JPH06337310A - 光学多層膜並びにその成膜方法及びその成膜装置 - Google Patents

光学多層膜並びにその成膜方法及びその成膜装置

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JPH06337310A
JPH06337310A JP26611893A JP26611893A JPH06337310A JP H06337310 A JPH06337310 A JP H06337310A JP 26611893 A JP26611893 A JP 26611893A JP 26611893 A JP26611893 A JP 26611893A JP H06337310 A JPH06337310 A JP H06337310A
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JP
Japan
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film
forming
optical multilayer
film thickness
substrate
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Application number
JP26611893A
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English (en)
Inventor
Tsuguhiro Korenaga
継博 是永
Shinji Uchida
真司 内田
Hideo Kurokawa
英雄 黒川
Akito Sawada
亮人 沢田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い膜厚精度を要求される光学多層膜を広い
面積にて製造する技術を提供する。 【構成】 成膜が行われる基板59を回転ド−ム58上
にセットし、真空蒸着源からの蒸発粒子56により、基
板59上に光学多層膜を成膜する際、回転ド−ム58
を、回転ドームの外周部に約120°間隔で配設された
位置調整機構511によって、回転中心軸から偏心する
ことなく回転させる様に回転案内することにより、従
来、回転ド−ム58の円周方向に保持された基板間で発
生していた膜厚分布をも低減し、光学特性ばらつきの少
ない光学多層膜を広い面積で得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各層が極めて高い膜厚
精度を要求される光学多層膜並びにその成膜方法及び成
膜装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、広い面積にわたり均一な膜厚
分布を有した膜を基板上に形成するために、膜が形成さ
れる基板を回転ド−ムなどの回転型の基板ホルダ−に保
持しつつ、これに膜厚補正板を組み合わせることがよく
行われている。
【0003】以下図面を参照しながら、従来の光学多層
膜の成膜装置と成膜方法について説明する。
【0004】図15は、従来の光学多層膜を成膜する装
置の構成図である(例えば、「光・薄膜技術マニュア
ル」、オプトロニクス社を参照)。
【0005】排気ポンプE1によって高真空状態に保た
れた真空槽E2内に設けられた電子銃E3により、ハ−
スE4内の蒸着材料E5を加熱融解し、蒸発させる。蒸
発した蒸発粒子E6は、その一部は膜厚補正板E7によ
って進行を妨げられるが、残りは回転ド−ムE8上に設
置された基板E9に到達し、この基板E9上に薄膜を形
成する。
【0006】なお、図面には基板E9は一つしか図示し
ていないが、実際にはドーム上に多数取り付けられてい
る。
【0007】なお、基板E9上への薄膜形成に先立ち、
基板E9は、複数の基板加熱源により基板ド−ムの全体
で均一な温度に加熱されている。
【0008】ハースE4に保持された第2、第3・・・
の蒸着材料E10についても、上記と同様の工程により
基板E9上に順次、薄膜が形成され、基板E9上には、
第1、2、3・・・の蒸着材料による多層膜が作成され
る。
【0009】各層の光学的膜厚については、同時成膜さ
れるモニタガラスE11の反射率を測定することで高精
度に制御される。
【0010】従来よりこのような成膜装置にて、TiO
2、SiO2などの材料を用いて、光学多層膜が製造され
ている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、光
学デバイスに要求される仕様は厳しくなってきており、
極めて高い波長精度をもつ光学多層膜を大量に製造する
技術が必要となっている。
【0012】我々は、図15に示した従来の標準的な成
膜装置にて、TiO2とSiO2よりなるバンドパスフィ
ルタを作成したところ、回転ド−ム上の被成膜基板のう
ち、ド−ム外周部に保持されてた基板上に成膜された多
層膜ほど、光学特性の立ち上がりと立ち下がりの波長差
が狭くなり、仕様を満足しないものが多く存在すること
がわかった。
【0013】さらに回転ド−ムの円周方向についても、
半値波長(最大透過率の半分の透過率をもつ波長)のば
らつきが、最大約±5nm程度も存在することを新たに
見いだした。この円周方向のばらつきについては、従来
