JP2001302577A - 5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体 - Google Patents

5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン誘導体

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JP2001302577A
JP2001302577A JP2001038388A JP2001038388A JP2001302577A JP 2001302577 A JP2001302577 A JP 2001302577A JP 2001038388 A JP2001038388 A JP 2001038388A JP 2001038388 A JP2001038388 A JP 2001038388A JP 2001302577 A JP2001302577 A JP 2001302577A
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貞夫 竹原
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晴義 高津
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】温度範囲が広く低電圧駆動と高速応答性の優れ
た液晶材料用の化合物又は製造中間体を提供する。 【解決手段】一般式Iのる5−フルオロ−1,2,3,
4−テトラヒドロナフタレン誘導体(その一例は酢酸2
−プロピル−5−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒ
ドロナフタレン−6−イル)を合成し、この化合物を液
晶組成物として、又は中間体として使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示材料として
有用な、フッ素置換されたテトラヒドロナフタレン誘導
体およびその製造中間体に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチ
ック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あ
るいは高速応答が可能なFLC(強誘電性液晶)やAFLC(反強
誘電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式と
しても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆
動が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近
ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】これらに用いられる液晶材料として、これ
までにも非常に多種類の液晶性化合物が合成されてお
り、これらはその表示方式や駆動方式あるいはその用途
に応じて使用されている。しかしながら、液晶表示素子
の性能向上(表示品位の向上や表示画面の大型化等)に対
する要求は年々強くなる一方であり、それを満足させる
ために新しい液晶化合物の開発が続けられている。
【0004】液晶化合物は通常コアと呼ばれる中心骨格
部分と両側の末端部分から構成されている。通常、液晶
化合物のコア部分を構成する環構造としては1,4-フェニ
レン基(1〜2個のハロゲン原子、シアノ基、メチル基等
により置換されていることもある)およびトランス-1,4-
シクロヘキシレン基がその大部分を占める。しかしなが
ら1,4-フェニレン基とトランス-1,4-シクロヘキシレン
基のみによって構成された液晶性化合物にはその種類や
特性にも限界があり、それらだけでは前記要求に応えき
れなくなっているのが実状である。
【0005】1,4-フェニレン基とトランス-1,4-シクロ
ヘキシレン基以外の環構造としては、例えばピリジン-
2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、1,3-ジオキ
サン-トランス-2,5-ジイル基等の複素環系や、トランス
-デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、ナフタレン-2,6
-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイ
ル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基、スピロ
[3.3]ヘプタン-2,6-ジイル基等の縮合環系等も検討され
ているが、製造上(技術、コスト等)の問題、安定性の問
題等から、現在のところ実用化されているものは僅かに
過ぎない。
【0006】これらの縮合環系において、1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基は古くから報告され
ている環構造であるにもかかわらず、その合成例は極端
に少なく、また、液晶性(相転移温度)以外の特性、特に
ネマチック液晶としての特性はほとんど知られていな
い。最近になり、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2-
カルボン酸の光学活性アルコールエステルがスメクチッ
ク液晶、特に強誘電性液晶や反強誘電性液晶として興味
ある特性を示すことが報告され(第18回液晶討論会講演
予稿集3B420)、あるいは、強誘電性液晶用の骨格として
含フッ素テトラヒドロナフタレン構造を有するものが報
告されるようになった(ドイツ19,748,440号公報)。
【0007】最近、本発明者らは6-フェニル-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン誘導体である(A)
【化3】
【0008】あるいは6-(4-シアノフェニル)-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン誘導体である(B)
【化4】 等の新規テトラヒドロナフタレン誘導体を開発し、これ
らが優れた液晶性を示し、閾値電圧(Vth)の低減や、屈
折率異方性(Δn)の低減、ネマチック相温度範囲の拡大
等に優れた効果を有し、さらに他の液晶化合物や汎用液
晶組成物に対する相溶性にも優れており、液晶材料とし
て有用であることを報告した(特願平11-183658号)。
【0009】本発明者らは、化合物(C)
【化5】
【0010】等の新規なフッ素置換されたテトラヒドロ
ナフタレン誘導体を開発し、これらが非常に優れた電気
光学特性を示し、特に閾値電圧(Vth)の低減効果に有用
であることを報告した(特願平11-191670号)。
【0011】ところで、化合物(C)は3,5-ジフルオロフ
ェニル酢酸を出発原料として、5,7-ジフルオロ-1,2,3,4
-テトラヒドロナフタレン-2-オン(D) を製造し、これを
中間体として製造される。
【化6】 しかしながら、この中間体を安価に入手することは容易
でなく、また変換する際の収率も充分高いとは言い難い
ことから、製造コスト的には決して有利であるとは言え
なかった。そのため、フッ素置換されたテトラヒドロナ
フタレン誘導体の製造中間体として、製造が容易で、よ
り安価なフッ素置換されたテトラヒドロナフタレン誘導
体が求められている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、フッ素置換されたテトラヒドロナフタレン
誘導体およびその製造中間体を提供することにあり、ま
たその製造方法を提供し、さらにそれを用いて実用的な
液晶表示材料をも提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明の一般式(I)
の化合物を従来知られていた方法では製造が困難であっ
たものを含めて、(イ)高収率、(ロ)簡便に且つ、(ハ)安
価に製造することができることを見出し、さらに(I)の
化合物を製造中間体として用いることにより、フッ素置
換されたテトラヒドロナフタレン誘導体を、(イ)高収
率、(ロ)簡便に且つ、(ハ)安価に製造し、それを用いて
実用的な液晶表示材料を提供することが可能となり、本
発明を完成するに至った。
【0014】本発明の化合物は一般式(I)
【0015】
【化7】 (式中、Rは1個以上のフッ素原子および/または炭素原子
数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよ
く、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1
〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表し、nは0〜
2の整数を表し、n=2のとき存在する環Aおよび連結基Lは
それぞれ独立的に同一であっても異なっていてもよく、
nが0でないとき連結基Lは単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、
-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2
CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(C
H3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF
2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-または-SCO-を表
し、環Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス
-デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、シクロペンチレ
ン-1,3-ジイル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイ
ル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基または一
個以上のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン
基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル
基、ピラジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-ジイル
基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基お
よびナフタレン-2,6-ジイル基を表し、Zはフッ素原子、
塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、シアナト
基、カルボキシル基、トリフルオロメトキシ基、ジフル
オロメトキシ基、トリフルオロメチル基、水酸基または
保護基Yにより保護された水酸基OYを表し、保護基Yはメ
チル基、tert-ブチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、トリチル基、アリル基、ベンジル基、p-メト
キシベンジル基、テトラヒドロピラニル基、あるいはト
リメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、ter
t-ブチルジフェニルシリル基、あるいはアセチル基、ホ
ルミル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル
基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、ピバ
ロイル基、レブリノイル基、ベンゾイル基、p-ニトロベ
ンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基、エトキシカルボ
ニル基、あるいはメタンスルホニル基、トリフルオロメ
タンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基またはp-トル
エンスルホニル基を表す。)で表される5-フルオロ-1,2,
3,4-テトラヒドロナフタレン誘導体を提供する。
【0016】また、一般式(II)
【化8】
【0017】(式中、R'は1個以上のフッ素原子および/
または炭素原子数1〜7のアルコキシル基によって置換さ
れていてもよく、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽
和の炭素数1〜20のアルキル基またはアルコキシル基を
表し、連結基L'は単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(C
H3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF
2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O
-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O
-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-または-SCO-を表し、
環A'はトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス-1,
4-シクロヘキセニレン基、トランス-デカヒドロナフタ
レン-2,6-ジイル基、シクロペンチレン-1,3-ジイル基、
トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル基、ビシクロ[2.
