JP2000122229A - 写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体 - Google Patents

写真感光材料用包装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体

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JP2000122229A
JP2000122229A JP10298780A JP29878098A JP2000122229A JP 2000122229 A JP2000122229 A JP 2000122229A JP 10298780 A JP10298780 A JP 10298780A JP 29878098 A JP29878098 A JP 29878098A JP 2000122229 A JP2000122229 A JP 2000122229A
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photographic
film layer
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JP10298780A
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Mutsuo Akao
睦男 赤尾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真感光材料用包装材料において、容器
包装リサイクル法に適合したリサイクル適性及び焼却適
性が優れ、写真性に悪影響を及ぼすことがなく、ピンホ
ールや切れが発生せず、防湿性、酸素バリヤ性、遮光性
等を十分に確保でき、またカーリングが少ないようにす
る。 【解決手段】 遮光性物質を含まないポリオレフィン樹
脂フィルム層1、遮光性物質を含まない接着剤層2、遮
光性物質を含まない剛性熱可塑性樹脂フィルム層3、遮
光性物質を含まない接着剤層2及び遮光性物質を含まな
いエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4を、こ
の順序で積層している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真感光材料用包
装材料及びこれを用いた写真感光材料包装体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料用包装材料は種々のタイプ
のものが広く実用化されており、その使途に従って様々
な性能が要求されている。
【0003】光に曝されるとその品質価値を失う写真感
光材料用包装材料としては、光を完全に遮断する包装材
料が使用されており、この場合、要求される特性として
は、包装材料スリット適性、ガスバリヤ性、防湿性、剛
性、物理強度(破断強度、引裂き強度、衝撃穴開け強
度、ゲルボテスト強度、摩耗強度等)、ヒートシール適
性(ヒートシール強度、カットシール性、ホットタック
性、挟雑物シール性等)、帯電防止性、平面性、滑り特
性等がある。これらの諸特性を満足させるために、従
来、種々の包装材料が提案されている。また、パトロー
ネ入写真フィルムやレンズ付き写真フィルムユニットや
新写真システム(略称APS)フィルム等のように、光
を完全に遮断可能な包装体では完全密封性の印刷付き透
明包装材料が提案されている。
【0004】光を完全に遮断する包装材料としては、特
公平2−2700号公報には、ポリエチレン系ポリマー
と1重量%以上の遮光性物質からなり、全ポリエチレン
系ポリマーの50重量%以上がエチレン・αオレフィン
共重合体樹脂である遮光性フィルムを少なくとも1層有
する感光物質包装用フィルムが提案されている。
【0005】特公平2−2701号公報には、支持体の
少なくとも1面に50重量%以上のエチレン・αオレフ
ィン樹脂を含む、実質的に遮光性物質を含有しないポリ
エチレン系ポリマー層を接着層を介し、又は接着層を介
さずに直接積層した少なくとも1層以上の遮光層を有す
る感光物質用包装材料が提案されている。
【0006】特開平8−179473号公報には、メタ
ロセン触媒を使用して重合製造した低分子量のポリマー
含有量が3重量%以下である写真感光材料用高分子樹脂
包装材料が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の包装材料は、この包装材料で製作した包装袋に
シート状写真感光材料やロール状写真感光材料のように
エッジがシャープな製品を密封包装すると、包装時や輸
送中にシャープなエッジによりピンホールや切れが発生
したり、500g以上の重量を有する写真感光材料を密
封包装すると、破袋や指抜け破損や重量により包装材料
が伸びて薄肉化し、防湿性、酸素バリヤ性、遮光性等を
確保することが困難であった。
【0008】本発明は、容器包装リサイクル法に適合し
たリサイクル適性及び焼却適性が優れ、写真性に悪影響
を及ぼすことがなく、しかも上述した従来技術の問題を
解決し、ピンホールや切れや破袋やヒートシール剥がれ
及び指抜け破損や伸び等が発生せず、防湿性、酸素バリ
ヤ性、遮光性等を十分に確保でき、またカーリングが少
ない写真感光材料用包装材料を提供することを目的とす
る。
【0009】また、この写真感光材料用包装材料を用い
た防湿性、酸素バリヤ性、遮光性、ヒートシール適性等
が優れ、1年以上の長期間の品質を良好に維持すること
ができる写真感光材料包装体を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の写真感光材料用
包装材料は、ポリオレフィン樹脂フィルム層、縦方向の
ヤング率(ASTM D 882)が140kg/mm2
上の剛性熱可塑性樹脂フィルム層及びエチレン共重合体
樹脂を含有するエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィル
ム層の順序で積層されていることを特徴として構成され
ている。
【0011】本発明の写真感光材料用包装材料において
は、ポリオレフィン樹脂フィルム層及びエチレン含有ポ
リオレフィン樹脂フィルム層にポリオレフィン樹脂が使
用されているので、安価で、写真感光材料へ悪影響を与
える物質の含有量が少なく写真性を良好に維持すること
ができ、焼却時に有害ガスの発生が少なく、また、熱安
定性が良好でリサイクル適性も向上している。剛性熱可
塑性樹脂フィルム層はヤング率が大きいので、指抜け防
止性が優れ、衝撃穴あけ強度が大きく、カールが小さ
く、伸び等に対しても大きい抵抗力となっている。
【0012】本発明の写真感光材料包装体は、前記写真
感光材料用包装材料を使用し、エチレン含有ポリオレフ
ィン樹脂フィルム層同士をヒートシール法により溶着密
封して作製した透湿度(JIS Z 0208の条件B)
が5g/m2・24時間以下の防湿袋に写真感光材料を
密封包装したことを特徴として構成されている(光を完
全に遮断する場合は、防湿・遮光袋に写真感光材料を密
封包装する)。
【0013】本発明の写真感光材料包装体においては、
上述した写真感光材料用包装材料を用いることにより、
写真感光材料の写真性に悪影響を与えることがなく、ま
た、防湿袋内に水蒸気が入りにくいので、収納した写真
感光材料中の色素等を長期間安定化し、写真性が良好で
ブロッキングや接着を防止するとともに取扱い性を良好
に維持することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の写真感光材料用包装材料
は、ポリオレフィン樹脂フィルム層、縦方向のヤング率
(縦方向の引張り弾性率ともいい、ASTM D 882
に準じて20℃,65%RH条件下で測定した値で1k
gf/mm2 とも表示する)が140kg/mm2 以上
の剛性熱可塑性樹脂フィルム層及びエチレン共重合体樹
脂を含有するエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
層の少なくとも3層を有しており、これらの3層は、直
接積層されていても、接着剤層を介して間接的に積層さ
れていてもよい。
【0015】すなわち、本発明の写真感光材料用包装材
料の態様としては、ポリオレフィン樹脂フィルム層、縦
方向のヤング率が140kg/mm2 以上の剛性熱可塑
性樹脂フィルム層及びエチレン共重合体樹脂を含有する
エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層の3層から
なる態様、ポリオレフィン樹脂フィルム層と縦方向のヤ
ング率が140kg/mm2 以上の剛性熱可塑性樹脂フ
ィルム層とが接着剤層で積層されるとともに、剛性熱可
塑性樹脂フィルム層とエチレン含有ポリオレフィン樹脂
フィルム層とが直接積層されている4層からなる態様、
ポリオレフィン樹脂フィルム層と剛性熱可塑性樹脂フィ
ルム層とが直接積層されるとともに、剛性熱可塑性樹脂
フィルム層とエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
層とが接着剤層で積層されている4層からなる態様、そ
して、ポリオレフィン樹脂フィルム層と剛性熱可塑性樹
脂フィルム層及び剛性熱可塑性樹脂フィルム層とエチレ
ン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層とが接着剤層で積
層されている5層からなる態様がある。なお、後述する
ように、ポリオレフィン樹脂フィルム層にフレキシブル
シート層を積層して6層以上にしてもよい。
【0016】前記ポリオレフィン樹脂フィルム層は、ポ
リオレフィン樹脂を50重量%以上含有することが好ま
しく、より好ましくは60重量%以上、最も好ましくは
70重量%以上である。ポリオレフィン樹脂の含有量が
50重量%未満であると、写真性へ悪影響を与える物質
の量が多くなり、また、50重量%以上とすることによ
り、熱安定性が良好でリサイクルし易く、焼却時に有害
ガスの発生が少なく、さらに、安価に製造できるもので
ある。
【0017】ポリオレフィン樹脂フィルム層の厚さは、
10〜120μmの範囲が好ましく、より好ましくは1
5〜100μm、最も好ましくは20〜80μmの範囲
である。厚さが10μm未満であると、物理強度に問題
があり、厚さが120μmを越えると、柔軟性に欠ける
場合がある。
【0018】また、ポリオレフィン樹脂フィルム層は、
上記範囲の厚さであれば、単層でも多層フィルム層であ
ってもよく、多層フィルム層の場合は、例えば、2層共
押出しフィルム及び3層以上の多層共押出しフィルムで
形成することができる。
【0019】ポリオレフィン樹脂としては、ホモポリエ
チレン樹脂、エチレンとα−オレフィンとのランダム及
びブロック共重合体樹脂、ホモポリプロピレン樹脂又は
プロピレンとα−オレフィンとのランダム及びブロック
共重合体樹脂、酸変性ポリオレフィン樹脂、エチレン・
アクリル酸エステル共重合体樹脂、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体樹脂及びポリオレフィン系エラストマー等が
ある。
【0020】前記ホモポリエチレン樹脂としては、酸素
や過酸化物等のラジカル開始剤を用い、150〜300
℃、1000〜3000kg/cm2 の温度・圧力条件
下でエチレンを重合させる方法で製造した、長鎖分岐を
持った密度が0.910〜0.925g/cm3の分岐状
低密度ポリエチレン樹脂と、中・低圧法のチーグラー触
媒(Ti系)またはフィリップス触媒(Cr系)等を用
い、50〜250℃、50〜200kg/cm2 の温度
・圧力条件下でエチレンを重合させる方法で製造した、
直鎖状の密度が0.941〜0.965g/cm3の直鎖
状高密度ポリエチレン樹脂と、高圧法、中・低圧法によ
っても得られるが、前記低密度ポリエチレン樹脂と高密
度ポリエチレン樹脂をブレンドして製造されている密度
が0.926〜0.940g/cm3の中密度ポリエチレ
ン樹脂とがある。さらに、最近実用化検討を開始したメ
タロセン重合触媒を用いて分子量分布と組成分布を小さ
くした各種密度のホモポリエチレン樹脂がある。
【0021】前記エチレンとα−オレフィンとの共重合
体樹脂として、本発明で最も好ましい樹脂としては、L
−LDPE樹脂がある。このL−LDPE(inea
ow ensity olythylene)
樹脂は第3のポリエチレン樹脂と称され、中低圧法、高
圧法両ポリエチレン樹脂の利点を併せもつ省エネルギ
ー、省資源という時代の要請に合致する低コスト、高強
度の樹脂である。この樹脂は低圧法又は高圧改良法でエ
チレンと炭素数が3〜20個、好ましくは3〜12個、
特に好ましくは4〜8個、最も好ましくは6〜8個のα
−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状の直鎖に
短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂である。物理
強度やコストの点で好ましいα−オレフィンとしてはプ
ロピレン、ブテン−1、オクテン−1、ヘキセン−1、
ペンテン−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペ
ンテン−1、ヘプテン−1、ノネン−1、デセン−1、
ペンタデセン−1、オクタデセン−1などが使用され
る。特にα−オレフィンの炭素数が4〜8個であるエチ
レン・α−オレフィンランダム共重合体樹脂が本発明に
は好ましいがエチレン・α−オレフィンブロック共重合
体樹脂、これら2種の混合樹脂も使用できる。
【0022】代表的なL−LDPE樹脂の重合プロセス
としては中・低圧装置を用いる気相法、溶液法、液相ス
ラリー法と高圧改良法装置を用いながらチーグラー系触
媒により高温・高圧でL−LDPE樹脂を得る高圧転換
法等がある。
【0023】市販のマルチサイト触媒を用いて重合製造
したL−LDPE樹脂の代表的な具体例を以下に示す。
【0024】 (1) エチレン・ブテン−1共重合体樹脂 Gレジン(UCC社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) マーレックス (フィリップス社) スタミレックス (DSM社) スミカセンL (住友化学) ネオゼックス (三井石油化学) ノバテック−L (三菱化成) ユカロン−LL (三菱油化) 日石リニレックス (日本石油化学) ショーレックスリニア (昭和電工) NUCポリエチレン−LL (日本ユニカー) 宇部ポリエチレンL (宇部興産) 出光ポリエチレンL (出光石油化学) ニポロンL (東ソー) (2) エチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂 エクセレンVL (住友化学) TUFLIN (UCC社) NUC−FLX(ナック・フレックス)(UCC社) TUFTHENE (日本ユニカー) ニポロンZ (東ソー) (3) エチレン・4メチルペンテン−1共重合体樹脂 ウルトゼックス (三井石油化学) (4) エチレン・オクテン−1共重合体樹脂 スタミレックス (DSM社) ダウレックス (ダウケミカル社) スクレアー (デュポンカナダ社) MORETEC (出光石油化学)
【0025】これらのL−LDPE樹脂の中で、引裂き
強度、衝撃穴あけ強度が特に要求される写真感光材料用
包装材料に使用する場合に好ましい樹脂は、メルトフロ
ーレート(以後MFRと表示)が0.1〜40g/10分
(JIS K−7210の条件4で測定。試験温度19
0℃,試験荷重2.16kgf)、密度が0.870〜
0.940g/cm3(JIS K−7112)、そして
α−オレフィンの炭素数が3〜15個、好ましくは4〜
10個、特に好ましくは6〜8個の液相法プロセスと気
相法プロセスで得られたものである。また従来の高圧法
製造プロセスを転用して設備費をおさえた改良高圧法プ
ロセスで得られたスミカセン−L(住友化学)、ニポロ
ンL(東ソー)、ウベポリエチレンL(宇部興産)等のL
−LDPE樹脂も好ましい。
【0026】物理強度が大きく、ブロッキング接着しや
すく、最内層用樹脂として特に好ましい代表的な例を商
品名であげると、マルチサイト触媒を用いた重合により
ポリエチレンにα−オレフィン側鎖として炭素数6個の
4−メチルペンテン−1を導入した三井石油化学(株)
のウルトゼックス及びα−オレフィン側鎖として炭素数
8個のオクテン−1を導入した出光石油化学(株)のM
ORETECとDSM社のスタミレックスとダウケミカ
ル社のダウレックスがある(以上、4社品共、液相法プ
ロセスで得られたL−LDPE樹脂である。)。低圧法
の気相法プロセスで得られた好ましい代表的な例を商品
名であげると、α−オレフィン側鎖として炭素数6個の
ヘキセン−1を導入した日本ユニカー(株)のTUFT
HEN及びUCC社のTUFLIN等がある。
【0027】また、最近発売された密度が0.910g
/cm3未満の超低密度直鎖状低密度ポリエチレン樹
脂、例えばUCC社のNUC−FLXや住友化学(株)
のエクセレンVLも好ましい(以上、2社品共、α−オ
レフィンが炭素数6個のヘキセン−1を使用)。
【0028】マルチサイト触媒を用いたL−LDPE樹
脂の製造プロセスの特徴の概略と各樹脂メーカー製造の
商品名を以下に示す。
【0029】代表的な製造プロセスの概略と各樹脂メー
カーの商品名の関係について以下に記載する。
【0030】[1] 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。
【0031】[2] スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法に分け
られる。スラリー法は、溶媒を用いるがスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。一方、低密度
化については、低分子量低密度ポリマーが溶媒に溶け込
み、溶液が高粘度になったり、ポリマーが膨張して塊状
化するため、密度が0.930g/cm3以下のL−L
DPE生産は制限を受ける。
【0032】[3] 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、かつ、C6以上のαオレフィン(ブテン
−1、ペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4
−ジメチルペンテン−1、4メチルペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセン−1、
エイコセン−1、ドデセン−1、ヘキサデセン−1、オ
クタデセン−1、テトラデセン−1等)とエチレンとの
重合に最適の製造プロセスである。またαオレフィン含
有率の大きいL−LDPE樹脂(密度が0.910g/
cm3以下の超低密度L−LDPE樹脂)の製造プロセ
スとしても最適である。
【0033】[4] 改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系融媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
でランニングコストは上記気相法、スラリー法、溶液法
より高価である。高圧転換法とも呼ばれる。
【0034】
【表1】
【0035】[上記製造プロセスの概略] 溶 液 法:圧力…450〜650PSi,温度…20
0〜250℃ スラリー法:圧力…400〜500PSi,温度…90
〜100℃ 気 相 法:圧力…250〜350PSi,温度…90
〜100℃ 改良高圧法:圧力…20,000PSi前後,温度…2
00℃前後
【0036】エチレンとα−オレフィンの比は、エチレ
ンが70%以上であることが好ましく、80%以上がよ
り好ましい。エチレンが70%未満であると、重合適性
が悪化して高価になると共に得られたエチレン・α−オ
レフィン共重合体樹脂の粘着性が大きくフィルム成形性
が悪化し、フィルム同志のブロッキングが大きく実用化
困難である。
【0037】前記ホモポリプロピレン樹脂としては、主
にチグラー触媒(Ti系)を用い、50〜80℃、5〜
35kg/cm2 の温度・圧力下でプロピレンを重合し
て製造される密度が0.890〜0.910g/cm3
樹脂である。一般にはプロピレンをアルミニウムアルキ
ル/四塩化チタン系のチーグラー・ナッタ触媒を用いて
溶剤存在下で重合させて得られるアイソタクチック樹脂
である。
【0038】最近、話題のシングルサイト触媒の一つで
あるメタロセン触媒を用いて重合製造したポリプロピレ
ン系樹脂は、写真性、物理特性が優れ、分子量分布が小
さく、不純物含有量が少なく特に好ましい。
【0039】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
樹脂としては、プロピレン・エチレンランダム共重合体
樹脂、プロピレン・エチレンブロック共重合体樹脂、プ
ロピレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレ
ン・ブテン−1ブロック共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ブテン−1三元共重合体樹脂、プロピレン・エ
チレン・ジエン三元共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセ
ン−1ランダム共重合体樹脂、プロピレン・ヘキセン−
1ブロック共重合体樹脂等がある。α−オレフィンの量
としては0.5〜30重量%、好ましくは1〜20重量
%が剛性、物理強度、製造適性のバランスの点から好ま
しい。
【0040】プロピレンとα−オレフィンとの共重合体
樹脂におけるα−オレフィンは、エチレンとα−オレフ
ィンとの共重合体の場合のα−オレフィンと同様であ
る。
【0041】以上のようなポリオレフィン樹脂を重合さ
せる際、ハロゲン化合物又は金属化合物を含む重合触媒
を用いることが写真感光材料に対する悪影響の大きい重
合触媒使用量を減少できるので好ましい。ハロゲン化合
物及び/又は金属化合物を含む重合触媒の代表例として
は、四塩化チタンとトリエチルアルミニウムを無水ヘキ
サン中で混合した時に得られる黒色の沈澱物のチーグラ
ー触媒と三塩化チタンとトリエチルアルミニウムを無水
ヘキサン中で混合して得られる黒色の沈澱物のチーグラ
ー・ナッタ触媒と第I,II,III族の各種金属の有機アル
キル化合物と、第IV,V,VI,VII族の金属塩の組合せから
成る立体規則性重合触媒とトリアルキルアルミニウムと
三塩化チタン系の混合物からなるナッタ触媒とSiO2
Al23系と酸化クロムの混合物から成るフィリップス
触媒及びマグネシウム化合物とハロゲン化チタンとの反
応生成物および有機アルミニウムを成分とする触媒等が
ある。特殊な例としてマグネシウムの酸素含有有機化合
物とチタンの酸素含有有機化合物とアルミニウムハロゲ
ン化合物との反応生成物である固体触媒成分と共触媒と
して有機アルミニウム化合物を使用した触媒等もある。
【0042】有機アルミニウム化合物の具体例として
は、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、ジエチルアル
ミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノブ
ロマイド等がある。チタン化合物としてはTiCl4、T
iBr、TiI4等のテトラハロゲン化チタン、Ti(O
CH3)Cl3、Ti(OC25)Cl3等のトリハロゲン化
アルコキシチタン、Ti(OCH3)2Cl2、Ti(OC2
5)2Cl2、Ti(OC252Br2等のジハロゲン化
アルコキシチタン、Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC
253Cl、Ti(OC253Br等のモノハロゲン化
トリアルコキシチタン等がある。
【0043】有機マグネシウム化合物としてはエチルブ
チルマグネシウム、ジイソブチルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、エチルマグネシウムクロライド及び
MgF2、MgCl2、MgBr2、MgI2等がある。バ
ナシウム化合物としては四塩化バナシウム、オキシ三塩
化バナシウム、バナジン酸ジエトキシモノクロライド、
バナジン酸ジエトキシジクロライド等がある。これらの
ハロゲン化合物及び/又は金属化合物はハロゲン化銀写
真感光材料の写真性に悪影響を与えるが脂肪酸金属塩及
び/又はゼオライト及び/又はハイドロタルサイト類化
合物の合計が0.01〜10重量%、好ましくは0.0
5〜7重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%添加す
ると無害化できる。
【0044】ポリオレフィン樹脂のみで成形する場合
は、ゲル透過クロマトグラフィー(略号GPC)を使用
して測定したMn/Mwで示される分子量分布が1.1
〜50.0が好ましく、1.3〜40.0がさらに好まし
く、1.4〜30.0がより好ましく、1.5〜20.0が
特に好ましく、1.6〜10.0が最も好ましい。分子量
分布が1.1未満であると、樹脂の流動性が悪化し成形
故障が多発する。また、分子量分布が50.0を越える
と、MFRが0.5g/10分以下の高分子量ポリオレ
フィン樹脂であってもフィルム成形性が悪化し、また物
理強度も低下する。また、MFR(ASTM D 12
38のE条件の試験温度190℃、試験荷重2.16k
gfで測定)は0.01〜70g/10分が好ましく、
0.02〜50g/10分がより好ましく、最も好まし
くは0.03〜40g/10分であり、0.01g/1
0分未満では樹脂の流動性が悪く、メルトフラクチュア
(meltfracture)が多発し、実用化不可であ
る。また、メルトフローレートが70g/10分を越え
ると樹脂の流動性が大きくなりすぎ、フィルム成形性が
悪化し、また物理強度が小さく実用化困難である。特
に、MFRが0.1g/10分以下の高分子量樹脂の場
合は、分子量分布は10.0〜50.0が好ましく、1
5.0〜45.0がより好ましく、20.0〜40.0が特
に好ましく、25.0〜38.0が最も好ましい。
【0045】オレフィン樹脂として最も好ましい樹脂
は、シングルサイト触媒(代表例はメタロセン触媒)を
用いて重合製造したものである。
【0046】シングルサイト触媒を用いて重合製造した
L−LDPE樹脂は、ジルコニウム系、チタニウム系、
ハフニウム系及びバナジウム系メタロセン錯体の1種以
上を含むシングルサイト触媒を用いて重合製造した分子
量分布が1.3〜10のエチレンと炭素数が3〜12個
のα−オレフィンとの共重合体樹脂で形成されているこ
とが好ましく、これにより、物理強度が優れた、残留金
属成分や残留ハロゲン系化合物成分が少ないので写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼすことが少なく、ヒート
シール適性(ヒートシール強度、低温ヒートシール性、
ホットタック性、夾雑物シール性、長期間経時後のヒー
トシール強度等)が優れた写真感光材料用包装材料とす
ることができる。またフィルム成形機に錆や腐食が発生
するのを防止できる。
【0047】前記シングルサイト触媒としては、代表的
なものとしてはドイツHambrug大学のカミンスキ
ー教授によって発見された、均一な活性点を有するシク
ロペンタジエン環を配位した金属化合物(代表例:二塩
化ジルコノセン)とメチルアルミノキサンからなるメタ
ロセン触媒があり、種々の特許が発表されている。代表
