JP2001277173A - プリント基板の吸着装置及び投入機 - Google Patents

プリント基板の吸着装置及び投入機

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JP2001277173A
JP2001277173A JP2000100580A JP2000100580A JP2001277173A JP 2001277173 A JP2001277173 A JP 2001277173A JP 2000100580 A JP2000100580 A JP 2000100580A JP 2000100580 A JP2000100580 A JP 2000100580A JP 2001277173 A JP2001277173 A JP 2001277173A
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printed circuit
circuit board
air
suction device
suction
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JP2000100580A
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English (en)
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Yoshihiro Yamaguchi
芳弘 山口
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YAMADEN KOGYO KK
Original Assignee
YAMADEN KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プリント基板を傷つけることなく、一枚ずつ
確実に保持して取り出せる装置を提供しようとする。 【解決手段】 1つの表面に円環状の平坦面と、その内
側に皿状の平坦面とを形成し、窪み面の中央から窪み面
に沿い平坦面に向かって加圧空気を流して窪み面に負圧
を生じさせ、負圧によって板を吸引する装置において、
平坦面上に僅かな厚みで特定の大きさを持った合成ゴム
製の接触部材を複数個付設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プリント基板の
吸着装置及びその吸着装置を付設したプリント基板の投
入機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント基板は多くの工程を経て作られ
るが、これらの各工程は切り離して行われる。そのため
に、各工程の始めには、前の工程の終わりに積み重ねて
おいたプリント基板からプリント基板を一枚ずつ取り出
して必要な処理を行わなければならない。プリント基板
の投入機は、このような場合にプリント基板を一枚ずつ
取り出す装置である。
【0003】プリント基板の元となる基板は、ベークラ
イトやセラミックで作られた薄い板である。従って、基
板そのものは堅固なものであるが、この表面は薄い銅箔
などで電気回路を形成すべきものであるから、表面を傷
つけることは極力避けなければならない。とくに途中の
工程にある基板は、表面に銅箔によって形成された電気
回路を露出させているから、これを損傷してはならな
い。従って、プリント基板の取扱いについては、表面を
傷つけないことが厳格に要求される。
【0004】このため、古くは基板を一枚ずつ取り出す
のにゴム製の吸着パッドが使用された。この吸着パッド
は、柔軟なゴムで椀状に作られた成形体からなり、窪み
の奥に吸引孔を備えていた。使用に際しては、吸着パッ
ドの開口を基板面に当接し、吸着パッド内の空気を吸引
孔から吸い上げて、吸着パッド内を減圧して基板に密着
させ、減圧を解除して基板を離すようにされた。
【0005】吸着パッドを使用して基板を保持し、吸着
パッドを移動させて基板を取り出すと、基板を堅固な保
持具で固定して移動させるのに比べて、確かに基板表面
を損傷することが少なくなる。ところが、吸着パッドを
