JPH0317895B2 - - Google Patents

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JPH0317895B2
JPH0317895B2 JP26762087A JP26762087A JPH0317895B2 JP H0317895 B2 JPH0317895 B2 JP H0317895B2 JP 26762087 A JP26762087 A JP 26762087A JP 26762087 A JP26762087 A JP 26762087A JP H0317895 B2 JPH0317895 B2 JP H0317895B2
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temperature
alloy
melting point
wire
cooling
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Ryo Masumoto
Naoji Nakamura
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DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
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DENKI JIKI ZAIRYO KENKYUSHO
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は主成分としてパラジウム(Pd)およ
び鉄(Fe)からなり、少量の不純物を含み超高
温で安定な電気抵抗合金に関するもので、その目
的とするところは、490℃以上1340℃以下の広い
範囲において電気抵抗の変化が小さく、しかも常
温で鋳造、圧延、伸線あるいは巻線成形加工が容
易な素材を得るにある。 近年製鉄業、化学工業、原子力産業、宇宙関連
産業等の業界においては非常に苛酷な条件下にお
ける各種計測が盛んに行われるようになつてき
た。 例えば高歩留り、高品位の鉄鋼を一貫生産でき
る連続鋳造プロセスにおいては、タンデツシユや
鋳型内湯面を所望のレベルに保つため、常時湯面
レベルを制御する必要がある。湯面レベル計とし
ては従来γ線やX線等の放射線をもちいる方式が
採用されてきたが、装置が大型となり危険性があ
る等欠点が多いため、近年小型で取扱いの容易な
渦電流式変位計(以下単に変位計と呼ぶ)の使用
が考えられるようになつた。 ところで変位計の性能はセンサコイル材によつ
て決まるためその電気的特性、使用環境性および
安定性等は極めて重要である。例えば前記連続鋳
造における溶湯温度は1500℃以上にも達するた
め、その真上に位置するセンサコイル材は1000℃
前後の温度に耐えるだけでなく、最も重要なこと
はその特性が優れ、しかも、長期間安定したもの
でなければならない。 従来高温型センサコイル材としては本発明者ら
により発明された公知のパラジウムと銀を主成分
とした合金(特開昭55−122839号)がある。この
合金は高温における耐食性が耐酸化性、加工性等
が良好であるばかりでなく、第1図に示した比較
合金の特性曲線からもわかるように−50〜+600
℃の広い温度範囲にわたつて電気抵抗の温度係数
が+20ppm/℃以下と極めて小さい特長を有して
いるが、さらに高い温度600〜1000℃は+
133ppm/℃と非常に大きな値を示すため、前述
した連続鋳造の如き非常に高い温度での使用にお
いては高いドリフトが発生し、変位計の温度変化
による精度が急激に低下して正確な測定ができな
い。そのため600℃以上のより高い温度において
高精度および良好な安定性を有する新規性のある
超高温型センサコイル材の開発が各種産業界から
強く要望されるようになつた。 そこで本発明者らはこれに応えるためさらに詳
細な研究を進めた結果、パラジウム59.0〜88%、
鉄41.0〜12.0%と少量の不純物からなる2元合金
が規則−不規則変態温度(490℃)以上融点
(1340℃)以下の広範囲な温度にわたつて電気抵
抗の変化が極めて小さい特性を有し、高温におけ
る電気抵抗の安定性が優れ、かつ加工性が良好な
超高温型センサコイル用電気抵抗合金であること
を見出した。 本発明の特徴とする所は下記の点にある。 第1発明 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残部
鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規則
−不規則変態温度以上融点以下の温度から常温ま
