JPH09248200A - グルコース測定用試薬 - Google Patents

グルコース測定用試薬

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JPH09248200A
JPH09248200A JP5611996A JP5611996A JPH09248200A JP H09248200 A JPH09248200 A JP H09248200A JP 5611996 A JP5611996 A JP 5611996A JP 5611996 A JP5611996 A JP 5611996A JP H09248200 A JPH09248200 A JP H09248200A
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JP
Japan
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reagent
glucose
coenzyme
mutarotase
glucose dehydrogenase
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JP5611996A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Takahashi
俊宏 高橋
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Nissho Corp
Original Assignee
Nissho Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グルコース脱水素酵素を利用したグルコース
の測定において、試薬中の酵素や補酵素を長期間安定な
状態で保存でき、しかも試料を測定する際には反応時の
pHを至適範囲に設定できるグルコース測定用試薬を提
供する。 【解決手段】 ムタロターゼを含みpHが7〜9の第1
試薬と、グルコース脱水素酵素と補酵素を含みpHが4
〜6の第2試薬とからなるグルコース測定用試薬であっ
て、試料を測定する際の反応pHを6.9〜7.7に設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグルコース脱水素酵
素を用いたグルコース測定用試薬に関し、より詳しくは
試薬溶液を長期間安定に保存することができるグルコー
ス測定用試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】試料中のグルコースの定量測定におい
て、特異性と感度に優れ、あまり有害な試薬を使用しな
くてすむことから酵素を用いる測定が現在もっとも利用
されている。酵素法の中でもグルコース脱水素酵素を利
用したグルコースの測定は特異性も高く注目されている
測定方法の1つである。これは共役酵素のムタロターゼ
で試料中のグルコースをβ−グルコースへ変旋光させ、
主酵素のグルコース脱水素酵素の触媒下で酸化し、その
際のNAD→NADHの変化に伴う吸光度の上昇を追跡
する紫外部測定法である。
【0003】近年、検査技術の進歩とともに、検査の自
動化が進み、ほとんどの試料は自動分析装置を利用して
測定するようになってきている。このため試薬形態も従
来の調製が必要な凍結乾燥試薬から、予め調製された試
薬溶液(以下液状試薬と呼ぶ。)での供給が求められて
いる。試薬供給を溶液で行う際に問題になるのが酵素を
長期間安定させることである。
【0004】従来、グルコース脱水素酵素を利用した測
定方法として、Klin.Chem.Klin.Biochem.13.Jahrg.1975
に記載がある。この試薬は、第一試薬にムタロターゼ、
第二試薬にグルコース脱水素酵素、第三試薬に補酵素の
β−NADを用いた3試薬系になっている。これは保存
条件をそれぞれに合わすことができるので比較的安定に
供給できるが、試薬構成が3試薬系のために操作が煩雑
になることから自動分析装置に適応しにくい。また、自
動分析装置に適応した2試薬系のものとしてBergmeyer
Methods of Enzymatic Analysis に記載されている試薬
がある。これは、緩衝液としてpH7.6の120mM
リン酸緩衝液を用い、第一試薬にムタロターゼと補酵素
のβ−NADを、第二試薬にグルコース脱水素酵素を使
用している。溶液中でのムタロターゼの安定なpHは7
〜9であり、補酵素のβ−NADの安定なpHは酸性で
あり、グルコース脱水素酵素の安定なpHは5〜8であ
る。このように安定なpHが各々異なるため、第一試薬
および第二試薬ともにpHを7.6とした試薬溶液中で
は、第1試薬中のβ−NADの有効反応量が著しく低下
することが分かった。このため、溶液として長期間保存
した試薬を用いた場合、試薬中の補酵素が不足して試薬
性能を十分維持できなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来このような試薬成
分の劣化に対しては劣化量を考慮した試薬成分の添加が
