JP2001300452A - 除塵装置及び陰極線管の除塵方法 - Google Patents

除塵装置及び陰極線管の除塵方法

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JP2001300452A
JP2001300452A JP2000128386A JP2000128386A JP2001300452A JP 2001300452 A JP2001300452 A JP 2001300452A JP 2000128386 A JP2000128386 A JP 2000128386A JP 2000128386 A JP2000128386 A JP 2000128386A JP 2001300452 A JP2001300452 A JP 2001300452A
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cathode ray
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JP2000128386A
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Katsuyoshi Kojima
克祥 児島
Mitsuo Wake
満男 和氣
Masahiro Kitagawa
正博 北川
Shinji Kasukawa
伸次 粕川
Masao Hayashi
全郎 林
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対象物の除塵効果を確保しつつ、対象物の傷
発生を防止できる除塵装置を提供する。 【解決手段】 超音波発振装置12と振動子13とを備
え、振動子13の先端を対象物2に当接させた状態で、
超音波発振装置12で発生した超音波振動をバルブ1に
伝達させ、振動子13の先端の形状は、バルブ1に面接
触するように平坦面13aが形成されている。このこと
により、振動子13とバルブ1とは面接触し、振動子1
3の先端における接触面積が増加するので、バルブ1が
振動子13から受ける圧力を小さく抑えることができ、
バルブ1のガラス面の加振部位における傷の発生を防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、対象物を加振させ
て、対象物に侵入している塵埃を除去する除塵装置、及
び受像管等に用いられる陰極線管の製造工程における除
塵方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管内には、製造工程中の雰囲気、
管内部材、製造治具等から様々な種類、大きさの塵埃が
侵入する。これら塵埃が陰極線管内に残留すると、陰極
線管の特性が悪化し不良の原因となることがある。この
ため、電子銃封止前にバルブを加振し、バルブ内の除塵
を行っている。
【0003】この除塵手段の一つに超音波を用いた加振
がある。図6(a)に従来の超音波加振による除塵の一
例を示している。バルブ1は、フェイスパネル2とファ
ンネル3とをフリットガラス4を介して封着したもので
ある。また、バルブ1はネック5の開口部5aを下向き
にしてバルブ支持具6上に載置されている。振動子8
は、超音波発振装置7に接続されている。本図は、振動
子8が待機位置からバルブ1に向けて伸長した後の状態
を示している。
【0004】しかし、このような除塵方法では、バルブ
1の加振部位に微細な振動による傷が発生する場合があ
る。これは、金属で形成された振動子8が直接バルブ1
に接触しており、しかも振動子8の先端形状が球状であ
るため、振動子8の先端とバルブ1との接触面積が小さ
く、接触圧力が高くなるためである。このような傷の発
生は、後の熱処理工程において、バルブ1の割れの原因
となる。
【0005】このようなバルブ1の傷付きを防止するた
めに、超音波振動の振幅を小さくしたり、振動子8のバ
ルブ1への押当て力を弱くするといった方法も考えられ
るが、このような方法はいずれも、バルブ1へ伝達され
るパワーが減少するので、バルブ振動強度が減少し、十
分な除塵効果が得られないことになる。
【0006】このため、別の方法として、図6(b)に
示したようなポリイミドテープ等の保護部材10の使用
が考えられる。本図に示した方法では、振動子8の先端
とバルブ1との間に、保護部材10を介在させているの
で、振動子8の先端とバルブ1とが直接接触せず、バル
ブ1の傷の発生を防止することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように保護部材10を振動子8の先端とバルブ1との間
介在させる方法では、バルブ1を間接的に加振すること