2.2]オクタン-1,4-ジイル基または一個以上のフッ素原
子および/または一個以上の塩素、臭素、ヨウ素などの
ハロゲン原子で置換されてもよい1,4-フェニレン基、ピ
リジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラ
ジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-ジイル基、1,2,3,
4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基およびナフタ
レン-2,6-ジイル基を表し、nおよびZは一般式(I)におけ
ると同じ意味を表す。)で表される1-フルオロナフタレ
ン誘導体を還元することを特徴とする上記一般式(I)で
表される5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
誘導体の製造方法を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】上述のように、一般式(I)の化合
物において、そのR、連結基L、環A、nおよびZとしては
以下のようなものが挙げられる。
【0019】Rとしては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル
基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、
ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデ
シル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシ
ル基、ノナデシル基、エイコシル基の直鎖型飽和アルキ
ル基、1-メチルエチル基、1-メチルプロピル基、2-メチ
ルプロピル基、1,2-ジメチルプロピル基、1-メチルブチ
ル基、2-メチルブチル基、3-メチルブチル基、1,2-ジメ
チルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブ
チル基、1-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、3-
メチルペンチル基、4-メチルペンチル基、1,2-ジメチル
ペンチル基、1,3-ジメチルペンチル基、1-メチルヘキシ
ル基、2-メチルヘキシル基、3-メチルヘキシル基、4-メ
チルヘキシル基、5-メチルヘキシル基、1,2-ジメチルヘ
キシル基、1,3-ジメチルヘキシル基、1-メチルヘプチル
基、2-メチルヘプチル基、3-メチルヘプチル基、4-メチ
ルヘプチル基、5-メチルヘプチル基、6-メチルヘプチル
基、1,2-ジメチルヘプチル基、1,3-ジメチルヘプチル
基、1-メチルオクチル基、2-メチルオクチル基、3-メチ
ルオクチル基、4-メチルオクチル基、5-メチルオクチル
基、6-メチルオクチル基、7-メチルオクチル基、1,2-ジ
メチルオクチル基、1,3-ジメチルオクチル基、1-メチル
ノニル基、2-メチルノニル基、3-メチルノニル基、4-メ
チルノニル基、5-メチルノニル基、6-メチルノニル基、
7-メチルノニル基、8-メチルノニル基、1,2-ジメチルノ
ニル基、1,3-ジメチルノニル基、1-メチルデシル基、2-
メチルデシル基、3-メチルデシル基、1,2-ジメチルデシ
ル基、1,3-ジメチルデシル基、1-メチルウンデシル基、
2-メチルウンデシル基、3-メチルウンデシル基、1,2-ジ
メチルウンデシル基、1,3-ジメチルウンデシル基、1-メ
チルドデシル基、2-メチルドデシル基、3-メチルドデシ
ル基、1,2-ジメチルドデシル基、1,3-ジメチルドデシル
基、1-メチルトリデシル基、2-メチルトリデシル基、3-
メチルトリデシル基、1,2-ジメチルトリデシル基、1,3-
ジメチルトリデシル基等の分岐型飽和アルキル基、ビニ
ル基、トランス-1-プロペニル基、2-プロペニル基、ト
ランス-1-ブテニル基、トランス-2-ブテニル基、3-ブテ
ニル基、トランス-1-ペンテニル基、トランス-2-ペンテ
ニル基、トランス-3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、
トランス-1-ヘキセニル基、トランス-2-ヘキセニル基、
トランス-3-ヘキセニル基、トランス-4-ヘキセニル基、
5-ヘキセニル基、トランス-1-ヘプテニル基、トランス-
2-ヘプテニル基、トランス-3-ヘプテニル基、トランス-
4-ヘプテニル基、トランス-5-ヘプテニル基、6-ヘプテ
ニル基、トランス-1-オクテニル基、トランス-2-オクテ
ニル基、トランス-3-オクテニル基、トランス-4-オクテ
ニル基、トランス-5-オクテニル基、トランス-6-オクテ
ニル基、7-オクテニル基、トランス-1-ノネニル基、8-
ノネニル基、トランス-1-デセニル基、9-デセニル基、
トランス-1-ウンデセニル基、10-ウンデセニル基、トラ
ンス-1-ドデセニル基、11-ドデセニル基、エチニル基、
1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブ
チニル基、3-ブチニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニ
ル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキシニル
基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル
基、5-ヘキシニル基、1-ヘプチニル基、2-ヘプチニル
基、3-ヘプチニル基、4-ヘプチニル基、5-ヘプチニル
基、6-ヘプチニル基、1-オクチニル基、2-オクチニル
基、3-オクチニル基、4-オクチニル基、5-オクチニル
基、6-オクチニル基、7-オクチニル基、1-ノニニル基、
8-ノニニル基、1-デシニル基、9-デシニル基、1-ウンデ
シニル基、10-ウンデシニル基、1-ドデシニル基、11-ド
デシニル基、1-トリデシニル基、12-トリデシニル基等
の不飽和アルキル基、フルオロメチル基、ジフルオロメ
チル基、トリフルオロメチル基、2-フルオロメチル基、
2,2-ジフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル
基、1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル基、3-フルオロプ
ロピル基、2-フルオロプロピル基、1-フルオロプロピル
基、3,3-ジフルオロプロピル基、3,3,3-トリフルオロプ
ロピル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,2,3,3,3-ヘプタ
フルオロプロピル基、4-フルオロブチル基、3-フルオロ
ブチル基、2-フルオロブチル基、1-フルオロブチル基、
4,4-ジフルオロブチル基、4,4,4-トリフルオロブチル
基、3,3,4,4-テトラフルオロブチル基、3,3,4,4,4-ペン
タフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブ
チル基、5-フルオロペンチル基、4-フルオロペンチル
基、3-フルオロペンチル基、2-フルオロペンチル基、1-
フルオロペンチル基、5,5-ジフルオロペンチル基、5,5,
5-トリフルオロペンチル基、4,4,5,5-テトラフルオロペ
ンチル基、4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル基、3,3,
4,4,5,5,5-ヘプタフルオロペンチル基、6-フルオロヘキ
シル基、5-フルオロヘキシル基、4-フルオロヘキシル
基、3-フルオロヘキシル基、2-フルオロヘキシル基、1-
フルオロヘキシル基、6,6-ジフルオロヘキシル基、6,6,
6-トリフルオロヘキシル基、5,5,6,6,6-ペンタフルオロ
ヘキシル基、4,4,5,5,6,6,6-ヘプタフルオロヘキシル
基、7-フルオロヘプチル基、6-フルオロヘプチル基、5-
フルオロヘプチル基、4-フルオロヘプチル基、3-フルオ
ロヘプチル基、2-フルオロヘプチル基、1-フルオロヘプ
チル基、7,7-ジフルオロヘプチル基、7,7,7-トリフルオ
ロヘプチル基、6,6,7,7-テトラフルオロヘプチル基、6,
6,7,7,7-ペンタフルオロヘプチル基、5,5,6,6,7,7,7-ヘ
プタフルオロヘプチル基、8-フルオロオクチル基、7-フ
ルオロオクチル基、6-フルオロオクチル基、5-フルオロ
オクチル基、4-フルオロオクチル基、3-フルオロオクチ
ル基、2-フルオロオクチル基、1-フルオロオクチル基、
8,8-ジフルオロオクチル基、8,8,8-トリフルオロオクチ
ル基、7,7,8,8-テトラフルオロオクチル基、7,7,8,8,8-
ペンタフルオロオクチル基、6,6,7,7,8,8,8-ヘプタフル
オロオクチル基等のフッ素置換アルキル基、2,2-ジフル
オロエテニル基、(E)-1,2-ジフルオロエテニル基、(Z)-
1,2-ジフルオロエテニル基、3,3-ジフルオロ-2-プロペ
ニル基、(E)-2,3-ジフルオロ-2-プロペニル基、(Z)-2,3
-ジフルオロ-2-プロペニル基、4,4-ジフルオロ-3-ブテ
ニル基、(E)-3,4-ジフルオロ-3-ブテニル基、(Z)-3,4-
ジフルオロ-3-ブテニル基、5,5-ジフルオロ-4-ペンテニ
ル基、(E)-4,5-ジフルオロ-4-ペンテニル基、(Z)-4,5-
ジフルオロ-4-ペンテニル基、6,6-ジフルオロ-5-ヘキセ
ニル基、(E)-5,6-ジフルオロ-5-ヘキセニル基、(Z)-5,6
-ジフルオロ-5-ヘキセニル基、(E)-1,2-ジフルオロ-1-
プロペニル基、(E)-1,2-ジフルオロ-1-ブテニル基、(E)
-1,2-ジフルオロ-1-ペンテニル基、(E)-1,2-ジフルオロ
-1-ヘキセニル基、(Z)-1-フルオロ-1-プロペニル基、
(Z)-1-フルオロ-1-ブテニル基、(Z)-1-フルオロ-1-ペン
テニル基、(Z)-1-フルオロ-1-ヘキセニル基、(Z)-2-フ
ルオロ-1-プロペニル基、(Z)-2-フルオロ-1-ブテニル
基、(Z)-2-フルオロ-1-ペンテニル基、(Z)-2-フルオロ-
1-ヘキセニル基、 (E)-2,3-ジフルオロ-2-ブテニル基、
(E)-2,3-ジフルオロ-2-ペンテニル基、(E)-2,3-ジフル
オロ-2-ヘキセニル基、 (Z)-2-フルオロ-2-ブテニル
基、(Z)-2-フルオロ-2-ペンテニル基、(Z)-2-フルオロ-
2-ヘキセニル基、(Z)-3-フルオロ-2-ブテニル基、(Z)-3
-フルオロ-2-ペンテニル基、(Z)-3-フルオロ-2-ヘキセ
ニル基等のフッ素置換不飽和アルキル基、メトキシメチ
ル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキ
シメチル基、ペンチルオキシメチル基、ヘキシルオキシ
メチル基、ヘプチルオキシメチル基、1-メトキシエチル
基、1-エトキシエチル基、1-プロポキシエチル基、1-ブ
トキシエチル基、1-ペンチルオキシエチル基、1-ヘキシ
ルオキシエチル基、1-ヘプチルオキシエチル基、2-メト
キシエチル基、2-エトキシエチル基、2-プロポキシエチ
ル基、2-ブトキシエチル基、2-ペンチルオキシエチル
基、2-ヘキシルオキシエチル基、2-ヘプチルオキシエチ
ル基、1-メトキシプロピル基、1-エトキシプロピル基、
1-プロポキシプロピル基、1-ブトキシプロピル基、1-ペ
ンチルオキシプロピル基、1-ヘキシルオキシプロピル
基、1-ヘプチルオキシプロピル基、2-メトキシプロピル
