JP2001303214A - 高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents

高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板およびその製造方法

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JP2001303214A JP2000123610A JP2000123610A JP2001303214A JP 2001303214 A JP2001303214 A JP 2001303214A JP 2000123610 A JP2000123610 A JP 2000123610A JP 2000123610 A JP2000123610 A JP 2000123610A JP 2001303214 A JP2001303214 A JP 2001303214A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インヒビター成分を含まない素材を用いた、
磁束密度が高く、特に高周波域における鉄損に優れた方
向性電磁鋼板について提案する。 【解決手段】 Si:2.0 mass%〜8.0 mass%およびMn:
0.005 〜1.0 mass%を含み、かつAlの含有量を200 mass
ppm 以下、Cの含有量を50massppm 以下、そしてS、N
およびOの含有量を各々30massppm 以下に抑制した成分
組成に調整し、平均結晶粒径を0.10〜1.0mm 、{110 }
<001> 方位からの方位差が15°以下の結晶粒の面積率を
15%以上、かつ隣り合う結晶粒の方位差が15°以下の粒
界の結晶粒界全体に占める割合を80%以下に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として常用周
波数より高い、主に100 〜10000 Hzの周波数で使用され
る、電源用変圧器あるいは制御素子の鉄心の素材として
好適である方向性電磁鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】Siを含有し、かつ結晶方位が{110 }<0
01> 方位いわゆるゴス方位に配向した方向性電磁鋼板
は、鋼中にインヒビターと呼ばれる成分を含有させ、鋼
スラブを高温で加熱し該インヒビターを高温で固溶させ
た後、熱間圧延を施して微細にインヒビターを析出さ
せ、2次再結晶と呼称される現象を利用して、上述の結
晶方位を得る、一連の工程にて製造されるのが一般的で
ある。
【0003】例えば、特公昭40−15644 号公報に記載さ
れたAlN や MnSを使用する方法、特公昭51−13469 号公
報に記載されたMnS やMnSeを使用する方法などが開示さ
れ、工業的に実用化されている。さらに、CuSeとBNを添
加する技術が特公昭58−42244 号公報に、Ti, Zr, Vの
窒化物を使用する方法が特公昭46−40855 号公報に、そ
れぞれ記載されている。
【0004】これらのインヒビターを用いる方法は、安
定して二次再結晶粒を発達させるのに有用であるが、析
出物を微細に分散させる必要があるため、熱間圧延前の
スラブ加熱を1300℃以上の高温で行っている。このスラ
ブの高温加熱は、それを実現するための設備コストがか
かり、さらに熱間圧延時に生成するスケールの量も多大
になるから、歩留りが低下するだけでなく、設備のメン
テナンス等の問題も多くなる。
【0005】また、インヒビターを利用する方向性電磁
鋼板の製造は、箱焼鈍で高温かつ長時間の最終仕上焼鈍
を施すことが、通常であるが、この最終仕上焼鈍後に、
インヒビター成分が残存すると、磁気特性を劣化させる
という問題がある。そこで、インヒビター成分である、
例えばAl,N,Se,Sなどを鋼中より除去するために、
二次再結晶に引き続いて、1100℃以上の水素雰囲気中で
数時間にわたる鈍化焼鈍を必要とするのである。しか
し、高温の純化焼鈍は、鋼板の機械強度を低下してコイ
ルの下部に座屈が発生し易くなるため、得られる製品で
の歩留りが著しく低下する不利が生じる。
【0006】さらに、二次再結晶は、比較的少数のゴス
方位粒に、一次再結晶粒が食われて成長する現象である
から、必然的に二次再結晶粒径は大きくなり、通常の場
合3〜30mm程度の平均粒径となる。 ここで、常用周波数
の場合、方位集積度が高いことによる履歴損の低減効果
は有利に作用するが、周波数が高くなるに従って、製品
板の結晶粒径が大きいことによる渦電流損の増加の悪影
響を受けるため、1000Hzを超える周波数では無方向性電
磁鋼板よりも性能の劣るものとなる。
【0007】そのために、高周波用変圧器の鉄心材料と
しては、無方向性電磁鋼板の電気抵抗を高めて渦電流損
を低減する技術、特にSi量を6.5 mass%まで高める方法
が数多く提案されている。 しかし、6.5 mass%Si材では
硬さ(Hv) が390 にも達し、冷間圧延荷重が過大になる
ことや、材料の伸び特性が著しく小さく割れやすくなる
結果、冷間圧延で製造することが困難になる。
【0008】ここに、6.5 mass%Si材を工業的に生産し
ている例として、特開昭62−22703号公報には、
SiCl4 含有雰囲気で浸珪させる方法、すなわちCVD 法に
より冷間圧延の問題を回避することが、提案されてい
る。しかし、CVD 法では生産性や板厚精度に問題が残っ
ている。さらに、この技術で製造されている鋼板は、集
合組織の発達していない無方向性電磁鋼板であるため、
磁束密度が低く、電気機器の小型化に必要な高磁束密度
の設計が困難な点にも問題がある。
【0009】上記の従来技術により製造される方向性電
磁鋼板の製品板粒径を抑制して、高周波域での鉄損に優
れた方向性電磁鋼板を製造する方法が、特公平7−42
556号公報に開示されている。すなわち、高度に発達
したゴス組織からなる方向性電磁鋼板を素材として用
い、60〜80%の圧下率で冷間圧延を施したのち、一次再
結晶焼鈍によりゴス組織が発達した平均粒径1mm以下の
微細結晶粒を有する、板厚が0.15mm以下の製品を得る技
術である。この方法は、方向性電磁鋼板の製品のフォル
ステライト被膜を除去し、さらに圧延、再結晶焼鈍の工
程を施すという極めてコストの高い手法である上に、再
結晶を起こすため強圧下の圧延が必要になるため、製品
板厚が0.15mm以下と薄くなり、打抜き加工や取り扱いが
困難になる。
【0010】また、インヒビターを使用しないで方向性
電磁鋼板を製造する別の方法が、特開昭64−5533
9号、特開平2−57635号、特開平7−76732
号および特開平7−197126号各公報に、開示され
ている。これらの技術に共通していることは、表面エネ
ルギーを駆動力として{110 }面を優先的に成長させる
ことを意図していることである。表面エネルギー差を有
効に利用するためには、表面の寄与を大きくするため
に、板厚を薄くすることが必然的に要求される。例え
ば、特開昭64−55339号公報に開示の技術では板
厚が0.2 mm以下に、また特開平2−57635号公報に
開示の技術では板厚が0.15mm以下に制限されている。特
開平7−76732号公報に開示の技術では板厚は制限
されていないが、実施例1によると板厚0.30mmの場合に
は、磁束密度はB8 で1.700 T以下と方位集積度は極端