使用すると、減圧による密着が強いために、吸着パッド
の接触していた基板表面に吸着パッドの跡が残る、とい
う欠点があった。そのため、吸着パッドを使用するとき
は、吸着パッドがプリント基板に付設された電気回路上
に来ないように、使用位置をとくに選定することとして
取り出しが行われた。
【0006】しかし、最近は基板を小形化しようとする
傾向があり、これに伴い電気回路が高密度に付設される
こととなったので、電気回路を避けて吸着パッドを固定
することが困難となった。そこで、吸着パッドに代わる
基板の固定具又は吸着装置の案出が必要とされた。
【0007】特開昭62−105831号公報は、この
必要に応じて発明された装置を記載している。この装置
は、空気送入口を備えた椀状の箱体の下端を開口し、開
口の端を外側に折曲して平坦面を形成したもので、箱体
内に空気を送入して平面に沿い空気を流すと、箱内に負
圧を生じて板が吸引されるので、板を無接触の状態で保
持することができる、とされる。ところが、この装置で
保持された板は、装置から離れているために移動し易
く、従って正確に希望した位置に板を移動させることが
できない。
【0008】特開平10−181879号公報は、上記
装置の欠点を改良した装置を記載している。この装置
は、外周に環状の平坦面と、その内側に位置する皿状の
窪み面と、窪み面の中央に開口する加圧空気の噴出孔と
からなる吸着面を一面に備えたものとされる。この装置
は、上記噴出孔から噴出する空気を環状の平坦面に向け
て流し、これによって生じる負圧によって吸着面を平板
に吸着させる、というものである。しかし、このままで
は平板が装置から移動し易い、という欠点がある。
【0009】そこで、この公報は平坦面上に接触部材を
付設することを提案している。ところが、この接触部材
では、プリント基板への吸着が妨げられ、プリント基板
を確実に保持することができない。なぜならば、接触部
材を金属やプラスチックで作るとしているから、基板表
面を傷つけることになり、普通のゴムでもよいとしてい
るが、普通のゴムでは摩耗し易くて永く作動させること
が困難であり、その上に接触部材を小さなものにしてい
るから、接触部材が基板にあけられた孔内に落ち込ん
で、円滑に基板を取り出すことができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな欠点のないプリント基板の吸着装置を提供しようと
してなされたものである。すなわち、この発明は、特開
平10−181879号公報が提供しているような吸着
装置を基礎とするが、プリント基板に全く非接触の装置
とはしなくて、接触部材の先端面を大きくしてプリント
基板に接触させて係止を確実にするとともに、さらに接
触部材がプリント基板を損傷しないようにしようとする
ものである。
【0011】
【課題解決のための手段】この発明者は、プリント基板
の表面に接触してもその表面を損傷しないような材料を
渉猟した。その結果、シリコーンゴム、ウレタンゴム、
アクリロニトリル・ブタジエンゴム等の合成ゴムが接触
部材とするに適した材料であることを見出した。すなわ
ち、これらの合成ゴムは、適度な柔軟性を持つためにプ
リント基板の表面に接触しても表面を損傷することがな
く、またプリント基板に対する摩擦抵抗が大きくて軽く
接触するだけでプリント基板を固定する力が大きく、そ
の上に耐摩耗性が大きいので、永く使用できるなど、接
触部材とするに好適な性質を持つことを見出した。ま
た、その接触部材は平坦面より高く突出し過ぎると吸着
装置の吸引力を弱めることとなり、低く突出させたので
はその効果がなくなるので、約0.5〜1mm程度に突
出させておくべきことを見出した。この発明は、このよ
うな知見に基づいて完成されたものである。
【0012】この発明は、一面ではプリント基板の吸着
装置を提供するものであり、他面ではこの吸着装置を付
設したプリント基板の投入機を提供するものである。
【0013】プリント基板の吸着装置に関する発明は、
外径が40〜60mmの円環状の平坦面と、この内側に
位置する皿状の窪み面と、窪み面の中央に開口する加圧
空気の噴出孔とからなる吸着面を一面に備えた装置であ
