JP2001294930A - 加圧転炉のスロッピング抑制方法、および製鋼方法 - Google Patents
加圧転炉のスロッピング抑制方法、および製鋼方法Info
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- JP2001294930A JP2001294930A JP2000113050A JP2000113050A JP2001294930A JP 2001294930 A JP2001294930 A JP 2001294930A JP 2000113050 A JP2000113050 A JP 2000113050A JP 2000113050 A JP2000113050 A JP 2000113050A JP 2001294930 A JP2001294930 A JP 2001294930A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 スロッピングを抑制し、高い生産性と高い歩
留まりで溶鋼を吹錬することを可能とする方法を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中の全
部又は一部の期間にわたって大気圧よりも高圧に設定し
て溶鉄を吹錬する際に、底吹き攪拌による均一混合時間
τ(s)と、溶鉄の浴深L0(mm)と、上吹きガスにより
溶鉄表面に形成されるキャビティー深さL(mm)との関
係式で表されるパラメータαが400以下になるように
して、スロッピングを抑制しつつ吹錬を行う。
留まりで溶鋼を吹錬することを可能とする方法を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中の全
部又は一部の期間にわたって大気圧よりも高圧に設定し
て溶鉄を吹錬する際に、底吹き攪拌による均一混合時間
τ(s)と、溶鉄の浴深L0(mm)と、上吹きガスにより
溶鉄表面に形成されるキャビティー深さL(mm)との関
係式で表されるパラメータαが400以下になるように
して、スロッピングを抑制しつつ吹錬を行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い生産性と高い
歩留まりで溶鋼を吹錬することを可能とする、スロッピ
ングの抑制方法および転炉製鋼法に関する。
歩留まりで溶鋼を吹錬することを可能とする、スロッピ
ングの抑制方法および転炉製鋼法に関する。
【0002】
【従来の技術】転炉炉内に圧力を付与して精錬すること
は、以下のように公知となっている。特開平2−205
616号公報には、転炉内を0.15(MPa)(特開平2−
205616号公報ではゲージ圧で0.5(kgf/cm2)と
記載されているが、本明細書では絶対圧で記載している
ため絶対圧で単位を「MPa」に換算した)以上に加圧
し、転炉内への溶鉄とスクラップの総装入量W(t/ch)と
転炉鉄皮内容積V(m3)との関係をW>0.8Vとする方
法、及び、0.8V≧W≧0.5Vとし、かつ、炉内への送酸
速度U(Nm3/min/t)をU≧3.7とする方法が開示されて
いる。しかし、特開平2−205616号公報にはスロ
ッピングに関する記載は一切なされていない。
は、以下のように公知となっている。特開平2−205
616号公報には、転炉内を0.15(MPa)(特開平2−
205616号公報ではゲージ圧で0.5(kgf/cm2)と
記載されているが、本明細書では絶対圧で記載している
ため絶対圧で単位を「MPa」に換算した)以上に加圧
し、転炉内への溶鉄とスクラップの総装入量W(t/ch)と
転炉鉄皮内容積V(m3)との関係をW>0.8Vとする方
法、及び、0.8V≧W≧0.5Vとし、かつ、炉内への送酸
速度U(Nm3/min/t)をU≧3.7とする方法が開示されて
いる。しかし、特開平2−205616号公報にはスロ
ッピングに関する記載は一切なされていない。
【0003】また、このような「加圧型転炉」に適用で
きる上吹き吹錬方法として、特開平4−160109号
公報には、ラバールノズルから噴射される酸素ジェット
のマッハ数が、ある関係を満足するようにノズル入り側
圧および転炉内雰囲気圧を調整しつつ、精錬を行う方法
が開示されている。しかし、特開平4−160109号
公報には、スロッピングに関する記載は一切なされてい
ない。
きる上吹き吹錬方法として、特開平4−160109号
公報には、ラバールノズルから噴射される酸素ジェット
のマッハ数が、ある関係を満足するようにノズル入り側
圧および転炉内雰囲気圧を調整しつつ、精錬を行う方法
が開示されている。しかし、特開平4−160109号
