JP2001305003A - 缶のシームギャップ発生試験方法およびその装置 - Google Patents

缶のシームギャップ発生試験方法およびその装置

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JP2001305003A JP2000122847A JP2000122847A JP2001305003A JP 2001305003 A JP2001305003 A JP 2001305003A JP 2000122847 A JP2000122847 A JP 2000122847A JP 2000122847 A JP2000122847 A JP 2000122847A JP 2001305003 A JP2001305003 A JP 2001305003A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 市場において缶が受ける変化を忠実に再現
し、強制的にシームギャップを発生させて、巻締の形
状、強さなどが漏れにどの様に影響を与えるかを事前に
知ることができる缶のシームギャップ発生試験方法およ
びその装置を提供する。 【解決手段】 缶302を一定の姿勢で保持する保持手
段と、保持された缶の内部を加圧する加圧手段と、保持
された缶の巻締部に振動を与える振動付与手段と、保持
された缶の巻締部411に缶の軸心方向に荷重を付与す
る荷重付与手段と、を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、缶のシームギャッ
プ発生試験方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】缶の密封性は、図8にあるように、缶胴
2のフランジ部と缶蓋1のカール部がコンパウンドを巻
き込みながら、二重巻締されることにより保持されてい
る。巻締直後には保持されている巻締部の密封性も、そ
の後の生産工程や市場に出荷されてから受ける温度変化
や積み付け時の荷重などにより変化し、巻締内部に隙間
が生じ(一般にこれを「シームギャップ」3とい
う。)、まれに漏れが発生することがある。
【0003】図9は、正常であった巻締部にシームギャ
ップ3が発生し、ついには漏れが生じるプロセスを示し
ている。図9(a)は巻締直後の巻締部を示している。
一般に、巻締厚さTが大きく、ボディー4とカバー5の
オーバーラップOLが小さいとシームギャップ3が発生
しやすいといわれる。図9(b)では、温缶工程等によ
る内圧の上昇によりカバー5が上方にずれ始め、シーム
ギャップ3が発生している。さらに図9(c)では、製
品保管時の積み付け荷重が負荷されてカバー5が下方に
ずれる。図9(d)では、上記の荷重が開放されて、再
び缶内の圧力がカバー5を上方に持ち上げ、ギャップが
発生する。このときに漏れが発生しやすい。
【0004】一般に密封性を確認評価する方法として
は、内圧を上昇させ、強制的に漏洩させる方法や、容器
内外の圧力変動を測定する方法、容器の膨張収縮を測定
する方法、容器内に存在する、あるいは注入したヘリウ
ムガスや炭酸ガスなどの濃度を検出する方法などが知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの試験
では、市場において缶が受ける上記した変化を十分に反
映していないため、これらの試験で良い結果を得ても市
場では漏れが発生する可能性がある。
【0006】そこで、本発明は、市場において缶が受け
る変化を忠実に再現し、強制的にシームギャップを発生
させて、もって巻締の形状、強さなどが漏れにどの様に
影響を与えるかを事前に知ることができる缶のシームギ
ャップ発生試験方法およびその装置を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以下、本発明について説
明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図
面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本
発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】請求項1の発明は、缶(302)の内部を
加圧するステップと、缶の内部に加圧しつつ、缶の巻締
部(411)に振動を加えるステップと、を備えた缶の
シームギャップ発生試験方法により前記課題を解決す
る。
【0009】また、請求項2の発明は、缶の内部を加圧
するステップと、缶の内部に加圧しつつ、缶の巻締部に
振動および缶の軸心方向の荷重を加えるステップと、を