で急冷する工程と、これに冷間加工を施す工程
と、冷間加工により得られた線材あるいは板材等
の所望の形状のものを、そのままの状態で耐熱性
絶縁体中に埋め込むか、耐熱性絶縁体に固定し所
定の形状に、さらにこれを非酸化雰囲気中あるい
は真空中において規則−不規則変態温度以上融点
以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、5〜
300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を行う
工程とよりなることを特徴とするセンサコイルの
製造方法。 第2発明 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残部
鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規則
−不規則変態温度以上の融点以下の温度から常温
まで急冷する工程と、得られた合金表面に耐熱性
絶縁体を被着、塗布あるいはコーテイングした
後、任意の形状に巻線成形加工を施す成形工程
と、この巻線加工したものを非酸化性雰囲気中あ
るいは真空中において規則−不規則変態温度以上
融点以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、
5〜300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を
行う工程とよりなることを特徴とするセンサコイ
ルの製造方法。 第3発明 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残部
鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規則
−不規則変態温度以上融点以下の温度から常温ま
で急冷する工程と、引続いて冷間加工する工程
と、冷間加工により得られた形成体の表面に耐熱
性絶縁体の被膜を施した後、任意の形状に成形す
る工程と、さらにこれを非酸化性雰囲気中あるい
は真空中において規則−不規則変態温度以上融点
以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、5〜
300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を行う
ことを特徴とするセンサコイルの製造方法。 すなわち本発明は重量比にてパラジウム59.0〜
88.0%および鉄41.0〜12.0%からなり少量の不純
物を含み、490℃以上1340℃以下の広い温度範囲
において電気抵抗の温度係数が±100ppm/℃以
下、好ましくはパラジウム72.0〜86.5%および鉄
28.0〜13.5%からなり少量の不純物を含み、570
℃以上1335℃以下の比較的広い温度範囲において
電気抵抗の温度係数が±50ppm/℃以下を有する
超高温型センサコイルの製造方法に係わり、規則
−不規則変態温度以上融点以下の温度から急冷処
理することにより鍛造、圧延、伸線ならびに巻線
成形加工を容易ならしめる超高温型センサコイル
の製造方法およびこれをさらに規則−不規則変態
温度以上融点以下の温度で充分な焼鈍を施すこと
によつて優れた安定性を有する電気的特性を発揮
せしめるセンサコイルの製造方法を提供するもの
である。また本発明で使用する合金はこれを用い
た超高温型センサコイルばかりでなく、490℃以
上の超高温において本発明の目的とする特性を発
揮し得る各種センサをはじめ精密計測機器の電気
抵抗体素子としも好適であるから、それらのデバ
イス複合体としても応用が考えられる。 つぎに本発明センサコイルの製造方法について
詳細に説明する。 本発明のセンサに使用する合金を造るにはまず
パラジウム59.0〜88.0%および鉄41.0〜12.0%の
適量を非酸化性雰囲気中あるいは真空中において
適当な溶解炉を用いて溶解し、充分撹拌し組成的
に均一な溶融合金を得る。つぎに溶融合金は適当
な形および大きさの鉄型に注入して健全な鋳塊を
得た後、常温において鍛造その他種々の加工を施
して適当な形状のもの、例えば棒あるいは板を造
る。さらにこれをスエージエング、伸線、圧延あ
るいは潰し等の方法によつて冷間加工を施し目的
の形状のもの、例えば細線あるいは薄板にする。
最後に細線または薄板のままで電気抵抗合金素子
として使う場合にはこれら冷間加工状態の製品を
安定化するために非酸化性雰囲気中あるいは真空
中で規則−不規則変態温度以上融点以下の温度に
おいて少なくとも測定温度以上、例えば製品の使
用温度の上限が1000℃であれば1050℃以上に加熱
し、好ましくは2秒以上100時間以下、特に好ま
