JP2009235730A - 構造物の補強構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】補強すべき構造部材の弱軸が構面内にない場合であっても適用することが可能であり、かつ、溶接を必要としない構造物の補強構造を提供すること。
【解決手段】本発明の構造物の補強構造は、構造物10を構成する構造部材15において補強すべき部位の少なくとも一面に補強用鋼板30を貼設し、この補強用鋼板30を構造部材15と一体化させるように、補強用鋼板30に補強用繊維シート40を貼着した構造を有するものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、構造物を構成する構造部材の補強構造に関するものである。
原子力関連施設に対する耐震設計審査指針の改定に伴い、耐震重要度分類の最も高い建物・建築物(Asクラス)については、これまで静的地震力で設計されてきた上下地震動を動的に評価することが新たに要求されるようになり、建設場所によっては設計用の地震力がこれまでより大きくなると考えられる。また、上記指針の改定に伴い、既設の原子力関連施設に対しても新指針に基づく耐震性の再評価が国により求められている。
既設の原子炉建屋に対して新指針に基づく上下地震動で動的に耐震性を再評価した場合、原子炉建屋の屋根トラスを構成する構造部材のうち屋根荷重を常時受ける軸圧縮部材(斜材、束材)の一部については、鉛直下向きの地震力に対して座屈耐力を超える可能性がある。そのため、これら軸圧縮部材の補強を行うことが必要になる。
屋根トラスの軸圧縮部材の座屈を防止するための補強構造としては、例えば図9に示すように、屋根トラス100の軸圧縮部材である斜材150に補鋼材160を溶接することによって座屈長さを短くして座屈を回避する構造が知られている(例えば特許文献1を参照)。
特開平11−141050号公報
図9に示した補強構造は、斜材150の弱軸が構面内にある場合のみ有効である。従って、斜材150の弱軸が構面内にない場合には、上記構造では補強することができないという問題がある。また、補鋼材160を斜材150や上弦材120に溶接する必要があるため、補鋼材160の製作精度や収まり等の施工上の制約が増えるという問題がある。さらに、屋根トラス100の補強作業は高所作業となるために溶接作業が困難になる場合もある。
本発明は、上記の点に鑑み、補強すべき構造部材の弱軸が構面内にない場合であっても適用することが可能であり、かつ、溶接を必要としない構造物の補強構造を提供することを目的とする。
本発明の構造物の補強構造は、構造物を構成する構造部材を補強する構造であって、前記構造部材において補強すべき部位の少なくとも一面に補強用鋼板を貼設し、前記補強用鋼板を前記構造部材と一体化させるように、前記補強用鋼板に補強用繊維シートを貼着したことを特徴とする。
また、本発明の請求項2の構造物の補強方法は、上記請求項1において、前記補強用鋼板を複数枚で構成し、前記複数の補強用鋼板を前記構造部材の長手方向に並べて貼設したことを特徴とする。
また、本発明の請求項3の構造物の補強方法は、上記請求項1において、前記構造部材が開断面形状を呈しており、前記補強用鋼板を前記構造部材の外表面にのみ貼設したことを特徴とする。
本発明の構造物の補強構造によれば、構造部材において補強すべき部位の少なくとも一面に補強用鋼板を貼設し、この補強用鋼板を構造部材と一体化させるように補強用鋼板に補強用繊維シートを貼着したことで、構造部材の弱軸が構面内にあるか否かに拘わらず適用することが可能となる。また、溶接作業が不要であるため、屋根トラスのような高所での耐震補強作業を容易に行うことができるようになる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の構造物の補強構造における好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の補強構造を適用するトラス構造物(屋根トラス)10を概略的に示した図である。ここで例示するトラス構造物10は、例えば原子力関連施設の原子炉建屋における屋根を構成する一般的なトラス構造物であり、基礎版1に立設された柱等の支持部材11に支持されている。
トラス構造物10は、図1に示すように、上弦材12と、この上弦材12の下方に並設された下弦材13と、上弦材12と下弦材13とに連結され、上弦材12及び下弦材13に直交する方向に配設された複数の束材14、及び、上弦材12及び下弦材13に対して斜めに配設された複数の斜材15とからなり、これらの構造部材を同一平面内に組立てた平面トラス構造を有したものである。トラス構造物10を構成する上記の各構造部材は、H形鋼、溝形鋼、山形鋼等の鋼材から構成されている。以下では、上記構造部材のうち、斜材15の座屈に対する補強構造の例について説明する。また、以下では、斜材15としてH形鋼及び溝形鋼を適用した例について説明し、それぞれの実施例において斜材15を「H形鋼15」、「溝形鋼15」とよぶことにする。
