JP4614024B2 - ポリアリーレンスルフィド組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂とのブレンドに於いて、ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂との反応性の制御を可能にする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリフェニレンスルフィドに代表されるポリアリーレンスルフィドは、耐熱性、耐薬品性等に優れ、電気電子部品や自動車部品等の成型品に幅広く利用されている。しかしながら、ポリアリーレンスルフィドは、一般に金属や他樹脂との接着性、密着性が低く、また、接着剤との反応性が乏しいという欠点を有している。
【0003】
これらを改善したものとして、例えば、特開昭57−17153号公報に記載のように、ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂とをブレンドし、ポリアリーレンスルフィドの接着性、密着性を改善する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂を単純にブレンドした場合、ポリアリーレンスルフィドが含有する種々の官能基が触媒として働き、エポキシ樹脂自身の自己重合を引き起こしてエポキシ樹脂のゲル化反応が生じ、樹脂全体の溶融粘度の上昇を招き、射出成形等の加工時の流動性が低下し、成形加工が著しく困難になる欠点があった。
また、ポリアリーレンスルフィドの末端官能基の量を低減すれば、エポキシ樹脂の自己重合を抑制できるものの、エポキシ樹脂との相溶性を低下させるため、結局、実用的な接着性、密着性を発現し得ないものであった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、接着性、密着性を保持しつつ、ブレンド後の樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛躍的に改善させることができる新規なポリアーレンスルフィド組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、特定の官能基を特定量含有したポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂とをブレンドすることで、接着性、密着性を保持しつつ、ブレンド後の樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛躍的に改善したポリアリーレンスルフィド組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、カルボキシル基(a1)を樹脂中50〜100μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中20μmol/g以下であるポリアリーレンスルフィド(A)と、エポキシ樹脂(B)とを必須成分とすることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物に関する。
【0008】
以下にその詳細について説明する。
本発明に使用するポリアリーレンスルフィド(A)は、下記構造
【0009】
【化1】
(式中、RはH、アルキル基又は酸若しくはアルカリと反応性を示す官能基、nは0〜4の整数である。)
を繰り返し単位とする構造を主たる骨格とするものであり、その樹脂構造中に存在する各種の末端官能基のうち、カルボキシル基(a1)を樹脂中50〜100μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中20μmol/g以下となる割合で含有することを特徴としている。
【0010】
即ち、本発明は、ポリアリーレンスルフィド(A)中に存在する種々の末端官能基のうち、カルボキシル基(a1)がエポキシ樹脂(B)のゲル化を生じさせることなく相溶性を飛躍的に改善できること、及び、カルボン酸金属塩(a2)がエポキシ樹脂(B)のゲル化の原因となることを見いだし、それぞれの存在量を調整し、(a1)及び(a2)の存在量を選択的に上記範囲とすることにより、エポキシ樹脂(B)との相溶性を飛躍的に高めて、組成物として優れた接着性、密着性を発現させながらも、エポキシ樹脂(B)のゲル化を抑制することができるものである。
【0011】
これらの性能バランスの点から、とりわけポリアリーレンスルフィド(A)中に存在する各種の末端官能基のうち、カルボキシル基(a1)を樹脂中50〜70μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中15μmol/g以下となる割合で含有することが好ましい。
【0012】
また、ポリアリーレンスルフィド(A)の溶融粘度は制限するものではないが、組成物の流動性改善の点から300℃における溶融粘度が20〜1000ポイズのものが好ましい。
