JP2001293979A - 情報通信体の製造方法 - Google Patents

情報通信体の製造方法

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JP2001293979A
JP2001293979A JP2000147072A JP2000147072A JP2001293979A JP 2001293979 A JP2001293979 A JP 2001293979A JP 2000147072 A JP2000147072 A JP 2000147072A JP 2000147072 A JP2000147072 A JP 2000147072A JP 2001293979 A JP2001293979 A JP 2001293979A
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adhesion
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JP2000147072A
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Yoshikazu Kimura
義和 木村
Masahito Tsuchiya
雅人 土屋
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Original Assignee
Arkray Inc
Kyoto Daiichi Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着する
疑似接着皮膜を形成したした情報通信体の製造方法にお
いて、疑似接着用フィルムを使用した場合に生じる位置
ずれの心配を払拭し、美術印刷においても高品質の仕上
がりを可能にすると共に、オフセット印刷やグラビヤ印
刷等のカット用紙を使用した印刷方法に対応し、短時間
で大量の情報通信体を低コストで製造可能にする製造方
法を提供する。 【構成】 上質紙又は塗工紙からなるシートSに印刷さ
れた情報通信体用素材tの疑似接着予定面に、疑似接着
媒体Gにより疑似接着皮膜2を前計量系のコーティング
方式により形成する。その後、裁断、折り、加圧又は加
圧・加熱による疑似接着工程を経て情報通信体が完成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はDMをはじめ葉書、往復
葉書、封書等に利用可能な情報通信体の製造方法に関す
る。詳しくは見掛けは通常のDM、葉書、往復葉書、封
書であるにもかかわらず、多層に貼り合わされたり折り
畳まれたシートが剥離可能、剥離後再接着不能に積層さ
れているため、多量の情報の隠蔽が可能な情報通信体の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、葉書等の郵便物において、複数の
情報が記載された葉片を貼り合わせたり折り畳んで多量
の情報を郵送可能にした情報通信体が多用されている。
そのような情報通信体として、例えば特開平3−162
996号の「密書葉書及び密書葉書付き往復葉書」があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−16299
6号記載の密書葉書は、剥離可能、剥離後再接着不能に
密着(以下疑似接着という)された2層の透明フィルム
の両外側に感熱接着剤層を設けた4層構成の積層シート
(以下疑似接着用フィルムという)を、折り畳まれた葉
書用紙材の対向紙片間に挿入し、感熱接着法により各紙
片を剥離可能に一体化するものである。ところで前記密
書葉書を製造するにあたり疑似接着用フィルムは、加圧
・加熱されるまで接着性を示さないためスライドでき、
位置合わせ等の作業が容易で便利である。しかしその反
面接着性がないため製造工程の上流工程で疑似接着用フ
ィルムの位置決めをしておいても、続く各下流の工程へ
の移動や機械の振動により位置ずれを生じやすく、当初
予定した位置に全工程を完了するまで留まらせることは
極めて困難である。
【0004】疑似接着用フィルムがずれたまま製造され
た密書葉書は、例えば予定位置より折り線側にずれて入
り込んだ場合、図9Aに示すよう疑似接着用フィルムF
の側端が密書葉書の背の部分で折れ曲がり反転してしま
うため、平面展開不良(完全に平面に展開できず、折り
線側に反転した疑似接着用フィルムF同士が接着するた
め、あたかも製本の平とじの様な状態になってしまう)
を起こす。また逆に密書葉書の開封縁辺側から疑似接着
用フィルムFが飛び出すと、通常は開封側端に形成され
る未接着部分の用紙縁辺を指で掴み両側に剥離開封する
が、図9Bに示すよう飛び出した疑似接着用フィルムF
が用紙縁辺の未接着部分をなくしてしまい、その結果用
紙縁辺を掴むことができず開封不能になってしまう。
【0005】また、前記疑似接着用フィルムは、疑似接
着部分を2種類の異なる材質からなるフィルムの溶融押
出しで製造するため、大がかりな装置で複雑な製造工程
を必須条件としている。そのため製造コストがアップす
ると共に剥離展開した場合に隣り合う2葉片表面のラミ
ネート材質が異なり、連続性を必要とする美術印刷にお
いて違和感を生じさせる原因になる。さらに前記密書葉
書は、長尺状の連続フォーム印刷に対応したものであ
り、平判シートを使用するオフセット印刷やグラビア印
刷等に適用することは極めて困難である。この発明は、
低コストで剥離展開や開封が不能になることがなく、美
術印刷においても高品質の仕上がりを可能にし、さらに
美術印刷に適したオフセット等のカット紙に対応すると