全く考察が加えられていないものであり、この円周方向
ばらつきは、ド−ム外周部において成膜されたもののほ
うが大きかった。
【0014】現状要求される仕様から考えると、この回
転ド−ム円周方向の特性ばらつきは今や無視できないも
のである。
【0015】また、さらに詳細な検討をした結果、回転
ド−ムの回転数に対する蒸発源からの蒸発レ−トの比が
大きいほど、円周方向の特性ばらつきも大きくなること
も新たに見いだされた。
【0016】しかし、ド−ムの回転数はベアリングの寿
命等の機構面や被成膜基板の保持等の理由から上限があ
るため、膜厚精度を高めるには成膜レ−トを下げねばな
らず、量産性の面で課題となる。
【0017】本発明は上記問題点に鑑み、光学特性ばら
つきの少ない光学多層膜を広い面積で製造することを目
的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ための第1の手段は、高精度なバンドパスフィルタを実
現するために各層の膜厚分布の精度を規定するものであ
る。
【0019】第2の手段は、光学多層膜の成膜方法とし
て、真空を維持したまま可動な膜厚補正板を備え、異な
る蒸着材料毎にその膜厚補正板の形状、位置を変更する
ものである。
【0020】第3の手段は、従来その存在を知られてい
なかった回転ホルダ−の円周方向の膜厚ばらつきを抑制
する手段を備えた光学多層膜の成膜装置とするものであ
る。
【0021】第4の手段は、回転ホルダ−の同一円周上
の複数の被成膜基体に対し、各被成膜基体と回転ホルダ
−の回転軸との距離のばらつきと各被成膜基体の被成膜
面の法線の角度ばらつきを規定するものである。
【0022】第5の手段は、蒸着源と被成膜基体との間
に回転する遮蔽部を設けたものである。
【0023】さらに第6の手段は、光学多層膜を成膜す
るにあたり、各層の膜厚が予め設定された膜厚に到達す
る前に蒸発レ−トを所定値以下にするものである。
【0024】
【作用】第1の手段の作用は以下のようになる。バンド
パスフィルタを構成しているTiO2と、SiO2、それ
ぞれの膜厚精度を±1%以内に規定することで、立ち上
がり、立ち下がりの両方とも高波長精度をもつバンドパ
スフィルタが得られる。
【0025】第2の手段の作用は以下のようになる。す
なわち、蒸発源からの蒸発粒子の分布が蒸着材料によっ
て異なることにより生じる光学多層膜の特性ばらつきを
補正するために、光学多層膜を構成する異なる材料を成
膜する毎に、膜厚補正板の形状や位置を真空を維持しな
がら変更することによって、広い面積で各層が均一な膜
厚分布をもつ光学多層膜を成膜できる。
【0026】第3の手段の作用は以下のようになる。新
たに見いだされ、比較的ばらつきの大きい回転ド−ム円
周方向の膜厚ばらつきを抑制する手段を成膜装置に加え
ることにより、さらに光学特性ばらつきの小さい光学多
層膜を成膜できる。
【0027】第4の手段の作用は以下のようになる。回
転ホルダ−の同一円周上の複数の被成膜基体に対し、各
被成膜基体と回転ホルダ−の回転軸との距離のばらつき
と、各被成膜基体の被成膜面の法線の角度ばらつきを規
定することにより、同一円周上の各被成膜基体が少ない
誤差範囲で同一軌道上を同じ傾きで回転することにな
り、回転ド−ム円周方向の膜厚ばらつきを抑制すること
が可能となる。
【0028】第5の手段の作用は以下のようになる。回
転型ホルダ−にて光学多層膜を一層ずつ成膜する際に、
各層が膜厚センサにて設定膜厚に到達すると同時に蒸発
源からの蒸発粒子をシャッタにて遮って成膜を終了する
が、蒸発粒子をシャッタにて遮るのにかかる時間内でホ
ルダ上で成膜が進行している部分と成膜が終わっている
部分とが生じてしまう。このことが円周方向の膜厚ばら
つきの一因と考えられる。このような原因にて生じる膜
厚ばらつきは被成膜基体が一周する間の成膜レ−トの変
動が大きいほど顕著となる。特に膜厚補正版を使用して
いる際には補正板により隠された領域は完全に成膜レ−
トが0となるため成膜レ−ト変動が大きくなる。本発明
では膜厚補正のために回転する遮蔽部を設けることによ
り、遮蔽部により隠されて成膜されない領域を成膜され
る各位置に対して高速に移動させ、従来の成膜装置に比
べて見かけ上、回転ホルダ−を極めて高速に回転してい
るのと同じ状態を作り出すことにより、円周方向の成膜
レ−ト変動を小さくすることで回転ホルダ−の円周方向
の膜厚精度を極めて向上できる。
【0029】第6の手段の作用は以下のようになる。我
々の検討によれば、回転ホルダ−の回転数に対する蒸発
源からの蒸発レ−トの比が大きいほど、円周方向の特性
ばらつきも大きくなることが判明した。成膜終了時に蒸
発粒子をシャッタにて遮るのにかかる時間内でホルダ上
で成膜が進行している部分と成膜が終わっている部分と
が生じ、両部分の膜厚差は成膜レ−トが大きく、回転ホ
ルダ−の回転数が低いほどシャッタを閉める際に生じる
円周方向の膜厚差が膜厚精度に大きく影響するためであ
る。従って、本発明は成膜途中にて大きな蒸発レ−トで
あっても、少なくとも、成膜終了直前には所定値以下の
低い蒸発レ−トにすることにより、成膜後の円周方向の
膜厚分布を減らすものである。これにより、高速成膜時
でも回転ホルダ−の円周方向の膜厚精度は維持され、光
学多層膜の量産性が極めて向上できる。
【0030】
【実施例】
(実施例1)本発明の第1の発明の一実施例について説
