JP2001279381A - 耐縦割れ性に優れた高強度高靭性極細鋼線及びその製造方法 - Google Patents

耐縦割れ性に優れた高強度高靭性極細鋼線及びその製造方法

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JP2001279381A
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憲二 落合
Nobuhiko Ibaraki
信彦 茨木
Atsushi Inada
淳 稲田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 耐縦割れ性に優れ、且つ引張強度が望ましく
は3720N/mm2以上である高強度高靭性の極細鋼
線を提供する。 【解決手段】 極細鋼線の表面残留応力を、157×In
D+273N/mm2(D;最終伸線後の極細鋼線の
直径:単位mm)以下にする。この鋼線の化学成分とし
てはC:0.8〜1.1%(重量%、以下同じ)、S
i:0.1〜0.5%、Mn:0.15〜0.6%、C
r:0.05〜0.4%、Cu:0.05〜0.8%、
Al:0.03%以下が挙げられる。製造方法は、最終
パテンテイング処理後における引張強度が1270〜1
570N/mm2で、且つ初析フェライト及び/又は初
析セメンタイトが面積率で0.02%以下である線材
に、真歪みが3.3以上の引抜加工を行い、更に、スキ
ンパスを行って、鋼線表面の残留応力を上記の条件とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、好ましくは372
0N/mm2以上の引張強さを有し、且つ耐縦割れ性にも
優れたスチールコード用の高強度高靭性極細鋼線及びそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、極細鋼線は、必要に応じて熱間圧
延した後に調整冷却して得られた直径5.0〜5.5mm
の線材を、一次伸線加工後、最終パテンティング処理を
行うか、或いは中間パテンティング処理を行った後に二
次伸線加工を経て、最終パテンティング処理したもの
に、ブラスメッキ処理を施し、最後に湿式伸線加工を行
って得られる。
【0003】この様にして製造された極細鋼線の多く
は、スチールコードとして使用する為に撚り線加工が施
される。撚り線加工として、例えば2本撚り又は5本撚
り等の加工法が知られているが、いずれにおいても極細
鋼線には、撚り線加工時の高速回転で断線を生じさせな
い優れた靭性が要求される。更に極細鋼線には、高い引
張強度や耐腐食疲労性等の優れた特性が、多様な用途に
応じて求められている。
【0004】従来からこの様な要望に応じて極細鋼線の
開発がなされており、例えば、特開昭60−20486
5号公報には、250kgf/mm2(2450N/mm2)以
上の引張強さを達成した直径0.5mm以下の鋼線が開示
されている。詳細には、Mn含有量を0.3%未満に規
制して鉛パテンティング処理後の過冷組織の発生を抑
え、更に、C,Si,Mn等の含有量を規制することで
線材の強度及び靭延性を向上させて、撚り線加工時の断
線の減少を図った技術が開示されている。しかし、タイ
ヤの軽量化・高性能化に伴いスチールコードのハイテン
化(高張力化)が急速に進展しており、より高強度であ
ることが要求されている。近年では、これに応えるべく
例えば引張強さが3330N/mm2級の極細鋼線が開発
されているが、更に、例えば引張強さが3530N/mm
2以上である高強度の極細鋼線の出現が期待されてい
る。
【0005】しかしながら、この様に鋼線の強度が高く
なると、一般に延性及び靭性が低下し易くなる為、撚り
線加工でのねじり変形の初期に「デラミネーション」と
呼ばれる鋼線の伸線方向に添った縦割れが生じ易くな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な事情
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、優れた引張強度(好ましくは3720N/mm2
上)を有し、且つ耐縦割れ性にも優れた高強度高靭性極
細鋼線を提供することにある。尚、本発明の極細鋼線と
は、通常、最終鋼線の直径が0.3mm以下の鋼線を指
す。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の高強度高靭性極細鋼線とは、鋼線表面
の残留応力が、157×ln D+273N/mm2以下であ
ることを要旨とする。尚、上記式におけるDは、最終伸
線後の極細鋼線の直径(単位:mm)を意味する(以下、
同じ)。
【0008】本発明の極細鋼線は、上記要件を満たすこ
とによって目的を達成するものであるが、一般に次に示
す様な化学成分、即ち、C:0.8%(質量%の意味、
以下同じ)以上1.1%以下、Si:0.1%以上0.
