
種類を取り出し交換できるカメラ、特開平5−2931
38号、特開平5−283382号等の各公報記載の撮
影時の情報、例えば、パノラマ撮影、ハイヴィジョン撮
影、通常撮影(プリントアスペクト比選択の出来る磁気
記録可能)をフィルムに磁気記録できるカメラ、特開平
6−101194号公報記載の二重露光防止機能を有す
るカメラ、特開平5−150577号公報に記載の写真
フィルム等の使用状態表示機能の付いたカメラ、特開平
10−55012号公報等に記載のカメラのスプール室
等 14)自現機;特開平6−222514号公報、特開平6
−222545号公報等
【0130】本発明による写真感光材料用成形品が適用
可能な写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カ
ラーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィル
ム、印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、
電算写植フィルムおよびペーパー、カラーまたは白黒ポ
ジフィルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィ
ルム、サーベランスフィルム、映画用フィルム、自己現
像型写真感光材料、直接ポジ型フィルムおよびペーパー
等)(特開平4−136838号公報、特開平4−17
2339号公報、特開平5−113623号公報、特開
平9−325450号公報、特開平10−62901号
公報、特開平10−62903号公報、特開平10−6
2904号公報、特開平10−62905号公報、特開
平10−62906号公報、特開平10−62921号
公報、特開平10−142731号公報等) (2) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材料、熱現像
白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公報、同
43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編
(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555頁およ
びリサーチ・ティスクロージャー誌,1978年6月号
9頁〜15頁(RD−17029)等に記載されている
もの。さらに、特開昭59−12431号公報、同60
−2950号公報、同61−52343号公報、特開平
7−13295号公報、同10−62898号公報、同
10−62899号公報、特開平10−186567号
公報、特開平10−268465号公報、特開平10−
339934号公報、特開平10−52509号公報等
や米国特許第3,457,075号明細書、米国特許第
3,574,627号明細書、米国特許第4,042,
394号明細書、米国特許第4,584,267号明細
書に記載されている転写方式の熱現像カラー写真感光材
料等)) (3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号
公報等に記載されているフォトサーモグラフィー(感光
・感熱画像形成方法)を用いた記録材料) (4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィル
ム、複写用フィルム、印刷用版材等) (5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン等を含む感光材
料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (6) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スル
フォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光材料、例え
ば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) (7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む写真
感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フィルム、IC用レジスト等) (9) 乾式画像形成材料(支持体上に、内部に少なくと
も光硬化性化合物、光開始剤および色素前駆体を有する
層を有し、該マイクロカプセルを含有する層または隣接
する層に顕色剤を有する特開平11−2884号公報等
に記載されている記録材料)
【0131】以上の写真感光材料の中でも(1)のハロゲ
ン化銀写真感光材料と、(2)の熱現像感光材料((1)の
ハロゲン化銀写真感光材料の中でも熱現像するものはこ
こに含めた)用の成形品として用いることが好ましく、
特に化学増感および/または色素増感したハロゲン化銀
写真感光材料用成形品と、ハロゲン化銀を含有する熱現
像写真感光材料用成形品が好ましい。最も好ましいの
は、ISO感度が50以上の高感度ハロゲン化銀写真感
光材料(一般現像品)と、ハロゲン化銀を含有する熱現
像感光材料用の成形品として用いることである。
【0132】写真感光材料を構成するハロゲン化銀乳剤
は、必要により他の乳剤とともに支持体上に一層もしく
は二層以上設けることができる。また、支持体の片側に
限らず両面に設けることができる。また、異なる感色性
の乳剤として重層することもできる。本発明におけるハ
ロゲン化銀乳剤は、黒白ハロゲン化銀写真感光材料(例
えば、Xレイ感材、リス型感材、白黒映画用フィルム、
黒白印画紙、電算写植フィルム、電算写植印画紙、マイ
クロフィルム、黒白撮影用ネガフィルムなど)やカラー
写真感光材料(例えば、カラーポジフィルム、カラーネ
ガフィルム、カラー印画紙、カラー反転フィルム等)に
用いることができる。さらに、拡散転写用感光材料(例
えば、カラー拡散転写要素、銀塩拡散転写要素)、熱現
像写真感光材料(黒白、カラー)等にも用いることがで
きる。
【0133】本発明におけるハロゲン化銀写真感光材料
の乳剤層のその他の構成については特に制限はなく、必
要に応じて種々の添加剤を用いることができる。添加す
ることのできる代表的な添加剤としては、化学増感剤、
分光増感剤(色素増感剤)、かぶり防止剤、金属イオン
ドープ剤、ハロゲン化銀溶剤、安定剤、染料、カラーカ
プラー、DIRカプラー、バインダー、硬膜剤、塗布助
剤、増粘剤、乳剤、沈降剤、可塑剤、寸度安定改良剤、
帯電防止剤、蛍光増白剤、滑剤、界面活性剤、紫外線吸
収剤、散乱または吸収材料、硬化剤、接着防止、写真特
性改良剤(例えば現像促進剤、硬調化剤など)、現像剤
等写真的に有利なフラグメント(現像抑制剤または促進
剤、漂白促進剤、現像剤、ハロゲン化銀溶剤、トナー、
硬膜剤、カブリ防止剤、競争カプラー、化学または分光
増感剤および減感剤)を放出するカプラー、像色素安定
剤、自己抑制現像剤、およびその使用法、また、分光増
感における超増感、分光増感色素のハロゲン受容体効果
や電子受容体効果、かぶり防止剤、安定剤、現像促進剤
または抑制剤の作用、その他、本発明における乳剤の製
造に用いる製造装置、反応装置、攪拌装置、塗布、乾燥
法、露光法(光源、露光雰囲気、露光方法)、そして写
真支持体、微孔性支持体、下塗り層、表面保護層、マッ
ト剤、中間層、ハレーション防止層、AgX乳剤の層構
成および写真処理剤、写真処理方法についてはリサーチ
・デスクロージャー誌,176巻,1978年,12月号
(アイテム17643)、同184巻,1979年,8月号
(アイテム18431)、同134巻,1975年,6月
号(アイテム13452)、プロダクト・ライセンシング
インデックス誌,92巻,107〜110(1971年
12月)、特開昭58−113926〜113928
号、同62−3134号、同62−6251号、日化協
月報,1984年,12月号,P18〜27、特開昭6
2−219982号、T.H.James,The The
ory of ThePhotographic Pro
cess,Fourth Edission,Macmi
llan,New York,1977年、V.L.Ze
likmanet al.著,Making and Co
ating PhotographicEmulsio
n(The Focal Press刊,1964年)等
の記載を参考にすることができる。
【0134】ハロゲン化銀乳剤の主要構成成分である感
光性ハロゲン化銀のハロゲン組成としては、塩化銀、臭
化銀、ヨウ化銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀お
よびヨウ塩臭化銀乳剤を含んでなることができる。
【0135】感光性ハロゲン化銀は、何れのサイズおよ
び形状の粒子も含有することができる。したがって、感
光性ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面体、立方八面
体、平板状、球状、棒状等の任意形態を取ることができ
る。本発明用としては、平板状粒子若しくは立方体状粒
子が好ましい。
【0136】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されていなく
ても良いが、化学増感されていることが好ましい。ハロ
ゲン化乳剤の化学増感の方法として、硫黄増感、セレン
増感、テルル増感、還元増感および貴金属増感の何れを
も単独で用いても、また併用して化学増感してもよい。
【0137】貴金属増感のうち金増感法はその代表的な
もので金化合物、主として金錯塩を用いる。金以外の貴
金属、例えば白金、パラジウム、プラチナ、イリジウ
ム、ロジウム等の錯塩を用いることができる。その具体
例は、特開平7−128768号公報、米国特許第2,
448,060号、英国特許第618,016号などに
記載されている。硫黄増感剤としては、ゼラチン中に含
まれる硫黄化合物のほか、種々の硫黄化合物、例えばチ
オ硫黄ナトリウム等のチオ硫酸塩、アリルチオ尿素等の
チオ尿素類、チアゾール類、アリルイソチオシアネー
ト、ローダニン類等を用いることができる。還元増感剤
としては、例えばポリアミン類、第1スズ塩等を用いる
ことができる。
【0138】色素増感作用を有する増感色素は、物理熟
成の防止剤、あるいは高pAgでの立方体形成を可能と
する晶癖制御剤として粒子形成工程において使用可能で
あるが、本来は、ハロゲン化銀乳剤の感光可能な放射線
の波長を固有域よりも長波な領域に広げるという目的の
ために使用するものである。増感色素による分光増感を
行わない場合には、立方体の完全率を向上しても写真感
光材料の写真性の改良効果は小さいが、増感色素により
分光増感を行ったとき初めて実質的に完全な立方体を使
用する効果が非常に大きなものとなる。
【0139】ハロゲン化銀乳剤に用いることができる増
感色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シ
アニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシア
ニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素およびヘミ
オキソノール色素が包含される。特に有用な色素は、シ
アニン色素、メロシアニン色素および複合シアニン色
素、複合メロシアニン色素、ヘミシアニン色素、オキソ
ノール色素等の増感色素である。これらの増感色素に
は、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利用さ
れる核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリン
核、オキサゾリン核、チオゾリン核、ピロール核、オキ
サゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミダゾ
ール核、テトラゾール核、ピリジン核、これらの核に脂
環式炭化水素環が融合した核、およびこれらの核に芳香
族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニン
核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオキ
サドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾール
核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベン
ズイミダゾール核、キノリン核などが適用できる。これ
らの核は炭素原子上に置換されていてもよい。
【0140】メロシアニン色素または複合メロシアニン
色素にはケトメチレン構造を有する核として、ピラゾリ
ン−5−オン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサ
ゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジ
オン核、ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5
