JPH10254093A - 写真感光材料用射出成形品及びその製造方法 - Google Patents

写真感光材料用射出成形品及びその製造方法

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JPH10254093A
JPH10254093A JP5285297A JP5285297A JPH10254093A JP H10254093 A JPH10254093 A JP H10254093A JP 5285297 A JP5285297 A JP 5285297A JP 5285297 A JP5285297 A JP 5285297A JP H10254093 A JPH10254093 A JP H10254093A
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JP
Japan
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photographic
injection
resin
weight
light
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JP5285297A
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English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真性,耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性,耐傷
性,射出成形性等を改善した写真感光材料用射出成形品
及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 射出成形品である上・下ケース11,1
2,遮光蓋18,スプール軸21は、メルトフローレー
トが1〜50g/10分の結晶性シンジオタクチックポリス
チレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成物か
らなる。シンジオタクチックポリスチレン樹脂は融点お
よび硬度が高く、射出成形品の物理強度を強化し、耐熱
性,耐薬品性,耐磨耗性,耐傷性を向上する。シンジオ
タクチックポリスチレン樹脂の中では、シングルサイト
触媒を用いてスチレンモノマーを重合製造してなり、融
点が220〜310℃のものを用いることが、写真感光
材料の写真性に悪影響を与えることがほとんどなく、か
つ射出成形品の物理強度を低下させずに耐熱性等を向上
する点で好ましい。これにより、薬品や熱や衝撃による
射出成形品の変形が防止され、光カブリ,すり傷,磨耗
クズの付着等、写真フイルム14の写真性を低下させる
故障の発生が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フイルムや印
画紙などの写真感光材料用の射出成形品およびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は、写真乳剤を支持体に塗
布または蒸着などの方法によって成膜したもので、用い
る支持体の種類によって、写真フイルム,乾板,印画紙
等に分類される。写真フイルムは、支持体として樹脂フ
イルムを用いたもので、サイズによって8mmから10
00mmに至る各種ロールフイルムや、4cm×5cm,キ
ャビネ,B5,A4,B4,A3,四つ切等の各種サイ
ズ,各種類のシートフイルムがある。これらの写真感光
材料は、遮光性物質を含有する熱可塑性樹脂の射出成形
品によって構成された包装体に光密に収納されて販売さ
れている。
【0003】スチレンモノマーのみを重合した一般用ポ
リスチレン樹脂であるホモポリスチレン樹脂は、成形品
の寸法安定性が良く、無味・無臭・無毒であることか
ら、透明容器等の成形材料として広く用いられている。
ところが一方でホモポリスチレン樹脂は、油類や有機溶
剤の一部に侵されやすく、耐候性・耐熱性に劣り、帯電
しやすく、耐破壊強度が弱いという欠点を有している。
このため、上述した写真感光材料を光密に包装する射出
成形品のように、完全遮光性を必須とされ、カーボンブ
ラック等の遮光性物質を含有させる必要のあるものの成
形材料としては、一般に、耐衝撃性ポリスチレン樹脂が
用いられている。耐衝撃性ポリスチレン樹脂は、ブタジ
ェンゴム等の合成ゴムをスチレンモノマーにグラフト共
重合させた非結晶性の樹脂であり、ホモポリスチレン樹
脂に比較して物理強度、特に耐衝撃強度が強化されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、合成ゴム等
のゴム状物質やカーボンブラック等の遮光性物質は、い
ずれも樹脂の流動性を低下させるため、射出成形性を悪
化させるばかりか、この樹脂組成物からなる射出成形品
は、その表面にウエルドラインが強く生じるために外観
が損なわれやすい。また、ゴム状物質やカーボンブラッ
ク等の遮光性物質を含有させると樹脂の弾性が低下する
ので、これらを含有する樹脂組成物からなる射出成形品
は、十分な物理強度を得ることができず、耐磨耗性,お
よび耐傷性を高度に維持することが困難であった。
【0005】また、従来の耐衝撃性ポリスチレン樹脂か
らなる射出成形品は熱変形温度が低いため、この射出成
形品を用いて、例えばレンズ付きフイルムユニット,カ
メラ,樹脂製写真フイルムパトローネ,シートフイルム
ユニット等のように太陽光下で使用される写真感光材料
包装体を構成した場合、太陽光の熱や外部からの衝撃,
摩擦力によって写真感光材料包装体が変形し、例えばカ
メラへの装填や写真フイルムの走行が不可能となって撮
影ができなくなる恐れがある。また、撮影は行えたとし
ても、写真感光材料包装体の変形によってその遮光性が
損なわれ、写真感光材料に光カブリが生じたり、フイル
ム走行時に感光乳剤膜面に擦り傷や押し傷が生じたり、
あるいは感光乳剤膜面に磨耗クズが付着する等、写真感
光材料としては致命的な故障が発生する危険性が高い。
また耐薬品性が劣り、ベンゼンやトルエン,アセトンや
酢酸エチル等により著しく変化や変形が発生し、遮光性
や寸法精度等を確保することができない問題もあった。
【0006】本発明は上記の事情を考慮してなされたも
ので、写真性,耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性,耐傷性,
射出成形性を改善した写真感光材料用射出成形品および
その製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の写真感光材料用射出成形品は、その成形材料
として、メルトフローレートが1〜50g/10分の結晶性
シンジオタクチックポリスチレン樹脂を50重量%以上
含む熱可塑性樹脂組成物を用いるものである。また、シ
ングルサイト触媒を用いてスチレンモノマーを重合製造
してなり、メルトフローレートが1〜50g/10分、融点
が220〜310℃の結晶性シンジオタクチックポリス
チレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成物を
用いてもよい。
【0008】さらにまた、本発明の写真感光材料用射出
成形品は、シングルサイト触媒を用いてスチレンモノマ
ーを重合製造してなり、メルトフローレートが1〜50
g/10分、融点が220〜310℃の結晶性シンジオタク
チックポリスチレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性
樹脂組成物からなる射出成形品が複数組み合わされて構
成されるようにしてもよい。なお、複数の射出成形品の
うち少なくとも1つは、その成形材料として用いる熱可
塑性樹脂組成物中に0.01〜10重量%のシリコーン
系滑剤及び/または脂肪酸金属塩系滑剤を含有させるの
が好ましい。
【0009】また、本発明の写真感光材料用射出成形品
の製造方法は、メルトフローレートが1〜50g/10分、
融点が220〜310℃の結晶性シンジオタクチックポ
リスチレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成
物を成形材料として用いるとともに、樹脂温度を230
〜350℃、金型温度を50〜200℃として射出成形
するものである。また、メルトフローレートが1〜50
g/10分の結晶性シンジオタクチックポリスチレン樹脂を
50重量%以上と、遮光性物質を0.05〜40重量%
とを少なくとも含む熱可塑性樹脂組成物を成形材料とし
て用いるとともに、この熱可塑性樹脂組成物中の水分量
が0.50重量%以下になるまで乾燥させた後、樹脂温
度を230〜350℃として射出成形するようにしても
よい。
【0010】
【作用】シングルサイト触媒は活性点が均一な触媒であ
り、ほぼ同一分子量の熱可塑性樹脂を製造するのに最適
な触媒である。特に、共重合体樹脂の場合は、シングル
サイト触媒を用いて製造すると、どの分子量成分にも均
等にコモノマーが挿入されて分子量分布,組成分布の小
さい(狭い)熱可塑性樹脂となり、寸法精度の優れた、
物理強度が大きく、ブロッキング防止性に優れたものと
なる。
【0011】シンジオタクチック重合体は、他の結合様
式をもつ重合体に比較して極めて結晶性が高く、融点お
よび硬度が高く、比重や機械的強度が大きい。本発明に
おいては、射出成形材料として、メルトフローレート
(ASTM D 1238-88のG条件;温度200℃,ピストン荷
重5kgで測定)が1〜50g/10分の結晶性のシンジオタ
クチックポリスチレン樹脂を50重量%以上含有する熱
可塑性樹脂組成物を用いることで、射出成形性,寸法精
度を優れたものとし、射出成形品の物理強度を強化し、
耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性および耐傷性の向上を図る
ものである。また、シンジオタクチックポリスチレン樹
脂の中でも、シングルサイト触媒を用いてスチレンモノ
マーを重合製造してなり、GPC法により測定した融点
が220〜310℃のものを厳選して用いることで、射
出成形品の物理強度を低下させずに耐熱性を向上するこ
とができる。これにより、射出成形品の熱や衝撃による
変形が防止され、光カブリ,すり傷,押し傷,磨耗クズ
の付着等、写真感光材料の写真性を低下させるような故
障の発生を防止できる。
【0012】本発明にいうシンジオタクチックポリスチ
レン樹脂とは、シンジオタクチック構造を有するスチレ
ン系重合体樹脂で、ラセミダイアッドで70%以上、好
ましくは80%以上、特に好ましくは85%以上、もし
くは、ラセミペンタヘッドで30%以上、好ましくは4
0%以上、特に好ましくは50%以上の立体規則性を有
するスチレン系重合体である。具体的には、立体規則性
のポリスチレン樹脂,ポリ(アルキルスチレン)樹脂,
ポリ(ハロゲン化スチレン)樹脂,ポリ(ハロゲン化ア
ルキルスチレン)樹脂,ポリ(アルコキシスチレン)樹
脂,ポリ(ビニル安息香酸エステル)樹脂、およびこれ
らの共重合体樹脂、およびこれらの混合物、あるいはこ
れらの構造単位を含む共重合体樹脂をさす。
【0013】ポリ(アルキルスチレン)樹脂の代表例と
しては、ポリ(メチルスチレン)樹脂,ポリ(エチルス
チレン)樹脂,ポリ(プロピルスチレン)樹脂,ポリ
(ブチルスチレン)樹脂,ポリ(フェニルスチレン)樹
脂,ポリ(ビニルスチレン)樹脂等があり、ポリ(ハロ
ゲン化スチレン)樹脂の代表例としては、ポリ(クロロ
スチレン)樹脂,ポリ(ブロモスチレン)樹脂,ポリ
(フルオロスチレン)樹脂等がある。また、ポリ(アル
コキシスチレン)樹脂の代表例としては、ポリ(メトキ
シスチレン)樹脂,ポリ(エトキシスチレン)樹脂等が
ある。これらの中では、特にポリ(スチレン)樹脂とポ
リ(メチルスチレン)樹脂が好ましく、ポリ(スチレ
ン)樹脂が最も好ましい。
【0014】これらのシンジオタクチックポリスチレン
樹脂は、上述のようなホモポリマー以外に、共重合体樹
脂であってもよく、耐衝撃強度を必要とする場合は、共
重合体樹脂の方が好ましい。
【0015】共重合体樹脂のコモノマー成分の代表例と
しては、上述のスチレン系重合体樹脂を形成するモノマ
ーの他、エチレン,プロピレン,ブテン,ヘキセン,オ
クテン等のオレフィンモノマー、ブタジェン,イソプレ
ン等のジェンモノマー、環状オレフィンモノマー,環状
ジェンモノマーやメタクリル酸メチル,無水マレイン
酸,アクリロニトリル等の極性ビニルモノマー等があ
る。これらのうち、スチレンを主成分として、これに合
成ゴム,アルキルスチレン,水素化ポリスチレン,ハロ
ゲン化ポリスチレンを共重合したものが好ましく、中で
もブタジェンゴム,イソプレンゴム,イソブチレンゴ
ム,パラーメチルスチレン,メターメチルスチレン,パ
ラーターシャリーブチルスチレン,パラークロロスチレ
ン,水素化ポリスチレンがより好ましく、特に好ましい
のがブタジェンゴムとパラーメチルスチレンとパラータ
ーシャリーブチルスチレンである。
【0016】これらのコモノマー量は30モル%以下、
好ましくは20モル%以下、より好ましくは15モル%
以下、特に好ましくは10モル%以下、最も好ましくは
7モル%以下である。30モル%を超えると、剛性が不
足するだけでなく、写真感光材料の写真性に悪影響を及
ぼす(カブリ増加,感度異常,発色異常等)ようにな
り、かつ高価になり実用化困難である。
【0017】また、本発明のシンジオタクチックポリス
チレン樹脂と他の熱可塑性樹脂とをブレンドして使用し
てもよい。好ましいブレンド用熱可塑性樹脂成分として
は、上述のようなシンジオタクチックポリスチレン樹脂
やアタクチック構造を有するスチレン系重合体樹脂や、
一般のホモポリスチレン樹脂および従来の耐衝撃性ポリ
スチレン樹脂,ゴム含有ポリスチレン樹脂,不飽和カル
ボン酸グラフト変性熱可塑性樹脂,ポリスチレン樹脂系
相溶化剤が相溶性の観点から好ましい。特に好ましいの
がシンジオタクチック構造を有するポリスチレン樹脂
と、アタクチック構造を有するポリスチレン樹脂と、非
結晶性の従来のホモポリスチレン樹脂と、合成ゴム含有
耐衝撃性ポリスチレン樹脂および不飽和カルボン酸グラ
フト変性熱可塑性樹脂である。
【0018】これらの添加量は、50重量%未満、好ま
しくは40重量%以下、特に好ましくは30重量%以
下、最も好ましくは20重量%以下である。シンジオタ
クチックポリスチレン樹脂の含有量が50重量%以上で
ないと、耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性等の本発明の優れ
た特性を有する射出成形品を提供することができなくな
る。
【0019】本発明のシンジオタクチックポリスチレン
樹脂の重量平均分子量は、2〜100万、好ましくは5
〜90万、より好ましくは10〜80万、特に好ましく
は15〜70万、最も好ましくは20〜60万である。
分子量分布(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)
は、上記の優れた特性と寸法精度確保のために、1.1
〜10、好ましくは1.3〜8、より好ましくは1.5
〜6、特に好ましくは1.7〜5、最も好ましくは1.