基、2-エトキシプロピル基、2-プロポキシプロピル基、
2-ブトキシプロピル基、2-ペンチルオキシプロピル基、
2-ヘキシルオキシプロピル基、2-ヘプチルオキシプロピ
ル基、3-メトキシプロピル基、3-エトキシプロピル基、
3-プロポキシプロピル基、3-ブトキシプロピル基、3-ペ
ンチルオキシプロピル基、3-ヘキシルオキシプロピル
基、3-ヘプチルオキシプロピル基、4-メトキシブチル
基、4-エトキシブチル基、4-プロポキシブチル基、4-ブ
トキシブチル基、4-ペンチルオキシブチル基、4-ヘキシ
ルオキシブチル基、4-ヘプチルオキシブチル基、5-メト
キシペンチル基、5-エトキシペンチル基、5-プロポキシ
ペンチル基、5-ブトキシペンチル基、5-ペンチルオキシ
ペンチル基、5-ヘキシルオキシペンチル基、5-ヘプチル
オキシペンチル基、6-メトキシヘキシル基、6-エトキシ
ヘキシル基、6-プロポキシヘキシル基、6-ブトキシヘキ
シル基、6-ペンチルオキシヘキシル基、6-ヘキシルオキ
シヘキシル基、6-ヘプチルオキシヘキシル基等のアルコ
キシル基置換アルキル基およびそれらのアルコキシル基
が挙げられるが、アルキル基が好ましい。中でも直鎖型
飽和アルキル基がさらに好ましく、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
ペプチル基、オクチル基が特に好ましい。
【0020】連結基Lは、単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、
-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2
CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(C
H3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF
2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-または-SCO-を挙げ
ることができ、中でも単結合、-CH2CH2-、-CH(CH3)CH
2-、-CH2CH(CH3)-または-CH(CH3)CH(CH3)-が好ましく、
単結合または-CH2CH2-がさらに好ましく、単結合が特に
好ましい。
【0021】環Aは式群1に示すような構造が挙げられ
る。
【0022】
【化9】
【0023】中でも、式群2に記載した構造が好まし
い。
【化10】
【0024】中でも、式群3に記載した構造が特に好ま
しい。
【0025】
【化11】
【0026】nは0〜2の整数を挙げることができるが、n
が2の場合、溶解性が低下することに伴い、反応性が低
下することから、nは0または1が好ましい。
【0027】Zはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨ
ウ素原子、シアノ基、シアナト基、カルボキシル基、ト
リフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフ
ルオロメチル基、水酸基または保護基Yにより保護され
た水酸基OYを挙げることができ、保護基Yとしては、メ
チル基、tert-ブチル基、メトキシエチル基、エトキシ
エチル基、トリチル基、アリル基、ベンジル基、p-メト
キシベンジル基、テトラヒドロピラニル基が如きアルキ
ル基、あるいはトリメチルシリル基、tert-ブチルジメ
チルシリル基、tert-ブチルジフェニルシリル基が如き
シリル基、あるいはアセチル基、ホルミル基、トリフル
オロアセチル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル
基、フェノキシアセチル基、ピバロイル基、レブリノイ
ル基、ベンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基、p-メトキ
シベンゾイル基、エトキシカルボニル基が如きアシル
基、あるいはメタンスルホニル基、トリフルオロメタン
スルホニル基、ベンゼンスルホニル基、p-トルエンスル
ホニル基が如きスルホニル基を挙げることができる。中
でも、化合物(I)の汎用性を考慮すると、水酸基または
保護された水酸基が好ましく、保護基としては、アシル
基またはスルホニル基が好ましい。また、化合物(II)の
選択的な還元を考慮すると電子求引性の置換基が好まし
く、中でも、フッ素原子あるいはアシルオキシ基がさら
に好ましく、化合物(II)の溶解性を考慮するとアセチル
オキシ基が如き嵩高くないアシルオキシ基が特に好まし
い。
【0028】また、水素化還元触媒としては、製法1と
同様の触媒が好ましい。さらに前述の製法と比較して、
経済性を考慮すると製法1が好ましく、還元の選択性を
考慮すると製法2が好ましい。
【0029】上述のように、一般式(I)の化合物は、そ
のR、連結基L、環A、nおよびZの選択によって非常に多
種の化合物を包含しうるわけであるが、その各構造部位
を選択することによってより広い用途分野に適合した化
合物とすることができ、その結果、一般式(I)の化合物
を用いることにより、従来知られていた方法では製造が
困難であったものを含めて、広いネマチック温度範囲、
光・熱に対する安定性、高い電圧保持率などの電気光学
素子、特にSTN-LCDおよびAM-LCDに好ましい特徴を有す
るフッ素置換されたテトラヒドロナフタレン誘導体を製
造でき、非常に有用である。
【0030】さらに詳述すると、一般式(I)の化合物の
中で、特に好ましい化合物として以下の化合物を挙げる
ことができる。なお、化合物記載には式群4に記載した
略号を使用し、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペプチル基、オク
チル基のいずれかを表す。
【化12】
【0031】Zが水酸基(-OH)の場合、 R1-T1-OH, R1-Cy-T1-OH, R1-Dc-T1-OH, R1-Bc-T1-OH, R1-Cy-2-T1-OH, R1-Dc-2-T1-OH, R1-Bc-2-T1-OH, R1-Cy-2(1)-T1-OH, R1-Dc-2(1)-T1-OH, R1-Bc-2(1)-T1-
OH, R1-Cy-2(2)-T1-OH, R1-Dc-2(2)-T1-OH, R1-Bc-2(2)-T1-
OH, R1-Cy-2(3)-T1-OH, R1-Dc-2(3)-T1-OH, R1-Bc-2(3)-T1-
OH Zがメチル基、tert-ブチル基、メトキシエチル基、エト
キシエチル基、トリチル基、アリル基、ベンジル基、p-
メトキシベンジル基あるいはテトラヒドロピラニル基が
如きアルキル基で保護された水酸基(-OY1)の場合、 R1-T1-OY1, R1-Cy-T1-OY1, R1-Dc-T1-OY1, R1-Bc-T1-OY1, R1-Cy-2-T1-OY1, R1-Dc-2-T1-OY1, R1-Bc-2-T1-OY1, R1-Cy-2(1)-T1-OY1, R1-Dc-2(1)-T1-OY1, R1-Bc-2(1)-T
1-OY1, R1-Cy-2(2)-T1-OY1, R1-Dc-2(2)-T1-OY1, R1-Bc-2(2)-T
1-OY1, R1-Cy-2(3)-T1-OY1, R1-Dc-2(3)-T1-OY1, R1-Bc-2(3)-T
1-OY1 Zがトリメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基
あるいはtert-ブチルジフェニルシリル基が如きシリル
基で保護された水酸基(-OY2)の場合、 R1-T1-OY2, R1-Cy-T1-OY2, R1-Dc-T1-OY2, R1-Bc-T1-OY2, R1-Cy-2-T1-OY2, R1-Dc-2-T1-OY2, R1-Bc-2-T1-OY2, R1-Cy-2(1)-T1-OY2, R1-Dc-2(1)-T1-OY2, R1-Bc-2(1)-T
1-OY2, R1-Cy-2(2)-T1-OY2, R1-Dc-2(2)-T1-OY2, R1-Bc-2(2)-T
1-OY2, R1-Cy-2(3)-T1-OY2, R1-Dc-2(3)-T1-OY2, R1-Bc-2(3)-T
1-OY2 極性基Zがアセチル基、ホルミル基、トリフルオロアセ
チル基、クロロアセチル基、メトキシアセチル基、フェ
ノキシアセチル基、ピバロイル基、レブリノイル基、ベ
ンゾイル基、p-ニトロベンゾイル基、p-メトキシベンゾ
イル基あるいはエトキシカルボニル基が如きアシル基で
保護された水酸基(-OY3)の場合、 R1-T1-OY3, R1-Cy-T1-OY3, R1-Dc-T1-OY3, R1-Bc-T1-OY3, R1-Cy-2-T1-OY3, R1-Dc-2-T1-OY3, R1-Bc-2-T1-OY3, R1-Cy-2(1)-T1-OY3, R1-Dc-2(1)-T1-OY3, R1-Bc-2(1)-T
1-OY3, R1-Cy-2(2)-T1-OY3, R1-Dc-2(2)-T1-OY3, R1-Bc-2(2)-T
1-OY3, R1-Cy-2(3)-T1-OY3, R1-Dc-2(3)-T1-OY3, R1-Bc-2(3)-T
1-OY3 極性基Zがメタンスルホニル基、トリフルオロメタンス
ルホニル基、ベンゼンスルホニル基あるいはp-トルエン
スルホニル基が如きスルホニル基で保護された水酸基(-
OY4)の場合、 R1-T1-OY4, R1-Cy-T1-OY4, R1-Dc-T1-OY4, R1-Bc-T1-OY4, R1-Cy-2-T1-OY4, R1-Dc-2-T1-OY4, R1-Bc-2-T1-OY4, R1-Cy-2(1)-T1-OY4, R1-Dc-2(1)-T1-OY4, R1-Bc-2(1)-T
1-OY4, R1-Cy-2(2)-T1-OY4, R1-Dc-2(2)-T1-OY4, R1-Bc-2(2)-T
1-OY4, R1-Cy-2(3)-T1-OY4, R1-Dc-2(3)-T1-OY4, R1-Bc-2(3)-T
1-OY4
【0032】上述の一般式(I)の化合物について製造例
を以下に挙げる。勿論本発明の主旨、および適用範囲
は、これら製造例により制限されるものではない。
【化13】 (式中、R、結合基L、環Aおよびnは一般式(I)におけると
同じ意味を表し、R'、結合基L'および環A'は一般式(II)
におけると同じ意味を表し、保護基Y'およびY''はそれ
ぞれ独立的に一般式(I)における保護基Yと同じ意味を表
す。)
【0033】[製法1] 6-置換-1-フルオロ-2-ナフトー
ル誘導体(II-a)の接触水素還元による、2-置換-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール(I-a)
の製法6-置換-1-フルオロ-2-ナフトール誘導体(II-a)
(この化合物は特開平9-52859号公報に記載された製造方
法に基づき、2-ナフトール誘導体(II')をフッ素化する
ことにより製造できる。)を水素化還元触媒存在下、接
触水素還元することにより、目的の2-置換-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール(I-a)を得る
ことができる。ここで水素化還元触媒としては、Rh、R
u、Pt、Pd、IrまたはOsの金属あるいはこれらの金属化
合物が挙げられる。また、これらの金属および金属化合
物は1種を単独でまたは2種以上を併用してもよい。
【0034】例えば、Pdの金属およびその化合物の具体
例としては、パラジウム炭素、パラジウム末、酸化パラ