〜6員異節環核を適用することができる。
【0141】これらの色素増感作用を有する増感色素は
単独に用いてもよいが、それらの組み合わせを用いても
よく、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしば
しば用いられている。その代表例は、米国特許第2,6
88,545号、同同2,977,229号、同3,3
97,060号、同3,522,052号、同3,52
7,641号、同3,617,293号、同3,62
8,964号、同3,666,480号、同3,67
2,898号、同3,679,428号、同3,70
3,377号、同3,769,301号、同3,81
4,609号、同3,837,862号、同4,02
6,707号、英国特許第1,344,281号、同
1,507,803号、特公昭43−4936号、同5
3−12375号、特開昭52−110618号、同5
2−109925号に記載されている。
【0142】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。添加量は、ハロゲン化銀1モル当たり、4×10-6
〜8×10-3モルで用いることができる。
【0143】ハロゲン化銀粒子は硫黄増感、セレン増
感、金増感、パラジウム増感または貴金属増感、還元増
感の少なくとも1つをハロゲン化銀乳剤の製造工程の任
意の工程で施すことができる。2種以上の増感法を組み
合わせることは好ましい。どの工程で化学増感するかに
よって種々のタイプの乳剤を調製することができる。感
光性ハロゲン化銀粒子の内部に化学増感核をうめ込むタ
イプ、感光性ハロゲン化銀粒子表面から浅い位置にうめ
込むタイプがある。ハロゲン化銀乳剤は目的に応じて化
学増感核の場所を選ぶことができるが、一般に好ましい
のは表面近傍に少なくとも一種の化学増感核を作った場
合である。
【0144】好ましく実施しうる化学増感の一つはカル
コゲン増感と貴金属増感の単独または組合せであり、ジ
ェームス(T.H.James)著、ザ・フォトグラフ
ィック・プロセス、第4版、マクミラン社刊、1977
年、(T.H.James、The Theory of
the Photographic Process,4
th ed,Macmillan,1977)67〜76
頁に記載されるように活性ゼラチンを用いて行うことが
できるし、また、リサーチ・ディスクロージャー、12
0巻、1974年4月、12008;リサーチ・ディス
クロージャー、34巻、1975年6月、13452、
米国特許第2,642,361号、同3,297,446
号、同3,772,031号、同3,857,711
号、同3,901,714号、同4,266,018
号、および同3,904,415号、並びに英国特許第
1,315,755号に記載されるようにpAg5〜1
0、pH5〜8および温度30〜80℃において硫黄、
セレン、テルル、金、白金、パラジウム、イリジウムま
たはこれら増感剤の複数の組合せとすることができる。
貴金属増感においては、金、白金、パラジウム、イリジ
ウム等の貴金属塩を用いることができ、中でも特に金増
感、パラジウム増感および両者の併用が好ましい。金増
感の場合には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、
カリウムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド
等の公知の化合物を用いることができる。パラジウム化
合物はパラジウム2価塩または4価の塩を意味する。好
ましいパラジウム化合物は、R2PdX5またはR2Pd
4で表される。ここでRは水素原子、アルカリ金属原
子またはアンモニウム基を表す。Xはハロゲン原子を表
し塩素、臭素またはヨウ素原子を表す。
【0145】具体的には、K2PdCl4、(NH4)2Pd
Cl5、Na2PdCl4、(NH4)2PdCl4、Li2、P
dCl4、Na2PdCl5またはK2PdBr4が好まし
い。金化合物およびパラジウム化合物はチオシアン酸塩
あるいはセレノシアン酸塩と併用することが好ましい。
【0146】硫黄増感剤として、ハイボ、チオ尿素系化
合物、ロダニン系化合物および米国特許第3,857,7
11号、同4,266,018号および同4,054,4
57号に記載されている硫黄含有化合物を用いることが
できる。いわゆる化学増感助剤の存在下に化学増感する
こともできる。有用な化学増感助剤には、アザインデ
ン、アザピリダジン、アザピリミジンのごとき、化学増
感の過程でカブリを抑制し、かつ感度を増大するものと
して知られた化合物が用いられる。化学増感助剤改質剤
の例は、米国特許第2,131,038号、同3,41
1,914号、同3,554,757号、特開昭58−1
26526号および前述ダフィン著,「写真乳剤化
学」,138〜143頁に記載されている。
【0147】金増感剤の好ましい量としてハロゲン化銀
1モル当たり1×10-4〜1×10 -7モルであり、さら
に好ましいのは1×10-5〜5×10-7モルである。パ
ラジウム化合物の好ましい範囲は1×10-3から5×1
-7である。チオシアン化合物あるいはセレノシアン化
合物の好ましい範囲は5×10-2から1×10-5であ
る。
【0148】ハロゲン化銀粒子に対して使用する好まし
い硫黄増感剤量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-4〜1×10-7モルであり、さらに好ましいのは1×1
-5〜5×10-7モルである。
【0149】ハロゲン化銀乳剤に対して好ましい増感法
としてセレン増感がある。セレン増感においては、公知
の不安定セレン化合物を用い、具体的には、コロイド状
金属セレニウム、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメ
チルセレノ尿素、N,N−ジエチルセレノ尿素等)、セ
レノケトン類、セレノアミド類、等のセレン化合物を用
いることができる。セレン増感は硫黄増感あるいは貴金
属増感あるいはその両方と組み合わせて用いた方が好ま
しい場合がある。
【0150】ハロゲン化銀乳剤を粒子形成中、粒子形成
後でかつ化学増感前あるいは化学増感中、あるいは化学
増感後に還元増感することは好ましい。
【0151】ここで還元増感とはハロゲン化銀乳剤に還
元増感剤を添加する方法、銀熟成と呼ばれるpAg1〜
7の低pAgの雰囲気で成長させるあるいは、熟成させ
る方法、高pH熟成と呼ばれるpH8〜11の高pHの
雰囲気で成長させるあるいは熟成させる方法のいずれを
も選ぶことができる。また2つ以上の方法を併用するこ
ともできる。還元増感剤を添加する方法は還元増感のレ
ベルを微妙に調節できる点で好ましい方法である。
【0152】還元増感剤として第一錫塩、アスコルビン
酸およびその誘導体、アミンおよびポリアミン類、ヒド
ラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン酸、シラン化
合物、ボラン化合物などが公知である。還元増感にはこ
れら公知の還元増感剤を選んで用いることができ、また
2種以上の化合物を併用することもできる。還元増感剤
として塩化第一錫、二酸化チオ尿素、ジメチルアミンボ
ラン、アスコルビン酸およびその誘導体が好ましい化合
物である。還元増感剤の添加量は乳剤製造条件に依存す
るので添加量を選ぶ必要があるが、ハロゲン化銀1モル
当たり10-7〜10-3モルの範囲が適当である。
【0153】還元増感剤は水あるいはアルコール類、グ
リコール類、ケトン類、エステル類、アミド類などの溶
媒に溶かし粒子成長中に添加される。あらかじめ反応容
器に添加するのもよいが、粒子成長の適当な時期に添加
する方法が好ましい。また水溶性銀塩あるいは水溶性ア
ルカリライドの水溶性にあらかじめ還元増感剤を添加し
ておき、これらの水溶液を用いて感光性ハロゲン化銀粒
子を沈澱せしめてもよい。また粒子成長に伴って還元増
感剤の溶液を何回かに分けて添加しても連続して長時間
添加するのも好ましい方法である。
【0154】写真乳剤には、感光材料の製造工程、保存
中あるいは写真処理中のカブリを防止し、あるいは写真
性能を安定化させる目的で、種々の化合物を含有させる
ことができる。すなわちチアゾール類、例えばベンゾチ
アゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンゾイ
ミダゾール類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカ
プトベンゾチアゾール類、メルカプトベンゾイミダゾー
ル類、メルカプトチアジアゾール類、アミノトリアゾー
ル類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾー
ル類、メルカプトテトラゾール類(特に1−フェニル−
5−メルカプトテトラゾール)など;メルカプトピリミ
ジン類;メルカプトトリアジン類;たとえばオキサドリ
ンチオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例
えばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に
4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)チトラアザインデ
ン類)、ペンタアザイデン類などのようなカブリ防止剤
または安定剤として知られた、多くの化合物を加えるこ
とができる。たとえば米国特許第3,954,474号、
同3,982,947号、特公昭52−28660号に記
載されたものを用いることができる。好ましい化合物の
一つに特開昭63−20842号に記載された化合物が
ある。かぶり防止剤および安定剤は粒子形成前、粒子形
成中、粒子形成後、水洗工程、水洗後の分散時、化学増
感前、化学増感中、化学増感後、塗布前のいろいろな時
期に目的に応じて添加することができる。乳剤調製中に
添加して本来のかぶり防止および安定化効果を発現する
以外に、粒子の晶癖を制御する、粒子サイズを小さくす
る、粒子の溶解性を減少させる、化学増感を制御する、
色素の配列を制御するなど多目的に用いることができ
る。
【0155】本発明に使用できる各種公知の写真用添加
剤も下記の3つのリサーチ・ディスクロージャーに記載
されており、下記の表2に関連する記載箇所を示す。
【0156】
【表2】
【0157】本発明の写真感光材料用成形品を用いるの
に好ましい写真感光材料の写真層について記載する。ハ
ロゲン化銀乳剤層としては黒白用カラー用何れでもよ
い。最初にカラーハロゲン化銀写真感光材料について説
明する。写真感光材料は、支持体上に青感色性層、緑感
色性層、赤感色性層のハロゲン化銀乳剤層の少なくとも
1層が設けられていればよく、ハロゲン化銀乳剤層およ
び非感光性層の層数および層順に特に制限はない。典型
的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じで
あるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層からな
る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感
光材料であり、該感光性層は青色光、緑色光、および赤
色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、多
層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、一般に
単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、
緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的
に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層
中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとりえ
る。
【0158】前記ハロゲン化銀感光性層の間および最上
層、最下層には各層の中間層等の非感光性層を設けても
よい。該中間層には、特開昭61−43748号、同5
9−113438号、同59−113440号、同61
−20037号、同61−20038号明細書に記載さ
れているようなカプラー、DIR化合物等が含まれてい
てもよく、通常用いられるように混色防止剤を含んでい
てもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化
銀乳剤層は、西独特許第1,121,470号あるいは
英国特許第923,045号、特開昭57−11275
1号、同62−200350号、同62−206541
号、同62−206543号、同56−25738号、
同62−63936号、同59−202464号、特公
昭55−34932号、同49−15495号明細書に
記載されている。ハロゲン化銀粒子は、立方体、八面
体、十四面体のような規則的な結晶を有するもの、球
状、板状のような変則的な結晶形を有するもの、双晶面
などの結晶欠陥を有するもの、あるいはそれらの複合形
でもよい。