しくは5分以上50時間以下保持後、5〜300℃/
hで徐冷して充分に焼鈍を行う必要がある。これ
らの製造工程により優れた製品が得られる。 なお上記の製造工程中最も重要なことは、本発
明のセンサコイルは空気または酸素との親和力が
強いために、第2図からも明らかなように空気と
の接触によつて電気抵抗の著しい劣化を生ずるの
みならず、製造工程における冷間加工性に悪影響
をもたらす原因となるので充分注意することが肝
要である。すなわち溶解作業においては出来るだ
け空気または酸素の接触を避けなければならない
のは当然であるが、この他にも溶解後の製造工程
における各種熱処理ならびにセンサデバイスとし
て応用する場合においても上記の点について充分
注意を払われなければならない。 また本発明センサは上述したように酸化ばかり
でなく、熱処理の方法によつては金属間化合物の
如く硬く、脆い性質を有する規則状態(γ1および
γ2相)の合金に変化して加工性を損なうものもあ
る。したがつて加工性をさらに向上させるために
は、加工の途中において規則−不規則変態温度以
上融点以下の温度から適当な方法、例えば非酸化
性ガスを高速で吹付けるか、油中急冷するかある
いは石英管の中に真空封入したまま氷塩水中に投
入するなどの方法で急冷することによつて、不規
則状態(γ単相)の合金とし、常温において良好
な加工性を付与する必要がある。この方法による
と加工以前に急冷処理を施した細線あるいは薄板
は非常に軟かくコイル状あるいはスパイラル状に
巻線成形加工が容易となる。 本発明は以上のように良好な加工性を具備する
センサコイルの製造方法を提供することを目的と
するものである。 つぎに上記センサの製造過程の絶縁方法として
は以下3種類の工程が考えられる。 (A) 本発明のセンサに使用する合金を鋳造、鍛
造、圧延、線引き等の加工を施して線材あるい
は板材等の所望の形状のものを、そのままの状
態で耐熱性絶縁体、例えば高純度セラミツクペ
ースト中に埋め込むか、耐熱性絶縁体にアルミ
ナ接着剤で直接貼付するか、筒状セラミツクに
巻きつけるかあるいは2枚の絶縁板で挟むなど
の方法により固定する。 (B) センサコイルの占積率を高める方法として
は、本発明のセンサに使用する合金を鋳造、鍛
造、圧延、線引等により造つた成形体の表面に
耐熱性の良好なシリカ、アルミナ、マグネシ
ア、フツ化物、ホウ化物あるいはチツ化物等の
無機質絶縁被膜を電着、蒸着、プレーテングあ
るいはスパツタリング等の適当な方法により塗
布あるいはコーテイングした後、任意の形状に
巻線成形加工を施す。 (C) 本発明のセンサに使用する合金の被膜を耐熱
性絶縁体表面に電着、蒸着、プレーテイングあ
るいはスパツタリング等の適当な方法により成
形した後、任意の形状にエツチング打ち抜きあ
るいはトリミング加工を施す。 以上のような工程により完成した製品をそのま
まで使用してもよいが、必要ならば合金素材の安
定化のためにさらに再び前述の方法により焼鈍処
理を施せば電気抵抗合金自体と同じ特性を発揮す
る優秀な超高温型センサコイルあるいは電気抵抗
体素子の製造が可能となる。 次に本発明の実施例について述べる。 実施例 1 合金番号 合金FP−18(組成 Pb=86.5%,Fe
=13.5%)の製造 原料としては純度99.9%以上のパラジウムおよ
び純度99.9%以上の鉄を用いた。試料を造るには
全重量100gの原料を高純度アルミナ坩堝に入れ、
酸化を防ぐため表面に高純度アルゴンガスを吹き
つけながら高周波誘導電気炉によつて溶かし、よ
く撹拌して均質な溶融合金とした後、内径7mm、
高さ180mmの鉄型に鋳込んだ、鋳塊は表面の疵を
取つた後、スエージングによつて直径5mmまで冷
間加工した。つぎに真空中1150℃で均質化処理を
施した後、規則−不規則変態温度(570℃)以上
1000℃から水焼入れした。つづいて途中数回の水
焼入れを繰り返しながらスエージングおよび冷間
伸線により直径0.5mmの細線とし、それより長さ
約10cmのものを切りとり電気抵抗測定用試料とし
た。電気抵抗は真空中、常温〜1300℃の温度で測
定した。第1図に示してあるように加工状態(破
線)の電気抵抗の変化は組織が不安定なため昇温
途中の温度、例えばa点(350℃)あるいはb点
(450℃)から冷却するとa→a′あるいはb→b′の
如く元の経路をたどらずヒステリシスを生ずる。
しかし規則−不規則変態温度(T0-d=570℃)以
上の温度からの焼鈍状態(実線)ではT0-d付近
でちいさなヒステリシスループを生ずる他は昇温
を繰り返しても同じ経路を辿る。そしてT0-d
上の温度における電気抵抗の変化はT0-d以下の
温度における場合に比較して極めて小さいことが