図2〜図5は、H形鋼15の補強構造の一例を示す断面図であり、図6〜図11は、溝形鋼15の補強構造の一例を示す断面図である。図2〜図5に示すH形鋼15は、上フランジ15a、下フランジ15b及びウェブ15cとからなる断面形状H型をなすものであり、また、図6〜図11に示す溝形鋼15は、上フランジ15d、下フランジ15e及びウェブ15fとからなる断面形状コの字型をなすものである。これらはいずれも断面形状が開断面形状を呈した一般的な型鋼である。
図2に示すように、本実施の形態の補強構造は、H形鋼15を構成する面のうち少なくとも一面に、接着材20を用いて補強用鋼板30を貼設し、この補強用鋼板30をH形鋼15と一体化させるように、補強用鋼板30に補強用繊維シート40を貼着したことを特徴とするものである。ここで、補強用鋼板30がH形鋼15と一体化した状態とは、H形鋼15を変形させようとする力がH形鋼15に働いたときに、その力が補強用鋼板30に伝わる状態になっていることを意味する。
補強用鋼板30は、上下フランジ15a,15bの幅寸法に対応した寸法を有し、上下フランジ15a,15bの補強をする平板状の補強用鋼板30aと、ウェブ15cの高さ寸法に対応した寸法を有し、ウェブ15cの補強をする平板状の補強用鋼板30bとで構成してある。なお、H形鋼15(斜材15)の座屈に対する補強を行う場合には、H形鋼15の弱軸方向全長に亘って補強用鋼板30を貼設する必要がある。このため、図2には明示されていないが、補強用鋼板30a,30bの長手方向寸法は、H形鋼15の長手方向寸法(弱軸方向長さ)とほぼ等しく形成してある。
但し、補強用鋼板30a,30bの長手方向寸法をH形鋼15の長手方向寸法とほぼ等しく形成した場合、補強用鋼板30a,30bが長く且つ重くなり、取り扱いが悪くなることも考えられる。従って、補強用鋼板30a,30bの取り扱いを容易にするために、これらを長手方向に複数枚に分割し、これら複数の鋼板をH形鋼15の長手方向に並べて貼設するようにしてもよい。このように補強用鋼板30a,30bをそれぞれ複数枚で構成した場合であっても、補強用繊維シート40を貼着することでこれらが一体化されるため、補強用鋼板30a,30bをそれぞれ1枚の平板で構成した場合と比べて強度が低下することはない。
補強用繊維シート40は、例えば炭素繊維やアラミド繊維、ガラス繊維等からなる柔軟性を有したシートであり、構造物の補強材として広く用いられている。本実施の形態では、この補強用繊維シート40として炭素繊維シートを適用している。また、補強用鋼板30とH型鋼15、及び、補強用鋼板30同士を接着する接着材20としては、例えばエポキシ樹脂系の接着剤を適用することができる。
図2に示す補強構造を具体的に説明すると、H形鋼15における上フランジ15aの上面の全体に、接着材20を介して補強用鋼板30aが貼り付けられるとともに、下フランジ15bの下面の全体に、接着材20を介して補強用鋼板30aが貼り付けられている。また、上フランジ15aの左端面及び上フランジ15aに接着されている補強用鋼板30aの左端面と、下フランジ15bの左端面及び下フランジ15bに接着されている補強用鋼板30aの左端面とに接するように、接着材20を介して補強用鋼板30bが貼り付けられている。同様に、上フランジ15aの右端面及び上フランジ15aに接着されている補強用鋼板30aの右端面と、下フランジ15bの右端面及び下フランジ15bに接着されている補強用鋼板30aの右端面とに接するように、接着材20を介して補強用鋼板30bが貼り付けられている。すなわち、図2に示す例では、H形鋼15は、補強用鋼板30a,30bによって四方を囲まれた状態となっている。
補強用繊維シート40は、エポキシ樹脂系の接着材(図示せず)が含浸された状態で、補強用鋼板30a,30bの周りに(H形鋼15の周方向に)、かつ、補強用鋼板30a,30bの全長に亘って貼着されている。なお、図2では、補強用繊維シート40を1重に貼着した例が示されているが、多重に巻き付けてもよい。また、必要な強度が満たされる場合には必ずしも補強用鋼板30a,30bの全周に亘って補強用シート40を巻き付ける必要はなく、最低限度、上側の補強用鋼板30aと補強用鋼板30bとの接合部分51、及び、下側の補強用鋼板30aと補強用鋼板30bとの接合部分52が覆われるように貼着されていればよい。