共に短時間で大量の情報通信体を製造可能にするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の情報通信体の製造方法は、複数の葉片を折
り畳み対向する任意の葉片同士を剥離可能、剥離後再接
着不能に疑似接着した情報通信体の製造方法において、
塗工紙からなる台紙に印刷された情報通信体用素材の疑
似接着予定面に疑似接着媒体を前計量系のコーター方式
で塗布する工程、塗布した疑似接着媒体を乾燥・固化し
疑似接着皮膜を形成する工程、シートを裁断し個別の情
報通信体用素材に仕上げる工程、情報通信体用素材の疑
似接着予定面を対向させて折り畳む工程及び折り畳まれ
た情報通信体用素材の疑似接着予定面を加圧又は加圧・
加熱により剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着する
工程よりなることを特徴としている。さらに上記目的を
達成するために、本発明の情報通信体の製造方法は、複
数の葉片を折り畳み対向する任意の葉片同士を剥離可
能、剥離後再接着不能に疑似接着した情報通信体の製造
方法において、塗工紙からなる台紙に印刷された情報通
信体用素材の疑似接着予定面に疑似接着媒体を前計量系
のコーティング方式で塗布する工程、塗布した疑似接着
媒体を乾燥・固化し疑似接着皮膜を形成する工程、乾燥
した情報通信体用素材の疑似接着予定面を対向させて折
り畳む工程、折り畳まれた連続シートを裁断し個別の情
報通信体用素材に仕上げる工程及び個別に裁断された情
報通信体用素材の疑似接着予定面を加圧又は加圧・加熱
により剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着する工程
よりなることを特徴としている。なお疑似接着媒体に
は、オーバープリントワニスやメジウム等を応用したも
のが適用でき、その中でもUV系や溶剤系の透明インク
やつや出しニス等に各種添加剤を加えたものを使用でき
る。また、疑似接着媒体として通常ではそれほど接着性
を感じさせない程度の弱背接着性の接着剤や、弱粘着性
の粘着剤等も使用できる。また、本発明において乾燥・
固化による疑似接着皮膜形成以下の下流の工程、すなわ
ち裁断、折り及び疑似接着工程は入れ替え可能である。
更に各工程は連続したラインであっても、別々なライン
であっても構わない。
【0007】本発明では前記引例の密書葉書とは異な
り、折り畳まれた情報通信体用素材の、任意の対向面
(疑似接着予定面)は、予め疑似接着媒体で皮膜が形成
されており、後の疑似接着工程で疑似接着が実行され
る。すなわち、本発明の疑似接着は、前記引例の密書葉
書に使用される一時接着積層シートの如く予め異なる2
種類のフィルムを溶融押出しにより製造したものを使用
するのではなく、情報通信体の製造工程中で疑似接着媒
体を疑似接着予定面に塗布し疑似接着皮膜を形成し、そ
の後折り合わせて加圧又は加圧・加熱により対向する疑
似接着予定面同士を疑似接着するもので、前記密書葉書
とは技術思想を根本的に異にするものである。
【0008】なお、情報通信体の折り形態(蛇腹折り、
巻き折り及びそれらの複合折り)や、対向面同士を疑似
接着するか或いは剥離不能に完全接着するか、若しくは
何もせずフリーな状態にしておくかの選択は、DM等に
おいては宣伝効果や経済性を考慮し決定すればよい。例
えば郵便葉書等においては、2つ折りの場合必然的に対
向面は1個所となり、また3葉片からなるシートをZ折
りする場合は2個所の対向面が生じる。その際2個所の
対向面の両者ともを疑似接着媒体で疑似接着しても、或
いは1個所のみを疑似接着して残る1個所を剥離不能に
完全接着してもよく、さらに1個所のみを疑似接着して
残る1個所をフリーのままで返信葉書とし、全体で見開
き2頁の往復葉書としてもよい。
【0009】本発明に使用する疑似接着媒体として、紫
外線硬化型の疑似接着媒体が好適に使用できる。その場
合の構成材料として、例えばオリゴマーとしてエポキシ
アクリレート、二官能性モノマーとして1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート(HDDA)、三官能性モノ
マーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン及び2,2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン、滑剤として各種ワックス
類、光重合促進剤としてジエタノールアミン、添加剤と
して各種粘着付与剤や樹脂類が挙げられる。
【0010】また、本発明に使用する疑似接着媒体とし
て、溶剤系の疑似接着媒体が好適に使用できる。そのよ
うなものとして例えば低重合度の塩化ビニル・酢酸ビニ
ル共重合樹脂を使用した塩酢ビ系、低重合度のアクリル
酸エステル・スチレン共重合樹脂を主成分としたアクリ
ル系、ニトロセルロースと他の樹脂を併用したニトロセ
ルロース系及び塩化ゴム、ポリアミド樹脂、マレイン酸
樹脂を成分としたもの等が挙げられる。
【0011】なおこの他にも酸化重合乾燥系、水性系及
び熱硬化系の疑似接着媒体も効果的に使用できるが、こ
れら疑似接着媒体には、各種樹脂類を初めブロッキング
防止剤やカップリング剤の他に粘着付与剤、充填剤、滑
剤、酸化防止剤、各種ワックス等の添加剤が添加されて
いても構わない。
【0012】さらに本発明では、疑似接着媒体として弱
接着性の接着剤や弱粘着性の粘着剤を好適に使用するこ
とができる。この場合表面にあまり接着性や粘着性がな
くても、加熱・加圧又は強圧による加圧で通常の接着力
を強制的に引き出して疑似接着したり、表面が完全乾燥
する手前で接着性が若干落ちた時期に疑似接着したりす
ることができる。
【0013】前記各種の疑似接着媒体は、ナチュラルロ
ールコーター、リバースロールコーターやグラビアコー