明する。図15に示すような従来の標準的な光学多層膜
の成膜装置を用いて、SiO2 とTiO2 の2材料によ
り(表1)のような膜構成をもつバンドパスフィルタと
なる光学多層膜を成膜した。
【0031】
【表1】
【0032】このような膜構成にてガラス基板に成膜し
た光学多層膜の代表的な反射特性を図1に、回転ド−ム
の各位置における短長両半値波長を(表2)にそれぞれ
示す。
【0033】
【表2】
【0034】(表2)において、ド−ム上の段数とは、
図2に示すようにド−ムの回転軸から近い順に1段目、
2段目・・・の基板の配置となっており、用いた成膜装
置の実寸は蒸発源と回転ド−ムの回転軸の距離が15c
m、回転ド−ムの曲率半径が38cm、曲率中心の高さ
が22cm、ド−ムの最大径が31cmである。
【0035】(表2)の結果から、膜厚補正板により長
波長側の半値波長を同一値に揃えても、短長両半値波長
の差である反射帯幅は段数が増えるとともに狭くなって
おり、結果として短波長側の半値波長差は1段目と8段
目で14nm程度あることがわかる。
【0036】これらの1〜8段目の多層膜について、電
子顕微鏡の断面写真により各層の膜厚を測定したとこ
ろ、段数が多い程、すなわちド−ムの外側程、TiO2
の膜厚に対するSiO2 の膜厚比が小さくなっているこ
とがわかった。
【0037】すなわち回転ド−ム上の位置により多層膜
を構成している各層の膜厚が異なり、光学特性にばらつ
きが生じたといえる。
【0038】近年では、バンドパスフィルタの波長精度
は、立ち上がりの半値波長(短波長側半値波長)、立ち
下がりの半値波長(長波長側半値波長)とも±5nm以
内におさめることが要求されており、このような精度を
実現するには反射帯幅をほとんど一定にする必要があ
る。
【0039】カットオフフィルタのような単一の半値波
長に合わせることは、各層の膜厚精度が低くても各層の
膜厚の組合せによって可能である。このことは実験的に
も、シミュレ−ションにおいても確認している。
【0040】バンドパスフィルタにおいて、以上のこと
を確認するために、上記のような多層膜の成膜実験を膜
厚設定を微妙に増減させつつ数回行った結果、立ち上が
りの半値波長(短波長側半値波長)、立ち下がりの半値
波長(長波長側半値波長)とも±5nm以内におさめる
ためには、各層の膜厚精度を±1%以下にする必要があ
ることが導びかれた。
【0041】したがって、2つの半値波長を同時に精度
良く実現する必要のあるバンドパスフィルタに限り、各
層の膜厚精度を限定することが必要になる。逆にバンド
パスフィルタを構成する各層がこのような膜厚精度をも
つ光学多層膜であるならば実用上極めて有効なバンドパ
スフィルタとなる。
【0042】(実施例2)次に第2の発明の光学多層膜
の成膜方法の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
【0043】図3は本発明の光学多層膜の成膜方法の一
実施例を具現化した光学多層膜の成膜装置の構成図であ
る。図3において、31は排気ポンプ、32は真空槽、
33は電子銃、34はハ−ス、35は蒸着材料のSiO
2 、36は第2の蒸着材料であるTiO2、37は蒸発
粒子、38は第1の膜厚補正板(固定)、39は第2の
膜厚補正板(可動)、310はモ−タ、311は基板ド
−ム、312は基板、313はシャッタである。
【0044】このような構成において、モ−タ310が
回転すると、その回転軸に取り付けられた第2の膜厚補
正板39が動く。このような機構により、真空中でも自
由に膜厚補正板と基板ドーム311との相対位置関係を
変えることができ、その結果、基板上の成膜に及ぼす膜
厚補正板の影響を制御できる。
【0045】以下、従来例と比較しつつ、本実施例の効
果について説明する。膜材料としてSiO2 とTiO2
の2材料により、(表1)に示した膜構成をもつ、バン
ドパスフィルタとなる光学多層膜を図3の本実施例の成
膜装置により成膜した。その評価結果を(表3)に示
す。このときTiO2 成膜時には膜厚補正板を図4
(a)のようにし、SiO2 成膜時には膜厚補正板を図
4(b)のような配置とした。
【0046】なお、従来の一般的な成膜装置にて成膜し
た結果は既に(表2)に示した。
【0047】
【表3】
【0048】(表3)の結果から、本実施例のように、
成膜材料ごとに、膜厚補正板の形状あるいは膜厚補正板
の、基板ドームとの相対的な位置関係を変更することに
より、半値波長、および反射帯幅が段数の増加と関係な
くほぼ一定に保たれていることがわかる。
【0049】ところで、TiO2とSiO2を蒸着材料と
して使い、電子ビ−ム蒸着にて多層膜を作成する場合、
前者はハ−ス内全体に溶解するが、後者は照射される電
子ビ−ムの中心部のみが選択的に溶解するという違いが
ある。TiO2 は面蒸発源となりほぼ余弦則に従うが、
昇華性をもつSiO2 は比較的、点蒸発源に近くなり均
一に放射状に蒸発粒子が分布する。
【0050】従って、従来例のように固定の膜厚補正板
を設けた場合では、カットオフフィルタのような一つの
半値波長を成膜面積内で高精度に実現することは可能で
あるが、バンドパスフィルタのように同時に二つの半値
波長を高精度に実現することは極めて困難である。これ
は両半値波長の差(バンド幅)が二つの材料の膜厚比に
よって変わるためである。
