JP2001305337A - 光学フィルタおよびその光学フィルタの製造方法 - Google Patents

光学フィルタおよびその光学フィルタの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品用基板上に成膜される膜の光学膜厚を正
確に制御し、正確な光学膜厚の光フィルタを製造する。 【解決手段】 モニタ基板2上に成膜される膜の光学膜
厚と、この膜の反射率との関係データを膜物質ごとに予
め求めて膜厚制御データとする。成膜エリア7内に製品
用基板3とモニタ基板2とをそれぞれ配置してこれらの
基板上に同時に膜を成膜したときに、モニタ基板2上に
成膜される膜の光学膜厚と製品用基板3上に成膜される
膜の光学膜厚とのずれ量を補正する補正係数のデータを
モニタ光の波長に対応させて膜物質ごとに予め求めて膜
厚補正係数データとする。製品用基板3上に製品用膜を
成膜するときにモニタ基板2上にも同時に成膜してモニ
タ基板2上の膜の反射率を測定し、この測定値が前記膜
厚補正係数データにより補正された光学膜厚に対応する
前記膜厚制御データの反射率となったら、成膜を停止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信等に用いら
れる光学フィルタおよびその光学フィルタの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフィルタに入射される光のうち、
予め定められた設定波長帯の光のみを通過する波長選択
透過フィルタ(バンドパスフィルタ)等の光学フィルタ
が光通信用として広く用いられている。
【0003】この種の光学フィルタを作成する方法とし
て、例えば基板上に真空蒸着法やスパッタリング法等に
よりフィルタ膜を成膜する成膜法が用いられている。こ
れらの成膜法における膜厚制御は、基板上に成膜される
膜の光学膜厚の光学式膜厚計による膜厚測定結果に基づ
いて行われている。
【0004】図1には、上記光学式膜厚計11を備えた
成膜装置としての真空蒸着装置の一例が概略図により示
されている。同図において、装置内には、真空蒸着法の
成膜エリア7内のドーム状基板ホルダ9上の複数の開通
孔に取り付けられた基板支持部材10に、モニタ基板2
と製品用基板3がそれぞれ配置されており、基板ホルダ
9の下部側に蒸発源4が配置されている。なお、同図に
おいて、成膜エリア7内は断面図により示されている。
【0005】また、装置には、図示されていない操作部
が設けられており、この操作部の操作によって装置を駆
動させると、蒸発源4から蒸発した物質がモニタ基板2
上と製品用基板3上に付着し、同じ膜物質の膜(薄膜)
1が成膜される構成と成している。そして、例えば1つ
の膜1の成膜後に蒸発源4の物質を交換して成膜を行な
うことにより、互いに異なる膜物質の膜1を積層した光
学フィルタが製造される。
【0006】光学式膜厚計11は、モニタ光を発する光
源5と、モニタ光の反射率と透過率の少なくとも一方の
モニタ特性を測定する測定装置6とを有している。な
お、同図に設けられている測定装置6は、モニタ光の反
射率(エネルギー反射率)を測定する装置と成してい
る。また、光学式膜厚計11には光結合手段8が設けら
れており、この光結合手段8は、光源5と測定装置6と
の間に設けられて、光源5から発するモニタ光をモニタ
基板2に照射させ、モニタ基板2からの反射光を測定装
置6に結合する機能を有している。
【0007】この光学式膜厚計11において、光源5か
らモニタ基板2にモニタ光を照射すると、モニタ基板2
上に成膜される膜の膜厚増加に伴って、モニタ光の光エ
ネルギー反射率(あるいは光エネルギー透過率)が変化
し、このモニタ光の光エネルギー反射率(あるいは光エ
ネルギー透過率)は測定装置6により測定される。
【0008】一方、光エネルギー反射率(あるいは光エ
ネルギー透過率)と膜厚との関係は、計算により求める
ことができる。例えば、図5に示すように、屈折率がn
の媒質中で屈折率nの基板上に屈折率nの膜を物
理膜厚dだけ成膜する場合に、上記光エネルギー反射率
Rは、多重反射および干渉を考慮して、(数1)により
表わされる。なお、(数1)において、δは、入射光
(モニタ光)の波長をλとして(数2)により与えられ
るものである。
【0009】
【数1】
【0010】
【数2】
【0011】また、(数1)においては、成膜される基
板の裏面からの反射を考慮していないが、基板が両面研
磨してある場合には、成膜される基板の裏面からの反射
も考慮する必要がある。成膜される基板の裏面からの光
エネルギー反射率をRとすると、この値Rは(数
3)により表わされ、したがって、この成膜される基板
の裏面からのエネルギー反射率を考慮した光エネルギー