わかる。尚試料の熱処理条件に対応した特性は第
1表のとおりである。
【表】 表中第1項、第2項および第3項はそれぞれ
800〜900℃、900〜1000℃および800〜1000℃の温
度範囲における電気抵抗の平均の温度係数が示し
てある。第1項ないし第3項のそれぞれの値の差
が小さいほど2次係数が小さく電気抵抗は直線的
に変化する。そして1300℃まで昇温後冷却し、
1000℃に50日間および1100℃に20日間たもつても
電気抵抗の変化は全くみられなかつた。 実施例 2 合金番号 FP−24(組成Pb=80.2%,Fe=19.8
%)の製造 原料は実施例1と同じ純度のパラジウムおよび
鉄を用いた。試料の製造方法は全重量10gを高純
度アルミナ坩堝(SSA−H,#2)に入れ、酸
化を防ぐため金属表面に高純度アルゴンガスを吹
きつけながらタンマン炉によつて溶かし、よく撹
拌して均質な溶融合金とした。つぎにこれを内径
2.6〜2.7mmの石英管に吸い上げ、均質化処理のた
め、試料の直径より若干太い内径を有する一端封
止の石英管に挿入して1000℃の温度で10分間保持
後水焼入れを行つた。つづいてスエージングおよ
び冷間伸線によつて直径0.5mmの細線とした。こ
れより長さ約10cmを切りとり試料とした。試料の
熱処理条件とそれに対応した特性は第2表および
第1図のとおりで実施例1と類似の傾向を示す。
【表】 実施例 3 合金番号 合金FP−8(組成Pb=70.0%,Fe=
30.0%)の製造 原料および製造方法は実施例2と同じである。
試料の熱処理条件とそれに対応した特性は第3表
および第1図のとおりで実施例1および実施例2
と類似の傾向を示す。
【表】 実施例 4 (センサコイルAの製造) センサコイル材としては、実施例1と同様の合
金線材(直径0.5mm)を用いた。センサコイルの
製造は、まづ合金線材を真空中1000℃で30分間加
熱後、150℃/hの速度で常温まで炉中冷却した。
ついで該線材を耐熱性円筒状アルミナボビンに間
隔巻きで24回巻いて固定する。さらにこれを高純
度アルミナペースト中に埋め込んだ後、10時間自
然乾燥する。最後に大気中1000℃で5時間加熱
後、50℃/hの速度で常温までゆつくり冷却して
センサコイルを製造した。センサコイルの電気的
特性は、900〜1000℃の温度範囲において電気抵
抗の温度係数+65ppm/℃が得られた。この値は
合金線材のそれと比べると約20ppm/℃大きい
が、実用上の要求範囲である±100ppm/℃内に
あるので、全く問題はない。また1000℃で1週間
経過後の電気抵抗の変化は、−0.005%で、極めて
変動の少ないことが実証された。 実施例 5 (センサコイルBの製造) センサコイル材としては、実施例1と同様の合
金線材(直径0.5mm)を用いた。センサコイルの
製造は、まづ合金線材を実施例1と同様な条件で
加熱および冷却を施す。この線材を耐熱性絶縁体
の高純度マグネシアとアルコール溶液中を通し、
電圧約6Vにてマグネシアを線材表面に電着した。
ついで大気中300℃の電気炉内を貫通させて乾燥
させた。この操作を3〜5回行い、厚さ1μmの耐
熱性マグネシア絶縁層を形成した。この耐熱絶縁
線を耐熱性円筒状アルミナボビンに密着巻きにて
40回巻いて固定した。最後に実施例4と同様の加
熱および冷却を施して、センサコイルを製造し
た。センサコイルの電気的特性は、900〜1000℃
の温度範囲において電気抵抗の温度係数+
57ppm/℃が得られた。この値は合金線材のそれ
と比べると約14ppm/℃大きいが、実用上の要求
範囲である±100ppm/℃内にあるので、全く問
題はない。また1000℃で1週間経過後の電気抵抗
の変化は、−0.005%で、極めて変動の少ないこと
が実証された。 実施例 6 (センサコイルCの製造) センサコイル材としては、実施例1と同様の組
成からなる合金ターゲツト(厚さ3mm、直径3イ
ンチ)を用いた。センサコイルの製造は、耐熱性
アルミナ板にRFスパツタリング装置により膜厚
約1μmの本発明合金の薄膜を形成した。スパツタ
リングの条件は、Ar圧=5mTorr、出力=150W、
スパツタ時間=10分、基板・ターゲツト間の距離
=105mmであつた。得られた薄膜をレーザートリ
ミング法により、螺旋状にトリミングしてコイル
のパターンを形成した。最後にこの薄膜センサコ
イルにビンに密着巻きにて40回巻いて固定した。
最後に実施例4と同様の加熱および冷却を施し
て、センサコイルを製造した。センサコイルの電
気的特性は、900〜1000℃の温度範囲において電
気抵抗の温度係数+40ppm/℃が得られた。この
値は合金線材のそれと比べるとほぼ同程度で、実
用上の要求範囲である±100ppm/℃内にあり、