ジウム、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラ
ジウム、テトラアンミンパラジウム塩化物、テトラアン
ミンパラジウム硝酸塩、テトラアンミンパラジウム酢酸
塩などのパラジウム塩あるいはテトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)
パラジウムなどのパラジウム錯体が挙げられる。また、
これらの金属および金属化合物は1種を単独でまたは2種
以上を併用してもよい。また、前述のPdに換えて、Rh、
Ru、Pt、Ir、Osの金属および/またはその金属化合物に
ついても同様のものが挙げられる。中でも、Pdの金属ま
たはその金属化合物が好ましい。
【0035】[製法2] 保護された6-置換-1-フルオロ-2
-ナフトール誘導体(II-b)の接触水素還元による、2-置
換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オ
ール(I-a)の製法 6-置換-1-フルオロ-2-ナフトール誘導体(II-a)に保護基
Y'を導入し、保護された6-置換-1-フルオロ-2-ナフトー
ル誘導体(II-b)に誘導した後、水素化還元触媒存在下、
接触水素還元し、保護された2-置換-5-フルオロ-1,2,3,
4-テトラヒドロナフタレン-6-オール(I-b)とした後、脱
保護することにより目的の2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-6-オール(I-a)を得ることがで
きる。
【0036】ここで保護基Y'としては、一般式(I)にお
ける保護基Yと同様の保護基が挙げられる。中でも、ア
シル基が好ましく、化合物(II-a)の選択的な還元を考慮
するとベンゾイル基が如き嵩高いアシル基がさらに好ま
しく、化合物(II-b)の溶解性を考慮するとアセチル基が
如き嵩高くないアシル基がさらに好ましい。また、水素
化還元触媒としては、製法1と同様の触媒が好ましい。
さらに前述の製法と比較して、経済性を考慮すると製法
1が好ましく、還元の選択性を考慮すると製法2が好まし
い。
【0037】[製法3] 2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テ
トラヒドロナフタレン-6-オール(I-a)への保護基を導入
することによる保護された2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-6-オール誘導体(I-c)の製法 2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6
-オール(I-a)に保護基Y''を導入することにより、目的
の保護された2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ
ナフタレン-6-オール(I-c)を得ることができる。
【0038】ここで保護基Y''としては、一般式(I)にお
ける保護基Yと同様の保護基が挙げられるが、中でも、
後述する応用例に示すように、フッ素置換されたテトラ
ヒドロナフタレン誘導体を製造する点を考慮するとスル
ホニル基が好ましい。中でも、化合物(I-c)の反応性を
考慮するとトリフルオロメタンスルホニル基がさらに好
ましい。
【0039】
【化14】 (式中、R、連結基L、環Aおよびnは一般式(I)におけると
同じ意味を表し、保護基Y'''は一般式(I)における保護
基Yと同じ意味を表し、XおよびX'はそれぞれ独立的に塩
素、臭素またヨウ素のハロゲン原子あるいはp-トルエン
スルホニルオキシ基またはトリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ基などの脱離基を表し、MはLi、MgBr、MgIなど
の金属あるいは金属含有基を表し、cat.はパラジウム錯
体あるいはニッケル錯体などの遷移金属触媒を表す。)
【0040】[製法4] 5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒド
ロナフタレン-6-オールの2-位に置換基を導入すること
による2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-6-オール誘導体(I-a)の製法 製法1あるいは製法2において、Rがメトキシ基且つnが0
であるところの2-メトキシ-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラ
ヒドロナフタレン-6-オール(I-d)を得た後、脱保護する
ことにより、5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-2,6-ジオール(I-e)を得て、ついで脱離基を導入
し、さらに水酸基を保護することにより2-置換-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール誘導体
(I-f)を得る。これを、一般式(I-z)で表される化合物
(この化合物は、液晶性化合物の合成において一般的に
用いられている。)から調製した有機金属化合物(I-y)を
遷移金属触媒存在下、反応させた後、脱保護することに
より、目的の2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ
ナフタレン-6-オール(I-a)を得ることができる。
【0041】ここで遷移金属触媒としては、ジクロロビ
ストリフェニルホスフィンパラジウム(II)やテトラキス
トリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム
錯体あるいはビス(ジエチルホスフィノエタン)ジクロロ
ニッケル(II)やテトラキストリフェニルホスフィンニッ
ケル(0)等のニッケル錯体が挙げられる。また、これら
の金属化合物とともに塩化銅(I)、臭化銅(I)、ヨウ化銅
(I)などの銅化合物あるいはトリエチルアミンなどの塩
基を併用してもよい。
【0042】中でも、選択性を考慮するとテトラキスト
リフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム錯
体を用いることが好ましく、反応性を考慮するとビス
(ジエチルホスフィノエタン)ジクロロニッケル(II)等の
ニッケル錯体を用いることが好ましい。
【0043】さらに前述の製法1と比較して、一般式(I)
において、Rおよび/または結合基Lおよび/または環Aに
不飽和基を含まない化合物を製造する場合は、製法1が
好ましく、一般式(I)において、Rおよび/または結合基L
および/または環Aに不飽和基を含んだ化合物を製造する
場合は、製法4が好ましい。
【0044】
【化15】 (式中、R、連結基L、環Aおよびnは一般式(I)におけると
同じ意味を表し、cat.は製法4におけると同じ意味を表
し、X''は塩素、臭素またヨウ素のハロゲン原子を表
す。)
【0045】[製法5] 5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒド
ロナフタレン-6-オールを官能基変換することによる、2
-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン誘
導体(I-h〜I-k)の製法 製法3において、保護基Y''がトリフルオロメタンスルホ
ニル基であるところのトリフルオロメタンスルホン酸2-
メトキシ-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
-6-イル(I-g)を得た後、遷移金属触媒存在下、シアン化
ナトリウムと反応させることにより、一般式(I)におけ
るZがシアノ基を表すところの2-置換-6-シアノ-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(I-h)を得ること
ができる。ここで遷移金属触媒としては、製法4におけ
ると同様の触媒を挙げることができる。さらに上記で得
られた2-置換-6-シアノ-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒ
ドロナフタレン(I-h)を酸または塩基で加水分解するこ
とにより、一般式(I)におけるZがカルボキシル基を表す
ところの2-置換-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-6-カルボン酸(I-i)を得ることができる。
【0046】さらに上記で得られた2-置換-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-カルボン酸(I-i)を
酸触媒存在下、アジ化水素酸と反応させることにより、
一般式(I)におけるZがアミノ基を表すところの2-置換-6
-アミノ5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを
得る。これを亜硝酸ナトリウム存在下、所定のハロゲン
化銅(I)と反応させることにより、一般式(I)におけるZ
がハロゲン基を表すところの2-置換-6-ハロゲノ-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(I-j)を得ること
ができる。
【0047】あるいは上記で得られた2-置換-6-アミノ5
-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを亜硝酸ナ
トリウム存在下、テトラフルオロホウ酸と反応させた
後、熱分解することにより、一般式(I)におけるZがフッ
素原子を表すところの2-置換-5,6-ジフルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン(I-k)を得ることができる。
【0048】斯くして製造された一般式(I)で表される
化合物の代表例を以下に挙げる。
【化16】 後述する応用例に示すように、実際に上記化合物を用い
て、フッ素置換されたテトラヒドロナフタレン誘導体を
製造し、それを用いた液晶組成物を調製したところ、そ
れらはホスト液晶組成物に対する優れた溶解性を有し、
且つ非常に優れた電気光学特性を示し、特に閾値電圧(V
th)の低減効果に有用であることがわかった。さらに、
この組成物の電圧保持率を測定したところ、調製時、加
熱後および紫外線照射後ともにホスト液晶組成物と同様
に充分高い値を示した。
【0049】このように、本発明の一般式(I)の化合物
から誘導されたフッ素置換されたテトラヒドロナフタレ
ン誘導体は、優れた液晶性、および現在汎用の液晶化合
物、液晶組成物への優れた相溶性を有している。また、
液晶相を示す温度範囲が広く、閾値電圧が低く、高速応
答が可能な液晶組成物を調製するうえにおいて従来の化
合物より優れた効果を有していることがわかる。
【0050】従って、一般式(I)の化合物から誘導した
フッ素置換されたテトラヒドロナフタレン誘導体は、他
のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型ある
いはSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に温度
範囲が広く低電圧駆動が可能な液晶材料として好適に使
用することができる。また(I)の化合物から誘導した液
晶表示材料用化合物のなかでシアノ基やエステル結合を
含まないものは、大きい比抵抗と高い電圧保持率を得る
ことが容易であり、アクティブマトリックス駆動用液晶
材料の構成成分として使用することも可能である。さら
