JP2001299387A - 安定な液状分析用組成物 - Google Patents

安定な液状分析用組成物

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JP2001299387A
JP2001299387A JP2001068808A JP2001068808A JP2001299387A JP 2001299387 A JP2001299387 A JP 2001299387A JP 2001068808 A JP2001068808 A JP 2001068808A JP 2001068808 A JP2001068808 A JP 2001068808A JP 2001299387 A JP2001299387 A JP 2001299387A
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ascorbic acid
analysis
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cucurbita
liquid composition
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JP2001068808A
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Naoko Tanigaki
尚子 谷垣
Yoshiaki Nishiya
西矢  芳昭
Yukihiro Sogabe
行博 曽我部
Shigenori Aisui
重典 愛水
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 熱安定性、保存安定性の良い、液状分析用組
成物、特にアスコルビン酸消去能力の維持の点において
安定な、液状分析用組成物の提供。 【解決手段】 40℃6日後におけるアスコルビン酸4
0mg/dL添加時のアスコルビン酸消去能力が85.
96%を超える例えば、カボチャククルビタモスカータ
(Cucurbita moschata)由来の、ア
スコルビン酸オキシダーゼを含有する液状分析用組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱安定性、保存安定
性の良い、液状分析用組成物に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】アスコルビン酸オキシ
ダーゼは既に知られているように、キュウリ(キュキュ
ミス エスピー、Cucumis sp. :東洋紡社製)及び、カ
ボチャ(ククルビタ エスピー、Cucurbita sp. :ベー
リンガーマンハイム社製)から生産され市販されてい
る。しかしながら、従来のアスコルビン酸オキシダーゼ
では、臨床診断用試薬、殊に液状分析用組成物として用
いる場合、保存安定性が不十分であった。また最近、臨
床診断の自動分析に於て、簡便化追求の一つの方向とし
て試薬溶解の手間を不要とする液状分析用組成物が注目
され、種々の試みがなされている。本発明の目的は、上
記現状に鑑み、熱安定性、保存安定性の良い、液状分析
用組成物を提供することである。
【0003】一方、臨床検査分野において、検体中のア
スコルビン酸が測定系に影響を与える場合、かかる系に
アスコルビン酸オキシダーゼを共存せしめ、アスコルビ
ン酸を酸化分解して消去し、その妨害を排除することが
行われてきた。アスコルビン酸オキシダーゼは既に知ら
れているように、キュウリ(キュキュミス エスピー、C
ucumis sp. :東洋紡社製)及び、カボチャ(ククルビ
タ エスピー、Cucurbita sp. :ベーリンガーマンハイ
ム社製)から生産され市販されている。しかしながら、
従来のアスコルビン酸オキシダーゼでは、臨床診断用試
薬、殊に液状分析用組成物として用いる場合、保存安定
性が不十分であった。したがって、アスコルビン酸消去
能力に関してもその能力を長期間にわたって維持するこ
とは困難な状況であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討したところ、カボチャ クク
ルビタ モスカータ(Cucurbita moschata)由来のアス
コルビン酸オキシダーゼが、従来より知られているクク
ルビタ ペポ(Cucurbita pepo、米国特許第4,168,205
号明細書参照)及び、キュキュミス エスピー(Cucumi
s sp. 、J.Biochem .,Vol.64,No.2,P189−195,1968参
照)より保存安定性がよいことを見い出し、これを液状
分析用組成物に適用することで本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の要旨は、40℃6日後
におけるアスコルビン酸40mg/dL添加時のアスコ