9〜4である。
【0020】このようなシンジオタクチックポリスチレ
ン樹脂は、例えばチタン化合物および水とトリアルキル
アルミニウムの縮合生成物を触媒として、以下に記載す
るスチレンモノマーを重合することにより製造すること
ができる。また、チタン化合物およびカチオンと複数の
基が元素に結合したアニオンとからなる化合物を触媒と
して重合することにより製造することができる。本発明
で最も好ましい重合製造方法は、重合活性が大きく、そ
の結果触媒残渣を少なくできるシングルサイト触媒(代
表的なものはメタロセン触媒)を用いてスチレンモノマ
ーを重合製造したものである。
【0021】シングルサイト触媒の代表例としては、チ
タン,ジルコニウム,ハフニウム,およびバナジウムか
らなる群から選択される遷移金属のメタロセンの少なく
とも1種とアルモキサンとの反応生成物を含んでなる触
媒がある。遷移金属のメタロセン成分の代表例として
は、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムクロラ
イド,ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロライド,ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド,ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウム
ジクロライド,ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロライド,ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)チタニウムジクロライド,ビス(ブチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド,ビス(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
ライド,メチレンビス(ブチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロライド等がある。
【0022】スチレンモノマーの製法としては、肉けい
酸の分解蒸留法,アセトフェノンの還元脱水法,塩化エ
チルベンゾールの脱塩酸法,フェニルアルコールの脱水
法,エチルベンゾールの合成と脱水素法等があるが、写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、か
つ安価なので、エチルベンゾールの合成と脱水素法が最
も好ましい。この製法は、ベンゼンとエチレンからエチ
ルベンゾール(エチルベンゼン)を合成し、エチルベン
ゾールの脱水素によりスチレンモノマーを生成後、精製
(純度98%以上、不純物としてエチルベンゾールが1
%以下含有)して使用する。
【0023】また、射出成形性を低下させることなく、
耐熱性が高く、耐磨耗性および耐傷性に優れた射出成形
品を得るためには、射出成形時の樹脂温度および金型温
度を高くすることが好ましい。この点、シンジオタクチ
ックポリスチレン樹脂は他の樹脂に比較して融点が高
く、射出成形時の樹脂温度を高くすることができる。本
発明においては、射出成形時の樹脂温度を230〜35
0℃、金型温度を50〜200℃とすることで、樹脂の
流動性が増して射出成形性が向上するとともに、物理強
度が大きくて耐磨耗性および耐傷性に優れ、しかも耐薬
品性と耐熱性に優れる射出成形品を得ることができる。
さらに、射出成形性を向上させ、寸法精度を向上させ、
写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす触媒残渣を無害
化させ、射出成形機のスクリューやシリンダー及び金型
の防錆効果があり、さらに遮光性物質を含有する場合
は、遮光性物質の分散性を向上させる働きもする脂肪酸
金属塩系滑剤を0.01〜10重量%含有させることが
本発明では特に好ましい。
【0024】さらにまた、その用途から完全遮光性を確
保することを必須とされる射出成形品、例えば、新写真
システムであるアドバンストフォトシステム(以後AP
Sとする)等に用いる樹脂製写真フイルムパトローネ
や、写真フイルム用スプール,レンズ付きフイルムユニ
ット,インスタントフイルムユニット,シートフイルム
パック,シートフイルムホルダー,カメラ等の場合、メ
ルトフローレートが1〜50g/10分のシンジオタクチッ
クポリスチレン樹脂を50重量%以上と、遮光性物質を
0.05〜40重量%とを少なくとも含有する熱可塑性
樹脂組成物を成形材料として用いるとともに、この熱可
塑性樹脂組成物中の水分量が0.50重量%以下になる
まで乾燥させてから、樹脂温度を230〜350℃とし
て射出成形することで、銀条,発泡,ウエルドライン,
ショートショット等の発生を防止し、外観の良好な射出
成形品を得ることができる。この場合、熱可塑性樹脂組
成物の流動性を向上させ、射出成形性を良化させる働き
をする各種滑剤の1種以上を0.01〜10重量%含有
させることが好ましい。物理強度を向上させ、遮光能力
を向上させ、射出成形性を向上させる目的の場合は、後
述のシリコーン系滑剤を含有させることが最も好まし
く、写真性改良,防錆性向上,遮光性物質の分散性向上
の目的の場合は、脂肪酸金属塩系滑剤を含有させること
が最も好ましい。
【0025】本発明において必須の構成要件の1つであ
る遮光性物質の代表例を以下に示す。 1.無機化合物 (1) 酸化物;シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 (2) 水酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 (3) 炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 (4) (亜)硫酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 (5) ケイ酸塩;タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 (6) 炭素;カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 (7) その他;鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0026】2.有機化合物 木粉(松,樫,ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド,ピーナッツ,モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン(変性デンプン,表面処理デンプンも含む)、
芳香族ポリアミド繊維等
【0027】上記の遮光性物質の中では、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上の高温射出成形
下においても安定であり、射出成形品を不透明化する無
機化合物が好ましく、特に耐熱性,遮光性,耐光性に優
れ、比較的不活性な物質であることから、光吸収性のカ
ーボンブラック,窒化チタン,グラファイト,および鉄
黒が好ましい。
【0028】カーボンブラックは、その原料によってフ
ァーネスブラック、アセチレンブラック、ガスブラッ
ク、チャンネルブラック、アントラブラック、ケッチェ
ンブラック、サーマルブラック、ランプブラック、油
煙、松煙、アニマルブラック、ベジタブルブラック等に
分類される。これらのカーボンブラックの中では、遮光
性確保、コスト低減、物性向上等の目的からファーネス
カーボンブラックが好ましく、高価ではあるが帯電防止
効果を有する点でアセチレンカーボンブラックや、変性
副性カーボンブラックであるケッチェンカーボンブラッ
ク及び導電性ファーネスカーボンブラック(バルカンX
C−72等)なども好ましい。また、必要に応じて前者
と後者とを混合して用いることも好ましい。
【0029】写真感光材料用射出成形品を構成する樹脂
材料組成物に用いる遮光性物質としては、写真感光材料
にカブリを発生させることがなく、感光度の増減の発生
が少なく、遮光能力が大きく、熱可塑性樹脂に添加した
際にブツ(遮光性物質の塊)が発生しにくい点から、p
H(JIS K 6221で測定)が6.0〜9.0、平均粒子径
(電子顕微鏡で測定)が10〜120nm、特に10〜
80nmのカーボンブラックが好ましい。さらに、カー
ボンブラックの中でも、揮発成分(JIS K 6221で測定)
が2.0%以下、DBP吸油量(JIS K 6221の吸油量A
法で測定)が50ml/100g以上のファーネスカーボンブ
ラックが、写真性が良好であり、遮光性向上、分散性向
上、帯電防止性向上,および物理特性の低下が少ない点
で好ましい。
【0030】また、写真感光材料の写真性への悪影響を
抑えるためには、カーボンブラックの硫黄含有量(ASTM
D 1619-60の測定方法による)は0.9%以下、好まし
くは0.6%以下、特に好ましくは0.4%以下、最も
好ましくは0.2%以下にするのがよい。特に、写真感
光材料の写真性に直接悪影響を及ぼす遊離硫黄成分の含
有量(各試料を液体窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕
した試料100gをソックスレー抽出器に入れて700
ホルムで60℃で8時間抽出冷却後、全容を100mlと
する。この溶液10mlを高速液体クロマトグラフに注入
してイオウを定量する。高速液体クロマトグラフ分離条
件は、カラム;ODSシリカカラム(4.5φ×150mm)、分
離液;メタノール95と氷5(酢酸とトリエチルアミン
をそれぞれ0.1%含む)流速;1ml/分、検出波長;
254mm、定量は絶対検量線法によって行う。)は0.
1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好ましくは
0.01%以下、最も好ましくは0.005%以下であ
る。また、シアン化合物含有量(4−ピリジンカルボン
酸・ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量
を遮光性物質の重量に対する ppm単位に換算した値)は
50ppm 以下、好ましくは20ppm 以下、特に好ましく
は10ppm 以下、最も好ましは5ppm 以下である。さら
に、ヨウ素吸着量(JIS K 6221で測定)は20mg/g以
上、好ましくは30mg/g以上、特に好ましくは50mg/g
以上、最も好ましくは80mg/g以上であり、ジブチルフ
タレート(DBP)吸油量(JIS K 6221で測定)は50
ml/100g以上、好ましくは60ml/100g 以上、特に好ま
しくは70ml/100g 以上、最も好ましくは100ml/100
g 以上である。
【0031】好ましいカーボンブラックの市販品として
は、例えば三菱化成製のカーボンブラック♯20(B),♯30
(B),♯33(B),♯40, ♯40(B),♯41(B),♯44(B),♯45(B),
♯50, ♯55, ♯100,♯600,♯950,♯1000, ♯2200(B),♯
2200(B),♯2400(B),MA8,MA11,MA100 等が挙げ
られる。また、アシュランドケミカル社のUnited R,
BB,15, 102, 3001, 3004, 3006, 3007, 3008, 3009,
3011, 3012,XC−3016, XC−3017, 3020等が挙げら
れるが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
【0032】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質としては、Larsen の油浸法で測定した屈折率が1.
50以上の無機顔料が挙げられる。屈折率が1.50以
上の無機顔料の代表例を以下に示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。なお、( )内の数字は屈
折率を示す。
【0033】屈折率が1.50以上の無機顔料として
は、ルチル型酸化チタン(2.75)、炭化ケイ素(2.67)
、アナターゼ型酸化チタン(2.52) 、酸化亜鉛(2.3
7)、酸化アンチモン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華
(2.02)、リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コラ
ンダム(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト(1.
64)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム(1.64)、マ
グネサイト(1.62)、ドロマイト(1.59)、炭酸カルシ
ウム(1.58)、タルク(1.58)、硫酸カルシウム(1.5
6)、無水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マ
グネシウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.5
2)、アルミナ(1.50)等がある。なお、屈折率が1.
