JP2009160532A - 発色構造体製造装置及び発色構造体の製造方法 - Google Patents

発色構造体製造装置及び発色構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】効率的、且つ高精度に発色構造体を製造可能な発色構造体製造装置を提供する。
【解決手段】所定の発色特性を有して設けられる発色構造体を製造する。基板P上に液状体材料を塗布して前記発色特性に基づく厚さで透明薄膜を成膜する成膜装置30と、互いに異なる屈折率を有する複数種の前記液状体材料を交互に塗布して積層された透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定する反射率測定装置RFとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、発色構造体製造装置及び発色構造体の製造方法に関するものである。
装飾用部材(例えば、時計文字盤、ブレスレット、ブローチ、携帯電話筺体等)や、自動車用部材(内装ダッシュボード等)の高級化に伴い、アルミフレーク光輝材を用いた従来のメタリック塗装だけではなく、雲母片や加工雲母などを光輝材として用いることで、塗装面の質感向上を表現する努力がなされている。
しかし、上記の技術では、色調に対しては、光輝材の影響はあるものの、その主因子は顔料や染料によるものであり、退色が避けられないのが現状である。
そこで、特許文献1には、モルフォ蝶の羽に着目した発色構造体の技術が記載されている。この技術は、TiO等で構成された短冊状の光触媒物質薄膜層と、光触媒薄膜層よりも細い短冊状のSiO等で構成された支持物質薄膜層を交互に積層した多層構造体を形成し、この多層構造体を複数配列した光発色部材を有するものであり、スパッタリング等による多層薄膜形成の後に、ドライエッチングやウエットエッチングによって支持物質を所定量除去して空隙を設けることで形成される。このように、上記の技術は、空隙を有する多層膜構造とすることで、光触媒が接触する表面積を大きくできるため、より高い光触媒効果が期待できる。特に、光触媒層と空隙層との光学的層厚を発色光波長の1/4とすることによる光干渉効果と、配列された構造体による回折格子効果により、金属光沢を有するような鮮やかな発色を実現することができる。
特許第3443656号公報
しかしながら、上述したような従来技術には、以下のような問題が存在する。
多層薄膜形成に用いるスパッタリングや、支持物質薄膜層を形成する際に用いるエッチングには、工数が掛かるとともに、露光機等、大型の設備も必要になり、生産性が悪いという問題がある。
また、光の回折や干渉を利用する多層構造体においては、所望の発色特性を得るためには精密な膜厚制御が必要になるが、各層毎に膜厚を高精度に制御することは困難である。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、効率的、且つ高精度に発色構造体を製造可能な発色構造体製造装置及び発色構造体の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明は、以下の構成を採用している。
本発明の発色構造体製造装置は、所定の発色特性を有して設けられる発色構造体の製造装置であって、基板上に液状体材料を塗布して前記発色特性に基づく厚さで透明薄膜を成膜する成膜装置と、互いに異なる屈折率を有する複数種の前記液状体材料を交互に塗布して積層された前記透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定する反射率測定装置とを備えることを特徴とするものである。
従って、本発明の発色構造体製造装置では、互いに異なる屈折率を有する複数種の液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色構造体を形成できるため、露光機等、大型の設備も不要になり、効率的な製造が可能になる。
この発色特性としては、第1の液状体材料(第1透明薄膜)、第2の液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n1−n2)/(n1+n2)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
また、本発明では、積層された透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定するため、当該反射率に基づいて、成膜された透明薄膜の厚さ情報を得ることが可能になり、当該厚さ情報に基づき、発色構造体が所望の色を発色するように、透明薄膜の厚さを高精度に調整することができる。
前記反射率測定装置としては、前記検知光を投光する投光部と、前記透明薄膜からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光結果に基づいて前記成膜装置を制御して最上層の前記透明薄膜の厚さを調整する制御部とを有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、受光した反射光に基づいて、所望の色を発色させるために、最上層の透明薄膜の厚さが薄いと測定された場合には、当該最上層の透明薄膜の厚さが所定厚さ(所望の色を発色させる厚さ)となるように、液状体材料を追加で塗布して成膜することが可能になる。
