JP2001279932A - コンクリート部材の補強工法 - Google Patents
コンクリート部材の補強工法Info
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Abstract
上させて補強量の上限を高くするとともに、接合のため
の施工性の向上を図る。 【解決手段】 複数の補強シート11を柱(コンクリー
ト部材)1に積層させることにより形成された積層部1
0の表面に定着アンカー20を接着した後、この定着ア
ンカー20の接着部に接着性樹脂を塗布して平滑な接着
性樹脂層30を形成し、次いで、接着性樹脂層30から
積層部10にわたる位置に補強シート40を重ね貼りす
る。
Description
部材のせん断補強を図るときに用いて好適なコンクリー
ト部材の補強工法に関するものである。
筋コンクリート造等からなる柱、梁、橋脚、煙突などの
コンクリート部材のせん断補強を図る技術の一つとし
て、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの強化繊
維材料からなる補強シートを、コンクリート部材の表面
に、その周方向に巻き付けて配設するものが知られてい
る。
壁付き柱、梁あるいは壁の剪断補強を可能とする技術と
して、強化繊維材料により形成された補強シートと定着
アンカーとを用いた補強構造が実用化されている。この
構造は、例えば、炭素繊維により形成された複数の補強
シートをコンクリートの躯体に積層させて貼り付けるこ
とにより積層部を形成し、この積層部を定着アンカーを
介して躯体に連結し、補強シートに生じさせた引っ張り
力により躯体を補強するものである。図2は、袖壁付き
柱1Aと腰壁付き柱1Bにその構造を適用した状態を示
している。同図で符号10は補強シートの積層部、20
は定着アンカーである。図3に詳しく示すように、補強
シートの積層部10は柱1に巻かれて貼り付けられた状
態とされる。また、定着アンカー20は、複数本の強化
繊維をその長さ方向の一部で一体に束ねてなるものであ
り、壁2を貫通させた状態で配置されるとともに、その
端部が積層部10の表面に接合されている。
方法としては、複数の補強シート11を柱1の表面に積
層させて形成した積層部10の表面に、壁2に貫通させ
た定着アンカー20の端部を扇状に分散させて接着して
いる。ところが、このような接合方法では、補強シート
11に対する定着アンカー20の接着面積に基づく接合
強度は一定であるから、補強量が増大すると補強シート
11から引張力を定着アンカー20に伝えきれなくなる
場合がある。すなわち、接合強度の不足から、補強量の
上限を低く設定せざるを得なかった。そこで、接合強度
を向上させる方法として、図5に示すように、補強シー
ト11と定着アンカー20とを交互に重ねて接着する方
法が試みられた。
示した接合方法では、補強シート11と定着アンカー2
0とを交互に重ねるにつれて接着部に段差が生じるの
で、しだいに接着作業が煩雑かつ困難になっていくとと
もに、時間もかかるので、施工性に難があった。
材に対する定着アンカーの接合強度を向上させて補強量
の上限を高くすることができるとともに、施工性の向上
を図ることができるようなコンクリート部材の補強工法
を提供することを目的としている。
たはシート状の補強材を、コンクリート部材に沿わせて
配設するとともに、これら補強材を前記コンクリート部
材に積層させて接着することにより、積層部を形成し、
該積層部の表面に、炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊
維等、複数本の強化繊維をその長さ方向の一部で一体に
束ねてなる定着用アンカーの端部を接着した後、この定
着用アンカーの前記積層部に対する接着部に接着性樹脂
を塗布して平滑な接着性樹脂層を形成し、該接着性樹脂
層から前記積層部の表面に至る位置に、さらに、前記補
強材を重ね貼りすることによって前記補強材に対して前
記定着用アンカーを接合し、これにより、該補強材を前
記定着用アンカーを介して前記コンクリート部材に定着
することを特徴としている。なお、接着性樹脂として
は、エポキシパテ等が好適に用いられる。
は、積層部の表面と重ね貼りされた補強材との2面とな
り、接着性樹脂層および補強材の重ね貼りと相まって、
補強材に対する定着アンカーの接合強度が大幅に向上す
る。その結果、構造的な補強量の上限を大幅に高くする
ことができる。また、接合強度の向上に伴い、複数の定
着アンカーを施工する場合にはその施工間隔を大きくと
ることができるので、コストの低減や施工時間の短縮が
可能となる。また、補強材と定着アンカーを交互に重ね
ることなく両者を接着するものであり、加えて、新たに
補強材を重ね貼りする接着性樹脂層を平滑に形成するの
で補強材の重ね貼りは容易であり、結果として施工性の
向上が図られる。
実施形態を説明する。なお、以下において、上記従来の
技術と同様の構成は、同一の符号を付し、その説明を省
略する。図中符号1,2は、それぞれ図4あるいは図5
で示したものと同様の柱(コンクリート部材)および壁
である。柱1の表面には、複数の補強シート(補強材)
11が積層されて貼り付けられることにより積層部10
が形成されている。この積層部10の表面には、壁2に
貫通させた複数の定着アンカー20の端部が扇状に分散
されて接着されている。この定着アンカー20の接着部
には、定着アンカー20による段差を埋めて表面が平滑
になるように、エポキシパテ等の接着性樹脂が塗布され
て接着性樹脂層30が形成されている。
カー20の太い基部から先端に向かうにしたがい傾斜
し、積層部10の表面に滑らかに移行するように形成さ
れている。そして、この上に、接着性樹脂層30と積層
部10を覆って補強シート40がさらに重ね貼りされて
いる。補強シート40の繊維の方向は、補強シート11
と同じ方向である。補強シート40が接着性樹脂層30
に重ね貼りされる長さt1と、積層部10の表面に貼り