50未満の無機顔料、例えばケイ酸カルシウム(1.4
6)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.44)等は遮光
能力が小さいので多量の添加が必要となり、ブロッキン
グ防止剤としては好ましいが、遮光性物質としての使用
は好ましくない。
【0034】ところで、空港での手荷物検査ではX線を
用いた検査機が用いられているが、この検査機にISO
感度が400以上の超高感度写真フイルムを通過させる
と、この写真フイルムにはX線によるカブリが発生しや
すくなる。これを防止するためには、比重が3.1以
上、好ましくは3.4以上、特に好ましくは4.0以上
の遮光性物質を用いることが好ましい。比重が3.1以
上の遮光性物質の代表例を以下に示すが、X線遮断性を
有する遮光性物質はこれらに限定されるものではなく、
例えば顔料、粉末、フレーク、ウィスカー、ファイバー
等のいかなる形態のものであってもよい。
【0035】比重が3.1以上の遮光性物質としては、
炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、酸化鉛
(鉛白)、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、チ
タン酸バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル
粉末、銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステ
ンウィスカー、窒化ケイ素ウィスカー、銅ウィスカー、
鉄ウィスカー、ニッケルウィスカー、クロムウィスカ
ー、ステンレス粉末およびウィスカー、マグネサイト、
アパタイト、スピネール、コランダム、ジルコン、三酸
化アンチモン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミニウ
ム,錫粉末およびこれらの混合物等がある。これらの遮
光性物質の中で、特にX線遮断性を付与するのに好まし
いものは、コランダム、ジルコン、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、酸化鉛、鉛粉
末、亜鉛粉末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステ
ンレスウィスカー、タングステンウィスカー、ニッケル
ウィスカーである。
【0036】ISO感度が400以上の超高感度写真感
光材料用射出成形品の樹脂材料に含有させるものとして
は、屈折率が1.50以上、比重が3.1以上の遮光性
物質が特に好ましく、最も好ましくは屈折率が1.56
以上、比重が3.4以上のものである。代表的な遮光性
物質の屈折率および比重を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】また、遮光性物質としては、ブリードアウ
トしやすい滑剤や酸化防止剤や有機造核剤を吸着させた
り、脱臭剤、芳香剤、脱酸素剤等を吸着させる効果を有
する吸油性無機顔料を用いることも好ましい。吸油性無
機顔料の代表例としては、亜鉛華(52)、アスベスチン
(50)、クレー(51)、酸化チタン(56)、カオリン
(60)、タルク(60)、カーボンブラック(60以上)、
活性炭等がある。なお、( )内の数字は吸油量(JIS
K 6221の吸油量A法で測定。単位はml/100g)を示す。
【0039】射出成形性の良化、射出成形品の品質,遮
光性,物理強度の確保、および写真感光材料の写真性能
の確保等の点から、以上に説明した各種遮光性物質の樹
脂組成物中の合計含有量は0.05〜40重量%とする
のが好ましい。なお、遮光性物質の合計含有量は用いる
遮光性物質の遮光能力に応じて適宜調整すればよく、遮
光能力が優れているカーボンブラック、酸化チタン、お
よびアルミニウム粉末の場合は、遮光性,経済性,物理
強度,射出成形性等のバランスの点から、合計含有量を
0.05〜20重量%とするのが好ましく、より好まし
くは0.1〜15重量%、特に好ましくは0.15〜1
0重量%、最も好ましくは0.2〜5重量%である。
【0040】樹脂組成物中における遮光性物質の合計含
有量が0.05重量%未満であると射出成形品の肉厚を
非常に厚くしないと遮光能力が不足して光カブリを生じ
てしまう。そして、遮光性を高めるために射出成形品の
厚さを厚くすると、射出成形時の冷却時間を長く要する
ために成形サイクルが長くなるばかりか、樹脂の使用量
も多くなるので、射出成形品が高価なものとなってしま
う。一方、遮光性物質の合計含有量が40重量%を超え
ると、遮光性物質の樹脂中への分散性が悪化してミクロ
グリッド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材
料に圧力カブリや擦り傷を発生させる。また、遮光性物
質に吸着した水分によって射出成形品中の水分量が多く
なりすぎ、写真感光材料の写真性に悪影響(カブリの発
生,感度異常,発色異常等)を及ぼす。さらに、発泡,
銀条,ピンホール,ショートショット等が発生して射出
成形性が悪化するばかりでなく、射出成形品の物理強度
の低下をも招く。
【0041】遮光性物質を含有する樹脂組成物は、樹脂
組成物中の揮発成分(大部分は水分)が0.50重量%
以下になるように乾燥させてから使用するのが、写真感
光材料の写真性への悪影響を抑えるとともに、発泡や銀
条等の発生を抑えて射出成形性の悪化を防止する上で好
ましい。より好ましくは0.40重量%以下、特に好ま
しくは0.30重量%以下、最も好ましくは0.20重
量%以下である。なお、樹脂組成物の乾燥は、加熱した
り、真空にしたり、加熱・真空にして行えばよい(例え
ば、70℃で3時間乾燥)。
【0042】各種遮光性物質を熱可塑性樹脂に混練する
形態を大別すると、以下のようになる。 (1) 均一着色ペレット状;カラーコンパウンドといわ
れ、最も一般的に用いられているもの (2) 分散生粉末状;ドライカラーとも呼ばれ、種々の表
面処理剤で処理し、さらに分散助剤を加えて微粒子状に
粉砕した粉末状のもの (3) ペースト状;可塑剤等に分散させたもの (4) 液状;リキッドカラーとも呼ばれ、界面活性剤等に
分散させた液状のもの (5) マスターバッチペレット状;着色しようとするプラ
スチック中に高濃度に分散させたもの (6) 潤性粒粉末状;プラスチック中に高濃度に分散させ
た後、粒粉末状に加工したもの (7) 乾燥粉末状;普通の無処理の乾燥粉末状のもの
【0043】上記配合形態の中では、作業場の汚染防止
やコストの点からマスターバッチ法が好ましい。本願発
明人も特公昭63−186740号公報において遮光性
物質を特定エチレン・エチルアクリレート共重合体樹脂
に分散させた着色マスターバッチ用樹脂組成物を開示し
ている。
【0044】遮光性物質の樹脂中への分散性向上、樹脂
の流動性向上、写真感光材料の写真性に有害な揮発性物
質の発生を防止、吸湿抑制、金型表面汚れ防止等の点か
ら、遮光性物質とともに表面被覆物質を用いることが好
ましい。代表的な表面被覆物質を以下に示す。
【0045】(1)カップリング剤 1)アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭
62− 32125号公報等に開示) 2)シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) 3)チタネート系カップリング剤被覆 (2)シリカを沈着させ、続いてアルミナを沈着被覆 (3)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4)ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オ
キシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5)バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム
水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径 0.1〜
2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリーに
ケイ酸アルカリ水曜液を加えて硫酸バリウムの表面にケ
イ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加
え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バ
リウム表面に沈着させ被覆
【0046】(6)金属水和酸化物(チタン、アルミニ
ウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト、又はケイ素の水
酸化物の1種又は2種以上)及び金属酸化物(チタン、
アルミニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト、又はケ
イ素の酸化物の1種及び2種)、又は前述した金属水和
酸化物又は金属酸化物の一方のみからなる組成物で表面
被覆 (7)分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−
ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される
1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8)ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9)セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10)置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシタン誘導体で表面被覆
【0047】(11)ポリテトラフルオロエチレンで表面
被覆 (12)ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13)リン酸エステル化合物で表面被覆 (14)2〜4価アルコールで表面被覆 (15)ポリオレフィンワックス(ポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス)で表面被覆 (16)含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17)シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18)ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆 (19)界面活性剤(カチオン系、ノニオン系、両性イオ
ン系)で表面被覆 (20)有機金属キレート化合物(特にβ−ジチトンキレ
ート化合物が写真性、分散性向上等が優れているので好
ましい。)で表面被覆
【0048】上記の表面被覆物質の中では、写真感光材
料の写真性に悪影響を与えることが少なく、遮光性物質
の分散性向上、ブツの発生減少、樹脂の流動性向上等の
効果が優れた(1) 、(3) 、(12)、(15)、(16)、(18)、(1
9)、(20)が特に好ましい。
【0049】上記の表面被覆物質の他に、表面被覆効果
以外の効果も有する物質、例えば各種帯電防止剤、滑
剤、防滴剤等も遮光性物質と併用することにより、遮光
性物質の表面を被覆するのが好ましい。特に、炭素数が
20〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数が20〜4
0の脂肪族1価アルコールとのエステルを添加すること
により、写真感光材料の写真性への悪影響防止、遮光性
物質の分散性向上、樹脂の流動性向上等の効果に加え
て、射出成形機のモーター負荷を小さくして射出成形性
を向上し、射出成形品の外観を優れたものにする等の効
果を発揮できる。
【0050】モノカルボン酸の代表例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン際、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。また1価アルコールの代表例として
は、モンチルアルコール、メリシルアルコール、ラクシ
ルアルコール、セリルアルコール、ブリシルアルコール
等が挙げられる。モノカルボン酸および1価アルコール
は、熱可塑性樹脂の流動性を向上させるとともに、樹脂
中への均一混練を達成するので、遮光性物質の表面被覆
物質としても非常に優れている。
【0051】これらの表面被覆物質の添加量は、遮光性
物質100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ま
しくは0.5〜40重量部、より好ましくは1〜30重
量部、最も好ましくは1.5〜20重量部とするのがよ
い。表面被覆物質の添加量が0.1重量部未満である
と、被覆効果がほとんど発揮されない。また、添加量が
50重量部を超えると、ブリードアウトの発生量が経時
的に増加するとともに、射出成形機のスクリューと樹脂
との間でスリップが発生して吐出量が変動する。この結
果、射出成形品の厚さのバラツキが大きくなり、さらに
ショートショット等も発生しやすくなり、実用化が困難
である。
【0052】次に、本発明において必須の構成要件の1
つである滑剤について説明する。また、市販されている
代表的な滑剤名とその製造メーカー名を併せて記載す
る。
【0053】1.脂肪酸アミド系滑剤: 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 (1) べヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミットKN(日本
化成)等 (2) ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ライ
オン油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪酸
アマイドS(花王)、ダイヤミット200 (日本化成)、
ダイヤミッドAP−1(日本化成)、アマイドS・アマ
イドT(日東化学)、ニュートロン−2(日本精化)等
【0054】〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 (1) パルチミン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18
(日本精化)、アマイドP(日東化学)等 (2) ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン
・アクゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等
【0055】〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 (1) エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日本
油脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBROL
(I・C・I)、ダイヤミッドL−200 (日本化成)等 (2) オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ラ
イオン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュー
トロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化
学)、ダイヤミッドO−200 ・ダイヤミッドG−200
(日本化成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪
酸アマイドO(花王)等
【0056】〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕 (1) メチレンビスヘベニン酸アミド系滑剤;ダイヤミッ
ドNKビス(日本化成)等 (2) メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミ
ッド200 ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン
・アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 (3) メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO
(日本化成)等 (4) エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモス
リップEBS(ライオン・アグゾ)等 (5) ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ア
マイド65(川研ファインケミカル)等 (6) ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマ
イド60(川研ファインケミカル)等
【0057】2.炭化水素系滑剤:流動パラフィン、天
然パラフィン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポ
リエチレンワックス(数平均分子量が10,000以下、好ま
しくは 8,000以下、特に好ましくは 6,000以下であ
る。)、ポリプロピレンワックス(数平均分子量が10,0
00以下、好ましくは 8,000以下、特に好ましくは 6,000
以下である。)、塩素化炭化水素、フルオロカルボン等
【0058】3.脂肪酸系滑剤:高級脂肪酸(C12以上
が好ましい、具体的にはカプロン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、エルカ酸、パルチミン酸等)、オキシ脂肪酸
等 4.エステル系滑剤 脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸の多価アルコ
ールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル、脂肪
酸の脂肪アルコールエステル等 5.アルコール系滑剤:多価アルコール、ポリグリコー
ル、ポリグリセロール等
【0059】6.脂肪酸金属塩系滑剤(金属石けん):
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸、コハク酸、ベヘニン酸、ベ
ヘン酸、リノール酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル
酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸、オレイン酸、エルシン酸、バルミチン
酸、モンタン酸、エルカ酸等の炭素数が6〜50個、好
ましくは10〜40個、特に好ましくは10〜30個の
脂肪酸とLi、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、
Cd、Al、Sn、Pb、Cd等の金属との化合物が挙
げられ、好ましいものはステアリン酸ナトリウム、ステ
アリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステ
アリン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸カ
ルシウム、オレイン酸亜鉛、バルチミン酸カルシウム等
である。
【0060】7.シリコーン系滑剤:ジメチルポリシロ
キサン、ポリメチルフェニルシロキサン、オレフィン変
性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミノ変性シリ
コーン、カルボキシル変性シリコーン、エポキシ変性シ
リコーン、α−メチルスチレン変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリプ
ロピレングリコールで変性したポリエーテル変性シリコ
ーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン等があ
り、本発明ではいずれも使用が可能である。写真感光材
料用射出成形品に適用する場合に好ましいものは、直鎖
状ジオルガノポリシロキサンを主体とするジメチルポリ
シロキサンとポリメチルフェニルシロキサンで、写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼすことがなく、物理強度
向上、遮光性向上、滑性向上、射出成形性向上等、多く
の効果を発揮する点で、23℃の粘度が50〜100000セン
チストークスのジメチルポリシロキサンがより好まし
い。取扱い性、写真性、コストを考えた場合は、23℃
の粘度が5000〜50000 センチストークスのジメチルポリ
シロキサンが最も好ましい。23℃の粘度が50センチス
トークス未満では、写真性に悪影響を及ぼしたり、ブリ
ードアウトが激しくなり、実用化が困難である。また10
0000センチストークスを越えると、製造が難しくなるた
めに高価になるとともに、粘度が高すぎて取扱いが難し
くなる。
【0061】上記の各種滑剤の中で、写真感光材料用射
出成形品に適用するものとしては、滑性効果は小さい
が、樹脂中の触媒残渣やハロゲン化合物を中和したり、
遮光性物質の分散性を良化する働きをする脂肪酸金属塩
系滑剤が写真感光材料の写真性良化,射出成形機のスク
リューやシリンダー及び金型の防錆効果,ブツ発生防止
等の点から好ましい。また滑剤の添加量は、0.01〜
10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ま
しくは0.05〜3重量%、特に好ましくは0.09〜
1.5重量%である。
【0062】次に、酸化防止剤について説明する。本発
明の写真感光材料用射出成形品中には、熱可塑性樹脂や
各種添加剤の熱劣化や熱分解を防止し、熱可塑性樹脂組
成物の流動性が著しく変化したり、ブツが発生するのを
防止したり、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす熱
分解物質(アルデヒド等)の発生を防止するために、酸
化防止剤を0.001〜1.0重量%、好ましくは0.
