JP2000098545A - 写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体 - Google Patents

写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体

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JP2000098545A
JP2000098545A JP10271339A JP27133998A JP2000098545A JP 2000098545 A JP2000098545 A JP 2000098545A JP 10271339 A JP10271339 A JP 10271339A JP 27133998 A JP27133998 A JP 27133998A JP 2000098545 A JP2000098545 A JP 2000098545A
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photographic
light
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film
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JP10271339A
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English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真感光材料用包装材料において、写真
性、物理強度、ヒートシール適性、製袋適性、カール防
止性、指抜け防止性、伸び防止性、破袋防止性、完全遮
光性及び防湿・酸素バリヤ性を向上させる。 【解決手段】 延伸フィルムからなる基材1aと、この
基材1aの両面に接着剤層3,3を介して積層されたポ
リオレフィン樹脂を主成分とした無延伸の熱可塑性樹脂
フィルム層2a,2aとを有し、基材1a及び熱可塑性
樹脂フィルム層2a,2aの少なくとも1つ以上の層に
遮光性物質が含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印画紙や写真フィル
ム等(白黒及びカラーのネガ、ポジ及びリバーサル並び
に拡散転写等を含む)を包装する写真感光材料用包装材
料及びこれを用いた写真感光材料包装体に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、印画紙、写真フィルム等を包装す
る包装材料としては各種の包装材料が提案されている。
例えば、特公平2−2700号公報には、ポリエチレン
系ポリマーと1重量%以上の遮光性物質とからなり、全
ポリエチレン系ポリマーの50重量%以上がエチレン・
α−オレフィン共重合体樹脂である遮光性フィルムを少
なくとも1層有する感光物質包装用フィルムが開示され
ている。
【0003】特公平2−2701号公報には、支持体の
少なくとも1面に、50重量%以上のエチレン・α−オ
レフィン樹脂を含む実質的に遮光性物質を含有しないポ
リエチレン系ポリマー層を、接着剤層を介し又は接着剤
層を介さずに直接積層し、そして少なくとも1層以上の
遮光層を有する感光物質用包装材料が開示されている。
【0004】特開平8−179473号公報には、メタ
ロセン触媒を使用して重合製造した低分子量のポリマー
含有量が3重量%以下である写真感光材料用高分子樹脂
包装材料が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料では写真感光材料の包装材料として十
分なものではなかった。すなわち、単層フィルムでは厚
さが60μm以上になるとメルトフラクチャーが発生
し、外観が悪化し、生産性も大幅に低下する。また、重
量製品を密封した包装体では指抜け、伸びによる遮光性
不良が発生した。この対策として、高ヤング率フレキシ
ブルシートを接着剤層を介して積層した積層フィルム構
成とすることもできるが、このような構成としたときは
カールが大きく製袋適性に問題があった。さらに、密封
シール包装体としたとき、手で開封することができなか
った。
【0006】本発明は、上述した従来の包装材料の問題
点を解決しつつ、写真感光材料の包装材料として必要な
特性を確保できる写真感光材料用包装材料及びこれを用
いた写真感光材料包装体を提供することを目的とする。
【0007】すなわち、本発明は、写真性、製造適性、
物理強度、ヒートシール適性、製袋適性、カール防止
性、指抜け防止性、伸び防止性、破袋防止性、完全遮光
性及び防湿・酸素バリヤ性が優れた写真感光材料用包装
材料及びこれを用いた写真感光材料包装体を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の写真感光材料用
包装材料は、延伸フィルムからなる基材と、この基材の
両面に接着剤層を介して積層されたポリオレフィン樹脂
を主成分とした無延伸の熱可塑性樹脂フィルム層とを有
し、基材及び熱可塑性樹脂フィルム層の少なくとも1つ
以上の層に遮光性物質が含有されていることを特徴とし
て構成されている。
【0009】本発明の写真感光材料用包装材料において
は、延伸フィルムからなる基材を無延伸の熱可塑性樹脂
フィルム層で両側から挟む構造にすることにより、物理
強度、カール防止性、伸び防止性、破袋防止性等を良好
にしている。
【0010】本発明の写真感光材料包装体は、上述した
写真感光材料用包装材料の内層同士を重ね合わせた後、
熱溶融接着方法により内層同士を溶着して形成した包装
袋に写真感光材料が密封包装されたもので、写真感光材
料用包装材料の内層は、エチレン・α−オレフィン共重
合体樹脂を10重量%以上、滑剤を0.01〜10重量
%を含んでいることを特徴として構成されている。
【0011】本発明の写真感光材料包装体においては、
物理強度、ヒートシール適性、製袋適性が良好で、防湿
・酸素バリヤー性も良好になっている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の写真感光材料用包装材料
は、基材と、この基材の両面に積層された熱可塑性樹脂
フィルム層と、この熱可塑性樹脂フィルム層と基材とを
接着する接着剤層との少なくとも5層から構成されてい
る。したがって、最も基本的な層構成(フレキシブルシ
ートを積層しない場合等)としては、これら5層からな
る上下対称構造のもので、すなわち、延伸された基材
を、無延伸の熱可塑性樹脂フィルムが挟む構成となって
いる。
【0013】基材は、1層からなる単層フィルムで構成
されていても、2層以上からなる多層フィルムで構成さ
れていてもよく、多層フィルムの場合、共押出しによる
多層共押出しフィルムであっても、ラミネートにより積
層した多層フィルムであってもよい。また、2層フィル
ムのとき、2つの層は樹脂組成や厚さが同じであっても
異なっていてもよく、3層フィルムのとき、中心になる
基層(中間層)とその両面の表面層は樹脂組成や厚さが同
じであっても異なっていてもよい。4層以上のフィルム
で構成されている場合も同様である。遮光性物質を含有
させる場合は、中間層の1層以上とすることが好まし
い。
【0014】基材は延伸されているが、2層フィルムの
とき、両方の層とも同一方向、すなわち両方の層とも縦
方向(フィルムの長さ方向)へ延伸しても横方向(フィ
ルムの幅方向)へ延伸してもよく、また、異なる方向へ
(一方を縦方向へ延伸し、他方を横方向へ延伸する)し
ても、また、さらに両方の層を縦及び横方向へ二軸延伸
してもよい。3層フィルムのときは、基層となる中間層
(以下、基層と表示)と表面層とを同一方向へ延伸して
も、異なる方向へ延伸しても、また、両方向へ二軸延伸
しても良い。例えば、基層を縦方向へ延伸するとともに
表面層を横方向へ延伸したり、基層を縦及び横方向へ二
軸延伸するとともに表面層を横方向へ延伸したり、基層
及び表面層を縦及び横方向へ二軸延伸したりすることが
できる。
【0015】基材の縦方向の延伸倍率SMは1.1〜1
0倍、好ましくは1.5〜9倍、より好ましくは2〜8
倍、特に好ましくは2.5〜7倍、最も好ましくは3〜
6倍である。基材の幅方向の延伸倍率SCは1.1〜1
0倍、好ましくは1.5〜9倍、より好ましくは2〜8
倍、特に好ましくは2.5〜7倍、最も好ましくは3〜
6倍である。基材の縦方向の延伸倍率SMが1.1倍未
満であると、十分な物理強度を得られず遮光性不良が発
生する恐れがあり、伸び防止性、破袋防止性等も悪化
し、延伸倍率が10倍を越えると、製袋適性が悪化す
る。また、幅方向の延伸倍率SCに付いても同様であ
る。なお、上記延伸倍率は、基材が2層以上で構成され
ている場合は、各層における延伸倍率である。
【0016】基材の延伸面倍率(SM×SC)は2〜8
0倍、好ましくは3〜60倍、より好ましくは4〜50
倍、特に好ましくは5〜40倍、最も好ましくは6〜3
0倍である。基材の延伸面倍率が2倍未満であると、十
分な物理強度を得られず伸びやすく遮光性不良が発生す
る恐れがあり、伸び防止性、破袋防止性等も悪化し、ま
た、延伸面倍率が70倍を越えると、剛性が大きくなり
すぎたり、裂け易くなり、かつ熱収縮率が大きくなり、
製袋適性が悪化する。さらに、また製造も困難になる。
【0017】基材の長さ(縦)方向のヤング率は100
〜1500kg/mm2、好ましくは200〜1400
kg/mm2、より好ましくは300〜1300kg/
mm2、特に好ましくは400〜1200kg/mm2
最も好ましくは500〜1100kg/mm2である。
ヤング率が100kg/mm2未満であると、伸び防止
性、破袋防止性等を十分に確保できなくなり、かつ遮光
性、物理強度が不十分となる。 また、ヤング率が15
00kg/mm2を越えると、剛性が大きくなりすぎた
り、裂け易くなり、かつ熱収縮率が大きくなり、製袋適
性が悪化する。さらに、また製造も困難になる。
【0018】基材は、各種熱可塑性樹脂組成物で形成す
ることができるが、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレ
ン系樹脂、ポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン系樹
脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹
脂、EVOH系樹脂等で形成することが好ましく、これ
らの中でも、ポリエステル系樹脂及びポリプロピレン系
樹脂で形成することが安価で写真性を良好に維持する防
湿性が優れ、物理特性、製造適性も優れているのでより
好ましい。物理強度、防湿性、光遮断性が特に優れてい
るポリエチレンナフタレート樹脂で形成することが最も
好ましい。
【0019】ポリエステル系樹脂としては、ポリブチレ
ンテレフタレート(以後、PBTと表示)樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート(以後、PETと表示)樹脂、非
結晶ポリエチレンテレフタレート(以後、A−PETと
表示)樹脂、ポリエチレン・2・6ナフタレート(以
後、PENと表示)樹脂(単に、ポリエチレンナフタレ
ート樹脂ともいう)等がある。
【0020】ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリ
プロピレン樹脂、プロピレンとα−オレフィンとのラン
ダム及びブロック共重合体樹脂等がある。ホモポリプロ
ピレン樹脂としては、主にチグラー触媒(Ti系)を用
い、50〜80℃、5〜35kg/cm2の温度・圧力
下でプロピレンを重合して製造される密度が0.890
〜0.910g/cm3の樹脂である。一般には、プロピ
レンをアルミニウムアルキル/四塩化チタン系のチーグ
ラー・ナッタ触媒を用いて溶剤存在下で重合させて得ら
れるアイソタクチック樹脂である。最近話題のシングル
サイト系触媒であるメタロセン触媒を用いて重合製造し
たポリプロピレン系樹脂は、物理特性が優れ、触媒残渣
が少なく、本発明には特に好ましい。
【0021】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
樹脂としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体
樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂、プ
ロピレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレ
ン・ブテン−1ブロック共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ブテン−1三元共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ジエン三元共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセ
ン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセン−
1ブロック共重合体樹脂等がある。α−オレフィンの量
としては、剛性、物理強度、製造適性のバランスの点か
ら、0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量%、
特に好ましくは1〜10重量%、最も好ましくは1〜5
重量%である。
【0022】ポリアミド系樹脂としては、ナイロン6樹
脂、ナイロン66樹脂、ナイロン12樹脂等がある。安
価で物理強度が優れているナイロン6樹脂が好ましい。
【0023】高密度ポリエチレン系樹脂は、分岐の少な
い直鎖状の分子構造を持ち結晶化度が低密度ポリエチレ
ン樹脂より高いものである。結晶化度の高い、すなわち
密度の高いポリエチレン樹脂ほど融点が高く、剛性も高
いが、透明性は低くなる。
【0024】ポリスチレン系樹脂は、写真性に悪影響を
及ぼすことが少なく安価で、且つ世界中で入手が可能
で、物理強度も本発明の用途として十分確保できるもの
であり、公知のホモポリスチレン樹脂、各種合成ゴムで
変性したゴム変性スチレン系樹脂、メタロセン触媒を用
いて重合製造したシンジオタクチックポリスチレン樹脂
がある。特に、メタロセン触媒を用いて重合製造した結
晶性のシンジオタクチックポリスチレン樹脂が耐熱性、
ヤング率が大きく優れているので特に好ましい。
【0025】熱可塑性樹脂フィルム層は、1層から構成
されていても、2層以上からなる多層共押出しフィルム
で構成されていてもよい。熱可塑性樹脂フィルム層が多
層共押出しフィルムで構成されている場合、例えば、2
層共押出しフィルムのとき、2つの層は樹脂組成や厚さ
が同じであっても異なっていてもよい。また、例えば、
3層共押出しフィルムのとき、中間層とその両面の層は
樹脂組成や厚さが同じであっても異なっていてもよい。
中間層(基層と表示)が2層以上有する4層以上の多層
共押出しフィルムの場合も各層の樹脂組成や厚さが同じ
であっても異なっていてもよい。
【0026】熱可塑性樹脂フィルム層は、各種熱可塑性
樹脂で形成することができるが、ポリオレフィン樹脂を
主成分として形成することがリサイクル適性、焼却適性
が優れ、かつ、安価で写真性も良好であり、物理強度や
防湿性も優れているので好ましい。
【0027】ポリオレフィン樹脂としては、ホモポリエ
チレン樹脂、エチレンとα−オレフィンとのランダム及
びブロック共重合体樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プ
ロピレンとα−オレフィンとのランダム及びブロック共
重合体樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン・ア
クリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニル
共重合体樹脂、ポリオレフィン系エラストマー等があ
る。
【0028】前記ホモポリエチレン樹脂としては、酸素
や過酸化物等のラジカル開始剤を用い、150〜300
℃、1000〜3000kg/cm2 の温度・圧力条件
下でエチレンを重合させる方法で製造した、長鎖分岐を
持った密度が0.910〜0.925g/cm3の分岐状
低密度ポリエチレン樹脂と、中・低圧法のチーグラー触
媒(Ti系)またはフィリップス触媒(Cr系)等を用
い、50〜250℃、50〜200kg/cm2 の温度
・圧力条件下でエチレンを重合させる方法で製造した、
直鎖状の密度が0.941〜0.965g/cm3の直鎖
状高密度ポリエチレン樹脂と、高圧法、中・低圧法によ
っても得られるが、前記低密度ポリエチレン樹脂と高密
度ポリエチレン樹脂をブレンドして製造されている密度
が0.926〜0.940g/cm3の中密度ポリエチレ
ン樹脂とがある。さらに、最近実用化を開始したシング
ルサイト触媒の1種である金属メタロセン重合触媒を用
いて重合製造した分子量分布と組成分布を小さくした各
種密度のホモポリエチレン樹脂やエチレン・αオレフィ
ン共重合体樹脂(ランダム共重合体樹脂が好ましい)があ
る。
【0029】エチレンとα−オレフィンをチーグラー系
触媒を用いて重合させた共重合体樹脂としては、L−L
DPE樹脂がある。このL−LDPE(inear
owensity olythylene)樹脂
は第3のポリエチレン樹脂と称され、中低圧法、高圧法
両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギー、省
資源という時代の要請に合致する低コスト、高強度の樹
脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエチレン
と炭素数が3〜20個、好ましくは3〜12個、特に好
ましくは4〜8個、最も好ましくは6〜8個のα−オレ
フィンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖に短分岐
をもった構造のポリエチレン系樹脂である。物理強度や
コストの点で好ましいα−オレフィンとしてはプロピレ
ン、ブテン−1、3−メチルペンテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1,4−メチルペンテン−1、オクテン
−1、ノネン−1、デセン−1、ペンタデセン−1、オ
クタデセン−1、エイコセン−1などが使用される。特
にα−オレフィンの炭素数が4〜8個であるエチレン・
α−オレフィンランダム共重合体樹脂が本発明には好ま
しいがエチレン・α−オレフィンブロック共重合体樹
脂、これら2種の混合樹脂も使用できる。
【0030】代表的なL−LDPE樹脂の重合プロセス
としては中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相ス
ラリー法と高圧改良法装置を用いながらチーグラー系触
媒により高温・高圧でL−LDPE樹脂を得る高圧転換
法等がある。
【0031】市販のマルチサイト触媒を用いて重合製造
したL−LDPE樹脂の代表的な具体例を以下に示す。 (1) エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 Gレジン(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) スミカセンL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) ノバテック−L (三菱化成) ユカロン−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) ショーレックスリニア (昭和電工) NUCポリエチレン−LL (日本ユニカー) 宇部ポリエチレンL (宇部興産) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) ニポロンL (東ソー) (2) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 エクセレンVL (住友化学) TUFLIN (UCC社) NUC−FLX(ナック・フレックス)(UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) ニポロンZ (東ソー) (3) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) (4) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0032】これらのL−LDPE樹脂の中で、引裂き
強度、衝撃穴あけ強度が特に要求される写真感光材料用
包装材料に使用する場合に好ましい樹脂は、メルトフロ
ーレート(以後MFRと表示)が0.1〜40g/10
分(JIS K−7210の条件4で測定。試験温度1
90℃,試験荷重2.16kgf)、密度が0.870
〜0.940g/cm3(JIS K−7112)、そし
てα−オレフィンの炭素数が3〜15個、好ましくは4
〜10個、特に好ましくは6〜8個の液相法プロセスと
気相法プロセスで得られたものである。また従来の高圧
法製造プロセスを転用して設備費をおさえた改良高圧法
プロセスで得られたスミカセン−L(住友化学)、ニポ
ロンL(東ソー)、ウベポリエチレンL(宇部興産)等のL
−LDPE樹脂も好ましい。
【0033】物理強度が大きく、ブロッキング接着しや
すく、最内層用樹脂として特に好ましい代表的な例を商
品名であげると、マルチサイト触媒を用いた重合により
ポリエチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6個の
4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学(株)
のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭素数
8個のオクテン−1を導入した出光石油化学(株)のM
ORETECとDSM社のスタミレックスとダウケミカ
ル社のダウレックスがある(以上、4社品共、液相法プ
ロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧法
の気相法プロセスで得られた好ましい代表的な例を商品
名であげると、α−オレフィン側鎖として炭素数6個の