ター等の前計量系のコーティング方式で、上質紙又はア
ート紙、コート紙、マット紙やマットコート紙等の塗工
紙や微塗工紙に大凡0.1〜0.5μm前後の厚さの皮
膜として形成される。前計量系のコーティング方式は、
図8Aに示すよう印刷用紙の表面に沿って輪郭を描き均
一の厚みで疑似接着媒体を塗布することができる。因み
に、前計量系以外の塗工の場合、図8Bのように表面は
平滑でも疑似接着媒体の厚みにばらつきが生じてしま
う。さらにアート紙、コート紙、マット紙やマットコー
ト紙等表面が比較的平滑な用紙を選択すれば、前記前計
量系のコーティング方式と相まって最高の極めて平滑で
均一な疑似接着媒体の皮膜を形成することが可能にな
る。このようにして形成された疑似接着皮膜は、その印
刷用紙表面の輪郭に沿った平滑さと厚みの均一性のた
め、対向させ密着させると印刷用紙間に均一な厚みの皮
膜が介在することになり、印刷用紙同士を剥離する際に
最後まで均一で安定した剥離力を得ることができる。逆
にこのような平滑さと均一性のない疑似接着皮膜の場
合、疑似接着皮膜の厚みにより接着力にばらつきが生じ
る。そのため剥離力にもばらつきが生じ、それが強い部
分で用紙自体が破断され、剥離中に破れてしまい展開す
ることができなくなってしまうのである。
【0014】
【作用】本発明は情報通信体を製造するにあたり、疑似
接着媒体を情報通信体の疑似接着予定面に塗布するだけ
で、疑似接着用フィルムを挟み込む場合のような位置ず
れの心配が払拭され、続く下流の作業工程を容易に行う
ことが可能である。また、本来美術印刷に適したオフセ
ット印刷やグラビア印刷等に対応することが可能で、さ
らに情報通信体を剥離展開した時の情報表示面に違和感
がなく、溶融押出しのような大がかりな装置を必要とし
ないため製造コストも安価で済むと共に、短時間で大量
の情報通信体の製造が素人でも可能になる。さらに本発
明の製造方法によれば、疑似接着媒体の皮膜が印刷用紙
の表面に沿って極めて均一に形成されるため、情報通信
体の剥離展開に際して途中で紙材破壊を起こすことな
く、最後まで均一な剥離力で剥離展開することが可能に
な高品質の情報通信体を提供することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を葉書に適用した場合の実施例
を説明する。図1は、本発明に使用する情報通信体用素
材tが印刷されたシートSで、Aはオフセットやグラビ
ア印刷等の平判シートの表面図を、Bは裏面図をそれぞ
れ表す。図2は疑似接着媒体Gにより疑似接着皮膜2が
形成されたシートSの断面図を表す。図3Aはビジネス
フォームや輪転印刷等の長尺状の連続シートSにおける
表面図を、Bは裏面図をそれぞれ表す。図4aは単品に
仕上がった情報通信体用素材tの断面図を、bはaの情
報通信体用素材tから仕上がった情報通信体Xの断面図
をそれぞれ表す。図5A、Bは本発明における他の実施
例の情報通信体用素材tと情報通信体Xのそれぞれの断
面図を表す。図6A、Bは情報通信体Xの開封口の例を
分かりやすく示す斜視図をそれぞれ表す。図7は本発明
の応用例で、往信葉書に情報通信体Xを使用した往復葉
書を分かりやすく示す斜視図を表す。図8A、Bは各種
コーティング方式により形成される疑似接着皮膜2の断
面図をそれぞれ表す。図9A、Bは従来技術における欠
点を分かりやすく示す断面図をそれぞれ表す。
【0016】まず、折り線を介して2葉片が連接された
情報通信体用素材tを2つ折りし、それにより形成され
る対向面同士を疑似接着用皮膜2で疑似接着する2つ折
り葉書の製造方法について説明する。図1Aは、オフセ
ット印刷やグラビア印刷等において表裏面に印刷が施さ
れたシートSの表面図である。図示のシートSは、4枚
の情報通信体用素材t、すなわち4枚の2つ折り葉書を
作成する場合を示している。しかしシートSの大きさに
応じて所望の枚数(例えば16枚も可能)の情報通信体
用素材tが取れる。まず、図1Bに示す隠蔽情報5(主
として秘密を要する情報表示面)が記載された裏面側
に、既述のコーティング方式により疑似接着媒体Gが図
2に示す如く塗布され、薄膜状の疑似接着皮膜2が形成
される。台紙1上の疑似接着媒体Gはフレーム、熱風、
ドラム等の外部加熱乾燥や赤外線、マイクロ波等の電磁
波加熱乾燥及び紫外線や電子線乾燥等の各種乾燥方法で
乾燥されることにより固化し疑似接着皮膜2となる。
【0017】なお、オフセットやグラビア印刷等の平判
シート以外に、図3に示すようフォーム印刷(輪転)等
の長尺状の連続シートにおいても同様に対応が可能であ
る。本実施例においては前者の例について説明するが、
後者の印刷方式においても台紙1の形態がカット状か連
続状の相違のみで、情報通信体Xを仕上げる作業工程や
構成は基本的に同じである。
【0018】疑似接着皮膜2が形成されたシートSの各
情報通信体用素材tは、裁断又はトムソン刃による打ち
抜き等でシートSから個別に切り取られる。単体に仕上
がった情報通信体用素材tは図4aに示す如く矢印方向
に折り機等により折り畳まれ、続く疑似接着工程の加圧
ローラーを通過することにより剥離可能に全体として一
体化される。このようにして仕上がった情報通信体Xは
葉書として投函され郵送される。なお前記疑似接着工程
で、必要とあれば加圧ローラーの前にヒーターパネル等
による加熱工程があってもよく、さらにヒートローラー
等により加熱と加圧工程を同時に済ませてもよい。
【0019】情報通信体Xの受取人は、図6Aに示す如
く、若干折り線3をずらして折った時葉書縁辺に沿って
生じる段差を剥離の端緒として開封し、平面に展開する
ことができる。そして、透明若しくは半透明の疑似接着
皮膜2を通して隠蔽情報4を視認することができるので
ある。剥離の方法としては他に図6Bのように段差を葉