に、ネマチック液晶に限らず、強誘電性液晶や反強誘電
性液晶の高速応答の実現に不可欠な低粘剤としての利用
も期待できる。
【0051】
【実施例】以下に具体例を挙げて、本発明のフッ素置換
されたテトラヒドロナフタレン誘導体とその製造方法、
またそれを用いた実用的な液晶表示材料用化合物とその
製造方法、さらにそれを用いた液晶組成物とその電気光
学特性の利点に関してより詳しく説明するが、勿論本発
明の主旨、及び適用範囲は、これら実施例により制限さ
れるものではない。
【0052】(実施例1) 酢酸2-プロピル-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル(I-2)の合成
【化17】 (実施例1-a) 酢酸6-プロピル-1-フルオロナフタレン-2
-イルの合成 塩化アセチル11.8gをジクロロメタン30mLに溶解し、6-
プロピル-1-フルオロナフタレン-2-オール(この化合物
は、特開平9-52859号公報に記載された製造方法に基づ
き製造できる。)28.1gのジクロロメタン80mL溶液を加え
懸濁させ、0℃に冷却した。激しく撹拌しながら、ピリ
ジン23.8gのジクロロメタン45mL溶液を滴下しさらに1時
間撹拌した。10%塩酸を加えて、反応を停止させ、有機
層を分取した。水層をジクロロメタンで抽出し、有機層
を併せ、10%塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水
次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水
乾燥させた。溶媒を溜去後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(トルエン)により精製し、酢酸6-プロピル-1
-フルオロナフタレン-2-イル32.0gを得た。1 H NMR(CDCl3,TMS) δ 0.95(t,3H,CH3),1.69(sextet,2
H,CH2),2.37(s,3H,CH3),2.73(t,2H,CH2),7.15-8.00(m,5
H,Ar(aromatics))13 C NMR(CDCl3,CDCl3) δ 13.7(s,CH3),20.6(s,CH3),2
4.3(s,CH2),38.0(s,CH2),120.3(d,Ar,J=5.0Hz),121.5
(s,Ar),122.6(d,Ar,J=14.3Hz),123.4(d,Ar,J=4.3Hz),12
6.0(d,Ar,J=2.4Hz),128.4(d,Ar,J=2.5Hz),132.7(d,Ar,J
=11.8Hz),132.9(d,Ar,J=4.3Hz),141.1(d,Ar,J=1.3Hz),1
49.1(d,Ar,J=252.5Hz),168.6(s,C=O)19 F NMR(CDCl3,C6F6) δ -135.1(s) MS(EI) m/z 246(M+)
【0053】(実施例1-b) 酢酸2-プロピル-5-フルオロ
-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イルの合成 実施例1-aで得た酢酸6-プロピル-1-フルオロナフタレン
-2-イル32.0gを酢酸300mLに溶解し、オートクレーブ中4
90KPaの水素雰囲気下、5%パラジウム炭素(50%含水物)6.
0gとともに60℃で12時間撹拌した。濾過し、溶媒溜去
後、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(トルエン)で精製し、酢酸2-プロピル-5-フルオ
ロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル22.0gを得
た。1 H NMR(CDCl3,TMS) δ/ppm 0.92(t,3H,CH3),1.24-2.93
(m,14H,CH+CH2+CH3),6.79-6.86(m,2H,Ar)13 C NMR(CDCl3,CDCl3) δ/ppm 14.2(s,CH3),19.9(s,C
H2),20.5(s,CH3),22.0(s,CH2),28.1(s,CH2),33.8(s,C
H2),35.6(s,CH2),38.0(s,CH2),120.0(d,Ar,J=1.3Hz),12
4.1(d,Ar,J=3.7Hz),125.8(d,Ar,J=15.5Hz),135.2(d,Ar,
J=13.7Hz),136.8(d,Ar,J=4.3Hz),151.9(d,Ar,J=245.7H
z),168.8(s,C=O)19 F NMR(CDCl3,C6F6) δ/ppm -129.8(s) MS(EI) m/z 250(M+)
【0054】(実施例2) 2-プロピル-5-フルオロ-1,2,
3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール(I-1)の合成
【化18】 実施例1-bで得た酢酸2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-6-イル20.8gをエタノール100m
Lに溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液50mLを加え、2
時間加熱還流した。水を加え、酢酸エチルで抽出し、水
次いで飽和食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水
乾燥させた。溶媒を溜去後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(トルエン)で精製し、2-プロピル-5-フルオ
ロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール19.4gを
得た。1 H NMR(CDCl3,TMS) δ/ppm 0.92(t,3H,CH3),1.27-2.91
(m,11H,CH+CH2),5.50(br,1H,OH),6.69-6.78(m,2H,Ar)13 C NMR(CDCl3,CDCl3) δ/ppm 14.3(s,CH3),20.0(s,C
H2),22.0(s,CH2),28.3(s,CH2),34.1(s,CH2),35.2(s,C
H2),38.5(s,CH2),114.1(d,Ar,J=2.5Hz),124.2(d,Ar,J=
3.8Hz),124.6(d,Ar,J=15.5Hz),130.0(d,Ar,J=3.8Hz),14
0.9(d,Ar,J=14.9Hz),149.1(d,Ar,J=234.0Hz)19 F NMR(CDCl3,C6F6) δ/ppm -141.9(s) MS(EI) m/z 208(M+)
【0055】(実施例3) トリフルオロメタンスルホン
酸2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-6-イル(I-3)の合成
【化19】 実施例2で得た2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラ
ヒドロナフタレン-6-オール18.0gをジクロロメタン60mL
に溶解し、無水トリフルオロメタンスルホン酸29.5gの
ジクロロメタン30mL溶液を加え懸濁させ、0℃に冷却し
た。激しく撹拌しながら、ピリジン16.5gのジクロロメ
タン30mL溶液を滴下しさらに1時間撹拌した。水を加え
て、反応を停止させ、有機層を分取した。水層をジクロ
ロメタンで抽出し、有機層を併せ、10%塩酸、飽和炭酸
水素ナトリウム水溶液、水次いで飽和食塩水で洗滌し、
無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた。溶媒を溜去後、
アルミナカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製し
てトリフルオロメタンスルホン酸2-プロピル-5-フルオ
ロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル21.3gを得
た。1 H NMR(CDCl3,TMS) δ/ppm 0.93(t,3H,CH3),1.26-2.96
(m,11H,CH+CH2),6.87-7.06(m,2H,Ar)13 C NMR(CDCl3,CDCl3) δ/ppm 14.2(s,CH3),19.9(s,C
H2),22.1(s,CH2),27.8(s,CH2),33.1(s,CH2),35.7(s,C
H2),38.3(s,CH2),119.6(s,Ar),124.6(d,Ar,J=3.8Hz),12
7.0(d,Ar,J=14.9Hz),134.3(d,Ar,J=14.3Hz),139.9(d,A
r,J=4.3Hz),151.6(d,Ar,J=249.4Hz)19 F NMR(CDCl3,C6F6) δ/ppm -128.4(s,Ar),-69.1(s,CF
3) MS(EI) m/z 340(M+)
【0056】(実施例4) 酢酸2-(トランス-4-プロピル
シクロヘキシル)-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナ
フタレン-6-イル(I-5)の合成
【化20】 (実施例4-a) 酢酸6-(トランス-4-プロピルシクロヘキ
シル)-1-フルオロナフタレン-2-イルの合成 実施例1-aにおいて6-プロピル-1-フルオロナフタレン-2
-オールに換えて、6-(この化合物は、特開平9-52859号
公報に記載された製造方法に基づき製造できる。)を用
いる他は(実施例1-a)と同様にして、酢酸6-(トランス-4
-プロピルシクロヘキシル)-1-フルオロナフタレン-2-イ
ルを得た。 MS(EI) m/z 328(M+) (実施例4-b) 酢酸2-(トランス-4-プロピルシクロヘキ
シル)-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-
イルの合成 実施例1-bにおいて酢酸6-プロピル-1-フルオロナフタレ
ン-2-イルに換えて、実施例4-aで得た酢酸6-(トランス-
4-プロピルシクロヘキシル)-1-フルオロナフタレン-2-
イルを用いる他は実施例1-bと同様にして、酢酸2-(トラ
ンス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-6-イルを得た。 MS(EI) m/z 332(M+)
【0057】(実施例5) 2-(トランス-4-プロピルシク
ロヘキシル)-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-6-オール(I-4)の合成
【化21】 実施例2において酢酸2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン-6-イルに換えて、実施例4-bで
得た酢酸2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フ
ルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イルを用い
る他は実施例2と同様にして、2-(トランス-4-プロピル
シクロヘキシル)-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナ
フタレン-6-オールを得た。 MS(EI) m/z 290(M+)
【0058】(実施例6) トリフルオロメタンスルホン
酸2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フルオロ
-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル(I-6)の合成