って、上記噴出孔から噴出する空気を上記平坦面に向け
て流し、空気流により窪み面付近に生じる負圧によって
平板を吸引する装置において、上記平坦面上に複数個の
接触部材を分散して付設し、接触部材を合成ゴムで構成
し、平坦面より0.5〜1mmの範囲内の一様な高さに
突出させ、接触部材の先端面が上記平坦面の円周方向に
おいて10〜20度の中心角を占め、半径方向において
5〜10mmの大きさを持つようにしたことを特徴とす
るものである。
【0014】上記の吸着装置は、円周方向に均等に空気
を流すことが好ましい。そのためには、空気の噴出孔を
平坦面の周囲方向に均等に開口している細隙とすること
が望ましい。そこで、窪み面では、その中心を避けて中
心の周りに、複数個の小孔を穿設してこれを空気の通孔
とし、窪み面の中心には、これら空気の通孔を蔽う皿状
の円板を固定し、通孔を通って噴出して来た空気をこの
円板に衝突させ、その後窪み面と円板との間の細い隙間
から空気を平坦面に向かって流すことが好ましい。この
ようにすると、噴出空気を平坦面に向かって円周方向に
均等に流すことができる。
【0015】このような構造の吸着装置を使用すると、
ここにまた別の不都合が見出された。その不都合とは、
細い隙間の幅を狭くすると、細隙内にゴミが詰まって吸
着装置が働かなくなる、と言うことである。これは、プ
リント基板が処理される雰囲気が、半導体ウエハの処理
される雰囲気とは違って、ゴミのないように浄化されて
いないからである。そこで、細隙からのゴミの除去を容
易にするために、上記皿状の円板をネジ等で窪み面に固
定し着脱自在にした。これが、上述のプリント基板の吸
着装置において、窪み面内で皿状の円板を取り除きでき
るように付設した改良発明である。
【0016】また、この発明は、既に触れたように、上
記プリント基板の吸着装置を付設したプリント基板の投
入機を提供するものである。この発明に係るプリント基
板の投入機は、プリント基板を重ねて載置する台と、こ
の台に対して上下及び横に移動可能な支持体と、この支
持体に付設された上記プリント基板の吸着装置とからな
るものである。
【0017】この発明に係る吸着装置を付設したプリン
ト基板の投入機を実際に使用すると、プリント基板を損
傷しないで、大抵は一枚ずつ円滑に取り出し、これを次
の処理工程に送ることができる。ところが、まれにプリ
ント基板が二枚重なって取り出されることが起きた。万
一、二枚重なって取り出されると、処理されない基板が
入り混じることになって、後の工程に混乱を生じる。そ
こで、プリント基板が二枚重なって取り出されることは
何としても防がなければならない。
【0018】この発明は、プリント基板が二枚重なって
取り出されることを防ぐための手段をさらに付加したプ
リント基板の投入機をも提供するものである。その手段
は、吸着装置が台上に載置されたプリント基板を吸着し
て持ち上げようとする時に、プリント基板の側面に空気
を吹き付けることである。そこで、この発明は、上述の
プリント基板の投入機に、さらにプリント基板の側面に
空気を吹き付けるための空気吹付具を付設してなる改良
されたプリント基板の投入機をも提供するものである。
【0019】
【吸着装置の発明実施の形態】この発明を実施の一例に
ついて図面に基づき説明すると、次のとおりである。図
1は、公知の半導体ウエハの吸着装置を示し、そのうち
の(A)は一部切欠側面図であり、(B)は底面図であ
る。図2は、この発明に係るプリント基板の吸着装置を
示し、そのうちの(A)は一部切欠分解側面図であり、
(B)は底面図である。図3は、この発明に係る他のプ
リント基板の吸着装置を示し、(A)は一部切欠側面図
であり、(B)は底面図である。図4は、この発明に係
るプリント基板の投入機を模型的に示した側面図であ
る。図5は、この発明に係るプリント基板投入機の一部
切欠斜視図である。図6は、この発明に係る別のプリン
ト基板投入機の模型的な側面図である。図7は、この発
明に係るプリント基板投入機の側面図である。図8は、
図7に示したプリント基板投入機の側面図である。
【0020】図1に示した吸着装置Aは、特開平10−
181879号公報が開示している公知のものであっ