に低く、実施例中で良好な磁束密度を得られている板厚
は0.10mmに限られている。同様に、特開平7−1971
26号公報でも板厚は制限されていないが、50〜75%の
三次冷間圧延を施す技術であり、必然的に板厚は薄くな
り、実施例では0.10mm厚である。ところが、現行で使用
されている方向性電磁鋼板の板厚は0.20mm以上がほとん
どであるから、通常の製品を、上記の表面エネルギーを
利用する方法で得ることは困難である。
【0011】さらに、表面エネルギーを使用するために
は、表面酸化物の生成を抑制した状態で最終仕上焼鈍を
行わなければならない。例えば、特開昭64−5533
9号公報には、1180℃以上の温度において、上記焼鈍の
雰囲気として、真空中、不活性ガス中、水素ガス、水素
ガスと窒素ガスとの混合ガス中で行うことが記載されて
いる。特開平2−57635号公報には、950 〜1100℃
の温度において、不活性ガスまたは水素ガスの雰囲気、
あるいは水素ガスと不活性ガスとの混合雰囲気で、さら
に減圧下で行うことが記載されている。特開平7−19
7126号公報にも、1000〜1300℃の温度で酸素分圧が
0.5 Pa以下の非酸化性雰囲気または真空下で最終仕上焼
鈍を行うことが記載されている。かように、表面エネル
ギーを利用して良好な磁気特性を得るためには、最終仕
上焼鈍の雰囲気を不活性ガスや水素とし、さらに推奨さ
れる条件として真空とすることが求められるが、高温と
真空の両立は設備的に困難であり、コスト高となること
は否めない。また、表面エネルギーを利用した場合に
は、原理的には{110 }面の選択のみが可能であるか
ら、圧延方向に<001> 方向が揃ったゴス粒のみの成長が
選択される訳ではない。方向性電磁鋼板は圧延方向に磁
化容易軸<001> を揃えることでこそ磁気特性は向上する
から、{110 }面の選択のみでは原理的に良好な磁気特
性は得られないことになる。そのため、表面エネルギー
を利用して良好な磁気特性を得るには、圧延条件や焼鈍
条件が限られたものになるため、結果として磁気特性を
安定して得ることは難しい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明は、
従来技術における上述の問題を解決し、インヒビター成
分を含まない素材を用いた、磁束密度が高く、特に高周
波域における鉄損に優れた方向性電磁鋼板およびその経
済的に有利な製造方法について提案することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】発明者らは、インヒビタ
ー成分を含まない高純度素材を用いて再結晶組織の形成
に関して鋭意研究を行ったところ、素材の高純度化は特
にAl,S,NおよびOを低減することにより、ある限定
された条件下において再結晶後に高度にゴス組織が発達
することを知見し、この発明を完成するに到った。すな
わち、この発明の要旨構成は、次のとおりである。
【0014】(1) Si:2.0 mass%〜8.0 mass%およびM
n:0.005 〜1.0 mass%を含み、かつAlの含有量を200 m
assppm 以下、Cの含有量を50massppm 以下、そして
S、NおよびOの含有量を各々30massppm 以下に抑制し
た成分組成になり、平均結晶粒径が0.10〜1.0mm であ
り、{110 }<001> 方位からの方位差が15°以下の結晶
粒の面積率が15%以上、かつ隣り合う結晶粒の方位差が
15°以下の粒界の結晶粒界全体に占める割合が80%以下
であることを特徴とする高周波磁気特性に優れた方向性
電磁鋼板。
【0015】(2) Si:2.0 mass%〜8.0 mass%およびM
n:0.01〜0.50mass%を含み、かつAlの含有量を200 mas
sppm 以下、Cの含有量を50massppm 以下、そしてS、
NおよびOの含有量を各々30massppm 以下に低減した溶
鋼から製造したスラブに熱間圧延を施し、その後必要に
応じて熱延板焼鈍を施してから、1回もしくは中間焼鈍
を挟む2回以上の冷間圧延を施した後、再結晶焼鈍を行
って{110 }<001> 組織を発達させ、さらに必要に応じ
て絶縁コーティングを施す方向性電磁鋼板の製造方法に
おいて、最終冷間圧廷を圧下率:50〜80%の範囲で行う
こと、そして再結晶焼鈍後の平均結晶粒径を0.10〜1.0m
m に制御することを特徴とする高周波磁気特性に優れた
方向性電磁鋼板の製造方法。
【0016】(3) 上記(2) において、再結晶焼鈍は、90
0 〜1200℃の温度域に5分以内で保持する処理を含むこ
とを特徴とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板
の製造方法。
【0017】(4) 上記(2) において、再結晶焼鈍は、70
0 ℃以上での昇温速度を100 ℃/h以下として750 ℃以
上1200℃以下の温度まで到達させる処理を含むことを特
徴とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造
方法。
【0018】(5) 上記(2) において、再結晶焼鈍は、50
0 〜700 ℃間の昇温速度を2℃/s以上として700 ℃以
上に昇温して再結晶を完了させた後、700 ℃以下の温度
へと冷却し、再び700 ℃以上での昇温速度を100 ℃/h
以下として750 ℃以上1200℃以下の温度まで到達させる
処理を含むことを特徴とする高周波磁気特性に優れた方
向性電磁鋼板の製造方法。
【0019】(6) 上記(2) ないし(5) のいずれかにおい
て、溶鋼が、さらにNi:0.01〜3.50mass%、Sb:0.01〜
0.05mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Cu: 0.01 〜0.50
mass%、P: 0.005〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50
mass%の少なくとも1種を含有する組成を有することを
特徴とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製
造方法。
【0020】以下、この発明を導くに到った実験結果に
ついて、詳述する。まず、C:30massppm, Mn :0.05ma
ss%およびSi:3.3 mass%を含み、Al, S,NおよびO
を種々に変化させた鋼塊を多数溶製した。 それらの鋼塊
を1000℃に加熱して熱間圧延によって2.4 mm厚に仕上げ
た。その後、冷間圧延にて0.5 mm厚に仕上げ、900 ℃で
10秒間の中間焼鈍を施した。次いで、250 ℃の温度での
冷間圧延により0.20mm厚に仕上げ、その後1050℃3分間
の再結晶焼鈍を行った。かくして得られた鋼板の焼鈍後
の平均粒径値は、いずれも約0.25mmであった。また、各
鋼板について、その圧延方向の磁束密度を調査し、Al,
S,NおよびOの含有量毎にまとめた結果を、図1に示
す。同図に示すように、Al量が0.020 mass%以下、S、
MおよびOが各々30massppm 以下の範囲において、磁束
密度B50が1.80T以上の良好な値となった。
【0021】次に、Al、S、NおよびO量の低減による
磁束密度の向上は、結晶方位の改善によるものと考え、
50が1.88Tであった製品板(C:30massppm 、Mn:0.
