JP2001303257A - 薄膜製造方法及び薄膜白金温度センサの製造方法 - Google Patents

薄膜製造方法及び薄膜白金温度センサの製造方法

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JP2001303257A JP2000121347A JP2000121347A JP2001303257A JP 2001303257 A JP2001303257 A JP 2001303257A JP 2000121347 A JP2000121347 A JP 2000121347A JP 2000121347 A JP2000121347 A JP 2000121347A JP 2001303257 A JP2001303257 A JP 2001303257A
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Junichi Saito
順一 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】膜厚を1μm以下とした場合にも、熱処理時に
島状にならず、高い抵抗温度係数を有する薄膜を製造す
る。また、抵抗温度係数のばらつきが小さい白金薄膜を
備えた高精度の薄膜白金温度センサを得る。 【解決手段】[薄膜製造方法] 薄膜成膜方法により基
体上に貴金属薄膜を形成した後、貴金属薄膜の凝集を防
止するために所定の条件で急熱・急冷処理を施し、その
後に、貴金属薄膜を所定の条件で熱処理して必要な特性
を付与する。 [薄膜白金温度センサ] 基体上に上記の薄膜製造方法
により白金薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、薄膜製造方法及
び該薄膜製造方法を用いた薄膜白金温度センサの製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】貴金属
(貴金属薄膜)は、耐熱性、耐食性、電気特性などの種
々の特性に優れており、電極材料、センサ材料などとし
て多方面に広く利用されている。
【0003】しかし、貴金属は、化学的に安定な物質で
あり、一部の金属とはよく反応して合金化するが、他の
材料とは容易に反応しないため、基体上に貴金属薄膜を
形成した場合に、貴金属薄膜の剥離が発生しやすいとい
う問題がある。
【0004】そのため、貴金属が一部の金属とよく反応
して合金化する性質を利用し、基体と貴金属薄膜の間
に、貴金属薄膜と合金化する金属を介在させ、基体への
密着性を向上させることが行われているが、この場合、
基体と貴金属薄膜の間に介在する金属が貴金属薄膜中に
拡散し、貴金属薄膜の特性を低下させるという問題点が
ある。
【0005】また、白金などの貴金属は高価であり、そ
の使用量を少なくしてコストダウンをはかるために、可
能な限りその膜厚を小さくすることが望まれている。ま
た、成膜コスト自体を低減することも望まれている。
【0006】ところで、貴金属薄膜の製造方法として
は、種々の方法が知られているが、例えば、スパッタリ
ング法、真空蒸着法、CVD法などの乾式成膜法で貴金
属薄膜を形成する場合、その膜質は、成膜コストに比例
するのが一般的である。すなわち、膜質の良好な緻密な
膜を形成するためには、成膜時の真空度を高くするこ
と、使用材料の純度を高くすること、成膜時の基板温度
を高くすることなどが要求されるが、そのためには、高
価な成膜装置や材料などが必要になる。
【0007】また、真空度や成膜時の基板温度が低い、
比較的安価な成膜装置や、純度の低い材料を使用した場
合には、緻密で膜質の良好な貴金属薄膜を得ることがで
きない場合が多い。そして、このような緻密でない貴金
属薄膜は特性に劣り、そのままでは使用することができ
ず、所定の特性を得るためには、高温で熱処理を行うこ
とが必要になる。しかし、貴金属薄膜の膜厚が1μm以
下の場合には、熱処理中に貴金属薄膜が凝集して島状の
不均一な膜となり、所定の特性を得ることができなくな
るという問題点がある。したがって、所定の特性を得よ
うとすると、通常、貴金属薄膜の膜厚を1μm以上にす
ることが必要になるが、材料単価の高い貴金属薄膜の膜
厚を大きくすることは、コストを押し上げる原因ともな
るため望ましいことではない。
【0008】また、高価な設備を必要とせず、成膜コス
トの低い無電解メッキ法により得られる貴金属薄膜は、
成膜時にはアモルファスであるため、やはり、所定の特
