JP2001301352A - 印刷マスク、印刷マスク形成方法及び電子回路基板補修方法 - Google Patents

印刷マスク、印刷マスク形成方法及び電子回路基板補修方法

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JP2001301352A
JP2001301352A JP2000124364A JP2000124364A JP2001301352A JP 2001301352 A JP2001301352 A JP 2001301352A JP 2000124364 A JP2000124364 A JP 2000124364A JP 2000124364 A JP2000124364 A JP 2000124364A JP 2001301352 A JP2001301352 A JP 2001301352A
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mask
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holes
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Shingen Kinoshita
真言 木下
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Ricoh Microelectronics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手作業による印刷作業効率を向上させ、且つ
孔を通した被印刷体の印刷対象部分の見間違いなどによ
る印刷位置ズレを低減することができるプラスチックマ
スク1(印刷マスク)を提供する。 【解決手段】 版面(被印刷体との接触面とは反対側の
面)側に被覆した導電層3の孔4の周囲部分(φ2とφ
1と間部分)を除去することで、印刷作業者に対し、版
面における孔4の周囲部分と他の部分とを異なる色で視
認させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田ペースト印刷
法等の印刷技術に用いられる印刷マスク、半導体装置等
の電子部品の取り外しと再実装とを行う電子回路基板補
修方法、及び、該印刷マスクを生産するための印刷マス
ク形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品としての半導体装置は、
例えばQFP(Quad Flat Pack)のようにパッケージ側面
からガルウイング状に突き出したリード電極列を有する
ものよりも、パッケージ下面にアレイ状に配設された微
小電極アレイを有するものが主流になりつつなる。この
ような微小電極アレイを備えるBGA(Ball Grid Arra
y)、LGA(Land Grid Array)、CSP(Chip Size Pack
age)などでは、ガルウイング状のリード電極よりも遥か
に小さい微小電極をパッケージ下面にアレイ状に配設す
ることで、パッケージを大型化させることなくI/O数
を増加させることができる。
【0003】これらBGA等をPWB(Printed Wiring
Board)等の基板に実装する場合には、一般に、半田ペー
スト印刷法が用いられる。例えば、微小電極アレイとし
て扁平電極アレイを有するLGAでは、印刷マスクを用
いて基板の印刷対象部分である各パッド上に半田ペース
トからなる突起を印刷する。そして、基板の各パッド上
の半田ペーストとLGAの各扁平電極とを重ね合わせる
ようにLGAを基板上にマウントした後、これら半田ペ
ーストをリフロー炉法、熱風照射、レーザ照射などによ
って溶融・硬化させて、基板の各パッドと、LGAの各
扁平電極とを半田接続する。また例えば、パッケージ下
面に複数の半田ボールからなるバンプ電極アレイを有す
るBGAやCSPでも、マウントに先立って基板の各パ
ッド上に半田ペーストを印刷しておくことがある。
【0004】一方、従来、実装済みの電子部品を基板か
ら取り外した後、この電子部品あるいは別の電子部品を
基板の部品取外し領域に再実装するいわゆるリペアと呼
ばれる電子回路基板補修方法が知られている。例えば、
BGA、LGA、CSPなどでは、これらを基板に実装
してから品質試験を行い、不良が判明した際にリペアを
実施して不良品を新たなものと交換することが多い。ま
た例えば、基板に実装した状態での品質試験でBGA等
の不良が疑われたものの、取外し後に不良でなかったこ
とが判明した場合などには、取り外したBGA等を再び