この制御部としては、前記反射率と前記透明薄膜の厚さとの相関関係を記憶する記憶部を有する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、測定した反射率を、予め記憶してある透明薄膜の厚さと照合することにより、既に成膜されている透明薄膜の厚さを容易に求めることができる。
さらに、前記制御部としては、前記受光部の受光結果に基づいて、前記複数種の液状体材料毎に用意された濃度の異なる該液状体材料から選択した前記液状体材料を前記成膜装置に塗布させる好適に採用できる。
これにより、本発明では、最上層の透明薄膜の厚さを調整する際に、調整すべき厚さに応じて最適な濃度の液状体材料を選択することにより、最短の塗布時間で厚さ調整することができる。
また、本発明では、前記成膜装置が、前記複数種の液状体材料をそれぞれ液滴吐出法で塗布する構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、必要最低限の液状体材料を必要な領域にのみ効率的に塗布することが可能になり、生産性を向上させることができる。
また、本発明では、塗布した前記透明薄膜にプラズマ処理を行い、当該透明薄膜上に塗布される前記液状体材料に対する親液性を付与するプラズマ処理装置を備える構成を好適に採用できる。
これにより、本発明では、先に成膜された透明薄膜の上に液状体材料を塗布する際に、当該液状体材料を濡れ拡がらせることが可能となり、所定の厚さの透明薄膜を均一に成膜することができる。
一方、本発明の発色構造体の製造方法は、所定の発色特性を有して設けられる発色構造体の製造方法であって、基板上に液状体材料を塗布して前記発色特性に基づく厚さで透明薄膜を成膜する成膜装置と、互いに異なる屈折率を有する複数種の前記液状体材料を交互に塗布して前記透明薄膜を積層する工程と、積層された前記透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定する工程と、を有することを特徴とするものである。
従って、本発明の発色構造体製造装置では、互いに異なる屈折率を有する複数種の液状体材料をそれぞれ発色特性に基づく厚さで成膜するという簡単な方法で発色構造体を形成できるため、露光機等、大型の設備も不要になり、効率的な製造が可能になる。
この発色特性としては、第1の液状体材料(第1透明薄膜)、第2の液状体材料(第2透明薄膜)の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜、第2透明薄膜の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)で表され、反射率(反射強度)Rは(n1−n2)/(n1+n2)で表される。さらに、発色強度は光学厚みが、n1×t1=n2×t2=λ/4のときが最大となる。
従って、本発明では、用いる材料により、屈折率n1、n2、及び屈折角θ1、θ2が予め設定されている場合には、第1透明薄膜、第2透明薄膜の厚さt1、t2を上記の式に基づいて適宜設定することにより、所望波長の光を高い発色強度にて発色させることが可能になる。
また、本発明では、積層された透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定するため、当該反射率に基づいて、成膜された透明薄膜の厚さ情報を得ることが可能になり、当該厚さ情報に基づき、発色構造体が所望の色を発色するように、透明薄膜の厚さを高精度に調整することができる。
また、本発明では、測定した前記反射率に基づいて最上層の前記透明薄膜の厚さを調整する工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、受光した反射光に基づいて、所望の色を発色させるために、最上層の透明薄膜の厚さが薄いと測定された場合には、当該最上層の透明薄膜の厚さが所定厚さ(所望の色を発色させる厚さ)となるように、液状体材料を追加で塗布して成膜することが可能になる。
また、本発明では、記反射率と前記透明薄膜の厚さとの相関関係を予め記憶した結果に基づいて、前記最上層の前記透明薄膜の厚さを調整する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、測定した反射率を、予め記憶してある透明薄膜の厚さと照合することにより、既に成膜されている透明薄膜の厚さを容易に求めることができる。
また、本発明では、測定した前記反射率に基づいて、前記複数種の液状体材料毎に用意された濃度の異なる該液状体材料から選択した前記液状体材料を塗布する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、最上層の透明薄膜の厚さを調整する際に、調整すべき厚さに応じて最適な濃度の液状体材料を選択することにより、最短の塗布時間で厚さ調整することができる。
また、本発明では、前記複数種の液状体材料をそれぞれ液滴吐出法で塗布する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、必要最低限の液状体材料を必要な領域にのみ効率的に塗布することが可能になり、生産性を向上させることができる。
また、本発明では、成膜された前記透明薄膜にプラズマ処理を行い、当該透明薄膜上に塗布される前記液状体材料に対する親液性を付与するプラズマ処理工程を有する手順も好適に採用できる。
