JP2018053682A - 鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法 - Google Patents

鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構造で効率よく座屈補強を行うことができ、しかも火気を使用することなく、補強にかかる施工効率を向上させることができる。
【解決手段】長尺な山形鋼部材20と、山形鋼部材20の内角側に添わせて配置される長尺の角型鋼管30と、山形鋼部材20及び角型鋼管30の両方の周囲に巻き付けて固化された状態で設けられた補強シート10と、を備え、補強シート10は、包帯状のシート材11と、シート材11を固化させるために付着された接着剤12と、を備えた構成の鉄骨補強構造を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法に関する。
従来、例えばトラス構造からなる鉄骨構造の既存の構造物において、鉄骨を補強することによる耐震補強を行う場合があり、構造種別と必要耐力に応じて様々な工法が採用されている。このような鉄骨の補強方法としては、既設の鉄骨に対して補強用の鋼材を溶接することによる補強方法が主流となっていた。しかし、既存の構造物が例えば工場等の施設の場合であれば、工場を稼働させた状態、すなわち工場を停止させずに補強工事が行えるとともに、溶接、すなわち火気を使用しない方法が求められていた。
そこで、溶接を使用する補強工法を用いない補強構造として、例えば特許文献1、2に示されるように既存の鉄骨部材の周囲を覆うように補強鋼材をボルト接合により設けるものが知られている。
また、溶接による火気を使用しない補強構造として、鋼管などの既設の鉄骨部材の内側にモルタルを充填することで座屈補強を行う方法も知られている。
特開2002−180535号公報 特開2012−7303号公報
しかしながら、特許文献1、2に開示されるような従来の補強構造では、ボルト接合を行うため、既設の鉄骨部材にボルト孔を設ける必要があり、そのボルト孔による母材(既設の鉄骨部材)に断面欠損が生じることとなり、補強効率の点で課題があった。
また、補強鋼材による補強や鋼管にモルタルを充填する補強の場合には、補強材料の大型化や重量の増大化という問題があり、さらにそれに伴う施工性が低下することから、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で効率よく座屈補強を行うことができ、しかも火気を使用することなく、補強にかかる施工効率を向上させることができる鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄骨補強構造は、鉄骨部材の周囲を補強シートで覆うことにより座屈補強される鉄骨補強構造であって、前記補強シートは、前記鉄骨部材に巻き付けられるシート材と、前記シート材を固化させる接着剤と、を備え、前記シート材が前記鉄骨部材の周囲に巻き付けられた状態で、前記シート材が前記接着剤によって固化されていることを特徴としている。
また、本発明に係る鉄骨補強方法は、上述した補強シートで前記鉄骨部材の周囲を覆うことにより座屈補強される前記鉄骨補強構造を施工するための鉄骨補強方法であって、 前記シート材を前記鉄骨部材の周囲に巻き付ける工程と、巻き付けた前記シート材を接着剤で固化する工程と、を有することを特徴としている。
また、本発明に係る鉄骨補強方法は、上述した補強シートで前記鉄骨部材の周囲を覆うことにより座屈補強される前記鉄骨補強構造を施工するための鉄骨補強方法であって、前記シート材に前記接着剤を含浸させる工程と、前記接着剤が含浸された前記シート材を前記鉄骨部材の周囲に巻き付ける工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、既設の鉄骨部材に所定厚さで巻き付けたシート材が接着剤によって固化された状態となり、鉄骨部材と補強シートとが一体化された構造となるので、座屈耐力を向上させることができる。そして、本発明の鉄骨補強構造は、シート材を巻き付ける工程と、シート材を接着剤で固化する工程による簡単な作業によって補強できるので、施工効率を向上させることができるうえ、施工時における溶接による火気の使用が不要となる利点がある。
さらに、本発明では、補強部材としてシート材を使用するため、軽量であり、且つ補強部材の大型化を防ぐことができるので、取り扱いが容易となる。このような構成により、既設の鉄骨構造を例えば構造物の機能を活かしたまま補強することが可能となる。