反射率R’は、(数4)により表わされる。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】バンドパスフィルタ等の光学フィルタを形
成する基板は、一般に、両面研磨されているので、(数
1)〜(数4)に基づいて、光エネルギー反射率R’と
光学膜厚(例えばnd)の関係を求めることができ
る。以下においては光エネルギ反射率とは光エネルギー
反射率R’のことを言うものとする。
【0015】なお、実際の成膜では、モニタ光の波長
(モニタ波長)を固定して、成膜される膜1の光学膜厚
と光エネルギー反射率R’との関係データを、成膜する
膜1の屈折率nに対応させて例えばグラフデータによ
り予め求めておき、膜厚制御データとする。そして、実
際に、図1に示した真空蒸着装置によって製品用基板3
に膜を成膜する際に、光学式膜厚計11により測定され
るモニタ基板2上の膜形成に伴う前記光エネルギー反射
率R’の変化率と前記膜厚制御データとを逐次比較する
ことにより、成膜する膜1の膜厚を制御することができ
る。
【0016】また、周知の如く、光学フィルタを製造す
るために成膜されるそれぞれの膜1の光学膜厚は、中心
波長と呼ばれる膜厚設計用に定めた基準波長に予め定め
た設定倍数を乗じた値に設計されるものであり、多くの
光学フィルタにおいては、1つの膜1の光学膜厚を中心
波長の0.25倍(1/4倍)程度とすることが多い。
【0017】図6には、モニタ光の波長λを上記中心波
長λとして求めた、光エネルギー反射率R’と光学膜
厚ndの関係データの一例が示されており、同図に示
す関係データは、屈折率n=1.00の媒質(空気)
中で、n=1.50の基板上に膜を成膜した場合の光
エネルギー反射率R’の変化と光学膜厚ndの関係を
シミュレーションにより求めたデータである。なお、同
図における特性線aは屈折率n=2.16の膜を成膜
した場合、特性線bは屈折率n=1.45の膜を成膜
した場合の光エネルギー反射率R’の変化をそれぞれ示
している。
【0018】図6から明らかなように、モニタ波長λと
して中心波長λを用いた場合には、この光エネルギー
反射率のピークで成膜を停止することにより、(1/
4)・λの光学膜厚の膜を成膜できる。
【0019】しかしながら、光エネルギー反射率R’の
ピーク付近における光エネルギー反射率R’の変化は緩
やかであり、光学式膜厚計11により逐次測定されるモ
ニタ特性において光エネルギー反射率R’がピーク付近
となるところをモニタ特性測定途中に正確に把握するこ
とは困難であるために、前記光エネルギー反射率R’が
そのピーク付近に達したときに的確に成膜を停止するこ
とは難しい。
【0020】また、前記の如く、光エネルギー反射率
R’のピーク付近における光エネルギー反射率R’の変
化は緩やかであるために、例えば図7の特性線aに示す
ように、光エネルギー反射率がピークに達する前に成膜
が停止した場合、成膜停止時点におけるエネルギー反射
率R’のQ点とエネルギー反射率R’のピークP点との
誤差ΔRは小さいにもかかわらず、成膜される膜1の光
学膜厚の誤差Δ(nd)は非常に大きくなってしま
う。
【0021】そこで、前記モニタ波長λとして中心波長
λを用いずに、λよりも小さい波長をモニタ波長と
して用いることにより、例えば図7の特性線cに示すよ
うに、光エネルギー反射率R’の周期を小さくし、光エ
ネルギー反射率R’の誤差ΔRに対応する光学膜厚n
dの誤差Δ(nd)を小さくして膜1の光学膜厚を制
御することが行なわれている。なお、モニタ光波長を決
定するときには、成膜される膜厚1に対応させて、例え
ば光エネルギー反射率R’の誤差ΔRに対応する光学膜
厚ndの誤差Δ(nd)ができる限り小さくなるよ
うな波長λを決定している。
【0022】このように、モニタ波長をλとし、この波
長λが前記中心波長λと異なる場合には、前記(数
1)におけるδは、前記(数2)の代わりに(数5)で
与えられる。なお、(数5)において、nは、モニタ
波長λを中心波長λとした場合の膜1の屈折率であ
る。
【0023】
【数5】
【0024】また、モニタ波長に対する膜の屈折率n
は、(数6)により求められるものであるので、モニタ
波長λが異なる場合には屈折率nも異なるものであ
る。したがって、モニタ波長を中心波長λと異なる波
長とした場合、屈折率nは、中心波長λに対する屈
折率の値nと異なる値となる。なお、(数6)におい
て、A,B,Cは、いずれも膜1を形成する物質により
異なるものであり、いずれも屈折率を求めるための周知
の実験によって求められるものである。
【0025】
【数6】
【0026】ところで、実際の成膜に際し、モニタ基板
2と製品用基板3の設置場所の違いに起因する累積粒子
の飛散量の差や成膜時にイオンアシストする場合(イオ