これにより、本発明では、先に成膜された透明薄膜の上に液状体材料を塗布する際に、当該液状体材料を濡れ拡がらせることが可能となり、所定の厚さの透明薄膜を均一に成膜することができる。
以下、本発明の発色構造体製造装置及び発色構造体の製造方法の実施の形態を、図1ないし図15を参照して説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
(発色構造体製造装置)
まず、本実施形態に係る発色構造体製造装置について説明する。
本実施形態では、基板上に液状体材料を塗布して透明薄膜を成膜する成膜装置として、液状体材料の液滴を吐出して塗布・成膜する液滴吐出装置を用いる場合について説明する。
図1は、本発明の発色構造体製造装置の実施形態を示す図である。
図1において、符合CLは発色構造体製造装置である。この発色構造体製造装置CLは、液滴吐出装置(成膜装置)30と、反射率測定装置RFと、プラズマ処理装置PS等とから概略構成されている。
この液滴吐出装置30は、ベース31、基板移動手段32、ヘッド移動手段33、吐出ヘッド34、液状体タンク35、制御装置CONT(制御部)等を有して構成されたものである。
ベース31は、その上に前記基板移動手段32、ヘッド移動手段33を設置したものである。
基板移動手段32は、ベース31上に設けられたもので、Y軸方向に沿って配置されたガイドレール36を有したものである。この基板移動手段32は、例えばリニアモータにより、スライダ37をガイドレール36に沿って移動させるよう構成されたものである。スライダ37には、θ軸用のモータ(図示せず)が備えられている。このモータは、例えばダイレクトドライブモータからなるものであり、これのロータ(図示せず)はテーブル39に固定されている。このような構成のもとに、モータに通電するとロータおよびテーブル39は、θ方向に沿って回転し、テーブル39をインデックス(回転割り出し)するようになっている。
テーブル39は、基板Pを位置決めし、保持するものである。すなわち、このテーブル39は、公知の吸着保持手段(図示せず)を有し、この吸着保持手段を作動させることにより、基板Pをテーブル39の上に吸着保持するようになっている。基板Pは、テーブル39の位置決めピン(図示せず)により、テーブル39上の所定位置に正確に位置決めされ、保持されるようになっている。テーブル39には、吐出ヘッド34がインク(液状体)を捨打ちあるいは試し打ちするための捨打ちエリア(フラッシングエリア)41が設けられている。この捨打ちエリア41は、X軸方向に延びて形成されたもので、テーブル39の後端部側に設けられたものである。
ヘッド移動手段33は、ベース31の後部側に立てられた一対の架台33a、33aと、これら架台33a、33a上に設けられた走行路33bとを備えてなるもので、該走行路33bをX軸方向、すなわち前記の基板移動手段32のY軸方向と直交する方向に沿って配置したものである。走行路33bは、架台33a、33a間に渡された保持板33cと、この保持板33c上に設けられた一対のガイドレール33d、33dとを有して形成されたもので、ガイドレール33d、33dの長さ方向に吐出ヘッド34を保持させるスライダ42を移動可能に保持したものである。スライダ42は、リニアモータ(図示せず)等の作動によってガイドレール33d、33d上を走行し、これにより吐出ヘッド34をX軸方向に移動させるよう構成されたものである。
吐出ヘッド34には、揺動位置決め手段としてのモータ43、44、45、46が接続されている。そして、モータ43を作動させると、吐出ヘッド34はZ軸に沿って上下動し、Z軸上での位置決めが可能になっている。なお、このZ軸は、前記のX軸、Y軸に対しそれぞれに直交する方向(上下方向)である。また、モータ44を作動させると、吐出ヘッド34は図1中のβ方向に沿って揺動し、位置決め可能になり、モータ45を作動させると、吐出ヘッド34はγ方向に揺動し、位置決め可能になり、モータ46を作動させると、吐出ヘッド34はα方向に揺動し、位置決め可能になる。
このように吐出ヘッド34は、スライダ42上において、Z軸方向に直線移動して位置決め可能となり、かつ、α、β、γに沿って揺動し、位置決め可能となっている。したがって、吐出ヘッド34のインク吐出面を、テーブル39側の基板Pに対する位置あるいは姿勢を、正確にコントロールすることができるようになっている。
図2(a)、(b)は吐出ヘッド34を説明するための概略構成図である。
図2(a)に示すように、吐出ヘッド34は、例えばステンレス製のノズルプレート12と振動板13とを備え、両者を仕切部材(リザーバプレート)14を介して接合したものである。ノズルプレート12と振動板13との間には、仕切部材14によって複数のキャビティ15…とリザーバ16とが形成されており、これらキャビティ15…とリザーバ16とは流路17を介して連通している。
また、吐出ヘッド34には、ヒータ(加熱手段)3が設けられており、当該ヒータ3に供給される電力量が制御装置CONTによって制御されている。
各キャビティ15とリザーバ16の内部とは、液状体で満たされるようになっており、これらの間の流路17はリザーバ16からキャビティ15に液状体を供給する供給口として機能するようになっている。また、ノズルプレート12には、キャビティ15から液状体を噴射するための孔状のノズル18が縦横に整列した状態で複数形成されている。一方、振動板13には、リザーバ16内に開口する孔19が形成されており、この孔19には液状体タンク35がチューブ24(図1参照)を介して接続されている。
