JP3346272B2 - 電子部品のボンディングツール - Google Patents

電子部品のボンディングツール

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  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)
  • Wire Bonding (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品を基板な
どの被圧着面にボンディングする電子部品のボンディン
グツールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】バンプ付電子部品などの電子部品を基板
などのワークに実装する方法として超音波圧接を用いる
方法が知られている。この方法は、電子部品のバンプを
基板に押圧しながら超音波振動を付与し、接合面を相互
に摩擦させてボンディングするものである。この方法に
用いられるボンディングツールは、振動発生源である超
音波振動子の振動を接合物に伝達させる細長形状の棒体
であるホーンを有しており、ホーンに生じる振動の定在
波の節に相当する部分を固定し、最も振幅の大きい腹に
相当する部分を接合物に押し当てて振動を有効に利用す
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、振動の定在
波の節の位置はどの状態においても常に一定の位置にあ
るとは限らず、ボンディングツールの温度状態や、ボン
ディングツールに作用する負荷荷重の状態によって僅か
にずれを生じる。このため、実際のボンディング時にお
いては、本来振動が極小である節の位置として設計段階
で設定された位置にも振動が存在し、この振動はホーン
の両側に突出した固定部に伝達される。そして固定部に
はこの振動により新たな振動が励起されることとなる。
このとき固定部はその構造上、上部がボンディング装置
に固定され下部は自由端という力学的に非対称な構造と
なっているため、固定部に励起される振動は、下部の自
由端の部分の振幅が上部よりも大きく、すなわち固定部
に曲げ応力を発生させる曲げ振動となる。
【0004】そしてこの固定部で励起された曲げ振動が
逆にホーンに伝達され、ホーン本体に曲げ振動を誘発す
る起振力として作用する。ホーンに曲げ振動が発生する
と、ホーンには部分的に上下方向、すなわち電子部品を
被圧着面に押し当てる方向の変位が発生する。この上下
方向の変位は電子部品の熱圧着には何ら寄与しないばか
りか、電子部品に対して損傷を与えて品質上の不良を招
く要因となるため、ホーンの曲げ振動は極力排除しなけ
ればならない。しかしながら従来のボンディングツール
では、ホーンに発生する曲げ振動に対する考慮がなされ
ておらず、この面への考慮がなされたボンディングツー
ルが望まれていた。
【0005】そこで本発明は、上下方向の曲げ振動の発
生を抑制し、電子部品の品質を損ねることのない電子部
品のボンディングツールを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の電子部品
のボンディングツールは、電子部品に当接して電子部品
を被圧着面に押圧しながら振動を付与して被圧着面に圧
着する電子部品のボンディングツールであって、振動子
によって振動するホーンと、このホーンの振動の定在波
の腹に相当する位置に形成され電子部品を被圧着面に押
圧する圧着面と、この圧着面から前記ホーンの両端側へ
等距離隔てられた前記定在波の節に相当する位置におい
て前記ホーンの側面より突出した肉薄の連結部と、この
連結部の先端部に形成された固定部を有し、この固定部
の上部をボンディング装置の昇降部材に固定するととも
に、この固定部の下部を自由端とした。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】本発明によれば、ボンディングツールのホ
ーンの側面より突出した肉薄の連結部と、この連結部の
先端部に形成された固定部を有し、この固定部の上部
ボンディング装置の昇降部材に固定するとともに、この
固定部の下部を自由端としたことにより、固定部に励起
された曲げ振動ホーン本体へ伝されるのを抑制し、
ホーンの曲げ振動による上下方向の変位の発生を抑える
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電
子部品のボンディング装置の正面図、図2は同電子部品
のボンディングツールの斜視図、図3(a)は同電子部
品のボンディングツールの正面図、図3(b)は同電子
部品のボンディングツールの平面図、図4(a),
(b)は同電子部品のボンディングツールの部分斜視図
である。
【0012】まず、図1を参照して電子部品のボンディ
ング装置の全体構造を説明する。1は支持フレームであ
って、その前面には第1昇降板2と第2昇降板3が昇降
自在に設けられている。第1昇降板2にはシリンダ4が
装着されており、そのロッド5は第2昇降板3に結合さ
れている。第2昇降板3にはボンディングヘッド10が
装着されている。支持フレーム1の上面にはZ軸モータ
6が設けられている。Z軸モータ6は垂直な送りねじ7
を回転させる。送りねじ7は第1昇降板2の背面に設け
られたナット8に螺合している。したがってZ軸モータ
6が駆動して送りねじ7が回転すると、ナット8は送り
ねじ7に沿って上下動し、第1昇降板2や第2昇降板3
も上下動する。
【0013】図1において、被圧着面である基板32は
基板ホルダ34上に載せられており、基板ホルダ34は
テーブル35上に載せられている。テーブル35は可動
テーブルであって、基板32をX方向やY方向へ水平移
