JP2001279146A - 印刷インキ用バインダーおよびその製造法 - Google Patents

印刷インキ用バインダーおよびその製造法

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JP2001279146A
JP2001279146A JP2000093140A JP2000093140A JP2001279146A JP 2001279146 A JP2001279146 A JP 2001279146A JP 2000093140 A JP2000093140 A JP 2000093140A JP 2000093140 A JP2000093140 A JP 2000093140A JP 2001279146 A JP2001279146 A JP 2001279146A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 印刷物中に残留する溶剤量を削減して印刷物
の臭気を低減できる新規な樹脂酸金属塩を主成分とする
印刷インキ用バインダーおよびその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 (a)α,β−エチレン性不飽和カルボ
ン酸変性ロジン(b)多価アルコール、(c1)炭素数
10以上のアルキル基又はアルケニル基を有する脂肪酸
金属塩、(c2)炭素数10以上のアルキル基又はアル
ケニル基を有する有機酸、もしくは脂肪族アミン、(c
3)炭素数10以上のアルキル基又はアルケニル基を有
する有機酸からなる樹脂酸金属塩を主成分とする印刷イ
ンキ用バインダー。(a)と(b)を反応させ、次いで
金属化合物(2)と造塩反応させて得られる樹脂酸金属
塩及び(c1)の樹脂酸金属塩、又は(a)と(b)と
(c2)を反応させ、次いで(2)と造塩反応して得ら
れる樹脂酸金属塩、又は(a)と(b)を反応させ、更
に(c3)を添加後(2)と造塩反応を行う上記印刷イ
ンキ用バインダーの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷インキ用バインダー
およびその製造法に関する。更に詳しくは、出版グラビ
アインキに好適な印刷インキ用バインダーおよびその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、雑誌、週刊誌、その他の素材
に適用されるグラビア印刷インキにおいては、そのバイ
ンダーとして、ロジン系化合物と金属化合物との反応生
成物(樹脂酸金属塩)が多量に使用されており、該バイ
ンダーを含有してなるグラビア印刷インキは、印刷時の
紙への転移性、印刷後の乾燥性、印刷物の光沢、高速印
刷への対応の点では十分な性能を有している。
【0003】しかしながら、従来のバインダーからなる
グラビア印刷インキでは、当該インキ中の成分である有
機溶剤(代表的にはトルエン)が印刷後の印刷物中に少
量残留し、これが印刷工場での臭気の原因となり労働環
境を悪化させている。
【0004】残留溶剤量を削減させる最も有力な方法
は、樹脂のトルエン溶液粘度を高めるインキ中に含まれ
る樹脂や顔料といった固形分の量を減少させることであ
る。固形分量を減少させることにより、インキ表面の溶
剤分子の占める面積が拡大し、さらに溶剤分子を牽引す
る樹脂分子および顔料表面が少なくなるため、溶剤の脱
離性は向上するものの、単に固形分量を削減しただけで
は光沢が低下したり、いわゆる泳ぎ現象が発生するなど
印刷物の品質が悪化するため、実用性のあるインキとす
ることができない。したがって、樹脂のトルエン溶液粘
度の高粘度化手段を適切に選択する必要がある。
【0005】また、残留溶剤量に関係する因子として樹
脂の融点も挙げられる。一般に樹脂の融点が高いほど溶
剤離脱性が向上するが、融点が高くなりすぎると、イン
キ皮膜中での溶剤の移動性が低下するため残留溶剤量が
増加する傾向がある。逆に融点が低いほどインキ皮膜中
での溶剤の移動性は高くなり、残留溶剤量は減少する。
樹脂酸金属塩の融点を低下させる方法としては、第一に
樹脂酸塩の金属含有量を減量する方法が考えられるが、
この場合樹脂酸金属塩のトルエン溶液粘度が低下してし
まう。トルエン溶液粘度の低下を防ぐには、樹脂酸金属
塩の金属含有量を減らして融点を低下させ、多価金属に
よる造塩反応以外の手段によってトルエン溶液粘度を高
めるといった方法も考えられるが、この場合には金属含
有量が少ないためにトルエンとの親和性が高い樹脂酸を
多く含むため、残留溶剤量を削減することができない。
【0006】また、樹脂酸金属塩に低分子量成分を添加
したり、樹脂酸に柔軟な構造を有する成分を反応させる
ことなど種々公知の手段により単純に樹脂の融点を低下
させることもできるが、多くの場合印刷物の光沢が低下
したり、印刷物に泳ぎが発生するなど印刷物の品質を維
持することができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の樹脂
酸金属塩と比較して、印刷物中に残留する溶剤(代表的
にはトルエン)量を大幅に削減し、印刷物の臭気を低減
することのできる新規な樹脂酸金属塩を主成分とする印
刷インキ用バインダー、および該バインダーの製造方法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、α,β−エチレン
性不飽和カルボン酸変性ロジンおよび多価アルコールと
からなる樹脂酸部分エステル化物と、金属化合物とを造
塩反応させてなる樹脂酸金属塩、ならびに炭素数10以
上のアルキル鎖またはアルケニル鎖を有する成分からな
る樹脂酸金属塩組成物を主成分とする印刷インキ用バイ
ンダー;α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジ
ンと多価アルコールおよび炭素数10以上のアルキル鎖
もしくはアルケニル鎖を有する有機酸または脂肪族アミ
ンを反応させて得られる反応生成物と、金属化合物とを
造塩反応させて得られる樹脂酸金属塩からなる印刷イン
キ用バインダー;樹脂酸金属塩を主成分とする印刷イン
キ用バインダーにおいて、当該樹脂酸金属塩が、(a)
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン、
(b)多価アルコールからなる樹脂酸部分エステル化物
(1)、(c3)炭素数10以上のアルキル鎖またはア
ルケニル鎖を有する有機酸および金属化合物(2)とを
造塩反応させてなる樹脂酸金属塩からなる印刷インキ用
バインダーを用いることにより印刷物中の残留溶剤量が
大幅に削減され、なおかつ紙への転移性、光沢などの印
刷物の品質が損なわれないことを見出した。
【0009】すなわち、本発明は、樹脂酸金属塩を主成
分とする印刷インキ用バインダーにおいて、当該樹脂酸
金属塩が、(a)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸
変性ロジンおよび(b)多価アルコールとからなる樹脂
酸部分エステル化物(1)と、金属化合物(2)とを造
塩反応させてなる樹脂酸金属塩(3)、ならびに(c
1)炭素数10以上のアルキル鎖またはアルケニル鎖を
有する成分を構成成分とする樹脂酸金属塩組成物(4)
を含有してなる印刷インキ用バインダー;樹脂酸金属塩
を主成分とする印刷インキ用バインダーにおいて、当該
樹脂酸金属塩が、(a)α,β−エチレン性不飽和カル
ボン酸変性ロジン、(b)多価アルコールおよび(c
2)炭素数10以上のアルキル鎖もしくはアルケニル鎖
を有する有機酸または脂肪族アミンとからなる反応生成
物(3´)と、金属化合物(2)とを造塩反応させてな
る樹脂酸金属塩(5)であることを特徴とする印刷イン
キ用バインダー;樹脂酸金属塩を主成分とする印刷イン
キ用バインダーにおいて、当該樹脂酸金属塩が、(a)
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン、
(b)多価アルコールからなる樹脂酸部分エステル化物
(1)、(c3)炭素数10以上のアルキル鎖またはア
ルケニル鎖を有する有機酸および金属化合物(2)とを
造塩反応させてなる樹脂酸金属塩(6)であることを特
徴とする印刷インキ用バインダー、さらには当該印刷イ
ンキ用バインダーの製造法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂酸金属塩組成物
(4)は(a)α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変
性ロジンおよび(b)多価アルコールとからなる樹脂酸
部分エステル化物(1)と、金属化合物(2)とを造塩
反応させてなる樹脂酸金属塩(3)ならびに(c1)炭
素数10以上のアルキル鎖またはアルケニル鎖を有する
成分を構成成分とする。
【0011】本発明の印刷インキ用バインダーの製造に
用いる樹脂酸部分エステル化物(1)は(a)α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン(以下(a)成
分という)のカルボキシル基の一部と(b)多価アルコ
ール(以下(b)成分という)の水酸基とをエステル化
反応させることにより得られる。
【0012】本発明に用いられる(a)成分は、ロジン
類にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸を付加させる
ことにより得られる。ロジン類としては、たとえば、ガ
ムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンや不均化ロジ
ン、重合ロジン等があげられ、α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸としては、無水マレイン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸、アク
リル酸、メタアクリル酸等の不飽和モノカルボン酸など
が挙げられる。ロジン類をα,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸で変性する方法としては、特に制限されず、公
知の方法を用いることができる。
【0013】(b)成分としては特に制限されず、例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスルトール、ソルビトール、アルカノ
ールアミンなどが挙げられる。
【0014】本発明に用いられる(c1)炭素数10以
上のアルキル鎖またはアルケニル鎖を有する成分(以下
(c1)成分という)としては炭素数が10以上のもの
であれば特に制限されず公知のものが使用でき、炭素数
が15以上のものがより好ましい。炭素数が10より小
さいアルキル鎖またはアルケニル鎖を有する成分を用い
る場合には、光沢が低下し、泳ぎが発生により印刷物の
品質が悪化するために好ましくない。例えば、ラウリン
酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪
酸、亜麻仁油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油脂
肪酸、マレイン化大豆油脂肪酸などの脂肪酸、ダイマー
酸、トリマー酸などの重合脂肪酸、ラウリルアミン、ミ
リスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、
ジステアリルアミン、N−メチルステアリルアミン、