行われてきたが、酵素や補酵素は原料費に大きく影響す
ることから、最小限に抑えて試薬の初期性能を保持させ
ることが強く望まれていた。本発明は上記事情に鑑みて
なされたもので、グルコース脱水素酵素を利用したグル
コースの測定において試薬中の酵素や補酵素を長期間安
定な状態で保存でき、しかも試料を測定する際には反応
時のpHを至適範囲に設定できるグルコース測定用試薬
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はグルコース脱水
素酵素を利用して試料中のグルコースを測定する試薬で
あって、ムタロターゼを含みpHが7〜9の第一試薬
と、グルコース脱水素酵素と補酵素を含みpHが5〜6
の第二試薬とからなるグルコース測定用試薬である。ま
た本発明は試料を測定する際の反応時のpHが6.9〜
7.7に設定されてなるグルコース測定用試薬である。
【0007】本発明における第一試薬は、緩衝液とムタ
ロターゼから構成される。ムタロターゼの添加は反応を
スムーズに行わせるためのものであるから、第1試薬の
成分は緩衝液のみであってもよい。緩衝液としては、保
存中の冷温時にはアルカリ側にあり、反応時の加温(3
7℃)によって中性付近にpHが変化するような、温度
によるpHの変化が大きい緩衝液を使用する。このよう
な緩衝液としては、25℃前後におけるpHが7.0〜
9.0で緩衝能を有するものを使用する。この範囲を越
えると酵素活性は著しく低下する。緩衝液成分として
は、Tris, トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、Bis−Tris, ビス(2−ヒドロキシエチル)
イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、TAPS,
N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプ
ロパンスルホン酸、TAPSO,2−ヒドロキシ−N−
トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパ
ンスルホン酸、TES,N−トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、CAPS,
N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸、
CAPSO,N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3
−アミノプロパンスルホン酸、CHES, N−シクロヘ
キシル−2−アミノエタンスルホン酸等が挙げられる。
緩衝液濃度としては、20mM〜1Mであることが望ま
しく、第2試薬との組合せにおいて反応pHが6.9〜
7.7の範囲になるような緩衝液濃度を選択する。
【0008】本発明における第二試薬は、緩衝液とグル
コース脱水素酵素と補酵素(β−NAD)から構成され
る。緩衝液としては、25℃前後におけるpHが4.0
〜6.0であることが好ましい。pHが4以下あると、
第1試薬との組合せから希薄になる緩衝液のpHが保存
期間中に変化を起こしやすく、pH6以上では補酵素の
安定なpHからはずれ、保存期間中に有効反応量の減少
が起こるため望ましくない。緩衝液成分としては、クエ
ン酸−クエン酸ナトリウム、クエン酸−リン酸二ナトリ
ウム、クエン酸−リン酸二カリウム、リン酸、コハク
酸、フタル酸などが挙げられる。緩衝液濃度としては、
20mM〜1Mであることが望ましく、第1試薬の組合
せにおいて反応pHが6.9〜7.7の範囲になるよう
な緩衝液濃度を選択する。
【0009】本発明における試料の測定は、自動分析装
置及び恒温装置を用い、37℃前後の温度で行う。ま
た、試料を測定する際の反応条件として、37℃におけ
るpHが6.9〜7.7であることが好ましい。前記範
囲を越えると反応時の酵素活性は著しく損なわれ、十分
な反応が行えない。このような第1試薬(R1)と第2
試薬(R2)との混合比率としては、R1:R2=1〜
7:1〜3が好ましい。よって範囲内に調製されるよう
に第一試薬および第二試薬の各緩衝液の濃度、種類およ
びpHを選択する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下実施例により本発明をさらに
詳細に述べる。 〔実施例1〕pHを5〜9に調製した0.1MのTri
s−リン酸緩衝液を用いて、3単位/mlになるようム
タロターゼ(Hog Kidney由来、天野製薬社製)を添加し
た。各調製液を25℃で1週間保存した後の酵素活性値
を分光光度計(日立U−3210)で測定した。この結
果を図1に示す。なお図中の横軸は調製液のpHを示
し、縦軸は1週間後の残存活性値を%で示したものであ
る。
【0011】この結果よりムタロターゼはpH7より酸
性側において酵素活性値の著しい低下が認められる。こ
れより、ムタロターゼの保存条件はpH7以上のアルカ
リ側が好ましいと言える。
【0012】〔実施例2〕pHを4〜8に調製した0.