になるので、超音波振動の伝達効率を低下させることに
なる。また保護部材10が別途必要となるので、コスト
やメンテナンスの手間が増加することになる。さらに、
保護部材10が工程中に外れた場合には、バルブ1の傷
付き防止が図れないことになる。
【0008】また、前記のような従来の除塵装置を用い
た場合は、振動子8の先端のバルブ1への接触時におけ
る印加圧力と、超音波加振中における振動子8への印加
圧力とが同じである。また、プロセスの時間を確保する
ために振動子8の伸長速度を速くし、かつ振動子8がバ
ルブ1に接触する前に超音波発振を開始している。この
ため、振動子8の先端のバルブ1への接触時における衝
撃が強く、このこともバルブの傷発生の一因となってい
た。
【0009】本発明は、前記のような従来の問題を解決
するものであり、対象物の除塵効果を確保しつつ、対象
物の傷発生を防止できる除塵装置を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の第1番目の除塵装置は、超音波発振装置と
振動子とを備え、前記振動子の先端を対象物に当接させ
た状態で、前記超音波発振装置で発生した超音波振動を
前記対象物に伝達させる除塵装置であって、前記振動子
の先端の形状は、前記対象物に面接触するように形成さ
れていることを特徴とする。前記のような除塵装置によ
れば、対象物が振動子から受ける圧力を小さくすること
ができ、対象物の加振部位における傷の発生を防止する
ことができる。
【0011】前記除塵装置においては、前記振動子の先
端は、平坦面を有していることが好ましい。
【0012】また、前記振動子の先端は、窪み状に形成
されていることが好ましい。
【0013】また、前記振動子の先端の外周に、円弧状
の面取り部が形成されていることが好ましい。前記のよ
うな除塵装置によれば、振動子の先端の外周から先に対
象物に当接する場合の対象物の傷付きを防止することが
できる。
【0014】次に、本発明の第2番目の除塵装置は、超
音波発振装置と振動子とを備え、前記振動子の先端を対
象物に当接させた状態で、前記超音波発振装置で発生し
た超音波振動を前記対象物に伝達させる除塵装置であっ
て、前記振動子に加える圧力を調整する圧力調整手段を
有し、前記圧力調整手段により、前記振動子に加わる圧
力は、前記振動子が前記対象物に当接した後に上昇する
ことを特徴とする。前記のような除塵装置によれば、除
塵効果を確保しつつ、振動子と対象物とが接触する際の
衝撃を減少させて対象物の傷発生を防止することができ
る。
【0015】次に、本発明の第3番目の除塵装置は、超
音波発振装置と振動子とを備え、前記振動子の先端を対
象物に当接させた状態で、前記超音波発振装置で発生し
た超音波振動を前記対象物に伝達させる除塵装置であっ
て、前記対象物から離間している前記振動子の先端が、
前記対象物に近づく方向の前記振動子の進行速度を調整
する速度調整手段を有し、前記速度調整手段により、前
記振動子の先端が前記対象物に当接する前において、前
記振動子の進行速度が下降し、この下降した進行速度で
前記振動子の先端が前記対象物に当接することを特徴と
する。前記のような除塵装置によれば、振動子が対象物
へ当接する際の振動子の進行速度を小さく抑えているの
で、振動子と対象物とが接触する際の衝撃を減少させて
対象物の傷発生を防止することができる前記第3番目の
除塵装置においては、前記下降した速度は、50mm/
s以下であることが好ましい。
【0016】次に、本発明の第4番目の除塵装置は、超
音波発振装置と振動子とを備え、前記振動子の先端を対
象物に当接させた状態で、前記超音波発振装置で発生し
た超音波振動を前記対象物に伝達させる除塵装置であっ
て、前記超音波装置による超音波発振の印加のタイミン
グを調整できるタイミング調整手段を有し、前記タイミ
ング調整手段により、前記振動子が前記対象物に当接し
た後において、超音波振動の発振が開始することを特徴
とする。前記のような除塵装置によれば、振動子が対象
物へ当接した際には、加振が開始していないので、振動
子と対象物とが接触する際の衝撃を減少させてガラス面
の傷発生を防止することができる。
【0017】前記各除塵装置においては、前記対象物
は、陰極線管の構成部品であることが好ましい。
【0018】次に、本発明の第1番目の陰極線管の除塵
方法は、振動子の先端を陰極線管の構成部品に面接触さ
せた状態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記陰
極線管の構成部品に伝達させて、前記陰極線管の構成部
品の除塵を行うことを特徴とする。前記のような陰極線
管の除塵方法によれば、陰極線管の構成部品が振動子か
ら受ける圧力を小さくすることができ、加振部位におけ