基板に実装するようなリペアが行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、リペアにお
いては、基板上の部品取外し領域の周囲に実装されてい
る電子部品が邪魔になるなどの理由により、いわゆる印
刷装置を用いることが困難な場合がある。このような場
合には、基板あるいは再実装するBGA等に対し、手作
業による半田ペーストの印刷を施す必要がある。この印
刷の際には、基板(あるいはBGA等)に小型の印刷マ
スクを重ね合わせた後、この印刷マスクに微細ピッチで
形成された各孔を通して、マザー基板の各パッド(ある
いはBGA等の各電極)を目視しながら各パッドと各孔
との位置合わせを行わなくてはならない。
【0006】しかしながら、このような位置合わせにお
いては、各孔を通しての各パッドの視認が困難で、各孔
を凝視しなければならない。そして、このことにより、
印刷作業効率を著しく低下させてしまうという問題があ
った。また、パッドの見間違いなどによって印刷位置ズ
レを発生させ易いという問題もあった。
【0007】なお、以上はリペアでの半田ペーストの印
刷工程において生ずる問題であるが、リペアに限らず、
印刷マスクを用いる印刷工程を何らかの理由によって手
作業で行わなければならない場合にも同様の問題が生じ
得る。
【0008】本発明は、以上の問題に鑑みなされたもの
であり、その第1の目的とするところは、手作業による
印刷作業効率を向上させ、且つ、被印刷体の印刷対象部
分の見間違いなどに起因する印刷位置ズレを低減するこ
とができる印刷マスク及び電子回路基板補修方法を提供
することである。
【0009】また、その第2の目的とするところは、上
記第1の目的を達成し得る印刷マスクを生産するための
印刷マスク形成方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、印刷パターン用の複数の
孔が形成された印刷マスクであって、被印刷体に重ね合
わせた印刷用マスクの該孔を通して、該被印刷体の印刷
対象部分の位置を把握しようとする印刷作業者に対し、
孔周囲部分と他の部分とを異なる色で視認させることを
特徴とするものである。
【0011】この印刷マスクにおいては、孔を通して被
印刷体の印刷対象部分の位置を把握しようとする印刷作
業者に対し、孔周囲部分と他の部分とを異なる色で視認
させることで、各孔の縁を強調して視認させる。本発明
者は鋭意研究により、このようにして各孔の縁を強調し
て視認させることにより、各孔を通したパッド等の印刷
対象部分の視認性を向上させ得ることを見出した。な
お、印刷対象部分の視認性を向上させ得る理由には、孔
の縁を強調することにより、作業者に対して孔と該印刷
対象部分との境界を鮮明に視認させるようになったり、
孔内に視線を合わせ易くさせたりすることが関与してい
ると考えられる。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の印刷マスク
であって、基材としてプラスチック材が用いられ、上記
孔周囲部分が該プラスチック材のみからなり、且つ、上
記他の部分が該プラスチック材と、この表面に被覆され
た導電層とを有することを特徴とするものである。
【0013】この印刷マスクにおいては、孔周囲部分が
基材のプラスチック材のみからなり、これに着色層など
がコーティングされていない。一般に、印刷マスクに採
用される程度の厚みのプラスチック材は、同じ厚みの金
属材に比べ、その下に存在する物体の像を透かせて見せ
る透視性に優れている。よって、この印刷マスクは、プ
ラスチック材のみからなる孔周囲部分の下に存在するパ
ッド等の印刷対象部分を透かせて見せ易くし、該印刷対
象部分の位置ズレ方向の視認性を向上させる。但し、こ
の印刷マスクにおいては、基材に絶縁性のプラスチック
材が用いられているため、スキージ等の印刷物質刷り付
け部材との摩擦によって部分的に帯電することがある。
そして、繰り返しの印刷によって印刷マスクの部分的な
帯電電位が徐々に上昇してくると、やがて被印刷体に電
流が流れ込んで種々の不具合を引き起こすおそれがあ
る。そこで、上記反対側の面、即ち、印刷物質刷り付け
面に導電層を被覆することで、スキージ等との摩擦によ
ってプラスチック材に部分的に発生させた静電気を、導
電層によってプラスチック材の全体に拡散させ、部分的
な帯電電位の増加が抑えるようにしている。かかる構成
の印刷マスクにおいては、上記孔周囲部分をマスキング
して着色剤を塗布するなどといった特別な着色処理を施
さなくても、該孔周囲部分と上記他の部分とをそれぞれ
別の色で構成することが可能になる。具体的には、プラ