【化22】 実施例3において2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-6-オールに換えて、実施例5で得た
2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オールを用いる他
は実施例3と同様にして、トリフルオロメタンスルホン
酸2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フルオロ
-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イルを得た。MS(E
I) m/z 422(M+)
【0059】(応用例1) 2-プロピル-5-フルオロ-6-(3,
4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン(III-1)の合成
【化23】 実施例3で得たトリフルオロメタンスルホン酸2-プロピ
ル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イ
ル4.8gと、3,4,5-トリフルオロフェニルホウ酸(これ
は、3,4,5-トリフルオロブロモベンゼンとマグネシウム
から調製されるグリニヤール反応剤とホウ酸トリメチル
とを反応させた後、10%塩酸で加水分解することにより
容易に調製できる。)4.6g、テトラキス(トリフェニル
ホスフィン)パラジウム(0)0.15g、および2M炭酸カリウ
ム水溶液16mLをキシレン16mL中、10時間加熱還流した。
その後、室温まで冷却し水を加え、トルエンで抽出し、
有機層を水、飽和食塩水の順で洗滌し、無水硫酸ナトリ
ウムで脱水乾燥させた。溶媒を溜去して得た粗成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン)で精製
し、さらにエタノールから再結晶させて、2-プロピル-5
-フルオロ-6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-
テトラヒドロナフタレン2.4gを得た。 MS(EI) m/z 318(M+)
【0060】(比較例1) 2-プロピル-6-(3,4,5-トリフ
ルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(IV-
1)の合成
【化24】 (比較例1-a) 6-プロピル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-
3H-ナフタレン-2-オンの合成 4-プロピルシクロヘキサノンの212g、ピロリジン200mL
をトルエン600mLに溶解し、3時間攪拌しながら、加熱し
共沸する水を除いた。過剰量のピロリジンをトルエンと
共沸させ溜去した。そのまま室温まで冷却し、再びトル
エン800mLを加え、水浴により冷却下、25℃以下で3-ブ
テン-2-オン120mLを1時間かけ滴下し加えた。滴下終了
後、直ちに加熱し20時間加熱還流した。室温まで冷却
し、酢酸ナトリウム63g、酢酸120mL、水140mLにより調
製したpH5の緩衝液を加え、さらに4時間加熱還流した。
室温まで冷却後、有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗
滌した。無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を溜去し、
6-プロピル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-3H-ナフタレン
-2-オンの粗生成物320gを得た。
【0061】(比較例1-b) 2-プロピル-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-6-オールの合成 比較例1-aで得た6-プロピル-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒド
ロ-3H-ナフタレン-2-オンの5gをアセトニトリル10mLに
溶解し、臭化銅(II)11.6gおよび臭化リチウム2.3gのア
セトニトリル50mL溶液を、室温下で滴下した。さらに2
時間攪拌した後、溶媒を溜去し、再び酢酸エチルに溶解
し濾過により不溶性分を除いた後、水、飽和食塩水で洗
滌した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を溜去し、
2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール
の粗生成物5gを得た。
【0062】(比較例1-c) トリフルオロメタンスルホ
ン酸2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イ
ルの合成 実施例3において2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-6-オールに換えて、比較例1-bで得
た2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オー
ルを用いる他は実施例3と同様にして、トリフルオロメ
タンスルホン酸2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-6-イルを得た。
【0063】(比較例1-d) 2-プロピル-6-(3,4,5-トリ
フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンの
合成 応用例1においてトリフルオロメタンスルホン酸2-プロ
ピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-
イルに換えて、比較例1-cで得たトリフルオロメタンス
ルホン酸2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-
6-イルを用いる他は応用例1と同様にして、2-プロピル-
6-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒド
ロナフタレンを得た。上述のように、化合物(IV-1)の原
料となる中間体2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-6-オールへの変換には、重合しやすい3-ブテン-
2-オンを使用し、また重金属である臭化銅(II)を用い、
さらにその変換効率も低いことから、工業的に不利であ
る。
【0064】(比較例2) 2-プロピル-7-フルオロ-6-(3,
4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン(IV-2)の合成
【化25】
【0065】(比較例2-a) 2-プロピル-7-フルオロ-1,
2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オールの合成 比較例1-bで得た2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-6-オール200gをジクロロメタン1000mLに溶解
し、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム5gを加え
て、激しく撹拌した。これにビス(テトラフルオロホウ
酸)N,N'-ジフルオロ-2,2'-ジピリジニウム243gを徐々に
加え、さらに5時間室温で撹拌した。水次いで10%水酸化
ナトリウム水溶液を加え、過剰のフッ素化剤を分解し、
10%塩酸で酸性に戻した後、有機層を分取した。水層を
ジクロロメタンで抽出し、有機層を併せ、水次いで飽和
食塩水で洗滌し、無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させ
た。溶媒を溜去して得られた2-プロピル-7-フルオロ-1,
2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オールと2-プロピル-
5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オール
の混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トル
エン)で精製し、さらにヘキサンから再結晶させて2-プ
ロピル-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6
-オール80gを得た。
【0066】(比較例2-b) トリフルオロメタンスルホ
ン酸2-プロピル-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフ
タレン-6-イルの合成 実施例3において2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テト
ラヒドロナフタレン-6-オールに換えて、比較例2-aで得
た2-プロピル-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
レン-6-オールを用いる他は実施例3と同様にして、トリ
フルオロメタンスルホン酸2-プロピル-7-フルオロ-1,2,
3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イルを得た。
【0067】(比較例2-c) 2-プロピル-7-フルオロ-6-
(3,4,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ
ナフタレンの合成 応用例1においてトリフルオロメタンスルホン酸2-プロ
ピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-
イルに換えて、比較例2-bで得たトリフルオロメタンス
ルホン酸2-プロピル-7-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロ
ナフタレン-6-イルを用いる他は応用例1と同様にして、
2-プロピル-7-フルオロ-6-(3,4,5-トリフルオロフェニ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを得た。比較例1
で述べたように、上述の化合物(IV-2)の原料となる中間
体2-プロピル-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-オー
ルへの変換は、重合しやすく且つ高価な3-ブテン-2-オ
ンを使用し、また重金属である臭化銅(II)を用い、さら
にその変換効率も低い。また、上述のフッ素化の選択性
が低く、目的物のみを得るためにはカラムクロマトグラ
フィーが必須であり、工業的に不利である。
【0068】(応用例2) 2-プロピル-5-フルオロ-6-(4-
シアノ-3,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒ
ドロナフタレン(III-2)の合成
【化26】
【0069】(応用例2-a) 2-プロピル-5-フルオロ-6-
(3,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナ
フタレンの合成 応用例1において3,4,5-トリフルオロフェニルホウ酸に
換えて、3,5-トリフルオロフェニルホウ酸(これは、3,5