公報には、スロッピングに関する記載は一切なされてい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、転炉炉
内に圧力を付与して精錬することは公知であるが、転炉
炉内を加圧して精錬すると、吹錬初期の昇圧期と、吹錬
末期の復圧期に激しいスロッピングが発生じる場合があ
り、安定した加圧吹錬が困難であるという問題があっ
た。本発明は、従来技術のみでは安定した加圧吹錬をな
しえないという問題点を解決し、高い生産性と高い歩留
まりで溶鋼を吹錬することを可能とする方法を提供する
ものである。
内に圧力を付与して精錬することは公知であるが、転炉
炉内を加圧して精錬すると、吹錬初期の昇圧期と、吹錬
末期の復圧期に激しいスロッピングが発生じる場合があ
り、安定した加圧吹錬が困難であるという問題があっ
た。本発明は、従来技術のみでは安定した加圧吹錬をな
しえないという問題点を解決し、高い生産性と高い歩留
まりで溶鋼を吹錬することを可能とする方法を提供する
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は以下の各
方法にある。 (I)加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中の全部又は一部
の期間にわたって大気圧よりも高圧に設定して溶鉄を吹
錬する際に、底吹き攪拌による均一混合時間τ(s)
と、溶鉄の浴深L0(mm)と、上吹きガスにより溶鉄表
面に形成されるキャビティー深さL(mm)とで表される
下記式(1)のパラメータαを400以下とすることを
特徴とする加圧転炉のスロッピング抑制方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1) (II)送酸開始後の昇圧時に、上吹き送酸速度F(Nm3/
Hr/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)が1000〜
3000の範囲となるように、炉内圧力Peの上昇に伴い上
吹き送酸速度Fを増大させつつ、前記均一混合時間τ
(s)と前記キャビティー深さL(mm)を制御すること
を特徴とする、前記(I)に記載の加圧転炉のスロッピ
ング抑制方法。 (III)吹錬末期の復圧時に、上吹き送酸速度F(Nm3/H
r/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)が1000〜3
000の範囲となるように、炉内圧力の低下に伴い上吹き
送酸速度を低下させつつ、前記均一混合時間τ(s)と
前記キャビティー深さL(mm)を制御することを特徴と
する、前記(I)に記載の加圧転炉のスロッピング抑制
方法。 (IV)上底吹き式の加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中
の全部又は一部の期間にわたって大気圧よりも高圧に設
定して溶鉄を吹錬する製鋼方法であって、底吹き攪拌に
よる均一混合時間τ(s)と、溶鉄の浴深L0(mm)と、
上吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティー深
さL(mm)とで表される下記式(1)のパラメータαを
400以下に調整して吹錬することを特徴とする、加圧
転炉を用いる製鋼方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1)
方法にある。 (I)加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中の全部又は一部
の期間にわたって大気圧よりも高圧に設定して溶鉄を吹
錬する際に、底吹き攪拌による均一混合時間τ(s)
と、溶鉄の浴深L0(mm)と、上吹きガスにより溶鉄表
面に形成されるキャビティー深さL(mm)とで表される
下記式(1)のパラメータαを400以下とすることを
特徴とする加圧転炉のスロッピング抑制方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1) (II)送酸開始後の昇圧時に、上吹き送酸速度F(Nm3/
Hr/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)が1000〜
3000の範囲となるように、炉内圧力Peの上昇に伴い上
吹き送酸速度Fを増大させつつ、前記均一混合時間τ
(s)と前記キャビティー深さL(mm)を制御すること
を特徴とする、前記(I)に記載の加圧転炉のスロッピ
ング抑制方法。 (III)吹錬末期の復圧時に、上吹き送酸速度F(Nm3/H