性を得るためには、高温で熱処理を行う必要がある。し
かし、無電解メッキ法により得た貴金属薄膜において
も、その膜厚が1μm以下の場合には、熱処理中に貴金
属薄膜が凝集して島状の不均一な膜となり、所定の特性
を得ることができなくなるという問題点があり、また、
所定の特性を得るために貴金属薄膜の膜厚を1μm以上
にするとコストの上昇を招くという問題点がある。
【0009】また、貴金属薄膜を用いた温度センサとし
て、白金薄膜を用いた薄膜白金温度センサがあるが、こ
の薄膜白金温度センサの製造方法としては、基体(絶縁
基体)上に種々の方法により白金薄膜を形成した後、大
気中で800〜1400℃の高温熱処理を施すのが一般
的である。しかし、形成した白金薄膜の膜厚が1μm以
下の場合には、熱処理中に白金薄膜が凝集して島状の不
均一な膜となり、温度センサとして十分な特性が得られ
なくなるという問題点がある。一方、所定の特性を得る
ために白金薄膜の膜厚を大きくして1μm以上にすると
コストの上昇を招くという問題点がある。
【0010】上記の問題点を解消する方法として、基体
と白金薄膜との間に中間層を形成する方法(特開昭63
−209103号)、基体と白金薄膜との間に中間層を
形成して、膜厚が小さい場合にも凝集しないようにする
方法(特開平2−58802号)などが提案されている
が、これらの方法により形成した薄膜は、その抵抗温度
係数が長時間の使用で経時変化を起こすという問題点が
ある、また、中間層を形成するためには、設備、材料な
どが必要であり、その分だけ製造コストが上昇するとい
う問題点がある。
【0011】また、特開昭61−40513号公報に
は、白金薄膜を結晶化し、結晶粒界を1〜5μmの大き
さにして信頼性を向上させた円筒型白金薄膜抵抗体が開
示されており、抵抗温度係数(TCR)の値が3500
ppm/℃であり、そのばらつきが±3%(=±105
ppm/℃)であることが示されている。
【0012】しかし、抵抗温度係数のばらつきが±3%
(=±105ppm/℃)の場合、温度測定における誤
差が事実上無視できない大きさになるという問題点があ
る。
【0013】本願発明は、上記問題点を解決するもので
あり、膜厚を1μm以下とした場合にも高い抵抗温度係
数を有し、かつ、そのばらつきの小さい貴金属薄膜を得
ることが可能な薄膜製造方法及び、抵抗温度係数のばら
つきが小さい白金薄膜を備えた高精度の薄膜白金温度セ
ンサを提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の薄膜製造方法は、薄膜成膜方法により基
体上に貴金属薄膜を形成する薄膜形成工程と、基体上に
形成された貴金属薄膜を急速に加熱した後、急速に冷却
する急熱・急冷工程と、前記急熱・急冷工程の終了後
に、貴金属薄膜を所定の条件で熱処理する熱処理工程と
を具備することを特徴としている。
【0015】また、前記薄膜成膜方法が、湿式成膜法、
乾式成膜法、塗布法、貴金属ワニス法、及び有機金属薄
膜法からなる群より選ばれる1種であることを特徴とし
ている。
【0016】また、前記湿式成膜法が、無電解メッキ
法、及び電解メッキ法からなる群より選ばれる1種であ
り、前記乾式成膜法が、真空蒸着法、スパッタリング
法、及びCVD法よりなる群より選ばれる1種であるこ
とを特徴としている。
【0017】また、前記貴金属が、金、銀、及び白金族
金属からなる群より選ばれる単体金属、またはその合金
であることを特徴としている。
【0018】さらに、前記急熱・急冷工程における最高
加熱温度が600〜1000℃であり、急熱・急冷時の
温度勾配が102〜104℃/秒であることを特徴として
いる。
【0019】また、本願発明の薄膜白金温度センサは、
上記の方法により、基体上に白金薄膜を形成することを
特徴としている。
【0020】
【作用】基体上に形成された貴金属薄膜を急熱・急冷す
ることにより、その後の熱処理工程における貴金属薄膜
の凝集を抑制することができるようになり、膜厚が1μ
m以下の場合にも、高い抵抗温度係数を有し、かつ、そ
のばらつきの小さい貴金属薄膜を確実に製造することが
可能になる。
【0021】なお、本願発明の薄膜製造方法において
は、好ましい薄膜成膜方法として、湿式成膜法、乾式成
膜法、塗布法、貴金属ワニス法、及び有機金属薄膜法の
いずれかを用いることが可能であり、さらに他の方法に
より薄膜を形成することも可能である。
【0022】さらに、前記湿式成膜法としては、無電解
メッキ法又は電解メッキ法のいずれかを、また、前記乾