る傷の発生を防止することができる。
【0019】次に、本発明の第2番目の陰極線管の除塵
方法は、陰極線管の構成部品から離間している振動子の
先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接させた状
態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記陰極線管
の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法であって、
前記振動子に加える圧力を、前記振動子が前記陰極線管
の構成部品に当接した後に上昇させることを特徴とす
る。前記のような陰極線管の除塵方法によれば、除塵効
果を確保しつつ、振動子と陰極線管の構成部品とが接触
する際の衝撃を減少させて陰極線管の構成部品の傷発生
を防止することができる。
【0020】次に、本発明の第3番目の陰極線管の除塵
方法は、陰極線管の構成部品から離間している振動子の
先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接させた状
態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記陰極線管
の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法であって、
前記陰極線管の構成部品に近づく方向の前記振動子の進
行速度を、前記振動子の先端が前記陰極線管の構成部品
に当接する前において下降させ、この下降した進行速度
で前記振動子の先端を前記陰極線管の構成部品に当接さ
せることを特徴とする。前記のような陰極線管の除塵方
法によれば、振動子が陰極線管の構成部品へ当接する際
の振動子の進行速度を小さく抑えているので、振動子と
陰極線管の構成部品とが接触する際の衝撃を減少させて
陰極線管の構成部品の傷発生を防止することができる前
記第3番目の陰極線管の除塵方法においては、前記下降
した速度は、50mm/s以下であることが好ましい。
【0021】次に、本発明の第4番目の陰極線管の除塵
方法は、陰極線管の構成部品から離間している振動子の
先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接させた状
態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記陰極線管
の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法であって、
前記振動子が前記陰極線管の構成部品に当接した後にお
いて、超音波振動の発振を開始させることを特徴とす
る。前記のような陰極線管の除塵方法によれば、振動子
が陰極線管の構成部品へ当接した際には、加振が開始し
ていないので、振動子と陰極線管の構成部品とが接触す
る際の衝撃を減少させてガラス面の傷発生を防止するこ
とができる。
【0022】前記各陰極線管の除塵方法においては、前
記陰極線管の構成部品は、フェイスパネルとファンネル
とで形成されたバルブであることが好ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の一実施形態について説明する。従来例と同一構成の
ものは、同一番号を付して説明する。図1(a)は、本
発明の一実施形態に係る除塵工程における除塵装置の側
面図を示しており、図1(b)は、図1(a)の平面図
である。本図に示したものは、本発明に係る除塵装置を
陰極線管の構成部品であるバルブに適用した実施形態で
ある。
【0024】フェイスパネル2とファンネル3とをフリ
ットガラス4を介して封着して形成されたバルブ1は、
ネック5を下向きにしてバルブ支持具6上に載置されて
いる。バルブ1の対向する側面のうち、一方の面に位置
決め治具11の先端が当接し、他方の面に振動子13の
先端がバルブ1を押圧して当接している。振動子13
は、超音波発振装置12に接続されている。振動子13
は、例えばアルミニウム等の金属材料で形成されてい
る。
【0025】本図では、振動子13の先端がバルブ1に
当接後の状態を示しているが、バルブ1をバルブ支持具
6上に載置した当初は、振動子13の先端はバルブ1か
ら離れている。振動子13は、例えば振動子13の伸長
により、所定の速度で矢印a方向に進行する。
【0026】振動子13の先端がバルブ1を押圧した状
態で、超音波発振装置12の超音波振動が、振動子13
を介して加振対象であるバルブ1に伝達され、バルブ1
内の除塵が行われ、バルブ1内の塵埃は、開口部5aか
ら排出される。
【0027】図2(a)は、図1(a)の振動子部分の
拡大図を示している。本図に示した例では、フェイスパ