さらにセンサコイルを小型にすることが可能であ
る。また1000℃で1週間経過後の電気抵抗の変化
は、−0.015%でかなり変動の少ないことが実証さ
れた。 第3図には実施例1ないし実施例3と同様の実
験をパラジウム−鉄2元系全域にわたつて行い、
温度範囲(800〜900℃)、温度範囲(900〜
1000℃)および温度範囲(800〜1000℃)にお
ける電気抵抗の平均の温度係速Cf=ΔR/R・ΔTと 900℃における比電気抵抗ρ900がPd量に対して示
してある。図からCfが±100ppm/℃以下の特性
はパラジウム59.0〜88.0(A〜D)において、ま
たCfが±50ppm/℃以下の特性はパラジウム72.0
〜86.5%(B〜C)の組成において得られること
がわかる。温度範囲,およびにおけるCf
()、Cf()およびCf()の各値間の差が大き
いほど2次係数が大きく、逆にそれらの差が小さ
いほど2次係数が小さいことを表わしている。例
えばCf(),Cf()およびCf()が交叉してい
る点Aでは2次係数が0のため、800〜1000℃に
おける電気抵抗は直線的に変化する。 なおρ900は最高値130μΩ−cmからPd88.0%にお
ける92μΩ−cmまで変化し、第2図における比較
合金(特開昭55−122839号)の常温における値
(39μΩ−cm)より約3倍大きい。これは超高温
型変位計における感度の低下として障害となる
が、センサコイルの金属線表面に沿つて数kHz〜
数kHzの高周波電流が流れるため、金属線の線径
を若干太くして表面積を大きくすることによつて
解決できるので大きな問題とはならない。 第4図は鉄−パラジウム系状態図で、線影の部
分はパラジウム59.0〜88.0%および鉄41.0〜12.0
%からなる本発明合金が±100ppm/℃および±
50ppm/℃以下の電気抵抗の温度係数Cfを有する
ことを示している。上記の特性はいずれも規則−
不規則変態温度と融点で挟まれた広い温度範囲、
すなわち前者では490℃以上1340℃以下また後者
では570℃以上1335℃以下において得られること
がわかる。なお第1図において合金番号FP−24
の場合、曲線上約400℃付近にも電気抵抗の変化
の小さい部分がみられるが、規則−不規則変態温
度において不連続に変化ししかも本発明の目的で
ある温度の広範囲にわたり電気抵抗の変化が小さ
い特性を具備していないので、第4図には示して
いない。 以上実施例1〜3に述べたように本発明合金は
いずれの場合にも温度に対する電気抵抗の変化が
小さい。特に実施例1の合金番号FP−18は比電
気抵抗ρ900が100μΩ−cmで大きいが、570〜1335
℃の広い温度範囲にわたつて電気抵抗の変化が極
めて小さく、再現性があるため成品の安定性が良
好であることを示している。このように単一の素
材で570℃以上1335℃以下の広い温度範囲にわた
つて±50ppm/℃以下の小さい温度係数を有する
例は既知の合金には全くなく超高温型センサコイ
ル合金の要求特性を充分に満足していると云え
る。 次に本発明センサに使用する合金の組成におい
てパラジウムを59.0〜88.0%に限定した理由は各
実施例、第1図、第3図および第4図からも明ら
かなように、490℃以上1340℃以下の温度範囲に
おける電気抵抗の温度係数が±100ppm/℃以下
の特性を示すが、組成がこの範囲をはずれると上
記の値より大きくなるため温度の広範囲にわたり
電気抵抗の変化の小さい合金としては不適当とな
るからである。 また本発明センサコイルの製造方法において焼
鈍前の急冷処理を規則−不規則変態温度(490℃)
以上融点(1340℃)以下の温度範囲から行うこと
を限定した理由は、各実施例、第1図、第3図お
よび第4図からも明らかなように、上記温度範囲
から急冷するとγ単相(不規則状態)を誘起せし
めるため常温において、より一層良好な加工性を
付与することができるが、急冷温度が規則−不規
則変態温度以下では非常に脆く、しかも硬くなる
ため常温において加工が困難となるばかりでな
く、巻線成形作業に支承を伴うので本発明センサ
コイルの製造方法としては不適当であるからであ
る。さらに急冷処理と焼鈍処理とが前後相反する
製造工程においては、焼鈍処理によつて非常に脆
くしかも硬くなり、その後の巻線成形加工が困難
となるため、本発明センサコイルの製造方法とし
ては不適当である。 要するに、本発明のセンサコイルは規則−不規
則変態温度(490℃)以上融点(1340℃)以下の
広い温度範囲における電気抵抗の変化が±
100ppm/℃以下と極めて小さく、1100℃の如く
超高温においても長期間極めて安定であり、規則
−不規則変態温度(490℃)以上融点(1340℃)
以下、好ましくは570℃以上1335℃以下の温度か