ヘキセン−1を導入した日本ユニカー(株)のTUFT
HEN及びUCC社のTUFLIN等がある。
【0034】また、最近発売された密度が0.910g
/cm3未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、例えばUCC社のNUC−FLXや住友化学(株)
のエクセレンVLも好ましい(以上、2社品共、α−オ
レフィンが炭素数6個のヘキセン−1を使用)。
【0035】マルチサイト触媒を用いたL−LDPE樹
脂の製造プロセスの特徴の概略と各樹脂メーカー製造の
商品名を以下に示す。
【0036】代表的な製造プロセスの概略と各樹脂メー
カーの商品名の関係について以下に記載する。
【0037】[1] 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。
【0038】[2] スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。一方、低密度
化については、低分子量低密度ポリマーが溶媒に溶け込
み、溶液が高粘度になったり、ポリマーが膨張して塊状
化するため、密度が0.930g/cm3以下のL−L
DPE生産は制限を受ける。
【0039】[3] 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、かつ、C6 以上のαオレフィン(ブテン
−1、ペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4
−ジメチルペンテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、
エイコセン−1、ドデセン−1、ヘキサデセン−1、オ
クタデセン−1、テトラデセン−1等)とエチレンとの
重合に最適の製造プロセスである。またαオレフィン含
有率の大きいL−LDPE樹脂(密度が0.910g/
cm3以下の超低密度L−LDPE樹脂)の製造プロセ
スとしても最適である。
【0040】[4] 改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系融媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
でランニングコストは上記気相法、スラリー法、溶液法
より高価である。高圧転換法とも呼ばれる。
【0041】
【表1】
【0042】[上記製造プロセスの概略] 溶 液 法:圧力…450〜650PSi,温度…20
0〜250℃ スラリー法:圧力…400〜500PSi,温度…90
〜100℃ 気 相 法:圧力…250〜350PSi,温度…90
〜100℃ 改良高圧法:圧力…20,000PSi前後,温度…2
00℃前後
【0043】エチレンとα−オレフィンの比は、エチレ
ンが70%以上であることが好ましく、80%以上がよ
り好ましい。エチレンが70%未満であると、重合適性
が悪化して高価になると共に得られたエチレン・α−オ
レフィン共重合体樹脂の粘着性が大きくフィルム成形性
が悪化し、フィルム同志のブロッキングが大きく実用化
困難である。
【0044】前記ホモポリプロピレン樹脂としては、主
にチグラー触媒(Ti系)を用い、50〜80℃、5〜
35kg/cm2 の温度・圧力下でプロピレンを重合し
て製造される密度が0.890〜0.910g/cm3
樹脂である。一般にはプロピレンをアルミニウムアルキ
ル/四塩化チタン系のチーグラー・ナッタ触媒を用いて
溶剤存在下で重合させて得られるアイソタクチック樹脂
である。最近話題のシングルサイト触媒の1つであるメ
タロセン触媒を用いて重合製造したポリプロピレン系樹
脂は写真性、物理特性が優れているので特に好ましい。
【0045】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
樹脂としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体
樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂、プ
ロピレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレ
ン・ブテン−1ブロック共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ブテン−1三元共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ジエン三元共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセ
ン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセン−
1ブロック共重合体樹脂等がある。α−オレフィンの量
としては0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量
%が剛性、物理強度、製造適性のバランスの点から好ま
しい。
【0046】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
樹脂におけるα−オレフィンは、エチレンとα−オレフ
ィンとの共重合体の場合のα−オレフィンと同様であ
る。
【0047】以上のようなポリオレフィン樹脂を重合さ
せる際、ハロゲン化合物又は金属化合物を含む重合触媒
を用いることが写真感光材料に対する悪影響の大きい重
合触媒使用量を減少できるので好ましい。ハロゲン化合
物及び/又は金属化合物を含む重合触媒の代表例として
は、四塩化チタンとトリエチルアルミニウムを無水ヘキ
サン中で混合した時に得られる黒色の沈澱物のチーグラ
ー触媒、三塩化チタンとトリエチルアルミニウムを無水
ヘキサン中で混合して得られる黒色の沈澱物のチーグラ
ー・ナッタ触媒、第I,II,III族の各種金属の有機アル
キル化合物と、第IV,V,VI,VII族の金属塩の組合せから
成る立体規則性重合触媒、トリアルキルアルミニウムと
三塩化チタン系の混合物からなるナッタ触媒、SiO2
Al23系と酸化クロムの混合物から成るフィリップス
触媒、マグネシウム化合物とハロゲン化チタンとの反応
生成物および有機アルミニウムを成分とする触媒等があ
る。
【0048】特殊な例として、マグネシウムの酸素含有
有機化合物とチタンの酸素含有有機化合物とアルミニウ
ムハロゲン化合物との反応生成物である固体触媒成分と
共触媒として有機アルミニウム化合物を使用した触媒等
もある。
【0049】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブ
ロマイド等がある。チタン化合物としてはTiCl4、T
iBr、TiI4等のテトラハロゲン化チタン、Ti(O
CH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3等のトリハロゲン化
アルコキシチタン、Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2
5)2Cl2、Ti(OC25)2Br2等のジハロゲン化アル
コキシチタン、Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3
Cl、Ti(OC253Br等のモノハロゲン化トリ
アルコキシチタン等がある。
【0050】有機マグネシウム化合物としてはエチルブ
チルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド及び
MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2等がある。バ
ナシウム化合物としては四塩化バナシウム、オキシ三塩
化バナシウム、バナジン酸ジエトキシモノクロライド、
バナジン酸ジエトキシジクロライド等がある。これらの
ハロゲン化合物及び/又は金属化合物はハロゲン化銀写
真感光材料の写真性に悪影響を与えるが脂肪酸金属塩及
び/又はゼオライト及び/又はハイドロタルサイト類化
合物の合計が0.01〜10重量%、好ましくは0.0
5〜7重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%添加す
ると無害化できる。
【0051】熱可塑性樹脂フィルム層をポリオレフィン
樹脂のみで成形する場合は、分子量分布が1.5〜7.0
が好ましく、2.0〜6.5がより好ましく、2.5〜
6.0が最も好ましくい。分子量分布が1.5未満であ
ると、樹脂の流動性が悪化し成形故障が多発する。ま
た、分子量分布が7.0を越えると、寸法精度が悪化
し、また物理強度も低下する。また、MFR(ASTM
D1238のE条件の試験温度190℃、試験荷重2.
16kgfで測定)は0.01〜70g/10分が好ま
しく、0.02〜50g/10分がより好ましく、最も
好ましくは0.03〜40g/10分であり、0.01
g/10分未満では樹脂の流動性が悪く、メルトフラク
チュア(melt fracture)が多発し、実用
化不可である。また、メルトフローレートが70g/1
0分を越えると樹脂の流動性が大きくなりすぎ、フィル
ム成形性が悪化し、また物理強度が小さく実用化困難で
ある。
【0052】ポリオレフィン樹脂として最も好ましい樹
脂は、シングルサイト触媒(代表例はメタロセン触媒)
を用いて重合製造したものである。
【0053】シングルサイト触媒を用いて重合製造した
L−LDPE樹脂は、ジルコニウム系、チタニウム系、
ハフニウム系及びバナジウム系メタロセン錯体の1種以
上を含むシングルサイト触媒を用いて重合製造した分子
量分布が1.5〜10のエチレンと炭素数が3〜12個
のα−オレフィンとの共重合体樹脂で形成されているこ
とが好ましく、これにより、物理強度が優れ、残留金属
成分や残留ハロゲン系化合物成分が少なく、写真感光材
料の写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、ヒートシー
ル適性(ヒートシール強度、低温ヒートシール性、ホッ
トタック性、夾雑物シール性、長期間経時後のヒートシ
ール強度等)が優れた写真感光材料用包装材料とするこ
とができる。またフィルム成形機に錆や腐食が発生する
のを防止できる。
【0054】前記シングルサイト触媒としては、代表的
なものとしてはドイツのカミンスキー教授によって発見
された、均一な活性点を有する二塩化ジルコノセンとメ
チルアミノキサンからなるメタロセン触媒があり、種々
の特許が発表されている。代表例をあげると、特開昭5
0−35007号公報、特開昭60−35008号公
報、特開昭60−35009号公報、特開平3−207
703号公報、特開平3−234711号公報、特開平
4−300667号公報等がある。
【0055】メタロセン触媒を用いて重合製造したエチ
レン・α−オレフィン共重合体樹脂は従来のチーグラー
触媒を用いて重合製造したエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂に比較して以下の特徴を有する。 i)2〜3倍の衝撃強度、引き裂き強度を有する。 ii)透明性、光沢が優れている。 iii)耐ブロッキング性が優れている(ベタツキ成分と
呼ばれる低分子量低密度成分が少ない)。 iv)融点が低く、低温ヒートシール性が優れている。 v)柔軟性が優れている。
【0056】前記メタロセン触媒を用いる重合方法は、
以下に例示するように数多くの特許公報に開示されてい
る。特開昭58−19309号公報、特開昭60−86
2号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60
−35007号公報、特開昭60−35008号公報、
特開昭60−106008号公報、特開昭60−137
911号公報、特開昭61−31404号公報、特開昭
61−108610号公報、特開昭61−221207
号公報、特開昭61−264010号公報、特開昭61
−296009号公報、特開昭63−61010号公
報、特開昭63−152608号公報、特開昭63−1
78108号公報、特開昭63−222177号公報、
特開昭63−222178号公報、特開昭63−222
179号公報、特開昭63−264606号公報、特開
昭63−28070号公報、特昭表63−501369
号公報、特昭表64−6003号公報、特昭表64−4
5406号公報、特開昭64−74202号公報、特開
平1−12407号公報、特開平1−95110号公
報、特開平1−101315号公報、特開平1−129
003号公報、特開平1−207248号公報、特開平
1−210404号公報、特開平1−251405号公
報、特開平1−259004号公報、特開平1−275
609号公報、特開平1−301704号公報、特開平
1−319489号公報、特開平2−22307号公
報、特開平2−41303号公報、特開平2−1731
10号公報、特開平2−302410号公報、特開平3
−56508号公報、特開平3−62806号公報、特
開平3−66710号公報、特開平3−70708号公
報、特開平3−70709号公報、特開平3−7071
0号公報、特開平3−74412号公報、特開平4−8
704号公報、特開平4−11604号公報、特開平4
−25514号公報、特開平4−213305号公報、
特開平5−310829号公報、特開平5−32024
2号公報、特開平6−228222号公報、特開平9−
40793号公報、アメリカ特許4,522,982号
明細書、アメリカ特許4,530,914号明細書等が
挙げられる。
【0057】これらのメタロセン触媒を用いて重合製造
したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の中でも写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす触媒残渣が少ない
ジルコニウム系、ハフニウム系、チタニウム系、バナジ
ウム系の少なくとも1種のメタロセン触媒を用いた、固
体触媒成分1g当たり10,000g以上の樹脂が好ま
しい。特に、二塩化ジルコノセンとメチルアルミノキサ
ンからなるメタロセン触媒が好ましい。樹脂中の写真性
に悪影響を及ぼす残留ハロゲン成分含有量は400pp
m以下が好ましく、特に150ppm以下が好ましい。
樹脂中のハロゲン成分含有量を400ppm以下にする
ために触媒失活剤を用いて触媒残渣を抽出することも、
またペレタイザーやフィルム成形機にベントを設けるこ
とが残留ハロゲン化合物成分を減少させて、押出し機の
スクリューやダイスの防錆及び写真性を良好にするため
に必要であり好ましい。
【0058】最も好ましい重合方法は、メタロセン触媒
を用い重合温度40〜100℃、重合圧力5〜50kg
/cm2 の条件で気相重合方法で製造したエチレン・α
−オレフィン共重合体樹脂である。
【0059】写真性に悪影響を及ぼし、押出し機やダイ
スに発錆故障を発生させるハロゲン化合物成分は、ハロ
ゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲ
ン化バナジウム化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロ
ゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化ホウ素化合物等
を例示することができる。
【0060】具体的には四塩化ケイ素、三塩化アルミニ
ウム、三臭化アルミニウム、三塩化チタン、三塩化ホウ
素、四臭化チタン等である。
【0061】これらのハロゲン化合物成分は、ハロゲン
ガスとなって上記各種の悪作用を及ぼすので、本発明の
写真感光材料用包装材料の内側導電性熱可塑性樹脂層中
に下記のハロゲンガススキャベンジャーを含有させるこ
とが特に好ましい。
【0062】すなわち、本発明におけるハロゲンガスス
キャベンジャーとして好ましい化合物は、例えば、スル
フィド化合物、亜硝酸塩、セミカルパジド、亜硫酸塩、
ハイドロキノン類、エチレンジアミン、アセトンセミカ
ルバゾン、p−ヒドロキシフェニルグリシンである。特
に好ましい化合物としては、下記一般式で表される化合
物を挙げることができる。
【0063】
【化1】 式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子ある
いはベンゼン核に置換可能な基を表す。
【0064】一般式(H)において、置換基としては、ハ
ロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキル
基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、t−ブチ
ル、n−アミル、i−アミル、n−オクチル、n−ドデ
シル、n−オクタデシルで、特に炭素数1〜32が好ま
しい)、アルケニル基、アリール基、アシル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキル
チオ基、アリールチオ基、アルキルアシルアミノ基、ア
リールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、アリ
ールカルバモイル基、アルキルカルボンアミド基、アリ
ールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、ア
リールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル基、
アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア
リールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル基、ア
リールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキシ基、
アリールアシルオキシ基が好ましい。
【0065】これらの基は更に上述したものと同様の置
換基で置換されてもよい。
【0066】シングルサイト触媒の代表的例であるメタ
ロセン触媒を用いて重合製造した現在市販されているL
−LDPE樹脂の具体例としては、 EXCEED (EXXon chemical) EXACT (EXXon chemical) AFFINITY (DOW chemical) ENGAGE (DOW chemical) LUFLEXENE(BASF) エボリュー (三井石油化学) カーネル (三菱化学) ユメリット (宇部興産) ハーモレックス (日本ポリオレフィン) キャタロセン (東ソー) 等がある。重合方法としては、気相重合法が安価でかつ
写真性に悪影響を及ぼす残渣が少ない点で特に好まし
い。重合しやすさの点で懸濁重合法、溶解重合法等の液
相重合法も好ましい。
【0067】ブロッキング防止、物理強度向上等から、
GPC法測定法による分子量分布(重量平均分子量/数
平均分子量)は5以下、好ましくは4以下、特に好まし
くは1.1〜3、最も好ましくは1.3〜2.7であ
る。
【0068】エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂と
して最も好ましいのは、エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体樹脂である。該エチレン・α−オレフィン
共重合体樹脂の組成は、α−オレフィン成分が1〜99
モル%、好ましくは1〜95モル%、より好ましくは1
〜90モル%、特に好ましくは2〜80モル%、最も好
ましくは2〜50モル%であり、エチレン成分は好まし
くは5〜99モル%、より好ましくは10〜99モル
%、特に好ましくは20〜98モル%、最も好ましくは
50〜98モル%である。α−オレフィンの代表例とし
ては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チル−ペンテン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデ
セン−1、テトラセン−1、ヘキサデセン−1、オクタ
デセン−1、ヘプテン−1、エイコセン−1、4−メチ
ル−ヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等の
炭素原子数が3〜20、好ましくは4〜15、特に好ま
しくは4〜12、最も好ましくは4〜10の1種又は2
種以上のα−オレフィンである。
【0069】本発明の熱可塑性樹脂フィルム層を構成す
る樹脂として最も好ましいのは、メタロセン触媒を用い
て重合製造したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂
である。これは、メタロセン触媒存在下で重合が行われ
れば、いずれの方法を用いてもよく、例えば、高圧重合
法における重合は、重合体を溶液状態に維持し、かつ重
合活性を高めるために120℃以上、分子量低下の原因
となる連鎖移動反応を抑え、かつ重合活性を低下させな
いために350℃以下の温度で、500kg/cm2
上、1000〜35000kg/cm2の圧力で行うの
が好ましい。また、気相重合法における重合は、共重合
体が粉体状態であることから高温は好ましくなく、10
0℃以下であることが必要であり、重合温度の下限は特
に限定されないが、重合活性を高めるために50℃以上
が好ましい。また、重合活性を高めるために、予めオレ
フィンにより予備重合せしめた触媒成分と有機アルミニ
ウム化合物およびイオン化イオン性化合物を用いて行う
のが好ましい。また、溶液重合法における重合は、重合
温度は、共重合体が溶液状態であることおよび重合活性
を上げることを考慮して、120℃以上であることが必
要である。重合温度の上限は特に限定されないが、分子
量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、かつ触媒効率
を低下させないために300℃以下が好ましい。また、
重合時の圧力については特に限定されないが、経済性と
重合活性を上げるバランスをとるために大気圧以上25
0kg/cm2以下が好ましい。
【0070】いずれの場合においても触媒残渣は写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす上に、金型や押出し機
の樹脂接触部分に錆を発生させ寸法精度を悪化させたり
樹脂焼けやブツを発生させるので、少ない程本発明では