ネル2のうち振動子13の接触部分は、平坦面である。
振動子13の先端面は、このフェイスパネル2の平坦面
に合わせて平坦面13aを有している。
【0028】図1に示した状態では、バルブ1は、片側
が位置決め治具11の先端に当接し、かつ他方の面に振
動子13の先端がバルブ1を押圧しているので、バルブ
1の側面は、振動子13の軸に対して垂直になってい
る。
【0029】しかしながら、振動子13の先端が当接す
る前の状態では、バルブ1はこのような垂直状態とは限
らない。バルブ1が傾斜していれば、振動子13の先端
のうち、外周部分から先にバルブ1に当接することにな
る。この外周部分にエッジがあると、バルブ1が傷付く
ことになる。このため、振動子13の先端の外周部分に
は円弧状の面取り部13aを形成しており、バルブ1が
傾斜した状態で振動子13の先端がバルブ1に当接した
場合のバルブ1の傷付きを防止するようにしている。
【0030】図2(b)は、別の実施形態に係る振動子
部分の拡大図を示している。本図に示した例では、フェ
イスパネル2は、外側に湾曲した湾曲面を有しており、
振動子14はこの湾曲面の形状に合わせた窪み面14a
を有している。また、この窪み面14aの外周部分に
は、図2(a)の場合と同様に、円弧状の面取り部14
bが形成されている。
【0031】すなわち、振動子13、14は、いずれも
先端面の形状が、これと当接するフェイスパネル2の形
状に合わせて形成されているため、振動子13、14と
フェイスパネル2とは面接触し、図6に示したような振
動子8の場合と比べ、接触面積が増加する。このため、
フェイスパネル2のガラス面が振動子13、14から受
ける圧力を小さく抑えることができ、ガラス面の加振部
位における傷の発生を防止することができる。
【0032】以下、図2(a)に示した振動子13を有
する除塵装置を例として、振動子13の印加圧力、進行
速度、及び超音波発振のタイミングについて説明する。
図3(a)、(b)は、経過時間t(s)と振動子圧力
P(N/m2)との関係を、従来例と本実施形態とで比
較したタイムチャートで、(a)が従来例の場合、
(b)が本実施形態の場合である。
【0033】本実施形態では、振動子圧力を調整する圧
力調整手段を有している。振動子圧力とは、振動子13
をバルブ1に押し当てるために振動子13に印加される
圧力のことである。圧力調整手段にシリンダ機構を用い
た場合は、振動子圧力はシリンダ圧力となる。t1はス
タート時刻を示し、t2は振動子13のバルブ1への当
接開始時刻を示している(以下の図3(c)〜(f)に
ついても同じ)。
【0034】図3(a)に示した従来例の場合は、振動
子圧力Pは、t1〜t2の間において、一定値P1であ
る。これに対して図3(b)に示した本実施形態の場合
は、t1〜t2の間においては、振動子圧力Pは、振動
子の伸長に影響する限界付近の圧力P2まで下げ、t2
を経過した後に、十分な除塵効果が得られる程度の所定
の圧力P1′まで上げている。したがって、本実施形態
によれば、除塵効果を確保しつつ、振動子13とバルブ
1とが接触する際の衝撃を減少させてガラス面の傷発生
を防止することができる。
【0035】図3(c)、(d)は、経過時間t(s)
と振動子の進行速度V(mm/s)との関係を、従来例
と本実施形態とで比較したタイムチャートで、(a)が
従来例の場合、(b)が本実施形態の場合である。本実
施形態では、バルブ1から離間している振動子13の先
端が、バルブ1に近づく方向の振動子13の進行速度を
調整する速度調整手段を有している。例えば、シリンダ
機構を用いて振動子13を伸長させて進行させる場合
は、速度調整手段としてシリンダに入る単位時間当たり
のエア流量を調節する装置を用いる。このように、振動
子13の進行が振動子13の伸長により行われる場合
は、進行速度は、振動子13が伸長する速度になる。
【0036】図3(c)に示した従来例の場合は、t1
〜t2の間においては、伸長速度Vは一定値V1であ
る。これに対して図3(d)に示した本実施形態の場合
は、t1〜t1′の間においては、伸長速度Vは一定値
V1′であるが、t1′〜t2においては、V2に下が
っている。
【0037】したがって、本実施形態によれば、振動子
13がバルブ1へ当接する際の振動子13の進行速度を
小さく抑えているので、振動子13とバルブ1とが接触
する際の衝撃を減少させてガラス面の傷発生を防止する
ことができる。伸長速度V2は、50mm/s以下とす
ることが好ましく、より好ましくは25mm/s以下で
ある。
【0038】なお、振動子13の進行開始から、バルブ
1への当接までの間の全体に亘り、一定速度V2として
もよいが、この場合は振動子がバルブに当接するまで時
間が長くなり、生産効率の点で不利になる。
