JP2021130143A - ロボットハンド及び農業用ロボット - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークの表面形状が湾曲状であっても好適に吸引することができるよう考慮する。【解決手段】ロボットハンドは、ワークを保持する保持具を備えたロボットハンドであって、保持具は、軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された外壁部と、外壁部の内面に沿って流れる気流を吐出する吐出部とを有し、気流によって外壁部の内部に発生する負圧によりワークを吸引して保持する。【選択図】図28

Description

本発明は、ロボットハンド及び農業用ロボットに関する。
従来、特許文献1に開示された保持具(搬送用保持具)が知られている。
特許文献1に開示された保持具は、ワーク(搬送対象物)を保持するものであって、円柱状の本体と、本体に取り付けられるノズルとを備えている。本体は、下面の中心側に形成された収容凹部と、下面の外周側部分で構成される保持面とを有している。ノズルは、収容凹部に収容された板状部を有している。ワークは、半導体ウエハやガラス基板等の板状体であって、保持具の下方に配置される。この保持具にあっては、本体に圧縮流体が供給され、この本体に供給された圧縮流体は、ノズルに形成された吐出溝から吐出され、保持面とワークとの間を本体の外方に向かって流れる。このとき、吐出溝から吐出される圧縮流体によって負圧が発生し、ワークに吸引力が作用する。これにより、保持具にワークが吸引されて保持される。
特開2019−42851号公報
特許文献1に開示の保持具にあっては、本体は硬質材料で形成され、保持面は平坦状である。このため、例えば、ワークが球状物体や円柱状部材などで構成され、保持具で吸引される面である吸引面が湾曲状である場合は、平坦な保持面に湾曲状の吸引面が対向するかたちとなり、吐出溝から吐出される圧縮流体がワークの表面に沿って流れず、十分な吸引効果を得難いという問題が生じる。
本発明は、前記問題点に鑑み、ワークの表面形状が湾曲状であっても好適に吸引することができるよう考慮することを目的とする。
本発明の一態様に係るロボットハンドは、ワークを保持する保持具を備えたロボットハンドであって、前記保持具は、軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された外壁部と、前記外壁部の内面に沿って流れる気流を吐出する吐出部とを有し、前記気流によって前記外壁部の内部に発生する負圧により前記ワークを吸引して保持する。
また、前記外壁部は、下方に向かって広がるスカート状に形成されている。
また、前記保持具は、ベース部と、前記ベース部の下方に間隔をあけて配置された円状壁部と、前記円状壁部と前記ベース部とを連結する複数の連結部とを有し、前記ベース部は、圧縮気体を供給するための供給穴であって当該ベース部における前記円状壁部の中心側部位の上方の位置に形成された供給穴を有し、前記複数の連結部は、前記中心側部位の周りに周方向に間隔をあけて配置され、前記吐出部は、前記円状壁部の外周側に設けられている。
また、前記保持具は、前記円状壁部の外周側の上方に配置されていて前記ベース部の下面に固定された環状壁部を有し、前記複数の連結部は、前記環状壁部の内方側に配置され、前記吐出部は、前記気流が吐出される吐出流路であって前記円状壁部の外周部上面と前記環状壁部の内周部下面との間に形成される隙間によって構成される吐出流路を有し、前記外壁部は、前記環状壁部の外周部から下方側に延出している。
また、前記保持具は、前記外壁部の内側に所定間隔をあけて配置されると共に軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された内壁部と、前記内壁部と前記外壁部との間に前記気流が流通するように前記内壁部と前記外壁部とを接続する接続部とを有している。
また、前記円状壁部は、軟質材料によって前記内壁部と一体形成されている。
また、前記保持具は、前記外壁部の下端部に、前記外壁部より下方に突出し且つ前記外壁部の周方向に間隔をあけて設けられた複数の突起を有している。
また、本発明の一態様に係る農業用ロボットは、前記ロボットハンドと、前記ロボットハンドが取り付けられる昇降可能なアームとを備えている。
上記の構成によれば、ワークの表面形状が湾曲状である場合でも、外壁部がワークの表面形状に馴染みながら、外壁部内からワークに沿って気流を吐き出すことができ、十分な負圧を得易い。これにより、ワークを好適に吸引することができる。
農業用ロボットの側面図である。 農業用ロボットの平面図である。 機体及びマニピュレータの斜視図である。 機体及びマニピュレータの側面図である。 走行装置の平面図である。 走行装置の側面図である。 マニピュレータの装着部の側面断面図である。 アームの平面図である。 装着部の斜視図である。 機体後部の平面図である。 作業姿勢の状態の農業用ロボットの側面図である。 作業姿勢での回動規制を説明する平面図である。 収納姿勢の位置決めを示す平面図である。 システム構成を示す構成図である。 作物の収穫作業を説明するための平面図である。 ロボットハンドの側面図である。 ロボットハンドの平面図である。 ハンドフレーム、払い除け機構及び保持具を示す図である。 ガイド機構の一部を示す図である。 ガイド機構の一部を示す平面図である。 ガイドアームの取付部分を示す図である。 ガイドアームの取付部分の分解図である。 払い除け機構の一部の平面図である。 作物の把持動作を説明する側面図である。 作物の把持動作を説明する側面図である。 ガイド機構の動作を示す図である。 第1形態に係る保持具の断面図である。 第1形態に係る保持具の作用状態を示す断面図である。 第2形態に係る保持具の断面図である。 第2形態に係る保持具の作用状態を示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1、図2は、作物2の収穫用の農業用ロボット1を例示している。農業用ロボット1は、例えば、スイカ、メロン、カボチャ、キャベツ等の比較的重量のある作物2である重量野菜、果実等の収穫に採用される。農業用ロボット1は、自律型の収穫ロボットである。即ち、農業用ロボット1は、自律走行し且つ収穫すべき作物2を自律判断により判別して収穫する。
なお、収穫する作物2としては、上記した作物2に限定されることはない。また、農業用ロボット1は、収穫用に限定されることはない。例えば、作物2を運搬車から降ろす作業等の作物2の移動作業に用いてもよい。また、農業用ロボット1は、オペレータ(作業者)がリモコンで操縦するリモートコントロール型のロボットであってもよい。
以下の説明において、図1、図2に矢印A1で示す方向を前方、矢印A2で示す方向を後方、矢印A3で示す方向を前後方向として説明する。したがって、図2に矢印B1で示
す方向(図1の手前側)が左方であり、図2に矢印B2で示す方向(図1の奥側)が右方である。また、前後方向A3に直交する水平方向を機体幅方向(図2の矢印B3方向)として説明する。
図1に示すように、農業用ロボット1は、自律走行する走行体3と、走行体3に装着されたマニピュレータ4と、撮像装置(カメラ)5とを有している。
走行体3は、機体6と、機体6を走行可能に支持する走行装置7とを有している。
図3、図4に示すように、機体6は、メインフレーム6Aと、原動機フレーム6Bとを有している。メインフレーム6Aは、機体幅方向B3で間隔をあけて配置された一対の第1フレーム6Aaと、各第1フレーム6Aaの下方に間隔をあけて配置された一対の第2フレーム6Abとを有している。第1フレーム6Aaと第2フレーム6Abとは、複数の縦フレーム6Acによって連結されている。縦フレーム6Acは、左の第1フレーム6Aaと左の第2フレーム6Abとの前部間、右の第1フレーム6Aaと右の第2フレーム6Abとの前部間、左の第1フレーム6Aaと左の第2フレーム6Abとの後部間、右の第1フレーム6Aaと右の第2フレーム6Abとの後部間に設けられている。
左の第1フレーム6Aaと右の第1フレーム6Aaとは、第1フレーム6Aa間に配置された第1横フレーム6Ad〜第5横フレーム6Ahによって連結されている。第1横フレーム6Ad〜第5横フレーム6Ahは、第1フレーム6Aaの前端から後端にわたって前後方向A3で間隔をあけて並行状に配置されている。
第2フレーム6Abの前部同士は、第6横フレーム6Ajによって連結され、第2フレーム6Abの後部同士は、第7横フレーム6Akによって連結されている。
原動機フレーム6Bは、メインフレーム6Aの下方側に配置されている。原動機フレーム6Bは、前フレーム6Baと、後フレーム6Bbと、複数の連結フレーム6Bcと、複数の取付フレーム6Bdとを有している。前フレーム6Baは、上部が、左及び右の第2フレーム6Abの前部に取り付けられている。後フレーム6Bbは、上部が、左及び右の第2フレーム6Abの前部に取り付けられている。複数の連結フレーム6Bcは、前フレーム6Baと後フレーム6Bbの下部間を連結している。複数の取付フレーム6Bdは、連結フレーム6Bcの前後方向A3中央部に固定されている。
図4に示すように、取付フレーム6Bdには、原動機(エンジン)E1が取り付けられている。原動機E1には、油圧ポンプP1が取り付けられている。油圧ポンプP1は、原動機E1で駆動される。また、原動機フレーム6Bには、油圧ポンプP1から吐出する作動油を貯留する作動油タンク(図示省略)が搭載されている。
図2に示すように、メインフレーム6A(機体6)には、走行装置7を制御する複数のコントロールバルブ(第1コントロールバルブCV1〜第4コントロールバルブCV4)が搭載されている。
図1、図2に示すように、走行装置7は、複数の車輪8を有する車輪型(4輪型)の走行装置7で構成されている。詳しくは、走行装置7は、機体6前部の左側に配置された第1車輪8La(左前輪)と、機体6前部の右側に配置された第2車輪8Ra(右前輪)と、機体6後部の左側に配置された第3車輪8Lb(左後輪)と、機体6後部の右側に配置された第4車輪8Rb(右後輪)とを備えている。なお、走行装置7は、クローラ型の走行装置7であってもよい。
走行装置7は、車輪8を支持する車輪支持体9を有している。車輪支持体9は、車輪8に対応する数設けられている。つまり、走行装置7は、第1車輪8Laを支持する第1車輪支持体9La、第2車輪8Raを支持する第2車輪支持体9Ra、第3車輪8Lbを支持する第3車輪支持体9Lb及び第4車輪8Rbを支持する第4車輪支持体9Rbを有している。