て、半導体ウエハやガラス基板を吸着させるためのもの
とされている。吸着装置Aは、下側に吸着面Sを備えて
いる。吸着面Sは円環状の平坦面1を外周に持ち、その
内側に皿状の窪み面2を持ち、窪み面2の中央に皿状の
円板4を一体に付設することによって形成された加圧空
気の噴出孔5を備えている。ここでは、噴出孔5を形成
するために、窪み面にはその中心を避けて中心の周りに
空気の通孔3が穿設されている。
【0021】吸着装置Aは、これに加圧空気を導入して
使用される。導入された加圧空気は、通孔3を経て円板
4に衝突し、反転してから噴出孔5を通り、窪み面2に
沿って進み、平坦面1から外へ放出されることとなる。
吸着装置Aは、この空気の流れによって窪み面2の付近
に負圧を生じて平板を吸着することとなる。
【0022】また、吸着装置Aは、平坦面1上に接触部
材6を突設している。接触部材6は小さな円柱状のもの
とされ、平坦面上に等しい間隔をおいて4個付設されて
いる。接触部材6としては、ゴム、プラスチック、金属
等の材料で作られたものを用いることができる、とされ
ているだけである。
【0023】図1に示した吸着装置Aをそのままプリン
ト基板の保持用に使用すると、接触部材6がプラスチッ
ク、金属で作られている場合には硬くて、プリント基板
の表面を傷つけることとなり、また滑り易いためにプリ
ント基板を固定できないこととなる。また、接触部材が
普通のゴムで作られていると、摩耗し易いために頻繁に
取り替えなければならないこととなる。また、プリント
基板は、ところどころに孔があけられ、さらに重量軽減
のためにスリットの設けられることが多い。そのため、
接触部材6がプリント基板の孔又はスリット内に嵌まり
込み、プリント基板を円滑に搬送できないこととなる。
従って、図1の吸着装置は、そのままではプリント基板
の吸着装置として不向きのものである。
【0024】この発明に係るプリント基板の吸着装置
は、上述のような吸着装置Aの欠点を改良したものであ
る。すなわち、この発明に係るプリント基板の吸着装置
は、図2に示したような装置Bであって、下側に吸着面
Tを持っている。吸着面Tは、円環状の平坦面1と、そ
の内側に位置する皿状の窪み面2と、窪み面2の中央に
形成された噴出孔5とで構成されている。噴出孔5は、
窪み面2の中心に円板7をネジ止めすることによって、
円板7と窪み面2との間に形成される円環状の隙間であ
る。また、ここでは、噴出孔5を形成するために、窪み
面2にはその中心の周りに空気の通孔3が穿設されてい
る。これらの点では、図2に示した吸着装置Bは、図1
の吸着装置Aに似ている。しかし、吸着装置Aでは、噴
出孔5を形成するための円板4が、窪み面2上に固定さ
れていて取り外しできないが、吸着装置Bでは、円板7
が窪み面2上にネジで固定され着脱自在となっている点
で異なっている。
【0025】また、図2の吸着装置Bは、円環状の平坦
面1に普通のゴムとは異なる合成ゴム製の接触部材8を
備えている。合成ゴムとしてはシリコーンゴム、ウレタ
ンゴム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム等を用いる
のが適している。これらの合成ゴムは表面の摩擦係数が
大きく、表面を平滑にしてもセラミックやベークライト
で作られた基板をすべらせないで係止する力が強い。ま
た、適度の柔軟性を持っているので、基板表面を損傷し
難い。その上に、耐摩耗性が大きいので、永く接触部材
として使用できる。
【0026】接触部材8は、円環状の平坦面1より高さ
Hだけ突出している。突出する高さHは0.5〜1mm
の範囲内の一様な長さとされる。この範囲に限定した理
由は、Hが0.5mm未満ではプリント基板が接触部材
8の先端面に接触するに至らず、従って接触部材8を付
設した効果がないからであり、逆にHが1mmを越える
と、吸着装置Bのプリント基板を吸引する力が弱くなる
からである。
【0027】接触部材8は、円環状の平坦面1上に、円
周方向に等しい間隔をおいて複数個付設される。複数個
のうちでは、3〜5個であることが好ましいが、とくに
3個であることが好ましい。その理由は、個数が多くな