スチックシートの表面に導電層を被覆した汎用の導電性
印刷マスク形成用シートを用い、これに形成した孔の周
囲の導電層部分を除去すればよい。このようにして印刷
マスクを形成する場合には、上述のような特別な着色処
理を省略して製造コストを低減することができる。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の印刷マスク
であって、上記孔がアブレーション加工によって形成さ
れたことを特徴とするものである。
【0015】この印刷マスクにおいて、エキシマレーザ
での紫外レーザ光照射などを用いたアブレーション加工
によって形成された孔の内壁は、エッチング処理等によ
って形成されるエッチング印刷マスクの孔の内壁や、メ
ッキ処理等によって形成されるアディティブ印刷マスク
の孔の内壁に比べ、遥かに平滑性に優れている。このた
め、エッチング印刷マスクやアディティブ印刷マスクな
どよりも、孔からの印刷物質の抜け性が向上し、孔内に
印刷物質が残ることに起因して生ずる種々の不具合が低
減される。
【0016】請求項4の発明は、印刷パターン用の複数
の孔が形成された印刷マスクにおいて、孔周囲部分に透
明材料を用いたことを特徴とするものである。
【0017】この印刷マスクにおいては、孔を通して被
印刷体の印刷対象部分の位置を把握しようとする印刷作
業者に対し、透明な孔周囲部分がその下側にある該印刷
対象部分を透かせて視認させる。このため、印刷作業者
に対して印刷対象部分を孔よりも広い範囲で視認させ
て、各孔と各印刷対象部分との相対位置がどの方向にず
れているかを認識させ易くする。
【0018】請求項5の発明は、請求項4の印刷マスク
において、上記孔周囲部分よりも更に外側の周囲部分
と、印刷マスクの地色とを異なる色で構成したことを特
徴とするものである。
【0019】この印刷マスクにおいては、透明な孔周囲
部分よりも更に外側の周囲部分と印刷用マスクの地色と
を異なる色で構成することにより、請求項1の印刷マス
クと同様の作用を生じせしめ、各孔を通した印刷対象部
分の視認性を向上させる。
【0020】請求項6の発明は、基板から実装済みの電
子部品を取り外す取外し工程と、印刷マスクを用いた半
田ペースト印刷法によって該基板あるいは実装用の電子
部品に複数の半田突起を印刷する印刷工程と、該基板上
の各半田突起と該実装用の電子部品の各電極とを重ね合
わせるように、あるいは、該基板の各電極と該実装用の
電子部品上の各半田突起とを重ね合わせるように、該基
板上に該実装用の電子部品を載置する載置工程と、該半
田突起中の半田を加熱によって溶融させる溶融工程と、
溶融させた半田を冷却によって硬化させて該基板と該実
装用の電子部品とを半田接続する硬化工程とを実施する
電子回路基板補修方法において、該印刷マスクとして、
請求項1、2、3、4又は5の印刷マスクを用いること
を特徴とするものである。
【0021】この電子回路基板補修方法では、印刷工程
で請求項1、2、3、4又は5の印刷マスクを用いるこ
とにより、印刷作業者に対して印刷マスクの各孔を通し
た印刷対象部分の視認性を向上させるか、あるいは、各
孔と各印刷対象部分との相対位置がどの方向にずれてい
るかを認識させ易くする。
【0022】上記第2の目的を達成するために、請求項
7の発明は、請求項3の印刷マスクを生産するための印
刷マスク形成方法において、上記プラスチック材の表面
にこれとは異なる色の材料からなる被覆層を形成する被
覆層形成工程と、該プラスチック材及び被覆層を貫通す
る複数の上記孔をアブレーション加工によって形成する
孔形成工程と、孔周囲の被覆層部分をアブレーション加
工によって除去する被覆層除去工程とを実施することを
特徴とするものである。
【0023】この印刷マスク形成方法においては、孔形
成工程で、エキシマレーザ装置などの自動アブレーショ
ン加工装置を用いたアブレーション加工により、表面に
導電層が被覆されたプラスチック材に孔を形成する。ま
た、被覆層除去工程で、自動アブレーション加工装置を
用いたアブレーション加工により、孔周囲部分に被覆さ
れている被覆層部分を除去して、孔周囲部分と上記他の
部分とに色差を生じせしめる。かかる構成においては、
被覆層除去工程と、印刷マスクの孔を形成する孔形成工
程とに自動アブレーション加工装置を用いることで、両
工程を自動且つ同時に行うことが可能になる。このた
め、例えば、アブレーション加工によって孔を形成した
基材に対し、孔周囲をマスキングして着色層をコーティ
ングすることで上記色差を生じせしめたり、各孔及び孔
周囲を内包する貫通開口を形成した着色層を貼り合わせ
たりする場合よりも、作業工程を簡素化して印刷マスク