N,N−ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイル
アミン、ジラウリルモノメチルアミン、ステアリルプロ
ピレンジアミン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロライド、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、
N,N−ジポリオキシエチレンオクタデシルアミンなど
の脂肪族アミン、ラウリンアミド、ミスチリン酸アミ
ド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイ
ン酸アミドなどの脂肪酸アミド等があげられる。
【0015】(c1)成分の使用量は、樹脂酸部分エス
テル化物(1)の合計重量に対して7〜20重量%程度
とすることが好ましい。(c1)成分の使用量が7重量
%未満の場合、残留溶剤量の削減効果が得られず、光沢
の低下、泳ぎが発生しやすくなり印刷物の品質が悪化す
るおそれがある。また、20重量%を超える場合には当
該バインダーからなる印刷インキにより印刷された印刷
物の耐ブロッキング性が悪化する。
【0016】樹脂酸金属塩を得るのに使用する金属化合
物(2)としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛な
どの各種金属の酸化物、水酸化物、有機酸塩類などが挙
げられる。これらのうち、好ましいものとしては水酸化
カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化亜鉛、酸化亜鉛、酢酸亜鉛などを例示できる。
【0017】本発明では、得られるバインダーの顔料分
散性やインキ組成物の光沢を向上させたり、更にはバイ
ンダー中の金属分の導入量を高め乾燥性および溶剤離脱
性を改良する観点から、金属化合物を2種類使用するこ
とが好ましい。また、1種類の金属化合物を反応させた
場合には、通常カルボキシル基に対する金属導入量が7
0%をこえると反応物が結晶化しゲル化するおそれがあ
るが、2種以上とすることでゲル化を防ぎ、金属導入量
を高めることができ、そのため得られる印刷インキ用バ
インダーの乾燥性を向上させることができるからであ
る。本発明では特にカルシウム−亜鉛、マグネシウム−
亜鉛、カルシウム−マグネシウム−亜鉛などの組合せが
好ましい。なお、使用金属の割合はカルシウムおよび/
またはマグネシウムは導入金属の合計量に対して30〜
70%程度、亜鉛は30〜70%程度の範囲で使用され
る。
【0018】該金属化合物(2)の使用量は、樹脂酸部
分エステル化物(1)に含まれる(b)成分とのエステ
ル結合に関与していないカルボキシル基に対して70当
量%程度以上、好ましくは80当量%以上である。該範
囲に満たない場合は、トルエン溶液粘度を高粘度化させ
ることが困難となるため、インキ中の固形分量を低減す
ることが困難となる。また乾燥性、光沢およびインキの
経時安定性が低下する可能性があり、さらには本発明に
おける印刷インキ用バインダーの残留溶剤削減効果もト
ルエンとの親和性向上により減少するおそれがある。
【0019】本発明の樹脂組成物たる樹脂酸部分エステ
ル化物(1)は、例えばロジンとα,β−エチレン性不
飽和カルボン酸とを反応させ(a)成分とし、さらに
(b)成分を加え部分エステル化を行なう方法、または
ロジン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、(b)
成分を加え反応させることにより得られる。反応温度は
通常150〜300℃程度であり、一般的に溶融下で実
施される。該反応に際しての各原料の使用量は、得られ
るインキ用バインダーの諸性能および樹脂のトルエン溶
液粘度を考慮して適宜決定される。例えば、α,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸の使用量はロジンに対して通
常は1〜30重量%程度、多価アルコール使用量はロジ
ンとα,β−エチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシ
ル基に対して1〜30当量%程度とされる。多価アルコ
ールの使用量が1当量%未満では、多価アルコールによ
るエステル化で得られる残留溶剤削減の効果が小さくな
り、また、樹脂のトルエン溶液の高粘度化が困難とな
る。一方、30当量%を超えると、インキとした際に光
沢、経時安定性が低下するおそれがあり、また、樹脂酸
金属塩の金属含有量が低下するために、残留溶剤削減効
果も劣る傾向がある。
【0020】一般的に造塩反応は溶融法または溶液法で
行われるが、金属含有量を高くするためには溶液法によ
り造塩反応を行うことが好ましい。
【0021】本発明の樹脂酸金属塩(3)は樹脂酸部分
エステル化物(1)を有機溶剤に溶解させ、溶液状態に
て金属化合物と反応させることにより得られる。反応温
度は100℃程度以下が適当であり、好ましくは50〜
85℃である。最終的には還流脱水を行い反応を完結す
る。反応温度が100℃より高い場合は水および共存す
る有機溶剤の蒸発が起こりやすく、反応が十分進行しな
いおそれがある。一方、50℃未満では反応の進行が著
しく遅くなるため製造に時間を要し、また、未反応金属
化合物が存存しやすくなる。該造塩反応に要する時間は
特に制限されないが、通常は0.5〜10時間程度、好
ましくは2〜7時間である。なお、上記造塩反応は、水
の存在下で行うことが好ましいため、反応内容物を突沸
させないように、反応熱を制御して行う必要がある。な
お、水は樹脂酸部分エステル化物(1)の重量に対して
0.1〜20重量%程度使用することが好ましく、0.