【0051】それに対し、本実施例のように真空を維持
したまま、材料ごとに膜厚補正板の形状あるいは相対位
置を変更することによって、多層膜を形成する各層の膜
厚分布を均一にすることができ、バンドパスフィルタの
ような、複数の波長できわめて高い波長精度を要求され
る光学多層膜を、広い面積で成膜することが可能とな
る。
【0052】本実施例により得られた光学多層膜の各層
の膜厚を電顕の断面写真により評価したところ、TiO
2膜とSiO2膜は、それぞれの膜厚分布が1%以下であ
ることが確認できた。
【0053】なお、本実施例においては膜材料としてT
iO2 と、昇華性をもつSiO2 を用いたが、一般に材
料によってその蒸発分布は異なるため、本発明が如何な
る膜材料に対しても有効であることは言うまでもない。
【0054】特にSiO2 のような昇華性をもつ膜材料
に対して極めて効果がある。また、膜構成にも制限はな
く、あらゆる光学多層膜に有効である。特にバンドパス
フィルタの製造には極めて効果が高い。
【0055】また、本実施例では成膜方式を電子ビ−ム
蒸着としたが、スパッタ等の他の成膜方式であっても同
様に有効である。
【0056】また、本実施例では固定と可動の2つの膜
厚補正板を用いたが、1つの膜厚補正板の位置を変更し
たり、あるいは3つ以上の膜厚補正板を組み合わせても
本実施例と同様の効果が得られる。
【0057】さらに被成膜対象の形状には制限なく、回
転ド−ム以外の回転ホルダ−であってもかまわない。
【0058】(実施例3)次に第3の発明の光学多層膜
の成膜装置の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
【0059】まず、従来例として(表1)の光学多層膜
を図15の装置にて(表4)のような成膜条件で成膜し
たとき、その光学多層膜について、その光学特性を評価
した。その結果を(表5)に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】(表5)における円周方向の位置とは、図
3に示すような同一段数上における位置を言い、(表
5)では、円周方向に90゜ずつ離れた位置をサンプリ
ングしている。またこのときの回転ド−ムの回転数は1
回転/5secとし、シャッタが閉まるのに要する時間
は約0.2秒であった。
【0063】(表5)より、従来の成膜装置にて成膜し
た光学多層膜には、光学特性にばらつきがあることがわ
かった。すなわちド−ムの円周方向に膜厚分布が生じて
いることが判明した。
【0064】以上と同様の成膜実験、および評価を数回
繰り返した結果、同一円周方向における光学多層膜のサ
ンプル間の半値波長ばらつきは成膜バッチ間によって異
なり、±1.5nmのものもあれば、±5nmのものも
存在した。
【0065】この程度の光学特性ばらつきは従来の光学
デバイスにとっては問題とならなかったため、従来の光
学多層膜の成膜装置には対策がなされていなかった。
【0066】しかし、近年、光学デバイスには極めて高
い色再現性が必要とされており、それに伴い、このよう
なデバイスの核となる光学多層膜に対し、厳しい仕様が
要求されており、上記の円周方向ばらつきは無視できな
いものとなる。
【0067】図15に示すような従来の光学多層膜の成
膜装置における構造上の問題点として、まず回転ド−ム
は、被成膜基体を取り替えるために、通常、装置全体か
ら着脱可能に構成される。そのため軽量である必要があ
り、肉厚も数mm以下と、かなり薄く変形しやすい。
【0068】また回転ド−ムが装置にセットされる際
は、回転機構上に何の規正もなく設置するのが一般的で
ある。従って、回転機構部の回転中心と回転ド−ムの中
心とが数mm程度ずれて偏心してしまうことが多々あ
る。これらの課題を解決しない限り、回転ド−ム円周方
向の特性ばらつきを低減することは困難である。
【0069】この課題を解決する本願発明の一実施例
を、図面を参照しながら説明する。図5は本発明の実施
例における光学多層膜の成膜装置の構成図である。排気
ポンプ51によって高真空状態に保たれた真空槽52内
に設けられた電子銃53により、ハ−ス54内の蒸着材
料55を加熱融解し、蒸発させる。蒸発した蒸発粒子5
6は、その一部が膜厚補正板57によって進行を妨げら
れるが、残りは回転ド−ム58上に設置された基板59
に到達し、薄膜を形成する。
【0070】回転ド−ムは着脱可能であり、基板を保持
するために多数の孔が開口している。また回転ド−ムの
底部(外周部)には補強部510が取り付けられてお
り、ド−ムを回転させる回転機構には、円周方向3カ所
において、ド−ムをその中心軸方向に押圧するマイクロ
メ−タ511が取り付けられている。基板は保持治具を
介して回転ド−ムに固定されている。
【0071】各層の光学的膜厚については同時成膜され
るモニタガラス511の反射率を測定することで高精度
に制御される。
【0072】図6に回転ド−ム付近の拡大図を示す。補
強部には溝状のガイドが切ってあり、回転ド−ムのエッ
ジ部Eがこのガイドにはめ込まれる。補強部の剛性によ
り回転ド−ムの変形を防止している。回転ド−ムは回転
機構上に乗せられた後、補強部を押圧する3つのマイク
ロメ−タにより、回転時に偏心しないように位置調整さ
れる。
【0073】図7に基板付近の拡大図を示す。基板は治
具1の上に彫られたガイドにより位置を規正され、治具