図5、図6に示すように、車輪支持体9は、走行フレーム10と、操向シリンダC1と、第1昇降シリンダC2と、第2昇降シリンダC3と、走行モータM1とを有している。
走行フレーム10は、主支持体10Aと、揺動フレーム10Bと、車輪フレーム10Cとを有している。主支持体10Aは、機体6に縦軸(上下方向に延伸する軸心)回りに可能に支持されている。詳しくは、主支持体10Aは機体6に固定された支持ブラケット1
1に上下方向に延伸する軸心を有する第1支軸12Aを介して回動可能に支持されている。
図2に示すように、第1車輪支持体9Laを枢支する支持ブラケット11は機体6の前部左側に設けられ、第2車輪支持体9Raを枢支する支持ブラケット11は機体6の前部右側に設けられ、第3車輪支持体9Lbを枢支する支持ブラケット11は機体6の後部左側に設けられ、第4車輪支持体9Rbを枢支する支持ブラケット11は機体6の後部右側に設けられている。
揺動フレーム10Bは、主支持体10Aに上下揺動可能に支持されている。詳しくは、揺動フレーム10Bは、上部が主支持体10Aに第2支軸12Bを介して横軸(機体幅方向B3に延伸する軸心)回りに回動可能に支持されている。
第1車輪支持体9La及び第2車輪支持体9Raの揺動フレーム10Bは前上部が主支持体10Aに枢支され、第3車輪支持体9Lb及び第4車輪支持体9Rbの揺動フレーム10Bは後上部が主支持体10Aに枢支されている。
車輪フレーム10Cは、揺動フレーム10Bに上下揺動可能に支持されている。詳しくは、車輪フレーム10Cは、揺動フレーム10Bに第3支軸12Cを介して横軸回りに回動可能に支持されている。
第1車輪支持体9La及び第2車輪支持体9Raの車輪フレーム10Cは後部が揺動フレーム10Bの後部に枢支され、第3車輪支持体9Lb及び第4車輪支持体9Rbの車輪フレーム10Cは前部が揺動フレーム10Bの前部に枢支されている。
操向シリンダC1、第1昇降シリンダC2及び第2昇降シリンダC3は、油圧シリンダによって構成されている。
操向シリンダC1は、機体6と主支持体10Aとの間に設けられている。詳しくは、操向シリンダC1の一端は、第1フレーム6Aaの前後方向A3中央部に固定されたシリンダブラケット14Aに枢支され、操向シリンダC1の他端は、主支持体10Aに固定されたシリンダブラケット14Bに枢支されている。操向シリンダC1を伸縮することにより走行フレーム10が第1支軸12A回りに揺動し、車輪8(第1車輪8La〜第4車輪8Rb)の向きを変更する(操向する)ことができる。本実施形態の走行装置7にあっては、各車輪8を独立して操向可能である。
第1昇降シリンダC2は、一端が揺動フレーム10Bに枢支され、他端が第1リンク機構15Aに枢支されている。第1リンク機構15Aは、第1リンク15aと第2リンク15bとを有している。第1リンク15aの一端は、主支持体10Aに枢支され、第2リンク15bの一端は揺動フレーム10Bに枢支されている。第1リンク15aと第2リンク15bとの他端は、第1昇降シリンダC2の他端に枢支されている。第1昇降シリンダC2を伸縮することにより揺動フレーム10Bが第2支軸12B回りに上下揺動する。
第2昇降シリンダC3は、一端が揺動フレーム10Bの前部に枢支され、他端が第2リンク機構15Bに枢支されている。第2リンク機構15Bは、第1リンク15cと第2リンク15dとを有している。第1リンク15cの一端は、揺動フレーム10Bに枢支され、第2リンク15dの一端は車輪フレーム10Cに枢支されている。第1リンク15cと第2リンク15dとの他端は、第2昇降シリンダC3の他端に枢支されている。第2昇降シリンダC3を伸縮することにより車輪フレーム10Cが第3支軸12C回りに上下揺動する。
第1昇降シリンダC2による揺動フレーム10Bの上下揺動と、第2昇降シリンダC3による車輪フレーム10Cの上下揺動とを組み合わせることによって車輪8を平行状に昇降させることができる。
走行モータM1は、油圧モータによって形成されている。走行モータM1は、各車輪8に対応して設けられている。即ち、走行装置7は、第1車輪8Laを駆動する走行モータM1と、第2車輪8Raを駆動する走行モータM1と、第3車輪8Lbを駆動する走行モータM1と、第4車輪8Rbを駆動する走行モータM1とを有している。走行モータM1は、車輪8の機体幅方向B3の内方に配置され、車輪フレーム10Cに取り付けられている。走行モータM1は、油圧ポンプP1から吐出される作動油によって駆動され、正逆転
可能である。走行モータM1を正逆転させることにより、車輪8の回転を正転方向と逆転方向とに切り換えることができる。
第2車輪支持体9Ra、第3車輪支持体9Lb及び第4車輪支持体9Rbは、第1車輪支持体9Laを構成する構成部品と同様の構成部品を有している。第2車輪支持体9Raは、第1車輪支持体9Laと左右対称に構成されている。第3車輪支持体9Lbは、第2車輪支持体9Raを機体6の中心を通る上下方向のセンタ軸心回りに180°回転させた形態を呈している。第4車輪支持体9Rbは、第1車輪支持体9Laをセンタ軸心回りに180°回転させた形態を呈している。
第1車輪支持体9Laに装備された油圧アクチュエータは、第1コントロールバルブCV1によって制御される。第2車輪支持体9Raに装備された油圧アクチュエータは、第2コントロールバルブCV2によって制御される。第3車輪支持体9Lbに装備された油圧アクチュエータは、第3コントロールバルブCV3によって制御される。第4車輪支持体9Rbに装備された油圧アクチュエータは、第4コントロールバルブCV4によって制御される。
したがって、第1車輪8La〜第4車輪8Rbは、それぞれ独立的に操向可能である。また、第1車輪8La〜第4車輪8Rbは、それぞれ独立的に昇降可能である。
上記走行装置7にあっては、第1車輪8La〜第4車輪8Rbを操向操作することで走行体3を操向することができる。第1車輪8La〜第4車輪8Rbを正転させることで走行体3を前進させることができ、逆転させることにより走行体3を後進させることができる。第1車輪8La〜第4車輪8Rbを昇降することにより走行体3を昇降することができる。第1車輪8La及び第2車輪8Raを第3車輪8Lb及び第4車輪8Rbに対して昇降することにより、或いは、第3車輪8Lb及び第4車輪8Rbを第1車輪8La及び第2車輪8Raに対して昇降することにより、機体6を前傾または後傾させることができる。第1車輪8La及び第3車輪8Lbを第2車輪8Ra及び第4車輪8Rbに対して昇降することにより、或いは、第2車輪8Ra及び第4車輪8Rbを第1車輪8La及び第3車輪8Lbに対して昇降することにより、機体6を、機体幅方向B3の一側が他側よりも高い傾斜状にすることができる。
マニピュレータ4は、本実施形態では、少なくとも作物2の収穫を行うことが可能な装置である。図3、図4に示すように、マニピュレータ4は、走行体3(機体6)に着脱可能に装着された装着体16と、装着体16に取り付けられたアーム17と、アーム17に設けられていて作物2を把持可能なロボットハンド18とを備えている。
図1に示すように、装着体16は、本実施形態では、走行体3の後部に設けられている。なお、装着体16は、走行体3の前部に設けられていてもよい。つまり、走行体3における前後方向A3の中央部から一方側に偏倚して設けられていればよい。また、本実施形態では、農業用ロボット1は、走行体3を前方に進行させて収穫作業を行うので、装着体16は、進行方向とは反対側の方向である進行逆方向側に偏倚して設けられている。
図7に示すように、装着体16は、走行体3に着脱可能に装着される装着部19と、装着部19に縦軸回りに回動可能に支持された回動シャフト20と、回動シャフト20を回転駆動する回動モータM2と、回動シャフト20と一体回動する回動フレーム21とを有している。
図7、図9に示すように、装着部19は、本体部19Aが下方に開口する筺体で形成されている。本体部19Aの下部には、前部に第1プレート部材19Bが固定され、後部に第2プレート部材19Cが固定されている。第1プレート部材19Bは、装着部19の前面下部に固定された第1壁19aと、第1壁19aの下端から後方に延びる第2壁19bと、第2壁19bの後端から下方に延びる第3壁19cと、第3壁19cの下端から後方に延びる第4壁19dとを有している。第2プレート部材19Cは、装着部19の後面下部に固定された第1壁19eと、第1壁19eの下端から前方に延びる第2壁19fと、第2壁19fの前端から下方に延びる第3壁19gと、第3壁19gの下端から前方に延びる第4壁19hとを有している。第4壁19dと第4壁19hは、複数の連結部材19Dによって連結されている。
図7に示すように、第3壁19c,19g、第4壁19d,19h及び複数の連結部材19Dによって、係合部19Eが構成されている。つまり、装着部19は、下部側に下方に突出する係合部19Eを有している。係合部19Eは、第4横フレーム6Ag(第1装着フレーム)と第5横フレーム6Ah(第2装着フレーム)との間に差し込み可能とされている。
図7、図10に示すように、第4横フレーム6Agの下面には、機体幅方向B3で並べて配置された一対の載置プレート22Aが後方突出状に固定されている。また、第5横フレーム6Ahの下面にも、機体幅方向B3で並べて配置された一対の載置プレート22Bが前方突出状に固定されている。載置プレート22Aと載置プレート22Bとは、連結プレート23によって連結されている。機体6上面側であって機体6の左部及び右部には、それぞれプレート部材6Dが固定されている。左及び右のプレート部材6D間であって且つ第4横フレーム6Agと第5横フレーム6Ahとの間が、係合部19Eを差し込む差し込み部6E(図10参照)とされている。
図7に示すように、係合部19Eを第4横フレーム6Agと第5横フレーム6Ahとの間に差し込むことで、機体6(走行体3)は装着部19を保持可能である。詳しくは、第2壁19bは、第4横フレーム6Agの上面に載置され、第3壁19cは、第4横フレーム6Agの後面に当接する。第4壁19dは、載置プレート22Aに載置される。また、第2壁19fは、第5横フレーム6Ahの上面に載置され、第3壁19gは、第5横フレーム6Ahの前面に当接する。第4壁19hは、載置プレート22Bに載置される。これにより、機体6は、装着部19を保持する。言い換えると、装着部19を簡易に保持することができる。また、着脱も容易である。