例をあげると特開昭50−35007号公報、特開昭6
0−35008号公報、特開昭60−35009号公
報、特開平3−207703号公報、特開平3−234
711号公報、特開平4−300667号公報等があ
る。
【0048】メタロセン触媒を用いて重合製造したエチ
レン・α−オレフィン共重合体樹脂は従来のチーグラー
触媒を用いて重合製造したエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂に比較して以下の特徴を有する。
【0049】i)均一なコモノマー分布と小さい(狭
い)分子量分布より、タイ分子の生成が促進されタイ分
子が約3倍と多く、2〜3倍の衝撃強度、引き裂き強度
を有する。 ii)透明性を阻害する高分子量低コモノマー成分が少な
く、ラメラの厚さが10%以上薄いので透明性、光沢が
優れている。 iii)耐ブロッキング性が優れている(ベタツキ成分と
呼ばれる低分子量低密度成分が少ない)。 iv)高分子量低コモノマー成分が少ないので融点が低
く、低温ヒートシール性が優れている。 v)柔軟性が優れている。 vi)分子量分布が小さい(狭い)ので、低分子量成分に
起因する成形時の発煙や臭気が少ない。
【0050】前記メタロセン触媒を用いる重合方法につ
いては以下に例示するように数多くの特許公報に開示さ
れている。
【0051】特開昭58−19309号公報、特開昭6
0−862号公報、特開昭60−35006号公報、特
開昭60−35007号公報、特開昭60−35008
号公報、特開昭60−106008号公報、特開昭60
−137911号公報、特開昭61−31404号公
報、特開昭61−108610号公報、特開昭61−2
21207号公報、特開昭61−264010号公報、
特開昭61−296009号公報、特開昭63−610
10号公報、特開昭63−152608号公報、特開昭
63−178108号公報、特開昭63−222177
号公報、特開昭63−222178号公報、特開昭63
−222179号公報、特開昭63−264606号公
報、特開昭63−28070号公報、特昭表63−50
1369号公報、特昭表64−6003号公報、特昭表
64−45406号公報、特開昭64−74202号公
報、特開平1−12407号公報、特開平1−9511
0号公報、特開平1−101315号公報、特開平1−
129003号公報、特開平1−207248号公報、
特開平1−210404号公報、特開平1−25140
5号公報、特開平1−259004号公報、特開平1−
275609号公報、特開平1−301704号公報、
特開平1−319489号公報、特開平2−22307
号公報、特開平2−41303号公報、特開平2−17
3110号公報、特開平2−302410号公報、特開
平3−56508号公報、特開平3−62806号公
報、特開平3−66710号公報、特開平3−7070
8号公報、特開平3−70709号公報、特開平3−7
0710号公報、特開平3−74412号公報、特開平
4−8704号公報、特開平4−11604号公報、特
開平4−25514号公報、特開平4−213305号
公報、特開平5−310829号公報、特開平5−32
0242号公報、特開平6−228222号公報、特開
平9−40793号公報、アメリカ特許4,522,9
82号明細書、アメリカ特許4,530,914号明細
書等が挙げられる。
【0052】これらのメタロセン触媒を用いて重合製造
したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の中でも写
真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす触媒残渣が少ない
ジルコニウム系、ハフニウム系、チタニウム系、バナジ
ウム系の少なくとも1種のメタロセン触媒を用いた、固
体触媒成分1g当たり10,000g以上の重合活性が
高い樹脂が好ましい。特に、二塩化ジルコノセンとメチ
ルアルミノキサンからなるメタロセン触媒が好ましい。
樹脂中の写真性に悪影響を及ぼす残留ハロゲン成分含有
量は400ppm以下が好ましく、特に150ppm以
下が好ましい。樹脂中のハロゲン成分含有量を400p
pm以下にするために触媒失活剤を用いて触媒残渣を抽
出することも、またペレタイザーやフィルム成形機にベ
ントを設けることが残留ハロゲン化合物成分を減少させ
て、押出し機のスクリューやダイスの防錆及び写真性を
良好にするために必要であり好ましい。
【0053】最も好ましい重合方法は、メタロセン触媒
を用い重合温度40〜100℃、重合圧力5〜50kg
/cm2 の条件で気相重合方法で製造したエチレン・α
−オレフィン共重合体樹脂である。具体的にはエチレン
・ヘキセン−1共重合体樹脂である。
【0054】写真性に悪影響を及ぼし、押出し機やダイ
スに発錆故障を発生させるハロゲン化合物成分は、ハロ
ゲン化チタン化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロゲ
ン化バナジウム化合物、ハロゲン化ケイ素化合物、ハロ
ゲン化アルミニウム化合物、ハロゲン化ホウ素化合物等
を例示することができる。
【0055】具体的には四塩化ケイ素、三塩化アルミニ
ウム、三臭化アルミニウム、三塩化チタン、三塩化ホウ
素、四臭化チタン等である。
【0056】これらのハロゲン化合物成分は、ハロゲン
ガスとなって上記各種の悪作用を及ぼすので、本発明の
写真感光材料用包装材料の内側導電性熱可塑性樹脂層中
に下記のハロゲンガススキャベンジャーを含有させるこ
とが特に好ましい。
【0057】すなわち、本発明におけるハロゲンガスス
キャベンジャーとして好ましい化合物は、例えば、スル
フィド化合物、亜硝酸塩、セミカルパジド、亜硫酸塩、
ハイドロキノン類、エチレンジアミン、アセトンセミカ
ルバゾン、p−ヒドロキシフェニルグリシンである。特
に好ましい化合物としては、下記一般式で表される化合
物を挙げることができる。
【0058】
【化1】 式中、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子ある
いはベンゼン核に置換可能な基を表す。
【0059】一般式(H)において、置換基としては、
ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素)、アルキ
ル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、t−ブ
チル、n−アミル、i−アミル、n−オクチル、n−ド
デシル、n−オクタデシルで、特に炭素数1〜32が好
ましい)、アルケニル基、アリール基、アシル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基、アルキルアシルアミノ基、
アリールアシルアミノ基、アルキルカルバモイル基、ア
リールカルバモイル基、アルキルカルボンアミド基、ア
リールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、
アリールスルホンアミド基、アルキルスルファモイル
基、アリールスルファモイル基、アルキルスルホニル
基、アリールスルホニル基、アルキルオキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアシルオキ
シ基、アリールアシルオキシ基が好ましい。
【0060】これらの基は更に上述したものと同様の置
換基で置換されてもよい。
【0061】シングルサイト触媒の代表的例であるメタ
ロセン触媒を用いて重合製造した現在市販されているL
−LDPE樹脂の具体例としては、 EXCEED (EXXon chemical) EXACT (EXXon chemical) AFFINITY (DOW chemical) ENGAGE (DOW chemical) LUFLEXENE(BASF) エボリュー (三井石油化学) カーネル (三菱化学) ユメリット (宇部興産) ハーモレックス (日本ポリオレフィン) キャタロセン (東ソー) 等がある。重合方法としては、気相重合法が安価でかつ
写真性に悪影響を及ぼす残渣が少ない点で特に好まし
い。重合しやすさの点で懸濁重合法、溶解重合法等の液
相重合法も好ましい。
【0062】ブロッキング防止、物理強度向上等から、
GPC法測定法による分子量分布(重量平均分子量/数
平均分子量)は5以下、好ましくは4以下、特に好まし
くは1.1〜3、最も好ましくは1.3〜2.7であ
る。
【0063】エチレン・α−オレフィン共重合体樹脂と
して最も好ましいのは、エチレン・α−オレフィンラン
ダム共重合体樹脂である。このエチレン・α−オレフィ
ン共重合体樹脂の組成は、α−オレフィン成分が1〜9
9モル%、好ましくは1〜95モル%、より好ましくは
1〜90モル%、特に好ましくは2〜80モル%、最も
好ましくは2〜50モル%であり、エチレン成分は好ま
しくは5〜99モル%、より好ましくは10〜99モル
%、特に好ましくは20〜98モル%、最も好ましくは
50〜98モル%である。α−オレフィンの代表例とし
ては、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、ペンテ
ン−1、3−メチル−ペンテン−1、4−メチル−ペン
テン−1、オクテン−1、ノネン−1、デセン−1、ド
デセン−1、テトラセン−1、ヘキサデセン−1、ペン
タデセン−1、オクタデセン−1、ヘプテン−1、エイ
コセン−1、4−メチル−ヘキセン−1、4,4−ジメ
チルペンテン−1等の炭素原子数が3〜20、好ましく
は4〜15、特に好ましくは4〜12、最も好ましくは
4〜10の1種又は2種以上のα−オレフィンである。
【0064】本発明のポリオレフィン樹脂フィルム層を
構成する樹脂として最も好ましいのは、メタロセン触媒
を用いて重合製造したエチレン・α−オレフィンランダ
ム共重合体樹脂である。具体的には、気相重合法プロセ
スによりエチレンと炭素数6のα−オレフィンであるヘ
キセン−1を共重合したL−LDPE樹脂である。これ
らは、メタロセン触媒存在下で重合が行われれば、いず
れの方法を用いてもよく、例えば、高圧重合法における
重合は、重合体を溶液状態に維持し、かつ重合活性を高
めるために120℃以上、分子量低下の原因となる連鎖
移動反応を抑え、かつ重合活性を低下させないために3
50℃以下、好ましくは150〜300℃の温度で、4
00kg/cm2以上、500〜2000kg/cm2
圧力で行うのが好ましい。また、気相重合法における重
合は、共重合体が粉体状態であることから高温は好まし
くなく、100℃以下であることが必要であり、重合温
度の下限は特に限定されないが、重合活性を高めるため
に50℃以上が好ましい。また、重合活性を高めるため
に、予めオレフィンにより予備重合せしめた触媒成分と
有機アルミニウム化合物およびイオン化イオン性化合物
を用いて行うのが好ましい。また、溶液重合法における
重合は、重合温度は、共重合体が溶液状態であることお
よび重合活性を上げることを考慮して、120℃以上で
あることが必要である。重合温度の上限は特に限定され
ないが、分子量低下の原因となる連鎖移動反応を抑え、
かつ触媒効率を低下させないために300℃以下が好ま
しい。また、重合時の圧力については特に限定されない
が、経済性と重合活性を上げるバランスをとるために大
気圧以上250kg/cm2以下が好ましい。
【0065】いずれの場合においても触媒残渣は写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす上に、金型や押出し機
の樹脂接触部分に錆を発生させ寸法精度を悪化させたり
樹脂焼けやブツを発生させるので、少ない程本発明では
好ましい。
【0066】従って、写真性を良好に維持するためには
本発明の写真感光材料用包装材料中の残留ハロゲンガス
成分量が400ppm以下、好ましくは200ppm以
下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは
1〜80ppm、最も好ましくは4〜60ppmであ
る。
【0067】クロム、ジルコニウム、チタニウム、ハフ
ニウム、パナジウムのいずれか1種の残留量が200p
pm以下、好ましくは200ppm以下、より好ましく
は100ppm以下、特に好ましくは60ppm以下、
最も好ましくは40ppm以下である。
【0068】本発明における特に好ましいエチレン・α
−オレフィン共重合体樹脂は、シクロペンタジエニル骨
格を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合
物と必要により助触媒、有機アルミニウム化合物、担体
とを含む触媒の存在下にエチレンおよび炭素数3〜20
のα−オレフィンとを共重合させることにより得られる
ものである。また、上記触媒に予めエチレンおよび/前
記α−オレフィンを予備重合させて得られるものを触媒
に供してもよい。
【0069】前記エチレン・α−オレフィン共重合体を
製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格を有する
配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物のシクロ
ペンタジエニル骨格とは、シクロペンタジエニル基、置
換シクロペンタジエニル基等である。置換シクロペンタ
ジエニル基としては、炭素数1〜10の炭化水素基、シ
リル基、シリル置換アルキル基、シリル置換アリール
基、シアノ基、シアノアルキル基、シアノアリール基、
ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロシリル基等から選ば
れた少なくとも1種の置換基を有する置換シクロペンタ
ジエニル基等である。該置換シクロペンタジエニル基の
置換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同
志が互いに結合して環を形成してもよい。
【0070】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフィル基等が好
ましい。
【0071】置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,
3−n−ブチルメチルシクロペンタジエニル基、1,3
−n−プロピルメチルエチルシクロペンタジエニル基な
どが具体的に挙げられる。本発明の置換シクロペンタジ
エニル基としては、これらの中でも炭素数3以上のアル
キル基が置換したシクロペンタジエニル基が好ましく、
特に1,3−置換シクロペンタジエニル基が好ましい。
置換基同志すなわち炭化水素同志が互いに結合して1ま
たは2以上の環を形成する場合の置換シクロペンタジエ
ニル基としては、インデニル基、炭素数1〜8の炭化水
素基(アルキル基等)等の置換基により置換された置換
インデニル基、ナフチル基、炭素数1〜8の炭化水素基
(アルキル基等)等の置換基により置換された置換ナフ
チル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)等
の置換基により置換された置換フルオレニル基等が好適
なものとして挙げられる。
【0072】前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物の遷移金属
としては、ジルコニウム、チタニウム、バナジウム、ハ
フニウム等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。
該遷移金属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子としては通常1〜3個を有し、また、2個以上
有する場合は架橋基により互いに結合していてもよい。
なお、係る架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン
基、アルキルシランジイル基、シランジイル基などが挙
げられる。
【0073】周期律表第IV族の遷移金属化合物において
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子
としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20
の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0074】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし
うる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷
を均衡させうるものをいう。本発明において用いられる
助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベン
ゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなど
のランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの
中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0075】また、触媒は無機または有機の担体に担持
して使用されてもよい。該担体としては無機または有機
の多孔質酸化物が好ましく、具体的にはSiO2、Al2
3、MgO、ZrO3、TiO2、B23、CaO、Z
nO、BaO、ThO2等またはこれらの混合物が挙げ
られ、SiO2−Al23、SiO2−V23、SiO2
−TiO2、SiO2−MgO、SiO2−Cr23等が
挙げられる。
【0076】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0077】エチレン・α−オレフィン共重合体は、前
記触媒の存在下、実質的に溶媒の存在しない気相重合
法、スラリー重合法、溶液重合法等で製造され、実質的
に酸素、水等を断った状態で、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘブタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、メ
チルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素等に例示される
不活性炭化水素溶媒の存在下で製造される。重合条件は
特に限定されないが、重合温度は通常15〜350℃、
好ましくは20〜200℃、さらに好ましくは50〜1
10℃であり、特にチーグラー触媒を用いた高圧改良法
の場合は130〜350℃が好ましく、重合圧力は低中
圧法の場合通常常圧〜70kg/cm2、 好ましくは常
圧〜20kg/cm2であり、高圧改良法の場合通常1
500kg/cm2以下、特にチーグラー触媒を用いた
高圧改良法の場合は400〜900kg/cm2が望ま
しい。重合時間は低中圧法の場合通常3分〜10時間、
好ましくは5分〜5時間程度が望ましい。高圧改良法の
場合、通常1分〜30分、好ましくは2分〜20分程度
が望ましい。また、重合は一段重合法はもちろん、水素
濃度、モノマー濃度、重合圧力、重合温度、触媒等の重
合条件が互いに異なる2段階以上の多段重合法など特に
限定されるものではない。
【0078】その他の最も好ましい具体例としては、各
種のメタロセン触媒存在下、最も好ましくは上記特定メ
タロセン触媒存在下、エチレンと炭素数3〜20のα−
オレフィンを共重合して得られる樹脂をエチレン・α−
オレフィン共重合体1kgあたり、30〜150℃の空
気または不活性ガスによって、0.03〜3m3/hrの
流量で0.5〜72時間乾燥、および/または30℃以
上エチレン・αオレフィン共重合体の融点未満の熱水
で、0.001〜0.5m3/hrの流量の空気または不
活性ガスを導入して、0.5〜30時間浸漬し、ヘッド
スペースガスクロマトグラフィーによって測定した炭素
数12以下の揮発成分の総量(ノルマルヘキサン換算)
の乾燥前/乾燥後の値(Q)を200以上にするエチレ
ン・α−オレフィン共重合体の製造方法である。以上、
エチレンとαオレフィンの共重合体樹脂を代表して説明
したが、同様にホモポリエチレン樹脂、各種ポリプロピ
レン樹脂及び各種エチレン共重合体樹脂も上記メタロセ
ン触媒を用いて重合製造可能である。
【0079】縦方向のヤング率(縦方向の引張り弾性率
ともいい、ASTM D 882に準じて20℃,65%
RH条件下で測定した値でkgf/mm2 とも表示す
る)が140kg/mm2 以上の剛性熱可塑性樹脂フィ
ルム層は、縦方向のヤング率が140kg/mm2以上
であるが、好ましくは200kg/mm2以上、より好
ましくは400kg/mm2以上、最も好ましくは50
0kg/mm2以上である。縦方向のヤング率が140
kg/mm2 未満であると、荷重に対する伸び防止性、
指抜け防止やカール防止及び物理強度等が十分ではなく
写真感光材料用包装材料の伸び等による遮光性不良、防
湿性不良、密封不良等を確実に防止することができな
い。
【0080】剛性熱可塑性樹脂フィルム層は、縦方向に
1.2倍以上延伸(分子配向も含む)させたものが好まし
く、2倍以上延伸させたものがより好ましく、2.5倍
以上延伸させたものが特に好ましく、3倍以上延伸させ
たものが最も好ましい。縦方向に1.5倍以上延伸させ
ることにより、縦方向のヤング率を140kg/mm2
以上にすることができ、物理強度を向上させることがで
き伸びや指抜け等をより確実に防止することができる。
また、縦方向のヤング率を140kg/mm2 以上にす
ることができれば縦方向と同時に横方向にも延伸し、二
軸延伸フィルムとしてもよい。
【0081】剛性熱可塑性樹脂フィルム層の厚さは、5
〜70μmが好ましく、7〜60μmがより好ましく、
10〜50μmがもっとも好ましい。厚さが5μm未満
であると、伸びや指抜けを防止することが困難になると
同時に物理強度に問題があり、厚さが70μmを越える
と高価であり、しかも柔軟性に欠ける場合がある。
【0082】剛性熱可塑性樹脂フィルム層に用いる熱可
塑性樹脂としては、上述した各種ポリオレフィン樹脂、
芳香族ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニ
レンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹
脂、ポリアクリレート系樹脂、スチレンと合成ゴムの共
重合体樹脂、ポリスチレン系樹脂と合成ゴム(熱可塑性
樹脂エラストマーを含む)のブレンド樹脂、アクリルニ
トリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体樹脂、ポリ
アミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステル系液晶樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ビニルアルコール樹脂、部分ケン化ポリ酢酸ビニル樹脂
(以後、EVOH樹脂と表示)、ポリエチレンナフタレ
ート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブテ
ンテレフタレート樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド
樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂等がある。
【0083】剛性熱可塑性樹脂フィルム層としては、遮
光性向上、防湿性向上、物理強度向上、破袋強度向上、
カール防止、伸び防止、指抜け防止、耐摩耗性向上等、
多くの特性が優れたポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト樹脂フィルムが好ましい。また、このポリエチレン−
2,6−ナフタレート樹脂フィルムは、耐熱性が優れ、
それ自体が紫外線をかなり吸収するので、従来ポリエチ
レンテレフタレート樹脂フィルムで行われていた紫外線
吸収剤を含む層を形成しなくても(すなわち、透明フィ
ルムの場合であったも)紫外線を遮断することができ、
遮光能力を向上させることができる。この紫外線遮断能
力が向上することを図12を参照して説明する。
【0084】ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂
フィルム(以後、PEN樹脂フィルムと表示:厚さ10
μm)と、従来から透明フレキシブルシートとして使用
されているポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム
(以後PET樹脂フィルムと表示:厚さ10μm)の紫
外線領域における透過率を図12に示す。
【0085】図12から明らかなように、PET樹脂フ
ィルムは310mμ付近より長波長の紫外線から80%
程度透過しているが、PEN樹脂フィルムは380mμ
付近より長波長の紫外線からはじめて80%程度透過し
ている。即ち、PEN樹脂フィルムは380mμ付近以
下の短波長の紫外線は完全に遮断しており、紫外線吸収
機能の大きいことを示している。通常PET樹脂フィル
ム上に形成される紫外線吸収剤含有層に使用される紫外
線吸収剤も、上記PEN樹脂フィルムとほぼ近いUVス
ペクトルを示すが、400mμ付近に少し吸収があるた
め、透過した光が黄色味を帯びるとの問題がある。PE
N樹脂フィルムの場合は、400mμ付近に吸収はほと
んどなく、透過した光が黄色味を帯びることがほとんど
ないのでPEN樹脂フィルムの方が、上記透明支持体と
して優れている。また、紫外線吸収剤層が設けられたP
ET樹脂フィルムは、紫外線吸収剤層の形成が必要であ
るが、紫外線吸収剤層は長期保存中に剥離する恐れがあ
り、高価である等の不利がある。
【0086】本発明で使用されるポリエチレン−2,6
−ナフタレート樹脂は、主たる構成モノマーがエチレン
−2,6−ナフタレートからなるポリマーである。この
場合他の成分による構成単位を10モル%以下の範囲で
共重合により含んでいても良い。共重合単位となりうる
二官能性カルボン酸成分としては、例えば、イソフタル
酸、テレフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸
などの芳香族ジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジ
カルボン酸、アジピン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカ
ルボン酸とそれらのアルキルエステル、そしてトリメリ
ット酸、ピロメリット酸などの多官能性カルボン酸また
はそれらのアルキルエステルなどを挙げることができ
る。一方、エチレングリコール以外の同様に共重合単位
となりうるグリコール成分としては、ジエチレングリコ
ール、ブタンジオール、分子量150〜20000のポ
リアルキレングリコール1,4−シクロヘキサンジメタ
ノール及びビスフェノールAのエチレンオキサイド付加
物などを挙げることができる。
【0087】また、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト樹脂の製造時に使用するエステル化反応触媒、エステ
ル交換反応触媒、重縮合反応触媒は従来から知られてい
るチタン化合物、マンガン化合物、亜鉛化合物、アンチ
モン化合物、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、