r/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)が1000〜3
000の範囲となるように、炉内圧力の低下に伴い上吹き
送酸速度を低下させつつ、前記均一混合時間τ(s)と
前記キャビティー深さL(mm)を制御することを特徴と
する、前記(I)に記載の加圧転炉のスロッピング抑制
方法。 (IV)上底吹き式の加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中
の全部又は一部の期間にわたって大気圧よりも高圧に設
定して溶鉄を吹錬する製鋼方法であって、底吹き攪拌に
よる均一混合時間τ(s)と、溶鉄の浴深L0(mm)と、
上吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティー深
さL(mm)とで表される下記式(1)のパラメータαを
400以下に調整して吹錬することを特徴とする、加圧
転炉を用いる製鋼方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1)
【0006】
【発明の実施の形態】通常、加圧転炉の操業は、まず大
気圧で上吹きランスを降下し着火を確認後、炉口締結装
置を降下し転炉炉口に着地させた上で締結し、発生する
COガスにより炉内圧を徐々に加圧しつつ、送酸速度を
上昇させて行く昇圧期と、引き続き、一定の炉内圧と送
酸速度で脱炭する定常期、徐々に炉内圧を開放しつつ、
送酸速度を低下させて行く復圧期の3つの期間から成り
立つ。本発明者らは3トン規模の加圧転炉を用いた実験
の結果、吹錬初期の昇圧期と、吹錬末期の復圧期に激し
いスロッピングが発生することを経験した。本発明者ら
は、このスロッピングの原因を検討した結果、以下の
1)、2)に示すような原因によるものと考えた。
気圧で上吹きランスを降下し着火を確認後、炉口締結装
置を降下し転炉炉口に着地させた上で締結し、発生する
COガスにより炉内圧を徐々に加圧しつつ、送酸速度を
上昇させて行く昇圧期と、引き続き、一定の炉内圧と送
酸速度で脱炭する定常期、徐々に炉内圧を開放しつつ、
送酸速度を低下させて行く復圧期の3つの期間から成り
立つ。本発明者らは3トン規模の加圧転炉を用いた実験
の結果、吹錬初期の昇圧期と、吹錬末期の復圧期に激し
いスロッピングが発生することを経験した。本発明者ら
は、このスロッピングの原因を検討した結果、以下の
1)、2)に示すような原因によるものと考えた。
【0007】1)昇圧期のスロッピングは、吹錬開始時
の低温状態で生成したFeOが、昇温されるに従い溶鉄
中の炭素で還元されて急激なCOガスを発生させること
が原因であり、FeOの生成は、炉内圧、攪拌力とキャ
ビティー深さに支配される。
の低温状態で生成したFeOが、昇温されるに従い溶鉄
中の炭素で還元されて急激なCOガスを発生させること
が原因であり、FeOの生成は、炉内圧、攪拌力とキャ
ビティー深さに支配される。
【0008】2)復圧期のスロッピングは、復圧に伴い
CO分圧が低下するため、それまでに生成していたFe
Oが還元されて急激なCOガスを発生させることが原因
であり、この場合にも、FeOの生成は、炉内圧、攪拌
力とキャビティー深さに支配される。
CO分圧が低下するため、それまでに生成していたFe
Oが還元されて急激なCOガスを発生させることが原因
であり、この場合にも、FeOの生成は、炉内圧、攪拌
力とキャビティー深さに支配される。
【0009】いずれの場合においても、FeOの生成を
制御することが重要であり、炉内圧、攪拌力とキャビテ
ィー深さを適正に制御する必要がある。ここで特に重要
な点は送酸速度は直接的にはスロッピングを引き起こす
FeOの生成には寄与しない点である。
制御することが重要であり、炉内圧、攪拌力とキャビテ
ィー深さを適正に制御する必要がある。ここで特に重要
な点は送酸速度は直接的にはスロッピングを引き起こす
FeOの生成には寄与しない点である。
【0010】請求項1に記載の発明は、このFeOの生
成を回避する条件を規定したものであり、(1)式で示
されるαを400以下とすることにある。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1) ここで、底吹き攪拌による均一混合時間τ(s)は以下
の各式で計算される値である。 τ=(10/60)×{((D/10)2/(L0/10))2×ε}0.337 ・・・・ (2)
成を回避する条件を規定したものであり、(1)式で示
