JP2001300286A - 分解性界面活性剤 - Google Patents

分解性界面活性剤

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JP2001300286A
JP2001300286A JP2000118929A JP2000118929A JP2001300286A JP 2001300286 A JP2001300286 A JP 2001300286A JP 2000118929 A JP2000118929 A JP 2000118929A JP 2000118929 A JP2000118929 A JP 2000118929A JP 2001300286 A JP2001300286 A JP 2001300286A
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emulsifier
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JP2000118929A
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Mineko Horibe
峰子 堀部
Kaoru Suzuki
薫 鈴木
Hidefumi Ogura
英史 小倉
Nobuyuki Yamamoto
信之 山本
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Original Assignee
Lion Corp
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  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生分解性に優れ、耐酸性であり、塩基性下で
容易に分解され、安全かつ低コストで製造可能な分解性
界面活性剤及び乳化剤を提供すること、並びに該乳化剤
を使用した乳化重合法を提供すること。 【解決手段】 1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体
を含有することを特徴とする分解性界面活性剤並びに乳
化剤を提供する。さらに、1,3−ジオキソラン−2−
オン誘導体を用いて、重合性モノマーを中性から酸性下
で乳化重合し、その後全体を塩基性とする乳化重合法を
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1,3−ジオキソ
ラン−2−オン誘導体を含有する乳化能に優れた分解性
界面活性剤、及び1,3−ジオキソラン−2−オン誘導
体を用いた乳化重合法に関する。
【0002】
【従来の技術】界面活性剤は、乳化、分散、可溶化等の
機能を持ち、化学合成、医薬、化粧料、洗浄剤、食料品
等、多分野で使用されている。しかし、界面活性剤が、
初期の機能を果たした後も系中に残存していると、種々
の問題を生ずる場合がある。例えば、乳化重合では、反
応終了後、乳化状態のままでは目的物質の単離が困難で
あったり、品質が低下する等の問題がある。重合物を単
離する場合は、高分子凝集剤を用いたり、カルシウム塩
やマグネシウム塩を投入することにより、乳化剤を不溶
化させる必要があるが、処理効果及びコストの点から望
ましくない。そのため、初期の目的を達した後、簡単な
化学的処理で分解し、界面活性を失って、目的生成物を
容易に回収できる乳化剤が求められている。さらに、乳
化剤を含有する排水が、河川、湖沼等に流出することに
よる水質汚染等の環境問題への対応が求められている。
【0003】ここで、生分解性及び化学分解性を有する
界面活性剤として、アセタール、ケタールタイプの酸分
解性界面活性剤が開発されている。例えば、脂肪族アル
デヒドとポリエチレングリコール類との反応によるも
の、(桑村等、Bull. Chem. Soc. Japan, 45, 617 (197
2))、脂肪族アルデヒド類やケトン類とグリセロール類
との反応により得られる1,3-ジオキサン又は1,3-ジオキ
ソラン誘導体(Burczyk etal. , Tenside Surfactants D
eterg., 17, 21 (1980))、アルカンジオール類とクロロ
ケトン類との反応及びそれに続く第3級アミン類との反
応による1,3-ジオキソラン環を含む第4級アンモニウム
塩型のもの(Jaeger., J. Org. Chem. , 47, 33, (198
2))、ケト酸エステル類と1-o-アルキルグリセロール類
との反応により得られるもの(特開平4-217972)、脂肪族
アルデヒド類及びジアセタール類とアルキルグリコシド
類との反応により得られるもの(特開平8-176940)等があ
げられる。しかし、上記酸分解性界面活性剤は、原料の
入手困難性や合成反応に多段階を必要とする等の問題が
あった。また酸を使用するために、装置の腐食等の問題
があった。さらにアセタール、ケタールタイプの界面活
性剤は、分解してケトンやアルデヒドを生成するため、
後処理が煩雑になるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、生
分解性に優れ、耐酸性であり、塩基性下で容易に分解さ
れ、安全かつ低コストで製造可能な分解性界面活性剤及
び乳化剤を提供すること、並びに該乳化剤を使用した乳
