JP2001278951A - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents
ポリアリーレンスルフィド組成物Info
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Abstract
樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛躍的に改善させる。 【解決手段】 カルボキシル基(a1)を樹脂中50
〜100μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボ
ン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中20μmol/g
以下であるPPSと、ノボラック型エポキシ樹脂とを含
有。
Description
ルフィドとエポキシ樹脂とのブレンドに於いて、ポリア
リーレンスルフィドとエポキシ樹脂との反応性の制御を
可能にする技術に関するものである。
ポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性等に優
れ、電気電子部品や自動車部品等の成型品に幅広く利用
されている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィド
は、一般に金属や他樹脂との接着性、密着性が低く、ま
た、接着剤との反応性が乏しいという欠点を有してい
る。
開昭57−17153号公報に記載のように、ポリアリ
ーレンスルフィドとエポキシ樹脂とをブレンドし、ポリ
アリーレンスルフィドの接着性、密着性を改善する技術
が開示されている。
ンスルフィドとエポキシ樹脂を単純にブレンドした場
合、ポリアリーレンスルフィドが含有する種々の官能基
が触媒として働き、エポキシ樹脂自身の自己重合を引き
起こしてエポキシ樹脂のゲル化反応が生じ、樹脂全体の
溶融粘度の上昇を招き、射出成形等の加工時の流動性が
低下し、成形加工が著しく困難になる欠点があった。ま
た、ポリアリーレンスルフィドの末端官能基の量を低減
すれば、エポキシ樹脂の自己重合を抑制できるものの、
エポキシ樹脂との相溶性を低下させるため、結局、実用
的な接着性、密着性を発現し得ないものであった。
性、密着性を保持しつつ、ブレンド後の樹脂の溶融粘度
並びに流動性を飛躍的に改善させることができる新規な
ポリアーレンスルフィド組成物を提供することにある。
を達成すべく鋭意検討した結果、特定の官能基を特定量
含有したポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂とを
ブレンドすることで、接着性、密着性を保持しつつ、ブ
レンド後の樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛躍的に改善
したポリアリーレンスルフィド組成物が得られることを
見いだし、本発明を完成するに至った。
を樹脂中50〜100μmol/gなる割合で含有し、
かつ、カルボン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中20
μmol/g以下であるポリアリーレンスルフィド
(A)と、エポキシ樹脂(B)とを必須成分とすること
を特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関
する。
に使用するポリアリーレンスルフィド(A)は、下記構
造
反応性を示す官能基、nは0〜4の整数である。)を繰
り返し単位とする構造を主たる骨格とするものであり、
その樹脂構造中に存在する各種の末端官能基のうち、カ
ルボキシル基(a1)を樹脂中50〜100μmol/
gなる割合で含有し、かつ、カルボン酸金属塩(a2)
の含有量が樹脂中20μmol/g以下となる割合で含
有することを特徴としている。
ド(A)中に存在する種々の末端官能基のうち、カルボ
キシル基(a1)がエポキシ樹脂(B)のゲル化を生じ
させることなく相溶性を飛躍的に改善できること、及
び、カルボン酸金属塩(a2)がエポキシ樹脂(B)の
ゲル化の原因となることを見いだし、それぞれの存在量
を調整し、(a1)及び(a2)の存在量を選択的に上
記範囲とすることにより、エポキシ樹脂(B)との相溶
性を飛躍的に高めて、組成物として優れた接着性、密着
性を発現させながらも、エポキシ樹脂(B)のゲル化を
抑制することができるものである。
ポリアリーレンスルフィド(A)中に存在する各種の末
端官能基のうち、カルボキシル基(a1)を樹脂中50
〜70μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン
酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中15μmol/g以
下となる割合で含有することが好ましい。
溶融粘度は制限するものではないが、組成物の流動性改
善の点から300℃における溶融粘度が20〜1000
ポイズのものが好ましい。
ルボン酸金属塩(a2)の量が調整されたポリアリーレ
ンスルフィド(A)を製造する方法としては、特に制限
されるものではないが、例えば、
ルカリ金属硫化物(s1)を用いるか、或いは、アルカ
リ金属水硫化物(s2)及びアルカリ金属水酸化物(s
3)を、(s3)/(s2)のモル比で1以下となる割
合で用い、これと脂環式アミド化合物と混合して混合溶
液とし、 工程II:上記混合溶液にポリハロ芳香族化合物(D)を
滴下しながら重合を行い、 工程III:次いで、ポリハロ芳香族化合物(D)の滴下
終了後、(D)の消費率が50%以上となった時点以降
に、アルカリ金属水酸化物(s3)を系内に加え反応さ
せ、 工程IV:ついで、酸で処理する方法が、選択的にカルボ
キシル基(a1)の量を増大させることができる点から
好ましい。
は、アルカリ金属硫化物(s1)を単独で用いるか、或
いは、アルカリ金属水硫化物(s2)及びアルカリ金属