ると、平坦面1上の空気の流れが阻害されることになる
からである。
【0028】接触部材8の先端面は、高さHが一様であ
るために、平滑な平面となっている。その先端面は、そ
の広がりが大き過ぎると、平坦面上の空気の流れを阻害
するから、余り大きなものであってはならないし、逆に
その広がりが小さ過ぎると、プリント基板を係止する力
が弱くなり、またプリント基板に穿設された小孔又はス
リットに嵌まり込むから、余りに小さいものであっては
ならない。これらの理由で、接触部材8の先端面は、吸
着装置Bの外径Dが40〜60mmの大きさであること
を考えて、平坦面1の円周方向における中心角αを10
〜20度とし、半径方向の長さLを5〜10mmとす
る。
【0029】図2に示した吸着装置Bは、図1の吸着装
置Aと同様にして使用される。すなわち、パイプ9から
加圧空気を圧入して、空気を通孔3から噴出させ、噴出
した空気を円板7に衝突して反転させ、その後噴出孔5
から空気を円周方向に均等に噴出させ、窪み面2に沿っ
て進行させ、最後に平坦面1を通って放出する。する
と、窪み面2付近に負圧を生じるので、吸着面下にプリ
ント基板が近接すると、吸着面Tはプリント基板を吸い
寄せる。こうして、プリント基板は、接触部材8の先端
面によって係止される。その結果、吸着装置Bはプリン
ト基板を保持するのに使用できることとなる。
【0030】図2は、平坦面1が比較的大きな幅を持
ち、従って接触部材8が平坦面1の範囲内に納まって付
設されている例を示したが、このことは必ずしも必要な
ことではない。この発明に係る吸着装置は、図3に示し
た装置B′のように、平坦面1が小さな幅を持ってい
て、接触部材8の一部が平坦面1から食み出し、一部が
窪み面2に固定されていてもよい。
【0031】
【吸着装置の発明の効果】この発明による吸着装置は、
上述のように、加圧空気の吸引力によってプリント基板
を保持するから、プリント基板への接触が温和で、従っ
てプリント基板を損傷し難い。また、接触部材を合成ゴ
ムで構成したから、プリント基板へのあたりが柔らか
く、その割にはプリント基板を係止する力が強く、また
摩耗し難いので、この吸着装置はプリント基板を損傷す
ることなく確実に保持し永く使用できるものとなってい
る。また、接触部材の突出する高さを0.5〜1mmの
範囲内の一様な長さとし、さらに接触部材の先端面が、
平坦面の周囲方向において10〜20度の中心角を占め
るようにし、半径方向において5〜10mmの大きさを
持つようにしたから、加圧空気の圧力を最大限に利用し
てプリント基板を保持することができ、またプリント基
板にあけられた小孔又はスリットに嵌まり込むこともな
く、円滑にプリント基板の保持を行うことができる。
【0032】とりわけ、噴出孔を構成するのに皿状の円
板を用い、円板を窪み面内で窪み面に着脱可能に付設し
て、円板の周縁と窪み面との間の隙間を噴出孔としたの
で、空気中のゴミが噴出孔に詰まった場合に、円板を取
り除いてゴミを除去することができる。従って、使用に
便利である。この発明に係る吸着装置はこのような利益
をもたらすものである。
【0033】
【投入機の発明実施の形態】次に、この発明に係るプリ
ント基板の投入機について説明する。プリント基板の投
入機は、図4に模型的に示したように、プリント基板1
1を重ねて置くための台12と、台12に対して上下及
び横に移動可能な支持体13と、支持体13に付設され
た吸着装置B(図2に示す)とで構成されている。吸着
装置Bは台12の上方に位置し、吸着面Tを台12に向
けて支持体13に付設されている。吸着装置Bは、図示
していないパイプにより加圧空気の供給源に接続され、
吸着面Tの噴出孔から空気を噴出するようにされてい
る。
【0034】図4に示した投入機は、次のようにして使
用される。まず支持体13を台12に向けて降下させ、
台12上に積み重ねられたプリント基板11に接近させ
る。次いで、吸着装置Bに加圧空気を供給して、吸着装
置Bの噴出孔から空気を噴出させる。すると、吸着装置
Bの吸着面Tに負圧が発生し、吸着装置Bは近接したプ
リント基板11に吸い付き、プリント基板11を保持す
る。この状態で支持体13を上昇させると、上端に位置