化重合法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、1,3−ジオキソラン
−2−オン骨格を有する化合物が、乳化剤等の界面活性
剤としての性質を有するとともに、生分解性に優れ、耐
酸性が高く、塩基性領域下で化学分解し得ることを見出
した。即ち、本発明は、下記一般式(I)で表される
1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を含有すること
を特徴とする分解性界面活性剤を提供する。 [式中、Rは、炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和の
直鎖、分岐鎖、又は環式の炭化水素基、又は下記一般式
(II)若しくは(III)、 −CH2(OR2)nOR1 (II)、 −CH2(OR2)nOCOR1 (III) (式中、R1は、炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和
の直鎖、分岐鎖、又は環式の炭化水素基であり、R
2は、炭素数2〜4のアルキレン基で互いに同じでも異
なっていてもよく、nは、アルキレンオキシド基の平均
付加モル数を表す0〜30の整数である。)で表される
基を示す。] また、本発明は、前記式(I)で表される1,3−ジオキ
ソラン−2−オン誘導体を含有することを特徴とする乳
化剤を提供する。また、本発明は、前記式(I)で表され
る1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を用いて、重
合性モノマーを中性から酸性下で乳化重合し、その後全
体を塩基性とすることを特徴とする乳化重合法を提供す
る。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明で使用される界面活
性剤の実施形態について詳しく説明する。本発明の界面
活性剤に含有する前記一般式(I)の1,3−ジオキソ
ラン−2−オン誘導体において、Rは、炭素数3〜2
2、好ましくは炭素数8〜22、さらに好ましくは11
〜22の飽和若しくは不飽和の直鎖、分岐鎖、又は環式
の炭化水素基及び/又はこれらの誘導体、又は前記一般
式(II)若しくは(III)を表す。具体例としては、例え
ば、ウンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタ
デシル基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、
イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メ
チルヘプチル基−2−エチルヘキシル基、ヘキセニル
基、ヘプテニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニ
ル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル
基、ペンタデセニル基、パルミテニル基、オレイル基、
リノール基、リノレニル基、アラキジル基、フェニル
基、4−メチルフェニル基、ベンジル基及びp−メトキ
シベンジル基が挙げられる。
【0007】R1は、炭素数3〜22、好ましくは炭素
数8〜22、さらに好ましくは炭素数11〜22の飽和
若しくは不飽和の直鎖、分岐鎖、又は環式の炭化水素基
及び/又はこれらの誘導体を表す。具体例としては、例
えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル
基、パルミチル基、ステアリル基、ベヘニル基、イソプ
ロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、1−メチルヘ
プチル基、2−エチルヘキシル基、ヘキセニル基、ヘプ
テニル基、オクチニル基、ノネニル基、デセニル基、ウ
ンデセニル基、ドデセニル基、ミリステニル基、ペンタ
デセニル基、パルミテニル基、オレイル基、リノール
基、リノレニル基、アラキジル基、2−エチルヘキセニ
ル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、ベンジル基
及びp−メトキシベンジル基、アリル基が挙げられる。
特に好ましくは、ドデシル基、ミリスチル基及びステア
リル基である。
【0008】R2は、炭素数2〜4のアルキレン基であ
る。nは、アルキレンオキシド基の平均付加モル数を表
し、0〜30の整数、好ましくは0〜20の整数であ
る。nが2以上のとき、各R2は、互いに同じでも異な
っていてもよい。
【0009】前記一般式(I)で表される1,3−ジオ
キソラン−2−オン誘導体の製造方法は、特に限定され
るものではなく、グリセリン−1−エーテル誘導体とジ
メチルカーボネートによるエステル交換反応や、アルキ
ルグリシジルエーテルの二酸化炭素による炭酸付加反応
等によって合成することができる。エステル交換反応法
の場合、エステル化剤として沸点が90.2℃のジメチルカ
ーボネートを用いることにより、反応系内にジメチルカ
ーボネートが存在する間反応温度の上限が該沸点温度に
保たれるので、生成物の分解反応が抑制されて高収率で
目的物が得られる。
【0010】エステル交換反応は、グリセリン−1−エ
ーテル誘導体、ジメチルカーボネート、及び塩基性触媒
とを混合し、所定の反応温度で反応させた後、塩基性触
媒を除去することにより行う。使用するジメチルカーボ