の製造コストを低減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した実施形態
として、CSPの取外しと実装とを行う電子回路基板補
修方法(以下、リペアという)について説明する。
【0025】まず、本実施形態のリペアで用いるプラス
チックマスクについて説明する。図1はこのプラスチッ
クマスクを部分的に示す破断斜視図であり、図2はこの
プラスチックマスクの断面図である。これらの図におい
て、印刷マスクとしてのプラスチックマスク1は、基材
であるプラスチックシート2と、この表面に被覆された
導電性材料からなる導電層3とを有している。このプラ
スチックシート2には、印刷パターン用の複数の孔4が
アレイ状に形成されており、各孔4の周囲領域φ1(=
1.0mm)を覆わないように導電層3が被覆されてい
る。
【0026】アレイ状に配設された上記孔4は、エキシ
マレーザ装置を用いたアブレーション加工により、直径
φ2=0.55[mm]、設置ピッチP=1.27[mm]
になるように上記プラスチックシート2に形成されたも
のである。なお、アブレーション加工が可能な装置とし
ては、エキシマレーザ装置のほかに、Nd.YAGレー
ザ(基本波長1064nm、第3高調波355nm、高
調波266nm)装置や、シンクロトロンによるSOR
光発生装置などがある。
【0027】上記プラスチックシート2の材質として
は、ポリイミド、ポリエステル、エポキシ、ポリカーボ
ネート、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリプロピレン、ポリアセタール、テフロ
ン(登録商標)、ポリフェニレンスルファイド(PP
S)などが用いられる。本実施形態に係るリペアでは、
耐熱性のポリイミドからなるプラスチックシート2が用
いられたプラスチックマスク1を使用する。
【0028】上記導電層3の導電性材料としては、チタ
ン等の金属材料やカーボンなどが用いられる。本実施形
態に係るリペアでは、カーボンを主成分とする導電層3
が被覆されたプラスチックマスク1を使用する。
【0029】図1及び図2で各部材の色を表現すること
はできないが、実際には、プラスチックシート2はポリ
イミドの地色である「灰色みを帯びた白色」を呈し、導
電層3はカーボンの地色である「薄い黒色」を呈してい
る。
【0030】かかる構成のプラスチックマスク1は、次
のような工程を経て生産されたものである。即ち、ま
ず、厚さ100〜150[μm]のポリイミド性のプラス
チックシート2をコロナ放電によって帯電せしめなが
ら、その表面に塗布ローラ等を用いてカーボン粉末を含
有する接着剤を塗布する。そして、この接着剤を加熱に
よって乾燥させて厚さ3[μm]程度の導電層3を形成し
て、プラスチックシート2の表面に導電層3を被覆した
汎用の導電性印刷マスク形成用シート材を得る。次い
で、この導電性印刷マスク形成用シート材に対し、クリ
プトンフッ素ガスによって波長249[nm]、パルス周
波数200[Hz/秒]で発振させたエキシマレーザビー
ムを、エネルギー密度1.7[ジユール/cm]、加工
速度約0.5[μm/パルス]となるように照射し、導電
層3及びプラスチックシート2を貫通する複数の孔4を
アブレーション加工する。そして、プラスチックシート
2を削らないように、孔4の周囲領域φ1に存在する導
電層3部分だけをアブレーション加工によって除去して
プラスチックマスク1を得るのである。
【0031】本実施形態に係るリペアでは、このような
アブレーション加工によって各孔4aを形成したプラス
チックマスク1を用いることが望ましい。かかるプラス
チックマスク1では、フォトリソグラフィー法やエッチ
ング法によって加工された孔を有するメタルマスク等よ
りも、孔内壁の平滑性が遥かに優れており、各孔内から
の半田ペーストの抜け性をより向上せしめることができ
るからである。
【0032】本実施形態に係るリペアにおいては、以上
のような構成の新規なプラスチックマスク1を用いるこ
とに特徴がある。
【0033】プラスチックマスク1は、そのままでは使
い難いので、マスク枠に固定して使用する。図3、図4
及び図5は、それぞれプラスチックマスク1をマスク枠
6に固定する固定方法の一例を示す斜視図である。図3
の例では、枠部6aと把手部6bとをそれぞれアルミ等
の金属材料で形成し、ボルト等の接続手段によって両者
を接続してマスク枠6を構成している。そして、このマ
スク枠6の枠部6aの下面と、四角いプラスチックマス
ク1の導電層側面(以下、版面という)の3隅とを導電
性接着剤などで接着している。図4の例では、枠部6a
と把手部6bとを一体に構成しており、プラスチックマ
