JP2000239383A - ポリアリーレンスルフィドの精製方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの精製方法

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JP2000239383A
JP2000239383A JP11043002A JP4300299A JP2000239383A JP 2000239383 A JP2000239383 A JP 2000239383A JP 11043002 A JP11043002 A JP 11043002A JP 4300299 A JP4300299 A JP 4300299A JP 2000239383 A JP2000239383 A JP 2000239383A
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acid
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water
organic
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Takahiro Kawabata
隆広 川端
Takashi Furusawa
高志 古沢
Makoto Fujiwara
誠 藤原
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低分子量不純物低減化と金属イオン含有量低
減化とを同時に実現する。 【解決手段】 有機溶媒中で、p−DCBとNa2S・
5H2Oとを反応させて得られる有機溶媒とポリアリー
レンスルフィドを含むスラリーを、 第1工程:スラリー中に含まれる有機溶媒を固形分濃度
80重量%以上となるまで留去し、次いで、 第2工程:蒸留残渣に、有機溶媒と無機酸または有機酸
を加え、系内を均一にした後、 第3工程:固液分離して固形分を得、 第4工程:水洗、乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリフェニレンス
ルフィドに代表されるポリアリーレンスルフィドの精製
方法に関するものである。
【0002】さらに具体的には、本発明は、反応終了後
のスラリーを特定量の固形分濃度になるように有機溶媒
を留去し、次いでその蒸留残渣に有機溶媒と無機酸また
は有機酸を加え、系内を均一にした後、固液分離して固
形分を得、水洗、乾燥等の処理を行って精製することに
より、重合の際に副生する低分子量不純物及び金属イオ
ン量が効率的に同時に低減化できる精製方法を提供する
ものである。
【0003】
【従来の技術】ポリフェニルスルフィドに代表される、
ポリアリーレンスルフィドは耐熱性、成形加工性等に優
れる性質の活用でその成形物は、近年、電気電子部品、
自動車部品等に幅広く利用されている。
【0004】この様なポリアリーレンスルフィドは、通
常、N−メチルピロリドン等の有機極性溶媒中でジハロ
ゲン化芳香族化合物と硫化ナトリウム等のアルカリ金属
硫化物とを反応させることによって製造されているもの
の、その生成物中には、低分子量のポリアリーレンスル
フィドが混入し、成形品の曲げ伸び等の力学的物性を落
とす原因となっていた。
【0005】また、ポリアリーレンスルフィドは、原料
の硫化ナトリウム等に起因するアルカリ金属イオンが多
量に生成物中に残存するため、成形品の耐水性が低く、
寸法変化が生じやすいという問題もあった。
【0006】そこで、従来より生成樹脂中の低分子量不
純物を除去する方法が種々検討されており、例えば、特
開平5−43690号公報には、重合スラリーから重合
溶媒である有機アミド溶媒を加熱蒸留除去してポリアリ
ーレンスルフィドを回収し、更にその回収されたポリア
リーレンスルフィドを溶媒中100℃以上溶解温度未満
で加熱し、高温状態のままで固液分離する精製方法が開
示されている。しかし、この精製法では効率的に低分子
量不純物は除去できるものの、Naイオンを主とする金
属イオン低減化について殆ど効果がないものであった。
【0007】また、アルカリ金属イオン除去方法として
は、例えば、特開昭62−223232号公報には、反
応終了後の極性溶媒を含んだポリフェニレンスルフィド
のスラリーに無機酸または有機酸を加え、pH6以下で
撹拌洗浄し、濾過、水洗、乾燥することを特徴とするポ
リフェニレンスルフィドの精製方法が開示されている。
しかし、確かにこの方法では酸を加えない場合に比べ
て、アルカリ金属イオンを低減化できるが、低分子量不
純物が十分には除去できないため、曲げ伸び等の力学物
性は改善されないものであった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、低分子量不純物低減化と金属イオン含有量
低減化とを同時に実現した優れた物性を有するポリアリ
ーレンスルフィド粗生成物の精製方法を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、反応終了後のスラリーを
固形分濃度が80重量%以上となるまで有機溶媒を留去
し、次いでその蒸留残渣に有機溶媒と無機酸または有機
酸とを加え、系内を均一にした後、固液分離して固形分
を得、水洗、乾燥等の処理を行って精製することによ
り、重合の際に副生する低分子量不純物及び金属イオン
量を同時に効率的に低減化できることを見い出し、本発
明を完成するにいたった。
【0010】即ち、本発明は、有機溶媒中で、ジハロゲ
ン芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させて得られ
る有機溶媒とポリアリーレンスルフィドを含むスラリー
を、 第1工程:スラリー中に含まれる有機溶媒を固形分濃度
80重量%以上となるまで留去し、次いで、 第2工程:蒸留残渣に、有機溶媒と無機酸または有機酸
を加え、系内を均一にした後、 第3工程:固液分離して固形分を得、 第4工程:水洗、乾燥する ことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの精製方法
に関する。
【0011】従来の方法では低分子量不純物の低減化と
金属イオン含有量低減化を効率的に同時に実現すること
は困難であったが、本発明の方法では低分子量不純物低
減化と金属イオン含有量低減化が同時に効率的に実現で
きる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において用いられる、ジハ
ロゲン化芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させて
得られる有機溶媒とポリアリーレンスルフィドとを含有
するスラリーとは、有機極性溶媒中でジハロゲン化芳香
族化合物とスルフィド化剤を反応させることにより得ら
れるものである。
【0013】このスラリーの製造において用いられるス
ルフィド化剤としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ
金属水硫化物、あるいはこれらの混合物等がある。
【0014】前記アルカリ金属硫化物としては、例え
ば、硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫
化ルビジウム、硫化セシウム等が挙げられるが、これら
はそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して
用いてもよい。また、上記アルカリ金属硫化物は無水
物、水和物、水溶液のいずれを用いてもよいが、水和物
は反応前に脱水工程が必要であるため、この工程の煩雑
さがない点からは無水物が好ましく、また、工業的に入
手が容易な点からは水和物が好ましい。
【0015】上記アルカリ金属硫化物の中では硫化ナト
リウムと硫化カリウムが好ましく、特に硫化ナトリウム
が反応性に優れる為、好ましい。
【0016】これらアルカリ金属硫化物は、水硫化アル
カリ金属とアルカリ金属塩基、或は、硫化水素とアルカ
リ金属塩基とを反応させることによっても得られる為、
これらの反応を行い、引き続き、同一反応系内でジハロ
ゲン化芳香族化合物との反応に供してもよい。勿論、予
め反応系外で硫化アルカリ金属とアルカリ金属塩基、或
いは、硫化水素とアルカリ金属塩基とを反応させ、次い
で、得られたアルカリ金属硫化物をジハロゲン化芳香族
化合物と反応させてもよい。
【0017】ここで、アルカリ金属水硫化物としては、
例えば水硫化リチウム、水硫化ナトリウム、水硫化カリ
ウム、水硫化ルビジウム、水硫化セシウム等が挙げられ
る。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上
を混合して用いてもよい。また、上記アルカリ金属水硫
化物は無水物、水和物、水溶液のいずれを用いてもよい
が、水和物及び水溶液は脱水工程が必要となることか
ら、この点では無水物が好ましく、また、入手の容易さ
の点からは水和物が好ましい。
【0018】上記アルカリ金属水硫化物の中では水硫化
ナトリウムと水硫化カリウムが好ましく、特に水硫化ナ
トリウムが反応性に優れる為、好ましい。
【0019】これらアルカリ金属水硫化物は、硫化水素
とアルカリ金属塩基とを反応させることによって得られ
る為、この反応を行い、引き続き、同一反応系内でジハ
ロゲン化芳香族化合物との反応に供してもよい。また、
アルカリ金属硫化物の場合と同様に、予め反応系外で調
製されたものを用いてもかまわない。
【0020】ここで、アルカリ金属硫化物及びアルカリ
金属水硫化物の原料として用いられるアルカリ金属塩基
としては、特に限定されるものではないが、例えば、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化ルビジウム、水酸化セシウム等の水酸化アルカリ金
属が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上を混合して用いてもよい。
【0021】上記水酸化アルカリ金属化合物の中では水
酸化リチウムと水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム
が好ましく、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
【0022】なお、これらの反応において、アルカリ金
属硫化物、アルカリ金属水硫化物中に微量存在する不純
物を除去するために上記したアルカリ金属塩基を少量過
剰に加えることが好ましい。具体的には、アルカリ金属
硫化物の製造においては、水流化アルカリ金属とアルカ
リ金属塩基とを、前者/後者が、モル比で1/1.00
5〜1/1.10となる範囲で反応させることが好まし
く、また硫化水素とアルカリ金属塩基とを、前者/後者
が、モル比で1/2.01〜1/2.20となる範囲で
反応させることが好ましい。また、アルカリ金属水硫化
物の製造においては、硫化水素とアルカリ金属塩基と
を、前者/後者が、モル比で1/1.01〜1/1.1
0となる範囲で反応させることが好ましい。
【0023】これらのスルフィド化剤は無水物でもかま
わないが、無水物を使用する場合には、後述するよう
に、通常、少量の水を加えて用いられる。
【0024】次に、スラリーの製造で用いられるジハロ
ゲン化芳香族化合物としては、ポリアリーレンスルフィ
ドの骨格を形成すべき単量体に相当するものであり、芳
香族核と該核上の2つのハロゲン原子置換基とを有する
ものであって、かつ、アルカリ金属硫化物等のスルフィ
ド化剤による脱ハロゲン化/硫化反応を介して重合体化
し得るものである。
【0025】具体的には、本発明において使用されるジ
ハロゲン化芳香族化合物の例には下式(A)〜(D)で
示される化合物が挙げられる。
【0026】
【化1】 (式(A)中、Xは、塩素原子、臭素原子、沃素原子ま
たはフッ素原子を、Yは、−OH、−COOH、−R、
−OR、−COOR、−COONa、−CN及び−NO
2をそれぞれ表わす。尚、ここでRは、炭素原子数1〜
18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、nは1〜4の整数を表わす。)
【0027】
【化2】 (式(B)中、Xは、塩素原子、臭素原子、沃素原子ま
たはフッ素原子を、Yは、−OH、−COOH、−R、
−OR、−COOR、−COONa、−CN及び−NO
2をそれぞれ表わす。尚、ここでRは、炭素原子数1〜
18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、aは0〜6の整数であり、また、
Xの置換位置は同一芳香核上であっても、それぞれ異な
る芳香核上であってもよい。)
【0028】
【化3】 (式(C)中、Xは、塩素原子、臭素原子、沃素原子ま
たはフッ素原子を、Yは、−OH、−COOH、−R、
−OR、−COOR、−COONa、−CN及び−NO
2をそれぞれ表わす。尚、ここでRは、炭素原子数1〜
18のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は
アラルキル基であり、b及びcは、それぞれ独立的に0
〜2の整数、但しb+c=2であり、d及びeはそれぞ
れ独立的に0〜2の整数である。)
【0029】
【化4】 (式(D)中、Xは、塩素原子、臭素原子、沃素原子ま
たはフッ素原子を、Yは、−OH、−COOH、−R、
−OR、−COOR、−COONa、−CN及び−NO
2をそれぞれ表わし、Vは、−O−、
【0030】
【化5】 −S−、−SO−、−SO2−、−CO−及び−Si−
をそれぞれ表わす。尚、ここでRは、炭素原子数1〜1
8のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はア
ラルキル基であり、R’及びR”は、それぞれ水素原
子、炭素原子数1〜18のアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基又はアラルキル基であり、f及びgは、
それぞれ独立的に0〜2の整数、但しf+g=2であ
り、h及びiはそれぞれ独立的に0〜2の整数であ
る。)
【0031】上記一般式のジハロゲン化芳香族化合物
は、特にハロゲン原子として塩素原子、臭素原子が好ま
しく、これらの具体例としては、例えば、式(A)に属
するものとして、p−ジクロロベンゼン、m−ジクロロ
ベンゼン、o−ジクロロベンゼン、2,5−ジクロロト
ルエン、1−メトキシ−2,5−ジクロロベンゼン、
3,5−ジクロロ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香