連結部材19Dは、本実施形態では、アングル材によって形成され、上部にナット部材(図示省略)が固定されている。このナット部材に、連結プレート23、載置プレート22A,22B及び連結部材19Dを下方から貫通するボルトをねじ込むことにより、係合部19E(装着部19)を、該ボルトによって着脱可能に固定することができる。
以上のように、装着体16は、走行体3(機体6)に対して着脱可能である。
装着部19(装着体16)を機体6から取り外すことにより、マニピュレータ4を取り外すことができ、本実施形態のマニピュレータ4とは異なる形式のマニピュレータに交換することができる。
図7に示すように、装着部19には、回動シャフト20を支持するシャフト支持体24が立設されている。シャフト支持体24は、装着部19の上面に固定された中空状のベース部24Aと、ベース部24Aから上方に突出する支持筒24Bとを有している。
図7に示すように、回動シャフト20は、上下方向に延伸する軸心(回動軸心J1)を有し、支持筒24Bに挿入されると共に該支持筒24Bに回動軸心J1回りに回動可能に支持されている。
回動モータM2は、例えば、正逆転可能な電動モータによって構成されている。回動モータM2は、走行体3に搭載されたバッテリ(図示省略)から給電される電力によって作動する。なお、回動モータM2は、走行体3に搭載された油圧ポンプP1によって作動する油圧モータによって構成されていてもよい。
図7に示すように、回動モータM2は、装着部19の内部に収容され、装着部19の上壁19kに取り付けられている。回動モータM2は、装着部19から上方に突出する出力軸Maを有している。回動モータM2の出力軸Maは、回動シャフト20の下部に一体回動可能に連結されている。したがって、回動シャフト20は、回動モータM2から出力される回転動力によって、回動軸心J1回りに正逆転可能に駆動される。
図7に示すように、回動フレーム21は、シャフト支持体24に回動軸心J1回りに回動可能に支持されている。したがって、回動フレーム21は、装着部19に回動軸心J1回りに回動可能に取り付けられている。言い換えると、回動フレーム21は、機体6(走行体3)に縦軸回りに回動可能に支持されている。詳しくは、回動フレーム21は、フレーム本体25と、アームブラケット26と、シリンダブラケット27とを有している。フレーム本体25は、回動部25Aを有している。回動部25Aは、支持筒24Bを取り囲
むと共に軸受け28A及び軸受け28Bを介して支持筒24Bに回動軸心J1回りに回動可能に支持されている。また、回動部25Aは、回動シャフト20の上部にスプライン結合等によって連結される結合部25Aaを有していて回動シャフト20と一体回動する。つまり、回動フレーム21は、回動モータM2によって回動軸心J1回りに回動可能である。回動フレーム21を回動させることにより、ロボットハンド18を回動軸心J1を中心とする円周方向に移動(位置変更)させることができる。
図3に示すように、フレーム本体25は、回動軸心J1に直交する方向で回動部25Aを挟む一対のフレーム部材25Bを有している。各フレーム部材25Bは、回動部25Aに固定されている。図7に示すように、各フレーム部材25Bの上部は、回動部25Aから上方に突出している。一対のフレーム部材25Bの上部間には、アームブラケット26が上方突出状に固定されている。シリンダブラケット27は、アームブラケット26及び回動部25Aの前部に取り付けられている。シリンダブラケット27は、下部に、シリンダ取付部27aを有している。
図3、図4に示すように、アーム17は、回動フレーム21(アームブラケット26)に上下揺動可能に支持されると共に長手方向の中途部で屈伸可能である。アーム17は、メインアーム29とサブアーム30とを有している。
メインアーム29は、回動フレーム21に上下揺動可能に枢支され、屈伸可能である。詳しくは、メインアーム29は、回動フレーム21に上下揺動可能に枢支された第1アーム部31と、第1アーム部31に揺動可能に枢支された第2アーム部32とを有し、第1アーム部31に対して第2アーム部32が揺動することで屈伸可能とされている。
第1アーム部31は、基部側31aがアームブラケット26に枢支されている。第1アーム部31は、図3、図8に示すように、第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rを有している。第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rは、機体幅方向B3で並べて配置され且つ連結パイプ31A等で相互に連結されている。第1アームフレーム31Lと第2アームフレーム31Rとの基部側31a間にアームブラケット26の上部が挿入され、機体幅方向B3に延伸する軸心を有するアーム枢軸33A(第1アーム枢軸という)を介して第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rの基部側31aがアームブラケット26に第1アーム枢軸33Aの軸心回りに回動可能に支持されている。
第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rは中空部材で形成されている。第1アーム部31の長さは、走行体3(機体6)の前後方向A3の長さよりも短く形成されている。
図4に示すように、第1アーム部31は、基部側31aであって且つ第1アーム枢軸33Aよりも先端側31c寄りに、シリンダ取付部31bを有している。このシリンダ取付部31bとシリンダブラケット27のシリンダ取付部27aとにわたって第1アームシリンダ(第1油圧シリンダ)C4が設けられている。第1アームシリンダC4は、走行体3に設けた油圧ポンプP1から吐出される作動油によって駆動されて伸縮する。第1アームシリンダC4を伸縮させることで第1アーム部31が上下揺動する。第1アーム部31(アーム17)を上下揺動させることにより、ロボットハンド18を昇降させることができる。第1アームシリンダC4には、第1アームシリンダC4のストロークを検出する第1ストロークセンサS1が設けられている。
図4に示すように、第1アーム部31の先端側31cには、枢支部材31Bが固定されている。詳しくは、枢支部材31Bは、基部31Baが第1アームフレーム31Lと第2アームフレーム31Rとの間に挿入されて第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rに固定されている。枢支部材31Bの基部31Baの下面側には、シリンダステー34が取り付けられている。枢支部材31Bの先端側31Bbは、第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rから前方に突出している。
図3、図8に示すように、第2アーム部32の長さは、第1アーム部31の長さよりも長く形成されている。第2アーム部32は、基部側32aが枢支部材31Bの先端側31Bbに枢支されている。第2アーム部32は、第3アームフレーム32L及び第4アーム
フレーム32Rを有している。第3アームフレーム32L及び第4アームフレーム32Rは、機体幅方向B3で並べて配置され且つ複数の連結プレート35によって相互に連結されている。第3アームフレーム32L及び第4アームフレーム32Rは中空部材で形成されている。第3アームフレーム32Lと第4アームフレーム32Rとの基部側32a間に枢支部材31Bの先端側31Bbが挿入されている。第3アームフレーム32L及び第4アームフレーム32R(第2アーム部32)は、機体幅方向B3に延伸する軸心を有するアーム枢軸(第2アーム枢軸という)33Bによって枢支部材31Bに枢支されている。
第2アーム部32の基部側32aであって第2アーム枢軸33Bよりも先端側32b寄りには、シリンダ取付部32cが設けられている。このシリンダ取付部32cとシリンダステー34とにわたって第2アームシリンダ(第2油圧シリンダ)C5が設けられている。第2アームシリンダC5は、走行体3に設けた油圧ポンプP1から吐出される作動油によって駆動されて伸縮する。第2アームシリンダC5を伸縮させることで第1アーム部31に対して第2アーム部32が揺動し、メインアーム29(アーム17)が屈伸(曲げたり伸ばしたりすること)する。なお、本実施形態では、メインアーム29は、最も伸びた状態で直線状となるが、最も伸びた状態で若干曲がっていてもよい。
また、第2アームシリンダC5を伸縮させることで走行体3に対してロボットハンド18を遠近方向に移動させることができる。詳しくは、第2アームシリンダC5を伸長させることでロボットハンド18を走行体3から遠ざける方向に移動させることができ、第2アームシリンダC5を収縮させることでロボットハンド18を走行体3に近づける方向に移動させることができる。
図4に示すように、第2アームシリンダC5には、第2アームシリンダC5のストロークを検出する第2ストロークセンサS2が設けられている。
図4、図8に示すように、複数の連結プレート35は、本実施形態では、第2アーム部32の長手方向に直交し且つ第3アームフレーム32Lと第4アームフレーム32Rとが対向する方向に直交する方向で対向配置された2枚で1組の連結プレート35を第2アーム部32の長手方向に間隔をあけて4組設けている。
本実施形態では、第1アーム部31及び第2アーム部32は、2枚の中空部材を繋いで構成することで、高剛性に形成されている。また、第1アーム部31を構成する第1アームフレーム31L及び第2アームフレーム31Rと、第2アーム部32を構成する第3アームフレーム32L及び第4アームフレーム32Rとを、中空部材で構成することにより、第1アームフレーム31L〜第4アームフレーム32Rの内部に、油圧ホースやハーネス等の配策部材を配策することができる。これにより、油圧ホースやハーネスの破損防止を図ることができる。また、第1アームフレーム31Lと第2アームフレーム31Rとの間に第1アームシリンダC4のピストンロッドの先端側を挿入して連結すること、第3アームフレーム32Lと第4アームフレーム32Rとの間に第2アームシリンダC5のピストンロッドの先端側を挿入して連結することによりコンパクトな構成にすることができる。