水酸化物(s3)を、(s3)/(s2)のモル比で1
以下となる割合で用いるものである。後者の場合、これ
に一部アルカリ金属硫化物(s1)を併用してもよい。
即ち、この様な条件でスルフィド化剤(S)を用いるこ
とにより脂環式アミド化合物と混合した際に、過剰なア
ルカリの生成を抑制でき、ポリアリーレンスルフィドの
分子量を飛躍的に向上させることができる。
と脂環式アミド化合物と混合して混合溶液とするもので
ある。具体的には、 アルカリ金属硫化物(s1)を脂環式アミド化合物と
混合するか、 アルカリ金属水硫化物(s2)、アルカリ金属水酸化
物(s3)及び脂環式アミド化合物を(s3)/(s
2)のモル比で1以下となる条件で混合する方法が挙げ
られる。
(s1)は、特に制限されるものではなく、アルカリ金
属硫化物の無水物又は含水物として用いることができ、
例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウ
ム、硫化ルビジウムおよび硫化セシウム、又はこれらの
水和物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いても
よいし、2種以上を混合して用いてもよい。上記アルカ
リ金属硫化物の中でも、反応性に優れる点から硫化ナト
リウムと硫化カリウムが好ましく、特に硫化ナトリウム
が好ましい。
して無水物を用いる場合には、水溶液として使用しても
よい。
は、アルカリ金属水硫化物(s2)とアルカリ金属塩
基、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応容器内で事前
に反応させることによっても得られるが、反応系外で調
製されたものを用いてもよい。ここで、アルカリ金属塩
基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウ
ム等が挙げられるが、中でも水酸化リチウムと水酸化ナ
トリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化
ナトリウムが好ましい。これらはそれぞれ単独で用いて
もよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
限されるものではなく、アルカリ金属硫化物の無水物又
は含水物として用いることができ、例えば、水硫化リチ
ウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビ
ジウム及び水硫化セシウム、またはこれらの水和物等が
挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いてもよい。
応性に優れる点から水硫化ナトリウムと水硫化カリウム
が好ましく、特に水硫化ナトリウムが好ましい。なお、
この調整の際、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫
化物中に微量存在する不純物を除去するためにアルカリ
金属塩基を少量過剰に加えてもさしつかえない。
とアルカリ金属塩基とを反応させることによっても得ら
れるが、反応系外で事前に調製された物を用いてもかま
わない。アルカリ金属塩基としては、上記したものが何
れも使用できる。
水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、
なかでも水酸化リチウムと水酸化ナトリウムおよび水酸
化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが脂環式
アミド化合物の加水分解が容易である点から好ましい。
これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混
合して用いてもよい。また、上記アルカリ金属水酸化物
(s3)は、無水物、水和物、水溶液のいずれを用いて
もよいが、前記した通り有機極性溶媒へ溶解し易くする
ために水溶液の形で用いる方が好ましく、具体的には、
その濃度は10〜50重量%となる範囲が好ましい。こ
の際、使用する水は、蒸留水、イオン交換水等、反応を
阻害するアニオンやカチオン等を除いた水が好ましい。
−メチルピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシルピ
ロリドン(NCP)、N−メチルカプロラクタム等が挙
げられる。なかでも、アルカリ金属水酸化物との反応性
が良好である点からN−メチルピロリドン(NMP)が
好ましい。本発明において、脂環式アミド化合物は反応
溶媒としても機能させるものである。その使用量は、使
用する溶媒の種類及び系内の溶媒に対する水分量によっ
ても異なり、特に制限されるものではないが、均一な重
合反応が可能な反応系の粘度を保持すること、また、あ
る程度の生産性を維持するためには、重合に用いるスル
フィド化剤中の硫黄源1モル当り1.0〜6.0モルと
なる範囲であることが好ましい。また、生産性を更に高
めるには、スルフィド化剤(S)中の硫黄源1モル当り
2.5〜4.5モルの範囲が好ましい。
物(D)を滴下し乍ら重合を行う。ここで使用し得るポ
リハロ芳香族化合物(D)は、特に制限されるものでは
ないが、例えばp−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼ
ン、o−ジハロベンゼン、1,2,3,−トリハロベン
ゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−ト
リハロベンゼン、1,2,3,4−テトラハロベンゼ
ン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,
4,5−テトラハロベンゼン、2,5−ジハロトルエ
ン、1,4−ジハロナフタリン、1−メトキシ−2,5
−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,