酸、2,5−ジクロロニトロベンゼン、2,4−ジクロ
ロニトロベンゼン、2,4−ジクロロアニソール、p−
ジブロモベンゼン、m−ジブロモベンゼン、o−ジブロ
モベンゼン、2,5−ジブロモトルエン、1−メトキシ
−2,5−ジブロモベンゼン、3,5−ジブロモ安息香
酸、2,4−ジブロモ安息香酸、2,5−ジブロモニト
ロベンゼン、2,4−ジブロモニトロベンゼン、2,4
−ジブロモアニソール等が挙げられる。また、式(B)
に属するものとしては、1,4−ジクロロナフタレン、
1,6−ジクロロナフタレン、2,7−ジクロロナフタ
レン、1,4−ジブロモナフタレン、1,6−ジブロモ
ナフタレン、2,7−ジブロモナフタレン、2,4−ジ
クロロ−1−ナフトール、1,6−ジブロモ−2−ナフ
トール、1,4−ジクロロ−5−ナフタレンカルボン
酸、2,4−ジクロロ−1−ナフタレンカルボン酸、
2,4−ジクロロ−1−メトキシナフタレン、1,6−
ジブロモ−2−メトキシナフタレン等があげられ、
【0032】式(C)に属するものとしては、4,4’
−ジクロロビフェニル、4,4’−ジブロモビフェニ
ル、3,5−ジクロロビフェニル、3,5−ジブロモビ
フェニル等が挙げられ、
【0033】式(D)に属するものとしては、p,p’
−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジクロロベ
ンゾフェノン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジクロロジフェニルスルフィド、p,p’−ジブ
ロモジフェニルエーテル、4,4’−ジブロモベンゾフ
ェノン、4,4’−ジブロモジフェニルスルホン、4,
4’−ジブロモジフェニルスルホキシド、4,4’−ジ
ブロモジフェニルスルフィド等が挙げられる。
【0034】上記した式(A)〜式(D)で表されるジ
ハロゲン化芳香族化合物のなかでも特に、得られるポリ
アリーレンスルフィドの強度や耐熱性に優れる点から、
式(A)及び式(D)で表されるもの、なかでもp−ジ
クロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、4,4’−ジ
クロルベンゾフェノンおよび4,4’−ジクロルジフェ
ニルスルホン、p−ジブロモベンゼン、m−ジブロモベ
ンゼン、4,4’−ジブロモベンゾフェノンおよび4,
4’−ジブロモジフェニルスルホン等が好ましく、とり
わけ、p−ジクロルベンゼン、m−ジクロルベンゼン、
4,4’−ジクロルベンゾフェノンおよび4,4’−ジ
クロルジフェニルスルホンは特に好適に使用される。ま
た、ハロゲン原子の置換位置としてP−位であるもの
は、とりわけ強度や耐熱性に優れる。また、該化合物は
アルキル基がない方が、耐熱性が向上する一方、アルキ
ル基を含む場合は接着性能が良好となる。
【0035】上記したジハロゲン化芳香族化合物は、任
意に組み合わせて使用することにより、2種以上の異な
る反応単位を含む共重合体を得ることができる。例え
ば、p−ジクロルベンゼンと4,4’−ジクロルベンゾ
フェノンもしくは4,4’−ジクロルフェニルスルホン
とを組み合わせて使用すれば、
【0036】
【化6】 単位と
【0037】
【化7】 単位又は
【0038】
【化8】 単位とを含んだ共重合物を得ることができる。
【0039】この様な2種以上のジハロゲン化芳香族化
合物を使用した共重合体においては、p−ジハロゲン化
ベンゼンをジハロゲン化芳香族化合物中70モル%以
上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは95モ
ル%以上用いて重合すると種々の物性に優れたポリフェ
ニレンスルフィドが得られる為好ましい。
【0040】本発明で使用するジハロゲン化芳香族化合
物の使用量は使用するスルフィド化剤中の硫黄原子1モ
ル当たり0.8〜1.3モルの範囲が望ましく、特に
0.9〜1.10モルの範囲が物性の優れたポリマーを
得るのに好ましい。
【0041】なお、本発明においては、上記したジハロ
ゲン化芳香族化合物の他に、生成重合体の末端を形成さ
せるため、あるいは重合反応ないし分子量を調節するた
めにモノハロゲン化有機化合物を併用することも、分岐
または架橋重合体を形成させるためにトリハロ以上のポ
リハロゲン化有機化合物を併用してもよい。
【0042】ここで使用し得る、モノハロゲン化有機化
合物としては、例えば、モノクロロベンゼン等が挙げら
れる。一方、ポリハロゲン化有機化合物としては、トリ
クロルベンゼン等が挙げられる。
【0043】また、モノハロゲン化有機化合物またはポ
リハロゲン化有機化合物の使用量は目的あるいは反応条
件によっても異なる為、特に制限されないが、ジハロゲ
ン化芳香族化合物1モルに対して好ましくは0.1モル
以下、更に好ましくは0.05モル以下の範囲が挙げら
れる。
【0044】上記したジハロゲン化芳香族化合物とスル
フィド化剤とを反応させる際に用いられる有機溶媒とし
ては、特に限定されるものではないが、重合反応を不当
に阻害しない点から、活性水素を有しない有機溶媒、す
なわちアプロチック系有機溶媒であることが好ましい。
【0045】また、ここで使用し得る有機溶媒は、原料
であるジハロゲン化芳香族化合物及びS2-を与えるスル
フィド化剤を反応に必要な濃度に容易に調整することが
できる溶解能を有することが好ましく、また、この溶媒
は原料ジハロゲン化芳香族化合物と同様な脱ハロゲン化
反応及び硫化反応に関与しうるものでないことが望まし
い。これらの要求特性の点から、具体的には、窒素原
子、酸素原子、若しくは硫黄原子、又はこれら原子の任
意の複数種を有する、所謂ヘテロ原子含有極性溶媒であ
ることが好ましい。
【0046】また、反応系内の水分量の調節が容易であ
る点から、使用する溶媒の沸点は水の沸点より高いこと
が好ましい。
【0047】以上の点から使用する有機溶媒としては、
ヘテロ原子を有するアプロチック系有機溶媒が好まし
く、具体的には、 (1)アミド系溶媒:ヘキサメチルリン酸トリアミド
(HMPA)、N−メチルピロリドン(NMP)、N−
シクロヘキシルピロリドン(NCP)、N−メチルカプ
ロラクタム(NMC)、テトラメチル尿素(TMU)、
ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミ
ド(DMA)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン(DMI)等、 (2)エーテル化ポリエチレングリコール、たとえばポ
リエチレングリコールジアルキルエーテル(重合度は2
000程度まで、アルキル基はC1〜C20程度)等、 (3)スルホキシド系溶媒、たとえばテトラメチレンス
ルホキシド、ジメチルスルホキシド(DMSO)等、が
挙げられる。
【0048】前記各種の溶媒の中でも、NMP及びNM
Cは、化学的安定性が高く、特に好ましい。
【0049】上記した有機溶媒の使用量は、使用する溶
媒の種類によっても異なるが均一な重合反応が可能な反
応系の粘度を保持すること、また、釜収率を高めて生産
性を良好に維持するためには、重合に用いるスルフィド
化剤中の硫黄原子1モル当り1.0〜6モルとなる範囲
が好ましい。
【0050】また、上記の生産性を更に考慮すると、重
合に用いるスルフィド化剤中の硫黄原子1モル当り1.