書のコーナー部分に形成してもよく、また段差に代えて
葉書縁辺やコーナー部分にスリットやミシン目を形成し
てもよい。
【0020】次に別の態様について説明する。図5Aは
3つ折り(Z折り)の情報通信体用素材tの断面図を表
している。情報通信体用素材tの表面左側3分の2の隠
蔽情報4面と裏面右側3分の2の隠蔽情報4面に疑似接
着皮膜2を形成した後、疑似接着皮膜2同士が対向する
ように各折り線3・5に沿って折り機等で図中矢印方向
に折り曲げ、前記2つ折りの場合と同様の方法で剥離可
能に一体化したものである。
【0021】本実施例では、3つ折り(Z折り)の情報
通信体用素材tについて説明しているが、3つ折りの形
態ではその他に巻き折りがある。さらに4つ折りになる
と観音開き折り、蛇腹折り、巻き折り及び蛇腹と巻きの
混合折りが考えられる。何れにしても全て本実施例に示
される如く、疑似接着皮膜2同士が対向する面において
剥離可能に疑似接着される。
【0022】なお、3つ折り以上の場合全ての対向面を
疑似接着する必要はなく、例えば前記実施例において情
報通信体用素材tの表裏面の内の一方の面のみに疑似接
着皮膜2を形成し、残るもう一方の面側は完全接着によ
り剥離不能にしてもよい。さらに、全ての対向面を接着
する必要はなく、例えば図7の如く、疑似接着皮膜2を
形成し剥離可能に一体化した往信葉書にフリーな状態の
返信葉書が付加された往復葉書も可能であり、対向面の
接着態様については作成する情報通信体の目的等に応じ
て決定すればよいのである。
【0023】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば、前記実施例は、折り線を介して連接した
複数の葉片を折り畳み重ね合わせたものであるが、単体
の葉片同士を貼り合わせたり、前者に後者をを貼り合わ
せた混合形態にすることも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明は情報通信体を製造するにあた
り、疑似接着媒体を情報通信体の疑似接着予定面に塗布
するだけで、疑似接着用フィルムを挟み込む場合のよう
な位置ずれの心配が払拭され、下流の作業工程を容易に
行うことができる。また、本来美術印刷に適したオフセ
ット印刷やグラビア印刷等に対応することが可能で、さ
らに情報通信体を剥離展開した時の情報表示面に違和感
がなく、溶融押出しのような大がかりな装置を必要とし
ないため製造コストも安価ですむと共に、短時間で大量
の情報通信体の製造が素人でも簡単にできる。さらに本
発明の製造方法によれば、疑似接着皮膜が極めて均一に
形成されるため、情報通信体の剥離展開に際して途中で
紙材破壊を起こすことなく、最後まで均一な剥離力でス
ムーズに剥離展開することができる、高品質の情報通信
体を提供することが可能になる。
【0025】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する情報通信体用素材tが印刷さ
れたシートSで、Aはオフセットやグラビア印刷等の平
判シートの表面図を、Bは裏面図をそれぞれ表す。
【図2】疑似接着媒体Gにより疑似接着皮膜2が形成さ
れたシートSの断面図を表す。
【図3】Aはビジネスフォームや輪転印刷等の長尺状の
連続シートSにおける表面図を、Bは裏面図をそれぞれ
表す。
【図4】Aは単品に仕上がった情報通信体用素材tの断
面図、BはAの情報通信体用素材から仕上がった情報通
信体Xの断面図をそれぞれ表す。
【図5】A、Bは本発明における他の実施例の情報通信
体用素tと情報通信体Xのそれぞれの断面図を表す。
【図6】A、Bは情報通信体Xの開封口を分かりやすく
示す斜視図をそれぞれ表す。
【図7】本発明の応用例で往信葉書に情報通信体Xを使
用した往復葉書を分かりやすく示す斜視ずを表す。
【図8】A、Bは各種コーティング方式により形成され
る疑似接着皮膜2の断面図をそれぞれ表す。
【図9】A、Bは従来技術の欠点を示す断面図をそれぞ
れ表す。
【符号の説明】
S シート t 情報通信体用素材 X 情報通信体 F 疑似接着用フィルム 1 台紙 2 疑似接着皮膜 3、5 折り線 4 隠蔽情報
【手続補正書】
【提出日】平成13年3月30日(2001.3.3
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 情報通信体の製造方法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はDMをはじめ葉書、往復
葉書、封書等に利用可能な情報通信体の製造方法に関す
る。詳しくは、本発明は、見掛けは通常のDM、葉書、
往復葉書、封書であるにもかかわらず、多層に折り畳ま
れたシートが剥離可能、剥離後再接着不能に積層されて
いるため、多量の情報の隠蔽が可能な情報通信体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、葉書等の郵便物において、複数の
情報が記載された葉片を重ね合わせ或いは折り畳んで多
量の情報を郵送可能にした情報通信体が多用されてい
る。そのような情報通信体として、例えば特開平3−1
62996号の「密書葉書及び密書葉書付き往復葉書」
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−16299
6号記載の密書葉書は、剥離可能、剥離後再接着不能に
密着(以下疑似接着という)された2層の透明フィル
ムの両外側に感熱接着剤層を設けてなる4層構成の積層
シート(以下疑似接着用フィルムという)を、折り畳
まれた葉書用紙材の対向紙片間に挿入し、感熱接着法に
より各紙片を剥離可能に一体化するものである。ところ
前記密書葉書を製造するにあたり、前記疑似接着用
フィルムは、加圧・加熱されるまで接着性を示さないた