ネートは、1〜10モル当量であることが好ましい。こ
れによってジメチルカーボネート自体を反応溶媒として
使用することができ、煩雑な後処理を省略することがで
きる。また反応温度は50〜180℃の範囲内とするこ
とが好ましい。反応に用いる塩基性触媒は特に限定され
ないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、金属ナトリウムなどのアルカリ金属またはアル
カリ土類金属等が好ましい。使用する塩基性触媒の量
は、使用するグリセリン−1−エーテル誘導体に対し
て、0.0001〜0.5モル当量の範囲内とすることが好まし
い。反応終了後、これらの塩基性触媒は、ろ過、もしく
は当量の酸を用いて中和することにより取り除くことが
できるが、中和して取り除くことが好ましい。
【0011】本発明の界面活性剤は、前記一般式(I)
で表される1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を、
一種又は二種以上混合したものであってもよい。本発明
の界面活性剤は、乳化剤、洗浄剤、発泡剤、分散剤等、
通常の界面活性剤として任意の用途に用いることができ
るが、乳化剤として、特に乳化重合の乳化剤として用い
ることが好ましい。この場合、本発明の1,3−ジオキ
ソラン−2−オン誘導体の他に、他の界面活性剤を混合
して用いてもよいが、重合性と、重合後の生成物の分離
回収の容易性の点から、他の界面活性剤の量は、界面活
性剤総量中、好ましくは50質量%以下、さらに好まし
くは30質量%以下、特に好ましくは10質量%以下と
する。他の用途の場合において、他の界面活性剤の量
は、目的に応じて、任意の量を混合することができる。
【0012】(乳化重合法)本発明の乳化重合法は、前記
一般式(I)で表される1,3−ジオキソラン−2−オ
ン誘導体を用いて、重合性モノマーを中性から酸性下で
乳化重合し、その後全体を塩基性とするものである。こ
こで使用される重合性モノマーは、特にその種類に限定
されることはないが、好ましくは、カルボキシル基を有
するモノマーであり、具体的には、例えば、炭素数1〜
22の飽和若しくは不飽和の直鎖、分岐鎖、又は環式の
炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)
アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。本
発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体は、使用
される該誘導体及び重合性モノマーの種類にもよるが、
例えば、重合性モノマーに対して、0.1〜10質量
%、好ましくは、0.5〜5質量%添加される。
【0013】上記重合性モノマーと、上記本発明の1,
3−ジオキソラン−2−オン誘導体とを水に添加し、必
要に応じで酸性賦与剤を添加して中性から酸性下(pH
1〜7)で乳化重合を行う。重合性モノマーの濃度は、
10〜60質量%、好ましくは、30〜50質量%であ
る。ここで使用する酸性賦与剤としては、例えば、クエ
ン酸、リン酸、塩酸、硫酸があるが、これらに限定され
るものではない。このような酸性賦与剤を加えて溶液全
体を中性から酸性に、好ましくは、pH1〜7、安定に
界面活性能を維持するためにより好ましくは、pH3〜
7に調整する。反応は、例えば、窒素雰囲気下で、30
〜100℃、好ましくは50〜100℃の温度範囲で、
一定温度又は途中任意に昇温させて、1〜5時間、好ま
しくは、2〜4時間反応させる。反応を有意に進めるた
めに、任意に触媒を添加してもよい。使用する触媒とし
ては、乳化重合で一般的に使用されるものであれば、そ
の種類に限定されることはないが、例えば、過硫酸アン
モニウム、過硫酸カリウム、過酸化水素等がある。使用
する該触媒の量は、例えば、使用する重合性モノマーに
対して、0.01〜5質量%、好ましくは、0.01〜
1質量%である。
【0014】反応終了後、塩基性賦与剤、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等を加えて、溶液全体を
塩基性に、好ましくはpH8〜13、より好ましくはp
H9〜11に調整する。これにより、1,3−ジオキソ
ラン−2−オン誘導体は、界面活性を失い、二酸化炭素
と、アルキルグリセリルエーテル等に分解される。二酸
化炭素は系外に放出され、反応溶液は、エマルションが
壊れて二相に分離する。これにより、生成した重合物を
含む相のみを容易に回収することができ、煩雑な後処理
が不要となる。さらに、アルキルグリセリルエーテル等
の分解物は、生分解性に優れているため、そのまま河
川、湖沼等へ廃棄しても、速やかに生分解される。以
下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0015】
【実施例】本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘
導体の合成例として、エステル交換反応(合成例1)、二
酸化炭素による炭酸付加反応(合成例2)を以下に示
す。なお、本実施例において使用した他の1,3−ジオ
キソラン−2−オン誘導体も、これと同様にして製造し
た。 (合成例1)4−オクチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2