2〜5.0モルの範囲が好ましく、また、更に好ましい
使用溶媒量は重合に用いるスルフィド化剤中の硫黄源1
モル当り1.5〜4モルとなる範囲が挙げられる。
【0051】また、当該重合反応においては、系内の水
分量は、加水分解反応などの併発を回避させるために、
なるべく少ない方がよい。しかしながら、使用するスル
フィド化剤が水和物等である場合には、スルフィド化剤
を有機極性溶媒中で加熱脱水してもスルフィド化剤1モ
ルに対して1モル以上は系内に残存してしまい、系内の
水分を減らすことは困難である。その為、スルフィド化
剤が水和物である場合、系内の水分量はスルフィド化剤
1モル当たり1〜2モル、好ましくは1〜1.5モルで
あることが好ましい。
【0052】一方、スルフィド化剤として無水のアルカ
リ金属硫化物を用いる場合は、系内の水分量を任意にコ
ントロールできるが、全く水分がない場合は、スルフィ
ド化剤の溶解性に劣り、重合が安定化しないため、系内
水分量は、スルフィド化剤1モル当たり0.05〜2.
0モル、好ましくは0.07〜1.5モル、更に好まし
くは0.1〜1.0モルの範囲が挙げられる。
【0053】この無水のアルカリ金属硫化物を用いる場
合の、水分量の調整に用いられる水は、蒸留水、イオン
交換水等の反応を阻害するアニオンやカチオン等を除い
た水が好ましい。
【0054】本発明による重合は、有機溶媒中で、ジハ
ロゲン化芳香族化合物とスルフィド化剤とを反応させ
て、有機溶媒とポリアリーレンスルフィドを含むスラリ
ーを得る方法としては、特に限定されないが、具体的に
は、 有機極性溶媒及びスルフィド化剤とを混合し、必要に
応じて水を仕込むか若しくは脱水操作を行った後、ジハ
ロゲン化芳香族化合物及び有機溶媒を加え重合する方
法、 全原料を仕込、必要に応じて脱水操作を行った後、重
合する方法、 有機溶媒とジハロゲン化芳香族化合物を仕込んだ後、
スルフィド化剤を加えながら重合する方法、あるいは、 有機溶媒を仕込んだ後、ジハロゲン化芳香族化合物と
スルフィド化剤を加えながら重合する方法等が挙げられ
る。
【0055】上記〜のいずれの場合も200〜30
0℃、好ましくは210〜280℃の温度に加熱して連
続的あるいは、断続的に脱水操作を必要に応じて行いな
がら0.1〜40時間、好ましくは0.5〜20時間、
更に好ましくは1〜10時間加熱して行うことが、反応
の進行が容易であり好ましい。すなわち、この反応温度
が200℃以上においては、反応速度が速くなり、また
反応の均一性が著しく良好になる。一方、反応温度を極
端に高めると生成ポリマーあるいは溶媒の分解等の副反
応が起こりやすくなるが、300℃以下においては、こ
の様な副反応を良好に抑制できる。また、210〜28
0℃の温度範囲においては、これらの性能バランスが良
好なものとなる。
【0056】また、反応時間は使用した原料の種類や
量、あるいは反応温度に依存するので適宜設定すればよ
いが、0.1〜40時間であることが好ましい。0.1
時間以上において十分な高分子量化が可能となる他、未
反応成分の量を低減できる。また40時間以下にするこ
とにより生産性を向上させることができる。
【0057】なお、連続的あるいは断続的に脱水操作を
行う場合には、系外に水とともに有機極性溶媒及びジハ
ロゲン化芳香族化合物が留出する可能性があり得る。も
ちろんそのまま留出させてもかまわないが、精留塔等を
用いて有機極性溶媒の系外への留出を抑制し、また、留
出したジハロゲン化芳香族化合物を系内に戻して重合す
ることが好ましい。
【0058】本発明の重合反応においては、接液部がチ
タンあるいはクロムあるいはジルコニウム等でできた重
合缶を用い、通常、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活
性ガス雰囲気下で行なうことが好ましく、特に、経済性
及び取扱いの容易さの面から窒素が好ましい。
【0059】反応圧力については、使用した原料及び溶
媒の種類や量、あるいは反応温度等に依存するので一概
に規定できないので、特に制限はない。
【0060】また、反応液の調整及び共重合体の生成反
応は一定温度で行なう1段反応でもよいし、段階的に温
度を上げていく多段階反応でもよいし、あるいは連続的
に温度を変化させていく形式の反応でもかまはない。
【0061】以上詳述した製造方法によって得られたス
ラリーは、次いで、本発明の精製方法に供される。即
ち、上記方法で得られた有機溶媒とポリアリーレンスル
フィドを含むスラリーは、まず、第1工程として、スラ
リー中に含まれる有機溶媒を固形分濃度80重量%以上
となるまで留去し、次いで、第2工程として、蒸留残渣
に、有機溶媒と無機酸または有機酸を加え、系内を均一
にした後、第3工程として固液分離して固形分を得、第
4工程:水洗、乾燥する。
【0062】第1工程において、有機溶媒を固形分濃度
80重量%以上となるまで留去する方法としては、反応
後のスラリーを減圧下あるいは加圧下、該有機溶媒が蒸
発可能な温度以上にに加熱することによって行う。ま
た、この留去する際、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不
活性ガスをキャリアーガスとして用いても良い。なお、
留去する際のスラリーの温度は、一定温度でもちろん良
いが、段階的に温度を変化させるか、あるいは連続的に
温度を変化させてもよい。また、留去する際の圧力につ
いても、一定圧力でも良いが、段階的に圧力を変化させ
る形式、あるいは段階的に変化させる形式でも良い。
【0063】なお、第1工程における有機極性溶媒を留
去した後の蒸留残渣には、ポリアリーレンスルフィド、
有機溶媒、及び反応時副生するハロゲン化金属が含まれ
ているので、該蒸留残渣の固形分濃度は、次のようにし
て測定する。即ち、該蒸留残渣の一部をサンプリング
し、有機溶媒の常圧での沸点プラス10℃で1時間加熱
した後の重量変化より求める。
【0064】