5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5
−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼ
ン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、
4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハ
ロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニ
ルスルフィド等が挙げられる。
m−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロベンゾフェノン
および4,4’−ジハロジフェニルスルホンが好適に使
用され、特にp−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン
が好ましい。ここで、p−ジハロベンゼン、m−ジハロ
ベンゼン等のジハロベンゼンは、芳香環上の置換基とし
て炭素原子数1〜18のアルキル基を有するものも好ま
しく使用できる。また、上記の各ポリハロ芳香族化合物
(D)中のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子
であることが好ましい。
な選択組合せによって2種以上の異なる反応単位を含む
共重合体を得ることもできる。具体的組み合わせは特に
制限されるものでなく、上記したものの中から任意に選
択した2種以上のものを適宜組み合わせることができる
が、具体的には、p−ジクロルベンゼンと4,4’−ジ
クロルベンゾフェノン又は4,4’−ジクロルフェニル
スルホンとを組み合わせて使用することが種々の物性に
優れたポリアリーレンスルフィドが得られるので好まし
い。また、p−ジハロベンゼンをその1成分としてジハ
ロ芳香族化合物を2種以上用いる場合には、該ポリハロ
芳香族化合物(D)中p−ジハロベンゼンを70モル%
以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは99
モル%以上の割合で用いることが靱性改善効果に優れる
点から好ましい。
は使用するスルフィド化剤(S)中の硫黄源1モル当た
り0.8〜1.3モルの範囲が望ましく、特に0.9〜
1.10モルの範囲が物性の優れたポリマー、即ち、よ
り高分子量のポリアリーレンスルフィドが得られる点か
ら好ましい。
あるいは重合反応ないし分子量を調節するためにポリハ
ロ芳香族化合物(D)と共にモノハロ化合物を併用して
もよい。
限されるものではないが、副反応を抑制するために、2
00〜230℃の比較的低温で反応させることが好まし
い。
化合物(S)を滴下終了後、ポリハロ芳香族化合物
(D)の消費率が50%以上となった時点以降で、アル
カリ金属水酸化物(s3)を系内に加え反応を行う。
ハロ芳香族化合物の残存量と仕込量の割合から導かれる
ものである。本発明においては、上記消費率50%以上
となった時点以降にアルカリ金属水酸化物(s3)を加
えることにより、最終生成物たるポリアリーレンサルフ
ァイド中に占めるカルボキシル基(a1)の含有率を飛
躍的に増大させることができる。
(s3)は、前記したとおり、アルカリ金属水酸化物単
独で或いは水溶液として使用することができる。この
際、使用する水は、工程 Iの場合と同様に、蒸留水、イ
オン交換水等、反応を阻害するアニオンやカチオン等を
除いた水が好ましい。また、工程IIIでのアルカリ金属
水酸化物(s3)の使用量は特に制限されるものではな
いが、使用する工程Iで使用するスルフィド化剤(S)
1モルに対して、1.03〜1.10モルとなる割合で
あることが、本発明の効果が顕著なものとなる点から好
ましい。
化物(s3)を系内に加えた後の反応温度は、特に制限
されるものではないが、好ましくは200〜300℃、
更には220〜260℃の温度で反応させることが好ま
しい。
応容器は、特に限定されるものではないが、接液部がチ
タンあるいはクロムあるいはジルコニウム等でできた重
合缶を用い、また、工程 I及び工程IIの何れの反応にお
いても、不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙
げられ、なかでも経済性及び取扱いの容易さの面から窒
素が好ましい。
または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で加熱して
溶媒だけを留去し、ついで缶残固形物を水、アセトン、
メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回ま
たは2回以上洗浄し、更に中和、水洗、ろ別および乾燥
する方法、及び、 反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチ
ルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化
水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使
用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくとも生成重合
体に対しては貧溶媒であるもの)を沈降剤をして添加し
て重合体、無機塩等の固体状生成物を沈降させ、それを
濾別、洗浄及び乾燥する方法、 反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子重合
体に対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹
拌した後、ろ別して低分子量重合体を除いた後、水、ア
セトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒
で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、ろ別