5%以下、Mn:0.15%以上0.6%以下、Cr:
0.05%以上0.4%以下、Cu:0.05%以上
0.8%以下、Al:0.003%以下を満たすものが
挙げられる。
【0009】更に、本発明の極細鋼線を製造する方法
は、最終パテンティング処理後における引張強度が12
70〜1570N/mm2で、且つ初析フェライト及び/
又は初析セメンタイトが面積率で0.02%以下である
線材に、真歪みが3.3以上の引抜加工を行い、更に、
スキンパスを行って、鋼線表面の残留応力を157×ln
D+273N/mm2以下とするところに要旨を有する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前述した様な状況
の下で、耐縦割れ性に優れた高強度高靭性極細鋼線の開
発を期して鋭意研究を進めた結果、引張強度を好ましく
は3720N/mm2以上に高めた鋼線の耐縦割れ性を向
上させるには、鋼線表面の残留応力を、最終ワイヤの直
径に応じてある一定値以下に制御する必要があることを
見出した。更に、優れた引張強度(好ましくは3720
N/mm2以上)と前記耐縦割れ性の両特性を達成させる
為に、化学成分の定量的作用効果及び製造方法について
追究を重ねた結果、上記本発明に想到したものである。
【0011】(1)まず、引張強度を好ましくは372
0N/mm2以上に高めた極細鋼線で、優れた耐縦割れ性
を達成したことについて詳述する。
【0012】一般に、伸線加工後の鋼線表面には引張の
残留応力があり、この引張残留応力が大きい場合には、
スチールコード製造時の撚り線加工において縦割れが発
生し易く、強度の撚り線加工に耐えられない。従って、
撚り線加工性を高めるには、伸線加工後の鋼線表面の引
張残留応力を低減する必要がある。
【0013】そこで本発明者らは、スチールコード製造
時の撚り線加工に耐え得る優れた耐縦割れ性を鋼線に付
与するには、伸線加工後の鋼線表面の引張残留応力をど
の程度まで低減すればよいかについて調べた。図1は、
最終伸線後の極細鋼線の各直径における表面残留応力と
捻回試験での縦割れ発生の有無との関係を、後述する実
施例で得た鋼線を用いて調べた結果である。
【0014】図1より、撚り線加工時に縦割れを生じさ
せない極細鋼線を得るには、鋼線表面の残留応力を、図
1に示す曲線以下、即ち157×ln D+273N/mm2
以下に抑える必要があることが分かった。つまり、本発
明者らは、スチールコード製造時の撚り線加工に耐え得
る優れた耐縦割れ性を鋼線に付与するには、最終伸線後
の極細鋼線の直径に応じて、鋼線表面の残留応力を15
7×ln D+273N/mm2以下に抑える必要があること
を見出した。
【0015】尚、最終伸線後の極細鋼線の直径によって
は、鋼線表面の残留応力を小さな引張応力にすること
で、本発明の目的を達成できる場合もあるが、この様な
場合に上記残留応力を圧縮応力とすることも、当然本発
明の範囲内に含まれる。
【0016】(2)次に本発明の極細鋼線における基本
的な化学成分の好ましい範囲及びその理由について述べ
る。
【0017】C:0.8%以上1.1%以下 Cは、鋼の強度向上に有効な元素である為、0.8%以
上、好ましくは0.9%以上添加する必要がある。しか
し最近の研究で、Cが0.8%近傍の共析成分組成の鋼
においても、一般的なパテンティング処理を施すと旧オ
ーステナイト粒界に添って初析セメンタイトが析出し、
これが伸線後の延性を低下させる原因となることが知ら
れている。Cの添加量が多すぎると、この様な初析セメ
ンタイトが多量に析出して延性が低下し、伸線性を劣化
させることとなる為、1.1%以下、好ましくは1.0
%以下に抑える。
【0018】Si:0.1%以上0.5%以下 Siは鋼の脱酸に必要な元素であり、また、熱処理後に
形成されるパーライト中のフェライト相に固溶してパテ
ンティング処理後の強度を上げる効果も有するので、
0.1%以上、好ましくは0.15%以上添加する。し
かし、過剰な添加はフェライトの延性低下を招き、伸線
後の延性を低下させることとなるので、0.5%以下、
好ましくは0.3%以下に抑える。
【0019】Mn:0.15%以上0.6%以下 Mnは、焼入性の確保に必要な元素である為、0.15
%以上、好ましくは0.2%以上含有させる。しかしM
nの過剰な添加は、偏析を引き起こし、パテンティング
の際にベイナイト、マルテンサイトといった過冷組織を
発生させて伸線性を低下させるので、0.6%以下、好
ましくは0.5%以下に抑える。