スク1の4隅全てを枠部6aで囲うようにしている。図
3の例のように、プラスチックマスク1の4隅全てを枠
部6aで囲わない場合には、プラスチックマスク1の版
面に載せた半田ペースト等の印刷物質を、この囲ってい
ない部分から刷り落とすことができるため、印刷後にお
けるプラスチックマスク1の洗浄性を向上させることが
できる。一方、図4の例のように、プラスチックマスク
1の4隅全てを囲う場合には、上記版面からの印刷物質
のこぼれ落ちを回避することができる。
【0034】図3及び図4では、何れもマスク枠6とプ
ラスチックマスク1とを接着する例を示したが、図5で
は接着しない例を示している。図5において、マスク枠
6は、把手部6bとの対向部に枠部6aから立ち上がる
壁部6cを有しており、これら把手部6bと壁部6cと
はそれぞれその外面にフック6dを有している。一方、
プラスチックマスク1は、把手部6d、壁部6cに対応
する2隅が心棒6に巻き付けられ、リベット17によっ
てこの心棒6に固定されている。プラスチックマスク1
のそれぞれの巻き付け部分には切欠き部が設けられてお
り、心棒6の中心付近に固定されたバネ8をこの切欠き
部から露出させている。このように切欠き部から露出す
る2つのバネ8が、それぞれ2つの上記フック6dに引
っ掛けられることにより、プラスチックマスク1がマス
ク枠6の枠部6aの下面に密着せしめられて固定されて
いる。かかる構成のマスク枠6においては、プラスチッ
クマスク1の接着作業等が不要になり、マスク交換作業
を向上させることができる。
【0035】マスク枠6については、金属材料を使用し
てプラスチックマスク1の導電層3との導通を図るよう
に構成することが望ましい。手作業の印刷においては、
印刷装置を用いた印刷とは異なり、印刷物質の刷り付け
に伴って生じた静電気を導電層3によってプラスチック
シート2の全面に広げるだけでも、電子部品の静電破壊
を十分に抑えることができる。しかし、刷り付け圧力、
速度、頻度等によっては、帯電電位の増加によって静電
破壊を生ずるおそれがある。そこで、マスク枠6と導電
層3との導通を図るのである。かかる構成によれば、生
じた静電気を人体やアースに逃がして電子部品の静電破
壊など、帯電電位の増加に起因する種々の不具合をより
確実に低減することが可能になる。
【0036】次に、参考のため、従来のプラスチックマ
スクの一例について説明する。図6は、従来のプラスチ
ックマスクを示す断面図である。図示のように、従来の
プラスチックマスク1では、その帯電防止を図るための
導電層3をプラスチックシート2に被覆しているもの
の、各孔4の周囲まで導電層3で覆っており、各孔4の
部分を除く上面全体が導電層4の地色(黒)になってい
る。
【0037】次に、本実施形態に係るリペアの作業工程
について説明する。図7は本リペアの対象となるマザー
基板9を示す斜視図である。図において、PWB等から
なるマザー基板9には、ベアチップ10、QFP11、
CSP12などの電子部品が搭載されている。このマザ
ー基板9は、周知の品質試験法によってCSP12の動
作不良が確認されたため、リペアが行われる。
【0038】本リペアでは、実装済みのCSP12の取
外し工程、半田ペースト印刷工程、載置工程であるマウ
ント工程、溶融工程であるリフロー工程、及び硬化工程
という順で作業を進める。なお、取外し工程と半田ペー
スト印刷工程との順序を逆にして実施してもよい。
【0039】図8(a)及び(b)はそれぞれ上記取外
し工程の作業フローを示す説明図である。図(a)の断
面において、アレイ状に配設された複数のパッド9aを
有するマザー基板9上には、パッケージ12aの下面に
アレイ状に配設された複数のパッド12bを有するCS
P12が固定されている。マザー基板9とCSP12と
は、各パッド9aと各パッド12bとがそれぞれ半田1
3を介して個別に半田接続されることにより、電気的及
び機械的に接続されている。このように接続されたCS
P12をマザー基板9から取り外すためには、まず、パ
ッド間に介在している半田13を溶融させて半田接続を
解除しなければならない。そこで、取外し工程では、ま
ず、図示しない熱風ノズルから熱風を吹き付けるなどし
て半田13を加熱して溶融せしめる。そして、図8
(b)の断面のように、図示しない真空ピンセットで吸
い付けるなどしてCSP12をマザー基板9から取り外
す。取外し後には、マザー基板9上に残留する半田13
を半田ゴテで溶融させながらソルダーウイックに吸い取
らせるなどして、マザー基板9からきれいに除去する。
【0040】図9(a)及び(b)は、それぞれ上記半
田ペースト印刷工程の作業フローの前半部分を示す説明