【式1】固形分濃度(%)=(沸点+10℃1時間加熱
後重量)/(加熱前重量)×100
【0065】本発明の目的である、低分子量不純物及び
金属イオン量を効果的に低減するためには、第1工程に
おいて蒸留残渣の固形分濃度を高くする必要があり、8
0重量%未満では、その目的を達成できない。即ち第1
工程における蒸留残渣の固形分濃度は80重量%以上、
好ましくは90重量%以上、より好ましくは93%以上
更に好ましくは95%以上である。
【0066】次に第2工程として、第1工程で得られた
蒸留残渣に有機溶媒と無機酸または有機酸を加え系内を
均一化する。この第2工程において使用する有機溶媒
は、特に制限されるものではないが、第1工程と同一の
有機溶媒、即ち反応に用いた有機溶媒と同一のものを用
いることが好ましい。同一の溶媒を用いることにより、
溶媒回収等の工程が単純化できる。また、使用する有機
溶媒中の含水率は、有機極性溶媒中の含水率として5重
量%以下であることが好ましい。なかでも、低分子量不
純物の低減効果が著しく良好となる点から、なかでも2
重量%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
【0067】第2工程における、有機溶媒、及び無機酸
または有機酸を第1工程で得られた蒸留残渣に加える方
法としては、特に制限はないが、蒸留残渣に有機溶媒を
加え均一化した後、無機酸または有機酸を加える方法、
あるいは、予め有機溶媒と無機酸または有機酸とを混合
し均一化した後、その溶液を蒸留残渣に加える方法等が
好ましい。
【0068】有機溶媒の使用量には特に制限はないが、
具体的には、蒸留残渣中に含まれにポリアリーレンスル
フィドに対する重量比で、1.5〜6倍であることが好
ましい。即ち、1.5倍以上用いることにより系の均一
性が良好となり、また6倍以下において生産性が良好と
なる。これらの性能バランスが良好となる点から、なか
でも2〜5倍、特に2.5〜4倍であることが好まし
い。
【0069】無機酸または有機酸の添加量については特
に制限はないが、金属イオン含有量低減化効果が大きく
なる点から、均一化したスラリーのpHが9以下になる
様に無機酸または有機酸を加えることが好ましく、特に
この効果が一層顕著になる点からpHが6以下になるよ
うに添加量をコントロールすることが好ましい。
【0070】一方、pHが7を超え9以下となるように
すると金属イオン含有量低減化効果の点では若干不利に
なるが、高価な酸対応の機器の使用を抑制でき、工業的
に生産し易くなり好ましい。なお、ここでスラリーのp
Hは水で希釈せず直接測定したもので、50℃での測定
値である。
【0071】スラリーのpHは既知の各種方法、pHメ
ーターを用いる方法、pH試験紙を用いる方法、指示薬
を用いる方法等で測定すれば良い。その中でも特に、p
Hメーターを用いる方法が操作性等から最も好ましい。
【0072】本発明で使用する無機酸または有機酸は、
特に制限はないが、無機酸としては、塩酸、硫酸、亜硫
酸、燐酸、硝酸、亜硝酸等が挙げられ、その中でも塩
酸、硫酸、燐酸が好ましい。また、有機酸としては、蟻
酸、酢酸、プロピオン酸等の飽和脂肪酸、アクリル酸、
クロトン酸等の不飽和脂肪酸、安息香酸、フタル酸等の
芳香族脂肪酸、蓚酸、マレイン酸等のジカルボン酸、パ
ラトルエンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。
その中でも蟻酸、酢酸、蓚酸が好ましい。また、本発明
においては有機酸として酸と同じ作用を有するイオン交
換樹脂を用いても良い。
【0073】次に第3工程として、均一化したスラリー
を固液分離して固形分を得る。この固液分離する温度は
特に制限はないが、好ましくは120℃以上でポリマー
が実質的に温度未満であることが好ましい。即ち、12
0℃以上においては、本発明の目的である低分子量不純
物の除去効果が良好となり、一方、ポリマーが溶解する
温度以上では、固液分離することが不可能である。よっ
て、低分子量不純物の除去効果と固液分離の容易さのバ
ランスに優れる点から120℃以上190℃以下なる範
囲、特に140℃以上180℃以下なる範囲が好まし
い。なお、ここで、このポリマーが溶解する温度とは、
ポリマーが実質的に溶解する温度であり、具体的には、
スラリー中に含まれるポリマーの内80重量%以上が溶
解する温度である。
【0074】固液分離する方法は特に制限されないが、
濾過機、遠心分離機等を用いて固液分離する方法が挙げ
られる。
【0075】また、この第3工程においては、得られた
固形分に付着した母液を更に有機溶媒にて洗浄除去する
ことが好ましい。この母液の除去効果に優れる点から、
更に洗浄に使用する有機溶媒は、反応時に使用した有機
極性溶媒と同一の溶媒であることが好ましい。
【0076】この洗浄に用いる溶媒は、加熱して用いる
ことが好ましく、加熱する温度は、120℃以上でポリ
マーが溶解する温度未満であることが好ましい。即ち、
120℃以上において低分子量不純物の除去効果が著し
く良好になり、一方、ポリマーが溶解する温度未満にす
ることにより、洗浄の際の目的物の損失を防止でき、収
量が向上する。これらの性能のバランスの点からなかで
も120℃以上190℃以下なる範囲、特に140℃以
上180℃以下なる範囲が好ましい。なお、ポリマーが
溶解する温度とは、前述の通りであって、ポリマーが実
質的に溶解する温度で、具体的には、ポリマーの内80
重量%以上が溶解する温度である。
【0077】また、ここで用いる有機溶媒は、反応時に
使用した溶媒と同一種類の溶媒であることが、溶媒回収
等の工程を単純化できる点から好ましい。また、使用す
る有機溶媒中の含水率は、有機極性溶媒中の含水率とし
て5重量%以下が好ましい。なかでも、低分子量不純物
の低減効果が著しく良好となる点から、なかでも2重量
%以下、特に1重量%以下であることが好ましい。
【0078】また、母液付着分を除去する量は、洗浄す