されるαを400以下とすることにある。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1) ここで、底吹き攪拌による均一混合時間τ(s)は以下
の各式で計算される値である。 τ=(10/60)×{((D/10)2/(L0/10))2×ε}0.337 ・・・・ (2)
【0011】
【数1】
【0012】ここで、Dは浴直径(mm)、L0は浴深さ
(mm)、Qは攪拌ガス流量(Nm3/sec/t)、Tは溶銑温
度(K)、ρは溶鉄の密度( g/cm3 )、Hは攪拌ガス吹
き込み深さでありL0と同一である。また、Peは炉内
雰囲気圧(MPa)である。ただし、Qは酸素ガスの場合
には脱炭反応を考慮して供給ガス流量の2倍とし、LP
Gの場合は分解を考慮して供給ガス流量の4倍とした。
(mm)、Qは攪拌ガス流量(Nm3/sec/t)、Tは溶銑温
度(K)、ρは溶鉄の密度( g/cm3 )、Hは攪拌ガス吹
き込み深さでありL0と同一である。また、Peは炉内
雰囲気圧(MPa)である。ただし、Qは酸素ガスの場合
には脱炭反応を考慮して供給ガス流量の2倍とし、LP
Gの場合は分解を考慮して供給ガス流量の4倍とした。
【0013】また、L(mm)は次式で計算する。 L3+2x・L2+x2・L−(Hc2・10Pe)/(2.56×10-4) =0 ・・・(4) ここで、 Hc = f{(Po/Pe)/(Pop/Pep)}・Hcp ・・・(5) Po=F/(0.456・n・dt2)/10 ・・・(6)
【0014】
【数2】
【0015】 Hcp= Mp・(4.2+1.1Mp2)・dt ・・・(8) de/dt=[(1/Mp)・{(1+0.2Mp2)/1.2}3 ]1/2 ・・・(9) Pop/Pep={(Mp2/5)+1}7/2 ・・・(10) ここで、上記式中、 Hc:ジェットコア長さ(mm) x:ランス−溶鋼湯面間距離(mm) Po:ノズル入り側圧(MPa) Pe:炉内雰囲気圧(MPa) Pop/Pep:適正膨張時のノズル入り側圧と炉内雰囲気
圧の比(-) Hcp:適正膨張時のジェットコア長さ(mm) Mp:適正膨張時のマッハ数(-) dt:ノズルスロート径(mm) de:ノズル出口径(mm) n:ノズル孔数(-) F:送酸速度(Nm3/hr) である。
圧の比(-) Hcp:適正膨張時のジェットコア長さ(mm) Mp:適正膨張時のマッハ数(-) dt:ノズルスロート径(mm) de:ノズル出口径(mm) n:ノズル孔数(-) F:送酸速度(Nm3/hr) である。
【0016】即ち、指標Lはノズル設計条件(ノズルス
ロート径(mm),ノズル出口径(mm),ノズル孔数(-))、
炉内雰囲気圧(MPa)、送酸速度(Nm3/hr)、ランス−溶鋼
湯面間距離(mm)により、一義的に決まる値である。
ロート径(mm),ノズル出口径(mm),ノズル孔数(-))、
炉内雰囲気圧(MPa)、送酸速度(Nm3/hr)、ランス−溶鋼
湯面間距離(mm)により、一義的に決まる値である。
【0017】αが400よりも大きい場合にはFeOの
生成が抑制できずに、図1に示すように激しいスロッピ
ングを引き起こす確率が急激に高まる。したがって、α
は400以下になるようにする。また、スロッピングの
発生を抑制するためには、より好ましくはαは300以
下である。αの下限は、スロッピング抑制という観点か
らは特に規定しないものの、50よりも小さい場合には、
攪拌力が必要以上に大きく、ランスが必要以上に湯面に
近いため、ランス溶損が起こりやすくなる。
生成が抑制できずに、図1に示すように激しいスロッピ
ングを引き起こす確率が急激に高まる。したがって、α
は400以下になるようにする。また、スロッピングの
発生を抑制するためには、より好ましくはαは300以
下である。αの下限は、スロッピング抑制という観点か
らは特に規定しないものの、50よりも小さい場合には、
攪拌力が必要以上に大きく、ランスが必要以上に湯面に
近いため、ランス溶損が起こりやすくなる。
【0018】また、「大気圧よりも高圧」の上限は設備
改造費を抑制するため0.5(MPa)とすることが望まし
い。下限は生産性向上効果やダスト低減効果を得るた
め、0.15(MPa)とすることが望ましい。
改造費を抑制するため0.5(MPa)とすることが望まし
い。下限は生産性向上効果やダスト低減効果を得るた
め、0.15(MPa)とすることが望ましい。
【0019】請求項2に記載された発明は、昇圧時の制
御方法について規定したものである。つまり、送酸開始
後の昇圧時に、上吹き送酸速度Fと炉内圧力Peとの比
(F/Pe)を1000〜3000の範囲とした上で、炉内圧力の
増加に伴い上吹き送酸速度を増大させ、また、送酸速度
の増加に伴いランス高さを制御して、均一混合時間τ