図2に示す補強構造では、補強用鋼板30aによって上フランジ15a及び下フランジ15bが補強され、補強用鋼板30bによってウェブ15cが補強される。さらに、補強用繊維シート40によって補強用鋼板30をH形鋼15と一体化させた構造とすることで、補強用鋼板30のみをH型鋼15に接着した場合と比べて、補強用鋼板30に確実に力を伝えることができ、H形鋼15の座屈を確実に防止することが可能となる。
また、図3に示すように、図2の補強構造にさらに補強用鋼板30bの座屈を防止するための補強用鋼板30cを追加してもよい。図3に示す補強用鋼板30cは、H形鋼15のウェブ15cの中央部分と補強用鋼板30bの中央部分とを連結するように、接着剤20によって貼設されている。
なお、図2及び図3では、H形鋼15の上下フランジ15a,15b及びウェブ15cすべての補強をしたが、必要な強度が満たされるのであれば、必ずしもこれらすべてを補強する必要はなく、以下に説明するように、ウェブ15cのみ、又は、上下フランジ15a,15bのみを補強する構成としてもよい。
図4は、H形鋼15のウェブ15cのみを補強した実施例を示す断面図である。図4に示す補強構造では、上フランジ15aの左端面と下フランジ15bの左端面とに接するように、接着材20を介して補強用鋼板30bが貼り付けられるとともに、上フランジ15aの右端面と下フランジ15bの右端面とに接するように、接着材20を介して補強用鋼板30bが貼り付けられている。接着材を含浸した補強用繊維シート40は、H形鋼15の上下フランジ15a,15b及び左右の補強用鋼板30bの周りに、これらの全長に亘って貼着されている。なお、図4では、補強用繊維シート40を1重に巻き付けた例が示されているが、多重に巻き付けてもよい。また、必要な強度が満たされる場合には必ずしも上下フランジ15a,15b及び補強用鋼板30bの全周に亘って補強用シート40が貼着される必要はなく、最低限度、上フランジ15aと補強用鋼板30bとの接合部分53と、下フランジ15bと補強用鋼板30bとの接合部分54が覆われるように貼着されていればよい。
また、図5は、H形鋼15の上下フランジ15a,15bのみを補強した構造を示す断面図である。図5に示す補強構造では、H形鋼15における上フランジ15aの上面に、接着材20を介して補強用鋼板30aが貼り付けられるとともに、下フランジ15bの下面に、接着材20を介して補強用鋼板30aが貼り付けられている。接着材を含浸した補強用繊維シート40は、H形鋼15の上フランジ15aに貼設された補強用鋼板30aの上面と左右端面、及び、H形鋼15の上フランジ15aの左右端面及び下面に亘って貼着されている。同様に、補強用繊維シート40は、H形鋼15の下フランジ15bに貼設された補強用鋼板30aの下面と左右端面、及び、H形鋼15の下フランジ15bの左右端面及び上面に亘って貼着されている。なお、図5では、上フランジ15aの下面及び下フランジ15bの上面にまで補強用繊維シート40が延在して貼着されているが、必要な強度が満たされる場合には必ずしもこれらにまで補強用シート40が貼着される必要はなく、最低限度、上フランジ15aと補強用鋼板30aとの接合部分55、及び、下フランジ15bと補強用鋼板30aとの接合部分56とが覆われるように貼着されていればよい。
上述した図2〜図4に示した補強構造では、補強用鋼板30bでH形鋼15の開放端を閉塞することによって閉断面を形成している。これに対し、図5に示す補強構造では、H形鋼15の外表面にのみ補強用鋼板30が配置されている、すなわち、H形鋼15の開放端を避けた位置に補強用鋼板30が配置されているため、H形鋼15の開放端が閉塞されていない構造となっている。このように、H形鋼15の外表面にのみ補強用鋼板30を配置した場合、H形鋼15と補強用鋼板30との接着面が多いため、必要な個所のみの補強強度を上げることができる。また、H形鋼15の開放端を閉塞する場合と比べて施工がしやすく、かつ、補強重量を低減させることができる。
次に、斜材15を溝形鋼に適用した場合の実施例(図6〜図11)について説明する。図6は、溝形鋼15の上下フランジ15d,15eとウェブ15fを補強した実施例を示す断面図である。図6に示す補強用鋼板30は、上下フランジ15d,15eの幅寸法に対応した寸法を有し、上下フランジ15d,15eの補強をする平板状の補強用鋼板30dと、ウェブ15fの高さ寸法に対応した寸法を有し、ウェブ15fの補強をする平板状の補強用鋼板30eとで構成してある。なお、上述したH形鋼15と同様に、座屈に対する補強を行う場合には、溝形鋼15の弱軸方向全長に亘って補強用鋼板30を貼設する必要がある。このため、図6には明示されていないが、補強用鋼板30d,30eの長手方向寸法は、溝形鋼15の長手方向寸法(弱軸方向長さ)とほぼ等しく形成してある。