式成膜法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、又
はCVD法のいずれかを用いることが好ましい。但し、
湿式成膜法及び乾式成膜法はこれに限られるものではな
く、さらに他の方法を用いることも可能である。
【0023】また、本願発明の薄膜製造方法は、金、
銀、及び白金族金属からなる群より選ばれる1種の単体
またはその合金の薄膜(貴金属薄膜)を製造する場合に
特に好適に用いることが可能である。
【0024】また、本願発明の薄膜製造方法において
は、前記急熱・急冷工程における最高加熱温度を600
〜1000℃の範囲とし、急熱・急冷時の温度勾配を1
2〜104℃/秒の範囲とすることにより、膜厚を1μ
m以下とした場合にも、確実に、高い抵抗温度係数を有
し、かつ、そのばらつきの小さい貴金属薄膜を得ること
が可能になる。なお、最高加熱温度を600〜1000
℃の範囲としたのは、最高加熱温度が600℃未満の場
合、凝集の抑制効果が現れず、また、1000℃を超え
ると急熱・急冷工程中に凝集が発生することによる。ま
た、急熱・急冷時の温度勾配を102〜104℃/秒とし
たのは、温度勾配が102℃/秒未満になると凝集の抑
制効果が現れず、また、104℃/秒を超えると金属が
アモルファス化することによる。
【0025】さらに、上記の方法を用いることにより、
良好な抵抗温度係数を有し、かつ、そのばらつきの小さ
い白金薄膜を基体上に確実に形成することが可能にな
り、高精度の薄膜白金温度センサを得ることができるよ
うになる。
【0026】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態として以下
の実施例を示し、本願発明の特徴とするところをさらに
詳しく説明する。 [実施例1]直径1.0mm、長さ3.1mmのムライ
ト系磁器を基体(絶縁基体)とし、その表面に無電解メ
ッキ法により、膜厚0.25μmの白金薄膜を形成し
た。なお、白金薄膜は、マグネトロンスパッタ、抵抗加
熱法による真空蒸着法、電子ビームによる真空蒸着法、
CVD法などの種々の方法により形成することができる
が、この実施例では、高価な設備が不要で、かつ、高価
な材料である白金を効率よく使用できることを考慮して
無電解メッキ法を用いた。
【0027】そして、基体上に白金薄膜を形成した後、
白金薄膜の凝集を防止するために、管状炉にて、昇温速
度(温度勾配)200℃/秒で急速に加熱昇温し、60
0℃で1分間保持した後、200℃/秒の降温速度(温
度勾配)で急速に冷却した。それから、所定の抵抗温度
係数を得るため、1000℃×1時間の熱処理を行っ
た。
【0028】得られた白金薄膜の表面を観察したとこ
ろ、凝集はほとんど認められなかった。また、基体への
密着性も良好であった。
【0029】次いで、表面に白金薄膜が形成された基体
の両端に、直径0.98mm、高さ0.85mmで、厚
さ0.15mmのスズメッキを施した鉄製のキャップを
圧入して電極を形成するとともに、レーザー光により白
金薄膜にスパイラル切溝を形成し、直径0.4mmのは
んだメッキ軟銅線をリード線として電極に溶接した後、
白金薄膜表面をエポキシ系塗料でコーティングして白金
温度センサを得た。
【0030】このようにして作成した試料100個につ
いて、0〜100℃の温度間における抵抗値の変化を測
定し、抵抗温度係数(TCR)を算出した。その結果、
3500ppm/℃と、白金バルクの3900〜400
0ppm/℃にほぼ近い抵抗温度係数が±1%のばらつ
きの範囲内で得られることが確認された。
【0031】なお、白金薄膜の凝集を抑制するために、
白金薄膜を急熱・急冷する方法は、上記実施例の方法に
限定されるものではなく、例えば、通電による自己発熱
(ジュール熱による加熱)、誘導加熱、マイクロ波加熱
などの種々の方法を用いることが可能である。
【0032】このように、本願発明の薄膜製造方法によ
れば、中間層を必要とせずに、膜厚を1μm以下とした
場合にも熱処理時に島状になったりすることがなく、高
い抵抗温度係数を有し、かつ、そのばらつきの小さい白
金薄膜を基体上に形成することが可能になり、高精度な
薄膜白金温度センサが得られることが確認された。 [実施例2]アルミナ基板を基体(絶縁基体)とし、そ
の表面に無電解メッキ法により、膜厚0.25μmの白
金薄膜を形成した。そして、基体上に形成された白金薄
膜の凝集を防止するために、管状炉にて、昇温速度(温
度勾配)775℃/秒で急速に加熱昇温し、800℃で