動させ、基板32を所定の位置に位置決めする。
【0014】42はカメラであって、一軸テーブル43
に装着されている。44はカメラ42から前方へ延出す
る鏡筒である。カメラ42を一軸テーブル43に沿って
前進させ、鎖線で示すように鏡筒44の先端部をボンデ
ィングツール14の下面に吸着して保持されたバンプ付
電子部品30と基板32の間に位置させ、その状態でバ
ンプ付の電子部品30と基板32の位置をカメラ42で
観察する。そしてこの観察結果により電子部品30と基
板32の相対的な位置ずれを検出する。検出された位置
ずれは、テーブル35を駆動して基板32をX方向やY
方向へ水平移動させることにより補正し、これによりバ
ンプ付電子部品30と基板32の位置合わせがなされ
る。
【0015】図1において、50は主制御部であり、モ
ータ駆動部51を介してZ軸モータ6を制御し、またテ
ーブル制御部52を介してテーブル35を制御し、また
認識部53を介してカメラ42に接続されている。また
シリンダ4は荷重制御部54を介して主制御部50に接
続されており、シリンダ4のロッド5の突出力すなわち
ボンディングツール14で電子部品30を基板32に押
し付ける押圧荷重が制御される。
【0016】ボンディングヘッド10の本体11の下端
部にはホルダ12が結合されている。ホルダ12にはブ
ロック13(昇降部材)が装着され、ブロック13には
ボンディングツール14が固定されている。以下、図2
〜図4を参照してブロック13およびボンディングツー
ル14について説明する。
【0017】図2に示すように、ボンディングツール1
4のホーン15は細長形状の棒状体であり、側面にはホ
ーン15の中央から等距離隔てられた4ヶ所に固定部で
ある取付け座15aが連結部(後述)を介してホーン1
5と一体的に設けられている。ボンディングツール14
は、取付け座15aによってブロック13の下面に固定
されている。すなわち、取付け座15aはホーン15を
ボンディング装置の昇降部材に固定する固定部となって
いる。
【0018】ボンディングツール14の中央部の下面に
は、下方に突出し電子部品30を真空吸着して保持する
保持部15eが設けられ、この保持部15eの下面は電
子部品30圧着面15fとなっている。圧着面15fに
はホーン15に設けられた真空吸引用の内孔16の一端
が開口して吸着孔16aを形成している。内孔16の他
端はホーン15の上面の取付け座15aの位置に開口し
て吸引孔16bを形成している。
【0019】ブロック13の側面に設けられた突部13
aには管部18が下方に突出して設けられており、図
に示すように管部18の下端部に装着された吸着パッド
19は、ホーン15の上面の吸引孔16bの位置に当接
している。したがって突部13aに接続され突部13a
の内孔13bによって管部18と連通したチューブ20
から、吸引装置21を駆動してエアを吸引することによ
り、内孔16を介して圧着面15eに開口した吸着孔1
6a(図3(a),(b))から真空吸引し、この圧着
面15fにバンプ付電子部品30を真空吸着して保持す
ることができる。
【0020】ホーン15の側端面には振動子17が装着
されている。振動子17を駆動することにより、ホーン
15には縦振動が付与され、保持部15eは水平方向に
振動する。図3(b)に示すように、ホーン15の形状
は両端部15bからテーパ部15cを経て中央部15d
の方向に順次幅が絞られた形状となっており、これによ
り、振動子17より保持部15eに伝達される経路にお
いて超音波振動の振幅は増幅され、保持部15eには振
動子17が発振する振幅以上の振動が伝達される。
【0021】次に、振動子17によってホーン15に励
起される振動のモードについて説明する。図3(a)に
示すように、ホーン15に励起される振動の定在波は、
振動子17の装着面およびホーン15の中央に位置する
保持部15eの圧着面15fの位置を定在波の腹とし、
ホーン15をブロック13に固定する取付け座15aの
連結部の位置および吸引孔16bの位置が定在波の節と
なるような形となっている。すなわちホーン15各部の
形状寸法、質量分布を適切に設定することにより、この
ような定在波をホーン15に発生させることができる。
【0022】従って、連結部である取付け座15aは、
ホーン15の振動の定在波の腹に相当する位置である圧
着面15fからホーン15の両端側の方向へ等距離隔て
られた定在波の節に相当する位置に一体的に設けられて
いる。これによりボンディングツール14が固定される
取付け座15aの位置ではホーン15の縦振動による変
位は極小となり、バンプ付電子部品30を圧着する圧着
面15fの位置では極大の振幅を得ることとなり、超音
波振動をバンプ付電子部品30のボンディングに最も有
効に利用することができる。さらに、取付け座15aを
ホーン15と一体化することにより、ボンディングツー
ル14のブロック13(昇降部材)への取り付けを作業
性よく行うことができる。
【0023】ここで、図4を参照して取付け座15aの
形状について説明する。図4(a)に示すように、取付
け座15aはホーン15の本体部分の両側面から水平方
向に突出する肉薄の連結部Aによってホーン15と連結
されている。また、連結部Aの上部と下部には、上下対
称な形状の切り欠き部Bが設けられている。連結部Aの
断面形状(図中の斜線部参照)は、対象電子部品30の
ボンディンググ荷重に対して十分な範囲で、可能な限り
断面の曲げ剛性が小さくなるような寸法形状に設定され
る。すなわち、ボンディング時の押圧荷重に対して十分
な強度を有する範囲内で、連結部Aの肉厚tはできるだ
け薄く、また切り欠き部Bはできるだけ大きくする。こ
のように、連結部Aの断面の曲げ剛性を小さくすること