好ましい。
【0071】従って、写真性を良好に維持するためには
本発明の写真感光材料用包装材料中の残留ハロゲンガス
成分量が400ppm以下、好ましくは200ppm以
下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは
1〜80ppm、最も好ましくは4〜60ppmであ
る。
【0072】クロム、ジルコニウム、チタニウム、ハフ
ニウム、パナジウムのいずれか1種の残留量が200p
pm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましく
は100ppm以下、特に好ましくは60ppm以下、
最も好ましくは40ppm以下である。
【0073】本発明における特に好ましいエチレン・α
−オレフィン共重合体樹脂は、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
物と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体
とを含む触媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20
のα−オレフィンとを共重合させることにより得られる
ものである。また、上記触媒に予めエチレンおよび/前
記α−オレフィンを予備重合させて得られるものを触媒
に供してもよい。
【0074】上記α−オレフィンとしては、炭素数3〜
20、好ましくは3〜12、特に好ましくは3〜8のも
のであり、具体的にはプロピレン、ブテン−1、4−メ
チルペンテン−1、3−メチルペンテン−1、ヘキセン
−1、ペンテン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−
1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセ
ン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ナノデ
セン−1、エイコセン−1などが挙げられる。これらの
うち1種または2種以上を共重合に用いることができ
る。また、これらのα−オレフィンの含有量は、50モ
ル%以下、好ましくは35モル%以下、より好ましくは
1〜25モル%、特に好ましくは3〜20モル%の範囲
で選択されることが望ましい。
【0075】前記エチレン・α−オレフィン共重合体を
製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロ
ペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置
換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタ
ジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シ
リル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール
基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、
ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ば
れた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタ
ジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の
置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同
志が互いに結合して環を形成してもよい。
【0076】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等が好
ましい。
【0077】置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。
【0078】本発明において用いることができる置換シ
クロペンタジエニル基としては、これらの中でも炭素数
3以上のアルキル基が置換したシクロペンタジエニル基
が好ましく、特に1,3−置換シクロペンタジエニル基
が好ましい。置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに
結合して1または2以上の環を形成する場合の置換シク
ロペンタジエニル基としては、インデニル基、炭素数1
〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置
換された置換インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8
の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置換さ
れた置換ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アル
キル基等)等の置換基により置換された置換フルオレニ
ル基等が好適なものとして挙げられる。
【0079】前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属
としては、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ハ
フニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子としては通常1〜3個を有し、また、2個以上
有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。
なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン
基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙
げられる。
【0080】周期律表第IV族の遷移金属化合物において
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子
としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20
の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0081】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし
うる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷
を均衡させうるものをいう。本発明において用いられる
助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベン
ゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなど
のランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの
中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0082】また、触媒は無機または有機の担体に担持
して使用されてもよい。該担体としては無機または有機
の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al2
3、MgO、ZrO3、TiO2、B23、CaO、Z
nO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げ
られ、SiO2−Al23、SiO2−V23、SiO2
−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr23等が
挙げられる。
【0083】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0084】エチレン・α−オレフィン共重合体は、前
記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合
法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造され、実質的
に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘブタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される
不活性炭化水素溶媒の存在下で製造される。重合条件は
特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、
好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜1
10℃であり、重合圧力は低中圧法の場合通常常圧〜7
0kg/cm2 、好ましくは常圧〜20kg/cm2
あり、高圧改良法の場合通常1500kg/cm2以下
が望ましい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10
時間、好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧改
良法の場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20
分程度が望ましい。また、重合は一段重合法はもちろ
ん、水素濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触
媒等の重合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法
など特に限定されるものではない。
【0085】その他の最も好ましい具体例としては、各
種のメタロセン触媒存在下、最も好ましくは上記特定メ
タロセン触媒存在下、エチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンを共重合して得られる樹脂をエチレン・α−
オレフィン共重合体1kgあたり、30〜150℃の空
気または不活性ガスによって、0.03〜3m3/hrの
流量で0.5〜72時間乾燥、および/または30℃以
上エチレン・α−オレフィン共重合体の融点未満の熱水
で、0.001〜0.5m3/hrの流量の空気または不
活性ガスを導入して、0.5〜30時間浸漬し、ヘッド
スペースガスクロマトグラフィーによって測定した炭素
数12以下の揮発成分の総量(ノルマルヘキサン換算)
の乾燥前/乾燥後の値(Q)を200以上にするエチレ
ン・α−オレフィン共重合体の製造方法である。以上、
エチレンとαオレフィンの共重合体樹脂を代表して説明
したが、同様にホモポリエチレン樹脂、各種ポリプロピ
レン樹脂及び各種エチレン共重合体樹脂も上記メタロセ
ン触媒を用いて重合製造可能である。
【0086】前記ポリオレフィン樹脂の一つである酸変
性ポリオレフィン樹脂に付いて説明する。
【0087】酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオレフ
ィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性した変
性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性ポリ
エチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、グラ
フト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹
脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)、グラフト変性
ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー等がある。
【0088】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する不
飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するもの
で、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル
酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロト
ン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−ビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イ
タコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、ア
クリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタ
クリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、
マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエス
テル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエチル
エステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミド、マレ
イン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−
N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエチル
アミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレイン
酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミド、フ
マル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N−モノ
ブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フ
マル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジ
ブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マ
レイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アクリル酸
ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウ
ム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウム、
アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−ブチ
ルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレニ
ル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、ア
コニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることができ、
相互の混合使用も可能である。
【0089】なかでもアクリル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸、ナジック酸が好ましく、特に無水マレイン酸
が好ましい。
【0090】酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和
カルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定され
ない。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−27
421号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる
特公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラ
リー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等
に開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−7
7493号公報等に開示の方法等がある。
【0091】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0092】不飽和カルボン酸類の使用量は、ポリオレ
フィン樹脂ベースポリマー(各種ポリエチレン樹脂、各
種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオレフィン共重合体樹
脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−
1等のα−オレフィン共重合体樹脂及びその共重合体樹
脂)100重量部に対して0.01〜20重量部、好ま
しくは0.2〜5重量部である。
【0093】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0094】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサ
イド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイ
ドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロ
ピル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ
−t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパ
ーオキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等
の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。
【0095】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
である。
【0096】これらの過酸化物の添加量は、特に制限さ
れないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して
0.005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部で
ある。
【0097】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK (Nポリマー) (2) 三井石油化学工業KK (ADMER) (3) 昭和電工KK (ER RESI
N) (4) 三菱化成工業KK (NOVATEC−
AP) (5) 三菱油化KK (MODIC) (6) 日本ユニカーKK (NUC−ACE) (7) 宇部興産KK (UBE BON
D) (8) 東ソーKK (ルセンM) (9) 住友化学工業KK (ボンダイン) (10) 三井・デュポンケミカルKK(CMPS)等 (11) エクソン社 (デクソン) (12) 東亜燃料工業KK (HAシリーズ) (13) 三井東圧化学KK (MITSUI L
ONPLY)等
【0098】また、酸変性ポリオレフィン樹脂は、フィ
ルムに含まれたカーボンブラックやアルミニウム粉末等
の遮光性物質や繊維状フィラー等の表面を被覆し均一に
分散させることができ、ミクログリッドの発生を減少さ
せ、フィルムの物理強度を向上させることができる。
【0099】本発明の写真感光材料用包装材料の基材及
び熱可塑性樹脂フィルム層の少なくとも1つ以上の層に
遮光性物質が含有されている。
【0100】遮光性物質について説明する。 (1) 無機化合物 A.酸化物…シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物…水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム等 C.炭酸塩…炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩…硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩…タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等F.炭素
…カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素中
空球等 G.その他…鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等 (2) 有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、非木材繊維(ワラ、ケナフ、竹、エスパルト、バガ
ス、モロヘイヤ、煙火など)セロハン片、ナイロン繊
維、ポリプロピレン繊維、デンプン(変性デンプン、表
面処理デンプンも含む)、芳香族ポリアミド繊維等。
【0101】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で
不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐
光性が優れ比較的不活性な物質である、黒色の光吸収性
のカーボンブラックと窒化チタンとグラファイト及び鉄
黒が好ましい。
【0102】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0103】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),#4000,#4010,MA
7,MA8,MA11,MA100、MA100R,M