1分間保持した後、775℃/秒の降温速度(温度勾
配)で急速に冷却した。それから、所定の抵抗温度係数
を得るため、1000℃×1時間の熱処理を行った。
【0033】得られた白金薄膜の表面を観察したとこ
ろ、凝集はほとんど認められなかった。また、基体への
密着性も良好であった。
【0034】次いで、レーザートリミング法、イオンミ
リング法あるいは湿式エッチング法などにより所定のパ
ターンを形成した後、接続端子部以外にガラスなどの保
護膜を形成した。それから、アルミナ基板を個片に分割
し、リード線を接続して薄膜白金温度センサを得た。
【0035】このようにして作成した試料100個につ
いて、0〜100℃の温度間における抵抗値の変化を測
定し、抵抗温度係数(TCR)を算出した。その結果、
3500ppm/℃と、白金バルクの3900〜400
0ppm/℃にほぼ近い抵抗温度係数が±1%のばらつ
きの範囲内で得られることが確認された。
【0036】上述のように、この実施例の薄膜製造方法
によっても、中間層を必要とせずに、膜厚を1μm以下
とした場合にも熱処理時に島状になったりすることがな
く、良好な抵抗温度係数を有する白金薄膜を基体上に形
成することが可能になり、高精度な薄膜白金温度センサ
を得ることができた。 [実施例3]アルミナ基板を基体(絶縁基体)とし、そ
の表面にスパッタリング法により、下部電極として膜厚
0.5μmの白金薄膜を形成した。そして、基体上に形
成された白金薄膜の凝集を防止するために、管状炉に
て、昇温速度(温度勾配)975℃/秒で急速に加熱昇
温し、1000℃で1分間保持した後、975℃/秒の
降温速度(温度勾配)で急速に冷却した。それから、所
定の特性を得るため、1000℃×1時間の熱処理を行
った。
【0037】得られた白金薄膜の表面を観察したとこ
ろ、凝集はほとんど認められなかった。また、基体への
密着性も良好であった。
【0038】次いで、スパッタリング法によって、白金
薄膜上にチタン酸鉛膜を1μmの膜厚で形成した後、そ
の表面に、スパッタリング法により、上部電極としてニ
クロム薄膜を0.5μmの膜厚で形成し、焦電センサを
得た。
【0039】上述のように、この実施例の薄膜製造方法
によっても、中間層を必要とせずに、比較的安価な成膜
装置を使用して、緻密で膜質の良好な白金薄膜を基体上
に形成することが可能になり、高精度な焦電センサを得
ることができる。 [実施例4]アルミナ基板を基体(絶縁基体)とし、そ
の表面に、電解メッキ用の陰極となる白金下地膜を、蒸
着法により0.05μmの膜厚で形成した後、下部電極
として、電解メッキ法により白金薄膜を0.5μmの膜
厚で形成した。そして、基体上に形成された白金薄膜の
凝集を防止するために、管状炉にて、昇温速度(温度勾
配)775℃/秒で急速に加熱昇温し、800℃で1分
間保持した後、775℃/秒の降温速度(温度勾配)で
急速に冷却した。それから、所定の特性を得るため、1
000℃×1時間の熱処理を行った。
【0040】得られた白金薄膜の表面を観察したとこ
ろ、凝集はほとんど認められなかった。また、基体への
密着性も良好であった。
【0041】次いで、スパッタリング法によって、白金
薄膜上にチタン酸鉛膜を1μmの膜厚で形成した後、そ
の表面に、スパッタリング法により、上部電極としてニ
クロム薄膜を0.5μmの膜厚で形成し、焦電センサを
得た。
【0042】上述のように、この実施例の薄膜製造方法
によっても、中間層を必要とせずに、比較的安価な成膜
装置を使用して、緻密で膜質の良好な白金薄膜を基体上
に形成することが可能になり、高精度な焦電センサを得
ることができる。
【0043】なお、上記の各実施例では、薄膜白金温度
センサ及び焦電センサ用に白金薄膜を形成する場合を例
にとって説明したが、本願発明は、他の種類のセンサや
電子部品などに白金薄膜を形成する場合にも適用するこ
とが可能である。
【0044】また、上記実施例では、白金薄膜を形成す
る場合を例にとって説明したが、本願発明は、白金薄膜
に限らず、白金以外の金、銀、及び白金族金属などの種
々の貴金属薄膜を製造する場合に適用することが可能で
ある。
【0045】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施例に限定されるものではなく、薄膜成膜方法の
種類や具体的な成膜条件、パターン化方法やそのプロセ
ス上の順序、急熱・急冷工程における最高加熱温度や温
度勾配などに関し、発明の要旨の範囲内において、種々