る前に付着していた母液に対して50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上、更に好ましくは90重量%以上
であることが好ましい。この除去量が多いほど、低分子
量体含量が少なくなり、力学物性等が優れたものとな
る。
【0079】以上の3工程を経て得られた固型分は、そ
のまま第4工程である、水洗、乾燥を行ってもよいが、
その前にアセトン、メチルエチルケトン、アルコール類
などの溶媒で1回または2回以上洗浄した後、第4工程
を行うことが好ましい。
【0080】このように第3工程を経て得られた固形分
は、次いで、第4工程として水洗、乾燥される。固型分
の水洗は、第3工程を経て得られた固形分を、必要に応
じて溶媒で洗浄した後、1回または2回以上水で洗浄す
ればよい。この水洗工程の温度に特に制限はないが、少
なくとも1回以上高温で水洗すると優れた機械的物性を
発現できるのでより好ましい。この高温で水洗する温度
は100℃以上であることが、金属イオン含有量の低減
化等が良好となる点から好ましい。この効果がより顕著
となる点から120℃以上、なかでも150℃以上であ
ることが好ましい。
【0081】また、この水洗で使用できる水は、金属イ
オン含有量が5ppm以下の水が好ましく、そのため蒸
留水、イオン交換水等が好ましい。
【0082】このように水洗した後は、乾燥して目的と
するポリアリーレンスルフィドを得る。乾燥は、単離し
たポリアリーレンスルフィドを実質的に水等の溶媒が蒸
発する温度に加熱して行う。乾燥は真空下で行なっても
良いし、空気中あるいは窒素のような不活性ガス雰囲気
下で行なってもよい。
【0083】得られた重合体はそのまま各種成形材料等
に利用できるが、空気あるいは酸素富化空気中あるいは
減圧化で熱処理することにより増粘することが可能であ
り、必要に応じてこのような増粘操作を行なった後、各
種成形材料等に利用してもよい。この熱処理温度は、処
理時間や処理する雰囲気によって異なるので一概に規定
できないが、180℃以上の範囲がより増粘速度を高め
られ、生産性が向上するため好ましい。また、当該熱処
理は、押出機等を用いて重合体の融点以上で溶融状態で
行っても良い。但し、この場合、重合体の劣化の可能性
あるいは作業性等から、融点プラス100℃以下の温度
範囲で行うことが好ましい。
【0084】本発明により得られた重合体は、従来のポ
リアリーレンスルフィド同様そのまま射出成形、押出成
形、圧縮成形、ブロー成形のごとき各種溶融加工法によ
り、耐熱性、成形加工性、寸法安定性等に優れた成形物
にすることができる。また、強度、耐熱性、寸法安定性
等の性能をさらに改善するために、各種充填材と組み合
わせて使用してもよい。
【0085】充填材としては、繊維状充填材、無機充填
材等が挙げられる。繊維状充填材としては、ガラス繊
維、炭素繊維、シランガラス繊維、セラミック繊維、ア
ラミド繊維、金属繊維、チタン酸カリウム、炭化珪素、
硫酸カルシウム、珪酸カルシウム等の繊維、ウォラスト
ナイト等の天然繊維等が使用できる。また無機充填材と
しては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、クレー、バイ
ロフェライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライ
ト、マイカ、雲母、タルク、アタルパルジャイト、フェ
ライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、ガラスビーズ等が使用できる。
【0086】また、成形加工の際に添加剤として本発明
の目的を逸脱しない範囲で少量の、離型剤、着色剤、耐
熱安定剤、紫外線安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、滑
剤、カップリング剤を含有せしめることができる。更
に、同様に下記のごとき合成樹脂及びエラストマーを混
合して使用できる。これら合成樹脂としては、ポリエス
テル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、
ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリスル
フォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルケトン、ポリアリーレン、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ四弗化エチレン、ポリ
二弗化エチレン、ポリスチレン、ABS樹脂、エポキシ
樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹
脂、液晶ポリマー等が挙げられ、エラストマーとして
は、ポリオレフィン系ゴム、弗素ゴム、シリコーンゴム
等が挙げられる。
【0087】本発明の精製方法を経て得られるポリアリ
ーレンスルフィド、及び該ポリアリーレンスルフィドを
含む組成物は、寸法安定性等が優れるので、例えば、コ
ネクタ、プリント基板、封止成形品などの電気、電子部
品、ランプリフレクター、各種電装品部品などの自動車
部品、各種建築物や航空機、自動車などの内装用材料、
あるいはOA機器部品、カメラ部品、時計部品などの精
密部品等の射出成形、圧縮成形、あるいはコンポジッ
ト、シート、パイプなどの押出成形、引抜成形などの各
種成形加工分野において耐熱性や成形加工性、寸法安定
性等の優れた成形材料あるいは繊維、フィルムとして用
いられる。
【0088】以下に本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるもの
ではない。
【0089】
【実施例】使用原料 1.スルフィド化剤(アルカリ金属硫化物) 結晶硫化ナトリウム(5水塩)(以下、Na2S・5H2
Oと略称する)を使用。
