JP4851916B2 - 基礎の補強構造 - Google Patents
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Description
また、既存の基礎に柱を立設する場合、この柱を基礎と連結金具等によって連結する場合があるが、この場合、基礎の側面に連結金具を固定するために、その部分を効果的に補強したいという要望もある。
前記基礎1の側面1c全体に上下方向に繊維が延在する第1の高強度繊維シート2が接着されており、
前記基礎1の側面1cの上部と下部とに、それぞれ基礎の長手方向に延在、かつ前記基礎の長手方向に繊維が延在する帯状の第2の高強度繊維シート3が前記第1の高強度繊維シート2上から接着されることによって、
前記基礎1の側面1cの上部と下部とには、高強度繊維シート2,3が基礎の厚さ方向に重ねられてなる重ね補強部5が設けられていることを特徴とする。
また、高強度繊維シートとしては、高強度繊維を一方向に配列したシート状のものや、あるいは高強度繊維にて織成したシート状のものを使用する。また、高強度繊維としては、アラミド繊維、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ポリエチレン繊維、液晶ポリマー繊維などが例示される。
前記基礎1の側面1cに、上下方向に繊維が延在し、かつ上下に延在する帯状の第1の高強度繊維シート6が、基礎1の長手方向に所定間隔で接着されており、
前記基礎1の側面1cの上部と下部とに、それぞれ基礎の長手方向に延在し、かつ前記基礎の長手方向に繊維が延在する帯状の第2の高強度繊維シート3が前記第1の高強度繊維シート6と一部重なるようにして接着されることによって、
前記基礎1の側面1cの上部と下部とには、高強度繊維シート6,7が基礎1の厚さ方向に重ねられてなる重ね補強部7が設けられていることを特徴とする。
前記第1の高強度繊維シート6と第2の高強度繊維シート3とが重なる重ね補強部7のうち、斜め方向に対向している重ね補強部7,7間に、帯状の第3の高強度繊維シート8が斜めに接着されていることを特徴とする。
(第1の実施の形態)
図1は本発明に係る基礎の補強構造の第1例を示すものである。この図に示す基礎1は住宅等の建物を支持する布基礎であり、フーチング1aと、このフーチング1aに立設された立上り部1bとから構成されており、断面略逆T字形に形成されている。
第1の高強度繊維シート2は、上下方向に繊維が延在するもので、その上下の幅は立上り部1bの高さとほぼ等しくなっている。そして、立上り部1bの両側面1c,1c全体に、それぞれ第1の高強度繊維シート2が接着されている。なお、第1の高強度繊維シート2として、上下に繊維が延在しているものを採用したが、これに限ることなく、上下に延在する繊維と左右に延在する繊維とが直交したものを採用してもよい。
第2の高強度繊維シート3は、左右方向(基礎1の長手方向)に繊維が延在する帯状のもので、その上下の幅は立上り部1bの高さの約1/3程度になっている。なお、第2の高強度繊維シート3として、左右に繊維が延在しているものを採用したが、これに限ることなく、上下に延在する繊維と左右に延在する繊維とが直交したものを採用してもよい。
また、基礎1の側面全体に第1の高強度繊維シート2が接着されているので、基礎全体を均一に補強できる。また、基礎1の側面1c,1cの上部と下部とに、第2の高強度繊維シート3が前記第1項強度繊維シート2上から接着されているので、重ね補強部5を基礎1の長手方向に沿って延在すようにして設けることができ、基礎1の上部と下部とを効果的に補強できる。
また、図2(b),(c)に示すように、基礎1がその立上り部1bの下端部まで地盤Gに埋まっている場合、基礎1の立上り部1bの地面より上の部分に高強度繊維シート2,3を接着してもよい。なお、図2(b),(c)に示すものの場合、第1の高強度繊維シート2の上下の幅を地面から立上り部1bの上端までの高さに合わせて切断し、第2の高強度繊維シート3は必要に応じて上下の幅を調整すべく切断すればよい。
なお、高強度繊維シート2,3を立上り部1bの側面1cに接着する場合、接着剤が硬化する前に、高強度繊維シート2,3の表面に滲み出ている接着剤に砂等の細かい微粒子を付着させてもよい。このようにすれば、基礎1の側面1cをモルタル仕上げする場合に、モルタルの食い付きがよくなり、仕上げ作業が容易となる。