05mass%、Si:3.3 mass%、Al:30massppm 、S:15ma
ssppm 、N:5massppm およびO:9massppm から成る
鋼A)における結晶粒方位を、Electron Back Scatteri
ng Pattern(以下、EBSPと示す)にて測定した。こ
の測定は、鋼板表面の100 mm×10mm角の領域における、
約2000個の結晶粒の方位を対象とした。この結晶方位の
測定結果を図2に示す。図2に、ゴス方位からの方位差
が15°以下の結晶粒を網掛け模様(白抜き以外の部分)
で示すように、51%の結晶粒がゴス方位近傍の方位を持
っていることがわかる。
【0022】また、この製品板(鋼A)について、50H
z、400 Hzおよび1000Hzにおいて圧延方向に1.0 Tまで
励磁した際の鉄損値を測定した。比較として、同じ板厚
で同量のSiを含む市販の方向性電磁鋼板(G/O)、無
方向性電磁鋼板(N/O)、同じ板厚で6.5 mass%のSi
を含む無方向性電磁鋼板(6.5 %Si)、および板厚0.15
mmの微細結晶粒からなる極薄方向性電磁鋼板(0.15mmG
/O)についても、同様に鉄損値を測定した。これらの
測定結果を、図3〜5に示すように、鋼Aによる鋼板の
鉄損は、50Hzで方向性電磁鋼板(G/O)に比べて劣る
が他の比較材よりも良好であり、400Hz および1000Hzで
は最も優れていることがわかる。
【0023】ここで、鋼Aにおいて常用周波数よりも高
い400Hz そして1000Hzといった周波数領域において良好
な鉄損が得られる理由について、方向性電磁鋼板に対し
ては、製品板の結晶粒が微細化されて渦電流損が低減さ
れること、無方向性電磁鋼板や6.5 mass%Si材に対して
は、結晶方位のゴス方位への集積度が高まること、によ
るものと推定される。しかし、板厚0.15mmの微細結晶粒
からなる極薄方向性電磁鋼板については、結晶粒径やゴ
ス方位への集積度に関して鋼Aと同等であり、この点で
は鋼Aの有利な点は見出されなかった。
【0024】そこで、極薄方向性電磁鋼板と鋼魂Aの間
に鉄損の差異をもたらした原因を調査するために、極薄
方向性電磁鋼板の製品板についても、結晶粒方位の測定
をEBSPにて行った。測定は、鋼板表面における10mm
×10mm角の領域における約2000個の結晶粒の方位を対象
として行った。
【0025】その結果、鋼Aの鋼板と極薄方向性電磁鋼
板とでは、粒界を挟んだ隣り合う結晶粒の方位差角(以
下、粒界方位差角と示す)の分布に大きな違いがあるこ
とがわかった。この粒界方位差角の分布を図6に示すよ
うに、鋼Aの鋼板に比べて極薄方向性電磁鋼板では隣り
合う結晶粒の方位差が15°以下の粒界(以下、小傾角粒
界と称す)の存在頻度が著しく高いことが認められた。
このような小傾角粒界の存在頻度の違いは、製造法の相
違に起因した、特に最終冷間圧延前の結晶粒径の違いに
よりもたらされたものと推定される。すなわち、極薄電
磁鋼板は、ゴス方位二次再結晶粒を冷間圧延して再結晶
焼鈍を行う手順で製造されており、冷間圧延後の同一結
晶粒の内部より、同様な方位の微細な再結晶核が多数形
成されるために、小傾角粒界が増加したものと推定され
る。
【0026】発明者らは、上記の実験結果を基に高周波
鉄損と粒界方位差角分布との間には、密接な関連がある
ものと考え、さらに詳しく解析を行った。すなわち、Si
3.6mass%を含有する鋼を用いて、種々の方法で作成し
た0.20mmの板厚で結晶粒径が約0.20mmである製品板につ
いて、400 Hzにおける鉄損値と方位差角15°以下の小傾
角粒界の存在頻度との関係を調査した。その結果を、図
7に示す。なお、図7において、ゴス方位結晶粒の存在
頻度が40〜80%の範囲にある製品について選別してお
り、結晶方位の鉄損に及ぼす影響はほぼ排除されてい
る。
【0027】図7に示すように、小傾角粒界の存在頻度
が80%以下になると、急激に鉄損が向上することが判明
した。つまり、ゴス方位粒の存在頻度が同程度ならば、
小傾角粒界の存在頻度が低いほど鉄損が良好になること
が新規に知見されたのである。おそらく、小傾角粒界
は、それ以外の一般粒界に比較すると、磁極の生成効果
が小さいため、磁区幅の細分化による鉄損低減効果が小
さいものと考えられる。
【0028】次に、400Hz における鉄損値とゴス方位結
晶粒の存在頻度との関係について調査した結果を図8に
示す。図8において、小傾角粒界の存在頻度が30〜60%
の範囲にある製品について選別しており、小傾角粒界の
存在頻度の鉄損に及ぼす影響はほぼ排除されている。図
8に示すように、ゴス方位結晶粒の存在頻度が15%を超
えると、急激に鉄損が向上することがわかる。ただし、
ゴス方位への集積度が高まることは、必然的に小傾角粒
界が減少することに繋がるため、方位集積度が高いほど
鉄損が良好になるという結果にはならない。また、小傾
角粒界が増加する場合には、ゴス方位結晶粒存在頻度は
低下する傾向にある。そのため、両者を満足する適度な
ゴス方位集積度の場合において最も良好な鉄損が得られ
ているものと考えられる。
【0029】さらに、発明者らは、高周波における鉄損
に及ぼす結晶粒径の影響について鋭意検討を進めた。す