【0039】図3(e)、(f)は、経過時間t(s)
と超音波発振のタイミングとの関係を、従来例と本実施
形態とで比較したタイムチャートで、(e)が従来例の
場合、(f)が本実施形態の場合である。本実施形態で
は、超音波発振装置12による超音波発振の印加のタイ
ミングを調整できるタイミング調整手段を有している。
例えば、振動子に印加される圧力を検知して、一定値を
超えた場合に、超音波発振の印加を開始させる装置を用
いる。前記のように、圧力調整手段にシリンダ機構を用
いた場合は、検知圧力はシリンダ圧力となる。縦軸のO
Nはタイミング調整手段により超音波発振が行われてい
る状態を示し、OFFはタイミング調整手段により超音
波発振を停止させた状態を示している。
【0040】図3(e)に示した従来例の場合は、t1
〜t2の間において、すなわち振動子13がバルブ1に
接触する前に、超音波発振が開始している。これに対し
て図3(f)に示した本実施形態の場合は、t2より後
にすなわち振動子13がバルブ1のガラス面に接触した
後に、超音波発振が開始する。したがって、本実施形態
によれば、振動子13がバルブ1へ当接した際には、加
振が開始していないので、振動子13とバルブ1とが接
触する際の衝撃を減少させてガラス面の傷発生を防止す
ることができる。
【0041】以上の図3(b)、(d)、(f)のよう
に、振動子圧力、進行速度、及び超音波発振のタイミン
グを設定することにより、除塵効果を確保しつつ、振動
子13とバルブ1のガラス面とが接触する際の衝撃を減
少させることができ、ガラス面の傷発生を防止すること
ができる。なお、振動子13を用いた例で説明したが、
図2(b)に示した振動子14を用いても同様の効果が
得られる。
【0042】図4(a)、(b)は、経過時間t(s)
と振動強度F(m/s2)との関係を、従来例と本実施
形態とを比較したタイムチャートを示している。図4
(a)が従来例の場合で、図3(a)、(c)、(e)
に示したようなタイムチャートで加振を行った。図4
(b)が本実施形態の場合で、図3(b)、(d)、
(f)に示したようなタイムチャートで加振を行った。
振動子先端の形状は、従来例の場合と、本実施形態の場
合とで統一している。振動強度Fは、振動子がバルブ1
に接触した状態におけるバルブ1が受ける衝撃を示して
いる。
【0043】図4(a)に示した従来例の場合では、振
動子のバルブ1への接触時刻t2からt3までの間で、
振動強度Fは最大値F2を示し、振動強度Fの振幅が大
きくなっている。この部分が、振動子が接触した瞬間に
おけるバルブ1の受ける衝撃の状態を示している。引き
続き超音波発振は印加されているが、時刻t4以降にお
いては、振動強度Fは、接触の瞬間と比べ低い値(最大
値F1)で安定しており、この状態で除塵が行われる。
【0044】図4(b)に示した実施形態の場合では、
振動子の接触した瞬間である接触時刻t2からt3′ま
での間では、振動強度Fは最大値F2′を示し、時刻t
4′以降においては、振動強度Fは、接触の瞬間と比べ
低い値(最大値F1)で安定している。
【0045】安定時における、振動強度Fの状態は、図
4(a)、(b)の場合いずれも同じであるが、図4
(b)に示した本実施形態の場合は、振動子の接触した
瞬間における振動強度Fの振幅が大幅に低下している。
このことから、本実施形態の場合は、除塵効果を確保し
つつ、振動子の接触した瞬間の衝撃を大幅に減少できる
ことが分かる。
【0046】図5(a)、(b)は、除塵作業後のバル
ブ表面を、従来例の装置を用いた場合と、本実施形態の
装置を用いた場合とで比較した図である。(a)が従来
例の場合であり、振動子は先端形状が球面状のものを用
い、図4(a)、(c)、(e)に示したようなタイム
チャートで加振を行った。(b)が本実施形態の場合で
あり、振動子は図2(a)に示したような先端に平坦面
を有するものを用い、図4(b)、(d)、(f)に示
したようなタイムチャートで加振を行った。また振動子
が接触するバルブ表面はいずれも、平坦面である。いず
れの場合も除塵自体は良好に行うことができた。
【0047】しかしながら、図5(a)の場合に示した
従来例の場合は、ガラス面20に窪み21が形成され、
振動子の材料であるアルミ22が付着した。これに対し
て、図5(b)に示した本実施形態の場合は、ガラス面
20に傷の発生は見られず、アルミ22が付着したもの
の、図5(a)の場合と比べると僅かであった。
【0048】なお、本実施形態に係る振動子の先端形
状、及び図4(b)、(d)、(f)に示したようなタ
イムチャートを組み合わせて用いることが好ましいが、
先端形状だけを取り入れて用いても、又はタイムチャー
トのいずれかを単独で用いても、振動子と加振対象物と