ンアシスト成膜時)のイオン電流密度の差、成膜時と成
膜後の温度や雰囲気の違いによる膜1の物性定数の変動
等に応じて膜1の屈折率nが変動するために、モニタ
基板2上と製品用基板3上では成膜した膜1の光学膜厚
が異なる。
【0027】そこで、製品用基板3上に製品用膜を成膜
して光学フィルタを製造するときには、前記成膜エリア
7内に製品用基板3と前記モニタ基板2とをそれぞれ配
置して、これらの基板2,3上に同時に膜を成膜しなが
ら、モニタ基板2上に形成される膜1に前記モニタ光を
照射して光エネルギー反射率R’を測定し、この光エネ
ルギー反射率R’が、膜1の設計(仕様)によって求め
られる設定光学膜厚に予め求めた膜厚補正係数を乗じた
値に対応する値となったときに膜1の成膜を停止し、膜
1の光学膜厚を制御していた。
【0028】上記膜厚補正係数を求めるときは、まず、
モニタ波長を1つだけ設定し、モニタ基板2上に成膜さ
れる膜1の膜厚をこの設定モニタ波長にてモニタしなが
ら、モニタ基板2および製品用基板3上に膜1の成膜を
行なう。そして、上記モニタ結果と、製品用基板3上に
成膜された膜1の光学膜厚との関係から、例えば図8に
示すように、製品用基板3上の光学膜厚とモニタ基板2
上の光学膜厚が比例する場合には、同図の直線の傾きを
膜厚補正係数としていた。
【0029】そして、上記のようにして求めた膜厚補正
係数は、モニタ波長の値によらず一定と考え、モニタ波
長としていかなる値を用いた場合にも、同じ膜厚補正係
数を用いて上記の如く、膜1の光学膜厚制御を行なって
いた。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者は、上記のようにして求められる膜厚補正係数がモニ
タ波長の値によらず一定のものではなく、例えば図3に
示すように、モニタ波長の値(同図ではλ、λ、λ
)によって、膜厚補正係数(同図における各特性線の
傾き)が異なることを見出した。これは、例えば膜1の
屈折率の波長分散は温度によって異なるために、膜1の
温度が成膜時の温度から常温へ変化した際の、膜1の屈
折率変動の大きさがモニタ波長によって異なるといった
ように、モニタ波長の値によって膜1の物性定数変動の
大きさが異なることに起因すると考えられる。
【0031】したがって、従来のように、互いに異なる
複数の波長のモニタ光によらず1つのモニタ波長を用い
て求めた膜厚補正係数を用いて膜1の光学膜厚を制御す
ると、膜1の光学膜厚を正確に制御することができず、
膜1によって形成される光学フィルタの光学膜厚を正確
な値に作製することが困難だった。
【0032】本発明は、上記従来の課題を解決するため
になされたものであり、その目的は、作製する膜の光学
膜厚を例えば予め設定した光学膜厚となるように正確に
制御できるようにして正確な光学膜厚に成膜できる光学
フィルタの成膜方法を提供することと、正確な光学膜厚
を有する光学フィルタを提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は次のような構成をもって課題を解決するた
めの手段としている。すなわち、光学フィルタの第1の
発明は、モニタ基板上に膜を成膜しながら該膜にモニタ
光を照射したときの該モニタ光の反射率と透過率の少な
くとも一方のモニタ特性を求め、前記成膜される膜の光
学膜厚と前記モニタ特性との関係データを膜物質ごとに
予め求めて膜厚制御データとし、一方、成膜装置内に製
品用基板と前記モニタ基板とをそれぞれ配置してこれら
の基板上に同時に膜を成膜したときに、モニタ基板上に
成膜される膜の光学膜厚と前記製品用基板上に成膜され
る膜の光学膜厚とのずれ量を補正する補正係数のデータ
を互いに異なる複数の波長のモニタ光に対応させて膜物
質ごとに予め求めて膜厚補正係数データとし、前記製品
用基板上に製品用膜を成膜して光学フィルタを製造する
ときに、前記成膜装置内に製品用基板と前記モニタ基板
とをそれぞれ配置してこれらの基板上に同時に膜を成膜
しながら、前記モニタ基板上に形成される膜に前記モニ
タ光を照射して前記モニタ特性を測定し、この測定値と
前記膜厚補正係数データにより補正された光学膜厚に対
応する前記膜厚制御データのモニタ特性とに基づいて前
記製品用基板上に成膜する製品用膜の成膜膜厚を制御す
る構成をもって課題を解決する手段としている。
【0034】また、光学フィルタの製造方法の第2の発
明は、上記第1の発明に加え、互いに異なる複数のモニ
タ光波長を用いて製品用基板上に成膜したそれぞれの膜
の反射率と透過率の少なくとも一方の特性を連続した波
長の特性測定光を用いてそれぞれ実測し、膜の光学膜厚
をパラメータとする理論式と光学膜厚の設計値とに基づ
いて前記特性測定光の連続した波長に対する膜の反射率