【0013】
このようなカルボキシル基(a1)及びカルボン酸金属塩(a2)の量が調整されたポリアリーレンスルフィド(A)を製造する方法としては、特に制限されるものではないが、例えば、
【0014】
工程I:スルフィド化剤(S)として、アルカリ金属硫化物(s1)を用いるか、或いは、アルカリ金属水硫化物(s2)及びアルカリ金属水酸化物(s3)を、(s3)/(s2)のモル比で1以下となる割合で用い、これと脂環式アミド化合物と混合して混合溶液とし、
工程II:上記混合溶液にポリハロ芳香族化合物(D)を滴下しながら重合を行い、
工程III:次いで、ポリハロ芳香族化合物(D)の滴下終了後、(D)の消費率が50%以上となった時点以降に、アルカリ金属水酸化物(s3)を系内に加え反応させ、
工程IV:ついで、酸で処理する方法が、選択的にカルボキシル基(a1)の量を増大させることができる点から好ましい。
【0015】
工程Iにおいて使用するスルフィド化剤は、アルカリ金属硫化物(s1)を単独で用いるか、或いは、アルカリ金属水硫化物(s2)及びアルカリ金属水酸化物(s3)を、(s3)/(s2)のモル比で1以下となる割合で用いるものである。後者の場合、これに一部アルカリ金属硫化物(s1)を併用してもよい。即ち、この様な条件でスルフィド化剤(S)を用いることにより脂環式アミド化合物と混合した際に、過剰なアルカリの生成を抑制でき、ポリアリーレンスルフィドの分子量を飛躍的に向上させることができる。
【0016】
工程Iは、上記したスルフィド化剤(S)と脂環式アミド化合物と混合して混合溶液とするものである。具体的には、
▲1▼アルカリ金属硫化物(s1)を脂環式アミド化合物と混合するか、
▲2▼アルカリ金属水硫化物(s2)、アルカリ金属水酸化物(s3)及び脂環式アミド化合物を(s3)/(s2)のモル比で1以下となる条件で混合する方法が挙げられる。
【0017】
ここで、使用し得るアルカリ金属硫化物(s1)は、特に制限されるものではなく、アルカリ金属硫化物の無水物又は含水物として用いることができ、例えば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化ルビジウムおよび硫化セシウム、又はこれらの水和物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。上記アルカリ金属硫化物の中でも、反応性に優れる点から硫化ナトリウムと硫化カリウムが好ましく、特に硫化ナトリウムが好ましい。
【0018】
また、上記アルカリ金属硫化物(s1)として無水物を用いる場合には、水溶液として使用してもよい。
【0019】
また、これらアルカリ金属硫化物(s1)は、アルカリ金属水硫化物(s2)とアルカリ金属塩基、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応容器内で事前に反応させることによっても得られるが、反応系外で調製されたものを用いてもよい。ここで、アルカリ金属塩基としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、中でも水酸化リチウムと水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0020】
アルカリ金属水硫化物(s2)は、特に制限されるものではなく、アルカリ金属硫化物の無水物又は含水物として用いることができ、例えば、水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化ルビジウム及び水硫化セシウム、またはこれらの水和物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】
これらアルカリ金属水硫化物の中では、反応性に優れる点から水硫化ナトリウムと水硫化カリウムが好ましく、特に水硫化ナトリウムが好ましい。なお、この調整の際、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物中に微量存在する不純物を除去するためにアルカリ金属塩基を少量過剰に加えてもさしつかえない。
【0022】
また、アルカリ金属水硫化物は、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応させることによっても得られるが、反応系外で事前に調製された物を用いてもかまわない。アルカリ金属塩基としては、上記したものが何れも使用できる。
【0023】
アルカリ金属水酸化物(s3)としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム等が挙げられるが、なかでも水酸化リチウムと水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく、特に水酸化ナトリウムが脂環式アミド化合物の加水分解が容易である点から好ましい。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。また、上記アルカリ金属水酸化物(s3)は、無水物、水和物、水溶液のいずれを用いてもよいが、前記した通り有機極性溶媒へ溶解し易くするために水溶液の形で用いる方が好ましく、具体的には、その濃度は10〜50重量%となる範囲が好ましい。この際、使用する水は、蒸留水、イオン交換水等、反応を阻害するアニオンやカチオン等を除いた水が好ましい。