【0159】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成および分光増感を行ったものを使用する。本発明
の効率は、金化合物と含イオウ化合物で増感した乳剤を
使用したときに特に顕著に認められる。このような工程
で使用される添加剤はリサーチ・ディスクロージャーN
o.17643および同No.18716に記載されてお
り、その該当箇所を表5にまとめた。また、使用できる
公知の写真用添加剤も上記の2つのリサーチ・ディスク
ロージャーに記載されており、下記の表3に関連する記
載箇所を示した。
【0160】
【表3】
【0161】写真感光材料は、前述のRD.No.176
43の28〜29頁、および同No.18716の61
5左欄〜右欄に記載された通常の方法によって現像処理
することができる。本発明のハロゲン化銀カラー感光材
料には処理の簡略化および迅速化の目的で発色現像主薬
を内蔵しても良い。内蔵するためには、発色現像主薬の
各種ブレカーサーを用いるのが好ましい。
【0162】本発明の写真感光材料用成形品が最も効果
を発揮するのは、熱現像写真感光材料の包装体に用いた
場合である。この熱現像写真感光材料は、最近実用化さ
れたものであり、湿度や酸素ガスの影響を受けやすい高
精密の写真感光材料であり、概要を以下に示す。
【0163】本発明において熱現像写真感光材料の画像
形成層のバインダーとして用いられるポリマーラテック
スの具体例としては以下のようなものがある。メチルメ
タクリレート/エチルアクリレート/メタクリル酸コポ
リマーのラテックス、メチルメタクリレート/2エチル
ヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コ
ポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニ
ルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート
/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテッ
クスなど。また、このようなポリマーは市販もされてい
て、以下のようなポリマーが利用できる。例えばアクリ
ル樹脂の例として、セビアンA−4635,4658
3,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nip
olLx811,814,821,820,857(以
上日本ゼオン(株)製)など、ポリエステル樹脂として
は、FINETEX ES650,611,675,85
0(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、W
mS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタ
ン樹脂としてはHYDRAN AP10,20,30,40
(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂とし
てはLACSTAR7310K,3307B,4700
H,7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Ni
pol Lx416,410,438C,2507(以
上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂としてはG
351,G576(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビ
ニリデン樹脂としてはL502,L513(以上旭化成
工業(株)製)など、オレフィン樹脂としてはケミパール
S−120,SA100(以上三井石油化学(株)製)な
どを挙げることができる。これらのポリマーは単独で用
いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドして用い
ても良い。
【0164】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は全バインダーの50wt%以上が
上記ポリマーラテックスであることが好ましく、70w
t%以上が上記ポリマーラテックスであることがさらに
好ましい。
【0165】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液には必要に応じて全バインダーの5
0wt%未満の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコー
ル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加しても良
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30wt%以下が好ましい。
【0166】本発明において有機銀塩含有液体もしくは
熱画像形成層塗布液は水系であることが好ましい。ただ
し、ここで言う「水系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の
30wt%以上が水であることをいう。塗布液の水以外
の成分はメチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソル
ブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなどの水混和性
の有機溶媒を用いることができる。具体的な溶媒組成の
例としては以下のようなものがある。水/メタノール=
90/10、水/メタノール=70/30、水/エタノ
ール=90/10、水/イソプロパノール=90/1
0、水/ジメチルホルムアミド=95/5、水/メタノ
ール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メ
タノール/ジメチルホルムアミド=90/5/5(ただ
し数字はwt%を表す。)。
【0167】本発明において画像形成層における全バイ
ンダー量は、0.2〜30g/m2が好ましく、より好
ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。画像形成
層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活
性剤などを添加してもよい。
【0168】本発明における感光性ハロゲン化銀の形成
方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチ
ディスクロージャー1978年6月の第17029号、
および米国特許第3,700,458号に記載されている
方法を用いることができる。本発明で用いることのでき
る具体的な方法としては、調製された有機銀塩中にハロ
ゲン含有化合物を添加することにより有機銀塩の銀の一
部を感光性ハロゲン化銀に変換する方法、ゼラチンある
いは他のポリマー溶液の中に銀供給化合物およびハロゲ
ン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀
粒子を調製し有機銀塩と混合する方法を用いることがで
きる。本発明において好ましくは後者の方法を用いるこ
とができる。感光性ハロゲン化銀の粒子サイズは、画像
形成後の白濁を低く抑える目的のために小さいことが好
ましく具体的には0.20μm以下、より好ましくは
0.01μm以上0.15μm以下、さらに好ましくは
0.02μm以上0.12μm以下がよい。ここでいう
粒子サイズとは、ハロゲン化銀粒子が立方体あるいは八
面体のいわゆる正常晶である場合にはハロゲン化銀粒子
の稜の長さをいう。また、ハロゲン化銀粒子が平板状粒
子である場合には主表面の投影面積と同面積の円像に換
算したときの直径をいう。その他正常晶でない場合、た
とえば球状粒子、棒状粒子等の場合には、ハロゲン化銀
粒子の体積と同等な球を考えたときの直径をいう。
【0169】ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、
八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ
状粒子等を挙げることができるが、本発明においては特
に立方体状粒子、平板状粒子が好ましい。平板状ハロゲ
ン化銀粒子を用いる場合の平均アスペクト比は好ましく
は100:1〜2:1、より好ましくは50:1〜3:
1がよい。さらに、ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸ま
った粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲ
ン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については
特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光
増感効率が高い{100}面の占める割合が高いことが
好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、6
5%以上がより好ましく、80%以上がさらに好まし
い。ミラー指数{100}面の比率は増感色素の吸着に
おける{111}面と{100}面との吸着依存性を利
用したT.Tani;J.Imaging Sci.,
29,165(1985年)に記載の方法により求めるこ
とができる。感光性ハロゲン化銀のハロゲン組成として
は特に制限はなく、塩化銀、塩臭化銀、臭化銀、ヨウ臭
化銀、ヨウ塩臭化銀、ヨウ化銀のいずれであっても良い
が、本発明においては臭化銀、あるいはヨウ臭化銀を好
ましく用いることができる。特に好ましくはヨウ臭化銀
であり、ヨウ化銀含有率は0.1モル%以上40モル%
以下が好ましく、0.1モル%以上20モル%以下がよ
り好ましい。粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一
であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化した
ものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい
が、好ましい例として粒子内部のヨウ化銀含有率の高い
ヨウ臭化銀粒子を使用することができる。また、好まし
くはコア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を用い
ることができる。構造としては好ましくは2〜5重構
造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を
用いることができる。
【0170】本発明において感光性ハロゲン化銀粒子
は、ロジウム、レニウム、ルテニウム、オスニウム、イ
リジウム、コバルト、水銀または鉄から選ばれる金属の
錯体を少なくとも一種含有することが好ましい。これら
金属錯体は1種類でもよいし、同種金属および異種金属
の錯体を二種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀
1モルに対し1nモルから10mモルの範囲が好まし
く、10nモルから100μモルの範囲がより好まし
い。具体的な金属錯体の構造としては特開平7−225
449号等に記載された構造の金属錯体を用いることが
できる。コバルト、鉄の化合物については六シアノ金属
錯体を好ましく用いることができる。具体例としては、
フェリシアン酸イオン、フェロシアン酸イオン、ヘキサ
シアノコバルト酸イオンなどが挙げられるが、これらに
限定されるものではない。ハロゲン化銀中の金属錯体の
含有相は均一でも、コア部に高濃度に含有させてもよ
く、あるいはシェル部に高濃度に含有させてもよく特に
制限はない。
【0171】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが、本発明においては脱
塩してもしなくてもよい。
【0172】本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は
化学増感されていることが好ましい。好ましい化学増感
法としては当業界でよく知られているように硫黄増感
法、セレン増感法、テルル増感法を用いることができ
る。また金化合物や白金、パラジウム、イリジウム化合
物等の貴金属増感法や還元増感法を用いることができ
る。硫黄増感法、セレン増感法、テルル増感法に好まし
く用いられる化合物としては公知の化合物を用いること
ができるが、特開平7−128768号等に記載の化合
物を使用することができる。テルル増感剤としては例え
ばジアシルテルリド類、ビス(オキシカルボニル)テル
リド類、ビス(カルバモイル)テルリド類、ジアシルテ
ルリド類、ビス(オキシカルボニル)ジテルリド類、ビ
ス(カルバモイル)ジテルリド類、P=Te結合を有す
る化合物、テルロカルボン酸塩類、Te−オルガニルテ
ルロカルボン酸エステル類、ジ(ポリ)テルリド類、テル
リド類、テルロール類、テルロアセタール類、テルロス
ルホナート類、P−Te結合を有する化合物、含Teヘ
テロ環類、テルロカルボニル化合物、無機テルル化合
物、コロイド状テルルなどを用いることができる。貴金