なわち、上記の鋼Aを用いて、前述の実験と同じ条件に
て冷間圧延までを行い、再結晶焼鈍温度および時間を変
更して種々の結晶粒径を持つ製品を製造した。図9に、
製品の結晶粒径と、圧延方向に1.0 Tで励磁した時の40
0Hz における鉄損値との関係を示す。図9に示すとお
り、結晶粒径が0.1mm 〜1.0mm の範囲で高周波における
鉄損が特に良好な8.0 W/kg以下であることが新規に知見
された。
【0030】また、鉄損および磁束密度を更に改善する
ために、再結晶焼鈍条件を種々に変更して、次のような
実験を行った。すなわち、成分として、Si: 4.0mass
%、Mn: 0.13 mass%,Al,S,N, Oを各々20massppm
以下に低減した鋼塊Bを溶製した。この鋼魂を1170℃に
加熱してから、熱間圧延にて1.0mm 厚に仕上げた。その
後、1000℃×120 秒の熱延板焼鈍を施した。さらに、焼
鈍後の鋼板を酸洗し、200 ℃の温度における冷間圧延に
て最終板厚の0.18mmに仕上げてコイルとした。かくして
得られたコイルより試料を採取し、下記に示す3種類の
方法で再結晶焼鈍を行って製品板とした。
【0031】記 〔焼鈍1〕 昇温速度:常温から500 ℃間の平均で30℃/s、500 〜
700 ℃間の平均で15℃/s,700 〜900 ℃間の平均で8
℃/s、均熱900 ℃×10秒 冷却速度:均熱から常温まで平均10℃/s 焼鈍雰囲気:水素75 vol%、窒素25 vol%、露点−30℃ 〔焼鈍2〕 昇温速度:常温から500 ℃間の平均で100 ℃/h、 500
〜900 ℃間の平均で50℃/h、均熱850 ℃×10時間、 冷却速度:均熱から常温まで平均100 ℃/h 雰囲気:Ar露点−30℃ 〔焼鈍3〕焼鈍1を行った後焼鈍2を行う。
【0032】これらの製品を圧延方向で1.0 Tに励磁し
た時の1000Hzにおける鉄損を測定した。製品板の結晶粒
方位の測定を、EBSPにて、鋼板表面の10mm×10mm角
の領域における約2000個の結晶粒について測定し、ゴス
方位結晶粒の存在頻度および小傾角粒界の存在頻度とを
調査した。
【0033】図10には、再結晶焼鈍条件と1.0 Tに励磁
した時の1000Hzにおける鉄損の関係を示す。図11にはゴ
ス方位結晶粒の存在頻度および小傾角粒界の存在頻度を
示す。図10に示すように、鉄損については、焼鈍1に比
べて焼鈍2、さらに焼鈍3の鉄損が良好になっている。
また、図10および図11より、ゴス方位結晶粒の存在頻度
は鉄損が低くなるほど増加し、小傾角粒界の頻度は鉄損
が低くなるほど減少する傾向にあった。焼鈍1および焼
鈍2と焼鈍3とを比較した場合、再結晶核生成時の昇温
速度が異なっており、これに起因する集合組織形成過程
の差異に基づく再結晶集合組織の違いが、続く粒成長挙
動を大きく変えたものと推定されるが、本質的な機構は
明らかでない。
【0034】発明者らは、さらに素材の添加元素につい
て検討を行ったところ、Niを添加することにより、製品
の磁束密度が向上することを見出した。これは、Niが強
磁性体元素であることが、何らかの理由で磁束密度の向
上に寄与しているものと推定されるが、理由は明らかで
ない。また、Sn,Cu,PおよびCrなどの添加により鉄損
を改善する傾向が認められた。これは、おそらく電気抵
抗を増加させることにより鉄損か低減されているものと
推定される。
【0035】以上の実験およびその解析結果に基づい
て、ゴス組織が適度に発達し、かつ適切な粒界方位差角
分布にある、平均粒径が0.10〜1.0mm の微細結晶粒を有
する鋼板により、特に100 〜1000Hzの範囲の常用周波数
よりも高い周波数帯域において、鉄損の良好な方向性電
磁鋼板を提供できる。
【0036】
【発明の実施の形態】この発明において、インヒビター
を使用しないAl,S,NおよびOの含有量を低減した高
純度成分系の素材を用いることにより、ある限定された
条件下において再結晶後に高度にゴス組織が発達する理
由に関しては明らかではないが、以下のように考えてい
る。すなわち、発明者らは再結晶時におけるゴス組織の
発達過程について詳しく調査したところ、再結晶完了時
にはゴス組織は十分発達しておらず、再結晶完了後の粒
成長段階でゴス組織が選択的に成長することを認めた。
このような選択的なゴス方位粒の優先成長においては、
インヒビターの存在下における二次再結晶に類似した粒
成長が起きているものと考えられる。
【0037】ところで、発明者らは、ゴス方位粒が二次
再結晶する理由について鋭意研究を重ねた結果、一次再
結晶組織における方位差角20〜45°である粒界が重要な
役割を果たしていることを見出し、Acta Material 45巻
(1997)の第85頁において報告した。
【0038】ここでは、方向性電磁鋼板の二次再結晶直
前の状態である、一次再結晶組織を解析した。そして、
任意の結晶方位について、その方位を持つ結晶粒の全て
の粒界のうち、この結晶粒と隣り合う結晶粒との粒界方
位差角が20〜45°となる、粒界の割合(%)について調
査した結果を、図12に示す。なお、図12において、結晶
方位空間はオイラー角(Φ1,φ、Φ2)により表示し
ており、ゴス方位{110 }<001> や{111 }<112> な