葉書用紙材上をスライドでき、位置合わせ等の作業が
容易で便利である。しかしその反面、前記疑似接着用フ
ィルムは、接着性がないため製造工程の上流で位置決
めされていても、続く各下流の工程への移動や機械の振
動により位置ずれを生じやすく、当初予定した位置に全
工程を完了するまで留まらせることは極めて困難であ
る。
【0004】疑似接着用フィルムが予定位置からずれた
まま製造された密書葉書は、例えば予定位置より折り線
側にずれて入り込んだ場合、図9(A)に示すように、
疑似接着用フィルムFの側端が密書葉書の背の部分で折
れ曲がり反転してしまうため、平面展開不良(完全に平
面に展閑できず、折り線側に反転した疑似接着用フィル
ムF同士が接着するため、あたかも製本の平とじの様な
状態になってしまう)を起こす。また逆に密書葉書の
開封縁辺側から疑似接着用フィルムFが飛び出すと、通
常は開封側端に形成される未接着部分の用紙縁辺を指で
掴み両側に剥離開封するが、図9(B)に示すように、
飛び出した疑似接着用フィルムFが用紙縁辺の未接着部
分をなくしてしまい、その結果用紙縁辺を掴むことが
できず開封不能になってしまう。
【0005】また、前記疑似接着用フィルムは、疑似接
着部分を2種類の異なる材質からなるフィルムの溶融押
出しで製造するため、大がかりな装置で複雑な製造工程
を必須条件としている。そのため製造コストがアップす
のみならず、剥離展開した場合に隣り合う2葉片表面
のラミネート材質が異なることから、連続性を必要とす
る美術印刷において違和感を生じさせる原因になる。さ
らに前記密書葉書は、長尺状の連続フオーム印刷に対応
したものであり、平判シートを使用するオフセット印刷
やグラビア印刷等に適用することは極めて困難である。
発明は、低コストで剥離展開や開封が不能になること
がなく、美術印刷においても高品質の仕上がりを可能に
し、さらに美術印刷に適したオフセット等のカット紙に
対応すると共に短時間で大量の情報通信体を製造可能に
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手投】上記目的を達成するため
に、本発明の情報通信体の製造方法は、複数の葉片を折
り畳み対向する任意の葉片同士を剥離可能、剥離後再
接着不能に疑似接着した情報通信体の製造方法におい
て、上質紙又は塗工紙からなる台紙に情報通信体用素材
が印刷されてなるシートにおける情報通信体用素材の疑
似接着予定面に疑似接着媒体を前計量系のコーティング
方式で塗布する工程、塗布された疑似接着媒体を乾燥・
固化して疑似接着皮膜を形成する工程、疑似接着皮膜が
形成されたシートを裁断して個別の情報通信体用素材に
仕上げる工程、個別に裁断された情報通信体用素材をそ
疑似接着予定面が対向するように折り畳む工程及び折
り畳まれた情報通信体用素材の疑似接着予定面を加圧又
は加圧・加熱により剥離可能、剥離後再接着不能に疑似
接着する工程よりなることを特徴としている。さらに上
記目的を達成するために、本発明の情報通信体の別の
造方法は、複数の葉片を折り畳み対向する任意の葉片
同士を剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着した情報
通信体の製造方法において、上質紙又は塗工紙からなる
台紙に情報通信体用素材が印刷されてなるシートにおけ
情報通信体用素材の疑似接着予定面に疑似接着媒体を
前計量系のコーティング方式で塗布する工程、塗布され
疑似接着媒体を乾燥・固化して疑似接着皮膜を形成す
る工程、疑似接着皮膜が形成されたシートを情報通信体
用素材の疑似接着予定面が対向するように折り畳む工
程、折り畳まれたシートを裁断して個別の情報通信体用
素材に仕上げる工程及び折り畳まれ、個別に裁断された
情報通信体用素材の疑似接着予定面を加圧又は加圧・加
熱により剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着する工
程よりなることを特徴としている。なお疑似接着媒体
には、オーバープリントワニスやメジウム等を応用した
ものが適用でき、その中でも紫外線(UV)硬化系や溶
蒸発乾燥系の透明インクやつや出しニス等に各種添加
剤を加えた樹脂皮膜を使用できる。また、別の疑似接着
媒体として通常ではそれほど接着性を感じさせない程
度の弱接着性の接着剤や、弱粘着性の粘着剤等も使用で
きる。また、本発明において乾燥・固化による疑似接着
皮膜の形成工程より下流の工程、すなわち裁断、折り及
び疑似接着工程は前記のように入れ替え可能である。更
に各工程は連続したラインであっても、別々なラインで
あっても構わない。
【0007】本発明では前記従来技術に係る密書葉書
とは異なり、折り畳まれた情報通信体用素材における
意の対向面(疑似接着予定面)は、予め疑似接着媒体で
疑似接着皮膜が形成されており、後の疑似接着工程で疑
似接着が実行される。すなわち、本発明の疑似接着は、
前記従来技術の密書葉書に使用される一時接着積層シー
トの如く予め異なる2種類のフィルムを溶融押出しによ
り製造したものを使用するのではなく、情報通信体の製
造工程中で疑似接着媒体を疑似接着予定面に塗布し疑似
接着皮膜を形成し、その後折り合わせて加圧又は加圧・
加熱により対向する疑似接着予定面同士を疑似接着する
ものであり、前記密書葉書とは技術思想を根本的に異に
するものである。
【0008】なお、情報通信体の折り形態(蛇腹折り、
巻き折り及びそれらの複合折り)や、対向面同士を疑似
接着するか或いは剥離不能に完全接着するか、若しくは
何もせずフリーな状態にしておくかの選択は、DM等に
おいては宣伝効果や経済性を考慮し決定すればよい。例
えば郵便葉書等においては、2つ折りの場合必然的に
対向面は1個所となり、また3葉片からなるシートをZ