5〜10重量%とすることがさらに好ましい。該反応系
で使用する有機溶剤としては、水に対する溶解度の低い
ものであれば、特に制限されない。代表的なものとして
は、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶
剤;メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなど
の脂環族系有機溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエ
ステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン系溶剤などがあげられる。かかる有
機溶剤は単独もしくは二種以上の混合使用でも差し支え
ない。
【0022】樹脂酸金属塩組成物(4)の製造方法とし
ては特に制限されないが、通常樹脂酸金属塩(3)の溶
液中に(c1)成分を添加することにより得られる。
【0023】上記のようにして樹脂酸金属塩組成物
(4)を含有する印刷インキ用バインダーが得られる。
なお、該樹脂酸金属塩組成物(4)の固形分の融点は1
40〜200℃程度であることが好ましい。なお、本発
明における融点とは微小融点測定器を用いて測定した値
である。すなわち減圧しながら加熱することにより得ら
れた印刷バインダー中の固形分をプレパラートではさ
み、微小融点測定器にて溶融する様子を観察し、サンプ
ル透過光が80%以上となったときの値を融点とした。
当該融点が200℃を超える場合には樹脂中での溶剤の
移動性が低くなり、残留溶剤量が多くなるおそれがあ
り、140℃未満の場合には、印刷インキとして使用し
た際、汚れが生じたり、印刷直後の印刷物にブロッキン
グなどが発生するおそれがある。また、得られた樹脂の
トルエン溶液粘度を0.20Pa・s程度に調整した際
の固形分が50%程度以下であることが好ましい。固形
分が50%を超える場合には固形分低下にともなう残留
溶剤削減効果が得られ難い。
【0024】本発明の樹脂酸金属塩(5)は(a)成
分、(b)成分および(c2)炭素数10以上のアルキ
ル鎖またはアルケニル鎖を有する有機酸または脂肪族ア
ミン成分(以下(c2)成分という)とからなる反応生
成物(3´)と、金属化合物(2)とを造塩反応させる
ことにより得られる。
【0025】(c2)成分としては、例えば、ラウリン
酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレ
イン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪
酸、亜麻仁油脂肪酸、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油脂
肪酸、マレイン化大豆油脂肪酸などの脂肪酸、ダイマー
酸、トリマー酸などの重合脂肪酸、ラウリルアミン、ミ
リスチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、
ジステアリルアミン、N−メチルステアリルアミン、
N,N−ジメチルステアリルアミン、ジメチルオレイル
アミン、ジラウリルモノメチルアミン、ステアリルプロ
ピレンジアミン、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム
クロライド、ポリオキシエチレンオクタデシルアミン、
N,N−ジポリオキシエチレンオクタデシルアミンなど
の脂肪族アミンなどがあげられる。
【0026】(c2)成分の使用量は、(a)成分と
(b)成分の合計重量に対して7〜20重量%程度とす
ることが好ましい。(c2)成分の使用量が7重量%未
満の場合、残留溶剤量の削減効果が得られず、光沢の減
少、泳ぎの発生により印刷物の品質も悪化する。また、
20重量%を超える場合には当該バインダーからなる印
刷インキにより印刷された印刷物の耐ブロッキング性が
悪化する。
【0027】反応生成物(3´)は(a)成分、(b)
成分および(c2)成分を反応させることによって得ら
れる。この際反応させる順序は特に問われず、(a)成
分と(b)成分を反応させた後に(c2)成分を反応さ
せても良く、(a)成分、(b)成分および(c)成分
を同時に反応させてもよい。また、(a)成分を製造す
る際に同時に(b)成分および(c2)成分を反応させ
ることもできる。反応温度は特に制限されないが、通常
は150〜300℃程度である。該反応に用いられる各
原料の使用量は得られるインキ用バインダーの諸性質お
よび樹脂のトルエン溶液粘度を考慮して適宜決定され
る。通常(a)成分および(c2)成分のカルボン酸の
カルボキシル基の合計に対して(b)成分を1〜30重