A220,MA230、三菱導電性カーボンブラックと
して#3050,#3150,#3250,#3600,#
3750,#3950等が挙げられる。
【0104】さらに、昭和キャボット製のN110,N
134,N219,N220,N234,N326,N3
30,N330T,N339,N351,N550,M
AF,SRF等が挙げられる。
【0105】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls L,2,46,70,7
1,74,80,81,130,280,430,46
0,480,607,800,880,900,1000,1
100,1300,1400等、Regal 99,25
0,300,330,400,415,660,991,S
RF−S等、Vulcan 3,6,P,XC−72等、S
terling 10,SO,V,S,FT−FF,MT
−FF等が挙げられる。
【0106】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,30
06,3007,3008,3009,3011,301
2,XC−3016,XC−3017,3020等が挙
げられる。さらにまた、コロンビア・ケミカル社のCo
nductex 975,SC,Raven C,H20,4
10,420,430,450,460,500,52
0,760,790,850,890,1000,104
0,1060,1170,1190,1200,125
0,1255,2000,2500,3500,5000,5
250,5750,7000等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0107】これら各種のカーボンブラック中で、天
然ガスまたはガス状ないし蒸気状の炭化水素のガス炎を
不完全燃焼させながらチャンネル鋼の背面に接触させ、
カーボンブラックを析出させることにより製造するチャ
ンネルブラックは、着色力は大きいが写真性が悪く、製
造中大気を汚染するので本発明では好ましくない。本発
明で好ましいカーボンブラックは、アセチレンブラッ
クと、天然ガス、炭化水素油またはこれらの混合物を
1200℃〜1700℃の炉内で連続的に部分燃焼させ
るか、または加熱分解することにより製造するファーネ
スブラックである。
【0108】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としては各社の
各種導電性カーボンブラックとアセチレンカーボンブラ
ック、変性副生カーボンブラックであるケッチェンカー
ボンブラックが好ましい。特に高感度(ISO感度40
0以上)写真感光材料用としては硫黄含有量が0.1%
以下のアセチレンブラックと、1250℃〜1600℃
の炉内で製造したファーネスカーボンブラックが好まし
い。
【0109】帯電防止効果を有する遮光性物質は、平均
粒子径が12〜50mμ、DBP吸油量が100ml/
100g以上の各種カーボンブラック、具体的には各種
導電性カーボンブラック(具体例としては、コンダクテ
ィブファーネスブラックのコンチネックスCF,パルカ
ンC等、スーパーコンダクティブファーネスブラックの
コンチネックスSCF,バルカンSC等、エクストラコ
ンダクティブファーネスブラックの旭HS−500,バ
ルカンXC−72等、コンダクティブチャンネルブラッ
クのコウラックスL等、三菱化成KK製の三菱導電性カ
ーボンブラック#3050,#3150,#3250,#
3600,#3750,#3950等)、アセチレンカー
ボンブラック(電化アセチレンブラック、シャウニガン
アセチレンブラック等)、ケッチェンカーボンブラック
(EC及びEC−600JD等)、炭素繊維、金属繊維、
Alドープ、TiO2、SnO2、金属被覆繊維、導電物
質含有繊維、金属粉末、グラファイト、各種金属塩、金
属吸着繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチ
レン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレン、黒鉛粉
末等である。帯電防止剤に関しては、前記各種界面活性
剤を用いることができる。
【0110】体積固有抵抗値(20℃,60%RHの恒
温恒湿室で測定)は、MFRが0.3g/10分、密度
が0.958g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂100
重量部に対してケッチェンブラックECを10重量部添
加したフィルムでは2×102Ω・cm、ケッチェンブ
ラックEC600JDを10重量部添加したフィルムで
は6×10Ω・cm、アセチレンブラックを10重量部
添加したフィルムでは3.1×106Ω・cm、バルカン
XC−72を10重量部添加したフィルムでは1.6×
106Ω・cmであった。必要により前者の着色用カー
ボンブラックと後者の導電性カーボンブラックを必要特
性に従って適当な比率でミックスすることも好ましい。
【0111】写真感光材料の写真性に悪影響を与えない
ようにするためには、さらにカーボンブラック中の硫黄
含有量(ASTM D−1619測定法による)は0.6
重量%以下、特に好ましくは0.3重量%以下、最も好
ましくは0.1重量%以下の任意の含有量とするのがよ
い。
【0112】このためには原料の選択が重要であり、例
えば、上記硫黄分について説明すると下記のようにな
る。 原 料 油 名 原料油中の硫黄分 クレオソート油{石炭系原料} 0.3〜0.6% エチレンボトム油{ナフサ原料(石油系原料)} 0.05〜0.1% エチレンボトム油{軽油原料(石油系原料)} 0.2〜1.5% 流動接触分解残渣油{石油系原料} 0.2〜4.0%
【0113】従って、原料油としてはクレオソート油と
石油を原料とするエチレンボトム油が好ましく、硫黄分
が0.05〜0.1%であるナフサを原料とするエチレ
ンボトム油を原料として製造したカーボンブラックは、
カーボンブラック中の硫黄含有量を0.1重量%以下に
することができるので最も好ましい。製造方法として
は、上記原料を用いて1200℃〜1700℃、好まし
くは1250℃〜1600℃の炉内で製造したファーネ
スカーボンブラックが好ましい。このエチレンボトム油
を原料として製造したカーボンブラックは、熱可塑性樹
脂フィルム層に添加する場合、遮光性と帯電防止性を確
保するため添加量は0.1〜60重量%、0.3〜40
重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好まし
く、1.0〜20重量%が特に好ましくは、1.0〜1
0重量%が最も好ましい。
【0114】特に、写真感光材料の写真性に直接悪影響
を与えることが判明した遊離硫黄(free sulp
hur)含有量(定量は、JIS K 6350に準ず
る)が100ppm以下、好ましくは50ppm以下、
特に好ましくは20ppm以下、最も好ましくは10p
pm以下のカーボンブラックを使用する。この遊離硫黄
含有量が少ない点からも、本発明ではナフサを原料とす
るエチレンボトム油を用いて1250℃〜1600℃の
炉内で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解する
ことにより、製造したファーネスカーボンブラックが最
も好ましい。
【0115】また、カーボンブラックを硫酸存在下にて
還流し、発生したシアン化水素を0.1Nの水酸化ナト
リウム水溶液でトラップした後、4−ピリジンカルボン
酸・ピラゾロン吸光分析法で定量し、このシアン化水素
量をカーボンブラック重量に対する重量%で換算する4
−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン吸光分析法によるシ
アン化水素含有量は0.01重量%以下、特に好ましく
は0.005重量%以下、最も好ましくは0.001重
量%以下の任意の含有量とするのがよい。さらに、ヨー
ド法によるアルデヒド化合物含有量は0.1重量%以
下、特に好ましくは0.05重量%以下、最も好ましく
は0.01重量%以下の含有量のカーボンブラックとす
るのがよい。これらの物質は少量でも写真感光材料の写
真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0116】特に高感度(ISO感度400以上)写真
感光材料用としては、分散性が良好で帯電防止効果も大
きい硫黄含有量が0.1%以下のアセチレンブラックが
好ましい。必要によりアセチレンブラック、ファーネス
カーボンブラック及びケッチェンカーボンブラックの2
種以上を必要特性に従ってミックスすることも好まし
い。遮光性物質を配合する形態を大別すると下記のよう
になる。 (1) 均一着色ペレット状(カラーコンバウンドと言わ
れる最も一般的に用いられているもの) (2) 分散性粉末状(ドライカラーとも呼ばれる、種々
の表面処理剤で処理し、さらに分散助剤を加えて微粒子
状に粉砕した粉末状のもの) (3) ペースト状(可塑剤等を分散させたもの) (4) 液状(リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤等
に分散した液状のもの) (5) マスターバッチペレット状(遮光性物質を着色し
ようとするプラスチック中に高濃度に分散したもの) (6) 潤性粒粉末状(遮光性物質をプラスチック中に高
濃度に分散させたのち、粒粉末状に加工したもの) (7) 乾燥粉末状(普通の無処理の乾燥粉末状のもの)
【0117】遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態
は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコス
ト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。本発明者も特
開昭63−186740号公報で遮光性物質を特定エチ
レン・エチルアクリレート共重合体樹脂に分散した着色
マスターバッチ用樹脂組成物を開示している。
【0118】本発明の写真感光材料用包装材料として使
用する上で写真感光材料にカブリを発生させることな
く、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、
最内層(熱可塑性樹脂フィルム層)に添加した場合でも
カーボンブラックの固り(ブツ)の発生やフィッシュアイ
等フィルムにピンホールが発生しにくい点で、カーボン
ブラックの中でも特にpH(JIS K 6221で測
定)が6.0〜9.0、平均粒子径(電子顕微鏡法で測
定)が10〜120mμ、特に10〜80mμのものが
好ましく、最も好ましいのは10〜60mμである。こ
れらの中でも特に揮発成分(JIS K 6221で測
定)が2.0%以下、DBP吸油量(JIS K6221
の吸油量A法で測定)が50ml/100g以上、灰分
量(JIS K6221)が1.0%以下のファーネスカ
ーボンブラックが、安価で、写真性に悪影響を及ぼすこ
とがなく、且つ遮光性向上と分散性向上、物理特性低下
の少ない点で好ましい。特に、原料油としてエチレンボ
トム油又はクレオソート油を原料としたものが好まし
く、本発明に最も好ましいものはナフサを原料とするエ
チレンボトム油を用いて1250℃〜1600℃の炉内
で連続的に部分燃焼させるか、または加熱分解すること
により製造したDBP吸油量が70ml/100g以
上、灰分量が0.5%以下のファーネスカーボンブラッ
クである。
【0119】また、遮光性物質中のASTM D 161
9−60の測定方法による硫黄成分は、0.9%以下、
好ましくは0.7%以下、特に好ましくは0.5%以下
にしないと、カブリ増加や感度異状、発生異状等の写真
感光材料の写真性に悪影響を及ぼす。特に、直接写真感
光材料の写真性に大きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分
(各試料を液体窒素で冷却固化後粉砕し、この粉砕した
試料100gをソックスレー抽出器に入れクロロホルム
で60℃8時間抽出冷却後、全容量を100mlとす
る。この溶液10mlを高速液体クロマトグラフに注入
し、硫黄を定量する。高速液体クロマトグラフ分離条件
はカラム;ODSシリカカラム(4.6φ×150m
m)、分離液;メタノール95と水5(酢酸とトリエチ
ルアミンをそれぞれ0.1%含む)、流速;1ml/
分、検出波長;254nm、定量は絶対検量線法によっ
て行う。)は0.1%以下、好ましくは0.05%以
下、特に好ましくは0.01%以下、最も好ましくは0.
005%以下である。高価であるが、硫黄成分の含有量
が0.1%以下のアセチレンブラックがISO感度10
0以上の写真感光材料用としては写真性を良好に維持す
るのに好適である。
【0120】遮光性物質中の写真性を悪化させるシアン
化合物含有量(4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン吸
光分析法にて定量したシアン化水素量を遮光性物質の重
量に対するppm単位に換算した値)が20ppm以
下、好ましくは10ppm以下、特に好ましくは5pp
m以下、最も好ましくは1ppm以下であり、特に金増
感した写真感光材料の場合は1ppm以下にしないと減
感が大きく実用化困難であり、スキャベンジャー等の添
加が必要となる。
【0121】本発明でスキャベンジャーとは、シアン化
水素ガスを、写真的に不活性な物質に変換する化合物で
ある。スキャベンジャーは、シアン化水素ガスを捕獲し
た結果として、ハロゲン化銀感光材料に悪影響を与える
物質を放出すべきではない。適切てシアン化水素ガスス
キャベンジャーは貴金属の無機又は有機化合物から選択
することができる。特に好ましいものはパラジウム(II
又はIV;酸化状態を示す。以下同様)、白金(II又はI
V)化合物である。金(I又はIII)の化合物も好まし
い。ロジウム(III)、イリジウム(III又はIV)及びオ
スミウム(II、III又はIV)の化合物もまた効果的である
が、同等の効果を得るのに、より多量が必要である。有
用な無機又は有機貴金属化合物の具体例としては、例え
ばグメリンハンドブック(Gmelin Handboo
k)に詳細に記述されており、市販品、合成品及びin
situ合成品を写真感光材料に悪影響を与えることが
ない程度の純度で使用することができる。
【0122】好ましいパラジウム化合物としては、塩化
パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、水酸化パラジ
ウム(II)、硫酸パラジウム(II)、チオシアン酸パラジ
ウム(II)、テトラクロロパラジウム(II)酸塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、ヘキサクロロパ
ラジウム(IV)酸塩、テトラブロモパラジウム(II)酸
塩、ヘキサプロモパラジム(IV)酸塩、ビス(サリチラ
ト)パラジムム(II)酸塩、ビス(ジチオオキサラト−
S,S')パラジウム(II)酸塩、trans−ジクロロ
ビス(チオエーテル)パラジウム(II)、テトラアンミン
パラジウム(II)塩、ジクロロジアンミンパラジウム(I
I)、ジブロモジアンミンパラジウム(II)、オキサラトジ
アンミンパラジウム(II)、ジニトロジアンミンパラジウ
ム(II)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)
塩、ジクロロエチレンジアミンパラジウム(II)、ビス
(2,2'−ピピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(1,
10−フェナントロリン)パラジウム(II)塩、テトラ
ニトロパラジウム(II)酸塩、ビス(グリシナト)パラジ
ウム(II)、テトラキス(チオシアナト)パラジウム
(II)酸塩、ジクロロビス(ホスフィン)パラジウム
(II)酸塩、ジクロロビス(ホスフィン)パラジウム(I
I)、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(ホスフィン)パラ
ジウム(II)]、ジ−μ−クロロ−ビス[クロロ(アルシ
ン)パラジウム(II)]及びジニトロビス(アルシン)パ
ラジウム(II)等が挙げられる。
【0123】好ましい白金化合物としては、塩化白金(I
I)酸塩、塩化白金(IV)、ヘキサフルオロ白金(IV)酸塩、
テトラクロロ白金(II)酸塩、ヘキサクロロ白金(IV)酸
塩、トリクロロトリフルオロ白金(IV)酸塩、テトラブロ
モ白金(II)酸塩、ヘキサブロモ白金(IV)酸塩、ジブロモ
ジクロロ白金(II)酸塩、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸
塩、ビス(オキサラト)白金(II)酸塩、ジクロロビス
(オキサラト白金(IV)酸塩、ビス(チオオキサラト)
白金(II)酸塩、ビス(アセチルアセトナト)白金(I
I)、ビス(1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4
−ペンタンジオナト)白金(II)、ビス(1,1,1−ト
リフルオロ−2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、テ
トラキス(チオシアナト)白金(II)酸塩、ヘキサキス
(チオシアナト)白金(IV)酸塩、ビス{(Z)−1,2−
ジシアノエチレン−1,2−ジチオラト}白金(II)酸
塩、ジクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(II)、テ
トラクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(IV)、ビス
(グリシナト)白金(II)、ジクロログリシナト白金(II)
酸塩、ジクロロビス(トリエチルホスフィン)白金(I
I)、クロロヒドリドビス(トリエチルホスフィン)白金
(II)、テトラアンミン白金(II)塩、テトラクロロ白金
(II)酸塩、ジクロロジアンミン白金(II)、トリクロロア
ンミン白金(II)塩、ヘキサアンミン白金(IV)塩、クロロ
ペンタアンミン白金(IV)塩、テトラクロロジアンミン
白金(IV)、ジニトロジアンミン白金(II)、ジクロロテト
ラキス(メチルアミン)白金(IV)塩、ジクロロ(エチ
レンジアミン)白金(II)、ビス(エチレンジアミン)白
金(II)塩、トリス(エチレンジアミン)白金(IV)塩、ジ
クロロビス(エチレンジアミン)白金(IV)塩、ジクロロ
ジヒドロキソ(エチレンジアミン)白金(IV)、テトラキ
ス(ピリミジン)白金(II)塩、ジクロロビス(ピリジ
ン)白金(II)、ビス(2,2'−ピピリジン)白金(II)
塩、テトラニトロ白金(II)酸塩、クロロトリニトロ白金
(II)酸塩、ジクロロジニトロ白金(II)酸塩、ジブロモ
ジニトロ白金(II)酸塩、ヘキサニトロ白金(IV)酸塩、ク
ロロペンタニトロ白金(IV)酸塩、ジクロロテトラニトロ
白金(IV)酸塩、トリクロロトリニトロ白金(IV)酸塩、テ
トラクロロジニトロ白金(IV)酸塩、ジブロモジクロロジ
ニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロ(エチレン)白金(II)
酸塩、ジ−μ−クロロ−ビス(クロロ(エチレン)白金
(II)、trans−ジクロロ(エチレン)(ピリジン)
白金(II)、ビス[ビス(β−メルカプトエチルアミン)
ニッケル(II)−S,S”−白金(II)塩及びジクロロジ
カルボニル白金(II)等が挙げられる。
【0124】金(I又はIII)、ロジウム(III)、イリ
ジウム(III又はIV)及びオスミウム(II、III又はIV)の
化合物も同様に用いることができるが、そのような例と
して例えば、カリウムテトラクロロオーレート(III)、
ロジウム(III)クロライド、カリウムヘキサクロロイリ
デート(IV)、カリウムテトラクロロイリテート(III)及
びカリウムヘキサクロロオスメート(IV)等が挙げられ
る。本発明の効果が得られる限りにおいて貴金属の無機
又は有機化合物は上述の具体例のみに制限されるのでは
ない。
【0125】ヨウ素吸着量(JIS K 6221で測
定)が20mg/g以上、好ましくは30mg/g以
上、特に好ましくは50mg/g以上、最も好ましくは
80mg/g以上で、かつジブチルフタレート(DB
P)吸油量(JIS K 6221で測定)が50ml/
100g以上、好ましくは60mg/100g以上、特
に好ましくは70ml/100g以上、最も好ましくは
100ml/100g以上のカーボンブラックである。
写真感光材料用包装材料中のシアン化水素ガス含有量に
関しては5ppm以下、好ましくは3ppm以下、特に
好ましくは1ppm以下、最も好ましくは0.5ppm
以下になるよう前記シアン化水素ガススキャベンジャー
を含有させることが好ましい。
【0126】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質は、Larsenの油浸法で測定した屈折率が1.5
0以上の無機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金
属ペースト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈
折率が1.50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。( )内の数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以
上の無機顔料としては、ルチル型酸化チタン(2.7
5)、炭化ケイ素(2.67)、アナターゼ型酸化チタ
ン(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモ
ン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.0
2)、リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コラ
ンダム(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト
(1.64)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム(1.