サブアーム30は、第2アーム部32に突出及び後退可能に設けられている。したがって、サブアーム30を突出及び後退させることにより、アーム17の長さが伸縮可能である。図4、図8に示すように、サブアーム30は、角パイプによって直線状に形成されている。サブアーム30は、第3アームフレーム32Lと第4アームフレーム32Rとの先端側(前部)間に長手方向移動可能に支持されている。また、サブアーム30は、対向する連結プレート35の間に配置されていて連結プレート35にボルト等の固定具によって固定可能とされている。サブアーム30の一側面には、第3アームフレーム32Lに当接する突起30aが設けられ、他側面には、第4アームフレーム32Rに当接する突起30aが設けられている。突起30aによってサブアーム30のがたつきを抑制することができる。
サブアーム30は、最も後退させた位置(最後退位置)では、第3アームフレーム32Lと第4アームフレーム32Rとの間に没入する。なお、サブアーム30は、最後退位置で第2アーム部32から若干突出していてもよい。
図4に示すように、サブアーム30の先端側には、接合フランジ30Aが固定されている。接合フランジ30Aには、取付フランジ36がボルト等によって取り付けられ、取付フランジ36には、吊りプレート37が固定されている。吊りプレート37にロボットハンド18が枢支され、吊り下げられる(図1参照)。つまり、ロボットハンド18は、サブアーム30の先端側に揺動可能に取り付けられる。第2アーム部32の先端側には、サブアーム30の第2アーム部32からの突出量を測定(検出)する第3ストロークセンサS3が設けられている。
サブアーム30は、例えば、第2アーム部32から最も突出させた位置(最突出位置)と、第2アーム部32に対して最も後退させた位置との2位置で使用される。なお、サブアーム30は、最突出位置と最後退位置との間で段階的に突出量を調整してもよく、また、最突出位置と最後退位置との間で任意の位置に固定できるようにしてもよい。また、サブアーム30を油圧シリンダによって突出及び後退させるようにしてもよい。
アーム17は、前後方向A3の一方側を向く作業姿勢W1(図11参照)と、前後方向A3の他方側を向くと共に屈曲させた収納姿勢W2(図1参照)とに姿勢変更可能である。本実施形態では、作業姿勢W1は、図11に示すように、走行体3の後方側を向く姿勢である。また、収納姿勢W2は、図1に示すように、走行体3の前方を向く姿勢である。
農業用ロボット1は、アーム17が作業姿勢W1にある状態で、作物2の収穫作業等の作業を行う。アーム17が作業姿勢W1にある状態で、回動フレーム21を左方または右方に回動させると共にアーム17を昇降及び屈伸させることにより、ロボットハンド18を任意の位置に移動させることができる。つまり、ロボットハンド18を作物2の上方に移動させると共に下降させて該ロボットハンド18によって作物2を把持することができる。
図1に示すように、収納姿勢W2では、アーム17は、第1アーム部31が走行体3の上方を前方に向かうにつれて上方に移行する傾斜方向に延伸しており、且つ第2アーム部32が走行体3の前後方向A3の中途部の上方から前方に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延伸している。サブアーム30は、最後退位置に位置させている。
本実施形態にあっては、アーム17を回動可能に支持する回動フレーム21が走行体3の後部に設けられ、アーム17が後方側を向く作業姿勢W1にある状態で作物2の収穫作業を行うので、作業範囲を広くとることができる。
また、作業姿勢W1では、第1アーム部31の先端側31cが走行体3よりも後方側に位置しているのに対して、収納姿勢W2では、第1アーム部31の先端側31cは、走行体3(機体6)の前端よりも後方に位置していて、第1アーム部31が走行体3の上方に位置している(図例では、第1アーム部31の先端側31cは、走行体3の前後方向の略中央部の上方に位置している)。これにより、移動時や格納時等の非使用時に、農業用ロボット1を前後方向A3にコンパクトにすることができる。
本実施形態の農業用ロボット1にあっては、アーム17を油圧シリンダによって揺動させる構成にすることにより、10kgを超えるスイカ等の重量作物を容易に持ち上げ搬送することができる。また、第1アームシリンダC4及び第2アームシリンダC5の動力源(油圧源)として、走行体3に装備した油圧ポンプP1を利用する(走行体3側の油圧アクチュエータを駆動する動力源とマニピュレータ4側の油圧アクチュエータを駆動する動力源とが別々の動力源でない)ことから、コンパクトに構成することができる。
図12、図13に示すように、装着部19の上面側には、回動規制部材38と位置決め部材39とが設けられている。回動規制部材38及び位置決め部材39は、本実施形態では、それぞれ1本のピンによって形成されている。なお、回動規制部材38及び位置決め部材39は、ピンに限定されることはない。回動規制部材38は、アーム17が作業姿勢W1にあるときの回動フレーム21の回動を規制する。アーム17が作業姿勢W1にあるときの回動フレーム21の回動を規制することで、アーム17に配策される油圧ホース及びハーネスが回動フレーム21に巻き付いたり、破損するのを防止することができる。位置決め部材39は、回動フレーム21の回動を規制してアーム17を収納姿勢W2に位置決めする。位置決め部材39で回動フレーム21の回動を規制することで、回動フレーム
21を迅速且つ正確にアーム17の収納姿勢W2の位置に回動させることができる。
本実施形態では、図12に示すように、回動規制部材38は、回動フレーム21の右側方(側方)に配置されている。図12の上図に示すように、アーム17が回動フレーム21から後方に延伸する状態(後向き状態W3)から回動フレーム21を矢印Y3で示す第1回動方向(反時計方向)に90°回動すると、図12の下図に示すように、回動フレーム21(シリンダブラケット)は回動規制部材38に当接する。これにより、回動フレーム21の回動が規制される。
本実施形態では、図13に示すように、位置決め部材39は、回動フレーム21の前方側で且つ右寄りに配置されている。図13の上図に示すように、アーム17が後向き状態W3にある位置から回動フレーム21を矢印Y4で示す第2回動方向(時計方向)に180°回動すると、回動フレーム21は位置決め部材39に当接する。
以上のように、本実施形態では、回動フレーム21が回動規制部材38に当接した状態から時計回りに回動して位置決め部材39に当接するまでの回動範囲は、略270°に設定されている。なお、回動フレーム21の回動範囲は、270°に限定されることはない。
なお、回動規制部材38を回動フレーム21の左側方に配置し、回動フレーム21の第2回動方向Y4の回動でアーム17が作業姿勢W1にあるときの回動フレーム21の回動を規制するようにしてもよい。この場合、位置決め部材39は、回動フレーム21の前方側で且つ左寄りに配置され、回動フレーム21の第1回動方向Y3の回動でアーム17を収納姿勢W2に位置決めする。即ち、回動モータM2を正逆回転することで、回動フレーム21は、回動軸心J1回りの第1回動方向Y3と第1回動方向Y3の反対方向である第2回動方向Y4とに回動可能であり、回動規制部材38は、回動フレーム21の第1回動方向Y3及び第2回動方向Y4のうちの一方の方向の回動を規制し、位置決め部材39は、回動フレーム21の第1回動方向Y3及び第2回動方向Y4のうちの他方の方向の回動を規制する。
図1に示すように、本実施形態では、撮像装置5は、回動フレーム21に取り付けられている。詳しくは、アームブラケット26の上部に支柱40を介して取り付けられている。これに限定されることはなく、撮像装置5は、走行体3等に取り付けてもよい。また、撮像装置5は複数箇所に設けられていてもよい。つまり、農業用ロボット1は、撮像装置5を複数有していてもよい。撮像装置5は、走行体3の周囲を撮影可能であって、走行体3の周囲の情報を撮影によって取得する。
撮像装置5は、例えば、ステレオカメラやレーザカメラ等の測距機能を有するカメラが採用される。ステレオカメラは、撮影した画像(イメージ)の視差データを生成し、カメラ(レンズ)と対象物(例えば、作物2や後述する運搬車48等の農業用ロボット1の周囲の物体や走行領域の境界等)までの距離を測定(計測)することができるカメラである。レーザカメラは、照明光として長距離まで届くレーザーを使用し、CCDカメラで撮影することでカメラと対象物までの距離を測定するカメラシステムである。
また、撮像装置5は、複数台のカメラで走行体3の周囲(前方、後方、左方及び右方)を撮影するものであってもよいし、1台で走行体3の周囲360°撮影することのできる全方位(360°)カメラで構成されていてもよい。
なお、作物2の品質をセンシングすることのできるカメラ(例えば、マルチスペクトルカメラ、遠赤外線カメラ、近赤外線分光カメラ等)をロボットハンド18や走行体3等に設けてもよい。これにより、作物2の品質をセンシングしながら収穫すべき作物2を選択して収穫することができる。
図14に示すように、農業用ロボット1は、制御装置41を有している。制御装置41は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)などを備えたマイクロコンピュータを利用して構成される。
制御装置41には、撮像装置5が接続されている。制御装置41は、撮像装置5が取得(検知)した情報(検知情報)を取得可能である。撮像装置5の検知情報によって、収穫
すべき作物2、作物2との距離、作物2が栽培される栽培地と栽培地との間の通路と栽培地との境界、農業用ロボット1の周囲の様子等を制御装置41に把握(認識)させることができる。
制御装置41には、走行装置7が接続されている。制御装置41は、走行制御部41Aを有している。走行制御部41Aは、撮像装置5が取得した情報(検知情報)に基づいて、操向シリンダC1、第1昇降シリンダC2、第2昇降シリンダC3及び走行モータM1を制御する。即ち、走行制御部41Aは、走行装置7を制御する。走行制御部41Aが走行装置7の速度制御及び操向制御等を行うことで、走行体3が自律走行する。また、走行制御部41Aは、機体6の昇降、傾き等の制御を行う。
なお、走行体3を自律走行させるのに、ライダー(LiDAR: Light Detection And Ranging)によって行ってもよい。ライダーは、1秒間に何百万回ものパルス状の赤外線等を照射し、跳ね返って戻ってくるまでの時間を測定することで、走行体3周辺の3Dマップを構築する光を用いたリモートセンシング技術である。