【0024】
ここで、脂環式アミド化合物としては、N−メチルピロリドン(NMP)、N−シクロヘキシルピロリドン(NCP)、N−メチルカプロラクタム等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属水酸化物との反応性が良好である点からN−メチルピロリドン(NMP)が好ましい。本発明において、脂環式アミド化合物は反応溶媒としても機能させるものである。その使用量は、使用する溶媒の種類及び系内の溶媒に対する水分量によっても異なり、特に制限されるものではないが、均一な重合反応が可能な反応系の粘度を保持すること、また、ある程度の生産性を維持するためには、重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄源1モル当り1.0〜6.0モルとなる範囲であることが好ましい。また、生産性を更に高めるには、スルフィド化剤(S)中の硫黄源1モル当り2.5〜4.5モルの範囲が好ましい。
【0025】
次いで、工程IIとしてポリハロ芳香族化合物(D)を滴下し乍ら重合を行う。
ここで使用し得るポリハロ芳香族化合物(D)は、特に制限されるものではないが、例えばp−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、o−ジハロベンゼン、1,2,3,−トリハロベンゼン、1,2,4−トリハロベンゼン、1,3,5−トリハロベンゼン、1,2,3,4−テトラハロベンゼン、1,2,3,5−テトラハロベンゼン、1,2,4,5−テトラハロベンゼン、2,5−ジハロトルエン、1,4−ジハロナフタリン、1−メトキシ−2,5−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロビフェニル、3,5−ジハロ安息香酸、2,4−ジハロ安息香酸、2,5−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロニトロベンゼン、2,4−ジハロアニソール、p,p’−ジハロジフェニルエーテル、4,4’−ジハロベンゾフェノン、4,4’−ジハロジフェニルスルホン、4,4’−ジハロジフェニルスルホキシド、4,4’−ジハロジフェニルスルフィド等が挙げられる。
【0026】
これらのなかでも、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン、4,4’−ジハロベンゾフェノンおよび4,4’−ジハロジフェニルスルホンが好適に使用され、特にp−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼンが好ましい。ここで、p−ジハロベンゼン、m−ジハロベンゼン等のジハロベンゼンは、芳香環上の置換基として炭素原子数1〜18のアルキル基を有するものも好ましく使用できる。また、上記の各ポリハロ芳香族化合物(D)中のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子であることが好ましい。
【0027】
また、ポリハロ芳香族化合物(D)の適当な選択組合せによって2種以上の異なる反応単位を含む共重合体を得ることもできる。具体的組み合わせは特に制限されるものでなく、上記したものの中から任意に選択した2種以上のものを適宜組み合わせることができるが、具体的には、p−ジクロルベンゼンと4,4’−ジクロルベンゾフェノン又は4,4’−ジクロルフェニルスルホンとを組み合わせて使用することが種々の物性に優れたポリアリーレンスルフィドが得られるので好ましい。また、p−ジハロベンゼンをその1成分としてジハロ芳香族化合物を2種以上用いる場合には、該ポリハロ芳香族化合物(D)中p−ジハロベンゼンを70モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは99モル%以上の割合で用いることが靱性改善効果に優れる点から好ましい。
【0028】
このポリハロ芳香族化合物(D)の使用量は使用するスルフィド化剤(S)中の硫黄源1モル当たり0.8〜1.3モルの範囲が望ましく、特に0.9〜1.10モルの範囲が物性の優れたポリマー、即ち、より高分子量のポリアリーレンスルフィドが得られる点から好ましい。
【0029】
尚、生成重合体の末端を形成させるため、あるいは重合反応ないし分子量を調節するためにポリハロ芳香族化合物(D)と共にモノハロ化合物を併用してもよい。
【0030】
工程IIにおける重合条件としては、特に制限されるものではないが、副反応を抑制するために、200〜230℃の比較的低温で反応させることが好ましい。