折りする場合は2個所の対向面が生じる。その際2個
所の対向面の両者を共に疑似接着媒体で疑似接着しても
よく、或いは1個所のみを疑似接着して残る1個所を剥
離不能に完全接着してもよく、さらに1個所のみを疑似
接着して残る1個所をフリーのままで返信葉書とし、全
体で見開き2頁の往復葉書としてもよい。
【0009】本発明に使用する疑似接着媒体として、紫
外線硬化型の疑似接着媒体が好適に使用できる。その場
合の構成材料として、例えばオリゴマーとしてエポキシ
アクリレート、二官能性モノマーとして1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート(HDDA)、三官能性モノ
マーとしてトリメチロールプロパントリアクリレート
(TMPTA)、光重合開始剤として2−ヒドロキシ−
2−メチルプロピオフェノン及び2,2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン、滑剤として各種ワックス
類、光重合促進剤としてジエタノールアミン、添加剤と
して各種粘着付与剤や樹脂類が挙げられる。
【0010】また、本発明に使用する疑似接着媒体とし
て、液剤蒸発乾燥系の疑似接着媒体が好適に使用でき
る。そのようなものとして例えば低重合度の塩化ビニル
・酢酸ビニル共重合樹脂を使用した塩酢ビ系、低重合度
のアクリル酸エステル・スチレン共重合樹脂を主成分と
したアクリル系、ニトロセルロースと他の樹脂を併用し
たニトロセルロース系及び塩化ゴム、ポリアミド樹脂、
マレイン酸樹脂を成分としたもの等が挙げられる。
【0011】なおこの他にも酸化重合乾燥系、水性系及
び熱硬化系の疑似接着媒体も効果的に使用できるが、こ
れら疑似接着媒体には、各種樹脂類を初めブロッキング
防止剤やカップリング剤の他に粘着付与剤、充填剤、滑
剤、酸化防止剤、各種ワックス等の添加剤が添加されて
いても構わない。
【0012】さらに本発明では、疑似接着媒体として弱
接着性の接着剤や弱粘着性の粘着剤を好適に使用するこ
とができる。この場合表面にあまり接着性や粘着性が
なくても、加熱・加圧又は強圧による加圧で通常の接着
力を強制的に引き出して疑似接着したり、表面が完全乾
燥する手前で接着性が若干落ちた時期に疑似接着したり
することができる。
【0013】前記各種の疑似接着媒体は、ナチュラルロ
ールコーター、リバースロールコーターやグラビアコー
ター等を用いた前計量系のコーティング方式で、上質紙
又はアート紙、コート紙、マット紙やマットコート紙等
の塗工紙や微塗工紙に大凡0.1〜0.5μm前後の厚
さの皮膜として形成される。前計量系のコーティング方
式は、図8(A)に示すよう印刷用紙の表面に沿って輪
郭を描き均一の厚みで疑似接着媒体を塗布することがで
きる。因みに、前計量系以外の塗工の場合、図8(B)
のように表面は平滑でも疑似接着媒体の厚みにばらつき
が生じてしまう。さらにアート紙、コート紙、マット
紙やマットコート紙等のように表面が比較的平滑な用紙
を選択すれば、前記前計量系のコーティング方式と相ま
って最高の極めて平滑で均一な疑似接着媒体の皮膜を形
成することが可能になる。このようにして形成された疑
似接着皮膜は、その印刷用紙表面の輪郭に沿った平滑さ
と厚みの均一性のため、対向させ密着させると印刷用紙
間に均一な厚みの皮膜が介在することになり、印刷用紙
同士を剥離する際に最後まで均一で安定した剥離力を得
ることができる。逆にこのような平滑さと厚みの均一性
のない疑似接着皮膜の場合、疑似接着皮膜の厚みにより
接着力にばらつきが生じる。そのため剥離力にもばらつ
きが生じ、それが強い部分で用紙自体が破断され、剥離
中に破れてしまい展開することができなくなってしまう
のである。
【0014】
【作用】本発明は情報通信体を製造するにあたり、疑
似接着媒体を情報通信体用素材の疑似接着予定面に塗布
するだけで、疑似接着用フィルムを挟み込む場合のよう
な位置ずれの心配が払拭され、続く下流の作業工程を容
易に行うことが可能である。また、美術印刷に適したオ
フセット印刷やグラビア印刷等に対応することが可能で
あり、さらに情報通信体を剥離展開した時の情報表示面
に違和感がなく、溶融押出しのような大がかりな装置を
必要としないため製造コストも安価で済むと共に、短時
間で大量の情報通信体の製造が技術的に素人でも可能に
なる。さらに本発明の製造方法によれば、疑似接着媒体
の皮膜が印刷用紙の表面に沿つて極めて均一に形成され
るため、情報通信体の剥離展開に際して途中で紙材破壊
を起こすことなく、最後まで均一な剥離力で剥離展開す
ることが可能になり高品質の情報通信体を提供すること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を葉書に適用した場合の実施例
を説明する。図1は、本発明に使用する情報通信体用素
材tが台紙1に印刷されてなるシートSを例示し
(A)はオフセットやグラビア印刷等の平判シートの表
面図を、(B)は裏面図をそれぞれ表す。図2は情報通
信体用素材tの疑似接着予定面への疑似接着媒体Gの塗
により疑似接着皮膜2が形成されたシートSの断面図
を表す。図3(A)はビジネスフォームや輪転印刷等の
長尺状の連続シートSにおける表面図を、(B)は裏面
図をそれぞれ表す。図4(A)は単品に仕上がった情報
通信体用素材tの断面図を、(B)(A)に示す情報
通信体用素材tから仕上がった情報通信体Xの断面図を
それぞれ表す。図5(A)は本発明における他の実施例
の情報通信体用素材tの断面図を、(B)は(A)に示
す情報通信体用素材tから仕上がった情報通信体Xの断
面図をそれぞれ表す。図6は情報通信体Xの開封口を例
示し、(A)は縁辺に沿って段差を有する情報通信体X
の斜視図を、(B)はコーナー部分に段差を有する情報