図である。図9(a)において、符号12は新品のCS
Pを示し、この新品のCSPは各パッド12b上にそれ
ぞれ半田ボール12cが溶着されたバンプ電極を備えて
いる。半田ペースト印刷工程では、このような新品のC
SP12を、まず、その下面が上側を向くように位置決
め冶具14上にセットする。そして、図9(b)に示す
ように、CSP12の上にプラスチックマスク1を置
き、各孔4と通してCSP12の各パッド12bを目視
しながら、各パッド12bを各孔4の直下に位置させる
ようにプラスチックマスク1をスライド移動させて位置
合わせを行う。なお、図9(b)においては、便宜上、
マスク枠6の図示を省略している。
【0041】図10は、CSP12の下面と、従来のプ
ラスチックマスク1とをそれぞれ上側から見た状態を示
す模式図である。また、図11は、CSPの下面と、本
発明に係るプラスチックマスク1とをそれぞれ上側から
見た状態を示す模式図である。これらの図においては、
便宜上、パッケージ12a(CSP)、半田ボール12
c(CSP)、プラスチックシート2(マスク)、導電
層3(マスク)の色の違いを斜線や塗りつぶしで示して
いる。
【0042】図12は、CSP12に重ねた従来のプラ
スチックマスク1を上側から見た状態を示す模式図であ
る。また、図13は、CSP12に重ねた本発明に係る
プラスチックマスク1を上側から見た状態を示す模式図
である。図12に示すように、従来のプラスチックマス
ク1では、CSPに重ねると、孔4(図中φ2の内側)
を通してその下側のCSPが見えて、孔4の縁と、導電
層3との境界を判別し難くなる。それでも図では、色彩
を斜線や黒の塗り潰しで表現しているため、この境界を
判別することができるが、実際の色彩では、判別がかな
り困難になる。一方、図13に示すように、本発明に係
るプラスチックマスク1では、孔周囲部分(図中φ2と
φ1との間)がプラスチックシート2の地色になってお
り、導電層3と違う色で構成されている。かかる構成に
おいては、ドーナッツ状の孔周囲部分と、孔4との縁と
の境界が強調され、両者を容易に判別することができ
る。実際の色彩では、図よりも孔4との縁との境界が強
調される。そして、このことにより、孔4内に視線を合
わせ易くなる。また、プラスチックマスク1をスライド
移動させたときの孔4内の画像変化も視認し易くなる。
これらの結果、各孔4を通したパッケージ12aや半田
ボール12cの視認性が向上し、各孔4と各半田ボール
12cとの位置合わせが容易になる。そして、このこと
により、手作業による印刷作業効率を向上させることが
できる。また、各半田ボール12cの見間違いによる印
刷位置ズレを低減することができる。
【0043】図14(a)及び(b)は、それぞれ上記
半田ペースト印刷工程の作業フローの後半部分を示す説
明図である。図示のように、各孔4と各半田ボール12
cとの位置合わせを行った後には、図14(a)に示す
ように、プラスチックマスク1の版面に半田ペースト1
5を載せた後、スキージ16で該版面に刷り付けて各孔
4内に充填する。そして、図14(b)に示すように、
プラスチックマスク1をCSP12の下面から剥がし
て、各孔4内の半田ペースト15を各半田ボール12c
上に転写する。この転写により、各半田ボール12c上
には半田ペースト15からなる半田突起が形成される。
上記半田ペースト15には、無数の半田微粒子と、半田
溶融の際にこの半田微粒子の酸化膜を除去するフラック
スとを含有させており、更に、このフラックスには樹脂
成分と溶剤とを含有させている。
【0044】なお、リペアにおける半田ペースト印刷工
程においては、プラスチックマスク1等の印刷マスクを
CSP12等の被印刷体から剥がすのに先立ち、各孔内
の半田ペーストを加熱して一旦溶融させるか、あるいは
溶融させないまでもそのフラックス中の溶剤を揮発させ
て、更に冷ましておくことが望ましい。このように溶融
あるいは揮発させ、更に冷ましてからプラスチックマス
ク1を剥がすことにより、半田ペーストの収縮、硬化等
の作用によって各孔4からの半田ペースト(あるいは溶
融・硬化済みの半田)の抜け性を向上させ得るからであ
る。このため、本リペアでは、各孔4内の半田ペースト
15をプラスチックマスク1とともに加熱し得るよう
に、プラスチックマスク1の基材であるプラスチックシ
ート2の材料に、耐熱性のポリイミドを使用している。
【0045】半田ペースト印刷工程を終えた後には、位
置合わせ冶具などを用いて、マザー基板9の各パッド9
a(図8参照)上に、CSP12の各半田ボール12c
を位置させるように、CSP12をマザー基板9上にマ
ウントする(マウント工程)。そして、このマザー基板