量%程度とするのが好ましい。多価アルコールの使用量
が1当量%未満では、多価アルコールによるエステル化
で得られる残留溶剤削減の効果が小さくなり、また、樹
脂のトルエン溶液粘度0.20Pa・s程度とした時の
不揮発分を50%程度以下とすることが困難である。一
方、30当量%を超えると、インキとした際に光沢、経
時安定性が低下するおそれがあり、また、樹脂酸金属塩
の金属含有量が低下するために、残留溶剤削減効果も劣
る傾向がある。
【0028】このようにして得られた反応生成物(3
´)を前記金属化合物(2)と前記造塩反応と同様の操
作をすることにより樹脂酸金属塩が得られる。すなわち
有機溶剤に反応生成物を溶解させ、水の存在下または不
在下に、金属化合物(2)と反応温度100℃程度以
下、好ましくは50〜85℃で造塩反応させることによ
り得られる。なお、金属化合物(2)の使用量は、反応
生成物(3´)に含まれる(b)成分とのエステル結合
に関与していないカルボキシル基に対して70当量%程
度、好ましくは80当量%以上である。
【0029】上記のようにして樹脂酸金属塩(5)を含
有する印刷インキ用バインダーが得られる。樹脂酸金属
塩(5)の融点は140〜200℃程度であることが好
ましい。当該融点が200℃を超える場合には樹脂中で
の溶剤の移動性が低くなり、残留溶剤量が多くなるおそ
れがあり、140℃未満の場合には、印刷インキとして
使用した際、汚れが生じたり、印刷直後の印刷物にブロ
ッキングなどが発生するおそれがある。また、得られた
樹脂のトルエン溶液粘度を0.20Pa・s程度に調整
した際の固形分が50%程度以下であることが好まし
い。50%を超える場合には固形分低下にともなう残留
溶剤削減効果が得られ難い。なお、樹脂酸金属塩(5)
を主成分とする印刷インキ用バインダーに前記(c1)
成分を添加することもできる。
【0030】本発明の樹脂酸金属塩(6)は、(a)
α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン、
(b)多価アルコールからなる樹脂酸部分エステル化物
(1)、(c3)炭素数10以上のアルキル鎖またはア
ルケニル鎖を有する有機酸(以下(c3)成分という)
および金属化合物(2)とを造塩反応させることにより
得られる。
【0031】(c3)成分としてはラウリン酸、ミスチ
リン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、大
豆油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、亜麻仁油
脂肪酸、ひまし油脂肪酸、硬化ひまし油脂肪酸、マレイ
ン化大豆油脂肪酸などの脂肪酸、ダイマー酸、トリマー
酸などの重合脂肪酸などが挙げられる。
【0032】(c3)成分の使用量は、樹脂酸部分エス
テル化物(1)の合計重量に対して7〜20重量%程度
とすることが好ましい。(c3)成分の使用量が7重量
%未満の場合、残留溶剤量の削減効果が得られず、印刷
効果も悪化する。また、20重量%を超える場合には当
該バインダーからなる印刷インキにより印刷された印刷
物の耐ブロッキング性が悪化する。
【0033】前記樹脂酸部分エステル化物(1)と(c
3)成分および前記金属化合物(2)との造塩反応は前
記条件により、同様に行うことができる。すなわち有機
溶剤に樹脂酸部分エステル化物(1)と(c3)成分を
溶解させ、水の存在下、金属化合物(2)と反応開始温
度100℃以下、好ましくは50〜85℃で造塩反応さ
せることにより得られる。なお、造塩反応に用いられる
金属化合物(2)の使用量は、樹脂酸部分エステル化物
(1)中、(b)成分とのエステル結合に関与していな
いカルボキシル基および(c3)成分に含まれるカルボ
キシル基の合計に対して70当量%以上、好ましくは8
0当量%以上である。
【0034】上記のようにして樹脂酸金属塩(6)を含
有する印刷インキ用バインダーが得られる。なお、該樹
脂酸金属塩(6)の融点は140〜200℃程度である
ことが好ましい。当該融点が200℃を超える場合には
樹脂中での溶剤の移動性が低くなり、残留溶剤量が多く
なるおそれがあり、140℃未満の場合には、印刷イン
キとして使用した際、汚れが生じたり、印刷直後の印刷
物にブロッキングなどが発生するおそれがある。また、
得られた樹脂のトルエン溶液粘度を0.20Pa・sに
調整した際の固形分が50%以下であることが好まし
い。50%を超える場合には固形分低下にともなう残留
溶剤削減効果が得られ難い。なお、樹脂酸金属塩(6)
を主成分とする印刷インキ用バインダーに前記(c1)
成分を添加することもできる。
【0035】上述のようにして得られた樹脂酸金属塩組
成物(4)溶液、樹脂酸金属塩(5)溶液および樹脂酸