1の筒部71と回転ド−ム上に開口した孔とがはめ合う
ようになっている。筒部の先端に切られたねじにより治
具2と締め合わせることにより、回転ド−ムに固定され
るようになっている。
【0074】図5の装置を用い、回転ド−ムの位置調整
をした後、(表1)の膜構成をもつ光学多層膜を(表
4)のような成膜レ−トで数回成膜した結果、問題であ
った回転ド−ムの円周方向の特性ばらつきは最大でも±
1nm程度に抑えられ、結果として同一バッチ全体でも
±2nm程度の特性ばらつきに低減できた。
【0075】このように、新たに見いだした回転ド−ム
の円周方向の膜厚ばらつきを抑制する手段を設けること
によって、現状の要求を満足する光学特性ばらつきの少
ない光学多層膜を広い面積で製造が可能になる。なお、
その手段については上記の実施例における構成以外のい
かなる構成であってもかまわない。
【0076】なお、本実施例においては膜材料としてT
iO2 と、SiO2 を用いたが、本発明が如何なる膜材
料に対しても有効であることは言うまでもない。また、
膜構成にも制限はなく、あらゆる光学多層膜に有効であ
ることはいうまでもなく、光学多層膜以外の高い膜厚精
度を要求される薄膜であればすべて有効である。
【0077】また、本実施例では成膜方式を電子ビ−ム
蒸着としたがスパッタ等の他の成膜方式であっても同様
に有効である。また、被成膜基体の形状には制限なく、
回転ド−ム以外の回転ホルダ−であってもかまわない。
【0078】また、補強部の構造は回転ホルダ−が変形
しないものなら、いかなるものでもよく、ホルダ−との
取り付け手段も問わない。また、ホルダ−を位置ぎめす
る機構は押圧が可能であればマイクロメ−タに限らず、
その数も3カ所以上であれば何カ所でもよい。さらに、
被成膜基体を保持する治具の形状、あるいは回転ホルダ
−の切込みも丸である必要はなく、いかなる形状でもよ
い。
【0079】(実施例4)次に第4の発明の光学多層膜
の成膜方法の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
【0080】実施例3にて示した図5の光学多層膜の成
膜装置を用い、(表1)の膜構成をもつ光学多層膜を成
膜した。このとき回転ド−ムの8段目の円周方向に20
個のガラス基板をきっちり固定して配置し、わざと回転
ド−ムを5mm偏心させて成膜し、成膜後に各基板の特
性評価を行った。ここで、回転ド−ムを偏心させること
は円周方向の各位置によって基板が描く軌道が異なるこ
とになる。
【0081】なお、使用した装置は標準的な光学多層膜
の成膜装置を改良したものであり、蒸発源の位置、及び
回転ド−ムの大きさ、その位置は改良前のままである。
具体的な寸法は、蒸発源と回転ド−ムの回転軸の距離が
15cm、回転ド−ムの曲率半径が38cm、曲率中心
の高さが22cm、ド−ムの最大径が31cmである。
【0082】図8は以上の検討結果を示す図である。横
軸は、各基板と回転ド−ムの回転軸との距離を、偏心が
ないときの基板と回転軸との距離に対する百分率で表し
たもので、縦軸は長波長側の半値波長とした。
【0083】この結果から各基板と回転軸との距離のば
らつきが±1%以内のとき半値波長のばらつきが±1n
mとなっており、現状の要求を満足する光学多層膜を実
現していることがわかる。
【0084】1〜7段目の円周方向についても実験を行
ったが、同様の結果が得られた。標準的な光学多層膜の
成膜装置であれば、蒸発源と回転ホルダ−との相対比率
はほぼ同じであるので以上の結果が概ね成立する。
【0085】次に再び図5の光学多層膜の成膜装置を用
いて、(表1)の膜構成の光学多層膜を成膜した。この
とき回転ド−ムの偏心がほぼ0となるように調整し、回
転ド−ムの8段目の円周方向に20個のガラス基板を図
9のα、β2方向に±3゜程度まで30分ずつ傾けて固
定し、成膜後に各基板の評価を行った。このとき各基板
と回転軸との距離のばらつきは±0.3%以下であっ
た。
【0086】評価結果を図10に示す。横軸は通常の保
持したときからのずれ角、縦軸は半値波長を示す。
【0087】この結果よりα、β両方向とも±30分以
下の傾きであれば半値波長のばらつきが±1nm程度の
ばらつきに抑えられることがわかる。従って被成膜面の
法線がα、βのどちらの方向にも±30分以下の傾きで
あれば現状の要求を満足する光学多層膜を得られる。
【0088】本実施例にて成膜された光学多層膜におい
ては、多層膜を構成する各層の膜厚を測定した結果、半
値波長の大きいものは各層がすべて厚めに成膜されてい
ることが、逆に半値波長の小さいものは各層がすべて薄
めに成膜されていることが確認された。
【0089】なお、本実施例においては膜材料としてT
iO2 と、SiO2 を用いたが、本発明が如何なる膜材
料に対しても有効であることは言うまでもない。また、
膜構成にも制限はなく、あらゆる光学多層膜に有効であ
ることはいうまでもない。また、本実施例では成膜方式
を電子ビ−ム蒸着としたがスパッタ蒸着、抵抗加熱法で
あっても同様に有効である。
【0090】(実施例5)次に第5の発明の光学多層膜
の成膜方法の一実施例について、図面を参照しながら説
明する。
【0091】図11は本実施例の光学多層膜の成膜装置
の構成図である。排気ポンプA1によって真空状態に保
たれた真空槽A2内に設けられた電子銃A3により、ハ