005〜0.7重量%、更に好ましくは0.01〜0.
5重量%、特に好ましくは0.02〜0.3重量%添加
するのがよい。酸化防止剤の添加量が0.001重量%
未満であると、添加効果がなく、混練経費が増すだけで
ある。また、1.0重量%を超えると、酸化・還元作用
を利用している写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
とともに、射出成形品の表面にブリードアウトして外観
を悪化させる。さらに、金型表面にプレートアウトして
射出成形品の外観を悪化させたり、発煙量が多くなって
射出成形現場の環境を悪化させる。
【0063】以下に酸化防止剤の代表例を記載する。 1.フェノール系酸化防止剤:6−t−ブチル−3−メ
チルフェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−Pク
レゾール、2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6
−t−ブチルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス
(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4’−チオ
ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジ
ヒドロキシジフェニルシクロヘキサン、アルキル化ビス
フェノール、スチレン化フェノール、2・6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3
−(3’・5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフ
ェニル)プロピネート、2・2’−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4・4’−チオ
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニール)、4・
4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、ステアリル−β(3・5−ジ−4−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1・1・
3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、1・3・5トリメチル−2・4・
6−トリス(3・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベ
ンジル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3(3’・
5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕メタン等
【0064】2.ケトンアミン縮合系酸化防止剤:6−
エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒドロ
キノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒドロ
キノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘導体
等 3.アリルアミン系酸化防止剤:フェニル−α−ナフチ
ルアミン、N−フェニル−β−ナフチルアミン、N−フ
ェニル−N’−イソプロピル−P−フェニレンジアミ
ン、N・N’−ジフェニル−P−フェニレンジアミン、
N・N’−ジ−β−ナフチル−P−フェニレンジアミ
ン、N−(3’−ヒドロキシブチリデン)−1−ナフチ
ルアミン等
【0065】4.イミダゾール系酸化防止剤:2−メル
カプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトペンゾイミ
ダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダ
ゾール等 5.ホスファイト系酸化防止剤:アルキル化アリルホス
ファイト、ジフェニルイソデシルフォスファイト、トリ
ス(ノニルフェニル)ホスファイント亜リン酸ソーダ、
トリノニルフェニルフォスファイト、トリフェニルフォ
スファイト等
【0066】6.チオ尿素系酸化防止剤:チオ尿素誘導
体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チ
オ尿素等 7.その他、空気酸化に有用な酸化防止剤:チオジプロ
ビオン酸ジラウリル等
【0067】以上の酸化防止剤の中では、フェノール系
酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤が、写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、かつ酸化防
止効果が優れているので好ましい。また、特に好ましく
はフェノール系酸化防止剤であり、ブリードアウトが少
なく、光により着色して遮光能力が向上するという予想
外の効果があり、かつ成形加工時の高温にも耐え、発煙
量が少なく、写真感光材料の写真性に悪影響を与えるこ
とが少ない。分子量が350以上のものが最も好まし
く、例えば各種のヒンダードフェノール系酸化防止剤、
より具体的には、テトラキス〔メチレン−3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート〕メタン、1,3,5−トリス−(2−ブチル−
4ーヒドロキシ−5−ジ−t−ブチル)ブタン等が好ま
しい。フェノール系酸化防止剤の市販品としては、チバ
ガイギー社のイルガノックス各種(代表例としてはIr
eganox 1010やIreganox 1076
等)と住友化学(株)のSumilizer BH−
T、Sumilizer BH−76、Sumiliz
er WX−R、Sumilizer BP−101等
が挙げられる。また、2・6−ジ−ヒブチル−p−クレ
ゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸
化防止剤(商品名Ireganox 1010、Ire
ganox 1076、TopanolCA、Iono
x 330等)、ジウラリルチオジブロピオネート、ジ
ステアリルチオプロピオネート、ジアルキルフォスフェ
ート等の1種以上、特に2種以上を併用するのが効果的
である。
【0068】また、フェノール系酸化防止剤と燐系酸化
防止剤と、カーボンブラックと併用すると、酸化防止効
果が特に発揮されるので好ましい。その他プラスチック
・データ・ハンドブック(KK工業調査会発行)の79
4〜799ページに開示された各種酸化防止剤や、プラ
スチック添加剤データー集(KK化学工業社)の327
〜329ページに開示された各種酸化防止剤や、PLA
STICS AGEENCYCLOPEDIA進歩論
1986(KKプラスチック・エージ)の211〜21
2ページに開示された各種酸化防止剤等から酸化防止効
果を有し、かつ写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
ことが少なく、実用限度内のものを選択して用いること
が可能である。2種以上の酸化防止剤の組み合わせとし
ては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とペ
ンタエリスリトールホスファイト化合物系酸化防止剤と
の組み合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とジ
有機ペンタエリスリトールジホスファイト化合物系酸化
防止剤との組み合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防
止剤と亜リン酸エステル系酸化防止剤との組み合わせ
等、アルキル置換モノフェノール系酸化防止剤及びアル
キル置換多価フェノール系酸化防止剤及び有機ホスファ
イト化合物系酸化防止剤及び有機亜リン酸エステル系酸
化防止剤もしくは、このいずれか、もしくは2種類以上
の組み合わせ等から選択されたものがある。これらのな
かでヒンダードフェノール系酸化防止剤が熱劣化しやす
いステアリン酸亜鉛の熱劣化を防止することができ、ブ
ツの発生を大幅に減少させることかできるだけではな
く、写真感光材料の写真性を良化させることができるの
で特に好ましい。
【0069】次に、写真感光材料用射出成形品に帯電防
止性を保持させるために、樹脂組成物中に含有させるこ
とが好ましい界面活性剤系帯電防止剤の代表例を以下に
示す。
【0070】1.ノニオン系(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体;T−B103、T−B10
4(松本油脂) アルキルアミド型 3級アミン(ラウリルアミン);アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン);ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン;ANTISTATIC273C、273、273E
(Fine Org.Chem ) N−hydoroxyhexadecyl −di−ethanol −amine ;Bel
g.P.654 ,049 N−hydoroxyoctadecyl −di−ethanol −amine ;(N
ational Dist.)
【0071】(2) 脂肪酸アマイド誘導体;TB−115
(松下油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリー
クSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステエリン酸アマイド シュウ酸−N,N’−ジステアリルアミドブチルエステ
ル;ヘキスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0072】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2 CH2 O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型;レジスタット104、PE100、1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2、139、エレガンE115、ケミスタット113
(第一工業製薬)、ケミスタット1005(日本油
脂)、エリークBM−1(吉村油化学)、エレクトロス
トリッパーTS−2B,TS−2PA,TS−3B,T
S−5,TS−6B,TS−7B,TS−8B,TS−
9B,HS−12N,HS−12PA,EA等(花王)
【0073】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸もしくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、又はトリグラリセラ
イド、モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ゾルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル;エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン;ブリティシュ・セロファン
【0074】2.アニオン系 (1) スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3 Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサンフェート ROSO3 Na (2) リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0075】3.カチオン系 (1) アミド型カチオン;レジスタットPE300、40
1、402、406、411(第一工業製薬) (2) 4級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09(アメリカン・シアナミド)、デンノ314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパーES(花
王石鹸)、ケミスタット2009(日本油脂) Stearamido propyl−dimethyl−β−hydroxyethyl amm
onium nitratc ;CATANAC・SN(アメリカン・
ジアナミド)
【0076】4.両性イオン系 (1) アルキルペタイン型 (2) イミダゾリン型;レオスタット53、532、AM
S 53、AMS 303、313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型 (3) 金属塩型;AMS 576(ライオン油脂) レオスタット826、923(ライオン油脂) (RNR’CH2 CH2 CH2 NCH2 COO)2 Mg {R≧C,R’=H又は(CH2 )mCOO−}(ライ
オン油脂) なお、RはC3 〜C8 炭化水素、Aは酸素又はイミノ
基、Mは有機アミン又は金属 (4) アルキルアラニン型
【0077】5.その他 レジスタット204、205(第一工業製薬)、エレガ
ン2E:100E(日本油脂)、ケミスタット100
2、1003、2010(日本油脂)、エリーク51
(吉村油化学)、ALROMIME RV−100(ガ
イギー)、また、プラスチックデータハンドブック(K
K工業調査会1984年4月5日発行)の776〜77
8ページに開示された各種帯電防止剤等から写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼさない種類や添加量を選択し
て用いることが可能である。
【0078】以上の界面活性剤の中では、写真性及び人
身に与える悪影響が小さく、スタッチマーク防止効果が
大きいため、非イオン系界面活性剤が特に好ましい。
【0079】次に、本発明の写真感光材料用射出成形品
中に含有させることが好ましいハイドロタルサイト類化
合物について説明する。本発明の写真感光材料用射出成
形品中には、触媒残渣を中和したり、塩酸等のハロゲン
化合物を吸収して写真性に悪影響を及ぼす物質を無害化
したり、樹脂焼け故障等を防止したりするために、以下
に代表されるハイドロタルサイト類化合物および脂肪酸
金属塩、またはこれらの少なくともいずれか一方を、
0.001〜10.0重量%、好ましくは0.005〜
5.0重量%、特に好ましくは0.01〜3.0重量
%、最も好ましくは0.02〜1.5重量%添加するの
がよい。添加量が0.001重量%未満では添加効果が
発揮されず、樹脂への混練経費が増すだけである。また
添加量が10.0重量%を超えると、増量効果がほとん
どなく、ウェルドラインやブツが発生し、かつコストア
ップとなる。
【0080】ハイドロタルサイト類化合物は、一般式
が、 MX Y (OH)2x+3y-2z(A)z ・aH2 O ・・・・・(1) {ただし式中、MはMg又はCa又はZn、RはAl又
はCr又はFe、AはCO3 又はHPO4 、x,y,
z,aはいずれも正数を示す。}で示される複塩であ
る。
【0081】上記(1)式で表されるハイドロタルサイ
ト類化合物の代表例としては、Mg6 Al2 (OH)16
CO3 ・4H2 O、Mg8 Al2 (OH)20CO3 ・5
2 O、Mg5 Al2 (OH)14CO3 ・4H2 O、M
10Al2 (OH)22(CO3 2 ・4H2 O、Mg6
Al2 (OH)16HPO4 ・4H2 O、Ca6 Al
2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Zn6 Al2 (OH)
16CO3 ・4H2 O、Mg4.5 Al2 (OH)13・3.