-トリフルオロブロモベンゼンとマグネシウムから調製
されるグリニヤール反応剤とホウ酸トリメチルとを反応
させた後、10%塩酸で加水分解することにより容易に調
製できる。)を用いる他は応用例1と同様にして、2-プ
ロピル-6-(3,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラ
ヒドロナフタレンを得た。 MS(EI) m/z 300(M+)
【0070】(応用例2-b) 4-(2-プロピル-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル)-2,6-ジフル
オロ安息香酸の合成 応用例2-aで得た2-プロピル-5-フルオロ-6-(3,5-トリフ
ルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン11.9
gをテトラヒドロフラン(THF)100mLに溶解し、-60℃以下
に保ちながら1.5Mブチルリチウムヘキサン溶液28mLを滴
下した。さらに-60℃以下に保ちながら二酸化炭素ガス
を吹き込んだ後、室温まで放置し、水を加え、酢酸エチ
ルで抽出し、有機層を水、飽和食塩水の順で洗滌し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を溜去して4-(2-プ
ロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6
-イル)-2,6-ジフルオロ安息香酸の粗生成物13.7gを得
た。
【0071】(応用例2-c) 4-(2-プロピル-5-フルオロ-
1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル)-2,6-ジフル
オロベンズアミドの合成 応用例2-bで得た4-(2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テ
トラヒドロナフタレン-6-イル)-2,6-ジフルオロ安息香
酸13.7gを1,2-ジクロロエタン40mLに溶解し、塩化チオ
ニル9.0gを加えた。これにピリジン0.05mLとN,N-ジメチ
ルホルムアミド(DMF)1mLを滴下した後、8時間加熱還流
した後、過剰の塩化チオニルおよび1,2-ジクロロエタン
を溜去した。残渣をジクロロメタン100mLに溶解し、室
温下に撹拌しながらアンモニアガスを吹き込んだ後、発
熱がおさまってから水を加え、酢酸エチルで抽出し、有
機層を水、飽和食塩水の順で洗滌し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。溶媒を溜去し、4-(2-プロピル-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イル)-2,6-ジ
フルオロベンズアミドの粗生成物17.1gを得た。
【0072】(応用例2-d) 2-プロピル-5-フルオロ-6-
(4-シアノ-3,5-トリフルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラ
ヒドロナフタレンの合成 応用例2-cで得た4-(2-プロピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テ
トラヒドロナフタレン-6-イル)-2,6-ジフルオロベンズ
アミドの粗生成物17.1gをDMF80mLに溶解し、塩化オキサ
リル12.0gを加え、室温で6時間反応させた。反応液を氷
水中に注ぎ、10%塩酸を加え、水層からトルエンで抽出
した。有機層を併せ、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液および飽和食塩水で洗滌した後、無水硫酸ナトリウム
で脱水乾燥させた。シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(トルエン)により精製し、さらにエタノールから再結
晶させて2-プロピル-5-フルオロ-6-(4-シアノ-3,5-トリ
フルオロフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン7.
4gを得た。 MS(EI) m/z 325(M+)
【0073】(応用例3) 2-(トランス-4-プロピルシク
ロヘキシル)-5-フルオロ-6-(3,4,5-トリフルオロフェニ
ル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン(III-3)の合成
【化27】 応用例1においてトリフルオロメタンスルホン酸2-プロ
ピル-5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-
イルに換えて、実施例6で得たトリフルオロメタンスル
ホン酸2-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-5-フル
オロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-6-イルを用いる
他は応用例1と同様にして、2-(トランス-4-プロピルシ
クロヘキシル)-5-フルオロ-6-(3,4,5-トリフルオロフェ
ニル)-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンを得た。 MS(EI) m/z 400(M+)
【0074】(応用例4) 液晶組成物の調製(1) 温度範囲が広く低粘性でアクティブマトリックス駆動に
も使用可能な汎用のホスト液晶(H)
【化28】 を調製した。この(H)は116.7℃以下でネマチック相を示
し、また冷却して結晶化させ、測定したその融点(Tcn)
は+11℃である。この組成物の物性値ならびに、これを
用いて作成したTNセル(セル厚6μm)の20℃における電気
光学的特性の測定値は以下の通りであった。 閾値電圧(Vth) : 2.14V 誘電率異方性(Δε) : 4.8 応答時間(τr=τd) : 25.3m秒 屈折率異方性(Δn) : 0.090 ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり
時間(τd)とが等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0075】次にこのホスト液晶(H)の80%と応用例1で
得た化合物であるテトラヒドロナフタレン化合物(III-
1)
【化29】 の20%からなる液晶組成物(H-III-1)を調製したところ、
ネマチック相上限温度(Tni)は81.4℃であった。また、T
cnは+12℃であった。従って優れた液晶性、およびホス
ト液晶(H)に対する優れた溶解性を有し、極めて広い温
度範囲で液晶相を発現できることがわかる。この(H-III
-1)を150℃に加熱して20時間放置した後にそのTniを測
定したが、加熱前とほとんど変化がみられなかった。ま
た、紫外線(1200Jm-2s-1)を20時間照射したが、Tniに変
化はみられなかった。次にこの組成物の電圧保持率を測
定したところ、調製時、加熱後および紫外線照射後とも
にホスト液晶(H)と同様に充分高い値を示した。次に、
(H-III-1)をセル厚6.0μmのTNセルに充填して液晶素子
を作成し、その電気光学特性を測定したところ、以下の
通りであった。 閾値電圧(Vth) : 1.46V 誘電率異方性(Δε) : 6.3 応答時間(τr=τd) : 38.9m秒 屈折率異方性(Δn) : 0.092 従って、(III-3)を20%添加することにより、応答時間を
13.6m秒の増加に抑えながら、誘電率異方性を増大さ
せ、Vthを0.68Vも低減することができた。
【0076】(比較例3)応用例4において、化合物(III-
1)に換えて、比較例1で得たテトラヒドロナフタレン誘
導体(IV-1)
【化30】 を(H)に同量(20%)添加して液晶組成物(H-IV-1)を調製し
た。この組成物のTniは80.9℃となり、Tcnは+13℃とな
り、(H-III-1)と殆ど同様のTniとTcnを示した。この組
成物の他の物性値ならびに同様にして作成した素子の電
気光学特性値は以下の通りである。 閾値電圧(Vth) : 1.64V 誘電率異方性(Δε) : 5.3 応答時間(τr=τd) : 36.5m秒 屈折率異方性(Δn) : 0.092 従って、(III-1)と比較して、ネマチック相温度範囲は
殆ど変わらず、誘電率異方性の増大効果は小さく、Vth
の低減効果が小さかった。
【0077】(比較例4)応用例4において、化合物(III-
1)に換えて、比較例2で得たテトラヒドロナフタレン誘
導体(IV-2)
【化31】
【0078】を(H)に同量(20%)添加して液晶組成物(H-I
V-2)を調製した。この組成物のTniは77.7℃で、Tcnは+2
2℃であり、(H-III-1)よりTniが3.7℃低下し、Tcnが10
℃も上昇した。この組成物の他の物性値ならびに同様に
して作成した素子の電気光学特性値は以下の通りであ
る。 閾値電圧(Vth) : 1.53V 誘電率異方性(Δε) : 5.8 応答時間(τr=τd) : 36.4m秒 屈折率異方性(Δn) : 0.090 従って、(III-1)と比較して、ネマチック相温度範囲が
減少し、Vthの低減効果は小さかった。
【0079】(応用例5) 液晶組成物の調製(2) 以下の組成からなる液晶組成物(M)を調製した。 4%の4-エトキシ-1-(トランス-4-プロピルシクロヘキシ
ル)ベンゼン 3%のトランス-4-ペンチルシクロヘキサンカルボン酸4-
メチルフェニル 3%のトランス-4-プロピルシクロヘキサンカルボン酸4-
エトキシフェニル 3%のトランス-4-(4-メチルフェニル)-トランス-4'-ビニ
ルビシクロヘキサン 3%のトランス-4-ブチル-トランス-4'-プロピルビシクロ
ヘキサン 4%のトランス-4-ペンチル-トランス-4'-ビニルビシクロ
ヘキサン 3%のトランス-4,4'-ビス(3-ブテニル)ビシクロヘキサン 4%の1-(4-プロピルフェニル)-2-(4-メチルフェニル)エ
チン 3%の1-(4-エトキシフェニル)-2-(4-ペンチルフェニル)
エチン 3%の1,2-ビス[4-(3-ブテニル)フェニル]エチン 4%の1-(4-エチルフェニル)エチニル-4-(トランス-4-プ
ロピルシクロヘキシル)ベンゼン 3%の4-(トランス-4-ペンチルシクロヘキシル)-4'-エチ
ルビフェニル 3%の4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-1-シアノ
ベンゼン 4%の4-[トランス-4-(トランス-1-プロペニル)シクロヘ
キシル]-1-シアノベンゼン 3%の4-[トランス-4-(3-ブテニル)シクロヘキシル]-1-シ
アノベンゼン 3%の4'-ペンチル-4-シアノビフェニル 4%の2-(4-シアノフェニル)-5-ペンチルピリミジン 3%の4-エチル安息香酸4-シアノフェニル 3%のトランス-4-ペンチルシクロヘキサンカルボン酸3,4
-ジフルオロフェニル 4%の4-ブチル安息香酸3-フルオロ-4-シアノフェニル 3%の4-(トランス-3-ペンテン-1-イル)安息香酸3,5-ジフ
ルオロ-4-シアノフェニル 3%のトランス-4-(3-フルオロ-4-シアノフェニル)-トラ
ンス-4'-(3-メトキシプロピル)ビシクロヘキサン 3%のトランス-4-(3,4-ジフルオロフェニル)-トランス-
4'-エチルビシクロヘキサン 4%のトランス-4-(3,4-ジフルオロフェニル)-トランス-
4'-ビニルビシクロヘキサン 4%のトランス-4-(3,4,5-トリフルオロフェニル)-トラン