または透過率の理論値を求め、該理論値と前記実測値と
の差の二乗が最小になるように非線形フィッティング法
を用いて前記膜の光学膜厚の適正値を膜物質ごとに前記
互いに異なるモニタ光波長に対応させて求め、この値を
製品用基板上に成膜される膜の光学膜厚tとし、一
方、前記製品用基板上への成膜と同時にモニタ基板上に
成膜される膜の光学膜厚を膜物質ごとに複数のモニタ光
波長を用いてそれぞれ測定し、この値をモニタ基板上に
成膜される膜の光学膜厚tとし、膜物質ごとにそれぞ
れのモニタ光の波長に対応するt/tをモニタ波長
対応膜厚補正係数として決定し、該モニタ波長対応膜厚
補正係数に基づいて膜厚補正係数データを求める構成を
もって課題を解決する手段としている。
【0035】また、光学フィルタの製造方法の第3の発
明は、上記第1又は第2の発明の構成に加え、前記膜厚
補正係数データはモニタ波長対応膜厚補正係数のモニタ
波長依存性を多項式または双曲線によって近似したデー
タとした構成をもって課題を解決する手段としている。
【0036】さらに、光学フィルタの製造方法の第4の
発明は、上記第1又は第2又は第3の発明の構成に加
え、前記モニタ基板を中心とした同心円状に製品用基板
を配置し、これらの製品用基板のうち、同一円周上に配
置される製品用基板上に形成する製品用膜の膜厚制御は
膜物質ごとに膜厚補正係数データの同一の値を用いて行
なう構成をもって課題を解決する手段としている。
【0037】さらに、本発明の光学フィルタは、上記光
学フィルタの製造方法の第1乃至第4のいずれか一つの
発明を用いて製造された構成をもって課題を解決する手
段としている。
【0038】上記構成の本発明において、光学フィルタ
は、成膜装置内に製品用基板と前記モニタ基板とをそれ
ぞれ配置してこれらの基板上に同時に膜を成膜しなが
ら、前記モニタ基板上に形成される膜に前記モニタ光を
照射して前記モニタ特性を測定し、この測定値と、予め
与えた膜厚補正係数データによって補正された光学膜厚
に対応する膜厚制御データのモニタ特性とに基づいて、
前記製品用基板上に成膜する製品用膜の成膜膜厚を制御
することにより製造される。
【0039】そして、前記膜厚補正係数データは、成膜
装置内に製品用基板と前記モニタ基板とをそれぞれ配置
してこれらの基板上に同時に膜を成膜したときに、モニ
タ基板上に成膜される膜の光学膜厚と前記製品用基板上
に成膜される膜の光学膜厚とのずれ量を補正する補正係
数のデータを互いに異なる複数の波長のモニタ光に対応
させて膜物質ごとに予め求めたものであるため、従来の
ように、互いに異なる複数の波長のモニタ光によらずに
1つのモニタ波長を用いて求めた膜厚補正係数を用いて
膜の光学膜厚を制御する場合と異なり、製品用膜の光学
膜厚を例えば予め設定した光学膜厚となるように正確に
制御可能となり、設計通りの光学膜厚を有する光学フィ
ルタとすることが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明におい
て、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重
複説明は省略する。
【0041】本発明の光学フィルタの製造方法の実施形
態例は、図1に示したような、光学式膜厚計11を備え
た真空蒸着装置を用いて光学フィルタを製造する方法で
あり、本実施形態例において製造する光学フィルタは、
製品用基板3上に7層の膜を成膜してなるフィルタ膜を
形成したバンドパスフィルタ(BPF)である。この7
層の設計(仕様)は、Taを中心波長(ここでは
1470nm)の四分の一の光学膜厚で成膜したH層
と、SiOを中心波長の四分の一の光学膜厚で成膜し
たL層と、SiOを中心波長と等しい光学膜厚で成膜
した4L層とを、基板上に、H・L・H・4L・H・L
・Hの順に積層して形成するものとした。
【0042】本実施形態例でも従来例と同様に、前記膜
厚制御データを予め求め、この膜厚制御データと、光学
膜厚計11により検出されるモニタ光の反射率とに基づ
いて成膜される膜1の膜厚制御を行なうが、本実施形態
例では、以下に示す特徴的な膜厚補正係数データを予め
与え、この膜厚補正係数データを用いて上記膜厚制御を
行なうようにしている。
【0043】膜厚補正係数データは、成膜装置内に製品
用基板3とモニタ基板2とをそれぞれ配置してこれらの
基板2,3上に同時に膜を成膜したときに、モニタ基板
2上に成膜される膜の光学膜厚と製品用基板3上に成膜
される膜の光学膜厚とのずれ量を補正する補正係数のデ
ータを、互いに異なる複数の波長のモニタ光に対応させ
て膜物質ごとに予め求めたものである。
【0044】本実施形態例では、以下のようにして膜厚
補正係数データを求めるための成膜行ない、3種類のモ