【0031】
次いで、工程IIIとして、ポリハロ芳香族化合物(S)を滴下終了後、ポリハロ芳香族化合物(D)の消費率が50%以上となった時点以降で、アルカリ金属水酸化物(s3)を系内に加え反応を行う。
【0032】
ここで言う消費率とは、ある時点でのポリハロ芳香族化合物の残存量と仕込量の割合から導かれるものである。本発明においては、上記消費率50%以上となった時点以降にアルカリ金属水酸化物(s3)を加えることにより、最終生成物たるポリアリーレンサルファイド中に占めるカルボキシル基(a1)の含有率を飛躍的に増大させることができる。
【0033】
工程IIIで用いるアルカリ金属水酸化物(s3)は、前記したとおり、アルカリ金属水酸化物単独で或いは水溶液として使用することができる。この際、使用する水は、工程 Iの場合と同様に、蒸留水、イオン交換水等、反応を阻害するアニオンやカチオン等を除いた水が好ましい。
また、工程IIIでのアルカリ金属水酸化物(s3)の使用量は特に制限されるものではないが、使用する工程Iで使用するスルフィド化剤(S)1モルに対して、1.03〜1.10モルとなる割合であることが、本発明の効果が顕著なものとなる点から好ましい。
【0034】
この工程IIIにおける、アルカリ金属水酸化物(s3)を系内に加えた後の反応温度は、特に制限されるものではないが、好ましくは200〜300℃、更には220〜260℃の温度で反応させることが好ましい。
【0035】
また、工程I〜工程IIIの反応で使用する反応容器は、特に限定されるものではないが、接液部がチタンあるいはクロムあるいはジルコニウム等でできた重合缶を用い、また、工程 I及び工程IIの何れの反応においても、不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、なかでも経済性及び取扱いの容易さの面から窒素が好ましい。
【0036】
工程IIIで得られた重合体の回収は、
▲1▼反応終了時にまず反応混合物をそのまま、あるいは酸または塩基を加えた後、減圧下または常圧下で加熱して溶媒だけを留去し、ついで缶残固形物を水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、更に中和、水洗、ろ別および乾燥する方法、及び、
▲2▼反応終了後、反応混合物に水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類、エーテル類、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素などの溶媒(使用した重合溶媒に可溶であり、かつ少なくとも生成重合体に対しては貧溶媒であるもの)を沈降剤をして添加して重合体、無機塩等の固体状生成物を沈降させ、それを濾別、洗浄及び乾燥する方法、
▲3▼反応終了後、反応混合物に反応溶媒(又は低分子重合体に対して同等の溶解度を有する有機溶媒)を加えて撹拌した後、ろ別して低分子量重合体を除いた後、水、アセトン、メチルエチルケトン、アルコール類などの溶媒で1回または2回以上洗浄し、その後中和、水洗、ろ別および乾燥をする方法
等が挙げられる。
【0037】
尚、上記▲1▼〜▲3▼の各方法において、乾燥は真空下で行なってもよいし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気下で行なってもよい。
【0038】
この様にして得られたポリアリーレンスルフィド(A)は、ついで工程IVとして酸で処理を行う。ここで用いる酸としては、塩酸、硫酸、炭酸、酢酸等があげられる。また、処理の方法としては、特に制限されるものではないが、得られたスラリーを水洗後、酸を加えpH6.5以下にした状態で更に水洗を繰り返す方法が挙げられる。
【0039】
この様にして得られたポリアリーレンスルフィド(A)は、そのまま各種成形材料等に利用できるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧化で熱処理することにより増粘させることが可能であり、必要に応じてこのような増粘操作を行なった後、各種成形材料等に利用してもよい。
【0040】
この熱処理温度は処理時間によっても異なるし処理する雰囲気によっても異なるので一概に規定できないが、通常は180℃以上で行うことが増粘速度が速く生産性に優れる点から好ましい。また、熱処理を押出機等を用いて重合体の融点以上で溶融状態で行っても良いが、重合体の劣化の可能性あるいは作業性等から、融点プラス100℃以下で行うことが好ましい。
【0041】
得られたポリアリーレンスルフィド(A)は、そのまま使用できるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは減圧化で熱処理することにより増粘させることが可能であり、必要に応じてこのような増粘操作を行なった後、使用してもよい。
【0042】