ど、主要な方位を含むΦ2=45°断面を用いている。ま
た、図中、上述した任意の結晶方位に対する、粒界方位
差角が20〜45°となる粒界の割合を等高線により表して
いる。この図12によれば、ゴス方位{110}<001> にお
いて、粒界方位差角が20〜45°となる粒界の割合が最も
高くなっている。
【0039】この方位差角20〜45°の粒界は、C.G.Dunn
の実験データ(AIME Transaction 188巻(1949)368 ペ
ージ)によれば、高エネルギー粒界である。この高エネ
ルギー粒界は、粒界内の自由空間が大きく乱雑な構造を
している。粒界拡散は粒界を通じて原子が移動する過程
であるため、粒界中の自由空間の大きい、高エネルギー
粒界のほうが粒界拡散が速い。二次再結晶は、インヒビ
ターと呼ばれる析出物の拡散律速による成長に伴って発
現することが知られている。高エネルギー粒界上の析出
物は、仕上焼鈍中に優先的に粗大化が進行するため、優
先的にピン止めがはずれて、粒界移動を開始しゴス粒が
成長するのである。
【0040】発明者らは、上記の研究をさらに発展させ
て、ゴス方位粒の二次再結晶の本質的要因は、一次再結
晶組織中の高エネルギー粒界の分布状態にあり、インヒ
ビターの役割は、高エネルギー粒界と他の粒界との移動
速度差を生じさせることにあるのを見出した。この理論
に従えば、インヒビターを用いなくとも、粒界の移動速
度差を生じさせることができれば、ゴス方位結晶粒を選
択的に成長させることが可能となる。鋼中に存在する不
純物元素は、粒界、特に高エネルギー粒界に偏析しやす
く、不純物元素を多く含む場合には、高エネルギー粒界
と他の粒界との移動速度に差がなくなっているものと考
えられる。従って、素材の高純度化によって、そのよう
な不純物元素の影響を排除することにより、高エネルギ
ー粒界の構造に依存する本来的な移動速度差が顕在化し
て、ゴス方位粒の優先成長が可能になることが期待でき
る。
【0041】以上の考察に基づいて、発明者らは実験を
重ね、インヒビター成分を含まない成分系において、素
材の高純度化により、粒成長の進行に伴ってゴス組織が
高度に発達することを新規に知見し、この発明を完成さ
せたのである。
【0042】以下、この発明の各構成要件の限定理由に
ついて述べる。 Si:2.0 mass%〜8.0 mass% この発明の電磁鋼板の成分としては、Siを含有させて、
電気抵抗を増大させ高周波鉄損を低減する必要がある
が、高周波鉄損改善のためには2.0 mass%以上が必要で
あり、また8.0 mass%以上になると飽和磁束密度が低下
すること及び製品の二次加工性が著しく劣化するので2.
0 〜8.0 mass%に制限される。
【0043】Mn:0.005 〜1.0 mass% Mnは、熱間加工性を良好にするために必要な元素である
が、0.005 mass%未満であると効果がなく、一方1.0 ma
ss%を超えると、飽和磁束密度を低下させるため、0.00
5 〜1.0 mass%とする。
【0044】また、この発明では、以下の微量に含まれ
る成分を低減する必要がある。すなわち、Cは、製品が
磁気時効を起こさないように50ppm 以下に低減する必要
がある。Cに関しては、溶鋼成分の段階で50ppm 以下と
してもよいし、溶鋼段階で50ppm を超えても途中工程で
の脱炭処理により50ppm 以下としてもよい。
【0045】再結晶焼鈍における粒成長を促進させるた
めに、Alの含有量を200ppm以下、S,NおよびOの含有
量を各々30ppm 以下に低減する必要があり、この量以上
では方位差角が20〜45°である粒界の選択的移動が抑制
されるために、ゴス組織の発達が低下する。
【0046】さらに、製品板の平均粒径を0.10〜1.0 mm
とすることが、良好な鉄損を得るために必要である。こ
の平均粒径が0.10mm未満であると、粒成長が不十分とな
りゴス組織が発達せずに良好な高周波鉄損が得られな
い。一方、平均粒径が1.0 mmを超えると、渦電流損が増
大して高周波鉄損が劣化する。
【0047】次に、製品板の結晶粒における集合組織お
よび粒界方位差角分布を適切に制御することが、この発
明において最も重要な必須条件である。具体的には、ゴ
ス方位{110 }<001> からの方位差角が15°以下の結晶
粒の面積率が15%以上であること、かつ結晶粒界全体に
おける方位差角が15°以下の小傾角粒界の割合が80%以
下であること、の両方の条件を満足する必要がある。ゴ
ス方位からの方位差角が15°以下の結晶粒の面積率が15
%未満の場合には、磁束密度が低下するために高周波鉄
損が劣化し、また小傾角粒界の割合が80%をこえると、
粒界による磁極生成効果が低減して鉄損が増加する。
【0048】上記の成分組成に成る溶鋼は、通常の造塊
法または連続鋳造法でスラブを製造してもよいし、ある
いは100 mm以下の厚さの薄鋳片を直接鋳造法で製造して
もよい。スラブは通常の方法で加熱して熱間圧延する
が、鋳造後加熱せずに直ちに熱間圧延してもよい。薄鋳
片の場合には熱間圧延しても良いし、熱間圧延を省略し
てそのまま以後の工程に進んでもよい。なお、素材成分
にインヒビター成分を含まないため、加熱温度は熱間圧