は、以下に説明するようにボンディング時の超音波振動
の利用効率の向上と、ボンディング時の電子部品30に
対する損傷防止上で大きな意義を有する。
【0024】すなわち、前述のように連結部Aは設計段
階において、ホーンに発生する定在波の節に相当する位
置に設定されるが、一般に実際のボンディング時には種
々の不確定要素により、連結部Aの位置と定在波の節と
は完全に一致しない。したがって、連結部Aの位置にも
振動は存在し、この振動は取付け座15aに伝達され
る。ここで、取付け座15aは上部がブロック13に固
定され、下部が自由端となっているため図4(b)に示
すように取付け座15aには曲げ振動が励起される。そ
してこの曲げ振動が連結部Aを介してホーン15の本体
部に伝達されると、ホーン15には、破線で示すような
曲げ振動により上下方向の変位が発生する。この上下方
向の変位は電子部品のボンディングには全く寄与せず、
電子部品を基板に対して不要に押しつける力として作用
するため品質不良の要因となる。
【0025】ここで、連結部Aの断面の曲げ剛性を可能
な限り小さくすることにより、取付け座15aに励起さ
れた曲げ振動が、ホーン15の本体部に伝達される度合
いを最小に抑えることができる。したがって、ホーン1
5に誘発される曲げ振動による上下方向の変位を軽減す
ることができ、超音波振動のエネルギーがボンディング
に寄与しない上下方向の振動変位として消費される割合
を減少させて振動の利用効率を向上させるとともに、電
子部品に対する損傷の発生を軽減することができる。
【0026】この電子部品のボンディング装置は上記の
ように構成されており、次に動作を説明する。図1にお
いてボンディングツール14の吸着面15eにバンプ付
電子部品30を真空吸着させて保持し、基板32の上方
に位置させる。そこで鏡筒44を前進させてカメラ42
でバンプ付電子部品30と基板32の画像を入手し、認
識部53へ画像データが送られる。主制御部50はこの
画像データからバンプ付電子部品30と基板32の相対
的な位置ずれを検出し、この検出結果にしたがってテー
ブル35を駆動し、基板32を水平移動させて位置補正
を行う。
【0027】次にZ軸モータ6が駆動してボンディング
ヘッド10が下降し、バンプ付電子部品30のバンプを
基板32に押圧する。このとき基板32は加熱手段(図
外)によって加熱されている。そして押圧した状態で振
動子17を駆動してバンプ付電子部品30に振動を付与
する。これによりバンプ31と基板32の電極との押圧
面が振動により摩擦され、バンプ31は基板32の電極
にボンディングされる。このとき、ホーン15をブロッ
ク13に固定する取付け座15aには肉薄の連結部Aが
設けられて、この連結部Aの断面形状は曲げ剛性が小さ
くなるような形状に設定されているので、前述のように
超音波振動の利用効率を向上させることができるととも
に、電子部品に対する損傷を防止することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、固定部に励起された曲
げ振動のホーンへの伝達を抑制することができる。した
がってホーンの曲げ振動に起因するホーンの上下方向の
変位が抑えられ、熱圧着に寄与しない上下方向の変位を
抑制して超音波振動の利用効率を向上させることができ
るとともに、電子部品に対する損傷を防止することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディン
グ装置の正面図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品のボンディン
グツールの斜視図
【図3】(a)本発明の一実施の形態の電子部品のボン
ディングツールの正面図 (b)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの平面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態の電子部品のボン
ディングツールの部分斜視図 (b)本発明の一実施の形態の電子部品のボンディング
ツールの部分斜視図
【符号の説明】
10 ボンディングヘッド 13 ブロック 14 ボンディングツール 15 ホーン 15a 取付け座 15e 保持部 15f 圧着面 16 内孔 16a 吸着孔 16b 吸引孔 17 振動子 19 吸着パッド 21 吸引装置 30 電子部品 32 基板 50 主制御部 A 連結部 B 切り欠き部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/607 B06B 1/02 H01L 21/60 H01L 21/52 B23K 20/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子部品に当接して電子部品を被圧着面に
    押圧しながら振動を付与して被圧着面に圧着する電子部
    品のボンディングツールであって、振動子によって振動
    するホーンと、このホーンの振動の定在波の腹に相当す
    る位置に形成され電子部品を被圧着面に押圧する圧着面
    と、この圧着面から前記ホーンの両端側へ等距離隔てら
    れた前記定在波の節に相当する位置において前記ホーン
    の側面より突出した肉薄の連結部と、この連結部の先端
    部に形成された固定部を有し、この固定部の上部をボン
    ディング装置の昇降部材に固定するとともに、この固定
    部の下部を自由端としたことを特徴とする電子部品のボ
    ンディングツール。
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