付けられる長さt2は、柱1の寸法にもよるが、例え
ば、それぞれ100mm以上を確保することが望まし
い。
を積層部10に接合する方法を説明する。まず、壁2を
貫通させた定着アンカー20の端部を扇状に分散させ、
その端部を積層部10の表面に接着する。次いで、定着
アンカー20の接着部に接着性樹脂を塗布し、表面が平
坦な接着性樹脂層30を形成する。次に、繊維の方向を
補強シート11のそれに一致させて接着樹脂層30と積
層部10とにわたって補強シート40を貼り付ける。
の接着面は、積層部10と補強シート40の2面とな
り、接着性樹脂層30および補強シート40の重ね貼り
と相まって、補強シート11に対する定着アンカー20
の接合強度が大幅に向上する。その結果、構造的な補強
量の上限を大幅に高くすることができる。また、接合強
度の向上に伴い、複数の定着アンカー20を施工する場
合には、その施工間隔を大きくとることができる。この
ため、コストの低減や施工時間の短縮が可能となる。
とを交互に重ねることなく両者を接着するものであり、
加えて、補強シート40を重ね貼りする接着性樹脂層3
0の表面を平滑に形成するので、補強シート40の重ね
貼りは比較的容易である。したがって、施工性の向上が
図られる。
趣旨を逸脱しない範囲内で、他の構成を採用することが
できる。例えば、上記実施の形態において用いる補強シ
ート11,40、定着用アンカー20について、前記し
た炭素繊維,アラミド繊維,ガラス繊維等に限らず、他
の材料を採用することも可能であり、補強シート11,
40については、繊維方向(クロスの場合には織り方
向)等も、所要の方向に補強効果を発揮できるのであれ
ば、縦・横・斜め等を問うものではない。加えて、重ね
る枚数についても限定するものではない。さらに、補強
シート11,40に代えて、鋼板やFRP(繊維強化プ
ラスチック)等を用いても良い。
に係るコンクリート部材の補強工法を、袖壁付き柱1A
および腰壁付き柱1Bのせん断補強を図る場合を例に挙
げて用いたが、これに限らず、通常の柱や梁、あるい
は、その他、橋脚、煙突等他のものに適用することも可
能である。またせん断補強に限らず、曲げ補強を図る場
合であっても良い。また、コンクリート部材の新設・既
設を問うものではない。
補強材に対する定着アンカーの接合強度を向上させて補
強量の上限を高くすることができるとともに、施工性の
向上が図られるといった効果を奏する。
アンカーが積層部に接合された状態を示す図であって、
(a)はその縦断面図、(b)は横断面図である。
造が適用されたRC建造物の斜視図である。
視図である。
接合された状態を示す図であって、(a)はその縦断面
図、(b)は横断面図である。
に接合された状態を示す横断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 複数の板状またはシート状の補強材を、
コンクリート部材に沿わせて配設するとともに、これら
補強材を前記コンクリート部材に積層させて接着するこ
とにより、積層部を形成し、該積層部の表面に、炭素繊
維、アラミド繊維、ガラス繊維等、複数本の強化繊維を
その長さ方向の一部で一体に束ねてなる定着用アンカー
の端部を接着した後、この定着用アンカーの前記積層部
に対する接着部に接着性樹脂を塗布して平滑な接着性樹
脂層を形成し、該接着性樹脂層から前記積層部の表面に
至る位置に、さらに、前記補強材を重ね貼りすることに
よって前記補強材に対して前記定着用アンカーを接合
し、これにより、該補強材を前記定着用アンカーを介し
て前記コンクリート部材に定着することを特徴とするコ
ンクリート部材の補強工法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2000101075A JP3769720B2 (ja) | 2000-04-03 | 2000-04-03 | コンクリート部材の補強工法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
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ID=18615191
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1331327A1 (de) * | 2002-01-29 | 2003-07-30 | Sika Schweiz AG | Verstärkungsvorrichtung |
JP2006052633A (ja) * | 2004-07-15 | 2006-02-23 | Mitsubishi Kagaku Sanshi Corp | 構造物、その補強部材及び補強方法 |
JP7412991B2 (ja) | 2019-12-04 | 2024-01-15 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | コンクリート構造物の曲げ補強方法 |
JP7454363B2 (ja) | 2019-12-04 | 2024-03-22 | 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 | コンクリート構造物におけるコンクリート部材のせん断補強方法及びせん断補強構造 |
-
2000
- 2000-04-03 JP JP2000101075A patent/JP3769720B2/ja not_active Expired - Lifetime
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WO2003064789A1 (de) * | 2002-01-29 | 2003-08-07 | Sika Schweiz Ag | Verstärkungsvorrichtung |
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