ポリアリーレンスルフィド(A)に含まれるカルボキシル基(a1)とそのアルカリ金属塩(a2)の量は以下の方法によって測定される。
(前処理)
まず、前処理としてポリアリーレンスルフィドをジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で不活性雰囲気下、210℃で一旦溶解した後、冷却して再度ポリアリーレンスルフィドを析出させる。次いで、得られたスラリーをイオン交換水で何度もよく洗浄、ろ過した後、一旦塩酸でpH2.5以下に調整し、再度イオン交換水で何度も洗浄を繰り返す。得られたケーキは熱風乾燥機中で120℃で乾燥する。これをサンプル(0)とし、また前処理を行わないものをサンプル(1)とする。
【0043】
(顕微FT−IRの測定)
測定の対象物たる適当量のポリアリーレンスルフィドをプレスし、円盤状としたものを測定用サンプルとする。次にサンプルを顕微FT−IR装置にセットし測定を行う。別途、p−クロロフェニル酢酸をポリアリーレンスルフィド中に所定量混合し、同様な操作によって得られた吸収曲線における2666cm−1の吸収強度に対する1705cm−1の吸収強度の相対強度のプロットにより得られた検量線より得られた数値が、該ポリアリーレンスルフィド中に含まれるカルボキシル基量となる。
【0044】
ここで、サンプル(0)のカルボキシル基量を(a0)μmol/gとし、サンプル(1)のカルボキシル基量を(a1)μmol/gとすると、即ち、カルボキシル基のアルカリ金属塩の含有量(a2)μmol/gは次式により求められる。
(a2)=(a0)−(a1) μmol/g
【0045】
次に、本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は、1分子当たりエポキシ基を2個以上含有するものであり、特に制限されるものではないが、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、クレゾールノボラック型、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0046】
エポキシ樹脂(B)の使用量は、特に制限されるものではないが、成形加工品の機械的強度保持の観点からポリアリーレンスルフィド(A)に対して、0.1〜40重量%となる割合が好ましい。
【0047】
また、上記したポリアリーレンスルフィド(A)とエポキシ樹脂(B)とを併用する組成物は、更に強度、耐熱性、寸法安定性等の性能をさらに改善するために、本発明の目的を損なわない範囲で各種充填材と組み合わせて使用することもできる。
【0048】
充填材としては、繊維状充填材、無機充填材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラストナイト等の天然繊維等が使用できる。また無機充填材としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラスビーズ等が使用できる。
【0049】
また、成形加工の際に添加剤として本発明の目的を逸脱しない範囲で少量の、離型剤、着色剤、耐熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑剤を含有せしめることができる。更に、同様に下記のごとき合成樹脂及びエラストマーを混合して使用できる。これら合成樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、液晶ポリマー等が挙げられ、エラストマーとしては、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シリコーンゴム、等が挙げられる。
【0050】
本発明のポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィドの本来有する耐熱性、寸法安定性等の諸性能も具備しているので、例えば、コネクタ、プリント基板及び封止成形品等の電気又は電子部品、ランプリフレクター及び各種電装品部品などの自動車部品、各種建築物、航空機及び自動車などの内装用材料、あるいはOA機器部品、カメラ部品及び時計部品などの精密部品等の射出成形若しくは圧縮成形、若しくはコンポジット、シート、パイプなどの押出成形、又は引抜成形などの各種成形加工用の材料として、或いは繊維若しくはフィルム用の材料として有用である。
【0051】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
【0052】
合成例1
温度センサー、冷却塔、滴下槽、滴下ポンプを連結した撹拌翼付ステンレス製(チタンライニング)4リットルオートクレーブに、硫化ナトリウム水和物(以下Na2S・H2Oと略)804.2g(5.0モル)と、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略)1983g(20モル)を室温で仕込み、撹拌しながら窒素雰囲気下で205℃まで昇温して、水315.0gを留出させた。その後系を閉じ、更に220℃まで昇温し、パラジクロロベンゼン(以下p−DCBと略)735.0g(5.0モル)を滴下した。220℃で3時間撹拌した後、48%水酸化ナトリウム12.5g(0.15モル)を添加した。その後、250℃まで昇温し、2時間撹拌した。