ゲルマニウム化合物などを適宜使用することができる。
触媒の添加量は、ポリエステルに対して50〜500p
pmが一般的であり、100〜200ppmが好まし
い。また、目的に応じてそのほかの金属化合物や含窒素
塩基性化合物、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収
剤、蛍光増白剤、染料などを使用してもよい。また、ポ
リエステルの製造方法は、従来から知られている通常の
方法で行うことができる。すなわち、回分式、反回分
式、連続式のいずれでもよく、またエステル交換反応法
でも直接エステル化反応法でもよい。
【0088】本発明に使用するポリエチレン−2,6−
ナフタレート樹脂フィルムは、少なくとも縦方向に分子
配向(延伸も含む)されたフィルムが好ましく、特に二
軸方向に分子配向(延伸を含む)されたフィルムである
ことが好ましい。フィルムの製造方法としては公知の方
法を用いることができる。例えば、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート樹脂をあらかじめ乾燥させ275℃〜
350℃(好ましくは280〜320℃)でシート状に
溶融押し出した後、45〜110℃で冷却固化して無定
型シートを作製する。次いで、80℃〜190℃の温度
にて縦方向(長尺方向)に、次いで横方向(幅方向)に、
それぞれ1.5〜10倍に延伸した後、165〜290
℃(好ましくは165〜270℃)で熱処理することによ
って、二軸延伸ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹
脂フィルムを得ることができる。さらに、得られたフィ
ルムに、ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂のガ
ラス転移温度以下の温度でアニール処理を施してもよ
い。フィルムの厚さは物理特性と経済性のバランスから
4〜100μm、好ましくは5〜80μm、より好まし
くは6〜60μm、特に好ましくは7〜40μm、最も
好ましくは7〜30μmである。
【0089】エチレン共重合体樹脂を含有したエチレン
含有ポリオレフィン樹脂フィルム層は、上述したポリオ
レフィン樹脂のうち、エチレンとα−オレフィンとのラ
ンダム及びブロック共重合体樹脂、エチレン・アクリル
酸共重合体樹脂、エチレン・メチルメタアクリレート共
重合体樹脂、エチレン・アクリル酸エステル共重合体樹
脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂等のエチレン共
重合体を含有したもので形成されている。
【0090】エチレン含有ポリオレフィン樹脂として
は、写真性が良好で、ヒートシール性が優れ、物理強度
が大きく、密封・防湿性が良好であるので、メタロセン
触媒を用いて重合製造したエチレン・α−オレフィン共
重合体樹脂が好ましい。メタロセン触媒を用いて重合製
造したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂は上述し
た通りである。
【0091】接着剤層は、各種の公知の接着剤層を必要
特性に合わせて用いることができる。この接着剤層に用
いられる接着剤としては、各種ポリエチレン(LDP
E、L−LDPE、MDPE、HDPE)樹脂、各種ポ
リプロピレン樹脂、等のポリオレフィン系熱可塑性樹
脂、エチレン−プロピレン共重合体樹脂、エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−エチルアクリレート
共重合体樹脂等のエチレン共重合体樹脂、エチレン−ア
クリル酸共重合体樹脂、アイオノマー樹脂、酸変性エチ
レン共重合体樹脂等の特殊な熱可塑性樹脂の熱溶融型接
着剤(エクストルージョンラミネート型接着剤)があ
る。その他熱溶融型ゴム系接着剤があり、溶液状接着剤
としてはウェットラミネート用接着剤があり、エマルジ
ョン、ラテックス状の接着剤である。エマルジョン型接
着剤の代表例としては、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−
エチレン共重合物、酢酸ビニルとアクリル酸エステル共
重合物、酢酸ビニルとマレイン酸エステル共重合物、ア
クリル共重合物、エチレン−アクリル酸共重合物等のエ
マルジョンがある。ラテックス型接着剤の代表例として
は、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ア
クリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレ
ンゴム(CR)等のゴムラテックスがある。また、ドラ
イラミネート用接着剤としては、二液硬化型、溶剤型、
無溶剤型、水性型、二液溶剤型、一液無溶剤型、二液無
溶剤型、エマルジョン型等があり、アクリル系接着剤、
ポリエーテル系接着剤、ポリエーテル系とポリウレタン
系の混合接着剤、ポリエステル系とポリウレタン系の混
合接着剤、ポリエステル系とイソシアネート系の混合接
着剤、芳香族ポリエステル系接着剤、脂肪族ポリエステ
ル系接着剤、芳香族ポリエーテル系接着剤、脂肪族ポリ
エーテル系接着剤、ポリエステル系接着剤、イソシアネ
ート系接着剤、ウレタン系接着剤等がある。その他パラ
フィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン・α−オレフ
ィン共重合体樹脂、粘着付与樹脂、エチレン−エチルア
クリレート共重合体樹脂等をブレンドしたホットメルト
ラミネート型接着剤、感圧型接着剤、感熱型接着剤等公
知の接着剤を用いることができる。
【0092】本発明の接着剤層として好ましいエクスト
ルージョンラミネート用ポリオレフィン型接着剤は、よ
り具体的にいえば各種密度のホモポリエチレン樹脂、ポ
リプロピレン樹脂、ポリブチレン樹脂、及びエチレン共
重合体(EVE、EEA等)樹脂の他、L−LDPE樹
脂の如く、エチレンに一部他のモノマー(α−オレフィ
ン)を共重合させたもの、Dupont社の“サーリ
ン”、三井ポリケミカル社の“ハイラミン”等のアイオ
ノマー樹脂(イオン性共重合体)や三井石油化学(株)の
“アドマー”等の酸変性ポリオレフィン樹脂等がある。
その他紫外線硬化型接着剤等も最近使われはじめた。
【0093】特に、LDPE樹脂、L−LDPE樹脂又
はLDPE樹脂とL−LDPE樹脂のブレンド樹脂が安
価でラミネート適性に優れているので好ましい。接着強
度を向上させる場合は酸変性ポリオレフィン樹脂が好ま
しい。また、前記記載樹脂を2種以上ブレンドして各樹
脂の欠点をカバーした混合樹脂はラミネート適性が優れ
ているので特に好ましい。特にLDPE樹脂又はL−L
DPE樹脂と酸変性ポリオレフィン樹脂を適当量の比率
でブレンドすると任意の接着強度とすることができるの
で本発明では特に好ましい。積層フィルムの層間剥離強
度を350g/15mm幅以上にして易開封性を良化さ
せるためには、前記ドライラミネート接着剤が酸変性ポ
リオレフィン樹脂を5重量%以上含むポリオレフィン型
接着剤が好ましい。
【0094】前記酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリオ
レフィン樹脂と不飽和カルボン酸類とをグラフト変性し
た変性ポリオレフィン樹脂をいい、例えばグラフト変性
ポリエチレン樹脂、グラフト変性ポリプロピレン樹脂、
グラフト変性エチレン共重合体樹脂(EVA樹脂、EE
A樹脂、L−LDPE樹脂、EMA樹脂等)等がある。
【0095】ポリオレフィン樹脂とグラフト変性する。
不飽和カルボン酸類は、その誘導体も含めて総称するも
ので、代表例をあげるとアクリル酸、メタクリル酸、マ
レイン酸、フマール酸、イタコン酸、テトラヒドロフタ
ル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラコン酸、クロ
トン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、(エンドシス−
ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エン−2,3−ジカ
ルボン酸)、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水
イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メ
タクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステ
ル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチル
エステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸ジエ
チルエステル、アクリル酸アミド、メタクリルアミド、
マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン
酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N,N−ジエ
チルアミド、マレイン酸−N−モノブチルアミド、マレ
イン酸−N,N−ジブチルアミド、フマル酸モノアミ
ド、フマル酸ジアミド、フマル酸−N−モノエチルアミ
ド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、フマル酸−N
−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミ
ド、フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,
N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カリウム、アク
リル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネ
シウム、アクリル酸カルシウム、メタクリル酸ナトリウ
ム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウム、N−
ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、塩化マレ
ニル、グリシジルマレエート、マレイン酸ジプロピル、
アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげることがで
き、相互の混合使用も可能である。酸変性ポリオレフィ
ン樹脂の中で、無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレ
ン系樹脂が好ましい。
【0096】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変性させる方法は特に限定されな
い。例えば、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21号公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。
【0097】これらの方法の中で押出機を用いる溶融混
練法が操作上簡便で、かつ安価な方法なので好ましい。
【0098】不飽和カルボン酸類の使用量は、接着強度
確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリマー(各種ポ
リエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹脂、各種ポリオ
レフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1樹脂、ポリ−4
−メチルペンテン−1等のα−オレフィン単独樹脂及び
その共重合体樹脂)100重量部に対して0.01〜2
0重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0099】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。
【0100】有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アゾビ
スイソブチロニトリル、ジクミルパーオキサイド、α,
α'ビス(t−ブチルパーオキシジイプロピル)ベンゼ
ン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチル−ハイド
ロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピ
ル)ベンゼン、キュメンハイドロパーオキサイド、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、t−ブチルパー
オキシマレイン酸、イソプロピルパーカーボネート等の
有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ化
合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等がある。
【0101】これらは1種または2種以上の組合せで使
用してもよい。特に好ましいのは、分解温度が170℃
〜200℃の間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、
ジ−クミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン
である。
【0102】これらの過酸化物の添加量は特に制限され
ないが、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.
005〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部であ
る。
【0103】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1) 日本石油化学KK “Nポリマー” (2) 三井石油化学工業KK “ADMER” (3) 昭和電工KK “ER RESIN” (4) 三菱化成工業KK “NOVATEC−AP” (5) 三菱油化KK “MODIC” (6) 日本ユニカーKK “NUC−ACE” (7) 宇部興産KK “UBE BOND” (8) 東ソーKK “ルセンM” (9) 住友化学工業KK “ボンダイン” (10) 三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11) エクソン社 “デクソン” (12) 東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13) 三井東圧化学KK “MITSUI LONPLY”等
【0104】接着剤層の厚さは、好ましくは7μm〜5
0μm、より好ましくは9〜40μm、最も好ましくは
11〜30μmであるが、コスト、接着強度、ラミネー
ト速度、積層体の全厚さ等に基づいて定められるので、
この数値には特に限定されない。
【0105】本発明の写真感光材料用包装材料に遮光性
を付与する必要がある場合は、ポリオレフィン樹脂フィ
ルム層、剛性熱可塑性樹脂フィルム層、エチレン含有ポ
リオレフィン樹脂フィルム層等に遮光性物質を含有させ
る。
【0106】本発明で使用する遮光性物質は、特開平6
−317881号公報の8頁[0059]〜[006
4]等に記載されている各種の無機化合物や有機化合物
及び金属粉末等から目的に合わせ1種以上選択して用い
る。
【0107】これらの遮光性物質の中で、写真性に悪影
響を及ぼすことが少なく、150℃以上でも熱に安定で
不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱性、耐
光性が優れ比較的不活性な物質である、光吸収性のカー
ボンブラックと窒化チタンとグラファイト及び鉄黒が好
ましい。
【0108】本発明のポリオレフィン樹脂フィルム層及
びエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層には、上
述した遮光性物質の中でも、粒状の遮光性物質を0.5
〜40重量%含有させることが好ましく、より好ましく
は1〜30重量%、特に好ましくは1.5〜20重量
%、最も好ましくは2〜10重量%である。粒状の遮光
性物質を用いることにより、遮光性物質の分散性を良く
することができるので、遮光性を向上させるとともに、
ブツ発生を減少させることができる。
【0109】粒状の遮光性物質としては、各種カーボン
ブラック、合成シリカ、球状合成石英フィラー、酸化チ
タン(ルチル型、アナターゼ型)、硅酸カルシウム、硅酸
アルミニウム、カオリン、酸化鉄、鉄黒、ホワイトカー
ボン、酸化亜鉛、アルミナ、亜鉛末、炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の
アスペクト比(aspect ratio:遮光性物質の
形状を表示する1項目で縦横比のこと)が3以下の無機
物質が熱安定性が優れているので好ましい。アスペクト
比は3以下、好ましくは2.5以下、より好ましくは2.
2以下、特に好ましくは1.9以下、最も好ましくは1.
6以下の粒状の遮光性物質である。この中でも特にモー
ス硬度が2.0以上の遮光性物質であり、代表例として
はカーボンブラック(2.0)、硫酸カルシウム(2.0)、
炭酸カルシウム(3〜3.5)、アルミナ(3〜3.5)、
ドロマイト(3.8)、リトポン(4.5)、酸化亜鉛(4.
5)、シリカ(5.0)、酸化チタン(6.0)、鉄黒(6.
0)がある。( )内の数字はモース硬度値を示す。こ
れらの遮光性物質の中で、遮光能力が大きく、写真性に
悪影響を及ぼすことが少なく、150℃以上のフィルム
成形時の樹脂温度でも安定で耐熱性、耐光性も優れた不
活性な光吸収性のカーボンブラックと鉄黒が特に好まし
い。然し、最外層のポリオレフィン樹脂フィルム層やフ
レキシブルシート層には以上のような粒状の遮光性物質
の中では、印刷適性がよく、防熱性が大きく、外観が美
しく商品価値が向上するので、白色粒状の高屈折率の遮
光性物質が隠蔽力が優れているので好ましい。
【0110】また、本発明のポリオレフィン樹脂フィル
ム層及びエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層に
は、上述した遮光性物質の中でも、板状の遮光性物質を
0.5〜40重量%含有させることが好ましく、より好
ましくは1〜30重量%、特に好ましくは1.5〜20
重量%、最も好ましくは2〜10重量%である。板状の
遮光性物質を用いることにより、遮光性物質の分散性を
良くすることができるので、遮光性を向上させるととも
に、ブツ発生を減少させることができる。但し、遮光性
物質の合計含有量は0.5〜60重量%、好ましくは1
〜50重量%、より好ましくは1.5〜40重量%、特
に好ましくは2〜30重量%、最も好ましくは2.5〜
20重量%である。
【0111】板状の遮光性物質としては、ベンガラ、タ
ルク、バリウムフェライト、マイカ、アルミニウム粉、
鱗片状グラファイト、各種雲母等がある。粉状の遮光性
物質と板状の遮光性物質を併用すると各遮光性物質の分
散性が良化するだけでなく、防湿性や酸素バリヤ性が良
化し、外観も良化するので好ましい。
【0112】以上のような板状の遮光性物質の中では、
印刷適性がよく、防熱性が大きく、外観が美しく商品価
値が向上するので、白色板状の遮光性物質が好ましい。
【0113】さらに、前記粒状の遮光性物質と板状の遮
光性物質を同時に含有させることもできる。
【0114】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラセンブラック、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンカーボンブラック、サーマルブラック、
ランプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジ
タブルブラック等がある。
【0115】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック#2
0(B),#30(B),#33(B),#40(B),#41
(B),#44(B),#45(B),#50,#55,#1
00,#600,#950,#1000,#2200
(B),#2400(B),#4000,#4010,MA
7,MA8,MA11,MA100、MA100R,M
A220,MA230、三菱導電性カーボンブラックと
して#3050,#3150,#3250,#3600,#
3750,#3950等が挙げられる。
【0116】さらに、昭和キャボット製のN110,N
134,N219,N220,N234,N326,N3
30,N330T,N339,N351,N550,M
AF,SRF等が挙げられる。
【0117】海外の製品としては、例えばキャボット社
のBlack Pearls L,2,46,70,71,7
4,80,81,130,280,430,460,4
80,607,800,880,900,1000,11
00,1300,1400等、Regal 99,25
0,300,330,400,415,660,99
1,SRF−S等、Vulcan 3,6,P,XC−72
等、Sterling 10,SO,V,S,FT−F
F,MT−FF等が挙げられる。
【0118】さらにアシュランドケミカル社のUnit
ed R,BB,15,102,3001,3004,30
06,3007,3008,3009,3011,3012,
XC−3016,XC−3017,3020等が挙げら
れる。さらにまた、コロンビア・ケミカル社のCond
uctex 975,SC,Raven C,H20,4
10,420,430,450,460,500,52
0,760,790,850,890,1000,104
0,1060,1170,1190,1200,125
0,1255,2000,2500,3500,5000,5
250,5750,7000等が挙げられるが、これらに
限定されるものではない。
【0119】これら各種のカーボンブラック中で、天
然ガスまたはガス状ないし蒸気状の炭化水素のガス炎を
不完全燃焼させながらチャンネル鋼の背面に接触させ、
カーボンブラックを析出させることにより製造するチャ
ンネルブラックは、着色力は大きいが写真性が悪く、製
造中大気を汚染するので本発明では好ましくない。本発
明で好ましいカーボンブラックは、アセチレンブラッ
クと、天然ガス、炭化水素油またはこれらの混合物を
1200℃〜1700℃の炉内で連続的に部分燃焼させ
るか、または加熱分解することにより製造するファーネ
スブラックである。
【0120】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが好ましい。特に高感度
(ISO感度400以上)写真感光材料用としては硫黄
含有量(ASTM D 1619)が0.1%以下のファ
ーネスカーボンブラックとアセチレンブラックが好まし
い。必要により前者と後者を必要特性に従ってミックス
することも好ましい。
【0121】帯電防止効果を有する遮光性物質は、平均
粒子径が12〜50mμ、DBP吸油量が100ml/
100g以上の各種カーボンブラック、具体的には各種
導電性カーボンブラック(具体例としては、コンダクテ
ィブファーネスブラックのコンチネックスCF,パルカ
ンC等、スーパーコンダクティブファーネスブラックの
コンチネックスSCF,バルカンSC等、エクストラコ
ンダクティブファーネスブラックの旭HS−500,バ
ルカンXC−72等、コンダクティブチャンネルブラッ
クのコウラックスL等、三菱化成KK製の三菱導電性カ
ーボンブラック#3050,#3150,#3250,#
3600,#3750,#3950等)、アセチレンカー
ボンブラック(電化アセチレンブラック、シャウニガン
アセチレンブラック等)、ケッチェンカーボンブラック
(EC及びEC−600JD等)、炭素繊維、金属繊維、
Alドープ、TiO2、SnO2、金属被覆繊維、導電物
質含有繊維、金属粉末、グラファイト、各種金属塩、金
属吸着繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチ
レン、ポリジアセチレン、ポリパラフェニレン、黒鉛粉
末等である。帯電防止剤に関しては、前記各種界面活性
剤を用いることができる。
【0122】体積固有抵抗値(20℃,60%RHの恒
温恒湿室で測定)は、MFRが0.3g/10分、密度
が0.958g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂100
重量部に対してケッチェンブラックECを10重量部添
加したフィルムでは2×102Ω・cm、ケッチェンブ
ラックEC600JDを10重量部添加したフィルムで
は6×101Ω・cm、 アセチレンブラックを10重量
部添加したフィルムでは3.1×106Ω・cm、バルカ
ンXC−72を10重量部添加したフィルムでは1.6
×106Ω・cmであった。必要により前者の着色用カ
ーボンブラックと後者の導電性カーボンブラックを必要
特性に従って適当な比率でミックスすることも好まし
い。
【0123】遮光性物質を配合する形態を大別すると下
記のようになる。 (1) 均一着色ペレット状(カラーコンバウンドと言わ
れる最も一般的に用いられているもの) (2) 分散性粉末状(ドライカラーとも呼ばれる、種々
の表面処理剤で処理し、さらに分散助剤を加えて微粒子
状に粉砕した粉末状のもの) (3) ペースト状(可塑剤等を分散させたもの) (4) 液状(リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤等
に分散した液状のもの) (5) マスターバッチペレット状(遮光性物質を着色し
ようとするプラスチック中に高濃度に分散したもの) (6) 潤性粒粉末状(遮光性物質をプラスチック中に高
濃度に分散させたのち、粒粉末状に加工したもの) (7) 乾燥粉末状(普通の無処理の乾燥粉末状のもの)
【0124】遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態
は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコス
ト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。本発明者も特
開昭63−186740号公報で遮光性物質を特定エチ
レン・エチルアクリレート共重合体樹脂に分散した着色
マスターバッチ用樹脂組成物を開示している。
【0125】本発明の写真感光材料用包装材料として使
用する上で写真感光材料にカブリを発生させることな
く、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、
最内層に添加した場合でもカーボンブラックの固り(ブ
ツ)の発生やフィッシュアイ等フィルムにピンホールが
発生しにくい点で、カーボンブラックの中でも特にpH
(JIS K 6221で測定)が6.0〜9.0、平均粒
子径(電子顕微鏡法で測定)が10〜120mμ、特に
10〜80mμのものが好ましく、最も好ましいのは1
0〜60mμである。これらの中でも特に揮発成分(J
IS K 6221で測定)が2.0%以下、DBP吸油
量(JIS K 6221の吸油量A法で測定)が50m
l/100g以上、灰分量(JIS K 6221)が1.