但し、補強用鋼板30d,30eの長手方向寸法を溝形鋼15の長手方向寸法とほぼ等しく形成した場合、補強用鋼板30d,30eが長く且つ重くなり、取り扱いが悪くなることも考えられる。従って、補強用鋼板30d,30eの取り扱いを容易にするために、これらを長手方向に複数枚に分割し、これら複数の鋼板を溝形鋼15の長手方向に並べて貼設するようにしてもよい。このように補強用鋼板30d,30eをそれぞれ複数枚で構成した場合であっても、補強用繊維シート40を貼着することでこれらが一体化されるため、補強用鋼板30d,30eをそれぞれ1枚の平板で構成した場合と比べて強度が低下することはない。
図6に示すように、溝形鋼15における上フランジ15dの上面には、接着材20を介して補強用鋼板30dが貼り付けられるとともに、下フランジ15eの下面には、接着材20を介して補強用鋼板30dが貼り付けられている。また、ウェブ15fの外面には補強用鋼板30eが接着剤20を介して貼り付けられている。接着材を含浸した補強用繊維シート40は、溝形鋼15の上フランジ15dの端面及び下面、上フランジ15dに貼設された補強用鋼板30dの端面及び上面、補強用鋼板30eの表面、下フランジ15eに貼設された補強用鋼板30dの下面及び端面、下フランジ15eの端面及び上面に亘って貼着されている。なお、図6では、上フランジ15dの下面及び下フランジ15eの上面にまで補強用繊維シート40が延在して貼着されているが、必要な強度が満たされる場合には必ずしもこれらにまで補強用シート40が貼着される必要はなく、最低限度、上フランジ15dと補強用鋼板30dとの接合部分57、及び、下フランジ15eと補強用鋼板30dとの接合部分58が覆われるように貼着されていればよい。
なお、図6では、溝形鋼15の上下フランジ15d,15e及びウェブ15fすべての補強をしたが、必要な強度が満たされるのであれば、必ずしもこれらすべてを補強する必要はなく、以下に説明するように、上下フランジ15d,15eのみ、又はウェブ15fのみを補強する構成とすることもできる。
図7は、溝形鋼15の上下フランジ15d,15eのみを補強した実施例を示す断面図である。図7に示す補強構造では、溝形鋼15における上フランジ15dの上面に、接着材20を介して補強用鋼板30dが貼り付けられるとともに、下フランジ15eの下面に、接着材20を介して補強用鋼板30dが貼り付けられている。接着材を含浸した補強用繊維シート40は、溝形鋼15の上フランジ15dに貼設された補強用鋼板30d、溝形鋼15のウェブ15f、溝形鋼15の下フランジ15eに貼設された補強用鋼板30dに亘って貼着されている。
図8は、溝形鋼15のウェブ15eのみを補強した実施例を示す断面図である。図8に示す補強構造では、ウェブ15fの外面に接着材20を介して補強用鋼板30eが貼り付けられており、接着材を含浸した補強用繊維シート40が、溝形鋼15の上フランジ15dの上面と、補強用鋼板30eの表面と、下フランジ15eの下面に亘って貼着されている。
また、図9も、溝形鋼15のウェブ15eのみを補強した実施例を示す断面図である。図9に示す補強構造では、上フランジ15dの端面と下フランジ15eの端面とに接するように、補強用鋼板30eが貼り付けられている。また、接着材を含浸した補強用繊維シート40は、溝形鋼15の上フランジ15d、ウェブ15f、下フランジ15e、補強用鋼板30eの周りに貼着されている。
上述した図6〜図8に示す補強構造は、上述した図5に示した実施例と同様に、溝形鋼15の外表面にのみ補強用鋼板30が配置されている。すなわち、溝形鋼15の開放端を避けた位置に補強用鋼板30が配置されているため、溝形鋼15の開断面形状が閉塞されていない構造となっている。
また、図6では、上下フランジ15d,15e、ウェブ15fを個別の補強用鋼板30d,30eで補強したが、図10に示すように、1枚の補強用鋼板31で上下フランジ15d,15e及びウェブ15fを補強するようにしてもよい。この補強用鋼板31は、溝形鋼15と略同一の形状・大きさを有して形成されたもので、上下フランジ31a,31cと、ウェブ31bとを備えている。図10に示す補強構造では、溝形鋼15における上フランジ15dの下面に、接着材20を介して補強用鋼板31の上フランジ31aが貼り付けられるとともに、下フランジ15eの下面に、接着材20を介して補強用鋼板31の下フランジ31cが貼り付けられている。接着材を含浸した補強用繊維シート40は、溝形鋼15の上フランジ15d、ウェブ15f、補強用鋼板31の下フランジ31c及びウェブ31bの全周に亘って貼設されている。