−オンの製造 グリセリン−1−オクチルエーテル184g(0.90
モル)に、炭酸ジメチル234g(2.6モル)と水酸
化ナトリウム2.5g(0.063モル)とを加え、7
0℃に0.5時間保った後、副生するメタノールと過剰
の炭酸ジメチルとを留去しながら温度を70℃から12
0℃まで徐々に昇温し、5時間反応させた。その後、硫
酸で中和し、濾過し、4−オクチルオキシメチル−1,
3−ジオキソラン−2−オン197gを得た。収率は、
95%であった。
【0016】(合成例2)4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−
オンの製造 2.5MgO・Al2O3・mH2Oなる化学組成の水酸化アルミニウム
・マグネシウム(協和化学製、キョーワード300)2
5gを500℃で3時間焼成活性化して、17gの複合
酸化物触媒粉末を得た。次にステンレス製オートクレー
ブ(容積300ml)に、上記触媒触媒0.45g、ブ
チルグリシジルエーテル150g、4−ブチルオキシメ
チル−1,3−ジオキソラン−2−オン30gを仕込
み、密封した。その後、二酸化炭素で系内を置換して、
4.0気圧まで二酸化炭素を圧入し、150℃で10時
間攪拌しながら反応させた。この間、吸収される二酸化
炭素は外部から補給し、反応系の圧力を一定に保った。
反応終了後、反応容器を室温に戻し、反応液を分析した
ところ、4−ブチルオキシメチル−1,3−ジオキソラ
ン−2−オンが収率98%で生成していた。
【0017】乳化重合試験 本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を用い
て、メタクリル酸及びスチレンを重合性モノマーとして
乳化重合を行った。比較例として、本発明の1,3−ジ
オキソラン−2−オン誘導体の代わりにドデシル硫酸ナ
トリウム塩(東京化成工業(株))を用いて乳化重合を行
なった。重合試験は、以下の方法に基づいて行った。重合方法 還流冷却器、攪拌機、滴下ロート、温度計を備えた反応
容器に純水250gを入れ、窒素を導入して置換した。
別にメタクリル酸5g、スチレン100g、及び1,3
−ジオキソラン−2−オン誘導体0.1gを溶解し、こ
の中に過硫酸アンモニウム0.6gを加え、モノマー溶
液を調製した。このときの溶液のpHは3であった。そ
の後、該モノマー溶液の5質量%を上記反応容器に加
え、40℃で加温を開始し、液温が80℃に達した時点
から残りの95質量%を2時間にわたって反応容器内に
連続的に滴下した。滴下終了後さらに3時間、80℃で
熟成させた。このときのpHは3であった。反応終了
後、系全体を水酸化ナトリウムでpH9に調整し、重合
物を分離した。
【0018】得られた重合物のモノマー残存濃度を、ヨ
ウ素化滴定により測定した。モノマー残存濃度の評価
は、以下の基準に基づいて行った。結果を以下の表1に
示す。 ○:モノマー残存濃度 1000ppm未満 ×:モノマー残存濃度 1000ppm以上 表1 表1の結果から、本発明の1,3−ジオキソラン−2−
オン誘導体は、いずれも高い重合性を有することがわか
る。また、反応終了後、系をpH9に調整するだけで重
合物の分離が可能であるため、重合物の回収を容易に行
うことができた。
【0019】乳化安定性試験 本発明の乳化剤の乳化安定性を、乳化物の分離を観測す
ることにより評価した。乳化物は、大豆油(純正化学株
式会社製)50質量%と1,3−ジオキソラン−2−オ
ン誘導体2質量%とを50℃で加熱混合した後、水50
質量%に添加しながら乳化機(ホモミキサー、特殊機化
工業製)で乳化することにより得た。乳化物の安定性の
評価は、50℃で1ヵ月静置した後、油相と水相の相分
離が生じているかを目視により観察して判断し、以下の
基準に基づいて評価した。評価の結果を表2に示す。 ◎:分離なし ○:わずかに分離 △:ほとんど分離 ×:完全に分離
【0020】表2 表2の結果から、本発明の1,3−ジオキソラン−2−
オン誘導体は、いずれも高い乳化安定性を有することが
わかる。
【0021】耐酸性試験 本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の酸性
下における安定性を次のように評価した。各1,3−ジ
オキソラン−2−オン誘導体20質量%に、pH2に調
整した塩酸水溶液50質量%及びエタノール30質量%
を加えた。これを、50℃で1ヵ月静置した後、1,3
−ジオキソラン−2−オン誘導体の分解率を日本電子株
式会社製核磁気共鳴装置Lamda300を用いて、1H−NMR分
析により定量を行ない、分解率を算出した。耐酸性の評
価は、以下の基準に基づいて行った。評価の結果は、表
3に示す。 ◎:5%未満分解 ○:5%以上15%未満分解 △:15%以上50%未満分解 ×:50%以上分解
【0022】表3 表3の結果から、本発明の1,3−ジオキソラン−2−
オン誘導体は、酸性下において高い安定性を有すること
が分かる。
【0023】アルカリ分解性試験 本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の塩基
による分解性を次のように評価した。各1,3−ジオキ
ソラン−2−オン誘導体20質量%に、pH13に調整
した水酸化ナトリウム50質量%及びエタノール30質
量%を加えた。これを、50℃で1時間攪拌した後、分
解率を日本電子株式会社製核磁気共鳴装置Lamda300を用
いて、1H−NMR分析により定量を行ない、分解率を算出