また、本発明では、補強にボルトを使用することがないので、既設の鉄骨部材に断面欠損が生じることもない。
さらに、鉄骨補強構造の施工において、予めシート材に接着剤を含浸させたテープ状の部材を製作しておくことで、施工現場ではそのテープ状に形成された補強シートを鉄骨部材の周囲に巻き付けるといった簡単な作業により施工することができる。
また、本発明に係る鉄骨補強構造は、前記鉄骨部材には補強用鋼材が添設され、前記シート材は、前記鉄骨部材及び前記補強鋼材の周囲に巻き付けられていることが好ましい。
このような構造によれば、補強用鋼材が鉄骨部材に添設された状態で補強シートによって覆われた補強構造となるので、補強用鋼材が付加されることにより断面性能を高めることができる。しかも、補強用鋼材と鉄骨部材とは添わせただけで接合、又は接着されない構造となるので、施工が簡単であり、鉄骨部材の断面欠損が生じることもなく、好適な補強構造となる。
また、本発明に係る鉄骨補強構造は、前記シート材は、前記接着剤が含浸可能な隙間を有する繊維状の部材からなることが好ましい。
この場合には、シート材の繊維状の隙間に接着剤が含浸されるので、シート材が接着剤によって確実に固化された状態となる。さらに例えば炭素繊維シートのようにシート材自体でも強度を有する部材を用いることで、補強シートとして、シート材と接着剤のそれぞれ強度を組み合わせた座屈耐力をもたせることができる。
また、本発明に係る鉄骨補強構造は、前記シート材は、複数層に積層されていてもよい。
本発明では、シート材自体の強度を増大させることができる。また、異なる材質の層により構成することも可能であるので、例えば積層される中間層を接着剤が含浸し易い発泡部材とし、補強性能を高めた構成とすることも可能である。
本発明の鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法によれば、簡単な構造で、鉄骨部材の断面欠損等がなく効率よく座屈補強を行うことができる。
また、本発明では、補強シートで鉄骨部材を覆うだけの構成となるので、火気を使用することがなくなり、補強にかかる施工効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態による鉄骨補強体の構成を示す一部破断した斜視図である。 図1に示す鉄骨補強体の断面図である。 図1に示す鉄骨補強体の側面図であって、(a)は鉄骨部材の長手方向全体にわたって補強シートが設けられた図、(b)は鉄骨部材の長手方向に間隔をあけて部分的に補強シートが設けられた図である。 鉄骨補強体の断面性能を向上させる補強効果を説明するための図であって、鉄骨補強体の断面図である。 第2の実施の形態による鉄骨補強体の断面図である。 第2の実施の形態の変形例による鉄骨補強体の断面図である。 第3の実施の形態による補強シートの断面図である。 第4の実施の形態による鉄骨補強体の断面図である。
以下、本発明の実施の形態による鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1及び図2に示すように、本実施の形態の鉄骨補強体1(鉄骨補強構造)は、例えばトラス構造の上弦材・下弦材やラチス材等の既存の鉄骨部材(山形鋼部材20)を補強する際に、補強シート10で山形鋼部材20を覆うように設けられることで座屈耐力を向上させる補強構造となっている。
本第1の実施の形態では補強する鉄骨部材として、L字断面の山形鋼部材20が採用されている。すなわち、鉄骨補強体1は、長尺な山形鋼部材20と、山形鋼部材20の内角側に添わせて配置される長尺の角型鋼管30(補強用鋼材)と、山形鋼部材20及び角型鋼管30の両方の周囲に巻き付けて固化された状態で設けられた補強シート10と、を備えている。
角型鋼管30は、高さ寸法が、山形鋼部材20の一辺の長さ寸法と略一致している。そして、山形鋼部材20の二辺20a、20aによって形成される内角側に角型鋼管30の角部を合わせるようにして添設されている。
補強シート10は、包帯状のシート材11と、シート材11を固化させるために付着された接着剤12と、を備えている。すなわち補強シート10は、シート材11を接着剤12によって鉄骨材(山形鋼部材20及び角型鋼管30)に対して一体的に固定する構成となっている。そして、シート材11も、接着剤12が付着された状態となり、接着剤12と同等以上の剛性及び強度となっている。なお、シート材11は、接着剤12が含浸可能な隙間を有する繊維状の部材であることが好ましく、シート材11自体の強度に加え、接着剤12が含浸することで強度が得られる。
シート材11の材質としては、山形鋼部材20の座屈を抑える補強性能を有し、例えば、炭素繊維、アラミド繊維、グラスウール等を用いることができる。