金属塩(6)溶液は、そのまま印刷インキ用バインダー
として使用することが可能であるが、場合によっては顔
料分散剤、界面活性剤、帯電防止剤などの添加剤を加え
て所望の印刷インキ用バインダーを調製することもでき
る。印刷インキ組成物の性能の観点から判断して、当該
バインダーの不揮発分および粘度が適宜に決定される
が、それぞれ30〜65重量%、0.035〜1Pa・
s(25℃)の範囲が一般的である。当該バインダーの
不揮発分が30%未満である場合は、インキ組成物中の
樹脂酸金属塩の量が少なくなり、インキ光沢が低下する
傾向がある。また、65%を超える場合は、インキから
の溶剤離脱性が低下し、十分な乾燥性が得られにくくな
る。当該粘度が0.035Pa・s未満の場合は、実用
的な粘度のインキ組成物を調製することができず、また
1Pa・sを超える場合にはバインダーおよびインキの
ハンドリング上の支障をきたしやすくなる。本発明の印
刷インキ用バインダーを用いて印刷インキ組成物を調製
するにあたっては、該バインダーを必要に応じて有機溶
剤に溶解して粘度調整したのち、各種公知の顔料、ワッ
クス、添加剤等を混練すればよい。なお、本発明の目的
を逸脱しない範囲で、公知の樹脂酸金属塩を併用しても
よい。
【0036】
【発明の効果】本発明により、従来の樹脂酸金属塩と比
較して、印刷物中に残留する有機溶剤量を大幅に削減し
印刷物の臭気を低減することのできる、新規な樹脂酸金
属塩を主成分とする印刷インキ用バインダー、および印
刷インキ組成物、特に出版グラビア印刷インキ組成物を
提供することができる。
【0037】
【実施例】以下に、製造例、実施例および比較例をあげ
て本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、部および%は重量基準で
ある。
【0038】実施例1(樹脂酸金属塩組成物(4)を含
有する印刷インキ用バインダーの製造) 攪拌機、温度計、冷却管、分水器および窒素ガス導入管
を備えたフラスコに、トール油ロジン1000部を仕込
み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、200℃
で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスリトール4部
を加え250℃にて1時間エステル化を行った。トルエ
ン1160部を加えて該樹脂を溶解し、酸化亜鉛44.
8部、酢酸カルシウム2部および水10部を添加し、7
5℃にて1時間保温した後、水酸化カルシウム76.1
部加え1時間反応を行ってから、デカンターで還流脱水
しながら加熱昇温し110℃以上の温度で1時間保温し
た。以上の様にして得られた樹脂酸金属塩溶液を105
℃まで冷却し、ステアリン酸アミド120部を加え、不
揮発分47%、粘度0.20Pa・sの樹脂組成物Aを
得た。樹脂組成物Aの不揮発成分の融点は166℃であ
った。
【0039】実施例2(樹脂酸金属塩(5)を含有する
印刷インキ用バインダーの製造) 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、
200℃で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスルト
ール4部と大豆油脂肪酸(商品名 TOENOL112
5、当栄ケミカル株式会社製)110部を加え250℃
にて1時間エステル化を行った。トルエン1420部を
加えて該樹脂を溶解し、酸化亜鉛46.6部、酢酸カル
シウム2部および水10部を添加し、75℃にて1時間
保温した後、水酸化カルシウム92.6部を加え1時間
反応を行ってから、デカンターで還流脱水しながら加熱
昇温し110℃以上で1時間保温し、不揮発分46%、
粘度0.20Pa・sの樹脂組成物Bを得た。樹脂組成
物Bの不揮発成分の融点は191℃であった。
【0040】実施例3(樹脂酸金属塩(6)を含有する
印刷インキ用バインダーの製造) 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、
200℃で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスルト
ール4部を加え250℃にて1時間エステル化を行っ
た。トルエン1400部を加えて該樹脂を溶解し、大豆
油脂肪酸(商品名 TOENOL1125、当栄ケミカ
ル株式会社製)100部、酸化亜鉛45.0、酢酸カル
シウム2部および水10部を添加し75℃にて1時間保
温した後、水酸化カルシウム90.0部を加え1時間反
応を行ってから、デカンターで還流脱水しながら加熱昇
温し110℃以上の温度で1時間保温し、不揮発分48