また、振動板13のキャビティ15に向く面と反対の側の面上には、図2(b)に示すように圧電素子(ピエゾ素子)20が接合されている。この圧電素子20は、一対の電極21、21間に挟持され、通電により外側に突出するようにして撓曲するよう構成されたもので、本発明における吐出手段として機能するものである。
このような構成のもとに圧電素子20が接合された振動板13は、圧電素子20と一体になって同時に外側へ撓曲し、これによりキャビティ15の容積を増大させる。すると、キャビティ15内とリザーバ16内とが連通しており、リザーバ16内に液状体が充填されている場合には、キャビティ15内に増大した容積分に相当する液状体が、リザーバ16から流路17を介して流入する。このとき、流入した液状体の容積分が液状体タンク35からチューブ24を介してリザーバ16に供給される。
そして、このような状態から圧電素子20への通電を解除すると、圧電素子20と振動板13はともに元の形状に戻る。よって、キャビティ15も元の容積に戻ることから、キャビティ15内部の液状体の圧力が上昇し、ノズル18から液状体の液滴22が吐出される。
本実施形態では、液状体タンク35には複数種(実際には液状体の種類としては2種類で各種類毎に濃度を変えた2種類の合計4種類、詳細は後述する)の液状体が貯溜されており、各液状体は各液状体毎に接続されたチューブ24によって、各液状体に対応するリザーバ16に供給され、各液状体に対応するキャビティ15に充填され、各液状体に対応するノズル18から液滴として吐出される。
なお、圧電素子20を選択して駆動させ、所定種類の液状体を吐出させることも制御装置CONTが制御する。
なお、吐出ヘッドの吐出手段としては、前記の圧電素子(ピエゾ素子)20を用いた電気機械変換体以外でもよく、例えば、エネルギ発生素子として電気熱変換体を用いた方式や、帯電制御型、加圧振動型といった連続方式、静電吸引方式、さらにはレーザーなどの電磁波を照射して発熱させ、この発熱による作用で液状体を吐出させる方式を採用することもできる。
次に、図1に戻り、液滴吐出装置30の他の構成について説明する。
制御装置CONTは、上記吐出ヘッド34の液滴吐出動作、基板移動手段32とヘッド移動手段33の駆動動作、ヒータ3への電力供給等を制御する。
また、上述した液状体タンク35は、前記架台33a、33aの一方の上に配置されたもので、この液状体タンク35には、その内部、あるいはその外側にヒータ(図示せず)が設けられている。このヒータは、貯留している液状体を加熱するためのもので、特に液状体が高粘性のものの場合などに、加熱することで粘度を低くし、液状体タンク35から吐出ヘッド34への液状体の流入を容易にできるようにしたものである。
なお、架台33aは走行路33bを支持するものとなっていることから、この走行路33b上を走行する吐出ヘッド34に十分近い位置となっている。したがって、液状体タンク35から吐出ヘッド34に液状体を送るためのチューブ24は、従来のものに比べ十分に短いもの、すなわち走行路33bの長さにほぼ等しい長さとなっている。
反射率測定装置RFは、ガイドレール36近傍の吐出ヘッド34とは逆側のベース31上に設置されたL字状に形成されており、図3に示すように、先端部には基板Pの上方に基板Pの表面を臨む位置に延びる延出部51が設けられている。延出部51には、基板P(すなわち基板Pに成膜された透明薄膜F1、F2、…(後述))と対向する位置に投光部52と受光部53とが設けられている。
投光部52は、基板P(透明薄膜F)へ向けてハロゲン光等の検知光Lを投光するものである。受光部53は、透明薄膜Fで干渉・反射した反射光(干渉光)を受光し、受光結果を制御装置CONTに出力するものであり、例えば各波長毎に光量を測定する分光センサ等で構成される。制御装置CONTには、記憶部54が接続されている。この記憶部54には、予め測定された、またはシミュレーションされた反射率と膜厚との相関関係が記憶されている。
制御装置CONTは、受光部53の受光結果と、記憶部54に記憶されている反射率と膜厚との相関関係とに基づいて、滴吐出装置30において吐出する液滴の種類・吐出量を制御する。
プラズマ処理装置PSは、基板移動手段32による基板Pの移動経路のヘッド移動手段33とは逆側に配置されており、基板Pに透明薄膜Fが成膜された後に、当該透明薄膜Fに対して、例えば大気圧プラズマ法を用い、基板Pの表面または透明薄膜Fの表面に、プラズマ状態の酸素を照射することにより、その表面が親液化あるいは活性化される。これにより、基板Pの表面または透明薄膜Fの表面の濡れ性が向上し、その上に成膜する際の透明薄膜の膜厚の均一性の向上が図れる。
続いて、上記の発色構造体製造装置CLを用いて、基板P上に形成される発色構造体について、図4を参照して説明する。
図4は、多層構造を有する発色構造体Cが基板P上に形成された断面図である。
この図に示す発色構造体Cは、互いに屈折率が異なる第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とが、交互に複数層ずつ成膜されて形成されたものである。本実施形態では、基板Pから数えて第1層、第3層、…、第11層の奇数層に第1透明薄膜F1が成膜され、第2層、…、第10層の偶数層に第2透明薄膜F2が成膜された11層の薄膜により発色構造体Cが形成されている。
本実施形態では、第1透明薄膜F1の屈折率(第1の屈折率)が第2透明薄膜F2の屈折率(第2の屈折率)よりも小さい上記薄膜材料を用い、また第1透明薄膜F1の厚さが第2透明薄膜F2の厚さよりも大きい厚さで発色構造体Cが形成されている。