接着剤12としては、例えば、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、ポリウレタン樹脂系、アクリル樹脂系、フェノール樹脂系、シリコン樹脂系、変成シリコン樹脂系等が挙げられる。なお、接着剤として、適宜な固化材を混合した材料であってもよい。例えばアクリルにセメントを混合することでコンクリートと同等の強度が得られる。
補強シート10は、山形鋼部材20及び角型鋼管30に対して複数回巻き付けることで、所望の補強厚tに形成することができる。
なお、補強シート10として、シート材11と接着剤12は別体で設けられ、補強時にシート材11を山形鋼部材20に巻き付けながら接着剤12を付着させることで一体的に固定した構成とすることができる。あるいは、予めシート材11に接着剤12を含浸させて形成されたテープ状のものを山形鋼部材20に巻き付けることにより構成される補強シート10であってもよい。
補強シート10は、図3(a)に示すように山形鋼部材20の全体にわたって巻き付けることも可能であるし、図3(b)に示すように山形鋼部材20の長手方向Xに適宜な間隔をあけて所定長さだけ巻き付けることも可能である。
このように構成される鉄骨補強体1を施工する際の鉄骨補強方法としては、シート材11を山形鋼部材20及びこれに添設された角型鋼管30の周囲に巻き付け、巻き付けたシート材11を接着剤12で固化することにより、山形鋼部材20の周囲を補強シート10で覆った構造で補強することができる。このとき、シート材11は山形鋼部材20及び角型鋼管30に対して所定の補強厚tとなるまで複数回巻き付ける。そして、接着剤12を付着するタイミングとしては、シート材11を例えば1周巻き回す毎でもよいし、あるいは所定の補強厚tが確保されて巻き付けが完了したタイミングであってもかまわない。
また、他の鉄骨補強方法としては、先ずシート材11に接着剤12を含浸させてテープ状、或いは包帯状の補強シート10を製作しておく。これは、予め工場等で製品として製造されるものであってもかまわない。そして、製造された補強シート10を施工現場に搬入して、接着剤12が含浸されたシート材11を山形鋼部材20の周囲に巻き付けることで、山形鋼部材20の周囲を補強シート10で覆った構造で補強することができる。なお、この場合には、現場で補強シート10を山形鋼部材20に巻き付けた後でシート材11に含浸されている接着剤12が固化することが望ましいため、例えば巻き付ける前の製品の段階では含浸されている接着剤12が固化しないよう保護テープ等の保護材を設けておき、使用時に剥がすようなものが好ましい。
次に、上述した鉄骨補強体1の断面性能を向上させる補強効果に関して、計算例の一例を用いて説明する。
なお、ここでは図4に示すように既存の鉄骨部材として角型鋼管部材21を使用し、図2に示す補強用鋼材(角型鋼管30)が省略された構成の鉄骨補強体1Aを用いて説明する。つまり、鉄骨補強体1Aは、角型鋼管部材21の全周にわたってシート材11が巻き付けられて接着剤12で固化された構成となっている。なお、本補強効果の説明では、補強シート10を接着剤12として計算した。
そして、補強シート10による補強が無い場合と、補強シート10による補強が有る場合を、オイラーの弾性座屈荷重式を用いて比較した。
先ず、角型鋼管部材21における座屈耐力を算出する。
角型鋼管部材21はSTKR400(規格)で、縦横寸法が100mm、厚さが4.5mmのものを使用する。鋼材のヤング係数Esが205,000(N/mm2)、短期許容応力度Fsが235(N/mm2)、断面積Asが1,667(mm2)、このときの材料軸耐力は、As×Fs=391,745(N)≒39(ton)となる。さらに、断面2次モーメントIsが2、490,000(mm4)、そして座屈長さLを5,000(mm)と仮定する。このような条件で、角型鋼管部材21における座屈耐力は、(1)式より略20(ton)となる。
π2×Es×Is/L2=201,500(N) ・・・(1)
次いで、接着剤12における座屈耐力を算出する。
接着剤12は、補強厚tを20mmとし、以下のような一般的な物性値と仮定して採用する。ヤング係数Eaが鋼材の略1/10で20,000(N/mm2)、短期許容応力度Faが鋼材(角型鋼管部材21)の略1/10で略20(N/mm2)、断面積Aaが9,800(mm2)であり、このときの接着剤軸耐力は、Aa×Fa=1,960,000(N)≒200(ton)となる。さらに、断面2次モーメントIaが23,680,000(mm4)であるから、接着剤12における座屈耐力は、(2)式より略20(ton)となる。