が接触する際の衝撃を減少できるという効果は得られ
る。
【0049】また、前記実施形態では、加振対象物がフ
ェイスパネル2とファンネル3とをフリットガラス4を
介して封着して形成されたバルブ1の場合の例で説明し
たが、フェイスパネル2、又はファンネル3等の陰極線
管の構成部品を、部品単体の状態で加振させる場合であ
っても同様の効果が得られる。また、加振対象物は陰極
線管の構成部品に限るものではなく、特にガラス面を有
する部材に有用である。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、振動子
の先端の形状を、対象物に面接触するように形成するこ
とにより、対象物が振動子から受ける圧力を小さくする
ことができ、対象物の加振部位における傷の発生を防止
することができる。
【0051】また、振動子圧力、進行速度、及び超音波
発振のタイミングを所定の設定することにより、除塵効
果を確保しつつ、振動子と対象物とが接触する際の衝撃
を減少させることができ、対象物の傷発生を防止するこ
とができる
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の一実施形態に係る除塵工程にお
ける除塵装置の側面図 (b)図1(a)の平面図
【図2】図1(a)の振動子部分の拡大図を示している
【図3】(a)従来例に係る経過時間tと振動子圧力P
との関係を示すタイムチャート (b)本発明の一実施形態に係るに係る経過時間tと振
動子圧力Pとの関係を示すタイムチャート (c)従来例に係る経過時間tと伸長速度Vとの関係を
示すタイムチャート (d)本発明の一実施形態に係る経過時間tと伸長速度
Vとの関係を示すタイムチャート (e)従来例に係る経過時間tと超音波発振のタイミン
グとの関係を示すタイムチャート (f)本発明の一実施形態に係る経過時間tと超音波発
振のタイミングとの関係を示すタイムチャート
【図4】(a)従来例に係る経過時間tと振動強度Fと
の関係を示す図 (b)本発明の一実施形態に係る経過時間tと振動強度
Fとの関係を示す図
【図5】(a)従来例に係る除塵装置を用いた場合のバ
ルブ表面を示す図 (b)本発明の一実施形態に係る除塵装置を用いた場合
のバルブ表面を示す図
【図6】(a)従来の除塵工程における除塵装置の一例
の側面図 (b)従来例の除塵工程における除塵装置の別の一例の
側面図
【符号の説明】
1 バルブ 2 フェイスパネル 3 ファンネル 4 フリットガラス 5 ネック 6 バルブ支持具 12 超音波発振装置 13、14 振動子 13a 平坦面 13b,14b 面取り部 14a 窪み面
フロントページの続き (72)発明者 北川 正博 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 粕川 伸次 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 (72)発明者 林 全郎 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内 Fターム(参考) 3B116 AA46 AB01 BC05 5D107 AA09 BB11 FF08

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超音波発振装置と振動子とを備え、前記
    振動子の先端を対象物に当接させた状態で、前記超音波
    発振装置で発生した超音波振動を前記対象物に伝達させ
    る除塵装置であって、前記振動子の先端の形状は、前記
    対象物に面接触するように形成されていることを特徴と
    する除塵装置。
  2. 【請求項2】 前記振動子の先端は、平坦面を有してい
    る請求項1に記載の除塵装置。
  3. 【請求項3】 前記振動子の先端は、窪み状に形成され
    ている請求項1に記載の除塵装置。
  4. 【請求項4】 前記振動子の先端の外周に、円弧状の面
    取り部が形成されている請求項1から3のいずれかに記
    載の除塵装置。
  5. 【請求項5】 超音波発振装置と振動子とを備え、前記
    振動子の先端を対象物に当接させた状態で、前記超音波
    発振装置で発生した超音波振動を前記対象物に伝達させ
    る除塵装置であって、前記振動子に加える圧力を調整す
    る圧力調整手段を有し、前記圧力調整手段により、前記
    振動子に加わる圧力は、前記振動子が前記対象物に当接
    した後に上昇することを特徴とする除塵装置。
  6. 【請求項6】 超音波発振装置と振動子とを備え、前記
    振動子の先端を対象物に当接させた状態で、前記超音波
    発振装置で発生した超音波振動を前記対象物に伝達させ