ルビン酸消去能力が85.96%を超える液状分析用組
成物に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の安定な液状分析用組成物
は、アスコルビン酸オキシダーゼと生化学分析に用いら
れる通常の緩衝液を含有し、使用目的に応じて、緩衝液
中にキレート剤、無機塩類、アルブミン、アミノ酸、界
面活性剤、抗生物質、4-アミノアンチピリン、トリン
ダー試薬(酸化発色色素)、ロイコ色素、ホルマザン色
素、酸化酵素、脱水素酵素、ペルオキシダーゼ、異性化
酵素、りん酸化酵素、ヒドロラーゼなどを含有すること
もできる。
【0007】本発明の安定な液状分析用組成物に用いる
アスコルビン酸オキシダーゼは、特に限定されないが、
下記の理化学的性質をもつククルビタ モスカータ(Cu
curubita moschata )由来のものが適している。 (1)作用:1モルのアスコルビン酸と1/2モルの酵
素より、1モルのデヒドロアスコルビン酸と1モルの水
を生ずる反応を触媒する。 (2)基質特異性:少なくともアスコルビン酸に特異的
に作用する。 (3)至適pH:5.5〜6.5 (4)pH安定性:6.0〜10.0 (5)至適温度:約45℃ (6)熱安定性:50℃、1時間処理において、少なく
とも80%の残存活性を有する。又、55℃、1時間処
理において、少なくとも50%の残存活性を有する。な
お、本発明のアスコルビン酸オキシダーゼの他の理化学
的性質は下記の通りである。 (7)分子量:約140,000(ゲル濾過法) (8)Km値:2.7×10-4M付近 (9)等電点:5.5±0.2 (10) 界面活性剤の影響: 0.1%Triton X-100、Briji
35、Tween 20、Span 20等の存在下で100%の残存活
性を有する。
【0008】上記のアスコルビン酸オキシダーゼは、例
えば「蛋白質・酵素の基礎実験法」(堀尾武一、山下仁
平編、南江堂、1982)に記載された方法に準じて、原料
であるククルビタ モスカータ(Cucurbita moschata)
を破砕し、緩衝液等で抽出した後、硫安塩析、吸着クロ
マトグラフィー等により精製することによって得られ
る。具体的には、例えば次のような手順を経る。原料で
あるククルビタ モスカータ(Cucurubita moschata )
を破砕し、ホウ酸緩衝液で抽出した後、濾過を行い固形
物を除き、上澄みを得る。硫酸アンモニウムで塩析処理
し、塩析沈殿物を得る。これを緩衝液にて再懸濁し、更
に塩析処理を行い、塩析沈殿物を得る。これを緩衝液に
て再懸濁し、同緩衝液で平衡化したイオン交換クロマト
グラフィー、疎水クロマトグラフィーに供し、NaClグラ
ジエント、飽和度を下げるなどしてアスコルビン酸オキ
シダーゼ画分を得る。このアスコルビン酸オキシダーゼ
画分をセファデックスG−25などで脱塩し、酵素を得
る。
【0009】本発明に用いる緩衝液種及びその濃度は特
に限定されるものではないが、pH5.5 〜8.5 の間で緩衝
能を有し、且つ必要十分な緩衝能を保つ濃度に設定され
ていることが望ましい。この様な緩衝液種として汎用的
なリン酸バッファーやトリスバッファーを使用すること
もできるし、BES,HEPES,TES等のグッドバ
ッファーを使用することもできる。緩衝液濃度は好まし
くは10mM〜0.5 M、更に好ましくは50mM〜0.1 Mで
ある。キレート剤としては、EDTA等を、無機塩類として
はNaCl、MgCl2等を、アルブミンとしては、牛血清、人
血清、馬血清などの由来のものを、アミノ酸としては、
アルギニン、リジン、ヒスチジン等を、含有することが
できる。
【0010】又、本発明は、場合によって、I液組成物
でも、II液組成物、III液組成物でもよく、その選
択は、測定する物質や、測定を実施する自動分析機の性
能に従って、好適に組み合わせることが出来る。
【0011】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。 実施例1および比較例1
【0012】液状分析用組成物の一例として、グッドバ
ッファー、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリ
ン、トリンダー試薬、基質、酸化酵素、界面活性剤など
から構成されるアスコルビン酸オキシダーゼを含有する
下記組成の無機リン測定液状試薬を調製し、アスコルビ
ン酸消去能を測定し、比較した。なお、本発明の液状分
析用組成物においては、アスコルビン酸オキシダーゼと
して、ククルビタ モスカータ(Cucurubita moschata
)由来のものを用いた。比較例として、ククルビタ
モスカータと同様の精製法で調整したククルビタ ペポ
(Cucurbita pepo)、キュキュミス エスピー(Cucumi
s sp. )及びククルビタ エスピー(Cucurbita sp. )