備えた缶のシームギャップ発生試験方法より前記課題を
解決する。
【0010】これらの発明によると、缶への加圧は製造
時の温缶工程や流通段階における温度変化を再現し、ま
た巻締部へ振動および打撃は、保管流通段階におけるコ
ンベア搬送や、積み付け時の荷重の負荷および解放を再
現しているので、実際に市場で発生するシームギャップ
による漏れを再現する試験方法を得ることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の缶のシームギャップ発生試験方法において、缶の巻
締部外周での缶の内容物の漏れを確認するステップを備
えていることを特徴とする。
【0012】また、請求項4の発明は、請求項3に記載
の缶のシームギャップ発生試験方法において、缶の内部
を加圧するステップでは缶の内部に気体を圧入し、内容
物の漏れを確認するステップでは缶を水槽中に配置して
シームギャップから漏洩する気泡を目視で確認すること
を特徴とする。
【0013】これらの発明によれば、缶からの内容物の
漏れは、水槽中に噴出してくる気泡を目視により容易に
確認できるので、おおがかりな確認装置を必要とせず、
また漏れを見逃すこともない。
【0014】請求項5の発明は、請求項3に記載の缶の
シームギャップ発生試験方法において、内容物の漏れを
確認するステップでは、缶に封入された液体の漏れを目
視で確認することを特徴とする。
【0015】この発明によれば、缶からの内容物の漏れ
は目視により容易に確認できるので、おおがかりな確認
装置を要しない。
【0016】請求項6の発明は、請求項4または5に記
載の缶のシームギャップ発生試験方法において、内容物
の漏れを確認するステップでは、缶の外周部周囲に鏡
(450)を配置して、直接または鏡の像を目視で確認
することを特徴とする。
【0017】この発明によれば、外周部周囲に鏡を配置
するので、試験者は移動せずに缶の背後や側部からの漏
れを確認することができる。
【0018】請求項7の発明は、請求項3に記載の缶の
シームギャップ発生試験方法において、内容物の漏れを
確認するステップでは、缶を水槽中に配置して、缶の内
容物として封入された強アルカリまたは強酸が水中に漏
洩することにより変化する水槽中の水のPHを、センサ
ーで感知することを特徴とする。
【0019】この発明によれば、内容物の漏れはセンサ
ーにより感知されるので、試験者は、試験の実施中試験
装置を常時監視している必要がなく、仕事の自由度を高
めることができる。また内容物の漏れを見逃すこともな
い。
【0020】請求項8の発明は、缶を一定の姿勢で保持
する保持手段と、保持された缶の内部を加圧する加圧手
段と、保持された缶の巻締部に振動を与える振動付与手
段と、を備えたことを特徴とする缶のシームギャップ発
生試験装置を提供して前記課題を解決する。
【0021】また、請求項9の発明は、缶を一定の姿勢
で保持する保持手段と、保持された缶の内部を加圧する
加圧手段と、保持された缶の巻締部に振動を与える振動
付与手段と、保持された缶の巻締部に缶の軸心方向に荷
重を付与する荷重付与手段と、を備えたことを特徴とす
る缶のシームギャップ発生試験装置を提供して前記課題
を解決する。
【0022】これらの発明によれば、缶の内部を加圧す
る手段により製造時の温缶工程や流通段階における温度
変化を再現し、また巻締部へ振動および荷重を加える手
段は、保管流通段階におけるコンベア搬送や積み付け時
の荷重の負荷および解放を再現するので、実際に市場で
発生しうるシームギャップによる漏れをこれらの試験装
置により再現することができる。
【0023】請求項10の発明は、請求項8または9に
記載の缶のシームギャップ発生試験装置において、振動
付与手段は、空気圧を利用した手段であることを特徴と
する。
【0024】また、請求項11の発明は、請求項9また
は10に記載の缶のシームギャップ発生試験装置におい
て、荷重付与手段は、空気圧を利用した手段であること
を特徴とする。
【0025】これらの発明によれば、振動あるいは荷重
負荷の動力源として空気圧を利用するので、比較的簡易
かつ安価な装置で試験装置を構成することができる。ま
た、空気圧を変化させることにより、容易に振動あるい
は荷重負荷の強度に変化を与えることができる。
【0026】請求項12の発明は、請求項8〜11のい
ずれかに記載の缶のシームギャップ発生試験装置におい
て、保持手段は、缶を固定する治具(303)であっ
て、缶の外周側面(410)およびネックテーパー部側
面と同一形状の内面を設けた治具本体(400)を備え
ており、治具本体には缶を嵌合した場合に缶の巻締部に
あたる位置に開口が設けられている、ことを特徴とす
る。