属増感法に好ましく用いられる化合物としては例えば塩
化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウムオーリチ
オシアネート、硫化金、金セレナイド、あるいは米国特
許2,448,060号、英国特許618,061号な
どに記載されている化合物を好ましく用いることができ
る。還元増感法の具体的な化合物としてはアスコルビン
酸、二酸化チオ尿素の他に例えば、塩化第一スズ、アミ
ノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボラ
ン化合物、シラン化合物、ポリアミン化合物等を用いる
ことができる。また、乳剤のpHを7以上またはpAg
を8.3以下に保持して熟成することにより還元増感す
ることができる。また、粒子形成中に銀イオンのシング
ルアディション部分を導入することにより還元増感する
ことができる。
【0173】本発明において感光性ハロゲン化銀の使用
量としては有機銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀
0.01モル以上0.5モル以下が好ましく、0.02
モル以上0.3モル以下がより好ましく、0.03モル
以上0.25モル以下が特に好ましい。別々に調製した
感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法および混合条
件については、それぞれ調製終了したハロゲン化銀粒子
と有機銀塩を高速攪拌機やボールミル、サンドミル、コ
ロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方
法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミン
グで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀
塩を調製する方法等があるが、本発明の効果が十分に現
れる限りにおいては特に制限はない。
【0174】本発明においてハロゲン化銀調製法として
は、有機銀塩の一部の銀を有機または無機のハロゲン化
物でハロゲン化するいわゆるハライデーション法も好ま
しく用いられる。ここで用いる有機ハロゲン化物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、N−ハロゲノイミド(N−
ブロモスクシンイミドなど)、ハロゲン化4級窒素化合
物(臭化テトラブチルアンモニウムなど)、ハロゲン化
4級窒素塩とハロゲン分子の会合体(過臭化臭化ピリジ
ニウム)などが挙げられる。無機ハロゲン化合物として
は有機銀塩と反応しハロゲン化銀を生成する化合物で有
ればいかなる物でもよいが、ハロゲン化アルカリ金属ま
たはアンモニウム(塩化ナトリウム、臭化リチウム、沃
化カリウム、臭化アンモニウムなど)、ハロゲン化アル
カリ土類金属(臭化カルシウム、塩化マグネシウムな
ど)、ハロゲン化遷移金属(塩化第2鉄、臭化第2銅な
ど)、ハロゲン配位子を有する金属錯体(臭化イリジウ
ム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウムなど)、
ハロゲン分子(臭素、塩素、沃素)などがある。また、
所望の有機無機ハロゲン化物を併用しても良い。
【0175】本発明でハライデーションする際のハロゲ
ン化物の添加量としては有機銀塩1モル当たりハロゲン
原子として1mモル〜500mモルが好ましく、10m
モル〜250mモルがさらに好ましい。
【0176】本発明における感光性ハロゲン化銀は増感
色素で分光増感されてもよい。
【0177】本発明において増感色素としてはハロゲン
化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン化銀
粒子を分光増感できるもので有ればいかなるものでも良
い。増感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色
素、コンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロ
シアニン色素、ホロホーラーシアニン色素、スチリル色
素、ヘミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソ
ノール色素等を用いることができる。本発明に使用され
る有用な増感色素は例えばRESEARCHDISCL
OSURE Item 17643IV−A項(1978
年12月,p.23)、同Item 1831X項(1
979年8月,p.437)に記載もしくは引用された
文献に記載されている。特に各種レーザーイメージャ
ー、スキャナー、イメージセッターや製版カメラの光源
の分光特性に適した分光感度を有する増感色素を有利に
選択することができる。
【0178】赤色光への分光増感の例としては、He−
Neレーザー、赤色半導体レーザーやLEDなどのいわ
ゆる赤色光源に対しては、特開昭54−18726号に
記載のI−1からI−38の化合物、特開平6−753
22号に記載のI−1からI−35の化合物および特開
平7−287338号に記載のI−1からI−34の化
合物、特公昭55−39818号に記載の色素1から2
0、特開昭62−284343号に記載のI−1からI
−37の化合物および特開平7−287338号に記載
のI−1からI−34の化合物などが有利に選択され
る。
【0179】750〜1400nmの波長領域の半導体
レーザー光源に対しては、シアニン、メロシアニン、ス
チリル、ヘミシアニン、オキソノール、ヘミオキソノー
ルおよびキサンテン色素を含む種々の既知の色素によ
り、スペクトル的に有利に増感させることができる。有
用なシアニン色素は、例えば、チアゾリン核、オキサゾ
リン核、ピロリン核、ピリジン核、オキサゾール核、チ
アゾール核、セレナゾール核およびイミダゾール核など
の塩基性核を有するシアニン色素である。有用なメロシ
アニン染料で好ましいものは、上記の塩基性核に加え
て、チオヒダントイン核、ローダニン核、オキサゾリジ
ンジオン核、チアゾリンジオン核、バルビツール酸核、
チアゾリノン核、マロノニトリル核およびピラゾロン核
などの酸性核も含む。上記のシアニンおよびメロシアニ
ン色素において、イミノ基またはカルボキシル基を有す
るものが特に効果的である。例えば、米国特許3,76
1,279号、同3,719,495号、同3,877,
943号、英国特許1,466,201号、同1,46
9,117号、同1,422,057号、特公平3−1
0391号、同6−52387号、特開平5−3414
32号、同6−194781号、同6−301141号
に記載されたような既知の色素から適当に選択してよ
い。
【0180】本発明に用いられる色素の構造として特に
好ましいものは、チオエーテル結合含有置換基を有する
シアニン色素(例としては特開昭62−58239号、
同3−138638号、同3−138642号、同4−
255840号、同5−72659号、同5−7266
1号、同6−222491号、同2−230506号、
同6−258757号、同6−317868号、同6−
324425号、特表平7−500926号、米国特許
5,541,054号に記載された色素)、カルボン酸
基を有する色素(例としては特開平3−163440
号、同6−301141号、米国特許5,441,89
9号に記載された色素)、メロシアニン色素、多核メロ
シアニン色素や多核シアニン色素(特開昭47−632
9号、同49−105524号、同51−127719
号、同52−80829号、同54−61517号、同
59−214846号、同60−6750号、同63−
159841号、特開平6−35109号、同6−59
381号、同7−146537号、同7−146537
号、特表平55−50111号、英国特許1,467,6
38号、米国特許5,281,515号に記載された色
素)が挙げられる。
【0181】また、J−bandを形成する色素として
米国特許5,510,236号、同3,871,887
号の実施例5記載の色素、特開平2−96131号、特
開昭59−48753号が開示されており、本発明に好
ましく用いることができる。
【0182】これらの増感色素は単独に用いてもよく、
2種以上組合せて用いてもよい。増感色素の組合せは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増感色素と
ともに、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは
可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色増感を
示す物質を乳剤中に含んでもよい。有用な増感色素、強
色増感を示す色素の組合せおよび強色増感を示す物質は
Research Disclosure,176巻,
17643(1978年12月発行),第23頁,IV
のJ項、あるいは特公昭49−25500号、同43−
4933号、特開昭59−19032号、同59−19
2242号等に記載されている。
【0183】本発明に用いられる増感色素は2種以上を
併用してもよい。増感色素をハロゲン化銀乳剤中に添加
せしめるには、それらを直接乳剤中に分散してもよい
し、あるいは水、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、アセトン、メチルセルソルブ、 2,2,3,3−テト
ラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、3−メトキシ−1−プロパノール、3−メトキ
シ−1−ブタノール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もし
くは混合溶媒に溶解して乳剤に添加してもよい。
【0184】また、米国特許3,469,987号明細
書等に開示されているように、色素を揮発性の有機溶剤
に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に分散
し、この分散物を乳剤中へ添加する方法、特公昭44−
23389号、同44−27555号、同57−220
91号等に開示されているように、色素を酸に溶解し、
該溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させ
て水溶液として乳剤中へ添加する方法、米国特許3,8
22,135号、同4,006,025号明細書等に開示
されているように界面活性剤を共存させて水溶液あるい
はコロイド分散物としたものを乳剤中に添加する方法、
特開昭53−102733号、同58−105141号
に開示されているように親水性コロイド中に色素を直接
分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法、特開昭
51−74624号に開示されているように、レッドシ
フトさせる化合物を用いて色素を溶解し、該溶液を乳剤
中へ添加する方法を用いることもできる。また、溶液に
超音波を用いることもできる。
【0185】本発明に用いる増感色素をハロゲン化銀乳
剤中に添加する時期は、これまで有用であることが認め
られている乳剤調製のいかなる工程中であってもよい。
例えば米国特許2,735,766号、同3,628,96
0号、同4,183,756号、同4,225,666
号、特開昭58−184142号、同60−19674
9号等の明細書に開示されているように、ハロゲン化銀
の粒子形成工程または/および脱塩前の時期、脱塩工程
中および/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時
期、特開昭58−113920号等の明細書に開示され
ているように、化学熟成の直前または工程中の時期、化
学熟成後、塗布までの時期の乳剤が塗布される前ならば
いかなる時期、工程において添加されてもよい。また、
米国特許4,225,666号、特開昭58−7629号
等の明細書に開示されているように、同一化合物を単独
で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば粒
子形成工程中と化学熟成工程中または化学熟成完了後と
に分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分
けるなどして分割して添加してもよく、分割して添加す
る化合物および化合物の組み合わせの種類を変えて添加
してもよい。
【0186】本発明における増感色素の使用量としては
感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、
感光性層のハロゲン化銀1モル当たり10-6〜1モルが
好ましく、10-4〜10-1モルがさらに好ましい。
【0187】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利にな
ることがある。色調剤は画像形成層を有する面に銀1モ
ルあたりの0.1〜50モル%の量含まれることが好ま
しく、0.5〜20モル%含まれることがさらに好まし
い。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように
誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0188】有機銀塩を利用した熱現像写真感光材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号、同
47−10282号、同49−5019号、同49−5
020号、同49−91215号、同49−91215
号、同50−2524号、同50−32927号、同5
0−67132号、同50−67641号、同50−1
14217号、同51−3223号、同51−2792
3号、同52−14788号、同52−99813号、
同53−1020号、同53−76020号、同54−
156524号、同54−156525号、同61−1
83642号、特開平4−56848号、特公昭49−
10727号、同54−20333号、米国特許3,0
80,254号、同3,446,648号、同3,782,
941号、同4,123,282号、同4,510,236
号、英国特許1,380,795号、ベルギー特許84
1,910号などに開示されている。色調剤の例は、フ
タルイミドおよびN−ヒドロキシフタルイミド;スクシ
ンイミド、ピラゾリン−5−オン、ならびにキナゾリノ
ン、3−フェニル−2−ピラゾリン−5−オン、1−フ
ェニルウラゾール、キナゾリンおよび2,4−チアゾリ
ジンジオンのような環状イミド;ナフタルイミド(例え
ば、N−ヒドロキシ−1,8−ナフタルイミド);コバ
ルト錯体(例えば、コバルトヘキサミントリフルオロア
セテート);3−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、2,4−ジメルカプトピリミジン、3−メルカプト
−4,5−ジフェニル−1,2,4−トリアゾールおよび
2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾールに例
示されるメルカプタン;N−(アミノメチル)アリール
ジカルボキシイミド(例えば、(N,N−ジメチルアミノ
メチル)フタルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノ
メチル)−ナフタレン−2,3−ジカルボキシイミ
ド);ならびにブロック化ピラゾール、イソチウロニウ
ム誘導体およびある種の光退色剤(例えば、N,N−ヘ
キサメチレンビス(1−カルバモイル−3,5−ジメチル
ピラゾール)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス
(イソチウロニウムトリフルオロアセテート)および2
−トリブロモメチルスルホニル)−(ベンゾチアゾー
ル));ならびに3−エチル−5[(3−エチル−2−
ベンゾチアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−
2−チオ−2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノ
ン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩、または4−
(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノ
ン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒ
ドロ−1,4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタラ
ジノンとフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチ
ルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無
水フタル酸など)との組合せ;フタラジン、フタラジン
誘導体もしくは金属塩、または4−(1−ナフチル)フ
タラジン、6−クロロフタラジン、5,7−ジメトキシ
フタラジンおよび2,3−ジヒドロフタラジンなどの誘
導体;フタラジンとフタル酸誘導体(例えば、フタル
酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸およびテ
トラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリン
ジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘導
体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化銀
生成のためのハライドイオンの源としても機能するロジ
ウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸アンモ
ニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサクロ
ロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物および
過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムおよび過
酸化水素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジオ
ン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,4−ジ
オンおよび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジン−
2,4−ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−ジオ
ン;ピリミジンおよび不斉−トリアジン(例えば、2,4
−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4−アミ
ノピリミジンなど)、アザウラシル、およびテトラアザ
ペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメチルカプト−
1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3a,5,6a−テ
トラアザペンタレン、および1,4−ジ(o−クロロフ
ェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H−2,3a,
5,6a−テトラアザペンタレン)などがある。
【0189】本発明において色調剤は、溶液、粉末、固
体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよい。固
体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボールミ
ル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、ジェ
ットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、固体
微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0190】本発明におけるハロゲン化銀乳剤または/
および有機銀塩は、カブリ防止剤、安定剤および安定剤
前駆体によって、付加的なかぶりの生成に対してさらに
保護され、在庫貯蔵中における感度の低下に対して安定
化することができる。単独または組合せて使用すること
ができる適当なカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆
体は、米国特許第2,131,038号および同第2,
694,716号に記載のチアゾニウム塩、米国特許第
2,886,437号および同第2,444,605号
に記載のアザインデン、米国特許第2,728,663
号に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号に記
載のウラゾール、米国特許第3,235,652号に記載
のスルホカテコール、英国特許第623,448号に記
載のオキシム、ニトロン、ニトロインダゾール、米国特
許第2,839,405号に記載の多価金属塩、米国特
許第3,220,839号に記載のチウロニウム塩、なら
びに米国特許第2,566,263号および同第2,59
7,915号に記載のパラジウム、白金および金塩、米
国特許第4,108,665号および同第4,442,2
02号に記載のハロゲン置換有機化合物、米国特許第
4,128,557号および同第4,137,079
号、第4,138,365号および同第4,459,35
0号に記載のトリアジンならびに米国特許第4,41
1,985号に記載のリン化合物などがある。
【0191】本発明に好ましく用いられるカブリ防止剤
は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−11
9624号、同50−120328号、同51−121
332号、同54−58022号、同56−70543
号、同56−99335号、同59−90842号、同
61−129642号、同62−129845号、特開
平6−208191号、同7−5621号、同7−27
81号、同8−15809号、米国特許第5,340,7
12号、同5,369,000号、同5,464,737号
に開示されているような化合物が挙げられる。
【0192】本発明においてカブリ防止剤は、溶液、粉
末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加してもよ
い。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例えば、ボー
ルミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイドミル、
ジェットミル、ローラーミルなど)で行われる。また、
固体微粒子分散する際に分散助剤を用いてもよい。
【0193】本発明を実施するために必要ではないが、
乳剤層にカブリ防止剤として水銀(II)塩を加えること
が有利なことがある。この目的に好ましい水銀(II)塩
は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使用する
水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当たり好ま
しくは1nモル〜1mモル、さらに好ましくは10nモ
ル〜100μmモルの範囲である。
【0194】本発明における熱現像写真感光材料は高感
度化やカブリ防止を目的として安息香酸類を含有しても
良い。本発明において安息香酸類はいかなる安息香酸誘
導体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許
4,784,939号、同4,152,160号、特願平
8−151242号、同8−151241号、同8−9
8051号などに記載の化合物が挙げられる。本発明に
おいて安息香酸類は感光材料のいかなる部位に添加して
も良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添
加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加すること
がさらに好ましい。本発明において安息香酸類の添加時
期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、
有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗
布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後か
ら塗布直前が好ましい。本発明において安息香酸類の添
加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方
法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤な
ど他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。本
発明において安息香酸類の添加量としてはいかなる量で
も良いが、銀1モル当たり1μモル以上2モル以下が好
ましく、1mモル以上0.5モル以下がさらに好まし
い。
【0195】本発明には現像を抑制あるいは促進させ現
像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現
像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合
物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させるこ
とができる。
【0196】本発明にメルカプト化合物を使用する場
合、いかなる構造のものでも良いが、Ar−Sm、Ar
−S−S−Arで表されるものが好ましい。式中、mは
水素原子またはアルカリ金属原子であり、Arは1個以
上の窒素、イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム
原子を有する芳香環または縮合芳香環である。好ましく
は、複素芳香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾ
ール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオ
キサゾール、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾー
ル、ベンゾテルラゾール、イミダゾール、オキサゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、チアジアゾール、テト
ラゾール、トリアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラ
ジン、ピリジン、プリン、キノリンまたはキナゾリノン
である。この複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例え
ば、BrおよびCl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキ
シ、アルキル(例えば、1個以上の炭素原子、好ましく
は1〜4個の炭素原子を有するもの)およびアルコキシ
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもの)からなる置換基群から選択され
るものを有してもよい。メルカプト置換複素芳香化合物
としては、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メ
ルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンゾチ
アゾール、2−メルカプト−5−メチルベンズイミダゾ
ール、6−エトキシ−2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2,2'−ジチオビス−(ベンゾチアゾール、3−メ
ルカプト−1,2,4−トリアゾール、4,5−ジフェニ
ル−2−イミダゾールチオール、2−メルカプトイミダ
ゾール、1−エチル−2−メルカプトベンズイミダゾー
ル、2−メルカプトキノリン、8−メルカプトプリン、
2−メルカプト−4(3H)−キナゾリノン、7−トリ
フルオロメチル−4−キノリンチオール、 2,3,5,6
−テトラクロロ−4−ピリジンチオール、4−アミノ−
6−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジンモノヒドレ
ート、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジ
アゾール、3−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−ト
リアゾール、4−ヒドロキシ−2−メルカプトピリミジ
ン、2−メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2
−メルカプトピリミジン、2−メルカプト−4−メチル
ピリミジンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェ
ニル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4−
フェニルオキサゾールなどが挙げられるが、本発明はこ
れらに限定されない。
【0197】これらのメルカプト化合物の添加量として
は乳剤層中に銀1モル当たり0.001〜1.0モルの
範囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.01〜0.3モルの量である。
【0198】本発明における感光性層には、可塑剤およ
び潤滑剤として多価アルコール(例えば、米国特許第
2,960,404号に記載された種類のグリセリンお
よびジオール)、米国特許第2,588,765号およ
び同第3,121,060号に記載の脂肪酸またはエス
テル、英国特許第955,061号に記載のシリコーン
樹脂などを用いることができる。
【0199】本発明は、超硬調画像形成のため超硬調化
剤を用いることができる。例えば、米国特許第5,46
4,738号、同5,496,695号、同6,512,
411号、同5,536,622号、日本特許特願平7−
228627号、同8−215822号、同8−130
842号、同8−148113号、同8−156378
号、同8−148111号、同8−148116号に記
載のヒドラジン誘導体、あるいは、日本特許特願平8−
83566号に記載の四級窒素原子を有する化合物や米
国特許第5,545,515号に記載のアクリロニトリ
ル化合物を用いることができる。化合物の具体例として
は、前記米国特許第5,464,738号の化合物1〜
10、同5,496,695号のH−1〜H−28、特
願平8−215822号のI−1〜I−86、同8−1
30842号のH−1〜H−62、同8−148113
号の1−1〜1−21、同8−148111号の1〜5
0、同8−148116号の1〜40、同8−8356
6号のP−1〜P−26、およびT−1〜T−18、米
国特許第5,545,515号のCN−1〜CN−13な
どが挙げられる。
【0200】また、本発明は超硬調画像形成のために、
前記の超硬調化剤とともに硬調化促進剤を併用すること
ができる。例えば、米国特許第5,545,505号に記
載のアミン化合物、具体的にはAm−1〜Am−5、同
5,545,507号に記載のヒドロキサム酸類、具体
的にはHA−1〜HA−11、同5,545,507号に
記載のアクリロニトリル類、具体的にはCN−1〜CN
−13、同5,558,983号に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA−1〜CA−6、日本特許特願平8
−132836号に記載のオニューム塩類、具体的には
A−1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−1
4などを用いることができる。
【0201】これらの超硬調化剤、および硬調化促進剤
の合成方法、添加方法、添加量等は、それぞれの前記引
用特許に記載されているように行うことができる。
【0202】本発明における画像形成材料は画像形成層
の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができ
る。
【0203】本発明において表面保護層のバインダーと
してはいかなるポリマーでもよいが、カルボン酸残基を
有するポリマーを100mg/m2以上5g/m2以下含
むことが好ましい。ここでいうカルボキシル残基を有す
るポリマーとしては天然高分子(ゼラチン、アルギン酸
など)、変成天然高分子(カルボキシメチルセルロー
ス、フタル化ゼラチンなど)、合成高分子(ポリメタク
リレート、ポリアクリレート、ポリアルキルメタクリレ
ート/アクリレート共重合体、ポリスチレン/ポリメタ
クリレート共重合体など)などがあげられる。該ポリマ
ーのカルボキシ残基の含有量としてはポリマー100g
当たり10mmol以上1.4mol以下であることが
好ましい。また、カルボン酸残基はアルカリ金属イオ
ン、アルカリ土類金属イオン、有機カチオンなどと塩を
形成してもよい。
【0204】本発明において表面保護層としては、いか
なる付着防止材料を使用してもよい。付着防止材料の例
としては、ワックス、シリカ粒子、スチレン含有エラス
トマー性ブロックコポリマー(例えば、スチレン−ブタ
ジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ン)、酢酸セルロース、セルロースアセテートブチレー
ト、セルロースプロピオネートやこれらの混合物などが
ある。また、表面保護層には架橋のための架橋剤、塗布
性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0205】本発明における画像形成層もしくは画像形
成層の保護層には、米国特許第3,253,921号、
同第2,274,782号、同第2,527,583号
および同第2,956,879号に記載されているよう
な光吸収物質およびフィルター染料を含む写真要素にお
いて使用することができる。また、例えば米国特許第
3,282,699号に記載のように染料を媒染すること
ができる。フィルター染料の使用量としては露光波長で
の吸光度が0.1〜3が好ましく、0.2〜1.5が特に
好ましい。
【0206】本発明による写真感光材料用成形品の実施
形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明による
写真感光材料用成形品としての写真フィルム用スプール
10の正面図で、この写真フィルム用スプール10全体
が本発明で規定した樹脂組成物で形成されている。
【0207】図2は、本発明による写真感光材料用成形
品としての帯状感光材料用コア20の反樹脂注入口(反
ゲート)側の斜視図で、この帯状感光材料用コア20の
全体が本発明の樹脂組成物で形成されている。この帯状
感光材料用コアの外円筒21の内表面には高さ0.00
01〜0.07mmの環状の凸条22が複数本設けられ
ており帯状感光材料用コアの射出成形性や物理強度およ
び外観を良化させている。
【0208】図3は、本発明による写真感光材料用成形
品としての感光性帯材容器30の分解斜視図で、この感
光性帯材容器30は、感光性帯材からなるロール31を
収容するための開口部とロール31を収容するときその
リーダー部32を外に取り出すためのスロット34とを
有する本体35と、ロール31を収容した後に本体35
の開口部を閉じるカバー36と、カバー36に設けた突
起37と連動してスロット34を閉じる閉鎖部材38と
から構成されている。
【0209】この感光性帯材容器30の1つまたは2つ
以上、必要な場合はすべてが本発明で規定した樹脂組成
物で形成されている。
【0210】図4は、本発明による写真感光材料用成形
品としての感光性帯材容器40の分解斜視図で、この感
光性帯材容器40は、スロット41を有する本体42と
カバー43と閉鎖部材44よりなっており、閉鎖部材4
4は本体42の内部に嵌合させて設けられている。本体
42の側壁45には凹みリブ46が設けられている。
【0211】この感光性帯材容器40の1つまたは2つ
以上、必要な場合はすべてが本発明で規定した樹脂組成
物で形成されている。
【0212】図5は、本発明による写真感光材料用成形
品としての写真フィルム用カートリッジ50の分解斜視
図で、この写真フィルム用カートリッジ50は、下部ケ
ース51および上部ケース52と、これらに装填される
写真フィルムと遮光紙54を共巻き状態で巻き取るスプ
ール53とで構成されており、スプール53と下部ケー
ス51および上部ケース52が本発明で規定した樹脂組
成物で形成されている。
【0213】図6は、本発明による写真感光材料用成形
品としてのレンズ付きフィルムユニット60の分解斜視
図で、このレンズ付きフィルムユニット60は、写真フ
ィルムを巻きつけたスプール61を光密に収納する写真
フィルム用パトローネ62をさらに光密に収納するため
の下部ケース63と、この下部ケース63を遮光的に密
封する上部ケース64とで構成され、これらスプール6
1、下部ケース63および上部ケース64の1つまたは
2つ以上、必要な場合はすべてが本発明で規定した樹脂
組成物で形成されているが、従来のものはカーボンブラ
ックを含むポリスチレン樹脂、ポリメチルメタアクリレ
ート樹脂、ポリカーボネート樹脂等の遮光性熱可塑性樹
脂組成物で形成されている。
【0214】一方、レンズ65やファインダー66等は
無着色のポリカーボネート樹脂(PCと表示)、ポリス
チレン樹脂(PS樹脂と表示)やポリメチルメタアクリ
レート樹脂(PMMA樹脂と表示)等の透明熱可塑性樹
脂組成物で形成されている。
【0215】図7は、本発明による写真感光材料用成形
品としての写真フィルム用パトローネの分解斜視図、図
8は同上断面図、図9は写真フィルム用パトローネに用
いられているディスクの部分断面図である。
【0216】図7において、パトローネ本体70は、各
々プラスチックで形成された上ケース71、下ケース7
2から構成されている。パトローネ本体70の内部には
スプール73が回動自在に収納され、このスプール73
に写真フィルム74がロール状に巻き付けられる。
【0217】上下ケース71、72はそれぞれ略半円筒
形状をしており、その一部にはそれぞれポート部75が
突出して形成されている。上ケース71と下ケース72
とを嵌合させるときに、ポート部75内に遮光蓋76が
回転自在に嵌め込まれる。遮光蓋76には平坦なフィル
ム通路77が形成され、遮光蓋76が開き位置に回動し
たときにはパトローネ本体70内から送り出されてくる
写真フィルム74の通路となる。また、遮光蓋76が閉
じ位置に回動したときには、ポート部75の先端部分に
形成される開口(写真フィルム出入り口)が完全に閉じ
られ、パトローネ本体70内は遮光状態となる。
【0218】下ケース72のポート部75の奥には、突
起78が形成されている。この突起78は、スプール7
3に巻かれた写真フィルム74の先端部をすくい上げて