するプリント基板11が、吸着装置Bに保持されて上昇
する。その後、支持体13を横に移動させ、プリント基
板11を所望の位置にもたらしたとき、支持体13の移
動を中止し、次いで吸着装置Bへの加圧空気の供給を止
める。すると吸着装置Bはプリント基板11を放し、プ
リント基板11は所望の位置まで搬送されたことにな
る。このように、投入機はプリント基板を一枚ずつ所望
の位置まで搬送するのに使用される。
【0035】図5は、上に述べた投入機中の支持体13
の一部と、吸着装置Bとを示した斜視図である。図5で
は、上部に枠21が固定されていて、枠21を構成して
いる横部材211には溝が切られており、この溝に沿っ
て移動部材22が横に移動できるようにされている。移
動部材22には上下部材23が付設されていて、エアシ
リンダ24によって上下に移動できるようにされてい
る。上下部材23の両端には吸着装置Bが付設されてい
る。吸着装置Bには、加圧空気の輸送用パイプが付設さ
れるが、このパイプは図では省略されている。
【0036】図5に示した機構では、まず上下部材23
を上昇させ、移動部材22を積み重ねられたプリント基
板の上方に位置させる。次いで上下部材23を降下させ
て、吸着装置Bを積み重ねられたプリント基板の中で上
端に位置する基板に近づける。次いで、吸着装置Bに加
圧空気を流入させる。すると吸着装置Bが基板を吸引し
て保持する。この状態で上下部材23を上昇させ、その
後移動部材22を移動させて、プリント基板を所望の位
置にまで搬送する。プリント基板が所望の位置に来た
時、加圧空気の供給を止める。すると、吸着装置Bはプ
リント基板を放して、プリント基板を所望の位置に置く
こととなる。
【0037】図6は、この発明に係る他のプリント基板
投入機の模型的な側面図である。図6は、台12上に積
み重ねられたプリント基板11を吸着装置Bが保持して
持ち上げるとき、プリント基板が二枚重なって持ち上げ
られるのを防ぐために、空気吹付具Cが付設されたプリ
ント基板の投入機を示している。
【0038】空気吹付具Cは、積み重ねられたプリント
基板の上端に位置するプリント基板と、ほぼ同じ高さの
ところに位置して、プリント基板に向かって開口してい
る。従って、空気吹付具Cにおける空気の噴出口31
は、積み重ねられたプリント基板が減少するに従って降
下できるようにされる。空気吹付具Cの導管32が可撓
性のものであれば、噴出口31だけを降下させることが
できるが、導管32が曲げられないものであれば、上端
のプリント基板が降下するとともに、空気吹付具C全体
を降下させるか、又は台12自体を上昇させなければな
らない。
【0039】噴出口31のプリント基板11からの距離
は50〜300mmの範囲内とすることができ、好まし
くは50〜100mmの範囲内とする。プリント基板1
1の大きさが増し、重量が増すにつれて、噴出口31か
らの空気量を多くし、また強く吹き付ける必要がある。
また、噴出口31からの空気噴出の時期は、吸着装置B
への空気導入の開始と、ほぼ同時にすることが好まし
い。噴出口31からの空気噴出の停止は、吸着装置Bが
プリント基板を上昇させ終わった時点とすることが好ま
しい。このようにすると、吸着装置Bがプリント基板1
1を二枚重ねて持ち上げるのを防止することができる。
【0040】図5は、空気吹付具Cの全体を降下させる
機構をも記載している。空気吹付具Cは、エアシリンダ
25によって昇降せしめられる上下部材26を枠21に
付設し、上下部材26に導管32を固定し、その先に噴
出口31を付設するようにして、これを空気吹付具Cと
している。こうして図5に示した全体がプリント基板の
供給部を構成している。
【0041】図6はプリント基板の投入機を示してい
る。図6では、上述の供給部の先に引込み部と搬送部と
が設けられている。引込み部は、上下に対をなしている
二組のロールによって構成され、搬送部はコンベアベル
トによって構成されている。引込み部を構成するロール
は、表面がウレタンゴムによって作られていて、接触す
る物を損傷しないようになっている。このロールは上下
に対をなして設けられ、各ロールが互いに反対方向に回