の応用、変形を加えることが可能である。
【0046】
【発明の効果】上述のように、本願発明の薄膜製造方法
は、薄膜成膜方法により基体上に貴金属薄膜を形成した
後、貴金属薄膜の凝集を防止するために所定の条件で急
熱・急冷処理を施し、その後に、貴金属薄膜を熱処理し
て必要な特性を付与するようにしているので、貴金属薄
膜が熱処理工程で島状になったりすることを防止して、
膜厚が1μm以下の場合にも、抵抗温度係数が良好で、
かつ、そのばらつきの小さい貴金属薄膜を確実に製造す
ることができる。
【0047】なお、本願発明は、薄膜成膜方法として、
湿式成膜法、乾式成膜法、塗布法、貴金属ワニス法、及
び有機金属薄膜法などを用いる場合に、抵抗温度係数な
どの特性に優れた、膜厚の小さい貴金属薄膜を確実に製
造することが可能になり特に有意義である。
【0048】さらに、上記の方法を用いることにより、
良好な抵抗温度係数を有し、かつ、そのばらつきの小さ
い白金薄膜を基体上に確実に形成することが可能にな
り、高精度の薄膜白金温度センサを得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25D 7/00 C25D 7/00 Y 5E034 G01K 7/18 G01K 7/18 B H01C 7/02 H01C 7/02 17/06 17/06 A 17/08 17/08 17/12 17/12 17/16 17/16 17/18 17/18 H01L 37/02 H01L 37/02 Fターム(参考) 4K022 AA04 AA46 BA01 BA03 BA18 DA01 4K024 AA10 AA11 AA12 AB01 BA15 BB27 BC02 GA16 4K029 AA04 AA07 AA24 BA04 BA05 BA13 BD00 CA01 CA05 GA01 4K030 BA01 CA01 DA09 FA10 JA10 LA11 5E032 AB10 BA04 BA11 BB09 CA11 DA01 DA02 5E034 AA09 AB05 AB08 AC12 DA02 DB04 DB05 DC02 DE07 DE16

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】薄膜成膜方法により基体上に貴金属薄膜を
    形成する薄膜形成工程と、 基体上に形成された貴金属薄膜を急速に加熱した後、急
    速に冷却する急熱・急冷工程と、 前記急熱・急冷工程の終了後に、貴金属薄膜を所定の条
    件で熱処理する熱処理工程とを具備することを特徴とす
    る薄膜製造方法。
  2. 【請求項2】前記薄膜成膜方法が、湿式成膜法、乾式成
    膜法、塗布法、貴金属ワニス法、及び有機金属薄膜法か
    らなる群より選ばれる1種であることを特徴とする請求
    項1記載の薄膜製造方法。
  3. 【請求項3】前記湿式成膜法が、無電解メッキ法、及び
    電解メッキ法からなる群より選ばれる1種であり、前記
    乾式成膜法が、真空蒸着法、スパッタリング法、及びC
    VD法よりなる群より選ばれる1種であることを特徴と
    する請求項2記載の薄膜製造方法。
  4. 【請求項4】前記貴金属が、金、銀、及び白金族金属か
    らなる群より選ばれる単体金属、またはその合金である
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜製造方法。
  5. 【請求項5】前記急熱・急冷工程における最高加熱温度
    が600〜1000℃であり、急熱・急冷時の温度勾配
    が102〜104℃/秒であることを特徴とする請求項1
    記載の薄膜製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の方法により、基体上に白金
    薄膜を形成することを特徴とする薄膜白金温度センサの
    製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059454A (ja) * 2008-09-02 2010-03-18 Toyota Motor Corp 貴金属めっきを施したチタン材、及びその製造方法
CN113289617A (zh) * 2021-05-21 2021-08-24 北京邮电大学 一种集热策略制备超薄贵金属类薄膜催化剂的方法

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