と、上吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティ
ー深さLを制御して、αが400以下になるように調整
する方法である。ここで、(F/Pe)が1000よりも小さ
い場合には、送酸速度の上昇速度が小さすぎるため生産
性が低下し、3000よりも大きい場合には、送酸速度の上
昇速度が大きすぎるためダストやスプラッシュが増加す
る。また、ランス高さとは、ランス先端と溶鋼湯面間の
距離である。ここで昇圧期とは、炉内雰囲気圧を大気圧
から設定圧に向けて変化させはじめた時を開始点とし、
炉内雰囲気圧が設定圧に到達し、変化させる操作を終了
した時点を終点とする。
御方法について規定したものである。つまり、送酸開始
後の昇圧時に、上吹き送酸速度Fと炉内圧力Peとの比
(F/Pe)を1000〜3000の範囲とした上で、炉内圧力の
増加に伴い上吹き送酸速度を増大させ、また、送酸速度
の増加に伴いランス高さを制御して、均一混合時間τ
と、上吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティ
ー深さLを制御して、αが400以下になるように調整
する方法である。ここで、(F/Pe)が1000よりも小さ
い場合には、送酸速度の上昇速度が小さすぎるため生産
性が低下し、3000よりも大きい場合には、送酸速度の上
昇速度が大きすぎるためダストやスプラッシュが増加す
る。また、ランス高さとは、ランス先端と溶鋼湯面間の
距離である。ここで昇圧期とは、炉内雰囲気圧を大気圧
から設定圧に向けて変化させはじめた時を開始点とし、
炉内雰囲気圧が設定圧に到達し、変化させる操作を終了
した時点を終点とする。
【0020】請求項3に記載された発明は、吹錬末期の
復圧時の制御方法について規定したものである。つま
り、上吹き送酸速度(F)と炉内圧力(Pe)との比(F/P
e)を1000〜3000の範囲とした上で、炉内圧力の低下に伴
い上吹き送酸速度を低下させつつ、また、送酸速度の低
下に伴いランス高さを制御して、均一混合時間τと、上
吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティー深さ
Lを制御して、αが400以下になるように調整する方
法である。ここで、(F/Pe)が1000よりも小さい場合
には、送酸速度の低下速度が大きすぎるためダストやス
プラッシュが増加し、3000よりも大きい場合には、送酸
速度の低下速度が小さすぎるため生産性が低下する。こ
こで復圧期とは、炉内雰囲気圧を大気圧よりも高圧の設
定圧から変化させ始める時を開始点とし、炉内雰囲気圧
が大気圧に到達し、変化させる操作を終了した時点を終
点とする。
復圧時の制御方法について規定したものである。つま
り、上吹き送酸速度(F)と炉内圧力(Pe)との比(F/P
e)を1000〜3000の範囲とした上で、炉内圧力の低下に伴
い上吹き送酸速度を低下させつつ、また、送酸速度の低
下に伴いランス高さを制御して、均一混合時間τと、上
吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキャビティー深さ
Lを制御して、αが400以下になるように調整する方
法である。ここで、(F/Pe)が1000よりも小さい場合
には、送酸速度の低下速度が大きすぎるためダストやス
プラッシュが増加し、3000よりも大きい場合には、送酸
速度の低下速度が小さすぎるため生産性が低下する。こ
こで復圧期とは、炉内雰囲気圧を大気圧よりも高圧の設
定圧から変化させ始める時を開始点とし、炉内雰囲気圧
が大気圧に到達し、変化させる操作を終了した時点を終
点とする。
【0021】以上説明した本発明のスロッピング抑制方
法を適用することにより、スロッピングの発生を抑制し
つつ、製鋼を行うことができる。すなわち、上記本発明
のスロッピング抑制方法を適用した加圧転炉での製鋼方
法が提供される。本発明の製鋼方法は、上記のようにし
てスロッピングが抑制されるので、歩留まりが高く生産
性の高い製鋼方法である。
法を適用することにより、スロッピングの発生を抑制し
つつ、製鋼を行うことができる。すなわち、上記本発明
のスロッピング抑制方法を適用した加圧転炉での製鋼方
法が提供される。本発明の製鋼方法は、上記のようにし
てスロッピングが抑制されるので、歩留まりが高く生産
性の高い製鋼方法である。
【0022】
【実施例】実施例は3トン規模の上底吹き転炉を用いて
実施した。
実施した。
【0023】上吹きランスはスロート径7.6 mmφ、出口
径11.3 mmφの4孔のラバールノズルを用い、最大炉内雰