基板Pとしては、ガラス、Si基板、プラスチック基板、金属等を適宜選択することができる。
第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の形成材料としては、ポリシロキサン系樹脂(屈折率1.42)、SiO(石英;屈折率1.45)、Al(アルミナ;屈折率1.76)、ZnO(酸化亜鉛;屈折率1.95)、酸化チタン(屈折率2.52)、Fe(酸化第二鉄;屈折率3.01)等を適宜選択できる。
上記多層膜構造の発色構造体Cの発色特性としては、入射光ILに対して最上層の透明薄膜で反射した反射光RL1と、透明薄膜に屈折して入射し、次層及び同様に次層以下の層の透明薄膜で反射して出射する反射光RL2〜RL11とが干渉する。薄膜干渉理論に基づき、その干渉色(反射波長)、強度は、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の屈折率をn1、n2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の厚さをt1、t2とし、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F1の屈折角をθ1、θ2とすると、反射波長λは次式で表される。
λ=2×(n1×t1×cosθ1+n2×t2×cosθ2)…(1)
また、反射率(反射強度)Rは次式で表される。
R=(n1−n2)/(n1+n2)…(2)
この反射率を表す式(1)から明かなように、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2との屈折率の差が大きいほど、反射強度(発色強度)は大きくなる。
さらに、発色強度は光学厚みが、次式を満足するときに最大となる。
n1×t1=n2×t2=λ/4 …(3)
そして、例えば反射強度等に基づいて、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の材料を選定すると屈折率n1、n2及び屈折角θ1、θ2が決まるため、所望の発色特性(λ)と、式(1)〜式(3)とを用いることで、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の各層の厚さt1、t2と、所望の反射率を得るための積層数とを設定することができる。
次に、上述した発色構造体製造装置CLを用いて、基板P上に発色構造体Cを形成する手順について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
ここでは、第1透明薄膜F1をポリシロキサン系樹脂(シロキサンポリマー;屈折率1.42)で形成し、当該ポリシロキサン系樹脂を含む液状体材料として濃度3wt%、6wt%の種類を用意した。また、第2透明薄膜F2を酸化チタン(屈折率2.52)で形成し、当該酸化チタンを含む液状体材料として濃度2wt%、4wt%の種類を用意した。また、ここでは、予め基板P上に成膜された1層目の第1透明薄膜F1上に第2透明薄膜F2を成膜する場合について説明する。
成膜処理が開始されると(ステップS0)、二層目の第2透明薄膜F2を成膜する際に用いる液状体材料の濃度を選定する。ここでは各層が当初設定された厚さよりも薄く成膜されるように(厚くならないように)、低濃度(濃度2wt%)の第2透明薄膜形成材料を含む液状体材料(酸化チタンを含む液状体材料)を選択する(ステップS1)。
なお、予め高濃度(濃度4wt%)の第2透明薄膜形成材料を含む液状体材料を選択しても、当初設定された厚さよりも薄く成膜されること(厚くならないこと)が既知である場合には、高濃度の材料を選択してもよい。
そして、ステップS2で上述した液滴吐出装置30を用いて第2透明薄膜形成材料を含む第2液状体材料の液滴を基板P上に所定の厚さで塗布した後に、例えば180℃で1分の乾燥処理及び200℃で3分の焼成処理を行うことにより(ステップS3)、第1透明薄膜F1上に第2透明薄膜F2を成膜する。
次に、必要に応じて第2透明薄膜F2の表面に親液性を付与すべく表面処理を行う(ステップS4)。この表面処理は、次に塗布する液状体材料に対する下地層(この場合は第2透明薄膜F2)の濡れ性(親液性)を向上させるものであり、下地層と塗布する液状体材料とが同一である場合は元々親和性があるため、必ずしも必要ではないが、後に測定する膜厚が所定厚さであった場合、第2透明薄膜F2上に材料が異なる液状体材料を塗布するため、本実施形態では基板移動手段32を介して基板Pをプラズマ処理装置PSに移動させる。そして、基板Pに成膜された第2透明薄膜F2の表面を大気圧プラズマ処理して、第1液状体材料に対する濡れ性(親液性)を向上させる。
第2透明薄膜F2に対する表面処理が完了すると、基板P(第2透明薄膜F2)が投光部52の直下に位置するように、基板移動手段32を介して当該基板Pを移動させる。そして、投光部52から基板P(第2透明薄膜F2)に向けて検知光Lを投光・照射するとともに、受光部53によって反射光を受光する。
制御装置CONTは、受光部53の測定結果から反射率を算出し、記憶部54に記憶されている相関関係と照合することにより、第2透明薄膜F2の膜厚を求める。
そして、制御装置CONTは、求めた膜厚が所定厚さであるかどうかを判断し(ステップS6)、所定厚さであると判断すると、次層の成膜処理(第1透明薄膜F1の成膜処理)に移行する(ステップS7)。