9をリフロー炉に入れたり、マザー基板9とCSP12
との間に熱風ノズルから熱風を吹き付けたりするなどし
て、半田突起中を構成する半田ペースト15(あるいは
溶融・硬化済みの半田)中の半田粒子を溶融せしめる
(溶融工程)。更に、溶融せしめた半田粒子を冷却によ
って硬化させてマザー基板9の各パッド9aと、CSP
12の各パッド12bとを半田接続する(硬化工程)。
【0046】以上、本実施形態において、半田突起を印
刷したCSP12をマザー基板9にマウントするリペア
について説明したが、この逆に、マザー基板9の各パッ
ド9aに半田突起を印刷し、これら半田突起の上にCS
P12をマウントするリペアにも本発明の適用が可能で
ある。
【0047】また、プラスチックマスク1を用いるリペ
アについて説明したが、プラスチック以外の基材からな
るメタルマスク等の印刷マスクを用いるリペアにも本発
明の適用が可能である。
【0048】また、CSP12を交換するリペアについ
て説明したが、BGA、LGA、QFP、LSI、ベア
チップなど、他の電子部品を取外し/実装するリペアに
も本発明の適用が可能である。
【0049】また、導電層3と基材(プラスチックシー
ト2)との色の違いによって上記孔周囲部分と他の部分
との色を異ならせたプラスチックマスクについて説明し
たが、基材とこれに被覆した非導電性の着色層との色の
違いによって孔周囲部分と他の部分との色を異ならせた
印刷マスクについても本発明の適用が可能である。
【0050】また、孔周囲部分をプラスチックの地色で
構成したプラスチックマスクについて説明したが、孔周
囲部分を透明に構成した印刷マスクについても本発明の
適用が可能である。このように構成した場合には、印刷
作業者に対し、透明な孔周囲部分がその下側にあるパッ
ド同の印刷対象部分を透かせて視認させことにより、孔
よりも広い範囲で視認させる。そして、このことによ
り、各孔と各印刷対象部分との相対位置がどの方向にず
れているかを認識させ易くして、手作業による印刷作業
効率を向上させ、且つ印刷対象部分の見間違いなどに起
因する印刷位置ズレを低減する。
【0051】
【発明の効果】請求項1、2又は3の発明によれば、各
孔を通した印刷対象部分の視認性を向上させるので、手
作業による印刷作業効率を向上させ、且つ該印刷対象部
分の見間違いなどに起因する印刷位置ズレを低減するこ
とできるという優れた効果がある。
【0052】特に、請求項2の発明によれば、金属印刷
マスクよりも、印刷対象部分の位置ズレ方向の視認性を
向上させるので、手作業による印刷作業効率をより向上
させ、且つ上記印刷位置ズレをより低減することができ
るという優れた効果がある。また、プラスチック材の部
分的な帯電電位の増加を抑えるので、該帯電電位の増加
に起因する電子部品の静電破壊などといった種々の不具
合を低減することができるという優れた効果がある。ま
た、特別な着色処理を省略して印刷マスクの製造コスト
を低減することができるという優れた効果がある。
【0053】また特に、請求項3の発明によれば、印刷
物質が孔内に残ることに起因して生ずる印刷量不足等の
種々の不具合を低減することができるという優れた効果
がある。
【0054】請求項4又は5の発明によれば、印刷作業
者に対して各孔と各印刷対象部分との相対位置がどの方
向にずれているかを認識させ易くするので、手作業によ
る印刷作業効率を向上させ、且つ該印刷対象部分の見間
違いなどに起因する印刷位置ズレを低減することできる
という優れた効果がある。
【0055】特に、請求項5の発明によれば、各孔を通
した印刷対象部分の視認性を向上させるので、手作業に
よる印刷作業効率をより向上させ、且つ上記印刷位置ズ
レをより低減することができるという優れた効果があ
る。
【0056】請求項6の発明によれば、リペアにおい
て、印刷作業者に対して印刷マスクの各孔を通した印刷
対象部分の視認性を向上させるか、あるいは、各孔と各
印刷対象部分との相対位置がどの方向にずれているかを
認識させ易くするので、手作業による印刷作業効率を向
上させ、且つ該印刷対象部分の見間違いなどに起因する
印刷位置ズレを低減することできるという優れた効果が
ある。
【0057】請求項7の発明によれば、印刷マスクの孔
周囲部分と他の部分との色差を生じせしめるべく、孔周
囲をマスキングして着色層をコーティングしたり、各孔
及び孔周囲を内包する貫通開口を形成した着色層を基材
に貼り合わせたりする場合よりも、作業工程を簡素化し
て印刷マスクの製造コストを低減することができるとい
う優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態のリペアで用いるプラスチックマスク