囲気圧を2kgf/cm2、酸素供給速度は脱炭最盛期で400 Nm
3/Hr/tとした。底吹きはArガスを8〜16 Nm3/Hr供給し
た。以下の組成で約1350℃の溶銑を装入した後、上
吹きランスより吹酸し脱炭した。試験は30 ch行った。 <溶銑の組成> C :4.0〜4.3% Si:0.07〜0.15% Mn:0.12〜0.16% P :0.015〜0.025% S :0.005〜0.010% 図2に炉内雰囲気圧を最大0.2 MPaとした時の操業パタ
ーンの例を示す。この試験では、湯面からのランス高さ
470 mmにて送酸速度600 Nm3/Hrで吹酸を開始した。この
時の底吹き流量は8 Nm3/Hrで、τ/(L/L0) 、すなわ
ちαは119、F/Pe は1940であった。着火を確認後、
排ガス回収装置(OG)のフードを降下し、炉口と締結して
炉内加圧を開始した。炉内雰囲気を0.2 MPaに昇圧後の
送酸速度は1200 Nm3/Hr、ランス高さは700 mm、底吹き
流量は16 Nm3/Hrで、この昇圧中、τ/(L/L0) を119
〜107、F/Peを1940一定に保持するよう、ランス高さ
と送酸速度及び底吹き流量を制御した。2kgf/cm2に昇
圧後、炭素濃度が約1.0 %に減少するまで、送酸速度、
ランス高さ及び底吹き流量を一定に保った。
径11.3 mmφの4孔のラバールノズルを用い、最大炉内雰
囲気圧を2kgf/cm2、酸素供給速度は脱炭最盛期で400 Nm
3/Hr/tとした。底吹きはArガスを8〜16 Nm3/Hr供給し
た。以下の組成で約1350℃の溶銑を装入した後、上
吹きランスより吹酸し脱炭した。試験は30 ch行った。 <溶銑の組成> C :4.0〜4.3% Si:0.07〜0.15% Mn:0.12〜0.16% P :0.015〜0.025% S :0.005〜0.010% 図2に炉内雰囲気圧を最大0.2 MPaとした時の操業パタ
ーンの例を示す。この試験では、湯面からのランス高さ
470 mmにて送酸速度600 Nm3/Hrで吹酸を開始した。この
時の底吹き流量は8 Nm3/Hrで、τ/(L/L0) 、すなわ
ちαは119、F/Pe は1940であった。着火を確認後、
排ガス回収装置(OG)のフードを降下し、炉口と締結して
炉内加圧を開始した。炉内雰囲気を0.2 MPaに昇圧後の
送酸速度は1200 Nm3/Hr、ランス高さは700 mm、底吹き
流量は16 Nm3/Hrで、この昇圧中、τ/(L/L0) を119
〜107、F/Peを1940一定に保持するよう、ランス高さ
と送酸速度及び底吹き流量を制御した。2kgf/cm2に昇
圧後、炭素濃度が約1.0 %に減少するまで、送酸速度、
ランス高さ及び底吹き流量を一定に保った。
【0024】炭素濃度が約1.0 %に減少した時点で、送
酸速度を960 Nm3/Hr、ランス高さを550 mmに下げ、その
後さらに炭素濃度が0.6 %まで低下した時点で復圧を開
始した。復圧後の送酸速度は480 Nm3/Hr、ランス高さは
350 mm、底吹き流量は8 Nm3/Hrであった。この復圧中
も、τ/(L/L0)を112〜120、F/Peを1550一定に保
持するよう、ランス高さと送酸速度及び底吹き流量を制
御した。
酸速度を960 Nm3/Hr、ランス高さを550 mmに下げ、その
後さらに炭素濃度が0.6 %まで低下した時点で復圧を開
始した。復圧後の送酸速度は480 Nm3/Hr、ランス高さは
350 mm、底吹き流量は8 Nm3/Hrであった。この復圧中
も、τ/(L/L0)を112〜120、F/Peを1550一定に保
持するよう、ランス高さと送酸速度及び底吹き流量を制
御した。
【0025】このような操業を行った結果、30 ch全て
の試験で、スロッピングを生じることなく吹錬が出来
た。
の試験で、スロッピングを生じることなく吹錬が出来
た。
【0026】
【発明の効果】本発明によりスロッピングの発生を抑制
して、高い生産性と高い歩留まりで溶鋼を吹錬すること
が可能となった。
して、高い生産性と高い歩留まりで溶鋼を吹錬すること
が可能となった。
【図1】αを変更したときの、試験回数に対するスロッ
ピングした回数の割合を示す図。
ピングした回数の割合を示す図。
【図2】τ/(L/L0)、F/Peを一定に保った操業
の例を示す図。
の例を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 信也 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 Fターム(参考) 4K002 AC07 AC10 AD02 AE03