【0020】Cr:0.05%以上0.4%以下 本発明鋼は、パテンティング処理後の強度を確保する為
に、Cを多量に添加している過共析鋼であるので、初析
セメンタイトは、上述の共析鋼の場合よりも更に望まし
くない形態で析出する。即ち、本発明鋼の場合には、パ
テンティング処理後の金属組織中に、厚みを有するネッ
トワーク状の初析セメンタイトが析出し易く、伸線後の
延性低下は避けられない。従って、本発明鋼の化学成分
範囲内で高強度且つ高延性を実現させるには、金属組織
を微細なパーライトとし、セメンタイトネットワークや
厚いセメンタイト層の生成を抑制する必要がある。
【0021】そこで本発明者らは、この初析セメンタイ
ト析出の抑制に有効であるCrを添加して、C添加量の
増加に伴い初析セメンタイトが大量に出現するのを抑制
した。またCrは、パーライトのラメラ間隔を微細化し
て、線材の強度や伸線加工性等を向上させるのにも有効
な元素である。
【0022】この様な効果を発揮させるには、Crを
0.05%以上、好ましくは0.1%以上添加する必要
がある。しかし多量の添加は、熱処理後のフェライト中
の転位密度を上昇させ、引き抜き加工後の延性を著しく
劣化させる為、Cr添加量を0.4%以下、好ましくは
0.3%以下に抑える。
【0023】また、Cr,Si及びMnの添加量を上記
範囲内に抑えることで、フェライト相の延性も確保する
ことができ、鋼線の優れた延性確保を実現することがで
きた。即ち、本発明では、組織を微細化してパテンティ
ング処理後の強度を向上させるべく化学成分を規定する
ことで、鋼線の延性も高めることができ、高強度と高延
性の両特性を確保することができた。
【0024】Cu:0.05%以上0.8%以下 Cuは鋼の陽極分極性を高める元素であり、伸線後のワ
イヤの耐腐食疲労性を向上させるので、0.05%以
上、好ましくは0.1%以上添加する。しかし、過剰の
添加は鋼の熱処理特性を低下させる為、0.8%以下、
好ましくは0.6%以下に抑える必要がある。
【0025】Al:0.003%以下(0%を含む) A123,MgO−A123等のA123を主成分とす
る非延性介在物は、極細鋼線の延性を低下させる。従っ
て、この様な非延性介在物の生成を抑制する為に、A1
含有量を0.003%以下に抑える。
【0026】その他、Sの含有量が多過ぎると延性が低
下する為、0.02%以下に抑えることが望ましい。ま
た、Pも、Sと同様に線材の延性を低下させる元素であ
るので、その含有量を0.02%以下に抑えることが好
ましい。
【0027】本発明の好ましい含有元素は上記の通りで
あり、残部成分は実質的にFeであるが、該鋼線中には
微量の不可避不純物の含有が許容されるのは勿論のこ
と、前記本発明の作用に悪影響を与えない範囲で、更に
他の元素を積極的に含有させた鋼を使用することも可能
である。積極添加が許容される他の元素の例として、C
やNによる時効硬化を遅らせて靭延性の低下を防ぐN
i,鋼の強度向上に有効であるV,初析セメンタイトの
析出防止、及びパーライト組織を微細化して鋼の強度を
向上させるCo等が挙げられる。
【0028】(3)次に、本発明の極細鋼線の製造方法
について限定した理由を述べる。
【0029】直径0.3mm以下の極細鋼線で、好まし
くは3720N/mm2以上の優れた引張強度を確保する
には、最終パテンティング処理後の鋼線の引張強さを制
御する必要がある。即ち、最終パテンティング処理後の
引張強さが小さすぎると、最終伸線工程で引き抜き加工
を行っても、最終的に得られる極細鋼線の引張強さを、
好ましくは3720N/mm2以上の高強度にまで高める
ことができない。従って、最終パテンティング処理後の
引張強度は、1270N/mm2以上、好ましくは137
0N/mm2以上となるように調整する。しかし、最終パ
テンティング処理後の引張強度が高すぎると、ベイナイ
ト等の望ましくない組織が出現して延性が低下し、次工
程である引き抜き加工が困難となるので、1570N/
mm2以下、好ましくは1520N/mm2以下となるように
調整する。
【0030】また本発明者らは、縦割れの発生原因とな
る初析フェライトの生成を抑制し、且つ伸線加工性を劣
化させるネットワーク状のセメンタイトの生成や、伸線
初期の断線の原因となるセメンタイトの厚み増加を抑制
するには、最終パテンティング処理後の金属組織を制御
すればよいことを見出した。詳細には、最終パテンティ
ング処理後の金属組織中の初析フェライト及び/又は初
析セメンタイトを、面積率で0.02%以下、好ましく