図3は本発明に係る基礎の補強構造の第2例を示すものである。この図に示す基礎1は第1の実施の形態における基礎1と同様の構成である。
本実施の形態では、基礎1の立上り部1bの側面1c,1cに、上下に延在する帯状の第1の高強度繊維シート6が、基礎1の長手方向に所定間隔で接着されている。また、基礎1の立上り部1bの上部と下部とに、それぞれ基礎1の長手方向に延在する帯状の第2高強度繊維シート3が第1の強度繊維シート2と一部重なるようにして接着されている。そして、この一部重なっている部分が、高強度繊維シート6,2が基礎1の厚さ方向に重ねられてなる重ね補強部7となっている。この重ね補強部7は、立上り部1bの側面1cの上下部において、基礎1の長手方向に所定間隔で複数設けられている。
また、図4(b),(c)は、基礎1がその立上り部1bの下端部まで地盤Gに埋まっている場合を示す。図4(b)は、基礎1の片側が地盤Gに埋まっている場合を示し、図4(c)は、基礎1の両側が地盤Gに埋まっている場合を示す。
また、高強度繊維シート6,3を立上り部1bの側面1cに接着する場合、接着剤が硬化する前に、高強度繊維シート6,3の表面に滲み出ている接着剤に砂等の細かい粒子を付着させてもよい。このようにすれば、基礎1の側面1cをモルタル仕上げする場合に、モルタルの食い付きがよくなり、仕上げ作業が容易となる。
図5は本発明に係る基礎の補強構造の第3例を示すものである。この図に示す基礎1は第1の実施の形態における基礎1と同様の構成である。また、第2の実施の形態と同様にして、基礎1の立上り部1bの側面1c,1cには、それぞれ第1および第2の高強度繊維シート6,3が接着されている。
そして、本実施の形態では、第1の高強度繊維シート6と第2の高強度繊維シート3とが重なる重ね補強部7のうち、斜め方向に対向している重ね補強部7,7間に、帯状の第3の高強度繊維シート8が斜めに接着されている。
本実施の形態によれば、第3の高強度繊維シート8によって基礎1の補強をさらに高めることができる。また、複数の重ね補強部7のうち、第3の高強度繊維シート8の端部側にある重ね補強部7は、該第3の高強度繊維シート8の端部がさらに重なるので、この部分の補強をさらに高めることができる。
1c 側面
2,6 第1の高強度繊維シート
3 第2の高強度繊維シート
5,7 重ね補強部
8 第3の高強度繊維シート
Claims (4)
- 基礎の側面に高強度繊維シートが接着されてなる基礎の補強構造において、
前記基礎の側面全体に上下方向に繊維が延在する第1の高強度繊維シートが接着されており、
前記基礎の側面の上部と下部とに、それぞれ基礎の長手方向に延在し、かつ前記基礎の長手方向に繊維が延在する帯状の第2の高強度繊維シートが前記第1の高強度繊維シート上から接着されることによって、
前記基礎の側面の上部と下部とには、高強度繊維シートが基礎の厚さ方向に重ねられてなる重ね補強部が設けられていることを特徴とする基礎の補強構造。 - 基礎の側面に高強度繊維シートが接着されてなる基礎の補強構造において、
前記基礎の側面に、上下方向に繊維が延在し、かつ上下に延在する帯状の第1の高強度繊維シートが、基礎の長手方向に所定間隔で接着されており、
前記基礎の側面の上部と下部とに、それぞれ基礎の長手方向に延在し、かつ前記基礎の長手方向に繊維が延在する帯状の第2の高強度繊維シートが前記第1の高強度繊維シートと一部重なるようにして接着されることによって、
前記基礎の側面の上部と下部とには、高強度繊維シートが基礎の厚さ方向に重ねられてなる重ね補強部が設けられていることを特徴とする基礎の補強構造。 - 請求項2に記載の基礎の補強構造において、
前記第1の高強度繊維シートと第2の高強度繊維シートとが重なる重ね補強部のうち、斜め方向に対向している重ね補強部間に、帯状の第3の高強度繊維シートが斜めに接着されていることを特徴とする基礎の補強構造。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の基礎の補強構造において、
前記基礎の側面には、接着剤によって砂状の微粒子が付着されていることを特徴とする基礎の補強構造。
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