π2×Ea×Ia/L2=187,000(N) ・・・(2)
したがって、角型鋼管部材21と接着剤12の累計座屈荷重は、略40(ton)となる。つまり、接着剤12、すなわち補強シート10で補強することにより、既存の角型鋼管部材21に対して2倍の耐力となる。
次に、上述した鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
本実施の形態では、既設の山形鋼部材20に所定厚さで巻き付けたシート材11が接着剤12によって固化された状態となり、山形鋼部材20と補強シート10とが一体化された構造となるので、座屈耐力を向上させることができる。
そして、鉄骨補強体1は、シート材11を巻き付ける工程と、シート材11を接着剤12で固化する工程による簡単な作業によって補強できるので、施工効率を向上させることができるうえ、施工時における溶接による火気の使用が不要となる利点がある。
さらに、本実施の形態では、補強部材としてシート材11を使用するため、軽量であり、且つ補強部材の大型化を防ぐことができるので、取り扱いが容易となる。このような構成により、既設の山形鋼部材20を例えば構造物の機能を活かしたまま補強することが可能となる。
また、本実施の形態では、補強にボルトを使用することがないので、既設の山形鋼部材20に断面欠損が生じることもない。
さらに、鉄骨補強体1の施工において、予めシート材11に接着剤12を含浸させたテープ状の部材を製作しておくことで、施工現場ではそのテープ状に形成された補強シート10を鉄骨部材の周囲に巻き付けるといった簡単な作業により施工することができる。
また、本実施の形態では、角型鋼管30が山形鋼部材20に添設された状態で補強シート10によって覆われた補強構造となるので、角型鋼管30が付加されることにより断面性能を高めることができる。
しかも、角型鋼管30と山形鋼部材20とは添わせただけで接合、又は接着されない構造となるので、施工が簡単であり、山形鋼部材20の断面欠損が生じることもなく、好適な補強構造となる。
また、例えばシート材11として接着剤が含浸可能な隙間を有する繊維状の部材を使用することで、シート材11の繊維状の隙間に接着剤12が含浸されるので、シート材11が接着剤12によって確実に固化された状態となる。さらに例えば炭素繊維シートのようにシート材11自体でも強度を有する部材を用いることで、補強シート10として、シート材11と接着剤12のそれぞれ強度を組み合わせた座屈耐力をもたせることができる。
上述のように本実施の形態による鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法では、簡単な構造で、鉄骨部材20の断面欠損等がなく効率よく座屈補強を行うことができる。
また、本実施の形態では、補強シート10で鉄骨部材20を覆うだけの構成となるので、火気を使用することがなくなり、補強にかかる施工効率を向上させることができる。
次に、本発明の鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図5に示すように、第2の実施の形態の鉄骨補強体1B(鉄骨補強構造)は、一対の山形鋼部材20A、20Bがそれぞれの一辺20a、20a同士を対向させた状態で接合され、これら一対の山形鋼部材20A、20Bの周囲を補強シート10で覆うことにより座屈補強される構造である。補強シート10は、一対の山形鋼部材20A、20Bに巻き付けられるシート材11と、シート材11を固化させる接着剤12と、を備えている。この場合には、山形鋼部材20A、20Bの長手方向の全体にわたって補強シート10で補強されている。
また、図6に示す変形例による鉄骨補強体1C(鉄骨補強構造)は、山形鋼部材20A、20Bの頂部20b同士を対向させた状態で接合され、これら一対の山形鋼部材20A、20Bの周囲を補強シート10で覆うことにより座屈補強される構造である。
(第3の実施の形態)
図7に示す第3の実施の形態は、補強シート10において、シート材11が複数層に積層された構成となっている。すなわち、表裏面に繊維シートからなる表層11A、11Bを設け、これら表層11A、11Bに挟持されて積層される中間層11Cを接着剤12が含浸し易い発泡部材とし、補強性能を高めた構成とすることも可能である。
この場合には、シート材11自体の強度を増大させることができ、かつ接着剤12の含浸機能も高めることができる。
また、図7に示すシート材11の表層11Aと11Bの繊維密度を変えて、接着剤12の浸透性を変えることにより、補強シート11の片側のみ接着性を高めることも可能である。