【0027】この発明によれば、缶の形状に沿った内面
を持つ治具本体により缶を堅固に固定することができ
る。また、その治具本体は缶の巻締部の位置に開口が設
けられているので、巻締外周部分からの内容物の漏れを
外部から目視で確認することができる請求項13の発明
は、請求項12に記載の缶のシームギャップ発生試験装
置において、治具本体は軸心を基準に自転可能であるこ
とを特徴とする。
【0028】この発明によれば、試験中に缶を常に回転
させておけるので、試験者は移動せずに缶の背後や側部
からの漏れを確認することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示す1実施形
態に基づき説明する。
【0030】図1は本発明の1実施形態である缶のシー
ムギャップ発生試験装置を示し、図2は図1のA−A線
断面を、図3は図1のB−B線断面をそれぞれ示してい
る。以下に図1〜3により、本シームギャップ発生試験
装置の構成について説明する。
【0031】テーブル101上に取り付けられているコ
ラム102の上部および中段部には、「L」字型の上部
フランジ103および下部フランジ104が取り付けら
れている。上部フランジ103には貫通孔105が設け
られており、この貫通孔105には、エアシリンダ11
0が下向きに取り付けられている。エアシリンダ110
のピストンロッド111の下端には正面部が開口された
箱形状の昇降台122が取り付けられている。昇降台1
22の奥側上下にはそれぞれ2箇所ずつ合計4箇所に上
下方向の摺動ガイド113が取り付けられている。
【0032】一方、上部フランジ103および下部フラ
ンジ104の両端部には両フランジを上下に結ぶ2本の
ガイドバー112a、112bが取り付けられており、
前記の昇降台122は4個の摺動ガイド113を介し
て、2本のガイドバー112a、112bに上下摺動自
由に取り付けられている。
【0033】昇降台122上部中央には貫通孔114が
設けられており、この貫通孔114にも、エアシリンダ
120が下向きに取り付けられている。
【0034】昇降台122の前面部両端には2本の棒状
部材123、124が垂直方向に取り付けられている。
昇降台122内の棒状部材123、124には同一高さ
に2つのガイド126a、126bが取り付けられてい
る。エアシリンダ120の下方には水平のアーム125
がその両翼をガイド126a、126bに取り付けられ
て2本の棒状部材123、124に沿って上下に摺動す
るように取り付けられている。
【0035】アーム125の中央部下側には上部ヘッド
210が垂直に取り付けられている。さらに、昇降台1
22の下部には上部ヘッド210の下方延長線上に下部
ヘッド202が取り付けられている。
【0036】上部ヘッド210と下部ヘッド202の内
部には鋼製パイプ250が貫通している。また、上部ヘ
ッド210の上端はエアシリンダ120のピストンロッ
ド121の下端に取り付けられている。上部ヘッド21
0の上端には、前記エアシリンダ120と直交する方向
に圧縮エア取り入れ孔200が取り付けられている。こ
の圧縮エアは鋼製パイプ250に導かれている。
【0037】上部ヘッド210と下部ヘッド202の中
央部にはエア抜き孔201が取り付けられている。鋼製
パイプ250と下部へッド202の外筒部との間には隙
間があり、この隙間はエア抜き孔201へと導かれてい
る。ヘッド先端部の構成については後に詳述する。
【0038】昇降台122の前面部両端に垂直方向に取
り付けられている2本の棒状部材123、124は昇降
台122の下部を貫通して下方に伸長して設けられてお
り、それぞれの先端部は、水平に設けられた押圧板20
4に摺動ガイド127a、127bを介して取り付けら
れている。
【0039】押圧板204の中央部には、下部ヘッド2
02の先端部の直径より十分に大きな径を有する孔20
5が設けられており、下部ヘッド202はこの孔205
の内側を上下方向に自由に変位可能となっている。押圧
板204に取り付けられている摺動ガイド127a、1
27bは、棒状部材123、124の下部に取り付けら
れたコイル状バネ材128a、128bにより下方に付
勢されている。また、押圧板204上には所定の長さを
有する2本のストッパー130、131が垂直上方に向
けてとり付けられている。ピストンロッド111の伸長
による、昇降台122、棒状部材123、124の下降
に伴い押圧板204も下降するが、押圧板204が、下
方に配置された固定物に当接され不動となると棒状部材
123、124は、摺動ガイド127a、127bを貫
通して下方へ突出する。棒状部材123、124は、昇
降台122の下降に伴ってさらに下方へ突出するが、ス