した。アルカリ分解性の評価は以下の基準に基づいて行
い、評価の結果は、表4に示す。 ◎:95%以上分解 ○:85%以上95%未満分解 △:50%以上85%未満分解 ×:50%未満分解
【0024】表4 表4の結果から1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体
は、アルカリ条件下において速やかに分解することが分
かった。
【0025】生分解性試験 本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体の生分
解性試験を、MITI法(OECD化学品テストガイドライン3
01C修正MITI試験(I))を用い、下記条件下、生物化
学的酸素要求量(BOD)を閉鎖式酸素消費量測定装置
(大倉電気株式会社製)で測定した。同様の試験を、比
較例として4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オ
ン(東京化成工業(株))を用いて行った。 試験条件 ・供試物質濃度;50mg/L ・活性汚泥濃度;30mg/L ・試験温度;25℃ ・試験期間;28日間 測定の結果を表5に示す。
【0026】表5 表5の結果から、本発明の1,3−ジオキソラン−2−
オン誘導体は、優れた生分解性を有していることがわか
った。
【0027】実施例29乳化化粧料使用感試験 本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体を乳化
剤として用いて製造した化粧クリームを、5人のテスト
パネラーに適用してパネル試験を行い、本発明の乳化剤
の使用感をテストした。化粧クリームの調整は、次のよ
うにして行った。下記表6に示す化合物1〜7を混合し
て70℃で加熱溶解し、その後化合物8及び9を添加し
た。これとは別に、化合物10〜13を混合して50℃で加
熱溶解し、攪拌しながら上記化合物1〜9の混合物を徐
々に添加し、化粧クリームを得た。このようにして得た
化粧クリームを、5人のテストパネラーに適用し、しっ
とり感、べたつきのなさについてパネル試験を行ったと
ころ、いずれの評価項目も良好であった。
【0028】表6
【0029】
【発明の効果】本発明の界面活性剤は、高い界面活性を
示すため、優れた乳化能を有している。また、耐酸性で
あるため、特に、本発明の界面活性剤を乳化剤として用
いた乳化重合においては、酸性下での反応に十分対応で
き、更に反応終了後は、該乳化剤を塩基性下で容易に化
学的分解が可能であるため、速やかに目的物を分離精製
することができる。さらに、生分解性に優れるため、該
乳化剤を含む排水による環境問題の心配がない。また、
本発明の1,3−ジオキソラン−2−オン誘導体は、容
易に入手可能な原料を用いて合成することができるた
め、コスト面でも有利である。このような本発明の乳化
剤は、上記乳化重合における乳化剤の他、乳化化粧料製
造用の乳化剤としても使用でき、様々な種類の油類の組
合せを安定に乳化することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小倉 英史 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 (72)発明者 山本 信之 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 4D077 AB08 AB10 AB11 AB12 AB14 AC02 BA02 BA03 BA15 BA20 CA12 CA13 CA14 DD29X DD29Y DD36Z DE06Y DE07Y DE12Y 4H003 AC21 FA03 FA28 4J011 KA10 KA12 KA14 KA15 KB05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される1,3−ジ
    オキソラン−2−オン誘導体を含有することを特徴とす
    る分解性界面活性剤。 [式中、Rは、炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和の
    直鎖、分岐鎖、又は環式の炭化水素基、又は下記一般式
    (II)若しくは(III)、 −CH2(OR2)nOR1 (II)、 −CH2(OR2)nOCOR1 (III) (式中、R1は、炭素数3〜22の飽和若しくは不飽和
    の直鎖、分岐鎖、又は環式の炭化水素基であり、R
    2は、炭素数2〜4のアルキレン基で互いに同じでも異
    なっていてもよく、nは、アルキレンオキシド基の平均
    付加モル数を表す0〜30の整数である。)で表される
    基を示す。]
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の式(I)で表される1,
    3−ジオキソラン−2−オン誘導体を含有することを特
    徴とする乳化剤。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の式(I)で表される1,
    3−ジオキソラン−2−オン誘導体を用いて、重合性モ
    ノマーを中性から酸性下で乳化重合し、その後全体を塩
    基性とすることを特徴とする乳化重合法。
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