【0090】2.溶媒 N−メチルピロリドン(以下、NMPと略称する)を使
用。
【0091】3.ジハロ芳香族化合物 p−ジクロルベンゼン(以下、p−DCBと略称する)
を使用。
【0092】4.水 水道水をイオン交換を施した後、蒸留したものを使用。
【0093】5.酸 塩酸(35%)及び硫酸(98%)を使用。
【0094】6.標準物質 母液除去率測定用のN−メチルカプロラクタム(以下、
NMCと略称する)を使用。
【0095】7.オリゴマー含有率測定用溶媒 オリゴマー含有率測定用のテトラヒドロフラン(以下、
THFと略称する)を使用。
【0096】〈物性評価〉得られた重合体の溶融粘度
(η)は、高化式フローテスターを用いて測定した(3
15℃、剪断速度100/秒、ノズル孔径0.5mm、
長さ1.0mm)。オリゴマー含有率の測定はTHF抽
出率を測定することにより行った。THF抽出率は、ポ
リマーを20倍量(重量比)のTHFに分散させ、還流
状態で5時間保持し、抽出された液を濃縮乾固し、その
量を測定することにより得た。得られた重合体のナトリ
ウムイオン含有量はポリマーを焼成した残存物を水溶液
とし、原子吸光光度計にて測定した。pHは横川電機
(株)製pHメーターModelPH82とKCl補給
型複合電極を用いて測定した。
【0097】また、重合体の靭性は曲げ試験により評価
した。以下に曲げ試験の方法を詳細に記述すると、得ら
れる重合体を小型の押出機を用いて300℃で溶融混練
後ペレット状にした後、小型の射出成形機を用いて、金
型温度150℃で厚さ2.0mm、幅10.0mm、長
さ60.0mmのサンプル片を作成し、このサンプル片
を用いて、曲げ試験を行った。曲げ試験は、スパン長3
0.0mm、試験速度1.5mm/minの測定条件で
行った。
【0098】参考例1 温度センサー、精留塔、滴下槽、滴下ポンプ、留出物受
け槽を連結した撹拌翼付ステンレス製(チタンライニン
グ)4リットルオートクレーブにNa2S・5H2O 9
24.7g(5.5モル)、NMP 1685g(1
7.0モル)を仕込み、窒素雰囲気下、205℃まで昇
温することにより水−NMP混合物を留去した。留出液
中の組成はNMP32g、水384g、イオン性硫黄4
7mmolであった。系を閉じ、ついでこの系を220
℃まで昇温しp−DCB 808.5g(5.5モル)
をNMP550gに溶かした溶液を2時間かけて一定速
度で滴下した。滴下終了後、220℃で3時間保持し
た。この後、250℃まで1時間かけて昇温し、その温
度で2時間保持して反応を終了し、2℃/分の速度で1
50℃まで冷却し、その後は室温まで放冷した。
【0099】また、得られたスラリー400gを4リッ
トルの水に注いで80℃で1時間撹拌した後、濾過し
た。この固型分を再び4リットルの湯(80℃)で1時
間撹拌、洗浄した後、濾過した。この操作を4回繰り返
した。但し、3回目の水洗は160℃で行った。濾過
後、熱風乾燥器中(120℃)で8hr乾燥して白色の
粉末状のポリマーを62g得た。得られたポリマーの溶
融粘度は37Pa・sであった。ナトリウムイオン含有
量は810ppmであった。
【0100】実施例1 [第1工程]参考例1で得られたスラリー400gをS
US304製容器中撹拌下、10mmmHgに減圧し、
160℃に加熱して、DCB及び水を含むNMPを留去
した。蒸留残渣の固形分濃度を測定したところ、96%
であった。
【0101】[第2工程]ガラス製のオートクレーブに
蒸留残渣、NMP250g(水分含有率0.03重量
%)、塩酸2.7g及びNMC100mgを加え、窒素
雰囲気下、50℃で30分間撹拌した。スラリーのpH
は1.9であった。更に撹拌しながら150℃まで加温
し、10分間その温度で保持した。
【0102】[第3工程]その温度で特製の保温可能な
吸引濾過装置で濾過を行った。濾材には孔径3μmのP
TFE製のメンブレンフィルター(直径125mm)を
使用した。濾過して得られた固形分を予め150℃に加
温したNMP150g(水分含有率0.03重量%)で
2回洗浄した。固型分を1gサンプリングし、ガスクロ
マトグラフィーを用いて固型分中のNMC量を定量する
事により母液除去率を算出したところ95重量%であっ
た。
【0103】[第4工程]この様にして得られた固型分
を3Lの水に加え50℃1時間撹拌、洗浄した後、濾過
した。この操作を4回繰り返した。但し、3回目の水洗
は160℃で行った。なお、濾過後、熱風乾燥器中(1
20℃)で8hr乾燥して白色の粉末状のポリマーを5
9g得た。得られたポリマーの溶融粘度は45Pa・s
であった。また、ナトリウムイオン含有量は150pp
m、THF抽出率は0.4%であった。前述の方法で成
形品を作成し、曲げ試験を行った。曲げ伸びは4.2%
であった。
【0104】比較例1 第1工程での蒸留残渣の固形分濃度を70%とする以外
は実施例1と同様に実施した。その結果、第3工程の濾
過において、実施例1の7.3倍の濾過時間を要し、生
産性の悪いものであった。また、低分子量体の残存量が
多く力学物性に劣るものであった。結果を表1に示す。
【0105】比較例2 第2工程で塩酸を用いない以外は実施例1と同様実施し
た。第3工程の濾過時間は実施例1の1.8倍であり、
生産性も悪く、表1に示したように実施例1に比較して
Naイオンの含有量が高かった。
【0106】実施例2及び3 表−2に示す条件で塩酸添加量をコントロールすること
により、pHをコントロールし実施例1と同様の方法
で、ポリマーを製造し評価した。結果を表−2に示す。
なお、実施例3については塩酸添加後の腐食性が低いた
め、濾材には330メッシュのステンレス(SUS30
4)製の金網(直径125mm)を使用した。
【0107】実施例4及び5 表−2に示す条件で使用するNMP中の水分量をコント
ロールして実施例1と同様の方法で、ポリマーを製造し
評価した。結果を表−2に示す。