ら急冷処理を施すことによつて加工性がより一層
向上するなど多くの特長を有しており、超高温セ
ンサコイルばかりでなく、490℃以上1340℃以下
の広い温度領域で使用する基準抵抗器をはじめ精
密計測機器等の電気抵抗素子としても好適であ
る。また本発明合金を用いたセンサコイルあるい
は電気抵抗素子と他の機能素子とで構成してなる
位置センサ、三次元センサ、変位センサ、圧力セ
ンサ、重量センサ、加速度センサ、振動センサ、
トルクセンサおよびレベルセンサ等のセンサ複合
体やフロートスイツチ、リミツトスイツチおよび
近接スイツチ等の各種応用デバイスにおいても、
本発明合金が有する優れた特性をより一層発揮す
ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は加工状態および焼鈍状態における合金
番号FP−18、FP−24、FP−8およびパラジウ
ム−43%銀からなる比較合金について、温度に対
する電気抵抗の変化を示した特性曲線図、第2図
は合金番号FP−21(パラジウム−12.9%鉄合金)
について1000度の一定温度で50日間以下、空気中
および真空中または非酸化性ガス中における熱エ
ージング日数に対する電気抵抗の変化を比較して
示した特性曲線図、第3図はパラジウム−鉄合金
について、温度範囲(800〜900℃)、温度範囲
(900〜1000℃)および温度範囲(800〜1000
℃)における電気抵抗の平均の温度係数Cf()、
Cf()およびCf()と900℃における比電気抵
抗ρ900のパラジウム量に対する変化を示した特性
曲線図、第4図はパラジウム59.0〜88.0%および
鉄41.0〜12.0%からなる本発明合金について、電
気抵抗の温度係数Cfが±100ppm/℃以下および
±50ppm/℃以下を有する温度範囲を示した特性
図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残
    部鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規
    則−不規則変態温度以上融点以下の温度から常温
    まで急冷する工程と、これに冷間加工を施す工程
    と、冷間加工により得られた線材あるいは板材等
    の所望の形状のものを、そのままの状態で耐熱性
    絶縁体中に埋め込むか、耐熱性絶縁体に固定し所
    定の形状に、さらにこれを非酸化雰囲気中あるい
    は真空中において規則−不規則変態温度以上融点
    以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、5〜
    300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を行う
    工程とよりなることを特徴とするセンサコイルの
    製造方法。 2 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残
    部鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規
    則−不規則変態温度以上の融点以下の温度から常
    温まで急冷する工程と、得られた合金表面に耐熱
    性絶縁体を被着、塗布あるいはコーテイングした
    後、任意の形状に巻線成形加工を施す成形工程
    と、この巻線加工したものを非酸化性雰囲気中あ
    るいは真空中において規則−不規則変態温度以上
    融点以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、
    5〜300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を
    行う工程とよりなることを特徴とするセンサコイ
    ルの製造方法。 3 重量比にてパラジウム59.0〜88.0%および残
    部鉄と、少量の不純物からなる合金を鋳造後、規
    則−不規則変態温度以上融点以下の温度から常温
    まで急冷する工程と、引続いて冷間加工する工程
    と、冷間加工により得られた形成体の表面に耐熱
    性絶縁体の被膜を施した後、任意の形状に成形す
    る工程と、さらにこれを非酸化性雰囲気中あるい
    は真空中において規則−不規則変態温度以上融点
    以下の温度で2秒以上100時間以下保持後、5〜
    300℃/hの冷却速度で冷却し充分な焼鈍を行う
    ことを特徴とするセンサコイルの製造方法。
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