0%以下のファーネスカーボンブラックが、安価で、写
真性に悪影響を及ぼすことがなく、且つ遮光性向上と分
散性向上、物理特性低下の少ない点で好ましい。
【0126】また、包装材料中のASTM D 1619
−60の測定方法による硫黄成分は0.9%以下、好ま
しくは0.7%以下、特に好ましくは0.5%以下、最
も好ましくは0.1%以上にしないとカブリ増加や感度
異状、発生異状等の写真感光材料の写真性に悪影響を及
ぼす。特に直接写真感光材料の写真性に大きく悪影響を
及ぼす遊離硫黄成分(各試料を液体窒素で冷却固化後粉
砕し、この粉砕した試料100gをソックスレー抽出器
に入れクロロホルムで60℃8時間抽出冷却後、全容を
100mlとする。この溶液10mlを高速液体クロマ
トグラフに注入し、硫黄を定量する。高速液体クロマト
グラフ分離条件はカラム;ODSシリカカラム(4.6φ
×150mm)、分離液;メタノール95と水5(酢酸と
トリエチルアミンをそれぞれ0.1%含む)、流速;1
ml/分、検出波長;254nm、定量は絶対検量線法
によって行う。)は0.1%以下、好ましくは0.05
%以下、特に好ましくは0.01%以下、最も好ましく
は0.001%以下である。高価であるが、硫黄成分の
含有量が0.1%以下のファーネスカーボンブラックと
アセチレンブラックがISO感度100以上の写真感光
材料用としては写真性を良好に維持するのに好適であ
る。特に、原料油としてエチレンボトム油又はクレオソ
ート油を用いて1250℃〜1600℃の炉内で連続的
に部分燃焼させるか、又は加熱分解することにより製造
したファーネスカーボンブラックが安価で写真性が良好
なので好ましい。
【0127】写真性を悪化させるシアン化合物含有量
(4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン吸光分析法にて
定量したシアン化水素量を遮光性物質の重量に対するp
pm単位に換算した値)が20ppm以下、好ましくは
10ppm以下、特に好ましくは5ppm以下、最も好
ましくは1ppm以下である。特に、金増感した写真感
光材料の場合は5ppm以下が必須であり、スキャベン
ジャーの併用が必要である。
【0128】本発明でスキャベンジャーとは、シアン化
水素ガスを、写真的に不活性な物質に変換する化合物で
ある。スキャベンジャーは、シアン化水素ガスを捕獲し
た結果として、ハロゲン化銀感光材料に悪影響を与える
物質を放出すべきではない。適切てシアン化水素ガスス
キャベンジャーは貴金属の無機又は有機化合物から選択
することができる。特に好ましいものはパラジウム(II
又はIV;酸化状態を示す。以下同様)、白金(II又はIV)
化合物である。金(I又はIII)の化合物も好ましい。ロ
ジウム(III)、イリジウム(III又はIV)及びオスミウム(I
I、III又はIV)の化合物もまた効果的であるが、同等の
効果を得るのに、より多量が必要である。有用な無機又
は有機貴金属化合物の具体例としては、例えばグメリン
ハンドブック(Gmelin Handbook)に詳
細に記述されており、市販品、合成品及びinsitu
合成品を写真感光材料に悪影響を与えることがない程度
の純度で使用することができる。
【0129】好ましいパラジウム化合物としては、塩化
パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、水酸化パラジ
ウム(II)、硫酸パラジウム(II)、チオシアン酸パラジ
ウム(II)、テトラクロロパラジウム(II)酸塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩、アンモニウム塩)、ヘキサクロロパ
ラジウム(IV)酸塩、テトラブロモパラジウム(II)酸
塩、ヘキサプロモパラジム(IV)酸塩、ビス(サリチラ
ト)パラジムム(II)酸塩、ビス(ジチオオキサラト−
S,S')パラジウム(II)酸塩、trans−ジクロロビ
ス(チオエーテル)パラジウム(II)、テトラアンミンパ
ラジウム(II)塩、ジクロロジアンミンパラジウム(II)、
ジブロモジアンミンパラジウム(II)、オキサラトジアン
ミンパラジウム(II)、ジニトロジアンミンパラジウム(I
I)、ビス(エチレンジアミン)パラジウム(II)塩、ジク
ロロエチレンジアミンパラジウム(II)、ビス(2,2'−
ピピリジン)パラジウム(II)塩、ビス(1,10−フェ
ナントロリン)パラジウム(II)塩、テトラニトロパラジ
ウム(II)酸塩、ビス(グリシナト)パラジウム(II)、テト
ラキス(チオシアナト)パラジウム(II)酸塩、ジクロロ
ビス(ホスフィン)パラジウム(II)酸塩、ジクロロビス
(ホスフィン)パラジウム(II)、ジ−μ−クロロ−ビス
[クロロ(ホスフィン)パラジウム(II)]、ジ−μ−ク
ロロ−ビス[クロロ(アルシン)パラジウム(II)]及び
ジニトロビス(アルシン)パラジウム(II)等が挙げられ
る。
【0130】好ましい白金化合物としては、塩化白金(I
I)酸塩、塩化白金(IV)、ヘキサフルオロ白金(IV)酸塩、
テトラクロロ白金(II)酸塩、ヘキサクロロ白金(IV)酸
塩、トリクロロトリフルオロ白金(IV)酸塩、テトラブロ
モ白金(II)酸塩、ヘキサブロモ白金(IV)酸塩、ジブロモ
ジクロロ白金(II)酸塩、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸
塩、ビス(オキサラト)白金(II)酸塩、ジクロロビス(オ
キサラト白金(IV)酸塩、ビス(チオオキサラト)白金(I
I)酸塩、ビス(アセチルアセトナト)白金(II)、ビス(1,
1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジ
オナト)白金(II)、ビス(1,1,1−トリフルオロ−
2,4−ペンタンジオナト)白金(II)、テトラキス(チ
オシアナト)白金(II)酸塩、ヘキサキス(チオシアナト)
白金(IV)酸塩、ビス{(Z)−1,2−ジシアノエチレン
−1,2−ジチオラト}白金(II)酸塩、ジクロロビス
(ジエチルスルフィド)白金(II)、テトラクロロビス
(ジエチルスルフィド)白金(IV)、ビス(グリシナト)
白金(II)、ジクロログリシナト白金(II)酸塩、ジクロロ
ビス(トリエチルホスフィン)白金(II)、クロロヒドリド
ビス(トリエチルホスフィン)白金(II)、テトラアンミ
ン白金(II)塩、テトラクロロ白金(II)酸塩、ジクロロジ
アンミン白金(II)、トリクロロアンミン白金(II)塩、ヘ
キサアンミン白金(IV)塩、クロロペンタアンミン白金(I
V)塩、テトラクロロジアンミン白金(IV)、ジニトロジア
ンミン白金(II)、ジクロロテトラキス(メチルアミン)
白金(IV)塩、ジクロロ(エチレンジアミン)白金(II)、
ビス(エチレンジアミン)白金(II)塩、トリス(エチレ
ンジアミン)白金(IV)塩、ジクロロビス(エチレンジア
ミン)白金(IV)塩、ジクロロジヒドロキソ(エチレンジ
アミン)白金(IV)、テトラキス(ピリミジン)白金(II)
塩、ジクロロビス(ピリジン)白金(II)、ビス(2,2'−
ピピリジン)白金(II)塩、テトラニトロ白金(II)酸塩、
クロロトリニトロ白金(II)酸塩、ジクロロジニトロ白金
(II)酸塩、ジブロモジニトロ白金(II)酸塩、ヘキサニト
ロ白金(IV)酸塩、クロロペンタニトロ白金(IV)酸塩、ジ
クロロテトラニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロトリニト
ロ白金(IV)酸塩、テトラクロロジニトロ白金(IV)酸塩、
ジブロモジクロロジニトロ白金(IV)酸塩、トリクロロ
(エチレン)白金(II)酸塩、ジ−μ−クロロ−ビス(ク
ロロ(エチレン)白金(II)、trans−ジクロロ(エ
チレン)(ピリジン)白金(II)、ビス[ビス(β−メ
ルカプトエチルアミン)ニッケル(II)−S,S"−白金(I
I)塩及びジクロロジカルボニル白金(II)等が挙げられ
る。
【0131】金(I又はIII)、ロジウム(III)、イリ
ジウム(III又はIV)及びオスミウム(II、III又はIV)の
化合物も同様に用いることができるが、そのような例と
して例えば、カリウムテトラクロロオーレート(III)、
ロジウム(III)クロライド、カリウムヘキサクロロイ
リデート(IV)、カリウムテトラクロロイリテート(III)
及びカリウムヘキサクロロオスメート(IV)等が挙げら
れる。本発明の効果が得られる限りにおいて貴金属の無
機又は有機化合物は上述の具体例のみに制限されるので
はない。
【0132】ヨウ素吸着量(JIS K 6221で測
定)が20mg/g以上、好ましくは30mg/g以
上、特に好ましくは50mg/g以上、最も好ましくは
80mg/g以上で、かつジブチルフタレート(DB
P)、吸油量(JIS K 6221で測定)が50ml
/100g以上、好ましくは60mg/100g以上、
特に好ましくは70ml/100g以上、最も好ましく
は100ml/100g以上のカーボンブラックであ
る。
【0133】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質は、Larsenの油浸法で測定した屈折率が1.5
0以上の無機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金
属ペースト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈
折率が1.50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以
下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。( )内の数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以
上の無機顔料としては、ルチル型酸化チタン(2.7
5)、炭化ケイ素(2.67)、アナターゼ型酸化チタン
(2.52)、酸化亜鉛(2.37)、酸化アンチモン(2.3
5)、鉛白(2.09)、亜鉛華(2.02)、リトポン(1.
84)、ジルコン(1.80)、コランダム(1.77)、ス
ピネール(1.73)、アパタイト(1.64)、バライト粉
(1.64)、硫酸バリウム(1.64)、マグネサイト
(1.62)、ドロマイト(1.59)、炭酸カルシウム
(1.58)、タルク(1.58)、硫酸カルシウム(1.
56)、無水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸
化マグネシウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム
(1.52)、アルミナ(1.50)等がある。特に好
ましいものは、屈折率が1.56以上、最も好ましいも
のは1.60以上の遮光性物質である。
【0134】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム
(1.46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.
44)等は遮光能力が小さいので多量の添加が必要で遮
光性物質としての使用は好ましくない。また、最近の海
外旅行ブームにより空港での手荷物検査でX線を用いた
検査機にISO感度が400以上の高感度写真フィルム
を通過させるとX線によりカブリが発生しやすくなる。
これを防止するために比重が3.1以上、好ましくは
3.4以上の遮光性物質を用いることが好ましい。比重
が3.1以上、好ましくは3.4以上、特に好ましくは
4.0以上の遮光性以外にX線遮断性を有する遮光性物
質の形態は以下に代表例を例示したものに限定されず、
いかなる形態、例えば顔料、粉末、フレーク、ウィスカ
ー、ファイバー等であってもよい。
【0135】比重が3.1以上の遮光性物質としては、
炭化ケイ素、硫酸バリウム、二硫化モリブデン、酸化鉛
(鉛白)、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、チ
タン酸バリウム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル
粉末、銀粉末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステ
ンウィスカー、窒化けい素ウィスカー、銅ウィスカー、
鉄ウィスカー、ニッケルウィスカー、クロムウィスカ
ー、ステンレス粉およびウィスカー、マグネサイト、ア
パタイト、スピネール、コランダム、ジルコン、三酸化
アンチモン、炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミニウ
ム、錫粉およびこれらの混合物等がある。
【0136】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質は、ジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩
化バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛、亜鉛
粉末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステンレスウ
ィスカー、酸化鉄、タングステンウィスカー、ニッケル
ウィスカーである。ISO感度が400以上の超高感度
写真感光材料用包装材料として特に好ましい遮光性物質
は屈折率が1.50以上、比重が3.1以上であり、最
も好ましいのは屈折率が1.56以上、比重が3.4以
上の遮光性物質である。これらの遮光性物質の含有量は
層厚や樹脂の種類や用途によって変化するが、物理強
度、経済性、製造適性等から0.1〜80重量%、好ま
しくは0.3〜60重量%、より好ましくは0.5〜4
0重量%、最も好ましくは1.0〜20重量%である。
【0137】遮光性物質の屈折率及び比重を表2に示
す。
【0138】
【表2】
【0139】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量
%、最も好ましくは20〜60重量%である。5重量%
未満ではX線遮断効果がほとんどなく、80重量%を越
えると製造が困難であり、且つ物理強度やヒートシール
性に欠け実用化困難である。
【0140】以上前述の各種の遮光性物質は、写真感光
材料に悪影響を与えず、フィルム成形性を悪化させない
ために、100℃,5時間での乾燥減量が好ましくは
2.0重量%以下、より好ましくは1.0重量%以下、
最も好ましくは0.5重量%以下の状態にして使用す
る。
【0141】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する写真感光材料の写真性を
良化させるので本発明で含有させることが好ましい吸油
性無機顔料の代表例としては亜鉛華(52)、アスベス
チン(50)、クレー(51)、酸化チタン(56)、カ
オリン(60)、タルク(60)、カーボンブラック
(60以上)、活性炭等がある。( )内の数字は吸油
量(JIS K 6221の吸油量A法で測定。単位ml
/100g)を示す。
【0142】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例と
しては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、銅
粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅粉
末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0143】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。均一
分散性、成形性、写真性、外観の優れた、臭いの少ない
アルミニウム粉末とするには平均粒径が0.3〜50μ
m、好ましくは0.5〜45μm、特に好ましくは0.
8〜40μm、平均厚さが0.03〜0.5μm、好まし
くは0.05〜0.4μm、特に好ましくは0.08〜
0.35μm、脂肪酸含有量が5重量%以下、好ましく
は4重量%以下、特に好ましくは3重量%以下のアルミ
ニウム粉末である。
【0144】ここにアルミニウムペーストとは、ボール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘着付与剤、金属石
けん等の分散剤等を加熱混練し、低揮発物質(主として
悪臭が強いミネラルスピリット、ホワイトスピリット)
を真空ポンプ等で除去した揮発物質の含有量(100
℃,5時間での乾燥減量)が3%以下、好ましくは1%
以下、特に好ましくは0.5%以下のものをアルミニウ
ムペーストコンパウンド樹脂、アルミニウムペーストマ
スターバッチ樹脂として使用することが好ましい。
【0145】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭
をなくすために好ましい。例えばアルミニウムペースト
含有率40重量%のマスターバツチ樹脂中のミネラルス
ピリット含有率が1.0重量%であっても、これを写真
感光材料用包装材料中でのアルミニウムペースト濃度を
2重量%にしようとすると、アルミニウムペーストマス
ターバッチ1重量部に対してナチュラル樹脂19重量部
を混練することになり、包装材料中には成形中にミネラ
ルスピリットが加熱によりガスとして除去される分もあ
るのでミネラルスピリット含有量は0.05重量%以下
になる。その結果、写真感光材料への悪影響もなくなる
上、悪臭も低減される。
【0146】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の表面
被覆処理が施される。特に特定の厚さ(5〜20μm、
好ましくは6〜15μm、特に好ましくは7〜10μ
m)に圧延したアルミニウム箔をシュレッダー等で切断
し、焼き鈍しするとともに脂肪酸を除去し、しかる後こ
の切断したアルミニウム箔中に対して5重量%以下の炭
素数が8以上の脂肪酸(化合物を含む)を添加してボー
ルミル、スタンプミル、振動ミルおよびアトライターか
ら選んだ粉砕機の1つ以上を用いて平均粒径0.3〜5
0μm、平均厚さ0.03〜0.5μmで、脂肪酸含有
量が5重量%以下としたアルミニウム粉末が本発明では
分散性、写真性、光沢が優れ臭いが少ないので特に好ま
しい。
【0147】本発明の写真感光材料用包装材料として実
用化するには、品質確保、物理強度確保、写真性能確
保、成形性、経済性から、遮光性物質の合計含有量は
0.1〜80重量%であるが、遮光性物質の遮光能力や
平均粒子径等により含有量は変化する。遮光能力の優れ
たカーボンブラック、酸化チタン及びアルミニウム粉末
の場合、遮光層中の合計含有量は、遮光性、経済性、フ
ィルム成形性等の点から0.1〜60重量%、0.3〜
40重量%が好ましく、0.5〜20重量%がより好ま
しく、1〜10重量%が最も好ましい。含有量が0.1
重量%未満であると、写真感光材料用包装材料の厚さを
大きくしないと遮光能力が不足し光カブリを発生する。
このため写真感光材料用包装材料の成形速度が遅くなり
(冷却時間が長くなるため)、樹脂使用量が多くなるた
め高価になり実用化困難である。含有量が60重量%を
超えると、高価になり、分散性が悪化し、ミクログリッ
ド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材料に圧
力カブリや擦り傷を発生させたり、写真感光材料用包装
材料中の水分量がカーボンブラックに吸着した水分増加
により多くなり、写真感光材料の写真性能に悪影響(カ
ブリの発生、感度異常、発色異状等)を及ぼす。さら
に、写真感光材料用包装材料の成形性悪化(発泡、銀
条、ピンホール、ショートショット等の発生)や物理強
度の低下となり実用化困難である。
【0148】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が
3.4以上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以
上の無機顔料が特に好ましい)の樹脂中への分散性向
上、樹脂流動性向上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力
カブリ、擦り傷等を発生させるミクログリットの発生防
止、写真性に有害な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低
下、ダイリップ汚れ防止等のためにその表面を表面被覆
物質で被覆することが好ましい。
【0149】表面被覆物質の代表例を以下に示す。 (1) カップリング剤 アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭62
−32125号公報等に開示) シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オ
キシ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム
水溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径0.1〜
2.5μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリー
にケイ酸アルカリ水溶液を加えて硫酸バリウムの表面に
ケイ酸バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加
え、上記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バ
リウム表面に沈着させ被覆 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水和酸化物の1種
又は2種以上)及び/又は金属酸化物(チタン、アルミ
ニウム、セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸
化物の1種及び2種以上)のみからなる組成物で表面被
覆 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−
ヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される
1種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆(8)
ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びア
ルミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシチタン誘導体で表面被覆 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス)で表面被覆 (16) 含水酸化ケイ素、含水酸化アルミニウムを表面被
覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被覆 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆 (19) 界面活性剤(カチオン系、ノニオン系、両性イオ
ン系)で表面被覆 (20) 有機金属キレート化合物(特にβ−ジケトンキレ
ート化合物が写真性、分散性向上等が優れているので好
ましい、表面被覆量は遮光性物質100重量部に対して
0.001〜20重量部、0.01〜15重量部が好ま
しい)で表面被覆 (21) 炭素数が20〜40の脂肪族モノカルボン酸と炭
素数が20〜40の脂肪族一価とのエステルで表面被覆 (22) 炭素数20〜50の脂肪酸エステル部分ケン化物
の金属塩で表面被覆、等。
【0150】上記遮光性物質の表面被覆物質として写真
感光材料の写真特性にカブリ発生等の悪影響が少なく、
遮光性物質の分散性向上、ブツの発生減少、樹脂の流動
性向上等の効果が優れた(1)、(3)、(12)、(14)、(1
5)、(16)、(18)、(19)、(21)、(22)等の他に有機金属
キレート化合物、各種帯電防止剤、滑剤、防滴剤が好ま
しい。
【0151】特に、炭素数が20〜40の脂肪族モノカ
ルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1価アルコール
とのエステルを遮光性物質100重量部に対して0.0
01〜20重量部、好ましくは0.005〜10重量
部、特に好ましくは0.01〜5重量部を添加すること
により、上記問題点の防止効果を発揮できることを見出
したものである。特に、写真感光材料の写真性に悪影響
を減少させるだけでなくモーター負荷を小さくし、遮光
性物質の分散性を向上させ、成形性を向上し成形品の外
観を優れたものにする。
【0152】本発明に用いられるエステルとしては、炭
素数が20〜40、好ましくは25〜35の脂肪族モノ
カルボン酸と炭素数が20〜40、好ましくは25〜3
5の脂肪族1価アルコールのエステルである。
【0153】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン酸、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。
【0154】1価アルコールの例としては、モンチルア
ルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコール、
セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げられ
る。
【0155】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無機及び/又は有機造核剤の分散剤として表面被覆
に用いると飛散防止、ブリードアウト防止、均一分散性
向上、樹脂流動性向上等種々の優れた効果を発揮する。
これらの遮光性物質の表面被覆物質の表面被覆量は、カ
ーボンブラック、酸化チタン又はアルミニウム粉末等の
遮光性物質100重量部に対して、0.001〜20重
量部、好ましくは0.001〜5重量部、より好ましく
は0.01〜3重量部、最も好ましくは0.05〜1.