ニタ波長に対応する膜厚補正係数を膜物質(Ta
、SiO)ごとに求めた。すなわち、まず、上
記光学フィルタを形成する各層の膜1を、400nm付
近、490nm付近、700nm付近の3種類のモニタ
光波長を用いてモニタ基板2上に成膜される膜1の光学
膜厚を測定しながら、モニタ基板2上と製品用基板3上
に同時に膜1の成膜を行なった。ここで、モニタ基板2
を各層の蒸着ごとに新しいものと交換するようにするこ
とで、常に単層膜の蒸着を監視することになるため、従
来例で述べた方法を用いて各層のモニタ基板2上の光学
膜厚を制御できる。
【0045】次に、成膜終了後、互いに異なる複数のモ
ニタ光波長(上記3種類のモニタ波長)を用いて成膜し
たそれぞれの前記フィルタ膜(バンドパスフィルタを形
成するフィルタ膜)の透過率を連続した波長の特性測定
光を用いて実測した。なお、実際には、バンドパスフィ
ルタの透過率を測定することにより、このバンドパスフ
ィルタのフィルタ膜の透過率を間接的に測定することが
できる。
【0046】一方、各層の膜1の光学膜厚をパラメータ
とする膜の光透過率の理論式と光学膜厚の設計値とに基
づいて前記特性測定光の連続した波長に対するバンドパ
スフィルタのフィルタ膜の透過率の理論値を求めた。な
お、上記膜の光透過率の理論式は(数7)に示す光学フ
ィルタの透過率の式および(数8)〜(数10)により
与えられるものである。
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】
【数9】
【0050】
【数10】
【0051】ここで、(数7)におけるパラメータm
11、m12、m21、m22は、(数8)で与えられ
る全層での特性行列Mの各要素であり、各層(第1層か
ら第7層)の特性行列Mの総積によって与えられ、第
j層(j=1,2,3,4,5,6,7)の特性行列M
は(数9)で与えられ、(数9)に示すgは、(数
10)により表わされるものであり、nは第j層の屈
折率、dは第j層の物理膜厚である。そこで、これら
の(数7)〜(数10)を用い、第j層における光学膜
厚の設計値をnに代入すれば、前記特性測定光の
連続した波長に対するバンドパスフィルタの透過率の理
論値が求まる。なお、(数8)、(数9)において、i
は虚数である。
【0052】そして、上記のようにして求めた理論値と
前記光透過率の実測値との差の二乗が最小になるよう
に、非線形フィッティング法を用いて各層の膜の光学膜
厚の適正値(nの真の値)を膜物質ごとに前記3
種類の異なるモニタ光波長に対応させて求め、この値を
製品用基板上に成膜される膜の光学膜厚tとした。
【0053】また、モニタ基板2上に成膜される膜1の
光学膜厚を膜物質ごとに上記3種類のモニタ光波長を用
いてそれぞれ測定し、この値をモニタ基板上に成膜され
る膜の光学膜厚tとした。なお、モニタ基板2上に設
計(仕様)通りの膜厚で成膜されるようにしているた
め、モニタ基板2上の光学膜厚=設計膜厚となる。
【0054】そして、膜物質ごとにそれぞれのモニタ光
の波長に対応するt/tをモニタ波長対応膜厚補正
係数として決定した。なお、本実施形態例では、各モニ
タ波長での成膜において、Taから成る第1、
3、5、7層の光学膜厚は全て等しく、SiOから成
る第2層と第6層の光学膜厚は等しく、第4層の膜厚は
その4倍であるとして、上記モニタ波長対応膜厚補正係
数を求めた。
【0055】以上のようにして、各モニタ光波長に対し
てモニタ波長対応膜厚補正係数を求めたところ、製品用
基板3の設置位置が、図2に示すa,b,cの各設置場
所によって異なる値が得られた。具体的には、図2のa
に設置されているものをa段、同図のbに設置されてい
るものをb段、同図のcに設置されているものをc段と
すると、以下に示す通りの結果が得られた。
【0056】すなわち、Ta(H層)に関して
は、モニタ波長400nmに対し、それぞれの設置場所
におけるモニタ波長対応膜厚補正係数が、1.1442
3(a段)、1.13382(b段)、1.12988
(c段)となり、モニタ波長490nmに対し、それぞ
れの設置場所におけるモニタ波長対応膜厚補正係数が、
1.14665(a段)、1.13802(b段)、
1.13491(c段)となり、モニタ波長700nm
に対し、それぞれの設置場所におけるモニタ波長対応膜
厚補正係数が、1.15159(a段)、1.1426
0(b段)、1.13749(c段)となった。
【0057】また、SiO(L層)に関しては、モニ
タ波長400nmに対し、それぞれの設置場所における
モニタ波長対応膜厚補正係数が、1.14409(a
段)、1.14249(b段)、1.13203(c
段)となり、モニタ波長490nmに対し、それぞれの
設置場所におけるモニタ波長対応膜厚補正係数が、1.