延可能な最低減の1100℃程度で十分である。
【0049】次いで、必要に応じて熱延板焼鈍を施し、
必要に応じて中間焼鈍を挟む1回以上の冷間圧延を施し
た後再結晶焼鈍を施し、必要に応じて無機、半有機また
は有機系のコーテイングを焼き付けて製品とする。な
お、積層した鋼板の鉄損を改善するために、鋼板表面に
絶縁コーティングが施されるわけであるが、この目的の
ためには2種類以上の被膜からなる多層膜であってもよ
いし、樹脂等を混合させたコーティングを施してもよ
い。
【0050】ここで、熱延板焼鈍を施すことにより、磁
気特性を向上させることが可能である。また、中間焼鈍
を冷間圧延の間に挟むことも磁気特性の安定化に有用で
ある。しかし、それぞれ生産コストを上昇させることに
なるため、経済的観点から熱延板焼鈍や中間焼鈍の取捨
選択を決定することが有利である。この熱延板焼鈍およ
び中間焼鈍の温度範囲としては、700 ℃以上1050℃以下
が好ましい。すなわち、700 ℃未満であると焼鈍時の再
結晶が進行しないため磁気特性を安定化する効果に乏し
く、一方1050℃をこえるとゴス組織の発達が阻害される
ため、熱延板焼鈍および中間焼鈍の好適温度範囲は700
〜1050℃とする。
【0051】最終冷間圧延後あるいは再結晶焼鈍後に、
浸珪法によってSi量を増加させる技術を併用してもよ
い。この技術にて良好な鉄損を実現するには、最終冷間
圧延の圧下率を50〜80%とすることが望ましい。この圧
下率が範囲外であると、ゴス組織の発達が不十分にな
り、鉄損の向上が不十分となる。
【0052】また、再結晶焼鈍後における平均結晶粒径
を0.10〜1.0 mmに制御することが良好な鉄損を得るため
に必要である。この範囲の結晶粒径に制御するための再
結晶焼鈍の条件は、不純物の含有量に応じて多少変動す
るが、短時間の連続焼鈍の場合には再結晶焼鈍温度を90
0 〜1200℃の範囲で5分以内で行うことが望ましい。
【0053】さらにまた、粒成長を促進し磁気特性を向
上させるために、再結晶焼鈍時における700 ℃以上での
昇温速度を100 ℃/h以下と緩くして、750 ℃以上1200
℃以下の温度まで到達させる、長時間の焼鈍を行うこと
が有利である。なお、昇温速度の下限は特に定めない
が、昇温速度が1℃/h未満であると、焼鈍時間が長す
ぎて経済的に不利であり、一方100 ℃/hを超えると集
合組織の改善効果が小さくなる。また、長時間焼鈍の場
合、再結晶焼鈍の到達温度は750 ℃未満であると、粒成
長が不十分なために磁気特性が劣化し、1200℃をこえる
と、表面酸化が進行して鉄損が劣化するから、再結晶焼
鈍の到達温度は750 ℃以上1200℃以下が好適である。最
後に、均熱時間に関しては、特に定めないが、良好な鉄
損を得るためには経済的に許容される範囲内で長時間と
して粒成長を促進させることが有効である。
【0054】上記粒成長をより促進し磁気特性を向上さ
せるために、再結晶焼鈍における500 〜700 ℃間の昇温
速度を2℃/s以上の急速昇温として700 ℃以上に昇温
し、次いで再結晶を完了させた後700 ℃以下の温度へと
冷却し、再び700 ℃以上での昇温速度を100 ℃/h以下
として750 ℃以上1200℃以下の温度域まで到達させるこ
とが有効である。
【0055】すなわち、再結晶焼鈍の前半の昇温時の50
0 〜700 ℃間の昇温速度が2℃/s未満であると、焼鈍
の後半における粒成長の促進効果が小さいため、再結晶
焼鈍の前半における500 〜700 ℃間の昇温速度は2℃/
s以上が好適である。また、再結晶焼鈍前半の温度が75
0 ℃未満および1200℃をこえる場合も、焼鈍後半におけ
る粒成長の促進効果が小さいため、再結晶焼鈍前半にお
ける到達温度は750 〜1200℃とすることが望ましい。再
結晶焼鈍後半における昇温速度が100 ℃/hを超える
と、集合組織の改善効果が小さいため、再結晶焼鈍後半
における昇温速度の好適範囲は100 ℃/h以下とする。
さらに、再結晶焼鈍後半の到達温度は750℃未満である
と、粒成長が不十分なために磁気特性が劣化し、一方12
00℃をこえると表面酸化が進行して鉄損が劣化するた
め、再結晶焼鈍後半の到達温度は750℃以上1200℃以下
が好適である。再結晶焼鈍後半における均熱時間に関し
ては特に定めないが、良好な鉄損を得るためには経済的
に許容される範囲内で長時間として粒成長を促進させる
ことが有効である。
【0056】なお、500 ℃までの昇温速度に関しては再
結晶挙動に大きな影響を及ばさないから特に規制する必
要はない。また、冷却条件についても、磁気特性上は特
に規制する必要はないが、経済的には60℃/min 〜10℃
/hの範囲の速度が有利である。
【0057】さらに、磁束密度を向上させるために、Ni
を添加することができる。Niの添加量が0.01mass%未満
であると、磁気特性の向上量が小さく、一方3.50mass%
を超えると集合組織の発達が不十分で磁気特性が劣化す
るから、添加量は0.01〜3.50mass%とする。鉄損を向上
させるために、Sn: 0.01 〜0.50mass%,Sb: 0.001〜
0.50mass%,Cu: 0.01 〜0.50mass%,P:0.005 〜0.