は面積率で0.01%以下にすることで、上記縦割れの
発生や伸線性悪化等を確実に抑えられることが分かっ
た。
【0031】また、優れた引張強度(望ましくは37
20N/mm2以上)を達成するには、真歪み(引き抜き
加工量)で3.3以上、好ましくは3.5以上の最終湿
式伸線加工を行う必要があることが分かった。しかし、
この真歪みが大きすぎると延性の劣化が著しくなる為、
真歪みで4.1以下の伸線加工を行うことが好ましい。
【0032】更に、上述の通り、引き抜き加工後には
鋼線表面に引張の残留応力が発生しており、そのままで
は撚り線加工時に縦割れが生じ易い為、最終伸線工程で
スキンパスを行って鋼線表面の残留応力を157×ln
D+273N/mm2以下に抑える必要がある。スキンパ
スは、減面率が3〜5%となるように行うことが好まし
い。
【0033】尚、上記残留応力を制御する方法として、
上記スキンパスを行う他、得られた鋼線に矯正加工等を
行ってもよい。
【0034】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0035】実施例 表1に示す成分の鋼を用い、熱間圧延を行って製造した
5.5mmφの線材を伸線加工した後、鉛パテンティング
処理を行い、次に線径が2.0〜1.3mmφになるまで
伸線加工を施した。このワイヤに最終鉛パテンティング
処理を行い、次にブラスメッキを施した後、最終湿式伸
線を行って極細鋼線を得た。尚、最終伸線工程では、鋼
線表面の引張残留応力を低減させる為に、減面率が3〜
5%のスキンパスを行った。また、実験No.15及び
20については、スキンパスに加えてコマ矯正加工を行
った。
【0036】得られた極細鋼線の引張特性、鋼線表面の
残留応力、及び捻回試験での縦割れ発生の有無を調べた
結果を表1に示す。上記鋼線表面の残留応力は、X線回
折装置を用いて鋼線の断面組織中のフェライト組織を測
定して求めた。
【0037】
【表1】
【0038】表1より、本発明の規定を満たす実験N
o.1,2,10,14,15,17及び19〜21の
極細鋼線は、引張強度が高く且つ捻回試験での縦割れも
生じない良好な結果を示した。これに対して、実験N
o.3〜9,11〜13,16及び18の場合は、請求
項1で定める要件を欠いている為、捻回試験で縦割れが
発生し、耐縦割れ性に優れた高強度高靭性の極細鋼線を
提供するという本発明の目的を達成することができなか
った。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、鋼
線表面の残留応力を157×ln D+273N/mm2以下
に抑えることで、優れた引張強度(好ましくは3720
N/mm2以上)を有する鋼線の耐縦割れ性を向上させる
ことができた。そして、この様な耐縦割れ性に優れた高
強度高靭性極細鋼線の実現によって、タイヤの軽量化、
高性能化を達成し得るスチールコードを提供できること
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】最終伸線後の極細鋼線の各直径における、表面
残留応力と捻回試験での縦割れ発生の有無との関係を示
したグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼線表面の残留応力が、157×ln D
    +273N/mm2(D;最終伸線後の極細鋼線の直径:
    単位mm)以下であることを特徴とする耐縦割れ性に優れ
    た高強度高靭性極細鋼線。
  2. 【請求項2】 質量%で(以下、同じ)、 C :0.8%以上1.1%以下、 Si:0.1%以上0.5%以下、 Mn:0.15%以上0.6%以下、 Cr:0.05%以上0.4%以下、 Cu:0.05%以上0.8%以下、 Al:0.003%以下 を満たす請求項1に記載の高強度高靭性極細鋼線。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の高強度高靭性
    極細鋼線を製造する方法であって、最終パテンティング
    処理後における引張強度が1270〜1570N/m
    m2、且つ初析フェライト及び/又は初析セメンタイトが
    面積率で0.02%以下である線材に、真歪みが3.3
    以上の引抜加工を行い、更に、スキンパスを行うことを
    特徴とする高強度高靭性極細鋼線の製造方法。
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