5重量部である。被覆量が0.001重量部以下では被
覆効果がほとんど発揮されない。被覆量が20重量部を
越えると経時でブリードアウトの発生が多くなる。
【0156】また、粒状の遮光性物質を用いた場合は、
遮光性物質の表面に含水ケイ素を2〜15重量%被覆す
ることが好ましく、より好ましくは3〜13重量%、最
も好ましくは4〜10重量%であり、さらに、含水アル
ミニウムを1〜10重量%被覆することが好ましく、よ
り好ましくは2〜9重量%、最も好ましくは3〜8重量
%である。含水ケイ素及び含水アルミニウムを被覆する
ことにより、遮光性物質の分散性が良くなるので、遮光
性が向上するとともに、ブツの発生が減少する。
【0157】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619)は0.9%以下、好ましくは0.7%以
下、特に好ましくは0.5%以下であり、遊離硫黄分は
150ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好
ましくは30ppm以下であり、ASTM D−150
6による灰分量は0.5%以下、好ましくは0.4%以
下、特に好ましくは0.3%以下であり、アルデヒド化
合物含有量は0.2%以下、好ましくは0.1%以下、
特に好ましくは0.05%以下に抑えないと写真性に悪
影響を及ぼすので注意が必要である。
【0158】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン酸・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対するppm単位に換算した値が20
ppm以下、好ましくは10ppm以下、特に好ましく
は5ppm以下の遮光性物質である。
【0159】写真感光材料の写真性に悪影響を与えない
ようにするためには、さらにカーボンブラック中の硫黄
含有量(ASTM D−1619測定法による)は0.6
重量%以下、特に好ましくは0.3重量%以下、最も好
ましくは0.1重量%以下の任意の含有量とするのがよ
い。
【0160】このためには原料の選択が重要であり、例
えば上記硫黄分について説明すると下記のようになる。 原 料 油 名 原料油中の硫黄分 クレオソート油(石炭系原料) 0.3〜0.6% エチレンボトム油{ナフサ原料(石油系原料)} 0.05〜0.1% エチレンボトム油{軽油原料(石油系原料)} 0.2〜1.5% 流動接触分解残渣油(石油系原料) 0.2〜4.0%
【0161】従って、原料油としてはクレオソート油と
ナフサを原料とするエチレンボトム油が好ましく、ナフ
サを原料とするエチレンボトム油を原料とすればカーボ
ンブラック中の硫黄含有量を0.1重量%以下にするこ
とができるので最も好ましい。
【0162】特に写真感光材料の写真性に直接悪影響を
与えることが判明した遊離硫黄(Free sulph
ur)含有量(定量はJIS K 6350に準ずる)が
100ppm以下、好ましくは50ppm以下、特に好
ましくは20ppm以下、最も好ましくは10ppm以
下のカーボンブラックを使用する。この遊離硫黄含有量
が少ない点からも本発明ではナフサを原料とするエチレ
ンボトム油を用いて製造したカーボンブラックが最も好
ましい。
【0163】また、4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロ
ン吸光分析法によるシアン化合物含有量は0.01重量
%以下、特に好ましくは0.005重量%以下、最も好
ましくは0.001重量%以下の任意の含有量とするの
がよい。さらにヨード法によるアルデヒド化合物含有量
は0.1重量%以下、特に好ましくは0.05重量%以
下、最も好ましくは0.01重量%以下の任意の含有量
とするのがよい。これらの物質は少量でも写真感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0164】特に写真感光材料の写真性に大きく悪影響
を及ぼす遊離硫黄成分量{各試料を液体窒素で冷却固化
後粉砕し、この粉砕した試料100gをソックスレー抽
出器に入れ、クロロホルムで60℃で8時間抽出冷却
後、全容量を100mlとする。この溶液100mlを
高速液体クロマトグラフに注入し、硫黄を定量する。高
速液体クロマトグラフ分離条件は、カラムとして、OD
Sシリカカラム(寸法4.5φ×150mm)を用い、
分離液としてメタノール95と水5(酢酸とトリエチル
アミンをそれぞれ0.1%含む)、流速;1ml/分、
検出波長;254mm、定量は絶対検量線法によって行
う}は0.1重量%以下、好ましくは0.05重量%以
下、より好ましくは0.05重量%以下、特に好ましく
は0.03重量%、最も好ましくは0.01重量%以下
である。
【0165】さらにまた、写真感光材料用包装材料中の
写真感光材料の写真性に大きく悪影響を及ぼす遊離ホル
ムアルデヒド量(高分子分析ハンドブック,KK朝倉書
店,1986年3月1日発行,375頁記載の遊離ホル
ムアルデヒド定量方法による値)を重量に換算した値
は、0.2重量%以下、好ましくは0.1重量%以下、
より好ましくは0.07重量%以下、特に好ましくは
0.04重量%以下、最も好ましくは0.01重量%以
下である(以上、重量%は写真感光材料用紙材の重量に
対する重量%を示す。)。
【0166】この写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼ
す遊離ホルムアルデヒドが写真感光材料用紙材中に問題
量含まれていても尿素化合物やチオ尿素、ヒドラジン化
合物、ジシアンジアミド、ヒドロキシアミン、塩酸ヒド
ロキシルアミン、ヒダントイン化合物、硫酸ヒドロキシ
ルアミン、ホルムアミドが0.001〜1.0重量%含
有されていると実用化可能なレベルに改善できる。特に
ヒダントイン化合物とヒドラジン化合物及びヒドロキシ
ルアミン化合物が改善効果が優れている。
【0167】前記ポリオレフィン樹脂フィルム層、エチ
レン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層等には、滑剤を
含有させることができる。滑剤を含有させることによ
り、フィルム成形工程、ラミネート工程、製袋工程等で
熱可塑性樹脂フィルム同士がブロッキングするのを防止
すると共に熱可塑性樹脂フィルムのハンドリング適性や
滑性を良好にしシワや筋の発生を防止できる。さらに熱
可塑性樹脂フィルムと感光材料とが積み重ねられたりし
てもブロッキングを発生することがなくまた包装袋等と
して感光材料と摩擦してもスリ傷やスタチックマークが
発生しないようにできる。滑剤の添加により、樹脂の流
動性を向上し、成形性を改善するとともに成形品の滑性
を向上させることもできる。
【0168】滑剤の添加量は種類によって異なり、脂肪
酸金属塩(後記の金属石けんと同一)等のように感光材料
の写真性能維持を主目的とした滑性効果が小さい滑剤の
場合は0.01〜5重量%が好ましく、0.03〜3重量
%がより好ましく、0.05〜1.5重量%が特に好ま
しく、0.07〜1重量%が最も好ましい。添加量が
0.01重量%未満であると、添加効果がなく、混練費
用増となるだけである。添加量が5重量%を越えると、
発泡や白煙やダイリップ筋が発生しやすくなったり、溶
融樹脂と押出し機のスクリューとのスリップが発生しや
すくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。また、成形後
の経時によりベトツキやブリードアウトが発生しやすく
なり写真感光材料に悪影響を及ぼすようになる。さらに
また、経時ヒートシール強度が低下し、密封性や防湿性
と酸素バリヤ性が悪化し感材料用包装材料としては実用
化困難である。
【0169】また、脂肪酸アミド系滑剤、ビス脂肪酸ア
ミド系滑剤等のように滑性効果は大きいが、ブリードア
ウトしやすく、感光材料に悪影響を与える滑剤の場合
は、0.01〜1重量%が好ましく、0.03〜0.5重
量%がより好ましく、0.05〜0.3重量%が最も好
ましい。添加量が0.01重量%未満であると、添加効
果がなく、混練費用増となるだけである。添加量が1重
量%を越えると、溶融樹脂と押出し機のスクリューとの
スリップが発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定に
なる。また、フィルム成形後の経時によりベトツキやブ
リードアウトが発生しやすくなる。さらにまたブリード
アウトした滑剤が写真感光層に転写して現像阻害を発生
させ現像ムラや発色ムラ等の品質故障が発生する。
【0170】本発明では、特開平6−317881号公
報の5頁[0032]〜6頁[0044]等に記載の各
種の滑剤から使用目的に合わせ1種以上の滑剤を選択し
て用いることが出来る。
【0171】各種グレードのジメチルポリシロキサン及
びその変性物(信越シリコーン、東レシリコーン)、特
に各種シリコーンオイルが樹脂流動性向上、滑性向上等
の効果を発揮させるだけでなく、遮光性物質と併用する
と遮光性物質の分散性向上、樹脂を白濁させヘイズ(A
STM D−1003)を大きくさせる結果、着色力向
上、遮光性向上等予想外の効果を発揮するので本発明で
用いる滑剤として特に好ましい。
【0172】上記シリコーンオイルは、常温(25℃)に
おける粘度が50〜100,000センチストークスの
範囲のものが好ましく、更に好ましくは5,000〜3
0,000センチストークスの高粘度のものがよい。シ
リコーン及びシリコーン変性物の具体例としては、ポリ
メチルフェニルシロキサン、オレフィン変性シリコー
ン、アミド変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、
アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、
αメチルスチレン変性シリコーン、ポリエチレングリコ
ールやポリプロピレングリコールで変性したポリエーテ
ル変性シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリ
コーン、エポキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコー
ン、アルコール変性シリコーン等変性されたシロキサン
結合を含有したシリコーンオイルである。該シリコーン
オイル中、感光材料に悪影響を与えることが少なく、滑
性効果の大きい、特に感光材料用包装材料に適用した場
合に好ましいものはオレフィン変性シリコーン、アミド
変性シリコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテ
ル変性シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリ
コーンである。該シリコーンオイルは、加熱状態での成
形材料、例えば樹脂フィルムの摩擦係数を改良し、自動
包装機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下さ
せ、皺の発生を防止することにより、美しい外観と高度
な密封性と被包装体にたるみがない密着性とを有する性
能を保持した樹脂フィルムを得る基礎をつくることが出
来る。又摺動による光沢の低下を防止して、美しいシー
ル部を得ることが出来る。シリコーンオイルを併用した
場合の本発明では、摺動ヒートシールをする場合、高温
摩擦係数を1.4以下にすることが出来る。
【0173】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1) 繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2) 樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター負
荷を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3) ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミドを
添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4) 加熱状態での成形材料の摩擦係数を小さくし、自
動袋適性を向上し、ヒートシール時のシワ発生や摺動に
よる光沢の低下を防止し、美しいシール部を得ることが
できる。 (5) 遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を向上でき、物性を低下させる遮光性物質の添加量を
減量しても遮性を確保できる。
【0174】前記ポリオレフィン樹脂フィルム層、エチ
レン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層等には、酸化防
止剤を含有させることができる。熱可塑性樹脂や脂肪
酸、滑剤、有機造核剤、界面活性剤等の添加剤の熱劣化
や熱分解を防止し、熱可塑性樹脂組成物の流動性が著し
く変化したり、ブツが発生するのを防止できる。さらに
写真感光材料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデヒド
等)の発生を防止することができる。熱分解物質(アル
デヒド等)を写真感光材料に悪影響を及ぼさない量に減
少安定化させたり、反応安定化させたり又は吸着安定化
させる公知の各種化合物(例えば、ヒダントイン化合
物、ヒドラジン化合物、尿素化合物)を添加することが
好ましい。写真感光材料用包装材料中のアセチルアセト
ン法で測定したホルムアルデヒドの量は500PPM以
下、好ましくは300PPM以下、特に好ましくは15
0PPM以下、最も好ましくは75PPM以下にするこ
とにより写真性を良好に維持できる。
【0175】酸化防止物質の添加量は、0.001〜1.
5重量%であり、0.005〜0.7重量%が好ましく、
0.01〜0.45重量%がより好ましい。添加量が0.
001重量%未満であると、添加効果がなく混練経費増
になるだけであり、添加量が1重量%を越えると、酸
化、還元作用を利用する写真感光材料の写真性に悪影響
を及ぼすとともに成形品表面にブリードアウトして外観
を悪化させる。
【0176】本発明に使用される酸化防止剤の代表例を
以下に示す。 (イ) フェノール系酸化防止剤(tはtertの略号で
ある) ビタミンE(トコフェロール)、トコフェロール類二量
体(α−トコフェロール、β−トコフェロール、5,7
−ジメチルトコール等)、6−t−ブチル−3−メチル
フェニール誘導体、2・6−ジ−t−ブチル−P−クレ
ゾール、2・6−ジ−t−ブチル−フェノール、2・6
−ジ−t−ブチル−α−ジメチルアミノ−p−クレゾー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−p−エチルフェノール、
2・2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチ
ルフェノール)、4・4'−ブチリデンビス(6−t−ブ
チル−m−クレゾール)、4・4'−チオビス(6−t−
ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシジフ
ェニルシクロヘキサン、ブチル化ヒドロキシアニソー
ル、アルキル化ビスフェノール、スチレン化フェノー
ル、2・6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2・6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、n−
オクタデシル−3−(3'・5'−ジ−t−ブチル−4'−
ヒドロキシフェニル)プロピネート、2・2'−メチレ
ンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4
・4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニー
ル)、4・4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4'−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β(3・
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート、1・1・3−トリス(2−メチル−4ヒドロ
キシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1・3・5ト
リメチル−2・4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブチ
ル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス〔メ
チレン−3(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕メタン等
【0177】(ロ) ケトンアミン縮合系酸化防止剤 6−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒ
ドロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘
導体等
【0178】(ハ) アリルアミン系酸化防止剤 フェニル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナ
フチルアミン、N−フェニル−N’−イソピロピル−P
−フェニレンジアミン、N・N’−ジフェニル−P−フ
ェニレンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−
フェニレンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチリデ
ン)−1−ナフチルアミン等
【0179】(ニ) イミダゾール系酸化防止剤 2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベ
ンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベン
ゾイミダゾール等
【0180】(ホ) ホスファイト系酸化防止剤 アルキル化アリルホスファイト、トリス(モノ及び/又
はジノニルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2・6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、ジフェニルイソデシ
ルフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファ
イト亜リン酸ソーダ、トリス(ノニルフェニル)フォス
ファイト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブ
チルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(2・4
−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリフェニ
ルフォスファイト等
【0181】(ヘ) チオ尿素系酸化防止剤 チオ尿素誘導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピ
ル)−2−チオ尿素等
【0182】(ト) その他空気酸化に有用な酸化防止剤 チオジプロピオン酸ジラウリル等 本発明に最も好ましいヒンダードフェノール系酸化防止
剤の代表例を以下に示す。
【0183】1,3,5−トリメチル2,4,6−トリス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ベンゼン、テトラキス〔メチレン−3−(3'・5'
−ジ−tert−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕メタン、オクタデシル−3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナメー
ト、2,2',2'−トリス〔(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エ
チルイソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−ter
t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジ−メチルベン
ジル〕イソシアヌレート、テトラキス(2,4−ジ−t
ert−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンジ亜リ
ン酸エステル、4,4'−チオビス−(6−tert−ブ
チル−O−クレゾール)、2,2'−チオビス−(6−t
ert−ブチル−4−メチルフェノール)、トリス−
(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチル
フェニル)ブタン、2,2'−メチレン−ビス−(4−メ
チル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4'−メ
チレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノ
ール)、4,4'−ブチリデンビス−(3−メチル−6−
tert−ブチルフェノール)、2,6−ジ−tert
−ブチル−4−メチルフェノール、4−ヒドロキシ・メ
チル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,6
−ジ−tert−4−n−ブチルフェノール、2,6−
ビス(2'−ハイドロキシ−3'−tert−ブチル−
5’−メチルペンジル)−4−メチルフェノール、4,
4'−メチレン−ビス−(6−tert−ブチル−O−
クレゾール)、4,4'−ブチリデン−ビス(6−ter
t−ブチル−m−クレゾール)、3・9−ビス{1・1
−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロ
キシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチ
ル}2,4・8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕
ウンデカンなどがあげられる。これらの中でも融点が1
00℃以上、特に120℃以上のものが好ましい。ま
た、燐系酸化防止剤と併用することが効果的である。さ
らにまた、燐系酸化防止剤の少なくとも1種と、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種と、含水
複塩化合物の少なくとも1種の合計3種以上を併用する
ことが特に好ましい。
【0184】燐系酸化防止剤の少なくとも1種を含む場
合、熱分解によって発生する亜燐酸が写真感光材料に悪
影響を大きく及ぼし、カブリを発生させるので亜燐酸を
中和させるハイドロタルサイト類化合物を0.01〜
5.0重量%、特に0.05〜3.0重量%添加するこ
とが好ましい。
【0185】上記ビタミンE(トコフェロール)、トコ
フェロール類二量体は、優れた酸化防止作用の他に、成
形品を黄色に着色させてカーボンブラック等の遮光性物
質と併用すると遮光能力をカーボンブラック等の遮光性
物質単独添加の場合より向上させ、かつ、分散性も向上
させるので遮光性物質の添加量を10%以上減少させて
も同等の遮光性を有する成形品を得ることができる。こ
の結果写真性の悪化防止、物理強度向上、外観向上、材
料費減少等各種の効果が発揮されるので本発明の写真感
光材料包装材料として特に好ましい。
【0186】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種と住友化学(株)のSumilize
rBHT,Sumilizer BH−76,Sumi
lizer WX−R,Sumilizer BP−10
1等である。また、2,6−ジ−ヒブチル−p−クレゾ
ール(BHT)、低揮発性の高分子量フェノール型酸化
防止剤(商品名:Ireganox 1010,Ire
ganox 1076,Topanol CA,Iono
x 330等)、及び燐系酸化防止剤(ジステアリル−ペ
ンタエリスリトール−ジフォスファイト、ジラウリルチ
オジプロピオネート、ジステアリルチオプロピオネー
ト、トリス(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)ホス
ファイト、ジアルキルフォスフェート等)の1種以上、
特に2種以上を併用するのが効果的である。
【0187】特に遊離基連鎖停止剤の代表例である融点
が100℃以上、好ましくは120℃以上の前記ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤の少なくとも1種と、過酸
化物分解剤である燐系酸化防止剤の少なくとも1種とを
併用して用いることが写真性を悪化させずに樹脂や添加
剤の熱劣化防止効果を高めることができるので好まし
い。最も好ましくは、燐系酸化防止剤の1以上と、ヒン
ダードフェノール系酸化防止剤の1以上の2種の合計
0.001〜1.5重量%と、燐系酸化防止剤の熱分解
によって発生する亜燐酸の中和剤としての働きをして写
真感光材料のカブリ防止の働きをするハイドロタルサイ
ト類化合物0.01〜5.0重量%の3種を少なくとも
併用する。
【0188】写真感光材料の写真性への悪影響が少な
く、樹脂溶融温度(130〜400℃)でも熱分解が少な
く、経時によるブリードアウトも少ない等多くの優れた
特性を有する点から分子量は200以上、好ましくは3
00以上、特に好ましくは400以上、最も好ましくは
500以上のヒンダードフェノール系酸化防止剤であ
る。
【0189】本発明の写真感光材料用包装材料中に含有
させるのに最も好ましい酸化防止剤はテトラキス[メチ
レン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
フェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル
−3−(4’−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチル
フェノール)プロピオネートとトリス−(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイトである。
【0190】前記ポリオレフィン樹脂フィルム層、エチ
レン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層等には、ブロッ
キング防止剤を含有させることができる。ブロッキング
防止剤を含有させることにより、ブロッキングを防止、
スタチックマーク発生を防止、擦り傷発生を防止、写真
感光材料と写真感光材料用包装材料との接着を防止する
ことができる。
【0191】ブロッキング防止剤の添加量は、0.01
〜5.0重量%が好ましく、0.02〜4.0重量%がよ
り好ましく、0.03〜3.0重量%が特に好ましく、
0.04〜2.0重量%が最も好ましい。
【0192】添加量が0.01重量%未満では、ブロッ
キング防止効果が小さく、混練経費増となるだけであ
る。また、添加量が5.0重量%を越えると、ブツの発
生が多くなり、写真感光材料に圧力被りや擦り傷を発生
させたり、フィルムの物理強度やヒートシール性を低下
させる。
【0193】ブロッキング防止剤としては、シリカ(天
然及び合成シリカを含む)、ゼオライト{天然ゼオライ
トと合成ゼオライト(A,N−A,X,Y,hyadr
oxysodalite,ZK−5,B,R,D,T,
L,hydroxy cancrinite,W.Ze
olaon等の各種の型のゼオライト等)がある}、炭
酸カルシウム、タルク(ケイ酸マグネシウム)、ケイ酸
アルミニウム、カルシウムシリケート、脂肪酸アミド系
滑剤、高級脂肪酸ポリビニルエステル、n−オクタデシ
ルウレア、N,N’−ジオレイルオキサアミド、N−エ
タノールステアリン酸アミド、ジカルボン酸エステルア
ミド等があり、この中で各種ゼオライトと各種シリカが
ブロッキング防止効果が大きく、かつ写真性に悪影響を
及ぼさないので好ましい。
【0194】上記シリカは、平均粒子径が0.3〜20
μmのものが好ましく、0.5〜15μmのものがより
好ましい。平均粒子径が0. 3μm未満では、凝集性が
強くブツが多発し、ブロッキング防止効果も小さい。ま
た、平均粒子径が20μmを越えると、フィルム表面に
シリカがでてフィルム表面がざらつくだけでなく写真感
光材料に圧力被りや擦り傷などが発生し易くなる。
【0195】前記ポリオレフィン樹脂フィルム層、エチ
レン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層等には、帯電防
止剤を含有させることができる。帯電防止剤を含有させ
ることにより、写真感光材料との摩擦により発生する静
電気の発生を防止又は抑制して、写真感光材料にスタチ
ックマークが発生するのを防止する。
【0196】帯電防止剤の添加量は、0.01〜10重
量%が好ましく、0.05〜7重量%がより好ましく、
0.1〜5重量%が最も好ましい。添加量が0.01重
量%未満であれば、添加効果が十分でなく、混練経費が
増加するだけである。また、添加量が10重量%を越え
ると、溶融樹脂と押し出し機のスクリューとのスリップ
が発生しやすくなり、樹脂の吐出量が不安定になる。ま
た、成形後の経時によりベトツキやブリードアウトが発
生しやすくなる。
【0197】本発明に使用できる帯電防止剤の市販の代
表例としては、特開平6−317881号公報の12頁
[0106]〜13頁[0115]に記載されている物
等がある。
【0198】写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさな
いように種類や添加量を調節したり他の添加剤との組み
合わせにより公知の各種の帯電防止剤を本発明では用い
ることができる。例えばプラスチック・データ・ハンド
ブック(KK工業調査会発行)の776〜778ページに
開示された各種の帯電防止剤やプラスチックデータ集
(KK化学工業社発行)の123〜151ページに開示
された各種の帯電防止剤や帯電防止剤−高分子の表面改
質−(KK華書房,昭和47年3月25日増補版発行)
に開示された各種帯電防止剤等である。
【0199】以上の帯電防止剤の中で写真性及び人身に
与える悪影響が小さく、スタチックマーク防止効果が大
きいので、非イオン(ノニオン)系帯電防止剤が特に好
ましい。
【0200】ポリオレフィン樹脂フィルム、エチレン含
有ポリオレフィン樹脂フィルム等に、ハイドロタルサイ
ト類化合物及びゼオライトの1種以上を含有させること
ができる。ハイドロタルサイト類化合物類及びゼオライ
トの1種以上を含有させることにより、触媒残渣を中和
したり、塩酸等のハロゲン化合物を吸収して写真性に悪
影響を及ぼす物質を無害化したり、金型の発錆を防止し
たり、樹脂焼け故障等を防止したりできる。特に、ゼオ
ライトはブロッキング防止効果もあり、本発明では写真
性向上、フィルム成形性向上作用も発揮するので最も好
ましい添加剤である。
【0201】また、このゼオライトは金属の担当として
金属系無機抗菌剤(例えば銀イオンを担持したA型合成
ゼオライト)として優れた働きをするので、ゼラチン等
のように生分解しやすい親水性高分子を写真乳剤層、保
護層及びバック層等に用いている写真感光材料を2年近
くの長期間品質を良好に維持する必要がある、本発明の
エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム中に添加する
ことは好ましい。
【0202】ハイドロタルサイト類化合物類及びゼオラ
イトの1種以上の含有量は、0.1〜30重量%が好ま
しく、0.2〜20重量%がより好ましく、0.3〜1
0重量%が特に好ましく、0.4〜5重量%が最も好ま
しい。含有量が0.1重量%未満であると、添加効果が
発揮されず混錬経費増となるだけであり、また、含有量
が30重量%を越えると、増量添加効果がなく、ブツの
発生やコストアップとなるだけである。
【0203】ハイドロタルサイト類化合物は、一般式が Mxy(OH)2x+3y-2z(A)Z・aH2O {MはMg、Ca又はZn、RはAl又はCr又はF
e、AはCO3又はHPO4、x、y、z、aは正数}で
示される複塩である。
【0204】具体例の代表例を示すと、Mg6A12(O
H)16CO3・4H2O、Mg8Al2(OH)20CO3・5
2O、Mg5Al2(OH)14CO3・4H2O、Mg10
Al2(OH)22(CO32・4H2O、Mg6Al2(O
H)16HPO4・4H2O、Ca6Al2(OH)16CO3
4H2O、Zn6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg
4.5Al2(OH)13CO33.52O等がある。
【0205】または一般式が M(1-x)・Alx・(OH)2・Xx/n・mH2O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。
【0206】そして、xおよびm,nは下記式の条件を
満足する。 0<x<0.5 0≦m≦ 2 } n=1〜4の整数で表わされる屈折率(Larsenの
油浸法で測定)が1.40〜1.60、好ましくは1.