64)、マグネサイト(1.62)、ドロマイト(1.5
9)、炭酸カルシウム(1.58)、タルク(1.5
8)、硫酸カルシウム(1.56)、無水ケイ酸(1.5
5)、石英粉(1.54)、水酸化マグネシウム(1.5
4)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.52)、アルミナ
(1.50)等がある。特に好ましいものは、屈折率が
1.56以上、最も好ましいものは1.60以上の遮光
性物質である。
【0127】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム
(1.46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.4
4)等は遮光能力が小さいので多量の添加が必要で遮光
性物質としての使用は好ましくない。また、最近の海外
旅行ブームにより空港での手荷物検査でX線を用いた検
査機にISO感度が400以上の高感度写真フィルムを
通過させるとX線によりカブリが発生しやすくなる。こ
れを防止するために比重が3.1以上、好ましくは3.
4以上の遮光性物質を用いることが好ましい。比重が
3.1以上、好ましくは3.4以上、特に好ましくは
4.0以上の遮光性以外にX線遮断性を有する遮光性物
質の形態は以下に代表例を例示したものに限定されず、
いかなる形態、例えば顔料、粉末、フレーク、ウィスカ
ー、ファイバー等であってもよい。
【0128】比重が3.1以上の遮光性物質としては、
炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、酸化鉛
(鉛白)、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタ
ン酸バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル粉
末、銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステン
ウィスカー、窒化けい素ウィスカー、銅ウィスカー、鉄
ウィスカー、ニッケルウィスカー、クロムウィスカー、
ステンレス粉およびウィスカー、マグネサイト、アパタ
イト、スピネール、コランダム、ジルコン、三酸化アン
チモン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミニウム、錫
粉およびこれらの混合物等がある。
【0129】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質は、ジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩
化バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛、亜鉛
粉末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステンレスウ
ィスカー、酸化鉄、タングステンウィスカー、ニッケル
ウィスカーである。ISO感度が400以上の超高感度
写真感光材料用包装材料として特に好ましい遮光性物質
は屈折率が1.50以上、比重が3.1以上であり、最
も好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が3.4以
上の遮光性物質である。これらの遮光性物質の含有量は
層厚や樹脂の種類や用途によって変化するが、物理強
度、経済性、製造適性等から0.1〜80重量%、好ま
しくは0.3〜60重量%、より好ましくは0.5〜4
0重量%、最も好ましく1.0〜20重量%である。
【0130】遮光性物質の屈折率及び比重を表2に示
す。
【表2】
【0131】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量
%、最も好ましくは20〜60重量%である。5重量%
未満ではX線遮断効果がほとんどなく、80重量%を越
えると製造が困難であり、且つ物理強度やヒートシール
性に欠け実用化困難である。
【0132】以上前述の各種の遮光性物質は、写真感光
材料に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させない
ために、100℃,5時間での乾燥減量が好ましくは
2.0重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、
最も好ましくは0.5重量%以下の状態にして使用す
る。
【0133】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有し、写真感光材料の写真性を
良化させるので、本発明で含有させることが好ましい吸
油性無機顔料の代表例としては、亜鉛華(52)、アスベ
スチン(50)、クレー(51)、酸化チタン(56)、カオ
リン(60)、タルク(60)、カーボンブラック(60以
上)、活性炭等がある。( )内の数字は吸油量(JI
S K 6221の吸油量A法で測定。単位ml/100
g)を示す。
【0134】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例と
しては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、銅
粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅粉
末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0135】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。均一
分散性、成形性、写真性、外観の優れた、臭いの少ない
アルミニウム粉末とするには平均粒径が0.3〜50μ
m、好ましくは0.5〜45μm、特に好ましくは0.
8〜40μm、平均厚さが0.03〜0.5μm、好まし
くは0.05〜0.4μm、特に好ましくは0.08〜
0.35μm、脂肪酸含有量が5重量%以下、好ましく
は4重量%以下、特に好ましくは3重量%以下のアルミ
ニウム粉末である。
【0136】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん等の分散剤等を加熱混練し、低揮発物質(主として
悪臭が強いミネラルスピリット、ホワイトスピリット)
を真空ポンプ等で除去した揮発物質の含有量(100
℃,5時間での乾燥減量)が3%以下、好ましくは1%
以下、特に好ましくは0.5%以下のものをアルミニウ
ムペーストコンパウンド樹脂、アルミニウムペーストマ
スターバッチ樹脂として使用することが好ましい。
【0137】特に、アルミニウムペーストマスターバッ
チ樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪
臭をなくすために好ましい。例えば、アルミニウムペー
スト含有率40重量%のマスターバッチ樹脂中のミネラ
ルスピリット含有率が1.0重量%であっても、これを
写真感光材料用包装材料中でのアルミニウムペースト濃
度を2重量%にしようとすると、アルミニウムペースト
マスターバッチ1重量部に対してナチュラル樹脂19重
量部を混練することになり、包装材料中には成形中にミ
ネラルスピリットが加熱によりガスとして除去される分
もあるのでミネラルスピリット含有量は0.05重量%
以下になる。その結果、写真感光材料への悪影響もなく
なる上、悪臭も低減される。
【0138】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の表面
被覆処理が施される。特に特定の厚さ(5〜20μm、
好ましくは6〜15μm、特に好ましくは7〜10μ
m)に圧延したアルミニウム箔をシュレッダー等で切断
し、焼き鈍しするとともに脂肪酸を除去し、しかる後こ
の切断したアルミニウム箔中に対して5重量%以下の炭
素数が8以上の脂肪酸(化合物を含む)を添加してボー
ルミル、スタンプミル、振動ミルおよびアトライターか
ら選んだ粉砕機の1つ以上を用いて平均粒径0.3〜5
0μm、平均厚さ0.03〜0.5μmで、脂肪酸含有
量が5重量%以下としたアルミニウム粉末が本発明では
分散性、写真性、光沢が優れ臭いが少ないので特に好ま
しい。
【0139】本発明の写真感光材料用包装材料として実
用化するには、品質確保、物理強度確保、写真性能確
保、成形性、経済性から、遮光性物質の合計含有量は、
0.1〜80重量%であるが、遮光性物質の遮光能力や
平均粒子径等により含有量は変化する。遮光能力の優れ
たカーボンブラック、酸化チタン及びアルミニウム粉末
の場合、各層中の合計含有量は、遮光性、経済性、フィ
ルム成形性等の点から0.1〜60重量%、0.3〜4
0重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好まし
く、1〜10重量%が最も好ましい。含有量が0.1重
量%未満であると、写真感光材料用包装材料の厚さを大
きくしないと遮光能力が不足し光カブリを発生する。こ
のため写真感光材料用包装材料の成形速度が遅くなり
(冷却時間が長くなるため)、樹脂使用量が多くなるた
め高価になり実用化困難である。含有量が60重量%を
越えると、高価になり、分散性が悪化し、ミクログリッ
ド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材料に圧
力カブリや擦り傷を発生させたり、写真感光材料用包装
材料中の水分量がカーボンブラックに吸着した水分増加
により多くなり、写真感光材料の写真性能に悪影響(カ
ブリの発生、感度異常、発色異状等)を及ぼす。さら
に、写真感光材料用包装材料の成形性悪化(発泡、銀
条、ピンホール、破れ等の発生)や物理強度の低下とな
り実用化困難である。
【0140】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が
3.4以上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以
上の無機顔料が特に好ましい)の樹脂中への分散性向
上、樹脂流動性向上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力
カブリ、擦り傷等を発生させるミクログリットの発生防
止、写真性に有害な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低
下、ダイリップ汚れ防止等のためにその表面を表面被覆
物質で被覆することが好ましい。
【0141】表面被覆物質の代表例を以下に示す。 (1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭62
−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オ
キシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム
水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0.1〜
2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリー
にケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面に
ケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加
え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バ
リウム表面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1種
又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アルミ
ニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸
化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面被
覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−
ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される
1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス)で表面被覆 (16) 含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆 (19) 界面活性剤(カチオン系、ノニオン系、両性イオ
ン系)で表面被覆 (20) 有機金属キレート化合物(特にβ−ジケトンキレ
ート化合物が写真性、分散性向上等が優れているので好
ましい、表面被覆量は遮光性物質100重量部に対して
0.001〜20重量部、0.01〜15重量部が好ま
しい)で表面被覆(21) 炭素数が20〜40の脂肪族モ
ノカルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族一価アルコ
ールとのエステルで表面被覆 (22) 炭素数20〜50の脂肪酸エステル部分ケン化物
の金属塩で表面被覆、等
【0142】上記遮光性物質の表面被覆物質として写真
感光材料の写真特性にカブリ発生等の悪影響が少なく、
遮光性物質の分散性向上、ブツの発生減少、樹脂の流動
性向上等の効果が優れた(1)、(3)、(12)、(14)、(1
5)、(16)、(18)、(19)、(21)、(22)等の他に有機金属キ
レート化合物、各種帯電防止剤、滑剤、防滴剤が好まし
い。
【0143】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコール
とのエステルを遮光性物質100重量部に対して0.0
01〜20重量部、好ましくは0.005〜10重量
部、特に好ましくは0.01〜5重量部を添加すること
により、上記問題点の防止効果を発揮できることを見出
したものである。特に、写真感光材料の写真性に悪影響
を減少させるだけでなくモーター負荷を小さくし、遮光
性物質の分散性を向上させ、成形性を向上し写真感光材
料用包装材料の外観を優れたものにする。
【0144】本発明に用いられるエステルとしては、炭
素数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノ
カルボン酸と炭素数が20〜40、好ましくは25〜3
5の脂肪族1価アルコールのエステルである。
【0145】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0146】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0147】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆
に用いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性
向上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
これらの遮光性物質の表面被覆物質の表面被覆量は、カ
ーボンブラック、酸化チタン又はアルミニウム粉末等の
遮光性物質100重量部に対して、0.001〜20重
量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましく
は0.01〜3重量部、最も好ましくは0.05〜1.
5重量部である。被覆量が0.001重量部以下では被
覆効果がほとんど発揮されない。被覆量が20重量部を
越えると経時でブリードアウトの発生が多くなる。
【0148】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619)は0.9%以下、好ましくは0.7%以
下、特に好ましくは0.5%以下であり、遊離硫黄分は
150ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好
ましくは30ppm以下であり、ASTM D−150
6による灰分量は0.5%以下、好ましくは0.4%以
下、特に好ましくは0.3%以下であり、アルデヒド化
合物含有量は0.2%以下、好ましくは0.1%以下、
特に好ましくは0.05%以下に抑えないと写真性に悪
影響を及ぼすので注意が必要である。
【0149】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン酸・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対するppm単位に換算した値が20
ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましく
は5ppm以下、最も好ましくは1ppm以下の遮光性
物質を用いる。
【0150】基材及び熱可塑性樹脂フィルム層に、滑剤
を含有させることができる。滑剤を含有させることによ
り、フィルムの成形性及びハンドリング適性や滑性を良
好にしシワや筋の発生を防止できる。さらに、感光材料
と積み重ねられたりしてもブロッキングを発生すること
がなく、包装袋等として用いた場合でも写真感光材料と
摩擦してもスリ傷やスタチックマークが発生しないよう
にできる。また、樹脂の流動性を向上し、フィルム成形
性を改善させることもできる。
【0151】滑剤の添加量は種類によって異なり、脂肪
酸金属塩等のように写真感光材料の写真性能維持を主目
的とした滑性効果が小さい滑剤の場合は、0.01〜5
重量%が好ましく、0.03〜3重量%がより好まし
く、0.05〜1.5重量%が特に好ましく、0.07
〜1重量%が最も好ましい。添加量が0.01重量%未
満であると、添加効果がなく、混練費用増となるだけで
ある。添加量が5重量%を越えると、発泡や白煙やダイ
リップ筋が発生しやすくなったり、溶融樹脂と押出し機
のスクリューとのスリップが発生しやすくなり、樹脂の
吐出量が不安定になる。また、成形後の経時によりベト
ツキやブリードアウトが発生しやすくなり写真感光材料
に悪影響を及ぼすようになる。さらにまた、経時ヒート
シール強度が低下し、密封性や防湿性と酸素バリヤ性が
悪化し写真感材料用包装材料としては実用化困難であ
る。
【0152】また、脂肪酸アミド系滑剤、ビス脂肪酸ア
ミド系滑剤等のように滑性効果は大きいが、ブリードア
ウトしやすく、写真感光材料に悪影響を与える滑剤の場
合は、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5
重量%がより好ましく、0.05〜0.3重量%が最も
好ましい。添加量が0.01重量%未満であると、添加
効果がなく、混練費用増となるだけである。添加量が1
重量%を越えると、溶融樹脂と押出し機のスクリューと
のスリップが発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定
になる。また、フィルム成形後の経時によりベトツキや
ブリードアウトが発生しやすくなる。さらにまたブリー
ドアウトした滑剤が写真感光層に転写して現像阻害を発
生させ現像ムラや発色ムラ等の品質故障が発生する。
【0153】市販の代表的滑剤名と製造メーカー名を以
下に記載する。 (1) 脂肪酸アミド系滑剤; 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 ベヘニン酸アミド系滑剤; ダイヤミッドKN(日本化成)等 ステアリン酸アミド系滑剤; アーマイドHT(ライオン油脂)、アルフローS−10
(日本油脂)、脂肪酸アマイドS(花王)、ダイヤミッド2
00(日本化成)、ダイヤミッドAP−1(日本化成)、
アマイドS・アマイドT(日東化学)、ニュートロン−
2(日本精化)等 〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 パルミチン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−18(日
本精化)、アマイドP(日東化学)等 ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオン・ア
クゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等 〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕エルカ酸アミド系滑剤;
アルフローP−10(日本油脂)、ニュートロン−S
(日本精化)、LUBROL(I・C・I)、ダイヤミ
ッドL−200(日本化成)等 オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP(ライオ
ン・アクゾ)、ニュートロン(日本精化)、ニュートロ
ンE−18(日本精化)、アマイドO(日東化学)、ダ
イヤミッドO−200・ダイヤミッドG−200(日本
化成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪酸アマイ
ドO(花王)等 〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕メチレンビスベヘニン酸ア
ミド系滑剤;ダイヤミッドNKビス(日本化成)等 メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤミッド
200ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオン・ア
クゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロンO(日
本化成)等 エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモスリッ
プEBS(ライオン・アクゾ)等 ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アマイ
ド65(川研ファインケミカル)等 ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;アマイド
60(川研ファインケミカル)等
【0154】(2) 非イオン界面活性剤系滑剤;エレク
トロストリッパ−TS−2、エレクトロストリッパ−T
S−3(花王石鹸)等
【0155】(3) 炭化水素系滑剤;流動パラフィン、
天然パラフィン、マイクロワックス、イソパラフィン系
合成石油炭化水素、合成パラフィン(C16〜49、好
ましくはC20〜30)、ポリエチレンワックス(数平
均分子量が10,000以下、好ましくは8,000以
下、特に6,000以下が好ましい。)、ポリプロピレ
ンワックス(数平均分子量が10,000以下、好まし
くは8,000以下、特に6,000以下が好まし
い。)、塩素化炭化水素、フルオロカーボン等
【0156】(4) 脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12
〜35が好ましい、具体的にはカプロン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、エルカ酸、パルミチン酸等)、オキシ
脂肪酸等
【0157】(5) エステル系滑剤;脂肪酸の低級アル
コールエステル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂
肪酸のポリグリコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコー
ルエステル等
【0158】(6) アルコール系滑剤;多価アルコー
ル、ポリグリコール、ポリグリセロール等
【0159】(7) 脂肪酸金属塩系滑剤(金属石け
ん);ラウリン酸、ステアリン酸、コハク酸、ステアリ
ル乳酸、乳酸、フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステア
リン酸、リシノール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パル
ミチン酸、エルカ酸等の高級脂肪酸とLi、Na、M
g、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、Al、Sn、P
b、Cd、等の金属との化合物が挙げられ、好ましいも
のはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、オレ
イン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネ
シウム等である。
【0160】(8) モンタン酸エステル部分鹸化物;
【0161】(9) シリコーン系滑剤;各種グレードの
ジメチルポリシロキサン及びその変性物(信越シリコー
ン、東レシリコーン)、特に各種シリコーンオイルが樹
脂流動性向上、滑性向上等の効果を発揮させるだけでな
く、遮光性物質と併用すると遮光性物質の分散性向上、
樹脂を白濁させヘイズ(ASTM D−1003)を大き
くさせる結果、着色力向上、遮光性向上等予想外の効果
を発揮するので好ましい。
【0162】上記シリコーンオイルは、常温における粘
度が50〜100,000センチストークスの範囲のも
のが好ましく、更に好ましくは5,000〜30,00
0センチストークスの高粘度のものがよい。シリコーン
及びシリコーン変性物の具体例としては、ポリメチルフ
ェニルシロキサン、オレフィン変性シリコーン、アミド
変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、アミノ変性
シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、αメチルス
チレン変性シリコーン、ポリエチレングリコールやポリ
プロピレングリコールで変性したポリエーテル変性シリ
コーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン、エ
ポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルコ
ール変性シリコーン等変性されたシロキサン結合を含有
したシリコーンオイルである。
【0163】シリコーンオイル中、写真感光材料に悪影
響を与えることが少なく、滑性効果の大きい、特に写真
感光材料用包装材料に適用した場合に好ましいものはオ
レフィン変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリ
ジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、オ
レフィン/ポリエーテル変性シリコーンである。
【0164】シリコーンオイルは、加熱状態での成形材
料、例えば樹脂フィルムの摩擦係数を改良し、自動包装
機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺
の発生を防止することにより、美しい外観と高度な密封
性と被包装体にたるみがない密着性とを有する性能を保
持した樹脂フィルムを得る基礎をつくることが出来る。
また、摺動による光沢の低下を防止して、美しいシール
部を得ることが出来る。シリコーンオイルを併用した場
合の本発明では、摺動ヒートシールをする場合、高温摩
擦係数を1.4以下にすることが出来る。
【0165】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくし、自
動袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の添加量を
減量しても遮性を確保できる。
【0166】基材及び熱可塑性樹脂フィルム層に、酸化
防止剤を含有させることができる。酸化防止剤を含有さ
せることより、熱可塑性樹脂や脂肪酸、滑剤、有機造核
剤、界面活性剤等の添加剤の熱劣化や熱分解を防止し、
熱可塑性樹脂組成物の流動性が著しく変化したり、ブツ
が発生するのを防止できる。さらに写真感光材料に悪影
響を及ぼす熱分解物質(アルデヒド等)の発生を防止す
ることができる。熱分解物質(アルデヒド等)を写真感光
材料に悪影響を及ぼさない量に減少安定化させたり、反
応安定化させたり又は吸着安定化させる公知の各種化合
物(例えば、ヒダントイン化合物、ヒドラジン化合物、
尿素化合物)を添加することが好ましい。写真感光材料
用包装材料中のアセチルアセトン法で測定したホルムア
ルデヒドの量は500PPM以下、好ましくは300P
PM以下、特に好ましくは150PPM以下、最も好ま
しくは75PPM以下にすることにより写真性を良好に
維持できる。
【0167】酸化防止物質の添加量は、0.001〜1.
