JPH10177236A - 写真感光材料用収納容器 - Google Patents

写真感光材料用収納容器

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JPH10177236A
JPH10177236A JP33806996A JP33806996A JPH10177236A JP H10177236 A JPH10177236 A JP H10177236A JP 33806996 A JP33806996 A JP 33806996A JP 33806996 A JP33806996 A JP 33806996A JP H10177236 A JPH10177236 A JP H10177236A
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JP
Japan
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photographic
carbon black
film
lubricant
thermoplastic resin
Prior art date
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Application number
JP33806996A
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English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真性を悪化させたり、生産コストの上昇を
招くことなく、遮光性と滑性と帯電防止性とを兼ね備え
た写真感光材料用収納容器を提供する。 【解決手段】 上・下ケース11,12,スプール軸2
1,蓋部材18は、それぞれ熱可塑性樹脂にカーボンブ
ラックと、滑剤と帯電防止剤との少なくともいずれか一
方を添加した熱可塑性樹脂組成物により成形される。こ
れらは、射出成形するだけで帯電防止性,遮光性を備え
るとともに、表面が滑らかになって摺動性が高くなる。
また、フタル酸ジブチル吸油量が150cc/100g以
上のカーボンブラックを用いるとともに、その添加量を
0.1〜30重量%、滑剤と帯電防止剤との合計添加量
を0.01〜10重量%とすることで、熱可塑性樹脂組
成物の物理強度,帯電防止性,耐熱性を適正にすること
ができる。したがって、物理強度を補うための物質を添
加する必要がなくなり、写真性やカーボンブラックの分
散性が良好になり、成形故障が減少し、かつ成形材料費
を削減することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真フイルムや印
画紙などの写真感光材料を光密に収納するための収納容
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は、写真乳剤を支持体に塗
布または蒸着などの方法によって成膜したもので、用い
る支持体の種類によって、写真フイルム,乾板,印画紙
等に分類される。写真フイルムは、支持体として樹脂フ
イルムを用いたもので、サイズによって8mmから10
00mmに至る各種ロールフイルムや、4cm×5cm,キ
ャビネ,B5,A4,B4,A3,四つ切等の各種サイ
ズ,各種類のシートフイルムがある。一般撮影用として
は、国際標準規格(ISO1007−1979年版)で
規定された135タイプの写真フイルムパトローネが広
く利用されている。この写真フイルムパトローネは、円
筒状をしたパトローネ本体の内部にスプールを回動自在
に設け、このスプールに35mm幅の帯状の写真フイル
ムの末端を固定して巻きつけたものである。
【0003】最近では、パトローネ本体を樹脂成形品で
組み立てるとともに、未使用状態では写真フイルムの全
てをパトローネ本体内に巻き込んでおき、使用時にスプ
ールを回転させることによって写真フイルムの送り出し
を行うようにした写真フイルムパトローネ(アドバンス
ト・フォト・システムと名付けた新写真システム。以
後、APSと表示する。)が製造,販売されている。こ
の写真フイルムパトローネにおいては、パトローネ本体
は上ケースと下ケースとの2つの成形部品により構成さ
れ、これらの上・下ケースを一体に連結すると、その合
わせ目にスリット状の写真フイルム通路が形成され、こ
こから写真フイルムを送り出すことができるようになっ
ている。写真フイルム通路には、ここからの入光を防止
するための蓋部材が組み込まれている。またスプール
は、その両端部がパトローネ本体の両側面に形成された
軸穴に回動自在に嵌合される。
【0004】このような写真フイルムパトローネでは、
収納されている写真フイルムの写真性を保持するため
に、パトローネ本体内が確実に遮光されていることが重
要である。このため、パトローネ本体は一般的に、その
表面に遮光性物質を塗布してなる遮光層が形成されてい
たり、あるいは遮光性物質を混練した樹脂を用いて成形
されている。
【0005】上記の写真フイルムパトローネにおいて
は、写真フイルムは、写真フイルム通路の内壁と摺接し
ながらパトローネ本体から送り出される。また前述した
ように、スプールは、その両端部がパトローネ本体に形
成された軸穴に嵌合している。したがって、写真フイル
ムの送り出しを円滑にするためには、写真フイルムと写
真フイルム通路の内壁との摩擦抵抗、およびスプールの
周面と軸穴の内周面との摩擦抵抗を抑え、スプールの回
転トルクを小さくする必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】スプールの回転トルク
を小さくする方法としては、パトローネ本体の写真フイ
ルムおよびスプールとの摺接面に潤滑剤を塗布して潤滑
剤層を形成する方法がある。しかし、この方法では低沸
点有機溶剤に溶解した揮発可燃性の潤滑剤溶液を用いる
ため、引火の危険性があり、その取り扱いが非常に面倒