トッパー130、131の上端が昇降台204の下端に
当接した時点で上記下降、突出は停止する。
【0040】下部ヘッド202の下方には、正面に窓3
01を設けた槽300がテーブル101上に載置されて
いる。窓301には内部が確認できるように透明なアク
リル板304が取り付けられている。槽300の内部に
は、下部ヘッド202の垂直下方に、倒置した缶302
を取付けた治具303が載置されている。治具303に
ついても後に詳述する。
【0041】図4(a)は、下部ヘッド202の下端と
倒置した缶302の底部412を拡大した図である。前
記したように、圧縮エア取り入れ孔200から取り入れ
られた圧縮エアは下部ヘッド202内を貫通する鋼製パ
イプ250へと導かれている。鋼製パイプ250の先端
部には開孔ナイフ251が取り付けられている。開孔ナ
イフ251はほぼ全長にわたりゴム製のシール部材20
3に覆われており、先端部がシール部材203の下方に
突出している。シール部材203の下端面には、吸盤2
60が形成されている。
【0042】図5は、缶302を倒置して装填した状態
の治具303を、図6は図5におけるC−C線断面を示
す。治具303は、缶302の外周側面410と同一形
状の内面を設けた治具本体400と、缶302のネック
テーパー部側面と同一形状の内面を設けたテーパー状底
部403と、槽300の底板上に載置される治具底板4
02と、治具本体400を治具底板402上に支える治
具本体支持脚401を備えている。したがって、缶30
2は実質的にはテーパー状底部403のみにより支えら
れている。
【0043】また、テーパー状底部403は缶302の
ネックテーパー部に当接すべき部分の下部が欠落して、
下方に開口している。従って、缶巻締部411は治具3
03の下部開口から下方に露出している。
【0044】治具302の後方周囲には鏡450が配置
されている。
【0045】図7は、治具底板402上に載置された振
動、荷重付与装置430および振動、荷重付与装置43
0上に載置された接触部材420を示す。振動、荷重付
与装置430は、空気配管432からジョイント部43
1を介して供給される圧縮空気で駆動されるエアシリン
ダーを備えており、それから発する振動および荷重が缶
巻締部411に伝達されるように接触部材420の厚さ
が調整されている。
【0046】次に、本発明の試験装置により、缶302
にシームギャップ3を発生させる手順を説明する。
【0047】あらかじめ缶302には内容物を入れて、
巻締部411を所定の条件で巻締め、その条件を記録し
ておく。通常漏れが問題となる内容物はビール等の発泡
性飲料でありこれらを直接充填して利用しても良いし、
二酸化炭素を溶解した水で代用しても良い。治具303
には上下倒置して缶302をセットする。缶302の軸
線が下部ヘッド202の下方延長線上に一致するように
治具303を槽300内に載置する。
【0048】エアシリンダピストンロッド111を下方
に伸長させると、昇降台122は、ガイドバー112
a、112bに沿って下降する。昇降台122が下降す
ると昇降台122に取り付けられた棒状部材123、1
24の先端に取り付けられている押圧板204も下降
し、ついには槽300内に載置されている缶302の底
部412に当接される。さらにエアシリンダピストンロ
ッド111を下方に伸長させると、コイル状バネ材12
8a、128bが昇降台122と押圧板204とにより
上下方向に圧縮されて、押圧板204を下方へ付勢す
る。これによって、缶302は下方への押圧力を受け
て、缶302のネックテーパー部が治具303のテーパ
ー状底部403に支えられて、治具303上に堅固に固
定される。押圧板204上に設けられたストッパー13
0、131は、押圧板204が缶302に十分な応圧力
を与えることができる位置にて、その先端部132、1
33が昇降台122の下端と接するようにその長さが決
定されている。したがって、エアシリンダピストンロッ
ド111の下方への伸長は、押圧板204が缶底部41
2に密着した時点で停止される。
【0049】次に、エアシリンダピストンロッド121
を下方へ伸長させると、下部ヘッド202も下降し(図
4(a)参照)、ヘッド先端部に設けられたゴム製のシ
ール部材203の先端の吸盤260が押圧板204中央
部の孔を下方に通り抜けて缶底部412に押圧され、外
部とのシールが形成される。
【0050】同時に、鋼製パイプ250の先端の開孔ナ
イフ251は、缶底部412の中央部に当接される。缶
底部412は、柔らかい純アルミニウム系の材料ででき
ているので、開孔ナイフ251は容易に缶底部412を
突き破り、缶302内に進入する。開孔ナイフ251が
完全に缶302内に挿入された時点では、缶302と外