および乾燥をする方法等が挙げられる。
真空下で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のよう
な不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。
フィド(A)は、ついで工程IVとして酸で処理を行う。
ここで用いる酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、酢酸等が
あげられる。また、処理の方法としては、特に制限され
るものではないが、得られたスラリーを水洗後、酸を加
えpH6.5以下にした状態で更に水洗を繰り返す方法
が挙げられる。
フィド(A)は、そのまま各種成形材料等に利用できる
が、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧化で熱処
理することにより増粘させることが可能であり、必要に
応じてこのような増粘操作を行なった後、各種成形材料
等に利用してもよい。
るし処理する雰囲気によっても異なるので一概に規定で
きないが、通常は180℃以上で行うことが増粘速度が
速く生産性に優れる点から好ましい。また、熱処理を押
出機等を用いて重合体の融点以上で溶融状態で行っても
良いが、重合体の劣化の可能性あるいは作業性等から、
融点プラス100℃以下で行うことが好ましい。
は、そのまま使用できるが、空気あるいは酸素富化空気
中あるいは減圧化で熱処理することにより増粘させるこ
とが可能であり、必要に応じてこのような増粘操作を行
なった後、使用してもよい。
るカルボキシル基(a1)とそのアルカリ金属塩(a
2)の量は以下の方法によって測定される。 (前処理)まず、前処理としてポリアリーレンスルフィ
ドをジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で不活性雰
囲気下、210℃で一旦溶解した後、冷却して再度ポリ
アリーレンスルフィドを析出させる。次いで、得られた
スラリーをイオン交換水で何度もよく洗浄、ろ過した
後、一旦塩酸でpH2.5以下に調整し、再度イオン交
換水で何度も洗浄を繰り返す。得られたケーキは熱風乾
燥機中で120℃で乾燥する。これをサンプル(0)と
し、また前処理を行わないものをサンプル(1)とす
る。
る適当量のポリアリーレンスルフィドをプレスし、円盤
状としたものを測定用サンプルとする。次にサンプルを
顕微FT−IR装置にセットし測定を行う。別途、p−
クロロフェニル酢酸をポリアリーレンスルフィド中に所
定量混合し、同様な操作によって得られた吸収曲線にお
ける2666cm−1の吸収強度に対する1705cm
−1の吸収強度の相対強度のプロットにより得られた検
量線より得られた数値が、該ポリアリーレンスルフィド
中に含まれるカルボキシル基量となる。
量を(a0)μmol/gとし、サンプル(1)のカル
ボキシル基量を(a1)μmol/gとすると、即ち、
カルボキシル基のアルカリ金属塩の含有量(a2)μm
ol/gは次式により求められる。 (a2)=(a0)−(a1) μmol/g
は、1分子当たりエポキシ基を2個以上含有するもので
あり、特に制限されるものではないが、ビスフェノール
A型、ビスフェノールF型、クレゾールノボラック型、
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ
樹脂等が挙げられる。
されるものではないが、成形加工品の機械的強度保持の
観点からポリアリーレンスルフィド(A)に対して、
0.1〜40重量%となる割合が好ましい。
(A)とエポキシ樹脂(B)とを併用する組成物は、更
に強度、耐熱性、寸法安定性等の性能をさらに改善する
ために、本発明の目的を損なわない範囲で各種充填材と
組み合わせて使用することもできる。
材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、ア
ラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラスト
ナイト等の天然繊維等が使用できる。また無機充填材と
しては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイ
ロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェ
ライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ガラスビーズ等が使用できる。
の目的を逸脱しない範囲で少量の、離型剤、着色剤、耐
熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑
剤を含有せしめることができる。更に、同様に下記のご
とき合成樹脂及びエラストマーを混合して使用できる。
これら合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、
ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、
ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテ
ルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポ
リスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等が
挙げられ、エラストマーとしては、ポリオレフィン系ゴ
ム、弗素ゴム、シリコーンゴム、等が挙げられる。
は、ポリアリーレンスルフィドの本来有する耐熱性、寸
法安定性等の諸性能も具備しているので、例えば、コネ
クタ、プリント基板及び封止成形品等の電気又は電子部
品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動
車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材