であるという欠点がある。また、潤滑剤を塗布するため
の設備は高価であり、しかも、潤滑剤層の厚さが規定範
囲内の厚さとなるように潤滑剤を塗布することは非常に
難しいため、生産性が悪く、生産コストの上昇を招く。
【0007】そこで、特開昭62−284355号公報
に記載されているように、熱可塑性樹脂に潤滑剤を添加
した熱可塑性樹脂組成物を用いてパトローネ本体やスプ
ールを成形する方法がある。この方法によれば、潤滑剤
の塗布工程が不要になるので、その設備費が削減され、
生産コストを低減することができる。ところが、潤滑剤
は、成形品の表面を滑らかにして摺動性を高める一方
で、これを樹脂に混練した場合には樹脂を軟化させる性
質を有するので、成形品の物理強度を低下させてしま
う。このため、樹脂に潤滑剤を添加して用いる際には、
一般に物理強度を補う物質、例えばゴムを樹脂に混練し
て用いなくてはならず、やはり写真性への悪影響(カブ
リや感度異常等)や生産コストの上昇を招いている。
【0008】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、写真性への悪影響や生産コストの上昇を招くことな
く、遮光性と滑性と帯電防止性とを兼ね備えた写真感光
材料用収納容器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の写真感光材料用収納容器は、熱可塑性樹脂
を50重量%以上と、フタル酸ジブチル吸油量が150
cc/100g以上のカーボンブラックを0.1〜30重
量%と、潤滑剤として滑剤と帯電防止剤との少なくとも
いずれか一方を0.01〜10重量%とを含む熱可塑性
樹脂組成物により構成するものである。なお、潤滑剤と
しては、融点が100〜250℃の脂肪酸金属塩を用い
るのが、射出成形時の熱分解による写真感光材料の写真
性に対する悪影響(カブリ,感度異常,階調異常,発色
異常,濃度ムラ等の発生)を防止したり、プレートアウ
ト防止,射出成形性改良,発煙減少等の効果を発揮する
点で好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、APS用等の熱可塑性樹
脂組成物を用いて成形した樹脂製の写真フイルムパトロ
ーネを示すものである。この写真フイルムパトローネ1
0は、パトローネ本体13の内部に、写真フイルム14
を巻き付けたスプール15を回動自在に収納して構成さ
れている。パトローネ本体13は、略半円筒形状をした
上ケース11と下ケース12とから構成され、これらは
樹脂により射出成形されている。上・下ケース11,1
2には各々突出したポート部11b,12bが形成され
ており、上ケース11と下ケース12とを組み合わせた
ときに、ポート部11b,12bの合わせ目に写真フイ
ルム14を出入りさせるための写真フイルム通路17が
形成される。この上・下ケース11,12には、両者が
組み合わされた後に係合部に超音波溶着が施される。リ
サイクル適性を持たせる場合は、完全遮光性を確保しな
がら、使用後は上・下ケース11,12を使用前と同じ
状態にすることが可能な係合のみによる組み合せ構造と
することが好ましい。超音波溶着を施す場合は、ペレッ
ト化して使用することになる。
【0011】写真フイルム通路17には、ここからの入
光を防止するための蓋部材18と、これの奥に配置さ
れ、写真フイルム14の先端を分離するための分離爪1
9とが設けられている。蓋部材18は、両端部にそれぞ
れキー溝18a,18bが形成されており、カメラに装
填された際にキー溝18a,18bに係合するカメラ側
の開閉用駆動軸の回動によって写真フイルム通路17を
塞ぐ閉じ位置と、写真フイルム14の出入りを許容する
開き位置との間で回動される。
【0012】スプール15は、スプール軸21の両端部
に一対のリップ付きフランジ22,23を取り付け、こ
れらフランジ22,23の外側にデータディスク24と
使用表示部材25とを取り付けて構成され、スプール軸
21の両端部がパトローネ本体13の両側面に形成され
た軸穴13a,13bに嵌合される。データディスク2
4には、このデータディスク24と相似形状をしたバー
コードラベル26が貼り付けられ、使用表示部材25に
はギヤ27が一体に形成されている。データディスク2
4および使用表示部材25は、スプール軸21と一体に
回転するように取り付けられる。
【0013】スプール軸21には写真フイルム14の後
端14aを係止するためのスリット28が形成されてお
り、両端部にカギ穴状のキー溝29a,29bが設けら
れている。キー溝29a,29bには、写真フイルムパ
トローネ10がカメラに装填された際にカメラ側の駆動
軸が係合し、この駆動軸の回転によってスプール軸21
が回動される。
【0014】一対のフランジ22,23は熱可塑性樹脂
からなる。フランジ22,23は断面が薄肉カップ状と
なっており、スプール軸21に取り付けられた際に各々
の開口縁部22a,23aが互いに向き合って、これら
の間に巻回される写真フイルム14の両側縁を包み込
む。開口縁部22a,23aは、スプール軸21の回転
を最外周に巻回された写真フイルム14にまで伝達させ
るとともに、写真フイルム14の巻き緩みを防止してい
る。
【0015】フランジ23には、所定ピッチで4個の穴
31が形成されている。これらの穴31には、スプール
軸21が写真フイルム送り出し方向(図中時計方向)に
回転した際に使用表示部材25のラチェット爪32が係
合する。これにより、スプール軸21の回転がフランジ
23に伝達され、フランジ23がスプール軸21と一体
に回転する。また、スプール軸21が写真フイルム巻き
取り方向(図中反時計方向)に回転した際には使用表示
部材25のラチェット爪32が穴31を乗り越え、スプ
ール軸21の回転はフランジ23に伝達されない。
【0016】データディスク24に貼り付けられるバー
コードラベル26には、バーコード26aが印刷されて
いる。バーコード26aは、様々な情報、例えば収納す
る写真フイルム14の種類や感度等を表している。この