45〜1.55の範囲であるハイドロタルサイト類化合
物である。
【0207】上記式においてXで表わされるn価のアニ
オンの例としては、Cl-、Br-、I-、NO3 -、ClO
4 -、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-、HPO4 2-、HBO3
2-、PO4 3-、Fe(CN)6 3-、Fe(CN)4 4-、C
3COC-、C64(OH)COO-、である。
【0208】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7Al0.3(OH)2(CO30.15・0.54H2
O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO30.165・0.5H2
O Mg0.67Al0.33(OH)2(CO30.165・0.2H2
O Mg0.6Al0.4(OH)2(CO30.2・0.42H2O Mg0.75Al0.25(OH)2(CO30.125・0.63
2O Mg0.83Al0.17(OH)2(CO30.085・0.4H2
O 等
【0209】これらのハイドロタルサイト類化合物は、
天然物であっても、合成品であってもよい。これらのハ
イドロタルサイト類化合物は、マグネシウム、アルミニ
ウム等を主成分としており、写真感光材料の写真性に悪
影響を及ぼしたり、成形機に用いられている金属の発錆
の原因と考えられる塩素イオン等のハロゲン化イオンを
吸着中和して無害化する能力に優れている。さらに熱可
塑性樹脂中のモノマーや各種添加剤中の揮発性物質等写
真性に悪影響を及ぼす物質を吸着固定するものと推定さ
れる。
【0210】さらに熱可塑性樹脂や添加剤の熱劣化や熱
分解を防止するのに添加する燐系酸化防止剤が熱分解し
た時に発生する写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼす
亜燐酸を中和して写真性を良化(カブリを減少)する予
想外の効果を発揮する。ハイドロタルサイト類化合物の
具体的な合成方法としては、特公昭46−2280号公
報及び特公昭50−30039号公報等に開示されてい
る公知の方法も使用できる。
【0211】ハイドロタルサイト類化合物の天然品とし
ては、ハイドロタルク石、スチヒタイト、パイロオーラ
イト等がある。これらのハイドロタルサイト類化合物は
単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
特に、各種酸化防止剤や各種脂肪酸金属塩と併用するこ
とが好ましい。加工性、分散性、物性等を特に向上させ
るためには平均2次粒子径が20μm以下、好ましくは
10μm以下、特に好ましくは5μm以下、BET比表
面積が50m2/g以下、好ましくは40m2/g以下、
特に30m2/g以下が好ましい。
【0212】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物は表面被覆物質で処理して利用するのが好ましい。表
面被覆する事により、樹脂に対する分散性ないし親和性
が一層向上し、フィルム加工適性、物理強度等も向上す
る。
【0213】このような表面被覆物質の例としては、前
述の遮光性物質の表面被覆物質(1)〜(20)等を用いるこ
とが出来るが、特に好ましいのは、例えば、ラウリル酸
ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイン酸ソーダ、オレ
イン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カリウム、パルミチン酸ソーダ、パル
ミチン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、カプリン酸カリ
ウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン酸カリウム、リ
ノール酸ソーダ、リノール酸カリウムなどのような高級
脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸、パルミチン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノ
ール酸などの如き高級脂肪酸類;ドデシルベンゼンスル
ホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等の有機スルホン酸金属塩類;イソプロピルトリイ
ソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビ
ニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ガンマグリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランなどのようなカップリング剤類、
高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類、シリコー
ン類、ワックス類の各種滑剤などを例示することができ
る。
【0214】これら表面被覆物質による表面被覆は、た
とえば、温水にハイドロタルサイト類化合物を懸濁した
状態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属
塩の水溶液を加える事により、或いは、ハイドロタルサ
イト類化合物粉末をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り攪拌下、高級脂肪酸の融液とか、カップリング剤の希
釈液を滴下することにより行うことができる。これら表
面被覆物質の量は適宜に選択変更できるが、ハイドロタ
ルサイト類化合物100重量部に対して、約0.01〜
50重量部、好ましくは0.05〜35重量部、特に好
ましくは0.1〜20重量部、最も好ましくは0.5〜
10重量部である。
【0215】さらに上記のハイドロタルサイト類化合物
中に本発明の主旨を損なわない限りは少量の他の金属酸
化物等の不純物を含んでもよい。
【0216】さらにハイドロタルサイト類化合物の分散
をより良好にするために例えば高級脂肪酸や脂肪酸アミ
ド系滑剤やシリコーンオイルやソルビタンモノステアレ
ートのようなソルビタン脂肪酸エステルやグリセリンモ
ノステアレートのようなグリセリン脂肪酸エステルなど
を1種以上を分散剤として樹脂組成物に合計量0.01
〜10重量%、好ましくは0.05〜8重量%、特に好
ましくは0.08〜5重量%、最も好ましくは0.1〜
3重量%添加してもよい。ハイドロタルサイト類化合物
と併用することにより、写真性の悪化防止、加工安定
性、成形機の防蝕効果が向上し、樹脂劣化を防止し、物
理強度低下を防止し、樹脂焼けによるブツの発生や着色
故障の発生を防止する作用等を相乗的に向上する。フェ
ノール系酸化防止剤や燐(ホスファイト)系酸化防止剤
及び脂肪酸金属塩から成る群より選択された1種以上の
安定剤と併用することが写真感光材料の写真性能悪化が
ほとんどなく、酸化防止効果が大きくなるので特に好ま
しい。
【0217】この場合、写真感光材料の写真性能に悪影
響を及ぼさないようにするためには、 (1) フェノール系酸化防止剤を0.001〜1.5重
量%、好ましくは0.005〜0.7重量%、特に好ま
しくは0.01〜0.45重量%添加する。 (2) 燐系酸化防止剤を0.001〜1.5重量%、好
ましくは0.005〜0.7重量%、特に好ましくは
0.01〜0.45重量%添加する。 (3) ハイドロタルサイト類化合物及び/又は脂肪酸金
属塩(金属石けん)を0.01〜5重量%、好ましくは
0.03〜4重量%、特に好ましくは0.05〜3重量
%、最も好ましくは0.06〜2重量%添加する。
【0218】且つ(1)+(2)+(3)の合計含有量
が0.0015〜6重量%、好ましくは0.002〜5
重量%、特に好ましくは0.003〜4重量%、最も好
ましくは0.005〜3重量%写真感光材料用包装材料
の最内層(写真感光材料側)中に含まれるようにする。
いずれにしても添加量は酸化防止剤及びハイドロタルサ
イト類化合物並びに脂肪酸金属塩の限定範囲内にし、樹
脂劣化を防止できる最少量添加することが写真性能を悪
化させず、コストアップを抑制する点からも好ましい。
【0219】燐系酸化防止剤は、写真感光材料の写真性
を良化するためにハイドロタルサイト類化合物と併用す
ることが好ましい。
【0220】ポリオレフィン樹脂フィルム層に、接着剤
層を介して間接的に又は接着剤層を介さずに直接的にフ
レキシブルシート層を積層することができる。
【0221】フレキシブルシート層としては、各種の熱
可塑性樹脂フィルム、例えば、各種ポリエチレン樹脂、
各種エチレン共重合体樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、
各種プロピレン共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、各
種ポリアミド樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、エチレ
ン・ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリカーボネート
樹脂、各種ポリエステル樹脂(PET樹脂、PBT樹
脂、A−PET樹脂、PEN樹脂等)等のフィルム及び
これらの混合またはポリマーアロイまたは変性樹脂フィ
ルム、さらに、これらの各種の熱可塑性樹脂フィルムの
一軸又は二軸延伸(分子配向も含む)フィルム等があ
る。また、トリアセテートフィルム、セロファン、再生
セルロースフィルム、紙、合成紙、不織布、金属箔、金
属蒸着フィルム、無機物質蒸着フィルム、金属蒸着紙等
がある。
【0222】特に好ましいフレキシブルシートは、写真
感光材料に悪影響を与えない坪量が20〜400g/m
2の中性及び酸性の各種の紙(故紙、再生紙、未晒クラフ
ト紙、半晒クラフト紙、晒クラフト紙、ヒネリ原紙、ク
ルパック紙、デュオストレス紙、白板紙、写真用原紙、
上質紙、非木材(ケナフ、バガス、ワラ、竹、コーン
茎、砂糖キビ、パピルス等)、パルプ紙、高収率パルプ
を用いた中質紙、純白ロール紙、コート紙、模造紙、グ
ラシン紙)、不織布、合成紙と一軸または二軸延伸(分
子配向を含む)熱可塑性樹脂フィルム、無機酸化物蒸着
一軸または二軸延伸(分子配向を含む)熱可塑性樹脂フ
ィルムである。
【0223】これらのフレキシブルシートは、1種又は
2種以上を組み合わせて用いることができ、ヒートシー
ルされる(内側導電性熱可塑性樹脂)層より10℃以上
融点が高いことが製袋適性向上やシワや破れ等を防ぎ、
外観向上の点から好ましい。特に好ましいのは二軸延伸
熱可塑性樹脂フィルムで厚さは5〜70μm、好ましく
は7〜50μm、特に好ましいのは10〜35μmであ
る。また、フレキシブルシートのヤング率は50kg/
mm2以上、好ましくは70kg/mm2以上、特に好ま
しくは90kg/mm2以上、最も好ましくは100k
g/mm2以上であり、前記中間熱可塑性樹脂層以上の
フレキシブルシートである。
【0224】上記金属箔としては、アルミニウム箔、鉛
箔、アイアンフォイル、錫箔、亜鉛箔、電解鉄箔、銅
箔、ステンレス箔等の金属箔であり、金属箔の厚さは、
5〜100μmが好ましく、経済性、取扱い性、特性確
保等を考慮すると6〜50μmが特に好ましく、7〜2
0μmが最も好ましい。また、熱可塑性樹脂フィルムや
無塵性フレキシブルシート(無塵紙、合成紙、不織紙、
グラシン紙、セロハン、表面サイズ又は表面塗工紙)及
びこれらのフレキシブルシートにさらに金属薄膜加工層
を設けた金属薄膜加工フレキシブルシートも好ましい。
さらにガラスやアルミナ等の無機酸化物薄膜加工層を設
けた無機酸化物薄膜加工フレキシブルシートも好まし
い。最近のように海外旅行の手荷物検査時に高感光度写
真フィルムにX線照射され被りが発生するのを防止する
ために厚さが10〜200μmの鉛箔、アイアンフォイ
ル、電解鉄箔等をフレキシブルシートとして積層するの
も好ましい。
【0225】本発明の写真感光材料用包装材料を適用で
きる用途について説明する。 (1) 透明、着色又は印刷付のレンズ付フィルムユニッ
ト包装用の防湿・密封包装袋(特公平7−1380号公
報、特開平5−197087号公報、特開平7−725
93号公報、特開平8−248573号公報、特開平8
−254793号公報、特開平8−334869号公
報、特開平9−15796号公報、特開平9−5439
5号公報、特開平9−120119号公報、特開平9−
244187号公報、特開平9−274288号公報、
特開平10−186586号公報、特開平10−197
994号公報等)。 (2) 透明、着色又は印刷付のプラスチック容器入りの
撮影用写真フィルム(JIS 135フィルム、APS
フィルム、マイクロフィルム等)の2本以上を集合包装
する防湿・密封包装袋(特開平8−254793号公報
等)。 (3) 印画紙、印刷製版用フィルム、撮影用カットフィ
ルム、Xレイフィルム、PS版等のシート状写真感光材
料用の防湿・密封・遮光性袋(特公平2−2700号公
報、特公平2−2701号公報、特開平8−25479
3号公報,図2〜3、特開平5−5972号公報等)。 (4) 帯状写真感光材料包装体用遮光性フィルム(特開
平2−72347号公報、特開平6−214350号公
報、実公平5−29471号公報、実公平6−8593
号公報、実公平7−50743号公報、実公平8−10
812号公報、実開昭63−153255号公報等)。 (5) 印画紙、映画用フィルム、マイクロポジフィル
ム、印刷製版用フィルム、熱現像拡散転写紙等のロール
状写真感光材料用防湿密封遮光袋(特開平6−6735
8号公報等)。 (6) 印画紙、写真フィルム等の帯状感光材料の明室装
填包装体用防湿・遮光フィルム又はリーダーフィルム
(特開昭62−172344号公報、特開平2−723
47号公報、特開平5−72672号公報、特開平5−
216176号公報、特開平6−75341号公報、特
開平6−214350号公報、特開平6−148820
号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−9
2618号公報、特開平8−40468号公報、特開平
10−97030号公報、実公昭56−16608号公
報、実公平6−8593号公報、実公平8−9725号
公報等)。 (7) バルクロール状写真感光材料包装用の防湿・遮光
フィルム(特開平3−53243号公報等)。 (8) インスタントフィルムパック(特開平8−627
82号公報、特開平10−228079号公報、特開平
10−228080号公報等)。 (9) 写真フィルム用遮光紙(特開昭48−22020
号公報、特開昭50−67644号公報、特開昭52−
150016号公報、特開昭55−140835号公
報、特開昭58−17434号公報、特開昭58−18
6744号公報、特開昭59−68238号公報、特開
昭60−35728号公報、特開昭61−36216号
公報、特開平4−136842号公報、特開平9−80
695号公報等)。
【0226】上述した各種の密封袋は、チューブ状フィ
ルムの底シール袋、二方シール袋、三方シール袋、四方
シール袋、ガゼット袋等がある。
【0227】また、各種の上包み包装にも用いることが
できる。例えば、実公平7−50743号公報、実公平
8−7398号公報、実公平8−9723号公報、実公
平8−9724号公報、実公平8−10812号公報、
特開平6−148820号公報、特開平6−21435
0号公報、特開平7−257510号公報、特開平7−
287350号公報等に記載の帯状感光材料の明室装填
包装体用防湿遮光フィルムや袋、カートン又はトレーの
上包み包装、キャラメル型の上包み包装、スナック型の
上包み包装、紙巻きたばこ型の上包み包装、ロール上包
み包装、棒状上包み包装、ひねり上包み包装等があり、
また、社団法人 日本包装技術協会 1995年7月1日
発行,「包装技術便覧」754頁〜774頁記載の各種
包装体用として使用可能である。
【0228】本発明の写真感光材料用包装材料が適用可
能な写真感光材料を以下に示す。 (1) ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用フィルム、カ
ラーまたは白黒印画紙、カラーまたは白黒ネガフィル
ム、印刷用マスター紙、DTR(拡散転写)感光材料、
電算写植フィルム及びペーパー、カラーまたは白黒ポジ
フィルム、カラーリバーサルフィルム、マイクロフィル
ム、サーベランスフィルム、映画用フィルム、自己現像
型写真感光材料、直接ポジ型フィルム及びペーパー等)
(特開平4−136838号公報、特開平4−1723
39号公報、特開平5−113623号公報、特開平9
−325450号公報、特開平10−62901号公
報、特開平10−62903号公報、特開平10−62
904号公報、特開平10−62905号公報、特開平
10−62906号公報、特開平10−62921号公
報、特開平10−142731号公報等) (2) 熱現像感光材料(熱現像カラー感光材料、熱現像
白黒感光材料(例えば特公昭43−4921号公報、同
43−4924号公報、「写真工学の基礎」銀塩写真編
(1879年コロナ社刊行)の553頁〜555頁及び
リサーチ・ティスクロージャー誌 1978年6月号9
頁〜15頁(RD−17029)等に記載されているも
の。さらに、特開昭59−12431号公報、同60−
2950号公報、同61−52343号公報、特開平7
−13295号公報、同10−62898号公報、同1
0−62899号公報等や米国特許第3,457,07
5号明細書、米国特許第3,574,627号明細書,米
国特許第4,042,394号明細書、米国特許第4,
584,267号明細書に記載されている転写方式の熱
現像カラー写真感光材料等)) (3) 感光・感熱性記録材料(特開平3−72358号
公報等に記載されているフォトサーモグラフィー(感光
・感熱画像形成方法)を用いた記録材料) (4) ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフィルム、マイクロフィル
ム、複写用フィルム、印刷用版材等) (5) アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4’ジアジドスチルベン等を含む感光
材料、例えば複写用フィルム、印刷用版材等) (6) キノンジアジド系写真感光材料(オルソーキノン
ジアジド、オルソーナフトキノンジアジド系化合物、例
えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−(2)−4−スル
フォン酸フェニルエーテル等を含む写真感光材料、例え
ば印刷用版材、複写用フィルム、密着用フィルム等) (7) フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む写真
感光材料、印刷用版材、密着用フィルム等) (8) ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フィルム、IC用レジスト等)
【0229】本発明の写真感光材料用包装材料の好まし
い態様を以下に記載する。 i)接着剤層の少なくとも1つが、不飽和カルボン酸ま
たはその誘導体をグラフトして得た酸変性ポリオレフィ
ン樹脂を主成分として形成されている請求項2、3又は
4に記載の写真感光材料用包装材料。 ii)ポリオレフィン樹脂フィルム層及びエチレン含有ポ
リオレフィン樹脂フィルム層の1層以上に、粒状の遮光
性物質が0.5〜40重量%、板状の遮光性物質が0.