を部分的に示す破断斜視図。
【図2】同プラスチックマスクの断面図。
【図3】同プラスチックマスクをマスク枠に固定する固
定方法の一例を示す斜視図。
【図4】同固定方法の他の一例を示す斜視図。
【図5】同固定方法の更なる他の一例を示す斜視図。
【図6】従来のプラスチックマスクを示す断面図。
【図7】同リペアの対象となるマザー基板を示す斜視
図。
【図8】(a)及び(b)は、それぞれ同リペアの取外
し工程の作業フローを示す説明図。
【図9】(a)及び(b)は、それぞれ同リペアにおけ
る半田ペースト印刷工程の作業フローの前半部分を示す
説明図。
【図10】CSPの下面と、従来のプラスチックマスク
とをそれぞれ上側から見た状態を示す模式図。また、図
11は、CSPの下面と、本発明に係るプラスチックマ
スク1とをそれぞれ上側から見た状態を示す模式図
【図11】CSPの下面と、本発明に係るプラスチック
マスクとをそれぞれ上側から見た状態を示す模式図。
【図12】CSPに重ねた従来のプラスチックマスクを
上側から見た状態を示す模式図。
【図13】CSPに重ねた本発明に係るプラスチックマ
スクを上側から見た状態を示す模式図。
【図14】(a)及び(b)は、それぞれ同半田ペース
ト印刷工程の作業フローの後半部分を示す説明図。
【符号の説明】
1 プラスチックマスク(印刷マスク) 2 プラスチックシート(基材) 3 導電層 4 孔 6 マスク枠 6a 枠部 6b 把手部 7 心棒 8 バネ 9 マザー基板 9a パッド 10 ベアチップ 11 QFP 12 CSP 12a パッケージ 12b パッド 12c 半田ボール 13 半田 14 位置決め冶具 15 半田ペースト 16 スキージ 17 リベット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷パターン用の複数の孔が形成された印
    刷マスクであって、被印刷体に重ね合わせた印刷用マス
    クの該孔を通して、該被印刷体の印刷対象部分の位置を
    把握しようとする印刷作業者に対し、孔周囲部分と他の
    部分とを異なる色で視認させることを特徴とする印刷マ
    スク。
  2. 【請求項2】請求項1の印刷マスクであって、基材とし
    てプラスチック材が用いられ、上記孔周囲部分が該プラ
    スチック材のみからなり、且つ、上記他の部分が該プラ
    スチック材と、この表面に被覆された導電層とを有する
    ことを特徴とする印刷マスク。
  3. 【請求項3】請求項2の印刷マスクであって、上記孔が
    アブレーション加工によって形成されたことを特徴とす
    る印刷マスク。
  4. 【請求項4】印刷パターン用の複数の孔が形成された印
    刷マスクにおいて、孔周囲部分に透明材料を用いたこと
    を特徴とする印刷マスク。
  5. 【請求項5】請求項4の印刷マスクにおいて、上記孔周
    囲部分よりも更に外側の周囲部分と、印刷マスクの地色
    とを異なる色で構成したことを特徴とする印刷マスク。
  6. 【請求項6】基板から実装済みの電子部品を取り外す取
    外し工程と、印刷マスクを用いた半田ペースト印刷法に
    よって該基板あるいは実装用の電子部品に複数の半田突
    起を印刷する印刷工程と、該基板上の各半田突起と該実
    装用の電子部品の各電極とを重ね合わせるように、ある
    いは、該基板の各電極と該実装用の電子部品上の各半田
    突起とを重ね合わせるように、該基板上に該実装用の電
    子部品を載置する載置工程と、該半田突起中の半田を加
    熱によって溶融させる溶融工程と、溶融させた半田を冷
    却によって硬化させて該基板と該実装用の電子部品とを
    半田接続する硬化工程とを実施する電子回路基板補修方
    法において、該印刷マスクとして、請求項1、2、3、
    4又は5の印刷マスクを用いることを特徴とする電子回
    路基板補修方法。
  7. 【請求項7】請求項3の印刷マスクを生産するための印
    刷マスク形成方法において、上記プラスチック材の表面
    にこれとは異なる色の材料からなる被覆層を形成する被
    覆層形成工程と、該プラスチック材及び被覆層を貫通す
    る複数の上記孔をアブレーション加工によって形成する
    孔形成工程と、孔周囲の被覆層部分をアブレーション加
    工によって除去する被覆層除去工程とを実施することを
    特徴とする印刷マスク形成方法。
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