フィルム通路77に導くためのガイドである。
【0219】ディスク79、80には、それぞれ開口7
9a、80aが形成されており、スプール73を各開口
79a、80aに挿通することによりスプール73の所
定位置に嵌め込まれ、スプール73に対し回転可能に軸
着される。ディスク79、80の外周には、リップがそ
れぞれ向き合うように突出し、スプール73に巻かれた
写真フィルム74の最外周を両端面側から部分的に包み
込むようになっている。
【0220】ディスク80は、使用表示部品83がスプ
ール73に嵌め込まれると、クラッチ爪84とディスク
80の係止穴85とが、スプール73をフィルム送り出
し方向に回転したときに互いに係止して、ディスク80
を強制的に回転できるようになる。また、フィルム巻き
込み方向にスプール73を回転したときには、クラッチ
爪84とディスク80の係止穴85とは係止せずにディ
スク80は自由に回転できる。また、他方のディスク7
9はスプール73に対し回転自在のままである。なお、
使用表示部品83には扇形の表示板83aが一体化さ
れ、その位置をパトローネ本体70に形成された表示窓
を通して確認することによって、この写真フィルムパト
ローネの使用状態が判別できるようになっている。
【0221】上ケース71、下ケース72の側面内壁に
は側面リブ86が設けられ、ディスク79、80が互い
に広がらないように規制している。スプール73には扇
形板87が固定され、その表面にはデータフランジラベ
ル88が貼付される。このラベル88には放射状にバー
コードが記されており、バーコードはスプール73を回
転したときにパトローネ本体70の側面に形成された窓
を通して光電検出される。これにより、パトローネ本体
70内に収納された写真フィルム74の品種情報、撮影
枚数情報などを電気的に検知することができる。なお、
パトローネ本体70に貼付されるラベル90には、フィ
ルム品種表示やパトローネの固有番号などが表示され
る。
【0222】スプールロック部品91は、遮光蓋76が
閉じ位置に回動したときに、スプール73が回転しない
ようにロックする。このロックは、遮光蓋76が開き位
置に移動したときに解除される。なお、符号92は上ケ
ース71に一体に形成されたロックポールを示し、この
ロックポール92によって遮光蓋76は閉じ位置に回動
したときにロックされる。このロックは、写真フィルム
用パトローネをカメラやディスプレイ装置等の装置にセ
ットしたときに、これらの装置に設けられた遮光蓋76
の開放機構によって開示される。なお、遮光蓋76を用
いる代わりに、ポート部75の内壁にフィルム通路を形
成し、このフィルム通路にテレンプを貼付することによ
ってパトローネ本体70内を光密に保つことも可能であ
る。
【0223】これら写真フィルム用パトローネ70を構
成する1つまたは2つ以上、必要な場合はすべてが本発
明で規定した樹脂組成物で形成される。
【0224】図8に示したように、写真フィルム74が
パトローネ本体70内に完全に巻き込まれている状態で
は、写真フィルム74の最外周はディスク79、80の
リップ81、81によって部分的に包み込まれ、スプー
ル73からの巻き緩みが防止されている。これにより、
スプール73が写真フィルム74の送り出し方向に回転
したとき、写真フィルム74はスプール73とともに一
体となって回転するようになる。
【0225】上下ケース71、72の側面内壁に設けら
れた側面リブ86は、ディスク79、80が互いに広が
らないように規制しているが、ポート部75の奥ではそ
の規制が解除されるように、対面し合った側面リブ86
相互間の間隔が広げられている。このため、突起78で
写真フィルム74の先端がすくい上げられた後、フィル
ム通路77に進むときには、ディスク79、80がわず
かに外側に広がり、写真フィルム74はリップ81、8
1の間から樋状カールを作って送り出されるようにな
る。
【0226】なお、側面リブ86は片側だけに設けても
同様の効果が期待できる。また、リップ81のフィルム
巻き緩みを解除する方法としては、一対の分離爪をフィ
ルム幅方向の両側に設け、一対の分離爪の外側面同士で
一対のリップを互いに離れる方向に向けて部分的に常に
変形させるようにしてもよい。
【0227】上記写真フィルム用パトローネをカメラに
装填すると、カメラ側の機構によってロックポール92
による遮光蓋76の係止が解除された後、遮光蓋76が
開き方向に回動される。その後、スプール73が送り出
し方向に駆動され、写真フィルム14の送り出しが開始
される。ディスク79、80の外周に形成したリップ8
1、81が写真フィルム74の巻き緩みを防いでいるた
め、写真フィルム74はスプール73と一体となって回
転する。この回転中に、写真フィルム74の先端が突起
78ですくい上げられ、フィルム通路77に導かれる。
【0228】こうして写真フィルム74の先端がフィル
ム通路77に導かれると、リップ81、81は写真フィ
ルム74により両側に押し広げられるため、フィルム通
路77の奥では写真フィルム74の包み込みが解除され
る。なお、一方のディスク80はクラッチ爪84と係止
穴85との係合により強制的に送り出し方向に回転され
るため、写真フィルム74を送り出す力が強められる。
こうして写真フィルム74がパトローネ本体70外に送
り出されるようになる。
【0229】巻戻し時にはスプール73が逆向きに回転
される。写真フィルム74の後端はスプール73に係止
されているため、写真フィルム74はスプール73の逆
転によりパトローネ本体70内に巻き込まれる。このと
き、フィルム通路77の奥ではディスク79、80が広
げられ、写真フィルム74はディスク79、80間に引
き込まれ、スプール73に巻き付けられる。
【0230】図9に示すように、ディスク79、80は
互いに輪郭形状が同じとされている。開口79a、80
aは、写真フィルム74の両端を揃える面98よりも一
段凹んだ面99に形成されている。リップ81は、面9
8の外周に、それぞれ他方のディスク79、80に向き
合うように突出し、スプール73に巻かれた写真フィル
ム74の最外周を両端面側から部分的に包み込むように
なっている。
【0231】リップ81の外周には鍔82が一体に設け
られている。鍔82は、リップ81が広がらないように
するための補強の作用をする。また、フィルム巻き込み
の際に写真フィルム74がリップ81の内部に向けて入
り込みやすいようにガイドする作用をもたせるために、
鍔82は対向する面82aの先端が互いに離れるように
傾斜した断面形状とされている。
【0232】ディスク79と80全体が本発明で規定し
た樹脂組成物で形成されている。
【0233】図10は、本発明による写真感光材料用成
形品としての光密性カートリッジ(パトローネ等)10
5を装填した撮影用カメラ体100の斜視図であり、こ
の光密性カートリッジ105は、撮影用カメラ体100
のカメラ本体101の背面に蝶番102を介して開閉自
在に設けられている写真フィルムのピント精度向上用圧
板104を具備した裏蓋103を開閉することにより、
出し入れが行われる。この光密性カートリッジ105は
APSフィルムや135フィルム等の写真フィルムを装
填して利用される。
【0234】撮影用カメラ体100を構成する光密性カ
ートリッジ105、カメラ本体101、裏蓋103およ
び圧板104の1つまたは2つ以上、必要な場合はすべ
てが本発明で規定した樹脂組成物で形成されている。
【0235】図11は、本発明による写真感光材料用成
形品としてのパック入りシート写真フィルム用ホルダー
110の斜視図で、このシート写真フィルム用ホルダー
110はカメラの背部に装着されてシート写真フィルム
用パック111が出し入れされるものである。
【0236】図12は、本発明による写真感光材料用成
形品としての袋入りシートフィルム用ホルダー120の
斜視図で、このシートフィルム用ホルダー120はカメ
ラの背部に装着されて袋入り写真フィルムが出し入れさ
れるものである。
【0237】図13は、インスタントフィルム用パック
ケースの分解斜視図で、本発明による写真感光材料用成
形品としての圧板が設けられている。このインスタント
フィルム用パックケース130は、背板131、ケース
本体132および圧板133からなるパックケース13
4と、このパックケース134に内臓されている複数枚
のインスタントフィルム135とで構成されている。圧
板133は、弾性のある金属板で形成されており、背板
131に当接する4本の脚部の内2本に、背板131の
ピン135と係合するための取り付け穴136が形成さ
れている。
【0238】
【実施例】[実施例1]図9に示す一対のAPSフィル
ム用パトローネに用いられているディスク79と80
を、本発明のポリアセタール系樹脂組成物を用いて射出
成形により成形した写真感光材料用成形品である。
【0239】<ポリアセタール樹脂>メルトフローレー
ト(ASTM D 1238のE条件)が12g/10分、
比重(ASTM D 792)が1.50、吸水率(23
℃,24時間、ASTM D570)が0.17%、引
張り降伏強さ(ASTM D 638)が6419N/c
2(655kgf/cm2)、曲げ弾性率(ASTM D
790)が259700N/cm2(26500kgf/
cm2)、ロックウェル硬度(ASTM D 785のRス
ケール)が120R、ノッチ付きアイゾット衝撃強度(A
STM D 256)が51.94N・cm/cm(5.
3kgf・cm/cm)、数平均分子量が65,000
のホモタイプのポリアセタール樹脂:100質量部に対
して以下を添加した。
【0240】<ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂> メタロセン触媒を用いて製造重合したメルトフローレー
ト(ASTM D 1238のE条件)が12g/10
分、GPC法測定の分子量分布(Mw/Mn)が2.
6、GPC法測定の数平均分子量(Mn)が46500
のエチレン・オクテン−1共重合体樹脂(オクテン−1
含有量25質量%)を不飽和カルボン酸でグラフト変性
した酸変性エチレン・オクテン−1共重合体樹脂:10
質量部 ポリアミド6/66/610(36%/36%/28%)
三元共重合体樹脂(数平均分子量26500):1質量
【0241】<滑剤> ステアリン酸カルシウム:0.3質量部 25℃の粘度が2万センチストークスのジメチルポリシ
ロキサン:1質量部
【0242】<酸化防止剤> ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(チバガイギー社製の商品名「イルガノックス101
0」):0.05質量部
【0243】<遮光性物質>硫黄成分含有量(ASTM
D 1619−60の測定方法)が0.1%以下、pH
が8.0、平均粒子径が22nm、遊離硫黄含有量が1
ppm以下、シアン化水素ガス含有量(JIS K 63
50の測定方法)が1ppm以下の石油(ナフサ)系原
料であるエチレンボトム油を原料として用い、1500
℃の炉内で連続的に部分燃焼させたファーネスカーボン
ブラック:1質量部
【0244】以上のように、ポリアセタール樹脂、ホル
ムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂、滑剤、酸化防止剤お
よび遮光性物質の5種を必須構成成分として含有するポ
リアセタール系樹脂組成物を、池貝鉄工株式会社製の二
軸押出し機(商品名「PCM−45」)に供給して溶融
混練し、水冷後切断してペレットを得た。このペレット
を80℃で2.5時間乾燥した後、型締圧150tの住
友重機会部式会社製の射出成形機(商品名「ネスター
ル」)に供給し、シリンダー温度200℃、金型温度7
0℃、成形サイクル7秒で5000ショットの連続成形
を行い、上記APSフィルム用パトローネに用いられる
ディスクを得た。
【0245】[実施例2]実施例1のポリアセタール系
樹脂組成物において、遮光性物質として、一般に市販さ
れている安価なファーネスカーボンブラックである三菱
化成製の商品名「#40(B)」を用いた。その他のポリ
アセタール樹脂、ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹
脂、滑剤および酸化防止剤は、実施例1と同一種類、同
一含有量にした。また、成形方法および条件も、実施例
1と同一である。
【0246】実施例2は、実施例1に対し、写真性が◎
→○に1クラス低下したが、その他の特性は同等であ
り、また、安価に製造できるものであった。
【0247】[実施例3]実施例1のポリアセタール系
樹脂組成物において、ホルムアルデヒド無害化熱可塑性
樹脂として、酸変性エチレン・オクテン−1共重合体樹
脂10質量部と、ポリアミド6/66/610(36%
/36%/28%)三元共重合体樹脂1質量部の替わり
に、硬質セグメントがポリウレタン樹脂、軟質セグメン
トがポリエステル樹脂であるポリウレタン系エラストマ
ー11質量部を用いた。その他のポリアセタール樹脂、
滑剤、酸化防止剤および遮光性物質は、実施例1と同一
種類、同一含有量にした。
【0248】以上のように、ポリアセタール樹脂、ホル
ムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂、滑剤、酸化防止剤お