    る除塵装置であって、前記対象物から離間している前記
    振動子の先端が、前記対象物に近づく方向の前記振動子
    の進行速度を調整する速度調整手段を有し、前記速度調
    整手段により、前記振動子の先端が前記対象物に当接す
    る前において、前記振動子の進行速度が下降し、この下
    降した進行速度で前記振動子の先端が前記対象物に当接
    することを特徴とする除塵装置。
  7. 【請求項7】 前記下降した速度は、50mm/s以下
    である請求項6に記載の除塵装置。
  8. 【請求項8】 超音波発振装置と振動子とを備え、前記
    振動子の先端を対象物に当接させた状態で、前記超音波
    発振装置で発生した超音波振動を前記対象物に伝達させ
    る除塵装置であって、前記超音波装置による超音波発振
    の印加のタイミングを調整できるタイミング調整手段を
    有し、前記タイミング調整手段により、前記振動子が前
    記対象物に当接した後において、超音波振動の発振が開
    始することを特徴とする除塵装置。
  9. 【請求項9】 前記対象物は、陰極線管の構成部品であ
    る請求項1から8のいずれかに記載の除塵装置。
  10. 【請求項10】 振動子の先端を陰極線管の構成部品に
    面接触させた状態で、超音波振動を、前記振動子を介し
    て前記陰極線管の構成部品に伝達させて、前記陰極線管
    の構成部品の除塵を行うことを特徴とする陰極線管の除
    塵方法。
  11. 【請求項11】 陰極線管の構成部品から離間している
    振動子の先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接
    させた状態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記
    陰極線管の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法で
    あって、前記振動子に加える圧力を、前記振動子が前記
    陰極線管の構成部品に当接した後に上昇させることを特
    徴とする陰極線管の除塵方法。
  12. 【請求項12】 陰極線管の構成部品から離間している
    振動子の先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接
    させた状態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記
    陰極線管の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法で
    あって、前記陰極線管の構成部品に近づく方向の前記振
    動子の進行速度を、前記振動子の先端が前記陰極線管の
    構成部品に当接する前において下降させ、この下降した
    進行速度で前記振動子の先端を前記陰極線管の構成部品
    に当接させることを特徴とする陰極線管の除塵方法。
  13. 【請求項13】 前記下降した速度は、50mm/s以
    下である請求項12に記載の陰極線管の除塵方法。
  14. 【請求項14】 陰極線管の構成部品から離間している
    振動子の先端を前記陰極線管の構成部品に近づけて当接
    させた状態で、超音波振動を、前記振動子を介して前記
    陰極線管の構成部品に伝達させる陰極線管の除塵方法で
    あって、前記振動子が前記陰極線管の構成部品に当接し
    た後において、超音波振動の発振を開始させることを特
    徴とする陰極線管の除塵方法。
  15. 【請求項15】 前記陰極線管の構成部品は、フェイス
    パネルとファンネルとで形成されたバルブである請求項
    10から14のいずれかに記載の陰極線管の除塵方法。
JP2000128386A 2000-04-27 2000-04-27 除塵装置及び陰極線管の除塵方法 Withdrawn JP2001300452A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019188329A (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 カルソニックカンセイ株式会社 触感発生装置および触感発生方法
WO2019208046A1 (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 カルソニックカンセイ株式会社 触感発生装置および触感発生方法
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