部とはシール部材203により完全にシールされてい
る。(図4(b)参照)。
【0051】次いで圧縮エア取り入れ孔200のバルブ
を開放し、所定圧の圧縮空気を鋼製パイプ250を介し
て缶302内に圧入する。上記バルブはこの後試験が終
了するまで開放しておき、圧縮空気の圧力が常時缶30
2内にかかるようにしておく。缶302内への加圧時間
は予め所定値を設定しておき、その時間加圧を保持す
る。この缶302への加圧は、工場における温缶工程の
加温による缶内の圧力上昇を再現している。
【0052】その後振動、荷重付与装置430により、
接触部材420を介して缶巻締部411に所定強さの振
動と軸心方向の荷重を同時に繰り返し与える。場合によ
っては、振動のみ与えても良い。
【0053】ここに、振動と荷重を同時に負荷するの
は、例えば、市場におけるトラック輸送を再現してお
り、振動のみの負荷を与えるのは製造工程や、流通段階
におけるコンベア搬送を再現するためである。
【0054】これによって缶巻締部411からの漏れが
発生するので、振動、荷重負荷開始から漏れ発生までの
時間を記録する。
【0055】この漏れが発生するまでの時間は、缶30
2の巻締方により一意に決定されるので、両者の関係を
把握することにより、漏れが発生しにくい巻締の条件を
知ることができる。
【0056】缶302内に圧入する圧縮空気の圧力は、
略0.5MPa(メガパスカル)に設定することが望ま
しい。実際の炭酸飲料を充填した際の缶内圧力及び温缶
工程を再現しているからである。
【0057】振動や荷重を負荷する条件は、配送段階の
振動、積み付けの時の荷重等を考慮して定めることが望
ましい。
【0058】漏れの発生は、缶巻締部411から漏洩す
る内容物を目視で確認する。背面および側面部の漏れを
確認するため、周囲に鏡450を配置しておくと良い
(図5参照)。また、治具底板402部に小型モーター
を配置して治具底板402をターンテーブルとして回転
させ、一点から観察することも可能である。このほか漏
れを確認する方法として、事前に槽300内に水をはっ
ておき、缶302内には有色の液体を充填して、その漏
れを確認する方法でも良い。この場合、水面の高さは、
缶巻締部411が水中に没するように決定する。
【0059】また、事前に缶302内に強アルカリまた
は強酸を充填しておき、槽300内の水に漏洩してきた
これらの強アルカリ、強酸を槽300中に配置したPH
センサーで感知する方法を取ることもできる。こうする
ことにより、試験者が一時的に試験機を離れることも可
能である。この場合には、PH値を記録紙に自動記録
し、槽300内には攪拌機を設けておくことが望まし
い。さらに、缶302内に蛍光材料を封入して、漏洩す
る液体を蛍光により感知する方法を用いることもでき
る。
【0060】また、缶302に空気のみ圧入して、缶巻
締部411の外側面部に漏洩してくる気泡を直接観察す
ることも可能である。
【0061】槽300内の水の温度は、室温と一致させ
ても良いが、夏季の高温や冬期の低温を再現させるため
に、ヒーター、クーラー、サーモスタットなどを設け
て、任意の温度に設定することも可能である。
【0062】所定の検査を終了したときは、まず、圧縮
エア取り入れ孔200のバルブを閉鎖し、その後にエア
抜き孔201のバルブを解放して、缶302内部の圧力
を解放する。しかる後にピストンロッド121、111
を収縮させて下部ヘッド202および押圧板204を上
昇させる。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の缶のシ
ームギャップ発生試験方法およびその装置によって、市
場において缶が受ける変化を試験室で忠実に再現し、強
制的にシームギャップを発生させて、巻締の形状、強さ
などが漏れにどの様に影響を与えるかを知ることができ
る。
【0064】これによって漏洩に対する強度を指標化す
ることができるので、漏洩に対する早急なアクションを
とることが可能となる。また、市場への密閉不良缶の流
出を未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】缶のシームギャップ発生試験装置
【図2】図1のA−A線断面図
【図3】図1のB−B線断面図
【図4】ヘッド下部先端と缶底部412の拡大図であっ
て、(a)は孔を設ける前、(b)は孔を設けた後の状
態を示す。
【図5】缶を装填した治具を示す図。
【図6】図5のC−C線断面図。
【図7】治具上に振動、荷重付与装置を載置した図。
【図8】シームギャップを示す図。
【図9】シームギャップ発生による漏れのメカニズムを
示す図であって、(a)は巻締直後の、(b)は温缶工