よび遮光性物質の5種を必須構成成分として含有するポ
リアセタール系樹脂組成物を、池貝鉄工株式会社製の二
軸押出し機(商品名「PCM−45」)に供給して溶融
混練し、水冷後切断してペレットを得た。このペレット
を80℃で3時間乾燥した後、型締圧150tの住友重
機会部式会社製の射出成形機(商品名「ネスタール」)
に供給し、シリンダー温度210℃、金型温度80℃、
成形サイクル7.5秒で5000ショットの連続成形を
行い、APSフィルム用パトローネに用いられるディス
クを得た。
【0249】実施例3は、実施例1と比較して、成形サ
イクルが0.5秒長くなった他は、ホルマリンガスに対
するスキャベンジャー作用が大きくなり、写真性がさら
に良化し、市販のポリアセタール樹脂のほとんどを使用
可能とし、寸法精度、耐磨耗性、物理強度、外観も良化
した。また、生分解性を有するようになり、リサイクル
適性、破棄適性の両適性を有する2000年4月から施
行される“容器・包装リサイクル法”を完全にクリヤー
可能な優れた写真感光材料用射成形品であった。
【0250】[比較品1]ホルムアルデヒド無害化熱可
塑性樹脂としての酸変性エチレン・オクテン−1共重合
体樹脂およびポリアミド6/66/610三元共重合体
樹脂を含有していない他は、実施例1と同一の樹脂組成
である(ポリアセタール樹脂、滑剤、酸化防止剤および
遮光性物質の4種は同一種類、同一含有量)。また、ペ
レットの製造装置および製造方法並びに成形装置および
成形条件は実施例1と同一である。
【0251】[比較例2]ホルムアルデヒド無害化熱可
塑性樹脂としての酸変性エチレン・オクテン−1共重合
体樹脂およびポリアミド6/66/610三元共重合体
樹脂並びに滑剤としてのステアリン酸カルシウムおよび
ジメチルポリシロキサンを含有していない他は、実施例
1と同一である(ポリアセタール樹脂、酸化防止剤およ
び遮光性物質の3種は同一種類、同一含有量)。また、
ペレットの製造装置および製造方法並びに成形装置およ
び成形条件は実施例1と同一である。
【0252】[比較例3]ホルムアルデヒド無害化熱可
塑性樹脂としての酸変性エチレン・オクテン−1共重合
体樹脂およびポリアミド6/66/610三元共重合体
樹脂、滑剤としてのステアリン酸カルシウムおよびジメ
チルポリシロキサン並びに酸化防止剤を含有していない
他は、実施例1と同一である(ポリアセタール樹脂およ
び遮光性物質の2種は同一種類、同一含有量)。また、
ペレットの製造装置および製造方法並びに成形装置およ
び成形条件は実施例1と同一である。
【0253】[従来例1]ポリスチレン変性ポリフェニ
レンエーテル樹脂(メルトフローレート=メルトインデ
ックス2.4g/10分)シートを用い、真空圧空成形
によりAPSフィルム用パトローネに用いるディスクを
得た(特開平10−90839号公報に記載されてい
る)。
【0254】以上の実施例1〜3、比較例1、2および
3、従来例1の各種特性を比較した結果を表4に示す。
【0255】
【表4】
【0256】表4に記載した比較内容は以下のようにし
て比較して評価した。 <写真性>各成形品にISO感度400のネガカラー写
真フィルムを適用後35℃70%RHの条件下に1ヵ月
放置後現像処理し、カブリの増加、感度の変化、発色変
化、階調変化を放置前(ブランク)の値と比較して評
価。カブリの発生、感度異常、発色異状、階調異常、色
バランス異常等を総合的に評価した。
【0257】<射出成形性>各写真感光材料用成形品を
射出成形した時の、成形故障の発生度合、離型性、目付
け量の変動、射出圧力、成形サイクル等を総合評価。
【0258】<摺動性>図8に示すAPSフィルム用パ
トローネを図10の光密性カートリッジ105として撮
影用カメラ体100に装填し、撮影操作中のAPSフィ
ルムを走行させるのに必要なトルクを比較して評価。
【0259】<モールドデポジット>各成形品を500
0ショット連続成形した時の成形品の外観、金型に付着
した汚れの堆積物や斑点状ぶれ、光沢ムラ等を目視検査
で比較して評価。
【0260】<カメラ適性>写真フィルムの走行性、ピ
ント、耐熱・耐寒性、耐摩耗性、耐傷性、落下強度、写
真性、密封遮光性等、撮影用カメラ操作適性等を総合評
価。
【0261】<生産性>致命成形故障の発生が最も少な
い成形条件時の成形サイクルを比較(成形サイクルが短
いもの程、生産性が優れていることになる)。
【0262】<コスト>添加剤、成形サイクル、成形故
障の発生量等のトータルコストから比較評価した。
【0263】<形状精度>成形収縮率、変形、ヨジレ、
設計寸法に対する精度等を総合評価。評価は下記によ
る。 ◎:非常に優れる ○:優れる ●:実用限度 ▲:改良必要 ×〜××:問題有、実用不可
【0264】[実施例4]図13に示すインスタントフ
ィルム用パックケース130に用いる圧板133を射出
成形した。用いたポリアセタール系樹脂組成物は、実施
例1と同一である。
【0265】実施例4の圧板は、金属性の圧板(例え
ば、特開平9−138480号公報で記載されている)
に比べ、写真性、摺動性、カメラ適性、生産性、寸法精
度、外観の全てが優れており、また、安価(1/2以下
のコスト)に製造できるものであった。
【0266】インスタントフィルムのように高感度(I
SO感度400以上)で化学増感および/または色素増
感させたハロゲン化銀を含む写真感光材料は、わずかな
ホルムアルデヒドガスやシアン化水素ガスにより写真性
が悪化(感度や階調や発色の異状および被り発生)する
ものである。したがって、このようなインスタントフィ
ルムを包装する射出成形品は、ホルムアルデヒドガスや
シアン化水素ガスの発生しないポリプロピレン樹脂やポ
リエチレン樹脂またはポリスチレン樹脂のいずれかをマ
トリックス樹脂とする射出成形品のみが使用されてき
た。
【0267】しかし、図13に示すようなインスタント
フィルムパックに用いる圧板は、バネ特性を長期間維持
することが必須であるので、写真感光材料用成形品に使
用されてきたポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂ま
たはポリスチレン樹脂は、バネ特性を有しないため用い
ることができず、高価であるが写真性とバネ特性が使用
限度範囲内にあるステンレス鋼板をプレスで打ち抜いた
金属製のものが用いられてきた。したがって、従来の圧
板は、高価な金属を生産性の悪いプレス打ち抜き成形で
製造されているため、高価で後加工(シャープなエッジ
の鋭角化)が必要であった。また、熱可塑性樹脂と異な
る材料のステンレス鋼板を使用しているため、分離処理
が2000年4月から実施される「容器・包装リサイク
ル法」をクリアーするためには必須である。
【0268】以上のような従来の圧板の問題点を、本願
発明の写真感光材料用成形品を用いることにより、解消
できるものである。
【0269】
【発明の効果】写真性が良好であり、射出成形性、摺動
性、モールドデポジット性、カメラ適性が優れた形状、
外観、寸法精度の優れた写真感光材料用成形品を安価に
生産性が良好な状態で提供できる。
【0270】また、2000年4月から実施される「容
器・包装リサイクル法」に適合できるリサイクル適性
(写真性や物性を悪化させることなく)、リユース適性
の優れたポリアセタール系樹脂組成物で形成した写真感
光材料用成形品を安価に安定して提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である写真フィルム用スプールの断面図である。
【図2】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である帯状感光材料用コアの斜視図である。
【図3】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である感光性帯材容器の分解斜視図である。
【図4】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である感光性帯材容器の分解斜視図である。
【図5】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である写真フィルム用カートリッジの分解斜視図であ
る。
【図6】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態であるレンズ付きフィルムユニットの分解斜視図であ
る。
【図7】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である樹脂製の写真フィルム用パトローネの分解斜視
図である。
【図8】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である樹脂製の写真フィルム用パトローネの断面図で
ある。
【図9】 本発明による写真感光材料用成形品の実施形
態である樹脂製の写真フィルム用パトローネに用いられ
ているディスクの部分断面図である。
【図10】 本発明による写真感光材料用成形品の実施
形態である写真フィルム入樹脂製カートリッジ等の光密
性カートリッジを使用する撮影用カメラ体の斜視図であ
る。
【図11】 本発明による写真感光材料用成形品の実施
形態であるパック入りシート写真フィルム用ホルダーの
斜視図である。
【図12】 本発明による写真感光材料用成形品の実施
形態である袋入りシートフィルム用ホルダーの斜視図で
ある。
【図13】 本発明による写真感光材料用成形品の実施
形態である圧板を設けたインスタントフィルム用パック
ケースの分解斜視図である。
【符号の説明】
10…写真フィルム用スプール 20…帯状感光材料用コア 30…感光性帯材容器 40…感光性帯材容器 50…写真フィルム用カートリッジ 60…レンズ付きフィルムユニット 70…樹脂製の写真フィルムパトローネ 100…撮影用カメラ体 110…パック入りシート写真フィルム用ホルダー 120…袋入りシートフィルム用ホルダー 133…圧板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/13 C08K 5/13 5/20 5/20 C08L 23/00 C08L 23/00 25/00 25/00 59/00 59/00 67/00 67/00 75/04 75/04 77/00 77/00 83/04 83/04 91/00 91/00 // C08J 5/00 CEZ C08J 5/00 CEZ Fターム(参考) 4F071 AA15 AA22 AA40 AA43 AA53 AA54 AA67 AA78 AB18 AB21 AB23 AB26 AC02 AC05 AC09 AC10 AC11 AC15 AE05 AE11 AE22 BA01 BB05 BC01 4J002 BB002 BB212 BB232 BN052 CB001 CF002 CK022 CK042 CL012 CL032 CL042 CL052 CP033 DA028 DA038 DA078 DA088 DE078 DE098 DE108 DE118 DE128 DE138 DE238 DG028 DJ008 DJ018 DJ028 DJ038 DJ048 DJ058 DK008 EA016 EC046 EC056 EF056 EG026 EG036 EH026 EJ017 EJ037 EJ047 EP016 EP026 EU197 EV077 EW067 FD077 FD173 FD176 FD208

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアセタール樹脂、ポリアセタール樹
    脂から発生するホルムアルデヒドガスを無害化するホル
    ムアルデヒド無害化熱可塑性樹脂、滑剤、酸化防止剤お
    よび遮光性物質を必須構成成分として含有するポリアセ
    タール系樹脂組成物で成形したことを特徴とする写真感
    光材料用成形品。
  2. 【請求項2】 前記ポリアセタール樹脂が、数平均分子
    量が2〜10万である請求項1記載の写真感光材料用成
    形品。
  3. 【請求項3】 前記ホルムアルデヒド無害化熱可塑性樹
    脂が、ポリオレフィン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエ
    ステル樹脂、熱可塑性エラストマー、ポリアミド樹脂、
    ポリスチレン樹脂およびこれらのグリシジル変性樹脂、
    水酸基変性樹脂または不飽和カルボン酸変性樹脂の中か
    ら選ばれた少なくとも1種以上である請求項1または2
    記載の写真感光材料用成形品。
  4. 【請求項4】 前記滑剤が、低分子量ポリオレフィンワ
    ックス、シリコーンオイル、アルキレンジ脂肪酸アミ
    ド、脂肪酸、脂肪酸金属塩およびビス脂肪酸アミドの中
    から選ばれた少なくとも1種以上である請求項1、2ま
    たは3記載の写真感光材料用成形品。
  5. 【請求項5】 前記酸化防止剤が、分子量400以上、
    融点100℃以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤
    である請求項1記載の写真感光材料用成形品。
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