情報は、スプール軸21が写真フイルム送り出し方向に
回転された際に、上ケース11の一側面に形成された開
口35を介してカメラ側に設けた読取りセンサによって
読み取られ、露出値の算出や、収納された写真フイルム
の露光枚数のカウント等に用いられる。
【0017】パトローネ本体13の内部には、使用表示
部材25のギヤ27と噛み合うようにスプールロック3
8が収納されている。このスプールロック38は、蓋部
材18が閉じ位置にあるときにギヤ27に係合してスプ
ール軸21の回転ロックを行い、不用意な写真フイルム
14の送り出しを防止し、また、蓋部材18が開き位置
にあるときにはギヤ27との係合を解除する。
【0018】パトローネ本体13から写真フイルム14
を送り出す際には、スプール15を写真フイルム送り出
し方向に回転させる。スプール15が写真フイルム送り
出し方向に回転されると、写真フイルム14の先端は、
分離爪19に接触して内側に巻回された部分から分離さ
れる。引続きスプール15が回転されると、厚みが薄い
一対のフランジ22,23は弾性を有しているから、分
離された写真フイルム14の先端部によって各々外側に
押し広げられる。これにより、写真フイルム14の先端
は、フランジ22,23の開口縁部22a,23aによ
る包み込みから開放され、写真フイルム通路17を通っ
てパトローネ本体13の外部に送り出される。
【0019】また、スプール15が写真フイルム巻き取
り方向に回転するときには、フランジ22,23は、と
もにスプール軸21と一体に回転することはない。した
がって、写真フイルム14を巻き取る際には、フランジ
22,23の開口縁部22a,23aが写真フイルム1
4との間で滑りを生じさせて写真フイルム14の巻き緩
みを防止する。写真フイルムパトローネ10内の写真フ
イルムの種類,感度のバーコード等を不織布,上質紙,
塗工紙,プラスチックフィルム,合成紙等の1つに印刷
したラベル39を、写真フイルムパトローネの表面に貼
り付け(感圧接着剤,感熱接着剤等をラベル裏面に塗
布)た後、図4に記載した写真フイルムパトローネ用容
器や防湿袋(透明であっても不透明であっても、また印
刷があってもよい)で密封包装後、化粧小箱に詰めた
り、集合包装体としてユーザーに提供される。
【0020】パトローネ本体13を構成している上・下
ケース11,12、スプール15のスプール軸21、お
よび蓋部材18は、それぞれ熱可塑性樹脂を50重量%
以上と、フタル酸ジブチル吸油量が150cc/100g
以上のカーボンブラックを0.1〜30重量%と、滑剤
と帯電防止剤との少なくともいずれか一方を0.01〜
10重量%とを含む熱可塑性樹脂組成物により射出成形
される。
【0021】熱可塑性樹脂は、従来の写真フイルムパト
ローネに用いられてきた特定の特性を有する特定金属板
に比較して廉価で、世界中のどこでも入手しやすく、大
量製造適性に優れている。特に、最近建築中の海外工場
用としては最適である。上・下ケース11,12,スプ
ール軸21,および蓋部材18の成形用樹脂としては、
ポリスチレン樹脂、耐衝撃性ポリスチレン樹脂、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体樹脂、スチレン−アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体樹脂、ポリプロピレン
樹脂、プロピレン−αオレフィン共重合体樹脂、高密度
ポリエチレン樹脂、エチレン−αオレフィン共重合体樹
脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテ
レフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポ
リアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビ
ニール樹脂、あるいは、これらの1種以上を含む混合樹
脂やこれらの変性樹脂等が好適である。特に、寸法精度
確保、物理強度確保、超音波溶着適性向上等を考慮した
場合には、メルトフローレート(JIS K 6870,温度 200
℃,荷重5kgで測定)が0.4 〜50.0g/10分、好ましくは
1.0 〜30.0g/10分、特に好ましくは1.5 〜20.0g/10分、
最も好ましくは2.0〜10.0g/10分であり、ゴムが0.1 〜2
5重量%、好ましくは0.2 〜20重量%、特に好ましくは
0.3 〜15重量%、最も好ましくは0.4 〜10重量%含まれ
ている耐衝撃性ポリスチレン樹脂が、熱可塑性樹脂 100
重量部中に10〜100 重量部、好ましくは20〜100 重量
部、特に好ましくは30〜100 重量部、最も好ましくは40
〜100 重量部含まれていることが好ましい。この樹脂の
その他の好ましい必要特性は、変形防止の点から曲げ弾
性率(ASTM-D790 )は15,000〜32,000kg/cm2、好ましく
は1,8000〜28,000kg/cm2、特に好ましくは20,000〜28,0
00kg/cm2であり、ビカット軟化点(JIS K 6870で15Kg
荷重)は80℃以上、好ましくは85℃以上、特に好ま
しくは、90℃以上である。本発明においては、この耐
衝撃性ポリスチレン樹脂は、ゴム(写真性に悪影響を及
ぼすことが少ないので合成ゴムが好ましい)とスチレン
モノマーを重合(連続塊状重合が主であり、一部が溶液
重合や懸濁バッチ重合が実用化されている)したもので
あってもよく、またホモポリスチレン樹脂とゴム含有ハ
イインパクトポリスチレン樹脂(耐衝撃性ポリスチレン
樹脂ともいう)をゴム含有量が0.1重量%〜25重量
%になるように混合したものであってもよく、またホモ
ポリスチレン樹脂にゴム含有量が0.1重量%〜25重
量%になるようにゴムを添加混合してもよい。
【0022】カーボンブラックは、パトローネ本体1
3,スプール軸21,蓋部材18に遮光性を付与するた
めのもので、帯電防止効果および減摩効果をも有するこ