料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品な
どの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくは
コンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引
抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維
若しくはフィルム用の材料として有用である。
るが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものでは
ない。
撹拌翼付ステンレス製(チタンライニング)4リットル
オートクレーブに、硫化ナトリウム水和物(以下Na2
S・H2Oと略)804.2g(5.0モル)と、N−
メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略)1983g
(20モル)を室温で仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気
下で205℃まで昇温して、水315.0gを留出させ
た。その後系を閉じ、更に220℃まで昇温し、パラジ
クロロベンゼン(以下p−DCBと略)735.0g
(5.0モル)を滴下した。220℃で3時間撹拌した
後、48%水酸化ナトリウム12.5g(0.15モ
ル)を添加した。その後、250℃まで昇温し、2時間
撹拌した。冷却後得られたスラリーを20リットルの水
に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケ
ーキを再び5リットルの湯で1時間撹拌、洗浄した後、
濾過した。この操作を2回繰り返した。再度このケーキ
を5リットルの湯でリスラリー化し、塩酸を加えてpH
を4.0に調整して1時間撹拌した後、濾過した。次に
このケーキを再び5リットルの湯で1時間撹拌、洗浄し
た後、濾過した。この操作を2回繰り返し、濾過後、熱
風乾燥器で一晩(120℃)乾燥して白色の粉末状のポ
リマーを508g(収率94%)得た。
と同様にして白色の粉末状のポリマーを503g(収率
93%)得た。
較例で使用したポリアリーレンスルフィドをプレス機で
ディスク状にプレスし、顕微FT−IR装置で測定を行
った。一例として合成例1で得られたポリマーのFT−
IRチャートを図1に示す。これら吸収のうち2666
cm-1の吸収に対する1705cm-1の吸収の相対強度
を求めた。別途後述する方法により検量線を作成し、測
定サンプル中のカルボキシル基及びそのアルカリ金属塩
の含有量を求めた。
したポリアリーレンスルフィドに標準物質としてp−ク
ロロフェニル酢酸を所定量添加してFT−IR測定を行
い、添加量に対する上述した吸収の相対強度求めた。そ
の結果を図2に示した。
で使用したポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリア
リーレンスルフィドとエポキシ樹脂とを90wt/10
wtの割合で、ラボプラストミル(東洋精機製)を用い
て300℃で溶融混練して調整した。得られた組成物の
溶融粘度及び、接着性を評価した。尚、エポキシ樹脂に
は大日本インキ化学工業製のノボラック型エポキシ樹脂
エピクロンN−695を用いた。
ィド組成物の溶融粘度(η)は、高化式フローテスター
を用いて測定した(300℃、剪断速度100/秒、ノ
ズル孔径0.5mm、長さ1.0mm)。
ド組成物を小型の射出成形機を用いて、300℃で厚さ
2.0mm、幅10.0mm、長さ60.0mmのサン
プル片を作製した。サンプル片の断面積10mm×10
mmの部分にエポキシ系接着剤を付け、サンプル片を互
いにクロスに張り合わせ、接着剤を硬化させた後、接着
強度を測定した。尚、接着剤には大日本インキ化学工業
製のエピクロンEP−850とラッカマイドEA−63
1を混合したものを用い、150℃で1時間硬化した。
のカルボキシル基とそのアルカリ金属塩を含有するPP
Sとエポキシ樹脂とを上記調整方法でブレンドし、その
組成物の溶融粘度及び接着性を評価した。
カルボキシル基のアルカリ金属塩を表す。PPS1は、
大日本インキ化学工業社製PPS「DSP C−10
2」である。
しつつ、ブレンド後の樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛
躍的に改善させることができる新規なポリアーレンスル
フィド組成物を提供できる。
IRチャート図である。
度と、カルボキシル基含有量との相関を示す検量線を表
した相関図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 カルボキシル基(a1)を樹脂中50〜
100μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン
酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中20μmol/g以
下であるポリアリーレンスルフィド(A)と、エポキシ
樹脂(B)とを必須成分とすることを特徴とするポリア
リーレンスルフィド樹脂組成物。 - 【請求項2】 ポリアリーレンスルフィド(A)が、3
00℃における溶融粘度が20〜1000ポイズのもの
である請求項1記載の組成物。 - 【請求項3】 エポキシ樹脂(B)の配合量が、ポリア
リーレンスルフィド(A)に対して、0.1〜40重量
%となる割合である請求項1又は2記載の組成物。
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- 2000-03-31 JP JP2000097099A patent/JP4614024B2/ja not_active Expired - Lifetime
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