冷却後得られたスラリーを20リットルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過した。このケーキを再び5リットルの湯で1時間撹拌、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返した。再度このケーキを5リットルの湯でリスラリー化し、塩酸を加えてpHを4.0に調整して1時間撹拌した後、濾過した。次にこのケーキを再び5リットルの湯で1時間撹拌、洗浄した後、濾過した。この操作を2回繰り返し、濾過後、熱風乾燥器で一晩(120℃)乾燥して白色の粉末状のポリマーを508g(収率94%)得た。
【0053】
合成例2
塩酸による処理をpH5.0に調整する他は、合成例1と同様にして白色の粉末状のポリマーを503g(収率93%)得た。
【0054】
(顕微FT−IRの測定)
各実施例及び比較例で使用したポリアリーレンスルフィドをプレス機でディスク状にプレスし、顕微FT−IR装置で測定を行った。一例として合成例1で得られたポリマーのFT−IRチャートを図1に示す。これら吸収のうち2666cm-1の吸収に対する1705cm-1の吸収の相対強度を求めた。別途後述する方法により検量線を作成し、測定サンプル中のカルボキシル基及びそのアルカリ金属塩の含有量を求めた。
【0055】
(検量線の作成)
後述する比較例2で使用したポリアリーレンスルフィドに標準物質としてp−クロロフェニル酢酸を所定量添加してFT−IR測定を行い、添加量に対する上述した吸収の相対強度求めた。その結果を図2に示した。
【0056】
(組成物の調整方法)
各実施例及び比較例で使用したポリアリーレンスルフィド組成物は、ポリアリーレンスルフィドとエポキシ樹脂とを90wt/10wtの割合で、ラボプラストミル(東洋精機製)を用いて300℃で溶融混練して調整した。得られた組成物の溶融粘度及び、接着性を評価した。尚、エポキシ樹脂には大日本インキ化学工業製のノボラック型エポキシ樹脂エピクロンN−695を用いた。
【0057】
(溶融粘度の測定)
ポリアリーレンスルフィド組成物の溶融粘度(η)は、高化式フローテスターを用いて測定した(300℃、剪断速度100/秒、ノズル孔径0.5mm、長さ1.0mm)。
【0058】
(接着性の評価)
ポリアリーレンスルフィド組成物を小型の射出成形機を用いて、300℃で厚さ2.0mm、幅10.0mm、長さ60.0mmのサンプル片を作製した。サンプル片の断面積10mm×10mmの部分にエポキシ系接着剤を付け、サンプル片を互いにクロスに張り合わせ、接着剤を硬化させた後、接着強度を測定した。尚、接着剤には大日本インキ化学工業製のエピクロンEP−850とラッカマイドEA−631を混合したものを用い、150℃で1時間硬化した。
【0059】
実施例1〜3及び比較例1
表1に示すように、所定の溶融粘度特性を持ち、所定量のカルボキシル基とそのアルカリ金属塩を含有するPPSとエポキシ樹脂とを上記調整方法でブレンドし、その組成物の溶融粘度及び接着性を評価した。
【0060】
【表1】
注)ここで、COOHはカルボキシル基を、COOXはカルボキシル基のアルカリ金属塩を表す。
PPS1は、大日本インキ化学工業社製PPS「DSP C−102」である。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、接着性、密着性を保持しつつ、ブレンド後の樹脂の溶融粘度並びに流動性を飛躍的に改善させることができる新規なポリアーレンスルフィド組成物を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、合成例1で得られたポリマーのFT−IRチャート図である。
【図2】図2は、FT−IR測定における吸収の相対強度と、カルボキシル基含有量との相関を示す検量線を表した相関図である。
Claims (3)
- カルボキシル基(a1)を樹脂中59〜62μmol/gなる割合で含有し、かつ、カルボン酸金属塩(a2)の含有量が樹脂中2〜11μmol/gであるポリアリーレンスルフィド(A)と、エポキシ樹脂(B)とを必須成分とすることを特徴とするポリアリーレンスルフィド樹脂組成物。
- ポリアリーレンスルフィド(A)が、高化式フローテスターを用いて測定(300℃、剪断速度100/秒、ノズル孔径0.5mm、長さ1.0mm)した溶融粘度が20〜1000ポイズのものである請求項1記載の組成物。
- エポキシ樹脂(B)の配合量が、ポリアリーレンスルフィド(A)に対して、0.1〜40重量%となる割合である請求項1又は2記載の組成物。
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