−スA4内の蒸着材料A5を加熱融解し蒸発させる。
【0092】被成膜基板A6は、回転ド−ムA7上にホ
−ルドされており、ハ−スA4と偏心のない回転ド−ム
A7の間には、蒸発粒子A8を遮蔽する遮蔽板A9が設
置されている。
【0093】円環形状のレ−ルA10の上にベアリング
を介して乗っているリングギアA11に遮蔽板A9は固
定されており、モ−タA12が回転することによって遮
蔽板A9は回転する。このとき回転ド−ムA7と遮蔽板
A9の回転軸は同一であるが、両者の回転方向は互いに
逆になっている。
【0094】膜厚は、モニタガラスA13の反射率によ
り制御され、設定した膜厚になるとシャッタA14が閉
じて成膜が終了する。
【0095】図15に示した従来の成膜装置と本実施例
の成膜装置を用いて(表6)の膜構成をもつTiO2
SiO2よりなるバンドパスフィルタを(表7)の成膜
条件で作成した。なお、両成膜装置とも共通部の大き
さ、仕様はほぼ同じとし、具体的な寸法は、回転ド−ム
の曲率半径が38cm、曲率中心の高さが22cm、ド
−ムの最大径が31cmとした。
【0096】
【表6】
【0097】
【表7】
【0098】従来例と本実施例の装置にて成膜した光学
多層膜の評価結果を(表8)に示す。
【0099】
【表8】
【0100】(表8)には従来例、本実施例ともそれぞ
れ10回ずつ成膜を行い、そのうち最もばらつきの大き
かったものを掲載した。ここで半値波長のばらつき±6
nmが総膜厚に対する膜厚ばらつき±1%に相当する。
【0101】(表8)の結果から、本実施例の成膜装置
を用いることにより、従来よりもド−ム円周方向におけ
る膜厚ばらつきの小さい薄膜が得られることがわかる。
【0102】また、本実施例よりもさらに成膜レ−トを
倍程度まで増やしても、現レ−トの従来例と同等以上に
膜厚ばらつきを抑えることができ、遮蔽板の数を増やせ
ばさらに膜厚ばらつきが減らせることが判明した。
【0103】なお、本実施例においては、遮蔽部として
板状のものを用いたが厚み、形状はとくに限定せず、例
えば編目フィルタ状のものであってもよい。また遮蔽部
を回転させる機構も限定するものでない。
【0104】(実施例6)第5の発明の光学多層膜の成
膜方法の第2の実施例について図面を参照しながら説明
する。
【0105】図12は本実施例を具現化した光学多層膜
の成膜装置の構成図である。蒸発粒子の遮蔽部以外は図
11に示した第1の実施例の成膜装置の構成図と同様で
ある。
【0106】本実施例においては、遮蔽部としてド−ム
状遮蔽板B1を用いている。遮蔽板はその中心に対し軸
対称であり、モ−タに連動したリングギア上に固定され
中心を軸に回転する。
【0107】このド−ム状遮蔽板の詳細図を図13に示
す。遮蔽板には中心軸から放射状にスリットがはいって
おり、そのスリットの幅は、回転中心に行くに従い狭く
なっている。これは遮蔽部を取り除いたときの回転ド−
ム上の膜厚は、ド−ムの段数が増えるにつれて薄くなっ
ているので、スリットの疎密により段方向の膜厚分布を
補正するためである。
【0108】遮蔽板はフレ−ムC1の上に複数のパレッ
トC5をはめ込んで組み合わせることによってできてお
り、スライドC2を動かすことにより各部のスリット幅
C3を変更でき、膜厚分布の微調整が可能である。
【0109】本実施例の成膜装置を用いて実施例1と同
じく、(表6)の膜構成をもつ光学多層膜を(表7)の
条件、および3倍の成膜レ−トにて成膜し評価した。こ
のときスリット数は6つとした。結果を(表9)に示
す。
【0110】
【表9】
【0111】このように本実施例の成膜装置を用いるこ
とにより、きわめて膜厚精度の良好な薄膜を広い面積で
高速に得ることができ量産性を極めて高められる。ま
た、スリットの数を増やすほどさらに高成膜レ−ト時で
も膜厚ばらつきを少なく抑えられることが判明し、回転
ド−ムと遮蔽部が同方向に回転している場合でも、従来
例よりも良い結果が得られた。これはスリット数を増や
すことによって、成膜されない領域が見かけ上、きわめ
て高速に基板上を移動するためである。
【0112】なお、本実施例においては、遮蔽部として
ド−ム状の遮蔽板を用いたが厚み、形状はとくに限定せ
ず、例えば円盤状のものであってもよいことは明らかで
ある。また、遮蔽部を回転させる機構も限定するもので
ない。
【0113】以上、実施例5、6により本発明の効果を
説明した。両実施例において膜厚制御手段は光学的膜厚
制御に限らず、水晶振動子制御でもよい。もし、時間制
御可能であれば必要でない。
【0114】また、成膜プロセスは電子ビ−ム蒸着に限
らず、抵抗加熱蒸着等の真空蒸着全般、あるいはスパッ
タ蒸着であってもよい。また、対象も光学多層膜に限ら
ない。また被成膜基体の形状も問わない。また回転ホル
ダ−もド−ム形状に限らず、例えば平板であってもかま
わない。
【0115】(実施例7)以下、第6の発明の一実施例
について説明する。
【0116】まず、従来例として(表1)の光学多層膜
を実施例4に示した図5の装置にて、回転ド−ムの偏心
をほぼ0に調整した上で(表10)のような成膜条件で
成膜したとき、その成膜サンプルについてその光学特性
を評価した。その結果を(表11)に示す。
【0117】
【表10】
【0118】
【表11】
【0119】成膜時の回転ド−ムの回転数は1回転/5
secとし、シャッタが閉まるのに要する時間は約0.