5重量%であり、0.005〜0.7重量%が好ましく、
0.01〜0.45重量%がより好ましい。添加量が
0.001重量%未満であると、添加効果がなく混練経
費増になるだけであり、添加量が1重量%を越えると、
酸化、還元作用を利用する写真感光材料の写真性に悪影
響を及ぼすとともに写真感光材料用包装材料表面にブリ
ードアウトして外観を悪化させる。
【0168】本発明に使用される酸化防止剤の代表例を
以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤(tはtertの略号で
ある) ビタミンE(トコフェロール)、トコフェロール類二量
体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、5,7
−ジメチルトコール等)、6−t−ブチル−3−メチル
フェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−P−クレ
ゾール、2・6−ジ−t−ブチル−フェノール、2・6
−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、
2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4・4’−ブチリデンビス(6−t−
ブチル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス(6−
t−ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシ
ジフェニルシクロヘキサン、ブチル化ヒドロキシアニソ
ール、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−4'
−ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2'−メチ
レンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、
4・4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニ
ール)、4・4'−ブチリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4’−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3
・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒド
ロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5
トリメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブ
チル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス
〔メチレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン等
【0169】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0170】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N'−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N'−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0171】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0172】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、トリス(モノ及び/又
はジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォス
ファイト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト等
【0173】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0174】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等
【0175】本発明に最も好ましいヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤の代表例を以下に示す。1,3,5−トリ
メチル2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メ
チレン−3−(3'・5'−ジ−tert−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、オク
タデシル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシ−ヒドロシンナメート、2,2',2'−トリス〔(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオニルオキシ〕エチルイソシアヌレート、1,3,
5−トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−
2,6−ジ−メチルベンジル〕イソシアヌレート、テト
ラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,
4'−ビフェニレンジ亜リン酸エステル、4,4'−チオ
ビス−(6−tert−ブチル−O−クレゾール)、
2,2'−チオビス−(6−tert−ブチル−4−メチ
ルフェノール)、トリス−(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、2,2'−
メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチル
フェノール)、4,4'−メチレン−ビス−(2,6−ジ
−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデ
ンビス−(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェ
ノール、4−ヒドロキシ・メチル−2,6−ジ−ter
t−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−4−n
−ブチルフェノール、2,6−ビス(2'−ハイドロキシ
−3'−tert−ブチル−5’−メチルペンジル)−
4−メチルフェノール、4,4'−メチレン−ビス−(6
−tert−ブチル−O−クレゾール)、4,4'−ブチ
リデン−ビス(6−tert−ブチル−m−クレゾー
ル)、3・9−ビス{1・1−ジメチル−2−〔β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ〕エチル}2,4・8,10−テ
トラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカンなどがあげられ
る。これらの中でも融点が100℃以上、特に120℃
以上のものが好ましい。また、燐系酸化防止剤と併用す
ることが効果的である。さらにまた、燐系酸化防止剤の
少なくとも1種と、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
の少なくとも1種と、ハイドロタルサイト類化合物の少
なくとも1種の合計3種以上を併用することが特に好ま
しい。
【0176】燐系酸化防止剤の少なくとも1種を含む場
合、熱分解によって発生する亜燐酸が写真感光材料の写
真性に悪影響を大きく及ぼし、カブリを発生させるので
亜燐酸を中和させるハイドロタルサイト類化合物を0.
01〜5.0重量%、特に0.05〜3.0重量%併用
することが好ましい。
【0177】上記ビタミンE(トコフェロール)、トコ
フェロール類二量体は、優れた酸化防止作用の他に、フ
ィルム写真感光材料用包装材料を黄色に着色させてカー
ボンブラック等の遮光性物質と併用すると遮光能力をカ
ーボンブラック等の遮光性物質単独添加の場合より10
%以上向上させ、かつ、分散性も向上させるので遮光性
物質の添加量を10%以上減少させても同等の遮光性を
有することができる。この結果写真性の悪化防止、物理
強度向上、外観向上、材料費減少等各種の効果が発揮さ
れるので本発明の写真感光材料用包装材料の酸化防止剤
として最も好ましい。
【0178】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilize
rBHT,Sumilizer BH−76,Sumi
lizer WX−R,Sumilizer BP−1
01等である。また、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型
酸化防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ir
eganox 1076,Topanol CA,Iono
x 330等)がある。これらのフェノール系酸化防止剤
は、燐系酸化防止剤(ジステアリル−ペンタエリスリト
ール−ジフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホ
スファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
ペンタエリスリトールホスファイト、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオプロピオネート、テ
トラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4'−
ビフェニレン−ジ−ホスホナイト、トリス(2,4−ジ
−t−ブチル−フェニル)ホスファイト、ジアルキルフ
ォスフェート等)の1種以上、特に2種以上を併用する
のが相剰効果を発揮するので効果的である。
【0179】特に遊離基連鎖停止剤の代表例である融点
が100℃以上、好ましくは120℃以上の前記ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種と、過酸
化物分解剤である燐系酸化防止剤の少なくとも1種とを
併用して用いることが写真性を悪化させずに樹脂や添加
剤の熱劣化防止効果を高めることができるので好まし
い。最も好ましくは、燐系酸化防止剤の1以上と、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤の1以上の2種の合計
0.001〜1.5重量%と、燐系酸化防止剤の熱分解
によって発生する亜燐酸の中和剤としての働きをして写
真感光材料のカブリ防止の働きをするハイドロタルサイ
ト類化合物0.01〜5.0重量%の3種を少なくとも
併用する。
【0180】写真感光材料の写真性への悪影響が少な
く、樹脂溶融温度(130〜400℃)でも熱分解が少な
く、経時によるブリードアウトも少ない等多くの優れた
特性を有する点から本発明で特に好ましい酸化防止剤
は、分子量が200以上、好ましくは300以上、特に
好ましくは400以上、最も好ましくは500以上のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤である。
【0181】本発明の写真感光材料用包装材料に含有さ
せるのに最も好ましい酸化防止剤はテトラキス[メチレ
ン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−フ
ェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−
3−(4'−ヒドロキシ−3',5’−ジ−t−ブチルフェ
ノール)プロピオネートとトリス−(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)ホスファイトである。
【0182】本発明の熱可塑性樹脂フィルム層には、帯
電防止剤を添加することができる。帯電防止剤を添加す
ことにより、写真感光材料の取扱い時に写真感光材料用
包装材料との間の摩擦により発生する静電気の発生を防
止又は抑制して、写真感光材料にスタチックマークが発
生するのを防止する。
【0183】帯電防止剤の含有量は、0.01〜40重
量%が好ましく、0.03〜30重量%がより好まし
く、0.05〜20重量%が最も好ましい。合計含有量
が0.01重量%未満であると、添加効果がなく、混練
経費造となるだけである。また、合計含有量が40重量
%を越えると、増量効果がなく、コストアップとなるだ
けである。さらに、経時するとブリードアウト量が多く
なり、写真感光材料用包装材料の表面がベトつく。
【0184】帯電防止剤としては、各種界面活性剤を用
いることができる。
【0185】非イオン界面活性剤の代表例を以下に示
す。ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪族アルコールエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチ
レン脂肪族アミン、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、脂
肪酸ベンタエリスリット、脂肪アルコールのエチレンオ
キサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、
脂肪酸アミノまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド
付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加
物、アルキルナフトールのエチレンオキサイド付加物、
多価アルコールの部分的脂肪酸エステルのエチレンオキ
サイド付加物、ポリオキシエチレンアルキルアマイド、
アルキルアミン誘導体、その他特公昭63−26697
号公報120頁記載の各種非イオン帯電防止剤等。
【0186】アニオン界面活性剤の代表例を以下に示
す。リシノレイン酸硫酸エステルソーダ塩、各種脂肪酸
金属塩、シリノレイン酸エステル硫酸エステルソーダ
塩、硫酸化オレイン酸エチルアニリン、オレフィンの硫
酸エステル塩類、オレイルアルコール硫酸エステルソー
ダ塩、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸エチルスルフォ
ン酸塩、アルキルサルフェート、アルキルホスフェー
ト、アルキルスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスル
フォン酸塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、コハク
酸エステルスルフォン酸塩、リン酸エステル塩等。
【0187】陽イオン界面活性剤の代表例を以下に示
す。第1級アミン塩、第3級アミン塩、第4級アンモニ
ウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、ピリジ
ン誘導体等 両性界面活性剤の代表例を以下に示す。
【0188】また、プラスチックデータハンドブック
(KK工業調査会1984年4月5日発行)の776〜
778ページに開示された各種帯電防止剤等から種類や
添加量を選択して用いることが可能である。
【0189】以上の界面活性剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系界面活性剤を帯電防
止剤として用いることが特に好ましい。
【0190】熱可塑性樹脂フィルム層にブロッキング防
止剤を添加することができる。ブロッキング防止剤の添
加量は、0.01〜5.0重量%が好ましく、0.05〜
3.5重量%がより好ましい。添加量が0.01重量%
未満では、ブロッキング防止効果が小さく、混練経費増
となるだけである。また、添加量が5.0重量%を越え
ると、塊状の不均一故障(ブツ)の発生が多くなるだけ
でなくフィルムの物理強度やヒートシール性が低下す
る。
【0191】ブロッキング防止剤としては、ゼオライ
ト、シリカ(天然及び合成シリカを含む)、炭酸カルシ
ウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸アルミニ
ウム、カルシウムシリケート、脂肪酸アミド系滑剤、高
級脂肪酸ポリビニルエステル、n−オクタデシルウレ
ア、N,N’−ジオレイルオキサアミド、N−エタノー
ルステアリン酸アミド、ジカルボン酸エステルアミド等
があり、この中でシリカが好ましい。
【0192】上記シリカは、平均粒子径が0.3〜20
μmのものが好ましく、0.5〜15μmのものがより
好ましい。平均粒子径が0.3μm未満では、凝集性が
強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さい。ま
た、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム表面に
シリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく写真感
光材料に擦り傷などが発生し易くなる。
【0193】ゼオライトは、天然ゼオライト(anal
cime,chabazite,heulandite,
erionite,ferrierite,laumo
ntite,mordenite等を成分とするゼオラ
イト)、合成ゼオライト(A,N−A,X,Y,hya
droxy sodalite,ZK−5,B,R,D,
T,L,hydroxy,cancrinite,W,
Zeolaon等の各種の型のゼオライト)がある。こ
のゼオライトは金属の担体として金属系無機抗菌剤とし
て優れた働きをする。例えば、銀イオンを担持したA型
合成ゼオライト、等がある。
【0194】熱可塑性樹脂フィルム層は、メタロセン触
媒を用いて重合製造した分子量分布(ゲル・パーミエイ
ションクロマトグラフィーで測定したMw/Mnで、Q
値ともいう)が5以下、好ましくは1.2〜4.5、よ
り好ましくは1.3〜4.0、特に好ましくは1.4〜3.
5、最も好ましくは1.5〜3.0、メルトフローレート
が0.1g/10分以上、好ましくは0.2〜20g/1
0分、より好ましくは0.4〜15g/10分、特に好
ましくは0.7〜10g/10分、最も好ましくは1〜
5g/10分、密度は0.940g/cm3以下、好まし
くは0.850〜0.935g/cm3、より好ましく
は0.860〜0.930g/cm3、特に好ましくは
0.865〜0.925g/cm3、最も好ましくは0.
865〜0.920g/cm3のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体樹脂を10重量%以上含んでいることがよ
く、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重
量%以上、特に好ましくは40重量%以上、最も好まし
くは50重量%以上である。なお、メルトフローレート
は、ASTM D 1238の条件、密度はASTM D
1505に準じて測定した値である。
【0195】熱可塑性樹脂フィルム層は、硫黄分が0.