5H2 O等が挙げられる。
【0082】また、ハイドロタルサイト類化合物には、
一般式が、 M(1-X) .Alx ・(OH)2 x/n ・mH2 O ・・・・・(2) で表され、屈折率(Larsen の油浸法で測定)が1.4
0〜1.55の化合物もある。なお、式中のMはアルカ
リ土類金属およびZnを、Xはn価のアニオンをそれぞ
れ示す。また、x,m,nはそれぞれ下記条件を満足す
る。 0<x<0. 0≦m≦2 n=1〜4の整数
【0083】上記(2)式において、Xで表されるn価
のアニオンの代表例としては、Cl- 、Br -、I-
NO3 - 、ClO4 - 、SO4 2-、CO3 2-、SiO3
2-、HPO4 2-、HBO3 2-、PO4 3-、Fe(CN)
6 3-、Fe(CN)4 4-、CH3 COC- 、C6
4 (OH)COO-等が挙げられる。
【0084】上記(2)式で表されるハイドロタルサイ
ト類化合物の代表例としては、Mg0.7 Al0.3 (O
H)2 (CO3 0.15・0.54H2 O、Mg0.67Al
0.33(OH)2 (CO3 0.165 ・0.54H2 O、M
0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.155 ・0.54
2 O、Mg0.6 Al0.4 (OH)2 (CO3 0.2
0.54H2 O、Mg0.75 Al0.25(OH)2 (CO
3 0.125 ・0.54H2 O、Mg0.83 Al0.17(O
H)2 (CO3 0.085 ・0.54H2 O等が挙げられ
る。
【0085】上記のハイドロタルサイト類化合物は、天
然物であっても、合成品であってもよい。また、その結
晶構造、結晶粒子径に制限されることなく用いることが
できる。ハイドロタルサイト類化合物の天然品として
は、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーライ
ト等がある。これらのハイドロタルサイト類化合物は単
独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。特
に、各種酸化防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用すること
が、写真感光材料の写真性を悪化させることなく、熱可
塑性樹脂や各種添加剤の熱劣化を防止でき、遮光性物質
やハイドロタルサイト類化合物の分散性を向上するので
好ましい。また、射出成形性等の加工性、物性等を特に
向上させるためには、平均2次粒子径が20μm以下、
好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下で
あり、BET比表面積が50m2 /g以下、好ましくは
40m2 /g、特に30m2 /g以下である。
【0086】このようなハイドロタルサイト類化合物
は、マグネシウムやアルミニウム等を主成分としてお
り、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼしたり、成形
機に用いられている金属の発錆の原因と考えられる塩素
イオン等のハロゲン化イオンを吸着して無害化する能力
に優れている。また、熱可塑性樹脂中のモノマーや各種
添加剤中の揮発性物質など、写真感光材料の写真性に悪
影響を及ぼす物質を吸着安定化するものと推定される。
ハイドロタルサイト類化合物の具体的な合成方法として
は、特公昭46−2280号公報や、特公昭50−30
039号公報等に記載されている公知の方法を用いるこ
とができる。
【0087】また、ハイドロタルサイト類化合物は、樹
脂中の分散性を向上させるために、表面被覆物質で被覆
処理を施して利用するのが好ましい。表面被覆する事に
よって樹脂に対する分散性ないし親和性が一層向上し、
射出成形適性や射出成形品の物理強度も向上する。な
お、ハイドロタルサイト類化合物の表面被覆物質として
は、前述した遮光性物質の表面被覆物質(1) 〜(20)等を
用いることができる。
【0088】ハイドロタルサイト類化合物の表面被覆物
質として特に好ましいものは、 (1) 高級脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸ソーダ、ラウリ
ル酸カリウム、オレイン酸ソーダ、オレイン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸亜鉛、ステアリ
ン酸カルシウム,ステアリン酸カリウム、パルチミン酸
ソーダ、パルチミン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、カ
プリン酸カリウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン酸
カリウム、リノール酸ソーダ、リノール酸カリウム等 (2) 高級脂肪酸類;ラウリル酸、パルチミン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノ
ール酸等 (3) 有機スルホン酸金属塩類;ドデシルベンゼンスルホ
ン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等 (4) カップリング剤類;イソプロピルトリイメステアロ
イルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイ
ロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス
(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビニルトリエ
トキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、ガンマグリシドオキシプロピルトリメト
キシシラン等 (5) 高級脂肪酸アミド類 (6) 高級脂肪酸エステル類 (7) シリコーン類 (8) ワックス類 等の各種滑剤が挙げられる。
【0089】これら表面被覆物質による表面被覆は、例
えば、温水にハイドロタルサイト類化合物を懸濁した状
態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩
の水溶液を加えることにより、あるいはハイドロタルサ
イト類化合物粉末をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り攪拌下、高級脂肪酸の溶液とか、カップリング剤の希
釈液を滴下することにより行うことができる。これら表
面被覆物質の添加量は適宜に変更できるが、ハイドロタ
ルサイト類化合物100重量部に対して、0.01〜5
0重量部、好ましくは0.05〜35重量部、特に好ま
しくは0.1〜20重量部、最も好ましくは0.5〜1
0重量部程度が適当である。
【0090】また、ハイドロタルサイト類化合物の分散
をより良好にするために、例えば高級脂肪酸や脂肪酸ア
ミド系滑剤やシリコーンオイルやソルビタンモノステア
レートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリセリン
モノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルな
どの1種以上を、分散剤として樹脂組成物中に含有させ
てもよい。なお、これらの分散剤は、合計量が0.01
〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好
ましくは0.08〜5重量%、最も好ましくは0.1〜
3重量%とするのがよい。これらの分散剤をハイドロタ
ルサイト類化合物と併用すると、 写真感光材料の写真性の悪化を防止する 射出成形の安定性を向上する 射出成形機や金型の防蝕(防錆とも言う)効果を向
上する 射出成形品の着色や樹脂劣化を防止する 射出成形品の透明度を向上する 射出成形品の物理強度の低下を防止する 樹脂焼けによるブツの発生や着色故障の発生を防止
する 等の作用が相乗的に向上する。
【0091】特に、フェノール系酸化防止剤や燐系酸化
防止剤、および脂肪酸金属塩から成る群より選択された
1種以上の安定剤をハイドロタルサイト類化合物と併用
すると、写真感光材料の写真性悪化がほとんどなく、射
出成形機や金型の防錆効果及び樹脂や各種添加剤の酸化
防止効果が大きくなるので好ましい。この場合、樹脂組
成物中に、 (1) フェノール系酸化防止剤を、0.0005〜0.5
重量%、好ましくは0.001〜0.4重量%、特に好
ましくは0.002〜0.3重量%添加する (2) 燐系酸化防止剤を、0.0005〜0.5重量%、
好ましくは0.001〜0.4重量%、特に好ましくは
0.002〜0.1重量%添加する (3) ハイドロタルサイト類化合物と脂肪酸金属塩(金属
石けん)との少なくともいずれか一方を、0.001〜
10.0重量%、好ましくは0.005〜5.0重量
%、特に好ましくは0.01〜3.0重量%、最も好ま
しくは0.02〜1.5重量%添加する のがよい。また、(1) +(2) +(3) の合計添加量が、
0.0015〜10.0重量%、好ましくは0.002
〜5.0重量%、特に好ましくは0.003〜4.0重
量%、最も好ましくは0.005〜3.0重量%となる
ようにするのがよい。いずれにしても、これらの添加物
は、樹脂劣化を防止できる必要最少量のみを添加するこ
とが、写真性能の悪化やブリードアウトの発生を防止
し、コストアップを抑制する点からも好ましい。
【0092】本発明の写真感光材料用射出成形品では、
写真感光材料の品質を長期間良好な状態に保持すること
が必須とされるとともに、太陽光下に放置される可能性
があることから、樹脂組成物中に光劣化を防止するため
の紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。本発明の
写真感光材料用射出成形品に用いることのできる紫外線
吸収剤の代表例を以下に示す。
【0093】(1) サリチル酸化紫外線吸収剤; Phenylsalicylate p-t-Butylphenylsalicylate p-Octylphenylsalicylate (2) ベンゾフェノン系紫外線吸収剤; 2,4-Dihydroxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-octoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-dodecyloxybenzophenone 2,2'-Dihydroxy-4-methoxybenzophenone 2,2'-Dihydroxy-4,4'-dimethoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone (3) ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤; 2-(2'-Hydroxy-5'-methylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-5'-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenyl)-5-chloro
benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)-5-chlorobenz
otriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-amylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-4'-octoxyphenyl)benzotriazole 2-[2'-Hydroxy-3'-(3",4",5",6"-tetrahydrophthal im
idemethyl)-5'-methylphenyl]-benzotriazole 2,2-Methylene-bis [4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-6
-(2H-benzotriazole-2-il)phenol] (4) シアノアクリレート系紫外線吸収剤; 2-Ethylhexyl-2-cyano-3,3'-di-phenylacrylate Ethyl-2-cyano-3,3'-diphenylate
【0094】紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂組
成物を構成する主な樹脂材料であるシンジオタクチック
ポリスチレン樹脂100重量部に対して0.01〜10
重量部とするのが好ましく、より好ましくは0.05〜
5重量部、特に好ましくは0.1〜3重量部とするのが
よい。紫外線吸収剤の配合量が0.01重量部に満たな
いと充分な紫外線吸収効果が得られず、樹脂への混練経
費が増すだけである。また、配合量が10重量部を超え
ると増量効果がほとんどなく、しかもブリードアウトが
発生して写真感光材料の写真性能に悪影響を与える。な
お、これらの紫外線吸収剤は2種以上を組み合わせて使
用してもよい。
【0095】また、本発明のシングルサイト触媒を用い
てスチレンモノマーを重合製造した結晶性のシンジオタ
クチックポリスチレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑
性樹脂組成物には、各種添加剤を添加することができ
る。この添加剤の詳細については、改訂増補「最新顔料
便覧」(昭和52年1月10日、(株) 誠文堂新光社発行)
や1994年版「新化学インデックス」(1993年7月23日、
化学工業日報社発行)や「 12394の化学商品」(1994年
1月26日、化学工業日報社発行)や、「プラスチックデ
ータハンドブック」(1984年4月5日、(株)工業調査
会発行)や、「実用プラスチック用語辞典第三版」
((株)プラスチック・エージ発行)等の各種文献に記
載された配合例(添加剤)の中から、要求される特性を
満足するとともに、写真感光材料の写真性に悪影響を及
ぼさない種類や添加量を選択したり、また複数の配合例
を組み合わせた無害化反応等を利用するなど、本発明の