とから滑性の向上にも寄与する。ところが一方で、カー
ボンブラックは滑剤や可塑剤の一部を吸収して樹脂の可
塑化や滑性化に使用される有効滑剤量や可塑剤量を減少
させる性質を有する。このため、樹脂中の滑剤量や可塑
剤量を決定する際にはカーボンブラックの吸油量を考慮
することが重要であり、本発明においては、フタル酸ジ
ブチル吸油量(JIS K 6221の吸油量A法)が150cc/
100g以上のカーボンブラックを用いるのがよい。
【0023】このカーボンブラックの添加量は、帯電防
止性確保,写真性確保,遮光性確保,射出成形性,物理
強度確保の点から、0.1〜30重量%の範囲内とする
のが好ましい。カーボンブラックの添加量が0.1重量
%に満たないと、所望の帯電防止効果,写真性良化効
果,および遮光効果を得ることができない。また、添加
量が30重量%を超えると、カーボンブラックによる吸
湿量が過大となり、樹脂が硬化するとともに、その流動
性が損なわれる。このため、射出成形時にウエルドマー
クや銀条や樹脂焼け、およびショートショット等の成形
故障が発生し、成形品の遮光性不良や外観不良、および
物理強度の低下を引き起こす。
【0024】カーボンブラックは、その製造法によって
ファーネス法カーボンブラック、チャンネル法カーボン
ブラック、サーマル法カーボンブラック等に分類され
る。本発明においては、帯電防止性が優れ、各種ゼオラ
イト,ヒダントイン化合物,酸化防止剤や脂肪酸金属
塩、およびハイドロタルサイト類化合物の中の1種以上
と併用すると写真的悪作用(カブリの発生、発色異常、
感度低下または感光度の増加等)が少なく、遮光性に優
れる点で、フタル酸ジブチル吸油量(JIS K 6221の吸油
量A法)が150cc/100g以上であることが必須で
あり、平均粒子径(電子顕微鏡法で測定)が10〜80
mμ、PH(JIS K 6221)が2〜10のファーネスカー
ボンブラックを用いるのが好ましく、特に平均粒子径が
15〜50 mμ、PHが3〜9のファーネスカーボンブ
ラックが好ましい。ファーネスカーボンブラックの平均
粒子径が10 mμ未満であると、樹脂との混練性が悪
く、遮光性及び物理強度が悪化する。逆に、平均粒子径
が80 mμを越えると、分散は良くとも遮光能力が劣
り、遮光性確保のためにカーボン濃度を上げると物理強
度の低下や成形性の悪化を起こし実用に耐えない。ま
た、PHが2〜10の範囲を越えるカーボンブラックの
多くは、酸化防止剤や脂肪酸金属塩およびハイドロタル
サイト類化合物等の写真性を良好にする作用をする添加
剤と併用しても写真的悪作用を起こしやすく、本発明に
は使用できなかった。
【0025】フタル酸ジブチル吸油量(JIS K 6221の吸
油量A法)が150cc/100g以上のカーボンブラッ
クの市販品としては、例えば三菱化学製のカーボンブラ
ックがあげられる。海外の製品としては、例えば米国キ
ャボット社の Black Pearls2,46や、ドイツ コロ
ンビアン社の ROYAL SPECTRA,NEO SPECTRA MARKI,NE
O SPECTRA MARK II ,NEO SPECTRA AG,SUPER SPECTRA
,SUPER BA等がある。さらに、米国アシュランド・ケ
ミカル社の United 3001,3004,3007,3011,KOSMO va
r/Dixiecel,KOSMO lac/Dixiegloss等がある。さらにま
た、ドイツ デグサ社のRegent super,Regent,FW2,
FW2V,FW200 ,FW1,S170,S160,Special Black5,Sp
ecial Black4,Special Black4A ,Carbon Black L-T,
Carbon Black L-TD ,Printex V ,Printex 140U,Prin
tex 140V,ランプブラックのLamp Black 700,101 等が
あげられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】なお、写真フイルム14の写真性に悪影響
を与えないようにするためには、上記カーボンブラック
中の硫黄含有量(ASTM-D1619)は0.6%以下、好まし
くは0.3%以下、特に好ましくは0.1%以下とする
のがよい。また、4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン
吸光分析法にて定量したシアン化合物含有量は0.01
%以下、好ましくは0.005%以下、特に好ましくは
0.001%以下とするのがよい。さらに、アセチルア
セトン法(JIS L-1041)で測定したアルデヒド化合物含
有量は0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に
好ましくは0.01%以下である。これらの物質は少量
でも写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。使
用する場合は、酸化防止剤,脂肪酸金属塩,ゼオライ
ト,ハイドロタルサイト類化合物,尿素化合物,ヒダン
トイン化合物等の1種以上と併用することが好ましい。
本発明で使用するフタル酸ジブチル吸油量が150cc/
100g以上のカーボンブラックは、凝集しやすく、熱
可塑性樹脂中への分散が困難なので、潤滑剤との併用だ
けでなく、平均粒子径が0.001〜0.7μmの酸化
チタン0.05〜10重量%との併用により分散性を向
上し、遮光能力を20%以上向上できる。
【0027】滑剤および帯電防止剤は、いずれもパトロ
ーネ本体13,スプール軸21,蓋部材18の表面を滑
らかにして摺動性を高めるための潤滑剤として用いられ
るものであり、特に滑剤は樹脂の流動性を高めて成形性
の向上に寄与する。滑剤および帯電防止剤は、少なくと
もいずれか一方が加えられればよく、樹脂の種類やカー
ボンブラックの添加量に応じてこれらを使い分けるよう
にすればよい。
【0028】滑剤と帯電防止剤との合計添加量は、0.
01〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、特
に好ましくは0.08〜5重量%の範囲内とすればよ
い。合計添加量が0.01重量%未満であると、滑性向
上効果や帯電防止効果がほとんど発揮されず、樹脂への
混練経費が増加するだけである。また、合計添加量が1
0重量%を超えると、滑性効果の向上がほとんどみられ
ないばかりか、射出成形機のスクリュウ内で樹脂がスリ
ップを起こして計量精度が悪化し、成形故障が発生した
り、成形サイクルが長くなり、生産性が悪化する。ま
た、成形品の表面にしみ出す(ブリードアウト)滑剤や
帯電防止剤の量が多くなり、このしみ出した滑剤や帯電
防止剤がパトローネ本体13内で写真フイルム14に転
写し、現像処理液の写真フイルム14への拡散を妨げる
等の写真的悪作用(現像ムラ等)が発生する。また、金
型表面にプレートアウト(Plate out )し、成形品の汚
染や光沢ムラが多発する。さらにまた、上・下ケース1
1,12に超音波溶着を施す際に、両者の接着力が低下
する。最も問題なのは、写真フイルムパトローネ内の写
真フイルムの種類,感度,バーコード,取扱い説明,外
観向上等の目的で写真フイルムパトローネの表面に貼り
付けられるラベル39が短時間で剥離する故障が発生す
るので、実用化が困難である。
【0029】滑剤としては、シリコーンオイル類、オレ
イン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミド、
ビス脂肪酸アミド、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸亜鉛等の高級脂肪酸の金属塩、流動パラフィンやポ
リエチレンワックスやポリプロピレンワックスおよびフ
ルオロカーボン油等の炭化水素系滑剤、高級アルコール
エステル、多価アルコールのエステルの脂肪酸エステル
等があげられる。パトローネ本体13用としては、写真
フイルム14の写真性能に悪影響を与えることなく、射
出成形性向上,滑性向上,剥離帯電防止,耐摩耗性向
上,変形防止,低価格等の理由から、シリコーンオイ
ル,高級脂肪酸アミド,ビス脂肪酸アミド,炭化水素系
滑剤,および脂肪酸金属塩が好ましく、これらの中で
も、上記特性の他に物理強度向上,遮光性向上の効果を
有するシリコーンオイルと、写真性,プレートアウト,
分散性の向上効果を有する脂肪酸金属塩を用いるのが特
に好ましい。
【0030】本発明の潤滑剤として好ましい働きをする
とともに、添加剤のプレートアウトを防止し、写真感光
材料の写真性に悪影響を与える物質(触媒残渣,ハロゲ
ン化合物等)を中和して無害化したり、本発明の特定吸
油量のカーボンブラックの分散剤としての効果も発揮す
る脂肪酸金属塩(金属石けんともいう)の代表例として
は、ラウリン酸,ステアリン酸,コハク酸,ステアリル
乳酸,乳酸,フタル酸,安息香酸,ヒドロキシステアリ
ン酸,リシノール酸,ナフテン酸,オレイン酸,パルミ
チン酸,エルカ酸等の高級脂肪酸とLi,Na,Mg,
Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Al,Sn,Pb等の
金属との化合物があげられ、好ましいものは、ステアリ
ン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリ
ン酸ナトリウム,ステアリン酸亜鉛,オレイン酸カルシ
ウム,オレイン酸亜鉛,オレイン酸マグネシウム等であ
る。市販されている代表的な脂肪酸金属塩の名称と分子
式と状態と融点を表1に示すが、本発明はこれらに限定
されるものではない。
【0031】
【表1】
【0032】上記の脂肪酸金属塩の中では、本発明の特
定カーボンブラックの分散性を向上し、吸湿性を抑制す
るとともに、写真性を良好にする働きが大きく、安価
な、熱安定性がある融点が100〜250℃のステアリ
ン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム,ステアリ
ン酸亜鉛が好ましく、特に写真性を良好にする効果が大
きく、本発明の特定カーボンブラックの分散性向上作用
が大きいステアリン酸亜鉛が好ましい。
【0033】シリコーンオイルの代表例としては、ジメ
チルポリシロキサン,ポリ(メチルフェニル)シロキサ
ン,オレフィン変性シリコーン,ポリエチレングリコー
ルやポリプロピレングリコールで変性したポリユーテル
変性シリコーン,エポキシ変性シリコーン,アミノ変性
シリコーン,アルコール変性シリコーン,アミド変性シ
リコーン等があり、本発明では、いづれも使用可能であ
る。本発明で特に好ましいシリコーンオイルは、直鎖状
ジオルガノポリシロキサンを主体とするジメチルポリシ
ロキサンとポリ(メチルフェニル)シロキサンで、写真
性に悪影響を及ぼすことがなく、物理強度向上,遮光性
向上,滑性向上,射出成形性向上等、多くの効果を発揮
する最も好ましいシリコーンオイルは、ジメチルポリシ
ロキサンであり、23℃の粘度が50〜10万センチス
トークスのものである。取扱い性,写真性,コストを考
えた場合は、23℃の粘度が5000〜5万センチスト
ークスのジメチルポリシロキサンが最も好ましい。
【0034】これらの脂肪酸金属塩やシリコーンオイル
の熱可塑性樹脂組成物への添加量は、0.01〜10重
量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好ましくは
0.08〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%
である。但し、帯電防止剤と併用の場合は、これらの滑
剤の添加量から帯電防止剤の添加量を差し引いた添加量
とすることが各種特性を良好に確保するために必須であ
る。また、潤滑剤として添加する滑剤や帯電防止剤およ
び熱可塑性樹脂等の熱劣化によるブツの発生や、熱分解
によるアルデヒド化合物やケトン化合物等の写真感光材
料の写真性に悪影響(被り,感度異常,階調異常,発色
異常,濃度ムラ等)を及ぼす物質の発生を防止したり、
無害化させる目的で各種の酸化防止剤,各種のハイドロ
タルサイト類化合物,各種のゼオライト,ヒダントイン
化合物,ヒドラジン化合物,尿素化合物の1種以上を添
加することが好ましい。
【0035】本発明の写真感光材料用収納容器中のアセ
チルアセトン法で測定したホルムアルデヒドの含有量は
500ppm以下、好ましくは300ppm以下、特に
好ましくは150ppm以下、最も好ましくは75pp
m以下にすることにより写真性を良好に維持できる。
【0036】酸化防止剤としては、例えば特開平2−1
78652号公報,特開平6−67356号公報,特開
平8−118394号公報等に記載のものを用いること
ができる。写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼすこと
が少なく、成形中の発煙が少なく、耐熱性もあり、酸化
防止作用も優れているヒンダードフェノール系酸化防止
剤と、燐系酸化防止剤が本発明には好ましい。酸化防止
剤の1以上の添加量は、写真性と酸化防止作用のバラン
スの点から、0.001〜1.5重量%が好ましく、
0.005〜0.7重量%がより好ましく、0.01〜
0.45重量%が特に好ましく、0.02〜0.2重量
%が最も好ましい。いずれにしても、酸化防止剤の添加
量は、必要最少量とすることが写真性,成形性,容器の
品質,経済性の点からも好ましい。
【0037】次に、帯電防止剤の代表例を以下に示す。 I.ノニオン系(=非イオン系) (1)アルキルアミン誘導体: T−B103,T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 ポリオキシエチレンアルキルアミン: アーモスタット310(ライオン油脂) 3級アミン(ラウリルアミン): アーモスタット400(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン): アーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン : ANTISTATIC273C、273、273E (Fine Org.Chem) N−hydroxyhexadecyl−di−ethanol −amine : Belg.P.654.049 N−hydroxyoctadecyl−di−ethanol −amine :(National Dist.)