一方、ステップS6において、制御装置CONTは、第2透明薄膜F2の膜厚が所定の厚さよりも薄いと判断すると、第2透明薄膜F2の膜厚を調整するべく、ステップS1以降の処理を再度実施させる。このとき、再度実施されるステップ1では、ステップS5で求められた第2透明薄膜F2の膜厚と所定厚さとの差の厚さを有する第2透明薄膜F2を成膜するべく、液状体材料を選択する。例えば、先の成膜処理で高濃度の第2液状体材料を選択したものの、所定の膜厚の半分程度の厚さで第2透明薄膜F2が成膜された場合は、再度高濃度の第2液状体材料を選択し、所定の膜厚の半分を超す厚さで第2透明薄膜F2が成膜された場合は、低濃度の第2液状体材料を選択し、また先の成膜処理で低濃度の第2液状体材料を選択していた場合は、再度低濃度の第2液状体材料を選択し、且つ液滴の吐出量も調整する。
この後、第2透明薄膜F2の膜厚が所定厚さとなるまで、ステップS1〜S5を順次繰り返す。
さらに、第2透明薄膜F2が所定厚さで成膜されると、上記と同様の手順を順次繰り返すことにより、第1透明薄膜F1と第2透明薄膜F2とを交互に繰り返して積層し、図4に示した発色構造体Cを形成する。
(実施例)
第1透明薄膜形成材料としてシロキサンポリマー(屈折率1.42)を含む第1液状体材料を用い、第2透明薄膜形成材料として酸化チタン(屈折率2.52)を含む第2液状体材料を用いて第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を成膜した。
ここで、例えば青色(λ=480nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=84.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=47.6nmで成膜した。この結果、図6(a)に示すように、反射率が80%以上で青色の発色特性が得られた。
同様に、例えば緑色(λ=520nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=91.5nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=52.0nmで成膜した。この結果、図6(b)に示すように、反射率が80%以上で緑色の発色特性が得られた。
さらに、例えば赤色(λ=630nm)を発色させる場合には、式(3)に基づいて、各第1透明薄膜F1を厚さt1=111.0nmで成膜し、各第2透明薄膜F2を厚さt2=62.5nmで成膜した。この結果、図6(c)に示すように、反射率が80%以上で赤色の発色特性が得られた。
このように、本実施形態では、液滴吐出法を用いて所望の発色特性に基づく厚さで第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を交互に成膜・積層することにより、工数が掛かったり、大型の設備が必要になることなく、容易、且つ効率的に所望の発色特性を有する発色構造体Cを製造することができる。
また、本実施形態では、検知光Lを透明薄膜Fに照射した反射光の反射率を測定することにより、容易に透明薄膜の膜厚を検出し、最上層の透明薄膜の膜厚を調整することが可能になるため、透明薄膜の膜厚を高精度に制御して、所望の発色特性を容易に得ることができる。また、本実施形態では、予め上記反射率と膜厚との相関関係を求めて記憶してあるため、成膜処理工程中でも迅速に透明薄膜の厚さを得ることができ、生産性の向上に寄与できる。
さらに、本実施形態では、複数種の液状体材料毎に用意された濃度の異なる液状体材料から選択した液状体材料を用いるため、最上層の透明薄膜の厚さを調整する際に、調整すべき厚さに応じて最適な濃度の液状体材料を選択することにより、最短の塗布時間で厚さ調整することができ、さらなる生産性の向上を実現できる。
また、本実施形態では、透明薄膜Fの表面に適宜プラズマ処理を施して親液性を付与するため、この層を下地層として次層の液状体材料を塗布した際には、当該液状体材料を良好に濡れ拡がらせることが可能になり、所定の厚さの透明薄膜Fを均一に成膜することができる。
また、本実施形態では、液滴吐出法により液状体材料を塗布しているため、必要最低限の液状体材料を必要な領域にのみ効率的に塗布することが可能になり、生産性を一層向上させることができる。
続いて、発色構造体Cの他の実施形態について、図7乃至図14を参照して説明する。
上記第1実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2をそれぞれについて同じ厚さで成膜する構成としたが、第2実施形態では最上層及び最下層については、他の層と厚さを異ならせている。
図7(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化チタン(屈折率2.52)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、ここでは波長が430〜450nm近辺の青色の反射スペクトルを得るために、便宜上、第1透明薄膜F1の厚さを70nm、第2透明薄膜F2の厚さを40nmとしている。そして、図7(b)は、これらの膜厚で形成された発色構造体Cにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