5〜40重量%含有されている請求項1、2、3又は4
に記載の写真感光材料用包装材料。 iii)粒状の遮光性物質が白色粒状の遮光性物質であ
り、板状の遮光性物質が白色板状の遮光性物質である上
記ii)に記載の写真感光材料用包装材料。 iv)ポリオレフィン樹脂フィルム層及びエチレン含有ポ
リオレフィン樹脂フィルム層の1層以上に、カルボン酸
含有ポリオレフィンワックス及びカルボン酸含有ポリオ
レフィンワックス中和物の1以上を1〜30重量%含有
されている請求項1、2、3又は4に記載の写真感光材
料用包装材料。 v)粒状の遮光性物質の表面に、含水酸化ケイ素が2〜
15重量%、含水酸化アルミニウムが1〜10重量%被
覆されている上記ii)に記載の写真感光材料用包装材
料。
【0230】以上のような写真感光材料用包装材料を使
用し、エチレン含有ポリオレフィン樹脂層同士をヒート
シール法により溶着密封して作製した透湿度が5g/m
2・24時間以下の防湿・遮光袋に写真感光材料を密封
包装して写真感光材料包装体が作製される。
【0231】防湿・遮光袋の透湿度(JIS Z 020
8のB測定条件)は、5g/m2・24時間以下であ
り、好ましくは4g/m2・24時間以下であり、より
好ましくは3g/m2・24時間以下であり、特に好ま
しくは2g/m2・24時間以上であり、最も好ましく
は1g/m2・24時間以下である。透湿度が5g/m2
・24時間を越えると、包装した写真感光材料の写真性
を良好に維持するこのが困難になる。
【0232】前記防湿・遮光袋の両表面層の少なくとも
一方に抗菌剤を含ませることができる。抗菌剤を含ませ
ることにより、バクテリヤやカビ等各種の菌が発生する
のを抑制することができる。
【0233】抗菌剤の添加量は、0.001〜10重量
%、0.005〜9重量%が好ましく、0.01〜8重
量%がより好ましく、0.05〜7重量%が特に好まし
く、0.1〜6重量%が最も好ましい。抗菌剤の添加量
が0.001重量%未満では、各種菌の発生を有効に防
止することができず、10重量%を越えると、増量効果
がなく、経費増となるだけでなく、フィルムの物理強度
やヒートシール適性を低下させるだけでなく、写真感光
材料の写真性に悪影響を及ぼすようになったり、フィル
ム成形性を悪化させる。
【0234】抗菌剤は、有機系抗菌剤と金属系無機抗菌
剤とに大別されるが、有機系抗菌剤として、例えば1,
2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、N−フルオルジ
クロロメチルチオ−フタルイミド、2,3,5,6−テ
トラクロロイソフタロニトリル、N−トリクロロメチル
チオ−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミ
ド、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール〈TB
Z〉、ベンズイミダゾールのカルバミン酸エステル、1
0,10'−オキシビスフェノキシアルシオン、2,3,
5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルフォン)ピリ
ジン、2−ピリジンチオール−1−オキサイド亜鉛、
N,N−ジメチル−N’−(フルオロジクロロメチルチ
オ)−N’−フェニルスルファミド〈ジクロルフルアニ
ド〉等が挙げられるが、これらに制限されるものではな
い。
【0235】金属系無機抗菌剤として、例えば、銀、
銅、錫、亜鉛、鉛、コバルト及びビスマスから選ばれた
1種以上の金属イオンを含有させたゼオライト系抗菌
剤、リン酸ジルコニウム系抗菌剤、チタニア系抗菌剤、
ガラス系抗菌剤、リン酸カルシウム系抗菌剤等が挙げら
れるが、写真性が良好なので特に銀イオンを含有させた
ゼオライト系抗菌剤が好ましい。本発明はこれらに制限
されるものではなく、公知の各種の抗菌剤の中から写真
性が良好で抗菌作用のあるものを選択して使用すること
ができる。これらは蒸散性ではないので効果を長期間持
続させることができ、人体に影響を及ぼすこともない。
また、樹脂や塗料やインキに対して安定に分散すること
ができ、樹脂や塗料やインキの劣化もおこらない。樹脂
や塗料やインキへの抗菌剤の含有量は、その種類により
異なるが、一般的には0.001〜10重量%である。
【0236】然し、写真感光材料に対してはほとんどの
抗菌剤は、写真性に対して多少の悪影響を及ぼすので使
用目的を達成可能な最少量を含有させることが好まし
い。
【0237】本発明の写真感光材料用包装材料の層構成
について図面を参照して説明する。
【0238】図1から図5は、写真感光材料用包装材料
の部分断面図である。
【0239】図1に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含まないポリオレフィン樹脂フィルム層1
(又は遮光性物質を含むポリオレフィン樹脂フィルム層
1a)、遮光性物質を含まない接着剤層2(又は遮光性
物質を含む接着剤層2a)、遮光性物質を含まない剛性
熱可塑性樹脂フィルム層3(又は遮光性物質を含む剛性
熱可塑性樹脂フィルム層3a)、遮光性物質を含まない
接着剤層2(又は遮光性物質を含む接着剤層2a)及び
遮光性物質を含まないエチレン含有ポリオレフィン樹脂
フィルム層4(遮光性物質を含むエチレン含有ポリオレ
フィン樹脂フィルム層4a)を、この順序で積層したも
のである。
【0240】図2に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含まないポリオレフィン樹脂フィルム層1
(又は遮光性物質を含むポリオレフィン樹脂フィルム層
1a)、遮光性物質を含まない接着剤層2(又は遮光性
物質を含む接着剤層2a)、遮光性物質を含まない剛性
熱可塑性樹脂フィルム層3(又は遮光性物質を含む剛性
熱可塑性樹脂フィルム層3a)及び遮光性物質を含まな
いエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4(遮光
性物質を含むエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
層4a)を、この順序で積層したものである。
【0241】図3に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含まないポリオレフィン樹脂フィルム層1
(又は遮光性物質を含むポリオレフィン樹脂フィルム層
1a)、遮光性物質を含まない剛性熱可塑性樹脂フィル
ム層3(又は遮光性物質を含む剛性熱可塑性樹脂フィル
ム層3a)及び遮光性物質を含まないエチレン含有ポリ
オレフィン樹脂フィルム層4(遮光性物質を含むエチレ
ン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4a)を、この順
序で各層を接着剤層を介さずに直接積層したものであ
る。最も好ましいのは3層共押出しフィルムである。
【0242】図4に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含まないポリオレフィン樹脂フィルム層1
(又は遮光性物質を含むポリオレフィン樹脂フィルム層
1a)、遮光性物質を含まない剛性熱可塑性樹脂フィル
ム層3(又は遮光性物質を含む剛性熱可塑性樹脂フィル
ム層3a)、遮光性物質を含まない接着剤層2(又は遮
光性物質を含む接着剤層2a)及び遮光性物質を含まな
いエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4(遮光
性物質を含むエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
層4a)を、この順序で積層したものである。
【0243】図5に示す写真感光材料用包装材料は、遮
光性物質を含まないフレキシブルシート層5(遮光性物
質を含むフレキシブルシート層5a)、遮光性物質を含
まないポリオレフィン樹脂フィルム層1(又は遮光性物
質を含むポリオレフィン樹脂フィルム層1a)、遮光性
物質を含まない接着剤層2(又は遮光性物質を含む接着
剤層2a)、遮光性物質を含まない剛性熱可塑性樹脂フ
ィルム層3(又は遮光性物質を含む剛性熱可塑性樹脂フ
ィルム層3a)、遮光性物質を含まない接着剤層2(又
は遮光性物質を含む接着剤層2a)及び遮光性物質を含
まないエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4
(遮光性物質を含むエチレン含有ポリオレフィン樹脂フ
ィルム層4a)を、この順序で積層したものである。
【0244】なお、以上の例においては、すべての層が
遮光性物質を含まないものとしたが、かっこ内に記載し
たように遮光性物質を含有させてもよく、遮光性物質を
含む層と、遮光性物質を含まない層とを組み合わせて構
成してもよい。例えば、遮光性物質を含むポリオレフィ
ン樹脂フィルム層1a、遮光性物質を含まない接着剤層
2、遮光性物質を含む剛性熱可塑性樹脂フィルム層3
a、遮光性物質を含まない接着剤層2及び遮光性物質を
含むエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4aの
組み合わせ、遮光性物質を含むポリオレフィン樹脂フィ
ルム層1a、遮光性物質を含まない接着剤層2、遮光性
物質を含む剛性熱可塑性樹脂フィルム層3a及び遮光性
物質を含むエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層
4aの組み合わせがある。また、2層以上を共押出した
多層共押出しフィルムとの組み合わせた構成としてもよ
い。経済性、フィルム成形性の点からは多層共押出フィ
ルムとの組み合わせが好ましい。
【0245】また、以上の図1〜5において、図中上側
のポリオレフィン樹脂フィルム層1が、写真感光材料を
包装した際外側になるように位置し、図中下側のエチレ
ン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4が、写真感光材
料を包装した際写真感光材料側になるように位置するも
のである。
【0246】図6は本発明による写真感光材料包装体の
例で、写真フィルムを2本以上収納した集合包装体の斜
視図、図7も本発明による写真感光材料包装体の例で、
写真フィルムを2本以上収納した集合包装体の他の斜視
図である。これらの図において、包装袋11が本発明の
写真感光材料用包装材料で形成されている。
【0247】写真フィルムは、従来の135タイプや新
写真システム(略号APS)タイプの写真フィルムパト
ローネ入形態でも写真フィルムパトローネをさらにプラ
スチック容器で密封包装した形態であってもよいが、圧
縮や外部からの衝撃及び落下時の保護の点からプラスチ
ック容器で密封包装した形態が好ましい。必要によって
は、このプラスチック容器をさらにオリジナルシール性
を有する印刷付き化粧小箱で包装した形態であってもよ
い。
【0248】図8は本発明による写真感光材包装体の例
で、シート状写真感光材料を収納したの包装体の平面図
であり、包装袋22が本発明の写真感光材料用包装材料
で形成されている。図9も本発明による写真感光材料包
装体の例で、シート状写真感光材料を収納した包装体の
平面図であり、包装袋23が本発明の写真感光材料用包
装材料で形成されている。
【0249】図10は本発明による写真感光材料包装体
の例で、レンズ付き写真フィルムユニットを収納した包
装体の斜視図であり、包装袋24が本発明の写真感光材
料用包装材料で形成されている。
【0250】図11も本発明による写真感光材料包装体
の例で、レンズ付き写真フィルムユニットの包装体の斜
視図であり、包装袋25が本発明の写真感光材料用包装
材料で形成されている。
【0251】
【実施例】[本発明品A]図1に相当する層構成の写真
感光材料用包装材料である。
【0252】<ポリオレフィン樹脂フィルム層1>ブテ
ン−1含有量が0.3モル%のエチレン−ブテン−1共
重合体樹脂(MFR0.3g/10分、密度0.955g
/cm3)84.55重量%、ホモポリエチレン樹脂(M
FR2g/10分、密度0.923g/cm3)10重量
%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、数平均分子
量が2,500の低分子量ポリエチレン樹脂5重量%、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05重量%、ハ
イドロタルサイト類化合物{1重量%のステアリン酸で
表面処理したMg0.50Zn0.16Al0.34(OH)2(C
30.17・0.05H2O構造の物}0.2重量%から
なる樹脂組成物で形成されている。厚さは40μmであ
る。
【0253】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層である。上述した接着剤層を、表
4及び6においては、「※A−2」と表示する。
【0254】<剛性熱可塑性樹脂フィルム層3>縦方向
のヤング率が780kg/mm2、 横方向のヤング率が
650kg/mm2、縦方向の5%伸張時の応力が16
kg/mm2、95℃におけるtanδが1.15、1
20℃、30分熱処理時の熱収縮率が縦方向が0.10
%、横方向が0.05%、カール回復性が97%の特性
を有する2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレング
リコールとから縮合重合して製造したポリエチレン−
2,6−ナフタレート樹脂100重量部に対して、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、平均
分子量が15,000のポリエチレンオキシド1.5重
量部、合成シリカ1.0重量部含むポリエチレン−2,
6−ナフタレート樹脂フィルム層である。厚さは10μ
mである。上述した剛性熱可塑性樹脂フィルム層を表4
及び6においては、「※A−3」と表示する。
【0255】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層である。上述した接着剤層を、表
4及び6においては、「※A−2」と表示する。
【0256】<エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィル
ム層4>メタロセン重合触媒を用いて重合製造した気相
重合法のエチレン・ヘキセン−1共重合体樹脂(MFR
4g/10分、密度0.910g/cm3)93重量部と
高圧法ラジカル重合法のホモポリエチレン樹脂(MFR
2.0g/10分、密度0.920g/cm3)7重量部
からなるポリオレフィン樹脂100重量部に対して、防
曇剤としてグリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、滑
剤としてステアリン酸カルシウム0.1重量部とエルカ
酸アミド0.05重量部、ブロッキング防止剤として合
成シリカ0.1重量部、帯電防止剤として非イオン性界
面活性剤(花王KK製,エレクトロストリッパーTS−
7B)1重量部を含むポリオレフィン樹脂フィルム層で
ある。厚さは40μmである。
【0257】[本発明品B]本発明品Bは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、厚さ12μmの二軸延伸ポリエ
チレン・テレフタレート樹脂フィルム(表4において
は、「※B−3」と表示する)とした他は、本発明品A
と同一である。
【0258】[本発明品C]本発明品Cは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、厚さ25μmの二軸延伸ポリプ
ロピレン樹脂フィルム(表4においては、「※C−3」
と表示する)とした他は、本発明品Aと同一である。
【0259】[本発明品D]本発明品Dは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、厚さ15μmの二軸延伸ナイロ
ン−6樹脂フィルム(表4においては、「※D−3」と
表示する)とした他は、本発明品Aと同一である。
【0260】[本発明品E]本発明品Eは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、厚さ25μmの縦一軸延伸高密
度ポリエチレン樹脂フィルム(表4においては、「※E
−3」と表示する)とした他は、本発明品Aと同一であ
る。
【0261】[本発明品F]本発明品Fは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、本発明品Aの二軸延伸ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート樹脂フィルムに、一酸化ケ
イ素(SiO)層(厚さ600Å)を物理蒸着したフィ
ルム(表4においては、「※F−3」と表示する)とし
た他は、本発明品Aと同一である。
【0262】[本発明品G]本発明品Gは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、本発明品Bの二軸延伸ポリエチ
レン・テレフタレート樹脂フィルムに、一酸化ケイ素
(SiO)層(厚さ600Å)を物理蒸着したフィルム(表
4においては、「※G−3」と表示する)とした他は、
本発明品Aと同一である。
【0263】[本発明品H]本発明品Hは、剛性熱可塑
性樹脂フィルム層3を、本発明品Cの二軸延伸ポリプロ
ピレン樹脂フィルムに、一酸化ケイ素(SiO)層(厚
さ600Å)を物理蒸着したフィルム(表4において
は、「※H−3」と表示する)とした他は、本発明品A
と同一である。
【0264】[比較品A]比較品Aは、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、本発明品Bの二軸
延伸ポリエチレン・テレフタレート樹脂フィルム(厚さ
12μm)に、アルミニウム真空蒸着層を加工したアル
ミニウム真空蒸着加工フィルム(表4及び6において
は、「※A'−3」と表示する)を用い、ポリオレフィン
樹脂フィルム層1に相当する層として、晒しクラフト紙
(坪量30g/m2)を用いた他は、本発明品Aと同一で
ある。
【0265】[比較品B]比較品Bは、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、無延伸ポリプロピ
レン樹脂フィルム(厚さ25μm)に、アルミニウム真
空蒸着層を加工したアルミニウム真空蒸着加工フィルム
(表4及び6においては、「※B'−3」と表示する)を
用い、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4に
相当する層として、低密度ホモポリエチレン樹脂(日本
ユニカー製、MFR:2.4g/10分、密度:0.92
3g/mm3−DFD 0111)で形成した低密度ホ
モポリエチレン樹脂フィルムを用いた他は、本発明品A
と同一である。
【0266】[比較品C]比較品Cは、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、本発明品Cの二軸
延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(厚さ25μm)に塩
化ビニリデンコートを施したフィルム(一般には、KO
Pフィルムと呼ばれている)(表4及び6においては、
「※C'−3」と表示する)を用い、エチレン含有ポリオ
レフィン樹脂フィルム層4に相当する層として、比較品
Bと同一の低密度ホモポリエチレン樹脂フィルムを用い
た他は、本発明品Aと同一である。
【0267】[比較品D]比較品Dは、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、軟質アルミニウム
箔(厚さ7μm)(表4及び6においては、「※D'−
3」と表示する)を用い、ポリオレフィン樹脂フィルム
層1に相当する層として、晒しクラフト紙(坪量30g
/m2)を用いた他は、本発明品Aと同一である。
【0268】[比較品E]比較品Eは、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、無延伸ポリプロピ
レン樹脂フィルム(表4及び6においては、「※E'−
3」と表示する)を用い、ポリオレフィン樹脂フィルム
層1に相当する層として、二軸延伸PETフィルム(厚
さ12μm)を用いた他は、本発明品Aと同一である。
【0269】なお、本発明品A〜H及び比較品A〜Eの
剛性熱可塑性樹脂フィルム層3の物理特性を表3に示
す。
【0270】
【表3】
【0271】本発明品A〜H及び比較品A〜Eの層構成
及び各種試験結果を表4及び5に示す。
【0272】
【表4】
【0273】
【表5】
【0274】表中の評価は下記による。 ◎…非常に優れている ○…優れている ●…実用限度 ▲…実用困難、改良必要 ×…実用不可
【0275】表中の試験方法は下記による。 <写真性>各写真感光材料用包装材料を用いて作成した
防湿・遮光袋にカラー印画紙を四方ヒートシール方法に
より密封包装後、温度40℃、相対湿度80%の恒温・
恒湿室に3日間放置した後、通常の現像処理を行った時
のタイプ(ブランク)とのカブリ、感度、階調、発色等
の写真性変化の大きさより評価した。 <密封性>各写真感光材料用包装材料で四方シール平袋
を作成した時のヒートシール強度と、20±2℃、60
±5%RHの恒温・恒湿室に6ヶ月放置後のヒートシー
ル強度の低下程度により評価した。 <無塵性>写真感光材料用包装材料の表面における発塵
及び塵の付着の状態を目視により観察し評価した。 <廃棄適性>焼却時の有害ガス発生程度及び容器包装リ
サイクル法への適合性より評価した。 <カール防止性>各写真感光材料用包装材料で直径10
0mの円形のカーリング測定用試験サンプルを作製し、
温度20℃、湿度60%RHの雰囲気中で1kgの荷重
金属板下に24時間放置した後、上記条件の雰囲気中に
円形の試験サンプルを1枚ごと無荷重で平板上に24時
間放置した後のカーリングの状態で評価した。 <透視性>線の太さ0.5mm、間隙2mmの平行線を
白紙に描いた透明度検査図用紙と目の間に写真感光材料
用包装材料を置き目から遠ざけてゆき、透明度検査図用
紙の平行線が見えなくなる距離で評価した。 <紫外線遮断性>可視紫外分光度計により紫外線(10
0〜400nmの電磁波)の透過率を測定して評価した
(一例として、図12にPET樹脂フィルムとPEN樹
脂フィルムの紫外線遮断性を示す。この図よりPEN樹
脂フィルムは紫外線遮断性が優れていることが明らかで
ある)。 <帯電防止性>写真感光材料用包装材料で巾35mm、
長さ1350mmのエンドレスベルトを作り、このエン
ドレスベルトを荷重500gのSUS(ステンレス)ロ
ールとSUSロール間に12m/分の速度で送った時の
ハクリ帯電圧をボルトメーターで測定した(新東科学K
K製測定器)。 <防曇性>低温倉庫(15℃)から30℃,80%RH
の温湿度条件に急激に変化させた時の包装材料の表面に
細かい水滴が付着し、光の透過を妨げる現象の発生程度
により評価した。 <物理強度>各写真感光材料用包装材料の引裂き強度、
衝撃穴あけ強度より評価した。
【0276】上記本発明品A〜H及び比較品A〜Eに関
しては、包装体の中身が透視可能又は表面印刷をしなく
とも印刷が透視可能な層構成の写真感光材料用包装材料
(トラベルパック包装体、レンズ付きフィルムユニット
包装体、インスタントフィルムユニット包装体等に用い
られている印刷付き防湿・密封袋)に用いられる(図
6、7、10、11参照)。
【0277】また、剛性熱可塑性樹脂フィルム層とし
て、厚さ25μmの二軸延伸ポリアクリロニトリル樹脂
フィルム(縦ヤング率:306kg/mm2、横ヤング
率:242kg/mm2、縦抗張力:8kg/mm2、横
抗張力:8kg/mm2、縦破断伸び:73%、横破断伸
び:75%、ヘイズ:3.4%、透湿度:7g/m2・2
4時間・atm、酸素透過率:12cc/m2・24時
間・atm)を用いた他は、本発明品Aと同一にしたも
のも、本発明品Aより劣るが、酸素透過度が最も小さ
く、酸素に劣化しやすい色素(増感色素やフィルター色
素等)やカプラ(シアン、マゼンタ、イエロー)を含む
写真感光材料の品質を長期間良好に維持できる点では最
も優れていた。