【0038】 (2)脂肪酸アマイド誘導体: TB−115(松本油脂)、エレガンP100(日本油脂)、 エリークSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステアリン酸アマイド シュウ酸−N,N’−ジステアリルアミドブチルエステル: ヘキストポリオキシエチレンアルキルアミド
【0039】 (3)エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2 CH2 O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型: レジスタット104,PE100,116〜118(第一工業製薬)、 レジスタットPE132,139(第一工業製薬)、 エレガンE115,ケミスタット1005(日本油脂)、 エリークBM−1(吉村油化学)、 エレクトロストリッパーTS,TS2,3,5,EA,EA2,3 (花王石鹸)
【0040】 (4)多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル: ステアリン酸もしくはヒドロキシステアリン酸等のモノ,ジ,または トリグリセライド,モノグリ(日本樟脳)、 TB−123(松本油脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ソルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル: エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリン: ブリティッシュ・セロァン
【0041】II.アニオン系 (1)スルホン酸類 アルキルスルホネート RSO3 Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサルフェート ROSO3 Na (2)リン酸エステル型 アルキルホスフェート
【0042】 III.カチオン系 (1)アミド型カチオン: レジスタットPE300,401,402, 406,411(第一工業製薬) (2)四級アンモニウム塩 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC609(アメリカン・ ジアナミド)、デノン314C(丸菱油化)、アーモスタット300(ライ オン油脂)、100V(アーマー)、エレクトロストリッパーES(花王石 鹸)、ケミスタット2009A(日本油脂) Stearamido propyl−dimethyl−β −hydroxyethyl ammonium nitrate: CATANAC・SN(アメリカン・ジアナミド)
【0043】 IV.両性イオン系 (1)アルキルペタイン型 (2)イミダゾリン型: レオスタット53,532(ライオン油脂)、 AMS53(ライオン油脂)、AMS303,313 (ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型 (3)金属塩型 AMS576(ライオン油脂) レオスタット826,923(ライオン油脂) (RNR’CH2 CH2 CH2 NCH2 COO)2 MgR≧C,R’=H または(CH2 )mCOO− (ライオン油脂) R=C3 N 炭化水素、A=酸素またはイミノ基、M=有機アミンまたは金 属 (4)アルキルアラニン型
【0044】V.導電性樹脂 ポリビニルベンジル型カチオン ポリアクリル酸型カチオン
【0045】VI.その他 レジスタット204,205(第一工業製薬)、エレガ
ン2E,100E(日本油脂)、ケミスタット100
2,1003,2010(日本油脂)、エリーク51
(吉村油化学)、ALROMINE RV−100(ガ
イギー)
【0046】以上の帯電防止剤の中では、写真性及び人
身に与える悪影響が小さいことから非イオン(ノニオ
ン)系帯電防止剤が特に好ましい。
【0047】なお、本発明においては、上記多種多様な
滑剤および帯電防止剤のうち融点が100〜250℃の
脂肪酸金属塩を所定量添加した樹脂組成物が、写真性を
悪化させる熱分解の防止,プレートアウト防止,金型の
防錆向上,射出成形性および滑性向上の点から最も好適
であることが本発明人により見いだされている。
【0048】熱可塑性樹脂にカーボンブラック,滑剤,
および帯電防止剤を混練して熱可塑性樹脂組成物を生成
する方法としては、ドライカラー法,コンパウンド法,
ペーストカラー法,粉末法,マスターバッチ法,リキッ
ド・カラー法等の公知のあらゆる方法を用いることがで
きる。これらの方法の中でも、特にマスターバッチ法が
コスト,作業場の汚染防止等の点で好ましい。なお、マ
スターバッチ化するのは、熱可塑性樹脂,カーボンブラ
ック,滑剤,帯電防止剤の全部であってもよく、また任
意のものだけとしてもよい。
【0049】上記熱可塑性樹脂組成物には、カーボンブ
ラック,滑剤,および帯電防止剤の他に、必要に応じ
て、防滴剤,難燃剤,紫外線吸収剤,金属劣化防止剤,
相溶化剤,熱可塑性エラストマー,無機あるいは有機顔
料,放香剤,脱臭剤,吸水剤,加工助剤,酸化防止剤,
核剤,可塑剤等、各種の添加剤を含有させてもよい。
【0050】なお、本発明は上述した構成の写真フイル
ムパトローネに限るものではなく、他の構成の写真フイ
ルムパトローネや、各種ロールフイルム,各種シートフ
イルム,明室装填用ロール状感光材料等の収納容器にも
適用することができる。以下に本発明を適用することが
好ましい構成の代表例を記載するが、本発明はこれらに
限定されるものではなく、公知のあらゆる構成と組み合
わせて用いることができる。
【0051】APS用の写真感光材料用収納容器に用い
られる磁気記録層を担持した写真感光材料(ハロゲン化
銀感光材料)は、特開平6−35118号公報,特開平
6−17528号公報,発明協会公開技報94−602
3等に詳細に記載されているように、予め熱処理したポ
リエステル樹脂の薄層支持体、例えばポリエチレンテレ
フタレート樹脂支持体やポリエチレン芳香族ジカルボキ
シレート系ポリエステル樹脂支持体(ポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレート樹脂支持体等)
が用いられ、その厚さが50〜300μm、好ましくは