制御装置41には、第1ストロークセンサS1が接続されている。制御装置41は、第1ストロークセンサS1の検出情報を取得可能であり、第1ストロークセンサS1の検出情報によって制御装置41に第1アーム部31の揺動量を把握させることができる。また、制御装置41には、第2ストロークセンサS2が接続されている。制御装置41は、第2ストロークセンサS2の検出情報を取得可能であり、第2ストロークセンサS2の検出情報によって制御装置41に第1アーム部31に対する第2アーム部32の揺動量を把握させることができる。
なお、第1アーム部31及び第2アーム部32の揺動量は、ポテンショメータによって直接検出し、このポテンショメータのポテンショ値を制御装置41に送信するようにしてもよい。
図14に示すように、制御装置41には、回動モータM2、第1シリンダ制御弁42、第2シリンダ制御弁43が接続されている。制御装置41は、回動モータM2を制御することで回動フレーム21の回動を制御するフレーム制御部41Bを有している。フレーム制御部41Bは、回動規制部材38で規制された回動フレーム21の位置を基準(旋回原点)として回動フレーム21の回動を制御する。つまり、フレーム制御部41Bは、旋回原点を基準として回動フレーム21の回動位置を算出し、回動フレーム21の回動を制御する。したがって、収穫作業を開始する前(初期)に、回動フレーム21を一度回動規制部材38まで回動させておき、回動フレーム21の初期位置を制御装置41に把握させておく。
第1シリンダ制御弁42、第2シリンダ制御弁43は、例えば、パイロット式の電磁弁によって構成されている。第1シリンダ制御弁42は、第1アームシリンダC4を制御し第2シリンダ制御弁43は、第2アームシリンダC5を制御する。制御装置41は、第1シリンダ制御弁42、第2シリンダ制御弁43を制御することで第1アーム部31及び第2アーム部32の揺動を制御するアーム制御部41Cを有している。つまり、制御装置41は、アーム17の昇降を制御する。
アーム制御部41Cは、第1シリンダ制御弁42の第1ソレノイド42a及び第2ソレノイド42bを励磁又は消磁させることによって、第1シリンダ制御弁42を中立位置42cから第1位置42d又は第2位置42eに切り換える。第1位置42dに切り換えると、第1アームシリンダC4が伸長し、これにより、第1アーム部31(アーム17)が上方揺動する。第2位置42eに切り換えると、第1アームシリンダC4が収縮し、これにより第1アーム部31(アーム17)が下方揺動する。また、アーム制御部41Cは、第2シリンダ制御弁43の第1ソレノイド43a及び第2ソレノイド43bを励磁又は消磁することによって、第2シリンダ制御弁43を中立位置43cから第1位置43d又は第2位置43eに切り換える。第1位置43dに切り換えると、第2アームシリンダC5が伸長し、これにより、第2アーム部32が上方揺動する。第2位置43eに切り換えると、第2アームシリンダC5が収縮し、これにより、第2アーム部32が下方揺動する。
以上のように、制御装置41は、フレーム制御部41Bによって回動モータM2による
回動フレーム21の回動を制御可能であり、アーム制御部41Cによって第1アームシリンダC4の伸縮による第1アーム部31の揺動及び第2アームシリンダC5による第2アーム部32の揺動を制御可能である。これによって、制御装置41は、ロボットハンド18を任意(所望)の位置に移動させることができる。詳しくは、回動フレーム21の回動による回動軸心J1を中心とする円周方向のロボットハンド18の移動、第1アーム部31の上下揺動によるロボットハンド18の昇降、第2アーム部32の揺動によるロボットハンド18の走行体3に対する遠近方向の移動によって、ロボットハンド18を目的の位置に移動させることができる。また、制御装置41は、撮像装置5の検知情報に基づいてロボットハンド18を収穫すべき作物2へロボットハンド18を移動させるようにマニピュレータ4を作動させる。
図14に示すように、制御装置41には、第3ストロークセンサS3が接続されている。制御装置41は、第3ストロークセンサS3の検出情報を取得可能であり、第3ストロークセンサS3の検出情報によって制御装置41にサブアーム30の突出量を把握させることができる。
ところで、回動フレーム21の回動位置、第1アーム部31及び第2アーム部32の揺動量が同じであっても、サブアーム30を突出させていない場合と、突出させている場合とでは、ロボットハンド18の位置は異なる。そこで、制御装置41は、サブアーム30の突出量を加味(考慮)してロボットハンド18の位置を制御する。
図14に示すように、第1アームシリンダC4及び第2アームシリンダC5の油圧制御回路44には、圧力センサ45が設けられている。圧力センサ45は、第1シリンダ制御弁42と第1アームシリンダC4のロッド側(ピストンロッドが突出する側)の油室とを接続する第1接続油路44a、第1シリンダ制御弁42と第1アームシリンダC4のボトム側(ヘッド側)の油室とを接続する第2接続油路44b、第2シリンダ制御弁43と第2アームシリンダC5のロッド側の油室とを接続する第3接続油路44c、第2シリンダ制御弁43と第2アームシリンダC5のボトム側の油室とを接続する第4接続油路44dに設けられている。圧力センサ45の検出情報によって、アーム17(第1アームシリンダC4及び第2アームシリンダC5)に作用する負荷を検出することができる。
図14に示すように、各圧力センサ45は、制御装置41に接続されている。制御装置41は、各圧力センサ45の検出情報を取得可能である。制御装置41は、アーム17に作用する負荷(作物2の重さ)に応じて、油圧ポンプP1の出力を制御する力制御が可能である。
なお、圧力センサ45は、第1接続油路44aと第2接続油路44bとの両方に設ける必要はなく、いずれか一方に設けられていていればよい。また、圧力センサ45は、第3接続油路44cと第4接続油路44dとの両方に設ける必要はなく、いずれか一方だけに設けてもよい。
次に、図15を参照して、作物2を収穫する場合について説明する。図15は、作物2としてのスイカが栽培された圃場を示している。
図15に示すように、圃場には、作物2が栽培された栽培地46Aと該栽培地46Aに隣接する栽培地46Bとの間に通路47があり、作物2は、栽培過程で通路47側に寄せて育成される。走行体3は、通路47を走行する。走行体3の後方には、例えば、走行体3に追従して走行する追従型の自走式運搬車48が配置される。作物2が通路47側に寄せて育成されている場合は、アーム17は、サブアーム30を突出させない状態で使用する。
本実施形態の農業用ロボット1で作物2を収穫するにあたっては、走行体3は前進方向に進行し、マニピュレータ4は作業姿勢W1にした状態(例えば、アーム17を斜め後方に伸ばした状態)でロボットハンド18の位置制御を行って作物2の収穫を行う。収穫した作物2は、ロボットハンド18の位置制御を行って運搬車48に積み込む。なお、作物2から延びるツタは、収穫作業をする前に切っておくか、或いは、ロボットハンド18またはアーム17の先端側に切断装置を装備しておき、該切断装置によって収穫作業時(ロボットハンド18で作物2を把持した際)に切断する。
また、作物2が通路47から遠い場所にある場合は、アーム17は、サブアーム30を突出させて延ばした状態で使用する。サブアーム30を突出または後退させてアーム17を伸縮させることにより、作物位置、作業形態に合わせたアーム寸法(アーム長さ)をとることができる。
なお、作物2を収穫した後に、ロボットハンド18の代わりにアーム17の先端側にレーキ(熊手)を取り付けて、収穫後にツタや葉を引き寄せる(かき寄せる)作業をすることもできる。この場合、アーム17は、サブアーム30を突出させて延ばした状態で使用することにより、通路47から遠い場所にあるツタや葉を引き寄せることができる。
なお、上記では、前進しながら作業をする場合を説明したが、後進しながら作業をすることもできる。
本実施形態の農業用ロボット1は、種々の設計変更が可能である。例えば、アーム17に、サブアーム30を設けない場合もある。即ち、アーム17を第1アーム部31と第2アーム部32とで構成することもできる。また、収穫した作物2が収容される運搬車48は、追従型の自走式運搬車でなくてもよく、走行体3に牽引される牽引式の運搬車であってもよい。つまり、走行体3の後方を走行体3の走行に伴って移動する運搬車48であればよい。また、収穫した作物2を収容する収容容器を機体6に装備してもよい。
次に、ロボットハンド18の構成を詳細に説明する。
以下の説明において、外方とは、ロボットハンド18の中心を通る上下方向に延伸する中心線L1から該中心線L1に直交する方向に離れる方向(図16の矢印L2方向)をいう。また、内方とは、外方とは反対の方向をいう。つまり、内方とは、中心線L1に近づく方向(図16の矢印L3方向)である。
図16に示すように、ロボットハンド18は、アーム17に取り付けられていて、アーム17を昇降することにより昇降可能である。また、ロボットハンド18は、吸引により作物2を把持する。
ロボットハンド18は、アーム17に取り付けられる取付部116と、作物2を把持する把持部117とを有している。
取付部116は、一対のブラケット板64と、取付具66とを有している。一対のブラケット板64は、後述するハンドフレーム63の上板63Aに固定されている。また、一対のブラケット板64は、中心線L1に直交する方向で対向状に且つ中心線L1を挟んで配置されている。一対のブラケット板64には、中心線L1に直交する方向に延伸する軸心を有する支軸65が設けられている。取付具66は、支軸65に軸心回りに回動可能に支持されている。取付具66は、枢軸67を介してアーム17の先端側に設けられた吊りプレート37に軸心回りに回動可能に支持されている。枢軸67は、支軸65の軸心に直交する方向に平行な軸心を有している。したがって、ロボットハンド18は、アーム17に、支軸65の軸心回り及び枢軸67の軸心回りに揺動可能に支持されている。
図16に示すように、把持部117は、取付部116を介してアーム17に揺動可能に支持されるハンドフレーム63を有している。ハンドフレーム63は、図18にも示すように、上板63Aと、上板63Aの下方に配置された下板63Bと、上板63Aと下板63Bとの間に配置されて上板63Aと下板63Bとを連結する複数の連結板63Cとを有している。上板63A及び下板63Bは、中心線L1を中心とする円形状に形成されている。
図17、図18に示すように、下板63Bの中心部には、円形の開口69が形成されている。複数の連結板63Cは、開口69の周りに設けられている。本実施形態では、連結板63Cは、8枚設けられ、中心線L1回りの周方向Y1に等間隔をあけて配置されている。