写真感光材料用射出成形品にはほとんどの添加剤が利用
可能である。代表例を以下に記載するが本発明はこれら
に限定されるものではない。
【0096】 A.第1分類(ニーズに対する性能別の分類) 1.加工用助剤 a.加工安定剤(酸化防止剤、熱安定剤) (PVC安定剤) b.流動制御剤(可塑剤、滑剤) c.保形助剤(離形剤、収縮防止剤) 2.改質配合剤 2−1 安定剤(寿命制御剤) a.酸化防止剤 b.耐光安定剤 c.難燃剤 d.生物安定剤(Biostabilizers) e.劣化修復剤 2−2 性能改質剤(物性制御剤) a.耐衝撃性改良剤 (各種エラストマー、ゴム、L−LDPE樹脂等) b.充填剤、補強剤 c.着色剤 d.可塑剤 e.発泡剤 f.架橋剤(有機酸化物) g.造核剤 2−3 機能改質剤(機能付与剤) a.導電剤、磁性剤 b.静電防止剤(帯電防止剤とも言う) c.蛍光白色剤 2−4 分解促進剤 a.生分解 b.光分解 c.熱分解 等
【0097】 B.第2分類(配合剤の持つ属性別の分類) 1.粉体改質剤 a.補強剤/充填剤 b.造核剤 c.加工助剤 d.粉/粉特殊構造体 2.反応改質剤 a.架橋剤 b.マクロモノマー c.安定剤(熱、光、放射線、生物) d.分解促進剤(生物、光、熱) 3.界面改質剤 a.カップリング剤 b.相溶化剤 c.可塑剤及び溶剤、可塑剤又は溶剤 4.高分子改質剤 a.加工性改良剤、性能改質剤 b.ポリマーアロイ、ブレンド(性能改質) 等
【0098】以上のように構成された熱可塑性樹脂組成
物を用いて射出成形を行う際には、ISO 2053−
76測定法(105±2℃、1時間乾燥)により、熱可
塑性樹脂組成物中の水分量が0.50重量%以下になる
まで乾燥させてから使用することで、銀条、発泡、ウェ
ルドライン、ショートショット等、思わぬトラブルの発
生を防止することができる。なお、樹脂組成物の乾燥方
法としては、加熱(電気抵抗,スチーム,誘電,誘導,
オイル等を使用)したり、真空にしたり、加熱真空にし
たりすればよい。乾燥温度は50℃以上、かつ各樹脂の
ビカット軟化点以下が好ましい。
【0099】本発明は、樹脂製写真フイルムパトローネ
(代表例はAPS用)、写真フイルム用スプール、巻
芯、写真フイルム用カートリッジ、写真ディスクフイル
ム用カートリッジ、インスタントフイルムユニット、イ
ンスタントフイルム用パック、シートフイルムユニッ
ト、シートフイルム用マガジン、シートフイルムパック
用ホルダー、シートフイルムパック,レンズ付きフイル
ムユニット、遮光容器、シート状又はロール状写真感光
材料の明室装填用遮光マガジン、写真フイルム撮影用カ
メラ、写真感光材料現像処理機等、完全遮光性や良好な
写真性を確保することを必須とする各種の写真感光材料
用射出成形品に適用することができる。
【0100】本発明を適用するのが好ましい写真感光材
料用射出成形品の代表例を文献名とともに以下に示す
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0101】(1)樹脂製写真フイルムパトローネ:特
公昭45−6991号公報、特公昭55−21089号
公報、特開昭50−33831号公報、特開昭54−1
11822号公報、実開昭55−97738号公報、特
開昭56−87039号公報、特開昭57−19094
8号公報、特開平1−312538号公報、特開平4−
273240号公報、特開平4−320258号公報、
特開平4−335344号公報、特開平4−33563
9号公報、特開平4−343353号公報、特開平4−
349454号公報、特開平8−122976号公報、
特開平8−179469号公報、特開平8−17947
0号公報、特開平8−179471号公報、特開平8−
179472号公報、米国特許第4,834,306号
明細書、米国特許第4,846,418号明細書、米国
特許第4,848,693号明細書、米国特許第4,8
87,776号明細書等
【0102】(2)写真フイルム用スプール:実公昭4
4−16777号公報、実公昭55−31541号公
報、特開昭57−196218号公報、特開昭58−8
2236号公報、特開昭58−82237号公報、特開
昭58−203436号公報、特開昭59−15049
号公報、特開昭62−240957号公報、特開昭62
−284355号公報、特開平1−251030号公
報、特開平4−335638号公報、特開平8−110
614号公報、特開平8−118406号公報、特開平
8−201986号公報、実開昭54−120931号
公報、実開昭63−73742号公報、実開昭58−1
78139〜178145号公報、米国特許第1,93
0,144号明細書、英国特許第2,199,805号
公開明細書等
【0103】(3)巻芯、帯状感光材料用コア、リー
ル:実開昭60−107848号公報、米国特許第4,
809,923号明細書、英国特許第2,033,87
3号公告明細書等 (4)写真フイルム用カートリッジ:実公昭56−16
610号公報、実公昭60−120448号公報、実開
平2−24846号公報、実開平2−29041号公
報、特開平1−312537号公報等 (5)写真ディスクフイルム用カートリッジ:実開昭6
0−21743号公報等
【0104】(6)写真フイルムパトローネ用容器:特
公平2−38939号公報、実公平2−33236号公
報、実公平3−48581号公報、特開昭61−250
639号公報、特開昭61−73947号公報、特開昭
62−291639号公報、特開昭63−121047
号公報、実開平1−113235号公報、実開昭60−
153451号公報、実開平1−152337号公報、
米国特許第4,639,386号明細書、米国特許第
4,801,011号明細書、米国特許第4,979,
351号明細書、欧州特許第237,062号公開明細
書、欧州特許第280,065号公開明細書、欧州特許
第298,375号公開明細書等
【0105】(7)写真フイルムケース:特公平2−5
4934号公報、実開昭54−100617号公報、実
開昭64−32343号公報、実開平1−94258号
公報、実開平2−56139号公報、米国特許第4,7
79,756号明細書、欧州特許第242,905号公
開明細書等
【0106】(8)レンズ付きフイルムユニット:特開
昭63−226643号公報、特開平8−114891
号公報、特開平8−227122号公報等
【0107】(9)シートフイルムパック:特開平5−
341379号公報、特開平8−110568号公報、
特開平8−110569号公報、特開平8−11057
0号公報、特開平8−201982号公報、特開平8−
201983号公報、特開平8−201984号公報、
特開平8−262557号公報、特開平8−26255
8号公報等
【0108】(10)インスタントフイルム用パック:
特公昭57−190948号公報、特開昭50−338
31号公報、特開昭57−19048号公報、特開昭6
2−240961号公報、特開平1−312538号公
報、特開平7−159931号公報、特開平7−159
932号公報、特開平7−159933号公報、実開昭
55−97738号公報、実開昭61−41248号公
報、米国特許第4,834,306号明細書、米国特許
第4,846,418号明細書、米国特許第4,88
7,776号明細書等
【0109】また、本発明の写真感光材料用射出成形品
が適用可能な写真感光材料を以下に示す。
【0110】(1)ハロゲン化銀写真感光材料:印刷用
フイルム、カラー又は白黒印画紙、カラー又は白黒ネガ
フイルム、カラー又は白黒ポジフイルム、印画紙マスタ
ー紙、拡散転写(DTR)感光材料、電算写植フイルム
及び電算写植ペーパー、マイクロフイルム、映画用フイ
ルム、自己現像型写真感光材料、直接ポジ型フイルム及
びペーパー等
【0111】(2)熱現像感光材料: 熱現像カラー感光材料、熱現像白黒感光材料;例えば特
公昭43−4921号公報、特公昭43−4924号公
報、「写真光学の基礎」銀塩写真編(1879年コロナ
社刊行)の553〜555頁及びリサーチ・ディスクロ
ージャー誌 1978年6月号9〜15頁(RD−17
029)等に記載されているもの。さらに、特開昭59
−12431号公報、特開昭60−2950号公報、特
開昭61−52343号公報や米国特許第4,584,
267号明細書に記載されている転写方式の熱現像カラ
ー感光材料等
【0112】(3)感光・感熱性記録材料:特開平3−
72358号公報等に記載されているフォトサーモグラ
フィー(感光・感熱画像形成方法)を用いた記録材料等 (4)ジアゾニウム写真感光材料:4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフイルム、マイクロフイル
ム、複写用フイルム、印刷用版材等 (5)アジド、ジアジド系写真感光材料:パラアジドベ
ンゾエード、4,4’ジアジドスチルベン等を含む感光
材料、例えば複写用フイルム、印刷用版材等
【0113】(6)キノンジアジド系写真感光材料:オ
ルソーキノンジアジド、オルソーナフトキノンアジド系
化合物、例えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−
(2)−4−スルフォン酸フェニエーテル等を含む感光
材料、例えば印刷用版材、複写用フイルム、密着用フイ
ルム等 (7)フォトポリマー:ビニル系モノマー等を含む感光
材料、印刷用版材、密着用フイルム等 (8)ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料:例えば印
刷用フイルム、ICレジスト等
【0114】本発明を適用するのが好ましい代表的な写
真感光材料用射出成形品を、図1〜図11に基づいて説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0115】図1は、写真感光材料用射出成形品として
の写真フイルム用スプールを示すものである。写真フイ
ルム用スプール1は、巻き軸2と、その両端部に設けら
れた円板(フランジともいう)3,4とからなる一体成
形品である。巻き軸2には軸方向に沿って延びたスリッ
ト5が形成されており、このスリット5内には写真フイ
ルムの一端を係止するための係止爪6が設けられてい
る。写真フイルム用スプール1は、写真フイルムの一端
をスリット5内に差し込んで係止爪6に係合させ、巻き
軸2の外周に帯状の写真フイルムを巻き付けて使用す
る。
【0116】図2は本発明の写真感光材料用射出成形品
としての写真フイルムパトローネを示すものであり、A
PS用の樹脂製写真フイルムパトローネを示すものであ
る。この写真フイルムパトローネ10は、パトローネ本
体13の内部に、写真フイルム14を巻き付けたスプー
ル15を回動自在に収納して構成されている。パトロー
ネ本体13は、略半円筒形状をした上ケース11と下ケ
ース12とから構成され、これらは樹脂により射出成形
されている。上・下ケース11,12には各々突出した
ポート部11b,12bが形成されており、上ケース1
1と下ケース12とを組み合わせたときに、ポート部1
1b,12bの合わせ目に写真フイルム14を出入りさ
せるための写真フイルム通路17が形成される。この上
・下ケース11,12には、両者が組み合わされた後に
係合部に超音波溶着が施される。リサイクル適性を持た
せる場合は、完全遮光性を確保しながら、使用後は上・
下ケース11,12を使用前と同じ状態にすることが可
能な係合のみによる組み合せ構造とすることが好まし
い。超音波溶着を施す場合は、使用後はペレット化して
再使用することになる。
【0117】写真フイルム通路17には、ここからの入
光を防止するための蓋部材18と、これの奥に配置さ
れ、写真フイルム14の先端を分離するための分離爪1
9とが設けられている。蓋部材18は、両端面にそれぞ
れキー溝18a,18bが形成されており、カメラに装
填された際にキー溝18a,18bに係合するカメラ側
の開閉用駆動軸の回動によって写真フイルム通路17を
塞ぐ閉じ位置と、写真フイルム14の出入りを許容する
開き位置との間で回動される。
【0118】スプール15は、スプール軸21の両端部
に一対のリップ付きフランジ22,23を取り付け、こ
れらフランジ22,23の外側にデータディスク24と
使用表示部材25とを取り付けて構成され、スプール軸
21の両端面をパトローネ本体13の両側面に露呈させ
て収納される。データディスク24には、このデータデ
ィスク24と相似形状をしたバーコードラベル26が貼
り付けられ、使用表示部材25にはギヤ27が一体に形
成されている。データディスク24および使用表示部材
25は、スプール軸21と一体に回転するように取り付
けられる。
【0119】スプール軸21には写真フイルム14の後
端14aを係止するためのスリット28が形成されてお
り、両端面にカギ穴状のキー溝29a,29bが設けら
れている。キー溝29a,29bには、写真フイルムパ
トローネ10がカメラに装填された際にカメラ側の駆動
軸が係合し、この駆動軸の回転によってスプール軸21
が回動される。
【0120】一対のフランジ22,23は、可撓性を備
えるために極薄に形成されている。フランジ22,23
は断面が薄肉カップ状となっており、スプール軸21に
取り付けられた際に各々の開口縁部22a,23aが互
いに向き合って、これらの間に巻回される写真フイルム
14の両側縁を包み込む。開口縁部22a,23aは、
スプール軸21の回転を最外周に巻回された写真フイル
ム14にまで伝達させるとともに、写真フイルム14の
巻き緩みを防止している。
【0121】フランジ23には、所定ピッチで4個の穴
31が形成されている。これらの穴31には、スプール
軸21が写真フイルム送り出し方向(図中時計方向)に
回転した際に使用表示部材25のラチェット爪32が係
合する。これにより、スプール軸21の回転がフランジ
23に伝達され、フランジ23がスプール軸21と一体
に回転する。また、スプール軸21が写真フイルム巻き
取り方向(図中反時計方向)に回転した際には使用表示
部材25のラチェット爪32が穴31を乗り越え、スプ
ール軸21の回転はフランジ23に伝達されない。
【0122】データディスク24に貼り付けられるバー
コードラベル26には、バーコード26aが印刷されて