2秒であった。
【0120】(表11)より、(表10)のような成膜
レ−トで成膜したサンプルには光学特性にばらつきがあ
ることがわかった。すなわちド−ムの円周方向に膜厚分
布が生じていることが判明した。
【0121】この理由は、光学多層膜を一層ずつ成膜す
る際に、各層が膜厚センサにて設定膜厚に到達すると同
時に、蒸発源からの蒸発粒子をシャッタにて遮って成膜
を終了するが、蒸発粒子をシャッタにて遮るのにかかる
時間内でホルダ上で成膜が進行している部分と成膜が終
わっている部分とが生じてしまうためであり、成膜レ−
トが高いほどこれは顕著になると考えられる。
【0122】次に本発明の実施例について説明する。
(表1)に示す構成の光学多層膜を、図14のように、
成膜終了前に成膜レ−トを落として成膜した。その結果
を(表12)に示す。
【0123】
【表12】
【0124】(表12)より、成膜終了前に成膜レ−ト
を、すなわち蒸発源の蒸発レ−トを落として成膜するこ
とにより、回転ド−ムの円周方向の光学特性をほぼ同一
にできることがわかった。
【0125】本発明は蒸発レ−トが可変の蒸発源と、薄
膜層が形成される基板を保持する回転型の基板ホルダ
と、多層膜を構成する各層の膜厚を制御する手段を備え
た成膜装置であれば、極めて有用である。ただし、注意
しなければならないのは、成膜途中から成膜終了前へ急
激にレ−トを下げると、これによって膜厚分布を生じて
しまうため、ド−ムが1回転する間に円周上のレ−ト変
動パ−セント以内でレ−トを下げることが前提となる。
【0126】なお、本実施例においては膜材料としてT
iO2 と、SiO2 を用いたが、本発明が如何なる膜材
料に対しても有効であることは言うまでもない。また、
膜構成にも制限はなく、あらゆる光学多層膜に有効であ
る。また、本実施例では成膜方式を電子ビ−ム蒸着とし
たがスパッタ等の他の成膜方式であっても同様に有効で
ある。また、回転型であれば回転ド−ム以外の基板ホル
ダであってもかまわない。また膜厚制御の手段も種類を
問わない。
【0127】
【発明の効果】以上に述べたように、従来、認識されて
いなかった回転ホルダ−円周方向の特性ばらつきを抑え
ることにより、近年必要とされている光学特性ばらつき
の極めて少ない光学多層膜を広い面積で製造することが
でき、非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする光学多層膜の代表的な光学
的反射率特性図
【図2】本発明の光学多層膜の一実施例の成膜に用いた
回転ド−ムの概略図
【図3】本発明の実施例2で用いた光学多層膜の成膜装
置の構成図
【図4】図3における薄膜の成膜時における膜厚補正板
の配置図
【図5】本発明の実施例3で用いた光学多層膜の成膜装
置の構成図
【図6】本発明の実施例3における回転ド−ム付近の拡
大図
【図7】本発明の実施例3における基板付近の拡大図
【図8】本発明の実施例3における基板−回転軸間の距
離ばらつきと半値波長の相関図
【図9】本発明の実施例4における被成膜面の法線のふ
れ角α、βの幾何的配置図
【図10】本発明の実施例4における被成膜面の法線の
ふれ角と半値波長の相関図
【図11】本発明の実施例5において用いた光学多層膜
の成膜装置の構成図
【図12】本発明の実施例6において用いた光学多層膜
の成膜装置の構成図
【図13】本発明の実施例6におけるド−ム状遮蔽板の
詳細図
【図14】本発明の実施例7における成膜時間と成膜レ
−トの関係図
【図15】従来の光学多層膜の成膜装置の概略図
【符号の説明】
21 回転ド−ム 22 被成膜基板 31 排気ポンプ 32 真空槽 33 電子銃 34 ハ−ス 35 蒸着材料(SiO2) 36 蒸着材料(TiO2) 37 蒸発粒子 38 第1の膜厚補正板(固定) 39 第2の膜厚補正板(可動) 310 モ−タ 311 回転ド−ム 312 基板 313 シャッタ 41 蒸発源 42 第1の膜厚補正板(固定) 43 第2の膜厚補正板(可動) 44 モ−タ 51 排気ポンプ 52 真空槽 53 電子銃 54 ハ−ス 55 蒸着材料 56 蒸発粒子 57 膜厚補正板 58 回転ド−ム 59 基板 510 補強部 511 マイクロメ−タ 512 モニタガラス A1 排気ポンプ A2 真空槽 A3 電子銃 A4 ハ−ス A5 蒸着材料 A6 被成膜基板 A7 回転ド−ム A8 蒸発粒子 A9 遮蔽板 A10 レ−ル A11 