図23に示すように、下板63Bは、連結板63Cの下端側に固定されたステー片110にボルト111を介して取り付けられている。
図16に示すように、把持部117(ロボットハンド18)は、作物2を吸引して保持する(吸着する)保持具70を有している。保持具70は、ハンドフレーム63に取り付けられている。この保持具70は、ベルヌーイ効果を利用して作物2を吸引保持するもの
である。つまり、保持具70は、気流によって作物2との間に発生する(保持具70下部に形成される)負圧により作物2を吸引保持する。
図18、図24〜図28は、第1形態に係る保持具70を示している。
図18に示すように、保持具70の中心を通る上下方向に延伸する中心線CL1(図27参照)は、ロボットハンド18の中心線L1に一致している。保持具70は、ハンドフレーム63に取り付けられるベース部73と、ベース部73の下方部に設けられた保持具本体74とを有している。
図18、図27に示すように、ベース部73は、下板63Bの下面側に配置され、下板63Bにボルト等の固定具によって取り付けられる。ベース部73は、上部73aが下部73bよりも小径の段付き円柱状に形成されている。ベース部73は、圧縮気体AR(図28参照)を供給するための供給穴75を有している。供給穴75は、中心が保持具70の中心に一致するように、ベース部73を上下方向で貫通して形成されている。供給穴75は、下部の大径穴75aと、大径穴75aよりも小径に形成された上部の小径穴75bとを有している。
図18に示すように、供給穴75は、供給管路120等を介して圧縮気体源(例えば、コンプレッサ等)76に接続されている。したがって、圧縮気体源76から吐き出される圧縮気体ARが供給管路120及び供給穴75を介して保持具本体74内に供給される。
図14に示すように、圧縮気体源76は、制御装置41に接続されている。制御装置41は、圧縮気体源76を制御する気体源制御部41Dを有している。
図18、図27に示すように、保持具本体74は、吸盤部72と、円状壁部118と、複数の連結部119とを有している。吸盤部72は、環状壁部121と、環状壁部121の下方部に形成された外壁部122とを有している。環状壁部121と外壁部122とは、軟質材料によって一体形成されている。言い換えると、吸盤部72は、ゴム等(例えば、シリコンゴム、ウレタンゴム等)の弾性材料によって形成されている。
図27に示すように、環状壁部121は、中心線CL1を中心とする環状(リング状)の壁部であって、ベース部73の外周部下面73cに固着されている。外壁部122は、中心線CL1を中心とする筒状に形成されている。詳しくは、外壁部122は、環状壁部121の外周部121aから下方側に延出する筒状であって、下方に向かって広がるスカート状に形成されている。言い換えると、外壁部122は、下方に向かうにつれて漸次拡径する截頭円錐形の筒状に形成されている。外壁部122の上部122aは、上方に向かうにつれて漸次厚肉となるように形成されている。外壁部122の下部122bは、厚みが略均一な薄肉に形成され、弾性変形可能である。
図27に示すように、円状壁部118は、中心線CL1を中心とする円板状に形成され、ベース部73の下方に間隔をあけて配置されている。したがって、供給穴75は、ベース部73における円状壁部118の中心側の部位(中心側部位)118aの上方の位置に形成されている。円状壁部118は、吸盤部72の内部の中途部、詳しくは、外壁部122の内部の上部に配置されている。また、円状壁部118の外周部118bは、環状壁部121の内周部121bの下方に位置している。言い換えると、環状壁部121は、円状壁部118の外周側の上方に配置されている。
図27に示すように、複数の連結部119は、円状壁部118とベース部73とを連結している。複数の連結部119は、上下方向に延伸する柱状に形成され、環状壁部121の内方側に、該環状壁部121とは間隔をあけて配置されている。また、複数の連結部119は、円状壁部118の中心側部位118aの周りに、周方向(中心線CL1回りの円周方向)に間隔をあけて配置されている。本実施形態にあっては、各連結部119の内方側端部が供給穴75の大径穴75aの内面端部に略一致している。各連結部119は、上端がベース部73の下面に固定され、下端が円状壁部118の上面に固定されている。つまり、複数の連結部119によって円状壁部118がベース部73に懸下支持される。
保持具本体74の中央部に供給された圧縮気体ARは、保持具本体74の中央部から連結部119の間を通って外方側へ流れる。供給穴75の下方には、障害物となるものがないので、供給穴75から供給された圧縮気体ARは、後述する吐出部123へスムーズに
流れる。
図27に示すように、保持具本体74は、外壁部122の内面122cに沿って流れる気流AF(図28参照)を吐出する吐出部123を有している。吐出部123は、円状壁部118の外周側に設けられており、保持具本体74内に供給された圧縮気体ARを外壁部122の内面122cに向けて吐出する吐出流路124を有している。吐出部123は、円状壁部118の外周部上面118b1と環状壁部121の内周部下面121b1とで構成される。外周部上面118b1と内周部下面121b1との間には極小な隙間があけられ、この隙間が吐出流路124とされている。つまり、吐出流路124は、外周部上面118b1と内周部下面121b1との間に形成される環状の隙間によって構成される。
図28に示すように、供給穴75から保持具本体74内に供給された圧縮気体ARは、吐出部123へと流れ、吐出流路124を通って外壁部122の内面122cの上部側に向けて吐出される。吐出部123から吐出された気流AFは、外壁部122の内面122cに沿って下方に流れる。したがって、吐出部123から気流AFを吐き出しながらロボットハンド18(保持具70)を作物2に近づけていくと、外壁部122の内側を流れる気流AFが外壁部122の下端部122dと作物2の表面との間から抜けていき、この気流AFに外壁部122の内部の空気がひっぱられて吸盤部72の外部に排出されることにより、外壁部122の内部が負圧になっていく。外壁部122の内部が負圧になることにより、作物2が保持具70に吸引され保持される。また、外壁部122の下端部122dと作物2の表面との間から抜けていく気流AFの層が反発力として作用し、外壁部122の下端部122dと作物2との接触を阻止するため、作物2が非接触で懸垂保持される。
また、吸引して保持する作物2がスイカのように表面形状が湾曲状である場合、外壁部122の内部が負圧になっていくと、該負圧にひっぱられて外壁部122の下端部122dが作物2に寄っていく(近接する)ように外壁部122が弾性変形する。これにより、外壁部122の下端部122dと作物2との間の隙間を適正にすることができるので、外壁部122内部に発生する負圧を高めることができ、十分な吸引効果を発揮することができる。つまり、吸引する相手である吸引対象物の表面形状が湾曲状であっても、外壁部122が吸引対象物の表面形状に馴染みながら、外壁部122と吸引対象物との間から吸引対象物に沿って空気を吐き出すことができ、十分な負圧を得易い。
また、従来のように、保持具の吸引対象物に対向する保持面が平坦状である場合、吸引対象物と保持具とが水平方向に相対移動することが考えられるが、本実施形態では、外壁部122は、下方に向かうにつれて漸次拡径する截頭円錐形の筒状に形成されているので、吸引対象物がスイカのような球状等である場合に、吸引対象物の一部が外壁部122の内部に入り込み、吸引対象物(作物2)と保持具70との水平方向の相対移動を抑制することができる。
本実施形態の農業用ロボット1にあっては、ロボットハンド18をアーム17によって作物2の上方に移動させると共に下降させて作物2を保持具70によって吸引し保持するが、図24に2点鎖線で示すように、作物2がロボットハンド18の真下位置から水平方向に位置ずれしていて、吸盤部72の向きが作物2の中心O1に向いていないときには、作物2を良好に吸引するのが困難になる。そこで、本実施形態のロボットハンド18(把持部117)は、図16、図17に示すように、吸盤部72が作物2に近接する前に作物2に当接して吸盤部72(保持具70)が作物2に向くようにハンドフレーム63を揺動させるガイド機構77を備えている。
図16、図17に示すように、ガイド機構77は、複数のガイドアーム78と、各ガイドアーム78に対して設けられた複数の第1バネ部材79とを有している。本実施形態では、ガイドアーム78は、保持具70(吸盤部72)の周囲に8つ設けられている。したがって、第1バネ部材79も8つ設けられている。8つ(複数)のガイドアーム78は、保持具70の周囲に周方向Y1に等間隔をあけて配置されている。
図19に示すように、ガイドアーム78は、上部が下板63Bにブラケット部材80を介して取り付けられ、下部は吸盤部72よりも下方に突出するように設けられている。
図20、図21、図22に示すように、ブラケット部材80は、板材によって形成され
、取付壁80aと、延出壁80bと、複数の支持壁80cと、バネ掛け壁80dとを有している。取付壁80aは、下板63Bの外周側に取り付けられる。取付壁80aの外方側の端部は、下板63B及び保持具70から外方側にはみ出ている。延出壁80bは、取付壁80aの外方側端部から下方に延出されている。延出壁80bは、保持具70の上部(ベース部73)の外方側に対向状に位置している。複数の支持壁80cは、延出壁80bの周方向Y1の一端側から外方側に延出された第1支持壁80c1と、延出壁80bの周方向Y1の他端側から外方側に延出された第2支持壁80c2とを含む。バネ掛け壁80dは、取付壁80aの周方向Y1の一端側から上方に延出されて形成されている。
図19に示すように、ガイドアーム78は、ブラケット部材80に枢支される基部81と、基部81から下方に延出されたアーム部82と、アーム部82の下部に取り付けられた取付板83と、取付板83に取り付けられたローラ84とを有している。
図20、図22に示すように、基部81は、第1支持壁80c1の内側に配置される第1支持片81aと、第2支持壁80c2の内側に配置される第2支持片81bと、第1支持片81aと第2支持片81bの外方側端部同士を連結する連結壁81cとを有している。基部81は、回動支軸85によってブラケット部材80に枢支されている。回動支軸85は、第1支持壁80c1、第2支持壁80c2、第1支持片81a及び第2支持片81bを、板厚方向で貫通している。したがって、ガイドアーム78は、ハンドフレーム63にブラケット部材80を介して回動支軸85回りに揺動可能に支持されている。