由来のアスコルビン酸オキシダーゼを用いて、同様に液
状分析用組成物を調製した。
【0013】 試薬組成 R1 PIPESバッファー(pH6.8) 50mM トリトンX−100(界面活性剤) 0.1 % アスコルビン酸オキシダーゼ(ククルビタ モスカータ(実施例)、ク クルビタ ペポ(比較例)、キュキュミス エスピー(比較例)及びククルビタ エスピー(比較例)由来) 7.0 U/ml XTO(キサンチンオキシダーゼ) 2.0U/ml PEO(ペルオキシダーゼ) 5.0U/ml ADPS(トリンダ−試薬) 0.2mg/ml R2 PIPESバッファー(pH6.8) 50mM PNP(プリンヌクレオシドりん酸化酵素)1.0U/ml 4−AA(4−アミノアンチピリン) 0.2mg/ml イノシン(基質) 8.0mg/ml トリトンX−100(界面活性剤) 0.1%
【0014】上記液状分析用組成物のアスコルビン酸消
去能を表2に示す。表2より、本発明の場合、40℃、
2週間後においても十分なアスコルビン酸の消去能力が
維持されており、本発明の安定性が優れていることが認
められる。
【0015】
【表1】 40℃、2週間保存前後のアスコルビン酸消去能(%) (アスコルビン酸 40mg/dl 添加時)
【0016】実施例2 実施例1と同様にアスコルビン酸オキシダーゼを含有す
る下記組成の尿酸測定液状試薬を調製し、40℃で6日
間保存し、3日目、6日目にアスコルビン酸消去能を測
定した。なお、本発明の液状分析用組成物においては、
アスコルビン酸オキシダーゼとして、ククルビタ モス
カータ(Cucurubita moschata )由来のものを用いた。
比較例として、ククルビタ モスカータと同様の精製法
で調整したククルビタ ペポ(Cucurbita pepo)、キュ
キュミス エスピー(Cucumis sp. )及びククルビタ
エスピー(Cucurbita sp. )由来のアスコルビン酸オキ
シダーゼを用いて、同様に液状分析用組成物を調製し
た。
【0017】 試薬組成 R1 PIPESバッファー(pH6.8) 50mM トリトンX−100 0.1% アスコルビン酸オキシダーゼ 7.0U/ml PEO 5.0U/ml 4−AA(4−アミノアンチピリン) 0.2mg/ml R2 PIPESバッファー(pH6.8) 50mM UAO(ウリカーゼ) 0.2U/ml EHSPT 0.2U/ml (N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル-m-トルイジン):トリンダー 試薬) トリトンX−100 0.1%
【0018】上記液状分析用組成物のアスコルビン酸消
去能を表2に示す。表2に示すように、本発明では40
℃で6日保存後も95.17%と充分なアスコルビン酸
消去能が存在するのに対し、比較例の場合、最高でも8
5.96%の消去能しかなく、充分とは言えず、本発明
のアスコルビン酸オキシダーゼが保存安定性において優
れていることが認められる。
【0019】
【表2】 40 ℃, 3、6日保存前後のアスコルビン酸消去能
(%) (アスコルビン酸 40mg/dl 添加時)
【0020】
【発明の効果】本発明により、熱安定性、保存安定性の
良い、液状分析用組成物、特にアスコルビン酸消去能力
の維持の点において安定な、液状分析用組成物が提供さ
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 愛水 重典 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社敦賀バイオ研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 40℃6日後におけるアスコルビン酸4
    0mg/dL添加時のアスコルビン酸消去能力が85.
    96%を超える液状分析用組成物
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019165680A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法
JP2019165679A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法

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JP2019165679A (ja) * 2018-03-23 2019-10-03 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法
JP7131009B2 (ja) 2018-03-23 2022-09-06 東洋紡株式会社 アスコルビン酸オキシダーゼの安定化方法
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