【0278】[本発明品1]図1に相当する層構成(但
し、ポリオレフィン樹脂フィルム層及びエチレン含有ポ
リオレフィン樹脂フィルム層は、遮光性物質が含有され
ている)の写真感光材料用包装材料である。
【0279】<ポリオレフィン樹脂フィルム層1a>ブ
テン−1含有量が0.3モル%のエチレン−ブテン−1
共重合体樹脂(MFR0.3g/10分、密度0.955
g/cm3)84.55重量%、ホモポリエチレン樹脂
(MFR2g/10分、密度0.923g/cm3)10
重量%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、数平均
分子量が2,500の低分子量ポリエチレン樹脂5重量
%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05重量
%、ハイドロタルサイト類化合物{1重量%のステアリ
ン酸で表面処理したMg0.50Zn0.16Al0.34(OH)
2(CO30.17・0.05H2O構造の物}0.2重量%
からなる樹脂組成物(本発明品Aのエチレン含有ポリオ
レフィン樹脂フィルム層に使用された樹脂組成物と同
一)100重量部に対し、ルチル型酸化チタン7重量部
を含有させた白色のポリオレフィン樹脂フィルムであ
る。厚さは40μmである。
【0280】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層(本発明品Aの接着剤層と同一)
である。
【0281】<剛性熱可塑性樹脂フィルム層3>縦方向
のヤング率が780kg/mm2、 横方向のヤング率が
650kg/mm2、縦方向の5%伸張時の応力が16
kg/mm2、95℃におけるtanδが1.15、1
20℃、30分熱処理時の熱収縮率が縦方向が0.10
%、横方向が0.05%、カール回復性が97%の特性
を有する2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレング
リコールとから縮合重合して製造したポリエチレン−
2,6−ナフタレート樹脂100重量部に対して、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、平均
分子量が15,000のポリエチレンオキシド1.5重
量部、合成シリカ1.0重量部含むポリエチレン−2,
6−ナフタレート樹脂フィルム層(本発明品Aと同一)
である。厚さは10μmである。
【0282】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層(本発明品Aの接着剤層と同一)
である。
【0283】<エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィル
ム層4a>メタロセン重合触媒を用いて重合製造した気
相重合法のエチレン−ヘキセン−1共重合体樹脂(MF
R4g/10分、密度0.910g/cm3)93重量部
と高圧法ラジカル重合法のホモポリエチレン樹脂(MF
R2.0g/10分、密度0.920g/cm3)7重量
部からなるポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
防曇剤としてグリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、
滑剤としてステアリン酸カルシウム0.1重量部とエル
カ酸アミド0.05重量部、ブロッキング防止剤として
合成シリカ0.1重量部、帯電防止剤として非イオン性
界面活性剤(花王KK製,エレクトロストリッパーTS
−7B)1重量部、カーボンブラック5重量部を含有さ
せた黒色のエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルムで
ある。厚さは40μmである。
【0284】[本発明品2]本発明品2は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を5重量部に変更し、エ
チレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4aにおい
て、ファーネスカーボンブラックの含有量5重量部を3
重量部に変更した他は、本発明品1と同一である。
【0285】[本発明品3]本発明品3は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を5重量部に変更すると
ともにタルクを10重量部含有させ、エチレン含有ポリ
オレフィン樹脂フィルム層4aにおいて、ファーネスカ
ーボンブラックの含有量5重量部を3重量部に変更した
他は、本発明品1と同一である。
【0286】[本発明品4]本発明品4は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を5重量部に変更すると
ともにマイカを10重量部含有させ、エチレン含有ポリ
オレフィン樹脂フィルム層4aにおいて、ファーネスカ
ーボンブラックの含有量5重量部を3重量部に変更した
他は、本発明品1と同一である。
【0287】[本発明品5]本発明品5は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を10重量部に変更する
とともにタルクを10重量部合計2種類の遮光性物質を
含有させ、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層
4aにおいて、ファーネスカーボンブラックの含有量5
重量部を3重量部に変更するとともに、ルチル型酸化チ
タンを5重量部、タルクを5重量部合計3種類の遮光性
物質を含有させた他は、本発明品1と同一である。
【0288】[本発明品6]本発明品6は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を5重量部に変更すると
ともにタルクを20重量部合計2種類の遮光性物質を含
有させ、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4
aにおいて、ファーネスカーボンブラックの含有量5重
量部を3重量部に変更した他は、本発明品1と同一であ
る。
【0289】[本発明品7]本発明品7は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を10重量部に変更する
とともにタルクを10重量部合計2種類の遮光性物質を
含有させ、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層
4aにおいて、ファーネスカーボンブラックの5重量部
の替わりにアセチレンカーボンブラックを20重量部含
有させた他は、本発明品1と同一である。
【0290】[本発明品8]本発明品8は、本発明品1
のポリオレフィン樹脂フィルム層1aにおいて、ルチル
型酸化チタンの含有量7重量部を10重量部に変更する
とともにタルクを10重量部合計2種類の遮光性物質を
含有させ、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層
4aにおいて、ファーネスカーボンブラックの5重量部
の替わりにルチル型酸化チタンを5重量部、エチレンア
クリル酸共重合体ワックスカルシウム塩を20重量部及
びアセチレンカーボンブラックを20重量部合計2種類
の遮光性物質を含有させた他は、本発明品1と同一であ
る。
【0291】[比較品1]比較品1は、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、二軸延伸ポリエチ
レン・テレフタレート樹脂フィルム(比較品Aと同一、
「※A'−3」)(厚さ12μm)を用い、ポリオレフィ
ン樹脂フィルム層1に相当する層として、晒しクラフト
紙(坪量30g/m2)を用いた他は、本発明品2と同
一である。
【0292】[比較品2]比較品2は、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、軟質アルミニウム
箔(比較品Aと同一、「※D'−3」)(厚さ7μm)を用
い、エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層4に相
当する層として、低密度ホモポリエチレン樹脂(日本ユ
ニカー製、MFR:2.4g/10分、密度:0.923
g/cm3、商品名:DFD 0111)100重量部
に対してアセチレンカーボンブラック20重量部含有し
た樹脂組成物で形成した低密度ホモポリエチレン樹脂フ
ィルムを用いた他は、本発明品1と同一である。
【0293】[比較品3]比較品3は、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、本発明品Cの二軸
延伸ポリプロピレン樹脂フィルム(厚さ25μm)に塩
化ビニリデンコートを施したフィルム(一般には、KO
Pフィルムと呼ばれている)(比較品Cと同一、「※
C'−3」)を用い、エチレン含有ポリオレフィン樹脂
フィルム層4に相当する層として、低密度ホモポリエチ
レン樹脂(日本ユニカー製、MFR:2.4g/10
分、密度:0.923g/cm3、商品名:DFD 011
1)100重量部に対してアセチレンカーボンブラック
20重量部含有した樹脂組成物で形成した低密度ホモポ
リエチレン樹脂フィルムを用いた他は、本発明品1と同
一である。
【0294】[比較品4]比較品4は、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、軟質アルミニウム
箔(比較品Dと同一、「※D'−3」)(厚さ7μm)を
用い、ポリオレフィン樹脂フィルム層1に相当する層と
して、晒しクラフト紙(坪量30g/m2)を用いた他
は、本発明品1と同一である。
【0295】[比較品5]比較品5は、剛性熱可塑性樹
脂フィルム層3に相当する層として、無延伸ポリプロピ
レン樹脂フィルム(比較品Eと同一、「※E'−3」)
(厚さ25μm)を用い、ポリオレフィン樹脂フィルム
層1に相当する層として、二軸延伸PETフィルム(厚
さ12μm)を用いた他は、本発明品1と同一である。
【0296】上記写真感光材料用包装材料の層構成を表
6に、その結果を表7に示す。
【0297】
【表6】
【0298】
【表7】
【0299】<写真性>各写真感光材料用包装材料を用
いて作成した防湿・遮光袋にカラー印画紙を四方ヒート
シール方法により密封包装後、温度40℃、相対湿度8
0%の恒温・恒湿室に3日間放置した後、通常の現像処
理を行った時のタイプ(ブランク)とのカブリ、感度、
階調、発色等の写真性変化の大きさより評価した。 <遮光性>各写真感光材料用包装材料で作成した袋に、
ISO感度100の写真フィルムを密封包装後、8万ル
クス(Lux)の光に1時間さらした後に現像処理し、
遮光能力を写真フィルムの光カブリの程度により評価し
た。 <密封性>各写真感光材料用包装材料で四方シール平袋
を作成した時のヒートシール強度と、20±2℃、60
±5%RHの恒温・恒湿室に6ヶ月放置後のヒートシー
ル強度の低下程度により評価した。 <無塵性>写真感光材料用包装材料の表面における発塵
及び塵の付着の状態を目視により観察し評価した。 <廃棄適性>焼却時の有害ガス発生程度及び容器包装リ
サイクル法への適合性より評価した。 <カール防止性>各写真感光材料用包装材料で直径10
0mの円形のカーリング測定用試験サンプルを作製し、
温度20℃、湿度60%RHの雰囲気中で1kgの荷重
金属板下に24時間放置した後、上記条件の雰囲気中に
円形の試験サンプルを1枚ごと無荷重で平板上に24時
間放置した後のカーリングの状態で評価した。 <ミクログリッド、ブツ発生性>各写真感光材料用包装
材料の表面に発生しているブツ(異物状の固まり)の数
から評価した。 <帯電防止性>写真感光材料用包装材料で巾35mm、
長さ1350mmのエンドレスベルトを作り、このエン
ドレスベルトを荷重500gのSUS(ステンレス)ロ
ールとSUSロール間に12m/分の速度で送った時の
ハクリ帯電圧をボルトメーターで測定した(新東科学K
K製測定器)。 <防滴性>各写真感光材料用包装材料の表面に発生した
露付きの状態を目視により観察し評価した。 <物理強度>各写真感光材料用包装材料の引裂き強度、
衝撃穴あけ強度より評価した。 <印刷適性>印刷の色、印刷精度、写真性、寸法精度、
外観、印刷色等により評価した。 <防熱性>8万ルクス(Lux)のキセノンランプ下に
1時間放置した時の包装材料の表面温度より評価した。
表面温度の上昇程度が小さい程優れていることになる。
【0300】表7の結果から、本発明品1〜8の各種特
性が比較品1〜5より優れていることが明らかである。
【0301】以上の本発明品A〜H及び本発明品1〜8
において、ヤング率が非常に大きく、物理強度や耐熱性
が優れ、紫外線吸収性が大きいポリエチレン−2,6−
ナフタレート樹脂フィルムを、縦方向のヤング率が14
0kg/mm2 以上の剛性熱可塑性樹脂フィルム層とし
て用いたので、カールが少なく、衝撃穴あけ強度が大き
く、遮光能力が大きく、耐熱性が優れている。また、メ
タロセン触媒を用いて重合製造したL−LDPE樹脂を
主成分とするエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
層を用いたので、写真性が良好で、ヒートシール性が優
れ、物理強度が大きく、密封・防湿性の優れた写真感光
材料包装体を、高価で物理強度を低下させるアルミニウ
ム箔等の金属箔やアルミニウム蒸着膜等の焼却適性に欠
ける防湿シートを用いることなくオール熱可塑性樹脂の
みで構成可能になった。
【0302】ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂
フィルムを用いると、従来のポリエチレン・テレフタレ
ート樹脂フィルムに比較してヤング率や耐熱性等が優
れ、特に写真感光材料用包装材料として必須の遮光性確
保に関係した紫外線遮断性が向上(透明フィルムの場合
でも遮光性を有する)することが判明し、各種熱可塑性
樹脂フィルム中で本発明の縦方向のヤング率が140k
g/mm2 以上の熱可塑性樹脂フィルム層3として最も
優れており、使用することが最も好ましいことが判明し
た。
【0303】[本発明品9]図5に相当する層構成の写
真感光材料用包装材料である。
【0304】<フレキシブルシート層>縦方向のヤング
率が780kg/mm2、 横方向のヤング率が650k
g/mm2、縦方向の5%伸張時の応力が16kg/m
2、95℃におけるtanδが1.15、120℃、
30分熱処理時の熱収縮率が縦方向が0.10%、横方
向が0.05%、カール回復性が97%の特性を有する
2・6−ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコール
とから縮合重合して製造したポリエチレン−2,6−ナ
フタレート樹脂100重量部に対して、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5重量部、平均分子量が1
5,000のポリエチレンオキシド1.5重量部、合成
シリカ1.0重量部含む厚さ10μmのポリエチレン−
2,6−ナフタレート樹脂フィルム層である。
【0305】<ポリオレフィン樹脂フィルム層1a>ブ
テン−1含有量が0.3モル%のエチレン−ブテン−1
共重合体樹脂(MFR0.3g/10分、密度0.955
g/cm3)84.55重量%、ホモポリエチレン樹脂
(MFR2g/10分、密度0.923g/cm3)10
重量%、ステアリン酸カルシウム0.2重量%、数平均
分子量が2,500の低分子量ポリエチレン樹脂5重量
%、ヒンダードフェノール系酸化防止剤0.05重量
%、ハイドロタルサイト類化合物{1重量%のステアリ
ン酸で表面処理したMg0.50Zn0.16Al0.34(OH)
2(CO30.17・0.05H2O構造の物}0.2重量%
からなる樹脂組成物(本発明品Aのエチレン含有ポリオ
レフィン樹脂フィルム層に使用された樹脂組成物と同
一)100重量部に対し、ルチル型酸化チタン7重量部
を含有させた白色のポリオレフィン樹脂フィルム(本発
明品1のポリオレフィン樹脂フィルム層と同一)であ
る。厚さは40μmである。
【0306】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層(本発明品Aの接着剤層と同一)
である。
【0307】<剛性熱可塑性樹脂フィルム層>縦方向の
ヤング率が225kg/mm2、 横方向のヤング率が4
38kg/mm2、120℃、30分熱処理時の熱収縮
率が縦方向が1.6%、横方向が3.1%のMFRが
3.1g/10分、アイソタクチックペンタッド分率が
0.98のホモポリプロピレン樹脂100重量部に対し
て、プロピレン含有量が25重量%のMFRが7g/1
0分のエチレン・プロピレン共重合体樹脂7重量部、酸
化防止剤としてヒンダードフェノール系酸化防止剤を
0.1重量部、滑剤としてステアリン酸カルシウム0.
15重量部、ブロッキング防止剤及びホルマリン吸着剤
(写真性改良剤)として合成ゼオライトを0.1重量部
配合したポリプロピレン樹脂組成物を用い、縦方向に4
倍、横方向に8倍逐次2軸延伸したホモポリプロピレン
系樹脂フィルム層である。厚さは20μmである。
【0308】<接着剤層2>ブテン−1含有量が2.0
モル%のエチレン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂
(MFR1.1g/10分、密度0.930g/cm3
99.6重量%に、溶融状態で無水マレイン酸を0.4
重量%グラフトした無水マレイン酸グラフト変性エチレ
ン・ブテン−1ランダム共重合体樹脂(MFR1.0g
/10分、密度0.930g/cm3)を樹脂温度300
℃で溶融して形成した厚さ15μmのエクストルージョ
ンラミネート接着剤層(本発明品Aの接着剤層と同一)
である。
【0309】<エチレン含有ポリオレフィン樹脂フィル
ム層1a>メタロセン重合触媒を用いて重合製造した気
相重合法のエチレン−ヘキセン−1共重合体樹脂(MF
R4g/10分、密度0.910g/cm3)93重量部
と高圧法ラジカル重合法のホモポリエチレン樹脂(MF
R2.0g/10分、密度0.920g/cm3)7重量
部からなるポリオレフィン樹脂100重量部に対して、
防曇剤としてグリセリン脂肪酸エステル0.5重量部、
滑剤としてステアリン酸カルシウム0.1重量部とエル
カ酸アミド0.05重量部、ブロッキング防止剤として
合成シリカ0.1重量部、帯電防止剤として非イオン性
界面活性剤(花王KK製,エレクトロストリッパーTS
−7B)1重量部を含む樹脂組成物(本発明品Aのエチ
レン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層と同一)100
重量部に対し、カーボンブラック5重量部を含有させた
黒色のエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルムであ
る。厚さは40μmである。
【0310】本発明品9は、本発明品1より防湿性、ガ
スバリヤ性、物理特性、カール防止性等が優れていた。
【0311】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に記載する効果を有する。 i)優れた安定した品質の包装材料を常に提供できる
(写真性が良好で無塵性、防湿性、酸素バリヤ性、防水
性、帯電防止性、物理強度、密封・遮光性等、写真感光
材料用包装材料として必要な特性を確保できる)。 ii)密封性が非常に優れている(耐ピンホール性、衝撃
穴あけ強度、ヒートシール適性が非常に優れている)。 iii)カールが少なく、製袋適性が優れている。 iv)無塵性であり、写真感光材料に塵やゴミの付着が発
生しない。 v)リサイクル適性、焼却適性を有しながら防湿、酸素
バリヤ性、防水性が優れている。 vi)遮光性が非常に優れている。 vii)物理強度が非常に優れている。 viii)写真感光材料に悪影響を及ぼさない安定なエチレ
ン含有ポリオレフィン樹脂フィルム層を最内層及び最外
層に配置したので、写真感光材料の有効期間中(1.5
年以上の長期間)は常に写真性能を良好に維持確保でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の写真感光材料用包装材料の層構成を
示す部分断面図である。
【図2】 本発明の写真感光材料用包装材料の層構成を
示す他の部分断面図である。
【図3】 本発明の写真感光材料用包装材料の層構成を
示す他の部分断面図である。
【図4】 本発明の写真感光材料用包装材料の層構成を
示す他の部分断面図である。
【図5】 本発明の写真感光材料用包装材料の層構成を
示す他の部分断面図である。
【図6】 本発明の写真感光材料包装体である写真フイ
ルムの2本以上の集合包装体用包装袋収納した例の斜視
図である。
【図7】 本発明の写真感光材料包装体である写真フイ
ルムの2本以上の集合包装体用包装袋収納した他の例の
斜視図である。
【図8】 本発明の写真感光材料包装体であるシート状
写真感光材料を収納した例の斜視図である。
【図9】 本発明の写真感光材料包装体であるシート状
写真感光材料を収納した他の例の斜視図である。
【図10】 本発明の写真感光材料体であるレンズ付写
真フイルムユニットを収納した例の斜視図である。
【図11】 本発明の写真感光材料体であるレンズ付写
真フイルムユニットを収納した他の例の斜視図である。
【図12】 紫外線遮断能力を示す図である。
【符号の説明】
1(1a)…ポリオレフィン樹脂フィルム層 2(2a)…接着剤層 3(3a)…縦ヤング率が140kg/mm2以上の剛性
熱可塑性樹脂フィルム層 4(4a)…エチレン共重合体樹脂を含有するエチレン
含有ポリオレフィン樹脂フィルム層 5(5a)…フレキシブルシート層 a…遮光性を有することを示す

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂フィルム層、縦方向
    のヤング率(ASTM D 882)が140kg/mm2
    以上の剛性熱可塑性樹脂フィルム層及びエチレン共重合
    体樹脂を含有するエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィ
    ルム層の順序で積層されていることを特徴とする写真感
    光材料用包装材料。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィン樹脂フィルム層と縦
    方向のヤング率(ASTM D 882)が140kg/
    mm2以上の剛性熱可塑性樹脂フィルム層及び縦方向の
    ヤング率(ASTM D 882)が140kg/mm2
    上の剛性熱可塑性樹脂フィルム層とエチレン共重合体樹
    脂を含有するエチレン含有ポリオレフィン樹脂フィルム
    層との一方又は両方が接着剤層で積層されている請求項
    1に記載の写真感光材料用包装材料。
  3. 【請求項3】 前記剛性熱可塑性樹脂フィルム層が、ポ
    リエチレン−2,6−ナフタレート樹脂を主成分として
    形成されている請求項1又は2に記載の写真感光材料用
    包装材料。
  4. 【請求項4】 前記エチレン含有ポリオレフィン樹脂フ
    ィルム層が、メタセロン触媒を用いて重合製造されたL
    −LDPE樹脂を主成分として形成されている請求項
    1、2又は3に記載の写真感光材料用包装材料。
  5. 【請求項5】 請求項1、2、3又は4の写真感光材料
    用包装材料を使用し、エチレン含有ポリオレフィン樹脂
    フィルム層同士をヒートシール法により溶着密封して作
    製した透湿度(JIS Z 0208の条件B)が5g/
    2・24時間以下の防湿袋に写真感光材料を密封包装
    した写真感光材料包装体。
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CN113607708A (zh) * 2021-08-06 2021-11-05 常州罗盘星检测科技有限公司 负载荧光指示剂制备溶解氧传感器氧敏感膜的方法及应用

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