図20、図21に示すように、基部81は、ブラケット部材80に当接することでガイドアーム78の内方側への揺動を規制する規制部81dを有している。規制部81dは、第1支持片81aの内方側に設けられている。規制部81dは、ブラケット部材80の延出壁80bの下端に当接することで、ガイドアーム78の内方側への揺動を規制する。したがって、ガイドアーム78は、図16に示す位置から外方側(複数のガイドアーム78が広がる方向)に揺動可能である。
図19、図21に示すように、第1支持片81aの下部には、バネ掛け部81eが形成されている。
図16、図19に示すように、アーム部82は、基部81の連結壁81cから下方に延出されている。詳しくは、アーム部82は、連結壁81cの下端から下方に向かうにつれて外方に移行する傾斜方向に延びた後、下方に向けて緩やかに屈曲している。
図19に示すように、取付板83は、上部がアーム部82の下部の外方側の面に取り付けられ、下部はアーム部82の下端から下方に突出している。取付壁80aの下部の内方側の面には、ローラブラケット86が固定されている。ローラ84は、ローラブラケット86に回転可能に枢支されている。複数(本実施形態では8つ)のローラ84は、中心線L1を中心とする同一円周上に配置されている。
図19、図20に示すように、第1バネ部材79は、ねじりコイルバネによって形成されている。第1バネ部材79のコイル部79aは、第1支持片81aと第2支持片81bとの間で回動支軸85の外側に嵌められている。第1バネ部材79の一端79bは、取付壁80a上に当接している。第1バネ部材79の他端79cは、バネ掛け部81eに引っ掛けられている。第1バネ部材79の付勢力は、ガイドアーム78を内方側へ揺動させる方向に作用している。
ロボットハンド18で収穫する作物2によっては、作物2がツタ(茎)や葉等で覆われていることがある。作物2がツタや葉で覆われていると、吸盤部72(把持部117)と作物2との間にツタや葉が入って吸引保持(吸着)の邪魔になる場合がある。そこで、ロボットハンド18(把持部117)は、保持具70で作物2を吸着する前に、作物2における保持具70で吸着する部分である吸着予定部分87(図24、図25参照)のツタを払い除ける払い除け機構88を備えている。
図16に示すように、払い除け機構88は、吸着予定部分87のツタを払い除ける払い除けアーム89と、払い除けアーム89を付勢する第2バネ部材(付勢部材)90とを有している。
図17に示すように、本実施形態では、8つ(複数)の払い除けアーム89が設けられ
ている。払い除けアーム89は、周方向Y1で隣接するガイドアーム78の間に設けられている。即ち、ガイドアーム78と払い除けアーム89とは、周方向Y1に交互に配置されている。
図18に示すように、払い除けアーム89は、ツタを払い除ける払い除けツメ91と、払い除けツメ91を支持するリンク機構92とを有しており、ハンドフレーム63に揺動可能に取り付けられている。払い除けツメ91は、第1部位91aと、第2部位91bと、第3部位91cとを有している。第1部位91aは、保持具70の外方側に配置され、上下方向に延伸している。第1部位91aの下部は、保持具70よりも下方に突出している。第2部位91bは、第1部位91aの下端から内方(中心線L1)に向かうにつれて下方に移行する傾斜方向に延出されている。第3部位91cは、第2部位91bの下端から下方に延出されている。第3部位91cは、中心線L1の近傍に位置している。言い換えると、第3部位91cは、保持具70が作物2を吸着する前の状態(自然状態)で保持具70の下方にオーバーラップして配置される。即ち、払い除けアーム89は、保持具70の下方にオーバーラップして配置される部位(第3部位91c)を有している。第3部位91cの下端は、円弧状に形成され、且つローラ84(ガイドアーム78の下端)よりも上方に位置している(図16参照)。
図18に示すように、リンク機構92は、パラレルリンクによって構成されている。したがって、払い除けツメ91は、平行移動で移動するようにリンク機構92に支持されている。リンク機構92は、第1リンク92Aと、第2リンク92Bとを有している。第1リンク92Aは、直線状に形成され、連結板63Cの上部から払い除けツメ91の上部にかけて、下方に向かうにしたがって外方に移行する傾斜方向に延伸している。第1リンク92Aは、上部が連結板63Cの上部にピン93によって枢支連結され、下部は、払い除けツメ91の上部にピン94によって枢支連結されている。第1リンク92Aの上部には、バネ掛け片109が設けられている。バネ掛け片109は、バネ掛け壁80dの上方に位置している(図23参照)。
第2リンク92Bの上部は、連結板63Cの下部にピン95によって枢支連結されている。第2リンク92Bの中途部は、第1リンク92Aの下方に平行に配置されている。第2リンク92Bの下部は、中途部の下端から下方に向けて延出しており、第1部位91aと第2部位91bとのコーナ部にピン96によって枢支連結されている。
図18に示すように、バネ掛け片109とバネ掛け壁80dとにわたって第2バネ部材90が設けられている。第2バネ部材90は、引っ張りコイルバネによって形成されている。第2バネ部材90の付勢力は第1リンク92Aを引き下げる方向に付勢しており、第2リンク92Bが下板63Bに当接することでリンク機構92(払い除けアーム89)の下方揺動が規制されている。
なお、上記ロボットハンド18において、アーム部82を帯状のバネ板によって形成してもよい。この場合、第1バネ部材79を省略することができる。また、ガイドアーム78及び払い除けアーム89の数は、上記実施形態に限定されることはない。
次に、スイカ等の地上(地面G1の上)に置かれた状態で栽培された作物2(図24参照)を収穫する場合のロボットハンド18の動作について説明する。なお、以下の動作は、作物2からのびるツタ(つる)の付け根を切断した状態で作物2を収穫する場合について述べる。
地上の作物2を収穫するには、ロボットハンド18を、図16に示す状態でアーム17によって作物2の上方に移動する。この図16に示す状態では、ロボットハンド18は、ガイドアーム78の規制部81dがブラケット部材80に当接し、払い除けアーム89が閉じた状態である。
先ず、作物2がロボットハンド18の真下に位置(図24に実線で示す位置)する状態の該作物2を収穫する場合について述べる。
図24に示すロボットハンド18が作物2の上方真上に位置する状態からアーム17を下降させてロボットハンド18を下げると、保持具70が作物2に近接する前に、先ず、払い除け機構88の払い除けツメ91の第3部位91c(下端)が作物2における吸盤部
72を近接させる部分である吸着予定部分87に当接する。
払い除けツメ91の下端が作物2に当接した後、さらにロボットハンド18が下降すると、図25に示すように、作物2からの反力によって第2バネ部材90の付勢力に抗して払い除けツメ91が作物2の表面に沿って外方に移動することによって開く。これにより、吸着予定部分87にあるツタや葉を払い除けることができ、作物2と保持具70との間にツタや葉が咬み込まれることなく、吸盤部72を作物2に好適に近接させることができる。また、作物2からの反力によって払い除けツメ91が開く際において、第2バネ部材90は、払い除けツメ91を作物2に押圧すると共に払い除ける反力によって払い除けツメ91が戻るのを抑制する。
ロボットハンド18が、さらに下降すると、払い除けツメ91が作物2の表面に沿って吸着予定部分87の範囲外(保持具70の下方範囲の外側)に移動して、吸着予定部分87にあるツタを払い除けた後、保持具70(吸盤部72)が吸着予定部分87に近接し、上記した作用で作物2を吸引し保持する。
保持具70によって吸引保持された作物2は、ロボットハンド18を上昇させることで持ち上げられる。作物2は、ロボットハンド18を所望の移動場所(追従型の自走式運搬車48等)へ移動させた後、作物2に対する吸引を解除することで解放される。作物2を解放した後は、ロボットハンド18を、次の収穫目標の作物2へ移動させ、上記した動作を繰り返すことにより、順次、作物2を収穫することができる。
一方、図24に2点鎖線で示すように、作物2がロボットハンド18の真下位置から水平方向に位置ずれしている場合、つまり、作物2の上方の真上位置からロボットハンド18水平方向に位置ずれしている場合にあっては、ロボットハンド18を作物2に向けて下降する際に、ガイド機構77は、吸盤部72が作物2に近接するよりも先に作物2に当接し、吸盤部72が作物2の中心O1に向くように把持部117(ハンドフレーム63)を揺動させる。詳しくは、図24に示すように、吸盤部72の向きが作物2の中心O1を向いていない場合、複数のガイドアーム78(ローラ84)のうちの一部が作物2に当接し、複数のガイドアーム78(ローラ84)のうちの一部が作物2に当接しない状態となる。この図24に示す状態からさらにロボットハンド18が下降すると、該ロボットハンド18の下降により、図26に示すように、ガイド機構77は、すべてのガイドアーム78が作物2に当接するようにハンドフレーム63を揺動させ、吸盤部72の向きを作物2の中心O1の方に向ける。これにより、吸盤部72によって作物2を確実に吸着(吸引)することができる。
一方、ガイド機構77は、作物2の大きさが初期の状態(図16に示す状態)におけるローラ84が配置される円周の大きさよりも大きい場合、吸盤部72を作物2に押し当てる過程で、ガイドの機能を保ったまま作物2の形状に合わせて逃げることができる。言い換えると、ガイド機構77は、ロボットハンド18の下降によって各ガイドアーム78が作物2に押しつけられると、図25、図26に示すように、各ガイドアーム78が作物2からの反力によって押圧されて外方に揺動することによって広がる。
図29、図30は、第2形態に係る保持具70を示している。
第2形態に係る保持具70は、内壁部125と、複数の接続部126と、複数の突起127とを有している。その他の構成は第1形態と同様に構成されているので説明を省略する。