05〜0.1%であるナフサを原料とするエチレンボト
ム油を用いて製造したカーボンブラックを0.1〜60
重量%、0.3〜40重量%含んでいることが好まし
く、より好ましくは0.5〜20重量%、特に好ましく
は1.0〜20重量%、最も好ましくは1.0〜10重
量%である。カーボンブラックのみでISO感度10以
上の写真感光材料にスタチックマークを発生するのを防
止するには3重量%以上含むことが好ましい。
【0196】前記熱可塑性樹脂フィルム層に、接着剤層
を介して間接的に又は接着剤層を介さずに直接的にフレ
キシブルシート層を積層することができる。
【0197】フレキシブルシート層としては、各種の熱
可塑性樹脂フィルム、例えば、各種ホモポリエチレン樹
脂、各種エチレン共重合体樹脂、ホモポリプロピレン樹
脂、各種プロピレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、各種ポリアミド系樹脂、ポリアクリルニトリル樹
脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、各種ポリエステル系樹脂(PET樹
脂、PBT樹脂、A−PET樹脂、PEN樹脂等)等の
フィルム及びこれらの混合またはアロイまたは変性樹脂
フィルム、さらに、これらの無延伸の各種の熱可塑性樹
脂フィルムの一軸または二軸延伸(分子配向も含む)し
た各種の一軸又は二軸延伸(分子配向も含む)熱可塑性
樹脂フィルム等がある。また、トリアセテートフィル
ム、セロファン、再生セルロースフィルム、紙、合成
紙、不織布、金属箔、金属蒸着フィルム、無機物質蒸着
フィルム、金属蒸着紙等がある。
【0198】特に好ましいフレキシブルシートは、写真
感光材料に悪影響を与えない坪量が20〜400g/m
2 の中性及び酸性の各種の紙(故紙、再生紙、未晒クラ
フト紙、半晒クラフト紙、晒クラフト紙、ヒネリ原紙、
クルパック紙、デュオストレス紙、白板紙、写真用原
紙、非木材パルプ紙、上質紙、高収率パルプを用いた中
質紙、純白ロール紙、コート紙、模造紙、グラシン
紙)、不織布、合成紙と一軸または二軸延伸熱可塑性樹
脂フィルム、無機酸化物蒸着一軸または二軸延伸熱可塑
性樹脂である。
【0199】これらのフレキシブルシートは、1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができ、ヒートシー
ルされる層より10℃以上融点が高いことが製袋適性向
上やシワや破れ等を防ぎ、外観向上の点から好ましい。
特に好ましいのは二軸延伸熱可塑性樹脂フィルムで厚さ
は5〜70μm、好ましくは7〜50μm、特に好まし
いのは10〜35μmである。また、フレキシブルシー
トのヤング率は50kg/mm2以上、好ましくは70
kg/mm2以上、特に好ましくは90kg/mm2
上、最も好ましくは100kg/mm2以上であり、前
記中間熱可塑性樹脂層以上のフレキシブルシートであ
る。
【0200】上記金属箔としては、アルミニウム箔、鉛
箔、アイアンフォイル、錫箔、亜鉛箔、鉄箔、電解鉄
箔、銅箔、ステンレス箔等の金属箔であり、金属箔の厚
さは、5〜100μmが好ましく、経済性、取扱い性、
特性確保等を考慮すると6〜50μmが特に好ましく、
7〜20μmが最も好ましい。また、熱可塑性樹脂フィ
ルムや無塵性フレキシブルシート(無塵紙、合成紙、不
織紙、グラシン紙、セロハン、表面サイズ又は表面塗工
紙)及びこれらのフレキシブルシートにさらに金属薄膜
加工層を設けた金属薄膜加工フレキシブルシートも好ま
しい。さらにガラスやアルミナ等の無機酸化物薄膜加工
層を設けた無機酸化物薄膜加工フレキシブルシートも好
ましい。最近のように海外旅行の手荷物検査時に高感光
度写真フィルムにX線照射され被りが発生するのを防止
するために厚さが10〜200μmの鉛箔、アイアンフ
ォイル、電解鉄箔等をフレキシブルシートとして積層す
るのも好ましい。
【0201】接着剤層は、湿式ラミネート法、乾式ラミ
ネート法、ホットメルトラミネート法、エクストルージ
ョンラミネート法、共押出しエクストルージョンラミネ
ート法等により形成することができる。接着剤層を構成
する樹脂としては、写真感光材料に悪影響を与え易い揮
発物質の少ない各種熱可塑性樹脂、特に、低密度ホモポ
リエチレン樹脂、L−LDPE樹脂、EEA樹脂、EA
A樹脂、EVA樹脂、酸変成ポリオレフィン樹脂、熱可
塑性エラストマー、各種ポリプロピレン共重合体樹脂及
びこれらの樹脂をメインとするブレンド樹脂が好まし
い。
【0202】本発明の写真感光材料用包装材料を適用で
きる用途について説明する。 (1) 透明、着色又は印刷付のレンズ付フィルムユニッ
ト包装用の防湿・密封包装袋(特公平7−1380号公
報、特開平5−197087号公報、特開平7−725
93号公報、特開平8−248573号公報、特開平8
−254793号公報、特開平8−334869号公
報、特開平9−15796号公報、特開平9−5439
5号公報、特開平9−120119号公報、特開平9−
244187号公報、特開平9−274288号公報、
特開平10−186586号公報、特開平10−197
994号公報等)。 (2) 透明、着色又は印刷付のプラスチック容器入りの
撮影用写真フィルム(JIS 135フィルム、APS
フィルム、マイクロフィルム等)の2本以上を集合包装
する防湿・密封包装袋(特開平8−254793号公報
等)。 (3) 印画紙、印刷製版用フィルム、撮影用カットフィ
ルム、Xレイフィルム、PS版等のシート状写真感光材
料用の防湿・密封・遮光性袋(特公平2−2700号公
報、特開平8−254793号公報,図2〜3、特開平
5−5972号公報等)。 (4) 帯状写真感光材料包装体用遮光性フィルム(特開
平2−72347号公報、特開平6−214350号公
報、実公平5−29471号公報、実公平6−8593
号公報、実公平7−50743号公報、実公平8−10
812号公報、実開昭63−153255号公報等)。 (5) 印画紙、映画用フィルム、マイクロポジフィル
ム、印刷製版用フィルム、熱現像拡散転写紙等のロール
状写真感光材料用防湿密封遮光袋(特開平6−6735
8号公報等)。 (6) 印画紙、写真フィルム等の帯状感光材料の明室装
填包装体用防湿・遮光フィルム又はリーダーフィルム
(特開昭62−172344号公報、特開平2−723
47号公報、特開平5−72672号公報、特開平5−
216176号公報、特開平6−75341号公報、特
開平6−214350号公報、特開平6−148820
号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−9
2618号公報、特開平8−40468号公報、特開平
10−97036号公報、実公昭56−16608号公
報、実公平6−8593号公報、実公平8−9725号
公報等)。 (7) バルクロール状写真感光材料包装用の防湿・遮光
フィルム(特開平3−53243号公報等)。 (8) インスタントフィルムパック(特開平8−627
82号公報、特開平10−228079号公報、特開平
10−228080号公報等)。 (9) 写真フィルム用遮光紙(特開昭48−22020
号公報、特開昭50−67644号公報、特開昭52−
150016号公報、特開昭55−140835号公
報、特開昭58−17434号公報、特開昭58−18
6744号公報、特開昭59−68238号公報、特開
昭60−35728号公報、特開昭61−36216号
公報、特開平4−136842号公報、特開平9−80
695号公報等)。
【0203】上述した各種の密封袋は、チューブ状フィ
ルムの底シール袋、二方シール袋、三方シール袋、四方
シール袋、ガゼット袋等がある。
【0204】また、各種の上包み包装にも用いることが
できる。例えば、カートン又はトレーの上包み包装、キ
ャラメル型の上包み包装、スナック型の上包み包装、紙
巻きたばこ型の上包み包装、ロール上包み包装、棒状上
包み包装、ひねり上包み包装等があり、また、社団法人
日本包装技術協会 1995年7月1日発行,「包装
技術便覧」754頁〜774頁記載の各種包装体として
使用可能である。
【0205】本発明の写真感光材料用包装材料が適用可
能な写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カ
ラーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィル
ム、印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、
電算写植フィルム及びペーパー、カラーまたは白黒ポジ
フィルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィル
ム、サーベランスフィルム、映画用フィルム、自己現像
型写真感光材料、直接ポジ型フィルム及びペーパー等) (2) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材料、熱現像
白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公報、同
43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編
(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555頁及び
リサーチ・ティスクロージャー誌 1978年6月号9
頁〜15頁(RD−17029)等に記載されているも
の。さらに、特開昭59−12431号公報、同60−
2950号公報、同61−52343号公報や米国特許
第4,584,267号明細書に記載されている転写方
式の熱現像カラー写真感光材料等)) (3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号
公報等に記載されているフォトサーモグラフィー(感光
・感熱画像形成方法)を用いた記録材料) (4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィル
ム、複写用フィルム、印刷用版材等) (5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4'ジアジドスチルベン等を含む感光材
料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (6) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スル
フォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光材料、例え
ば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) (7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む写真
感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フィルム、IC用レジスト等)
【0206】本発明の写真感光材料包装体は、上述した
ような写真感光材料用包装材料を用いて製造したもので
あり、すなわち、写真感光材料用包装材料を重ね合わせ
た後、熱溶融接着方法により内層同士を溶着して形成し
た包装袋に写真感光材料が密封包装されたもので、写真
感光材料用包装材料の内層は、エチレン・α−オレフィ
ン共重合体樹脂を10重量%以上、滑剤を0.01〜1
0重量%を含んでいるものである。また、この包装袋の
外周面の滑り摩擦係数(ASTM D−1894に準じた
方法で荷重面積42cm2、荷重200gで測定)が0.
4以上が好ましい。
【0207】そして、この包装袋の外周面の滑り摩擦係
数(ASTM D−1894に準じた方法で荷重面積42
cm2、荷重200gで測定)が0.4以上であることが
好ましく、0.45以上であることがより好ましく、0.
50以上であることが特に好ましく、0.55以上であ
ることが最も好ましい。外周面の滑り摩擦係数が0.4
未満であると、包装体を多数積み重ねた場合、包装体が
ずれ落ちやすくなる。
【0208】滑り摩擦係数を所定の範囲に調整するに
は、外周面の樹脂層中に、ブロッキング防止物質を含ま
ないX線回折法により測定した結晶化度が60%以下の
エチレン共重合体樹脂を必要量含ませたり、外周粘着付
与剤を添加したり、合成ゴムや熱可塑性エラストマーを
添加したり、ビカット軟化点の低い樹脂を添加したり、
充填材を添加したりする方法の他に、包装袋の外側にノ
ンスリップ剤(ノンスリップワニス、発泡マイクロカプ
セル、ゴムラテックス(単独でも2種以上の混合物でも
よい)、ポリエステル系樹脂溶液またはエマルジョンポ
リウレタン系樹脂溶液またはエマルジョン、アクリル系
樹脂溶液またはエマルジョン、アクリル酸エステル系共
重合体樹脂エマルジョン、その他公知のノンスリップ
剤)を印刷したり、塗布したりする各種の方法を用い
る。さらに、粘着剤やホットメルト接着剤を塗布または
印刷する方法を用いてもよい(塗布や印刷は全面であっ
ても点状であってもよい)。特に、ウレタンゴムやウレ
タン塗料及びポリウレタン樹脂を用いたインキまたは塗
液を用いると写真性もノンスリップ性も良好であり特に
好ましい。
【0209】最も好ましい例をより具体的に説明する
と、粒径1〜100mμのコロイダルシリカを水溶性高
分子化合物(ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナ
トリウム、ポリアクリル酸ナトリウムとアクリル酸エス
テルの共重合物、セルロース誘導体、ゼラチン、カゼイ
ン、ポリビニルアルコール等)に分散させた層を表面に
形成したり不飽和カルボン酸またはそのエステル及びコ
ロイダルシリカの乳化重合体樹脂層を表面に形成して行
なう。
【0210】また、包装袋に用いている写真感光材料用
包装材料のJIS Z 0208の条件B(40℃,90
%RH)で測定した透湿度が、10g/m2・24時間
以下であることが好ましく、7g/m2 ・24時間以下
であることがより好ましく、5g/m2・24時間以下
であることが特に好ましく、3g/m2・24時間以下
であることが最も好ましい。透湿度が10g/m2 ・2
4時間を超えると、写真感光材料の写真性に悪影響を与
えるものである。特に、増感色素等の色素を含有する写
真感光材料の場合は、湿度の影響を受けやすく、透湿度
を7g/m2 ・24時間以下にしないと感度異常が発生
する。従って3g/m2 ・24時間以下とすることが好
ましい。
【0211】写真感光材料用包装材料の内層は、熱可塑
性樹脂フィルム層であっても、この熱可塑性樹脂フィル
ム層に積層したフィルム層であってもよい。エチレン・
α−オレフィン共重合体樹脂及び滑剤は上述した通りで
ある。
【0212】本発明による写真感光材料用包装材料の実
施形態を図面を参照して説明する。
【0213】図1〜図5は、写真感光材料用包装材料の
層構成を示す部分断面図である。
【0214】図1に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光物質を含有した基材1aの両面に、遮光性物質を含有
した熱可塑性樹脂フィルム層2a,2aが接着剤層3,
3を介して積層されている。
【0215】図2に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光物質を含有した基材1aの両面に、遮光性物質を含有
していない熱可塑性樹脂フィルム層2,2が接着剤層
3,3を介して積層されている。
【0216】図3に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光物質を含有した基材1aの両面に、遮光性物質を含有
した熱可塑性樹脂フィルム層2aと遮光性物質を含有し
ていない熱可塑性樹脂フィルム層2が接着剤層3,3を
介して積層されている。
【0217】図4に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光物質を含有していない基材1の両面に、遮光性物質を
含有した熱可塑性樹脂フィルム層2a,2aからなる2
層共押出しフィルムIIaが接着剤層3,3を介して積層
されている。
【0218】図5に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光物質を含有していない基材1の両面に、遮光性物質を
含有した熱可塑性樹脂フィルム層2a,2aが接着剤層
3,3を介して積層され、さらに、一方の熱可塑性樹脂
フィルム層2a(写真感光材料を包装した際、外側にな
る層、すなわち写真感光材料と反対側になる層)に接着
剤層3を介して遮光性物質を含有したフレキシブルシー
ト層4aが積層されている。
【0219】本発明による写真感光材料包装体の実施形
態を図面を参照して説明する。
【0220】図6から図11は写真感光材料包装体とし
ての包装袋のヒートシール及び写真感光材料密封包装後
の状態を示す模式図である。
【0221】図6に示す包装袋10は、底辺及び両側辺
にヒートシール部11が形成されている。そして、図7
に示すように、開口部12から写真感光材料を収納後、
開口部12を1回以上折り曲げた後、セロテープ等の粘
着テープ13(ホットメルト接着剤等)で固定密封して