50〜200μm、より好ましくは80〜115μm、
特に好ましくは85〜105μmのものを、40℃以上
ガラス転移温度以下の温度で1〜1500時間熱処理
(アニール)し、特公昭43−2603号公報,特公昭
43−2604号公報,特公昭45−3828号公報等
に記載の紫外線照射、特公昭48−5043号公報,特
開昭51−131576号公報等に記載のコロナ放電、
特公昭35−7578号公報,特公昭46−43480
号公報等に記載のグロー放電等で表面処理を施し、米国
特許第5,326,689号明細書等に記載の下塗りを
行い、必要に応じて米国特許第2,761,791号明
細書等に記載された下引き層を設け、特開昭59−23
505号公報,特開平4−195726号公報,特開平
6−59357号公報等に記載の強磁性体粒子を塗布
(透明層となるものが好ましい)して構成される。
【0052】上述した磁性層は、特開平4−12464
2号公報,特開平4−124645号公報等に記載され
たストライプ状に形成してもよい。さらに、必要に応じ
て特開平4−62543号公報等に記載の帯電防止処理
を行い、最後にハロゲン化銀乳剤を塗布してもよい。な
お、ここで用いるハロゲン化銀乳剤は、特開平4−16
6932号公報,特開平3−41436号公報,特開平
3−41437号公報等に記載のものがよい。
【0053】このような写真感光材料は、特公平4−8
6817号公報等に記載の製造管理方法で製造し、特公
平6−87146号公報等に記載の方法で製造データを
記録するのが好ましい。その後、またはその前に、特開
平4−125560号公報等に記載されている方法にし
たがって従来の135サイズフイルムよりも細幅の帯状
にカットし、一方の側縁に従来よりも小さく規定された
露光画面の各々に対応させて2個ずつのパーフォレーシ
ョンを穿孔する。
【0054】このようにして出来た写真フイルムは、特
開平4−157459号公報等に記載のカートリッジ包
装体(パトローネ本体)や、特開平5−210202号
公報の実施例の図9記載のカートリッジ、または米国特
許第4,221,479号明細書等のパトローネ本体
や、米国特許第4,834,306号明細書,米国特許
第4,834,366号明細書,米国特許第5,22
6,613号明細書,米国特許第4,846,418号
明細書等に記載のカートリッジに入れて使用する。
【0055】ここで用いるカートリッジまたはパトロー
ネ本体としては、米国特許第4,848,693号明細
書,米国特許第5,317,355号明細書等に記載さ
れているように、写真フイルムの先端部までも完全に収
納できるものが遮光性確保の観点から好ましい。さらに
は、米国特許第5,296,886号明細書等に記載さ
れているようにロック機構をもったものや、米国特許第
5,347,334号明細書等に記載されているように
使用状態が表示されるもの、あるいは二重露光防止機能
を有するものが好ましい。また特開平6−85128号
公報等に記載されているように、単に写真フイルムをカ
ートリッジに差し込むだけで容易に写真フイルムが装着
されるものを用いてもよい。
【0056】上記実施形態では、いずれも帯状の写真フ
イルムを収納するためのパトローネ本体に本発明を実施
する例について説明したが、本発明は、1コマ分ずつ個
々に形成されたシートフイルムを光密に収納して用いる
フイルムパックにももちろん適用することができる。図
2に示すように、フイルムパック40は、シース41に
シートフイルム42を収納したシートフイルムユニット
43を樹脂性のパック本体44に複数枚重ねて収納した
もので、カメラに取り付けられるパックホルダ45に装
填して使用される。パック本体44には、最上層に積層
されたシートフイルムユニット43に露光を与えるため
の開口44aが形成されており、内部に開口44aを開
閉する引蓋46が設けられている。またパック本体44
内には、シートフイルムユニット43を背面側から開口
44aに向けて押圧するバネ部材(図示せず)が設けら
れている。
【0057】フイルムパック40をパックホルダ45に
装填し、パックホルダ45の蓋47を閉じると、パック
本体44の開口44aが蓋47に形成された露光開口4
7aから露呈する。フイルムパック40の引蓋46を所
定位置まで引くと、最上層のシートフイルムユニット4
3が開口44aから押し出され、蓋47の露光開口47
aを塞ぐ露光位置に移動する。そして、引蓋46を元の
位置に戻すと、引蓋46は最上層のシートフイルムユニ
ット43と次のシートフイルムユニットとの間に挿入さ
れる。この後、撮影操作を行ってから引蓋46を引く
と、パックホルダ45の内側に設けられた中枠48がパ
ック本体44を保持した状態で引き出される。このと
き、露光済みのシートフイルムユニット43は露光位置
に停止したままであるから、パック本体44が引き出さ
れると、この露光済みシートフイルムユニット43が蓋
47の内壁に設けられた4個の板バネ49によってパッ
クホルダ45の背面内壁に向かって押しつけられる。続
いて引蓋46を元の位置に押し戻すと、中枠48ととも
にパック本体44がパックホルダ45内の元の位置に戻
る。このとき露光済みのシートフイルムユニット43
が、パック本体44の移動方向に対して下側の側壁に形
成された開口44bからパック本体44内に入り込み、
積層されたシートフイルムユニット43の最下層に収納
される。以上の操作を繰り返すことにより、パック本体
44に収納されている全てのシートフイルムユニット4
3を連続的に撮影することができる。
【0058】上記のように使用されるフイルムパック4
0では、シートフイルムユニット43が露光位置にセッ
トされる際、およびパック本体44の最下層に収納され
る際に、引蓋46の表裏およびパック本体44の開口4
4bとシートフイルムユニット43とが摺接する。した
がって、このフイルムパック40に対しても本発明を適
用するのが好ましく、パック本体44および引蓋46を
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形し、シートフ
イルムユニット43とパック本体44および引蓋46と
の摩擦抵抗を小さくするのが望ましい。
【0059】また、写真感光材料を直接収納するための
容器の他に、例えば図3に示すようなレンズ付きフイル