50mass%,Cr: 0.01〜1.50mass%を添加することが有
効である。この範囲より添加量が少ない場合には、鉄損
改善効果がなく、添加量が多い場合には飽和磁束密度が
低下する。
【0058】
【実施例】実施例1 C:30massppm, Si :3.60mass%,Mn: 0.05 mass%,
Al:10massppm,S:4massppm,N:10massppm,O:15ma
ssppm を含み残部実質的にFeである成分組成に成るスラ
ブを、連続鋳造にて製造した。次いで、スラブを1120℃
で30分加熱し熱間圧延にて2.6 mmに仕上げた。熱延板焼
鈍は1000℃で60秒の条件で行った後、冷間圧延にて表1
に示すような、種々の中間板厚に仕上げた。そして、92
0 ℃10秒の中間焼鈍を施したのち、冷間圧延で0.20mmの
最終板厚に仕上げた。次いで、水素雰囲気で950 ℃で5
min の再結晶焼鈍を施し、焼鈍後重クロム酸アルミニウ
ム、エマルジョン樹脂、エチレングリコールを混合した
コーティング液を塗布して300 ℃で焼き付けて製品とし
た。製品板の磁束密度と、400 Hz,1000Hzにおける1.0
Tまで圧延方向に励磁した時の鉄損値と、を測定した結
果について、表1に併記する。
【0059】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表1に併記する。表
1によれば、最終冷延圧下率が50〜80%の範囲で、製品
板においてゴス方位近傍結晶粒の面積率が15%以上でか
つ小傾角粒界の割合が80%以下の範囲でかつ平均粒径が
0.10〜1.0 mmの範囲において良好な高周波鉄損を有する
製品が得られている。
【0060】
【表1】
【0061】実施例2 C:25massppm , Si: 3.50 mass%, Mn: 0.15 mass
%, Al:30massppm ,S:4massppm およびN:5mass
ppm を含み残部実質的にFeである成分のスラブを連続鋳
造にて製造した。このスラブを1150℃で30分加熱し熱間
圧延にて2.0 mm厚に仕上げた。次いで、熱延板焼鈍を10
50℃で60秒の条件で行った後、200 ℃での冷間圧延にて
0.40mmの中間板厚に仕上げた。その後、940 ℃10秒の中
間焼鈍を施したのち冷間圧延で0.18mm厚の最終板厚に仕
上げ、引き続き表2に示す条件にて再結晶焼鈍を施して
から、重クロム酸アルミニウム、エマルジョン樹脂およ
びエチレングリコールを混合したコーティング液を塗布
して300 ℃で焼き付けて製品とした。かくして得られた
製品板の磁束密度と400 Hzにおける1.0 Tまで圧延方向
に励磁した時の鉄損値を測定した結果について、表2に
併記する。
【0062】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表2に併記する。表
2によれば、最終冷延圧下率が50〜80%の範囲で、製品
板においてゴス方位近傍結晶粒の面積率が40%以上でか
つ小傾角粒界の割合が80%以下の範囲でかつ平均粒径が
0.10〜1.0 mmの範囲において良好な高周波鉄損を有する
製品が得られている。
【0063】
【表2】
【0064】実施例3 C:120 massppm, Si :4.01mass%, Mn: 0.13 mass
%, Al:90massppm ,S:13massppm ,N:6massppm
およびO:12massppm を含む、板厚4.5 mmの薄鋳片を直
接鋳造で製造した。次いで、熱延板焼鈍を1150℃30秒間
で施した後、室温での冷間圧延にて0.55mm厚に仕上げ
た。その後、中間焼鈍を1000℃で露点50℃の雰囲気で30
秒間行い、C含有量を30ppm へと低下させた。引き続
き、室温での冷間圧延にて0.20mm厚に仕上げたのち、Ar
雰囲気にて、表3に示す条件で再結晶焼鈍を施して製品
とした。得られた製品板の磁束密度と1000Hzにおける1.
0 Tまで圧延方向に励磁した時の鉄損値を測定した結果
を、表3に併記する。
【0065】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表3に併記する。
【0066】表3によれば、再結晶焼鈍時における700
℃以上での昇温速度を1℃〜100 ℃/hとして750 ℃以
上1200℃以下の温度まで到達させることにより、特に鉄
損の良好な製品が得られている。
【0067】
【表3】
【0068】実施例4 C:30massppm, Si :3.70mass%, Mn: 0.15 mass%,
Al:40massppm ,S:14massppm ,N:15massppm およ
びO:19massppm を含み残部実質的にFeである成分のス
ラブを、連続鋳造で製造した。このスラブを1200℃で10
分間加熱し、熱間圧延にて2.0 mm厚に仕上げた。次い
で、熱延板焼鈍を1150℃30秒間焼鈍した後、室温での冷
間圧延にて0.55mm厚に仕上げた。その後、中間焼鈍を10
00℃で60秒間行ったのち、室温での冷間圧延で0.20mm厚
に仕上げ、さらにAr雰囲気にて表4に示す条件で第1
次、および引き続いて第2次の再結晶焼鈍を施して製品
とした。かくして得られた製品板の磁束密度と1000Hzに
おける1.0 Tまで圧延方向に励磁した時の鉄損値を測定
した結果を表4に併記する。
【0069】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表4に併記する。
【0070】表4によれば、再結晶焼鈍前半における昇
温速度が2℃/s以上で 750〜1200℃に到達させ再結晶
焼鈍後半における700 ℃以上での昇温速度を1℃〜100
℃/hとして750 ℃以上1200℃以下の温度まで到達させ
ることにより、さらに磁気特性の良好な製品が得られて
いる。
【0071】
【表4】
【0072】実施例5 表5に示す成分のスラブを連続鋳造にて製造した。スラ
ブを1200℃で10分加熱し熱間圧延にて1.0 mm厚に仕上げ
た。そして、熱延板焼鈍を950 ℃で30秒の条件で行った
後、250 ℃の温度で冷間圧延を行い0.23mm厚に仕上げた
(最終冷延圧下率:77%)。次いで、窒素50%水素50%
の雰囲気にて1000℃で180 秒の再結晶焼鈍を施し、焼鈍
後にりん酸アルミニウムおよび重クロム酸カリウムを混
合したコーティング液を塗布して300 ℃で焼き付けて製
品とした。製品板の磁束密度と400 Hzにおける1.0 Tま
で圧延方向に励磁した時の鉄損値を測定した結果を表6
に示す。
【0073】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表6に併記する。
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】表6によれば、Al量を200 massppm 以下、
S,N,Oの含有量を各30massppm以下に低減した溶鋼
を用いることにより、製品板においてゴス方位結晶粒の
面積率が15%以上でかつ小傾角粒界の割合が80%以下で
平均粒径が0.10〜1.0 mmの範囲において、さらに良好な
高周波鉄損を有する製品が得られている。
【0077】実施例6 表7に示す成分のスラブを連続鋳造にて製造した。スラ
ブを1200℃で50分加熱し熱間圧延にて2.6 mm厚に仕上げ
た。そして、熱延板焼鈍を1180℃で120 秒の条件で行っ
た後、150 ℃の温度で冷間圧延を行い0.58mmの中間板厚
に仕上げた。次いで、200 ℃の温度で冷間圧延を行い0.