さらに、接着剤の硬化を確実にコントロールするために、2液反応型の接着剤を用いる場合には、例えば、2液別々の補強シートを作成し、補強作業時に密着含浸させる方法や、2液を2層構造のシートにし、2液の境界となる膜を、特殊な加圧や変形などで破壊できる材料を用いることにより、2液混合反応による接着剤の硬化を自由にコントロールすることも可能である。
(第4の実施の形態)
図8に示す第4の実施の形態による鉄骨補強体1D(鉄骨補強構造)は、図6に示す第2の実施の形態の変形例の鉄骨補強体1Cにおいて、一対の山形鋼部材20A、20Bと補強シート10との間に形成される内部空隙にモルタル等の充填材40を充填した構造である。この場合、一対の山形鋼部材20A、20Bの周囲を補強シート10で覆った状態、すなわち補強シート10のシート材11が一対の山形鋼部材20A、20Bに対して接着剤12によって一体的に固化した後、山形鋼部材20A、20Bの長手方向の開口から充填材40を流し込む、或いは適宜な圧力を与えて注入することで施工される。
第4の実施の形態では、一対の山形鋼部材20A、20Bと補強シート10との間に形成される空隙が密実になるので、一体性が高められ、座屈強度も向上させることができる。
以上、本発明による鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、既設の鉄骨部材として山形鋼部材20A、20Bや角型鋼管部材21を対象としているが、これらに制限されることはなく、例えば溝形鋼やH形鋼、あるいは円筒状の鋼管等、他の形状、組み合わせの鉄骨部材であってもかまわない。
また、本発明の鉄骨補強構造、及び鉄骨補強方法は、上述した実施の形態のように既設の鉄骨部材であることに限定されることはなく、新設の構造物の鉄骨部材の補強にも適用することも可能である。
また、上述した第1の実施の形態では、鉄骨部材である山形鋼部材20に補強部材であう角型鋼管30を添設した構成となっているが、補強部材は省略することも可能であるし、角型鋼管30である必要もなく、他の形状の補強部材であってもよい。さらに鉄骨部材に対する補強部材の添設位置についてもとくに制限されることはない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A〜1D 鉄骨補強体(鉄骨補強構造)
10 補強シート
11 シート材
12 接着剤
20、20A、20B 山形鋼部材(鉄骨部材)
21 角型鋼管部材(鉄骨部材)
30 角型鋼管(補強用鋼材)
40 充填材

Claims (6)

  1. 鉄骨部材の周囲を補強シートで覆うことにより座屈補強される鉄骨補強構造であって、
    前記補強シートは、前記鉄骨部材に巻き付けられるシート材と、前記シート材を固化させる接着剤と、を備え、
    前記シート材が前記鉄骨部材の周囲に巻き付けられた状態で、前記シート材が前記接着剤によって固化されていることを特徴とする鉄骨補強構造。
  2. 前記鉄骨部材には補強用鋼材が添設され、
    前記シート材は、前記鉄骨部材及び前記補強鋼材の周囲に巻き付けられていることを特徴とする請求項1に記載の鉄骨補強構造。
  3. 前記シート材は、前記接着剤が含浸可能な隙間を有する繊維状の部材からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄骨補強構造。
  4. 前記シート材は、複数層に積層されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄骨補強構造。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の補強シートで前記鉄骨部材の周囲を覆うことにより座屈補強される前記鉄骨補強構造を施工するための鉄骨補強方法であって、
    前記シート材を前記鉄骨部材の周囲に巻き付ける工程と、
    巻き付けた前記シート材を接着剤で固化する工程と、
    を有することを特徴とする鉄骨補強方法。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の補強シートで前記鉄骨部材の周囲を覆うことにより座屈補強される前記鉄骨補強構造を施工するための鉄骨補強方法であって、
    前記シート材に前記接着剤を含浸させる工程と、
    前記接着剤が含浸された前記シート材を前記鉄骨部材の周囲に巻き付ける工程と、
    を有することを特徴とする鉄骨補強方法。
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