通信体Xの斜視図をそれぞれ表す。図7は本発明の応用
例であり、往信葉書に情報通信体Xを使用した往復葉書
斜視図を表す。図8(A)は前計量系のコーティング
方式により形成される疑似接着皮膜2の断面図を、
(B)は前計量系以外のコーティング方式により形成さ
れる疑似接着皮膜2の断面図をそれぞれ表す。図9は従
来技術において疑似接着用フィルムが予定位置からの位
置ずれを生じた密書葉書を例示し、(A)は疑似接着用
フィルムが折り線側にずれて入り込んだ場合の断面図
を、(B)は疑似接着用フィルムが開封辺縁側から飛び
出した場合の断面図をそれぞれ表す。
【0016】まず、折り線を介して2葉片が連接された
情報通信体用素材tを2つ折りし、それにより形成され
る対向面同士を疑似接着用皮膜2で疑似接着する2つ折
り葉書の製造方法について説明する。図1(A)は、オ
フセット印刷やグラビア印刷等において表裏面に印刷が
施されたシートSの表面図である。図示のシートSは、
4枚の情報通信体用素材t、すなわち4枚の2つ折り葉
書を作成する場合を示している。しかしシートSの大
きさに応じて所望の枚数(例えば16枚も可能)の情報
通信体用素材tを取ることができる。まず、図1(B)
に示す隠蔽情報(主として秘密を要する情報表示面)
が記載された裏面側に、既述の前計量系コーティング方
式により疑似接着媒体Gが図2に示す如く塗布され、薄
膜状の疑似接着皮膜2が形成される。台紙1上の疑似接
着媒体Gはフレーム、熱風、ドラム等の外部加熱乾燥
や赤外線、マイクロ波等の電磁波加熱乾燥及び紫外線や
電子線乾燥等の各種乾燥方法で乾燥されることにより固
化し疑似接着皮膜2となる。
【0017】なお、前記のようなオフセットやグラビア
印刷等の平判シート以外に、図3に示すようフォーム印
刷(輪転)等の長尺状の連続シートに対しても前記と同
の対応が可能である。本実施例においては前者の例に
ついて説明するが、後者の印刷方式においても台紙1
の形態がカット状か連続状の相違のみで、情報通信体
Xを仕上げる作業工程や構成は基本的に同じである。
【0018】疑似接着皮膜2が形成されたシートSの各
情報通信体用素材tは、裁断又はトムソン刃による打ち
抜き等でシートSから個別に切り取られる。単体に仕上
がった情報通信体用素材tは図4(a)に示す如く矢
印方向に折り機等により折り畳まれ、続く疑似接着工程
の加圧ローラーを通過することにより剥離可能に全体と
して一体化される。このようにして仕上がった情報通信
体Xは葉書として投函され受取人宛に郵送される。
なお前記疑似似接着工程で、必要とあれば加圧ローラー
の前にヒーターパネル等による加熱工程があってもよ
く、さらにヒートローラー等により加熱と加圧工程を同
時に済ませてもよい。
【0019】情報通信体Xの受取人は、図6(A)に示
す如く、若干折り線3をずらして折った時葉書縁辺に
沿って生じる段差を剥離の端緒として開封し、平面に展
開することができる。そして、透明若しくは半透明の疑
似接着皮膜2を通して隠蔽情報4を視認することができ
るのである。他の剥離の方法としては図6(B)のよ
うに段差を葉書のコーナー部分に形成してもよく、また
段差に代えて葉書縁辺やコーナー部分にスリットやミシ
ン目を形成してもよい。
【0020】次に別の実施態様について説明する。図5
(A)は3つ折り(Z折り)の情報通信体用素材tの断
面図を表している。情報通信体用素材tの表面左側3分
の2の隠蔽情報4面と裏面右側3分の2の隠蔽情報4面
に疑似接着皮膜2を形成した後、疑似接着皮膜2同士が
対向するように各折り線3及び5に沿って折り機等で図
中矢印方向に折り曲げ、前記2つ折りの場合と同様の方
法で剥離可能に一体化したものである。
【0021】本実施例では、3つ折り(Z折り)の情報
通信体用素材tについて説明しているが、3つ折りの形
態ではその他に巻き折りがある。さらに4つ折りになる
と観音開き折り、蛇腹折り、巻き折り及び蛇腹と巻きの
混合折りが考えられる。何れにしても全て本実施例に示
される如く、疑似接着皮膜2同士が対向する面において
剥離可能に疑似接着される。
【0022】なお、3つ折り以上の場合全ての対向面
を疑似接着する必要はなく、例えば前記実施例におい
情報通信体用素材tの表裏面の内の一方の面のみに
疑似接着皮膜2を形成し、残るもう一方の面側は完全接
着により剥離不能にしてもよい。さらに、3つ折り以上
の場合に全ての対向面を接着する必要はなく、例えば図
7の如く、疑似接着皮膜2を形威し剥離可能に一体化し
た往信葉書にフリーな状態の返信葉書が付加されてなる
往復葉書も製造可能であり、対向面の接着態様につい
ては作成する情報通信体の目的等に応じて決定すればよ
いのである。
【0023】本発明は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば、前記実施例は、折り線を介して連接した
複数の葉片を折り畳み重ね合わせたものであるが、単体
の葉片同士を貼り合わせたり、前者に後者貼り合わせ
た混合形態にすることも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、情報通信体
を製造するにあたり、疑似接着媒体を情報通信体用素材
の疑似接着予定面に塗布するだけで、疑似接着用フィル
ムを挟み込む場合のような位置ずれの心配が払拭され、
下流の作業工程を容易に行うことができる。また、本来
美術印刷に適したオフセット印刷やグラビア印刷等に対
応することが可能であり、さらに情報通信体を剥離展開
した時の情報表示面に違和感がなく、溶融押出しのよう
な大がかりな装置を必要としないため製造コストも安価
ですむと共に、短時間で大量の情報通信体の製造が技術
的に素人でも簡単にできる。さらに本発明の製造方法に
よれば、疑似接着皮膜が極めて均一に形成されるため、