ス-4'-プロピルビシクロヘキサン 3%のトランス-4-[2-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エチ
ル]-トランス-4'-プロピルビシクロヘキサン 3%の4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-4'-シア
ノビフェニル 4%の4-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)安息香酸3
-フルオロ-4-シアノフェニル 3%の4'-(トランス-4-プロピルシクロヘキシル)-3,4,5-
トリフルオロビフェニル 3%の1-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エチニル-4-(トラ
ンス-4-プロピルシクロヘキシル)ベンゼン この(M)のTniは75.0℃であり、Δnは0.142であった。こ
の(M)の90%と応用例1で得た化合物(III-1)の10%からな
る液晶組成物(M-III-1)を調製した。この(M-III-1)のTn
iは61.5℃であり、Δnは0.138であった。
【0080】
【発明の効果】本発明により提供されるフッ素置換され
たテトラヒドロナフタレン誘導体およびその製造中間体
は、従来知られていた方法では製造が困難であったもの
を含めて、(イ)高収率、(ロ)簡便に且つ、(ハ)安価に製
造することができることが可能である。またその製造方
法は、従来知られていた方法と比較して、(イ)高収率、
(ロ)簡便に且つ、(ハ)安価である。さらにそれを用いた
実用的な液晶表示材料用化合物は特に温度範囲が広く低
電圧駆動と高速応答を必要とする液晶表示用として極め
て有用である。従って、フッ素置換されたテトラヒドロ
ナフタレン誘導体の製造中間体は工業的に極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 303/26 C07C 303/26 309/66 309/66 G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C09K 19/32 C09K 19/32

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、Rは1個以上のフッ素原子および/または炭素原子
    数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよ
    く、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1
    〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表し、nは0〜
    2の整数を表し、n=2のとき存在する環Aおよび連結基Lは
    それぞれ独立的に同一であっても異なっていてもよく、
    nが0でないとき連結基Lは単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、
    -CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2
    CF2-、-CF=CF-、-CH2O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(C
    H3)O-、-(CH2)4-、-(CH2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF
    2O-、-OCF2-、-COO-、-OCO-、-COS-または-SCO-を表
    し、環Aはトランス-1,4-シクロヘキシレン基、トランス
    -デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、シクロペンチレ
    ン-1,3-ジイル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイ
    ル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基または一
    個以上のフッ素原子で置換されてもよい1,4-フェニレン
    基、ピリジン-2,5-ジイル基、ピリミジン-2,5-ジイル
    基、ピラジン-2,5-ジイル基、ピリダジン-3,6-ジイル
    基、1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-2,6-ジイル基お
    よびナフタレン-2,6-ジイル基を表し、Zはフッ素原子、
    塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、シアノ基、シアナト
    基、カルボキシル基、トリフルオロメトキシ基、ジフル
    オロメトキシ基、トリフルオロメチル基、水酸基または
    保護基Yにより保護された水酸基OYを表し、保護基Yはメ
    チル基、tert-ブチル基、メトキシエチル基、エトキシ
    エチル基、トリチル基、アリル基、ベンジル基、p-メト
    キシベンジル基、テトラヒドロピラニル基、あるいはト
    リメチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、ter
    t-ブチルジフェニルシリル基、あるいはアセチル基、ホ
    ルミル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル
    基、メトキシアセチル基、フェノキシアセチル基、ピバ
    ロイル基、レブリノイル基、ベンゾイル基、p-ニトロベ
    ンゾイル基、p-メトキシベンゾイル基、エトキシカルボ
    ニル基、あるいはメタンスルホニル基、トリフルオロメ
    タンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基またはp-トル
    エンスルホニル基を表す。)で表される5-フルオロ-1,2,
    3,4-テトラヒドロナフタレン誘導体。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、Rが1個以上のフッ
    素原子および/または炭素原子数1〜7のアルコキシル基
    によって置換されていてもよく、分岐鎖を含んでもよい
    炭素数1〜20のアルキル基であるところの請求項1記載の
    5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン誘導体。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、連結基Lが単結合、
    -CH2CH2-、-CH(CH3)CH2-、-CH2CH(CH3)-または-CH(CH3)
    CH(CH3)-であるところの請求項1〜2記載の5-フルオロ-
    1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン誘導体。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、環Aがトランス-1,4
    -シクロヘキシレン基、トランス-デカヒドロナフタレン
    -2,6-ジイル基、トランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル
    基またはビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジイル基である
    ところの請求項1〜3記載の5-フルオロ-1,2,3,4-テトラ
    ヒドロナフタレン誘導体。
  5. 【請求項5】 一般式(I)において、nが0または1である
    ところの請求項1〜4記載の5-フルオロ-1,2,3,4-テトラ
    ヒドロナフタレン誘導体。
  6. 【請求項6】 一般式(I)において、Zが水酸基または保
    護基Yにより保護された水酸基OYであるところの請求項1
    〜5記載の5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン
    誘導体。
  7. 【請求項7】 一般式(II) 【化2】 (式中、R'は1個以上のフッ素原子および/または炭素原
    子数1〜7のアルコキシル基によって置換されていてもよ
    く、分岐鎖を含んでもよい飽和または不飽和の炭素数1
    〜20のアルキル基またはアルコキシル基を表し、連結基
    L'は単結合、-CH2CH2-、-CH=CH-、-CH(CH3)CH2-、-CH2C
    H(CH3)-、-CH(CH3)CH(CH3)-、-CF2CF2-、-CF=CF-、-CH2
    O-、-OCH2-、-OCH(CH3)-、-CH(CH3)O-、-(CH2)4-、-(CH
    2)3O-、-O(CH2)3-、-C≡C-、-CF2O-、-OCF2-、-COO-、-
    OCO-、-COS-または-SCO-を表し、環A'はトランス-1,4-
    シクロヘキシレン基、トランス-1,4-シクロヘキセニレ
    ン基、トランス-デカヒドロナフタレン-2,6-ジイル基、
    シクロペンチレン-1,3-ジイル基、トランス-1,3-ジオキ
    サン-2,5-ジイル基、ビシクロ[2.2.2]オクタン-1,4-ジ
    イル基または一個以上のフッ素原子および/または一個
    以上の塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子で置換さ
    れてもよい1,4-フェニレン基、ピリジン-2,5-ジイル
    基、ピリミジン-2,5-ジイル基、ピラジン-2,5-ジイル
    基、ピリダジン-3,6-ジイル基、1,2,3,4-テトラヒドロ
    ナフタレン-2,6-ジイル基およびナフタレン-2,6-ジイル
    基を表し、nおよびZは一般式(I)におけると同じ意味を
    表す。)で表される1-フルオロナフタレン誘導体を還元
    することを特徴とする請求項1〜6記載の一般式(I)で表
    される5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン誘
    導体の製造方法。
  8. 【請求項8】 一般式(II)において、連結基L'が単結
    合、-CH2CH2-、-CH(CH 3)CH2-、-CH2CH(CH3)-または-CH
    (CH3)CH(CH3)-であるところの請求項1〜6記載の一般式
    (I)で表される5-フルオロ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタ
    レン誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】 還元がRh、Ru、Pt、Pd、IrまたはOsの金
    属あるいはこれらの金属化合物から選ばれる少なくとも
    1種の水素化還元触媒を用いることを特徴とする請求項7
    〜8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 還元がPdの金属またはその金属化合物
    を用いることを特徴とする請求項7〜8記載の製造方法。
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