Claims (4)
- 【請求項1】 加圧転炉内の炉内圧力Peを吹錬中の全
部又は一部の期間にわたって大気圧よりも高圧に設定し
て溶鉄を吹錬する際に、底吹き攪拌による均一混合時間
τ(s)と、溶鉄の浴深L0(mm)と、上吹きガスにより
溶鉄表面に形成されるキャビティー深さL(mm)とで表
される下記式(1)のパラメータαを400以下とする
ことを特徴とする加圧転炉のスロッピング抑制方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1) - 【請求項2】 送酸開始後の昇圧時に、上吹き送酸速度
F(Nm3/Hr/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)
が1000〜3000の範囲となるように、炉内圧力Peの上昇
に伴い上吹き送酸速度Fを増大させつつ、前記均一混合
時間τ(s)と前記キャビティー深さL(mm)を制御す
ることを特徴とする、請求項1に記載の加圧転炉のスロ
ッピング抑制方法。 - 【請求項3】 吹錬末期の復圧時に、上吹き送酸速度F
(Nm3/Hr/t)と炉内圧力Pe(Pa)との比(F/Pe)が
1000〜3000の範囲となるように、炉内圧力の低下に伴い
上吹き送酸速度を低下させつつ、前記均一混合時間τ
(s)と前記キャビティー深さL(mm)を制御すること
を特徴とする、請求項1に記載の加圧転炉のスロッピン
グ抑制方法。 - 【請求項4】 上底吹き式の加圧転炉内の炉内圧力Pe
を吹錬中の全部又は一部の期間にわたって大気圧よりも
高圧に設定して溶鉄を吹錬する製鋼方法であって、底吹
き攪拌による均一混合時間τ(s)と、溶鉄の浴深L
0(mm)と、上吹きガスにより溶鉄表面に形成されるキ
ャビティー深さL(mm)とで表される下記式(1)のパ
ラメータαを400以下に調整して吹錬することを特徴
とする、加圧転炉を用いる製鋼方法。 α=τ/(L/L0) ・・・・ (1)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000113050A JP2001294930A (ja) | 2000-04-14 | 2000-04-14 | 加圧転炉のスロッピング抑制方法、および製鋼方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000113050A JP2001294930A (ja) | 2000-04-14 | 2000-04-14 | 加圧転炉のスロッピング抑制方法、および製鋼方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001294930A true JP2001294930A (ja) | 2001-10-26 |
Family
ID=18625093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000113050A Withdrawn JP2001294930A (ja) | 2000-04-14 | 2000-04-14 | 加圧転炉のスロッピング抑制方法、および製鋼方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001294930A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013091847A (ja) * | 2011-10-04 | 2013-05-16 | Jfe Steel Corp | 転炉吹錬方法 |
CN116356101A (zh) * | 2023-04-28 | 2023-06-30 | 福建三宝钢铁有限公司 | 一种高供氧强度冶炼工艺 |
-
2000
- 2000-04-14 JP JP2000113050A patent/JP2001294930A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013091847A (ja) * | 2011-10-04 | 2013-05-16 | Jfe Steel Corp | 転炉吹錬方法 |
CN116356101A (zh) * | 2023-04-28 | 2023-06-30 | 福建三宝钢铁有限公司 | 一种高供氧强度冶炼工艺 |
CN116356101B (zh) * | 2023-04-28 | 2024-03-22 | 福建三宝钢铁有限公司 | 一种高供氧强度冶炼工艺 |
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