いる。バーコード26aは、様々な情報、例えば収納す
る写真フイルム14の種類や感度等を表している。この
情報は、スプール軸21が写真フイルム送り出し方向に
回転された際に、パトローネ本体13の一側面に形成さ
れた開口35a,35bを介してカメラ側に設けた読取
りセンサによって読み取られ、露出値の算出や、収納さ
れた写真フイルムの露光枚数のカウント等に用いられ
る。
【0123】パトローネ本体13の内部には、使用表示
部材25のギヤ27と噛み合うようにスプールロック3
8が収納されている。このスプールロック38は、蓋部
材18が閉じ位置にあるときにギヤ27に係合してスプ
ール軸21の回転ロックを行い、不用意な写真フイルム
14の送り出しを防止し、また、蓋部材18が開き位置
にあるときにはギヤ27との係合を解除する。
【0124】パトローネ本体13を構成している上・下
ケース11,12、スプール15のスプール軸21、お
よび蓋部材18は、それぞれ遮光性を有する熱可塑性樹
脂組成物により射出成形される。また、パトローネ本体
13は、蓋部材18が写真フイルム通路17を塞ぐ閉じ
位置にあるときに、透湿率が10g/m2 ・24時間以
下となるような防湿容器や防湿袋に収納された状態に構
成されていることが、長期間(1年以上)写真性の劣化
を防止できるので好ましい。
【0125】パトローネ本体13から写真フイルム14
を送り出す際には、スプール15を写真フイルム送り出
し方向に回転させる。スプール15が写真フイルム送り
出し方向に回転されると、写真フイルム14の先端が分
離爪19に接触して内側に巻回された部分から分離され
る。引続きスプール15が回転されると、厚みが薄い一
対のフランジ22,23は弾性を有しているから、分離
された写真フイルム14の先端部によって各々外側に押
し広げられる。これにより、写真フイルム14の先端
は、フランジ22,23の開口縁部22a,23aによ
る包み込みから開放され、写真フイルム通路17を通っ
てパトローネ本体13の外部に送り出される。
【0126】また、スプール15が写真フイルム巻き取
り方向に回転するときには、フランジ22,23は、と
もにスプール軸21と一体に回転することはない。した
がって、写真フイルム14を巻き取る際には、フランジ
22,23の開口縁部22a,23aが写真フイルム1
4との間で滑りを生じさせて写真フイルム14の巻き緩
みを防止する。
【0127】このような写真フイルムパトローネ10
は、写真フイルム14の種類,感度等を表すバーコード
を不織布,上質紙,塗工紙,プラスチックフィルム,合
成紙等の1つに印刷してなるラベル39を、パトローネ
本体13の表面に貼り付け(感圧接着剤,感熱接着剤等
をラベル裏面に塗布)た後、写真フイルムパトローネ用
容器や防湿袋(透明であっても不透明であっても、また
印刷があってもよい)で密封包装され、この後、化粧小
箱に詰めたり、透明プラスチックフイルムや印刷付きプ
ラスチックフイルム等を用いた集合包装体としてユーザ
ーに提供される。
【0128】図3は、写真感光材料用射出成形品として
の写真フイルム用カートリッジを示すものである。写真
フイルムカートリッジ40は、110タイプの写真フイ
ルム41の一端を係止したスプール42を、下部ケース
43と上部ケース44とによって光密に収納した構成と
なっている。この写真フイルムカートリッジ40では、
スプール42,下部ケース43,および上部ケース44
に本発明を適用することができる。
【0129】図4は、写真感光材料用射出成形品として
のレンズ付きフイルムユニットを示すものである。レン
ズ付きフイルムユニット50は、簡単な撮影機構を組み
付けたユニット本体51に予め未使用の写真フイルムパ
トローネ10を内蔵させ、外観を綺麗にするための外装
体(図示せず)で覆ったものである。ユニット本体51
は樹脂製の成形品からなり、撮影機構が組み付けられた
本体基部52の前後に前カバー53と後カバー54とを
被せて構成されている。本体基部52には、パトローネ
本体13を収納するパトローネ室55と、写真フイルム
14をパトローネ本体13から全て引き出した状態でロ
ール状にして収納するフイルムロール室56とが一体に
形成され、これらの間には、写真フイルム14の露光範
囲を規定するためのアパーチャー57が形成されてい
る。そして、本体基部52の背面に後カバー54を被せ
ると、本体基部52と後カバー54との隙間によって、
パトローネ室55とフイルムロール室56とを連絡する
ための写真フイルム通路58が形成される。
【0130】このレンズ付きフイルムユニット50で
は、写真フイルム14は、本体基部52と後カバー54
とによって密閉されるとともに、本体基部52と後カバ
ー54とによって形成された写真フイルム通路58内を
走行する。したがって、少なくとも本体基部52および
後カバー54に本発明を適用し、写真フイルム通路58
内の遮光性を確保するとともに、写真フイルム通路58
の壁面と写真フイルム14との摩擦抵抗を抑え、写真フ
イルム14の走行を低トルクで行えるようにするのが望
ましい。
【0131】図5は、写真感光材料用射出成形品として
の帯状感光材料用コアを示すものである。帯状感光材料
用コア60は、映画用フイルム等の帯状フイルムを巻き
付けるもので、同図(A)は樹脂注入口61を上方に向
けた状態を、同図(B)は樹脂注入口61を下方に向け
た状態を示している。この帯状感光材料用コア60の外
円筒62の内表面に、高さ0.02〜0.7mmの環状
をした凸条63が複数本設けられており、帯状感光材料
用コア60の射出成形性や物理強度および外観を良化さ
せている。この帯状感光材料用コア60は樹脂の一体成
形品であり、この帯状感光材料用コア60に対しても本
発明を適用することができる。
【0132】図6は、写真感光材料用射出成形品として
のシートフイルムユニットを示すものである。シートフ
イルムユニット70は、シートフイルム71と、これを
収納するシース72とから構成されている。シース72
は、シートフイルム71のベース面側を支持する底部7
3と、シートフイルム71の短縁71aを除く3つの縁
71b,71c,71dを包み囲む縁部74b,74
c,74dとから構成されている。このシートフイルム
ユニット70においては、シース72に本発明を適用す
ることができる。
【0133】図7は、写真感光材料用射出成形品として
のシートフイルムパックおよびシートフイルムパック用
ホルダを示すものである。シートフイルムパック80
は、シートフイルム71をシース72に収納してなるシ
ートフイルムユニット70を、樹脂製のパック本体84
に複数枚重ねて収納したもので、カメラに取り付けられ
るシートフイルムパック用ホルダ85に装填して使用さ
れる。パック本体84には、最上層に積層されたシート
フイルムユニット70に露光を与えるための開口84a
が形成されており、内部に開口84aを開閉する引蓋8
6が設けられている。パック本体84内には、シートフ
イルムユニット70を背面側から開口84aに向けて押
圧するバネ部材97(図8参照)が設けられている。
【0134】シートフイルムパック80をシートフイル
ムパック用ホルダ85に装填し、シートフイルムパック
用ホルダ85の蓋87を閉じると、パック本体84の開
口84aが蓋87に形成された露光開口87aから露呈
する。シートフイルムパック80の引蓋86を所定位置
まで引くと、最上層のシートフイルムユニット70が開
口84aから押し出され、蓋87の露光開口87aを塞
ぐ露光位置に移動する。そして、引蓋86を元の位置に
戻すと、引蓋86は最上層のシートフイルムユニット7
0と次のシートフイルムユニットとの間に挿入される。
この後、撮影操作を行ってから引蓋86を引くと、シー
トフイルムパック用ホルダ85の内側に設けられた中枠
88がパック本体84を保持した状態で引き出される。
このとき、露光済みのシートフイルムユニット70は露
光位置に停止したままであるから、パック本体84が引
き出されると、この露光済みシートフイルムユニット7
0が蓋87の内壁に設けられた4個の板バネ89によっ
てシートフイルムパック用ホルダ85の背面内壁に向か
って押しつけられる。続いて引蓋86を元の位置に押し
戻すと、中枠88とともにパック本体84がシートフイ
ルムパック用ホルダ85内の元の位置に戻る。このとき
露光済みのシートフイルムユニット70が、パック本体
84の移動方向に対して下側の側壁に形成された開口8
4bからパック本体84内に入り込み、積層されたシー
トフイルムユニット70の最下層に収納される。以上の
操作を繰り返すことにより、パック本体84に収納され
ている全てのシートフイルムユニット70を連続的に撮
影することができる。
【0135】図8に示すように、シートフイルムパック
80のパック本体84には、引蓋86の引き出し側の端
部にカウンタ収納室91が設けられ、この内部に円盤状
のカウンタ表示板90が回動自在に収納されている。カ
ウンタ表示板90の上からバネ部92aを備えた押さえ
板92がカウンタ収納室91内に設けられたガイド溝9
3に差し込まれ、更にその上からカウンタ収納室91の
開口91aを遮蔽するための遮蔽板94が被せられる。
この遮蔽板94は、その三隅に設けられた突起95a,
95b,95cがカウンタ収納室91内に形成された穴
96a,96b,96cに嵌合することにより、開口9
1aを遮蔽した状態で固定される。カウンタ表示板90
は、その表面に撮影枚数を示すカウンタ数字(図示せ
ず)が刻印されており、撮影終了後の引蓋86の押し引
き操作が行われる毎に1目盛分ずつ回動歩進する。
【0136】図7および図8に示したシートフイルムパ
ック80およびシートフイルムパック用ホルダ85にお
いては、パック本体84,引蓋86,蓋87,カウンタ
表示板90,押さえ板92,遮蔽板94,およびシート
フイルムパック用ホルダ85が樹脂の一体成形品であ
り、これらに本発明を適用することができる。
【0137】
【実施例】本発明の写真感光材料用射出成形品の成形材
料として、樹脂組成の異なる9種類の熱可塑性樹脂組成
物R1〜R9を構成した。熱可塑性樹脂組成物R1〜R
9の組成内容および各樹脂の特性を表2にまとめて示
す。
【0138】
【表2】
【0139】なお、熱可塑性樹脂組成物R1〜R9の原
材料であるシンジオタクチックポリスチレン樹脂は、い
ずれもシングルサイト触媒であるジルコニウム系のメタ
ロセン触媒を用いてスチレンモノマーを重合製造したも
のである。また、表中の各添加剤の添加量の単位は、樹
脂100重量部に対する量を重量部で示している。
【0140】表中における添加剤記号A1〜A9は、そ
れぞれ次に示すとおりである。 A1: オイルファーネスカーボンブラック(遮光性物
質) A2: ステアリン酸カルシウム (脂肪酸金属塩系滑
剤) A3: 23℃の粘度が 20000センチストークスのジメチ
ルポリシロキサン(シリコーン系滑剤) A4: ハイドロタルサイト類化合物 A5: ポリエチレンワックス (表面被覆物質) A6: 帯電防止剤(花王製エレクトロストリッパー) A7: ヒンダードフェノール系酸化防止剤 A8: 燐系酸化防止剤 A9: ヒンダードアミン系紫外線吸収剤
【0141】また、表中における樹脂特性記号C1〜C
6および各特性の測定方法は、それぞれ次に示すとおり
である。 C1: 融 点 (℃) ; DSC法 C2: 曲げ弾性率(kg/cm2 ); ASTM D 790 C3: ノッチ付きアイゾット衝撃強度(kg・cm/cm); ASTM D 256 C4: 加熱変形温度 (℃) ; ASTM D 648 C5: 比 重 ; JIS K 7112 C6: メルトフローレート(g/10分); ASTM D 1238 のG条件(温度 200℃,ピストン荷重5kg)
【0142】次に、写真感光材料用射出成形品の成形材
料として従来より用いられている熱可塑性樹脂組成物を
2種類構成した。従来の熱可塑性樹脂組成物r1,r2
の組成内容および各樹脂の特性を表3に示す。
【0143】
【表3】
【0144】なお、樹脂組成物r1の原材料である非結
晶性ブタジェンゴム補強耐衝撃性ポリスチレン樹脂(以
下、HIPS樹脂とする)は、連続塊状重合法により、
スチレンモノマーにポリブタジェンゴムをグラフト重合
させたものである。また、樹脂組成物r2の原材料であ
る非結晶性ホモポリスチレン樹脂(以下、GPPS樹脂
とする)は、連続塊状重合法によりスチレンモノマーを
重合製造したものである。
【0145】次に、熱可塑性樹脂組成物R1〜R9のそ
れぞれを用いて図2に示した上・下ケース11,12,
遮光蓋18,およびスプール軸21を射出成形し、これ
らを組み立ててなる写真フイルムパトローネ10のサン
プル品S1〜S9を作製するとともに、射出成形品の物
理強度,耐熱性,写真フイルムの写真性への悪影響の有
無,耐化学薬品性等の成形品評価を行った。また比較の
ために、従来の熱可塑性樹脂組成物r1,r2を用いて
写真フイルムパトローネ10の従来サンプル品s1,s
2を作製し、これらについてもサンプル品S1〜S9と
同様の評価を行った。なお、耐化学薬品性は、各サンプ
ル品を23℃の化学薬品中に7日間浸漬し、この後、各
サンプル品の変質の有無を確認した。
【0146】成形品の評価結果を表4にまとめて示す。
なお、表中の評価マーク◎は非常に優れている、○は優
れている、●は実用限度、▲は改良を要す、×は実用不
可能をそれぞれ示している。
【0147】
【表4】
【0148】表中の成形条件記号M1〜M4は、それぞ
れ次に示すとおりである。 M1: 樹脂組成物中の水分量が0.05重量%になる
まで乾燥させた後、樹脂温度を300℃、金型温度を1
50℃、射出圧力を900kg/cm2 として成形した。 M2: 樹脂組成物中の水分量が0.06重量%になる
まで乾燥させた後、樹脂温度を285℃、金型温度を1
00℃、射出圧力を700kg/cm2 として成形した。 M3: 樹脂組成物中の水分量が0.05重量%になる
まで乾燥させた後、樹脂温度を200℃、金型温度を4
0℃、射出圧力を320kg/cm2として成形した。 M4: 樹脂組成物中の水分量が0.07重量%になる
まで乾燥させた後、樹脂温度を210℃、金型温度を4
0℃、射出圧力を330kg/cm2として成形した。
【0149】表4から、添加剤A1〜A9の全てが添加
されているサンプル品S3は、あらゆる評価において非