%、粘度0.2Pa・sの樹脂組成物Cを得た。樹脂組
成物Cの不揮発成分の融点は185℃であった。
【0041】比較例1 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸46部を添加し、
200℃で1時間反応した。トルエン935部を加えて
該樹脂を溶解し、酸化亜鉛38.0部、酢酸カルシウム
2部および水30部を添加し、1時間保温した後、水酸
化マグネシウム76.0部を加え1時間反応を行ってか
ら、デカンターで還流脱水をしながら加熱昇温し110
℃以上の温度で2時間保温し、不揮発分54%、粘度
0.20Pa・sの樹脂組成物Dを得た。樹脂組成物D
の不揮発成分の融点は250℃であった。
【0042】比較例2 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、
200℃で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスルト
ール4部を加え250℃にて1時間エステル化を行っ
た。トルエン1400部を加え該樹脂を溶解し、酸化亜
鉛41.5、酢酸カルシウム2部および水10部を添加
し75℃にて1時間保温した後、水酸化カルシウム8
2.9部を加え1時間反応を行ってから、デカンターで
還流脱水しながら加熱昇温し110℃以上で1時間保温
し、不揮発分44%、粘度0.20Pa・sの樹脂組成
物Eを得た。樹脂組成物Eの不揮発成分の融点は230
℃であった。
【0043】比較例3 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、
200℃で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスルト
ール4部を加え250℃にて1時間エステル化を行っ
た。トルエン1440部を加えて該樹脂およびアクリル
樹脂(商品名 JONREZ H2704、Westv
aco Chemicals社製、酸価40、軟化点1
40℃、重量平均分子量14,000)80部を溶解
し、酸化亜鉛42.2、酢酸カルシウム2部および水1
0部を添加し75℃にて1時間保温した後、水酸化カル
シウム84.4部を加え1時間反応を行ってから、デカ
ンターで還流脱水しながら加熱昇温し110℃以上の温
度で1時間保温し、不揮発分45%、粘度0.20Pa
・sの樹脂組成物Fを得た。樹脂組成物Fの不揮発成分
の融点は180℃であった。
【0044】比較例4 実施例1と同様のフラスコに、トール油ロジン1000
部を仕込み加熱溶融した後、フマル酸27部を添加し、
200℃で1時間反応し、ついで、ジペンタエリスルト
ール4部を加え250℃にて1時間エステル化を行っ
た。トルエン1300部を加え該樹脂を溶解した後、n
−ノナン酸100部、酸化亜鉛39.7部、酢酸カルシ
ウム2部および水10部を添加し75℃にて1時間保温
した後、水酸化カルシウム79.5部を加え1時間反応
を行ってから、デカンターで還流脱水しながら加熱昇温
し110℃以上で1時間保温し、不揮発分47%、粘度
0.20Pa・sの樹脂組成物Gを得た。樹脂組成物G
の不揮発成分の融点は185℃であった。
【0045】インキ性能評価 実施例1〜3、比較例1〜4で得られた樹脂組成物(A
〜C、D〜G)のトルエン溶液の粘度を35mPa・s
/20℃に調整後、それぞれの樹脂溶液88部に紅顔料
(カーミン6B)を12部混合し、サンドミルを用いて
1時間混練りし、更にトルエンを追加し、粘度85mP
a・s/20℃の紅グラビアインキを得た。また、上記
において、カーミン6Bに代えて、黄顔料(ベンジジン
イエロー)を使用した他は同様にして、黄グラビアイン
キを得た。得られた紅インキ7点および黄インキ7点に
つき、それぞれ簡易グラビア印刷機を用いてコート紙に
印刷し、転移性および光沢を目視により下記基準で5段
階評価した。残留溶剤量については印刷2時間後の印刷
物中の残留溶剤量をヘッドスペースガスクロマトグラフ
ィー(ガスクロマトグラフィー:Hewlett Pa
ckard社製 5890、サンプラー:Hewlet
t Packard社製 19395A)にて測定し、
同時に測定した標準品(比較例1)を100とした場合
の相対量として表した。 ◎:非常に良好 ○:良好、△:普通、×:劣る ××:
非常に劣る
【0046】
【表1】
【0047】表1から明らかなように、本発明の印刷イ
ンキ用バインダーおよび印刷インキ組成物(実施例1〜
3)は、残留溶剤量が少なく、光沢、転移性に優れる。
すなわち、汎用されている樹脂酸金属塩から調製される
印刷インキ用バインダーおよび印刷インキ組成物(比較
例1)と比較した場合にも、光沢、転移性は遜色が無
く、残留溶剤量は大きく削減されている。本発明の印刷