23mm厚に仕上げたのち、Ar雰囲気で1150℃×1分の再結
晶焼鈍を施し、半有機コーティング液を塗布して300 ℃
で焼き付けて製品とした。製品板の磁束密度と400 Hzに
おける1.0 Tまで圧延方向に励磁した時の鉄損値を測定
した結果を表8に示す。
【0078】また、製品板の結晶粒方位の測定をEBS
Pにて行った。測定は、鋼板表面の10mm×10mm角の領域
における約2000個の結晶粒の方位について行った。その
結果から、{110 }<001> 方位からのずれ角15°以下の
結晶粒の存在頻度と小傾角粒界(方位差角15°以下)の
存在頻度とを求めた。その結果を、表8に併記する。
【0079】表8によれば、Al量を200 massppm 以下、
S,N,Oの含有量を各30massppm以下に低減し、かつN
i、Sn、Cu、PおよびCrを適量添加した溶鋼を用いるこ
とにより、製品板においてゴス方位結晶粒の面積率が15
%以上でかつ小傾角粒界の割合が80%以下で平均粒径が
0.10〜1.0 mmの範囲において、さらに良好な高周波鉄損
を有する製品が得られている。
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】
【発明の効果】この発明によれば、インヒビター成分を
含まない素材を用いて、磁気特性、特に高周波帯域にお
ける鉄損に優れた方向性電磁鋼板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 不純物元素の製品板磁束密度に及ぼす影響を
示す図である。
【図2】 製品板結晶方位のEBSPによる測定結果を示す
図である。
【図3】 各製品板における周波数:50Hzにおける鉄損
値を示す図である。
【図4】 各製品板における周波数:400Hz における鉄
損値を示す図である。
【図5】 各製品板における周波数:1000Hzにおける鉄
損値を示す図である。
【図6】 極薄方向性電磁鋼板と鋼Aの成分に成る鋼板
とにおける粒界方位差角分布を示す図である。
【図7】 400 Hzでの鉄損値に及ぼす製品板における小
傾角粒界頻度の影響を示す図である。
【図8】 400 Hzでの鉄損値に及ぼす製品板におけるゴ
ス方位結晶粒存在頻度の影響を示す図である。
【図9】 400 Hzでの鉄損値に及ぼす製品板粒径の影響
を示す図である。
【図10】 1000Hzでの鉄損値に及ぼす焼鈍条件の影響
を示す図である。
【図11】 小傾角粒界の存在頻度およびゴス方位結晶
粒存在頻度に及ぼす焼鈍条件の影響を示す図である。
【図12】 方向性電磁鋼板の一次再結晶集合組織にお
ける方位差角20〜45°の粒界のオイラー空間内(Φ2
45°断面)の各方位粒に対する存在頻度を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小松原 道郎 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K033 RA04 SA01 TA03 5E041 AA02 AA19 HB05 HB07 HB11 NN01 NN06 NN17 NN18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Si:2.0 mass%〜8.0 mass%およびMn:
    0.005 〜1.0 mass%を含み、かつAlの含有量を200 mass
    ppm 以下、Cの含有量を50massppm 以下、そしてS、N
    およびOの含有量を各々30massppm 以下に抑制した成分
    組成になり、平均結晶粒径が0.10〜1.0mm であり、{11
    0 }<001> 方位からの方位差が15°以下の結晶粒の面積
    率が15%以上、かつ隣り合う結晶粒の方位差が15°以下
    の粒界の結晶粒界全体に占める割合が80%以下であるこ
    とを特徴とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼
    板。
  2. 【請求項2】 Si:2.0 mass%〜8.0 mass%およびMn:
    0.005 〜1.0 mass%を含み、かつAlの含有量を200 mass
    ppm 以下、Cの含有量を50massppm 以下、そしてS、N
    およびOの含有量を各々30massppm 以下に低減した溶鋼
    から製造したスラブに熱間圧延を施し、その後必要に応
    じて熱延板焼鈍を施してから、1回もしくは中間焼鈍を
    挟む2回以上の冷間圧延を施した後、再結晶焼鈍を行っ
    て{110 }<001> 組織を発達させ、さらに必要に応じて
    絶縁コーティングを施す方向性電磁鋼板の製造方法にお
    いて、最終冷間圧廷を圧下率:50〜80%の範囲で行うこ
    と、そして再結晶焼鈍後の平均結晶粒径を0.10〜1.0mm
    に制御することを特徴とする高周波磁気特性に優れた方
    向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2において、再結晶焼鈍は、900
    〜1200℃の温度域に5分以内で保持する処理を含むこと
    を特徴とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2において、再結晶焼鈍は、700
    ℃以上での昇温速度を100 ℃/h以下として750 ℃以上
    1200℃以下の温度まで到達させる処理を含むことを特徴
    とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項2において、再結晶焼鈍は、500
    〜700 ℃間の昇温速度を2℃/s 以上として700 ℃以上
    に昇温して再結晶を完了させた後、700 ℃以下の温度へ
    と冷却し、再び700 ℃以上での昇温速度を100 ℃/h 以
    下として750 ℃以上1200℃以下の温度まで到達させる処
    理を含むことを特徴とする高周波磁気特性に優れた方向
    性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2ないし5のいずれかにおいて、
    溶鋼が、さらにNi:0.01〜3.50mass%、Sb:0.01〜0.05
    mass%、Sn:0.01〜0.50mass%、Cu: 0.01 〜0.50mass
    %、P: 0.005〜0.50mass%およびCr:0.01〜1.50mass
    %の少なくとも1種を含有する組成を有することを特徴
    とする高周波磁気特性に優れた方向性電磁鋼板の製造方
    法。
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