14782(a段)、1.14756(b段)、1.1
3634(c段)となり、モニタ波長700nmに対
し、それぞれの設置場所におけるモニタ波長対応膜厚補
正係数が、1.14974(a段)、1.14916
(b段)、1.13859(c段)となった。
【0058】このように、製品用基板3の設置位置の違
いにより、各モニタ波長におけるモニタ波長対応膜厚補
正係数が異なり、上記のようにモニタ基板2を中心とし
た同心円状に製品用基板3を配置した場合には、これら
の製品用基板3のうち、同一円周上に配置される製品用
基板3上に成膜される膜1の膜厚補正係数はほぼ同一と
なることが分かったので、本実施形態例では、以降、製
品用基板3の設置位置を特定の位置に設定し(この場合
b段とし)、成膜を行なうことにした。
【0059】ここで、上記モニタ波長対応膜厚補正係数
に基づいて膜厚補正係数データを求めるため、本実施形
態例では、多項式である(数11)に上記結果を当ては
め、図4及び表1に示す膜厚補正係数データを得た。
【0060】
【数11】
【0061】
【表1】
【0062】なお、上記結果から、(数11)における
E,F,Gは、Taに関して、E=1.150
3、F=136.82、G=−4.3380となり、ま
た、SiOに関しては、E=1.1502、F=35
3.15、G=−0.3616となった。
【0063】このように、モニタ波長λとモニタ波長対
応膜厚補正係数τとの関係を、多項式で近似して膜厚補
正係数データとすることにより、実際には膜厚補正係数
を求めていないモニタ波長に対応するモニタ波長対応膜
厚補正係数も膜厚補正係数データにより求めることがで
きる。
【0064】本実施形態例では、以上のようにして、例
えば図4に示す関係データの膜厚補正係数データにより
補正された光学膜厚に対応する前記膜厚制御データにお
ける反射率(補正膜厚対応反射率)を求め、光学膜厚計
11によって測定される反射率が補正膜厚対応反射率に
なったときに、膜1の成膜を停止することにした。
【0065】その一例として、光学ガラスBK7の製品
用基板3上にTaの単層膜を成膜した。なお、モ
ニタ基板2も製品用基板3と同様に、光学ガラスBK7
とし、成膜時のモニタ波長を400nmとし、一方、中
心波長を1500nmとし、この中心波長に対する光学
膜厚が0.25000の設計(仕様)で成膜を行なっ
た。
【0066】この場合、モニタ波長400nmに対する
モニタ波長対応膜厚補正係数は、図4から1.1338
2となるので、0.25000に1.13382を乗じ
た値を膜厚補正係数データにより補正された光学膜厚と
し、この補正された光学膜厚に対応する前記膜厚制御デ
ータにおける反射率(補正膜厚対応反射率)を求める。
【0067】例えば0.25000に1.13382を
乗じた値を(数5)に代入し、(数1)、(数3)、
(数4)を用いて、上記補正された光学膜厚に対応する
前記膜厚制御データにおける反射率(補正膜厚対応反射
率)を求めると、28.50%となる。なお、例えば図
6、7に示したようなシミュレーション結果から補正膜
厚対応反射率を求めることもできる。
【0068】また、図7から明らかなように、モニタ波
長を前記中心波長よりも小さい値とした場合は、光学膜
厚が中心波長の四分の一に達するまでに、1つ以上の反
射率ピークを通過することになるため、例えば前記膜厚
制御部には、前記補正膜厚対応反射率と共に、この通過
ピークの数を与えておき、この通過ピーク数を通過した
後に反射率が補正膜厚対応反射率になったときに成膜を
停止するようにする。
【0069】本実施形態例は、以上のようにして光学フ
ィルタを形成する各層の膜1の光学膜厚を制御しなが
ら、製品用基板3上に膜1を積層して光学フィルタとし
てのバンドパスフィルタを製造する。
【0070】本実施形態例によれば、以上のように、成
膜する膜1の膜物質ごとに、複数のモニタ波長に対応す
る膜厚補正係数データを予め求めておき、成膜エリア7
内に製品用基板3とモニタ基板2とをそれぞれ配置して
これらの基板2,3上に同時に膜を成膜しながらモニタ
基板2上の膜に照射するモニタ光の反射率を測定し、こ
の測定値と、膜厚補正係数データにより補正された光学
膜厚に対応する前記膜厚制御データのモニタ特性とに基
づいて製品用基板3上に成膜する製品用膜の成膜膜厚を
制御するために、製品用膜の光学膜厚を正確に制御でき
る。
【0071】そのため、本実施形態例の光学フィルタの
製造方法を用いて製造した光学フィルタは、設計通りの
光学膜厚を有する光学フィルタとすることができる。
【0072】特に、本実施形態例において、前記の如
く、製品用基板3に成膜した各層の膜1の光学膜厚を非
線形フィッティングを適用して決定し、この値に基づい
て、膜1の膜物質ごとにモニタ波長対応膜厚補正係数を
求めて上記膜厚補正係数データを求めているために、膜
厚補正係数データとして非常に適正なデータを得ること
ができ、このデータに基づいて製品用膜の光学膜厚を非
常に正確に制御できる。
【0073】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば上
記実施形態例では、モニタ波長対応膜厚補正係数に基づ
いて膜厚補正係数データを求めるときに、多項式である
(数11)に上記結果を当てはめたが、膜物質に応じ