転して、間に挟まれた板を搬送部へ送るようにされてい
る。対をなすロールのうち、上側に位置するロールは、
自重で下側に位置するロールを押圧するだけとされてい
る。従って、吸着装置Bによって吸引されたプリント基
板は、その端が上下に対をなすロールの間に入ると、ロ
ールによって搬送部に向かって送られるが、このとき上
側のロールはプリント基板の厚みだけ上方へ移動してプ
リント基板を自重で押圧するだけであるから、プリント
基板の表面を傷つけない。
【0042】図6に示した搬送部はロール間に掛け渡さ
れたコンベアベルトからなる。このコンベアベルトの移
動速度は、引込み部を構成している対をなすロールの表
面速度よりも遅くされている。従って、供給部から送ら
れて来たプリント基板11は、引込み部のロールで素早
く取り込まれて、搬送部のコンベアベルトへ送られる
が、コンベアベルトに乗るとゆっくり次の工程へ送られ
る。
【0043】図7及び図8は、この発明に係る別のプリ
ント基板投入機を示しており、図7はその投入機の正面
図であり、図8はその投入機の側面図である。図7及び
図8に示したプリント基板投入機は、次のように作動す
る。まず、エアシリンダ24、25等の上下移動機構に
よって上下部材23が降下される。すると、吸着装置B
と空気吹付具Cとが台12上に積み重ねられたプリント
基板11に近づく。次いで、吸着装置Bと空気吹付具C
とに加圧空気が供給されると、吸着装置Bは上述のよう
にプリント基板11を吸引し、空気吹付具Cは積み重ね
られたプリント基板の側面に空気を吹き付けて、プリン
ト基板が二枚重なって吸着装置Bに吸引されるのを防
ぐ。こうして、プリント基板11は一枚だけ吸着装置B
に吸引される。
【0044】次いで、エアシリンダ24、25等の上下
移動機構が作動して、上下部材23を上昇させる。する
と、吸着装置Bはプリント基板11を一枚だけ保持して
上昇する。その後、吸着装置Bへの加圧空気の供給を継
続しながら、空気吹付具Cへの加圧空気の供給を停止
し、吸着装置Bと空気吹付具Cとを一緒にスライド部に
より図7の矢印X方向へ移動させる。
【0045】図7及び図8に示したプリント基板投入機
では、プリント基板11が小形のものである場合は、吸
着装置Bによって吸引され供給部から送られて来たプリ
ント基板11が、図6に示した投入機と同様に、引込み
部を構成するロールによって引き取られ、搬送部へ送ら
れる。
【0046】ところが、プリント基板11が大形のもの
である場合には、図7及び図8に示したプリント基板投
入機では、吸着装置Bにより吸引されたプリント基板1
1が、エアシリンダ24、25によって吸着装置Bとと
もに高く持ち上げられ、スライド部の横移動機構によっ
て移動せしめられ、引込み部を飛び越して搬送部の真上
へ送られ、その後に吸着装置Bとともに降下されて、図
7で点線で示したプリント基板11のところに置かれ
る。ここで吸着装置への空気の供給が停止されて、プリ
ント基板11は搬送部のコンベアベルト上に乗せられ、
コンベアベルトにより運ばれて次の工程へ移される。
【0047】図8は、上述のような作動が三列平行して
行われることを示している。すなわち、台12上にプリ
ント基板11の積み重ね物を三列並べて、各列に吸着装
置Bを含んだ供給部を設置し、各列のプリント基板11
を同時に取り出して先へ送るようにしている。図8では
三列並べたが、三列に限らず何列でも同時に処理するこ
とができる。
【0048】
【プリント基板投入機の発明の効果】この発明に係るプ
リント基板投入機は、プリント基板を重ねて載置する台
と、この台に対して上下及び横に移動可能な支持体と、
この支持体に付設されたこの発明に係るプリント基板の
吸着装置とで構成されているので、台上にプリント基板
を重ね置くとともに、吸着装置に加圧空気を供給する
と、プリント基板を空気力により吸着装置に保持させ、
とくに合成ゴムの接触部材に付着させて取り出すことが
できる。従って、プリント基板を損傷させないで確実に
継続して取り出すことができる。それゆえ、この投入機
はプリント基板の処理を安全確実に実施することができ
ることとする。
【0049】また、空気吹付具を付設し、これから空気
を噴出させると、プリント基板を二枚重なって取り出さ