【0108】実施例6 表−3に示す条件で濾過する温度を80℃にして実施例
1と同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果を
表−3に示す。
【0109】実施例7 表−3に示す条件で水洗時の温度を変更して実施例1と
同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果を表−
3に示す。
【0110】実施例8 表−3に示す条件で第1工程における蒸留残渣の固形分
濃度を変更して実施例1と同様の方法で、ポリマーを製
造し評価した。結果を表−3に示す。
【0111】実施例9 表−3に示す条件で第3工程でのNMP使用量を変更し
て実施例1と同様の方法で、ポリマーを製造し評価し
た。結果を表−3に示す。
【0112】実施例10 表−4に示す条件で塩酸の代わりに硫酸を使用して実施
例1と同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果
を表−4に示す。
【0113】参考例2 4リットルオートクレーブにp−DCB 808.5g
(5.5モル)、NMP 2280g(23.0モ
ル)、水 27.0g(1.5モル)を室温で仕込み、
撹拌しながら窒素雰囲気下で100℃まで30分かけて
昇温し系を閉じ、更に220℃まで1時間かけて昇温
し、その温度で内圧を2.2kg/cm2にコントロー
ルしてNa2S・5H2O 924.7g(5.5モル)
を5時間かけて滴下及び脱水を行った。滴下及び脱水中
に水と共沸的に留出されるp−DCBは連続的にオート
クレーブに戻した。この後、内圧を2.2kg/cm2
に保持したまま240℃まで1時間かけて昇温し、その
温度で2時間保持して反応を終了した。また、この際に
も水と共沸的に留出されるp−DCBは連続的にオート
クレーブに戻した。留出液の分析をしたところ、水が4
94g、NMP48g、イオン性硫黄59mmolであ
った。
【0114】実施例11 表−4に示す条件で参考例2のスラリー用いて実施例1
と同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果を表
−4に示す。
【0115】比較例3 表−4に示す条件で参考例2のスラリー用いて比較例2
と同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果を表
−4に示す。また、比較例1と同様濾過性が悪く、第3
工程の濾過において、実施例11の6.2倍の濾過時間
を要した。また、低分子量体の残存量が多く力学物性に
劣るものであった。
【0116】比較例4 表−4に示す条件で参考例2のスラリー用いて比較例3
と同様の方法で、ポリマーを製造し評価した。結果を表
−4に示す。また、比較例2と同様濾過性が悪く、第3
工程の濾過において、実施例11の2.1倍の濾過時間
を要した。
【0117】
【表1】
【0118】
【表2】
【0119】
【表3】
【0120】
【表4】
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、低分子量不純物と金属
イオン含有量とが共に低減されたポリアリーレンスルフ
ィドが容易に得られる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J030 BA03 BA04 BA08 BA09 BA41 BA42 BA43 BA49 BB28 BB29 BB31 BC08 BD01 BD22 BD23 BF04 BG04 BG10 BG25 BG26 BG27 BG30 BG31

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒中で、ジハロゲン芳香族化合物
    とスルフィド化剤とを反応させて得られる有機溶媒とポ
    リアリーレンスルフィドを含むスラリーを、 第1工程:スラリー中に含まれる有機溶媒を固形分濃度
    80重量%以上となるまで留去し、次いで、 第2工程:蒸留残渣に、有機溶媒と無機酸または有機酸
    を加え、系内を均一にした後、 第3工程:固液分離して固形分を得、 第4工程:水洗、乾燥する ことを特徴とするポリアリーレンスルフィドの精製方
    法。
  2. 【請求項2】 第3工程の固液分離を120℃以上で、
    かつ、ポリアリーレンスルフィドが溶解する温度未満の
    温度条件下で行う請求項1記載の精製方法。
  3. 【請求項3】 第1工程における有機溶媒と第2工程で
    使用する有機溶媒とが同一のものである請求項1又は2
    記載の精製方法。
  4. 【請求項4】 第2工程において、蒸留残渣に、有機溶
    媒と無機酸または有機酸を加え、pH6以下となるよう
    に系内を均一化する請求項1、2又は3記載の精製方
    法。
  5. 【請求項5】 第2工程において、蒸留残渣に、有機溶
    媒と無機酸または有機酸を加え、pH7を超えpH9以
    下となるように系内を均一化する請求項1、2又は3記
    載の精製方法。
  6. 【請求項6】 第3工程において、固形分に付着した母
    液の70重量%以上を洗浄除去する請求項1〜5のいず
    れか1つに記載の精製方法。
  7. 【請求項7】 第4工程において、水洗を少なくとも1
    回は100℃以上で行う請求項1〜6のいずれか1つに
    記載の精製方法。
  8. 【請求項8】 スラリー中のポリアリーレンスルフィド
    が、ポリフェニレンスルフィドであることを特徴とする
    請求項1〜7のいずれか1つに記載の精製方法。
  9. 【請求項9】 第1工程及び第2工程で使用される有機
    溶媒が、アプロチック系有機溶媒である請求項1〜8の
    いずれか1つに記載の精製方法。
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