そして、図8(a)〜図14(a)は、図7(a)に示した第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の膜厚に対して、最下層である第1層と、最上層である第11層の膜厚をそれぞれ0倍(すなわち、厚さゼロ)、0.5倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍に変化させたことを示す図である。また、図7(b)〜図14(b)は、図7(a)〜図14(a)で示された膜厚の第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2で構成される発色構造体Cにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
図7(b)、図8(b)及び図9(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層よりも小さい場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークが大きくなってしまう。一方、図10(b)、図11(b)、図14(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の1.5倍、2倍、5倍である場合には、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくすることができる。
そして、図11(b)、図12(b)、図13(b)の発光特性で示されるように、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚の2倍、3倍、4倍である場合には、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくすることができる。
このような膜厚の発色構造体Cを製造する際にも、上述した反射率測定を用いることにより、より高精度に膜厚及び発色特性を制御することが可能になる。
従って、本実施形態では、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、最上層及び最下層の膜厚を他の層よりも大きくすることにより、より良好な発色特性を得ることができる。特に、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を他の層の膜厚の二倍の厚さで成膜することにより、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、一層良好な発色特性を得ることが可能になる。
さらに、発色構造体Cの他の実施形態について、図15を参照して説明する。
上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2について、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも大きな膜厚で形成する構成としたが、本実施形態ではこれとは逆の構成としている。
図15(a)は、上記と同様に、奇数層にシロキサンポリマー(屈折率1.42)により成膜された第1透明薄膜F1と、偶数層に酸化亜鉛(屈折率1.95)により成膜された第2透明薄膜F2との膜厚を示すものであり、図15(b)は、これらの膜厚で形成された発色構造体Cにおける発光波長と反射率との関係で表される発光特性を示す図である。
図15(a)に示すように、本実施形態では、最上層及び最下層の膜厚を除いて、屈折率の小さい第1透明薄膜F1の膜厚が、屈折率の大きい第2透明薄膜F2よりも小さな膜厚で形成されている。そして、上記第2実施形態と同様に、最上層及び最下層の膜厚が他の層の膜厚よりも大きく成膜されている。
そして、図15(b)に示すように、本実施形態においても、所定領域以外の波長領域における反射ピークを小さくできるとともに、所定領域以外に出現する反射ピークの波長領域を小さくでき、良好な発色特性を得ることが可能になる。
上記実施形態で説明した発色構造体Cとしては、例えば時計文字盤、ブレスレット、ブローチ、携帯電話筺体等の装飾用部材(意匠部材、外装部材)に広く適用可能であり、この発色構造体C及びその製造方法を用いることにより、効率的に装飾用部材(意匠部材、外装部材)を製造することができ、製造コストが削減された生産性に優れた装飾用部材(意匠部材、外装部材)を得ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、奇数層に第1透明薄膜F1を成膜し、偶数層に第2透明薄膜F2を成膜する構成としたが、これに限定されるものではなく、逆の積層配置としてもよい。また、透明薄膜の積層数についても、上記実施形態で示した数は一例であり、所望の反射特性が得られるのであれば、11層以下でも11層以上であってもよい。
また、上記実施形態における透明薄膜の膜厚調整としては、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2の少なくとも一方を、第1透明薄膜形成材料、第2透明薄膜形成材料の粒子径で形成することもできる。この場合、塗布した液状体材料に含まれる粒子が積み重ならないように、液状体材料に分散促進剤を含有させる等の方法を採ることが好ましい。
さらに、粒子径以上の膜厚で透明薄膜を形成する場合には、透明薄膜の膜厚を粒子径の整数倍とすることにより、上記粒子径の厚さで膜を成膜する工程を複数回繰り返すことにより、ばらつきが少ない一定の厚さで精度よく成膜することが可能になる。