れるのを防ぐことができる。これにより一層プリント基
板の一枚ずつの取り出しが容易且つ確実となり、従って
プリント基板の処理が一層容易且つ確実となる。この発
明は、このような効果をもたらすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】公知の半導体ウエハ用吸着装置を示す。
【図2】この発明に係るプリント基板用吸着装置を示
す。
【図3】この発明に係る別のプリント基板用吸着装置を
示す。
【図4】この発明に係るプリント基板の投入機の模型的
な側面図である。
【図5】この発明に係るプリント基板の投入機の一部切
欠斜視図である。
【図6】この発明に係る他のプリント基板の投入機の模
型的な側面図である。
【図7】この発明に係るプリント基板の投入機の側面図
である。
【図8】図7に示したプリント基板の投入機の側面図で
ある。
【符号の説明】
A 従来の吸着装置 B、B′ この発明の吸着装置 C 空気吹付具 S、T 吸着面 1 平坦面 2 窪み面 3 通孔 4 円板 5 噴出孔 6 接触部材 7 円板 8 接触部材 11 プリント基板 12 台 13 支持体 21 枠 22 移動部材 23、26 上下部材 24、25 エアシリンダ 31 噴出口 32 導管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外径が40〜60mmの円環状の平坦面
    と、その内側に位置する皿状の窪み面と、窪み面の中央
    に開口する加圧空気の噴出孔とからなる吸着面を一面に
    備えた装置であって、上記噴出孔から噴出する空気を上
    記平坦面に向けて流し、空気流により窪み面付近に生じ
    る負圧によって平板を吸引する装置において、上記平坦
    面上に複数個の接触部材を分散して付設し、接触部材を
    合成ゴムで構成し、平坦面より0.5〜1mmの範囲内
    の一様な高さに突出させ、接触部材の先端面が上記平坦
    面の円周方向において10〜20度の中心角を占め、半
    径方向において5〜10mmの大きさを持つようにした
    ことを特徴とする、プリント基板の吸着装置。
  2. 【請求項2】 外径が40〜60mmの円環状の平坦面
    と、その内側に位置する皿状の窪み面と、窪み面の中央
    に開口する加圧空気の噴出孔とからなる吸着面を一面に
    備えた装置であって、上記噴出孔から噴出する空気を上
    記平坦面に向けて流し、空気流によって窪み面付近に生
    じる負圧によって平板を吸引する装置において、上記平
    坦面上に複数個の接触部材を分散して付設し、接触部材
    を合成ゴムで構成し、平坦面より0.5〜1mmの範囲
    内の一様な高さに突出させ、接触部材の先端面が上記平
    坦面の円周方向において10〜20度の中心角を占め、
    半径方向において5〜10mmの大きさを持つように
    し、さらに窪み面内では窪み面に向かって窪み面の中心
    に皿状の円板を着脱可能に付設して、窪み面から噴出す
    る空気を円板に衝突させ、その後窪み面と円板との間の
    隙間が空気を上記平坦面に向けて流すようにしたことを
    特徴とする、プリント基板の吸着装置。
  3. 【請求項3】 プリント基板を重ねて載置する台と、こ
    の台に対して上下及び横に移動可能な支持体と、この支
    持体に付設された請求項1又は2に記載のプリント基板
    の吸着装置とからなることを特徴とする、プリント基板
    の投入機。
  4. 【請求項4】 プリント基板を重ねて載置する台と、そ
    の台に対して上下及び横に移動可能な支持体と、この支
    持体に付設された請求項1又は2に記載されたプリント
    基板の吸着装置と、この吸着装置が上記台上に載置され
    たプリント基板を吸着して持ち上げる時に、プリント基
    板の側面に空気を吹き付けるための空気吹付具とからな
    ることを特徴とする、プリント基板の投入機。
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