図29に示すように、内壁部125は、軟質材料によって下方に開口する筒状に形成されており、外壁部122の内側に所定間隔をあけて配置されている。また、内壁部125は、外壁部122と同様に下方に向かって広がるスカート状に形成されている。言い換えると、内壁部125は、下方に向かうにつれて漸次拡径する截頭円錐形の筒状に形成されている。内壁部125は、外壁部122と一定間隔をあけて配置されている。また、内壁部125は、円状壁部118の外周部118bから一体的に延出されている。したがって、円状壁部118は、軟質材料によって内壁部125と一体形成されている。円状壁部118と内壁部125とを軟質材料によって一体形成することにより、内壁部125の変形をし易くすることができる。なお、ここでは円状壁部118は、軟質材料によって内壁部
125と一体形成されているが、円状壁部118と内壁部125とを別部材で形成して連結してもよい。
図29に示すように、複数の接続部126は、内壁部125と外壁部122との間隔を一定間隔に保つように、内壁部125と外壁部122とを接続している。また、各接続部126は、内壁部125と外壁部122とを局部的に接続している。また、各接続部126は、相互に間隔をあけて配置されていて、中心線CL1周りの円周方向で隣接する接続部126の間を気流AFが通り抜けることができる。したがって、吐出部123から吐出された気流AFは、内壁部125と外壁部122との間を下方に流通可能である。つまり、接続部126は、内壁部125と外壁部122との間に気流AFが流通するように内壁部125と外壁部122とを接続している。
図29に示すように、複数の突起127は、外壁部122の下端部122dに、外壁部122より下方に突出するように設けられている。また、複数の突起127は、外壁部122の周方向に間隔をあけて全周にわたって設けられている。したがって、内壁部125と外壁部122との間を上から下へと流れる気流AFは、隣接する突起127間から外部へ流出可能である。各突起127は、半球状に形成され、下面が球面状に形成されている。なお、突起127は半球状に限られず円錐状、四角形状、三角形状など様々な形状とすることができる。
この第2形態に係る保持具70にあっては、吐出部123から吐出された気流AFは、すべてが内壁部125と外壁部122との間を流通する。このため、吐出部123から吐出された気流AFのすべてを、吸盤部72内部の負圧の発生に貢献させることができる。また、図30に示すように、作物2を吸引する際において、内壁部125と外壁部122とが一定間隔を保ちながら作物2に馴染んで変形する。それ故、内壁部125と外壁部122との間の気流流通経路の入口から出口まで気流AFの流れを整流することができる。これにより、吐出部123から吐出された気流AFを、吸盤部72の下端から全周にわたって安定して吐き出すことができ、安定的な負圧を得ることができる。
また、図30に示すように、作物2を吸引する際において、突起127が作物2に当たることにより、吸盤部72に対して作物2が水平方向にずれるのを抑制することができる。また、外壁部122及び内壁部125の截頭円錐形状と、吸盤部72の下端に全周にわたって設けられた突起127とが相まって、吸盤部72に対する作物2のずれを適正に抑制することができる。
また、突起127が作物2に当たることにより、吸盤部72が全周にわたって作物2に対して浮いた状態を保つことができる。これにより、気流AFを、吸盤部72の下端から該吸盤部72の全周にわたって満遍なく吐き出すことができ、より安定的な負圧を得ることができる。
上記ロボットハンド18(保持具70)によって吸引保持する吸引対象物(ワーク)は、作物2以外のものであってもよい。また、保持具70が吸引保持するワークによっては、ガイド機構77、及び/又は、払い除け機構88は省略することができる。
上記のロボットハンド18は、ワーク(作物2)を保持する保持具70を備えたロボットハンド18であって、保持具70は、軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された外壁部122と、外壁部122の内面122cに沿って流れる気流AFを吐出する吐出部123とを有し、気流AFによって外壁部122の内部に発生する負圧によりワーク2を吸引して保持する。
この構成によれば、ワークの表面形状が湾曲状である場合でも、外壁部がワークの表面形状に馴染みながら、外壁部内からワークに沿って気流を吐き出すことができ、十分な負圧を得易い。これにより、ワークを好適に吸引することができる。
また、外壁部122は、下方に向かって広がるスカート状に形成されている。
この構成によれば、湾曲形状のワークを好適に吸引保持することができる。
また、保持具70は、ベース部73と、ベース部73の下方に間隔をあけて配置された円状壁部118と、円状壁部118とベース部73とを連結する複数の連結部119とを有し、ベース部73は、圧縮気体ARを供給するための供給穴75であって当該ベース部
73における円状壁部118の中心側部位118aの上方の位置に形成された供給穴75を有し、複数の連結部119は、中心側部位118aの周りに周方向に間隔をあけて配置され、吐出部123は、円状壁部118の外周側に設けられている。
この構成によれば、供給穴75から供給される圧縮気体ARを吐出部123へスムーズに流すことができる。
また、保持具70は、円状壁部118の外周側の上方に配置されていてベース部73の下面に固定された環状壁部121を有し、複数の連結部119は、環状壁部121の内方側に配置され、吐出部123は、気流AFが吐出される吐出流路124であって円状壁部118の外周部上面118b1と環状壁部121の内周部下面121b1との間に形成される隙間によって構成される吐出流路124を有し、外壁部122は、環状壁部121の外周部121aから下方側に延出している。
この構成によれば、吐出流路124から吐出される気流AFを外壁部122の内面122cに沿って流すことができる。
また、保持具70は、外壁部122の内側に所定間隔をあけて配置されると共に軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された内壁部125と、内壁部125と外壁部122との間に気流AFが流通するように内壁部125と外壁部122とを接続する接続部126とを有している。
この構成によれば、吐出部123から吐出される気流AFの流れを整流することができる。
また、円状壁部118は、軟質材料によって内壁部125と一体形成されている。
この構成によれば、内壁部125の変形を容易にすることができる。
また、保持具70は、外壁部122の下端部に、外壁部122より下方に突出し且つ外壁部122の周方向に間隔をあけて設けられた複数の突起127を有している。
この構成によれば、突起127がワーク2に当たることにより、保持具70に対するワーク2の相対移動を抑制することができると共に、外壁部122の下端とワーク2との隙間を一定間隔に保持することができる。
また、農業用ロボット1は、上記ロボットハンド18と、ロボットハンド18が取り付けられる昇降可能なアーム17とを備えている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 ワーク(作物)
17 アーム
18 ロボットハンド
70 保持具
73 ベース部
75 供給穴
118 円状壁部
118a 中心側部位
118b1 外周部上面
119 連結部
121 環状壁部
121a 外周部
121b1 内周部下面
122 外壁部
122c 内面
123 吐出部
124 吐出流路
125 内壁部
126 接続部
127 突起
AF 気流
AR 圧縮気体

Claims (8)

  1. ワークを保持する保持具を備えたロボットハンドであって、
    前記保持具は、軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された外壁部と、前記外壁部の内面に沿って流れる気流を吐出する吐出部とを有し、前記気流によって外壁部の内部に発生する負圧により前記ワークを吸引して保持するロボットハンド。
  2. 前記外壁部は、下方に向かって広がるスカート状に形成されている請求項1に記載のロボットハンド。
  3. 前記保持具は、ベース部と、前記ベース部の下方に間隔をあけて配置された円状壁部と、前記円状壁部と前記ベース部とを連結する複数の連結部とを有し、
    前記ベース部は、圧縮気体を供給するための供給穴であって当該ベース部における前記円状壁部の中心側部位の上方の位置に形成された供給穴を有し、
    前記複数の連結部は、前記中心側部位の周りに周方向に間隔をあけて配置され、
    前記吐出部は、前記円状壁部の外周側に設けられている請求項1または2に記載のロボットハンド。
  4. 前記保持具は、前記円状壁部の外周側の上方に配置されていて前記ベース部の下面に固定された環状壁部を有し、
    前記複数の連結部は、前記環状壁部の内方側に配置され、
    前記吐出部は、前記気流が吐出される吐出流路であって前記円状壁部の外周部上面と前記環状壁部の内周部下面との間に形成される隙間によって構成される吐出流路を有し、
    前記外壁部は、前記環状壁部の外周部から下方側に延出している請求項3に記載のロボットハンド。
  5. 前記保持具は、前記外壁部の内側に所定間隔をあけて配置されると共に軟質材料によって下方に開口する筒状に形成された内壁部と、前記内壁部と前記外壁部との間に前記気流が流通するように前記内壁部と前記外壁部とを接続する接続部とを有している請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットハンド。
  6. 前記円状壁部は、軟質材料によって前記内壁部と一体形成されている請求項3または4を引用する請求項5に記載のロボットハンド。
  7. 前記保持具は、前記外壁部の下端部に、前記外壁部より下方に突出し且つ前記外壁部の周方向に間隔をあけて設けられた複数の突起を有している請求項1〜6のいずれか1項に記載のロボットハンド。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のロボットハンドと、
    前記ロボットハンドが取り付けられる昇降可能なアームとを備えた農業用ロボット。
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JPS57184686A (en) * 1981-05-11 1982-11-13 Hideaki Noguchi Adsorber
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