常に優れているとの結果を得ることができ、射出成形品
としては最も好ましいものであることがわかる。また、
サンプル品S2,S5,S7の評価結果から、酸化防止
剤,紫外線吸収剤,およびハイドロタルサイト類化合物
は必ずしも添加しなくても、十分に物理強度に優れ、写
真感光材料の写真性に悪影響を与えることのない射出成
形品を得られることがわかる。
【0150】一方、シリコーン系滑剤を添加しなかった
サンプル品S6では、射出成形品の表面に十分な滑性を
得ることができず、フイルム走行性が悪化した。また、
樹脂が硬質化しないために十分な耐磨耗性および耐傷性
を得ることができなかった。したがって、本発明では、
脂肪酸金属塩系滑剤とシリコーン系滑剤とのうち少なく
ともシリコーン系滑剤を添加することが、フイルム走行
性,耐磨耗性,および耐傷性に優れた射出成形品を得る
上でより好ましいことがわかった。また、帯電防止剤を
添加しなかったサンプル品S4,S8,S9では、射出
成形品の表面の滑性が低下するばかりか、樹脂の流動性
が低下するために射出成形品にウエルドラインが強く発
生して外観の劣化が著しく、実用上あまり好ましくなか
った。
【0151】また、サンプル品S1,S2の評価結果
と、従来サンプル品s1,s2の評価結果とを比較して
みると、結晶性で結合力の優れたシンジオタクチックポ
リスチレン樹脂を成形材料として用いることで、射出成
形品の物理強度を強化し、耐磨耗性や耐傷性を向上でき
ることがわかる。また、遮光性物質の樹脂への分散性が
向上するために樹脂の流動性を損なうことがなく、ウエ
ルドラインの発生を抑えて射出成形品の外観の良化を図
ることができる。さらに、シンジオタクチックポリスチ
レン樹脂は、従来より用いられている非結晶性のHIP
S樹脂やGPPS樹脂に比較して熱変形温度が極めて高
く、耐熱性に優れるため、射出成形品の熱変形に起因す
る写真感光材料の写真性の劣化を防止することができ
る。
【0152】次に、上記組成の熱可塑性樹脂組成物R1
〜R9を用いて8種類の写真感光材料用射出成形品A〜
Hを射出成形するとともに、各射出成形品の良否を総合
的に判断して実用化に対する適性評価を行った。また、
比較のために従来の熱可塑性樹脂組成物r1,r2を用
いて写真感光材料用射出成形品A〜Hを射出成形すると
ともに、これらについても実用化に対する適性評価を行
った。なお、熱可塑性樹脂組成物R1〜R9,r1,r
2のそれぞれを用いた射出成形条件は、上記のサンプル
品S1〜S9,s1,s2の成形条件と同じにした。
【0153】なお、射出成形品A〜Hは、以下に示すと
おりである。 A: 写真フイルム用スプール (図1参照) B: 写真フイルム用カートリッジ (図3参照) C: レンズ付きフイルムユニット (図4参照) D: 帯状感光材料用コア (図5参照) E: シートフイルムユニット (図6参照) F: シートフイルムパック (図7参照) G: シートフイルムパック用ホルダ(図7参照) H: シートフイルムパックのカウンタ表示板(図8参
照)
【0154】実用化の適性評価結果をまとめて表5に示
す。
【0155】
【表5】
【0156】次に、前記の熱可塑性樹脂組成物R1を成
形材料として用い、樹脂の乾燥処理を施さずに樹脂中の
水分量を0.62重量%のままとし、樹脂温度を300
℃、金型温度を150℃、射出圧力を900kg/cm2
して図2に示す上・下ケース11,12,スプール軸2
1,および遮光蓋18の射出成形を行ったところ、これ
らの射出成形品には銀条,ウエルドライン,ガス焼けが
散発し、改善の必要が認められた。そこで、熱可塑性樹
脂組成物R1を加熱温度120℃、加熱時間3時間で乾
燥させて樹脂中の水分量を0.03重量%とした後に、
上記と同じ成形条件で射出成形を行ったところ、銀条,
ウエルドライン,ガス焼け等の発生は認められず、外観
の良好な射出成形品を得ることができた。
【0157】また、前記の熱可塑性樹脂組成物R2を成
形材料として用い、樹脂の乾燥処理を施さずに樹脂中の
水分量を0.96重量%のままとし、樹脂温度を285
℃、金型温度を100℃、射出圧力を700kg/cm2
して射出成形を行ったところ、これらの射出成形品には
銀条,ウエルドライン,ガス焼け,ショートショット等
の成形故障が強く発生し、実用化できない射出成形品が
得られた。そこで、熱可塑性樹脂組成物R2を加熱温度
85℃、加熱時間5時間で乾燥させて樹脂中の水分量を
0.11重量%とした後に、上記と同じ成形条件で射出
成形を行ったところ、成形故障の発生は認められず、外
観の良好な射出成形品を得ることができた。
【0158】以上より、成形材料となる熱可塑性樹脂組
成物に乾燥処理を施し、樹脂組成物中の水分量を調整す
ることが、ガス焼けや銀条やウエルドライン等の成形故
障の発生を抑え、外観の良好な射出成形品を得る上で有
効な方法であることが確認された。
【0159】次に、本発明の写真感光材料用射出成形品
のリサイクル性を確認するために、前記の熱可塑性樹脂
組成物R3を成形材料として用い、射出成形と100%
再生とを5回繰り返し行った後の再生射出成形品につい
て、物理強度の劣化の度合いを確認した。なお、射出成
形は、樹脂組成物中の水分量が0.06重量%以下にな
るまで乾燥させた後、樹脂温度を285℃、金型温度を
100℃、射出圧力を700kg/cm2 として行い、射出
成形品としては、図2に示した上・下ケース11,1
2,遮光蓋18,およびスプール軸21を成形した。ま
た、物理強度の劣化の度合いは、引っ張り強度,曲げ弾
性率,およびノッチ付きアイゾット衝撃強度の3特性の
測定を行い、各特性値の新規射出成形品の特性値に対す
る低下量で評価した。さらに、上・下ケース11,1
2,遮光蓋18,およびスプール軸21の再生射出成形
品を組み立てて写真フイルムパトローネ10の再生品を
作製し、耐熱性,耐磨耗性,耐傷性を評価するととも
に、写真フイルムの写真性に悪影響を与えるか否かを確
認した。
【0160】上記のようにして成形された上・下ケース
11,12,遮光蓋18,およびスプール軸21の再生
射出成形品について、それぞれ引っ張り強度,曲げ弾性
率,およびノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定したと
ころ、新規に射出成形されたものの値に比較して、18
%,6%,19%の低下が認められた。しかし、再生射
出成形品の各特性値は、従来の非結晶性のポリスチレン
樹脂を用いて新規に成形した射出成形品の特性値に比較
すれば同等以上の値を示しており、本発明の写真感光材
料用射出成形品は、再生利用に十分耐え得る物理強度を
保持していることが確認できた。また、これらの再生射
出成形品を組み立ててなる写真フイルムパトローネ10
の再生品は、耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性,耐傷性に優
れ、写真フイルムの写真性も良好であった。以上の結果
より、本発明の写真感光材料用射出成形品は、リサイク
ル性に非常に優れていることが確認できた。
【0161】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、写真感光
材料用射出成形品の成形材料として、融点および硬度が
高く、メルトフローレートが1〜50g/10分の結晶性の
シンジオタクチックポリスチレン樹脂を50重量%以上
含有する熱可塑性樹脂組成物を用いることで、射出成形
品の物理強度を強化し、耐熱性,耐薬品性,耐磨耗性お
よび耐傷性の向上を図ることができる。また、シンジオ
タクチックポリスチレン樹脂の中でも、シングルサイト
触媒を用いてスチレンモノマーを重合製造してなり、融
点が220〜310℃のものを厳選して用いることで、
射出成形品の物理強度を低下させることなく、耐熱性の
向上を図ることができる。これにより、射出成形品の熱
や衝撃による変形が防止され、光カブリ,すり傷,押し
傷,磨耗クズの付着等、写真感光材料の写真性を低下さ
せる故障の発生を防止できる。
【0162】また、成形材料として用いる熱可塑性樹脂
組成物中に0.01〜10重量%のシリコーン系滑剤及
び/または脂肪酸金属塩系滑剤を含有させることで、射
出成形性を向上させるとともに、寸法精度を向上し、成
形故障を減少させ、遮光能力を向上させ、かつ写真性を
良好に確保することができる。
【0163】また、メルトフローレートが1〜50g/10
分、融点が220〜310℃のシンジオタクチックポリ
スチレン樹脂を50重量%以上含有する熱可塑性樹脂組
成物を成形材料として用いるとともに、射出成形時の樹
脂温度を230〜350℃、金型温度を50〜200℃
とすることで、射出成形性を損なうことなく、物理強度
が大きく、しかも耐熱性,耐薬品性に優れた射出成形品
を得ることができる。
【0164】さらにまた、メルトフローレートが1〜5
0g/10分のシンジオタクチックポリスチレン樹脂を50
重量%以上と、遮光性物質を0.05〜40重量%とを
少なくとも含有する熱可塑性樹脂組成物を成形材料とし
て用いるとともに、この熱可塑性樹脂組成物中の水分量
が0.50重量%以下になるまで乾燥させてから、樹脂
温度を230〜350℃として射出成形することで、ガ
ス焼け,銀条,発泡,ウエルドライン,ショートショッ
ト等の発生を防止し、射出成形品の外観を良好な状態に
することができるとともに、物理強度,耐熱性,および
遮光性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真感光材料用射出成形品としての写
真フイルム用スプールの正面図である。
【図2】本発明の写真感光材料用射出成形品としての樹
脂製写真フイルムパトローネの分解斜視図である。
【図3】本発明の写真感光材料用射出成形品としての写
真フイルム用カートリッジの分解斜視図である。
【図4】本発明の写真感光材料用射出成形品としてのレ
ンズ付きフイルムユニットの構成を示す概略図である。
【図5】本発明の写真感光材料用射出成形品としての帯
状感光材料用コアの斜視図であり、(A)は上面側を、
(B)は底面側をそれぞれ表している。
【図6】本発明の写真感光材料用射出成形品としてのシ
ートフイルムユニットの斜視図である。
【図7】本発明の写真感光材料用射出成形品としてのシ
ートフイルムパックおよびシートフイルムパック用ホル
ダの斜視図である。
【図8】図7に示したパック本体の部分分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 写真フイルム用スプール 10 写真フイルムパトローネ 11 上ケース 12 下ケース 13 パトローネ本体 14 写真フイルム 18 蓋部材 21 スプール軸 40 写真フイルム用カートリッジ 50 レンズ付きフイルムユニット 60 帯状感光材料用コア 70 シートフイルムユニット 80 シートフイルムパック 85 シートフイルムパック用ホルダ 90 カウンタ表示板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29C 45/00 B29C 45/00 // B29K 25:00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトフローレートが1〜50g/10分の
    結晶性シンジオタクチックポリスチレン樹脂を50重量
    %以上含む熱可塑性樹脂組成物からなることを特徴とす
    る写真感光材料用射出成形品。
  2. 【請求項2】 前記結晶性シンジオタクチックポリスチ
    レン樹脂は、シングルサイト触媒を用いてスチレンモノ
    マーを重合製造してなり、かつ融点が220〜310℃
    であることを特徴とする請求項1記載の写真感光材料用
    射出成形品。
  3. 【請求項3】 前記写真感光材料用射出成形品は、シン
    グルサイト触媒を用いてスチレンモノマーを重合製造し
    てなり、メルトフローレートが1〜50g/10分、融点が
    220〜310℃の結晶性シンジオタクチックポリスチ
    レン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成物から
    なる射出成形品が複数組み合わされて構成されているこ
    とを特徴とする請求項1記載の写真感光材料用射出成形
    品。
  4. 【請求項4】 前記複数の射出成形品のうち少なくとも
    1つは、その成形材料である熱可塑性樹脂組成物中に
    0.01〜10重量%のシリコーン系滑剤及び/または
    脂肪酸金属塩系滑剤を含有することを特徴とする請求項
    3記載の写真感光材料用射出成形品。
  5. 【請求項5】 メルトフローレートが1〜50g/10分、
    融点が220〜310℃の結晶性シンジオタクチックポ
    リスチレン樹脂を50重量%以上含む熱可塑性樹脂組成
    物を用いるとともに、樹脂温度を230〜350℃、金
    型温度を50〜200℃として射出成形することを特徴
    とする写真感光材料用射出成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】 メルトフローレートが1〜50g/10分の
    結晶性シンジオタクチックポリスチレン樹脂を50重量
    %以上と、遮光性物質を0.05〜40重量%とを少な
    くとも含む熱可塑性樹脂組成物を用いるとともに、前記
    熱可塑性樹脂組成物中の水分量が0.50重量%以下に
    なるまで乾燥させた後、樹脂温度を230〜350℃と
    して射出成形することを特徴とする写真感光材料用射出
    成形品の製造方法。
JP5285297A 1996-12-03 1997-03-07 写真感光材料用射出成形品及びその製造方法 Pending JPH10254093A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002113756A (ja) * 2000-10-05 2002-04-16 Idemitsu Petrochem Co Ltd 透明スチレン系樹脂成形体の製造方法及び透明スチレン系樹脂成形体

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