また、上記実施形態では、第1透明薄膜F1、第2透明薄膜F2を形成するための液体材料塗布に液滴吐出法を用いる構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、スピンコートや印刷法等、液相法による他の塗布方法を用いてもよい。
また、上記実施形態では、親液化処理として大気圧プラズマ法を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば波長170〜400nmの紫外光を照射する処理や、基板P(透明薄膜F)をオゾン雰囲気にさらす処理を好適に採用できる。
液滴吐出装置の概略的な構成図である。 液滴吐出ヘッド301の断面図である。 反射率測定装置の要部詳細図である。 多層構造を有する発色構造体Cが基板P上に形成された断面図である。 発色構造体Cの製造方法のフローチャート図である。 本実施形態に係る発光波長と反射率との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。 他の実施形態に係る膜厚と発光特性との関係を示す図である。
符号の説明
C…発色構造体、 CL…発色構造体製造装置、 CONT…制御装置(制御部)、 F…透明薄膜、 F1…第1透明薄膜、 F2…第2透明薄膜、 P…基板、 PS…プラズマ処理装置、 RF…反射率測定装置、 30…液滴吐出装置(成膜装置)、 52…投光部、 53…受光部

Claims (12)

  1. 所定の発色特性を有して設けられる発色構造体の製造装置であって、
    基板上に液状体材料を塗布して前記発色特性に基づく厚さで透明薄膜を成膜する成膜装置と、
    互いに異なる屈折率を有する複数種の前記液状体材料を交互に塗布して積層された前記透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定する反射率測定装置とを備えることを特徴とする発色構造体製造装置。
  2. 請求項1記載の発色構造体製造装置において、
    前記反射率測定装置は、前記検知光を投光する投光部と、前記透明薄膜からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の受光結果に基づいて前記成膜装置を制御して最上層の前記透明薄膜の厚さを調整する制御部とを有することを特徴とする発色構造体製造装置。
  3. 請求項2記載の発色構造体製造装置において、
    前記制御部は、前記反射率と前記透明薄膜の厚さとの相関関係を記憶する記憶部を有することを特徴とする発色構造体製造装置。
  4. 請求項2または3記載の発色構造体製造装置において、
    前記制御部は、前記受光部の受光結果に基づいて、前記複数種の液状体材料毎に用意された濃度の異なる該液状体材料から選択した前記液状体材料を前記成膜装置に塗布させることを特徴とする発色構造体製造装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の発色構造体製造装置において、
    前記成膜装置は、前記複数種の液状体材料をそれぞれ液滴吐出法で塗布することを特徴とする発色構造体製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の発色構造体製造装置において、
    塗布した前記透明薄膜にプラズマ処理を行い、当該透明薄膜上に塗布される前記液状体材料に対する親液性を付与するプラズマ処理装置を備えることを特徴とする発色構造体製造装置。
  7. 所定の発色特性を有して設けられる発色構造体の製造方法であって、
    基板上に液状体材料を塗布して前記発色特性に基づく厚さで透明薄膜を成膜する成膜装置と、
    互いに異なる屈折率を有する複数種の前記液状体材料を交互に塗布して前記透明薄膜を積層する工程と、
    積層された前記透明薄膜に対して検知光を照射して反射率を測定する工程と、
    を有することを特徴とする発色構造体の製造方法。
  8. 請求項7記載の発色構造体の製造方法において、
    測定した前記反射率に基づいて最上層の前記透明薄膜の厚さを調整する工程を有することを特徴とする発色構造体の製造方法。
  9. 請求項8記載の発色構造体の製造方法において、
    前記反射率と前記透明薄膜の厚さとの相関関係を予め記憶した結果に基づいて、前記最上層の前記透明薄膜の厚さを調整することを特徴とする発色構造体の製造方法。
  10. 請求項8または9記載の発色構造体の製造方法において、
    測定した前記反射率に基づいて、前記複数種の液状体材料毎に用意された濃度の異なる該液状体材料から選択した前記液状体材料を塗布することを特徴とする発色構造体の製造方法。
  11. 請求項7から10のいずれか一項に記載の発色構造体の製造方法において、
    前記複数種の液状体材料をそれぞれ液滴吐出法で塗布することを特徴とする発色構造体の製造方法。
  12. 請求項7から10のいずれか一項に記載の発色構造体の製造方法において、
    成膜された前記透明薄膜にプラズマ処理を行い、当該透明薄膜上に塗布される前記液状体材料に対する親液性を付与するプラズマ処理工程を有することを特徴とする発色構造体の製造方法。
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