ムユニットにも本発明を適用するのが好ましい。このレ
ンズ付きフイルムユニット50は、簡単な撮影機構を組
み付けたユニット本体51に予め未使用の写真フイルム
パトローネ10を内蔵させ、外観を綺麗にするための外
装体(図示せず)で覆ったものである。ユニット本体5
1は樹脂製の成形品からなり、撮影機構が組み付けられ
た本体基部52の前後に前カバー53と後カバー54と
を被せて構成されている。本体基部52には、パトロー
ネ本体13を収納するパトローネ室55と、写真フイル
ム14をパトローネ本体13から全て引き出した状態で
ロール状にして収納するフイルムロール室56とが一体
に形成され、これらの間には、写真フイルム14の露光
範囲を規定するためのアパーチャー57が形成されてい
る。そして、本体基部52の背面に後カバー54を被せ
ると、本体基部52と後カバー54との隙間によって、
パトローネ室55とフイルムロール室56とを連絡する
ための写真フイルム通路58が形成される。
【0060】このレンズ付きフイルムユニット50で
は、写真フイルム14は、本体基部52と後カバー54
とによって密閉されるとともに、本体基部52と後カバ
ー54とによって形成された写真フイルム通路58内を
走行する。したがって、少なくとも本体基部52および
後カバー54に本発明を適用し、写真フイルム通路58
内の遮光性を確保するとともに、写真フイルム通路58
の壁面と写真フイルム14との摩擦抵抗を抑え、写真フ
イルム14の走行を低トルクで行えるようにするのが望
ましい。
【0061】また、例えば図4に示すような写真フイル
ムパトローネ用容器に対しても本発明を適用するのが好
ましい。この容器60は、各々樹脂の一体成形品からな
る容器本体61と蓋62とから構成される。容器本体6
1は有底の筒状体をしており、その内部に写真フイルム
パトローネ10を収納した後、開口端側に蓋62が装着
される。容器本体61の開口端側には溝63が、また蓋
62の側壁の全周には突起64が形成されており、容器
本体61に蓋62を装着したときに、溝63内に突起6
4が嵌まり込み、緊密な嵌合状態が得られるようになっ
ている。
【0062】この容器60に対して本発明を適用する
と、金型を完全冷却せずに30℃以上の状態であっても
容器本体61を変形なく取り出すことができるので、成
形サイクルが短縮される。また、容器本体61の滑性に
よって、この容器本体61への写真フイルムパトローネ
10の挿入性を向上することができるとともに、写真フ
イルム14は、パトローネ本体13と容器60とによっ
て2重に遮光されるので、写真フイルム14の写真性を
確実に保持することができる。したがって、成形故障が
発生することなく、無人で長時間連続して射出成形が可
能になり、安価で品質の優れた容器本体を提供できる。
【0063】また、本発明は写真フイルムを収納するた
めの容器に限るものではなく、紙を支持体とした印画紙
等、あらゆる種類の写真感光材料を収納するための容器
に適用することができる。
【0064】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、写真感光
材料用収納容器の成形材料として、熱可塑性樹脂に特定
のカーボンブラックと、潤滑剤としての滑剤または帯電
防止剤とを混練した熱可塑性樹脂組成物を用いるので、
射出成形するだけで遮光性を備え、写真性,帯電防止性
が良好で、かつ表面が滑らかで摺動性の高い成形品を得
ることができる。したがって、成形品の表面に潤滑剤層
を塗布やスプレー等によって形成する従来の写真感光材
料用収納容器に比較して、潤滑剤の塗布工程を設ける必
要がないので、生産コストを低減することができる。ま
た、フタル酸ジブチル吸油量が150cc/100g以上
のカーボンブラックを用いるとともに、このカーボンブ
ラックの添加量を0.1〜30重量%、滑剤と帯電防止
剤との合計添加量を0.01〜10重量%とすること
で、熱可塑性樹脂組成物の物理強度,帯電防止性,耐熱
性を適正にすることができる。したがって、従来の写真
感光材料用収納容器のように、熱可塑性樹脂組成物に物
理強度を補うための物質を添加する必要がなくなり、写
真性やカーボンブラックの分散性が良好になり、成形故
障が減少し、かつ成形材料費の上昇を抑えることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真フイルムパトローネの分解斜視図である。
【図2】フイルムパックの構成を示す概略図である。
【図3】レンズ付きフイルムユニットのユニット本体の
構成を示す概略図である。
【図4】写真フイルムパトローネ用容器の構成を示す概
略図である。
【符号の説明】
10 写真フイルムパトローネ 11 上ケース 12 下ケース 13 パトローネ本体 14 写真フイルム 15 スプール 17 写真フイルム通路 18 蓋部材 21 スプール軸
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/30 B65D 81/30 B

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体に写真乳剤を塗布した写真感光材
    料を光密に収納し、かつ前記写真感光材料を出し入れす
    るための開口が形成された写真感光材料用収納容器にお
    いて、 熱可塑性樹脂を50重量%以上と、フタル酸ジブチル吸
    油量が150cc/100g以上のカーボンブラックを
    0.1〜30重量%と、潤滑剤として滑剤と帯電防止剤
    との少なくともいずれか一方を0.01〜10重量%と
    を含む熱可塑性樹脂組成物を用いて成形されることを特
    徴とする写真感光材料用収納容器。
  2. 【請求項2】 前記潤滑剤が、融点が100〜250℃
    の脂肪酸金属塩であることを特徴とする請求項1記載の
    写真感光材料用収納容器。
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WO2019208680A1 (ja) * 2018-04-27 2019-10-31 ポリプラスチックス株式会社 帯電防止部品用樹脂組成物

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