て、(数11)以外の多項式により膜厚補正係数の波長
依存性を近似してもよいし、双曲線によって膜厚補正係
数の波長依存性を近似してもよい。
【0074】いずれの場合も、膜厚補正係数データを、
膜厚補正係数の波長依存性を多項式または双曲線によっ
て近似したデータとすると、実際には膜厚補正係数を求
めていないモニタ波長に対応するモニタ波長対応膜厚補
正係数も膜厚補正係数データにより求めることができ
る。
【0075】また、上記実施形態例では、製品用基板3
上に成膜した膜1の透過率の理論値と実測値との差の二
乗が最小になるように非線形フィッティング法を用いて
前記膜1の光学膜厚の適正値を膜物質ごとに複数の異な
る光波長に対応させて求め、この値を製品用基板3上に
成膜される膜の光学膜厚としたが、製品用基板3上に成
膜される膜の光学膜厚の求め方は特に限定されるもので
はなく、適宜設定されるものである。
【0076】例えば、製品用基板3上に成膜した膜1の
反射率を実測し、この実測値と反射率の理論値との差の
二乗が最小になるように非線形フィッティング法を用い
て前記膜1の光学膜厚の適正値を膜物質ごとに複数の異
なる光波長に対応させて求めてもよいし、非線形フィッ
ティング法以外の近似方法を用いて膜1の光学膜厚1を
求めてもよい。
【0077】さらに、上記実施形態例では、図1の装置
を用いてモニタ基板2上に成膜する膜にモニタ光を照射
し、その反射率をモニタ特性として求めたが、モニタ光
の反射率の代わりにモニタ光の透過率を測定し、この透
過率をモニタ特性として膜厚制御データを作成してもよ
い。
【0078】さらに、本発明の光学フィルタの製造方法
により製造される光学フィルタは、様々な膜物質を用い
て成膜された膜によって製造されるものであり、膜物質
の材料や膜の光学膜厚および層数などは特に限定される
ものではなく、適宜設定されるものである。
【0079】
【発明の効果】本発明の光学フィルタの製造方法によれ
ば、成膜装置内に製品用基板とモニタ基板とをそれぞれ
配置してこれらの基板上に同時に膜を成膜しながら、前
記モニタ基板上に形成される膜に前記モニタ光を照射し
て前記モニタ特性を測定し、この測定値と、互いに異な
る複数の波長のモニタ光に対応させて膜物質ごとに予め
求めた膜厚補正係数データにより補正した光学膜厚に対
応する膜厚制御データのモニタ特性とに基づいて、前記
製品用基板上に成膜する製品用膜の成膜膜厚を制御する
ものであるから、製品用膜の光学膜厚を例えば予め設定
した光学膜厚となるように正確に制御することができ、
設計通りの光学膜厚を有する光学フィルタを製造するこ
とができる。
【0080】また、非線形フィッティング法を用いて製
品用基板上に成膜した膜の光学膜厚の適正値を膜物質ご
とにモニタ光波長に対応させて求め、この値を製品用基
板上に成膜される膜の光学膜厚として、膜物質ごとにそ
れぞれの互いに異なる複数の波長のモニタ光に対応する
モニタ波長対応膜厚補正係数を決定し、該モニタ波長対
応膜厚補正係数に基づいて膜厚補正係数データを求める
本発明の光学フィルタの製造方法においては、非線形フ
ィッティング法を用いることにより、製品用基板上に成
膜される膜の光学膜厚を非常に正確に求めることができ
る。
【0081】そのため、この発明においては、上記非線
形フィッティング法を用いて求めた製品用基板上の膜の
光学膜厚値を用いて、膜厚補正係数データを的確に求め
ることができ、上記光学フィルタの膜厚制御を非常に的
確にすることができる。
【0082】さらに、膜厚補正係数データは膜厚補正係
数の波長依存性を多項式または双曲線によって近似した
データとした本発明の光学フィルタの製造方法において
は、膜厚補正係数データを用いることにより、実際には
モニタ波長対応膜厚補正係数を求めていないモニタ光波
長によるモニタ基板上の光学膜厚測定値に基づいて、製
品用基板上に成膜される膜の膜厚制御を行なっても、製
品用基板上に成膜される膜の膜厚制御を非常に的確に行
なうことができる。
【0083】さらに、モニタ基板を中心とした同心円状
に製品用基板を配置し、これらの製品用基板のうち、同
一円周上に配置される製品用基板上に形成する製品用膜
の膜厚制御は膜物質ごとに同一のモニタ波長対応膜厚補
正係数を用いて行なう本発明の光学フィルタの製造方法
においては、同一円周上に配置される製品用基板上に形
成する製品用膜の成膜条件はほぼ同一であることから、
的確な膜厚制御を行なうことができる。
【0084】さらに、本発明の光学フィルタによれば、
上記いずれかの光学フィルタの製造方法を用いて製造し
たものであるから、製品用基板上に成膜される膜の光学
膜厚がほぼ設計通りに正確に形成された、非常に高品質
の光学フィルタとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光学フィルタの製造装置の一例である光学膜厚
計付き真空蒸着装置を模式的に示す構成図である。
【図2】本発明に係る光学フィルタの製造方法を適用
し、上記真空蒸着装置によりモニタ基板上と製品用基板
上に膜を成膜するときのモニタ基板と製品用基板の配設
例を示す説明図である。
【図3】互いに異なる複数の波長のモニタ光をそれぞれ
モニタ基板上の膜に照射して1つの製品用基板上の膜の
光学膜厚を制御した場合の、モニタ基板上の光学膜厚と