また、図11に示すように、図10に示す補強構造にさらに補強用鋼板31におけるウェブ31bの座屈を防止するための補強用鋼板31dを追加してもよい。補強用鋼板31dは、溝形鋼15のウェブ15fの中央部分と補強用鋼板31のウェブ31bの中央部分とを連結するように、接着剤20によって貼設されている。
以上説明したように、本実施の形態である構造物の補強構造によれば、構造部材15(H形鋼15又は溝形鋼15)において補強すべき部位の少なくとも一面に補強用鋼板30を貼設し、この補強用鋼板30を構造部材15と一体化させるように補強用鋼板30に補強用繊維シート40を貼着するようにしたことで、構造部材15の弱軸が構面内にあるか否かに拘わらず適用することが可能となる。また、溶接作業が不要であるため、屋根トラスのような高所での耐震補強作業を容易に行うことができる。
また、本実施の形態である構造物の補強構造によれば、補強用鋼板30a,30b(30d,30e)をそれぞれ複数枚で構成し、複数の補強用鋼板30a,30b(30d,30e)をそれぞれ構造部材15の長手方向に並べて貼設する構成としたことで、補強作業を行う際の補強用鋼板30a,30b(30d,30e)の取り扱いが容易になる。
また、本実施の形態である構造物の補強構造によれば、構造部材15が開断面形状を呈しており、補強用鋼板30を構造部材15の外表面にのみ貼設する構成としたことで、構造部材15の開断面形状を閉塞せずに補強を行うことができる。その結果、構造部材15と補強用鋼板30との接着面を多くすることができ、必要な個所のみの補強強度を上げることができる。また、構造部材15の開放端を閉塞する場合と比べて施工がしやすく、かつ、補強重量を低減させることができる。
なお、上述した実施の形態では、トラス構造物10の斜材15の座屈を防止するための補強構造について説明したが、本実施の形態の補強構造は、座屈に加えて曲げやせん断に対しても補強効果が期待できる。従って、トラス構造物10の他の構造部材である上弦材12や下弦材13の補強にも適用することが可能である。上弦材12や下弦材13の曲げやせん断に対する補強を行う場合には、補強用鋼板30及び補強用繊維シート40を上弦材12及び下弦材13の長手方向全長に亘って接着する必要はなく、ヒンジ(格点)部分をカバーできる範囲に、補強用鋼板30及び補強用繊維シート40を接着すればよい。
また、上述した実施の形態では、トラス構造物10の補強構造について説明したが、トラス構造物以外の他の構造物にも適用することができる。
本発明の補強構造を適用するトラス構造物を概略的に示した図である。 本実施の形態である補強構造(H形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(H形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(H形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(H形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 本実施の形態である補強構造(溝形鋼)の一例を示す断面図である。 トラス構造物の従来の補強構造を概略的に示した図である。
符号の説明
1 基礎版
10 トラス構造物
11 支持部材
12 上弦材
13 下弦材
14 束材
15 斜材(H形鋼・溝形鋼)
15a,15d 上フランジ
15b,15e 下フランジ
15c,15f ウェブ
20 接着材
30 補強用鋼板
30a,30b,30c,30d,30e 補強用鋼板
31,31d 補強用鋼板
31a (補強用鋼板の)上フランジ
31b (補強用鋼板の)ウェブ
31c (補強用鋼板の)下フランジ
40 補強用繊維シート
51,52,53,54,55,56,57,58 接合部分

Claims (3)

  1. 構造物を構成する構造部材を補強する構造であって、
    前記構造部材において補強すべき部位の少なくとも一面に補強用鋼板を貼設し、
    前記補強用鋼板を前記構造部材と一体化させるように、前記補強用鋼板に補強用繊維シートを貼着したことを特徴とする構造物の補強構造。
  2. 前記補強用鋼板を複数枚で構成し、
    前記複数の補強用鋼板を前記構造部材の長手方向に並べて貼設したことを特徴とする請求項1に記載の構造物の補強構造。
  3. 前記構造部材が開断面形状を呈しており、
    前記補強用鋼板を前記構造部材の外表面にのみ貼設したことを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物の補強構造。
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