密封包装体とされている。
【0222】図8に示す包装袋10は、底辺、両側辺及
び上辺の4辺にヒートシール部11が形成されている。
【0223】図9に示す包装袋10は、底辺及び側面の
ほぼ中央部にヒートシール部11が形成されている。そ
して、図10に示すように、開口部12から写真感光材
料を収納後、開口部12を1回以上折り曲げた後、セロ
テープ等の粘着テープ13(ホットメルト接着剤等)で
固定密封して密封包装体とされている。
【0224】図11に示す包装袋10は、底辺、上辺及
び側面のほぼ中央部にヒートシール部11が形成されて
いる。
【0225】
【実施例】[実施例1]実施例1の写真感光材料用包装
材料は、図1に示す層構成である。
【0226】基材1aは、ポリプロピレン樹脂100重
量部に対し、二酸化チタンが10重量部、滑剤兼防錆剤
の働きと触媒残渣を不活性化させ写真感光材料の写真性
に悪影響を及ぼさないようにする働きとを有するステア
リン酸亜鉛が0.2重量部、フェノール系酸化防止剤が
0.05重量部、ゼオライトが1重量部含まれているポ
リプロピレン樹脂組成物を用いて縦延伸フィルムからな
る基層を成形し、さらにこの縦延伸フィルムからなる基
層の両表面に同一のポリプロピレン樹脂を溶融押出し塗
布して表面層を形成し、横延伸した後ヒートセットし
た。厚さは60μmとした。上記縦延伸は4.0倍、横
延伸は6.5倍、延伸面倍率は26倍である。
【0227】すなわち、基材1aは、基層が縦と横に二
軸延伸され、両表面層は横一軸延伸された多数のミクロ
ボイドを有する光を乱反射して紙状の白色不透明な外観
を有する3層構造の合成紙である。
【0228】また、基材1aは、ヘイズ(ASTM D
1003)が92%、抗張力(ASTM D 882)が
縦方向が7kg/15mm、横方向が12kg/15m
mであった。また、JIS Z 1702で測定したヤン
グ率は、縦方向が330kg/mm2、横方向が480
kg/mm2であった。
【0229】熱可塑性樹脂フィルム層2a、2aは、樹
脂組成物、厚さ、フィルム成形条件全てが同一のインフ
レーションフィルム成形方法で製造した下記の内容の厚
さ35μmの遮光性ポリエチレン系樹脂フィルムであ
る。
【0230】上記樹脂組成物は、MFR(ASTM D
1238,E条件)が4g/10分、密度(ASTM D
1505)が0.920g/cm3、ビカット軟化点(AS
TMD 1525)が102℃、融点(ASTM D 21
17)が116℃、分子量分布が2.5のメタロセン触
媒を用いて重合製造したエチレン・ヘキセン−1共重合
体樹脂90重量部と、MFRが2.1g/10分、密度
が0.923g/cm3の高圧ラジカル製造プロセスで重
合製造したホモポリエチレン樹脂10重量部とからなる
ポリエチレン系樹脂100重量部に対し、滑剤としてエ
ルカ酸アミド0.05重量部とステアリン酸カルシウム
0.2重量部、非イオン系帯電防止剤のマスターバッチ
(花王KK製「エレクトロマスター」)2重量部、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤(チバガイギー社製「イ
ルガノックス1010」)0.05重量部、ブロッキン
グ防止剤兼抗菌剤として働く銀イオンを担持したA型合
成ゼオライト1重量部、硫黄分が0.02%であるナフ
サを原料とするエチレンボトム油を用いてファーネス法
で1350℃の炉内で製造したカーボンブラック5重量
部からなるポリエチレン系樹脂組成物である。
【0231】インフレーションフィルム成形条件は、リ
ップクリアランス(ダイの開口部の厚さで、リップ間隙
ともいう)が1mm、インフレーションフィルム成形速
度は10m/分、押出し機スクリューのL/Dは30、
ドロー比(リップクリアランスをフィルムの厚さで割っ
た数字で5〜100が好ましい)は35で、20℃の空
気をリング状に吹き付ける空冷方式である。樹脂温度は
175℃である。
【0232】前記基材1aと2つの熱可塑性樹脂フィル
ム層2a,2aとをタンデムラミネート方式のラミネー
ターで速度150m/分、樹脂温度350℃の厚さ10
μmのホモポリエチレン樹脂(MFR3.7g/10
分、密度0.926g/cm3、分子量分布7.5)から
なる接着剤層3,3により基材の両面に積層した。
【0233】実施例1の写真感光材料用包装材料は、写
真性、物理強度、ヒートシール適性、製袋適性、カール
防止性、指抜け防止性、伸び防止性、破袋防止性、遮光
性物質の分散性、完全遮光性確保、密封性、帯電防止性
等、写真感光材料用包装材料として必要な特性が優れて
いるだけでなく、全層がポリオレフィン樹脂から構成さ
れているのでリサイクル適性、焼却適性(ハロゲンガ
ス、シアンガス、オキシダント等の有害ガスが発生しな
い)、入手性等も優れており、かつ安価なので非常に好
ましいものであった。
【0234】[実施例2]実施例2の写真感光材料用包
装材料も、図1に示す層構成である。
【0235】基材1aは、高融点のポリエチレンテレフ
タレート樹脂フィルムからなる基層の両面に低融点のポ
リエチレンテレフタレート樹脂フィルムからなる表面層
を配した3層共押出し二軸延伸ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂フィルムで、縦方向に5倍、横方向に4倍延伸
され、延伸面倍率(縦方向の延伸倍率×横方向の延伸倍
率をいう。)が20倍で、JIS Z 1702で測定し
たヤング率が縦方向が560kg/mm2、横方向が4
20kg/mm2、厚さが20μmである。
【0236】熱可塑性樹脂フィルム層2a,2a及び接
着剤層3,3は、樹脂組成、製造条件、厚さ等総てが実
施例1と同一である。
【0237】実施例2の写真感光材料用包装材料は、基
材1aの厚さが実施例1に比べて60μmから20μm
と薄くなったにもかかわらず、遮光能力が低下しただけ
であり(但し、写真感光材料に光カブリを発生させない
完全遮光性は確保している。ただ、基材の遮光能力が少
し劣るだけである)、カール防止性、酸素バリヤ性、伸
び防止性、指抜け防止性は実施例1よりさらに優れたも
のであった。
【0238】[実施例3]実施例3の写真感光材料用包
装材料も、図1に示す層構成である。
【0239】基材1aは、ポリエチレン2,6ナフタレ
ート樹脂フィルムからなる基層の両面にポリエチレン
2,6ナフタレート樹脂フィルムからなる表面層を配し
た3層共押出し二軸延伸ポリエチレン2,6ナフタレー
ト樹脂フィルムで、縦方向に5倍、横方向に4倍延伸さ
れ、延伸面倍率が20倍で、JIS Z 1702で測定
したヤング率が縦方向が680kg/mm2、横方向が
530kg/mm2、厚さが20μmである。
【0240】熱可塑性樹脂フィルム層2a,2a及び接
着剤層3,3は、樹脂組成、製造条件、厚さ等総てが実
施例1と同一のものである。
【0241】実施例3の写真感光材料用包装材料は、実
施例2の写真感光材料用包装材料よりカール防止性、物
理強度、破袋防止性、酸素バリヤ性、防湿性、伸び防止
性、指抜け防止性が優れていた。予想外であったのは紫
外線遮断能力が実施例1の二軸延伸PET樹脂フィルム
より二軸延伸ポリエチレン2,6ナフタレート樹脂フィ
ルムが優れており、その結果遮光能力が実施例2より優
れていることが判明したので本発明の写真感光材料用包
装材料として非常に好ましいものである。
【0242】[実施例4]実施例1の基材1aの厚さ6
0μmの白色不透明の3層構造の合成紙の代わりに、厚
さ40μmの導電性カーボンブラックを5重量%含有す
るアイソタクチック・インデックスが98.5のホモポ
リプロピレン樹脂からなる中間層の両側に厚さ5μmの
アイソタクチックインデックスが96.0のホモポリプ
ロピレン樹脂内・外層を同時共押出しした厚さ50μm
の3層共押出し遮光性ポリプロピレン樹脂フィルム(縦
方向のヤング率280kg/mm2、横方向のヤング率
500kg/mm2)を用いた他は実施例1と同一構成の
写真感光材料用包装材料である。実施例1より遮光性、
帯電防止性が優れていた。
【0243】[実施例5]実施例5の写真感光材料用包
装材料は図1に類似の層構成からなる写真用ロールフィ
ルムに用いる遮光紙である。特開平4−136842号
公報等に開示されているように120サイズ及び220
サイズの写真ロールフィルムには遮光紙と呼ばれる遮光
性黒色紙または基材紙にカーボンブラックを遮光剤とし
て分散した樹脂を塗工またはラミネートして遮光効果を
持たせた紙を主体とする遮光紙が用いられる。また、必
要に応じて機能上必要な文字、記号、その他商品価値を
高めるための印刷やバーコードや絶縁部を印刷、貼着さ
れる。
【0244】実施例5では、黒色基材紙の代わりに実施
例1で用いた3層構造の厚さ60μmの白色不透明の合
成紙を基材1aとして用いた。この基材1aの片面に、
ポリオレフィン系エラストマー30重量部、密度0.9
20g/cm3のホモポリエチレン樹脂50重量部、ア
セチレンブラック20重量部からなるインフレーション
フィルム成形方法で製造した厚さ40μmの遮光性熱可
塑性樹脂フィルム層2aを厚さ1.5μmのポリウレタ
ン系ドライラミネート接着剤層3を介して積層した。基
材1aのもう一方の片面にはポリアミド樹脂と硝化綿の
混合樹脂に着色剤として着色顔料を含有させた複数のイ
ンキを使用したグラビア印刷層を印刷後、印刷層の保護
層として厚さ2μmのポリメチルメタアクリレート樹脂
オーバーコート層をグラビア印刷方法で設けた総厚さ1
03.5μmの包装材料である。実施例5の写真感光材
料用包装材料は、特開平4−136842号公報の写真
ロールフィルム用のスカイブ加工をした遮光紙に比較し
て温湿度変化に対して寸法変化が少なく、遮光性が優
れ、かつ防湿性が大幅に優れており、包装体としても長
期間経時後の品質を良好に維持できるものであった。ま
た、物理強度、グラビア印刷適性、平滑性、帯電防止性
も優れ、厚さ変動も小さく、安価で好ましいものであっ
た。
【0245】[実施例A]実施例Aの写真感光材料包装
体は、実施例3の写真感光材料用包装材料の遮光性熱可
塑性樹脂フィルム2aの内層同士を重ね合わせた後、熱
溶融接着方法により内層同士を溶着して形成した図8A
に示す底辺及び側面の略中央部にヒートシール部を形成
した包装袋の開口部から写真感光材料を収納後、図8B
に示すように開口部を2回折り曲げた後、社名入りセロ
テープ(粘着テープ)で中央部のヒートシール部の両側
2ヶ所を固定密封したものである。この包装体は[発明
の効果]のi)〜vii)を有する優れたものであった。
【0246】[実施例B]実施例Bの写真感光材料包装
体は、実施例Aの包装体の包装袋とした時に外周面とな
る片面に平均粒子径が20μmのコロイダルシリカをポ
リアミド樹脂と硝化綿の混合樹脂中に分散させたノンス
リップ剤を乾燥膜厚が5μmになるようグラビアコート
法により塗設したもので、この包装袋の外周面の滑り摩
擦係数(ASTM D−1894に準じた方法で荷重面
積42cm2、荷重200gで測定)は0.70であり、
[発明の効果]のi)〜vii)の他にさらに荷崩れ防止
効果の優れた写真感光材料包装体である。
【0247】
【発明の効果】本発明は、以上の構成したので以下に記
載する効果を有する。 i)リサイクル適性、焼却適性等が優れており、また、
現在最も要求されている公害防止適性が優れている(金
属層、ハロゲン含有樹脂、有害ガス発生樹脂及び添加物
を使用しなくてもよい)。 ii)カール防止性が優れているので、取扱い性、製袋適
性等をが優れている。 iii)金属層を用いなくてもよい(写真感光材料用包装
材料として必要な各種特性を確保可能なので)ので、物
理強度、接着強度が良好である。 iv)金属箔を用いなくてもよいので、写真性が良好であ
る。すなわち、アルミ箔等の金属箔は圧延時に使用する
油を除去するための焼鈍条件を正確にコントロールしな
いと圧延油に起因する写真感光材料に悪影響を及ぼす酸
やアルデヒドが発生する。ハロゲン化合物は少量でも写
真性に悪影響を及ぼし、例えば、重合触媒の残渣であっ
ても塩素ガス等の発生により写真性を悪化させたり、金
型や押出し機、ヒートシーラ等に錆を発生させ、焼却時
に塩素ガスやダイオキシン等の有害ガスを発生させる
(PVC樹脂、PVCD樹脂等)。 v)指抜け防止性や破袋防止性等が良好である vi)完全遮光性確保、密封性確保等、写真感光材料用包
装材料に必須の各種特性が優れている。 vii)金増感、セレン増感、色素増感等各種増感剤の1
種以上を含有する高感度写真感光材料の品質を長期間
(約2年間)良好に維持可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による写真感光材料用包装材料の一実
施形態の層構成を示す部分断面図である。
【図2】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施形態の層構成を示す部分断面図である。
【図3】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施形態の層構成を示す部分断面図である。
【図4】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施形態の層構成を示す部分断面図である。
【図5】 本発明による写真感光材料用包装材料の他の
実施形態の層構成を示す部分断面図である。
【図6】 本発明による写真感光材料包装体の一実施形
態の斜視図である。
【図7】 本発明による写真感光材料包装体を密封包装
体とした一実施形態の斜視図である。
【図8】 本発明による写真感光材料包装体の他の実施
形態の平面図である。
【図9】 本発明による写真感光材料包装体の他の実施
形態の斜視図である。
【図10】 本発明による写真感光材料包装体を密封包
装体とした他の実施形態の斜視図である。
【図11】 本発明による写真感光材料包装体の他の実
施形態の平面図である。
【符号の説明】 1,1a…基材 2,2a…熱可塑性樹脂フィルム層 3…………接着剤層 4a………フレキシブルシート層 IIa………2層共押出しフィルム 10………遮光袋 11………ヒートシール部 12………開口部 13………粘着テープ a…………遮光性を有することを示す
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 3/00 560 G03C 3/00 560Q 560S 560T

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 延伸フィルムからなる基材と、この基材
    の両面に接着剤層を介して積層されたポリオレフィン樹
    脂を主成分とした無延伸の熱可塑性樹脂フィルム層とを
    有し、基材及び熱可塑性樹脂フィルム層の少なくとも1
    つ以上の層に遮光性物質が含有されていることを特徴と
    する写真感光材料用包装材料。
  2. 【請求項2】 前記基材が、ポリエステル系樹脂、ポリ
    アミド系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、高密度ポリエチ
    レン系樹脂、ポリスチレン系樹脂及びEVOH系樹脂の
    1種又は2種以上を主成分とし、縦(長さ)方向のヤン
    グ率が100〜1500kg/mm2である請求項1に
    記載の写真感光材料用包装材料。
  3. 【請求項3】 前記基材の延伸面倍率が2〜80倍であ
    る請求項1又は2に記載の写真感光材料用包装材料。
  4. 【請求項4】 前記基材が2層以上からなる多層共押出
    しフィルムである請求項1、2又は3に記載の写真感光
    材料用包装材料。
  5. 【請求項5】 前記熱可塑性樹脂フィルム層が、メタロ
    セン触媒を用いて重合製造した分子量分布が5以下、メ
    ルトフローレートが0.1g/10分以上、密度が0.
    940g/cm3以下のエチレン・α−オレフィン共重
    合体樹脂を10重量%以上含んでいる請求項1、2、3
    又は4に記載の写真感光材料用包装材料。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂フィルム層が、硫黄分
    が0.05〜0.1%であるナフサを原料とするエチレ
    ンボトム油を用いて製造したカーボンブラックを0.1
    〜40重量%含んでいる請求項1、2、3、4又は5に
    記載の写真感光材料用包装材料。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6に記載
    の写真感光材料用包装材料の内層同士を重ね合わせた
    後、熱溶融接着方法により内層同士を溶着して形成した
    包装袋に写真感光材料が密封包装されたもので、写真感
    光材料用包装材料の内層は、エチレン・α−オレフィン
    共重合体樹脂を10重量%以上、滑剤を0.01〜10
    重量%を含んでいることを特徴とする写真感光材料包装
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009292894A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Nok Kluber Kk 水系コーティング剤

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