製品用基板上の光学膜厚との関係例を示すグラフであ
る。
【図4】本発明に係る光学フィルタの製造方法の一実施
形態例に用いられる膜厚補正係数データの一例を示すグ
ラフである。
【図5】屈折率nの媒質中で、屈折率nの基板上に
光学膜厚がndの膜1を形成する状態を示す断面説明
図である。
【図6】モニタ基板上に成膜される膜の光学膜厚と、こ
の膜に膜設計の基準となる波長のモニタ光を照射して得
られるモニタ光反射率との関係例を示すグラフである。
【図7】モニタ基板上に成膜される膜の光学膜厚と、こ
の膜に波長の異なるモニタ光をそれぞれ照射した場合に
得られるモニタ光反射率との関係を示すグラフである。
【図8】1つのモニタ光波長をモニタ基板上の膜に照射
して製品用基板上の膜の光学膜厚を制御した場合の、モ
ニタ基板上の光学膜厚と製品用基板上の光学膜厚との関
係例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 膜 2 モニタ基板 3 製品用基板 4 蒸発源 5 光源 6 測定装置 7 成膜エリア 8 光結合手段 9 基板ホルダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 一庸 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 Fターム(参考) 2H048 GA12 GA33 GA51 GA60 GA62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モニタ基板上に膜を成膜しながら該膜に
    モニタ光を照射したときの該モニタ光の反射率と透過率
    の少なくとも一方のモニタ特性を求め、前記成膜される
    膜の光学膜厚と前記モニタ特性との関係データを膜物質
    ごとに予め求めて膜厚制御データとし、一方、成膜装置
    内に製品用基板と前記モニタ基板とをそれぞれ配置して
    これらの基板上に同時に膜を成膜したときに、モニタ基
    板上に成膜される膜の光学膜厚と前記製品用基板上に成
    膜される膜の光学膜厚とのずれ量を補正する補正係数の
    データを互いに異なる複数の波長のモニタ光に対応させ
    て膜物質ごとに予め求めて膜厚補正係数データとし、前
    記製品用基板上に製品用膜を成膜して光学フィルタを製
    造するときに、前記成膜装置内に製品用基板と前記モニ
    タ基板とをそれぞれ配置してこれらの基板上に同時に膜
    を成膜しながら、前記モニタ基板上に形成される膜に前
    記モニタ光を照射して前記モニタ特性を測定し、この測
    定値と前記膜厚補正係数データにより補正された光学膜
    厚に対応する前記膜厚制御データのモニタ特性とに基づ
    いて前記製品用基板上に成膜する製品用膜の成膜膜厚を
    制御することを特徴とする光学フィルタの製造方法。
  2. 【請求項2】 互いに異なる複数のモニタ光波長を用い
    て製品用基板上に成膜したそれぞれの膜の反射率と透過
    率の少なくとも一方の特性を連続した波長の特性測定光
    を用いてそれぞれ実測し、膜の光学膜厚をパラメータと
    する理論式と光学膜厚の設計値とに基づいて前記特性測
    定光の連続した波長に対する膜の反射率または透過率の
    理論値を求め、該理論値と前記実測値との差の二乗が最
    小になるように非線形フィッティング法を用いて前記膜
    の光学膜厚の適正値を膜物質ごとに前記互いに異なるモ
    ニタ光波長に対応させて求め、この値を製品用基板上に
    成膜される膜の光学膜厚tとし、一方、前記製品用基
    板上への成膜と同時にモニタ基板上に成膜される膜の光
    学膜厚を膜物質ごとに複数のモニタ光波長を用いてそれ
    ぞれ測定し、この値をモニタ基板上に成膜される膜の光
    学膜厚tとし、膜物質ごとにそれぞれのモニタ光の波
    長に対応するt/tをモニタ波長対応膜厚補正係数
    として決定し、該モニタ波長対応膜厚補正係数に基づい
    て膜厚補正係数データを求めることを特徴とする請求項
    1記載の光学フィルタの製造方法。
  3. 【請求項3】 膜厚補正係数データはモニタ波長対応膜
    厚補正係数のモニタ波長依存性を多項式または双曲線に
    よって近似したデータとしたことを特徴とする請求項1
    又は請求項2記載の光学フィルタの製造方法。
  4. 【請求項4】 モニタ基板を中心とした同心円状に製品
    用基板を配置し、これらの製品用基板のうち、同一円周
    上に配置される製品用基板上に形成する製品用膜の膜厚
    制御は膜物質ごとに膜厚補正係数データの同一の値を用
    いて行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2又は
    請求項3記載の光学フィルタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一つに
    記載の光学フィルタの製造方法を用いて製造されたこと
    を特徴とする光学フィルタ。
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