情報通信体の剥離展開に際して途中で紙材破壊を起こす
ことなく、最後まで均一な剥離力でスムーズに剥離展開
することができる、高品質の情報通信体を提供すること
が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する情報通信体用素材tが台紙1
に印刷されてなるシートSを例示し(A)はオフセッ
トやグラビア印刷等の平判シートの表面図を、(B)
裏面図をそれぞれ表す。
【図2】情報通信体用素材tの疑似接着予定面への疑似
接着媒体Gの塗布により疑似接着皮膜2が形成されたシ
ートSの断面図を表す。
【図3】(A)はビジネスフォームや輪転印刷等の長尺
状の連続シートSにおける表面図を、(B)は裏面図を
それぞれ表す。
【図4】(A)は単品に仕上がった情報通信体用素材t
の断面図(B)(A)に示す情報通信体用素材t
から仕上がった情報通信体Xの断面図をそれぞれ表す。
【図5】(A)は本発明における他の実施例の情報通信
体用素材tの断面図を、(B)は(A)に示す情報通信
体用素材tから仕上がった情報通信体Xの断面図をそれ
ぞれ表す。
【図6】情報通信体Xの開封口を例示し、(A)は縁辺
に沿って段差を有する情報通信体Xの斜視図を、(B)
はコーナー部分に段差を有する情報通信体Xの斜視図を
それぞれ表す。
【図7】本発明の応用例であり、往信葉書に情報通信体
Xを使用した往復葉書の斜視図を表す。
【図8】(A)は前計量系のコーティング方式により形
成される疑似接着皮膜2の断面図を、(B)は前計量系
以外のコーティング方式により形成される疑似接着皮膜
2の断面図をそれぞれ表す。
【図9】従来技術において疑似接着用フィルムが予定位
置からの位置ずれを生じた密書葉書を例示し、(A)は
疑似接着用フィルムが折り線側にずれて入り込んだ場合
の断面図を、(B)は疑似接着用フィルムが開封辺縁側
から飛び出した場合の断面図をそれぞれ表す。
【符号の説明】 S シート t 情報通信体用素材 X 情報通信体 F 疑似接着用フィルムG 疑似接着媒体 1 台紙 2 疑似接着皮膜 3、5 折り線 4 隠蔽情報

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の葉片を折り畳み対向する任意の葉
    片同士を剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着した情
    報通信体の製造方法において、上質紙又は塗工紙からな
    る台紙1に印刷された情報通信体用素材tの疑似接着予
    定面に疑似接着媒体Gを前計量系のコーター方式で塗布
    する工程、塗布した疑似接着媒体Gを乾燥・固化し疑似
    接着皮膜2を形成する工程、シートSを裁断し個別の情
    報通信体用素材tに仕上げる工程、情報通信体用素材t
    の疑似接着予定面を対向させて折り畳む工程及び折り畳
    まれた情報通信体用素材tの疑似接着予定面を加圧又は
    加圧・加熱により剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接
    着する工程よりなることを特徴とした情報通信体の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 複数の葉片を折り畳み対向する任意の葉
    片同士を剥離可能、剥離後再接着不能に疑似接着した情
    報通信体の製造方法において、上質紙又は塗工紙からな
    る台紙1に印刷された情報通信体用素材tの疑似接着予
    定面に疑似接着媒体Gを前計量系のコーター方式で塗布
    する工程、塗布した疑似接着媒体Gを乾燥・固化し疑似
    接着皮膜2を形成する工程、乾燥した情報通信体用素材
    tの疑似接着予定面を対向させて折り畳む工程、折り畳
    まれたシートSを裁断し個別の情報通信体用素材tに仕
    上げる工程及び個別に裁断された情報通信体用素材tの
    疑似接着予定面を加圧又は加圧・加熱により剥離可能、
    剥離後再接着不能に疑似接着する工程よりなることを特
    徴とした情報通信体の製造方法。
  3. 【請求項3】 疑似接着媒体GがOPワニス系の樹脂皮
    膜であることを特徴とした請求項1及び2記載の情報通
    信体の製造方法。
  4. 【請求項4】 疑似接着媒体GがUV系の樹脂皮膜であ
    ることを特徴とした請求項1乃至3に記載の情報通信体
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 疑似接着媒体Gが溶剤系の樹脂皮膜であ
    ることを特徴とした請求項1乃至3に記載の情報通信体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 疑似接着媒体Gが弱接着性の接着剤又は
    弱粘着性の粘着剤であることを特徴とした請求項1及び
    2に記載の情報通信体の製造方法。
  7. 【請求項7】 情報通信体が郵送物であることを特徴と
    した請求項1乃至6に記載の情報通信体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008155610A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 K D K Kk 密封情報通信体及びその製造方法
JP2008155609A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 K D K Kk 密封情報通信体及びその製造方法

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