1Mのクエン酸緩衝液を用いて、30単位/mlになる
ようグルコース脱水素酵素(Bacillus sp.由来、天野製
薬社製)を添加した。各調製液を40℃で2週間保存し
た後の酵素活性値を分光光度計(日立U−3210)で
測定した。この結果を図1に示す。なお図中の横軸は調
製液のpHを示し、縦軸は2週間後の残存酵素活性値を
%で示したものである。
【0013】この結果よりグルコース脱水素酵素はpH
7以上のアルカリ側では酵素活性値が低下する傾向が認
められる。これより、グルコース脱水素酵素の保存条件
はpH7以下の弱酸性側が好ましいと言える。
【0014】〔実施例3〕pHを5〜8に調製した0.
1Mのクエン酸緩衝液を用いて、10mg/mlになる
ようβ−NAD(ニコチンアミドアデニシンジヌレオチ
ド酸化型)を添加した。各調製液を40℃で2週間保存
した後のβ NAD量を分光光度計(日立U−321
0)で測定した。この結果を図1に示す。なお図中の横
軸は調製液のpHを示し、縦軸は2週間後の残存量を%
で示したものである。
【0015】この結果より補酵素のβ−NADはpH6
よりアルカリ側において補酵素量の著しい低下が認めら
れる。これより補酵素であるβ−NADの保存条件はp
H6以下の酸性側が好ましいと言える。
【0016】〔実施例4〕反応pHの至適範囲の検討を
おこなった。pHを6.8、6.9、7.1、7.7、
7.9に調製した0.1MのTris−HCL緩衝液を
用いて、2単位/mlのムタロターゼ(Hog Kidney由
来、天野製薬社製)、10単位/mlのグルコース脱水
素酵素(Bacillus sp.由来、天野製薬社製)、5g/m
lのβ−NAD(ニコチンアミドアデニシンジヌレオチ
ド酸化型)を調製した。この試薬成分に0.0005g
/mlの防腐剤、0.001g/mlの非イオン界面活
性剤を添加して測定試薬とした。測定試料としてグルコ
ース1200mg/dlを含む溶液を生理食塩水を用い
て5段階に稀釈したものを用意し、これと前記試薬を3
7℃で10分間反応させ、340nmにおける吸光度を
測定した。この結果を図2に示す。なお、図中の横軸は
試料の稀釈倍率を示し、縦軸は反応後の吸光度(Abs) を
示す。
【0017】実施例4より反応時のpHが6.9〜7.
7の範囲においては比較的安定な感度で測定が行えてい
る。この傾向は血清中のグルコース濃度が高くなるにつ
れ、顕著に現れてくることがわかる。
【0018】
【発明の効果】本発明のグルコース測定用試薬を用いる
と、液状試薬中の酵素や補酵素の酵素活性は長期間安定
に維持される。そして試料を測定する際の反応pHも至
適範囲に調製されているため、精度の良い測定が行える
ようになる。また、試薬が2薬系の液状試薬であるた
め、定量や溶解などの手間もなく取り扱いが非常に簡便
であり、自動分析装置などにもそのまま利用できるなど
の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグルコース測定用試薬中の各酵素の保
存pHと酵素活性の残量の関係を示す。
【図2】本発明のグルコース測定用試薬の稀釈倍率と反
応時の吸光度の関係を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコース脱水素酵素を利用して試料中
    のグルコースを測定る試薬であって、ムタロターゼを含
    みpHが7〜9の第一試薬と、グルコース脱水素酵素と
    補酵素を含みpHが4〜6の第二試薬とからなるグルコ
    ース測定用試薬。
  2. 【請求項2】 試料を測定する際の反応時のpHが6.
    9〜7.7に設定されてなる請求項1記載のグルコース
    測定用試薬。
JP5611996A 1996-03-13 1996-03-13 グルコース測定用試薬 Pending JPH09248200A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532796A (ja) * 2002-05-16 2005-11-04 エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト 再生不能の酵素−補酵素複合体を有する方法および試薬システム
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