インキ用バインダーより調製される印刷インキは、単に
トルエン溶液粘度0.20Pa・s時の不揮発分を減少
させた樹脂酸金属塩から調製されるバインダー(比較例
2)と比較して、残留溶剤量は少なく、光沢、転移性に
優れる。また、本発明によらず、別の方法にて融点を低
下させたバインダー(比較例3)の場合、残留溶剤量に
ついては本発明のバインダーと同程度に削減されるもの
の、光沢および転移性の点で本発明のバインダーに劣
る。同様に、炭素数10以下のアルキル鎖を優する有機
酸を使用したバインダー(比較例4)の場合にも、残留
溶剤量については本発明のバインダーと同程度に削減さ
れるものの、光沢の点で本発明のバインダーに劣る。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)α,β−エチレン性不飽和カルボ
    ン酸変性ロジンおよび(b)多価アルコールとからなる
    樹脂酸部分エステル化物(1)と、金属化合物(2)と
    を造塩反応させてなる樹脂酸金属塩(3)、ならびに
    (c1)炭素数10以上のアルキル鎖またはアルケニル
    鎖を有する成分からなる樹脂酸金属塩組成物(4)を主
    成分とする印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】 樹脂酸金属塩組成物(4)の融点が14
    0℃〜200℃である請求項1記載の印刷インキ用バイ
    ンダー。
  3. 【請求項3】 樹脂酸部分エステル化物(1)の合計重
    量に対し、(c1)成分の使用量が7〜20重量%であ
    る請求項1または2記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 樹脂酸金属塩を主成分とする印刷インキ
    用バインダーにおいて、当該樹脂酸金属塩が、(a)
    α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン、
    (b)多価アルコールおよび(c2)炭素数10以上の
    アルキル鎖もしくはアルケニル鎖を有する有機酸または
    脂肪族アミンとからなる反応生成物(3´)と、金属化
    合物(2)とを造塩反応させてなる樹脂酸金属塩(5)
    であることを特徴とする印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 樹脂酸金属塩(5)の融点が140℃〜
    200℃である請求項4記載の印刷インキ用バインダ
    ー。
  6. 【請求項6】 (a)α,β−エチレン性不飽和カルボ
    ン酸変性ロジンおよび(b)多価アルコールの合計重量
    に対し、(c2)成分の使用量が7〜20重量%である
    請求項4または5記載の印刷インキ用バインダー。
  7. 【請求項7】 樹脂酸金属塩を主成分とする印刷インキ
    用バインダーにおいて、当該樹脂酸金属塩が、(a)
    α,β−エチレン性不飽和カルボン酸変性ロジン、
    (b)多価アルコールからなる樹脂酸部分エステル化物
    (1)、(c3)炭素数10以上のアルキル鎖またはア
    ルケニル鎖を有する有機酸、および金属化合物(2)と
    を造塩反応させてなる樹脂酸金属塩(6)であることを
    特徴とする印刷インキ用バインダー。
  8. 【請求項8】 樹脂酸金属塩(6)の融点が140〜2
    00℃である請求項7記載の印刷インキ用バインダー。
  9. 【請求項9】 樹脂酸部分エステル化物(1)の合計重
    量に対して(c3)成分の使用量が7〜20重量%であ
    る請求項7または8記載の印刷インキ用バインダー。
  10. 【請求項10】 金属化合物(2)が多価金属化合物で
    ある請求項1〜9のいずれかに記載の印刷インキ用バイ
    ンダー。
  11. 【請求項11】 多価金属化合物が亜鉛ならびにカルシ
    ウムおよび/またはマグネシウムである請求項10記載
    の印刷インキ用バインダー。
  12. 【請求項12】 造塩反応を有機溶媒中で行う請求項1
    〜11記載の印刷インキ用バインダー。
  13. 【請求項13】 前記有機溶剤が芳香族系炭化水素溶
    剤、脂環族系炭化水素溶剤、エステル系溶剤、ケトン系
    溶剤のいずれか少なくとも1種である請求項1〜12記
    載の印刷インキ用バインダー。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13記載の印刷インキ用バ
    インダーの製造方法。
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