リングギア A12 モ−タ A13 モニタガラス A14 シャッタ B1 ド−ム状遮蔽板 C1 フレ−ム C2 スライド C3 スリット幅 C4 スリットガイド C5 パレット E1 排気ポンプ E2 真空槽 E3 電子銃 E4 ハ−ス E5 蒸着材料 E6 蒸発粒子 E7 膜厚補正板 E8 回転ド−ム E9 基板 E10 第2、第3、・・・の蒸着材料 E11 モニタガラス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢田 亮人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TiO2と、SiO2を交互に積層したバン
    ドパスフィルタであって、前記バンドパスフィルタを構
    成する各層の膜厚精度を±1%以下に構成した光学多層
    膜。
  2. 【請求項2】複数の膜材料からなる光学多層膜を成膜す
    るにあたり、異なる膜材料を成膜する毎に、真空を維持
    したまま膜厚補正板の形状、位置を変更することを特徴
    とする光学多層膜の成膜方法。
  3. 【請求項3】複数の膜材料のうち、少なくとも1つが昇
    華性をもつことを特徴とする請求項2記載の光学多層膜
    の成膜方法。
  4. 【請求項4】真空槽、蒸着源、被成膜基体を保持する回
    転型ホルダ−を有し、前記回転型ホルダ−の円周方向に
    おける成膜後の前記被成膜基体上の膜厚ばらつきを抑え
    る手段を備えたことを特徴とする光学多層膜の成膜装
    置。
  5. 【請求項5】回転型ホルダ−の円周方向における成膜後
    の被成膜基体上の膜厚ばらつきを抑える手段として、前
    記回転型ホルダ−を着脱可能とし、これを回転させる回
    転機構部を備え、前記回転ホルダ−はその底部に補強部
    を有し、さらに前記回転機構部に、その円周方向の少な
    くとも3カ所に、前記補強部を同時に押圧する機構を有
    する請求項4記載の光学多層膜の成膜装置。
  6. 【請求項6】回転型ホルダ−の円周方向における成膜後
    の被成膜基体上の膜厚ばらつきを抑える手段として、前
    記回転型ホルダ−が複数の開口した切込みを有し、被成
    膜基体を保持するとともに、前記ホルダ−の切込みに嵌
    合する治具Aと、前記ホルダ−を間に挟んで前記治具A
    とねじ込みにより接合する治具Bを備えたことを特徴と
    する請求項4記載の光学多層膜の成膜装置。
  7. 【請求項7】真空槽、蒸着源、被成膜領域が平面である
    被成膜基体、および前記被成膜基体を保持する回転型ホ
    ルダ−を有する成膜装置にて光学多層膜を成膜するにあ
    たり、前記回転型ホルダ−の同一円周上に位置する各被
    成膜基体と前記回転型ホルダ−の回転軸との距離のばら
    つきが±1%以下であり、かつ前記各被成膜基体の被成
    膜面の各法線の角度ばらつきが±30分以下であること
    を特徴とする光学多層膜の成膜方法。
  8. 【請求項8】真空槽、蒸着源、被成膜基体を保持する回
    転ホルダ−を有し、前記蒸着源と前記回転ホルダ−の間
    に、前記蒸着源から発する蒸発粒子の前記被成膜基体へ
    の飛翔を妨げつつ回転する遮蔽部を備えたことを特徴と
    する光学多層膜の成膜装置。
  9. 【請求項9】回転ホルダ−と逆方向に回転する遮蔽部を
    設けたことを特徴とする請求項8記載の光学多層膜の成
    膜装置。
  10. 【請求項10】蒸発レ−トが可変の蒸発源と、被成膜基
    体を保持する回転ホルダ−と、多層膜を構成する各層の
    膜厚を制御する手段を備えた成膜装置にて光学多層膜を
    成膜するにあたり、各層の膜厚が予め設定された膜厚に
    到達する前に、蒸発レ−トを所定値以下にすることを特
    徴とする光学多層膜の成膜方法。
JP26611893A 1992-10-23 1993-10-25 光学多層膜並びにその成膜方法及びその成膜装置 Pending JPH06337310A (ja)

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JP5-71425 1993-03-30
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