程後の、(c)は製品保管時の、(d)は荷重解放後の
缶巻締部をそれぞれ示す図。
【符号の説明】
300 槽 302 缶 303 治具 400 治具本体 411 缶巻締部 450 鏡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 敏雄 東京都中央区新川2丁目10番1号 麒麟麦 酒株式会社内 (72)発明者 下村 和司 東京都中央区新川2丁目10番1号 麒麟麦 酒株式会社内 Fターム(参考) 2G067 AA46 BB04 BB15 CC04 CC18 DD15 3E061 AA15 AB04 BA02 BB07 DB09

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶の内部を加圧するステップと、 前記缶の内部に加圧しつつ、前記缶の巻締部に振動を加
    えるステップと、 を備えた缶のシームギャップ発生試験方法。
  2. 【請求項2】 缶の内部を加圧するステップと、 前記缶の内部に加圧しつつ、前記缶の巻締部に振動およ
    び前記缶の軸心方向の荷重を加えるステップと、 を備えた缶のシームギャップ発生試験方法。
  3. 【請求項3】 前記缶の巻締部外周での前記缶の内容物
    の漏れを確認するステップを備えていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の缶のシームギャップ発生試
    験方法。
  4. 【請求項4】 前記缶の内部を加圧するステップでは、
    前記缶の内部に気体を圧入し、 前記内容物の漏れを確認するステップでは、前記缶を水
    槽中に配置して前記シームギャップから漏洩する気泡を
    目視で確認する、 ことを特徴とする請求項3に記載の缶のシームギャップ
    発生試験方法。
  5. 【請求項5】 前記内容物の漏れを確認するステップで
    は、前記缶に封入された液体の漏れを目視で確認する、 ことを特徴とする請求項3に記載の缶のシームギャップ
    発生試験方法。
  6. 【請求項6】 前記内容物の漏れを確認するステップで
    は、前記缶の外周部周囲に鏡を配置して、直接または前
    記鏡の像を目視で確認することを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載の缶のシームギャップ発生試験方法。
  7. 【請求項7】 前記内容物の漏れを確認するステップで
    は、缶を水槽中に配置して、缶の内容物として封入され
    た強アルカリまたは強酸が水中に漏洩することにより変
    化する前記水槽中の水のPHを、センサーで感知するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の缶のシームギャップ発
    生試験方法。
  8. 【請求項8】 缶を一定の姿勢で保持する保持手段と、 前記保持された缶の内部を加圧する加圧手段と、 前記保持された缶の巻締部に振動を与える振動付与手段
    と、 を備えたことを特徴とする缶のシームギャップ発生試験
    装置。
  9. 【請求項9】 缶を一定の姿勢で保持する保持手段と、 前記保持された缶の内部を加圧する加圧手段と、 前記保持された缶の巻締部に振動を与える振動付与手段
    と、 前記保持された缶の巻締部に前記缶の軸心方向に荷重を
    付与する荷重付与手段と、 を備えたことを特徴とする缶のシームギャップ発生試験
    装置。
  10. 【請求項10】 前記振動付与手段は、空気圧を利用し
    た手段であることを特徴とする請求項8または9に記載
    の缶のシームギャップ発生試験装置。
  11. 【請求項11】 前記荷重付与手段は、空気圧を利用し
    た手段であることを特徴とする請求項9または10に記
    載の缶のシームギャップ発生試験装置。
  12. 【請求項12】 前記保持手段は、 前記缶を固定する治具であって、前記缶の外周側面およ
    びネックテーパー部側面と同一形状の内面を設けた治具
    本体を備えており、前記治具本体には前記缶を嵌合した
    場合に缶の巻締部にあたる位置に開口が設けられてい
    る、 ことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の缶
    のシームギャップ発生試験装置。
  13. 【請求項13】 前記治具本体は軸心を基準に自転可能
    であることを特徴とする請求項12に記載の缶のシーム
    ギャップ発生試験装置。
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